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特許7210204変化する接触感度を有する接触及び形状センサに対応したロボット、及び、ロボットを提供するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】変化する接触感度を有する接触及び形状センサに対応したロボット、及び、ロボットを提供するための方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20230116BHJP
   B25J 19/02 20060101ALI20230116BHJP
【FI】
B25J13/08 Z
B25J19/02
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018180908
(22)【出願日】2018-09-26
(65)【公開番号】P2019059015
(43)【公開日】2019-04-18
【審査請求日】2020-06-05
(31)【優先権主張番号】62/563,595
(32)【優先日】2017-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/913,603
(32)【優先日】2018-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518102470
【氏名又は名称】トヨタ リサーチ インスティテュート,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー アルスパッチ
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル エル.テッドレイク
(72)【発明者】
【氏名】クニマツ ハシモト
(72)【発明者】
【氏名】エリク シー.ソベル
【審査官】國武 史帆
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-061223(JP,A)
【文献】特開2008-149443(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1586665(KR,B1)
【文献】特開2017-096782(JP,A)
【文献】特開2012-042220(JP,A)
【文献】特開2005-257343(JP,A)
【文献】特開2010-221358(JP,A)
【文献】特開2013-205131(JP,A)
【文献】HRISTU et al.,The Performance of a deformable-membrane tactile sensor: basic results on geometrically-defined tasks,Proceedings of the 2000 IEEE International Conference on Robotics & Automation,2000年04月24日,pages 508-513
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
G01L 1/00
1/24
5/00 - 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触感度を有するロボットであって、
物体と関連付けられた姿勢及び力を検出するために、深さ分解能及び空間分解能の異なるレベルを有する複数の変形可能なセンサであって、変形可能なセンサのそれぞれは、
筐体及び変形可能な膜を含み、前記筐体及び前記変形可能な膜によって規定される空間が媒体で満たされるように構成される容器と、
前記容器の内部の前記媒体内に配置され、前記変形可能な膜の底面に向けられるように構成される視野を有する深度カメラと、を含む、変形可能なセンサと、
前記複数の変形可能なセンサのうち少なくとも一つの変形可能なセンサをそれぞれ含む第1部分及び第2部分と、
を含む、ロボット。
【請求項2】
前記物体との接触の結果として前記変形可能な膜の接触領域を分析し、前記物体の姿勢、及び、前記変形可能な膜と前記物体との間に加えられる力の量の両方を決定するように構成されるプロセッサをさらに含む、請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
記変形可能な膜は、前記筐体の上部に結合する、
前記第1部分及び前記第2部分は、重なり合っていない、
前記変形可能なセンサのうち少なくとも一つは、ロボットに取り付けるためのクランプ機能を含む、
前記第1部分は、前記第2部分を上回る集合空間分解能を提供するように構成される、
前記変形可能なセンサのうち少なくとも一つは、複数の深度カメラを含む、又は、
前記第1部分は、前記複数の変形可能なセンサの第1サブセットを含む、請求項1に記載のロボット。
【請求項4】
前記第2部分は、前記複数の変形可能なセンサの第2サブセットを含む、又は、
前記変形可能なセンサのうち少なくとも二つは、大きさが異なる、請求項3に記載のロボット。
【請求項5】
前記第1部分は、第2ロボットの一部と同時に連携して前記物体と相互に作用するように構成され、前記ロボットの前記第1部分の集合空間分解能は、前記第2ロボットの前記部分と等しい、又は、
前記第1部分は、
前記第1部分の変形可能なセンサの数量と、
前記第1部分の変形可能なセンサのそれぞれから取得される空間分解能と、
に基づいて、前記第2部分を上回る集合空間分解能を提供するように構成される、請求項1に記載のロボット。
【請求項6】
前記第1部分の変形可能なセンサの深さ分解能又は空間分解能は、前記プロセッサによって受信され、前記第1部分が相互に作用する物体に関する柔軟値に基づいて構成され、
前記第2部分の変形可能なセンサの深さ分解能又は空間分解能は、異なる柔軟値を有する複数の物体と相互に作用するように構成される前記第1部分及び前記第2部分に基づいて、前記第1部分の変形可能なセンサの前記対応する深さ分解能又は空間分解能と異なるように構成される、請求項2に記載のロボット。
【請求項7】
接触感度を有するロボットであって、
複数の変形可能なセンサのうち少なくとも一つをそれぞれ含む第1部分及び第2部分であって、
前記複数の変形可能なセンサは、物体と関連付けられた姿勢及び力を検出するために、深さ分解能及び空間分解能の異なるレベルを含み、
前記複数の変形可能なセンサのそれぞれの変形可能なセンサは、
筐体及び変形可能な膜を含み、前記筐体及び前記変形可能な膜によって規定される空間が媒体で満たされるように構成される容器と、
前記容器の内部の前記媒体内に配置され、前記媒体の中を通って前記変形可能な膜の底面に向けられるように構成される視野を有する深度カメラと、を含む、第1部分及び第2部分と、
前記物体との接触の結果として前記変形可能な膜の接触領域を分析し、前記物体の姿勢、及び、前記変形可能な膜と前記物体との間に加えられる力の量の両方を決定するように構成されるプロセッサと、
を含む、ロボット。
【請求項8】
前記第1部分の変形可能なセンサの深さ分解能又は空間分解能は、前記プロセッサによって受信され、且つ、前記第1部分と相互に作用する物体に関する柔軟値に基づいて構成され、前記第2部分の変形可能なセンサの深さ分解能又は空間分解能は、異なる柔軟値を有する複数の物体と相互に作用するように構成される前記第1部分及び前記第2部分に基づいて、前記第1部分の変形可能なセンサの前記対応する深さ分解能又は空間分解能と異なるように構成される、又は、
前記第1部分は、
前記第1部分の変形可能なセンサの数量と、
前記第1部分の変形可能なセンサのそれぞれから取得される空間分解能と、
の少なくとも一つに基づいて、前記第2部分を上回る集合空間分解能を提供するように構成される、請求項7に記載のロボット。
【請求項9】
少なくとも一つの深度カメラは、ToF(Time of Flight)センサを含む、請求項7に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2017年9月26日に出願された米国特許仮出願第62/563,595号の利益を主張するものであり、当該仮出願は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0002】
ここに記載されている実施形態は、広く接触センサに関連し、特に、物体の接触及び形状を検出する能力を有する、変形可能な接触及び形状/姿勢センサに関連する。実施形態は、変形可能な接触及び形状センサを組み込んだ、変化する接触感度を有するロボットにも関連する。変形能(deformability)は、例えば、変形可能なセンサの変形を軽減することに言及してよい。空間分解能は、例えば、変形可能なセンサが有している画素数に言及してよい。画素数は、1(例:対象物体との接触を単に検出するセンサ)から1000又は100万(例:数千の画素を有するToF(Time of Flight)センサによって提供される高密度センサ)又は任意の適切な数に及んでよい。変形能は、変形可能な膜が対象物体に接触したときの変形しやすさに言及してよい。変形可能なセンサは、高い空間分解能であってよく、ロボットのエンドエフェクタとして提供される高密度触覚感知センサを有し、それによって、人間の指のような繊細な触覚をロボットに与える。変形可能なセンサは、センサへ向かう動き及びセンサから離れる動きを測定するために深さ分解能を有してもよい。
