(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】ロボット車両の積荷フットプリントの協働決定
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20230113BHJP
【FI】
G05D1/02 H
(21)【出願番号】P 2021553122
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(86)【国際出願番号】 US2020021555
(87)【国際公開番号】W WO2020181257
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-11-10
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521400279
【氏名又は名称】スカイラ テクノロジーズ, インク.
【氏名又は名称原語表記】SKYLLA TECHNOLOGIES, INC.
【住所又は居所原語表記】24 Hartwell Avenue, Lexington, MA 02421 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100098899
【氏名又は名称】飯塚 信市
(74)【代理人】
【識別番号】100163865
【氏名又は名称】飯塚 健
(72)【発明者】
【氏名】ウィーバー, コータ
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-44530(JP,A)
【文献】特開2013-4023(JP,A)
【文献】特開平11-211438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペイロードを積載した第2のロボット車両の周りの命令された経路に沿って第1のロボット車両を移動させる1または複数のアクチュエータを含む前記第1のロボット車両と、
前記第1のロボット車両に結合された1または複数の距離センサであって、前記第1のロボット車両が前記命令された経路を通過するときに前記第2のロボット車両までの距離を測定するように構成される1または複数の距離センサと、
前記第1のロボット車両に結合された1または複数の画像取込みデバイスであって、前記第1のロボット車両が前記命令された経路を通過するときに前記第2のロボット車両を撮像するように構成される、1または複数の画像取込みデバイスと、
1または複数の計算システムであって、
前記第1のロボット車両が前記命令された経路を通過するときに前記1または複数の画像取込みデバイスによって集められた画像に基づいて前記第1のロボット車両に対して前記第2のロボット車両を空間的に配置し、
前記第1のロボット車両が前記命令された経路を通過するときに前記1または複数の画像取込みデバイスによって集められた画像および前記1または複数の距離センサによって集められた前記距離に基づいて、前記第2のロボット車両に固定された座標フレームに対して前記ペイロードを積載した前記第2のロボット車両の複数の幾何学的特徴点の各々の位置を特定し、
前記ペイロードを積載した前記第2のロボット車両の幾何学的モデルを生成するために前記複数の幾何学的特徴点をメッシュ化し、
前記第2のロボット車両へ前記幾何学的モデルを伝達する
ように構成される1または複数の計算システムと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記1または複数の画像取込みデバイスの視野が、前記1または複数の距離センサの視野を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のロボット車両が前記命令された経路を通過するときに前記第1のロボット車両に対して前記第2のロボット車両を前記配置することが、前記第2のロボット車両に固定された複数の基準タグの前記1または複数の画像取込みデバイスによって集められた画像に基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記計算システムが、
前記1または複数の画像取込みデバイスによって集められた前記画像および前記1または複数の距離センサによって集められた前記距離に基づいて前記複数の幾何学的特徴を検出する
ようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2のロボット車両に固定された前記座標フレームに対して前記複数の幾何学的特徴点の各々の前記位置を前記特定することが、ホモグラフィを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記計算システムが、
前記複数の幾何学的特徴点をクラスタ化し、
前記ペイロードを積載した前記第2のロボット車両の中心点と同じクラスタ内にはない幾何学的特徴点を破棄
し、
各々の後続の画像フレーム間の幾何学的特徴点を一致させ、
重複した幾何学的特徴点を統合する
ようにさらに構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
ペイロードを積載した第2のロボット車両の周りの命令された経路に沿って第1のロボット車両を移動させることと、
前記第1のロボット車両が前記命令された経路を通過するときに前記第1のロボット車両からの前記第2のロボット車両までの距離のシーケンスを測定することと、
前記第2のロボット車両が前記命令された経路を通過するときに前記第1のロボット車両から前記第2のロボット車両の画像のシーケンスを集めることと、
前記集められた画像に基づいて前記第1のロボット車両に対して前記第2のロボット車両を空間的に配置することと、
前記集められた画像および前記測定された距離に基づいて、前記第2のロボット車両に固定された座標フレームに対して前記ペイロードを積載した前記第2のロボット車両の複数の幾何学的特徴点の各々の位置を特定することと、
前記ペイロードを積載した前記第2のロボット車両の幾何学的モデルを生成するために前記複数の幾何学的特徴点をメッシュ化することと、
前記第2のロボット車両へ前記幾何学的モデルを伝達することと、
を含む、方法。
【請求項8】
前記第1のロボット車両が前記命令された経路を通過するときに前記第1のロボット車両に対して前記第2のロボット車両を前記配置することが、前記第2のロボット車両に固定された複数の基準タグを含む前記画像のシーケンスに基づく、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記画像のシーケンスおよび前記測定した距離のシーケンスに基づいて前記複数の幾何学的特徴を検出すること、
をさらに含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のロボット車両に固定された前記座標フレームに対して前記複数の幾何学的特徴点の各々の前記位置を前記特定することが、ホモグラフィを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の幾何学的特徴点をクラスタ化することと、
前記ペイロードを積載した前記第2のロボット車両の中心点と同じクラスタ内にはない幾何学的特徴点を破棄することと、
各々の後続の画像フレーム間の幾何学的特徴点を一致させることと、
重複した幾何学的特徴点を統合することと、
をさらに含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項12】
ペイロードを積載した第2のロボット車両の周りの命令された経路に沿って第1のロボット車両を移動させる1または複数のアクチュエータを含む前記第1のロボット車両と、
前記第1のロボット車両に結合された1または複数の距離センサであって、前記第1のロボット車両が前記命令された経路を通過するときに前記第2のロボット車両までの距離を測定するように構成される、1または複数の距離センサと、
前記第1のロボット車両に結合された1または複数の画像取込みデバイスであって、前記第1のロボット車両が前記命令された経路を通過するときに前記第2のロボット車両を撮像するように構成される1または複数の画像取込みデバイスと、
