(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】水改質器
(51)【国際特許分類】
C02F 1/68 20230101AFI20230116BHJP
C02F 1/42 20230101ALI20230116BHJP
C02F 1/58 20230101ALI20230116BHJP
C02F 1/28 20230101ALI20230116BHJP
【FI】
C02F1/68 530B
C02F1/68 510A
C02F1/68 520V
C02F1/68 540A
C02F1/68 540C
C02F1/42 A
C02F1/58 Z
C02F1/28 D
C02F1/28 F
(21)【出願番号】P 2020211734
(22)【出願日】2020-12-21
【審査請求日】2022-01-28
(73)【特許権者】
【識別番号】516257958
【氏名又は名称】株式会社ワールドベンチャー
(74)【代理人】
【識別番号】100110629
【氏名又は名称】須藤 雄一
(72)【発明者】
【氏名】星山 勇一
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-340879(JP,A)
【文献】特開2012-011370(JP,A)
【文献】特開平09-038660(JP,A)
【文献】特開2006-150205(JP,A)
【文献】特開平10-085767(JP,A)
【文献】特開2015-112541(JP,A)
【文献】特開昭58-027625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/66- 1/68
C02F 1/58- 1/64
C02F 1/42
C02F 1/28
B01F 21/00-25/90
F23K 5/00- 5/22
F23N 1/00
F23N 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体の入口部から通水された水を放射方向の中央の入水口から受け入れて放射方向へ往復するラビリンス通路を通して攪拌し放射方向の中央の出水口から流出させる第1の静止型攪拌部と、
前記第1の静止型攪拌部の出水口から流出する水を放射方向に拡散配置された複数の孔から流出させるようにガイドするための拡散空間を形成する第1の拡散用多孔体と、
前記第1の拡散用多孔体の前記複数の孔から前記筒体の出口部の方向へ流出する水を通して改質するための第1の改質剤群と、
を備えた水改質器。
【請求項2】
請求項1記載の水改質器であって、
第2の静止型攪拌部と第2の収束用多孔体と第2の拡散用多孔体と第2の改質剤群とを備え、
前記
第2の静止型攪拌部は、 前記第1の改質剤群で改質された水を
前記第2の静止型攪拌部の放射方向の中央の入水口から受け入れて攪拌し
前記第2の静止型攪拌部の放射方向の中央の出水口から前記
筒体の出口部の方向へ流出させ、
前記第2の収束用多孔体は、前記改質された水を
前記第2の収束用多孔体の放射方向に拡散配置された複数の孔から流入させて前記
第2の静止型攪拌部の入水口の方向にガイドするための収束空間を形成し、
前記第2の拡散用多孔体は、前記第2の静止型攪拌部の出水口から出る水を放射方向に拡散配置された複数の孔から流出させるようにガイドするための拡散空間を形成し、
前記第2の改質剤群は、前記第2の拡散用多孔体の前記複数の孔から前記
筒体の出口部の方向へ流出する水を通して改質する、
水改質器。
【請求項3】
請求項2記載の水改質器であって、
前記第2の静止型攪拌部と前記第2の収束用多孔体と前記第2の拡散用多孔体と前記第2の改質剤群との組み合わせを前記
筒体の出口部に向かって多段に配置した、
水改質器。
【請求項4】
第1の改質剤群と中間第1の静止型攪拌部と中間第1の収束用多孔体と中間第2の静止型攪拌部と中間第2の拡散用多孔体と第2の改質剤群とコイルばねとを備え、
前記第1の改質剤群は、筒体に通水された水を改質し、
前記中間第1の静止型攪拌部は、前記改質された水を
前記中間第1の静止型攪拌部の放射方向の中央の入水口から受け入れて放射方向へ往復するラビリンス通路を通して攪拌し
前記中間第1の静止型攪拌部の放射方向の中央の出水口から流出させ、
前記中間第1の収束用多孔体は、前記改質された水を
前記中間第1の収束用多孔体の放射方向に拡散配置された複数の孔から流入させて
前記中間第1の静止型攪拌部の放射方向の中央の入水口の方向にガイドするための収束空間を形成
し、
前記中間第2の静止型攪拌部は、前記中間
第1の静止型攪拌部の出水口から流出する水を
前記中間第2の静止型攪拌部の放射方向の中央の入水口から受け入れて攪拌し
前記中間第2の静止型攪拌部の放射方向の中央の出水口から流出させ、
前記中間第2の拡散用多孔体は、前記中間第2の静止型攪拌部の出水口から流出する水を
前記中間第2の拡散用多孔体の放射方向に拡散配置された複数の孔から流出させるようにガイドするための拡散空間を形成
し、
前記第2の改質剤群は、前記中間第2の拡散用多孔体の前記複数の孔から前記
