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特許7209961運搬機、収穫機、運搬システム、運搬方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】運搬機、収穫機、運搬システム、運搬方法
(51)【国際特許分類】
   B60D 1/02 20060101AFI20230116BHJP
   A01D 45/26 20060101ALI20230116BHJP
【FI】
B60D1/02 A
A01D45/26
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018217487
(22)【出願日】2018-11-20
(65)【公開番号】P2020082902
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-11-16
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター、革新的技術開発・緊急展開事業「人工知能未来農業創造プロジェクト」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】593006630
【氏名又は名称】学校法人立命館
(73)【特許権者】
【識別番号】504352788
【氏名又は名称】オサダ農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】深尾 隆則
(72)【発明者】
【氏名】吉本 達也
(72)【発明者】
【氏名】長田 秀治
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 和晃
(72)【発明者】
【氏名】東山 学
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-243709(JP,A)
【文献】特開2018-171073(JP,A)
【文献】特開2009-226495(JP,A)
【文献】特開2003-118657(JP,A)
【文献】特開平09-267746(JP,A)
【文献】特開平10-276540(JP,A)
【文献】特開平04-183318(JP,A)
【文献】特表2007-523007(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0083695(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第3300582(EP,A1)
【文献】特開2016-192074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 45/26
B60D 1/02
B60D 1/26
B60D 1/36- 1/40
B61B 13/00
B61G 1/40
B62B 1/00- 5/08
G05D 1/00- 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬機であって、
農作物を収穫した収穫機に連結する1以上の連結部と、
前記連結部が前記収穫機の連結部に連結されるように、前記運搬機の前記連結部と前記収穫機の前記連結部との位置合わせをしつつ、前記運搬機が前記収穫機へ接近するように前記運搬機の走行を制御する制御部と、を備え、
前記収穫機は、収穫された農作物を前記運搬機の第1の載荷位置に移送する移送機構を有し、
前記連結部は、前記第1の載荷位置が前記移送機構に対して前記農作物を移送可能な位置関係を保持するように構成されている
運搬機。
【請求項2】
前記連結部は、雄型部材と、前記雄型部材が挿入される雌型部材とのうちの一方部材を含み、
前記連結部は、前記雄型部材と前記雌型部材とのうちの他方部材を有する前記収穫機の前記連結部に連結される
請求項1に記載の運搬機。
【請求項3】
前記制御部は、前記収穫機と前記運搬機との相対的な位置関係を検出し、検出された前記相対的な位置関係に基づいて前記位置合わせをする
請求項1又は2に記載の運搬機。
【請求項4】
前記位置合わせは、前記収穫機に対して、高さ、左右の位置、及び、傾きを合わせることを含む
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の運搬機。
【請求項5】
前記制御部は、前記収穫機に対して、高さ、左右の位置、及び、傾きを合わせることに、前記収穫機の撮影画像から予め規定したマーカを検出して用いる
請求項4に記載の運搬機。
【請求項6】
前記制御部は、さらに、前記収穫機の位置及び向きに基づいて前記収穫機へ接近するための走行ルートを決定する
請求項4又は5に記載の運搬機。
【請求項7】
前記制御部は、GNSS(Global Navigation Satellite System)装置から出力される信号を用いて前記収穫機の位置及び向きを検出する
請求項6に記載の運搬機。
【請求項8】
前記連結部を2以上有する
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の運搬機。
【請求項9】
前記第1の載荷位置に載置された前記農作物を前記第1の載荷位置から他の位置に移送するとともに、第2の載荷位置に載置されたストッカーを前記第1の載荷位置に移送する第1の移送を行う第1の移送機構と、
前記第1の載荷位置に載置された前記ストッカーを前記収穫機に移送する第2の移送を行う第2の移送機構と、をさらに備える
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の運搬機。
【請求項10】
前記収穫機から前記農作物の前記第1の載荷位置への移送が完了すると前記第1の移送を実行させ、前記第1の移送が完了すると前記第2の移送を実行させるように前記第1の移送機構と前記第2の移送機構とを制御する移送制御部をさらに備える
請求項9に記載の運搬機。
【請求項11】
農作物を収穫する収穫機であって、
運搬機に連結可能な連結部と、
収穫された農作物を前記連結部に連結された前記運搬機に移送する移送機構と、を備える
収穫機。
【請求項12】
農作物を収穫する収穫機と、
前記収穫機によって収穫された農作物を運搬する運搬機と、を備え、
前記収穫機は、
前記運搬機に連結可能な連結部と、
収穫された前記農作物を前記連結部に連結された前記運搬機の載荷位置に移送する移送機構と、を有し、
前記運搬機は、
前記収穫機に連結する1以上の連結部と、
前記連結部が前記収穫機の連結部に連結されるように位置合わせをしつつ、前記運搬機が前記収穫機へ接近するように前記運搬機の走行を制御する制御部と、を有し、
前記運搬機の前記連結部は、前記載荷位置が前記移送機構に対して前記農作物を移送可能な位置関係を保持するように構成されている
運搬システム。
【請求項13】
収穫機によって収穫された農作物を運搬機によって運搬する方法であって、
前記運搬機を前記収穫機に連結するステップと、
前記収穫機から、連結された前記運搬機の第1の載荷位置に前記農作物を移送するステップと、を備え、
前記連結するステップは、前記運搬機が前記収穫機に対して、前記第1の載荷位置が前記収穫機から前記農作物を移送可能な位置関係となるように位置合わせをしつつ、前記運搬機が前記収穫機へ接近するように前記運搬機が走行するステップを含む
