(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】工作機械中の工具計測用の計測システム
(51)【国際特許分類】
B23Q 17/22 20060101AFI20230116BHJP
B23Q 17/00 20060101ALI20230116BHJP
B23Q 11/00 20060101ALI20230116BHJP
【FI】
B23Q17/22 D
B23Q17/00 A
B23Q11/00 P
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017204476
(22)【出願日】2017-10-23
【審査請求日】2020-10-16
(31)【優先権主張番号】10 2016 012 726.0
(32)【優先日】2016-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502140743
【氏名又は名称】ブルム‐ノヴォテスト・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【氏名又は名称】小林 俊弘
(72)【発明者】
【氏名】ヘリベルト ブッヒャー
(72)【発明者】
【氏名】マルティン クルーガー
(72)【発明者】
【氏名】ノルベルト メルシュ
【審査官】小川 真
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-152051(JP,A)
【文献】特開2005-134369(JP,A)
【文献】特開平07-153534(JP,A)
【文献】特開2004-192968(JP,A)
【文献】特開2011-009025(JP,A)
【文献】国際公開第2013/108579(WO,A1)
【文献】特開2001-328049(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102008017349(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 17/22
B23Q 17/00
B23Q 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光伝送器及び光受信器を有する非接触式又は接触式の計測デバイスを収めて接続するための多目的インターフェースソケットを有し、
機械制御装置を含む工作機械中の工具の位置を測定し又は回転工具の最長の切削端を測定するための非接触式又は接触式の計測システムであって、前記多目的インターフェースソケットが、
前記計測デバイス上の反対側止め部に対応し、前記計測デバイスを前記多目的インターフェースソケット上に収め、繰り返し設置するための、少なくとも一つの機械的止め部であって、前記機械的止め部が、前記計測デバイスが前記多目的インターフェースソケットに対して180°回転した異なる二方向にて接続されるように設計されているもの、及び
前記計測デバイスの二つの第一信号転送点に対応する二つの第二信号転送点であって、該二つの第二信号転送点はそれぞれ二つの接触点を有し、該接触点はそれぞれ複数の電気的な及び/又は光ファイバーにより補助されたコネクター又は接触子を有するものであり、前記二つの接触点は、互いに離れて配置され、一方の接触点の前記複数のコネクター又は接触子が、他方の接触点の複数のコネクター又は接触子に対して、前記二つの接触点の中点に関して点対称に配置されているもの、及び、
前記計測デバイス上の第一流体転送点に対応する、前記多目的インターフェースソケット上の少なくとも一つの第二流体転送点であって、前記二つの接触点の中点に配置されたもの
を有することを特徴とする、多目的インターフェースソケットを有する計測システム。
【請求項2】
前記機械的止め部が、
好ましくは表面仕上げされた接触表面、
好ましくは弾性を有する調整ピン、又は
蟻溝若しくはバヨネット式結合手段
の一以上を有することを特徴とする、請求項1に記載の多目的インターフェースソケットを有する計測システム。
【請求項3】
前記多目的インターフェースソケットが、
前記計測デバイスの種々の機能のために圧縮流体を供給するための、バルブ、スロットル、チェックバルブフィルター容器、及び/又は減圧弁等を備えた空気圧制御装置、及び/または
前記計測デバイスを操作するために制御信号を供し、前記計測デバイスからの計測信号を受信し、その機械制御装置に信号伝送媒体中の計測信号を伝え、かつ/又は前記空気圧制御装置用の制御信号を供するための電気制御装置を有
することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の多目的インターフェースソケットを有する計測システム。
【請求項4】
前記多目的インターフェースソケット中の前記空気圧制御装置(600)が、圧縮空
気を
i.前記計測デバイスに付随する、計測する工具を清掃するための流体ブローデバイス、及び/又は
ii.光バリア計測システムとして設計された前記計測デバイスの、計測光線(24)の領域中のシーリング空気、及び/又は
iii.光バリアシステムとして設計された前記計測デバイスの光伝送器部(14)及び/又は光受信器部(16)の保護/閉止デバイス(36,38)
へと制御された方法で供給することを特徴とする、請求項
3に記載の計測システム。
【請求項5】
前記空気圧制御装置(600)が、前記流体ブローデバイスに供給するための、電気的作動信号により作動する第一の電磁的に作動可能なスイッチバルブであって、圧縮空気を一以上の空気出口へと制御された方法で伝える第一の電磁的に作動可能なスイッチバルブを備え、かつ/又は
前記空気圧制御装置(600)が、前記計測光線(24)の領域中のシーリング空気を供給するための、作動信号によって作動する第二の電磁的に作動可能なスイッチバルブを備え、かつ/又は
前記空気圧制御装置(600)が、前記保護/閉止デバイスに給送するための、作動信号によって作動する第三の電磁的に作動可能なスイッチバルブを備える
ことを特徴とする、請求項
4に記載の計測システム。
【請求項6】
前記計測システム又は前記多目的インターフェースソケットに位置する工具清掃用ブローノズルが、前記多目的インターフェースソケット経由で空気圧ラインの供給を受けることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の計測システム。
【請求項7】
変位し得る開閉ピストン(700)が光線貫通開口部を含むアタッチメント(36,38)中に位置
し、前記アタッチメント(36,38)が前記光伝送器又は前記光受信器に位置する計測システムであって、
前記開閉ピストン(700)及び/又は空気圧で作動する清掃用空気用のパワーバルブの排出空気ラインが、
前記開閉ピストンが閉じられた際又は前記清掃用空気が切られた際に、電気的接続を成立させる電気ラインを通じて
前記機械制御装置へと通され、又は
前記開閉ピストン(700)及び/又は空気圧で作動する前記清掃用空気用の前記パワーバルブの排出空気ラインが、工具清掃用の前記ブローノズルへと通じ、前記ブローノズル中に取り付けられるチェックバルブが備え付けられていることを特徴とする、請求項
6に記載の計測システム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の特徴を有する、光バリア計測システム又は接触計測プローブと共に使用されるために構成された、多目的インターフェースソケット。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の特徴を有する、多目的インターフェースソケットと共に使用されるために構成された、光バリア計測システム又は接触計測プローブ。
【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