命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令が計算システムよって実行されるときに前記計算システムに、
前記第1のロボット車両が前記命令された経路を通過するときに前記1または複数の画像取込みデバイスによって集められた画像に基づいて前記第1のロボット車両に対して前記第2のロボット車両を空間的に配置させ、
前記第1のロボット車両が前記命令された経路を通過するときに前記1または複数の画像取込みデバイスによって集められた画像および前記1または複数の距離センサによって集められた前記距離に基づいて、前記第2のロボット車両に固定された座標フレームに対して前記ペイロードを積載した前記第2のロボット車両の複数の幾何学的特徴点の各々の位置を特定させ、
前記ペイロードを積載した前記第2のロボット車両の幾何学的モデルを生成するために前記複数の幾何学的特徴点をメッシュ化させ、
前記第2のロボット車両へ前記幾何学的モデルを伝達させる、非一時的なコンピュータ可読媒体と、
を備える、システム。
【請求項13】
前記第1のロボット車両が前記命令された経路を通過するときに前記第1のロボット車両に対して前記第2のロボット車両を前記配置することが、前記第2のロボット車両に固定された複数の基準タグの前記1または複数の画像取込みデバイスによって集められた画像に基づく、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2のロボット車両に固定された前記座標フレームに対して前記複数の幾何学的特徴点の各々の前記位置を前記特定することが、ホモグラフィを含む、請求項
12に記載のシステム。
【請求項15】
前記非一時的なコンピュータ可読媒体は、命令が前記計算システムよって実行されるときに前記計算システムに、
前記1または複数の画像取込みデバイスによって集められた前記画像および前記1または複数の距離センサによって集められた前記距離に基づいて、前記複数の幾何学的特徴を検出させる
前記命令をさらに記憶する、請求項
12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2019年3月7日出願の米国特許出願第16/296,192号、名称「Collaborative Determination Of A Load Footprint Of A Robotic Vehicle」の優先権を主張し、その主題全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
記載した実施形態は、サービス環境におけるペイロード(payload)搬送のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ロボットシステムは、典型的にはよく制御された工場環境において、繰返し性の高いタスクを実行するために広く展開されている。ファクトリーオートメーションのいくつかの例では、ロボットは、長い期間(例えば、月または年)にわたって単一のタスクを繰り返して実行する。しかしながら、ロボットシステムは、人間の日常生活の一部であるタスクを実行することにはまだ広く展開されていない。人間の日常生活ならびにカスタムワークフローへとロボットシステムを上手く組み込むために、ロボットシステムは、新たなタスクおよび環境条件に適応することができなければならない。
【0004】
いくつかの例では、ロボットシステムは、構造化されていない環境において広範囲のタスクをロボットシステムが実行することを可能にするために高い知能で開発されてきている。知能ロボットシステムは、複雑なタスクを上手く理解することが可能であり、そして少ない命令を用いて手元のタスクを実行することが可能である。加えて、ユーザインターフェースの改善が、人間とロボットシステムとの間のコミュニケーションを高め、協働ロボットシステムが手元のタスクをよく理解することを可能にする。ユーザインターフェースに対する最近の改善は、ロボットの使いやすさを改善するためのナチュラルユーザインターフェースの使用および会話や身振りに基づく技術の使用を含む。しかしながら、これらの手法は、ロボットシステムによる単独の実行のため協働ロボットシステムに対するタスクゴールおよび制約を伝達することに焦点を当てている。このことは、ロボットシステムの物理的および知的能力の限界ならびにロボットシステムへのタスクパラメータおよび制約を伝達する能力の限界のためにロボットシステムによって達成され得るタスクの複雑さを制限する。
【0005】
ロボット車両(robotic vehicle)のナビゲーションサブシステムの重要な構成要素は、ロボット車両の幾何学的形状(geometry)の内部モデルである。この内部モデルは、ロボット車両が経路プラニングを行うことおよび障害物回避を実行することならびに周囲の環境との物理的相互作用を容易にすることを可能にする。ロボット車両の幾何学的形状のモデルは、多くの場合にロボットシステムへと事前にプログラムされている固定されたモデルである。しかしながら、この手法は、ロボット車両ペイロードが時間とともに変化する状況には適応しない。ロボット車両に搭載されたカメラおよび他のセンサを、ペイロードの形状およびサイズを推定してロボットシステムの総合的なフットプリントを決定するために使用することができる。残念ながら、ペイロードがロボット車両自体よりも著しく大きいときにペイロードのサイズおよび形状を正確に決定するために十分な視野を有する十分な数のセンサを含むことは、多くの場合、実現不可能である。
【0006】
ロボット車両が搭載する前にペイロードを走査する機会がある場合には、ロボット車両は、十分な精度でペイロードのサイズおよび形状を推定することが可能であり得る。しかしながら、ペイロードが構造化されていない方式で、例えば、人間または別の機械的なシステムによってロボット車両に設置される場合には、いずれの利用可能なサイズおよび形状情報が、積載したロボット車両のフットプリントを正確に決定するためロボットへ容易には中継できない。この制限を克服するために、ロボット車両は、非常に保守的なナビゲーションモデルを仮定すること、またはより正確なフットプリント推定値を特定するために人間の入力を頼りにすることが必要であり得る。
【0007】
要約すると、高度に構造化されていない環境におけるナビゲーションを向上させるため、積載したロボット車両の高精度の幾何学的モデリングを可能にするためにロボットシステムを改善することが望まれている。
【発明の概要】
【0008】
積載したロボット車両のフットプリントの幾何学的モデルを正確に決定するために2つのロボット車両システム間の協働作業のための方法およびシステムが、本明細書において説明される。走査ロボットが、ペイロードを積載したロボット車両(robotic vehicle)を走査(scan)するために利用される。走査ロボットは、積載したロボット車両の幾何学的モデルを決定するために必要な幾何学的情報を測定する。
【0009】
走査ロボットがペイロードロボットの周りの経路を通過し(traverse)、その間、1または複数の距離センサは、走査ロボットとペイロードロボットとの間の距離を繰り返し測定し、1または複数の画像取込みデバイスは、ペイロードロボットを繰り返し撮像する。
【0010】
1つの態様では、計算システムは、ペイロードロボットに搭載された基準タグの画像を含んでいる集められた画像のシーケンスに基づいて走査ロボットに対してペイロードロボットを空間的に配置する(locate)。
【0011】
もう1つの態様では、計算システムは、集められた画像および距離のシーケンスからペイロードロボットの多数の幾何学的特徴点を検出する。いくつかの実施形態では、幾何学的特徴点は、シトマシ(Shi-Tomasi)コーナ検出器、軌道検出器にとっての良い特徴(good features to track detector)、加速セグメント試験からの特徴(Features from Accelerated Segment Test)(FAST)検出器などの標準的なオープンソース特徴検出器ソフトウェアを使用して特定されるコーナ点である。いくつかの実施形態では、特徴検出器は、距離データとともに各々の取り込まれた画像の3つのカラーチャネルのすべてに適用される。
【0012】
もう1つの態様では、計算システムは、ホモグラフィを使用してペイロードロボット100に固定された座標フレームに対して検出された特徴点の位置推定値を計算する。推定値は、走査ロボットの知られている位置および速度に関連するカルマンフィルタを通して位置特定(localization)の結果をフィルタ処理することによって精緻化される。