運搬方法。
【請求項14】
前記収穫機から前記第1の載荷位置に移送された前記農作物を前記第1の載荷位置から他の位置に移送するとともに、前記運搬機の第2の載荷位置に載荷されたストッカーを前記第1の載荷位置に移送するステップと、
前記第1の載荷位置に移送した前記ストッカーを前記収穫機に移送するステップと、をさらに備える
請求項13に記載の運搬方法。
【請求項15】
運搬機であって、
作業機に連結する1以上の連結部と、
前記連結部が前記作業機の連結部に連結されるように位置合わせをする制御部と、を備え、
前記作業機は、載置された荷を前記運搬機の第1の載荷位置に移送する移送機構を有し、
前記連結部は、前記第1の載荷位置が前記移送機構に対して前記荷を移送可能な位置関係を保持するように構成され、
前記第1の載荷位置に載置された前記荷を前記第1の載荷位置から他の位置に移送するとともに、第2の載荷位置に載置されたストッカーを前記第1の載荷位置に移送する第1の移送を行う第1の移送機構と、
前記第1の載荷位置に載置された前記ストッカーを前記作業機に移送する第2の移送を行う第2の移送機構と、をさらに備える
運搬機。
【請求項16】
作業機に載置された荷を運搬機によって運搬する方法であって、
前記運搬機を前記作業機に連結するステップと、
前記作業機から、連結された前記運搬機の第1の載荷位置に前記荷を移送するステップと、を備え、
前記連結するステップは、前記運搬機が前記作業機に対して、前記第1の載荷位置が前記作業機から前記荷を移送可能な位置関係となるように位置合わせするステップを含み、
前記作業機から前記第1の載荷位置に移送された前記荷を前記第1の載荷位置から他の位置に移送するとともに、前記運搬機の第2の載荷位置に載荷されたストッカーを前記第1の載荷位置に移送するステップと、
前記第1の載荷位置に移送した前記ストッカーを前記作業機に移送するステップと、をさらに備える
運搬方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運搬機、作業機、運搬システム、運搬方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作業機の一例として、キャベツなどの結球野菜の収穫機が挙げられる。収穫機としては、例えば、特開2017-153449号公報(特許文献1)が開示しているような収穫機がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-153449号公報
【発明の概要】
【0004】
特許文献1に開示されているような収穫機は、圃場を走行しながら結球野菜を収穫する。収穫機において収穫した結球野菜は、載置されたコンテナ等のストッカーに収容される。ストッカーが満杯になると、ストッカーは、圃場上の収穫機から圃場外の車両(トラック)まで、例えばフォークリフトで運搬される。車両は、ストッカーを、集荷場などの作業場まで運搬する。
【0005】
本発明者らは、圃場から圃場外へのストッカーの運搬を容易にするため、移送機構を介して、収穫機からストッカーを受け取る機能を有する運搬機を用いるという着想を得た。かかる着想において、ストッカーなどの荷を、収穫機から運搬機へ円滑に移送するには、収穫機と運搬機との相対的な位置関係を正しく保つ必要がある。しかし、圃場のように平坦でない場所においては、収穫機と運搬機との姿勢が異なる可能性が高いため、収穫機と運搬機との相対的な位置関係を適切に保つことは容易ではない。この問題は、収穫機のような農業機械に限れられず、建設機械のように、平坦でない場所で作業する作業機について同様に発生する。すなわち、圃場又は建設現場のような平坦でない場所において、作業機と運搬機との相対的位置関係を適切に保つことは容易ではない。
【0006】
したがって、平坦でない場所で作業する作業機に載置された荷を運搬機へ円滑に移送するため、作業機と運搬機との相対的な位置関係を適切に保つことが望まれる。
【0007】
ある実施の形態に従うと、運搬機は、作業機に連結する1以上の連結部と、連結部が作業機の連結部に連結されるように位置合わせをする制御部と、を備え、作業機は、載置された荷を運搬機の第1の載荷位置に移送する移送機構を有し、連結部は、第1の載荷位置が移送機構に対して荷を移送可能な位置関係を保持するように構成されている。
【0008】
他の実施の形態に従うと、作業機は、運搬機に連結可能な連結部と、載置された荷を連結部に連結された運搬機に移送する移送機構と、を備える。
【0009】
他の実施の形態に従うと、運搬システムは、作業機と、作業機に載置された荷を運搬する運搬機と、を備え、作業機は、運搬機に連結可能な連結部と、荷を連結部に連結された運搬機の載荷位置に移送する移送機構と、を有し、運搬機は、作業機に連結する1以上の連結部と、連結部が作業機の連結部に連結されるように位置合わせをする制御部と、を有し、運搬機の連結部は、載荷位置が移送機構に対して荷を移送可能な位置関係を保持するように構成されている。
【0010】
他の実施の形態に従うと、運搬方法は、作業機に載置された荷を運搬機によって運搬する方法であって、運搬機を作業機に連結するステップと、作業機から、連結された運搬機の第1の載荷位置に荷を移送するステップと、を備え、連結するステップは、運搬機が作業機に対して、第1の載荷位置が作業機から荷を移送可能な位置関係となるように位置合わせするステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施の形態に係る収穫機の左側面概略図である。
図2図2は、本実施の形態に係る収穫機の平面概略図である。
図3図3は、本実施の形態に係る運搬機の左側面概略図である。
図4図4は、本実施の形態に係る運搬機の平面概略図である。
図5図5は、運搬機の機能構成を表すブロック図である。
図6図6は、収穫機の機能構成を表すブロック図である。
図7図7は、連結動作を説明するための図である。
図8図8は、走行ルートの決定方法を説明するための図である。
図9図9は、位置合わせで用いられる撮影画像を表した図である。
図10図10は、移送ステップを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[1.運搬機、作業機、運搬システム、運搬方法の概要]
【0013】
(1)本実施の形態に含まれる運搬機は、作業機に連結する1以上の連結部と、連結部が作業機の連結部に連結されるように位置合わせをする制御部と、を備え、作業機は、載置された荷を運搬機の第1の載荷位置に移送する移送機構を有し、連結部は、第1の載荷位置が移送機構に対して荷を移送可能な位置関係を保持するように構成されている。これにより、作業機と運搬機との相対的な位置関係を適切に保つことができる。その結果、圃場又は建設現場のような平坦でない場所で作業する作業機に載置された荷を運搬機へ円滑に移送することができる。
【0014】
(2)好ましくは、連結部は、雄型部材と、雄型部材が挿入される雌型部材とのうちの一方部材を含み、連結部は、雄型部材と雌型部材とのうちの他方部材を有する作業機の連結部に連結される。これにより、運搬機が作業機に対して確実に連結される。その結果、作業機と運搬機との相対的な位置関係が保持される。
【0015】
