(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】レコメンド装置、レコメンド方法およびレコメンドプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230116BHJP
【FI】
G06Q30/06 330
(21)【出願番号】P 2018227029
(22)【出願日】2018-12-04
【審査請求日】2021-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】507161891
【氏名又は名称】Hamee株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 淳也
【審査官】山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-117292(JP,A)
【文献】特開2008-282132(JP,A)
【文献】特開2008-243118(JP,A)
【文献】特開2016-212926(JP,A)
【文献】特開2011-209810(JP,A)
【文献】特開2009-059317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業者が店舗を展開する複数のEC(Electronic Commerce)サイト
および該ECサイトで展開される前記店舗を識別可能な店舗IDと、該店舗IDの店舗で販売される商品の商品コードと、該商品コードの商品を掲載するWEBページのアクセス先とを含むECサイト情報と、複数の前記店舗で販売される商品情報と、複数の前記店舗で受注した受注情報とを事業者別に一括管理するデータベースと、
前記複数のECサイトのうちのいずれかのECサイトの店舗において購入者によって第1商品が購入された際、前記第1商品の受注情報を取得するデータ取得部と、
前記第1商品の受注情報に基づいて、前記第1商品の購入先の店舗で販売され、かつ前記第1商品に基づいて推奨される第2商品を決定し、前記第2商品に関するレコメンド情報を前記購入者の連絡先に出力するレコメンド処理部と、
前記レコメンド情報に含まれる前記第2商品に関する情報へのアクセス情報に基づくアクセス要求を受け付けた際、前記第2商品を販売するECサイトにおける前記第2商品を掲載するWEBページのアクセス先を
前記ECサイト情報を用いて特定し、該特定したアクセス先を前記アクセス要求の出力元に出力する応答処理部とを備えたレコメンド装置。
【請求項2】
前記レコメンド情報が、前記第1商品の購入先の店舗の前記店舗IDを含み、
前記応答処理部が、前記アクセス要求を受け付けた際、前記レコメンド情報に含まれる店舗IDを取得し、該店舗IDを用いて前記第2商品を掲載するWEBページのアクセス先を特定する請求項
1記載のレコメンド装置。
【請求項3】
レコメンド装置によるレコメンド方法であって、
事業者が店舗を展開する複数のEC(Electronic Commerce)サイト
および該ECサイトで展開される前記店舗を識別可能な店舗IDと、該店舗IDの店舗で販売される商品の商品コードと、該商品コードの商品を掲載するWEBページのアクセス先とを含むECサイト情報と、複数の前記店舗で販売される商品情報と、複数の前記店舗で受注した受注情報とを事業者別に記憶し、
前記複数のECサイトのうちのいずれかのECサイトの店舗において購入者によって第1商品が購入された際、前記第1商品の受注情報を取得し、
前記第1商品の受注情報に基づいて、前記第1商品の購入先の店舗で販売され、かつ前記第1商品に基づいて推奨される第2商品を決定し、前記第2商品に関するレコメンド情報を前記購入者の連絡先に出力するレコメンド処理を行い、
前記レコメンド情報に含まれる前記第2商品に関する情報へのアクセス情報に基づくアクセス要求を受け付けた際、前記第2商品を販売するECサイトにおける前記第2商品を掲載するWEBページのアクセス先を
前記ECサイト情報を用いて特定し、該特定したアクセス先を前記アクセス要求の出力元に出力する応答処理を行うレコメンド方法。
【請求項4】
コンピュータにレコメンドを実行させるレコメンドプログラムであって、
事業者が店舗を展開する複数のEC(Electronic Commerce)サイト