筒体の出口部の方向へ流出する水を通して改質
し、
前記コイルばねは、前記筒体に対し前記中間第1の静止型攪拌部を前記第1の改質剤群に押し付けると共に前記中間第2の静止型攪拌部を前記第2の改質剤群に押し付け
る、
水改質器。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載の水改質器であって、
前記改質剤群は、セラミックボール群又はセラミック粒群、銀を含むセラミックボール群又はセラミック粒群、イオン交換樹脂ボール群又はイオン交換樹脂粒群、セシウム吸着剤ボール群又はセシウム吸着剤粒群、活性炭ボール群又は活性炭粒群の何れか、又はこれら何れかの組み合わせである、
水改質器。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の水改質器に用いる収束用多孔体であって、
前記改質された水を放射方向に拡散配置された複数の孔から流入させて
放射方向の中央の方向にガイドするための収束空間を形成する、
収束用多孔体。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載の水改質器に用いる拡散用多孔体であって、
前記
第1又は第2の静止型攪拌部の出水口から流出する水又は前記筒体の入口部から流入する水を放射方向に拡散配置された複数の孔から流出させるようにガイドするための拡散空間を形成する、
拡散用多孔体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通水することによって水の改質を行わせる水改質器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載の流体改質装置が知られている。
【0003】
この流体改質装置は、ハニカムフィルターとセラミックボールなどの乱流生成部材とを用いたものである。この装置では、ハニカムフィルターで乱流生成部材を保持し、流体の通過を妨げる抵抗が少ないハニカムフィルターが大量の流体を通過させて処理することができるとするものである。
【0004】
しかし、かかる装置はセラミックボールなどの乱流生成部材を通過させるだけで乱流を形成し流体の性質を改善するというものであり、不十分な乱流になり、セラミックボールの機能が十分且つ全体的に活性化することはなく、水改質も不十分なものとなる。
【0005】
これに対し、特許文献2には、燃料をエマルジョン化するための静止型混合機が記載されている。
【0006】
かかる静止型混合機を転用して汚水等を攪拌し、撹拌後の水を改質剤に通すことで分散化による凝集物の低減、粘性水のサブミクロン化、氷結水の結晶粒径制御等によりセラミックボール群などの改質剤群の機能を活性化させ、水の改質を促進させることができる。
【0007】
しかし、かかる静止型混合機は、水を放射方向の中央の入水口から受け入れて攪拌し放射方向の中央の出水口から流出させる構造であるため、筒体内に収容されたセラミックボール群などの改質剤群の全体に水を作用させることが困難であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平8-132021号公報
【文献】特開2004-286310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする問題点は、従来のエマルジョン燃料用の静止型混合機を水改質器に単に転用すると、筒体内に収容されたセラミックボール群などの改質剤群の全体に水を作用させることが困難であった点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、分散により凝集物の低減などが行われた水を改質剤群の全体に作用させることを可能とするため、筒体の入口部から通水された水を放射方向の中央の入水口から受け入れて放射方向へ往復するラビリンス通路を通して攪拌し放射方向の中央の出水口から流出させる第1の静止型攪拌部と、前記第1の静止型攪拌部の出水口から流出する水を放射方向に拡散配置された複数の孔から流出させるようにガイドするための拡散空間を形成する第1の拡散用多孔体と、前記第1の拡散用多孔体の前記複数の孔から前記筒体の出口部の方向へ流出する水を通して改質するための第1の改質剤群とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の水改質器によれば、第1の静止型攪拌部で水を十分に攪拌し、第1の静止型攪拌部の出水口から流出する水を放射方向に拡散配置された複数の孔から流出させて改質剤粒群全体に作用させ改質することができる。
【0012】
このため、改質剤群全体が活性化し、乳化による凝集物の低減などが行われた水を十分に改質することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】静止型攪拌部及び拡散用多孔体の分解斜視図である。(実施例1)
【