工作機械中の工具の非接触式または接触式計測用の計測システムについて、以下に記載する。これらのタイプの計測装置は、機械切削または材料除去加工(例えばフライス削り、旋削、研削、平削り、きりもみ、皿もみ、リーマ加工、浸食、その他)、さらに定置または回転工具を備えた旋盤/フライス複合機またはフライス/旋削複合機で用いられる。当該計測システムの特徴及び特性は特許請求の範囲に明示されているが、該計測システムの特徴及び種々の態様は、明細書及び図面にも開示されている。
【背景技術】
【0002】
従来の工具計測用レーザーシステムは、シーリング空気を供給し、レーザー光の通路を制御し、工具を清掃するための一つ以上の空気圧給送・開放ラインを有する。これらはさらに、電力供給及び操作信号(制御システムの電圧供給、レーザー活性化、計測信号、他)を与えるための電気ラインを必要とする。同様のことは、工作機械における接触式計測システムにも当てはまる。
【0003】
この種の計測システムは通常、工作機械の機械テーブル上、作業スペース内に備え付けられている。作業スペースをできるだけ自由に保ち、動作中の工具が衝突し得る空間が作られないようにするために、幾つかの設計においては、計測システムも作業スペース内に位置する計測位置へと旋回又は直線状ユニットを介して移動され、工具の計測操作後に作業スペース外の留置/ニュートラル位置へと戻される。より簡単な変形例では、全体としての計測システムは所定の生産プロセスにおいて、定期的に必要とされないのであれば分解される。
【0004】
これら計測システムは通常、機械の作業スペース中でスペースを浪費する障害物の輪郭となって可使スペースを限定し、または常に衝突リスクとなる。従って、これら計測システムは、大きなワーク、切り屑、また工具による損傷のリスクに曝されている。それに加え、機械の作業スペース中に一つ以上のラインが必要である。
【0005】
供給部及び制御ライン(圧縮空気及び電気のライン)、特に可動式又は旋回し得る計測システムを用意、配置して備え付けるのは、かなりの労力である。計測システムを正確に調整して備え付けること、並びに空気圧/電気コネクターを接続することもまた、複雑である。計測システムを工作機械の機械制御装置に接続するために、通常は複数の空気圧ライン及び複数の電気ラインが必要とされる。
【0006】
ミクロエプシロンエルトロテック社(MICRO-EPSILON Eltrotec GmbH、www.micro-epsilon.com)のオプトコントロール(optoCONTROL)1200/1201光量センサーが光源及び別個の受信器ユニットから作られ、隙間、切削端、及び光量の計測に用いられている。その制御電子システムは、受信器のハウジング中に収容される。受信器ユニット及び光源は互いに離れて備え付けることができ、別々の供給及び出力ケーブルを介して操作される。この計測システムには、空気圧供給部は備えられていない。
【0007】
エム&エイチ・インプロセス・メステクニック社(m&h Inprocess Messtechnik GmbH、www.mh-inprocess.com)の赤外データ伝送を用いた交換可能なピックアップツールセッター(Pick Up Tool Setter)35.40は、障害物の輪郭やケーブルのない手法である。この接触式計測システムは、作業テーブル側面にフランジ取り付けされた交換可能なホルダーにおいて、手動で又は自動的に交換できる。前記計測システムは外側から押され、自動調芯取り付け台に取り付けられる。工具の接触式測定の後、計測システムは取り付け台から引き抜かれても良い。この計測システムにおいても同様に、空気圧ラインは備えられておらず、従って、ここで考慮するタイプの計測システムとは、限られた範囲でしか比較できない。
【0008】
レーザー計測部の形の非接触計測工具スキャナーの一例は、例えばドイツ公開特許公報10-2008-017349A1より知られている。そのような計測システムは、工作機械中の工具の計測に用いられる。例えば工作機械中の工具の位置や回転工具の最長の切削端を測定するために、光バリアシステムが備えられる。該計測システムは、様々な機能(レーザー光伝送器及びレーザー光受信器のパージ、レーザー光伝送器及びレーザー光受信器正面の保護カバーの開閉)用に圧縮空気を計測システム中に供給する空気圧制御装置、並びに、光バリアシステムを操作し、光バリアシステムからの計測信号を受け取り、信号伝送媒体中の計測信号を機械制御装置に伝え、空気圧制御装置に制御信号を供給する少なくとも一つの電子制御装置を有する。工作機械中の工具の非接触式計測のための計測システムの変形例は、前記の引用文献より公知であり、電源エネルギーが流体電気コンバータを用いて供給されるために電気コネクターなしで操作される。該流体電気コンバータには、他の理由で必要とされる空気圧源から圧縮空気が供給される。これにより、複雑性及び電気接続におけるエラー要因が減少する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これに基づき本発明は、工作機械中の定置又は回転式の材料除去加工工具を計測するための計測システムの、簡易で信頼し得る取り扱いのための手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は請求項1で規定された非接触式又は接触式計測システムによって達成され、該システムは光伝送器及び光受信器を有する光バリア計測システム、又は工具の位置を測定する若しくは回転工具の最長の切削端を測定するための接触式計測プローブの収容及び接続用の、又は工作機械における他の計測処理用の、多目的インターフェースソケットを有する。以下の議論において、前記多目的インターフェースソケットのない非接触式又は接触式計測システムもまた、計測デバイスと称する。
【0011】
前記多目的インターフェースソケットは、以下の特徴を有する:
前記計測デバイス上の反対側止め部に対応し、前記計測デバイスを前記多目的インターフェースソケット上に収め、繰り返し設置するための、少なくとも一つの機械的止め部、及び
前記計測デバイス上の第一流体転送点に対応する、前記多目的インターフェースソケット上の少なくとも一つの第二流体転送点。
【0012】
この多目的インターフェースソケットは、工作機械の機械制御装置と計測デバイスとの機械的接続、(あるいは電気/光学信号の接続、)及び/又は空気圧流体の接続を提供する。その機械式インターフェースは操作し易く設計され、例えばネジ式、戻り止め式、回転式、若しくは締め付け式の固定手段、又は蟻溝若しくはバヨネット式接続を提供する。このインターフェースによって、計測デバイスを機械的に繰り返して設置することができる。多目的インターフェースソケットと計測デバイスとの間の比較的小さな公差は、予め張力が加えられたピン又は合せピンによって補償し得る。接続部品として、バネ鋼板又は磁性連結手段もまた有用である。この目的のために、多目的インターフェースソケットは、好ましくは表面仕上げされた一以上の接触表面、又は好ましくは弾性を有する一以上の調整ピンを備えても良い。
【0013】
機械式止め部は、計測デバイスが多目的インターフェースソケットに対して180°回転した異なる二方向にて接続されるように、設計されていても良い。
【0014】
多目的インターフェースソケットの一つの変形例において、第二の信号転送点は、それぞれ複数の接触子を備える第一及び第二の接触点を有する。これら接触子は、電気的(オーミック)な及び/又は光ファイバーにより補助されたコネクター又は接触子であっても良い。第一及び第二の接触点は互いに離れて配置され、一方の接触点の複数の接触子が他方の接触点の複数の接触子に対して、両接触点の中点に関して点対称に配置されている。計測デバイスは、直径方向に向かい合った第一及び第二の接触点を有する。そのため、180°回転した二つの異なる方向で、計測デバイスを多目的インターフェースソケットと非常に簡便に接続することができる。直径方向に向かい合った第一及び第二の接触点によって、信号/供給電圧の接触子が平行に備えられる。これによって、それぞれの信号転送が2回起こるので、操作中の配置エラーも減少する。比較的大電流が流れるライン(例えば電源)では、必要なら2×2、2×3、又はさらに多くの個々の接触子を介して転送される。