【0013】
いくつかの実施形態では、計算システムは、幾何学的特徴点を距離によってフィルタ処理し、そしてフィルタ処理した幾何学的特徴点をクラスタ化する。いくつかの実施形態では、凝集型階層クラスタリングなどのクラスタリングアルゴリズムが利用される。ペイロードロボット100のプラットフォームの中心点と同じクラスタ内に位置するすべての点が維持され、残りは破棄される。
【0014】
いくつかの実施形態では、速度および位置に関するモデルを有するカルマフィルタが、変動を減少させるために各々の幾何学的特徴点に適用される。
【0015】
もう1つの態様では、計算システムは、各々の後続の画像フレーム間の幾何学的特徴点を一致させる。いくつかの実施形態では、バイナリロバスト独立基本的特徴(Binary Robust Independent Elementary Features)(BRIEF)などのスケールおよび回転不変量特徴記述子(scale and rotation invariant feature descriptor)がマッチングを実行するために利用される。いくつかの実施形態では、重複した特徴点が統合される。1つの例では、互いに2標準偏差内の特徴点が統合される。
【0016】
幾何学的特徴点のセットを配置した後で、メッシュが作られる。いくつかの実施形態では、メッシュは、ポアソン表面再構成により生成される。いくつかの他の実施形態では、ペイロードロボットの座標フレームの軸の各々の最小値および最大値によってパラメータ表示された単純で境界を接するボックスメッシュが生成される。
【0017】
メッシュ生成の後で、メッシュデータが、ペイロードロボットへ伝達される。ペイロードロボットは、ペイロードを含めペイロードロボット自体のフットプリントの幾何学的モデルを更新する。いくつかの実施形態では、ペイロードロボットは、そのフットプリントの二次元モデルを利用する。これらの実施形態では、三次元幾何学的モデルが上からの正投影を介して平坦化される。
【0018】
さらなる態様では、ペイロードロボットの周りの仮想境界が、ペイロードロボットの幾何学的モデルに基づいて規定される。いくつかの例では、仮想境界は、障害物回避をともなうナビゲーションタスクを実行するために利用される。
【0019】
前述は、概要であり、したがって、必要性によっては、単純化、一般化、および詳細の省略を含み、その結果、当業者なら、概要が単に例示に過ぎず、そして決して限定しないことを認識するだろう。本明細書において説明されるデバイスおよび/またはプロセスの他の態様、独創的な特徴、および利点は、本明細書で述べられる非限定的な詳細な説明において明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】ペイロードロボットのペイロードを含めペイロードロボットの幾何学的モデルを構築するためにペイロードロボットの周りの経路を通過する走査ロボットを例示する図である。
【0021】
【
図2】ペイロードロボットの積荷フットプリントを協働して決定するためのシステムの構成要素を例示する模式図である。
【0022】
【
図3】車輪付きロボット車両およびペイロードプラットフォームを含んでいるペイロードロボットシステム100の実施形態を例示する側面図である。
【0023】
【
図4】車輪付きロボット車両およびペイロードプラットフォームを含んでいるペイロードロボットシステム100の実施形態を例示する上面図である。
【0024】
【
図5】ペイロードロボットシステム100のいくつかの構成要素を例示する模式図である。
【0025】
【
図6A】混雑した環境を通って物体を移動させることを含め協働作業者と協働してタスクを実行しているペイロードロボットシステムを示す図である。
【
図6B】混雑した環境を通って物体を移動させることを含め協働作業者と協働してタスクを実行しているペイロードロボットシステムを示す図である。
【
図6C】混雑した環境を通って物体を移動させることを含め協働作業者と協働してタスクを実行しているペイロードロボットシステムを示す図である。
【
図6D】混雑した環境を通って物体を移動させることを含め協働作業者と協働してタスクを実行しているペイロードロボットシステムを示す図である。
【0026】
【
図7】ペイロードロボットシステムと周囲環境内の物体との間の相互作用を示す図である。
【0027】
【
図8】本明細書において説明するようなペイロードロボットの積荷フットプリントを協働して決定するための方法600のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
発明の背景例およびいくつかの実施形態をここで詳細に参照し、その例が、添付の図面に図示されている。
【0029】
積載したロボット車両(robotic vehicle)のフットプリントの幾何学的モデルを正確に決定するために2つのロボット車両システム間の協働作業のための方法およびシステムが本明細書において説明される。第2のロボット車両は、積載したロボット車両を走査(scan)するため、そして積載したロボット車両の幾何学的モデルを決定するために必要な幾何学的情報を提供するために利用される。
【0030】
図1は、ペイロードロボットのペイロードを含めペイロードロボットの幾何学的モデルを構築するためにペイロードロボットの周りの経路を通過する走査ロボット(scanning robot)を例示する図である。
図1に描かれたように、走査ロボット300は、ペイロード(payload)110を積載したペイロードロボット(payload robot)100の周りの経路150を通過する。
図1に描かれたように、走査ロボット300は、計算システム400、1または複数の距離センサ301、および1または複数の撮像デバイス302を含む。座標フレーム{X
SR,Y
SR,およびZ
SR}が、走査ロボット300に付けられる。ペイロードロボット100は、計算システム200、ペイロードプラットフォーム106、ペイロード110、および基準タグ115A~115Dを含む。座標フレーム{X
LR,Y
LR,およびZ
LR}が、ペイロードロボット100に付けられる。
【0031】
図1~
図2に描かれたように、走査ロボット300は、計算システム400から受信するコマンド信号306に応じてペイロードロボット100の周りの経路150に沿って走査ロボットを移動させる1または複数のアクチュエータ305を含む。1または複数の距離センサ301は、走査ロボット300が命令された経路150を通過するときにペイロードロボット100までの距離を繰り返し測定する。1または複数の距離センサによって測定された距離のシーケンスを示す信号303が計算システム400へ伝達される。加えて、1または複数の画像取込みデバイス302は、走査ロボット300が命令された経路150を通過するときにペイロードロボット100を繰り返し撮像する。1または複数の画像取込みデバイスによって取り込まれた画像のシーケンスを示す信号304が計算システム400へ伝達される。いくつかの実施形態では、1または複数の画像取込みデバイスの視野は、1または複数の距離センサの視野を含む。いくつかの実施形態では、画像取込みデバイス302は、3つの異なるカラーチャネルを有する状態の画像を生成する3チャネルカメラ(例えば、RGBカメラ)である。
【0032】
いくつかの実施形態では、計算システム400は、集められた画像のシーケンスに基づいて走査ロボット300に対してペイロードロボット100を空間的に配置する。
図1~
図2に図示された実施形態では、集められた画像のシーケンスは、1または複数の撮像デバイスの視野内の基準タグ115A~115Dの画像を含む。基準タグの画像は、計算システム400によって解析されて、1または複数の適切な位置特定アルゴリズムを使用して走査ロボット300に対するペイロードロボット100の場所を推定する。いくつかの実施形態では、基準タグはエイプリルタグ(AprilTags)である。エイプリルタグおよび付随する位置特定ソフトウェアの両方が、下記のインターネットアドレスにおいてミシガン大学(USA)から無料で入手可能である:
https://april.eecs.umich.edu/software/apriltaa.html.