および該ECサイトで展開される前記店舗を識別可能な店舗IDと、該店舗IDの店舗で販売される商品の商品コードと、該商品コードの商品を掲載するWEBページのアクセス先とを含むECサイト情報と、複数の前記店舗で販売される商品情報と、複数の前記店舗で受注した受注情報とを事業者別に記憶させ、
前記複数のECサイトのうちのいずれかのECサイトの店舗において購入者によって第1商品が購入された際、前記第1商品の受注情報を取得するステップと、
前記第1商品の受注情報に基づいて、前記第1商品の購入先の店舗で販売され、かつ前記第1商品に基づいて推奨される第2商品を決定し、前記第2商品に関するレコメンド情報を前記購入者の連絡先に出力するレコメンド処理を行うステップと、
前記レコメンド情報に含まれる前記第2商品に関する情報へのアクセス情報に基づくアクセス要求を受け付けた際、前記第2商品を販売するECサイトにおける前記第2商品を掲載するWEBページのアクセス先を
前記ECサイト情報を用いて特定し、該特定したアクセス先を前記アクセス要求の出力元に出力する応答処理を行うステップとをコンピュータに実行させるレコメンドプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ECサイトで販売される商品の購入者に対して推奨商品の情報を含むレコメンド情報を出力するレコメンド装置、レコメンド方法およびレコメンドプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ECサイトの店舗において商品を購入した購入者の端末に対して、他の推奨商品の情報を含むレコメンド情報を通知するシステムが提案されている。
【0003】
たとえば特許文献1には、ECシステムに組み込まれるレコメンドシステムにおいて、ある商品を購入した一の購入者が他にどのような商品を購入したかという購入履歴を作成し、前記ECシステムのECサイトにアクセスして前記ある商品を購入しようとする他の購入者の端末に対して前記一の購入者について作成した購入履歴を送信する、ということが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、インターネットショッピングの普及に伴い、多数のECサイト(モール型ECサイト、独自店舗型ECサイトなど)が存在する。また、同一事業者が複数のECサイトでそれぞれ店舗を出店する(たとえば異なる複数のモールに同じ店舗を出店する)ことがある。
【0006】
この場合、事業者は、自身の複数の店舗の受注を管理する際には、各ECサイトで受注管理システムが提供される場合はそれらを使えばよいが、異なるECサイト間の複数の店舗の受注情報を統合的に管理することができず、管理作業が煩雑である。
【0007】
また、事業者は、自身の複数の店舗でレコメンドを行う際には、各ECサイトがレコメンドシステムを持っておりレコメンド機能が提供される場合はそれらを使えばよいが、異なるECサイト間の複数の店舗のレコメンドを統合的に管理することができず、レコメンドの管理が煩雑である。
【0008】
本発明の目的は、異なる複数のECサイトに同一事業者の複数の店舗が展開されている状況で、利便性の高いレコメンドの仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。
【0010】
本発明の一態様に係るレコメンド装置は、事業者が店舗を展開する複数のEC(Electronic Commerce)サイトの情報を含むECサイト情報と、複数の前記店舗で販売される商品情報と、複数の前記店舗で受注した受注情報とを事業者別に一括管理するデータベースと、前記複数のECサイトのうちのいずれかのECサイトの店舗において購入者によって第1商品が購入された際、前記第1商品の受注情報を取得するデータ取得部と、前記第1商品の受注情報に基づいて、前記第1商品の購入先の店舗で販売され、かつ前記第1商品に基づいて推奨される第2商品を決定し、前記第2商品に関するレコメンド情報を前記購入者の連絡先に出力するレコメンド処理部と、前記レコメンド情報に含まれる前記第2商品に関する情報へのアクセス情報に基づくアクセス要求を受け付けた際、前記第2商品を販売するECサイトにおける前記第2商品を掲載するWEBページのアクセス先を特定し、該特定したアクセス先を前記アクセス要求の出力元に出力する応答処理部とを備える。
【0011】