【0015】
接触転送の一態様において、本多目的インターフェースソケットは計測デバイスへの接続のために、金メッキされた接触点を片側(計測デバイス又はソケット)に備えたプリント回路基板を有し、対応する側(ソケット又は計測デバイス)に接触ピン又は接触バネを備えた回路基板を有する。この配列を混成した形も可能である。接触ピン又は接触バネは、表面実装技術(SMT)を通じてはんだ付けされ、リベット留めされ、又ははんだ乗せ若しくははんだ封入されても良い。接触ピンはまた、弾性を有する設計であっても良い。プリント回路基板は、接触ピン又は接触バネ及び接触点に/から信号ライン及び供給ラインを転送し/受け入れる。好ましい一つの変形例において、前記弾性接触子は計測デバイスの底面に位置し、その接触表面は多目的インターフェースソケットの上面に位置する。
【0016】
さらに、多目的インターフェースソケットは信号転送点と流体転送点を取り囲み、かつ計測デバイスの側部又は下部接触表面に対応する密封構成を有する。この密封構成は、計測デバイスを備え付ける際に冷却剤及びほこりをインターフェースに近づけないリングシールとして設計されていても良い。
【0017】
計測デバイスが多目的インターフェースソケットに接続されない場合、露出した電気的/光ファイバー接触子を有する特定の回路基板は、転送点の領域で、計測デバイス及び多目的インターフェースソケットの外皮となる。この目的のために、該回路基板は開口部なしで設計され、流体/埃を通さない方法でソケット又は計測デバイスハウジング中に備え付けられる。それ故、計測デバイスが多目的インターフェースソケットにドッキングされていない際、埃、冷却剤、又は潤滑剤が計測デバイス又は多目的インターフェースソケットのハウジング内部に入り込むことができない。
【0018】
前述のバネ接触ピンは、隙間を備えた可動部を有する。多目的インターフェースソケットの転送点が暴露された場合、すなわち計測デバイスがドッキングされていない場合に、万一切り屑、埃、又は冷却剤がインターフェースに達したならば、隙間を有する接触ピンを取り付け時に清掃を行うのは殆ど不可能である。そうした汚染物の侵入を防ぐため、別の変形例においては、一つ以上のシーリング隔膜によってシールされた接触ピンが形成されることが規定される。このように設計されたインターフェースは、計測デバイス/多目的インターフェースソケットのハウジングとともに、それぞれの場合において本質的に完全に閉ざされ、かつ清掃が容易な表面を形成する。
【0019】
インターフェースソケット及び計測デバイス上の二つの接触点はそれ故、外に対してシールされた設計を有して良い。一つの変形例においては、SMT-はんだ付けが可能なバネ接触ピンブロックが、この目的のために備えられる。他の変形例においては、SMT-はんだ付けされた又はリベット留めされた接触バネが用いられる。接触子は、個々の接触子を埋め込む、又は他に、個々の接触子をぴったりと取り囲む柔軟な隔膜によってシールされる。転送インターフェースはこうして、計測デバイスが取り付けられていない場合にも冷却剤の侵入からシールされる。接触子(好ましくは計測デバイス上の)が柔軟な隔膜によってシールされた場合、潤滑剤や冷却剤は接触ピン部品間のスペースに入り込めない。
【0020】
清掃については、これらのシステムでは、ノズルを介して清浄化された(埃及びオイルのない)圧縮空気を吹き付けられることが容易であり、また、例えば、計測デバイスが多目的インターフェースソケットに取り付けられる前に冷却剤が接触点に達した場合、クロスで拭き取るのが容易である。
【0021】
追加のシーリング隔膜により、接触子が冷却剤から保護され、電気的インターフェースの清掃が簡略化される。
【0022】
密封構成(リングシール)による上述のインターフェース領域の封止と、二つの接触点の外部からの封止とは区別される。一方を他方の代わりに備えても良く、両者を備えても良い。
【0023】
一つの変形例において、多目的インターフェースソケットは空気圧制御装置を有し、該空気圧制御装置は光バリアシステムの種々の機能のために圧縮流体を供給するためのバルブ、スロットル、チェックバルブ、フィルター容器、及び/又は減圧弁等の空気圧部品、例えば光バリアシステム中の光線用の空気圧によって駆動される開閉隔膜を含む。この変形例の一つの利点は、多目的インターフェースソケットが単独の流体供給部しか必要としないことである。この一つの流体供給部より三つの流体転送点を介して、多目的インターフェースソケット中に光バリア計測システム用の清掃、開閉ピストン、及びシーリング空気の機能が与えられる。多目的インターフェースソケットが空気圧部品を含まない変形例において、光バリア計測システムの清掃、開閉ピストン、及びシーリング空気の機能の空気圧制御装置は、光バリア計測システム中又は多目的インターフェースソケットの上流のいずれかに位置する。第一の事例においては、多目的インターフェースソケット中に、一つの流体供給部と一つの流体転送点のみが必要となる。第二の事例においては、多目的インターフェースソケット中に、清掃、開閉ピストン、及びシーリング空気の機能のための三つの別々の流体供給部、並びに対応する三つの流体転送点が備えられる。
【0024】
他の変形例においては、光バリアシステムを操作するために制御信号を供し、光バリアシステムからの信号を受信し、信号伝送媒体中の信号を機械制御装置に伝え、かつ/又は多目的インターフェースソケット中の空気圧制御装置用の制御信号を供するための電気制御装置が、空気圧制御装置に加えて又はその代わりに存在する。多目的インターフェースソケットは、自身の側及び/又は基部表面の一つに、様々な接続を有することができる。他の変形例においては、多目的インターフェースソケットは、機械テーブルに面する密封構成を備えることができる。多目的インターフェースソケットはこれによって、機械テーブルに容易に取り付けることができ、また、製造操作中にそこに留まることもできる。この多目的インターフェースソケットを使用すれば、多くの応用において、機械テーブル上、パレット上、又はCNC機械の作業スペース中に計測デバイスを備え付けることが非常に容易である。
【0025】
この多目的インターフェースソケットは工作機械へのプレインストールとして用いられ、工作機械を簡単に準備する選択肢となる。工作機械の操作開始に先立ち、多目的インターフェースソケットは完全に取り付けられ、機械制御装置に接続されて、工作機械に備え付けることができる。これにより、機械室中に広がる環境条件が非常に厳しいにも拘らず、ユーザーが計測デバイスを使用し、かつ直接操作するのが容易となる。それ故、システムの密閉性を危険にさらすことなく、かつ機械テーブルのシール確保も必要とせずに、顧客が計測デバイスを改造することが可能となる。この多目的インターフェースソケットにより、計測システムはユーザーによって迅速かつ容易に交換可能となる。
【0026】
他の変形例において、計測デバイスは多目的インターフェースソケット経由で空気圧ラインを介して供給を受ける。空気圧ラインはまた、レーザー計測部の事例においては、工具清掃用に計測デバイス又は多目的インターフェースソケット上に位置するブローノズルにも、このインターフェースを介して直接供給する。それ故、追加の外部ラインは必要ない。さらに、多目的インターフェースソケットは、レーザー計測部の代わりに接触式工具プローブを、計測表面の清掃用のブローノズルを伴って又は伴わず、収容しても良い。
【0027】
特に、計測デバイスの一つの変形例においては、レーザー計測部が空気圧作動の開閉ピストン又は開閉隔膜によって汚染防止され、バルブベント及び/又は開閉ピストンの排出空気が、工具清掃用にブローノズルに供給される。それ故、計測デバイス又は多目的インターフェースソケット上の追加の排出空気ダクトや追加の排出空気開口部を必要としない。そのため、ミスト、流体、又は固形物が多量に入った工作機械の加工スペース中にある計測デバイス又は多目的インターフェースソケットに排出空気開口部を装備する必要性が、有利に回避される。その代わりに、工具清掃用ブローノズルに取り付けられたチェックバルブによって、空気圧制御システムは潤滑剤又は冷却剤の侵入から有効に保護される。