【0033】
計算システム400はまた、集められた画像および距離のシーケンスからペイロードロボット100の多数の幾何学的特徴点も検出する。いくつかの実施形態では、幾何学的特徴点は、シトマシコーナ検出器、軌道検出器にとっての良い特徴、加速セグメント試験からの特徴(FAST)検出器、などの標準的なオープンソース特徴検出器ソフトウェアを使用して特定されるコーナ点である。いくつかの実施形態では、特徴検出器は、距離データとともに各々の取り込まれた画像の3つのカラーチャネルのすべてに適用される。
【0034】
計算システム400はまた、ホモグラフィを使用してペイロードロボット100に固定された座標フレームに対して検出された特徴点の位置推定値も計算する。推定値は、走査ロボット300の知られている位置および速度に関連するカルマンフィルタを通して位置特定の結果をフィルタ処理することによって精緻化される。走査ロボット300がペイロードロボット100の周りを通過するときに、重要な特徴点の位置が記録される。
【0035】
いくつかの実施形態では、計算システム400は、幾何学的特徴点を距離によってフィルタ処理し、そしてフィルタ処理した幾何学的特徴点をクラスタ化する。いくつかの実施形態では、凝集型階層クラスタリングなどのクラスタリングアルゴリズムが利用される。ペイロードロボット100のプラットフォームの中心点と同じクラスタ内に位置するすべての点が維持され、残りは破棄される。このように、走査ロボット300によりペイロードロボット100を走査するときにペイロードロボット100と周囲の物体との間に十分な空間がなくてはならない。
【0036】
いくつかの実施形態では、速度および位置に関するモデルを有するカルマフィルタが、変動を減少させるために各々の幾何学的特徴点に適用される。
【0037】
計算システム400はまた、各々の後続の画像フレーム間の幾何学的特徴点を一致させる。いくつかの実施形態では、バイナリロバスト独立基本的特徴(BRIEF)などのスケールおよび回転不変量特徴記述子がマッチングを実行するために利用される。いくつかの実施形態では、重複した特徴点が統合される。1つの例では、互いに2標準偏差内の特徴点が統合される。ペイロードロボット100の走査は、走査ロボット300がペイロードロボット100を完全に一周する経路を通過した後で完了する。
【0038】
幾何学的特徴点のセットを配置した後で、メッシュが作られる。いくつかの実施形態では、メッシュは、ポアソン表面再構成により生成される。いくつかの他の実施形態では、ペイロードロボット100の座標フレームの軸の各々の最小値および最大値によってパラメータ表示された単純で境界を接するボックスメッシュが生成される。ペイロードロボット100がペイロードおよびロボット車両自体の両方を含んでいる全体の系を移動するときに、ロボット車両に関係する特徴点は、フィルタ処理では除去されない。
【0039】
メッシュ生成の後で、メッシュデータ(すなわち、ペイロードロボット100の幾何学的モデル)が、ペイロードロボット100へ伝達される。ペイロードロボット100は、ペイロードを含めペイロードロボット自体のフットプリントの幾何学的モデルを更新する。いくつかの実施形態では、ペイロードロボット100は、そのフットプリントの二次元モデルを利用する。これらの実施形態では、三次元幾何学的モデルが上からの正投影を介して平坦化される。
【0040】
図2は、ペイロードロボットの積荷フットプリントを協働して決定するためのシステムの構成要素を例示する模式図である。いくつかの実施形態では、ペイロードロボット100は、未知の積荷がペイロードプラットフォーム106に置かれた後でペイロードロボットのフットプリントの走査を要求する。いくつかの例では、ペイロードロボット100は、ピアツーピアネットワークを通して走査要求を伝達する。走査ロボット300は、この要求を受信し、そして走査ロボット300に直接応答する。いくつかの他の例では、ペイロードロボットは、サーバ500へ走査要求を伝達する。順に、サーバ500は、ペイロードロボット100の走査要求、識別番号、および場所を同報通信する。サーバ500は、いずれのタスクも現在引き受けていない近くのいずれかの走査ロボットの検索を行う。サーバ500は、ある走査ロボット(例えば、走査ロボット300)を選択し、そして走査を行うように走査ロボットに通知する。
【0041】
図2に描かれたように、計算システム400は、センサインターフェース410、少なくとも1つのプロセッサ420、メモリ430、バス440、無線通信トランシーバ450、および制御されたデバイスインターフェース460を含む。センサインターフェース410、プロセッサ420、メモリ430、無線通信トランシーバ450、および制御されたデバイスインターフェース460は、バス440を通して通信するように構成される。
【0042】
センサインターフェース410は、アナログ-デジタル変換(ADC)電子機器411を含む。加えて、いくつかの実施形態では、センサインターフェース410は、デジタル入力/出力インターフェース412を含む。いくつかの他の実施形態では、センサインターフェース410は、センサから測定データを受信するためにセンサと通信するように構成された無線通信トランシーバ(図示せず)を含む。
【0043】
図2に描かれたように、ADC411は、距離センサ301から信号303を受信するように構成される。ADC411は、アナログ信号303を、デジタル記憶およびさらなるデジタル処理のために適した等価なデジタル信号へと変換するようにさらに構成される。ADC411は、得られるデジタル信号が着信アナログ信号の適切で正確な表現である(すなわち、数値化誤差および時間離散化誤差が許容可能な誤差レベル内である)ことを確実にするように選択される。いくつかの他の実施形態では、距離センサ301は、オンボードの信号取込み能力および処理能力を含む。これらの実施形態では、距離データは、計算システム400へデジタルで伝達される。
【0044】
図2に描かれたように、デジタルI/O412は、画像取込みデバイス302からデジタル信号304を受信するように構成される。この例では、画像取込みデバイス302は、取り込んだ画像を示すデジタル信号304を発生させるためのオンボード電子機器を含む。このようにして、計算システム400は、アナログセンサおよびデジタルセンサの両方とインターフェースで接続されるように構成される。一般に、本明細書において説明するセンサのうちのいずれかを、デジタルセンサまたはアナログセンサとすることができ、そして適切なインターフェースによって計算システム400に通信可能に結合することができる。
【0045】
制御されたデバイスインターフェース460は、適切なデジタルアナログ変換(DAC)電子機器を含む。加えて、いくつかの実施形態では、制御されたデバイスインターフェース460は、デジタル入力/出力インターフェースを含む。いくつかの他の実施形態では、制御されたデバイスインターフェース460は、制御信号の送信を含め、デバイスと通信するように構成された無線通信トランシーバを含む。
【0046】
図2に描かれたように、制御されたデバイスインターフェース460は、走査ロボット300を、例えば、所望の走行経路に沿って移動させる1または複数の車両アクチュエータ305へ制御コマンド306を送信するように構成される。
【0047】
メモリ430は、ペイロードロボット100の幾何学的モデルを推定するために走査ロボット300によって利用されるセンサデータを記憶するある量のメモリ431を含む。メモリ430はまた、プロセッサ420により実行されるときに、本明細書において説明したようなペイロードスキャニングタスク実行機能をプロセッサ420に実施させるプログラムコードを記憶するある量のメモリ432も含む。
【0048】
いくつかの例では、プロセッサ420は、センサインターフェース410によって発生されたデジタル信号をメモリ430へと記憶するように構成される。加えて、プロセッサ420は、メモリ430に記憶されたデジタル信号を読み出すように、そして無線通信トランシーバ450へデジタル信号を送信するように構成される。いくつかの実施形態では、無線通信トランシーバ450は、計算システム400から無線通信リンクを通してサーバ500、計算システム200、または外部計算デバイス(図示せず)へデジタル信号を伝達するように構成される。