前記ECサイト情報が、前記ECサイトおよび該ECサイトで展開される店舗を識別可能な店舗IDと、該店舗IDの店舗で販売される商品の商品コードと、該商品コードの商品を掲載するWEBページのアクセス先とを含み、前記応答処理部が、前記ECサイト情報を用いて、前記第2商品を掲載するWEBページのアクセス先を特定してもよい。
【0012】
前記レコメンド情報が、前記第1商品の購入先の店舗の前記店舗IDを含み、前記応答処理部が、前記アクセス要求を受け付けた際、前記レコメンド情報に含まれる店舗IDを取得し、該店舗IDを用いて前記第2商品を掲載するWEBページのアクセス先を特定してもよい。
【0013】
本発明の他の態様は、レコメンド装置によるレコメンド方法であって、事業者が店舗を展開する複数のEC(Electronic Commerce)サイトの情報を含むECサイト情報と、複数の前記店舗で販売される商品情報と、複数の前記店舗で受注した受注情報とを事業者別に記憶し、前記複数のECサイトのうちのいずれかのECサイトの店舗において購入者によって第1商品が購入された際、前記第1商品の受注情報を取得し、前記第1商品の受注情報に基づいて、前記第1商品の購入先の店舗で販売され、かつ前記第1商品に基づいて推奨される第2商品を決定し、前記第2商品に関するレコメンド情報を前記購入者の連絡先に出力するレコメンド処理を行い、前記レコメンド情報に含まれる前記第2商品に関する情報へのアクセス情報に基づくアクセス要求を受け付けた際、前記第2商品を販売するECサイトにおける前記第2商品を掲載するWEBページのアクセス先を特定し、該特定したアクセス先を前記アクセス要求の出力元に出力する応答処理を行う。
【0014】
本発明のさらに他の態様は、コンピュータにレコメンドを実行させるレコメンドプログラムであって、事業者が店舗を展開する複数のEC(Electronic Commerce)サイトの情報を含むECサイト情報と、複数の前記店舗で販売される商品情報と、複数の前記店舗で受注した受注情報とを事業者別に記憶させ、前記複数のECサイトのうちのいずれかのECサイトの店舗において購入者によって第1商品が購入された際、前記第1商品の受注情報を取得するステップと、前記第1商品の受注情報に基づいて、前記第1商品の購入先の店舗で販売され、かつ前記第1商品に基づいて推奨される第2商品を決定し、前記第2商品に関するレコメンド情報を前記購入者の連絡先に出力するレコメンド処理を行うステップと、前記レコメンド情報に含まれる前記第2商品に関する情報へのアクセス情報に基づくアクセス要求を受け付けた際、前記第2商品を販売するECサイトにおける前記第2商品を掲載するWEBページのアクセス先を特定し、該特定したアクセス先を前記アクセス要求の出力元に出力する応答処理を行うステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によれば、異なる複数のECサイトに同一事業者の複数の店舗が展開されている状況で、利便性の高いレコメンドの仕組みを提供することができる。
【0016】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るレコメンド装置を用いたECシステムのシステム構成例を示す図である。
【
図2】レコメンド装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図3】レコメンド装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図4】商品情報、受注情報およびECサイト情報のデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】レコメンド処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】リダイレクト処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】ECシステム全体の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係るレコメンド装置を用いたEC(Electronic Commerce)システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るECシステムのシステム構成例を示す図である。
【0019】
