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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-12
(45)【発行日】2023-01-20
(54)【発明の名称】パワーデバイス及び電気機器
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/08 20060101AFI20230113BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20230113BHJP
【FI】
H02M1/08 A
H02M7/48 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021553381
(86)(22)【出願日】2019-10-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-20
(86)【国際出願番号】 CN2019111067
(87)【国際公開番号】W WO2020186738
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-09-08
(31)【優先権主張番号】201910208191.3
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517344192
【氏名又は名称】広東美的制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA AIR-CONDITIONING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Lingang Road,Beijiao,Shunde,Foshan,Guangdong,China
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】馮宇翔
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第208386448(CN,U)
【文献】特開平09-191659(JP,A)
【文献】特表2020-530975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/08
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御入力端子と、
上アームスイッチ素子及び下アームスイッチ素子と、
前記制御入力端子に接続され、前記上アームスイッチ素子を駆動するための第1の駆動回路と、
前記制御入力端子に接続され、前記下アームスイッチ素子を駆動するための第2の駆動回路と、
GND端子及びVCC端子と、を含み、
前記制御入力端子はロウレベル又はハイレベルに接続可能であり、前記制御入力端子にロウレベルが入力される場合、前記第1の駆動回路及び前記第2の駆動回路が第1の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力し、前記制御入力端子にハイレベルが入力される場合、前記第1の駆動回路及び前記第2の駆動回路が第2の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力し、前記第1の電圧範囲は前記第2の電圧範囲と異なっている、
前記制御入力端子がボンディングワイヤを介して前記GND端子に接続されている場合、前記制御入力端子にロウレベルが入力され、前記制御入力端子がボンディングワイヤを介して前記VCC端子に接続されている場合、前記制御入力端子にハイレベルが入力される、
ことを特徴とするパワーデバイス。
【請求項2】
前記パワーデバイスはコントローラを含み、前記制御入力端子が前記コントローラに接続され、前記コントローラは、ロウレベル又はハイレベルを出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載のパワーデバイス。
【請求項3】
前記第1の電圧範囲は0V~20Vであり、前記第2の電圧範囲は0V~15Vである、
ことを特徴とする請求項1に記載のパワーデバイス。
【請求項4】
前記第1の駆動回路は、UH駆動回路、VH駆動回路及びWH駆動回路を含み、前記第2の駆動回路は、UL/VL/WL駆動回路を含み、前記上アームスイッチ素子は、第1の上アームスイッチ素子、第2の上アームスイッチ素子及び第3の上アームスイッチ素子を含み、前記下アームスイッチ素子は、第1の下アームスイッチ素子、第2の下アームスイッチ素子及び第3の下アームスイッチ素子を含み、
前記制御入力端子が、前記UH駆動回路、VH駆動回路及びWH駆動回路にそれぞれ接続され、前記UH駆動回路、前記VH駆動回路及び前記WH駆動回路がそれぞれ、前記第1の上アームスイッチ素子、前記第2の上アームスイッチ素子及び前記第3の上アームスイッチ素子を駆動し、前記UH駆動回路が前記第1の上アームスイッチ素子に接続され、前記VH駆動回路が前記第2の上アームスイッチ素子に接続され、前記WH駆動回路が前記第3の上アームスイッチ素子に接続され、
前記制御入力端子が、前記UL/VL/WL駆動回路に接続され、前記UL/VL/WL駆動回路が前記第1の下アームスイッチ素子、前記第2の下アームスイッチ素子及び前記第3の下アームスイッチ素子を駆動し、前記UL/VL/WL駆動回路が、前記第1の下アームスイッチ素子、前記第2の下アームスイッチ素子及び前記第3の下アームスイッチ素子に接続されている、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のパワーデバイス。
【請求項5】
前記第1の上アームスイッチ素子、前記第2の上アームスイッチ素子、前記第3の上アームスイッチ素子、前記第1の下アームスイッチ素子、前記第2の下アームスイッチ素子及び前記第3の下アームスイッチ素子がいずれもSiCデバイスである場合、前記制御入力端子に入力される信号のレベルはロウレベルであり、前記第1の上アームスイッチ素子、前記第2の上アームスイッチ素子、前記第3の上アームスイッチ素子、前記第1の下アームスイッチ素子、前記第2の下アームスイッチ素子及び前記第3の下アームスイッチ素子がいずれもSiデバイスである場合、前記制御入力端子に入力される信号のレベルはハイレベルである、
ことを特徴とする請求項に記載のパワーデバイス。
【請求項6】
前記UH駆動回路、前記VH駆動回路又は前記WH駆動回路は、
前記制御入力端子に接続される第1の入力サブ回路であって、第1の出力端子、第2の出力端子及び第3の出力端子を含み、前記制御入力端子がロウレベルの場合、前記第1の出力端子及び前記第2の出力端子がトリガパルスを出力し、前記制御入力端子がハイレベルの場合、前記第1の出力端子、前記第2の出力端子及び前記第3の出力端子がトリガパルスを出力する第1の入力サブ回路と、
前記第1の出力端子に接続され、前記第1の出力端子がトリガパルスを出力する場合にオンになる第1のスイッチ素子、前記第2の出力端子に接続され、前記第2の出力端子がトリガパルスを出力する場合にオンになる第2のスイッチ素子、及び前記第3の出力端子に接続され、前記第3の出力端子がトリガパルスを出力する場合にオンになる第3のスイッチ素子と、
前記第1のスイッチ素子、前記第2のスイッチ素子及び前記第3のスイッチ素子にそれぞれ接続される第1の電圧出力サブ回路であって、前記第1のスイッチ素子及び前記第2のスイッチ素子がオンになり、且つ前記第3のスイッチ素子がオンになっていない場合、前記第1の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力し、前記第1のスイッチ素子、前記第2のスイッチ素子及び前記第3のスイッチ素子がオンになっている場合、前記第2の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力する第1の電圧出力サブ回路と、を含む、
ことを特徴とする請求項に記載のパワーデバイス。
【請求項7】
前記第1の電圧出力サブ回路は、
前記第1のスイッチ素子及び前記第2のスイッチ素子に接続されているラッチ及び降圧回路と、
前記ラッチ及び降圧回路及び電源にそれぞれ接続されている第1の切替モジュールと、
前記第3のスイッチ素子に接続されているラッチ回路であって、前記第3のスイッチ素子がオンになっていない場合、前記電源の電圧を出力サブ回路の出力電圧とするように、前記第1の切替モジュールの動作を制御し、前記第3のスイッチ素子がオンなっている場合、前記ラッチ及び降圧回路の出力電圧を前記出力サブ回路の出力電圧とするように、前記第1の切替モジュールの動作を制御するラッチ回路と、を含む、
ことを特徴とする請求項に記載のパワーデバイス。
【請求項8】
前記UL/VL/WL駆動回路は、
第1の出力端子を含む第2の入力サブ回路であって、前記制御入力端子にロウレベルが入力される場合、前記第2の入力サブ回路の第1の出力端子がロウレベルを出力し、前記制御入力端子にハイレベルが入力される場合、前記第2の入力サブ回路の第1の出力端子がハイレベルを出力する第2の入力サブ回路と、
電源の電圧を前記第2の電圧範囲に降圧する降圧サブ回路と、
前記第2の入力サブ回路及び前記降圧サブ回路に接続されている第2の電圧出力サブ回路であって、前記第2の入力サブ回路の第1の出力端子がロウレベルを出力する場合に、第1の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力し、前記第2の入力サブ回路の前記第1の出力端子がハイレベルを出力する場合に、第2の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力する第2の電圧出力サブ回路と、を含む、
ことを特徴とする請求項に記載のパワーデバイス。
【請求項9】
前記第2の入力サブ回路は、第2の出力端子、第3の出力端子及び第4の出力端子をさらに含み、前記第2の電圧出力サブ回路は、
前記第2の入力サブ回路の前記第2の出力端子、前記第3の出力端子及び前記第4の出力端子にそれぞれ接続されているUL出力モジュール、VL出力モジュール及びWL出力モジュールと、
前記UL出力モジュール、前記VL出力モジュール及び前記WL出力モジュールにそれぞれ接続されている第2の切替モジュール、第3の切替モジュール及び第4の切替モジュールであって、前記第2の入力サブ回路の第1の出力端子に基づいて、電源の電圧又は前記降圧サブ回路の出力電圧を前記第2の電圧出力サブ回路の出力電圧として選択する第2の切替モジュール、第3の切替モジュール及び第4の切替モジュールと、を含む、
ことを特徴とする請求項に記載のパワーデバイス。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のパワーデバイスと、前記パワーデバイスに接続されているプロセッサとを含む、
ことを特徴とする電気機器。
【請求項11】
前記電気機器は、家庭用エアコンである、
ことを特徴とする請求項10に記載の電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年03月19日に中国国家知識産業局に提出した、特許出願番号が「201910208191.3」である特許出願の優先権と利益を主張する。
