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<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】シャント抵抗器及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01C 13/00 20060101AFI20230116BHJP
   H01C 17/28 20060101ALI20230116BHJP
   H01C 1/144 20060101ALI20230116BHJP
   G01R 15/00 20060101ALI20230116BHJP
【FI】
H01C13/00 J
H01C17/28
H01C1/144
G01R15/00 500
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019042373
(22)【出願日】2019-03-08
(65)【公開番号】P2020145365
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000175722
【氏名又は名称】サンコール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】特許業務法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】村上 健二
(72)【発明者】
【氏名】麦島 昭夫
【審査官】田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-504213(JP,A)
【文献】特表2013-536424(JP,A)
【文献】特開2017-208474(JP,A)
【文献】特開2009-244065(JP,A)
【文献】特開2016-213367(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01C 13/00
H01C 17/28
H01C 1/144
G01R 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流流れ方向に沿った長手方向一方側及び他方側に第1及び第2接合面を有する所定抵抗値の板状抵抗体と、前記第1接合面に接合された内端面を有する第1導電体と、前記第2接合面に接合された内端面を有する第2導電体と、前記第1導電体を第1電流領域及び第1電圧領域に分離する第1スリットと、前記第1スリットに充填された第1絶縁性樹脂と、前記第2導電体を第2電流領域及び第2電圧領域に分離する第2スリットと、前記第2スリットに充填された第2絶縁性樹脂とを備え、
前記第1スリットは、前記第1電流領域及び前記第1電圧領域が共に前記第1接合面に接合する領域を有するように、一端側の第1端部が前記第1導電体の内端面に開口し、
前記第2スリットは、前記第2電流領域及び前記第2電圧領域が共に前記第2接合面に接する領域を有するように、一端側の第1端部が前記第2導電体の内端面に開口していることを特徴とするシャント抵抗器。
【請求項2】
前記第1スリットの他端側の第2端部は、前記第1電圧領域及び前記抵抗体の接合面積を前記第1電流領域及び前記抵抗体の接合面積よりも小とさせる位置で、前記第1導電体の内端面に開口し、
前記第2スリットの他端側の第2端部は、前記第2電圧領域及び前記抵抗体の接合面積を前記第2電流領域及び前記抵抗体の接合面積よりも小とさせる位置で、前記第2導電体の内端面に開口していることを特徴とする請求項1に記載のシャント抵抗器。
【請求項3】
前記第1導電体は、前記長手方向に関し前記内端面とは反対側に位置する外端面と、前記長手方向と直交する幅方向に関し一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面及び第2側面とを有し、
前記第2導電体は、前記長手方向に関し前記内端面とは反対側に位置する外端面と、前記幅方向に関し一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面及び第2側面とを有し、