【背景技術】
【0003】
接触センサは、ある物体が他の物体と物理的に接触しているか否かを決定するために使用される。例えば、ロボットは、ロボットの一部が物体と接触しているか否かを決定するために、頻繁に接触センサを使用する。ロボットの制御は、その結果、一つ以上の接触センサからの信号に少なくとも部分的に基づいてよい。
【発明の概要】
【0004】
一つの実施形態において、接触感度を有するロボットは、物体と関連付けられた姿勢及び力を検出するために、深さ分解能及び空間分解能の異なるレベルを有する複数の変形可能なセンサを含んでよい。変形可能なセンサのそれぞれは、変形可能な膜を含む容器を有してよく、容器は、媒体で満たされるように構成される。変形可能なセンサのそれぞれは、容器の内部に配置され、変形可能な膜の底面に向けられるように構成される視野を有する光学センサをさらに含んでよい。ロボットは、複数の変形可能なセンサのうち少なくとも一つの変形可能なセンサをそれぞれ含む第1部分及び第2部分を含んでもよい。
【0005】
他の実施形態において、接触感度を有するロボットは、複数の変形可能なセンサのうち少なくとも一つをそれぞれ含む第1部分及び第2部分を含んでよい。複数の変形可能なセンサは、物体と関連付けられた姿勢及び力を検出するために、深さ分解能及び空間分解能の異なるレベルを含んでよい。複数の変形可能なセンサのそれぞれは、変形可能な膜を含む容器を含んでよく、容器は、媒体で満たされるように構成される。変形可能なセンサのそれぞれは、容器の内部に配置され、媒体の中を通って変形可能な膜の底面に向けられるように構成される視野を有する内界センサをさらに含んでよい。ロボットは、物体との接触の結果として変形可能な膜の接触領域を分析し、物体の姿勢、及び、変形可能な膜と物体との間に加えられる力の量の両方を決定するように構成されるプロセッサをさらに含んでもよい。
【0006】
ここに記載されている実施形態によって提供されるこれらの及び付加的な特徴は、以下の詳細な記述を図面と共に考慮して、より十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面に記述されている実施形態は、本質的に例示的かつ典型的なものであり、特許請求の範囲によって定義される主題を限定することを目的としていない。例示的な実施形態の以下の詳細な記述は、以下の図面と共に読むときに理解され得る。類似する構造は、類似する参照番号によって示される。
図1】ここで記載及び説明される一つ以上の実施形態による、変形可能なセンサの一例の正面図を図式的に表現する。
図2】ここで記載及び説明される一つ以上の実施形態による、図1によって表現される変形可能なセンサの一例の上面斜視図を図式的に表現する。
図3】ここで記載及び説明される一つ以上の実施形態による、変形可能なセンサで使用されるToFセンサの一例を図式的に表現する。
図4】ここで記載及び説明される一つ以上の実施形態による、電子ディスプレイ上の変形可能なセンサの出力を表現する画像である。
図5】ここで記載及び説明される一つ以上の実施形態による、変形可能なセンサの変形可能な膜に結合しているフィルタ層を図式的に表現する。
図6】ここで記載及び説明される一つ以上の実施形態による、変形可能なセンサの視野の内部のフィルタを図式的に表現する。
図7】ここで記載及び説明される一つ以上の実施形態による、変形可能なセンサの変形可能な膜の底面上の模様を図式的に表現する。
図8】ここで記載及び説明される一つ以上の実施形態による、それぞれ変形可能なセンサを有し物体を操作する二つのロボットの一例を図式的に表現する。
図9】ここで記載及び説明される一つ以上の実施形態による、空間分解能及び深さ分解能を変化させる複数の変形可能なセンサを有するロボットの一例を図式的に表現する。
図10】ここで記載及び説明される一つ以上の実施形態による、複数の内界センサを有する複合内界センサを図式的に表現する。
図11】ここで記載及び説明される一つ以上の実施形態による、変形可能なセンサと接触する物体と関連付けられた姿勢及び力を決定する典型的な手順を表現するフローチャートである。
図12】ここで記載及び説明される一つ以上の実施形態による、さまざまな手順及びシステムを実行するために一つ以上の装置で利用される計算ハードウェアを説明するブロック図である。
図13】ここで記載及び説明される一つ以上の実施形態による、さまざまな手順及びシステムを実行するために一つ以上のロボットで利用されるハードウェアを説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
人間として、我々の触覚は、物体の形状をその物体を見ることなく決定することを我々に可能にする。さらに、我々の触覚は、物体を適切に握り保持する方法に関する情報を提供する。我々の指は、腕等の身体の他の部分よりも接触をより感知できる。これは、我々が手で物体を操作するためである。
【0009】
ロボットもまた、ある仕事を実行するように構成されるエンドエフェクタを備える。例えば、ロボットアームのエンドエフェクタは、人間の手のように又は二本の指の把持部のように構成されてよい。しかしながら、ロボットは、人間が有するような接触感度の変化するレベルを有しない。エンドエフェクタは、圧力センサのようなセンサを含んでよいが、そのようなセンサは、エンドエフェクタと接触している物体に関する限定された情報を提供するに過ぎない。このように、ロボットは、大きすぎる力を使用することによって対象物体に損傷を与えるか、物体を適切に握らないため、物体を落下させることがある。
【0010】
さらに、いくつかの応用においては、変形可能な/対応する(compliant)エンドエフェクタが好ましいだろう。例えば、変形可能なエンドエフェクタは、ロボット-人間の相互作用において好ましいだろう。さらに、変形可能な/対応するエンドエフェクタは、ロボットが壊れやすい物体を操作するときに好ましいだろう。
【0011】
本開示の実施形態は、変形可能な/対応する、接触及び/又は形状センサ(以下、「変形可能なセンサ」)に向けられる。変形可能なセンサは、対象物体との接触を検出するだけでなく、対象物体の形状、姿勢及び接触力を検出する。特に、ここに記載されている変形可能なセンサは、筐体と結合している変形可能な膜を含み、筐体は、物体との接触による変形可能な膜の移動を検出する能力を有するセンサを維持する。ここに記載されている変形可能なセンサは、変形可能な膜に加えられる圧力又は力を検出するだけでなく、物体の形状及び姿勢を検出することができる。このように、ここに記載されている変形可能なセンサは、物体を操作するときに、ロボット(又は他の装置)に触覚を提供する。
【0012】
ここで図1及び図2を参照すると、変形可能なセンサ100の一例が図式的に説明される。図1は、変形可能なセンサ100の一例の正面図であり、図2は、変形可能なセンサ100の一例の上面斜視図である。図1及び図2は、異なる実施形態を表現する。変形可能なセンサ100の一例は、一般に、筐体110と、筐体110の上部111の近く等で筐体110に結合する変形可能な膜120とを含む。筐体110及び変形可能な膜120は、一つ以上の開口部(passthrough)112の中を通った媒体で満たされる容器113を規定する。開口部112は、バルブ又はその他の適切な機構であってよい。開口部112は、容器を満たす又は空にするために利用されてよい。一例において、媒体は空気等の気体である。このように、空気は、変形可能な膜120が図1に示すドーム形状を形成する等の望ましい圧力まで容器113に注入されてよいが、他の実施形態において、任意の適切な形状が使用されてよい。他の例において、媒体は、シリコン又は他のゴム状の物質等のゲルである。いくつかの実施形態において、固形シリコン等の物質は、変形可能なセンサ100の組み立ての前に与えられた形状に成形されてよい。さまざまな実施形態において、媒体は、ToFセンサの波長に対して等、内界センサ(以下においてより詳細に説明される)に対して透過的な何らかのものであってよい。いくつかの実施形態において、媒体は、透明な/透過的なゴムを含んでよい。他の実施形態において、媒体は、液体であってよい。いくつかの例において、変形可能な膜120及び容器113の内部の媒体は、シリコン等の同一の材料によって作り上げられてよいが、シリコンに限定されるものではない。いくつかの実施形態において、変形可能なセンサ100は、取り付け可能であってよい。例えば、容器113は、任意の適切な物体(ロボット等)又は材料に取り付けられるブラケットを含んでよい。変形可能な膜120は、好ましくは薄く、通気性がなく、ゴム状の材料等の、ラテックス又はその他の適切な材料であってよい。
【0013】
変形可能なセンサ100の変形能は、変形可能な膜120の材料及び/又は容器113の内部の圧力を変更することによって調整/修正されてよい。より柔らかい材料(例:柔らかいシリコン)を使用することにより、変形可能なセンサ100は、より容易に変形されてよい。同様に、容器113の内部の圧力を低下させることも、変形可能な膜120をより容易に変形させる原因となり、同様にしてより変形可能なセンサ100を提供してよい。
【0014】