【0002】
本願は、電気機器技術の分野に関し、特にパワーデバイス、及びパワーデバイスを有する電気機器に関する。
【背景技術】
【0003】
インテリジェントパワーモジュール(Intelligent Power Module、IPM)は、パワーエレクトロニクスと集積回路技術を組み合わせたパワー駆動系製品(パワーデバイス)である。インテリジェントパワーモジュールは、パワースイッチングデバイス(例えば、SiC(炭化ケイ素)デバイス又はSi(シリコン)デバイス)と高電圧集積回路(High Voltage Integrated Circuit、HVIC)を集積し、内部に過電圧、過電流及び過熱などの故障検出回路を内蔵している。インテリジェントパワーモジュールは、マイクロコントローラーユニット(Micro Controller Unit、MCU)の制御信号を受信して後続の回路を駆動する一方で、システムの状態検出信号をMCUに返送する。従来のディスクリートソリューションと比較して、インテリジェントパワーモジュールは、高い集積度及び高い信頼性などの利点により、ますます大きな市場を獲得しており、モーターを駆動する周波数変換器及び各種インバータ電源に特に適し、それは周波数変換速度調整、冶金機械、電気牽引、サーボドライブ及びインバータ家電の理想的なパワーエレクトロニクスデバイスである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実際の応用においては、システムのエネルギー消費に対する要件が高くなるにつれて、特にエアコン業界において、インテリジェントパワーモジュールの電力消費は、インバータエアコンのインバータ電子制御の主な電力消費源になっており、インテリジェントパワーモジュールの消費電力を如何に低減するかは、インテリジェントパワーモジュール、さらにはインバータエアコンのさらなる推進及び応用に影響を与える重要な課題となっている。SiデバイスをSiCデバイスに置き換えることは、インテリジェントパワーモジュールの消費電力を低減する効果的な方法であるが、新たな問題も発生する。SiCデバイスとSiデバイスは閾値電圧が異なるため、一般的にSiCデバイスの閾値電圧がSiデバイスの閾値電圧よりも高く、同一の高電圧集積回路によって駆動される場合、必然的にSiCデバイスが不完全にオンになり、SiCの低消費電力の利点が発揮されなくなり、逆効果も得られるが、異なる高電圧集積回路によって駆動される場合、製造過程において材料の整理が困難になり、材料が混合するリスクが生じ、それに応じてインテリジェントパワーモジュールのコストも高くなる。さらに、SiCデバイスを駆動する高電圧集積回路に電力を供給するために、より高い電圧が使用される場合、必然的にインテリジェントパワーモジュール全体の消費電力が増加し、SiCデバイスの電力低下が相殺され、SiCデバイスを使用したインテリジェントパワーモジュールの消費電力削減の効果が低減される。SiCデバイスを駆動する高電圧集積回路に電力を供給するためにより高い電圧が使用される場合、周辺の電子制御方式を変更する必要があり、SiCデバイスが搭載されたインテリジェントパワーモジュールに対する抵抗も確実に増加する。
【0005】
本願の実施形態は、制御入力端子と、上アームスイッチ素子及び下アームスイッチ素子と、前記制御入力端子に接続され、前記上アームスイッチ素子を駆動するための第1の駆動回路と、前記制御入力端子に接続され、前記下アームスイッチ素子を駆動するための第2の駆動回路とを含み、前記制御入力端子はロウレベル又はハイレベルに接続可能であり、前記制御入力端子にロウレベルが入力される場合、前記第1の駆動回路及び前記第2の駆動回路が第1の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力し、前記制御入力端子にハイレベルが入力される場合、前記第1の駆動回路及び前記第2の駆動回路が第2の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力し、前記第1の電圧範囲は前記第2の電圧範囲と異なっている、パワーデバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施形態は、パワーデバイスと、前記パワーデバイスに接続されているプロセッサとを含む電気機器をさらに提供し、前記パワーデバイスは、制御入力端子と、上アームスイッチ素子及び下アームスイッチ素子と、前記制御入力端子に接続され、前記上アームスイッチ素子を駆動するための第1の駆動回路と、前記制御入力端子に接続され、前記下アームスイッチ素子を駆動するための第2の駆動回路とを含み、前記制御入力端子はロウレベル又はハイレベルに接続可能であり、前記制御入力端子にロウレベルが入力される場合、前記第1の駆動回路及び前記第2の駆動回路が第1の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力し、前記制御入力端子にハイレベルが入力される場合、前記第1の駆動回路及び前記第2の駆動回路が第2の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力し、前記第1の電圧範囲は前記第2の電圧範囲と異なっている。
【0007】
本願に係るパワーデバイス及び電気機器は、外部入力電圧を変更することなく、異なるタイプのデバイス(例えばSiCデバイス及びSiデバイス)の使用要件を満たすために、異なる電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力することができ、異なるタイプのデバイスはオン過程において完全にオン状態にあり、その性能が十分に発揮される。また、同一の第1の駆動回路及び第2の駆動回路を採用することで、異なる電圧範囲のハイレベル/ロウレベルを出力することができるため、パワーデバイスの製造過程において材料が混合するリスクがなく、材料の整理が容易になり、材料コストが低減される。
【0008】
本発明の付加的な特徴及び利点は、以下の説明において一部が述べられ、一部が以下の説明においてさらに明瞭になり、又は本発明の実践を介して把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本願の上述及び/又は付加的な特徴及び利点は、以下の図面と組み合わせながら実施形態を説明する過程中に明瞭になり、容易に理解できる。
図1】本願の実施例に係るパワーデバイスの回路構成図である。
図2】本願の一実施例に係るパワーデバイスがボンディングワイヤを介して制御入力端子と電源又は地面を接続する模式図である。
図3】本願の具体的な実施例に係るスイッチ素子の模式図である。
図4】本願の具体的な実施例に係るスイッチ素子の模式図である。
図5】本願の具体的な実施例に係るスイッチ素子の模式図である。
図6】本願の具体的な実施例に係るスイッチ素子の模式図である。
図7】本願の具体的な実施例に係るスイッチ素子の模式図である。
図8】本願の具体的な一実施例に係るUH駆動回路の模式図である。
図9】本願の具体的な一実施例に係るVH駆動回路の模式図である。
図10】本願の具体的な一実施例に係るWH駆動回路の模式図である。
図11】本願の具体的な一実施例に係るUL/VL/WL駆動回路の模式図である。
図12】本願の実施形態に係る電気機器のモジュール模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本願の実施形態を詳しく説明する。説明される実施形態の例は図面に示されており、始めから終わりまで、同一または類似の符号は同一または類似の素子、あるいは同一または類似の機能を有する素子を示す。以下で図面を参考して説明される実施形態は例示的で、本願を説明するためのものであり、本願への制限として理解すべきではない。
【0011】
本願の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本発明を容易にまたは簡略化に説明するのに使用されるものであり、指定された装置又は素子が特定の方位にあり、特定の方位において構造され操作されると指示又は暗示するものではないので、本願に対する限定と理解してはいけない。なお、「第1」、「第2」の用語は目的を説明するためだけに用いられるものであり、比較的な重要性を指示又は暗示するか、或いは示された技術的特徴の数を黙示的に指示すると理解されるものではない。そこで、「第1」、「第2」で限定されている特徴は少なくとも一つの上記特徴を含むことを明示又は暗示することができる。本願の説明において、「複数」は、特に限定しない限り、2つまたは2つ以上を意味する。
【0012】
本願において、明確に指定又は限定しない限り、「取付」、「連結」、「接続」などの用語は、広義で理解すべきであり、例えば、固定して接続してもよいし、取り外し可能に接続してもよいし、又は一体に接続してもよいし、機械的に接続してもよいし、又は電気的に接続してもよいし、直接接続してもよいし、中間媒体を介して間接的に接続してもよいし、2つの要素の内部が連通してもよいし、或いは、2つの要素の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解し得る。
【0013】
図1を参照し、本願の実施形態に係るパワーデバイス100は、制御入力端子12と、上アームスイッチ素子22と、下アームスイッチ素子24と、制御入力端子12に接続され、上アームスイッチ素子22を駆動するための第1の駆動回路14と、制御入力端子12に接続され、下アームスイッチ素子24を駆動するための第2の駆動回路16と、を含む。制御入力端子12はロウレベル又はハイレベルに接続可能であり、制御入力端子12がロウレベルに接続される場合、第1の駆動回路14及び第2の駆動回路16が第1の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力し、制御入力端子12がハイレベルに接続される場合、第1の駆動回路14及び第2の駆動回路16が第2の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力し、第1の電圧範囲は第2の電圧範囲と異なっている。
【0014】
具体的には、図1を参照すると、第1の駆動回路14は、UH駆動回路142、VH駆動回路144及びWH駆動回路146を含み、第2の駆動回路16は、UL/VL/WL駆動回路162を含み、第1の駆動回路14及び第2の駆動回路16は、高電圧集積回路(high voltage integrated circuit、HVIC)チューブ10の内部に集積されている。HVICチューブ10のVCC端子はパワーデバイス100の低電圧領域の供給電源の正端子VDDとして使用され、VDDは一般に15Vである。HVICチューブ10の内部において、VCC端子は、UH駆動回路142、VH駆動回路144、WH駆動回路146及びUL/VL/WL駆動回路162の供給電源の正端子に接続されている。
【0015】