図3】静止型攪拌部及び静止型攪拌部から離した拡散用多孔体の断面図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の水改質器は、乳化により凝集物の低減などが行われた水をセラミックボール群などの改質剤の全体に作用させることを可能にするという目的を、以下のように実現した。
【0015】
筒体の入口部から通水された水を放射方向の中央の入水口から受け入れて放射方向へ往復するラビリンス通路を通して攪拌し放射方向の中央の出水口から流出させる第1の静止型攪拌部と、前記第1の静止型攪拌部の出水口から流出する水を放射方向に拡散配置された複数の孔から流出させるようにガイドするための拡散空間を形成する第1の拡散用多孔体と、前記第1の拡散用多孔体の前記複数の孔から前記筒体の出口部の方向へ流出する水を通して改質するための第1の改質剤群とを備えた。
【0016】
前記第1の静止型攪拌部は、水を放射方向の中央の入水口から受け入れて放射方向へ往復するラビリンス通路を通して攪拌し放射方向の中央の出水口から流出させるものであればよく、ラビリンス通路の形式は自由である。
【0017】
前記第1の拡散用多孔体は、前記拡散空間を形成できればよく、孔の形、数、配置の選択は自由である。
【0018】
前記第1の改質剤群は、水を通して改質できればよく、材質の選定は自由である。改質剤群は、ボール、粒等として形成することができる。改質剤群をボールとして形成する場合は、ボールの大きさの選定は自由であり、ボールの大きさの均質性も問はない。改質剤群を粒として形成する場合は、粒の形状、大きさの選定は自由であり、粒の均質性も問はない。
【0019】
前記水改質器であって、前記第1の改質剤群で改質された水を放射方向の中央の入水口から受け入れて攪拌し放射方向の中央の出水口から前記出口部の方向へ流出させる第2の静止型攪拌部と、前記改質された水を放射方向に拡散配置された複数の孔から流入させて前記入水口の方向にガイドするための収束空間を形成する第2の収束用多孔体と、前記第2の静止型攪拌部の出水口から出る水を放射方向に拡散配置された複数の孔から流出させるようにガイドするための拡散空間を形成する第2の拡散用多孔体と、前記第2の拡散用多孔体の前記複数の孔から前記出口部の方向へ流出する水を通して改質するための第2の改質剤群とを備えた。
【0020】
前記第2の静止型攪拌部は、水を放射方向の中央の入水口から受け入れて放射方向へ往復するラビリンス通路を通して攪拌し放射方向の中央の出水口から流出させるものであればよく、前記第1の静止型攪拌部と同一構造、別構造の何れでもよい。
【0021】
前記第2の収束用多孔体は、前記収束空間を形成できるものであればよく、前記第1の拡散用多孔体と逆向きの同一構造、又は別構造の何れでもよい。第2の収束用多孔体は、孔の形、数、配置の選択は自由である。
【0022】
前記第2の拡散用多孔体は、前記拡散空間を形成できるものであればよく、前記第1の拡散用多孔体と同一構造、又は別構造の何れでもよい。第2の拡散用多孔体は、孔の形、数、配置の選択は自由である。
【0023】
前記第2の改質剤群は、水を通して改質できればよく、剤質の選定は自由であり、ボールの大きさの選定は自由であり、ボールの大きさの均質性も問はない。前記改質剤群が粒で構成される場合は、粒の形状、大きさの選定は自由であり、粒の均質性も問はない。
【0024】
前記水改質器であって、前記第2の静止型攪拌部と前記第2の収束用多孔体と前記第2の拡散用多孔体と前記第2の改質剤群との組み合わせを前記出口部に向かって多段に配置した。
【0025】
前記多段の数は自由である。
【0026】
筒体に通水された水を改質するための第1の改質剤群と、前記改質された水を放射方向の中央の入水口から受け入れて放射方向へ往復するラビリンス通路を通して攪拌し放射方向の中央の出水口から流出させる中間第1の静止型攪拌部と、前記改質された水を放射方向に拡散配置された複数の孔から流入させて放射方向の前記中央の入水口の方向にガイドするための収束空間を形成する中間第1の収束用多孔体と、前記中間第1の静止型攪拌部の出水口から流出する水を放射方向の中央の入水口から受け入れて攪拌し放射方向の中央の出水口から流出させる中間第2の静止型攪拌部と、前記中間第2の静止型攪拌部の出水口から流出する水を放射方向に拡散配置された複数の孔から流出させるようにガイドするための拡散空間を形成する中間第2の拡散用多孔体と、前記中間第2の拡散用多孔体の前記複数の孔から前記出口部の方向へ流出する水を通して改質するための第2の改質剤粒群と、前記筒体に対し前記中間第1の静止型攪拌部を前記第1の改質剤群に押し付けると共に前記中間第2の静止型攪拌部を前記第2の改質剤群に押し付け前記改質剤群を密集させるコイルばねとを備えた。
【0027】
前記中間第1、第2の静止型攪拌部は、水を放射方向の中央の入水口から受け入れて放射方向へ往復するラビリンス通路を通して攪拌し放射方向の中央の出水口から流出させるものであればよく、前記第1の静止型攪拌部と同一構造、別構造の何れでもよい。
【0028】
前記中間第2の収束用多孔体は、前記収束空間を形成できるものであればよく、前記第1の拡散用多孔体と逆向きの同一構造、又は別構造の何れでもよい。中間第2の収束用多孔体は、孔の形、数、配置の選択は自由である。