深さを感知する能力を有する内界センサ130は、容器113の内部に配置されてよく、深さは、内界センサ130の深さ分解能によって測定されてよい。内界センサ130は、媒体の中を通って変形可能な膜120の底面に向けられた視野を有してよい。いくつかの実施形態において、内界センサ130は、光学センサであってよい。以下により詳細に記載されるように、内界センサ130は、変形可能な膜120が物体と接触した状態になったときに変形可能な膜120の変位を検出する能力を有してよい。一例において、内界センサ130は、深さを測定する能力を有するToFセンサである。ToFセンサは、光信号(例:赤外線信号)を放射し、反射した信号がセンサに戻るまでに経過した時間を検出する個々の検出器(すなわち「画素」)を有する。ToFセンサは、任意の望ましい空間分解能を有してよい。画素の数が多いほど、空間分解能は高くなる。内界センサ130の内部に配置されたセンサの空間分解能は、変化してよい。いくつかの場合において、低い空間分解能(例:一つの点の移動を検出する一つの「画素」)が望ましいことがある。他の場合において、精度が高いToFセンサは、高密度に触覚感知を提供する高い空間分解能の内界センサ130として使用されてよい。このように、センサは応用に応じて変化してよいため、内界センサ130は、モジュール式であってよい。いくつかの実施形態において、空間分解能及び/又は深さ分解能を変化させることに起因して、ロボットは、接触感度を変化させることを特徴とする。
【0015】
図3は、ToFセンサの一例を表現する。ToFセンサの非限定的な例は、ドイツ、ジーゲンのPMD Technologies社により販売されるPico Flexxである。視覚内界センサの他の種類は、非限定的な例として、ステレオカメラ、レーザ式距離センサ、Structured Light方式センサ/3Dスキャナ、単一カメラ(内部にドット又は他の模様を有する等の)又は視覚検出器のその他の適切な種類を含む。例えば、内界センサ130は、物体の近くの変形可能な膜120の変位を検出する能力を有するステレオカメラとして構成されてよい。
【0016】
いくつかの実施形態において、内界センサ130の任意の適切な数量及び/又は種類は、一つの変形可能なセンサ100の内部で利用されてよい。いくつかの例において、変形可能なセンサ100の内部の全ての内界センサ130が、同一の種類である必要はない。さまざまな実施形態において、一つの変形可能なセンサ100は、空間分解能が高い一つの内界センサ130を利用してよく、他の変形可能なセンサ100は、低い空間分解能をそれぞれ有する複数の内界センサ130を使用してよい。いくつかの実施形態において、変形可能なセンサ100の空間分解能は、内界センサ130の数量の増加に起因して増加してよい。いくつかの例において、変形可能なセンサ100の内部の内界センサ130の数量の減少は、少なくともいくつかの残りの内界センサ130の空間分解能の対応する増加によって相殺され得る。以下においてより詳細に説明されるように、集合変形分解能(aggregate deformation resolution)は、ロボットの一部の変形可能なセンサ100の中の変形分解能又は深さ分解能の機能として測定されてよい。いくつかの実施形態において、集合変形分解能は、ロボットの一部の変形可能なセンサの数量と、その部分の変形可能なセンサのそれぞれから取得される変形分解能とに基づいてよい。
【0017】
図1を再度参照すると、電線管114は、USB(Universal Serial Bus)、又は、電力及び/又は信号/データ接続のその他の適切な種類のための電線管を経由して、内界センサ130に電力及び/又はデータ/信号を提供するために、容器113の中で利用されてよい。ここで使用されるように、密閉した電線管は、空気又はその他の流体(液体等)が通過できない通路の任意の種類を含んでよい。この例において、密閉した電線管は、密閉した電線管のそれぞれの端部において電線/ケーブルの周囲に形成された密閉シールによって、固体の物体(電線/ケーブル等)が貫通することができる通路を提供してよい。他の実施形態は、データ及び/又は電力を送信及び/又は受信するために無線内界センサ130を利用した。媒体が気体でない、シリコン等のさまざまな実施形態において、容器113及び/又は電線管114は、必ずしも密閉されなくてよい。
【0018】
いくつかの実施形態において、内界センサ130は、媒体の中を通って変形可能な膜120の全体的な変形を検出するために利用される一つ以上の内界圧力センサ(気圧計、圧力センサ等、又は、それらの任意の組み合わせ)を含んでよい。いくつかの実施形態において、変形可能なセンサ100及び/又は内界センサ130は、上で説明した電線管114の中を通る等により、さまざまなデータ、無線データ伝送(Wi-Fi(Wireless Fidelity)、Bluetooth等)又はその他の適切なデータ通信プロトコルを受信/送信してよい。例えば、変形可能なセンサ100の内部の圧力は、加圧パラメータによって特定されてよく、変形可能なセンサ100の変形能に反比例してよい。いくつかの実施形態において、変形可能なセンサ100の変形能は、容器113の内部の圧力又は変形可能な膜120の材料を変更することによって、修正されてよい。いくつかの実施形態において、更新されたパラメータ値の受信は、リアルタイムの又は遅延した更新をもたらしてよい(加圧等)。
【0019】
図4は、変形可能なセンサ100の一例の変形可能な膜120を移動させる物体215の一例の画像を表現する。説明される実施形態において、表示装置140は、物体215が変形可能な膜120に接触する及び/又は変形可能な膜120を変形させると同時に、変形可能なセンサ100の出力を装置上の表示のために出力する。表示装置140は、例示目的としてのみ提供され、実施形態は、表示装置なしで利用されてよいと理解されるべきである。物体215が変形可能な膜120に押し付けられると、物体215は、変形可能な膜120が物体215の形状に一致するように、その形状を変形可能な膜120に伝える。内界センサ130の空間分解能は、内界センサ130が移動した変形可能な膜120の形状及び/又は姿勢を検出することであってよい。例えば、内界センサ130がToFセンサであるとき、物体によってゆがめられた変形可能な膜120の底面で反射された光信号は、ゆがめられた領域の外側の領域で変形可能な膜120によって反射される光信号より短いToFを有する。このように、物体215の形状に合致する形状及び/又は姿勢を有する接触領域142(又は、ここでは同じ意味で移動領域が使用される)は、表示装置140に出力され表示されてよい。
【0020】
変形可能なセンサ100は、したがって、物体215との接触の存在を検出するだけでなく、物体215の形状を検出してよい。この方法において、変形可能なセンサ100を備えるロボットは、物体との接触に基づいて物体の形状を決定してよい。加えて、物体215の形状及び/又は姿勢は、変形可能なセンサ100によって感知される幾何学的な情報に基づいて決定されてもよい。例えば、接触領域142内の表面に垂直なベクトル144は、物体215の姿勢が決定したとき等に表示されてよい。ベクトル144は、例えば、特定の物体215がどちらの方向を向いているかを決定するために、ロボット又は他の装置によって使用されてよい。
【0021】
ここで図5を参照すると、いくつかの実施形態において、任意的なフィルタ層123は、変形可能な膜120の底面121に配置されてよい。以下により詳細に記載され、図7に示されるように、変形可能な膜120の底面121は、非限定的な例として、移動を検出するステレオカメラによって検出される模様(例:格子模様122、ドット模様又はその他の適切な種類の模様)がつけられていてよい。フィルタ層123は、内界センサ130が変形可能な膜120の変形を検出することを補助するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、フィルタ層123は、内界センサ130によって放射される一つ以上の光信号のグレア又は不適切な反射を減少させる。いくつかの実施形態において、フィルタ層123は、内界センサ130により放射される一つ以上の光信号を散乱させてよい。フィルタ層123は、変形可能な膜120の底面121に固定された付加的な層であってよく、又は、変形可能な膜120の底面121に適用されるコーティング及び/又は模様であってよい。
【0022】
図6を参照すると、内界センサフィルタ135は、内界センサ130の視野132の内部に配置されてよい。内界センサフィルタ135は、内界センサ130によって放射される光信号を、変形可能な膜120の底面121上における反射のために最適化してよい。フィルタ層123と同様に、内界センサフィルタ135は、内界センサ130の視野132の内部に配置され、内界センサ130によって放射される任意の光信号のグレア又は不適切な反射を減少させてよい。いくつかの実施形態において、内界センサフィルタ135は、内界センサ130によって放射される一つ以上の光信号を散乱させてよい。いくつかの実施形態において、内界センサフィルタ135及びフィルタ層123の両方が利用されてよい。
【0023】