図2に描かれたように、無線通信トランシーバ450は、アンテナ451を介して無線周波数信号452を送信する。無線周波数信号452は、計算システム400から外部計算デバイスへ伝達されるべきデジタル信号を示すデジタル情報を含む。1つの例では、コンピュータシステム200によって生成されたセンサデータは、センサデータに基づいてペイロードロボット100を走査しそして幾何学的モデルを生成する目的でサーバ500、計算システム200、または外部計算システム(図示せず)へ伝達される。
【0049】
いくつかの実施形態では、無線通信トランシーバ450は、無線通信リンクを通してサーバ500、計算システム200、または外部計算デバイス(図示せず)からデジタル信号を受信するように構成される。無線周波数信号453は、サーバ500、計算システム200、または外部計算システム(図示せず)から計算システム400へ伝達されるべきデジタル信号を示しているデジタル情報を含む。
【0050】
図2に描かれたように、サーバ500は、少なくとも1つのプロセッサ520、メモリ530、バス540、および無線通信トランシーバ550を含む。プロセッサ520、メモリ530、および無線通信トランシーバ550は、バス540を通して通信するように構成される。
【0051】
いくつかの実施形態では、メモリ530は、走査ロボット300によって走査されたセンサデータ、ペイロードロボット100の幾何学的モデルに関連するメッシュデータ等を記憶するある量のメモリ531を含む。メモリ530はまた、プロセッサ520によって実行されるときに、本明細書において説明したような走査ロボット300により集められたセンサデータに基づいてペイロードロボット100の幾何学的モデルをプロセッサ520に生成させるプログラムコードを記憶するある量のメモリ532も含む。
【0052】
いくつかの例では、プロセッサ520は、計算システム400および200から受信するデジタル信号をメモリ530へと記憶するように構成される。加えて、プロセッサ520は、メモリ530に記憶されたデジタル信号を読み出すように、そして無線通信トランシーバ550へデジタル信号を送信するように構成される。いくつかの実施形態では、無線通信トランシーバ550は、サーバ500から無線通信リンクを通して計算システム400、計算システム200、または外部計算デバイス(図示せず)へデジタル信号を伝達するように構成される。
図2に描かれたように、無線通信トランシーバ550は、アンテナ551を介して無線周波数信号552を送信する。無線周波数信号552は、サーバ500から計算システム400、計算システム200、外部計算デバイス、等、へ伝達されるべきデジタル信号を示すデジタル情報を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、無線通信トランシーバ550は、無線通信リンクを通して計算システム400、計算システム200、または外部計算デバイス(図示せず)からデジタル信号を受信するように構成される。無線周波数信号553は、計算システム400、計算システム200、または外部計算システム(図示せず)からサーバ500へ伝達されるべきデジタル信号を示しているデジタル情報を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、ペイロードロボット100を走査することおよび幾何学的モデルを構築することは、計算システム400によって実行され、そしてサーバ500は、メッシュデータを計算システム400から計算システム200へ単純に伝達するように働く。あるいは、計算システム400および200は、直接通信し、そしてサーバ500はまったく利用されない。しかしながら、いくつかの実施形態では、サーバ500は、走査ロボット300によって生成された画像データおよび距離データからペイロードロボット100の幾何学的モデルを生成するために必要な計算のうちの一部またはすべてを行うために利用される。
【0055】
図3および
図4は、1つの実施形態における、それぞれペイロードロボットシステム100の側面図および上面図を描いている。ペイロードロボットシステム100は、車両101のフレーム103に取り付けられた1または複数の作動型車輪(actuated wheel)(例えば、作動型車輪102A~102D)を有する車輪付きロボット車両101を含む。いくつかの実施形態では、車輪付きロボット車両101は、xy平面内の任意の方向に移動することおよびz軸に平行な任意の軸の周りを回転することが可能である全方向ロボット車両である。これらの実施形態のうちのいくつかでは、車輪付きロボット車両101がまた、ホロノミックであり、したがって独立してxy平面内を移動することおよびz軸に平行な任意の軸の周りを回転することが可能である。いくつかの実施形態では、1または複数の作動型車輪は、メカナムホイール、全方向ホイール、またはこれらの任意の組み合わせを含む。1つの実施形態では、車輪付きロボット車両101は、ダイレクトドライブの4つのメカナムホイールを利用する。計算システム200は、車輪付きロボット車両をxy平面内の所望の方向に移動させそしてz軸に平行な所望の軸の周りを回転させる車輪付きロボット車両の作動型車輪へ制御コマンドを伝達する。
【0056】
図3および
図4に描かれたように、協働ロボットシステム100はまた、ペイロード110を搬送するように構成されたペイロードプラットフォーム106も含む。いくつかの実施形態では、ペイロードロボットシステム100は、フレームおよびペイロードプラットフォームに取り付けられた1または複数のペイロードプラットフォームアクチュエータ(図示せず)を含む。ペイロードプラットフォームアクチュエータは、ペイロードプラットフォームの積荷搬送面に垂直な方向にペイロードプラットフォームを移動させるように構成される。このようにして、ペイロードロボットシステム100は、様々な輸送タスクの必要条件を満足するようにペイロードプラットフォーム106の高さを調節することが可能である。
【0057】
図3に描かれたように、ペイロードロボットシステム100は、荷重センサ(例えば、荷重センサ104A~104D)を含む。
図3に描かれた実施形態では、荷重センサ104A~104Dは、ペイロードプラットフォーム106およびフレーム103に結合される。一般に、荷重センサ104A~104Dを、ペイロードプラットフォーム106と作動型車輪(例えば、作動型車輪102A~102D)との間の荷重経路内の任意の適切な場所に設置することができる。荷重センサは、ペイロードプラットフォーム上の荷重の分布を解析するために利用される。
【0058】
いくつかの実施形態では、協働ロボットシステム100の荷重センサは、ペイロードプラットフォームの積載面に平行な面内の力を測定する。
図3および
図4に描かれた実施形態では、荷重センサ104A~104Dは、xy平面に平行な平面内の力を測定する。荷重センサ104A~104Dによって生成された信号は、さらなる処理のために計算システム200へ伝達される。
【0059】
いくつかの実施形態では、ペイロードロボットシステムは、ロボットシステムまでの物体の近接度を推定するように構成された1または複数の近接センサを含む。一般に、ペイロードロボットシステム100は、いずれかの適切なタイプの近接センサを含む。非限定的な例として、ペイロードロボットシステム100は、容量センサ、ドップラ効果センサ、渦電流センサ、誘導センサ、磁気センサ、光学センサ、光電センサ、光電セルセンサ、レーザ距離計センサ、受動型センサ(例えば、電荷結合デバイス)、受動型熱赤外線センサ、レーダセンサ、イオン化放射線の反射に基づくセンサ、ソナーに基づくセンサ、超音波センサ、光ファイバセンサ、ホール効果センサ、またはこれらの任意の組み合わせなどの近接センサを含み得る。いくつかの実施形態では、近接センサは、ロボットシステム100の周囲に沿って(例えば、ロボットシステム100の前面、側面、背面、またはこれらの任意の組み合わせに沿って)配置された三次元センサ(例えば、三次元LIDARセンサ、ステレオカメラ、タイムオブフライトカメラ、単眼深度(depth)カメラ、等)を含む。いくつかの実施形態では、RGBカラー情報が、ロボットシステム100に対する物体の近接度を推定するために深度(depth)データとともに利用される。
【0060】
ペイロードロボットシステム100の近接センサを、いずれかの適切な方式で車輪付きロボット車両101に結合することができる。いくつかの例では、近接センサは、フレーム103に結合される。