【0028】
他の変形例においては、機械室から機械制御装置までの電気的接続を成立させる電気ラインが、当該電気ラインを通じて排出空気を逃がせるように設計される。このことは例えば、ケーブル中に導入された細い空気チューブを介して起こり得る。
【0029】
計測デバイスが多目的インターフェースソケットに取り付けられていない場合にインターフェースを保護するため、(i)電気的及び/又は光ファイバーの転送点、(ii)流体転送点、及び(iii)密封構成を覆う独立したカバープレートが備えられていても良い。
【0030】
流体ブローデバイスに供給するため、空気圧制御装置は、電気的作動信号によって作動する第一の電磁的に作動可能なスイッチバルブを備えても良い。該第一の電磁的に作動可能なスイッチバルブは、例えば計測する工具を清掃するために、圧縮空気を流体ブローデバイスの一以上の空気出口へと、制御された方法で伝えることができる。このスイッチバルブは、電磁的に作動してブロー空気の出口に圧縮空気が供給される通流位置、及びバネでブロックされてブロー空気の出口に圧縮空気が届かない遮断位置を有することができる。
【0031】
シーリング空気を計測光線の領域に供給するために、空気圧制御装置は、作動信号によって作動する第二の電磁的に作動可能なスイッチバルブを備えても良い。このスイッチバルブにより、(レーザー)光線の光路に異物が入ることができないよう、計測光線の通路開口部にて圧縮空気が制御された方法で出ることが可能となる。該第二の電磁的に作動可能なスイッチバルブは、バネで荷重された遮断位置(圧縮空気、低圧で作動する圧縮空気、低容積流で供される圧縮空気が、計測光線の通路開口部で出ることができない)、及び電磁的に作動する通流位置(比較的高い圧力で又は比較的高い容積流で供される圧縮空気が、計測光線の通路開口部にて出ることができる)を取ることができる。
【0032】
少なくとも一つの保護/閉止デバイスに流体を給送するために、空気圧制御装置は、作動信号によって作動する第三の電磁的に作動可能なスイッチバルブを備えても良い。保護/閉止デバイス中に開閉隔膜又は開閉ピストンが位置していても良い。この電磁的に作動可能なスイッチバルブは、一以上のスライダに圧縮空気を制御された方法で伝える。このスイッチバルブは、バネで荷重された遮断位置(光バリアシステムの光伝送器部又は光受信器部でスライダに圧縮空気が到達せず、計測光線が通過できない)、及び電磁的に作動する通流位置(スライダに圧縮空気が供給され、計測光線が通過できる)を取ることができる。
【0033】
他の変形例においては、光路用の少なくとも一つの保護/開閉デバイスが、レーザー計測部に脱着可能な形で接続されている。この目的のために、それぞれの場合において空気圧で操作された開閉ピストンが、光線貫通開口部を含むアタッチメント中に位置する。該アタッチメントには、レーザー計測部の支持構造で対応する接続部と協働するように構成された、回転式、スライド式、又は戻り止め接続部が備えられる。該アタッチメントの一つの変形例において、空気圧で操作された開閉ピストン及び光線貫通開口部は、該アタッチメント及びレーザー計測部が多目的インターフェースソケットに取り付けられている状態において、光線貫通開口部が、多目的インターフェースソケット(の下端)よりもレーザー計測部の支持構造の特定の脚の自由端(上端)に近くなるように位置する。アタッチメントの一つの変形例において、アタッチメントはその上端に近い側に傾斜した壁を有する。これによって、開閉ピストンを一体化した工作機械のスピンドル中に収められた工具が沈む深さが、アタッチメントの立方体状の設計と比べて、又は本質的に直角のサブコンポーネントから形成されるレーザー計測部の支持構造と比べて増大する。
【0034】
一つの変形例において、アタッチメントには回転-戻り止め接続部が備えられ、その回転-戻り止め接続部中では、光線貫通開口部を取り囲むバンドがその周囲に沿って途切れながら外側半径方向に突き出た環状カラーを有する。途切れたカラーは、挿入してひねることによって、レーザー計測部の支持構造の特定の脚中で直径方向に反対に形成された開口部とシールしながら噛み合い得るような寸法に作られる。支持構造のアタッチメントの回転-戻り止め接続部は、双方の回転方向で脱着し得る又は固定し得る。これによって、たとえ妨害物、例えば作業スペース壁の近くでも、レーザー計測部の支持構造のアタッチメントを取り付け/取り外すことが可能となる。
【0035】
開閉ピストンとレーザー計測部の支持構造の間には、シールがある。このシールは、一方ではアタッチメントの光線貫通開口部を取り囲み、他方では光線貫通開口部に対して半径方向に分岐して、操作媒体(例えば圧縮空気)用空気圧接続部を取り囲む。
【0036】
開閉ピストンはジャーナルを有し、バネアセンブリからの荷重下にあるので、該開閉ピストンのニュートラル位置においては、ジャーナルは光線貫通開口部の向きに対して横切るようにしてアタッチメントの光線貫通開口部を閉じる。空気圧接続部によって、操作媒体は長手方向に変位し得るよう導かれた開閉ピストンを取り囲む作業チャンバー中に入る。一つの変形例において、開閉ピストン及び/又はシリンダーボアは、摩耗から保護するために被覆された/仕上げられた連続表面を有する。開閉ピストンは、作業チャンバーをバネアセンブリに対してシールする環状カラーを有する。この目的のために、シーリングゴムで作られたピストンシールが備え付けられる。開閉ピストンがアタッチメントの光線貫通開口部を開けるために、作業チャンバーに操作媒体が供給される。こうして開閉ピストンがバネアセンブリの力に抗して動き、ジャーナルが光線貫通開口部を開ける。バネアセンブリを収めるバネチャンバーが閉じられ、汚染から保護される。開閉ピストンは、ピストン開放中にバネチャンバーの通気を制御するバルブ機能を有する。ピストンの管を通じて空気が逃げ、シーリング空気へと供給される。この管は開閉ピストンのニュートラル位置において閉じられ、開閉ピストンが変位経路を進んだ後に開けられる。光線貫通開口部が開閉ピストンの固定ジャーナルによって閉じられた際、バネチャンバーはこの管によって通気される。そうでなければ、負圧が生じる。
【0037】
一つの変形例において、開閉ピストンとレーザー計測部の支持構造の間に位置するシールは、ゴム成型部として設計され、公差相殺、汚染に対する封止、及び/又は空気圧転送用の封止のための弾性要素の機能を持つ。さらに他の変形例においては、該シールは、アタッチメントの回転位置を使用位置に固定するための戻り止め要素を有する。使用位置における固定によって、アタッチメント中で汚染防止カバーを、たとえアタッチメントが接近し難い又は目視なしで取り付ける場合でも、中心に合わせた取り付けが保証される。
【0038】
そうした戻り止め要素の変形例として、ゴム成型部上にウェブが一体化形成され、支持構造のハウジング表面に導入された溝又は中空穴と噛み合うように備えられる。そうした戻り止め要素の他の変形例として、ゴム成型部によってハウジング溝中に押し込まれる金属シリンダーが備えられ、ここではゴム成型部が圧縮バネとして用いられる。これにより、先に記載した変形例におけるよりもかなり十分な固定がもたらされる。第三の変形例では、別個の弾性戻り止め要素が用いられる。この場合、プラスチック成型部、穴開けされた/曲がった止め金具、又はバネ荷重の掛かった戻り止めボールが押されて、支持構造のハウジング表面に導入された溝又は中空穴と噛み合う。
【0039】
一つの変形例において、ここで提示されたシールは異なる断面形状を有する。これによって、接触圧力の異なる領域が生じる。これによって、アタッチメントが回転式、スライド式、又は戻り止め接続部によって非対称に固定された場合でも、支持構造のハウジング表面の均一な接触が達成される。
【0040】