本実施形態に係るECシステムは、複数のECサイトA,B,Cと、ECサイトA~Cにおいて店舗を展開する各事業者A,Dが使用する事業者用端末1,2と、ECサイトA~Cの店舗で販売される商品を購入する購入者Pが使用する購入者用端末3と、購入者用端末3に対してレコメンド情報などを出力するレコメンド装置4とを備えている。
【0020】
ECサイトA~C、事業者用端末1,2、購入者用端末3およびレコメンド装置4は、通信ネットワークを介して接続され、互いに通信可能に構成されている。通信ネットワークは、LAN(Local Area Network)、インターネット、モバイル通信網等の様々な通信ネットワークを含み得る。通信は、有線でもよいし、無線でもよいし、これらの組み合わせでもよい。
【0021】
図1に示すように、複数のECサイトA~Cにおいては、それぞれ事業者Aの店舗ABCと、事業者Dの店舗DEFとが展開されている。本実施形態では、ECサイトA~Cは、異なる事業者の複数の店舗が出店されるモール型ECサイトであるが、もちろんECシステムは、独自店舗型ECサイト(例えば事業者AのECサイト、事業者DのECサイト)を含んでいてもよい。
【0022】
事業者用端末1および事業者用端末2は、コンピュータから構成され、それぞれ事業者Aおよび事業者Dが使用する。具体的には、事業者Aは、事業者用端末1を用いて通信ネットワークを介して各ECサイトA~Cにアクセスし、販売対象の商品の情報を各ECサイトA~Cに設定する。また、事業者Dは、事業者用端末2を用いて通信ネットワークを介して各ECサイトA~Cにアクセスし、販売対象の商品の情報を各ECサイトA~Cに設定する。
【0023】
購入者用端末3は、コンピュータから構成され、ECサイトA~Cの各店舗が販売する商品を購入する購入者Pが使用する。具体的には、購入者Pは、購入者用端末3を用いてECサイトA~Cにアクセスし、各店舗ABC,DEFで販売される商品の中から購入希望の商品を選択し、その商品の注文手続および購入手続などを行う。
【0024】
事業者用端末1、事業者用端末2および購入者用端末3としては、パーソナルコンピュータを用いてもよいし、タブレット端末やスマートフォンを用いるようにしてもよい。
【0025】
レコメンド装置4は、コンピュータから構成され、事業者が店舗を展開する複数のECサイトA~Cの情報を含むECサイト情報、各店舗で販売される商品情報、各店舗で受注した受注情報を一括管理する。
【0026】
また、レコメンド装置4は、複数のECサイトA~CのいずれかのECサイトの店舗において、購入者Pが商品を購入した場合、購入者Pが購入した商品に基づいて推奨される別の商品を決定し、その決定した別の商品に関するレコメンド情報を購入者Pの連絡先(メールアドレスなど)に通知するレコメンド処理を行う。
【0027】
さらに、レコメンド装置4は、購入者Pが購入者用端末3においてレコメンド情報を確認し、そのレコメンド情報に含まれるアクセス情報を用いてページ要求を行った場合には、そのレコメンド情報によって推奨される商品を掲載するWEBページのアクセス先を購入者用端末3に通知するリダイレクト処理を行う。
【0028】
図2は、レコメンド装置4のハードウェア構成例である。本実施形態のレコメンド装置4は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402およびRAM(Random Access Memory)403、通信I/F(Interface)404、ストレージ405等を備えている。
【0029】
CPU401は、ROM402またはストレージ405からRAM403に読み込んだレコメンドプログラムを実行する。具体的には、CPU401がレコメンドプログラムを実行することにより、レコメンド装置4の各部の機能が実現される。ROM402またはストレージ405は、CPU401が実行するレコメンドプログラムおよび実行に必要な各種パラメータを格納するための記憶媒体である。RAM403またはストレージ405は商品情報、受注情報およびECサイト情報を格納するための記憶媒体である。また、RAM403は、CPU401が使用するデータの一時保管領域としても機能する。また、CPU401は、通信I/F404を介して通信ネットワークに対してデータを送受信する。レコメンド装置4は、CPU401とROM402とRAM403と通信I/F404とストレージ405をそれぞれ複数有することができる。
【0030】