本実施形態では、UH駆動回路142、VH駆動回路144、WH駆動回路146、及びUL/VL/WL駆動回路162は、電気機器内の駆動回路であってもよく、例えばエアコンのコンプレッサーの三相の駆動回路であってもよく、ここで、UH駆動回路142がUL駆動回路に接続され、VH駆動回路144がVL駆動回路に接続され、WH駆動回路146がWL駆動回路に接続されている。
【0016】
HVICチューブ10のHIN1端子は、パワーデバイス100のU相上アーム入力端子UHINとして使用され、HVICチューブ10の内部にUH駆動回路142の入力端子に接続されている。HVICチューブ10のHIN2端子は、パワーデバイス100のV相上アーム入力端子VHINとして使用され、HVICチューブ10の内部にVH駆動回路144の入力端子に接続されている。HVICチューブ10のHIN3端子は、パワーデバイス100のW相上アーム入力端子WHINとして使用され、HVICチューブ10の内部にWH駆動回路146の入力端子に接続されている。
【0017】
HVICチューブ10のLIN1端子は、パワーデバイス100のU相下アーム入力端子ULINとして使用され、HVICチューブ10の内部にUL/VL/WL駆動回路162の第1の入力端子に接続されている。HVICチューブ10のLIN2端子は、パワーデバイス100のV相下アーム入力端子VLINとして使用され、HVICチューブ10の内部にUL/VL/WL駆動回路162の第2の入力端子に接続されている。HVICチューブ10のLIN3端子は、パワーデバイス100のW相下アーム入力端子WLINとして使用され、HVICチューブ10の内部にUL/VL/WL駆動回路162の第3の入力端子に接続されている。ここで、パワーデバイス100のU、V、W三相の6つの入力端子は、0V又は5Vの入力信号を受信する。
【0018】
HVICチューブ10のGND端子は、パワーデバイス100の低電圧領域の供給電源の負端子COMとして使用され、UH駆動回路142、VH駆動回路144、WH駆動回路146、及びUL/VL/WL駆動回路162の供給電源の負端子に接続されている。
【0019】
上アームスイッチ素子22は、第1の上アームスイッチ素子222、第2の上アームスイッチ素子224及び第3の上アームスイッチ素子226を含む。下アームスイッチ素子24は、第1の下アームスイッチ素子242、第2の下アームスイッチ素子244及び第3の下アームスイッチ素子246を含む。
【0020】
HVICチューブ10のVB1端子は、HVICチューブ10の内部にUH駆動回路142の高電圧領域の供給電源の正端子に接続されており、HVICチューブ10の外部に第1のコンデンサ32の一端に接続され、パワーデバイス100のU相高電圧領域の供給電源の正端子UVBとして使用される。HVICチューブ10のHO1端子は、HVICチューブ10の内部にUH駆動回路142の出力端子に接続されており、HVICチューブ10の外部にU相第1の上アームスイッチ素子222の制御電極に接続されている。HVICチューブ10のVS1端子は、HVICチューブ10の内部にUH駆動回路142の高電圧領域の供給電源の負端子に接続されており、HVICチューブ10の外部にU相第1の上アームスイッチ素子222の出力負極、U相第1の下アームスイッチ素子242の出力正極及び第1のコンデンサ32の他端に接続され、パワーデバイス100のU相高電圧領域の供給電源の負端子UVSとして使用される。
【0021】
HVICチューブ10のVB2端子は、HVICチューブ10の内部にVH駆動回路144の高電圧領域の供給電源の正端子に接続されており、HVICチューブ10の外部に第2のコンデンサ34の一端に接続され、パワーデバイス100のU相高電圧領域の供給電源の正端子VVBとして使用される。HVICチューブ10のHO2端子は、HVICチューブ10の内部にVH駆動回路144の出力端子に接続されており、HVICチューブ10の外部にV相第2の上アームスイッチ素子224の制御電極に接続されている。HVICチューブ10のVS2端は、HVICチューブ10の内部にVH駆動回路144の高電圧領域の供給電源の負端子に接続されており、HVICチューブ10の外部に第2の上アームスイッチ素子224の出力負極、V相第2の下アームスイッチ素子244の出力正極、及び第2のコンデンサ34の他端に接続され、パワーデバイス100のW相高電圧領域の供給電源の負端子VVSとして使用される。
【0022】
HVICチューブ10のVB3端子は、HVICチューブ10の内部にWH駆動回路146の高電圧領域の供給電源の正端子に接続されており、HVICチューブ10の外部に第3のコンデンサ36の一端に接続され、パワーデバイス100のW相高電圧領域の供給電源の正端子WVBとして使用される。HVICチューブ10のHO3端は、HVICチューブ10の内部にWH駆動回路146の出力端子に接続されており、HVICチューブ10の外部にW相第3の上アームスイッチ素子226の制御電極に接続されている。HVICチューブ10のVS3端子は、HVICチューブ10の内部にWH駆動回路146の高電圧領域の供給電源の負端子に接続されており、HVICチューブ10の外部にスイッチ素子226の出力負極、W相第3の下アームスイッチ素子246の出力正極、及び第3のコンデンサ36の他端に接続され、パワーデバイス100のW相高電圧領域の供給電源の負端子WVSとして使用される。
【0023】
HVICチューブ10のLO1端子は、U相第1の下アームスイッチ素子242の制御電極に接続されており、HVICチューブ10のLO2端子は、V相第2の下アームスイッチ素子244の制御電極に接続されており、HVICチューブ10のLO3端子は、W相第3の下アームスイッチ素子246の制御電極に接続されている。U相第1の下アームスイッチ素子242の出力負極は、パワーデバイス100のU相低電圧基準端子UNとして使用される。V相第2の下アームスイッチ素子244の出力負極は、パワーデバイス100のV相低電圧基準端子VNとして使用される。W相第3の下アームスイッチ素子246の出力負極は、パワーデバイス100のW相低電圧基準端子WNとして使用される。
【0024】
U相第1の上アームスイッチ素子222の出力正極、V相第2の上アームスイッチ素子224の出力正極、及びW相第3の上アームスイッチ素子226の出力正極は接続されており、パワーデバイス100の高電圧入力端子Pとして使用され、Pは一般に300Vに接続されている。一例では、VDDの供給電圧は20Vである。
【0025】
HVICチューブ10は、以下の役割を有する。
【0026】
1、制御入力端子12がロウレベルの場合、HO1~HO3、LO1~LO3が0V~20Vのハイレベル/ロウレベル信号を出力し、即ち、制御入力端子12がロウレベルの場合、UH駆動回路142、VH駆動回路144、WH駆動回路146及びUL/VL/WL駆動回路162が第1の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力し、一例では、第1の電圧範囲は0V~20Vであってもよい。
【0027】
2、制御入力端子12がハイレベルの場合、HO1~HO3、LO1~LO3が0V~15Vのハイレベル/ロウレベル信号を出力し、即ち、制御入力端子12がハイレベルの場合、UH駆動回路142、VH駆動回路144、WH駆動回路146及びUL/VL/WL駆動回路162が第2の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力し、一例では、第2の電圧範囲は0V~15Vであってもよい。
【0028】
いくつかの実施例では、図2を参照し、第1の上アームスイッチ素子222、第2の上アームスイッチ素子224及び第3の上アームスイッチ素子226、第1の下アームスイッチ素子242、第2の下アームスイッチ素子244及び第3の下アームスイッチ素子246がいずれもIGBTチューブを含む(Siデバイスは、以下の図3図4に示されるSi IGBTチューブ2222である。例えば、第1の上アームスイッチ素子222、第2の上アームスイッチ素子224、第3の上アームスイッチ素子226、第1の下アームスイッチ素子242、第2の下アームスイッチ素子244及び第3の下アームスイッチ素子246がいずれもSiデバイスであり、又は、第1の上アームスイッチ素子222、第2の上アームスイッチ素子224、第3の上アームスイッチ素子226、第1の下アームスイッチ素子242、第2の下アームスイッチ素子244及び第3の下アームスイッチ素子246がいずれもSiデバイスとSiCデバイスの組み合わせである)組み合わせ形態である場合、パワーモジュール100の内部において、制御入力端子12は、ボンディングワイヤ122(bonding wire)を介してVCC端子に接続されており、第1の駆動回路14及び第2の駆動回路16が第1の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力する。
【0029】
第1の上アームスイッチ素子222、第2の上アームスイッチ素子224、第3の上アームスイッチ素子226、第1の下アームスイッチ素子242、第2の下アームスイッチ素子244及び第3の下アームスイッチ素子246がSiC MOSチューブを含む組み合わせ形態である場合(SiCデバイスは、以下の図5図7に示されるSiC MOSチューブ2222である。例えば、第1の上アームスイッチ素子222、第2の上アームスイッチ素子224、第3の上アームスイッチ素子226、第1の下アームスイッチ素子242、第2の下アームスイッチ素子244及び第3の下アームスイッチ素子246がいずれもSiCデバイスであり、又は、第1の上アームスイッチ素子222、第2の上アームスイッチ素子224、第3の上アームスイッチ素子226、第1の下アームスイッチ素子242、第2の下アームスイッチ素子244及び第3の下アームスイッチ素子246がいずれもSiCデバイスとSiデバイスの組み合わせである)、パワーモジュール100の内部において、制御入力端子12は、ボンディングワイヤ122を介してGND端子に接続されており、第1の駆動回路14及び第2の駆動回路16が第2の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力する。
【0030】
図2を参照し、一実施例では、パワーデバイス100は、第1の接続部124、第2の接続部126及びSSS端子を含み、ここで、第1の接続部124は、VCC端子とVDD端子を接続するために使用され、第2の接続部126は、GND端子とCOM端子を接続するために使用される。SSS端子は、制御入力端子12に接続され、SSS端子は、ボンディングワイヤ122を介してGND端子に接続されている。第1の接続部124及び第2の接続部126はワイヤ、電極などであってもよい。
【0031】
また、いくつかの実施例では、HVICチューブ10の内部にスイッチが設けられ、スイッチが、GND端子、VCC端子及び制御入力端子12にそれぞれ接続され、このスイッチは、制御入力端子12とVCC端子又はGND端子との間の導通を制御する。例えば、制御入力端子12にロウレベルが入力される必要がある場合、制御入力端子12とGND端子がオンになり、制御入力端子12にハイレベルが入力される必要がある場合、制御入力端子12とVCC端子がオンになる。
【0032】