前記第1スリットは、前記第1及び第2端部のうち前記第1導電体の第1側面に近接する端部から前記第1導電体の外端面へ向かうに従って前記第1導電体の第1側面に近接し、前記第1導電体内において終焉する第1部分と、前記第1及び第2端部のうち前記第1導電体の第2側面に近接する端部から前記第1導電体の外端面へ向かうに従って前記第1導電体の第2側面に近接し、前記第1導電体内において終焉する第2部分と、前記第1及び第2部分を連結する連結部分とを有し、
前記第2スリットは、前記第1及び第2端部のうち前記第2導電体の第1側面に近接する端部から前記第2導電体の外端面へ向かうに従って前記第2導電体の第1側面に近接し、前記第2導電体内において終焉する第1部分と、前記第1及び第2端部のうち前記第2導電体の第2側面に近接する端部から前記第2導電体の外端面へ向かうに従って前記第2導電体の第2側面に近接し、前記第2導電体内において終焉する第2部分と、前記第1及び第2部分を連結する連結部分とを有していることを特徴とする請求項2に記載のシャント抵抗器。
【請求項4】
前記第1導電体は、前記長手方向に関し前記内端面とは反対側に位置する外端面と、前記長手方向と直交する幅方向に関し一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面及び第2側面とを有し、
前記第2導電体は、前記長手方向に関し前記内端面とは反対側に位置する外端面と、前記幅方向に関し一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面及び第2側面とを有し、
前記第1スリットの他端側の第2端部は、前記第1導電体の第1及び第2側面の一方に開口し、
前記第2スリットの他端側の第2端部は、前記第2導電体の第1及び第2側面の一方に開口し、
前記第1スリットの第1端部は、前記第1電圧領域及び前記抵抗体の接合面積を前記第1電流領域及び前記抵抗体の接合面積よりも小とさせる位置で、前記第1導電体の内端面に開口し、
前記第2スリットの第1端部は、前記第2電圧領域及び前記抵抗体の接合面積を前記第2電流領域及び前記抵抗体の接合面積よりも小とさせる位置で、前記第2導電体の内端面に開口していることを特徴とする請求項1に記載のシャント抵抗器。
【請求項5】
前記第1導電体は、前記長手方向に関し前記内端面とは反対側に位置する外端面と、前記長手方向と直交する幅方向に関し一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面及び第2側面とを有し、
前記第2導電体は、前記長手方向に関し前記内端面とは反対側に位置する外端面と、前記幅方向に関し一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面及び第2側面とを有し、
前記第1スリットの他端側の第2端部は、前記第1導電体の外端面に開口し、
前記第2スリットの他端側の第2端部は、前記第2導電体の外端面に開口し、
前記第1スリットの第1端部は、前記第1電圧領域及び前記抵抗体の接合面積を前記第1電流領域及び前記抵抗体の接合面積よりも小とさせる位置で、前記第1導電体の内端面に開口し、
前記第2スリットの第1端部は、前記第2電圧領域及び前記抵抗体の接合面積を前記第2電流領域及び前記抵抗体の接合面積よりも小とさせる位置で、前記第2導電体の内端面に開口していることを特徴とする請求項1に記載のシャント抵抗器。
【請求項6】
前記第1及び第2電圧領域にはそれぞれ第1及び第2電圧検出用接続部を形成するピン電極が設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のシャント抵抗器。
【請求項7】
前記第1及び第2電圧領域にはそれぞれ第1及び第2電圧検出用接続部を形成する接続開口が設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のシャント抵抗器。
【請求項8】
電流流れ方向に沿った長手方向一方側及び他方側に第1及び第2接合面を有する所定抵抗値の板状抵抗体と、前記第1接合面に接合された内端面を有する第1導電体と、前記第2接合面に接合された内端面を有する第2導電体と、前記第1及び第2導電体にそれぞれ設けられた第1及び第2電圧検出用接続部と、前記第1導電体の上面及び下面を貫通する第1スリットと、前記第1スリットに充填された第1絶縁性樹脂と、前記第2導電体の上面及び下面を貫通する第2スリットと、前記第2スリットに充填された第2絶縁性樹脂とを備え、