ここで図7を参照すると、格子模様122は、変形可能な膜120の変形の検出を支援するために、変形可能な膜120の底面121に適用されてよい。例えば、格子模様122は、内界センサ130がステレオカメラのときに、変形の検出を支援してよい。例えば、格子模様122のひずみが変化する度合いは、どれだけ変形が生じているかを理解するために利用されてよい。この例において、格子模様122における平行線の間の距離及び/又は線の曲率の測定は、格子の各点におけるひずみの量を決定するために使用されてよい。実施形態は格子模様に限定されず、ドット、輪郭等の模様の他の種類であってもよいことが理解されるべきである。底面121の模様はランダムであってよく、必ずしも格子模様122又は図7に示される配列のように配置されてなくてよい。
【0024】
図8は、第1の変形可能なセンサ100aを有する第1のロボット200aの非限定的な一例及び第2の変形可能なセンサ100bを有する第2のロボット200bの一例を図式的に表現する。この説明された例において、第1のロボット200a及び第2のロボット200bは、二本のアームの操作のために協力し、第1の変形可能なセンサ100a及び第2の変形可能なセンサ100bの両方は、物体215に接触する。上記のように、ここに記載されている変形可能なセンサ100は、物体を操作するためのロボットのエンドエフェクタとして使用されてよい。変形可能なセンサ100は、変形可能な膜120の柔軟な性質に起因して、ロボットが壊れやすい物体215を扱うことを許してよい。さらに、いくつかの実施形態において、変形可能な膜120は手触りが固い(変形不可能又はそれに近い)よりはむしろ柔らかい及び/又は柔軟/変形可能であってよいため、変形可能なセンサ100は、ロボットと人間との接触のために役に立つかもしれない。
【0025】
形状及び姿勢の推定に加えて、変形可能なセンサ100は、ロボット200a(又は他の装置)がどれだけの力を対象物体215に働かせるかを決定するために使用されてよい。言及は第1のロボット200aについてなされるが、そのような言及は、いくつかの実施形態において、第2のロボット200b、その他の適切な装置、及び/又はそれらの任意の組み合わせを利用してよい。この情報は、物体215をより正確に握るためにロボット200aによって使用されてよい。例えば、変形可能な膜120の移動は、モデル化されてよい。変形可能な膜120の移動のモデルは、対象物体215にどれだけの力が加えられるべきかを決定するために使用されてよい。変形可能な膜120の移動によって測定される決定された力は、より正確に物体215を握るようにロボット200aを制御するために使用されてよい。一例として、ロボット200a(以下においてより詳細に説明する)が壊れやすい物体215に加える力の量は、ロボット200aが壊れやすい物体215を壊さないために重要であるかもしれない。いくつかの実施形態において、物体215は、柔軟値(又は脆弱値)が割り当てられてよく、ロボット200aは、柔軟値(プロセッサにおいて、例えばデータベース、サーバ、ユーザ入力等から受信されてよい)に基づいて全ての物体215と相互に作用するようにプログラムされてよい。いくつかの実施形態において、ユーザインタフェースは、初期化及び/又は更新のために任意の適切な値(図1の変形可能なセンサ100の内部の圧力、物体215に関する柔軟値、等)を指定するために提供されてよい(図4の140、図12の1204で表現される表示装置において、等)。他の実施形態において、ロボット200aは、特定の物体215を識別することができてよく(視覚システムにおける物体認識を経由して、等)、それによって柔軟値は修正されてよく、それは、より適切な変形能、集合空間分解能、深さ分解能、圧力及び/又は変形可能な膜120のための材料を有する他の変形可能なセンサ100の利用に導いてよい。いくつかの実施形態において、ロボット200aのプロセッサは、内界センサ130から接触領域142を示すデータを受信してよい。さまざまな実施形態において、ロボット200aのプロセッサは、接触領域142を示すデータに基づいて物体215の表面に垂直にベクトル144を決定し、物体215が向いている方向を決定するためにベクトル144を利用してよい。
【0026】
実施形態において、複数の変形可能なセンサは、ロボット200のさまざまな位置に提供されてよい。図9は、異なる位置に複数の変形可能なセンサ100、100´及び100´´を有するロボット200の一例を表現する。変形可能なセンサ100は、ロボット200のエンドエフェクタとして動作し、高い空間分解能及び/又は深さ分解能を有してよい。いくつかの実施形態において、変形可能なセンサ100の変形能は、変形可能な膜120の材料と、変形可能なセンサ100の内部の内部圧力とのいくつかの組み合わせの機能であってよい。いくつかの実施形態において、変形可能なセンサ100は、クランプ又は他の適切な取り付け機構を有してよい。例えば、変形可能なセンサ100は、ロボット200に、及び/又は、変形可能なセンサ100の取り付け及び/又は取り外しを提供するための特徴を有するロボット200に取り外し可能に取り付けられてよい。いくつかの実施形態において、クランプ、留め具又は取り付け機構の任意の適切な種類が利用されてよい。
【0027】
それぞれの変形可能なセンサ100は、ロボット200上におけるその位置に応じて、望ましい空間分解能及び/又は望ましい深さ分解能を有してよい。説明された実施形態において、変形可能なセンサ100´は、第1のアーム部分201及び第2のアーム部分202に配置される(「アーム部分」及び「部分」という用語は、あらゆる場所において同じ意味で用いられる)。アーム部分は、変形可能なセンサ100を一つ以上有しても、全く有さなくてもよい。変形可能なセンサ100´は、第1のアーム部分201及び/又は第2のアーム部分202の形状と一致するように形成されてよい。ここに記載されている変形可能なセンサ100が応用に応じて任意の形状をとってもよいことは、明記されるべきである。変形可能なセンサ100´は、非常に柔軟であり、このように変形可能であってよい。これは、人間とロボットとの相互作用に有益であろう。この方法で、ロボット200は、変形可能なセンサ100´の柔らかさに起因して、及び/又は、物体との接触の力を制御する能力に起因して、危害を与えることなく人間と接触できる(例:人間をハグする)。アーム部分201、202の一つ以上の変形可能なセンサ100´の空間分解能は、応用に応じて、高くても低くてもよい。図9の例において、ロボット200の根元部分203の近くの変形可能なセンサ100´´は、低い空間分解能を有してよく、対象物体との接触のみを検出するように構成されてよい。ロボット200の根元の近くの変形可能なセンサ100´´の変形能は、ロボット200の応用に基づいて設定されてよい。センサ100の深さ分解能及び/又は空間分解能は、ロボット200の異なる部分に従って変化してよい。例えば、一つの部分203は、特定の変形可能なセンサ100と接触する状態になる物体の形状及び/又は姿勢を識別することは必須でなくてよく、物体との接触を単に登録することは、十分な情報を提供するが、他の部分(201等)との接触は、接触に由来する姿勢及び/又は形状の情報を産出してよい。図9に示されるように、変形可能なセンサ100は、任意の適切な大きさであってよく、アーム部分の内部ですら変化してよい。アーム部分201、202、203は別々の/重なり合っていないものとして表現されているが、他の実施形態においては、重なっていてもよい。
【0028】
上記したように、ロボット200のある部分は、他の部分より高い集合空間分解能を提供してよい。いくつかの実施形態において、第1のロボット200aのある部分は、第2のロボット200bのある部分と同時に連携して物体215と相互に作用してよく、第1のロボット200aのその部分の集合空間分解能は、第2のロボット200bのその部分の空間分解能と等しくてよい。いくつかの実施形態において、ロボット200aのある部分等の変形能は、ロボット200aのその部分が相互に作用する一つ以上の物体215の柔軟値に基づいて決定及び/又は修正されてよい。さまざまな実施形態において、その部分の集合空間分解能は、異なる柔軟値を有する複数の物体215と相互に作用するように構成される両方の部分に基づいて、他の部分の集合空間分解能と異なってよい。いくつかの実施形態において、その部分の集合空間分解能を修正することは、変形可能な膜120の数量、一つ以上の変形可能な膜120の内部の内界センサ130の数量、及び/又は、少なくとも一つの内界センサ130の空間分解能を調整することに基づいてよい。いくつかの実施形態において、さまざまな部分は、協力して動作してよい。例えば、上記したように、一つの部分は、物体の姿勢/形状、及び/又は、物体の表面の模様を決定するために高い空間分解能を利用してよく、(同一又は異なるロボットの)他の部分は、接触の位置を検出するのみであってよく、これらの部分は、互いに、又は、両方の部分から情報を受信する他の要素と通信してよい。
【0029】
ここで図10を参照すると、実施形態は複合内界センサ1000を表現し、それは、変形可能なセンサ(不図示)の内部で利用されてよい。複数の内界センサ1002は表現され、この実施形態において、それは、ToFカメラである(図3において上記した)。他の実施形態は、内界センサのさまざまな種類の任意の組み合わせを利用してよい。この実施形態において、ケーブル1004は、内界センサにデータ通信及び/又は電力を提供するために使用され、他の実施形態は、データ及び/又は電力のために、ケーブル及び/又は無線接続の異なる数を使用してよい。サポート構造1006は、この実施形態において表現され、他の実施形態は、複数のサポート構造を利用しても、サポート構造を利用しなくてもよい。この実施形態において、サポート構造は固く、いくつかの実施形態において、一つ以上のサポート構造は、内界センサ1002の向きを変えるために柔軟であってよい。この実施形態において、ケーブル1004は、データ通信及び/又は電力のために、根元部分1008に接続されてよい。