図3および
図4に描かれた実施形態では、近接センサ104A~104Dは、ペイロードプラットフォーム106に結合される。近接センサ105A~105Dによって生成された信号は、さらなる処理のために計算システム200へ伝達される。
【0061】
いくつかの実施形態では、ペイロードロボットシステム100は、さらにロボットシステムまでの物体の近接度を推定するようにも構成された1または複数の画像取込みデバイス(例えば、電荷結合デバイス(CCD)カメラ、相補型金属オンシリコン(CMOS)カメラ、等)を含む。画像取込みデバイスにより生成された信号は、さらなる処理のために計算システム200へ伝達される。
【0062】
図4は、ペイロードロボットシステム100の車輪付きロボット車両101およびペイロードプラットフォーム106の上面図を描いている。
図4に描かれたように、車輪付きロボット車両101は、作動型駆動輪(actuated drive wheel)102A~102Dを含む。作動型駆動輪102A~102Dの各々の相対角速度は、車輪付きロボット車両101の走行経路の方向および走行経路に沿った速度の両方を制御する。計算システム200により生成された信号は、作動型駆動輪102A~102Dへ伝達され、これが作動型駆動輪に所望の速度で所望の走行経路に沿って車輪付きロボット車両101を移動させる。
【0063】
いくつかの他の実施形態では、車輪付きロボット車両101の1または複数の車輪は、多数の軸の周りを回転することが自由である受動車輪である。これらの実施形態では、受動車輪は、地表面に垂直な荷重を支持するように主に機能し、一方で、作動型駆動輪の回転が車輪付きロボット車両101の走行経路を規定する。いくつかの他の実施形態では、地表面に垂直な軸の周りの1または複数の受動車輪の向きが、積極的に制御される。これらの実施形態では、これらの操舵車輪(steering wheel)もまた、車輪付きロボット車両101の走行経路の方向を制御するように機能する。いくつかの他の実施形態では、地表面に垂直な軸の周りの操舵車輪の回転および操舵車輪の向きの両方が、積極的に制御される。これらの実施形態では、操舵車輪は、車輪付きロボット車両101の走行経路の方向および走行経路に沿った速度の両方を制御するように機能する。
【0064】
図5は、計算システム200、プラットフォーム荷重検知デバイス104、車輪検知デバイス107(例えば、各々の作動型車輪に設置されたエンコーダ、車輪速度センサ、等)、近接度検知デバイス105、画像取込みデバイス108、および車輪アクチュエータ102を含め、ロボットシステム100の構成要素を説明する図である。
図5に描かれた実施形態では、計算システム200は、有線通信リンクによってプラットフォーム荷重検知デバイス104、車輪検知デバイス107(例えば、各々の作動型車輪に設置されたエンコーダ)、近接度検知デバイス105、画像取込みデバイス108、および車輪アクチュエータ102に通信可能に結合される。しかしながら、一般に、計算システム200を、有線通信リンクまたは無線通信リンクのいずれかによって本明細書において説明されるセンサおよびデバイスのうちのいずれかに通信可能に結合することができる。
【0065】
一般に、協働作業者と音響的に、視覚的に、および物理的に相互に作用するセンサおよびデバイスを含め協働ロボットシステム100に取り付けられた任意の数のセンサおよびデバイスもまた、計算システム200に通信可能に結合することができる。
【0066】
図5に描かれたように、計算システム200は、センサインターフェース210、少なくとも1つのプロセッサ220、メモリ230、バス240、無線通信トランシーバ250、および制御されたデバイスインターフェース260を含む。センサインターフェース210、プロセッサ220、メモリ230、無線通信トランシーバ250、および制御されたデバイスインターフェース260は、バス240を通して通信するように構成される。
【0067】
センサインターフェース210は、アナログ-デジタル変換(ADC)電子機器211を含む。加えて、いくつかの実施形態では、センサインターフェース210は、デジタル入力/出力インターフェース212を含む。いくつかの他の実施形態では、センサインターフェース210は、センサから測定データを受信するためにセンサと通信するように構成された無線通信トランシーバ(図示せず)を含む。
【0068】
図5に描かれたように、ADC211は、画像取込みデバイス108から信号202を受信するように構成される。もう1つの非限定的な例では、ADC211は、近接度検知デバイス105から信号203を受信するように構成される。もう1つの非限定的な例では、ADC211は、プラットフォーム荷重検知デバイス104から信号204を受信するように構成される。ADC211は、アナログ信号202~204を、デジタル記憶およびさらなるデジタル処理のために適した等価なデジタル信号へと変換するようにさらに構成される。ADC211は、得られるデジタル信号が着信アナログ信号の適切で正確な表現である(すなわち、量子化誤差および時間離散化誤差が許容可能な誤差レベル内である)ことを確実にするように選択される。いくつかの他の実施形態では、画像取込みデバイス108、近接度検知デバイス105、およびプラットフォーム荷重検知デバイス104は、オンボードの信号取得および処理能力を含む。これらの実施形態では、画像データ、近接度データ、および荷重データは、計算システム200へデジタルで伝送される。
【0069】
図5に描かれたように、デジタルI/O212は、車輪検知デバイス107からデジタル信号201を受信するように構成される。この例では、車輪検知デバイス107は、車輪付きロボット101の各々の作動型車輪の測定した変位、速度、等を示すデジタル信号201を生成するためのオンボード電子機器を含む。このようにして、計算システム200は、アナログセンサおよびデジタルセンサの両方とインターフェースで接続されるように構成される。一般に、本明細書において説明するセンサのうちのいずれかを、デジタルセンサまたはアナログセンサとすることができ、そして適切なインターフェースによって計算システム200に通信可能に結合することができる。
【0070】
制御されたデバイスインターフェース260は、適切なデジタルアナログ変換(DAC)電子機器を含む。加えて、いくつかの実施形態では、制御されたデバイスインターフェース260は、デジタル入力/出力インターフェースを含む。いくつかの他の実施形態では、制御されたデバイスインターフェース260は、制御信号の伝送を含め、デバイスと通信するように構成された無線通信トランシーバを含む。
【0071】
図5に描かれたように、制御されたデバイスインターフェース260は、協働ロボットシステム100を、例えば、所望の走行経路に沿って移動させる1または複数の車輪アクチュエータ102へ制御コマンド205を伝送するように構成される。もう1つの非限定的な例では、制御されたデバイスインターフェース260は、スピーカに協働作業者と音響的に通信させるスピーカなどのオーディオ出力デバイスへコマンド信号(図示せず)を伝送するように構成される。さらにもう1つの非限定的な例では、制御されたデバイスインターフェース260は、画像ディスプレイデバイスに協働作業者と視覚的に通信させる画像ディスプレイデバイスへディスプレイ信号(図示せず)を伝送するように構成される。一般に、オーディオ/ビジュアル入力および出力デバイスの任意の組み合わせが、本明細書において説明したような協働タスク実行を容易にするために、協働ロボットシステム100と協働作業者との間の自然言語通信インターフェースを実装するために考えられることがある。
【0072】
メモリ230は、協働作業者とタスクを協働して実行しながら環境をナビゲートするために協働ロボットシステム100によって利用されるセンサデータを記憶するある量のメモリ231を含む。メモリ230はまた、プロセッサ220により実行されるときに、本明細書において説明したような幾何学的モデルに基づいて障害物回避を含めペイロード輸送タスク実行機能をプロセッサ220に実行させるプログラムコードを記憶するある量のメモリ232も含む。
【0073】