前記第1スリットは、前記長手方向に関し前記第1電圧検出用接続部よりも前記抵抗体から離間された側において、前記長手方向と直交する幅方向に関し前記第1電圧検出用接続部とオーバーラップし且つ前記第1導電体の幅の1/2よりも短くなるように配置されており、
前記第2スリットは、前記長手方向に関し前記第2電圧検出用接続部よりも前記抵抗体から離間された側において、前記長手方向と直交する幅方向に関し前記第2電圧検出用接続部とオーバーラップし且つ前記第2導電体の幅の1/2よりも短くなるように配置されていることを特徴とするシャント抵抗器。
【請求項9】
前記第1導電体は、前記長手方向に関し前記内端面とは反対側に位置する外端面と、前記長手方向と直交する幅方向に関し一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面及び第2側面とを有し、
前記第2導電体は、前記長手方向に関し前記内端面とは反対側に位置する外端面と、前記幅方向に関し一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面及び第2側面とを有し、
前記第1スリットは、一端側の第1端部が前記第1導電体の第1及び第2側面の一方に開口し、
前記第2スリットは、一端側の第1端部が前記第2導電体の第1及び第2側面の一方に開口していることを特徴とする請求項8に記載のシャント抵抗器。
【請求項10】
前記第1及び第2導電体にはそれぞれ締結孔が設けられていることを特徴とする請求項1から9の何れかに記載のシャント抵抗器。
【請求項11】
電流流れ方向に沿った長手方向一方側及び他方側に第1及び第2接合面を有する所定抵抗値の板状抵抗体と、前記第1接合面に接合された内端面を有する第1導電体と、前記第2接合面に接合された内端面を有する第2導電体と、前記第1導電体を第1電流領域及び第1電圧領域に分離する第1スリットと、前記第1スリットに充填された第1絶縁性樹脂と、前記第2導電体を第2電流領域及び第2電圧領域に分離する第2スリットと、前記第2スリットに充填された第2絶縁性樹脂とを備え、前記第1スリットは、前記第1電流領域及び前記第1電圧領域が共に前記第1接合面に接合する領域を有するように、一端側の第1端部が前記第1導電体の内端面に開口し、前記第2スリットは、前記第2電流領域及び前記第2電圧領域が共に前記第2導電体の内端面の少なくとも一部を有するように、一端側の第1端部が前記第2導電体の内端面に開口しているシャント抵抗器の製造方法であって、
前記抵抗体、前記第1導電体に前記第1スリット及び前記第1絶縁性樹脂が設けられてなる第1導電体アッセンブリ、並びに、前記第2導電体に前記第2スリット及び前記第2絶縁性樹脂が設けられてなる第2導電体アッセンブリを用意する工程と、
前記第1導電体アッセンブリの前記第1導電体の内端面及び前記抵抗体の第1接合面を当接させた状態で両者を接合する第1導電体接合工程と、
前記第2導電体アッセンブリの前記第2導電体の内端面及び前記抵抗体の第2接合面を当接させた状態で両者を接合する第2導電体接合工程とを含み、
前記第1導電体アッセンブリを用意する工程は、
前記第1導電体を形成する第1導電体形成領域及び前記内端面の位置を画する第1内方境界線を挟んで前記第1導電体形成領域に連接された第1内方延在領域を含む第1導電性金属板を用意する工程と、
前記第1導電性金属板に、厚み方向一方側の上面及び厚み方向他方側の下面を貫通する第1貫通孔であって、前記第1導電体形成領域内の平面視形状が前記第1スリットの平面視形状と同一とされた第1スリット形成部分、及び、前記第1スリット形成部分の一端側の第1端部から前記第1内方境界線を越えて前記第1内方延在領域内へ延び、当該第1内方延在領域内で終焉する第1端部側延在部分を有する第1貫通孔を形成する工程と、
前記第1貫通孔内に絶縁性樹脂材を含む塗料を塗装し、硬化させることで、前記第1貫通孔内に前記第1絶縁性樹脂を充填する工程と、
前記第1内方境界線を含む切断線で前記第1導電性金属板から前記第1導電体形成領域を切断して、前記第1導電体に前記第1スリット及び前記第1絶縁性樹脂が設けられてなる前記第1導電体アッセンブリを得る工程とを含み、