(3)好ましくは、制御部は、作業機と運搬機との相対的な位置関係を検出し、検出された相対的な位置関係に基づいて位置合わせをする。これにより、作業機と運搬機との相対的な位置が高精度で合わされる。
【0016】
(4)好ましくは、位置合わせは、前記作業機に対して、高さ、左右の位置、及び、傾きを合わせることを含む。これにより、作業機と運搬機との相対的な位置が高精度で合わされる。
【0017】
(5)好ましくは、制御部は、作業機に対して、高さ、左右の位置、及び、傾きを合わせることに、作業機の撮影画像から予め規定したマーカを検出して用いる。位置合わせ動作においてマーカを検出して用いることで、容易な処理で位置合わせが可能になる。
【0018】
(6)好ましくは、制御部は、さらに、作業機の位置及び向きに基づいて作業機への走行ルートを決定する。これにより、運搬機を作業機に対して位置合わせに適した位置となるよう接近させることができ、位置合わせが容易になる。
【0019】
(7)好ましくは、制御部は、GNSS(Global Navigation Satellite System)装置から出力される信号を用いて作業機の位置及び向きを検出する。これにより、作業機の位置及び向きが高精度で検出される。
【0020】
(8)好ましくは、運搬機は、連結部を2以上有する。これにより、運搬機が作業機に対して確実に連結される。その結果、作業機と運搬機との相対的な位置関係が保持される。
【0021】
(9)好ましくは、運搬機は、第1の載荷位置に載置された荷を第1の載荷位置から他の位置に移送するとともに、第2の載荷位置に載置されたストッカーを第1の載荷位置に移送する第1の移送を行う第1の移送機構と、第1の載荷位置に載置されたストッカーを作業機に移送する第2の移送を行う第2の移送機構と、をさらに備える。これにより、運搬機は、自身に載置されているストッカーと作業機に載置されている荷とを容易に入れ替えることができる。
【0022】
(10)好ましくは、運搬機は、作業機から荷の第1の載荷位置への移送が完了すると第1の移送を実行させ、第1の移送が完了すると第2の移送を実行させるように第1の移送機構と第2の移送機構とを制御する移送制御部をさらに備える。これにより、運搬機は、自身に載置されているストッカーと作業機に載置されている荷とを自動で入れ替えることができる。
【0023】
(11)本実施の形態に含まれる作業機は、運搬機に連結可能な連結部と、載置された荷を連結部に連結された運搬機に移送する移送機構と、を備える。これにより、作業機から(1)~(10)に記載の運搬機との相対的な位置関係を適切に保つことができる。その結果、圃場又は建設現場のような平坦でない場所で作業する作業機に載置された荷を運搬機へ円滑に移送することができる。
【0024】
(12)本実施の形態に含まれる運搬システムは、作業機と、作業機に載置された荷を運搬する運搬機と、を備え、作業機は、運搬機に連結可能な連結部と、荷を連結部に連結された運搬機の載荷位置に移送する移送機構と、を有し、運搬機は、作業機に連結する1以上の連結部と、連結部が作業機の連結部に連結されるように位置合わせをする制御部と、を有し、運搬機の連結部は、載荷位置が移送機構に対して荷を移送可能な位置関係を保持するように構成されている。これにより、作業機からに記載の運搬機への荷の移送(移し替え)が容易になる。
【0025】
(13)本実施の形態に含まれる運搬方法は作業機に載置された荷を運搬機によって運搬する方法であって、運搬機を作業機に連結するステップと、作業機から、連結された運搬機の第1の載荷位置に荷を移送するステップと、を備え、連結するステップは、運搬機が作業機に対して、第1の載荷位置が作業機から荷を移送可能な位置関係となるように位置合わせするステップを含む。これにより、作業機と運搬機との相対的な位置関係を適切に保つことができる。その結果、圃場又は建設現場のような平坦でない場所で作業する作業機に載置された荷を運搬機へ円滑に移送することができる。
【0026】
(14)好ましくは、運搬方法は、作業機から第1の載荷位置に移送された荷を第1の載荷位置から他の位置に移送するとともに、運搬機の第2の載荷位置に載荷されたストッカーを第1の載荷位置に移送するステップと、第1の載荷位置に移送したストッカーを作業機に移送するステップと、をさらに備える。これにより、運搬機に載置されているストッカーと作業機に載置されている荷とを容易に入れ替えることができる。
【0027】
[2.運搬機、作業機、運搬システム、運搬方法の例]
【0028】
[2.1 運搬システムの構成]
【0029】
本実施の形態に係る運搬システムは、作業機と運搬機とを含む。作業機は、収集したものを、少なくとも一時的に収容する機能を有する。運搬機は、作業機に収容されたものを所定位置まで運搬する。作業機は、例えば農業機械であって、例えば、キャベツなどの収穫機である。また例えば、作業機は建設機械であって、例えば、フォワーダやシールドマシンなどである。各機器については詳細に説明する。また、運搬システムにおける運搬方法についても後に詳述する。
【0030】
[2.2 作業機の構造]
【0031】
本実施の形態に係る収穫機10は、作業機の一例である。収穫機10は、例えば、野菜などの農作物を、圃場内を走行しながら収穫し、一時的に収容する。野菜は、例えば、葉菜類又は根菜類である。葉菜類は、キャベツ又は白菜などの結球性葉菜類であってもよいし、非結球性葉菜類であってもよい。以下では、キャベツを収穫する収穫機10を例として説明する。本実施の形態にかかる収穫機10は、収穫されたキャベツを一時的に収容しているコンテナCを圃場内で運搬機50に移送し、運搬機50に圃場外の所定箇所(例えば運送車両)まで運搬させる。
【0032】
図1及び図2示す収穫機10は、走行機体11を備える。走行機体11は、移動装置13によって走行する。走行機体11から正面を向く方向、つまり、後述の操縦座席に着席した作業者が向く方向、言い換えると、背面から正面に向かう方向を収穫機10の正面方向V1とする。すなわち、収穫機10の正面方向V1の先端側の面が正面であり、その逆側の面が背面である。なお、以降の説明において、前部、後部、側方、左右などは、収穫機10の正面方向V1に対して規定された方向である。
【0033】
移動装置13は、例えば、左右一対の走行クローラを有する。収穫機10は、移動装置13により、圃場内を移動することができる。なお、収穫の対象物であるキャベツは、圃場内において、複数の列(畝)に配置され、各列の列方向に間隔をおいて配置されるよう植え付けられている。圃場内のキャベツの列の情報(例えばマップ情報)は、例えば図示しないサーバなどの記憶装置に予め記憶されており、収穫機10は、その情報を得ることができる。収穫機10は、キャベツの列に沿って走行しながらキャベツを収穫する。このときに、サーバなどからマップ情報を得ることで、キャベツの列に沿って自動走行することもできる。
【0034】
走行機体11の前部には、操縦部12が設けられている。操縦部12には、作業者が着座するための操縦座席が設けられている。操縦部12は、操向ハンドル及び収穫機10を操作するためのその他の操作具が設けられている。本実施の形態に係る収穫機10は、作業者によるマニュアル操作が可能である。
【0035】