いくつかの例では、プロセッサ220は、センサインターフェース210によって生成されたデジタル信号をメモリ230へと記憶するように構成される。加えて、プロセッサ220は、メモリ230に記憶されたデジタル信号を読み出すように、そして無線通信トランシーバ250へデジタル信号を送信するように構成される。いくつかの実施形態では、無線通信トランシーバ250は、計算システム200から無線通信リンクを通して外部計算デバイス(図示せず)へデジタル信号を伝送するように構成される。
図5に描かれたように、無線通信トランシーバは、アンテナ251を介した無線周波数信号252を送信する。無線周波数信号252は、計算システム200から外部計算デバイスへ伝達されるべきデジタル信号を示すデジタル情報を含む。1つの例では、コンピュータシステム200によって生成されたセンサデータは、センサデータに基づいてロボットシステム100をモニタし向きを変える目的で外部計算システム(図示せず)へ伝達される。
【0074】
いくつかの実施形態では、無線通信トランシーバ250は、無線通信リンクを通して外部計算デバイス(図示せず)からデジタル信号を受信するように構成される。無線周波数信号253は、外部計算システム(図示せず)から計算システム200へ伝達されるべきデジタル信号を示しているデジタル情報を含む。1つの例では、外部計算システム(例えば、計算システム400または計算システム500)によって生成されたペイロードを積載したロボットシステム100の幾何学的メッシュモデルが、ロボットシステム100による実施のためにコンピュータシステム200へ伝達される。いくつかの例では、外部計算システムは、協働ロボットシステム100にはそうでなければ利用できない追加のセンサデータ(例えば、画像データ)にアクセスする。この追加のセンサデータは、例えば、協働ロボットシステム100の視野内にはない障害物を避けるために、協働ロボットシステム100の走行経路を更新するために外部計算システムによって利用される。
【0075】
1つの例では、ロボットシステム100は、混雑した環境(例えば、事務所)を通って大きな物体(例えば、机)を搬送するために協働作業者と作業する。
図6A~
図6Dは、物体125を含んでいる混雑した環境を通って協働作業者120と机130を協働して移動するロボットシステム100の図を描いている。
【0076】
図6Aに描かれたように、ロボットシステム100は、そのペイロードプラットフォーム上で机130の一部分を搬送し、そして協働作業者120が机130の残りの部分を搬送する。
図6Aに描かれたシナリオでは、ロボットシステム100および協働作業者120は、Y方向に(すなわち、図面ページを横切って右から左へ)机125を移動する。協働作業者120は、XY平面に平行な平面内で机130に力を加えることによって一般的なナビゲーション命令を与える。ロボットシステム100は、荷重センサ104A~104Dから受信される力信号に基づいて、協働作業者120によってXY平面に平行な平面内でペイロードに加えられた力を測定する。計算システム200は、XY平面に平行な平面内で協働作業者によってペイロードに加えられた測定した力ベクトルの方向である所望の移動方向を決定する。例えば、XY平面に平行な平面内で机130に加えられた力がY方向に合わせられる場合には、ロボットシステム100は、所望の移動方向がY方向になると決定する。しかしながら、XY平面に平行な平面内で机130に加えられた力がX方向に合わせられる場合には、ロボットシステム100は、所望の移動方向がX方向に合わせられると決定する。
【0077】
例えば、
図6Aに描かれたように、協働作業者120は、Y方向に合わせた方向に机130に横方向の力を加える。このとき、ロボットシステム100は、Y方向に移動することにより応じる。しかしながら、
図6Bに描かれたように、協働作業者120は、X成分およびY成分の両方を含む方向に机130に力を加える。このとき、ロボットシステム100は、協働作業者120によって机130に加えられた力に合わせた方向に移動することによって応じる。
【0078】
図6Bおよび
図6Cに描かれたように、協働作業者120によって机130に加えられた力(すなわち、ナビゲーショナルキュー(navigational cue))は、物体125との衝突コースに机130を導く。
【0079】
もう1つの態様では、ロボットシステム100は、環境内の物体と、ロボットシステム自体、協働作業者、共有ペイロード、またはこれらの任意の組み合わせのうちのいずれかとの間の衝突を避けるために協働作業者のナビゲーショナルキューを無視(override)する。
【0080】
図6A~
図6Dに描かれたように、ロボットシステム100は、近接センサ105A~105D、画像取込みデバイス108、またはこれらの組み合わせからのフィードバックに基づいてロボットシステム100、共有ペイロード、および協働作業者に対する周囲の環境の物体の位置をモニタする。
図6A~
図6Dに描かれた実施形態では、ロボットシステム100は、ロボットシステム100、共有ペイロード130、および協働作業者120の周りに保持された2つの仮想境界135および140に対して物体125の測定した位置を比較する。仮想境界135は、「ハード」境界と考えられる、すなわち、ロボットシステム100は、周囲の環境の物体が仮想境界135に入り込むことを認めるはずのいずれの位置へもナビゲートすべきではない。仮想境界140は、「ソフト」境界と考えられる、すなわち、ロボットシステム100は、仮想境界140内の周囲の環境の物体の侵入(penetration)を減らす位置へナビゲートすべきである。
【0081】
さらなる態様では、仮想境界135および140は、本明細書において説明したような協働走査ロボットによって決定されるロボットシステム100、ペイロード110、および協働作業者120の幾何学的モデルに基づいて規定される。いくつかの例では、仮想境界は、幾何学的モデルによって規定されるロボットシステム100、共有ペイロード130、および協働作業者120のモデル化した寸法からの所定のしきい値距離の値によって規定される。仮想境界140は、仮想境界135よりも大きなセットの所定のしきい値距離の値によって規定される。
【0082】
物体125が仮想境界140の外であることをロボットシステム100が判断するときには、ロボットシステム100は、障害物回避対策を取らない。これらのときには、ロボットシステム100は、荷重センサ104A~104Dによって測定されるような協働作業者120によって机130に加えられた力によって決定されるように、協働作業者120によって望まれる移動方向に沿って車輪付きロボット車両101を移動させる車輪付きロボット車両101の作動型車輪102A~102Dへコマンド信号を伝達する。これらのときには、ロボットシステム100の速度ベクトル、
【数1】
は、式(1)により示されたように、協働作業者120により指示されたような所望の速度ベクトル、
【数2】
に等しい。
【数3】
【0083】
しかしながら、物体125が仮想境界140を侵害(impinge)し始めると、ロボットシステム100は、違ったふうに振る舞う。むしろ、協働作業者120により提供されるナビゲーショナルキューに完全に従うよりも、ロボットシステム100は、物体125との衝突を避けるために望まれた経路を修正する。いくつかの実施形態では、式(2)により示されるような比例制御アルゴリズムが利用される、
【数4】
【0084】
ここでは、
【数5】
が協働作業者120により指示された所望の速度であり、d
OBが物体125と仮想境界135との間の最も近い距離であり、d
bufferが仮想境界140の中への物体125の最も深い侵害の場所における仮想境界135と140との間の距離であり、
【数6】
がロボットシステム100の経路を制御するためにロボットシステム100により実装される修正した速度ベクトルであり、
【数7】
が仮想境界135と140との間のバッファゾーンに当たる物体125の表面の法線に沿った単位ベクトルであり、そしてK
pが、一定値(すなわち、式(2)により示される制御法則に関係する比例ゲイン)である。一般に、K
pは、安定性を維持するためおよび仮想境界135によって規定される障害物までの最小の許容される距離よりも近くに物体125をロボットシステム100がナビゲートすることを可能にすることを避けるためにオーバーダンプされたシステム応答という結果になるように選択されるべきである。いくつかの実施形態では、d