いくつかの実施例では、図1を参照し、パワーデバイス100は、コントローラ(図示せず)を含み、制御入力端子12がボンディングワイヤ122を介してコントローラに接続され、コントローラは、ハイレベル又はロウレベルを出力するために使用される。コントローラは、ハイレベル/ロウレベルを出力するためのデジタル回路を含んでもよいし、フリップフロップなどを含んでもよいが、これに限定されない。例えば、コントローラは、VCC端子と同じのハイレベルを出力したり、GND端子と同じのロウレベルを出力したり、実際の必要に応じてハイレベルとロウレベルを出力したりする。また、コントローラは、HVICチューブ10の内部に取り付けられてもよく、例えば制御入力端子12とSSS入力端子との間に又は他の場所に取り付けられている。コントローラは、HVICチューブ10の外部に取り付けられてもよく、例えば制御入力端子12に近い場所又は他の場所に取り付けられている。または、コントローラはマイクロプロセッサに取り付けられている。
【0033】
本願の一実施例では、第1の上アームスイッチ素子222、第2の上アームスイッチ素子224及び第3の上アームスイッチ素子226、第1の下アームスイッチ素子242、第2の下アームスイッチ素子244及び第3の下アームスイッチ素子246は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor、IGBT)(即ち、Siデバイス)と高速回復ダイオード(Fast recovery diode、FRD)が並列に接続された組み合わせであってもよいし、IGBTチューブとSiC ショットキーダイオード(Schottky Barrier Diode、SBD)の組み合わせであってもよいし、SiC 金属-酸化物-半導体(Metal Oxide Semiconductor、MOS)チューブ(即ち、SiCデバイス)であってもよいし、SiC MOSチューブとFRDチューブの組み合わせであってもよいし、SiC MOSチューブとSiC SBDチューブの組み合わせであってもよく、具体的には、必要に応じて選択可能であり、ここでは具体的に制限されない。
【0034】
本願の一実施例によれば、第1の上アームスイッチ素子222、第2の上アームスイッチ素子224及び第3の上アームスイッチ素子226、第1の下アームスイッチ素子242、第2の下アームスイッチ素子244及び第3の下アームスイッチ素子246がSiCデバイスである場合、制御入力端子12に入力される信号のレベルはロウレベルであり、第1の上アームスイッチ素子222、第2の上アームスイッチ素子224及び第3の上アームスイッチ素子226、第1の下アームスイッチ素子242、第2の下アームスイッチ素子244及び第3の下アームスイッチ素子246がSiデバイスである場合、制御入力端子12に入力される信号のレベルはハイレベルである。
【0035】
本願に係るパワーデバイス100は、外部入力電圧を変更することなく、異なるタイプのデバイス(例えばSiCデバイス及びSiデバイス)の使用要件を満たすために、異なる電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力することができ、異なるタイプのデバイスはオン過程において完全にオン状態にあり、その性能が十分に発揮される。また、同一の第1の駆動回路14及び第2の駆動回路16を採用することで、異なる電圧範囲のハイレベル/ロウレベルを出力することができるため、パワーデバイスの製造過程において材料が混合するリスクがなく、材料の整理が容易になり、材料コストが低減される。これにより、本願の実施例のパワーデバイス100の供給電圧は20Vで変化しないままであり、周辺回路を変更する必要がなく、HVICチューブ10の消費電力が実質的に増加することはない。SiCデバイスとSiデバイスが、同一のHVICチューブ10によって駆動されるため、製造過程において材料が混合するリスクがなく、材料の整理が容易になり、材料コストが低減される。SiCデバイスは20Vの電圧で駆動され、Siデバイスは15Vの電圧で駆動され、SiCデバイスとSiデバイスがオン過程において完全にオン状態にあり、それぞれの性能が発揮される。従来のSiパワーデバイスと完全に互換性のあるこのSiCパワーデバイスソリューションは、パワーデバイスのアップグレード、パワーデバイスの応用推進、インバータ家電、特にインバータエアコンの省エネルギーに重要な役割を果たす。
【0036】
以下、本願について、具体的な実施例と組み合わせてさらに説明する。
【0037】
図3図7は、スイッチ素子の様々な組み合わせ形態であり、第1の上アームスイッチ素子222、第2の上アームスイッチ素子224、第3の上アームスイッチ素子226、第1の下アームスイッチ素子242、第2の下アームスイッチ素子244及び第3の下アームスイッチ素子246の構造は完全に同じであるため、U相第1の上アームスイッチ素子222を例として説明する。
【0038】
図3には、Si IGBTとSi FRDの組み合わせ形態が示されており、Si IGBTチューブ2222のコレクタは、Si FRDチューブ2224の陰極に接続され、U相第1の上アームスイッチ素子222の出力正極として使用される。Si IGBTチューブ2222のエミッタは、Si FRDチューブ2224の陽極に接続され、U相第1の上アームスイッチ素子222の出力負極として使用される。Si IGBTチューブ2222のゲートは、U相第1の上アームスイッチ素子222の制御電極として使用される。
【0039】
図4には、Si IGBTとSiC SBDの組み合わせ形態が示されており、Si IGBTチューブ2222のコレクタは、SiC SBDチューブ2224の陰極に接続され、U相第1の上アームスイッチ素子222の出力正極として使用される。Si IGBTチューブ2222のエミッタは、SiC SBDチューブ2224の陽極に接続され、U相第1の上アームスイッチ素子222の出力負極として使用される。Si IGBTチューブ2222のゲートは、U相第1の上アームスイッチ素子222の制御電極として使用される。
【0040】
図5には、SiC MOSの形態が示されており、SiC MOSチューブ2222のドレインは、U相第1の上アームスイッチ素子222の出力正極として使用される。SiC MOSチューブ2222のソースは、U相第1の上アームスイッチ素子222の出力負極として使用される。SiC MOSチューブ2222のゲートは、U相第1の上アームスイッチ素子222の制御電極として使用される。
【0041】
図6には、SiC MOSとSi FRDの組み合わせ形態が示されており、SiC MOSチューブ2222のドレインは、Si FRDチューブ2224の陰極に接続され、U相第1の上アームスイッチ素子222の出力正極として使用される。SiC MOSチューブ2222のソースは、Si FRDチューブ2224の陽極に接続され、U相第1の上アームスイッチ素子222の出力負極として使用される。SiC MOSチューブ2222のゲートは、U相第1の上アームスイッチ素子222の制御電極として使用される。
【0042】
図7には、SiC MOSとSiC SBDの組み合わせ形態が示されており、SiC MOSチューブ2222のドレインは、SiC SBDチューブ2224の陰極に接続され、U相第1の上アームスイッチ素子222の出力正極として使用される。SiC MOSチューブ2222のソースは、SiC SBDチューブ2224の陽極に接続され、U相第1の上アームスイッチ素子222の出力負極として使用される。Si IGBTチューブ2222のゲートは、U相第1の上アームスイッチ素子222の制御電極として使用される。
【0043】
なお、第2の上アームスイッチ素子224は、図3図7に示されるスイッチ素子のいずれかの組み合わせ形態であってもよく、第3の上アームスイッチ素子226は、図3図7に示されるスイッチ素子のいずれかの組み合わせ形態であってもよく、第1の下アームスイッチ素子242は、図3図7に示されるスイッチ素子のいずれかの組み合わせ形態であってもよく、第2の下アームスイッチ素子244は、図3図7に示されるスイッチ素子のいずれかの組み合わせ形態であってもよく、第3の下アームスイッチ素子246は、図3図7に示されるスイッチ素子のいずれかの組み合わせ形態であってもよい。
【0044】
また、上記の第1の上アームスイッチ素子222、第2の上アームスイッチ素子224、第3の上アームスイッチ素子226、第1の下アームスイッチ素子242、第2の下アームスイッチ素子244及び第3の下アームスイッチ素子246の構造が完全に同じであることは、実際のパワーデバイス100では、第1の上アームスイッチ素子222、第2の上アームスイッチ素子224、第3の上アームスイッチ素子226、第1の下アームスイッチ素子242、第2の下アームスイッチ素子244及び第3の下アームスイッチ素子246がすべて、図3に示されるSi IGBTとSi FRDの組み合わせ形態のスイッチ素子であり、又は、第1の上アームスイッチ素子222、第2の上アームスイッチ素子224、第3の上アームスイッチ素子226、第1の下アームスイッチ素子242、第2の下アームスイッチ素子244及び第3の下アームスイッチ素子246がすべて、図4に示されるSi IGBTとSiC SBDチューブの組み合わせ形態のスイッチ素子であり、又は、第1の上アームスイッチ素子222、第2の上アームスイッチ素子224、第3の上アームスイッチ素子226、第1の下アームスイッチ素子242、第2の下アームスイッチ素子244及び第3の下アームスイッチ素子246がすべて、図5に示されるSiC MOSの形態のスイッチ素子であり、又は、第1の上アームスイッチ素子222、第2の上アームスイッチ素子224、第3の上アームスイッチ素子226、第1の下アームスイッチ素子242、第2の下アームスイッチ素子244及び第3の下アームスイッチ素子246がすべて、図6に示されるSiC MOSとSi FRDの組み合わせ形態のスイッチ素子であり、又は、第1の上アームスイッチ素子222、第2の上アームスイッチ素子224、第3の上アームスイッチ素子226、第1の下アームスイッチ素子242、第2の下アームスイッチ素子244及び第3の下アームスイッチ素子246がすべて、図7に示されるSiC MOSとSiC SBDチューブの組み合わせ形態のスイッチ素子であることを意味する。
【0045】
図8図9及び図10には、UH駆動回路142、VH駆動回路144、WH駆動回路146の実施例が示さているが、図11には、UL/VL/WL駆動回路162の構造が示されている。
【0046】
図1及び図8を参照し、UH駆動回路142は、第1の入力サブ回路1421、第1のスイッチ素子1422、第2のスイッチ素子1423、第3のスイッチ素子1424及び第1の電圧出力サブ回路1425を含む。ここで、第1の入力サブ回路1421は、制御入力端子12に接続されている。第1の入力サブ回路1421は、第1の出力端子、第2の出力端子及び第3の出力端子を有し、ここで、制御入力端子12がロウレベルの場合、第1の出力端子と第2の出力端子がトリガパルスを出力し、制御入力端子12がハイレベルの場合、第1の出力端子、第2の出力端子及び第3の出力端子がトリガパルスを出力する。
【0047】
