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特許7210061外科織物内の血液構成要素の量の評価方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】外科織物内の血液構成要素の量の評価方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20230116BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20230116BHJP
   G06T 7/62 20170101ALI20230116BHJP
【FI】
G06T7/00 614
A61B5/00
G06T7/62
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021132162
(22)【出願日】2021-08-16
(62)【分割の表示】P 2018532650の分割
【原出願日】2016-12-23
(65)【公開番号】P2022000147
(43)【公開日】2022-01-04
【審査請求日】2021-09-06
(31)【優先権主張番号】62/387,222
(32)【優先日】2015-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516307404
【氏名又は名称】ガウス サージカル,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Gauss Surgical,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】サティシュ,シッダルタ
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ケヴィン,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ホスフォード,アンドリュー,ティー.
【審査官】合田 幸裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/009709(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2014/0294237(US,A1)
【文献】米国特許第06640130(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
A61B 5/00
G06T 7/62
IEEE Xplore
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
視野内の外科織物を示すカラー画像を取得するように構成された撮像部品と、
前記視野から深度情報を取得するように構成された深度検出部品と、
1又はそれ以上のプロセッサと、
前記1又はそれ以上のプロセッサによって実行されたときに、
前記深度情報に基づいて前記カラー画像の部分を判定することであって、当該判定された部分が前記外科織物を示す、判定すること、及び
前記カラー画像の前記部分に基づいて血液の情報を判定すること、
を備える動作を実行するように前記システムを構成する指示を貯蔵するメモリと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記血液の情報判定することは、前記カラー画像の前記部分に基づいて血液成分の量を評価することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記深度検出部品は、非赤外線深度カメラを含み、
前記深度情報は、非赤外線深度画像を含み、
前記動作は、さらに、前記非赤外線深度画像を前記カラー画像の座標系に変換することを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記深度検出部品は、赤外線深度カメラを含み、
前記深度情報は、赤外線深度画像を含み、
前記動作は、さらに、前記赤外線深度画像を前記カラー画像の座標系に変換することを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記カラー画像の判定することは、前記深度情報に基づいて平坦なピクセルのセットを識別することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
1またはそれ以上のプロセッサによって、視野内の外科織物を示すカラー画像にアクセスすることと、
前記1またはそれ以上のプロセッサによって、前記視野から取得した深度情報にアクセスすることと、
前記1またはそれ以上のプロセッサによって、且つ、前記深度情報に基づいて、前記カラー画像の部分を判定することであって、当該判定された部分が前記外科織物を示す、判定すること、
前記1またはそれ以上のプロセッサによって、前記カラー画像の前記部分に基づいて血液の情報を判定することと、
を備える、方法。
【請求項7】
前記深度情報は、非赤外線深度画像を含み、
前記方法は、さらに、前記非赤外線深度画像を前記カラー画像の座標系に変換することを備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記深度情報は、赤外線深度画像を含み、
前記方法は、さらに、前記赤外線深度画像を前記カラー画像の座標系に変換することを備える、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
さらに、前記深度情報のダウンサンプリングをすることと、
ダウンサンプリングされた前記深度情報に基づいてマスク画像を生成することと、
生成された前記マスク画像のアップサンプリングをすることと、
を備え、
前記カラー画像の判定することは、アップサンプリングされた前記マスク画像に基づいている、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
マシンの1又はそれ以上のプロセッサによって実行されたときに、
視野内の外科織物を示すカラー画像にアクセスすることと、
前記視野から取得した深度情報にアクセスすることと、
前記深度情報に基づいて、前記カラー画像の部分を判定することであって、当該判定された部分が前記外科織物を示す、判定すること、
前記カラー画像の前記部分に基づいて血液の情報を判定することと、
を備える動作を実行するように前記マシンを構成する指示を備えるコンピュータ読込可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年12月23日に出願された米国仮特許出願第62/387,222号の優先権を主張する。本出願は、2012年7月9日に出願された、米国特許出願第13/544,664号にも関する。この文献は、その全体がこの参照により、その全体が組み込まれる。
【0002】
本発明は概して、失血の管理の分野に関し、より具体的には、新規で有用である、失血の管理の分野における外科織物内の血液構成要素の量の評価方法に関する。
【発明の概要】
【0003】
本発明は概して、失血の管理の分野に関し、より具体的には、新規で有用である、失血の管理の分野における外科織物内の血液構成要素の量の評価方法に関する。外科織物の血液の内容物の検出、カウント、及び分析のためのシステム及び方法が提供され、カラー画像に関して、赤外カメラまたは深度カメラを利用する。
【0004】
一実施例では、血液の内容物を測定するためのシステムが提供され、カラー画像を取得するように構成されたカラー撮像システムと、赤外画像を取得するように構成された赤外撮像システムと、プロセッサであって、赤外画像を使用して外科織物の形状を識別し、赤外画像から形状情報を生成し、形状情報を使用して、カラー画像内の外科織物ピクセルを識別し、外科織物ピクセルから血液の情報を抽出するように構成された、プロセッサと、を備えている。プロセッサは、赤外画像を、カラー画像に対応する座標系に変換し、赤外画像の1つから、深度画像を生成し、深度画像内の平坦なピクセルのセットを識別し、及び/または、深度画像内の外科織物の画像の外周を検出するように、さらに構成されている場合がある。外科織物の画像の外周の検出は、深度画像内の、急激な垂直な深度の下降を探すことによって実施される場合がある。プロセッサは、深度画像または赤外画像を低解像度処理し、低解像度処理された深度画像からマスク画像を生成し、マスク画像を高解像度処理し、赤外画像内の欠けている赤外ピクセル領域の充填を実施し、検出された外周を使用してマスク画像を生成し、及び/または、マスク画像を、カラー画像の座標系に変換するように、さらに構成されている場合がある。検出された外周は、外科織物の画像の頂縁部及び底縁部である場合があるか、外科織物の画像の両側の縁部、及び/または、外科織物の画像の角である場合がある。
【0005】
別の実施例では、血液構成要素を含む対象の分析方法が提供され、血液構成要素を含む対象の深度画像及びカラー画像を取得することと、深度画像を使用して、視野内の対象の存在を判定することと、カラー画像を使用して、血液構成要素の特性を評価することと、を含んでいる。本方法は、深度画像を使用して画像マスクを生成することと、画像マスクをカラー画像に適用して、背景のピクセルを除去することと、をさらに含む場合がある。本方法は、深度画像に、浸食及び拡大の画像処理の少なくとも1つを適用することをさらに含む場合がある。
【0006】
さらに別の実施例では、外科織物内の流体構成要素の量の評価方法が提供され、第1の時間において、視野の第1の赤外画像を取得することと、第1の赤外画像内の外科織物の形状または表面特性を検出することと、第1の赤外画像内の形状または表面特性が検出されると、フレームカウンタに指数を付すことと、第1の時間に続く第2の時間おいて、視野の第2の赤外画像を取得することと、第2の赤外画像内の外科織物の表面特性を検出することと、第2の赤外画像内の形状または表面特性が検出されると、フレームカウンタに指数を付すことと、第2の赤外画像内の外科織物の形状または表面特性を検出しなかった際に、非検出カウンタに指数を付すことと、を含んでいる。本方法は、予め特定された値に達すると、フレームカウンタ及び非検出カウンタをクリアすることをさらに含む場合がある。本方法は、フレームカウンタを閾値と比較することと、フレームカウンタが閾値以上であり得る場合に、視野のカラー画像を取得することと、外科織物に対応するカラー画像の領域を血液構成要素の量の評価に変換することと、フレームカウンタをクリアすることと、をさらに含む場合がある。本方法は、第2の赤外画像を使用して画像マスクを生成することと、カラー画像に画像マスクを使用して、外科織物に対応するカラー画像の領域を識別することと、をさらに含む場合がある。
【0007】
別の実施例では、流体の監視を実施する方法が提供され、視野の赤外画像を取得することと、視野のカラー画像を取得することと、赤外画像を使用して画像マスクを生成することと、カラー画像に画像マスクを使用して、外科織物に対応するカラー画像の領域を識別することと、を含んでいる。本方法は、赤外画像をカラー画像の幾何学的斜視図に変換することをさらに含む場合がある。本方法は、画像マスクを生成する前に、赤外画像を低解像度処理することをさらに含む場合がある。本方法は、画像マスクを使用してカラー画像の領域を識別する前に、画像マスクを高解像度処理することをもさらに含む場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】外科織物を分析するための方法のフローチャートの表示である。