【0029】
前記中間第2の静止型攪拌部は、水を放射方向の中央の入水口から受け入れて放射方向へ往復するラビリンス通路を通して攪拌し放射方向の中央の出水口から流出させるものであればよく、前記静止型攪拌部と同一構造、別構造の何れでもよい。
【0030】
前記中間第2の拡散用多孔体は、前記拡散空間を形成できればよく、孔の形、数、配置の選択は自由である。
【0031】
前記第2の改質剤群は、水を通して改質できればよく、前記第1の改質剤群同様に剤質等の選定は自由である。
【0032】
前記コイルばねは、前記筒体に対し前段の中間第2の静止型攪拌部を前記第1の改質剤群に押し付けると共に後段の中間第2の静止型攪拌部を前記第2の改質剤群に押し付けることができればよく、線径、コイル径の選定は自由であり、水の改質を妨げないものであればコイル材質も自由である。
【0033】
前記水改質器であって、セラミックボール群又はセラミック粒群、銀を含むセラミックボール群又はセラミック粒群、イオン交換樹脂ボール群又はイオン交換樹脂粒群、セシウム吸着剤ボール群又はセシウム吸着剤粒群、活性炭ボール群又は活性炭粒群の何れか、又はこれら何れかの組み合わせである。
【0034】
前記水改質器に用いる収束用多孔体であって、前記改質された水を放射方向に拡散配置された複数の孔から流入させて前記入水口の方向にガイドするための又は前記出口部の方向にガイドするための収束空間を形成するための収束用多孔体。
【0035】
前記水改質器に用いる拡散用多孔体であって、前記静止型攪拌部の出水口から流出する水又は前記筒体の入口部から流入する水を放射方向に拡散配置された複数の孔から流出させるようにガイドするための拡散空間を形成するための収束用多孔体。
【実施例1】
【0036】
【0037】
図1のように、水改質器1は、筒体3内に静止型攪拌部である第1の静止型攪拌部5と拡散用多孔体である第1の拡散用多孔体7と改質剤群である第1の改質剤群9とを備えている。筒体3は、入口部11と出口部13とを備え、前記第1の静止型攪拌部5が入口部11に配置されている。
【0038】
前記水改質器1は、さらに静止型攪拌部である第2の静止型攪拌部15と収束用多孔体である第2の収束用多孔体17と拡散用多孔体である第2の拡散用多孔体19と改質剤群である第2の改質剤群21とを備えている。前記第2の静止型攪拌部15と前記第2の収束用多孔体17と前記第2の拡散用多孔体19と前記第2の改質剤群21との組み合わせは前記出口部13に向かって多段、実施例1では2段に配置されている。
【0039】
前記水改質器1の出口部13には、静止型攪拌部である第3の静止型攪拌部23と収束用多孔体である第3の収束用多孔体25とが配置されている。
【0040】
[筒体]
前記筒体3は、水改質器1の外郭を構成する。筒体3は、ステンレス、樹脂等で断面円形に形成されている。筒体3は、断面多角形等に形成することもできる。筒体3は、本体部27と入口部11を構成する入口部材29と出口部13を構成する出口部材31とを備えている。
【0041】
前記本体部27は、円筒状に形成されている。本体部27は、筒軸方向の両端外周に突合せ用のフランジ33、35を備えている。
【0042】
前記入口部材29と出口部材31とは、同一形状で逆向きに備えられている。
【0043】
前記入口部材29は、円板部37と入口筒部39とを一体に備えている。
【0044】
前記円板部37は、前記フランジ33と同一の外周径に形成されている。円板部37は、外周部がフランジ33に突き合わされ、ボルトナット41により周方向一定間隔をおいて複数個所で締結結合されている。
【0045】
前記入口筒部39は、円板部37の中央に突出し、円板部37内外を貫通する入口流路43を形成する。入口筒部39は、外端に結合用のフランジ45を備えている。
【0046】
前記出口部材31は、前記入口部材29に対応して円板部47と出口筒部49とを備え、円板部47は、ボルトナット51により本体部27のフランジ35に締結結合されている。出口部材31は、出口流路53を形成し、外端にフランジ55を備えている。
【0047】
[第1の静止型攪拌部]
図2は、静止型攪拌部及び拡散用多孔体の分解斜視図である。
図3は、静止型攪拌部及び静止型攪拌部から離した拡散用多孔体の断面図である。
【0048】
前記第1の静止型攪拌部5は、筒体3の入口部11に配置されている。この第1の静止型攪拌部5は入口部11から通水された水を放射方向である径方向の中央の入水口57から受け入れて放射方向へ往復するラビリンス通路59を通して攪拌し放射方向の中央の出水口61から流出させるものである。
【0049】
図1~
図3のように、前記第1の静止型攪拌部5は、第1~第4のハニカム円板体63、65、67、69を重ね合わせている。第1、第4のハニカム円板体63、69は、第2、第3のハニカム円板体65、67よりも僅かに大径である。第1、第4のハニカム円板体63、69の外周径は、円筒ケース71の内周径とほぼ一致している。
【0050】