【0030】
ここで図11に移り、フローチャート1100は、変形可能なセンサと接触する物体に関連する姿勢及び力を決定するための典型的な手順を説明する。ブロック1102において、媒体(気体、液体、シリコン等)は、筐体110を有する容器113の内部で受け止められてよく、変形可能な膜120は、筐体110の上部111に結合している。ブロック1104において、変形可能な膜120の変形は、物体215との接触に基づいて、容器113内の内界センサ130を経由して測定されてよく、内界センサ130は、媒体の中を通って変形可能な膜120の底面に向けられた視野132を有する。ブロック1106において、物体215の姿勢は、変形可能な膜120の変形の測定(接触領域142等)に基づいて決定されてよい。ブロック1108において、変形可能な膜120と物体215との間の力の量は、変形可能な膜120の測定された変形に基づいて決定される。ブロック1106及び1108は、同時に実行されてよいが、同時に実行されなくてもよい。ブロック1110において、さらなる変形及び/又は接触が検出されるか否かに関する決定がなされる。検出された場合、フローチャートはブロック1104に戻ってよい。検出されない場合、フローチャートは終了してよい。
【0031】
図12に移り、ブロック図は計算装置1200の一例を説明し、それの中を通って、開示された実施形態は、(非限定的な例として)変形可能なセンサ100、内界センサ130、ロボット200、又はここに記載されているその他の装置等のように実装され得る。ここに記載されている計算装置1200は、適切な計算装置の一例であり、提示された任意の実施形態の範囲を限定することを提案するものではない。計算装置1200に関して説明又は記載されていないことは、必要とされている、又は、任意の要素又は複数の要素に関して従属関係の任意の種類を作り出すものとして解釈されるべきである。さまざまな実施形態において、計算装置1200は、変形可能なセンサ100、内界センサ130、ロボット200を含んでよいが、必ずしもこれらに限定されない。実施形態において、計算装置1200は、少なくとも一つのプロセッサ1202とメモリ(不揮発性メモリ1208及び/又は揮発性メモリ1210)を含む。計算装置1200は、例えばモニタ、スピーカ、ヘッドフォン、プロジェクタ、ウェアラブルディスプレイ、ホログラフィックディスプレイ、及び/又はプリンタ等の、一つ以上のディスプレイ及び/又は出力装置1204を含むことができる。計算装置1200は、例えばマウス、キーボード、ディスク/メディアドライブ、メモリスティック/サムドライブ、メモリカード、ペン、タッチ入力装置、生体測定スキャナ、音声/聴覚入力装置、動作検出器、カメラ、スケール(scale)等の任意の種類を含むことができる、一つ以上の入力装置1206をさらに含んでよい。
【0032】
計算装置1200は、不揮発性メモリ1208(ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等)、揮発性メモリ1210(RAM(Random Access Memory)等)、又はそれらの組み合わせを含んでよい。ネットワークインタフェース1212は、通信回線、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、PAN(Personal Area Network)、携帯電話ネットワーク、衛星ネットワーク等を経由して、ネットワーク1214上の通信を促進することができる。適切なLANは、有線イーサネット、及び/又は、例えばWi-Fiのような無線技術を含んでよい。適切なPANは、例えばIrDA(Infrared Data Association)、Bluetooth、Wireless USB(Universal Serial Bus)、Z-Wave、ZigBee及び/又は他の近距離無線通信プロトコル等の無線技術を含んでよい。適切なPANは、例えばUSB及びFireWireのような有線コンピュータバスを同様に含んでよい。適切な携帯電話ネットワークは、LTE(Long Term Evolution)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、CDMA(Code Division Multiple Access)及びGSM(Global System for Mobile Communications)のような技術を含むが、これらに限定されるものではない。ネットワークインタフェース1212は、ネットワーク1214を経由してデータを送信及び/又は受信する能力を有する任意の装置と通信可能に結合することができる。従って、ネットワークインタフェース1212のハードウェアは、任意の有線又は無線通信を送信及び/又は受信するための通信トランシーバを含むことができる。例えば、ネットワークインタフェースハードウェアは、アンテナ、モデム、LANポート、Wi-Fiカード、WiMaxカード、移動体通信ハードウェア、近距離無線通信ハードウェア、衛星通信ハードウェア、及び/又は、他のネットワーク及び/又は装置と通信するための任意の有線又は無線ハードウェアを含んでよい。
【0033】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1216は、複数のコンピュータ読み取り可能な媒体を含んでよく、媒体のそれぞれは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体又はコンピュータ読み取り可能な信号媒体であってよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1216は、例えば、入力装置1206、不揮発性メモリ1208、揮発性メモリ1210又はそれらの任意の組み合わせの内部に存在してよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、装置又はシステムと関連付けられた、又は装置又はシステムによって使用される命令を記憶することができる有形の(tangible)媒体を含むことができる。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、非限定的な例として、RAM、ROM、キャッシュ、光ファイバ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)/フラッシュメモリ、CD(Compact Disc)/DVD(Digital Versatile Disc)/BD-ROM(Blu-ray Disc Read Only Memory)、ハードディスクドライブ、SSS(Solid State Storage)、光又は磁気記憶装置、フロッピーディスク(Diskette)、通信回線を有する電気的接続、又はこれらの任意の組み合わせを含む。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば、磁気、光、半導体又は電子式のシステム又は装置を含んでもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータ読み取り可能な信号媒体は、相互に排他的である。例えば、ロボット200及び/又はサーバは、ロボット200上の一つ以上の内界センサ130から受信したデータを記憶するためにコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を利用してよい。
【0034】
コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体ではないコンピュータ読み取り可能な媒体の任意の種類を含むことができ、例えば、光学的、電磁気的又はそれらの組み合わせの形式の任意の数をとる伝搬される信号を含んでよい。コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、例えば搬送波の内部のコンピュータ読み取り可能なコードを含む伝搬されたデータ信号を含んでよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びコンピュータ読み取り可能な信号媒体は、相互に排他的である。
【0035】
変形可能なセンサ100、内界センサ130、ロボット200等の計算装置1200は、一つ以上の遠隔装置との通信を促進するために、一つ以上のネットワークインタフェース1212を含んでよく、遠隔装置は、例えば、クライアント及び/又はサーバ装置を含んでよい。さまざまな実施形態において、計算装置(例えばロボット又は変形可能なセンサ)は、ロボット200上の一つ以上の変形可能なセンサ100からデータを送信及び受信するために、サーバ又は他のネットワーク計算装置とネットワーク上で通信するように構成されてよい。ネットワークインタフェース1212は、通信モジュールとして記載されてもよく、これらの単語は同じ意味で使用されてよい。
【0036】