操縦部12の下方には動力源としての図示しないエンジンが搭載されており、エンジンからの動力が適宜変速されて移動装置13に伝達される。また、操縦部12の下方には油圧回路20が搭載されており、エンジンによって駆動される。
【0036】
操縦部12の下方には、さらに、後述するコントローラ30が搭載されており、エンジンの駆動を制御する。従って、油圧回路20の駆動も、コントローラ30によって制御されている。
【0037】
収穫機10は、さらに、運搬機50と無線通信を行うための通信装置22を有する。通信装置22は、例えば、操縦部12の下方に搭載されている。通信装置22での無線通信はコントローラ30によって制御されている。
【0038】
収穫機10は、操縦部12の側方に配置された収穫作業部14を備える。収穫作業部14は、収穫の対象物であるキャベツを取り込んで、収穫機10の後部に搬送する。収穫作業部14は、キャベツを引き抜く収穫部141を備える。収穫部141は、操縦部12の前方に配置されている。なお、収穫部141は、より正確には、操縦部12の斜め前方に配置されている。
【0039】
収穫作業部14は、収穫部141によって取り込まれたキャベツを後方に搬送する搬送部142を備える。搬送部142は、後側ほど高くなるように前傾姿勢で設けられている。搬送部142は、キャベツを左右から挟持する左右一対の回転ベルトを備え、キャベツを後ろ斜め上方に搬送する。
【0040】
収穫作業部14は、キャベツの一部を切断する切断部143を備える。切断部143は、例えば、キャベツの根茎部を切断する。切断部143は、搬送部142の搬送方向中途に設けられている。キャベツは、搬送部142によって搬送されている途中において、根茎部及びその近傍の葉が切断される。切断された根茎部等は、圃場上に落下する。
【0041】
搬送部142の搬送方向の先端であって、操縦部12の背後は、コンテナCを載置可能な載荷位置POを構成している。コンテナCは、収穫されたキャベツを一時的に収容するためのストッカーである。図1及び図2の例では、載荷位置POに、コンテナCを載置するためのトレイ(載荷台)T1が載置されている。トレイT1には、図1に示されたように、2つのコンテナC1,C2が並べて載荷されてもよい。搬送部142で搬送されたキャベツは載荷位置POに載置されたトレイT1上のコンテナCに落下することで収容されてもよいし、収穫機10上の作業員によってコンテナCに収容されてもよい。なお、載荷位置POには、トレイT1を介さず、直接コンテナCが載置されてもよい。
【0042】
トレイT1の下方には移送機構18が配置されている。移送機構18は、上に載置されたトレイT1を後方(正面方向V1の逆方向)に移送可能である。これにより、トレイT1上のコンテナCが後方に移送される。
【0043】
移送機構18は、一例として、図2に示されるように、正面方向V1と一致した方向に平行して設けられた2本のレール18RA,RBと、レール18RA,RBそれぞれに設置され、回転方向が正面方向V1と一致した複数のローラ18ROとを有する。各ローラ18ROは図示しないローラチェーンなどでモータMに接続される。モータMには油圧回路20から動力が伝達される。ローラ18ROは、モータMの駆動によって正面方向V1に一致した回転方向、又は、逆向きの回転方向に回転可能である。
【0044】
ローラ18ROが正面方向V1の逆向きの回転方向である場合に、トレイT1は後方に移送される。ローラ18ROの回転方法が正面方向V1に一致した回転方向である場合に、後方から移送されてきたトレイT1が前方(正面方向V1)に移送される。トレイT1が載荷位置POの適切な位置にあるときにトレイT1上のコンテナCが接触する位置に、コンテナCの接触を感知するセンサSE1が設置されている。載荷位置POの適切な位置は、例えば、コンテナCが載荷位置POの最も前方となる位置である。この場合、センサSE1は、図1,2に示すように操縦部12の背後に設置されている。センサSE1からのセンサ信号はコントローラ30に与えられる。
【0045】
収穫機10は、走行機体11の上方に配置された日除け(ルーフ)17を備える。日除け17には、車両の位置を検出する位置検出センサ21A,21B,21Cが配置されている。位置検出センサ21A,21B,21Cを代表させて位置検出センサ21とする。位置検出センサ21は、収穫機10の位置を検出する位置及び向きを検出する検出機構に含まれる。
【0046】
位置検出センサ21は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System;全球測位衛星システム)受信機である。車両の位置は、例えば、位置座標として検出される。検出された収穫機10の位置は、コントローラ30に与えられる。GNSS受信機から出力される信号を用いることで、収穫機10の位置及び向きが高精度で検出される。
【0047】
好ましくは、位置検出センサ21は、異なる位置に複数、設けられる。図1,2の例では、3つの位置検出センサ21A,21Bが収穫機10の前方の左右、及び、位置検出センサ21Cが収穫機10の中央に配置されている。これにより、位置検出センサ21からのセンサ信号を用いて収穫機10の向きが検出される。
【0048】
なお、位置検出機構での検出方法は位置検出センサ21を用いる方法に限定されない。他の例として、例えば、位置検出機構は収穫機10を撮影するカメラを含み、その撮影画像を解析して位置及び向きを検出してもよい。
【0049】
収穫機10は、さらに、運搬機50に連結する、1以上の連結部15を有する。1以上の連結部15は、走行機体11の背面側に設けられている。連結部15は、雄型部材と、雄型部材が挿入される雌型部材とのうちの一方部材を含む。一例として、連結部15は雌型部材を含む。これにより、後述する、雄型部材を含む連結部を有している運搬機50の連結部に連結することができる。
【0050】
1以上の連結部15は、例えば、収穫機10の背面の左右に設置された2つの連結部15A,15Bである。収穫機10が2以上の連結部15A,15Bを有することで、運搬機50と2点以上で連結される。そのため、運搬機50と安定して連結される。
【0051】
収穫機10の連結部15が配された面と同じ面には、マーカMAが配置される。この例ではマーカMAは、収穫機10の背面配されている。マーカMAは、運搬機50の後方に設置されたカメラCAによって撮影され、後述する位置合わせに用いられる。好ましくは、マーカMAは、2以上の画像を含む。2以上の画像は、後述する、左右に並ぶ第1のマーカMA1及び第2のマーカMA2である(図9)。これにより、後述する位置合わせの精度が向上される。
【0052】
好ましくは、マーカMAは、収穫機10の背面であって、連結部15A,15B付近に設けられる。後述する位置合わせは連結部15A,15Bで運搬機50と連結時に行われるものであるため、連結部15A,15Bに近い位置に設けられる方が連結時の位置を精度よく合わせることができる。又は、マーカMAは、連結部15A,15Bそのものであってもよい。これにより、マーカMAを別に設けなくてもよくなる。
【0053】
[2.3 運搬機の構造]
【0054】
本実施の形態に係る運搬機50は、収穫機10で収穫されたキャベツを一時的に収容しているコンテナCを、圃場内の収穫機10から圃場外の所定箇所(例えば車両)まで運搬する。すなわち、運搬機50は、収穫機10の載荷台17に載荷されているコンテナCを、圃場内の収穫機10から圃場外の所定位置まで運搬する。