前記第1のハニカム円板体63は、円板73にハニカム部75を突設したものである。円板73の中心に前記入水口57を備えている。ハニカム部75は、多数の有底の孔75aを備えている。孔75aは、断面六角形に形成され、第1のハニカム円板体63全体でハニカム状に配置されている。
【0051】
前記第2のハニカム円板体65は、円板77にハニカム部79を突設したものである。ハニカム部79は、多数の有底の孔79aを備えている。孔79aは、断面六角形に形成され、第2のハニカム円板体65全体でハニカム状に配置されている。
【0052】
前記第1のハニカム円板体63と第2のハニカム円板体65とは、ハニカム部75、79を突き合わせて配置されている。ハニカム部75の多数の有底の孔75aとハニカム部79の多数の有底の孔79aとの突合せは、位置がずれるように行われている。
【0053】
前記第2のハニカム円板体65には、凸部65aが形成されている。凸部65aは、第1、第2のハニカム円板体63、65の突合せ状態で第1のハニカム円板体63のハニカム部75の最外周部に係合している。この係合により第1、第2のハニカム円板体63、65の芯を合せ有底の孔75a、79aの位置がずれた突合せが維持されている。
【0054】
前記第3のハニカム円板体67は前記第2のハニカム円板体65と同一形状に形成されている。第3のハニカム円板体67は円板81、ハニカム部83、有底の孔83aを備えている。この第3のハニカム円板体67は第2のハニカム円板体65に対して背中合わせで配置されている。この場合の背中とは、第2、第3のハニカム円板体65、67においてハニカム部79、83が無い平坦な面を意味する。
【0055】
前記第4のハニカム円板体69は前記第1のハニカム円板体63と同一形状に形成されている。第4のハニカム円板体69は出水口61、円板85、ハニカム部87、有底の孔87aを備えている。
【0056】
前記第3のハニカム円板体67と第4のハニカム円板体69とは、ハニカム部83、87を突き合わせて配置されている。ハニカム部83の多数の有底の孔83aとハニカム部87の多数の有底の孔87aとの突合せは、位置がずれるように行われている。
【0057】
前記第3のハニカム円板体67には、第2のハニカム円板体65と同様に凸部(図示せず。)が形成されている。凸部は、第3、第4のハニカム円板体67、69の突合せ状態で第4のハニカム円板体69のハニカム部87の最外周部に係合している。この係合により第3、第4のハニカム円板体67、69の芯を合せ、有底の孔83a、87aの位置がずれた突合せが維持されている。
【0058】
前記第1~第4のハニカム円板体63、65、67、69を重ね合わせて円筒ケース71に収容され、第2、第3のハニカム円板体65、67の円板77、81の外周と円筒ケース71内周との間に流路を備えている。
【0059】
前記第1、第2のハニカム円板体63、65の突合せでハニカム部75、79間に有底の孔75a、79aによる放射方向への前記ラビリンス通路59が形成されている。前記第3、第4のハニカム円板体67、69の突合せでハニカム部83、87間に有底の孔83a、87aによる放射方向への前記ラビリンス通路59が形成されている。前記ラビリンス通路59は円板77、81の外周と円筒ケース71内周との間の流路により連通している。
【0060】
したがって、第1の静止型攪拌部5は放射方向、つまり第1~第4のハニカム円板体63、65、67、69の中心部から径方向に往復して入水口57から出水口61に至るラビリンス通路59を備えている。
【0061】
[第1の拡散用多孔体]
図1~
図3のように、第1の拡散用多孔体7は第1の静止型攪拌部5に対し出水口61周りに配置されている。この第1の拡散用多孔体7は、第1の静止型攪拌部5の出水口61から流出する水を放射方向に拡散配置された複数の孔7aから流出させるようにガイドするための拡散空間を出水口61周りに形成するものである。
【0062】
前記第1の拡散用多孔体7はステンレス、樹脂などにより形成され、円板状に形成されている。この第1の拡散用多孔体7の外周径は円筒ケース71の外周径と同一に形成され、筒体3の内周面に密に嵌合する構成となっている。
【0063】
前記複数の孔7aは第1の拡散用多孔体7の径方向及び周方向へ一定間隔で備えられている。但し、複数の孔7aをランダムに備え、或は径方向、周方向で粗密を変化させた配置にすることもできる。孔7aの大きさは、第1の拡散用多孔体7に接する第1の改質剤群9のボールの大きさよりも相対的に小さく設定されている
前記第1の拡散用多孔体7は外周に突当部7bが周回状に形成されている。この突当部7bが縁部において第1の静止型攪拌部5の円筒ケース71に突き当てられている。この突き当てにより、第1の拡散用多孔体7は第1の静止型攪拌部5に対して前記拡散空間を形成している。
【0064】
この拡散空間が出水口61から流出する水を放射方向に拡散配置された複数の孔7aから流出させるようにガイドする。
【0065】
[第1の改質剤群]