第1のスイッチ素子1422は第1の出力端子に接続されており、第1の出力端子がトリガパルスを出力する場合、第1のスイッチ素子1422がオンになる。第2のスイッチ素子1423は第2の出力端子に接続されており、第2の出力端子がトリガパルスを出力する場合、第2のスイッチ素子1423がオンになる。第3のスイッチ素子1424は第3の出力端子に接続されており、第3の出力端子がトリガパルスを出力する場合、第3のスイッチ素子1424がオンになる。
【0048】
第1の電圧出力サブ回路1425は、第1のスイッチ素子1422、第2のスイッチ素子1423及び第3のスイッチ素子1424にそれぞれ接続されている。制御入力端子12がロウレベルの場合、第1の入力サブ回路1421の第3の出力端子にはハイレベル信号が現れず、即ち、トリガパルスが現れず、第3のスイッチ素子1424はオンにならず、第1の電圧出力サブ回路1425は、第3のスイッチ素子1424がオンにされていない場合、第1の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力する。制御入力端子12がハイレベルの場合、第1の入力サブ回路1421の第3の出力端子にはハイレベルパルス信号が現れ、即ち、トリガパルスが現れ、第3のスイッチ素子1424がオンになって、第2の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力する。
【0049】
図8を引き続き参照し、第1の電圧出力サブ回路1425は、ラッチ回路1426、ラッチ及び降圧回路1427、及び第1の切替モジュール1428を含む。
【0050】
ここで、ラッチ及び降圧回路1427は、第1のスイッチ素子1422及び第2のスイッチ素子1423に接続され、第1の切替モジュール1428は、ラッチ及び降圧回路1427及び電源にそれぞれ接続され、ラッチ回路1426は、第3のスイッチ素子1424に接続されている。ラッチ回路1426は第1の切替モジュール1428を制御する。第3のスイッチ素子1424がオンになっていない場合、ラッチ回路1426は、電源の電圧を出力サブ回路1429の出力電圧とするように、第1の切替モジュール1428の動作を制御し、第3のスイッチ素子1424がオンになっている場合、ラッチ回路1426は、ラッチ及び降圧回路1428の出力電圧を出力サブ回路1429の出力電圧とするように、第1の切替モジュール1428動作を制御する。
【0051】
具体的には、図8に示すように、UH駆動回路142の内部において、VCCは、第1の入力サブ回路1421の供給電源の正端子に接続されており、HIN1は、第1の入力サブ回路1421の入力端子に接続されており、制御入力端子12は、第1の入力サブ回路1421の制御端子に接続されている。第1の入力サブ回路1421の第1の出力端子は、第1のスイッチ素子(例えば高電圧DMOSチューブ)1422のゲートに接続されており、第1の入力サブ回路1421の第2の出力端子は、第2のスイッチ素子(例えば高電圧DMOSチューブ)1423のゲートに接続されており、第1の入力サブ回路1421の第3の出力端子は、第3のスイッチ素子(例えば高電圧DMOSチューブ)1424のゲートに接続されている。GND端子は、第1の入力サブ回路1421の供給電源の負端子、第1のスイッチ素子1422の基板及びソース、第2のスイッチ素子1423の基板及びソース、及び第3のスイッチ素子1424の基板及びソースに接続されている。
【0052】
第1のスイッチ素子1422のドレインは、ラッチ及び降圧回路1427の第1の入力端子に接続されており、第2のスイッチ素子1423のドレインは、ラッチ及び降圧回路1427の第2の入力端子に接続されている。ラッチ及び降圧回路1427の第1の出力端子は、第1の切替モジュール1428(例えば、アナログスイッチ)の1選択端子に接続されており、ラッチ及び降圧回路1427の第2の出力端子は、出力サブ回路1429の入力端子に接続されている。ラッチ回路1426の出力端子は、第1の切替モジュール1428の制御端子に接続されており、第1の切替モジュール1428の固定端は、出力サブ回路1429の供給電源の正端子に接続されている。VB1は、ラッチ回路1426の供給電源の正端子、ラッチ及び降圧モジュール1427の供給電源の正端子、及び第1の切替モジュール1428の0選択端子に接続されており、VS1は、ラッチ回路1426の供給電源の負端子、ラッチ及び降圧モジュール1427の供給電源の負端子、及び出力サブ回路1429の供給電源の負端子に接続されており、HO1は、出力サブ回路1429の出力端子に接続されている。
【0053】
第1の入力サブ回路1421は、以下の役割を有する。
【0054】
第1の入力サブ回路1421の入力端子の信号の立ち上がりエッジで、第1の入力サブ回路1421の第1の出力端子は、パルス幅が300ns程度のパルス信号を出力する。第1の入力サブ回路1421の入力端子の信号の立ち下がりエッジで、第1の入力サブ回路1421の第2の出力端子は、パルス幅が300ns程度のパルス信号を出力する。第1の入力サブ回路1421の制御入力端子12がハイレベルの場合、第1の入力サブ回路1421の第3の出力端子は、パルス幅が300ns程度のパルス信号を出力する。
【0055】
ラッチ回路1426は、以下の役割を有する。
【0056】
ラッチ回路1426の入力端子の信号がロウレベルで現れる場合、ラッチ回路1426の出力端子はハイレベルを出力し、そうでない場合、ラッチ回路1426の出力端子はロウレベルを出力する。
【0057】
ラッチ及び降圧回路1427は、以下の役割を有する。
【0058】
ラッチ及び降圧回路1427の第1の入力端子にロウレベルが現れる場合、ラッチ及び降圧回路1427の第2の出力端子は連続的にハイレベルを出力する。ラッチ及び降圧回路1427の第2の入力端子にロウレベルが現れる場合、ラッチ及び降圧回路1427の第1の出力端子は連続的にロウレベルを出力する。つまり、第1の入力サブ回路1421の2つの出力端子でHIN1の信号によって分解された2つのパルス信号を完全な信号として再統合する。また、ラッチ及び降圧回路1427の内部に降圧回路を有し、ラッチ及び降圧回路1427の第2の出力端子は、VS1に対して15Vの電圧を出力する。
【0059】
出力サブ回路1429は、以下の役割を有する。
【0060】
ハイレベルときの電圧値がその供給電源の正端子と一致し、又はロウレベルときの電圧値がその供給電源の負端子と一致し、位相がHIN1と一致する信号を出力する。
【0061】
ここで、第1のスイッチ素子1422、第2のスイッチ素子1423及び第3のスイッチ素子1424のオン時間を短縮することによってその消費電力を低減するために、300nsの狭いパルス信号を使用して第1のスイッチ素子1422、第2のスイッチ素子1423及び第3のスイッチ素子1424を制御する。
【0062】
その動作原理は次のとおりである。
【0063】
HIN1の信号が第1の入力サブ回路1421を通過した後、信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジで、第1の入力サブ回路1421の第1の出力端子及び第2の出力端子から、それぞれ300nsの狭いパルスを出力し、この狭いパルスは、それぞれ第1のスイッチ素子1422と第2のスイッチ素子1423が300nsのオンになるように制御し、これにより、ラッチ及び降圧回路1427の第1の入力端子と第2の入力端子がそれぞれ300nsのロウレベルを生成し、ラッチ及び降圧回路1427の内部にRSフリップフロップなどの装置を有し、2つのロウレベル信号が、HIN1と同相である完全な信号として再統合される。
【0064】
ここで、制御入力端子12がロウレベルの場合、第1の入力サブ回路1421の第3の出力端子にハイレベルパルスが現れず、第3のスイッチ素子1424がオンにならず、ラッチ回路1426の制御入力端子12にロウレベルが現れない場合、ラッチ回路1426の出力端子はロウレベルを保持する。出力サブ回路1429の供給電源の正端子が第1の切替モジュール1428の0選択端子に接続されたままであり、即ちVB1に接続されたままである場合、出力サブ回路1429が0V~20Vのハイレベル/ロウレベルを出力することで、スイッチ素子におけるSiC デバイスに適合し、その性能が十分に発揮される。
【0065】
制御入力端子12がハイレベルの場合、第1の入力サブ回路1421の第3の出力端子にハイレベルパルスが現れ、第3のスイッチ素子1424が300nsのオンになっている。ラッチ回路1426の制御入力端子12に300nsのロウレベルが現れる場合、ラッチ回路1426の出力端子がハイレベルを出力し、出力サブ回路1429の供給電源の正端子が、第1の切替モジュール1428の1選択端子に接続される、即ちラッチ及び降圧回路1427の第1の出力端子に接続されるように切り替えられ、出力サブ回路1429が0V~15Vのハイレベル/ロウレベルを出力することで、スイッチ素子におけるSi デバイスに適合し、その性能が十分に発揮される。
【0066】
図1及び図9を参照し、VH駆動回路144はUH駆動回路142と同じであり、VH駆動回路144は、第1の入力サブ回路1441、第1のスイッチ素子1442、第2のスイッチ素子1443、第3のスイッチ素子1444及び第1の電圧出力サブ回路1445を含む。ここで、第1の入力サブ回路1441は、制御入力端子12に接続されている。第1の入力サブ回路1441は、第1の出力端子、第2の出力端子及び第3の出力端子を有し、ここで、制御入力端子12がロウレベルの場合、第1の出力端子及び第2の出力端子がトリガパルスを出力し、制御入力端子12がハイレベルの場合、第1の出力端子、第2の出力端子及び第3の出力端子がトリガパルスを出力する。
【0067】
第1のスイッチ素子1442は、第1の出力端子に接続されており、第1の出力端子がトリガパルスを出力する場合、第1のスイッチ素子1442がオンになる。第2のスイッチ素子1443は、第2の出力端子に接続されており、第2の出力端子がトリガパルスを出力する場合、第2のスイッチ素子1443がオンになる。第3のスイッチ素子1444は、第3の出力端子に接続されており、第3の出力端子がトリガパルスを出力する場合、第3のスイッチ素子1444がオンになる。
【0068】
第1の電圧出力サブ回路1445は、第1のスイッチ素子1442、第2のスイッチ素子1443及び第3のスイッチ素子1444にそれぞれ接続されている。制御入力端子12がロウレベルの場合、第1の入力サブ回路1441の第3の出力端子にハイレベル信号が現れず、第3のスイッチ素子1444がオンにならず、第1の電圧出力サブ回路1445は、第3のスイッチ素子1444がオンになっていない場合、第1の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力する。制御入力端子12がハイレベルの場合、第1の入力サブ回路1441の第3の出力端子にハイレベルパルスが現れ、第3のスイッチ素子1444がオンになり、第2の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力する。
【0069】
図9を引き続き参照し、第1の電圧出力サブ回路1445は、ラッチ回路1446、ラッチ及び降圧回路1447、及び第1の切替モジュール1448を含む。
【0070】