図2】特定の特性に関する外科織物を識別及びカウントするための方法の1つの変形形態のフローチャートの表示である。
図3】例示的な深度撮像システムの概略的表示である。
図4】外科織物をハイライトする、例示的なコンピュータデバイス及びユーザディスプレイを示す。
図5】視界から外科織物が離れたことを検出する方法のフローチャートの表示である。
図6】画像の歪みを取り、再評価するための方法のフローチャートの表示である。
図7】画像マスクを生成するための方法のフローチャートの表示である。
図8】浸食及び拡大プロセスを使用した、画像マスクを生成するための方法の別のフローチャートの表示である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
患者の失血の過大評価及び過小評価は、病院、診療所、及び他の医療施設の手術及び外科医療のコストを高くする大きな要因である。具体的には、患者の失血の過大評価は、輸血グレードの血液を浪費し、医療機関の手術コストを高騰させる結果となり、また、血液の不足に繋がり得る。患者の失血の過小評価は、多量の出血が生じている際の蘇生及び輸血の遅れの重要な要因であり、大多数の回避可能であった患者の感染、再入院、及び毎年の訴訟に関連している。このため、外科の分野では、物理サンプル内の、体外の血液量を評価するための新規で有用なシステム及び方法が必要である。
【0010】
本明細書に記載のシステム及び方法は、外科織物または他の手術室表面の画像を取得し、各画像内の血液の内容物を評価するために、カラー・カメラ・システムを利用する。さらに、本システムは、手術の間に使用された複数の外科織物を追跡して、外科または手術スタッフが、外科的に閉じる前に、すべての外科織物があり、患者内に残されていないことを確認することを補助することもできる。外科織物は、吸収性の外科用ガーゼスポンジ、外科用衣服、外科用タオル、外科用ガウン、スクラブもしくは他の衣類、テーブル、ベッドもしくはベッドシート、壁、フロア表面、外部の皮膚表面、外科用グローブ、外科用器具、または任意の他の表面、材料、基板、もしくは対象などのアイテムを含み得る。
【0011】
分析及び/またはカウントのために、カラー・カメラ・システムへの対象の表示を促進するために、深度情報を提供するように構成された、赤外または他のタイプのカメラが、分析のための対象の表示を検出するために使用され得る。そのようなシステムからの深度情報は、最前面に位置する対象を、分析することが意図されておらず、背景に位置することになる他の対象から、より容易に区別し得る。深度情報を提供することができる光学システムの実施例には、レンジゲートの飛行時間(ToF)カメラ、RF変調ToFカメラ、パルス光ToF、及び投影光ステレオカメラなどが含まれる。
【0012】
検出プロセスの正確さを向上させるために、対象の他の特徴も、偽陽性の結果のリスクを低減させるために検出され得る。検出プロセスの信頼性は、対象を分析し、結果を与える前に、複数の連続したフレーム内に対象の存在を識別することによって向上させることもできる。
【0013】
1.用途
概して、図1に示すように、本明細書に記載の様々な方法が、コンピュータデバイス100によって実行されて、光学センサシステム104を使用して1つまたは複数の画像102を取得して、S110に示される、視界108内の外科用ガーゼ、外科用スポンジ、または外科用タオルなどの外科織物106aを検出する場合がある。S111では、画像102は、S111において、光学センサシステムによって出力されたフレームのシークエンスにわたって、外科織物(画像)106bの存在を確認するために分析され、その存在が確認されると、S125において、外科織物106bのカラー画像110を自動的に取得するか、画像102で現在確保されている最後のカラー画像を利用する。コンピュータデバイス100は、次いで、S150において、局所的外科織物カウンタ112に指数を付し、S140において、カラー画像110のピクセルの色値を外科織物106b内の血液構成要素の量(たとえば、ヘモグロビンの質量、血液全体の体積)の評価に局所的に変換するか、そのような処理のために、カラー画像110を遠位のコンピュータシステムに渡すことができる。
【0014】
特に、コンピュータデバイス100は、第1のフレーム(たとえば、赤外画像)内の、可能性のある外科織物の画像106を検出し、ブロックS112に関してフレームカウンタ114に指数を付し、可能性のある外科織物106が次のフレームでふたたび検出された場合に、フレームカウンタ114にふたたび指数を付すか、外科織物画像106bが次のフレームで検出されなかった場合、ブロックS130でフレームカウンタ114をクリアするように構成され得る。可能性のある外科織物106bが次のフレームで検出される限り、かつ、フレームカウンタ114がある閾値116に等しい値を含むまで、このプロセスは繰り返され、フレームカウンタ114に指数が付される。フレームカウンタが、閾値116に等しい値を含むと、コンピュータデバイスは、外科織物106のカラー画像110を記録し、カラー画像110を処理して、ブロックS140で、その血液構成要素(たとえば、ヘモグロビン)の内容物を判定し、及び/または、ブロックS150で、検出された外科織物106に関し、織物カウンタ112をアップデートすることができる。たとえば、コンピュータデバイス100は、外科織物106に対応すると思われるものと判定された領域を含む、7の連続したフレームに相関する「7」の閾値116を満たすことができる。また、コンピュータデバイス100は、フレームカウンタ114が「7」の値を含むと、外科織物106bのデジタルカラー写真画像110を取得し、この画像110を処理して、外科織物106内のヘモグロビンまたは血液構成要素全体の質量または容量を判定することができる。他の実施例では、閾値は、約3から約100、または約5から約70、または約30から約50、または約8から約20のレンジに設定され得る。フレームのシークエンスを通して外科織物106を追跡し、外科織物106bが最小の数の連続したフレーム内で検出された場合に、外科織物106bの存在のみを確認することにより、コンピュータデバイス100は、外科織物106bの偽陽性の確認を最小にするか除去する場合があり、それにより、誤った織物カウンタの事象、ならびに、外科織物を含まない画像の自動化された収集及び処理を最小にするか除去する。この追跡プロセスにより、すべてのカラー画像の、血液の内容物の判定を実施する必要性を低減することで、計算効率の向上もし得る。
【0015】
さらなる実施形態では、コンピュータデバイス100は、その視野108内(すなわち、コンピュータデバイス100に組み込まれ及び/または接続された光学センサシステム104の1つまたは複数の光学センサの視野内)の外科織物106aを自動的に検出するようにも構成され得、それにより、血液を含む外科織物の取得をユーザが、フットペダルの押込み、タッチコントロール、ジェスチャコントロール、またはボイスコントロールなど、手動で引き起こす必要性を低減するか除去している。さらに、コンピュータシステム100は、組み込まれているか接続されたディスプレイ118を通して、外科織物106aがコンピュータデバイス100の視野108内に検出されたこと、外科織物の画像が取得されたことの可視インジケータ、及び/または、外科織物106aを操作して、十分であるか高品質の画像を与えることのプロンプトなどの、リアルタイムの視覚フィードバックを提供するように構成され得る。
【0016】
本明細書に記載の方法は、手術室、搬送室、救急車、または任意の他の医療用もしくは救急用対応スペースもしくはユニット内に設置されるか配置されたコンピュータデバイス100によって局所的に実行され得る。しかし、本方法は、遠位のサーバなどにより、局所的及び/または遠位で実行もされ得る。本方法のブロックは、外科用スポンジの検出、ならびに、外科用スポンジの画像の取得及び処理として、本明細書に記載されている。しかし、本方法のブロックは、追加的または代替的に、外科用ガーゼ、外科用タオル、または任意の他の織物を検出し、そのような織物の画像を取得及び処理するように実施され得る。
【0017】
2.例示的方法
図1に示すように、外科織物内の血液構成要素の量を評価するための概略的方法S100は、第1の時点において、ブロックS110で、光学システム104を使用して、視野108の第1の赤外または深度画像102を取得することを含んでいる。この特定の実施例では、光学システム104は、組込型ディスプレイ118、及び、コンピュータデバイスのディスプレイ118と同じ側のカラーカメラまたはカラー撮像システム120とを有するコンピュータデバイス100を備えているが、他の実施例では、コンピュータデバイス100は、ディスプレイ118の反対側でカメラを使用するように構成されている場合がある。深度画像102を取得するために、赤外カメラまたは深度撮像システム122は、コンピュータデバイス100に直接取り付けられているが、他の実施例では、深度撮像システム122は、コンピュータデバイス100から離間した位置に取り付けられている場合がある。いくつかの変形形態では、赤外または深度カメラ120は、特定のコンピュータデバイス100に取り付けられるように構成されており、それにより、この第2のカメラ121の光軸が、垂直かつ、カラーカメラ120の光軸に平行に整列されるようになっている。しかし、他の実施例では、第2のカメラ121の光軸は、カラーカメラ120の水平軸と整列している場合があるか、カラーカメラのどの軸とも整列していない場合がある。第2のカメラ122は、代替的には、カラーカメラ120から、約15cmから200cm、または、約30cmから約100cmのレンジ内の距離の位置において、カラーカメラ120の光軸と交差するように構成され得る。
【0018】
画像102は次いで、S111において分析されて、第1の赤外画像102の外科織物106bに対応する表面または形状の特性を検出する。外科織物106bの存在が確認された場合、フレームカウンタ114は、S112において指数が付される。第1の時点に続く第2または次の時点では、視野108の第2または次の赤外画像102が取得され、第2または次の赤外画像102内の外科織物106bの表面または形状の特性の検出に応じて、フレームカウンタ114にふたたび指数を付す。この検出は、閾値116に達するまでか、第2または次の赤外画像に外科織物の表面または形状の特性を検出できなかったことに応答して、S130でフレームカウンタをクリアするまで繰り返し実施される。S113において、フレームカウンタが閾値に等しい値を含んでいると、視野108のカラー画像110は、カラーカメラ120によって取得され得る。カラー画像が赤外または深度画像102で取得される変形形態では、ブロックS110またはブロックS111の間に取得される、それらからの最後のカラー画像110が使用され得る。外科織物106bに対応するカラー画像110の領域が識別され、次いで、これら領域は、血液を包含する部分を識別するように、さらに分析される。これら部分は次いで、ブロックS140において、血液構成要素の量の評価に変換される。このため、本システムは、S130においてフレームカウンタをクリアする。
【0019】
