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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】光ファイバ把持機構及び光コネクタ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/36 20060101AFI20230116BHJP
【FI】
G02B6/36
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019007018
(22)【出願日】2019-01-18
(65)【公開番号】P2020118718
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-12-06
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、研究成果展開事業 戦略的イノベーション創出推進プログラム(S-イノベ)、「ナノハイブリッド電気光学ポリマーを用いた光インターコネクトデバイス技術の提案」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000243342
【氏名又は名称】本多通信工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大井 茂弘
(72)【発明者】
【氏名】吉崎 毅
(72)【発明者】
【氏名】大久保 靖明
(72)【発明者】
【氏名】後藤 直英
【審査官】山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-333235(JP,A)
【文献】特開2002-156549(JP,A)
【文献】特開平11-194234(JP,A)
【文献】特開2011-197234(JP,A)
【文献】国際公開第97/048991(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/36-6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバの先端部分が挿通される挿通孔と、前記光ファイバの中間部分を把持する把持部とを有し、前記光ファイバに沿った方向に移動可能な把持部材と、
前記把持部と係合する係合部材と、
前記把持部材を、前記光ファイバの先端方向へ向けて付勢する付勢部材と
を備え、
前記付勢部材が前記把持部材を前記先端方向へ向けて移動させることにより、前記係合部材が前記把持部に係合し、前記把持部が閉じて前記光ファイバを把持し、
前記付勢部材に逆らって前記把持部材を前記先端方向とは逆の根元方向へ向けて移動させることにより、前記係合部材が前記把持部から外れて、前記把持部が開く、
光ファイバ把持機構。
【請求項2】
請求項1の光ファイバ把持機構において、更に、
前記係合部材を、前記把持部材に対して、前記根元方向へ向けて付勢する第二付勢部材と、
前記係合部材に当接して、前記係合部材が前記根元方向へ向けて移動するのを阻止する当接部と
を備え、
前記付勢部材に逆らって前記把持部材を前記根元方向へ向けて移動させることにより、前記第二付勢部材が前記係合部材を前記把持部材とともに前記根元方向へ向けて移動させ、前記係合部材が前記当接部に当接することにより、前記係合部材が前記第二付勢部材に逆らって前記把持部材に対して相対的に前記先端方向へ向けて移動し、前記係合部材が前記把持部から外れて、前記把持部が開き、
前記付勢部材が前記把持部材を前記先端方向へ向けて移動させることにより、前記係合部材が前記当接部から離れ、これにより、前記第二付勢部材が前記係合部材を前記把持部材に対して相対的に前記根元方向へ向けて移動させ、前記係合部材が前記把持部に係合して、前記把持部材が閉じる、
光ファイバ把持機構。
【請求項3】
請求項2の光ファイバ把持機構において、
前記把持部材と、前記係合部材と、前記第二付勢部材とが一体に組み立てられた組立体
を備える、
光ファイバ把持機構。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかの光ファイバ把持機構を備える、光コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバを把持する把持機構に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、接着剤を使用せずに光ファイバを固定保持することのできる光コネクタを開示している。また、特許文献2は、光ファイバの先端部に取り付けられる光ファイバコネクタを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-249251号公報
【文献】特開2013-156518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光ファイバに微小な撓み(いわゆる「マイクロベンディング」)が存在すると、伝送信号の損失が大きくなる要因となる。特許文献1にかかる前記光コネクタは、所定の位置に配置された保持部材に対して環状部材が移動することにより、前記保持部材を締めつけて光ファイバを保持する。このため、保持した前記光ファイバにマイクロベンディングが存在しても、解消されることはない。特許文献2にかかる前記光ファイバコネクタでも、同様の問題が生じる。