他の変形例において、光伝送器及び光受信器を備えた光バリア計測システムを含む非接触計測用の計測システムは、光伝送器から光受信器への光線の形成及び収束のために、光伝送器及び/又は光受信器に付随する光学レンズ構成を有する。該光学レンズ構成はレンズマウントに収められる。該レンズマウントは内側及び外側のスリーブを有し、各場合においてスリーブは円柱状であって、レンズ構成は内側スリーブに挿入され、内側スリーブは少なくとも部分的に外側スリーブに取り囲まれる。レンズマウント及びレンズ構成は光伝送器及び/又は光受信器の壁内に収容される。
【0041】
この光学構成によって、発光器により生じた光出力の一部が、発光器に一体化された光学素子に照射され、生じた出力に比例する電流をこの光学素子が発生するので、光学的フィードバック(APC)を成し遂げることが可能となる。この電流は、生じた出力に比例しているが、発光器を通じて順方向の電流を調整するために用いられる。あるいは、順方向の電流を特定の値に保持することによって、定電流(ACC)が発光器を通じて流れる。
【0042】
出力制御された又は出力安定化されたレーザーダイオードが、発光器として用いられる。そこからの光は、軸方向のオフセットを伴って光学レンズ構成に供給される。この光学レンズ構成は、例えばガラス、プラスチック、又は両物質を組み合わせて作られた球面又は非球面レンズを有する。光学レンズ構成はまた、光回折要素であっても良い。光学レンズ構成は、通過する光を平行にし、逸らし、又は収斂する。光の拡散は隔膜によって制限され、隔膜は光学レンズ構成中に挿入され、又はその下流に位置しても良い。隔膜の使用によって、回転対称又は部分的に回転対称な強度分布又は環状の光線プロフィールが達成される。この隔膜の下流で光は、ガラス、プラスチック、若しくは両物質を組み合わせて作られた球面又は非球面レンズによって、又は光回折要素によって平行となり、逸れ、又は所望の焦点位置に収束する。該光学レンズ構成は、一重、二重、又は三重として設計されて良い。
【0043】
一つの変形例において、この装置は取り付けスリーブを備え、取り付けスリーブはレンズを固定する他に、レーザー光線の範囲を定める隔膜としても用いることができる。この内側スリーブ又は取り付けスリーブ中に、僅かな力で又は力を掛けずにレンズを挿入することができる。該内側スリーブはこうして、レンズ構成を幾何学的に固定し、かつ/又は光線の範囲を定める隔膜として働く。慣用のレンズマウントと対比してみると、ここで提示された手法を用いて、レンズは(可塑性なしでもまた)正確かつ遊びなしで中心に取り付けることができる。備え付けられる部品が少ない結果として、圧縮操作を用いた簡便で迅速な組立が可能となる。
【0044】
一つの変形例において、内側及び/又は外側スリーブは、長手方向に広がった弱化/膨張区域を有する。一つの変形例において、内側及び/又は外側スリーブは、内側及び/又は外側の周囲に分布した、半径方向に内側へと向う押圧点を有する。これによって、レンズ構成のレンズは内側スリーブに挿入される。外側スリーブの内側横断面及び内側スリーブの外側横断面は、外側スリーブが内側スリーブをレンズに対して半径方向に押圧するように、互いの寸法に合わせて作られる。複数のレンズを有する他の変形例においては、複数のレンズそれぞれに別個の内側スリーブがまた用意されていて良い。この変形例において、レンズの互いに対する相対的な配置は、外側スリーブ内のそれぞれの内側スリーブの収容部によって決定される。
【0045】
内部押圧点又は隆起部は、レンズの外径に対して押圧し、その可塑性の変形によって、レンズ外側表面の封止締結を形成する。この構成は、慣用のレンズマウントと違ってネジや締結リングなしで容易に取り付けられる。二つのスリーブは接着剤を必要とせず、部品は容易に製造でき、装置は全体として少数の部品しか必要としない。
【0046】
レンズに働く力は、内側スリーブの幾何学的設計及び材質の選択に影響される。確実な固定及び任意的な封止を、レンズの欠けや光学的歪を生じることなく達成できる十分に高い圧迫が、ガラス体に加えられる。
【0047】
多くの異なる公差の構成の下で個々の部品の製造公差を相殺し、かつレンズに対する及び外側スリーブに対する押圧力を所望の範囲に保つことができるように、取り付けの間は可塑的に変形し、十分な残留ストレスを保つような材料が選択される。
【0048】
外側スリーブは端部に、少なくとも一つの挿入ベベルを有し、端部は好ましくは2°から15°のベベル角度、特に好ましくは4°から10°のベベル角度を有する。内側スリーブ(取り付けスリーブ)は、外側スリーブ(これは光学構成全体のハウジングとしてもまた用いられる)がその上をスライドする又は押圧する際に締結される。こうした「穏やかに傾斜した」挿入ベベルにより、レンズ上にスリーブをスライドさせるのが容易となる。レンズはこうして、外側から固定される。
【0049】
内側及び/又は外側スリーブは、アルミニウム、プラスチック、非鉄金属、鉛、形状記憶合金等、種々の強度又は柔軟性を有する材料で、可塑性かつ弾性的に変形し得る硬度の異なる様々な箇所から作られていて良い。内側及び外側スリーブは、寸法に合わせて作り、かつ強度、弾性、及び変形性を連続設計するために、弱化箇所(窪み、凹部、スリット、開口部等)を備える。レンズと内側スリーブの間、及び/又は内側スリーブと外側スリーブの間、又はレンズと外側スリーブの間に追加的に挿入された、ゴム若しくはプラスチックで作られたシーリング要素又は接着剤を備えても良い。取り付けスリーブの押圧力により、レンズからの及び外側スリーブからの封止が生じる。ゴム又はプラスチック成型部品で作られた追加的に挿入されるシーリング要素により、ここに追加的な封止が与えられる。最後に、遊びのない押圧のために、シーリング要素の代わりに接着剤を用いて、外側スリーブとレンズ間の隙間を塞ぐこともできる。遊びのない押圧をするために、残存した隙間もまたプラスチックで塞ぎ、強度を増して更なる封止を与えることができる。
【0050】
ここに示した、光伝送器及び/又は光受信器に付随する光学レンズ構成をレンズマウント中に備える手法によって、正確、迅速、かつ操作上信頼し得るレンズアセンブリが可能となる。レンズ取り付けにおける光学レンズ構成の機械的固定及び封止は、単一の作業ステップで達成できる。光学部品の安定で遊びのない取り付けが、こうして全体として成し遂げられ、装置は完全に取り付けられて振動の影響を受けない。スペーシングリングやねじ込まれたクランプリング等が与えられた結果、少数の部品しか必要とされない。
【0051】
以下の記載で、本計測システムのさらなる特徴、特性、利点、及び可能な改変について、添付された図面を参照してさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】非接触計測光バリア形式の計測デバイスの、概略側面図である。
【
図2】
図1の計測デバイス用の多目的インターフェースソケットの、概略平面図である。
【
図3】
図2の多目的インターフェースソケットの、概略側面図である。
【
図4a】
図2の多目的インターフェースソケットの電気信号転送点の第一の変形例の、側面からの概略断面図である。
【
図4b】
図4aの第二の変形例としての、SMTバネ接触子の異なる変形例の概略斜視図である。
【
図4c】
図2の多目的インターフェースソケットの電気信号転送点の第二の変形例の、側面からの概略断面図である。
【
図4d】
図2の多目的インターフェースソケットの電気信号転送点の第三の変形例の、側面からの概略断面図である。
【
図4e】
図2の多目的インターフェースソケットの電気信号転送点の第四の変形例の、側面からの概略断面図である。
【
図5】計測デバイス用の閉位置の空気圧作動式開閉ピストンを備えたアタッチメントの、側面からの概略断面図である。
【
図6】計測デバイス用の通流位置の空気圧作動式開閉ピストンを備えたアタッチメントの、側面からの概略断面図である。
【
図7】
図5のアタッチメントの、概略平面図である。
図5及び
図6は、
図7のアタッチメントの、
図7中の線A-Aに沿った断面図である。
【