本方法のさらなる変形形態が、図1にも示されている。たとえば、第1の時点では、視野100の第1の画像102が、S110において、光学システム104によって取得されると、第1の画像102のレンダリングされた形態が、S120においてディスプレイ118に提供され得る。この表示された画像102は、深度画像またはカラー画像に対応し得る。第1の画像102内の外科織物106bの第1の表面または形状の特性を検出するのに応じて、フレームカウンタ114は、S112において指数が付され、ディスプレイ118上で、ブロックS122において、外科織物106bの第1の表面または形状に対応する第1の画像102の領域をハイライトする。本方法のこの変形形態は、第1の時点に続く第2または次の時点で、視野108の第2または次の画像102を取得し、ディスプレイ118上の第2または次の画像102の形態をレンダリングすることも含み得る。そして、第2の画像102内の外科織物106bの第2の表面または形状の特性を検出するのに応じて、S112においてフレームカウンタ114に指数を付し、ディスプレイ118上で、ブロックS122において、フレームカウンタ114の値に基づき、第2の表面または形状に対応する第2の画像102の領域をハイライトする。第2または次の画像102における外科織物106bの第2の表面または形状の特性の検出がされなかった場合に、フレームカウンタ114がS130においてクリアされるか、フレームカウンタ114が閾値116に等しい値を含むのに応じて、ブロックS150において織物カウンタ112に指数を付し、フレームカウンタ114をクリアする。様々な外科織物を利用する手術または外科医療では、複数の外科織物カウンタが設けられ得、対応する外科織物106に関するカウンタに、S150において指数が付され得る。
【0020】
3.システム
図1に示すように、コンピュータデバイス100は、視野108を規定し、その視野108から深度及びカラーデータを取得するように構成された撮像システム104を含んでいる。具体的には、コンピュータデバイス100は、視野108の深度情報またはマップ102を出力する深度撮像カメラまたはシステム122と、視野108のカラー画像110を出力するカラー撮像カメラまたはシステム120とを含むことができる。
【0021】
図3に示すように、一実施態様では、深度撮像システム122は、投影視野を規定し、投影視野にドットのパターンの赤外光を投影する赤外(「IR」)光プロジェクタ302の構造を有するハウジング300と、投影視野とほぼ同じ赤外視野を規定し、赤外視野の赤外画像(または「赤外フレーム」)のシークエンスを取得するように構成されたIRカメラ304と、各赤外画像にわたるドットの密度または変位に基づくなどにより、各赤外画像において記録された、IRカメラ304によって検出された歪曲したドットパターンを深度マップ102に変換するように構成された内部プロセッサ306と、を含んでいる。IRプロジェクタは、IRレーザまたはダイオードを備え得る。米国特許出願第8,374,397号は、このIR深度技術の一例である。この文献は、その全体を参照することにより、組み込まれる。したがって、コンピュータデバイス100の作動中は、深度撮像システムは、深度マップ102のシークエンスを出力することができ、各深度マップ102は、IRカメラ122と、対応する時間における赤外視野内の表面との間の距離の表示を含んでいる。当然、IRベースのカメラに加え、限定ではないが、他のタイプの同様の構造のカメラ、距離、カメラの焦点深度を判定するために、ステレオ三角測量法がステレオ画像のペアで使用され得るステレオカメラ、及び、他の既知のタイプの深度カメラを含む、他の深度カメラも使用され得る。いくつかの変形形態では、深度撮像システム122は、コンピュータデバイスの内部のカラー・カメラ・システムの代わりに使用される場合がある、カラー・カメラ・システム308を含み得る。
【0022】
カラー撮像システムは、赤、緑、及び青のカラーチャンネルをサポートするCCDカメラまたはCMOSカメラなどの、カラーカメラ120を含み得る。カラーカメラ120は、IRカメラ122の赤外視野(そしてひいては、投影視野)に実質的に類似している(すなわち、実質的にオーバーラップしている)カラーの視野を規定もし得る。以下に記載するように、コンピュータデバイス100は、30Hzのレートなどで、本方法を実行している間の各サンプリング期間の間、深度マップ102の生成と、カラー画像110の取得とをそれぞれ行うように、深度撮像システム122とカラー撮像システム120とのトリガとなる、すなわち起動することができる。他の実施例では、カメラ(複数可)のサンプリングレートは、約0.1Hzから約1kHz、または約60Hzから約240kHzのレンジである場合がある。コンピュータデバイス100は、このため、各サンプリング期間の間、1つの深度マップ102と1つのカラー画像110と(「フレームペア」)を取得することができ、各サンプリング期間に関して、深度データとカラーデータとの両方を処理して、対応する時間における、コンピュータデバイス100の視野内の外科用スポンジまたは他の外科織物106の存在を検出する。代替的には、コンピュータデバイス100は、深度撮像システムをサンプリングし、深度マップデータを処理して、コンピュータデバイス100の視野108内の外科用スポンジまたは外科織物を検出することができる。また、コンピュータシステム100は、以下に記載するように、フレームカウンタ114内の値が閾値116に達すると、カラー撮像システムを通してカラー画像110を取得することができる。さらに他の実施形態では、カラー画像110に対する深度画像102の比は、決まっているか、予め定められている場合があり、約3:2から約100:1、または約2:1から約50:1、または約30:1から約50:1である場合がある。
【0023】
コンピュータデバイス100は、IRカメラ122及びカラーカメラ120に隣接したディスプレイ118をも含み得る。ディスプレイ118は、IRカメラ及びカラーカメラの視野に対してほぼ垂直な視覚エリアを規定することができ、それにより、外科用スポンジを保持するユーザ(たとえば、看護師、技術者、麻酔専門医)が、ディスプレイ118のコンテンツを見ながら、IRカメラ122及びカラーカメラ120の前に立つことができるようになっている。たとえば、以下に記載するように、ディスプレイ118は、a)スポンジが検出されたことのインジケータ、b)スポンジの画像が記録されたことのインジケータ、c)スポンジカウンタの値、及び、d)画像が取得される前にスポンジを扱うことのプロンプトなどの、1つまたは複数の任意のものを、ほぼリアルタイムでレンダリングすることができる。一実施例では、コンピュータデバイスには、タブレットコンピュータであって、前方に向いたカラーカメラ、及び、組み込まれたディスプレイ、ならびに、タブレットに取り付けられ、タブレットから外側に向き、カラーカメラのカラー視野に実質的に類似している投影視野及び赤外視野を規定する、IRプロジェクタ及びIRカメラを含む、タブレットコンピュータが含まれる。しかし、コンピュータデバイスは、任意の他の、組み込まれているか接続された、任意の他の適切な方法で構成された、光学、撮像、及び/または処理構成要素を含むことができる。
【0024】
4.例示的なユーザの経験
一実施例では、コンピュータデバイス100は、手術室内に設置され、手術、外科医療、または処置の間に利用される、本来の失血の監視アプリケーションの形態で、図1に示した方法を実行する。この実施例では、コンピュータデバイス100は、その視野108の赤外画像102及び/またはカラー画像110を連続して取得し、画像またはフレーム内に外科用スポンジ106aが検出されなかった場合、これら画像を廃棄する。コンピュータデバイス100は、ディスプレイ118のこれらフレームまたは画像を、ほぼリアルタイムでレンダリングする場合もある。レンダリングされた画像は、通常はカラー画像110であるが、深度画像102、または、カラー画像と深度画像との複合画像である場合もある。作動中、ユーザ(たとえば、看護師、技術者、麻酔専門医)は、撮像システム104の前で外科用スポンジ106aを保持し得る。ここで、外科用スポンジ106aが撮像システム104の視野108内にある状態では、撮像システム104は、第1のサンプリング期間の間、第1の深度マップ102及び/または第1のカラー画像110(「第1のフレームペア」、または、3つ以上の画像またはマップがグループ化されている場合は「フレームセット」)を取得し、次いで、S110において、コンピュータデバイス100の視野108内の外科用スポンジ106aの存在をたどる。コンピュータデバイス100は次いで、本明細書に記載のマシンビジョン技術を実施して、第1の深度マップ102の領域(及び、第1のカラー画像110の対応する領域)を外科用スポンジ106aと相関させて、S112において、「0」から「1」に、フレームカウンタ114に指数を付す。第1の深度マップ102(または第1のカラー画像110)内に外科用スポンジの画像106bを検出するのに応じて、コンピュータデバイス100は、ディスプレイ118上の第1の赤外画像102(または第1のカラー画像110)を、検出された外科用スポンジの周囲に沿う第1の幅の、色が付いた(たとえば、緑、赤、黄、もしくは他の別個の色の)ラインもしくは形状のオーバーレイ400、及び/または、外科用スポンジの検出エリアにわたる、第1の不透明部の色が付いたオーバーレイエリアでレンダリングする。
【0025】
連続したサンプリング期間において、撮像システム104は、第2の深度マップ102及び/または第2のカラー画像110(「第2のフレームペア」または「第2のフレームセット」)を取得し、コンピュータデバイス100はふたたび、マシンビジョン技術を実施して、第2の深度マップ102の領域(及び、第1のカラー画像110の対応する領域)を外科用スポンジ106aと相関させて、「1」から「2」に、フレームカウンタ114に指数を付す。第2のフレームペア内に外科用スポンジの画像106bを検出するのに応じて、コンピュータデバイス100は、ディスプレイ上の第2の赤外画像102を、検出された外科用スポンジ106bの周囲に沿う、第2の幅もしくはラインの長さの、より広域の色が付いたラインもしくは形状のオーバーレイ402-第1の幅もしくはラインの長さより大であるか異なっている-、及び/または、外科用スポンジ106bの検出エリアにわたる、第2の不透明部の色が付されたオーバーレイエリア-第1の不透明部より大であるか異なっている-でレンダリングする。
【0026】
コンピュータデバイス100は、連続したサンプリング期間の間、フレームペアを取得し、フレームペア内に外科用スポンジ106bを検出し、それに応じてフレームカウンタ114に指数を付し、ディスプレイ118を現在の深度マップ102(またはカラー画像110)で、オーバーレイの周囲及び/またはオーバーレイのエリアのライン幅400、402、及び不透明部で、リフレッシュするためにこのプロセスを繰り返すことができ、それぞれ、フレームカウンタの値を示している。画像102、110内の外科織物106bの存在を確認するプロセスを動的に実演するために、さらに大きくなるオーバーレイの幅、または、他の変化する兆候が提供され得る。たとえば、オーバーレイの色は、赤から黄色、緑へと変化する場合もある。フレームカウンタ114上の値が閾値(たとえば「7」)に達すると、コンピュータデバイスは、カラーカメラを通してカラー画像を取得し、カラー画像がディスプレイ上で取得されたことの可視インジケータをレンダリングし、追加の手動のインプットなしに、フレームカウンタを「0」にリセットする。たとえば、30Hzで作動している撮像システム、及び、フレームカウンタが「7」に設定されている、閾値のプリセットに関し、コンピュータデバイスは、上述の方法及び技術を実施して、外科用スポンジがコンピュータデバイスの視野に入ってから0.3秒未満の内に、外科用スポンジの画像を検出、確認、及び取得することができる。他の実施例では、閾値は、約5から100、または約5から50、または約4から約30、または約20から約40のレンジに設定され得る。コンピュータデバイスは、S500及び図5に示すように、視野108からの外科織物106aの移動に関する分析を実施するようにさらに構成される場合もある。