また、特許文献1にかかる前記光コネクタは、光ファイバに取り付ける前の状態では、複数の部品に分かれている。このため、取り付け作業が煩雑になり、手間がかかる。更に、一度組み立ててしまうと、分解することが容易ではない。このため、保持した前記光ファイバを取り外すことが難しい。
特許文献2にかかる前記光ファイバコネクタは、ストッパをフェルールと維持部材との間に差し込むことにより、前記維持部材と前記フェルールとが所定距離だけ離間した状態となり、光ファイバを容易に交換できる。しかし、前記ストッパがなければ、前記光ファイバを交換できない。
本発明は、例えば、上記のような課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
光ファイバ把持機構は、光ファイバの先端部分が挿通される挿通孔と、前記光ファイバの中間部分を把持する把持部とを有し、前記光ファイバに沿った方向に移動可能な把持部材と、前記把持部と係合する係合部材と、前記把持部材を、前記光ファイバの先端方向へ向けて付勢する付勢部材とを備える。前記付勢部材が前記把持部材を前記先端方向へ向けて移動させることにより、前記係合部材が前記把持部に係合し、前記把持部が閉じて前記光ファイバを把持する。前記付勢部材に逆らって前記把持部材を前記先端方向とは逆の根元方向へ向けて移動させることにより、前記係合部材が前記把持部から外れて、前記把持部が開く。
前記光ファイバ把持機構は、更に、前記係合部材を、前記把持部材に対して、前記根元方向へ向けて付勢する第二付勢部材と、前記係合部材に当接して、前記係合部材が前記根元方向へ向けて移動するのを阻止する当接部とを備えてもよい。前記付勢部材に逆らって前記把持部材を前記根元方向へ向けて移動させることにより、前記第二付勢部材が前記係合部材を前記把持部材とともに前記根元方向へ向けて移動させ、前記係合部材が前記当接部に当接することにより、前記係合部材が前記第二付勢部材に逆らって前記把持部材に対して相対的に前記先端方向へ向けて移動し、前記係合部材が前記把持部から外れて、前記把持部が開いてもよい。前記付勢部材が前記把持部材を前記先端方向へ向けて移動させることにより、前記係合部材が前記当接部から離れ、これにより、前記第二付勢部材が前記係合部材を前記把持部材に対して相対的に前記根元方向へ向けて移動させ、前記係合部材が前記把持部に係合して、前記把持部材が閉じてもよい。
前記光ファイバ把持機構は、前記把持部材と、前記係合部材と、前記第二付勢部材とが一体に組み立てられた組立体を備えてもよい。
【発明の効果】
【0006】
前記把持部材が前記先端方向へ向けて移動することにより、前記把持部が前記光ファイバを把持するので、前記光ファイバが前記先端方向に引っ張られる。これにより、前記光ファイバを把持した位置よりも根元側に存在するマイクロベンディングが解消し、伝送信号の損失を減らすことができる。
前記把持部材を前記根元方向へ向けて移動させることにより、前記把持部が開くので、光ファイバを容易に交換でき、別部品は不要である。
前記係合部材が前記当接部に当接することにより、前記係合部材が前記把持部材から外れる構成であれば、前記把持部材を前記根元方向へ向けて移動させても、前記係合部材が前記当接部に当接しない範囲内であれば、前記把持部が前記光ファイバを保持し続ける。したがって、前記光ファイバが意図せず抜け出すのを防ぐことができる。
前記把持部材と、前記係合部材と、前記第二付勢部材とが一体に組み立てられた組立体を備える構成であれば、前記光ファイバを容易に組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】光コネクタ10の一例を示す平面図。
図2】前記光コネクタ10を示すII-II断面図。
図3】把持機構13の一例を示すII-II断面図。
図4】組立体40を示すII-II断面図。
図5】前記光コネクタ10を示すII-II断面図。
図6】前記光コネクタ10を示すII-II断面図。
図7】前記光コネクタ10を示すII-II断面図。
図8】前記光コネクタ10を示すII-II断面図。
図9】前記光コネクタ10を示すII-II断面図。
図10】前記光コネクタ10を示すII-II断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
光コネクタは、光ファイバの先端に取り付けて使用される。前記光コネクタは、例えば他の光コネクタに接続され、前記光ファイバを、前記他の光コネクタが取り付けられた他の光ファイバに接続する。
図1に示すとおり、前記光コネクタ10は、例えば、ハウジング12と、把持機構13とを有する。前記把持機構13は、前記光ファイバを把持して固定する。
【0009】
図2に示すとおり、前記把持機構13は、前記ハウジング12のなかに配置されている。前記把持機構13は、例えば、停止部材31と、付勢部材33と、把持部材34とを有する。
前記停止部材31は、前記ハウジング12と嵌合するなどして、前記ハウジング12に固定されている。前記停止部材31は、F-R方向に貫通した貫通孔313(図3参照)を有する。
前記把持部材34は、前記停止部材31の貫通孔313のなかに部分的に挿入され、前記停止部材31に対してF-R方向に移動可能である。