ここで、ラッチ及び降圧回路1447は、第1のスイッチ素子1442及び第2のスイッチ素子1443に接続されており、第1の切替モジュール1448は、ラッチ及び降圧回路1447及び電源にそれぞれ接続されており、ラッチ回路1446は、第3のスイッチ素子1444に接続されている。ラッチ回路1446は、第1の切替モジュール1448を制御する。第3のスイッチ素子1444がオンになっていない場合、ラッチ回路1446は、電源の電圧を出力サブ回路1449の出力電圧とするように、第1の切替モジュール1448の動作を制御し、第3のスイッチ素子1444がオンになっている場合、ラッチ回路1446は、ラッチ及び降圧回路1448の出力電圧を出力サブ回路1449の出力電圧とするように、第1の切替モジュール1448の動作を制御する。
【0071】
具体的には、図9に示すように、VH駆動回路144の内部において、VCCは、第1の入力サブ回路1441の供給電源の正端子に接続されており、HIN2は、第1の入力サブ回路1441の入力端子に接続されており、制御入力端子12は、第1の入力サブ回路1441の制御端子に接続されている。第1の入力サブ回路1441の第1の出力端子は、第1のスイッチ素子(例えば高電圧DMOSチューブ)1442のゲートに接続されており、第1の入力サブ回路1441の第2の出力端子は、第2のスイッチ素子(例えば高電圧DMOSチューブ)1443のゲートに接続されており、第1の入力サブ回路1441の第3の出力端子は、第3のスイッチ素子(例えば高電圧DMOSチューブ)1444のゲートに接続されている。GND端子は、第1の入力サブ回路1441の供給電源の負端子、第1のスイッチ素子1442の基板及びソース、第2のスイッチ素子1443の基板及びソース、及び第3のスイッチ素子1444の基板及びソースに接続されている。
【0072】
第1のスイッチ素子1442のドレインは、ラッチ及び降圧回路1447の第1の入力端子に接続されており、第2のスイッチ素子1443のドレインは、ラッチ及び降圧回路1447の第2の入力端子に接続されている。ラッチ及び降圧回路1447の第1の出力端子は、第1の切替モジュール1448(例えば、アナログスイッチ)の1選択端子に接続されており、ラッチ及び降圧回路1447の第2の出力端子は、出力サブ回路1449の入力端子に接続されている。ラッチ回路1446の出力端子は、第1の切替モジュール1448の制御端子に接続されており、第1の切替モジュール1448の固定端は、出力サブ回路1449の供給電源の正端子に接続されている。VB2は、ラッチ回路1446の供給電源の正端子、ラッチ及び降圧モジュール1447の供給電源の正端子、及び第1の切替モジュール1448の0選択端子に接続されており、VS2は、ラッチ回路1446の供給電源の負端子、ラッチ及び降圧モジュール1447の供給電源の負端子、出力サブ回路1449の供給電源の負端子に接続されており、HO2は、出力サブ回路1449の出力端子に接続されている。
【0073】
第1の入力サブ回路1441は、以下の役割を有する。
【0074】
第1の入力サブ回路1441の入力端子の信号の立ち上がりエッジで、第1の入力サブ回路1441の第1の出力端子は、パルス幅が300ns程度のパルス信号を出力する。第1の入力サブ回路1441の入力端子の信号の立ち下がりエッジで、第1の入力サブ回路1441の第2の出力端子は、パルス幅が300ns程度のパルス信号を出力する。第1の入力サブ回路1441の制御入力端子12がハイレベルの場合、第1の入力サブ回路1441の第3の出力端子は、パルス幅が300ns程度のパルス信号を出力する。
【0075】
ラッチ回路1446は、以下の役割を有する。
【0076】
ラッチ回路1446の入力端子の信号がロウレベルで現れる場合、ラッチ回路1446の出力端子はハイレベルを出力し、そうでない場合、ラッチ回路1446の出力端子はロウレベルを出力する。
【0077】
ラッチ及び降圧回路1447は、以下の役割を有する。
【0078】
ラッチ及び降圧回路1447の第1の入力端子にロウレベルが現れる場合、ラッチ及び降圧回路1447の第2の出力端子は連続的にハイレベルを出力する。ラッチ及び降圧回路1447の第2の入力端子にロウレベルが現れる場合、ラッチ及び降圧回路1447の第1の出力端子は連続的にロウレベルを出力する。つまり、第1の入力サブ回路1441の2つの出力端子でHIN2の信号によって分解された2つのパルス信号を完全な信号として再統合する。また、ラッチ及び降圧回路1447の内部に降圧回路を有し、ラッチ及び降圧回路1447の第2の出力端子は、VS2に対して15Vの電圧を出力する。
【0079】
出力サブ回路1449は、以下の役割を有する。
【0080】
ハイレベルときの電圧値がその供給電源の正端子と一致し、又はロウレベルときの電圧値がその供給電源の負端子と一致し、位相がHIN2と一致する信号を出力する。
【0081】
ここで、第1のスイッチ素子1442、第1のスイッチ素子1443及び第3のスイッチ素子1444のオン時間を短縮することによってその消費電力を低減するために、300nsの狭いパルス信号を使用して第1のスイッチ素子1442、第1のスイッチ素子1443及び第3のスイッチ素子1444を制御する。
【0082】
その動作原理は次のとおりである。
【0083】
HIN2の信号が第1の入力サブ回路1441を通過した後、信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジで、第1の入力サブ回路1441の第1の出力端子及び第2の出力端子から、それぞれ300nsの狭いパルスを出力し、この狭いパルスは、それぞれ第1のスイッチ素子1442と第2のスイッチ素子1443が300nsのオンになるように制御し、これにより、ラッチ及び降圧回路1447の第1の入力端子と第2の入力端子がそれぞれ300nsのロウレベルを生成し、ラッチ及び降圧回路1447の内部にRSフリップフロップなどの装置を有し、2つのロウレベル信号がHIN2と同相である完全な信号として再統合される。
【0084】
ここで、制御入力端子12がロウレベルの場合、第1の入力サブ回路1441の第3の出力端子にハイレベルパルスが現れず、第3のスイッチ素子1444がオンにならず、ラッチ回路1446の制御入力端子12にロウレベルが現れない場合、ラッチ回路1446の出力端子はロウレベルを保持し、出力サブ回路1449の供給電源の正端子が第1の切替モジュール1448の0選択端子に接続されたままであり、即ちVB2に接続されたままである場合、出力サブ回路1449が0V~20Vのハイレベル/ロウレベルを出力することで、スイッチ素子におけるSiC デバイスに適合し、その性能が十分に発揮される。
【0085】
制御入力端子12がハイレベルの場合、第1の入力サブ回路1441の第3の出力端子にハイレベルパルスが現れ、第3のスイッチ素子1444が300ns間オンになっている。ラッチ回路1446の制御入力端子12に300nsのロウレベルが現れる場合、ラッチ回路1446の出力端子がハイレベルを出力し、出力サブ回路1449の供給電源の正端子が、第1の切替モジュール1448の1選択端子に接続される、即ちラッチ及び降圧回路1447の第1の出力端子に接続されるように切り替えられ、出力サブ回路1449が0V~15Vのハイレベル/ロウレベルを出力することで、スイッチ素子におけるSi デバイスに適合し、その性能が十分に発揮される。
【0086】
その動作原理は次のとおりである。
【0087】
HIN2の信号が第1の入力サブ回路1441を通過した後、信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジで、第1の入力サブ回路1441の第1の出力端子及び第2の出力端子から、それぞれ300nsの狭いパルスを出力し、この狭いパルスは、それぞれ第1のスイッチ素子1442と第2のスイッチ素子1443が300nsのオンになるように制御し、これにより、ラッチ及び降圧回路1447の第1の入力端子と第2の入力端子がそれぞれ300nsのロウレベルを生成し、ラッチ及び降圧回路1447の内部にRSフリップフロップなどの装置を有し、2つのロウレベル信号がHIN2と同相である完全な信号として再統合される。
【0088】
ここで、スイッチ素子にSiC MOSチューブがあり、制御入力端子12がロウレベルである場合、第1の入力サブ回路1441の第3の出力端子にハイレベルパルスが現れず、第3のスイッチ素子1444がオンにならず、ラッチ回路1446の制御入力端子12にロウレベルが現れない場合、ラッチ回路1446の出力端子がロウレベルを保持し、出力サブ回路1449の供給電源の正端子が第1の切替モジュール1448の0選択端子に接続されたままであり、即ちVB2に接続されたままである場合、出力サブ回路1449は0V~20Vのハイレベル/ロウレベルを出力する。
【0089】
スイッチ素子にSiC MOSチューブがなく、制御入力端子12がハイレベルである場合、第1の入力サブ回路1441の第3の出力端子にハイレベルパルスが現れ、第3のスイッチ素子1444が300nsのオンになり、ラッチ回路1446の制御入力端子12に300nsのロウレベルが現れる場合、ラッチ回路1446の出力端子がハイレベルを出力し、出力サブ回路1449の供給電源の正端子が、第1の切替モジュール1448の1選択端子に接続される、即ちラッチ及び降圧回路1447の第1の出力端子に接続されるように切り替えられ、出力サブ回路1449は、0V~15Vのハイレベル/ロウレベルを出力する。
【0090】
図1及び図10を参照し、WH駆動回路146はUH駆動回路142と同じであり、WH駆動回路146は、第1の入力サブ回路1461、第1のスイッチ素子1462、第2のスイッチ素子1463、第3のスイッチ素子1464及び第1の電圧出力サブ回路1465を含む。ここで、第1の入力サブ回路1461は、制御入力端子12に接続されている。第1の入力サブ回路1461は、第1の出力端子、第2の出力端子及び第3の出力端子を有し、ここで、制御入力端子12がロウレベルの場合、第1の出力端子及び第2の出力端子がトリガパルスを出力し、制御入力端子12がハイレベルの場合、第1の出力端子、第2の出力端子及び第3の出力端子がトリガパルスを出力する。
【0091】
第1のスイッチ素子1462は、第1の出力端子に接続されており、第1の出力端子がトリガパルスを出力する場合、第1のスイッチ素子1462がオンになる。第2のスイッチ素子1463は、第2の出力端子に接続されており、第2の出力端子がトリガパルスを出力する場合、第2のスイッチ素子1463がオンになる。第3のスイッチ素子1464は、第3の出力端子に接続されており、第3の出力端子がトリガパルスを出力する場合、第3のスイッチ素子1464がオンになる。
【0092】
第1の電圧出力サブ回路1465は、第1のスイッチ素子1462、第2のスイッチ素子1463及び第3のスイッチ素子1464にそれぞれ接続されている。制御入力端子12がロウレベルの場合、第1の入力サブ回路1461の第3の出力端子にハイレベルが現れず、第1の電圧出力サブ回路1465は、第3のスイッチ素子1464がオンになっていない場合、第1の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力する。制御入力端子12がハイレベルの場合、第1の入力サブ回路1461の第3の出力端子にハイレベルパルスが現れ、第3のスイッチ素子1464がオンになり、第2の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力する。