【0027】
コンピュータデバイス100は、米国特許出願第13/544,664号に記載の方法及び技術を実施して、画像内のピクセルの色の値を、ブロックS140で撮像された外科用スポンジ内の血液構成要素の評価量へと変換するように構成されている場合がある。コンピュータデバイス100の視野108内における外科用スポンジ106bの確認、及び、外科用スポンジ106aのカラー画像110の取得に応じて、コンピュータデバイス100は、手術または処置の間にコンピュータデバイス100を通る外科用スポンジの総カウントを維持するために、ブロックS150においてスポンジまたは外科織物のカウンタ112に指数を付すこともする場合がある。
【0028】
5.識別器
本方法のブロックS110は、第1の時点で、視野108の第1の画像102を取得することを示している。概して、各サンプリング期間の間、コンピュータデバイス100は、S110において、撮像システム104を通して赤外画像102及び/またはカラー画像110を取得するように作用する。上述のように、コンピュータデバイス100は、赤外画像102を、その視野の深度マップに変換するか、そこから深度マップを抽出する場合もある。コンピュータデバイス100は、その作動の間、経時的に、30Hzのサンプリングレート(もしくは「フレームレート」)、または、本明細書に記載の他のサンプリングレートなどで、このプロセスを繰り返すことができる。しかし、コンピュータデバイスは、ブロックS110において、任意の他の方法で、及び、任意の他の適切なタイプのセンサを通して、任意の他のサンプリングレートで、その視野の深度データ及びカラーデータを取得することができる。
【0029】
画像(複数可)102及び/または110を取得した後は、S111において、コンピュータデバイス100が、画像(複数可)102及び/または110を分析して、その内部の1つまたは複数の画像特性の存在を判定する。または、現在のサンプリング期間に取得された画像(複数可)102及び/または110を、スポンジまたは外科織物106bを含むか、スポンジまたは外科織物106bを含まないものとして、別様に識別する。この判定に基づき、コンピュータデバイス100は、次いで、それぞれ、S112においてフレームカウンタに指数を付すか、S130においてフレームカウンタをクリアする場合がある。具体的には、コンピュータデバイス100は、図1及び図2に示すように、サンプリング期間の間に取得された1つまたは複数の識別器を深度マップ102及び/またはカラー画像110に適用して、サンプリング期間の間、コンピュータデバイス100の視野108内に外科用スポンジまたは織物106aが存在するか存在しないかを判定し、それに応じて、フレームカウンタ114を操作する。
【0030】
1つの例示的方法S200では、コンピュータデバイス100は、図1のS110のように、IR画像102及び/またはカラー画像110を取得し、次いで、任意選択的に、S210において、画像102及び/または画像110を深度マップに変換する。いくつかの実施例では、IR撮像システム122から出力されたIR「画像」が深度マップであることから、変換が必要ではない場合がある。または、深度マップは、いずれの変換または計算をも必要とすることなく、赤外画像のアルファチャンネル(または他のチャンネル)から抽出され得る。S220では、コンピュータデバイス100は、サンプリング期間の間に取得された深度マップに外周の識別器を適用して、深度マップ内のエリアを、可能性のある外科用スポンジに相関させる。一実施例では、赤外カメラに対して実質的に垂直の位置には保持されていない場合がある外科用スポンジに関して補償するために、コンピュータデバイスは、深度マップをスキャン-深度のマップのX軸とY軸との両方に沿って-して、10の近接したピクセルのラインにわたり、10%以上、20%以上、30%以上、または40%以上の閾値を超える深度マップにおいてZ軸に沿って深度の変化を識別することができる。この実施例では、コンピュータデバイス100は、短い近接したピクセルのラインの各々を相関させることができる。このラインにわたり、深さの値が周辺条件を10%超え、次いで、深度マップ内の隣接した類似の周辺条件を、コンピュータデバイスの視野内の別個の表面の周囲に集める。これら別個の表面がこうして検出されると、コンピュータデバイスは、テンプレートのマッチング、表面の調和、または他のマシンビジョン技術を実施して、可能性のある外科用スポンジの、深度マップ内の別個の、ほぼ直線状の表面を識別することができる。コンピュータデバイスはこうして、エリアの内部からエリアの外部への、(撮像システムからの)深度の急激な増大によって特徴付けられた、ほぼ直線状の外周によって境界が定められたエリアに関して、深度マップをスキャンし得る。この実施態様では、コンピュータデバイスは、撮像システムの前方で垂直に保持された際の直線状のスポンジの1つまたは複数の側部の湾曲を含む、外科用スポンジのゆとり(たとえば、剛性ではないこと)を補償する幾何学形状の識別器を実施し得る。外科用スポンジのゆとりは、外科用スポンジ内の流体の容量、ユーザによって外科用スポンジに印可される引張りなどで変化する場合がある。
【0031】
前述の実施態様では、コンピュータデバイスは、やはり、深度画像の横方向及び長手方向の中心における、単一のピクセルまたは小ピクセルのクラスタを包含しない表面すべてなど、深度マップ内の予め規定されたポイントまたは領域に一致しない、検出された表面すべてを拒絶する場合がある。コンピュータデバイスはこうして、2D位置識別器を深度マップに適用して、撮像システムの視野内で実質的に中心にない表面を拒絶する場合がある。しかし、コンピュータデバイスは、任意の他の幾何学形状の識別器を、任意の他の方法で実施して、深度マップ内の近接した表面をほぼ直線状の外周を検出し、この表面を、可能性のある外科用スポンジと相関させる場合がある。
【0032】
他の実施例では、外周の検出は、たとえば、15%、20%、30%、40%、50%、60%、または70%より大などの、深度のより急激な変化または減少を識別するように設定される場合がある。外周の検出が、正方形または矩形の外科織物の4つの縁部すべてに関して実施され得るが、他の実施例では、コンピュータデバイス100は、深度の変化に関し、X軸またはY軸に対してのみ、縁部のスキャンを実施するが、他の軸には実施せず、こうして、縁部の各端部ポイントを、推定される縁部に接続することにより、縁部を他方の軸に沿って推定する場合がある。こうして、いくつかの変形形態では、頂縁部及び底縁部のみが検出され得、横方向の縁部は、頂縁部及び底縁部の端部から推定され得る。代替的には、横方向の縁部が検出され得、頂縁部及び底縁部が推定される。
【0033】
別の実施態様では、コンピュータデバイス100は、S230において、任意選択的に平坦性の識別器を、深度マップの選択された表面に適用して-上述のように、可能性のある外科用スポンジまたは織物と相関される-、選択された表面が、外科用スポンジまたは織物106aを示すのに十分に平坦であることを判定または確認する。この実施態様では、コンピュータデバイス100は、深度マップ内のピクセルのセット(たとえば、3、4、5、6、または10)を選択し、ピクセルのセットに仮想平面をマッピングし、次いで、仮想平面から、選択された表面に対応する深度マップ内の他のピクセルまでの垂直方向の距離のヒストグラムを推計することができる。こうして、ヒストグラムにより、選択された表面が、(任意選択的に、歪みを低減させるために、異常値を除去して)その高さ及び幅にわたって、仮想平面の距離の閾値内にあるままであることが示された場合、コンピュータデバイス100は、選択された表面に、その上側の角で保持された外科用スポンジを示すのに十分な平坦性があるかを判定または分析することができる。しかし、ヒストグラムにより、選択された表面の領域が仮想平面からの距離の閾値に反していることが示された場合、コンピュータデバイス100は、選択された表面を、その上側の角で保持された外科用スポンジに対応しないとして、破棄することができる。この実施態様では、コンピュータデバイスは、±0.1インチ、±0.25インチ、±0.5インチ、±0.75インチ、または±1インチの距離の閾値など、外科用スポンジの折れ目、しわ、及び/またはひだを補償する距離の閾値を実施することができる。この実施態様では、選択された表面が、平坦性の識別器の下で拒絶された場合、コンピュータデバイスは、原典の、及び/または線図でのプロンプトを生成して、平坦性の識別器をパスするために外科用スポンジを延ばすことができる。コンピュータデバイスは、このプロンプトを、ほぼリアルタイムで、ディスプレイ上でレンダリングすることができる。
【0034】
さらに別の実施態様では、コンピュータデバイスは、S240において、深度マップに対して垂直性の識別器を適用して、選択された表面が撮像システムの視野に対して十分に垂直であることを確認して、図1の、ブロックS140における撮像及び処理に適するものとする。たとえば、コンピュータデバイス100は、上述の仮想平面に対して垂直な仮想線を推計し、仮想線が、撮像システムの視野の中心に対して閾値の角度を超える最大の角度を形成する場合、選択された表面を拒絶し、仮想線と撮像システムの視野との間に形成された最大の角度が閾値の角度内にあるままである場合、選択された表面をパスする。図6に示す代替の方法S600では、S240の垂直性の識別器の適用の後は、コンピュータデバイス100または光学システム104に対して十分に垂直ではない画像の拒絶の代わりに、コンピュータデバイス100は、S602において、推計的に深度マップの歪みを取るか歪曲を取る場合がある。深度マップの歪曲を取るために、コンピュータデバイス100は、画像102内の外科織物106bの4つの角及び/または4つの縁部を検出し、3D回転マトリクスまたは並進マトリクスを適用して、Z軸内の同じ平面に、角または縁部を平準化する場合がある。
【0035】
