(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】自動車ビークルワイパーシステム用のギヤモータ
(51)【国際特許分類】
F16H 57/04 20100101AFI20230116BHJP
B60S 1/08 20060101ALI20230116BHJP
F16H 1/16 20060101ALI20230116BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20230116BHJP
【FI】
F16H57/04 G
B60S1/08 D
F16H1/16 Z
H02K7/116
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018229908
(22)【出願日】2018-12-07
【審査請求日】2021-10-14
(32)【優先日】2017-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】ジョゼ-ルイ、エラーダ
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102012211080(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 57/04
B60S 1/08
F16H 1/16
H02K 7/116
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車ワイピングシステム用のギヤードモータ(1)であって、
磁気要素を含む回転子(20)、
前記回転子の電磁励起巻線を有する固定子(21)、及び
前記回転子に剛体的に連結された回転シャフト(22)
を含む電気モータ(2)と、
前記回転シャフト(22)と前記ギヤードモータの出力シャフトとを連結する減速歯車(3)と、
前記減速歯車又は電気モータ(2)用の保護覆いを形成するケーシング(4)と、を備え、
前記減速歯車(3)がウォームねじ及びウォームホイールの歯車装置を含み、前記ウォームねじ(30)が前記回転子の前記回転シャフト(22)に剛体的に連結され、前記ウォームホイール(31)が前記ギヤードモータの出力シャフト(8)に剛体的に連結されており、
前記回転子の前記回転シャフト(22)を前記ケーシング(4)に対して回転で案内するための軸受手段(23、24)と
、
前記回転子(20)の前記回転シャフト(22)に剛体的に連結された多極磁石(5)を含む、前記回転子の角度位置を決定するための決定装置と、をさらに備える、ギヤードモータ(1)において、
前記ギヤードモータ(1)が、前記軸受手段(23、24)と異なり
、前記多極磁石(5)とも異なる、前記回転シャフト(22)から半径方向に突出する要素の形をとる少なくとも1つのヒートシンク(7)を含み、
前記軸受手段(23、24)が、前記回転シャフトの、前記
電気モータ(2)の前記固定子側とは反対側の端部を前記回転シャフト(22)の方向にかつ前記ウォームねじ(30)に対して案内するための軸受(24)を含み、前記ヒートシンク(7)が、前記ウォームねじ(30)と前記電気モータ(2)の前記固定子とは反対側の前記軸受(24)との間の中間位置に、前記回転シャフト(22)上の前記ウォームねじ(30)に近接して配置され、前記ヒートシンク(7)が前記回転シャフト(22)を組み付けるための内部ブッシュ(70)を有し、前記要素が前記ケーシング(4)の内部雰囲気との熱交換面を形成するように設計され、
前記ヒートシンク(7)が、前記ウォームホイール(31)と局所的に向かい合って配置されかつ前記ウォームホイール(31)に対して実質的に接線方向に局所的に向けられるように前記回転シャフト(22)の軸線に対して傾斜している周面(71)を有することを特徴とする、ギヤードモータ(1)。
【請求項2】
前記ヒートシンク(7)が前記ウォームホイール(31)のすぐ近くに配置され、前記周面(71)は、前記ウォームホイール(31)が回転しているときに前記ウォームホイール(31)から4mm以
下の距離(Δ)を置いて配置される、請求項1に記載のギヤードモータ(1)。
【請求項3】
前記回転シャフト(22)の軸線に沿った前記ヒートシンク(7)の幅方向の寸法が、前記ヒートシンク(7)のレベルでの前記回転シャフトの直径の0.8倍以上である、請求項1又は2に記載のギヤードモータ(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのヒートシンクが、1W・m
-1・K