【0093】
図10を引き続き参照し、第1の電圧出力サブ回路1465は、ラッチ回路1466、ラッチ及び降圧回路1467、及び第1の切替モジュール1468を含む。
【0094】
ここで、ラッチ及び降圧回路1467は、第1のスイッチ素子1462及び第2のスイッチ素子1463に接続されており、第1の切替モジュール1468は、ラッチ及び降圧回路1467及び電源にそれぞれ接続されており、ラッチ回路1466は、第3のスイッチ素子1464に接続されている。ラッチ回路1466は、第1の切替モジュール1468を制御する。第3のスイッチ素子1464がオンになっていない場合、ラッチ回路1466は、電源の電圧を出力サブ回路1469の出力電圧とするように、第1の切替モジュール1468の動作を制御し、第3のスイッチ素子1464がオンになっている場合、ラッチ回路1466は、ラッチ及び降圧回路1468の出力電圧を出力サブ回路1469の出力電圧とするように、第1の切替モジュール1468の動作を制御する。
【0095】
具体的には、図10に示すように、WH駆動回路146の内部において、VCCは、第1の入力サブ回路1461の供給電源の正端子に接続されており、HIN3は、第1の入力サブ回路1461の入力端子に接続されており、制御入力端子12は、第1の入力サブ回路1461の制御端子に接続されている。第1の入力サブ回路1461の第1の出力端子は、第1のスイッチ素子(例えば高電圧DMOSチューブ)1462のゲートに接続されており、第1の入力サブ回路1461の第2の出力端子は、第2のスイッチ素子(例えば高電圧DMOSチューブ)1463のゲートに接続されており、第1の入力サブ回路1461の第3の出力端子は、第3のスイッチ素子(例えば高電圧DMOSチューブ)1464のゲートに接続されている。GND端子は、第1の入力サブ回路1461の供給電源の負端子、第1のスイッチ素子1462の基板及びソース、第2のスイッチ素子1463の基板及びソース、及び第3のスイッチ素子1464の基板及びソースに接続されている。
【0096】
第1のスイッチ素子1462のドレインは、ラッチ及び降圧回路1467の第1の入力端子に接続されており、第2のスイッチ素子1463のドレインは、ラッチ及び降圧回路1467の第2の入力端子に接続されている。ラッチ及び降圧回路1467の第1の出力端子は、第1の切替モジュール1468(例えば、アナログスイッチ)の1選択端子に接続されており、ラッチ及び降圧回路1467の第2の出力端子は、出力サブ回路1469の入力端子に接続されている。ラッチ回路1466の出力端子は、第1の切替モジュール1468の制御端子に接続されており、第1の切替モジュール1468の固定端は、出力サブ回路1469の供給電源の正端子に接続されている。VB3は、ラッチ回路1466の供給電源の正端子、ラッチ及び降圧モジュール1467の供給電源の正端子、及び第1の切替モジュール1468の0選択端子に接続されており、VS3は、ラッチ回路1466の供給電源の負端子、ラッチ及び降圧モジュール1467の供給電源の負端子、及び出力サブ回路1469の供給電源の負端子に接続されており、HO3は、出力サブ回路1469の出力端子に接続されている。
【0097】
第1の入力サブ回路1461は、以下の役割を有する。
【0098】
第1の入力サブ回路1461入力端子の信号の立ち上がりエッジで、第1の入力サブ回路1461の第1の出力端子は、パルス幅が300ns程度のパルス信号を出力する。第1の入力サブ回路1461の入力端子の信号の立ち下がりエッジで、第1の入力サブ回路1461の第2の出力端子は、パルス幅が300ns程度のパルス信号を出力する。第1の入力サブ回路1461の制御入力端子12がハイレベルの場合、第1の入力サブ回路1461の第3の出力端子は、パルス幅が300ns程度のパルス信号を出力する。
【0099】
ラッチ回路1466は、以下の役割を有する。
【0100】
ラッチ回路1466の入力端子の信号がロウレベルで現れる場合、ラッチ回路1466の出力端子はハイレベルを出力し、そうでない場合、ラッチ回路1466の出力端子はロウレベルを出力する。
【0101】
ラッチ及び降圧回路1467は、以下の役割を有する。
【0102】
ラッチ及び降圧回路1467の第1の入力端子にロウレベルが現れる場合、ラッチ及び降圧回路1467の第2の出力端子は連続的にハイレベルを出力する。ラッチ及び降圧回路1467の第2の入力端子にロウレベルが現れる場合、ラッチ及び降圧回路1467の第1の出力端子は連続的にロウレベルを出力する。つまり、第1の入力サブ回路1461の2つの出力端子でHIN3の信号によって分解された2つのパルス信号を完全な信号として再統合する。また、ラッチ及び降圧回路1467の内部に降圧回路を有し、ラッチ及び降圧回路1467の第2の出力端子は、VS3に対して15Vの電圧を出力する。
【0103】
出力サブ回路1469は、以下の役割を有する。
【0104】
ハイレベルときの電圧値がその供給電源の正端子と一致し、又はロウレベルときの電圧値がその供給電源の負端子と一致し、位相がHIN3と一致する信号を出力する。
【0105】
ここで、第1のスイッチ素子1462、第2のスイッチ素子1463及び第3のスイッチ素子1464のオン時間を短縮することによってその消費電力を低減するために、300nsの狭いパルス信号を使用して第1のスイッチ素子1462、第2のスイッチ素子1463及び第3のスイッチ素子1464を制御する。
【0106】
その動作原理は次のとおりである。
【0107】
HIN3の信号が第1の入力サブ回路1461を通過した後、信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジで、第1の入力サブ回路1461の第1の出力端子及び第2の出力端子から、それぞれ300nsの狭いパルスを出力し、この狭いパルスは、それぞれ第1のスイッチ素子1462と第2のスイッチ素子1463が300nsのオンになるように制御し、これにより、ラッチ及び降圧回路1467の第1の入力端子と第2の入力端子がそれぞれ300nsのロウレベルを生成し、ラッチ及び降圧回路1467の内部にRSフリップフロップなどの装置を有し、2つのロウレベル信号がHIN3と同相である完全な信号として再統合される。
【0108】
ここで、制御入力端子12がロウレベルの場合、第1の入力サブ回路1461の第3の出力端子にハイレベルパルスが現れず、第3のスイッチ素子1464がオンにならない。ラッチ回路1466の制御入力端子12にロウレベルが現れない場合、ラッチ回路1466の出力端子がロウレベルを保持し、出力サブ回路1469の供給電源の正端子が第1の切替モジュール1468の0選択端子に接続されたままであり、即ちVB3に接続されたままである場合、出力サブ回路1469が0V~20Vのハイレベル/ロウレベルを出力することで、スイッチ素子におけるSiC デバイスに適合し、その性能が十分に発揮される。
【0109】
制御入力端子12がハイレベルの場合、第1の入力サブ回路1461の第3の出力端子にハイレベルパルスが現れ、第3のスイッチ素子1464が300nsのオンになっている。ラッチ回路1466の制御入力端子12に300nsのロウレベルが現れる場合、ラッチ回路1466の出力端子がハイレベルを出力し、出力サブ回路1469の供給電源の正端子が、第1の切替モジュール1468の1選択端子に接続される、即ちラッチ及び降圧回路1467の第1の出力端子に接続されるように切り替えられ、出力サブ回路1469が0V~15Vのハイレベル/ロウレベルを出力することで、スイッチ素子におけるSi デバイスに適合し、その性能が十分に発揮される。
【0110】
その動作原理は次のとおりである。
【0111】
HIN3の信号が第1の入力サブ回路1461を通過した後、信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジで、第1の入力サブ回路1461の第1の出力端子及び第2の出力端子から、それぞれ300nsの狭いパルスを出力し、この狭いパルスは、それぞれ第1のスイッチ素子1462と第2のスイッチ素子1463が300nsのオンになるように制御し、これにより、ラッチ及び降圧回路1467の第1の入力端子と第2の入力端子がそれぞれ300nsのロウレベルを生成し、ラッチ及び降圧回路1467の内部にRSフリップフロップなどの装置を有し、2つのロウレベル信号がHIN3と同相である完全な信号として再統合される。
【0112】
ここで、スイッチ素子にSiC MOSチューブがあり、制御入力端子12がロウレベルである場合、第1の入力サブ回路1461の第3の出力端子にハイレベルパルスが現れず、第3のスイッチ素子1464がオンにならず、ラッチ回路1466の制御入力端子12にロウレベルが現れない場合、ラッチ回路1466の出力端子がロウレベルを保持し、出力サブ回路1469の供給電源の正端子が第1の切替モジュール1468の0選択端子に接続されたままであり、即ちVB3に接続されたままである場合、出力サブ回路1469は0V~20Vのハイレベル/ロウレベルを出力する。
【0113】
スイッチ素子にSiC MOSチューブがなく、制御入力端子12がハイレベルである場合、第1の入力サブ回路1461の第3の出力端子にハイレベルパルスが現れ、第3のスイッチ素子1464が300nsのオンになり、ラッチ回路1466の制御入力端子12に300nsのロウレベルが現れる場合、ラッチ回路1466の出力端子がハイレベルを出力し、出力サブ回路1469の供給電源の正端子が、第1の切替モジュール1468の1選択端子に接続される、即ちラッチ及び降圧回路1467の第1の出力端子に接続されるように切り替えられ、出力サブ回路1469は、0V~15Vのハイレベル/ロウレベルを出力する。
【0114】
以下、図11と組み合わせてUL/VL/WL駆動回路162の構造を説明する。
【0115】
図11を参照し、UL/VL/WL駆動回路162は、第2の入力サブ回路1621、降圧サブ回路1622及び第2の電圧出力サブ回路1623を含む。ここで、第2の入力サブ回路1621は、第1の出力端子、第2の出力端子、第3の出力端子及び第4の出力端子を含み、ここで、制御入力端子12がロウレベルの場合、第2の出力端子、第3の出力端子及び第4の出力端子がトリガパルスを出力し、制御入力端子12がハイレベルの場合、第1の出力端子、第2の出力端子、第3の出力端子及び第4の出力端子がトリガパルスを出力する。降圧サブ回路1622は、電源の電圧を第2の電圧範囲に降圧し、即ち、降圧サブ回路1622の出力端子がGND端子に対して15Vの電圧を出力する。第2の電圧出力サブ回路1623は、第2の入力サブ回路1621及び降圧サブ回路1622に接続されており、ここで、第2の出力端子、第3の出力端子及び第4の出力端子がトリガパルスを出力する場合、第2の電圧出力サブ回路1623が第1の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力し、第1の出力端子、第2の出力端子、第3の出力端子及び第4の出力端子がトリガパルスを出力する場合、第2の電圧出力サブ回路1623が第2の電圧範囲のハイレベル/ロウレベル信号を出力する。