歪曲を取った後に、コンピュータデバイス100は、平坦性の識別器を、歪曲が取られた外科織物106bにふたたび適用し、次いで、外科用スポンジの折れ目、しわ、及び/またはひだに起因して、歪曲が取られた深度画像内の選択された表面にわたるピクセルに関する距離の値の最大の変化が閾値の距離を超える場合、選択された表面を拒絶し、または、歪曲が取られた深度画像内の選択された表面にわたるピクセルに関する距離の値の最大の変化が閾値の距離にある場合、選択された表面をパスして、歪曲が取られた深度画像を使用してさらなる識別及び/または処理を継続する場合がある。閾値の距離は、約-1cmから約+1cm、約-2cmから約+2cm、または、約-3cmから約+3cm、または約-4cmから約+4cmのレンジにある場合がある。歪曲が取られた画像が、S602で歪曲を取った後にS604で平坦性の識別器をパスしなかった場合、コンピュータシステム100は、視野108内の外科織物106aの位置を、比較的より垂直な向きに再配置するように図るために、コンピュータデバイス100のディスプレイ118上に通知またはメッセージを提供するか提供せずに、S130においてフレームカウンタをリセットし得る。代替的には、選択された表面が、垂直性の識別器の下で拒絶された場合、コンピュータデバイスは外科用スポンジを調整して、追加の特定の数のフレームに関する垂直性の識別器をパスするために原典の、及び/または線図でのプロンプトを生成することができる。そして、コンピュータデバイスは、このプロンプトを、ほぼリアルタイムで、ディスプレイ上でレンダリングすることができる。フレームの数は、たとえば、約15フレームから120フレーム、または約30フレームから約60フレームのレンジ内にある場合がある。
【0036】
図2の方法S200をふたたび参照すると、コンピュータデバイスは任意選択的に、S250で距離の識別器を深度マップに適用して、選択された表面が撮像システム104の適切な深度内にあることを確認する場合がある。たとえば、コンピュータデバイス100が、S230において、選択された表面が十分に平坦で、S240において、撮像システムの視野に対して十分に垂直であるとそれぞれ判定した場合、コンピュータデバイス100は、外科織物106bの選択された表面を示す深度画像102のピクセルの最小の数(たとえば、1%)より多くが、撮像システム104からの所定の深度のレンジ(たとえば、0.5メートルから1.25メートル、または30cmから約100cm、または約40cmから約75cm)の外にある場合、選択された表面を拒絶する場合がある。この実施態様では、選択された表面が、S250において、距離の識別器の下で拒絶された場合、コンピュータデバイス100は任意選択的に、原典の、及び/または線図でのプロンプトをディスプレイ118上に生成して、S250で距離の識別器をパスするようにさらに意図して、外科用スポンジ106aを、コンピュータデバイス100の光学システム104のより近くかより遠くに移動する場合がある。コンピュータデバイス100は、ディスプレイ118のこのプロンプトを、ほぼリアルタイムでレンダリングすることができる。
【0037】
上述の実施態様では、コンピュータデバイス100は、深度画像内の選択された表面のピクセルの長さ及びピクセルの幅を、深度画像におけるピクセルの距離の値に基づき、実際の長さ及び実際の距離に変換することもできる。コンピュータデバイスはこうして、選択された表面の実際の長さまたは実際の幅が、それぞれ、予め設定された長さのレンジ、または、予め設定された幅のレンジの外にある場合、選択された表面を拒絶し、そうでなければ、そのような外科織物が使用されていることが確認される場合がある。外科織物に関する予め設定された寸法には、2インチ×2インチ、3インチ×3インチ、4インチ×4インチ、4インチ×8インチ、4インチ×12インチ、4インチ×16インチ、4インチ×18インチ、12インチ×12インチ、16インチ×16インチ、16インチ×24インチ、18インチ×30インチ、15インチ×24インチ、16インチ×23インチ、12インチ×13インチ、13インチ×18インチ、24インチ×24インチ、36インチ×8インチ、36インチ×36インチなどが含まれ得る。スポンジの各タイプに関し、ユーザは、外科手術または処置の開始時に、スポンジのタイプ及び/またはサイズを入力する場合があり、コンピュータデバイス100は、たとえば、5インチ、8インチ、または10インチ未満の寸法に関し、幅または長さに沿って0.5インチか0.75インチ内であり、8インチ、10インチ、12インチ、または15インチより大の寸法に関し、0.5インチ、1インチ、1.5インチ、または2インチ内の、それら外科織物の寸法を検出するように構成されている場合がある。
【0038】
別の実施態様では、コンピュータデバイスは、S260において、深度マップに示された、選択された表面の実際の生地が、外科織物に十分に対応しているかを判定するために、深度マップに生地の識別器を適用する。一実施例では、コンピュータデバイス100は、深度マップ-選択された表面に対応する-内のピクセルクラスタ(たとえば、25ピクセル対25ピクセルのクラスタ)を、仮想平面上に投影または規定し、次いで、マシンビジョン生地分析方法及び技術を適用して、選択された表面に対応する深度マップの平準化された領域の生地を定量化するように構成されている場合がある。このため、選択された表面の生地の定量化値が単一の値のレンジ内にあるか、乾燥した外科用スポンジ、湿気のある外科用スポンジ、及びしみ込んだ外科用スポンジを示す複数の距離の値のレンジ内にある場合、コンピュータデバイスは、選択された表面を許容することができる。そうでなければ、コンピュータデバイスは、選択された表面を拒絶し得る。他の実施例では、高速フーリエ変換またはウェーブレット変換が、画像(複数可)102、110内の生地106bに適用されて、たとえばRGBまたは深度チャンネルなどの1つまたは複数の画像チャンネル内の生地の周波数ドメインを評価する場合がある。いくつかの変形形態では、検出された生地の特性が、コンピュータデバイス100のライブラリ内の外科織物にマッチするが、外科手術または処置の開始時にユーザによって選択された外科織物(複数可)にマッチしない場合、コンピュータデバイス100は、ユーザに、新しいか異なる外科織物が、使用されているものとして示されているかを確認するように促す場合があり、また、その外科織物に関し、異なる外科織物カウンタの初期化または起動を促す場合がある。
【0039】
別の実施態様では、コンピュータデバイス100は、選択された表面が、乾燥しているか血液を含んだ外科用スポンジを示す1つまたは複数の色を含むことを確認するために、S270でカラー識別器をカラー画像110に適用する。一実施例では、コンピュータデバイス100は、選択された表面に対応するカラー画像の領域内のピクセルの少なくとも閾値の割合(たとえば、70%)が、図1に示すように、赤の値のレンジ(たとえば、[ff 00 00]から[ff 40 00])、または、白に近い値のレンジ(たとえば、[ff ff ff]の周囲)内にある色を包含する場合、選択された表面を許容する。そうでなければ、コンピュータデバイスは、選択された表面を拒絶し得る。
【0040】
しかし、コンピュータデバイス100は、フレームペア及び/または、各フレームペアの深度マップまたはカラー画像内の1つまたは複数の選択された表面に、任意の他の識別器パラメータを適用する場合もある。作動中は、コンピュータデバイス100はこうして、1つまたは複数の識別器パラメータを現在のフレームペアに適用する場合があり、また、すべての適用された識別器パラメータが、選択された表面をパスするか、十分な確実性で選択された表面をパスする場合、外科用スポンジの表示として、フレームペア内の選択された表面を確認することができる。代替的には、コンピュータデバイス100は、少なくとも閾値の数の適用された識別器パラメータが、選択された表面をパスするか、すべての適用された識別器パラメータの結果を合わせることにより、少なくとも閾値の確実性に達した場合、外科用スポンジの表示として、フレームペア内の選択された表面を確認することができる。コンピュータデバイスはこうして、「0」から「1」または「4」から「5」など、ブロックS112においてフレームカウンタに指数を付すことができる。いくつかのさらなる変形形態では、ユーザは、適用されるか、画像のペアまたは画像のセットをパスするのに必要である、識別器の数または重みを調整することにより、コンピュータデバイス100の感度及び/または特殊性を、ユーザインターフェースを介して調整する場合がある。
【0041】
そうでなければ、前述の条件が満たされない場合、コンピュータデバイス100は、外科用スポンジ106bを示すエリアを包含しないものとして、フレームペアを廃棄し、S130において、フレームカウンタ114を「0」にリセットする場合がある。コンピュータデバイス100は、現在のフレームペア内で選択された表面が、前のフレームペア内で選択された表面とは、位置、サイズ、生地、深度などが著しく異なる場合、やはり、フレームペアを廃棄し、フレームカウンタを「0」にリセットする場合がある。たとえば、場合によっては外科用スポンジを示す表面が、現在のフレームペア内に検出された場合であっても、コンピュータデバイスは、現在のフレームペア内の選択された表面の中心が、前のフレームペア内の選択された表面の中心から、いずれかの方向で0.5インチより大だけオフセットしている場合、現在のフレームペアを拒絶して、フレームカウンタをリセットすることができる。コンピュータデバイスはこうして、撮像システムの視野を通して移動する外科用スポンジ及び他の表面を拒絶して、撮像システムの視野内でほぼ静的に保持された、任意の画像のスポンジサンプルの確認のみすることができる。
【0042】
識別器S230、S240、S250、S260、S270がS200において、特定の順番で実施されて示されているが、当業者は、これら及び他の識別器の異なる順番が使用され得ること、または、コンピュータデバイス100の複数コア及び/もしくは複数スレッドのプロセッサなどにおいて、1つ多くの識別器が並列に実施され得ることを理解するだろう。
【0043】
6.スポンジの確認
次いで、フレームカウンタ114が、閾値116に等しい値を包含するのに応じて、コンピュータデバイスは、血液の内容物を評価するために、画像110をさらに処理する前か後に、視野108のカラー画像110を記録し、ブロックS130において、フレームカウンタ114をクリアする。概して、フレームペアのシークエンス内の各フレームペアに関し、コンピュータデバイス100は、図1及び図2に示すように、前のフレームペアとは独立してフレームペアを分析して、フレームペア内の外科用スポンジまたは生地106bを識別するか、外科用スポンジまたは生地106bがフレームペア内に存在しないことを確認し、それに応じて、フレームカウンタに指数を付すかクリアする。フレームカウンタ114が閾値116に等しい値を包含する場合、閾値に等しい連続したフレームペアの総数は、外科用スポンジまたは生地106bを含むものと判定されており、コンピュータデバイス100は、このため、外科用スポンジまたは生地106aが、撮像システム104の視野108内に存在すること、及び、フレームカウンタ114が閾値116に等しい値を包含すると、視野内のそのエリアが、適切な確実性の度合いであることがわかることを確認する場合がある。
【0044】
コンピュータデバイスは、「7」、「10」、または「15」の1つなどの、静的な、予め設定された閾値を実施することができるか、そうでなければ、約5から100、または約10から70、または約30から50のレンジ内にあり得る。代替的には、コンピュータシステムは、ユーザにより、カスタムの閾値の設定を実施することができる。たとえば、ユーザは、外科用スポンジの画像の確認及び処理の時間を短縮するために、閾値を低減することができ、ユーザは、撮像システムの視野内の外科用スポンジの偽陽性の検出を低減するために、閾値を増大させることができる。さらに他の変形形態では、コンピュータデバイスは、不連続性カウンタを備えている場合がある。不連続性カウンタは、外科手術または処置の間、特定の最小の数の連続したフレームが満たされるが、フレーム数の閾値は満たされない各例に関する。経時的に不連続性カウンタの値に応じて、コンピュータデバイスは、閾値の増減を調整して、検出方法の感度を変更する場合がある。このことには、光の位置、または、方法S100の正確さに影響し得る、他の環境的条件に適応し得る。