なお、レコメンド装置4のハードウェア構成は、
図2に示す構成に限定されない。
【0031】
また、複数のコンピュータをネットワークで接続して、レコメンド装置4の各部の機能を各コンピュータが分担することもできる。一方で、レコメンド装置4の機能の1つ以上を、専用のハードウェアを用いて実現することもできる。
【0032】
図3は、レコメンド装置4の機能構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、レコメンド装置4は、記憶部40と、制御部41と、通信部46とを備えている。
【0033】
記憶部40は、事業者A,Dが販売する商品情報と、事業者A,Dが受注した受注情報と、事業者A,Dが店舗を展開する複数のECサイトA~Cの情報を含むECサイト情報とが、事業者別に記憶されている。記憶部40は、RAM403、およびストレージ405の1つ以上により実現することができる。
【0034】
図4は、記憶部40に記憶される種々の情報のデータ構造の一例を示す図である。記憶部40は、上述したように商品情報、受注情報およびECサイト情報を事業者別に記憶する。
【0035】
具体的には、商品情報は、事業者を識別するための事業者IDと、その事業者IDの事業者が販売する商品の商品コードと、その商品の名称(商品名)とが対応付けられて記憶されている。
【0036】
また、受注情報は、事業者を識別するための事業者IDと、その事業者IDの事業者が受注した受注番号と、その注文をした購入者を識別するための購入者IDと、その購入者が商品を購入した店舗を識別するための店舗IDと、その購入者が購入した商品の商品コードとが対応付けられて記憶されている。
【0037】
購入者IDには、購入者の電子メールアドレス、電話番号、住所および氏名などが含まれるか関連付けられる。また、店舗IDは、上述したとおり店舗を識別する可能であるが、その店舗がどのECサイトに展開されているかも識別可能である。
【0038】
また、ECサイト情報は、事業者を識別するための事業者IDと、その事業者IDの事業者が店舗を展開するECサイトおよびその店舗を識別するための店舗IDと、その店舗IDの店舗が販売する商品の商品コードと、その商品コードの商品の詳細な情報を掲載するWEBページのアクセス先である商品URL(Uniform Resource Locator)とが対応付けられて記憶されている。商品URLによって特定されるWEBページは、店舗IDによって特定されるECサイト上のWEBページである。
【0039】
また、記憶部40には、レコメンドプログラムがインストールされており、このレコメンドプログラムが制御部41によって実行されることによって、制御部41の各部の機能が実現される。制御部41は、CPU401によって実現することができる。
【0040】
制御部41は、記憶部40に記憶された複数の事業者の商品情報、受注情報およびECサイト情報の入出力を制御し、これらの情報を一括管理する。本実施形態では、記憶部40および制御部41によってデータベース(
図1参照)が構築される。また、制御部41は、複数の事業者の商品情報、受注情報およびECサイト情報の入出力を事業者別に管理するが、事業者間でのデータの共有は行わない。
【0041】
また、制御部41は、上述したレコメンド処理およびリダイレクト処理や、商品の受注出荷処理を行う。制御部41は、具体的には、データ取得部42と、受注出荷処理部43と、レコメンド処理部44と、リダイレクト処理部45とを備えている。リダイレクト処理部45は、本発明の応答処理部に相当する。
【0042】
データ取得部42は、記憶部40に記憶される商品情報、受注情報およびECサイト情報に含まれる種々のデータを取得する。
【0043】
商品情報およびECサイト情報は、事業者A,Dによって事業者用端末1,2を用いて設定された情報に基づいて、ECサイトA~Cにおいて生成される。また、受注情報は、購入者Pによって購入者用端末3を用いて設定された情報に基づいて、ECサイトA~Cにおいて生成される。データ取得部42は、ECサイトA~Cに対してWebAPI要求を出力し、これに応じてECサイトA~Cから商品情報、ECサイト情報および受注情報が出力され、データ取得部42によって取得される。なお、データ取得部42は、商品情報ECサイト情報、および受注情報を、事業者用端末1,2から受け付けてもよい。
【0044】