-1以上の熱伝導率を有する材料から作られる、請求項1から3のいずれか一項に記載のギヤードモータ(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのヒートシンクを作るために使用される前記材料が金属である、請求項4に記載のギヤードモータ(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのヒートシンクを作るために使用される前記材料が金属粒子で強化されたプラスチックである、請求項4に記載のギヤードモータ(1)。
【請求項7】
前記軸受手段の外径がDであり、前記ヒートシンク(7)の外径が0.6D以上である、請求項1から6のいずれか一項に記載のギヤードモータ(1)。
【請求項8】
前記軸受手段(23、24)が、固定子側ころ軸受と呼ばれる、前記回転シャフトを前記電気モータ(2)の前記固定子(21)側で前記ウォームねじ(30)に対して案内するための軸受(23)を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のギヤードモータ(1)。
【請求項9】
前記軸受手段が、前記回転シャフト(22)の両端をそれぞれ案内するための前記固定子側軸受(23)及び前記固定子の反対側の軸受(24)を専ら備える、請求項8に記載のギヤードモータ(1)。
【請求項10】
前記ヒートシンク(7)がフィン(73)を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のギヤードモータ(1)。
【請求項11】
前記フィン(73)が前記ヒートシンク(7)の回転軸線を中心に配置され、前記回転シャフト(22)と共に強制的に回転される通気ブレードを形成するように設計される、請求項10に記載のギヤードモータ(1)。
【請求項12】
1つ又は複数のワイパーブレードと、前記1つ又は複数のワイパーブレードを前後運動で駆動するためのリンク機構と、請求項1から11のいずれか一項に記載のギヤードモータと、を含む自動車ワイピングシステムであって、前記出力シャフト(8)が前記リンク機構を駆動する、自動車ワイピングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車ワイピングシステム用のギヤードモータ(geared motor)に関する。
【背景技術】
【0002】
ギヤードモータは本質的に、大きな回転伝達トルクを得る速度にシフトダウンするために使用される減速歯車に連結された電気モータを備える。
【0003】
様々な種類の電気モータが、小型、低消費電力、低騒音レベルなどの多くの利点を有するギヤードモータ、特に直流ブラシレス電気モータに使用され得る。
【0004】
かかるギヤードモータは、特に、1つ又は複数のワイパーブレードとこの1つ又は複数のワイパーブレードを前後運動で駆動するためのリンク機構とを含む自動車ワイピングシステムに使用され、ギヤードモータの前記出力シャフトはワイピングシステムのリンク機構を駆動する。
【0005】
減速歯車はしばしばウォームギヤであり、ウォームねじは一般に金属で作られ、回転子の回転シャフトに剛体的に連結されるものであり、ウォームホイールはギヤードモータの出力シャフトに剛体的に連結され、一般にプラスチックで作られるものである。
【0006】
2つ又は3つの玉軸受などの軸受が、通常は回転シャフトを回転で案内するために使用され、各玉軸受は内輪及び外輪を有し、玉は内輪の軌道及び外輪の軌道を転がるように設計される。
【0007】
発明者によれば、ウォームギヤを備える減速歯車は低出力伝達効率、約65%を有し、失われた出力(すなわち35%)はウォームねじ及び金属回転シャフト内に熱の形で消散されることにも留意すべきである。発明者の意見では、従来技術で知られるギヤードモータの冷却は大幅に改善することができた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、冷却を最適化したウォーム駆動ギヤードモータを提案することにより前述の欠点を解決することである。
【0009】
本発明の別の目的は、回転シャフトの縦軸線に沿って小型になるギヤードモータを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、自動車ワイピングシステム用のギヤードモータであって、
磁気要素を含む回転子、
回転子の電磁励起巻線を有する固定子、及び
回転子に剛体的に連結された回転シャフト
を含む電気モータと、
回転シャフトとギヤードモータの出力シャフトとを連結する減速歯車と、
前記減速歯車又は電気モータ用の保護覆い(protective envelope)を形成するケーシングと、を備え、