【0045】
コンピュータデバイスがこうして、その視野108内に外科用スポンジ106aの存在を確認すると、コンピュータデバイス100は、撮像システムによって取得された最後の深度マップ102及び/またはカラー画像110を記録し得るか、撮像システムに、新たな深度マップ102及び/またはカラー画像110を取得させるトリガとなり得る。コンピュータデバイス100は、こうして、以下に記載するように、この画像のペアを処理し得る。
【0046】
いくつかの変形形態では、S130でフレームカウンタ114をリセットする前か、S110で新たな外科織物106aのスキャンを再開する前に、ちょうど光学システム104に提供された外科織物106aを不注意に再度カウントするか再度分析するリスクを低減するために、コンピュータデバイスは、図5のS500に示すように、次の外科織物106aを識別するために画像を取得する前に、外科織物106aが視野108から除去されたことを検出するようにさらに構成されている場合がある。S140での評価された血液の内容物の判定、及び/または、S150での織物カウンタ112の増加の後に、S510において、コンピュータデバイス100は、新たな深度マップ102及び/またはカラー画像110を取得し、S520において、外科用スポンジ106aが視野108から除去されたか、そうでなければ、画像102または画像110に検出されないかを判定し得る。外科織物106bが依然として画像102または画像110内に存在する場合、ユーザは、まだ、前の外科織物を除去していないか、まだ、十分な数の画像またはフレームのために、外科織物を除去しておらず、コンピュータデバイスは、「no textile」カウンタをゼロにリセットする。
【0047】
外科織物106bがフレームまたは画像内に識別されない場合、S540において、「no textile」カウンタが増大し、次いで、カウンタが、「no textile」の閾値に対してチェックされて、十分な数の連続した「no textile」のフレームまたは画像が識別されたかを判定する。閾値が満たされた場合、「no textile」カウンタはリセットされ得、次いで、コンピュータデバイスは、S130でフレームカウンタをリセットし得る。いくつかの実施例では、「no textile」の閾値は、約5から100、または約5から50、または約4から約30、または約20から約40のレンジにあり得る。S500における「no textile」の閾値は、図1のS100における閾値116と同じである場合があるか、異なっている場合がある。
【0048】
7.動的識別器
一実施態様では、コンピュータシステムは、同じ順番の設定の識別器パラメータを、その操作を通して取得された各フレームペアに適用する。代替的には、コンピュータシステムは、フレームカウンタ内の現在の値に基づき、識別器パラメータのセットをフレームペアに適用することができる。たとえば、コンピュータデバイス100は、フレームカウンタが「0」の値を含む場合、外周の識別器及び横方向/長手方向の位置の識別器をフレームペアに適用し得、次いで、フレームカウンタが「1」の値を含む場合、外周の識別器及び垂直性の識別器をフレームペアに適用する。外周の識別器及び距離の識別器は、フレームカウンタが「2」以上の値を含む場合に、フレームペアに適用される場合があり、外周の識別器及び生地の識別器は、フレームカウンタが「6」の値を含む場合に、フレームペアに適用される場合があり、外周の識別器及び色の識別器は、フレームカウンタが「7」の値を含む場合に、フレームペアに適用される場合がある。しかし、コンピュータデバイスは、任意の他の、単一または組合せの識別子のパラメータをフレームペアに適用して、フレームペア内の外科用スポンジを識別するか、フレームペアを廃棄することができる。いくつかの他の変形形態では、外周及び/または位置の識別器は、すべてのフレームに適用され得、一方、残りの識別器が、異なるフレームに適用される。いくつかの変形形態では、残りの識別器に関する異なるフレームは、予め規定されており、一方、他の変形形態では、異なるフレームは、処理時間または、前の識別器の完了に応じる場合がある。
【0049】
8.ユーザインターフェース
本方法のブロックS120は、ディスプレイ上の第1の画像の形態のレンダリングを示しており、本方法のブロックS122は、ディスプレイ上で、第1の表面に対応する第1の画像の領域をハイライトすることを示している。概して、コンピュータデバイスは、ブロックS120において、ディスプレイ上の現在のフレームペア(すなわち、もっとも最近、撮像システムによって取得されたフレームペア)からの深度マップ(またはカラー画像)の形態をレンダリングし、ブロックS122において、深度マップにわたる仮想的オーバーレイをレンダリングして、図1に示すように、場合によっては外科用スポンジに対応する表面が、フレームペア内に検出されたことを可視的に示す。
【0050】
一実施態様では、コンピュータデバイスは、リアルタイムで、深度マップの歪曲を取り、ディスプレイ上の、これら歪曲が取られた深度マップをレンダリングする。上述のように、各深度マップが処理されると、コンピュータデバイスは、ほぼリアルタイムで、外科用スポンジに対応し得る深度マップを伴う領域(たとえば、境界が定められたエリア)を識別し、次いで、ディスプレイ上の対応する深度マップにわたり、この可能性のある外科用スポンジの可視インジケータをレンダリングすることができる。たとえば、コンピュータデバイスは、ディスプレイ上でレンダリングされた深度マップ内の、可能性のある外科用スポンジの外周にわたり、色が付されたアウトラインをオーバーレイすることができる。この実施例では、コンピュータデバイスは、フレームカウンタ上の現在の値に比例するアウトラインのライン幅を設定することができる。同様に、コンピュータデバイスは、フレームカウンタの現在の値が「0」である場合は赤、フレームカウンタの現在の値が「2」である場合はオレンジ、フレームカウンタの現在の値が「4」である場合は黄、そしてフレームカウンタの現在の値が「6」である場合は緑など、フレームカウンタの現在の値に基づき、アウトラインの色を設定することができる。別の実施例では、コンピュータデバイスは、可能性のある外科用スポンジに対応する、深度マップのある領域-ディスプレイ上でレンダリングされた-にわたって重なっている、半透明の色のエリアをオーバーレイすることができる。この実施例では、コンピュータデバイスは、フレームカウンタの現在の値が「0」である場合は12%の不透明度、フレームカウンタの現在の値が「1」である場合は24%の不透明度、フレームカウンタの現在の値が「3」である場合は36%の不透明度、…そしてフレームカウンタの現在の値が「7」である場合は84%の不透明度など、フレームカウンタの現在の値に対応するオーバーレイのエリアの不透明度を設定することができる。同様に、コンピュータデバイスは、上述のものなど、フレームカウンタ上の現在の値に基づき、オーバーレイのエリアの色を設定することができる。
【0051】
したがって、ブロックS120及びブロックS122では、コンピュータデバイスは、撮像システムの視野内の外科用スポンジの検出に関する、リアルタイムの視覚フィードバックを提供することができる。コンピュータデバイスは、追加的または代替的に、上述の方法及び技術のいずれかを実施して、ほぼリアルタイムでディスプレイ上のカラー画像及び/またはオーバーレイをレンダリングし、そのようなフィードバックをユーザに提供することができる。
【0052】
9.マスク
画像102及び/または110内に、外科用スポンジまたは生地106bの存在がこうして確認されると、コンピュータデバイス100は、画像マスクを適用するか、深度マップ内の、選択され、確認されたエリアの外周を、同じフレームペア内の対応するカラー画像に置いて、カラー画像のある領域を選択し、ブロックS140及び/またはブロックS150において処理する。
【0053】
いくつかの変形形態では、計算速度、効率、及び/または正確さを促進するために、カラー画像にマスクを形成及び適用する方法S700は、任意選択的に使用され得る。たとえば、図7では、深度撮像システム122は、S710で深度画像を、カラー撮像システム120からの関連する画像とともに得るために使用され得る。深度チャンネル情報は、こうして、S720において抽出または取得され、必要であれば、赤外画像から得られるか計算される。S730では、S220における外周または縁部の識別器と類似であるか同じである場合がある外周または縁部の識別器は、外科織物の外周を識別するために使用され得る。画像はこうして、S740において、必要であれば、歪みが取られるか、本明細書の別の部分に記載するように、カラー画像の座標系の斜視図に変換され得る。カラー画像は、やはり、S750において、色及び/またはコントラストの平準化のために処理される場合がある。たとえば、RGBチャンネルのヒストグラム分布またはカラーカーブを生成し、カラー画像を異なるヒストグラムまたはカーブに平準化する。外科織物の画像に対応するものが、こうして、S760において、マスクとしてカラー画像に適用されて、不要な分析から、背景のカラーピクセルを除去する。
【0054】
図8に示される、マスクの方法S800の別の実施例では、深度画像及びカラー画像は、S810において赤外システム及びカラーシステムから得られる。S810において、第1のマスクが、最大の最前面のピクセル値を正、他のすべてのピクセルを負として扱うことにより、赤外画像の深度チャンネルから生成される。このことは、IRカメラの最小深度レンジかその下で、外科織物がIRカメラに提供される結果である場合がある。S830及びS840において、第1のマスクは、浸食及び拡大を経る。これらは、ノイズ及び偽陰性ピクセルを低減するために使用され得る、閾値に基づく形態学上の画像処理操作である。たとえば、浸食を実施するために、マスク内の各ピクセルは、たとえば、3×3か、5×5、7×7、3×5、または5×3のピクセルゾーンまたはウィンドウとして構成されるか規定され得る、周囲のピクセルの最小値と置き換えられる。この浸食プロセスは、第2のマスクを生成するために、単一のパスとして、または、複数のパスを介して、第1のマスクに適用され得、異なるピクセルウィンドウが、異なるパス上で使用され得る。この浸食プロセスは、第1のマスク内の背景のノイズまたは他の偽陽性ピクセルを低減するために使用され得る。次に、拡大プロセスが、第3のマスクを生成するために、第1のマスクに適用され得る。ここで、第1のマスク内の各ピクセルは、たとえば、3×3か、5×5、7×7、3×5、または5×3のピクセルゾーンまたはウィンドウの、周囲のピクセルのグループ内の最大値と置き換えられる。グループ化は、浸食プロセスに使用されるグループ化と同じである場合があるか、異なっている場合があり、また、やはり、各パスに関して同じか異なるグループ化で、単一のパスまたは複数のパスで実施され得る。この拡大プロセスは、特定の偽陰性のピクセルに潜在的に戻すために使用され得る。これら3つのマスクを使用して、S850において、マスクのピクセル毎に2ビットの、第4のマスクが、任意選択的に生成され、ここで、第2のマスクからのすべてのピクセルは、「11」とフラグが付されるか、別様に、厳密な最前面ピクセルとしてフラグが付される。第3のマスクに無いピクセルは、「00」とフラグが付されるか、別様に、厳密な背景のピクセルとしてフラグが付される。第1のマスク内にあるが、第2のマスクには無いピクセルは、見込みのある最前面ピクセルとして、「10」とラベルが付され、第3のマスク内にあるが、第1のマスクには無いピクセルは、「01」とラベルが付される、すなわち、見込みのある背景のピクセルである。