図1のように、第1の改質剤群9は前記第1の拡散用多孔体7の複数の孔7aから前記出口部13の方向へ流出する水を通して改質するためのものである。この第1の改質剤群9は第1の拡散用多孔体7と第2の収束用多孔体17との間に密に収容されている。第1の改質剤群9は、例えばセラミックボール群、銀を含むセラミックボール群、イオン交換樹脂ボール群、セシウム吸着剤ボール群、活性炭ボール群の何れか、又はこれら何れかの組み合わせで構成されている。ボールは粒に代えることもできる。なお、ボールは球状のものを意味し、粒は小さめの球状であり球状以外の形状も含む。
【0066】
前記第1の改質剤群9のセラミックボールは、BRC22/触媒で形成されている。BRC22/触媒は酸化アルミニウム、二酸化ケイ素を主成分に遷移元素、典型元素の酸化物を10数種類加え、特殊加工して高温で焼成したものである。BRC22/触媒で形成されたセラミックボールは、電子励起効果、耐熱効果、イオン伝導効果により不純物を分解する。
【0067】
前記セラミックボール群は、ほぼ均一な大きさのセラミックボールで構成されている。但し、セラミックボール群を不均一な大きさのセラミックボールで構成することもできる。他の剤質の改質剤群の場合も同様である。
【0068】
[第2の静止型攪拌部]
図1の前記第2の静止型攪拌部15は前記第1の静止型攪拌部5と同一構造であり、詳細な説明は省略する。第2の静止型攪拌部15は第1の静止型攪拌部5に対する後流に配置されている。この第2の静止型攪拌部15は前記第1の改質剤群9で改質された水を放射方向の中央の入水口57から受け入れて攪拌し放射方向の中央の出水口61から前記出口部13の方向へ流出させるものである。
【0069】
[第2の収束用多孔体]
図1の第2の収束用多孔体17は第1の拡散用多孔体7と同一構造であり、孔7a及び突当部7bと同様の孔17a及び突当部17bを備えている。この第2の収束用多孔体17は前記改質された水を放射方向に拡散配置された複数の孔か17aから流入させて前記入水口57の方向にガイドするための収束空間を形成するものである。
【0070】
なお、第2の収束用多孔体17は第2の静止型攪拌部15に応じて第2とするが第1の収束用多孔体は本実施例には存在しない。
【0071】
前記第2の収束用多孔体17は第1の拡散用多孔体7に対して逆向きで第2の静止型攪拌部15に対し入水口57周りに配置されている。前記突当部17bが縁部において第2の静止型攪拌部15の円筒ケース71に突き当てられている。この突き当てにより、第2の収束用多孔体17は第2の静止型攪拌部15に対して収束空間を形成している。
【0072】
この収束空間が前記第1の改質剤群9で改質された水を放射方向に拡散配置された複数の孔17aから流入させて第2の静止型攪拌部15の入水口57の方向にガイドする。
【0073】
[第2の拡散用多孔体]
図1の第2の拡散用多孔体19は第1の拡散用多孔体7と同一構造であり、孔7a及び突当部7bと同様の孔19a及び突当部19bを備えている。この第2の拡散用多孔体19は前記第2の静止型攪拌部15の出水口61から出る水を放射方向に拡散配置された複数の孔19aから流出させるようにガイドするための拡散空間を形成するものである。
【0074】
前記第2の拡散用多孔体19は第1の拡散用多孔体7と同様に前記第2の静止型攪拌部15に対し出水口61周りに配置されている。前記突当部19bが縁部において第2の静止型攪拌部15の円筒ケース71に突き当てられている。この突き当てにより、第2の拡散用多孔体19は第2の静止型攪拌部15に対して拡散空間を出水口61周りに形成している。
【0075】
この拡散空間が第2の静止型攪拌部15の出水口61から流出する水を放射方向に拡散配置された複数の孔19aから流出させるようにガイドする。
【0076】
[第2の改質剤群]
図1の第2の改質剤群21は前記第1の改質剤群9と同一剤の群である。第2の改質剤群21は第2の拡散用多孔体19の前記複数の孔19aから前記出口部13の方向へ流出する水を通して改質するためのものである。第2の拡散用多孔体19と後段の第2の収束用多孔体17との間に密に収容されている。
【0077】
前記第2の改質剤群21は、例えばセラミックボール、銀を含むセラミックボール、イオン交換樹脂ボール、セシウム吸着剤ボール、活性炭粒の何れか、又はこれら何れかの組み合わせで構成されている。ボールは粒に代えることもできる。
【0078】
前記第2の改質剤群21の量は、前記第1の改質剤群9の量よりも少なく設定されている。但し、第1、第2の改質剤群9、21を同量に設定し、或は、前記第2の改質剤群21の量を、前記第1の改質剤群9の量よりも多く設定することもできる。
【0079】
[多段]
図1のように前記第2の静止型攪拌部21と前記第2の収束用多孔体17と前記第2の拡散用多孔体19と前記第2の改質剤群21との組み合わせが筒体3の出口部13に向かって2段に配置されている。
【0080】
前記2段に配置された前記第2の静止型攪拌部21と前記第2の収束用多孔体17と前記第2の拡散用多孔体19と前記第2の改質剤群21との組み合わせのうち、後段の第2の改質剤群21の量は前段の第2の改質剤群21の量よりも多く、前記第1の改質剤群9の量と同等に設定されている。