前記第2導電体アッセンブリを用意する工程は、
前記第2導電体を形成する第2導電体形成領域及び前記内端面の位置を画する第2内方境界線を挟んで前記第2導電体形成領域に連接された第2内方延在領域を含む第2導電性金属板を用意する工程と、
前記第2導電性金属板に、厚み方向一方側の上面及び厚み方向他方側の下面を貫通する第2貫通孔であって、前記第2導電体形成領域内の平面視形状が前記第2スリットの平面視形状と同一とされた第2スリット形成部分、及び、前記第2スリット形成部分の一端側の第1端部から前記第2内方境界線を越えて前記第2内方延在領域内へ延び、当該第2内方延在領域内で終焉する第1端部側延在部分を有する第2貫通孔を形成する工程と、
前記第2貫通孔内に絶縁性樹脂材を含む塗料を塗装し、硬化させることで、前記第2貫通孔内に前記第2絶縁性樹脂を充填する工程と、
前記第2内方境界線を含む切断線で前記第2導電性金属板から前記第2導電体形成領域を切断して、前記第2導電体に前記第2スリット及び前記第2絶縁性樹脂が設けられてなる前記第2導電体アッセンブリを得る工程とを含むことを特徴とするシャント抵抗器の製造方法。
【請求項12】
前記第1スリットは、他端側の第2端部も前記第1導電体の内端面に開口し、且つ、前記第2スリットは、他端側の第2端部も前記第2導電体の内端面に開口するものとされ、
前記第1貫通孔は、前記第1スリット形成部分及び前記第1端部側延在部分に加えて、前記第1スリット形成部分の他端側の第2端部から前記第1内方境界線を越えて前記第1内方延在領域内へ延び、当該第1内方延在領域内で終焉する第2端部側延在部分を有するものとされ、
前記第2貫通孔は、前記第2スリット形成部分及び前記第1端部側延在部分に加えて、前記第2スリット形成部分の他端側の第2端部から前記第2内方境界線を越えて前記第2内方延在領域内へ延び、当該第2内方延在領域内で終焉する第2端部側延在部分を有するものとされていることを特徴とする請求項11に記載のシャント抵抗器の製造方法。
【請求項13】
前記第1スリットは、他端側の第2端部が前記第1導電体の側面に開口するものとされ、且つ、前記第2スリットは、他端側の第2端部が前記第2導電体の側面に開口するものとされ、
前記第1導電性金属板は、前記第1導電体形成領域及び前記第1内方延在領域に加えて、第1側方境界線を挟んで前記第1導電体形成領域に連接された第1側方延在領域を有し、且つ、前記第2導電性金属板は、前記第2導電体形成領域及び前記第2内方延在領域に加えて、第2側方境界線を挟んで前記第2導電体形成領域に連接された第2側方延在領域を有するものとされ、
前記第1貫通孔は、前記第1スリット形成部分及び前記第1端部側延在部分に加えて、前記第1スリット形成部分の他端側の第2端部から前記第1側方境界線を越えて前記第1側方延在領域内へ延び、当該第1側方延在領域内で終焉する第2端部側延在部分を有するものとされ、且つ、前記第2貫通孔は、前記第2スリット形成部分及び前記第1端部側延在部分に加えて、前記第2スリット形成部分の他端側の第2端部から前記第2側方境界線を越えて前記第2側方延在領域内へ延び、当該第2側方延在領域内で終焉する第2端部側延在部分を有するものとされ、
前記第1導電体形成工程における前記切断線は、前記第1内方境界線に加えて前記第1側方境界線を含み、
前記第2導電体形成工程における前記切断線は、前記第2内方境界線に加えて前記第2側方境界線を含むことを特徴とする請求項11に記載のシャント抵抗器の製造方法。
【請求項14】
前記第1スリットは、他端側の第2端部が前記第1導電体の前記内端面とは電流流れ方向に沿った長手方向に関し反対側の外端面に開口するものとされ、且つ、前記第2スリットは、他端側の第2端部が前記第2導電体の前記内端面とは電流流れ方向に沿った長手方向に関し反対側の外端面に開口するものとされ、
前記第1導電性金属板は、前記第1導電体形成領域及び前記第1内方延在領域に加えて、第1外方境界線を挟んで前記第1導電体形成領域に連接された第1外方延在領域を有し、且つ、前記第2導電性金属板は、前記第2導電体形成領域及び前記第2内方延在領域に加えて、第2外方境界線を挟んで前記第2導電体形成領域に連接された第2外方延在領域を有するものとされ、