ここで図13に移り、ロボット1300の一つの非限定的な実施形態の構成要素の一例が、図式的に表現される。ロボット1300は、筐体1310、通信路1328、プロセッサ1330、メモリモジュール1332、触覚ディスプレイ1334、慣性測定ユニット1336、入力装置1338、音声出力装置1340(例:スピーカ)、マイクロフォン1342、カメラ1344、ネットワークインタフェースハードウェア1346、触覚フィードバック装置1348、位置センサ1350、光源1352、近接センサ1354、温度センサ1356、モータ付き車輪アセンブリ1358、電池1360、及び充電ポート1362を含む。筐体1310以外のロボット1300の構成要素は、筐体1310の内部に含まれるか、筐体1310に取り付けられてよい。ロボット1300のさまざまな構成要素及びその相互作用は、以下に詳細に記載される。
【0037】
さらに図13を参照すると、通信路1328は、例えば導電性のワイヤ、導電性の配線(trace)、光導波路、又は同種のもの等、信号を送信する能力を有する任意の媒体から形成されてよい。さらに、通信路1328は、信号を送信する能力を有する媒体の組み合わせから形成されてよい。一つの実施形態において、通信路1328は、プロセッサ、メモリ、センサ、入力装置、出力装置、及び通信装置等の構成要素への電気的なデータ信号の送信を可能にするために協力する、導電性の配線、導電性のワイヤ、コネクタ及びバスの組み合わせを含む。従って、通信路1328は、バスを含んでよい。加えて、「信号」という用語は、DC(Direct Current)、AC(Alternating Current)、正弦波、三角波、矩形波、振動など、媒体の中を通って進む能力を有する波形(例:電気的な、光学的な、磁気的な、機械的な、又は電磁気的な)を意味することに留意されたい。通信路1328は、ロボット1300のさまざまな構成要素と通信可能に結合する。ここで使用されたように、「通信可能に結合する」という用語は、例えば、導電性の媒体を経由して電気的信号を、空気を経由して電磁気的信号を、光導波路を経由して光信号を交換するなどのように、結合した構成要素が、データ信号を互いに交換する能力を有することを意味する。
【0038】
ロボット1300のプロセッサ1330は、機械読み取り可能な命令を遂行する能力を有する任意の装置であってよい。従って、プロセッサ1330は、制御装置、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、又はその他の計算装置であってよい。プロセッサ1330は、通信路1328によって、ロボット1300の他の構成要素と通信可能に結合してよい。これは、さまざまな実施形態において、プロセッサ1330がロボット1300の一部である一つ以上の変形可能なセンサ100からデータを受信することを許す。他の実施形態において、プロセッサ1330は、ロボット1300上の一つ以上の変形可能なセンサ100の一部である一つ以上の内界センサ130から直接データを受信してよい。従って、通信路1328は、多くのプロセッサを互いに通信可能に結合してよく、通信路1328に結合された構成要素が分散計算環境において動作することを許す。特に、構成要素のそれぞれは、データを送信及び/又は受信するノードとして動作してよい。図13に表現された実施形態は単一のプロセッサ1330を含むが、他の実施形態は、一つ以上のプロセッサを含んでよい。
【0039】
さらに図13を参照すると、ロボット1300のメモリモジュール1332は、通信路1328と結合し、プロセッサ1330と通信可能に結合する。メモリモジュール1332は、例えば、変形可能なセンサ100の変形可能な膜120を変形させた物体の形状を検出するための命令を含んでよい。この例において、メモリモジュール1332に記憶されたこれらの命令は、プロセッサ1330によって遂行されるときに、変形可能な膜120の観測された変形に基づいた物体の形状の決定を可能にしてよい。メモリモジュール1332は、機械読み取り可能な命令がプロセッサ1330によってアクセスされ遂行され得るように、機械読み取り可能な命令を記憶する能力を有するRAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、又は任意の持続的なメモリ装置を含んでよい。機械読み取り可能な命令は、任意の世代(例:1GL、2GL、3GL、4GL又は5GL)の任意のプログラム言語、例えば、プロセッサによって直接遂行される機械語、又は、アセンブリ言語、オブジェクト指向プログラミング(OOP)、スクリプト言語、マイクロコード等で記述された論理又はアルゴリズムを含んでよい。それらは、機械読み取り可能な命令にコンパイル又はアセンブリされ、メモリモジュール1332に記憶されてよい。代わりに、機械読み取り可能な命令は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)コンフィグレーション又はASIC(Application-Specific Integrated Circuit)を経由して実行される論理等のHDL(Hardware Description Language)、又は、それらの同等物によって記述されてよい。従って、ここに記載されている機能は、前もってプログラムされたハードウェア要素として、又は、ハードウェア及びソフトウェア構成要素の組み合わせとして、任意の伝統的コンピュータプログラム言語において実行されてよい。図13で表現された実施形態は単一のメモリモジュール1332を含むが、他の実施形態は、一つ以上のメモリモジュールを含んでよい。
【0040】
触覚ディスプレイ1334は、提供される場合、通信路1328と結合し、プロセッサ1330と通信可能に結合する。触覚ディスプレイ1334は、リフレッシュ可能触覚メッセージ(refreshable tactile message)の方式で触覚出力を提供する能力を有する任意の装置であってよい。触覚メッセージは、接触によってユーザに情報を伝達する。例えば、触覚メッセージは、点字(Braille)等の触覚筆記システム(tactile writing system)の方式であってよい。触覚メッセージは、環境の中で検出される物体の形状等、任意の形状の方式であってもよい。触覚ディスプレイ1334は、ロボット1300の動作状態に関してユーザに情報を提供してよい。
【0041】
任意の既知の又はこれから開発される触覚ディスプレイが使用されてよい。いくつかの実施形態において、触覚ディスプレイ1334は、表面を含む三次元の触覚ディスプレイであり、その一部は、情報を伝達するために隆起してよい(may raise)。いくつかの実施形態において、隆起した部分は、機械的に作動されてよい(例:機械的に隆起し、下降するピン)。触覚ディスプレイ1334は、流動的に作動してもよく、エレクトロバイブレーション(electrovibration)触覚ディスプレイとして構成されてもよい。
【0042】
慣性測定ユニット1336は、提供される場合、通信路1328と結合し、プロセッサ1330と通信可能に結合する。慣性測定ユニット1336は、一つ以上の加速度計及び一つ以上のジャイロスコープを含んでよい。慣性測定ユニット1336は、ロボット1300の感知された物理的動作を、ロボット1300の方向、回転、速度又は加速度を示す信号に変換する。ロボット1300の動作は、ロボット1300の向きに依存してよい(例:ロボット1300が水平であるか、傾いているかなど)。ロボット1300のいくつかの実施形態は、慣性測定ユニット1336を含まなくてよく、加速度計を含むがジャイロスコープを含まない実施形態、ジャイロスコープを含むが加速度計を含まない実施形態、又は、加速度計もジャイロスコープも含まない実施形態等であってもよい。
【0043】
さらに図13を参照すると、一つ以上の入力装置1338は、通信路1328と結合し、プロセッサ1330と通信可能に結合する。入力装置1338は、ユーザの接触を通信路1328上で送信され得るデータ信号に変換する能力を有する任意の装置であってよく、例えば、ボタン、スイッチ、ノブ、マイクロフォン又は同種のものである。さまざまな実施形態において、入力装置1338は、上記された変形可能なセンサ100及び/又は内界センサ130であってよい。いくつかの実施形態において、入力装置1338は、電源ボタン、音量ボタン、起動ボタン、スクロールボタン又は同種のものを含む。一つ以上の入力装置1338は、ユーザがメニューをナビゲートする、選択を実行する、好みを設定する、及びここに記載されている他の機能を実行する等のためにロボット1300と相互に作用できるように提供されてよい。いくつかの実施形態において、入力装置1338は、圧力センサ、接触感知領域、圧力ストリップ(Pressure Strip)、又は同種のものを含む。いくつかの実施形態は、入力装置1338を含まなくてよいと理解されるべきである。以下により詳細に記載されるように、ロボット1300の実施形態は、筐体1310の任意の表面に配置された複数の入力装置を含んでよい。いくつかの実施形態において、入力装置1338の一つ以上は、ロボットを開錠する指紋センサとして構成される。例えば、登録された指紋を有するユーザのみが、ロボット1300を開錠し使用してよい。
【0044】