受注出荷処理部43は、データ取得部42によって受注情報が取得された際、その受注情報に基づいて受注出荷処理を行う。受注出荷処理部43は、受注出荷処理として、たとえば購入者Pが購入した商品が購入者Pの受け取り先に配送されるように、配送業者などの関連業者に対して電子メールで受注情報を送信する。また、受注出荷処理部43は、受注出荷処理として、たとえば購入者Pの連絡先に対して注文した商品の状況を知らせる電子メールを送信する。
【0045】
レコメンド処理部44は、データ取得部42によって受注情報が取得された際、上述したレコメンド処理を行う。
図5は、レコメンド処理部44におけるレコメンド処理の一例を示すフローチャートである。
図5に示すように、レコメンド処理部44は、まず、データ取得部42によって取得された受注情報を取得する(S10)。
【0046】
次に、レコメンド処理部44は、受注情報から商品コードを抽出することによって、購入者Pが購入した商品を特定する(S12)。そして、レコメンド処理部44は、特定した購入商品に基づいて、購入者Pに対して推奨する商品を決定する(S14)。
【0047】
レコメンド処理部44は、たとえば購入者Pが、事業者Aの店舗ABCで商品を購入した場合、同じ店舗ABC内で販売される商品のいずれかを推奨商品として決定する。すなわち、レコメンド処理部44は、購入商品(本発明の第1商品に相当する)の購入先の店舗と同じ店舗で販売される商品のいずれかを推奨商品(本発明の第2商品に相当する)として決定する。
【0048】
具体的には、レコメンド処理部44は、購入者Pの購入商品の受注情報から事業者IDを抽出し、その事業者IDに基づいて、商品情報を参照することによって、その事業者IDの事業者が展開する店舗で販売される商品を特定し、その特定した商品の中から推奨商品を決定する。推奨商品の決定方法としては、たとえば購入商品に対応する推奨商品を予めテーブルとして設定しておき、そのテーブルを用いて推奨商品を決定するようにすればよい。
【0049】
また、レコメンド処理部44は、推奨商品を決定する際、購入商品だけでなく、たとえば購入者Pの商品の購入履歴(受注履歴)や購入者P以外の購入者の商品の購入履歴(受注履歴)なども用いて推奨商品を決定するようにしてもよい。また、たとえば過去の統計情報の機械学習により購入商品に対応する推奨商品を出力する学習済モデルを用意しておき、この学習済モデルを用いて推奨商品を決定するようにしてもよい。レコメンド処理部44は、推奨商品の決定方法として公知な手法を用いることができる。
【0050】
上述したように推奨商品を決定することによって、事業者は、自身の店舗で商品が購入された際、再び自身の店舗での商品の購入を促すことができ、利益の向上を図ることができる。
【0051】
レコメンド処理部44は、推奨商品を決定した後、その推奨商品の情報を含むレコメンド情報を生成する(S16)。具体的には、レコメンド処理部44は、レコメンド装置4の特定ページのURLに対して、推奨商品の商品コード、購入商品を販売した事業者IDおよび店舗ID、購入商品の受注番号、購入者Pの購入者ID、並びに購入商品の商品コードを含むパラメータを関連付けたURLをレコメンド情報として生成する。購入商品を販売した事業者IDおよび店舗ID,購入商品の受注番号、購入者Pの購入者ID、並びに購入商品の商品コードは、受注情報から取得可能である。
【0052】
そして、レコメンド処理部44は、レコメンド情報を購入者Pに対して電子メールで送信する(S18)。購入者Pの電子メールアドレスは、上述したように購入者IDに関連付けられている。以上が、レコメンド処理の一例の説明である。
【0053】
次に、リダイレクト処理部45は、購入者Pが購入者用端末3においてレコメンド情報を受信し、その受信したレコメンド情報のURLを選択した際、上述したリダイレクト処理を行う。
図6は、リダイレクト処理部45におけるリダイレクト処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
図6に示すように、まず、購入者Pが購入者用端末3においてレコメンド情報のURLを選択した場合には、購入者用端末3からレコメンド装置4に対してページ要求が出力され、リダイレクト処理部45は、そのページ要求を受け付ける(S20)。ページ要求には、上述したレコメンド情報の内容(推奨商品の商品コード、購入商品を販売した事業者IDおよび店舗ID,購入商品の受注番号、購入者Pの購入者ID、並びに購入商品の商品コード)が含まれる。なお、本実施形態においては、このページ要求が、本発明のアクセス要求に相当する。