図8】支持要素のアタッチメント用の戻り止め要素の一つの変形例である。
【
図9】支持構造の脚中のレンズマウントの第一の変形例である。
【発明を実施するための形態】
【計測システムの詳細な説明】
【0053】
図1は、工作機械中の定置及び回転工具の非接触式の計測デバイス10を示す。工作機械は例えば、フライス削り/旋削機械又は旋盤/フライス削り機械であって良く、機械切削加工又は材料除去加工用の工具は固定されている。定置工具は例えば旋削操作用の割り出し可能な切削インサートであり、回転工具は例えば、ドリル又はフライスである。
【0054】
両方のタイプの工具を正確に(例えば1μm又はより高度に)計測するために、計測デバイス10には、工作機械中の工具(図示されていない)の位置を測定する又は回転工具(図示されていない)の最長の切削端を測定するための光バリアシステム12が備えられる。
【0055】
接触式計測デバイスにおいては、種々の計測課題のために、工具を工作機械によって計測デバイスの触針を通り越して動かし又はそこから移動させる。光バリアシステム12及びその態様については、以下でより詳細に説明する。しかしながら、その光路の特定の特徴とは関係しない数多くの態様が、尚も接触式計測デバイスに当てはまる。
【0056】
計測デバイス(光バリア計測システム)10中の光バリアシステム12は、光伝送器部14と光受信器部16に分割され、それらは計測デバイス10の実質的にU形の支持構造物22のそれぞれの脚18,20に各々付随している。
図1に示すように、光伝送器部14及び光受信器部16は、U形の支持構造物22の対応する脚18,20に位置している。光伝送器部14と光受信器部16は互いに向かい合い、光線24、本例ではレーザー光線は、光伝送器部14から光受信器部16へと、それぞれの通路開口部14a,16a(
図1には例示されていない)を通過する。計測デバイス10の実質的にU形の支持構造物22は、複数の直方体部分から組み立てられる。
【0057】
工作機械中の回転工具の位置を測定又は回転工具の最長の切削端を測定するために、(いくつかある内の)一つの計測仕様に従い、回転駆動可能な工具を光バリアシステム12のレーザー光計測光線24中に、レーザー光の光線経路が工具によって遮られるように配置する。工具を次に、計測光線24に対し、好ましくは一定速度で光線経路から離し、移動させる。工具を、もはや計測光線24が工具によって遮られない位置へと移動する。あるいは、操り出しによって計測されても良い。ここで、回転工具は計測光線24の外側に位置し、計測光線24が覆い隠されたとたんに計測信号が生じる。
【0058】
信号を形成し工作機械の機械制御装置へと信号を中継する信号電気回路(詳細には図示されていない)は、光受信器部16のハウジングの内部に収められる。信号電気回路は、光バリアシステム12からの計測信号を受信し、機械制御装置(詳細には図示されていない)へと中継するために用いられる。
【0059】
圧縮空気が供給される計測システム10の部品への空気圧接続部は、U形の支持構造物22の二つの脚18,20の間の接続ブロック30中に備えられている。
【0060】
図2に示す多目的インターフェースソケット300が備えられるのは、工作機械の機械制御装置と通信するため、すなわち、機械制御装置の要請に応じて光バリアシステム12から機械制御装置へと計測信号を転送し、かつ、計測システムを計測用に電気的に及び空気圧で制御するためである。
【0061】
多目的インターフェースソケット300は、計測デバイスを該多目的インターフェースソケット300に収容し、かつ繰り返し設置できるように、計測デバイス10上の反対側止め部に対応する機械的止め部310を有する。この変形例において止め部310は、計測デバイス10の底面に存在するジャーナル40用に、四つのレセプタクル310で形成され、上面に互いに直角に位置している。
【0062】
本多目的インターフェースソケット300は、光バリア計測システムの第一信号転送点50a,50bに対応する二つの第二信号転送点320a,320bを有する。信号転送点50a,320aは電気的接触子であり、信号転送点50b,320bは光ファイバー接触子である。
【0063】
さらに、本多目的インターフェースソケット300は、光バリア計測システムの第一流体転送点60に対応する第二流体転送点320を、該多目的インターフェースソケット300上に有する。
【0064】
本多目的インターフェースソケット300はこうして、工作機械の機械制御装置と計測システムとの間に機械的接続、電気/光学信号接続、及び/又は空気圧流体接続を形成する。上記の変形例に加え、機械的インターフェースは例えば、スクリュー、戻り止め、回転式、若しくは固定要素として、又は蟻継ぎ若しくはバヨネット式接続部として設計されても良い。このインターフェースにより、計測デバイスを機械的に繰り返し設置し得る。
【0065】
他の変形例において、ジャーナル40はまた、予め張力が加えられたピン、調製ピン、又は合せピンとして設計されても良い。これによって、多目的インターフェースソケットと光バリア計測システムとの間の、比較的小さい公差を補償することができる。さらなる変形例において、多目的インターフェースソケット300はまた、計測システム上の対応する形状の表面と協働する、表面処理された一以上の接触表面を有しても良い。
【0066】
機械的止め部は、個々の転送点が中心(本事例においては中央の空気圧接続部)に関して点対称に配置しているので、計測デバイス10が多目的インターフェースソケット300に180°回転した異なる二方向にて接続されるように設計される。
【0067】
図2及び3に示される変形例の多目的インターフェースソケット300については、第二信号転送点は第一及び第二の接触点320aを有し、そのそれぞれは複数の接触子a、b、cを有する。これら接触子a、b、cは、電気的(オーミックな)接触子である。さらに、光ファイバー接触子として、二つの信号転送点50b,320bが、任意的に設計される。第一及び第二の接触点320aは互いに離れて配置され、一つの接触点320aの複数の接触子a、b、cは、他の接触点320aの複数の接触子a、b、cに対して、二つの接触点の中心(この場合においては第二流体転送点
320の中心)に関して点対称に位置する。
【0068】
光バリア計測システム10は、直径方向に反対向きの第一及び第二の接触点50a,50bを有する。このようにして、光バリア計測システム10の多目的インターフェースソケット300への接続は、180°回転した異方向にて可能となる。この目的のために、計測システム10の第一及び第二の接触点50a,50bが多目的インターフェースソケット300の第一及び第二の接触点320a,320bとそれぞれ電気的及び光学的に接続するように、計測システム10のジャーナル40がレセプタクル310に挿入される。一つの設計においては、計測デバイス10上及び多目的インターフェースソケット300上の回路基板PCBが、各場合において封止面を形成する。計測デバイス10及び多目的インターフェースソケット300の第一及び第二の接触点50a,50bは、この回路基板PCBにはんだ付けされる。硬質プラスチック製機械式フレーム414が、接触子を取り囲む。回路基板PCBは、詳細には図示されていないが銅トラックを有し、それを介して接触点の付随する接触子が結合し、電気信号/供給電源が中継される。回路基板PCB及び輸送プレート又はハウジング部416は、計測デバイス10及び多目的インターフェースソケット300をシールするように働く。この手法はまた、標準的なバネ接触ピン又は前述の複数ブロックを用いて実行し得る。
【0069】
図4aは、電気的接触点の一つの変形例を図示する。これら電気的接触点は、複数の管状接触ピン400によって形成され、接触ピンはスリーブ404に収めされ、圧縮バネ402によって予め張力が加えられている。個々の接触ピン400はその自由端に接触要素を有する。各電気的接触ピンは、それらを取り囲むプラスチック成型部414によって互いに離れて配置され、プリント回路基板PCBによってハウジング416中の位置に固定される。