【0081】
但し、前段及び後段の第2の改質剤群21の量を同量に設定し、或は、前段の第2の改質剤群21の量を、後段の第2の改質剤群21の量よりも多く設定することもできる。
【0082】
[第3の静止型攪拌部]
図1の前記第3の静止型攪拌部23は前記第1の静止型攪拌部5と同一構造であり、詳細な説明は省略する。第3の静止型攪拌部23は2段の第2の静止型攪拌部21に対する後流で筒体3の出口部13に配置されている。この第3の静止型攪拌部23は後段の第2の改質剤群21で改質された水を放射方向の中央の入水口57から受け入れて放射方向へ往復するラビリンス通路59を通して攪拌し放射方向の中央の出水口61から出口部13に流出させるものである。
【0083】
[第3の収束用多孔体]
図1の前記第3の収束用多孔体25は第2の収束用多孔体17と同一構造であり、孔17a及び突当部17bと同様の孔25a及び突当部25bを備えている。この第3の収束用多孔体25は前記改質された水を放射方向に拡散配置された複数の孔25aから流入させて前記入水口57の方向にガイドするための収束空間を形成するものである。
【0084】
前記第3の収束用多孔体25は第3の静止型攪拌部23に対し入水口57周りに配置されている。前記突当部25bが縁部において第3の静止型攪拌部23の円筒ケース71に突き当てられている。この突き当てにより、第3の収束用多孔体25は第3の静止型攪拌部23に対して収束空間を形成している。
【0085】
この収束空間が前記第2の改質剤群21で改質された水を放射方向に拡散配置された複数の孔25aから流入させて第3の静止型攪拌部23の入水口57の方向にガイドする。
【0086】
[作用効果]
図1の筒体3の入口部11の入口流路43から汚水などの水をポンプなどにより加圧流入させると、
図1矢印(実線)のように水が第1の静止型攪拌部5の入水口57から第1の静止型攪拌部5内部に流入する。
【0087】
前記第1の静止型攪拌部5内部では第1、第2のハニカム円板体63、65間のハニカム部75、79の有底の孔75a、79aによる径方向往路のラビリンス通路59を通って第2のハニカム円板体65の外周に至る。
【0088】
前記水は、往路のラビリンス通路59で放射状に直角衝突、分散、合流、蛇行、渦流等の状態が組み合わさって複雑に撹拌流動する。
【0089】
前記第2のハニカム円板体65の外周に至った水は円板77、81の外周と円筒ケース71内周との間の流路を通り第3、第4のハニカム円板体67、69間のハニカム部83、87の有底の孔83a、87aによる径方向復路のラビリンス通路59を通って内周に至る。
【0090】
前記水は復路のラビリンス通路59で放射状に直角衝突、分散、合流、蛇行、渦流等の状態が組み合わさって再度複雑に撹拌流動する。
【0091】
このように放射方向に往復するラビリン通路を水が通ることで水に含まれる凝集物の低減、粘性水のサブミクロン化、氷結水の結晶粒径制御等が進行する。
【0092】
前記内周に至った水は第1の静止型攪拌部5の出水口61から第1の静止型攪拌部5外部に流出する。
【0093】
前記出水口61から流出した水は第1の拡散用多孔体7による拡散空間内で放射方向に拡散移動し第1の拡散用多孔体7の各孔7aから第1の改質剤群9のセラミックボールに対し放射方向の全体に渡るように流出させることができる。
【0094】
前記第1の改質剤群9に流出した水はこの第1の改質剤群9のセラミックボール群を通ることで電子励起効果、耐熱効果、イオン伝導効果によって不純物が分解される。
【0095】
この不純物分解作用に際し前記のようにラビリン通路を通った水を放射方向に拡散させて第1の改質剤群9のセラミックボールに対し放射方向の全体に渡るように流出させることで凝集物の低減、粘性水のサブミクロン化、氷結水の結晶粒径制御等が進行した水を第1の改質剤群9のセラミックボール全体に作用させてセラミックボール全体の作用を活性化させることができる。
【0096】
このため、セラミックボールを確実に機能させ大量の水の高度な改質を行わせることができる。
【0097】
次いで第1の改質剤群9を通って改質された水は第2の収束用多孔体17の各孔17aから第2の収束用多孔体17による収束空間内へ流入する。
【0098】
前記放射方向に拡散配置された複数の孔17aから流入した水は第2の静止型攪拌部15の入水口57の方向にガイドされ、第2の静止型攪拌部15の入水口57から第2の静止型攪拌部15内部に流入する。
【0099】
前記第2の静止型攪拌部15は前記第1の静止型攪拌部5と同様に機能して水を再度撹拌し、第2の静止型攪拌部15の出水口61から第2の拡散用多孔体19による拡散空間内へ流出する。
【0100】
前記第2の拡散用多孔体19は前記第1の拡散用多孔体7と同様に機能し、水は第2の拡散用多孔体19の各孔19aから第2の改質剤群21のセラミックボールに対し放射方向の全体に渡るように流出させることができる。
【0101】
前記第2の改質剤群21は前記第1の改質剤群9と同様に機能する。