【0055】
そして、リダイレクト処理部45は、上述したページ要求を受け付けた場合には、ページ要求に含まれる事業者ID、店舗IDおよび推奨商品の商品コードに基づいて、ECサイト情報を参照し、推奨商品の商品コードに対応する商品URLを特定する(S22)。
このようにページ要求に含まれる事業者ID、店舗IDおよび推奨商品の商品コードとECサイト情報を用いて推奨商品の商品URLを特定することによって、簡易な処理により推奨商品の商品URLを特定することができる。
【0056】
次いで、リダイレクト処理部45は、特定した商品URLを購入者用端末3に送信することによってリダイレクト応答を行う(S24)。以上が、リダイレクト処理の一例の説明である。
【0057】
リダイレクト処理部45から応答された推奨商品の商品URLは、購入者用端末3によって受け付けられる。そして、購入者用端末3において、その商品URLが購入者Pによって選択された場合あるいは自動的に、購入者用端末3からECサイトA~CのいずれかのECサイトにページ要求が出力される。具体的には、購入者用端末3は、ECサイトA~Cのうち上述した推奨商品を販売する店舗を含むECサイトにページ要求を出力する。そして、ページ要求を受け付けたECサイトから購入者用端末3に対して推奨商品を掲載したWEBページが出力され、購入者Pは、推奨商品のWEBページを閲覧することができる。
【0058】
図3に戻り、通信部46は、通信ネットワークを介して、ECサイトA~Cのサーバ装置、事業者用端末1,2および購入者用端末3などの他の装置と通信を行う。通信部46は、通信I/F404によって実現することができる。
【0059】
次に、本実施形態に係るECシステム全体の処理の流れについて、
図7を参照しながら説明する。なお、
図7における点線枠で示す各処理は、
図7に示す時間方向について順番に行われる処理であるが、連続して行われる処理ではなく、それぞれ任意のタイミングで行われる非連続の処理である。また、
図7に示すフローチャートでは、購入者Pが購入者用端末3を用いてECサイトAの店舗ABCで商品を購入した場合の処理の流れについて説明するが、他の購入者が他のECサイトの他の店舗で商品を購入した場合にも、同様の処理が行われる。また、
図7に示すフローチャートでは、レコメンド装置4が事業者Aの店舗ABCに関するレコメンド情報を生成する場合について説明するが、他の事業者の店舗に関する場合も同様である。
【0060】
図7に示すように、まず、購入者Pが購入者用端末3を用いてECサイトAにアクセスし、店舗ABCで販売される商品Xを購入する(S30)。その後、レコメンド装置4からECサイトAに対してWebAPI要求(店舗ABCの受注情報の要求)が出力され、ECサイトAは、そのWebAPI要求に応じて、自身が有する店舗ABCの受注情報をレコメンド装置4に出力する(S32)。
【0061】
ECサイトAから出力された受注情報は、データ取得部42によって取得された後、受注出荷処理部43に入力され、受注出荷処理部43は、入力された受注情報に基づいて、受注出荷処理を行う(S34)。
【0062】
その後、レコメンド装置4のレコメンド処理部44は、任意のタイミングで上述したレコメンド処理を行い、購入者Pの連絡先に対してレコメンド情報を出力する(S36)。この際、レコメンド処理部44は、商品Xの購入先の店舗ABC内で販売される商品であって、かつ商品Xに基づいて推奨される商品Yを決定し、商品Yの情報を含むレコメンド情報を生成する。
【0063】
そして、購入者Pが、購入者用端末3においてレコメンド情報のURLを選択した場合には、購入者用端末3からレコメンド装置4に対してページ要求が出力される(S38)。購入者用端末3から出力されたページ要求は、リダイレクト処理部45によって受け付けられ、リダイレクト処理部45は、ページ要求に応じて、上述したリダイレクト応答を行う(S40)。すなわち、リダイレクト処理部45は、推奨商品である商品Yの商品URLを特定し、購入者用端末3に出力する。
【0064】
そして、購入者用端末3において、商品Yの商品URLが購入者Pによって選択された場合には、購入者用端末3からECサイトAにページ要求が出力される(S42)。ページ要求を受け付けたECサイトAは、購入者用端末3に対して商品Yを掲載したWEBページを出力し(S44)、購入者Pは、商品YのWEBページを閲覧することができる。