前記付勢部材33は、例えば、圧縮コイルばねであり、前記停止部材31と前記把持部材34との間に配置され、前記停止部材31をR方向へ向けて付勢し、前記把持部材34をF方向へ向けて付勢する。
【0010】
図3に示すとおり、前記停止部材31は、前記貫通孔313のなかに、二つの当接部311,312を有する。前記当接部311,312は、例えば、F方向へ向いた円環面状である。前記貫通孔313の内径は、前記当接部311,312を境として変化し、F側における内径が、R側における内径よりも大きい。前記付勢部材33は、R側の端が前記当接部312に当接し、前記停止部材31をR方向へ向けて付勢する。
【0011】
また、前記把持機構13は、更に、付勢部材32と、係合部材35とを有する。前記把持部材34は、R側に把持部344を有する。
前記係合部材35は、前記把持部344と係合し、前記把持部材34に対してF-R方向に移動可能である。
前記付勢部材32は、例えば、圧縮コイルばねであり、前記把持部材34と前記係合部材35との間に配置され、前記把持部材34をF方向へ向けて付勢し、前記係合部材35をR方向へ向けて付勢する。
【0012】
図4に示すとおり、前記係合部材35は、概して環状であり、鍔部351と、円筒部352と、受け部353とを有する。
前記円筒部352は、R側へ行くほどわずかに径が大きくなる。
前記鍔部351は、前記円筒部352のR側の端から径方向外側へ向けて延びる円環状である。前記鍔部351は、外径が前記当接部311の内径よりも大きく、前記当接部311に当接できる。
前記受け部353は、前記円筒部352のF側の端から、径方向内側かつF側へ向けて延びている。前記付勢部材32は、R側の端が前記受け部353に当接し、前記係合部材35をR方向へ向けて付勢する。
【0013】
前記把持部材34は、全体として概して円筒状であり、径方向の中心に、前記光ファイバが通る通路を画定している。前記通路は、最もF側の部分において、内径が前記光ファイバの外径とほぼ等しい。この部分を、挿通孔341と呼ぶ。前記通路は、中間部分において、内径が前記光ファイバの外径よりも大きい。前記通路は、最もR側の部分において、前記把持部344によって画定されている。
【0014】
前記把持部材34は、更に、突出部342と、受け部343とを有する。
前記突出部342は、前記把持部材34のF-R方向における中間付近にあり、径方向外側へ向けて突出している。前記付勢部材33は、F側の端が前記突出部342のR側の面に当接し、前記把持部材34をF方向へ向けて付勢する。
前記受け部343は、前記突出部342よりもR側にあり、例えばR方向に向いた円環面状である。前記把持部材34の外径は、前記受け部343を境として変化し、F側における外径が、R側における外径よりも大きい。前記付勢部材32は、F側の端が前記受け部343に当接し、前記把持部材34をF方向へ向けて付勢する。
【0015】
また、前記把持部344は、前記受け部343よりもR側の部分であり、R側の端に端部345を有する。前記端部345の外径は、R方向の先端から所定の位置までの間において、最も大きく、前記所定の位置よりもF側において、F側へ行くほど小さくなる。前記端部345の内径は、前記把持部344の他の部分よりも小さい。
前記把持部344は、径方向において複数に分割されている。また、前記把持部344は、弾性を有し、これにより、前記端部345は、径方向へ向けて移動可能である。したがって、前記端部345の径方向における位置によって、前記端部345の外径及び内径が変化する。
前記把持部344が自由状態であるとき、前記端部345の最大外径は、前記鍔部351の内径よりも大きく、前記当接部311の内径よりは小さい。したがって、前記端部345は、前記鍔部351に当接できるが、前記当接部311には当接しない。また、前記端部345の内径は、前記光ファイバの外径よりも大きい。したがって、前記通路のなかで前記光ファイバがF-R方向に自由に移動できる。
前記把持部344の弾性に逆らって、前記端部345を径方向内側へ向けて移動させると、前記端部345の外径及び内径は、小さくなる。前記端部345の最大外径は、前記鍔部351の内径より小さくできるが、前記受け部353の内径よりも小さくはならない。前記端部345の内径は、前記光ファイバの外径よりも小さくできる。したがって、前記端部345で前記光ファイバを把持することができる。
【0016】
前記把持部材34は、例えば、フェルール本体41と割部材42とで構成される。前記割部材42は、前記把持部344に相当する部分である。
組み立て時において、まず、割部材42のF側の端を、前記係合部材35に挿通し、更に、前記付勢部材32に挿通し、その後、前記フェルール本体41に嵌合させて固定する。
上述したとおり、前記端部345の最大外径は、前記受け部353の内径より小さくならないので、前記係合部材35が前記割部材42からR方向に外れることはない。これにより、前記フェルール本体41と割部材42とからなる把持部材34と、前記付勢部材32と、前記係合部材35とが一体になった組立体40が形成される。
以後の工程では、この組立体40を一体として取り扱うことができるので、光コネクタ10の組み立てが容易になる。
【0017】
次に、前記光コネクタ10を前記光ファイバに取り付ける手順について説明する。