bufferの値、すなわち、仮想境界135および140によって規定されるバッファゾーンの深さが、ベクトル、
【数8】
の方向にロボットシステム100の速度でスケーリングされる。このようにして、ロボットシステム100が比較的速い速度で物体125に近付いている場合には、バッファゾーンの深さは、物体125を迂回してナビゲートするための時間を提供するために大きくされる。同様に、ロボットシステム100が比較的遅い速度で物体125に近付いている場合には、バッファゾーンの深さは、協働作業者120により提供されるナビゲーショナルキューをロボットシステム100が無視せずに協働作業者120が物体125のより近くに机130を移動させることを可能にするために小さくされる。
【0085】
図7は、式(2)により示された制御法則を図示している。
図7に図示された事例において、物体125は、仮想境界140を侵害している。侵害の大きさは、バッファ距離、D
buffer、と、物体125と仮想境界135との間の距離、D
OB、との間の差で
ある。協働作業者120により指示された所望の速度、V
desired、は、物体125が仮想境界135と140との間のバッファゾーンを侵害する物体125の表面に垂直な方向、V
x、の成分および物体125が仮想境界135と140との間のバッファゾーンを侵害する物体125の表面に接する方向、V
y、の成分を含む。衝突を避けるためには、V
desiredのV
y成分は、重要ではない、しかしロボットシステム100は、例えば、式(2)に示された制御法則により示されるように、V
desiredのV
x成分を打ち消す修正した制御速度、V
mod、を決定する。
【0086】
図6Cおよび
図6Dに描かれたように、ロボットシステム100は、物体125から離れるようロボットシステム100および机130をナビゲートするために修正した制御速度を実行する。一般に、周囲の環境の物体、例えば、物体125、は、地面に対して静止していても動いていてもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、協働作業者120は、ペイロード130の輸送には関係しない。これらの実施形態では、ロボットシステム100は、その全体のペイロード130を搬送し、そしてペイロード130を有する周囲の環境をナビゲートする。これらの実施形態では、ペイロード130を積載したロボットシステム100の幾何学的モデルが、本明細書において説明したように決定され、そしてロボットシステム100が、仮想境界を規定するためおよび本明細書において説明したような障害物回避を実行するためにこのモデルを利用する。これらの実施形態では、ロボットシステム100は、協働作業者からの影響を受けずに走行経路を規定する。しかしながら、ロボットシステム100は、本明細書において説明したように周囲の環境の物体(例えば、物体125)による仮想境界(例えば、仮想境界140)の侵害に基づいて障害物を避けるためにそれ自体の走行経路を修正する/更新する。
【0088】
図8は、本明細書において説明したような協働ロボットシステムによる実装のために適した方法600のフローチャートを図示する。いくつかの実施形態では、
図1~
図2を参照して説明した協働ロボットシステムは、
図8に図説された方法600にしたがって動作可能である。しかしながら、一般に、方法600の実行は、
図1~
図2を参照して説明した協働ロボットシステムの実施形態に限定されない。これらの図および対応する説明は、多くの他の実施形態および動作例がこの発明文書の範囲内で考えられるので例として提供される。
【0089】
ブロック601では、第1のロボット車両が、ペイロードを積載した第2のロボット車両の周りの命令された経路に沿って移動する。
【0090】
ブロック602では、第1のロボット車両から第2のロボット車両までの距離のシーケンスは、第1のロボット車両が命令された経路を通過するときに測定される。
【0091】
ブロック603では、第2のロボット車両の画像のシーケンスは、第2のロボット車両が命令された経路を通過するときに第1のロボット車両から集められる。
【0092】
ブロック604では、第2のロボット車両は、集められた画像に基づいて第1のロボット車両に対して空間的に配置される。
【0093】
ブロック605では、第2のロボット車両に固定された座標フレームに対してペイロードを積載した第2のロボット車両の複数の幾何学的特徴点の各々の位置が、集められた画像および測定された距離に基づいて特定される。
【0094】
ブロック606では、複数の幾何学的特徴点が、ペイロードを積載した第2のロボット車両の幾何学的モデルを生成するためにメッシュ化される。
【0095】
ブロック607では、幾何学的モデルが、第2のロボット車両へ伝達される。
【0096】
計算システム200、400、および500は、限定されないが、パーソナルコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、または本技術で知られているいずれかの他の計算デバイスを含み得る。一般に、「計算システム」という用語は、メモリ媒体からの命令を実行する1または複数のプロセッサを有する任意のデバイスまたは複数のデバイスの組み合わせを包含するように広く規定されてもよい。一般に、計算システム200、400、および500は、ロボットシステム100および300などのロボットとともに集積されることがある、あるいは、いずれかのロボットから完全にまたは一部が分離されてもよい。この点で、計算システム200、400、および500は、遠くに設置され、そしてデータを受信し、データを送信し、かつロボットシステム100および300のいずれかの構成要素へコマンド信号を送信する。
【0097】
1または複数の例示的な実施形態では、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせに実装されることがある。ソフトウェアに実装される場合には、機能は、コンピュータ可読媒体に記憶されることがある、または1または複数の命令もしくはコードとしていたるところに送信されることがある。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体および1つの場所から別の場所へのコンピュータプログラムの伝送を容易にするいずれかの媒体を含んでいる通信媒体の両方を含む。記録媒体を、汎用コンピュータまたは専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体とすることができる。例として、そして限定ではなく、このようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を搬送するもしくは記憶するために使用することができそして汎用コンピュータもしくは専用コンピュータまたは汎用プロセッサもしくは専用プロセッサによりアクセスされ得る任意の他の媒体を含むことができる。また、任意の接続が、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、撚線対、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、そのときには、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、撚線対、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などの無線技術が、媒体の定義に含まれる。ディスク(disk)およびディスク(disc)は、本明細書において使用されるように、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、フロッピディスク、およびブルーレイディスクを含み、ここでは、ディスク(disk)は通常磁気的にデータを再生し、一方でディスク(disc)はレーザを用いて光学的にデータを再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0098】
ある種の具体的な実施形態が教育的な目的で上に説明されているが、この特許文書の教示は、汎用的な適用可能性を有し、そして上に説明した具体的な実施形態に限定されない。したがって、説明した実施形態の様々な特徴の様々な変形、改造、および組み合わせを、特許請求の範囲に記述されたような発明の範囲から逸脱せずに実行することができる。