【0055】
必要とされる所望の感度及び/または特殊性に応じて、第1、第2の、または第4のマスクは、さらなる処理のために、カラー画像内の対応するピクセルを識別するために使用され得る。第1のマスクまたは第4のマスクなどのマスクにおいて、外周または縁部の検出などのさらなる処理が、カラー画像に対する適用の前に、マスクをさらに洗練させるために適用され得る。
【0056】
10.手の除去
コンピュータデバイスは、ユーザの手-外科用スポンジを保持している-に対応するカラー画像の領域をも識別し、これら領域を、ブロックS140及びブロックS150における処理から廃棄する場合がある。たとえば、コンピュータデバイスは、外科用スポンジを示すものとして確認されたフレームペア内の深度マップの選択された領域をスキャンし、この選択された領域の角に近く、手によって低減された撮像システムからの距離を示す深度画像内のエリアを相関させ、次いで、ブロックS140における処理からの除去のために、カラー画像の対応するエリアを明示する場合がある。コンピュータデバイスは、このエリアを、ディスプレイ上に示された外科用スポンジのアウトラインから除去する場合もある。コンピュータデバイスは、外科用スポンジが、撮像システムの視野内に確認された後にのみ、前述の方法及び技術を、処理のために明示されたフレームペアに適用する場合がある。代替的には、コンピュータデバイスは、前述の方法及び技術を、各フレームペア及び、ディスプレイ上でレンダリングされた各深度画像またはカラー画像に適用し得る。
【0057】
11.血液構成要素の量及びスポンジカウンタ
ブロックS140では、撮像システムの視野の適切な距離、及び、適切に垂直にある、十分に平坦な外科用スポンジを示す領域を含むと確認されたカラー画像が取得及び記録されると、コンピュータデバイスは、米国特許出願第13/544,664号に記載の方法及び技術を実施して、カラー画像内のピクセルに含まれる色の値を、カラー画像に示された実際の外科用スポンジ内の血液全体、赤血球、ヘモグロビン、及び/または他の血液構成要素の量の、質量、容量、または他の量的な測定値の評価に変換することができる。米国特許出願第13/544,664号の文献は、その全体が参照することにより、本明細書に組み込まれる。
【0058】
いくつかの変形形態では、ピクセルの色の値を血液構成要素の値の評価に変換する前に、画像(本明細書に記載の任意のマスクを伴うか伴わない)は、米国特許出願第15/154,917号に記載の、周囲の光の補償をも経る場合がある。この文献は、その全体が参照することにより、本明細書に組み込まれる。
【0059】
ブロックS150では、コンピュータデバイスは、やはり、米国特許出願第13/544,664号に記載の方法及び技術を実施して、コンピュータデバイスが作動している操作の間に識別され、カウントされた外科用スポンジの総数を示すカウンタに指数を付す場合がある。この変形形態では、コンピュータデバイスは、外科用スポンジが撮像システムの視野内に確認されると、ディスプレイ上のスポンジカウンタに含まれる値をレンダリングし、このレンダリングされた値を実質的にリアルタイムでアップデートする場合がある。たとえば、コンピュータデバイスは、外科用スポンジが確認され、カウントされる際に、アップデートされたスポンジカウンタの値をディスプレイ上に現すことができる。同様に、可能性のある外科用スポンジがフレームペア内に検出された場合、コンピュータデバイスは、次のスポンジカウンタの値(すなわち、現在のスポンジカウント+1)を、ディスプレイ上でレンダリングされた深度(またはカラー)画像にわたってオーバーレイすることができ、コンピュータデバイスは、フレームカウンタ内の値が、次のフレームペアに関して増大するにつれて、オーバーレイされたスポンジカウンタの値の不透明度を増大させることができる。
【0060】
別の実施形態では、カラー画像は、外科織物の区分けの後に、血液を含む画像の領域に基づき、さらに区分けされるかマスクが付されて、外科用スポンジの血液が含まれない領域を除外する。このことは、以下のルールに基づくアルゴリズムを使用することによって実施され得る。

ここで、r、g、及びbは、画像内のi,jの位置におけるピクセルの画像の赤、緑、及び青のチャンネルに対応している。

の場合、pi,jを除去するかマスクし、そうでなければ含む。
ここで、Xが約105から約150のレンジ内にあり、Yは約60から約70のレンジ内にあり、Zは約60から約70のレンジ内にある。
【0061】
12.音声によるスポンジのカウント
一変形形態では、コンピュータデバイスは、動作中に検出され、撮像された外科用スポンジに関し、画像及び血液構成要素の量のデータとともに、音声データを取得及び貯蔵する場合がある。具体的には、コンピュータデバイスは、音声によるスポンジのカウントを継続的に示しているユーザ(たとえば、看護師、麻酔専門医、技術者などの、2人のユーザ)を記録することができる。
【0062】
一実施態様では、フレームペアに、可能性のあるスポンジが検出され、フレームカウンタ内に1と指数が付された場合、コンピュータデバイスは、コンピュータデバイスに接続されているか、組み込まれたマイクのサンプリングにより、音声の記録を開始する場合がある。次いで、フレームカウンタの値が閾値に達し、こうして外科用スポンジが確認された場合、コンピュータデバイスは、5秒後、スポンジが確認されること、及び新しいスポンジが撮像システムの視野内に検出されることのいずれか早いものまで、音声の記録を継続することができる。コンピュータデバイスはこうして、この音声の記録を、対応する外科用スポンジのカラー画像とともに貯蔵及びリンクさせることができる。たとえば、コンピュータデバイスは、外科用スポンジのカラー画像を記録し、カラー画像を、外科用スポンジ内の血液構成要素の量(たとえば、ヘモグロビンの容量)の評価に変換し、このカラー画像及び血液構成要素の量の評価を、画像が取得された時間、外科用スポンジに関するスポンジカウンタの値、及び、スポンジのカウント値を読み、確認する2人のユーザの音声の記録とともに貯蔵することができる。
【0063】
別の実施態様では、コンピュータデバイスは、作業を通して単一の音声トラックを記録し、次いで、音声トラックを複数の別個の音声セグメントに接合し、各音声セグメントを、音声のセグメントの時間と、カラー画像が取得された時間とに基づき、記録されたカラー画像及び血液構成要素の量の評価にマッチさせ、次いで、各音声セグメントを、その対応するカラー画像または関連するデータに対するタグまたは他のポインタとともに貯蔵する場合がある。
【0064】
12.重複するスポンジの拒絶-RFID
一変形形態では、コンピュータデバイスは、無線認識票(「RFID」)リーダ及びRFIDアンテナをさらに含んでいる。この変形形態では、コンピュータデバイスが、画像カウンタに「1」(または、閾値未満のいくつかの他の値)と指数を付して、撮像システムの視野内の可能性のある外科用スポンジを示し、コンピュータデバイスは、RFIDアンテナを通して励起信号を発し、次いで、RFIDリーダをサンプリングすることができる。撮像システムの視野内のスポンジがRFIDタグを含む場合、このRFIDタグは、データパケットをRFIDリーダに戻すように発することができる。コンピュータデバイスは、外科用スポンジからのこのデータパケットの受信を適用して、スポンジを確認し、次いで、上述のように、平坦性、距離、位置、及び/または他の要請が満たされるとすぐ、かつ、画像のカウンタが閾値に達する前に、スポンジのカラー画像を取得し、処理することができる。コンピュータデバイスは、追加的または代替的に、管理されたマシンラーニング技術を実施して、外科用スポンジ、ならびに、外科用スポンジの深度マップ及び/またはカラー画像から受信したこのRFIDデータパケットに基づく、光学的スポンジ検出モデルを訓練することができる。代替的には、コンピュータデバイスは、励起信号を発し、フレームカウンタが閾値に達し、外科用スポンジがこうして光学的に確認された際にのみ、近位のスポンジから入ってくるデータパケットを読み取ることができる。
【0065】
上述の実施態様では、コンピュータデバイスは、同じ外科用スポンジの重複するスキャンを検出するために、作動期間の間、現在の外科用スポンジから受信したRFIDデータパケットを、他のスポンジから前に受信したデータパケットと比較する場合がある。具体的には、外科用スポンジから受信したRFIDデータパケットが、同じ作動期間の間に、前に受信したRFIDデータパケットと同一である場合、コンピュータデバイスは、重複するものとして外科用スポンジを拒絶し、対応するフレームペアを廃棄し、外科用スポンジに関する血液構成要素の量の評価を廃棄することができる。
【0066】
さらに、この変形形態では、他の近位のRFIDタグの検出を防止するために、コンピュータデバイスは、コンピュータデバイスと、現在の深度マップから評価されたスポンジとの間の距離に応じて、RFIDアンテナのパワー出力を変更することができる。具体的には、コンピュータデバイスは、可能性があるか確認された外科用スポンジに対応する現在の深度マップの領域内の距離の値を、RFIDアンテナによって次いで発せられる励起信号のパワーレベルに変換することができる。しかし、この変形形態では、励起信号の変換に次いでデータパケットが受信されなかった場合、コンピュータデバイスは、外科用スポンジを確認し、スポンジのカラー画像を処理するために、上述の方法の各ブロックに従って進行することができる。さらに、励起信号を発するのに次いでRFIDデータパケットが受信されなかった場合、コンピュータデバイスは、RFIDがイネーブルされていないとして、外科用スポンジ(たとえば、外科用スポンジのスポンジカウンタの値、外科用スポンジのカラー画像など)にタグを付すことができる。
【0067】
さらなる実施例では、コンピュータデバイスは、外科織物上の任意のバーコード、QRコード、または他の可視コードを識別する場合もある。たとえば、プロセッサは、QRコードまたはバーコードの4つの角に関してカラー画像をスキャンし、次いで、コードが付された領域を識別する場合がある。ブロックS410では、プロセッサはこうして、コードが付された領域をデコードして、コードストリングを判定する。コードストリングはこうして、検出された外科織物を独特に識別し、システムに同じ外科織物が再度提供された場合に二重にカウントすることを避け、ユーザまたは外科医に警告を提供するように、使用され得る。
【0068】
13.重複するスポンジの拒絶-反射性のIRコーティング