【0116】
図11を引き続き参照し、第2の電圧出力サブ回路1623は、第2の入力サブ回路1621の第2の出力端子、第3の出力端子及び第4の出力端子にそれぞれ接続されるUL出力モジュール1624、VL出力モジュール1625及びWL出力モジュール1626を含む。UL出力モジュール1624、VL出力モジュール1625及びWL出力モジュール1626にそれぞれ接続される第2の切替モジュール1627、第3の切替モジュール1628及び第4の切替モジュール1629を含む。ここで、第2の切替モジュール1627、第3の切替モジュール1628及び第4の切替モジュール1629は、第2の入力サブ回路1621の第1の出力端子に基づいて、電源の電圧又は降圧サブ回路1622の出力電圧を第2の電圧出力サブ回路の出力電圧として選択する。
【0117】
具体的には、図11に示すように、UL/VL/WL駆動回路162の内部において、VCCは、第2の入力サブ回路1621の供給電源の正端子、降圧サブ回路1622の供給電源の正端子、第2の切替スイッチ(例えば、アナログスイッチ)1627の0選択端子、第3の切替スイッチ(例えば、アナログスイッチ)1628の0選択端子、及び第4の切替スイッチ(例えば、アナログスイッチ)1629の0選択端子に接続されている。
【0118】
LIN1は、第2の入力サブ回路1621の第1の入力端子に接続されており、LIN2は、第2の入力サブ回路1621の第2の入力端子に接続されており、LIN3は、第2の入力サブ回路1621の第3の入力端子に接続されており、制御入力端子12は、第2の入力サブ回路1621の制御端子に接続されている。
【0119】
第2の入力サブ回路1621の第2の出力端子は、UL出力回路1624の入力端子に接続されており、第2の入力サブ回路1621の第3の出力端子は、VL出力回路1625の入力端子に接続されており、第2の入力サブ回路1621の第4の出力端子は、WL出力回路1626の入力端子に接続されている。第2の入力サブ回路1421の第1の出力端子は、第2の切替モジュール1627の制御端子、第3の切替モジュール1628の制御端子、第4の切替モジュール1629の制御端子にそれぞれ接続されている。
【0120】
GND端子は、第2の入力サブ回路1621の供給電源の負端子、降圧サブ回路1622の供給電源の負端子、UL出力回路1624の供給電源の負端子、VL出力回路1625の供給電源の負端子、及びWL出力回路1626の供給電源の負端子に接続されている。降圧サブ回路1622の出力端子は、第2の切替モジュール1627の1選択端子、第3の切替モジュール1628の1選択端子、及び第4の切替モジュール1629の1選択端子にそれぞれ接続されている。LO1は、UL出力回路1624の出力端子に接続されており、LO2は、VL出力回路1625の出力端子に接続されており、LO3は、WL出力回路1625の出力端子に接続されている。
【0121】
第2の入力サブ回路1621は、以下の役割を有する。
【0122】
第2の入力サブ回路1621の第2の出力端子は、第2の入力サブ回路1621の第1の入力端子と同相の信号を出力し、第2の入力サブ回路1621の第3の出力端子は、第2の入力サブ回路1621の第2の入力端子と同相の信号を出力し、第2の入力サブ回路1621の第3の出力端子は、第2の入力サブ回路1621の第4の入力端子と同相の信号を出力する。第2の入力サブ回路1621の入力端子がハイレベルの場合、第2の入力サブ回路1621の第1の出力端子がハイレベルを出力する。第2の入力サブ回路1621の入力端子がロウレベルの場合、第2の入力サブ回路1621の第1の出力端子がロウレベルを出力する。
【0123】
降圧サブ回路1622の役割は、降圧サブ回路1622の出力端子がGND端子に対して15Vの電圧を出力することである。
【0124】
UL出力回路1624の役割は、ハイレベルときの電圧値がその供給電源の正端子と一致し、ロウレベルときの電圧値がその供給電源の負端子と一致し、位相がHIN1と一致する信号を出力することである。
【0125】
VL出力回路1625の役割は、ハイレベルときの電圧値がその供給電源の正端子と一致し、ロウレベルときの電圧値がその供給電源の負端子と一致し、位相がHIN2と一致する信号を出力することである。
【0126】
WL出力回路1626の役割は、ハイレベルときの電圧値がその供給電源の正端子と一致し、ロウレベルときの電圧値がその供給電源の負端子と一致し、位相がHIN3と一致する信号を出力することである。
【0127】
その動作原理は次のとおりである。
【0128】
LIN1、LIN2、LIN3の信号が第2の入力サブ回路1621を通過した後、第2の入力サブ回路1621の第2の出力端子、第3の出力端子及び第4の出力端子が、LIN1、LIN2、LIN3と位相が同じであり、信号が整形された矩形波を出力する。
【0129】
スイッチ素子にSiC MOSチューブがあり、制御入力端子12がロウレベルである場合、第2の入力サブ回路4104の第1の出力端子はロウレベルを出力し、第2の切替モジュール1627の固定端が第2の切替モジュール1627の0選択端子に接続され、第3の切替モジュール1628の固定端が第3の切替モジュール1628の0選択端子に接続され、第4の切替モジュール1629の固定端が第4の切替モジュール1629の0選択端子に接続されるため、LO1がUL出力回路1624の入力端子と同相である0V~20Vの信号を出力し、LO2がVL出力回路1625の入力端子と同相である0V~20Vの信号を出力し、LO3がWL出力回路1626の入力端子と同相である0V~20Vの信号を出力する。
【0130】
スイッチ素子にSiC MOSチューブが存在せず、制御入力端子12がハイレベルである場合、第2の入力サブ回路1621の第1の出力端子はハイレベルを出力し、第2の切替モジュール1627の固定端が第2の切替モジュール1627の1選択端子に接続され、第3の切替モジュール1628の固定端が第3の切替モジュール1628の1選択端子に接続され、第4の切替モジュール1629の固定端が第4の切替モジュール1629の1選択端子に接続されるため、LO1がUL出力回路1624の入力端子と同相である0V~15Vの信号を出力し、LO2がVL出力回路1625の入力端子と同相である0V~15Vの信号を出力し、LO3がWL出力回路1626の入力端子と同相である0V~15Vの信号を出力する。
【0131】
本願の上記実施例に係る技術案は、少なくとも下記技術的効果又は利点を有する。
【0132】
本願の実施例に係るパワーデバイス100の供給電圧は20Vで変化しないままであり、周辺回路を変更する必要がなく、高電圧集積回路の消費電力が実質的に増加することはない。SiCデバイスとSiデバイスが、同一の高電圧集積回路によって駆動されるため、製造過程において材料が混合するリスクがなく、材料の整理が容易になり、材料コストが低減される。SiCデバイスが20Vの電圧で駆動され、Siデバイスが15Vの電圧で駆動され、SiCデバイスとSiデバイスがオン過程において完全にオンになり、それぞれの性能が発揮される。
【0133】
図12を参照し、本願は、上記のパワーデバイス100とプロセッサ200とを含む電気機器1000をさらに提供し、プロセッサ200がパワーデバイス100に接続されている。電気機器1000は、エアコン(家庭用エアコン、業務用エアコンを含む)、洗濯機、冷蔵庫又は電磁調理器などであってもよく、ここで、パワーデバイス100は上記した機能を実現することができる。
【0134】
本願の実施例に係る電気機器1000におけるパワーデバイス100の供給電圧は20Vで変化しないままであり、周辺回路を変更する必要がなく、HVICチューブの消費電力が実質的に増加することはない。SiCデバイスとSiデバイスが、同一のHVICチューブによって駆動されるため、製造過程において材料が混合するリスクがなく、材料の整理が容易になり、材料コストが低減される。SiCデバイスが20Vの電圧で駆動され、Siデバイスが15Vの電圧で駆動され、SiCデバイスとSiデバイスがオン過程において完全にオンになり、それぞれの性能が発揮される。
【0135】
本願の説明において、明確に指定又は限定しない限り、第1特徴が第2特徴の「上」または「下」に位置することは、第1特徴が第2特徴と直接接触することを含んでもよく、第1特徴が第2特徴と直接接触せずに、それらの間の他の特徴を介して接触することを含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」に位置することは、第1特徴が第2特徴の真上や斜め上方に位置することを含み、あるいは、第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことのみを意味する。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」や「下面」に位置することは、第1特徴が第2特徴の直下や斜め下方に位置することを含み、あるいは、第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことのみを意味する。
【0136】
本明細書の開示において、多くの異なる実施形態または実施例を提供することにより、本願の異なる構造を実現する。本願の説明を簡略化にするため、特定の一例の部品及び配置について説明する。勿論、これらは例示するものであるに過ぎず、本願を限定するという目的ではない。また、本願は、異なる一例において参考にした数字及び/又は参考にしたアルファベットを重複することができる。このような重複は、簡潔及び明確にするためであり、これ自体が検討された各種の実施例及び/又は配置間の関係を示すものではない。また、本願は、さまざまな特定の工法及び材料の一例を挙げているが、当業者は、その他の工法の適用及び/又はその他の材料の使用も意識することができる。
【0137】
本明細書の説明においては、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示的な実施形態」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」などの用語を参照した説明は、実施形態又は例を参照しながら説明した特定の特徴、構造、材料又は特性が、本願の少なくとも1つの実施形態又は例に含まれることを意味している。本明細書において、上記用語の模式的な表現は同じ実施形態又は例に、必ずしも言及しているというわけではない。また、説明した特定の特徴、構造、材料又は特性は任意の1つ又は複数の実施形態又は例において、適切な方法で組み合わせてもよい。
【0138】
以上、本願の実施形態を例示して説明したが、当業者であれば、本願の原理及び趣旨から逸脱せずに、これらの実施例に対して様々な変更、修正、置換や変形を行うことができ、本願の範囲が、特許請求の範囲およびその均等物によって定義されると理解されたい。
図1
図2
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図4
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図12