【0055】
図3及び図4に示す運搬機50は、走行機体51を備える。走行機体51は、移動装置53によって走行する。走行機体51から正面を向く方向、つまり、後述の操縦座席に着席した作業者が向く方向、言い換えると、背面から正面に向かう方向を運搬機50の正面方向V2とする。すなわち、運搬機50の正面方向V2の先端側の面が正面であり、その逆側の面が背面である。なお、以降の説明において、前部、後部、側方、左右などは、運搬機50の正面方向V2に対して規定された方向である。移動装置53は、例えば、左右一対の走行クローラを有する。運搬機50は、移動装置53により、圃場内を移動することができる。
【0056】
走行機体51の前部には、操縦部52が設けられている。操縦部52には、作業者が着座するための操縦座席が設けられている。操縦部52は、操向ハンドル及び運搬機50を操作するためのその他の操作具が設けられている。本実施の形態に係る運搬機50もまた、作業者によるマニュアル操作も可能である。
【0057】
操縦部52の下方には動力源としての図示しないエンジンが搭載されており、エンジンからの動力が適宜変速されて移動装置53に伝達される。また、操縦部52の下方には油圧回路60が搭載されており、エンジンによって駆動される。
【0058】
運搬機50は、さらに、後述するコントローラ70を有する。コントローラ70は、例えば、操縦部52の下方に搭載されている。コントローラ70は、エンジンの駆動を制御する。従って、油圧回路60の駆動も、コントローラ70によって制御されている。また、コントローラ70は、運搬機50の走行を制御する。すなわち、運搬機50は、原則としてコントローラ70の制御に従った自動運転が行われる。その際、図示しないサーバ等から上記のマップ情報を取得することによって、マップ情報に基づいてキャベツの列を避けるような自動運転が行われてもよい。
【0059】
運搬機50は、さらに、収穫機10と無線通信を行うための通信装置62を有する。通信装置62は、例えば、操縦部52の下方に搭載されている。通信装置62での無線通信はコントローラ70によって制御されている。
【0060】
操縦部52の後方は、コンテナを載置可能な載荷位置を構成している。載荷位置は、複数のコンテナそれぞれを載置可能な、複数の載荷位置からなる。操縦部52の背後は第1の載荷位置PO1とし、正面方向V2に向かってその左側を第2の載荷位置PO2、右側を第3の載荷位置PO3とする。従って、図3及び図4に示された運搬機50は、操縦部52の後方に最大3つのコンテナを左右方向に並べて載置可能に構成されている。これにより、運搬機50は複数のコンテナを載荷可能である。その結果、後述するように、収穫機10に載置されたキャベツを収容したコンテナCと、運搬機50に載置された空のコンテナCCと、の入れ替えを行うことができる。図3及び図4の例では、第1の載荷位置PO1の上に、コンテナを載置するためのトレイ(載荷台)T2が載置されている。なお、載荷位置には、トレイT2を介さず、直接コンテナが載置されてもよい。
【0061】
載荷位置の下方には移送機構が配置されている。移送機構は、載荷位置に載置されたトレイT2を後方(正面方向V2の逆方向)に移送可能な複数の移送機構54A,54Bと、側方(正面方向V2に直交する左右方向)に移送可能な移送機構54Sと、を有する。移送機構54A,54Bは、全載荷位置の数よりも少ない数、設けられる。これにより、移送機構54Sによって各載荷位置間を左右方向に移動可能となる。
【0062】
移送機構54A,54Bは、移送機構18と同様の構成である。すなわち、図4に示されるように、移送機構54Aは、正面方向V2と一致した方向に平行して設けられた2本のレール54ARA,54ARBと、レール54ARA,54ARBそれぞれに設置され、回転方向が正面方向V2と一致した複数のローラ54AROとを有する。各ローラ54AROは図示しないローラチェーンなどでモータMに接続される。モータMには油圧回路60から動力が伝達される。ローラ54AROは、モータMの駆動によって正面方向V2に一致した回転方向、又は、逆向きの回転方向に回転可能である。移送機構54Bも、移送機構54Aと同じ構成を有する。なお、図3及び図4の例では、移送機構54Aが正面方向V2を向いて左側、移送機構54Bが右側に配置され、トレイT2は移送機構54A上に載置されている。従って、移送機構54Aが第1の載荷位置PO1に配置されているとき、移送機構54Bは第3の載荷位置PO3に配置される。
【0063】
移送機構54Sは、例えば、ラックピニオン等よりなるスライド機構である。この場合、移送機構54Sは、正面方向V2と直交する左右方向に平行して設けられた2本のラック54SRA,54SRBを有し、移送機構54A,54Bそれぞれに設けられた図示しないピニオン(歯車)と組み合わせることで、上に配置された移送機構54A,54Bを左右方向に移動(スライド)させる。
【0064】
移送機構54Sが備えられることで、移送機構54S上の移送機構54A又は移送機構54Bに載置されたトレイT2を、第1の載荷位置PO1~第3の載荷位置PO3間を左右方向に移送できる。また、移送機構54A,54Bが移送機構54S上に配置されることで、第1の載荷位置PO1~第3の載荷位置PO3間を左右方向に移動されたトレイT2を、第1の載荷位置PO1~第3の載荷位置PO3のいずれかの位置で正面方向V2に一致した方向、又は、逆方向に移送できる。
【0065】
ローラ54ARO又はローラ54BROが正面方向V2の逆向きの回転方向である場合に、移送機構54A又は移送機構54B上に載置されたトレイT2は後方に移送される。ローラ54ARO又はローラ54BROの回転方法が正面方向V2に一致した回転方向である場合に、後方から移送機構54A又は移送機構54B上に移送されてきたトレイT2が前方(正面方向V2)に移送される。トレイT2が第1の載荷位置PO1の適切な位置にあるときにトレイT2上のコンテナが接触する位置に、コンテナの接触を感知するセンサSE2が設置されている。第1の載荷位置PO1の適切な位置は、例えば、コンテナが第1の載荷位置PO1の最も前方となる位置である。この場合、センサSE2は、図3,4に示すように操縦部52の背後に設置されている。センサSE2からのセンサ信号はコントローラ70に与えられる。
【0066】
運搬機50の上方には、車両の位置を検出する位置検出センサ61A,61B,61Cが配置されている。位置検出センサ61A,61B,21Cを代表させて位置検出センサ21とする。位置検出センサ21は、運搬機50の位置を検出する位置及び向きを検出する。
【0067】
位置検出センサ21は、例えば、GNSS受信機である。車両の位置は、例えば、位置座標として検出される。検出された収穫機10の位置は、コントローラ70に与えられる。検出された収穫機10の位置は、コントローラ70において、例えば後述するルート決定や、自動運転の制御などに用いられる。
【0068】
好ましくは、位置検出センサ21は、異なる位置に複数、設けられる。図3,4の例では、3つの位置検出センサ21A,21Bが運搬機50の前方の左右、及び、位置検出センサ21Cが運搬機50の中央に配置されている。これにより、位置検出センサ21からのセンサ信号を用いて運搬機50の向きが検出される。