前記減速歯車がウォームギヤシステムを含み、ウォームねじが回転子の回転シャフトに剛体的に連結され、ウォームホイール(31)がギヤードモータの出力シャフトに剛体的に連結されており、
回転子の回転シャフトをケーシングに対して回転で案内するための軸受手段と、
潜在的に、回転子の回転シャフトに剛体的に連結された多極磁石を含む、回転子の角度位置を決定するための決定装置と、をさらに備える、ギヤードモータにも関する。
【0011】
本発明によれば、ギヤードモータは、軸受手段と異なり多極磁石とも異なり、存在する場合は、回転シャフトから半径方向に突出する要素の形をとる少なくとも1つのヒートシンクを含み、
前記軸受手段は、回転シャフトの、電気モータの固定子側とは反対側の端部を回転シャフトの方向にかつ前記ウォームねじに対して案内するための軸受を含み、前記ヒートシンクは、ウォームねじと電気モータの固定子とは反対側の前記軸受との間の中間位置に、前記回転シャフト上のウォームねじに近接して配置され、前記ヒートシンクが回転シャフトを組み付けるための内部ブッシュを有し、前記要素がケーシングの内部雰囲気との熱交換面を形成するように設計され、
前記ヒートシンクは、ウォームホイールと局所的に向かい合って配置されかつウォームホイールに対して実質的に接線方向に局所的に向けられるように回転シャフトの軸線に対して傾斜している周面を有する。
【0012】
個々に又は組み合わせてなされる、本発明の任意的な機能によれば、
前記ヒートシンクはウォームホイールのすぐ近くに配置され、前記周面は、ウォームホイール31が回転しているときにウォームホイール31から4mm以下、好ましくは3mm以下の距離Δを置いて配置され、
回転シャフトの軸線に沿ったヒートシンクの幅方向の寸法は、ヒートシンクのレベルでの回転シャフトの直径の0.8倍以上であり、
ヒートシンクは、1W・m-1・K-1以上の熱伝導率を有する材料で作られ、
前記少なくとも1つのヒートシンクを作るために使用される材料は金属であり、又は代替的に前記少なくとも1つのヒートシンクを作るために使用される材料は金属粒子で強化されたプラスチックであり、
軸受手段の外径はDであり、前記ヒートシンクの外径は0.6D以上であり、
前記軸受手段は、固定子側ころ軸受と呼ばれる、回転シャフトを電気モータの固定子側で前記ウォームねじ30に対して案内するための軸受を含み、
軸受手段は、回転シャフトの両端をそれぞれ案内するための固定子側軸受及び固定子の反対側の軸受(24)を専ら備え、
前記ヒートシンクはフィンを有し、
フィンはヒートシンクの回転軸線を中心に配置され、回転シャフトと共に強制的に回転される通気ブレードを形成するように設計される。
【0013】
本発明は、1つ又は複数のワイパーブレード、この1つ又は複数のワイパーブレードを前後運動で駆動するためのリンク機構、ならびに本発明によるギヤードモータを含む自動車ワイピングシステムであって、出力シャフトがリンク機構を駆動する、自動車ワイピングシステムにも関する。
【0014】
本発明は、下記の説明を添付図面と共に読むことでより良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】モータの回転シャフトの軸線に平行な面に沿って見た断面図であり、固定子と、回転子及び回転シャフトと、ウォームギヤと、特に回転シャフトに剛体的に連結された前記多極磁石と、ウォームねじと固定子の反対側に配置された回転シャフトの端部を案内するために使用される軸受との間に配置された、ウォームねじに近接して配置される固体要素の形をとるヒートシンクと、を含む、本発明の一実施形態によるギヤードモータを示す。
【
図1a】ヒートシンクとウォームホイールとの間の距離Δを示す、
図1のフレームの詳細図である。
【
図2】
図1のギヤードモータ内に示されている固体ヒートシンクの代わりに使用され得るフィン付きヒートシンクの側面図である。
【
図3】
図1のギヤードモータ内に示されている固体ヒートシンクの代わりに使用され得るフィン付きヒートシンクの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、
永久磁石などの磁気要素29を支持する回転子20、
固定子の電磁励起巻線を有する固定子21、及び
回転子に剛体的に連結された回転シャフト22
を含む電気モータ2と、
回転シャフト22とギヤードモータの出力シャフト8とを連結する減速歯車3と、を備える、自動車ワイピングシステム用のギヤードモータ1にも関する。
【0017】
一般に金属で作られるケーシング4は、前記減速歯車3、又は電気モータ2用の保護覆いを形成することができる。
【0018】