別の変形形態では、コンピュータデバイスは、フレームペア内に示された外科用スポンジ上の反射性材料を検出し、検出された反射性材料に基づき、(独特に)スポンジを識別するように、マシンビジョン技術を実施する。たとえば、コンピュータデバイスは、外科用スポンジ上にプリントされるか、外科用スポンジ内に編み込まれた材料によって反射され、かつ、IRカメラによって検出される、電磁放射でのIRカメラの視野を照らすように構成された第2のIRエミッタを含み得る。サンプリング期間の間、コンピュータデバイスはこうして、第2の赤外画像を取得及び処理して、撮像システムの視野の外科用スポンジ内の反射性材料の、標準的であるか、実質的に特有のパターンを検出することができる。コンピュータデバイスは次いで、上述の方法及び技術を実施して、撮像システムの視野内の外科用スポンジの存在を確認し、反射性材料のパターンに基づく画像を独特に識別し、重複する外科用スポンジを拒絶し、外科用スポンジのカラー画像の早期の取得及び処理を引き起こし、及び/または、管理されたマシンラーニング技術に係る、光学的外科用スポンジ検出モデルを向上させるなど、する場合がある。
【0069】
本明細書に記載のシステム及び方法は、コンピュータ読込可能な指示を貯蔵するコンピュータ読込可能な媒体を受領するように構成されたマシンとして、少なくとも部分的に実施及び/または実行され得る。指示は、ユーザコンピュータまたはモバイルデバイス、リストバンド、スマートフォン、またはそれらに任意の適切な組合せの、アプリケーション、アプレット、ホスト、サーバ、ネットワーク、ウェブサイト、通信サーバ、通信インターフェース、ハードウェア/ファームウェア/ソフトウェア要素と結合した、コンピュータ実行可能な構成要素によって実行され得る。実施形態の他のシステム及び方法は、コンピュータ読込可能な指示を貯蔵するコンピュータ読込可能な媒体を受領するように構成されたマシンとして、少なくとも部分的に実施及び/または実行され得る。指示は、上述のタイプの装置及びネットワークと結合した、コンピュータ実行可能な構成要素によって組み込まれた、コンピュータ実行可能な構成要素によって実行され得る。コンピュータ読込可能な媒体は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EEPROM、光学ディスク(CDまたはDVD)、ハードドライブ、フロッピードライブ、または任意の適切なデバイスなどの、任意の適切なコンピュータ読込可能媒体上に貯蔵され得る。コンピュータ実行可能な構成要素は、プロセッサとすることができるが、任意の適切な専用のハードウェアデバイスが、(代替的または追加的に)指示を実行することができる。
【0070】
本記載では、構成要素、モジュール、デバイスなどの用語は、様々な方法で実施され得る、任意のタイプの論理的または機能的回路、ブロック、及び/または処理に言及する場合がある。たとえば、様々な回路及び/またはブロックの機能は、互いに組み合わせて、任意の他の数のデバイスにすることができる。または、本デバイスは、多目的コンピュータ、または、処理/グラフィックハードウェアに、伝達キャリア波を介して送信される、プログラミング指示を備え得る。やはり、本デバイスは、本明細書の新規のものによって包含される機能を実施するハードウェア論理回路として実施され得る。最後に、本デバイスは、所望のレベルの性能及びコストを提供する、特定目的の指示(SIMD指示)、フィールドプログラマブル論理アレイ、またはそれらの混合を使用して実施され得る。
【0071】
論理などの、本明細書に記載の方法及びシステムの態様は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、プログラマブルアレイ論理(「PAL」)デバイス、電気的にプログラム可能な論理及びメモリデバイス、ならびに、標準的なセルベースのデバイス、ならびに、特定用途の集積回路などの、プログラマブル論理デバイス(「PLD」)を含む、様々な回路の任意のものに機能的にプログラムされるものとして実施される場合もある。各態様を実施するためのいくつかの他の変形形態には、メモリデバイス、メモリを有するマイクロコントローラ(EEPROMなど)、埋め込まれたマイクロプロセッサ、ファームウェア、ソフトウェアなどが含まれる。さらに、各態様は、ソフトウェアベースの回路エミュレーション、別個の論理(順次的及び連結的)、カスタムデバイス、ファジー(ニューラル)論理、量子デバイス、ならびに、上述のデバイスのタイプのいずれかのハイブリッドを有するマイクロプロセッサに実施され得る。基本的なデバイス技術は、様々な構成要素のタイプ、たとえば、相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)のような金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(「MOSFET」)技術、エミッタ結合論理(「ECL」)のようなバイポーラ技術、ポリマ技術(たとえば、シリコン共役ポリマ及び金属共役ポリマ金属構造)、アナログとデジタルとの混合などに提供され得る。
【0072】
当業者が前述の詳細な記載から、ならびに、図面及び特許請求の範囲から理解するように、変更及び変形は、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の実施形態に行われ得る。
【0073】
本発明の実施形態の前述の記載は、本発明をこれら実施形態に限定することは意図していないが、むしろ、当業者が本発明を実施及び使用することを可能にすることを意図している。本明細書に記載の変形、構成、実施態様、例示的実施態様、及び実施例は、任意選択的であり、それらが記載する変形、構成、実施態様、例示的実施態様、及び実施例に対して排他的ではない。本明細書に記載の発明は、これら変形、構成、実施態様、例示的実施態様、及び実施例の置換の任意のもの、及びすべてを含むことができる。
なお、本願の出願当初の開示事項を維持するために、本願の出願当初の請求項1~26の記載内容を以下に追加する。
(請求項1)
カラー画像を取得するように構成されたカラー撮像システムと、
赤外画像を取得するように構成された赤外撮像システムと、
プロセッサであって、
前記赤外画像を使用して外科織物の形状を識別し、
前記赤外画像から形状情報を生成し、
前記形状情報を使用して、前記カラー画像内の外科織物ピクセルを識別し、
前記外科織物ピクセルから血液の情報を抽出するように構成された、前記プロセッサと、を備えた、血液の内容物を測定するためのシステム。
(請求項2)
前記プロセッサが、前記赤外画像を、前記カラー画像に対応する座標系に変換するようにさらに構成された、請求項1に記載のシステム。
(請求項3)
前記プロセッサが、前記赤外画像の1つから、深度画像を生成するようにさらに構成された、請求項1に記載のシステム。
(請求項4)
前記プロセッサが、前記深度画像内の平坦なピクセルのセットを識別するようにさらに構成された、請求項3に記載のシステム。
(請求項5)
前記プロセッサが、前記深度画像内の外科織物の画像の外周を検出するようにさらに構成された、請求項4に記載のシステム。
(請求項6)
前記外科織物の画像の外周の前記検出が、前記深度画像内の、急激な垂直な深度の下降を探すことによって実施される、請求項5に記載のシステム。
(請求項7)
前記プロセッサが、前記深度画像または前記赤外画像を低解像度処理するようにさらに構成された、請求項3に記載のシステム。
(請求項8)
前記プロセッサが、前記低解像度処理された深度画像からマスク画像を生成するようにさらに構成された、請求項7に記載のシステム。
(請求項9)
前記プロセッサが、前記マスク画像を高解像度処理するようにさらに構成された、請求項8に記載のシステム。
(請求項10)
前記プロセッサが、前記赤外画像内の欠けている赤外ピクセル領域の充填を実施するようにさらに構成された、請求項1に記載のシステム。
(請求項11)
前記プロセッサが、前記検出された外周を使用してマスク画像を生成するようにさらに構成された、請求項5に記載のシステム。
(請求項12)
前記プロセッサが、前記マスク画像を、前記カラー画像の座標系に変換するようにさらに構成された、請求項11に記載のシステム。
(請求項13)
前記検出された外周が、外科織物の画像の頂縁部及び底縁部である、請求項11に記載のシステム。
(請求項14)
前記検出された外周が、外科織物の画像の両側の縁部を備えている、請求項11に記載のシステム。
(請求項15)
前記検出された外周が、外科織物の画像の角を備えている、請求項11に記載のシステム。
(請求項16)
血液構成要素を含む対象の分析方法であって、
血液構成要素を含む対象の深度画像及びカラー画像を取得することと、
前記深度画像を使用して、視野内の前記対象の存在を判定することと、
前記カラー画像を使用して、血液構成要素の特性を評価することと、を含む、前記分析方法。
(請求項17)
前記深度画像を使用して画像マスクを生成することと、
前記画像マスクを前記カラー画像に適用して、背景のピクセルを除去することと、をさらに含む、請求項16に記載の方法。
(請求項18)
前記深度画像に、浸食及び拡大の画像処理の少なくとも1つを適用することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
(請求項19)
外科織物内の流体構成要素の量の評価方法であって、
第1の時間において、視野の第1の赤外画像を取得することと、
前記第1の赤外画像内の外科織物の形状または表面特性を検出することと、
前記第1の赤外画像内の前記形状または表面特性が検出されると、フレームカウンタに指数を付すことと、
前記第1の時間に続く第2の時間おいて、前記視野の第2の赤外画像を取得することと、
前記第2の赤外画像内の外科織物の表面特性を検出することと、
前記第2の赤外画像内の前記形状または表面特性が検出されると、前記フレームカウンタに指数を付すことと、
前記第2の赤外画像内の外科織物の形状または表面特性を検出しなかった際に、非検出カウンタに指数を付すことと、を含む、前記評価方法。
(請求項20)
予め設定された値に達すると、前記フレームカウンタ及び前記非検出カウンタをクリアすることをさらに含む、請求項19に記載の方法。
(請求項21)
前記フレームカウンタを閾値と比較することと、
前記フレームカウンタが前記閾値以上である場合に、前記視野のカラー画像を取得することと、
外科織物に対応する前記カラー画像の領域を血液構成要素の量の評価に変換することと、
前記フレームカウンタをクリアすることと、をさらに含む、請求項19に記載の方法。
(請求項22)
前記第2の赤外画像を使用して画像マスクを生成することと、
前記カラー画像に前記画像マスクを使用して、前記外科織物に対応する前記カラー画像の前記領域を識別することと、をさらに含む、請求項21に記載の方法。
(請求項23)
流体の監視を実施する方法であって、
視野の赤外画像を取得することと、
前記視野のカラー画像を取得することと、
前記赤外画像を使用して画像マスクを生成することと、
前記カラー画像に前記画像マスクを使用して、外科織物に対応する前記カラー画像の領域を識別することと、を含む、前記方法。
(請求項24)
前記赤外画像を前記カラー画像の幾何学的斜視図に変換することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
(請求項25)
前記画像マスクを生成する前に、前記赤外画像を低解像度処理することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
(請求項26)
前記画像マスクを使用して前記カラー画像の前記領域を識別する前に、前記画像マスクを高解像度処理することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
図1
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