スピーカ1340(すなわち音声出力装置)は、通信路1328と結合し、プロセッサ1330と通信可能に結合する。スピーカ1340は、ロボット1300のプロセッサ1330からの音声メッセージデータを、音を生成する機械的な振動に変換する。例えば、スピーカ1340は、ユーザナビゲーションメニュー情報、設定情報、状態情報、一つ以上のカメラ1344からの画像データによって検出された環境に関する情報などを提供してよい。しかしながら、他の実施形態において、ロボット1300はスピーカ1340を含まなくてよいと理解されるべきである。
【0045】
マイクロフォン1342は、通信路1328と結合し、プロセッサ1330と通信可能に結合する。マイクロフォン1342は、音に関連する機械的な振動を、音を示す電気的な信号に変換する能力を有する任意の装置であってよい。マイクロフォン1342は、メニューのナビゲーション、設定及びパラメータの入力、及び任意の他の仕事等の仕事を実行するために、入力装置1338として使用されてよい。いくつかの実施形態は、マイクロフォン1342を含まなくてよいと理解されるべきである。
【0046】
さらに図13を参照すると、カメラ1344は、通信路1328と結合し、プロセッサ1330と通信可能に結合する。カメラ1344は、紫外線波長帯、可視光波長帯、又は赤外線波長帯の放射を検出する能力を有する感知装置(例:画素)の配列を有する任意の装置であってよい。カメラ1344は、任意の分解能を有してよい。カメラ1344は、無指向性のカメラ又はパノラマカメラであってもよい。いくつかの実施形態において、鏡、魚眼レンズ、又はレンズのその他の種類等の一つ以上の光学的構成要素は、カメラ1344と光学的に結合してよい。以下により詳細に記載されるように、カメラ1344は、画像データをキャプチャするために筐体1310の上に上げられるように作動するイメージングアセンブリ1322の構成要素である。
【0047】
ネットワークインタフェースハードウェア1346は、通信路1328と結合し、プロセッサ1330と通信可能に結合する。ネットワークインタフェースハードウェア1346は、ネットワーク1370を経由してデータを送信及び/又は受信する能力を有する任意の装置であってよい。従って、ネットワークインタフェースハードウェア1346は、任意の有線又は無線通信を送信及び/又は受信するための通信トランシーバとして構成される無線通信モジュールを含むことができる。例えば、ネットワークインタフェースハードウェア1346は、アンテナ、モデム、LANポート、Wi-Fiカード、WiMaxカード、移動体通信ハードウェア、近距離無線通信ハードウェア、衛星通信ハードウェア、及び/又は、他のネットワーク及び/又は装置と通信するための任意の有線又は無線ハードウェアを含んでよい。一つの実施形態において、ネットワークインタフェースハードウェア1346は、Bluetooth無線通信プロトコルに従って動作するように構成されるハードウェアを含む。他の実施形態において、ネットワークインタフェースハードウェア1346は、Bluetooth通信を携帯型電子装置1380へ送信し、携帯型電子装置1380から受信するBluetooth送信/受信モジュールを含んでよい。ネットワークインタフェースハードウェア1346は、RFID(Radio Frequency IDentification)タグを応答させ(interrogate)読み取るように構成されるRFIDリーダを含んでもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、ロボット1300は、ネットワーク1370を経由して携帯型電子装置1380と通信可能に結合してよい。いくつかの実施形態において、ネットワーク1370は、ロボット1300と携帯型電子装置1380とを通信可能に結合するためにBluetooth技術を利用したPANである。他の実施形態において、ネットワーク1370は、一つ以上のコンピュータネットワーク(例:PAN、LAN又はWAN)、携帯電話ネットワーク、衛星ネットワーク、及び/又はGPS(Global Positioning System)、及びそれらの組み合わせを含んでよい。従って、ロボット1300は、通信回線、WAN、LAN、PAN、携帯電話ネットワーク、衛星ネットワーク又は同種のものを経由して、ネットワーク1370と通信可能に結合することができる。適切なLANは、有線イーサネット、及び、例えばWi-Fi等の無線技術を含んでよい。適切なPANは、例えばIrDA、Bluetooth、Wireless USB、Z-Wave、ZigBee及び/又は他の近距離無線通信プロトコル等の無線技術を含んでよい。適切なPANは、例えばUSB及びFireWire等の有線コンピュータバスを同様に含んでよい。適切な携帯電話ネットワークは、LTE、WiMAX、UMTS、CDMA及びGSM等の技術を含むが、これらに限定されない。
【0049】
さらに図13を参照すると、上記のように、ネットワーク1370は、ロボット1300を携帯型電子装置1380と通信可能に結合するために利用されてよい。携帯型電子装置1380は、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、カメラ、専用のモバイルメディアプレーヤー、携帯型PC(Personal Computer)、ノート型PC、及び/又は、ロボット1300と通信可能に結合する能力を有するその他の携帯型電子装置を含んでよい。携帯型電子装置1380は、一つ以上のプロセッサ及び一つ以上のメモリを含んでよい。一つ以上のプロセッサは、ロボット1300と通信するための論理を遂行することができる。携帯型電子装置1380は、ロボット1300と通信するための有線及び/又は無線通信機能によって構成されてよい。いくつかの実施形態において、携帯型電子装置1380は、ここに記載されている機能の一つ以上の要素を実行してよく、実施形態において、ここに記載されている機能は、ロボット1300と携帯型電子装置1380との間で分散されている。
【0050】
触覚フィードバック装置1348は、通信路1328と結合し、プロセッサ1330と通信可能に結合する。触覚フィードバック装置1348は、ユーザに触覚フィードバックを提供する能力を有する任意の装置であってよい。触覚フィードバック装置1348は、振動装置(触覚フィードバックが振動を通して伝達される実施形態等において)、空気吹出装置(触覚フィードバックが空気の吹出を通して伝達される実施形態等において)、又は圧力生成装置(触覚フィードバックが生成された圧力を通して伝達される実施形態等において)を含んでよい。いくつかの実施形態は、触覚フィードバック装置1348を含まなくてよいと理解されるべきである。
【0051】
位置センサ1350は、通信路1328と結合し、プロセッサ1330と通信可能に結合する。位置センサ1350は、位置を示す出力を生成する能力を有する任意の装置であってよい。いくつかの実施形態において、位置センサ1350は、GPSセンサを含むが、実施形態はそれに限られない。いくつかの実施形態は、ロボット1300がロボット1300の位置を決定しない実施形態、又は、位置が他の方法によって決定される実施形態(例:カメラ1344、マイクロフォン1342、ネットワークインタフェースハードウェア1346、近接センサ1354、慣性測定ユニット1336又は同種のものから受信する情報に基づく)等のように、位置センサ1350を含まなくてよい。位置センサ1350は、一つ以上の無線信号アンテナから受信した無線信号を経由して、ロボット1300及びユーザの位置を三角測量する能力を有する無線信号センサとして構成されてもよい。
【0052】
モータ付き車輪アセンブリ1358は、通信路1328と結合し、プロセッサ1330と通信可能に結合する。以下により詳細に記載されるように、モータ付き車輪アセンブリ1358は、一つ以上のモータ(不図示)によって駆動されるモータ付き車輪(不図示)を含む。プロセッサ1330は、ユーザが環境情報(例:望ましい位置の内部、その位置又は近傍の、特定の物体の位置)を取得することを望む位置等の望ましい位置にロボット1300が進むようにモータ付き車輪を作動させるために、モータ付き車輪アセンブリ1358に一つ以上の駆動信号を提供してよい。
【0053】
さらに図13を参照すると、光源1352は、通信路1328と結合し、プロセッサ1330と通信可能に結合する。光源1352は、LED(Light Emitting Diode)、白熱灯、蛍光灯又は同種のもの等の光を出力する能力を有する任意の装置であってよいが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態は、ロボット1300に電源が投入されているときに明るくなる電源表示灯を含む。いくつかの実施形態は、ロボット1300が動作している又はデータを処理しているときに明るくなる動作表示灯を含む。いくつかの実施形態は、ロボット1300が位置している環境を明るくするための照明光を含む。いくつかの実施形態は、光源1352を含まなくてよい。
【0054】