電気モータは直流ブラシレスモータとすることができる。この種のモータは、固定子21に対する回転子20の角度位置を決定するための決定装置を含む。制御ユニット(図示せず)は、固定子21の電磁励起巻線に電力供給する制御信号を、回転子の角度位置を決定するための決定装置によって決定される回転子の角度位置の関数として生成するように設計される。
【0019】
ギヤードモータは、この目的のために回転子と共に強制的に回転する多極磁石5を含む、回転子の角度位置を決定するための決定装置と、静止位置にありかつ回転子の回転中に多極磁石の磁区の変化を検出するように設計された1つ又は複数のホール効果センサ(図示せず)と、を含むことができる。
【0020】
減速歯車3は、ウォームねじ30とウォームホイール31の歯車装置を含み、ウォームねじ30は回転子20の回転シャフト22に剛体的に連結され、ウォームホイール31はギヤードモータの出力シャフト8に剛体的に連結される。この出力シャフト8は、電気モータ2の回転シャフト22に対して実質的に垂直である。ウォームねじ30のねじ山は回転シャフト22の材料から得ることができ、一般に金属で作られる。ウォームホイール31は一般にプラスチックで作られる。
【0021】
回転子22の回転シャフトは、軸受手段23、24によってケーシング4に対して回転で案内される。使用される軸受23、24は、ころ軸受、ブッシング又は当業者に知られる他の形の軸受とすることができる。
【0022】
このようなギヤードモータ1では、減速歯車3のウォームねじ30とウォームホイール31との間に発生する摩擦がウォームねじ及び回転シャフト22の顕著な加熱を引き起こす。
【0023】
しかしながら、本発明は、ウォームねじ30及び電気モータ2の回転シャフト22の冷却を最適化するためのものである。
【0024】
特に、ギヤードモータ1は、存在する場合は、軸受手段23、24と異なり多極磁石5とも異なる、回転シャフト22から半径方向に突出する要素の形をとるヒートシンク7を含む。このヒートシンク7は回転シャフト22を組み付けるための内部ブッシュ70を有し、前記要素はケーシング4の内部雰囲気との熱交換面を形成するように設計される。
【0025】
さらに、前記軸受手段は、回転シャフト22の、電気モータ2の固定子21側とは反対側の端部を回転シャフト22の方向に前記ウォームねじ30に対して案内するための軸受24を含む。本発明によれば、前記ヒートシンク7は、ウォームねじ30と電気モータ2の固定子とは反対側の前記軸受24との間の中間位置に、前記回転シャフト22上のウォームねじ30に近接して配置される。
【0026】
動作しているとき、ヒートシンク7は、回転シャフト22から、ウォームねじ30の近くではヒートシンク7の内部ブッシュ70から熱を除去するとともに、内部雰囲気によって冷却され得る前記要素の熱交換面の場所までカロリーを放射状に伝えるように設計される。
【0027】
さらに、前記ヒートシンク7は、ウォームホイール31と局所的に向かい合って配置されかつウォームホイール31に対して実質的に接線方向に局所的に向けられるように回転シャフト22の軸線に対して傾斜している周面71を有する。
【0028】
前記ヒートシンク7はウォームホイール31のすぐ近くに配置され、前記周面71は、ウォームホイール31が回転しているときにウォームホイール31から好ましくは4mm以下、特に3mm以下、又は2mm以下の距離(Δ)を置いて配置される。
【0029】
この傾斜周面71は、前記突出要素をウォームホイール31のできるだけ近くに配置することによりヒートシンクを形成する要素の熱交換面を最大にするのに役立つ。前記ヒートシンク7の幅、すなわち回転シャフト方向に沿ったヒートシンクの寸法は、ヒートシンク(7)のレベルでの回転シャフトの直径の0.8倍以上とすることができる。
【0030】
ヒートシンクは、1W・m-1・K-1以上の熱伝導率を有する材料で作ることができる。特に、前記ヒートシンク7を作るために使用される材料は金属とすることができる。この材料は金属粒子で強化されたプラスチックとすることもできる。
【0031】
軸受手段の外径はDであり、前記ヒートシンク7の外径は0.6D以上、例えば0.7D以上あるいは0.8Dより大きくすることができる。前記ヒートシンク7の外径は1.5D以下、例えば1.3D以下とすることができる。
【0032】
前記ヒートシンク7は、内部雰囲気との熱交換面を形成するフィン73も有することもできる。一実施形態によれば、フィン73はヒートシンク7の回転軸線を中心に配置され、回転シャフト22と共に強制的に回転される通気ブレードを形成するように設計され得る。例えば、回転シャフト22が回転シャフト22の軸線を中心に運動する間、通気ブレードはパルス状空気流を作り出すように設計される。