【0070】
図4bは異なる変形例のSMT装着接触バネ
440を示し、これは圧縮バネ402によって予め張力が加えられた管状接触ピン400の代わりに使用することができる。
【0071】
図4cは上記の接触場の代わりに、側面図でほぼz形を有するSMT装着接触バネに基づく、シールされた変形例を示す。
図4dは、ゴム成型部410に挿入され、リベット留めされた接触子として実装された接触パッド450を示す。この変形例において接触子は、回路基板PCB上の詳細には図示されていない銅トラックと、側面図でほぼz形の接触バネ455を介して接触する。電気的接触点は、プラスチック成型部414によって取り囲まれている。電気的接触点には、被覆ゴム成型部410による圧縮空気を、容易に吹き付けることができる。これにより、計測デバイス10の多目的インターフェースソケット
300への取り付けの間に、金属切り屑、冷却剤の小滴等が接触点に存在し、又は機械的止め部、電気的接触点、又は流体転送点に損傷を来すことのないことが、保証される。
【0072】
図4eは電気的接触点の他の変形例を図示する。この変形例においては、複数の接触ピン400が圧縮バネ402によって予め張力を加えられ、スリーブ404中に収容される。各接触ピン400は、
図4dの接触パッド450と同様、マッシュルーム形の接触要素406を圧迫部408と共に有する。被覆ゴム成型部410が張力下でこの圧迫部408中に収められ、他の接触ピン400の圧迫部408をまた取り囲む。ゴム成型部410は、その外側の縁412で、下側に曲がっている。電気的接触点は、マッシュルーム形の接触要素406のみが露出するように、外界からシールされる。個々の電気的接触点は、この取り囲んだプラスチック成型部414によって、互いに離れた位置に置かれて固定される。電気的接触点には、被覆ゴム成型部410による圧縮空気を、容易に吹き付けることができる。それ故、計測デバイス10を多目的インターフェースソケット
300に取り付ける間に、接触点又は機械的止め部に金属切り屑が混入する、冷却剤の小滴等が存在するといったことがない。
【0073】
一つの変形例において、多目的インターフェースソケット300又は計測デバイス10の支持構造22は、光バリアシステム中で種々の機能用の加圧流体を供給するために、バルブ600a、スロットル又は減圧弁600b、チェックバルブ600c、フィルターカプセル600d等の空気圧構成要素を含む空気圧制御装置600を有する。多目的インターフェースソケット300が空気圧制御装置600を含むのであれば、空気圧機能それぞれのために、流体転送点が備えられる。
【0074】
例えばこれら機能の一つは、光バリアシステム中の計測光線24のための、空気圧で作動する開閉隔膜である。この開閉隔膜(詳細は、以下の
図5、6の説明参照)は、計測システム10のU形支持構造22の二つの脚18,20の各アタッチメント36,38に取り付けられている(
図1参照)。これら空気圧機能の他のものは、ブローノズル60を有する流体吹き出しデバイスであり(
図1参照)、計測される工具の清掃用、及び計測ブローブアセンブリのプローブ表面清掃用(接触式計測デバイスの場合)に、約2から10バールの清浄化された圧縮空気を、流体吹き出しデバイスからブローブ要素の計測位置及び/又は計測光線の領域中(非接触計測デバイスの場合)へと供給する。さらなる空気圧機能は、光バリアシステムの光伝送器部及び/又は光受信器部中に位置する空気バリアである。
【0075】
多目的インターフェースソケット300は空気圧制御装置600に加えて、光バリアシステムを操作するための制御信号を供給し、光バリアシステムからの計測信号を受信し、光伝送媒体中の計測信号を機械制御装置に伝え、かつ/又は多目的インターフェースソケット中の空気圧制御装置に制御信号を供給するための電気制御装置650を有する。多目的インターフェースソケット300は、電気接続部340及び空気圧接続部350を有する。他の変形例においては、レーザー電子システムはレーザーシステム22中に収容されている。空気圧バルブ用の電気制御装置が、多目的インターフェースソケット300中に収容されている。空気圧バルブ用の電気制御装置はまた、レーザー計測システム10中に収容されていても良い。
【0076】
図1から3で図示された変形例において、計測システム10は、多目的インターフェースソケット300を通じ、空気圧ライン
320を介して供給を受ける。その一つはまた、工具清掃用の圧縮空気を、多目的インターフェースソケット300を介して、計測システム10に位置するブローノズル60に供給する。
図3に示された変形例においては、空気圧バルブは多目的インターフェースソケット300中に収容されている。この場合、三つの空気圧転送
点は同様に、180°回転し得るように設計されている。
【0077】
図5から7は、計測システム用の空気圧開閉ピストン又は開閉隔膜700の一つの変形例を示し、それはレーザー計測部を汚染から防ぐ。そうした開閉ピストンは、アタッチメント36,38のそれぞれに位置する。
図5は閉位置の開閉ピストン700を、
図6は通流位置の開閉ピストン700を示す。
図5及び6は、
図7中のアタッチメントの、
図7中の線A-Aに沿った断面図である。
【0078】
これらタイプのレーザーシステム用の慣用の汚染防止カバーを、容易に取り付けることができる。使用時に存在する汚染物の量の度合い及びシーリング空気の清浄度によっては、汚染防止カバーを除去し、光線の入力/出口点を清掃する必要がある。これは時間集約的で工具を必要とする。ここで提示された開閉ピストン/開閉隔膜700は、計測システム10の回転式、スライド式、バヨネット式接続を用いて、工具なしで除去し取り付けることができる。
【0079】
これら開閉隔膜700によって、計測システムの長い下降時間の間に埃、切り屑、きりもみ潤滑剤等が計測光線用の貫通開口部に入り込む可能性がなくなる。アタッチメント36,38のそれぞれは、特定のアタッチメント36,38を対応する脚18,20に取り付けるための、時計回り及び反時計回りに締り得るバヨネット式連結器702を有する。このバヨネット式連結器702は、レーザー光線が出入りし得る貫通開口部704を取り囲む。シーリング空気がまた、この貫通開口部を通じて導入される。貫通開口部704は、長手方向と垂直の閉塞チャンネル706を有し、円錐形の固定ジャーナル708が長手方向に変位可能な形で収容されている。固定ジャーナル708は、その下端に環状カラー710を有し、それに対して、外部から封鎖されたバネチャンバー712中に存在する圧縮バネ714が下側に作動し、固定ジャーナル708をその閉位置(
図5)へと押圧する。環状カラー710はその上部側面に、圧力チャンバー718の範囲を定めるシーリングリング716を有する。この圧力チャンバー718は、対応する脚18,20の対応する接続部と連絡する流体チャンネル720を有し、多目的インターフェースソケット300からの圧縮空気を制御された方法で圧力チャンバー718に導入し、又はそこからの圧縮空気を開放する。
【0080】
固定ジャーナル708は、バネチャンバー712から側面出口724に延びる中央チャンネル722を有する。圧力チャンバー718中の圧縮空気が固定ジャーナル708を閉位置から通流位置へと押し出すと、バネチャンバー712中の空気が圧縮されて不都合である。外界に開いたバネチャンバー712は、切り屑、埃等の侵入のリスクを必然的に伴う。それ故、固定ジャーナル708がその閉位置に留まる時、バネチャンバー712は固定ジャーナル708を通じて貫通開口部704に通気される。上方のシールは、約1mm移動後に閉塞チャンネル706の円筒部分を残す。その結果、閉塞チャンネル706中で固定ジャーナル708の周りに環状の隙間730が形成され、バネチャンバー712から貫通開口部704に空気を逃がすことができる。開閉隔膜700が開の時、この貫通開口部704には対応する脚18,20からの圧縮空気が供給される。圧縮空気は貫通開口部704を通じて逃がされ、同様に切り屑、埃等の侵入を防ぐことができる。こうして、計測光線の貫通開口部704もまた閉塞位置にてシールされ、通流位置にて開放されて、光バリアシステムの光伝送器部又は光受信器部で保護/開閉デバイスに圧縮空気が供給され、妨害物質が侵入し得る余地なしに、計測光線がその通路開口部で出入りできる。他の変形例においては、ニュートラル位置にある内部ベントチャンネルがシールに挿入されて、固定ジャーナル708の短い円筒状末端によってバルブ部が形成される。固定ジャーナル708が短い経路を移動した後、ベントチャンネルがシールによってそのニュートラル位置から自由にされ、バネチャンバー712から貫通開口部704に空気を逃がすことができる。開閉隔膜700が開の時、この貫通開口部704には同様に対応する脚18,20からの圧縮空気が供給される。貫通開口部704を通じて圧縮空気を逃がし、同様に切り屑、埃等の侵入を防ぐことができる。