【0018】
図5に示すとおり、初期状態において、前記把持部材34は、前記付勢部材33の付勢力によって、前記停止部材31に対してF方向へ向けて付勢され、前記突出部342のF側の面が前記ハウジング12に当接することにより、前記停止部材31に対して所定の位置に保持されている。前記把持部材34のF側の端は、前記停止部材31及び前記ハウジング12の外部に露出している。
前記係合部材35は、前記付勢部材32の付勢力によって、前記把持部材34に対してR方向へ向けて付勢され、前記端部345に当接することにより、前記端部345を径方向内側へ向けて付勢する。これにより、前記端部345の内径が、前記光ファイバの径よりも小さくなる。したがって、このままの状態では、前記光ファイバを前記通路に通すことができない。
【0019】
図6に示すとおり、前記把持部材34のF側の端をR方向へ向けて押し込むことにより、前記付勢部材33の付勢力に逆らって前記把持部材34をR方向へ向けて移動させると、前記係合部材35の前記鍔部351が前記停止部材31の前記当接部311に当接する。
【0020】
図7に示すとおり、前記把持部材34を更にR方向へ向けて移動させると、前記係合部材35は、前記停止部材31の前記当接部311に当接しているので、それ以上R方向へ向けて移動することができない。これに対し、前記端部345は、前記停止部材31に当接しないので、前記把持部材34は、更にR方向へ向けて移動する。したがって、前記係合部材35は、前記付勢部材32の付勢力に逆らって前記把持部材34に対して相対的にF方向へ向けて移動し、前記端部345から離れる。これにより、前記把持部344は、弾性により、前記端部345が径方向外側へ向けて移動し、自由状態に戻る。これにより、前記端部345の内径が前記光ファイバの径よりも大きくなり、前記光ファイバを前記通路に通すことができるようになる。
【0021】
この状態で、図8に示すとおり、前記光ファイバ80をR側から前記通路に挿通して、先端が前記挿通孔341を通り抜けて外部に露出した状態とする。
【0022】
その後、前記把持部材34を押し込んでいた力を緩めると、前記付勢部材33の付勢力によって、前記把持部材34がF方向へ向けて移動する。しかし、前記係合部材35は、前記付勢部材32の付勢力により、前記停止部材31の前記当接部311に当接したまま動かない。したがって、前記係合部材35は、前記把持部材34に対して相対的にR方向へ向けて移動し、再び端部345に当接することにより、前記端部345を径方向内側へ向けて付勢する。
その結果、図9に示すとおり、前記端部345が前記光ファイバ80の中間部分を把持する。
【0023】
その後、前記把持部材34を押し込むのを完全に止めると、図10に示すとおり、前記把持部材34が初期状態の位置に戻り、取り付け作業が完了する。
【0024】
このように、前記光ファイバ80の中間部分を把持している前記端部345がF方向へ向けて移動するので、それよりもR側において前記光ファイバ80が引き伸ばされる。特に、前記光ファイバ80の根元部分を前記ハウジング12や前記停止部材31に固定する場合などは、マイクロベンディングが発生する可能性があるが、前記光ファイバ80を引き伸ばすことにより、マイクロベンディングが解消する。これにより、伝送信号の損失を抑えることができる。
【0025】
光ファイバ80を交換するため、前記光コネクタ10を前記光ファイバ80から取り外すには、取り付けのときと同様に、前記把持部材34のF側の端をR方向へ向けて押し込んで、図8の状態にする。そうすれば、前記端部345の内径が前記光ファイバ80の径よりも大きくなり、前記光ファイバの把持が解除されているので、前記光ファイバ80をR方向へ向けて引き抜くことができる。
したがって、別部品を用意する必要がなく、前記光ファイバ80を容易に交換することができる。
【0026】
なお、前記光コネクタ10を他の光コネクタなどに接続して、前記光ファイバ80を前記他の光コネクタなどに取り付けられた他の光ファイバに接続する場合には、前記光ファイバ80の端面と前記他の光ファイバの端面とを押し当てるため、前記把持部材34に対してR方向へ押す力が働く。しかし、前記把持部材34が図8に示す状態まで完全に押し込まれなければ前記光ファイバの把持が解除されることはないので、前記光ファイバが意図せず抜け出してしまうことはない。
【0027】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例である。本発明は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく様々に修正し、変更し、追加し、又は除去したものを含む。これは、以上の説明から当業者に容易に理解することができる。
【符号の説明】
【0028】
10 光コネクタ、12 ハウジング、13 把持機構、31 停止部材、311,312 当接部、313 貫通孔、32,33 付勢部材、34 把持部材、341 挿通孔、342 突出部、343,353 受け部、344 把持部、345 端部、35 係合部材、351 鍔部、352 円筒部、40 組立体、41 フェルール本体、42 割部材、80 光ファイバ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10