近接センサ1354は、通信路1328と結合し、プロセッサ1330と通信可能に結合する。近接センサ1354は、ロボット1300と他の物体との近接を示す近接信号を出力する能力を有する任意の装置であってよい。いくつかの実施形態において、近接センサ1354は、レーザースキャナ、静電容量変位センサ、ドップラー効果センサ、渦電流センサ、超音波センサ、磁気センサ、内界センサ、レーダセンサ、LIDAR(Light Detection and Ranging又はLaser Imaging Detection and Ranging)センサ、ソナーセンサ(sonar sensor)又は同種のものを含んでよい。いくつかの実施形態は、ロボット1300と物体との近接が他のセンサ(例:カメラ1344、スピーカ1340等)によって提供される入力から決定される実施形態、又は、ロボットと物体1315との近接を決定しない実施形態等のように、近接センサ1354を含まなくてよい。
【0055】
温度センサ1356は、通信路1328と結合し、プロセッサ1330と通信可能に結合する。温度センサ1356は、温度センサ1356によって感知される温度を示す温度信号を出力する能力を有する任意の装置であってよい。いくつかの実施形態において、温度センサ1356は、熱電対(thermocouple)、測温抵抗体(resistive temperature device)、赤外線センサ、バイメタル装置、状態変化センサ、温度計、シリコンダイオードセンサ、又は同種のものを含んでよい。ロボット1300のいくつかの実施形態は、温度センサ1356を含まなくてよい。
【0056】
さらに図13を参照すると、ロボット1300は、電池1360によって電力が提供され、電池1360は、ロボット1300のさまざまな電気的な構成要素と電気的に結合する。電池1360は、ロボット1300によって後に使用されるための電気エネルギーを格納する能力を有する任意の装置であってよい。いくつかの実施形態において、電池1360は、リチウムイオン電池又はニッケルカドミウム電池等の再充電可能な電池である。電池1360が再充電可能な電池である実施形態において、ロボット1300は、電池1360を充電するために使用される充電ポート1362を含んでよい。いくつかの実施形態は、ロボット1300が太陽光エネルギー又は環境から得られるエネルギーによって配電網から電力を提供される実施形態等のように、電池1360を含まなくてよい。いくつかの実施形態は、電力のために使い捨て電池を利用する装置の実施形態等のように、充電ポート1362を含まなくてよい。
【0057】
本開示の実施形態は、物体の幾何学的な形状及び姿勢と同様に物体との接触を検出する能力を有する変形可能なセンサに向けられたものであると理解されるべきである。一つ以上の変形可能なセンサは、例えば、ロボット上に提供されてよい。そして、変形可能なセンサによって提供される情報は、対象物体とのロボットの相互作用を制御するために使用されてよい。変形可能なセンサの深さ分解能及び空間分解能は、ロボット上の変形可能なセンサの位置に応じて変化してよい。
【0058】
特定の性質を具体化するための、又は、特定の方法において機能させるための、特定の方法で「構成される」又は「プログラムされる」という本開示の構成要素の記述は、意図された使用の記述とは対照的に構成的な記述であることに留意されたい。より具体的には、構成要素が「構成される」又は「プログラムされる」方法への言及は、存在する構成要素の物理的状態を意味し、構成要素の構造的な特徴の限定的な記述として理解されるべきである。
【0059】
ここに説明及び記載されている開示の例における動作の遂行又は実行の順序は、特別に定めが無い限り、本質的ではない。すなわち、特別の定めがない限り、動作は任意の順序で実行されてよく、開示の例は、付加的な動作を含んでも、ここに開示されたより少ない動作を含んでもよい。例えば、特定の動作を他の動作より前、他の動作と同時、又は、他の動作より後に遂行又は実行することは、開示の態様の範囲の内部にあると考えられる。
【0060】
「実質的に」、「約」及び「およそ」という用語は、任意の量的な比較、値、測定又は他の表現による、不確実性の本来備わっている度合いを示すものとして利用されることがあると留意されたい。これらの用語は、度合いを示すためにも使用され、それによって、量的な表現は、論争中の主題の基本機能の変化を生じさせることなく、記載された言及から変化してよい。
具体的な実施形態はここに説明され記載されたが、さまざまな他の変更及び修正は、特許請求の範囲に記載の主題の精神及び範囲から逸脱することなくなされてよいと理解されるべきである。さらに、特許請求の範囲に記載の主題のさまざまな態様がここに記載されているが、態様は、組み合わせて利用されなくてもよい。従って、付加される特許請求の範囲は、特許請求の範囲に記載の主題の範囲内の全ての変更及び修正を対象にすることを意味する。
【0061】
例1:接触感度を有するロボットであって、
物体と関連付けられた姿勢及び力を検出するために、深さ分解能及び空間分解能の異なるレベルを有する複数の変形可能なセンサであって、変形可能なセンサのそれぞれは、
変形可能な膜を含み、媒体で満たされるように構成される容器と、
前記容器の内部に配置され、前記変形可能な膜の底面に向けられるように構成される視野を有する光学センサと、を含む、変形可能なセンサと、
前記複数の変形可能なセンサのうち少なくとも一つの変形可能なセンサをそれぞれ含む第1部分及び第2部分と、
を含む、ロボット。
例2:前記物体との接触の結果として前記変形可能な膜の接触領域を分析し、前記物体の姿勢、及び、前記変形可能な膜と前記物体との間に加えられる力の量の両方を決定するように構成されるプロセッサをさらに含む、例1に記載のロボット。
例3:前記容器は、筐体をさらに有し、
前記変形可能な膜は、前記筐体の上部に結合する、例1に記載のロボット。
例4:前記第1部分は、前記複数の変形可能なセンサの第1サブセットを含む、例1に記載のロボット。
例5:前記第2部分は、前記複数の変形可能なセンサの第2サブセットを含む、例4に記載のロボット。
例6:前記変形可能なセンサのうち少なくとも二つは、大きさが異なる、例4に記載のロボット。
例7:前記第1部分及び前記第2部分は、重なり合っていない、例1に記載のロボット。
例8:前記第1部分は、前記第2部分を上回る集合空間分解能を提供するように構成される、例1に記載のロボット。
例9:前記第1部分は、
前記第1部分の変形可能なセンサの数量と、
前記第1部分の変形可能なセンサのそれぞれから取得される空間分解能と、
に基づいて、前記第2部分を上回る集合空間分解能を提供するように構成される、例1に記載のロボット。
例10:前記第1部分の変形可能なセンサの深さ分解能又は空間分解能は、前記プロセッサによって受信され、前記第1部分が相互に作用する物体に関する柔軟値に基づいて構成される、例1に記載のロボット。
例11:前記第2部分の変形可能なセンサの深さ分解能又は空間分解能は、異なる柔軟値を有する複数の物体と相互に作用するように構成される前記第1部分及び前記第2部分に基づいて、前記第1部分の変形可能なセンサの前記対応する深さ分解能又は空間分解能と異なるように構成される、例10に記載のロボット。
例12:前記変形可能なセンサのうち少なくとも一つは、複数の内界センサを含む、例1に記載のロボット。
例13:前記第1部分は、第2ロボットの一部と同時に連携して前記物体と相互に作用するように構成される、例1に記載のロボット。
例14:前記ロボットの前記第1部分の集合空間分解能は、前記第2ロボットの前記部分と等しい、例13に記載のロボット。
例15:前記変形可能なセンサのうち少なくとも一つは、ロボットに取り付けるためのクランプ機能を含む、例1に記載のロボット。
例16:接触感度を有するロボットであって、
複数の変形可能なセンサのうち少なくとも一つをそれぞれ含む第1部分及び第2部分であって、
前記複数の変形可能なセンサは、物体と関連付けられた姿勢及び力を検出するために、深さ分解能及び空間分解能の異なるレベルを含み、
前記複数の変形可能なセンサのそれぞれは、
変形可能な膜を含み、媒体で満たされるように構成される容器と、
前記容器の内部に配置され、前記媒体の中を通って前記変形可能な膜の底面に向けられるように構成される視野を有する内界センサと、を含む、第1部分及び第2部分と、
前記物体との接触の結果として前記変形可能な膜の接触領域を分析し、前記物体の姿勢、及び、前記変形可能な膜と前記物体との間に加えられる力の量の両方を決定するように構成されるプロセッサと、
を含む、ロボット。
例17:第1部分及び第2部分をさらに含み、
前記第1部分及び前記第2部分のそれぞれは、前記複数の変形可能なセンサのうち少なくとも一つを含む、例16に記載のロボット。
例18:前記第1部分の変形可能なセンサの深さ分解能又は空間分解能は、前記プロセッサによって受信され、且つ、前記第1部分と相互に作用する物体に関する柔軟値に基づいて構成され、
前記第2部分の変形可能なセンサの深さ分解能又は空間分解能は、異なる柔軟値を有する複数の物体と相互に作用するように構成される前記第1部分及び前記第2部分に基づいて、前記第1部分の変形可能なセンサの前記対応する深さ分解能又は空間分解能と異なるように構成される、例17に記載のロボット。
例19:前記第1部分は、
前記第1部分の変形可能なセンサの数量と、
前記第1部分の変形可能なセンサのそれぞれから取得される空間分解能と、
の少なくとも一つに基づいて、前記第2部分を上回る集合空間分解能を提供するように構成される、例17に記載のロボット。
例20:少なくとも一つの内界センサは、ToFセンサを含む、例16に記載のロボット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13