【0065】
上記実施形態のレコメンド装置4によれば、異なる複数のECサイトに同一事業者の複数の店舗が展開されている状況において、記憶部40に記憶され制御部41によって一括管理された種々の情報を用いてレコメンド情報を生成し、そのレコメンド情報を購入者に対して送信するようにしたので、利便性の高いレコメンドの仕組みを提供することができる。あるECサイトのある事業者の店舗で商品が購入された場合、再び同じ店舗の他の商品がレコメンドされるため、当該事業者にとって効果的である。またECサイトの立場では、自身のECサイトで商品が購入された場合、再び自身のECサイトの他の商品がレコメンドされるため、当該ECサイトにとって効果的である。また、レコメンド装置4は、レコメンド情報のURLのページ要求を受け付けることにより、レコメンド経由の商品ページへのアクセスを捕捉することができる。
【0066】
なお、上記実施形態においては、レコメンド処理部44が、レコメンド情報を電子メールで出力するようにしたが、通知方法はこれに限らない。たとえば購入者PのSNSのアカウントやメッセージングアプリのアカウントや電話番号などの連絡先に対して出力してよい。
【0067】
また、レコメンド情報を特定のWEBページに出力して公開するようにしてもよい。このようにレコメンド情報をWEBページに公開する場合には、たとえば購入者Pは、購入者用端末3に予め専用のアプリケーションをインストールする。そして、購入者Pは、アプリケーション上において購入者IDを登録し、レコメンド装置4の制御部41は、購入者IDを介して購入者Pのアプリケーションを認識する。購入者Pが、購入者用端末3においてアプリケーションを立ち上げ、アプリケーションのレコメンドページ(上述した特定のWEBページ)にアクセスした場合に、レコメンド情報を閲覧可能となる。
【0068】
また、上記実施形態において、レコメンド処理部44は、レコメンド情報に推奨商品の画像や詳細の情報を含めるようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態において、レコメンド処理部44は、購入商品に基づいて1つの推奨商品を決定しているが、複数の推奨商品を決定するようにしてもよい。この場合、レコメンド処理部44は、各推奨商品に対応するレコメンド情報を生成し、これらのレコメンド情報を購入者Pに対して出力する。購入者Pは、希望する推奨商品のURLを選択することができる。
【0070】
また、上記実施形態においては、レコメンド情報が、事業者IDを含むようにしたが、受注番号に事業者の情報も含め、受注番号によって事業者を識別可能としてもよい。この場合、購入者用端末3からレコメンド装置4に対してページ要求をした際、レコメンド装置4は、事業者IDをもらう必要はない。したがって、この場合、レコメンド情報には、少なくとも推奨商品の商品コードおよび購入商品の受注番号が含まれていればよい。受注番号で受注情報を参照すれば、事業者IDと店舗IDを特定することができる。
【0071】
また、上記実施形態においては、基本的には、所定のECサイトの店舗で商品が購入された場合には、同一ECサイトで展開される同一事業者の同一店舗の他の商品が推奨商品として決定される。ただし、変形例として、同一ECサイトで展開される他の事業者の店舗の他の商品が推奨商品として決定されるようにしてもよい。つまり、レコメンド情報を生成する際、他の事業者のデータも解析するようにしてもよい。また、同一ECサイトで展開される同一事業者の他の店舗の他の商品が推奨商品として決定されるようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0073】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に置くことができる。
【0074】
本発明は、レコメンド装置に限られず、レコメンド方法、コンピュータ読み取り可能なレコメンドプログラムなどの様々な態様で提供できる。
【符号の説明】
【0075】
1,2…事業者用端末、3…購入者用端末、4…レコメンド装置、40…記憶部、41…制御部、42…データ取得部、43…受注出荷処理部、44…レコメンド処理部、45…リダイレクト処理部、46…通信部