【0069】
運搬機50は、さらに、収穫機10に連結するための、1以上の連結部55を有する。1以上の連結部55は、移送機構54A,54Bの正面方向V2と逆の方向の移送方向と一致した側の面に設けられる。すなわち、この例では、走行機体51の背面側に設けられる。連結部55は、雄型部材と、雄型部材が挿入される雌型部材とのうちの一方部材を含む。一例として、連結部55は雄型部材を含む。これにより、雌型部材を含む連結部15を有している収穫機10に連結することができる。
【0070】
1以上の連結部55は、例えば、運搬機50の背面の左右に設置された2つの連結部55A,55Bである。運搬機50が2以上の連結部55A,55Bを有することで、収穫機10と2点以上で連結される。そのため、収穫機10と安定して連結される。
【0071】
運搬機50の連結部55が配された面と同じ面には、さらに、カメラCAが配置される。この例では、カメラCAは、運搬機50の背面に設けられる。運搬機50の背面に設けられたカメラCAは、運搬機50の背面から正面方向V2の逆向きの範囲を撮影範囲とする。これにより、収穫機10と連結する際に、収穫機10の背面に設置されたマーカMAを撮影することができる。好ましくは、カメラCAは、連結部55A,55B付近に設けられる。これにより、マーカMAが収穫機10の連結部15A,15B付近に設けられた場合や、マーカMAとして連結部15A,15Bを利用する場合に、撮影しやすくなる。
【0072】
移動装置53と走行機体51との間には、高さ調整装置56が配置されている。高さ調整装置56は、移動装置53に含まれる左右一対の走行クローラそれぞれの位置を独立して高さ調整可能である。そのため、高さ調整装置56は、運搬機50全体の高さの調整の他、運搬機50の高さ方向の傾きも調整可能である。運搬機50の傾きは、例えば、圃場の地面の凹凸によって、その上の移動装置53の左右の走行クローラの高さが異なることなどで生じる。高さ調整装置56は特定の構成に限定されず、高さ方向に伸び縮み可能な油圧シリンダなどを含む。高さ調整装置56には、油圧回路60から動力が供給される。そのため、高さ調整装置56もコントローラ70によって制御されている。
【0073】
[2.4 運搬機の機能構成]
【0074】
運搬機50はコントローラ70を有する。コントローラ70は、運搬機50の走行を制御する。特に、コントローラ70は、収穫機10で収穫されたキャベツを一時的に収容しているコンテナCを、圃場内の収穫機10から圃場外の所定箇所まで運搬する動作(以下、運搬動作)を制御する。図5に示される通り、コントローラ70は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサで構成される制御部71、及び、情報記憶のためのストレージ装置72を備えるコンピュータによって構成される。ストレージ装置72は、一次記憶装置であってもよいし、二次記憶装置であってもよい。ストレージ装置72には、プロセッサによって実行されるコンピュータプログラム721が格納されている。コンピュータプログラム721がプロセッサによって実行されることで、コンピュータがコントローラ70として機能する。
【0075】
制御部71は、プロセッサがコンピュータプログラム721を実行することによって運搬機50の走行を制御するための制御部として機能し、特に、運搬動作を制御する制御部として機能する。制御部71は、走行経路を決定する経路決定部701、収穫機10と連結する際に収穫機10との位置合わせを行う位置合わせ制御部702、運搬機50の走行を制御する走行制御部704、後述する移送動作を制御する移送制御部705、及び、通信装置62での無線通信を制御するための通信制御部708を含む。移送制御部705は移送機構に含まれ、後述する第1の移送動作を行う第1移送制御部706と、第2の移送動作を行う第2移送制御部707とを含む。
【0076】
[2.5 収穫機の機能構成]
【0077】
収穫機10はコントローラ30を有する。コントローラ30は、収穫機10での、収穫されたキャベツを一時的に収容しているコンテナCを圃場内で運搬機50に移送する動作(以下、移送動作)を制御する。図6に示される通り、コントローラ730は、プロセッサで構成される制御部31及び情報記憶のためのストレージ装置32を備えるコンピュータによって構成される。ストレージ装置32は、一次記憶装置であってもよいし、二次記憶装置であってもよい。ストレージ装置32には、プロセッサによって実行されるコンピュータプログラム321が格納されている。コンピュータプログラム321がプロセッサによって実行されることで、コンピュータがコントローラ30として機能する。
【0078】
制御部31は、プロセッサがコンピュータプログラム321を実行することによって収穫機10の走行を制御するための制御部として機能し、特に、移送動作を制御するための制御部として機能する。制御部31は、後述する移送動作を制御するための移送制御部301と、通信装置22での無線通信を制御するための通信制御部302と、走行制御部303と、を含む。
【0079】
[2.6 運搬方法]
【0080】
本実施の形態に係る運搬システムでは、収穫機10が移送動作を行い、運搬機50が運搬する運搬動作を行う。また、収穫機10の移送動作の後に、又は、収穫機10の移送動作とともに、運搬機50も移送動作を行ってもよい。このとき、運搬システムにおける運搬方法は、少なくとも下のSTEP1とSTEP2とを含む。各ステップについては詳述する。
STEP1:運搬機50を収穫機10に連結する(連結ステップS1)
STEP2:収穫機10から、連結された運搬機50にコンテナCを移送する(移送ステップS2)
【0081】
[2.6.1 連結ステップ]
【0082】
運搬機50を収穫機10に連結するステップS1では、運搬機50は収穫機10に背面を向けるように走行しつつ、位置合わせしながら走行を継続することで1以上の連結部55が収穫機10の1以上の連結部15に連結される。
【0083】
その際、図7に示される通り、運搬機50の左右に設置された、雄型部材を含む連結部55A,55Bが、軸方向であって、正面方向V2と逆向きに進行する。進行につれて、連結部55A,55Bは、それぞれ、収穫機10の左右に設置された、雄型部材を含む連結部15A,15Bに挿入される。これにより、運搬機50が収穫機10に連結される。
【0084】
連結するステップS1は、運搬機50が、収穫機10の連結部15A,15Bが配置された面(背面)に対して連結部55A,55Bが配置された面(背面)を向けて接近する走行ルートに沿って走行するステップ(第1のステップS11)と、第1のステップS11の後に、運搬機50の連結部55A,55Bが収穫機10の連結部15A,15Bに連結されるように位置合わせをしつつ収穫機10へ接近するステップ(第2のステップS12)と、を含む。
【0085】
第1ステップS11において、制御部71の経路決定部701は、運搬機50の位置及び向きと収穫機10の位置及び向きとに基づいて走行ルートを決定する。決定される走行ルートは、運搬機50の連結部55A,55Bが、収穫機10の連結部15A,15Bに対向するように、運搬機50が収穫機10へ向かうルートである。
【0086】