【0081】
二つの脚18,20において、それぞれのアタッチメント36,38の間には、計測システム10の開閉ピストン700及びU形支持構造22と共に、シール800が存在する。このシール800は一方でアタッチメント36,38の光線貫通開口部及びシーリング空気開口部704を取り囲み、他方で光線貫通開口部704と半径方向に分岐して流体チャンネル720を取り囲み、流体チャンネルは圧縮空気用の対応する空気圧接続部と通じている。さらにシールは、計測システム10の操作状態を表示するための光ファイバー810を取り囲む。
【0082】
シール800はゴム成型部品として設計され、公差の補償、汚染物に対する封止、及び空気圧転送のための封止に使用される。ある態様(例えばバヨネット又は蟻継ぎ)では弾性のある要素が要求されるため、ここでの公差の補償は、汚染防止カバー固定の様々な変形例に関連する。シール800のシーリング部802は、アタッチメントの回転位置をその使用位置に固定するための戻り止め要素として用いられる。アタッチメントを光線貫通開口部704の周りにひねった場合、このシーリング部802は、U形支持構造22の二つの脚18,20の直径方向に反対の形の溝(詳細には図示されていない)に固定するためバヨネット式固定と噛み合い、アタッチメントの位置を特定の脚18,20に固定する。使用位置におけるこのシーリングウエブと溝との噛み合いによって、アタッチメントにおける汚染防止カバーの正確な取り付けが保証される。
【0083】
図8では、そうした戻り止め要素のさらなる変形例として、金属シリンダー850が提示されている。金属シリンダーはU形支持構造22の二つの脚18,20における溝860中へと、ゴム成型部800によって押し込まれ、ここでゴム成型部は圧縮バネとして作用する。これによって、上記の変形例におけるよりもかなり十分な固定がもたらされる。
【0084】
一つの変形例においては、ここで提示されたシールは異なった断面形状を有する。これによって、接触圧力の異なる領域が生じる。これによって、たとえ回転式、スライド式又は戻り止め接続によってアタッチメントが非対称に固定された際にも、支持構造のハウジング表面との均一な接触が達成される。
【0085】
図1及び
図5から7に示すように、光線貫通開口部はアタッチメント中に、アタッチメントがレーザー計測部に取り付けられた状態において、光線貫通開口部が多目的インターフェースソケット300の下端に対するよりも、レーザー計測部10の支持構造22の特定の脚の自由上端に近くなるように位置する。アタッチメントは、上端に近い側面に、傾斜した外径又は
壁を有する。
図5及び6に示すように、
図1中の一点鎖線で示される円形経路FKを有する工具がレーザー光線
24に十分達し得るよう、アタッチメントは、湾曲した輪郭によって傾斜した上方の壁によって先細りとなる。
【0086】
計測システムは光バリア計測システム中に、詳細には図示していないが、光伝送器及び光受信器を有する。光伝送器から光受信器に(レーザー)光線を形成しかつ集中させるための光学レンズ構成が、光伝送器に付随している。ここでの光受信器は、光学レンズ構成なしで設計され、保護ガラス及びピンホール隔膜のみを有する。
図9は、光学レンズ構成がレンズマウント900に収容された、複数の変形例の内の一つを示す。レンズマウント900は、円筒状の外側スリーブ902及び円筒状の内側スリーブ904を有する。レンズ構成906は内側スリーブ904に挿入され、内側スリーブは外側スリーブ902によって取り囲まれる。レンズマウント900はレンズ構成と共に、光伝送器の壁に収容される。光受信器中に、レンズの代わりに光学的に非活性な保護ディスクが挿入される。内側スリーブ904は、レンズ構成906を幾何学的に固定する。内側スリーブはまた、光線の範囲を定めるために隔膜908を有する。
【0087】
図9に示す変形例においては、外側スリーブ902は内側スリーブ904に比べて堅く、寸法が安定しており、一方で内側スリーブ904は、外側スリーブ902中に挿入する際に弾性的又は可塑的に変形する。この目的のために、レンズのマウントは反りのある設計を有し、凸状に反れた断面を有するリングが、その場所に近い特定のレンズを締める。その中心において、リングは最大の直径を有し、それによって外側スリーブ902の内壁を押し付ける。内側スリーブ904は、マウントの反りによって変形し得る。弱化/膨張区域910,912がこうして実装され、内側スリーブ及び/又は外側スリーブの内周及び外周に分布する、外側又は内側へと半径方向に容易に配向する押圧点として設計される。
【0088】
レンズ構成のレンズは、内側スリーブ904中に挿入される。外側スリーブ902の内側断面と内側スリーブ904の外側断面とは、外側スリーブが内側スリーブをレンズに対して半径方向に押し付けるように、互いの寸法に合わせて作られる。
【0089】
図10は、別個のシールの代わりに内側スリーブに全体として形成されたシーリングリップを備えた変形例を示す。この変形例においては、レンズ構成906の各レンズは別々の内側スリーブ904a,904bを有する。この場合、外側スリーブ中のレンズの空間配置によって、互いの相対的な位置が決定される。光線の範囲を定めるための隔膜908はまた、外側スリーブ中に別個に挿入されても良く、また、内側スリーブの一部であっても良い。
【0090】
外側スリーブ902は、約8°のベベル角度を有する挿入ベベル914を有する。これによって、外側スリーブを内側スリーブ上にスライドさせることが容易となる。図示された変形例においては、内側及び外側スリーブは、可塑的及び弾性的に変形し得る異なった部分と共に、強度及び柔軟性の異なるプラスチックで作られる。プラスチックの代わりに、アルミニウム又は他の材料を用いても良い。他の変形例においては、レンズと内側スリーブの間及び内側スリーブと外側スリーブの間に、又は二つのレンズの内の一つと外側スリーブ902との間に、追加的に挿入されたゴム若しくはプラスチック製のシーリング要素、又は接着剤が備えられる。
【0091】
下記の変形例、並びにその設計及び操作上の態様は、その構造、操作モード、及び特性を単により良く理解するために用いられたものであり、例えば模範的な態様についての開示を限定するものではない。図は時には概要であり、機能、操作基準、技術態様、及び特徴を明確にするために、重要な特性及び効果が時にはかなり拡大されて図解されている。図又は文中で開示されたいかなる操作モード、いかなる基準、いかなる技術態様、及びいかなる特徴も、いかなる請求項、文中及び他の図中の如何なる特徴、この開示に含まれる他の操作モード、基準、技術態様、及び特徴又はそれらの結果と自由かつ任意に結び付けることができ、それ故、考え得る組み合わせは全て記載された変形例に付随し得る。加えて、本文中の個々の表現の組み合わせ、すなわち本文中、特許請求の範囲中のいかなる部分、並びに本文、特許請求の範囲、及び図中の種々の変形例の組み合わせもまた、包含される。さらに、特許請求の範囲は開示を、それ故、表現されたいずれかの特徴を互いに組み合わせた選択肢を、限定することはない。開示された全ての特徴はまた、単独で及び他の全ての特徴と組み合わせてここに明白に開示されている。