【0102】
次いで後段の第2の収束用多孔体17、第2の静止型攪拌部15、第2の拡散用多孔体19、第2の改質剤群21が順次同様に機能する。
【0103】
後段の第2の改質剤群21で改質された水は第3の収束用多孔体25の各孔25aから第3の収束用多孔体25による収束空間内へ流入する。
【0104】
前記第3の収束用多孔体25、第3の静止型攪拌部23は前記第2の収束用多孔体17、第2の静止型攪拌部15と同様に機能する。
【0105】
前記第3の静止型攪拌部23では改質された水が最終的に撹拌され、改質された均質な水が筒体3の出口部13の出口流路53から流出する。
【0106】
こうして撹拌、改質を繰り返した水は、セラミックボール全体を確実に機能させ、セラミックボールによる不純物分解を確実に行わせて水の改質を実現する。
【0107】
[変形例]
前記水改質器1は、第2の静止型攪拌部15、第2の収束用多孔体17、第2の拡散用多孔体19、第2の改質剤群21を省略することもできる。また第3の静止型攪拌部23を省略することもできる。第3の静止型攪拌部23を省略する場合に第3の収束用多孔体25は残し、筒体3の出口部13に対し収束空間を形成するのが良い。第3の静止型攪拌部23を省略する場合に第3の収束用多孔体25に代えて単なる多孔板を筒体3の出口部13に配置することもできる。
【0108】
前記第1の改質剤群9、第2の改質剤群21は、それぞれセラミックボール又は粒、銀を含むセラミックボール又は粒、イオン交換樹脂ボール又は粒、セシウム吸着剤ボール又は粒、活性炭ボール又は粒の何れか、又はこれら何れかの組み合わせにより別々の剤料で構成することもできる。
【0109】
前記第1の改質剤群9、第2の改質剤群21を別々の剤料で構成したときは第1の改質剤群9でセシウム吸着剤ボールや活性炭ボールによりセシウムやトリハロメタンを除去し、第2の改質剤群21でセラミックボールにより電子励起効果、耐熱効果、イオン伝導効果で不純物を分解する構成にすること等も可能である。
【実施例2】
【0110】
【0111】
本実施例の水改質器1は、実施例1の水改質器1に対し2段の第2の静止型攪拌部15間の第2の収束用多孔体17、第2の拡散用多孔体19、及び前段の第2の改質剤群21を省き、2段の第2の静止型攪拌部15間にコイルスプリング89を介設した。
【0112】
前段の第2の静止型攪拌部15は中間第1の静止型攪拌部を構成し、後段の第2の静止型攪拌部15は中間第2の静止型攪拌部を構成する。前段の第2の収束用多孔体17は中間第1の収束用多孔体を構成し、後段の第2の拡散用多孔体19は中間第2の拡散用多孔体を構成する。
【0113】
本実施例では中間第1の静止型攪拌部15から流出した水は第2の改質剤群を経ることなくそのまま後段の中間第2の静止型攪拌部15に流入する。
【0114】
一方でコイルスプリング89は2段の中間第1、第2の静止型攪拌部15を離間させるように付勢するから第1の改質剤群9及び後段の第2の改質剤群21に付勢力が働き第1、第2の改質剤群9、21をより密集させることができる。
【0115】
このため第1、第2の改質剤群9、21の機能をより高め、水の改質をより確実に行わせることができる。
【0116】
前記第1、第2の改質剤群9、21の変形例は実施例1と同様である。
【実施例3】
【0117】
【0118】
本実施例の水改質器1は、実施例2の水改質器1に対し第1の静止型攪拌部5及び第3の静止型攪拌部23を省いた構造に相当する。
【0119】
第1の拡散用多孔体7は筒体3の入口筒部39の入口流路43に対して拡散空間を形成する。第3の収束用多孔体25は筒体3の出口筒部49の出口流路53に対して収束空間を形成する。
【0120】
本実施例においてもコイルスプリング89は2段の中間第1、第2の静止型攪拌部15を離間させるように付勢するから第1の改質剤群9及び後段の第2の改質剤群21に付勢力が働き第1、第2の改質剤群9、21をより密集させることができる。
【0121】
このため本実施例においても第1、第2の改質剤群9、21の機能をより高め、水の改質をより確実に行わせることができる。
【0122】
本実施例3において第1の拡散用多孔体7及び第3の収束用多孔体25を単なる多孔板に代えることもできる。
【0123】
前記第1、第2の改質剤群9、21の変形例は実施例1と同様である。
【符号の説明】
【0124】
1 水改質器
3 筒体
5 第1の静止型攪拌部(静止型攪拌部)
7 第1の拡散用多孔体(拡散用多孔体)
7a 孔
7b 突当部
9 第1の改質剤群
11 入口部
13 出口部
15 前段の第2の静止型攪拌部(中間第1の静止型攪拌部、静止型攪拌部)
17 前段の第2の収束用多孔体(中間第1の収束用多孔体、収束用多孔体)
15 後段の第2の静止型攪拌部(中間第2の静止型攪拌部、静止型攪拌部)
19 後段の第2の拡散用多孔体(中間第2の拡散用多孔体、拡散用多孔体)
21 第2の改質剤群
23 第3の静止型攪拌部
25 第3の収束用多孔体
57 入水口
59 ラビリンス通路
61 出水口
89 コイルスプリング