収穫機10の位置は、収穫機10から取得した位置情報によって検出される。位置情報は、例えば、緯度経度で表される情報である。収穫機10の向きは、収穫機10から取得した、収穫機10の2か所以上の位置それぞれの位置情報によって検出される。図1及び図2の例では、収穫機10は複数の位置検出センサ21A,21B,21Cを有するため、第1位置合わせ制御部702は、それぞれの位置の位置情報を得ることによって収穫機10の位置及び向きを検出できる。収穫機10の位置情報は、収穫機10から運搬機50に対して定期的に送信されてもよいし、運搬機50が収穫機10に要求することで収穫機10から運搬機50に送信されてもよい。
【0087】
第1ステップS11において、経路決定部701は、さらに、図8のマップ情報MAPをサーバ等から取得する。マップ情報MAPは、圃場Fでの収穫機10の走行ルートRRを含む。走行ルートRRは、収穫機10の制御部31の走行制御部303によって管理され、一例として、サーバ等の記憶装置にマップ情報MAPとして記憶されている。
【0088】
経路決定部701は、走行ルートRRに基づいて圃場Fの、キャベツの収穫済の領域F1と、未収穫の領域F2とを特定する。そして、経路決定部701は、未収穫の領域F2を走行せずに収穫機10に到達するルートを決定する。その際に、経路決定部701は、運搬機50の位置P2及び向き(正面方向V2)、及び、収穫機10の位置P1及び向き(正面方向V1)に基づいて、収穫機10の背面に対して背面を向けて接近するような運搬機50の走行ルートを決定する。図8の例の場合、未収穫の領域F2を走行せずに収穫機10に到達するルートがルートR1,R2の複数あった場合、経路決定部701は、例えば、収穫機10の背面に対して背面を向けて接近するための最短ルートR1を走行ルートとして決定する。
【0089】
走行制御部704は、第1のステップで決定された走行ルートで走行するように運搬機50の図示しない駆動部を制御する。これにより、図8のルートR1に沿って運搬機50が走行する。走行が進んでカメラCAの撮影画像にマークMAの撮影画像が含まれる程度の位置まで運搬機50が収穫機10に接近すると、第2のステップS12が開始される。
【0090】
第2のステップS12は、制御部71の位置合わせ制御部702は、カメラCAから入力された収穫機10の背面の撮影画像を用いる。カメラCAから入力される撮影画像には、図9に示されたように、収穫機10の背面に設置されているマーカMAの撮影画像が含まれる。図9に示されたように、第1のマーカMA1及び第2のマーカMA2である複数の画像を含む。位置合わせ制御部702は、撮影画像の中からマーカMA1,MA2を抽出し、これらの撮影画像における位置を検出する。位置合わせ制御部702はマーカMA1,MA2の画像を深層学習で得て、撮影画像中のマーカMA1,MA2の画像の位置を検出してもよいし、画像解析などで検出してもよい。
【0091】
位置合わせ制御部702は、運搬機50と収穫機10との相対的な位置関係が規定の位置関係であるときの撮影画像中のマーカMA1,MA2の画像の位置を、基準位置として予め記憶しておく。位置合わせ制御部702は、撮影画像中のマーカMA1,MA2の画像の位置の基準位置からのずれを算出して、そのずれが小さくなるように、油圧回路60や高さ調整装置56や、図示しない駆動部を制御する。すなわち、位置合わせ制御部702は、運搬機50と収穫機10との相対的な位置関係を検出し、その位置関係が連結に適した位置関係となるように相対的な位置関係を制御(調整)する。
【0092】
連結動作に適した位置関係は、運搬機50の複数の連結部55A,55Bの先端位置と、収穫機10の対応する連結部15A,15Bの先端位置との、水平及び鉛直方向の位置が一致する位置関係である。そこで、位置合わせ制御部702は、連結部55の左右方向の位置、及び、左右それぞれの高さ、つまり、傾きを制御する。
【0093】
連結ステップS1で走行制御部704は、位置合わせ制御部702での第2のステップS12を継続したまま運搬機50を正面方向V2と逆向きに、決定されたルートで収穫機10に到達するまで走行させる。これにより、運搬機50は収穫機10に連結される。その結果、運搬機50の第1の載荷位置PO1が、収穫機10の移送機構18に対してトレイT1(に載置されたコンテナC)を移送可能な位置関係となる。これにより、後述する移送ステップが可能になる。その結果、収穫機10から運搬機50へのトレイT1(に載置されたコンテナC)の移送(移し替え)が容易になり、自動化も可能になる。
【0094】
特に、連結ステップS1で第2のステップS12が実行されることで、圃場や工事現場などの水平が確保されていない場所であっても、運搬機50の複数の連結部55A,55Bが、いずれも、高精度で収穫機10の対応する連結部15A,15Bに挿入され、連結が保持される。これにより、水平が確保されていない場所であっても運搬機50の収穫機10に対する連結が保持できる。その結果、水平が確保されていない場所であっても、運搬機50と収穫機10との相対的な位置関係が適切に保たれる。これにより、後述する移送ステップが容易になり、その結果、屋外等の水平が確保されていない場所であっても収穫機10から運搬機50への荷の移送(移し替え)が容易になる。
【0095】
[2.6.2 移送ステップ]
【0096】
運搬機50の収穫機10への連結が保持されると、収穫機10の載荷位置POと運搬機50の第1の載荷位置PO1とが連続する。そこで、連結ステップS1の際、又は、少なくとも移送ステップS2の開始時において、運搬機50の第1の載荷位置PO1には移送機構54A又は移送機構54Bが配置され、荷が載置されていないものとする。これにより、以降の移送ステップS2によって、第1の載荷位置PO1に収穫機10から移送される荷を受け入れることが可能になる。
【0097】
好ましくは、第1の載荷位置PO1に移送機構54Aが配置され、第2の載荷位置PO2に移送機構54Bが配置されて、第2の載荷位置PO2に空のコンテナCCが載置されたトレイT2が載置されている。以降の説明では、運搬機50がこの状態であるものとする。
【0098】
運搬機50の収穫機10への連結が保持されると、収穫機10の移送機構18が正面方向V1の逆方向に回転することで、図10の(A)に示されたように、収穫機10の載荷位置POに載置されたトレイT1は、連続する運搬機50の第1の載荷位置PO1に移送される(ステップS21)。これにより、トレイT1に載置されたキャベツを収容したコンテナCは、トレイT1ごと運搬機50の第1の載荷位置PO1に移送される。
【0099】
なお、移送機構18の駆動は、操縦部12に対する作業者による操作に従って開始されてもよい。又は、移送機構18の駆動は、連結動作の完了を検知すると、収穫機10のコントローラ30のプロセッサ31が実現する移送制御部301が自動的に開始してもよい。連結動作の完了は、例えば、図示しないセンサが連結部15に設置され、そのセンサが連結部55の挿入完了を示すセンサ信号をコントローラ30に入力することによって検知される。
【0100】
収穫機10から運搬機50へのトレイT1の移送時、運搬機50の第1の載荷位置PO1に配置されている移送機構54Aは駆動しなくてもよい。収穫機10の移送機構18によって押し出されたトレイT1がその押出力によって移送機構54A上を移動する際に、接触によってローラ54AROが正面方向V2と逆向きに回転可能であるためである。この場合、収穫機10から運搬機50に対して、トレイT1の移送の開始の通知がなされなくてもよい。