【0033】
前記軸受手段23、24は、固定子側ころ軸受と呼ばれる、回転シャフトを電気モータ2の固定子21側で前記ウォームねじ30に対して案内するための軸受23を含むことができる。一実施形態によれば、軸受手段は固定子側軸受23及び固定子の反対側の軸受24を専ら備え、これらの2つの軸受23、24はそれぞれ回転シャフト22の両端を案内する。
【0034】
特に、固定子側案内軸受23は、回転子20と固定子21の組立体の内側に、回転子20の内側の凹所内に着座して配置することができる。したがって、回転シャフトのこの端部は、回転シャフトの端部が回転子から確実に突出するくらい長いシャフトを必要とせずに軸受23によって有利に案内され得る。さらに、回転子内側のこの軸受23の組立体は、ウォームねじを支持しかつ/又は極性磁石5を支持するために既に使用されている、回転子の外側の回転シャフトの使用可能な長手方向部分上にジャーナルを必要としない。回転子の外側の回転シャフトのこの長手方向部分は、この方向のギヤードモータのコンパクト性を増大させるために最小化することができる。
【0035】
この目的のために、中空支持体25が、前記磁気要素29を中空支持体25の周囲に支持することができ、回転シャフト22と同軸に配置されかつ回転シャフト22と共に強制的に回転される。有利には、この中空支持体25は前記軸受23を覆い、前記軸受23は、電気モータ2の固定子側で回転シャフト22の長手方向端部を案内する。
【0036】
この中空支持体25は、電気モータの固定子側で回転シャフト22の長手方向端部の向こうに軸線方向に延びる。これにより、特に、回転子の前記磁気要素29は、
図1に例として示されているように、回転シャフト22の長手方向端部の向こうに少なくとも部分的に配置されることが可能になる。この中空支持体25は、例えば、軸受23又はケーシング4の突出部分を収容することができる内径を有する中空管状部分を含む回転体である。
【0037】
この中空支持体25は、中空支持体25を回転シャフト22に装着できるようにするスリーブ26も含むことができる。このスリーブ26は、減速歯車3と軸受23との間の回転シャフト22上の中間位置に装着される。スリーブ26の内径は、この中間位置での回転シャフトの外径に合わせることができる。これは、中空支持体25と前記回転シャフト22との間の焼嵌めを可能にする締まりばめでよい。このスリーブ26は接着でシャフト22に装着することもできる。
【0038】
多極磁石5は、回転シャフトのまわりに組み付けられるリングの形をとることができる。磁区(北/南)はリングの周囲に交互に延びる。この多極磁石5は、前記中空支持体25に剛体的に連結され、前記中空支持体25を装着するための前記スリーブ26のまわりに配置され得る。
【0039】
前記中空支持体25は、磁気要素29を支持する長手方向支持部分27を有する。この長手方向支持部分27は実質的に円筒形である。回転子の磁気要素29は円筒の外壁に剛体的に連結される。特にリングの形をした肩部28が、磁気要素を支持する前記長手方向支持部分27の遠位端部で半径方向外向きに延びることができる。この肩部28は、回転子20の前記磁気要素29用の横方向ストッパを形成する。この肩部28は、単一直径線に沿った磁気要素の整列を容易にする。
【0040】
さらに、中空支持体25は、スリーブ26とスリーブ26より大きい直径を有する前記円筒形長手方向支持部分27とを連結する長手方向連結部分を有する。
【0041】
中空支持体25は本質的に、一体の要素、特に、スリーブ26、連結部分、円筒形支持部分27、又は前記肩部28を連続的に形成するように形状を定められた金属シートを備えることができる。
【0042】
本発明は、1つ又は複数のワイパーブレードと、この1つ又は複数のワイパーブレードを前後運動で駆動するためのリンク機構と、本発明によるギヤードモータと、を含む自動車ワイピングシステムであって、出力シャフト8がリンク機構を駆動する、自動車ワイピングシステムにも関する。
【符号の説明】
【0043】
1 ギヤードモータ
2 電気モータ
20 回転子
21 固定子
22 回転シャフト
23,24 軸受、電気モータの固定子側のころ軸受及び電気モータの固定子側とは反対側のころ軸受
3 減速歯車
30 ウォームねじ
31 ウォームホイール
4 ケーシング
5 多極磁石
7 電気モータの固定子側とは反対側の軸受とウォームねじとの間に配置されるヒートシンク
70 回転シャフトを組み付けるためのヒートシンクの内部ブッシュ
71 ウォームホイールのすぐ近くに配置される傾斜周面
72 多極磁石のリングの内部周囲支持体
73 フィン、特に通気ブレード
Δ ウォームホイールをヒートシンクから隔てる距離