【0101】
又は、収穫機10から運搬機50へのトレイT1の移送時、運搬機50の第1の載荷位置PO1に配置されている移送機構54Aはローラ54AROが正面方向V2と逆向きに回転するよう移送動作を行ってもよい。この場合、収穫機10のコントローラ30のプロセッサ31が実現する通信制御部302は、移送動作の開始を通信装置22によって運搬機50に通知する。この通知を通信装置62によって受信した運搬機50の移送制御部705は、収穫機10から移送されるトレイT1を第1の載荷位置PO1に受け入れるように移送機構54Aはローラ54AROの回転を開始させる。
【0102】
収穫機10からトレイT1が移送された運搬機50では、移送ステップS2が開始される。移送ステップS2は、第1の載荷位置PO1に載置されたトレイT1を第3の載荷位置PO3に移動(スライド)させるとともに、第2の載荷位置PO2に載置されたトレイT2を第1の載荷位置PO1に移送(スライド)させる第1の移送ステップと(ステップS22)、第2の載荷位置PO2から第1の載荷位置PO1に移送されたトレイT2を収穫機10に移送する(押し出す)第2の移送ステップと(ステップS23)、を含む。
【0103】
第1の移送ステップS22は、収穫機10からのトレイT1の移送S21が完了すると、運搬機50のコントローラ70に含まれるプロセッサ71が実現する第1移送制御部706によって開始される。収穫機10からのトレイT1の移送S21の完了は、移送されたトレイT1に載置されたコンテナCがセンサSE2に接触し、それによってセンサSE2からセンサ信号が入力されることによってコントローラ70に含まれるプロセッサ71で検知される。
【0104】
第1の移送ステップS22では、第1移送制御部706は移送機構54Sを駆動させて、第1の載荷位置PO1に配置された移送機構54Aを第2の載荷位置PO2に移動させるとともに、第3の載荷位置PO3に配置された移送機構54Bを第1の載荷位置PO1に移動させる。これにより、図10(B)に示されたように、第1の載荷位置PO1に載置されたトレイT1が第3の載荷位置PO3に移送(スライド)されるとともに、第2の載荷位置PO2に載置されたトレイT2が第1の載荷位置PO1に移送(スライド)される。
【0105】
移送機構54Sがラックピニオンよりなるスライド機構である場合、第1の移送ステップS22で第1移送制御部706は、ラック54SRA,54SRBを、ピニオンが第3の載荷位置PO3から第1の載荷位置PO1に向かう方向(正面方向V2に向かって右向き)に移動するように回転させる。これにより、移送機構54A,54Bが正面方向V2に向かって右向きに移動し、その結果、載置されたトレイT1,T2が、それぞれ、第3の載荷位置PO3、及び、第1の載荷位置PO1に移送される。
【0106】
第1の移送ステップS22は、例えば、第1移送制御部706の制御によって回転したラック54SRA,54SRBの回転量、又は、回転時間、などによって、移送機構54A,54Bがそれぞれ、第3の載荷位置PO3、及び、第1の載荷位置PO1に移送されたことが検知されると完了する。又は、第3の載荷位置PO3の左右方向の端部に図示しないセンサを設置し、トレイT1に載置されたコンテナCがそのセンサに接触したことによってセンサ信号が入力されると完了してもよい。第1の移送ステップS22が完了すると、第2移送制御部707によって第2の移送ステップS23が開始される。
【0107】
第2の移送ステップS23では、第2移送制御部707は、第1の載荷位置PO1に移動された移送機構54Bを、ローラ54BROが正面方向V2と一致する方向に回転させる。これにより、第1の載荷位置PO1に載置されたトレイT2が正面方向V2に移送され、連続する収穫機10の載荷位置POに移送される。その結果、図10(C)に示されたように、トレイT2に載置された空のコンテナCCが運搬機50の第1の載荷位置PO1から収穫機10の載荷位置POに移送される。
【0108】
第2の移送ステップS23は、トレイT2に載置された空のコンテナCCが収穫機10のセンサSE1に接触したことによるセンサ信号に応じた信号が収穫機10から運搬機50に送信されることによって完了する。又は、第2移送制御部707の制御によって駆動した移送機構54Bの駆動量、又は、駆動時間、などによって、トレイT2が収穫機10の載荷位置POに移送されたことが検知されると完了してもよい。
【0109】
以上の移送ステップS2が実行されることで、運搬機50は、第1の載荷位置PO1に収穫機10から移送される荷を受け入れることが可能になる。また、運搬機50は、載荷している空のコンテナCCを収穫機10に移送することが可能になる。つまり、運搬機50は、収穫機10のキャベツが収容されたコンテナCを、載荷している空のコンテナCCと自動で入れ替えることが可能になる。
【0110】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0111】
10 :収穫機
11 :走行機体
12 :操縦部
13 :移動装置
14 :収穫作業部
15 :連結部
15A :連結部
15B :連結部
17 :載荷台
18 :移送機構
18RA :レール
18RO :ローラ
20 :油圧回路
21 :位置検出センサ
21A :位置検出センサ
21B :位置検出センサ
21C :位置検出センサ
22 :通信装置
30 :コントローラ
31 :プロセッサ
32 :ストレージ装置
50 :運搬機
51 :走行機体
52 :操縦部
53 :移動装置
54A :移送機構
54ARA :レール
54ARB :レール
54ARO :ローラ
54B :移送機構
54BRO :ローラ
54S :移送機構
54SRA :ラック
54SRB :ラック
55 :連結部
55A :連結部
55B :連結部
56 :高さ調整装置
60 :油圧回路
61A :位置検出センサ
61B :位置検出センサ
61C :位置検出センサ
62 :通信装置
70 :コントローラ
71 :プロセッサ
72 :ストレージ装置
141 :収穫部
142 :搬送部
143 :切断部
290 :油圧回路
301 :移送制御部
302 :通信制御部
321 :コンピュータプログラム
701 :位置合わせ制御部
702 :第1位置合わせ制御部
703 :第2位置合わせ制御部
704 :連結制御部
705 :移送制御部
706 :第1移送制御部
707 :第2移送制御部
708 :通信制御部
721 :コンピュータプログラム
730 :コントローラ
C :コンテナ
C1 :コンテナ
C2 :コンテナ
CA :カメラ
CC :コンテナ
F :圃場
F1 :領域
F2 :領域
M :モータ
MA :マーカ
MA1 :第1のマーカ
MA2 :第2のマーカ
MAP :マップ情報
P1 :位置
P2 :位置
PO :載荷位置
PO1 :第1の載荷位置
PO2 :第2の載荷位置
PO3 :第3の載荷位置
R1 :ルート
R2 :ルート
RR :ルート
S :円
SE1 :センサ
SE2 :センサ
T1 :トレイ
T2 :トレイ
V1 :正面方向
V2 :正面方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10