前記第1貫通孔は、前記第1スリット形成部分及び前記第1端部側延在部分に加えて、前記第1スリット形成部分の他端側の第2端部から前記第1外方境界線を越えて前記第1外方延在領域内へ延び、当該第1外方延在領域内で終焉する第2端部側延在部分を有するものとされ、且つ、前記第2貫通孔は、前記第2スリット形成部分及び前記第1端部側延在部分に加えて、前記第2スリット形成部分の他端側の第2端部から前記第2外方境界線を越えて前記第2外方延在領域内へ延び、当該第2外方延在領域内で終焉する第2端部側延在部分を有するものとされ、
前記第1導電体形成工程における前記切断線は、前記第1内方境界線に加えて前記第1外方境界線を含み、
前記第2導電体形成工程における前記切断線は、前記第2内方境界線に加えて前記第2外方境界線を含むことを特徴とする請求項11に記載のシャント抵抗器の製造方法。
【請求項15】
電流流れ方向に沿った長手方向一方側及び他方側に第1及び第2接合面を有する所定抵抗値の板状抵抗体と、前記第1接合面に接合された内端面を有する第1導電体と、前記第2接合面に接合された内端面を有する第2導電体と、前記第1導電体を第1電流領域及び第1電圧領域に分離する第1スリットと、前記第1スリットに充填された第1絶縁性樹脂と、前記第2導電体を第2電流領域及び第2電圧領域に分離する第2スリットと、前記第2スリットに充填された第2絶縁性樹脂とを備え、前記第1スリットは、前記第1電流領域及び前記第1電圧領域が共に前記第1接合面に接合する領域を有するように、一端側の第1端部が前記第1導電体の内端面に開口し、前記第2スリットは、前記第2電流領域及び前記第2電圧領域が共に前記第2導電体の内端面の少なくとも一部を有するように、一端側の第1端部が前記第2導電体の内端面に開口しているシャント抵抗器の製造方法であって、
前記抵抗体、前記第1導電体及び前記第2導電体を用意する工程と、
前記第1導電体の内端面及び前記抵抗体の第1接合面を当接させた状態で両者を接合する第1導電体接合工程と、
前記第2導電体の内端面及び前記抵抗体の第2接合面を当接させた状態で両者を接合する第2導電体接合工程と、
前記抵抗体に前記第1及び第2導電体が接合されてなるプリアッセンブリに前記第1及び第2スリットを形成するスリット形成工程と、
前記第1及び第2スリットにそれぞれ前記第1及び第2絶縁性樹脂を形成する第1及び第2絶縁性樹脂材を充填し、硬化させる樹脂形成工程とを備えていることを特徴とするシャント抵抗器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流値検出用に用いられるシャント抵抗器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シャント抵抗器は、電流値の検出対象となる電気回路に直列状態で介挿され、当該シャント抵抗器の電流流れ方向両側の電圧差を測定することによって、当該測定電圧値と予め所定値に設定されているシャント抵抗器の抵抗値とに基づき、前記回路の電流値を検出する際に使用されるものである。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、Ni-Cr系合金等の抵抗体と、前記抵抗体の電流流れ方向両側にそれぞれ接合されたCu等の第1及び第2導電体とを有し、前記第1及び第2導電体の各々がスリットによって電流領域と電圧領域とに分離されているシャント抵抗器が開示されている。
【0004】
前記シャント抵抗器においては、前記第1及び第2導電体の電流領域が電流値検出対象回路に接続される入出力接続領域として作用し、前記第1及び第2導電体の電圧領域が電圧検出用の検出端子領域として作用する。
【0005】
ところで、前記シャント抵抗器には、当該シャント抵抗器による電力損失を可及的に抑えつつ、検出端子領域間の抵抗値を所定抵抗値に正確に一致させることが望まれる。
【0006】
この点に関し、前記特許文献1に記載のシャント抵抗器においては、前記電圧領域の幅(電流流れ方向とは直交する幅方向の長さ)が前記電流領域の幅よりも短くなるように、前記スリットの位置が設定されている。
【0007】
しかしながら、前記スリットは、前記導電体における前記抵抗体とは反対側の外端面から当該導電体における前記抵抗体との当接面となる内端面へ向けて延び、前記内端面までの途中で終焉している。
【0008】
即ち、前記シャント抵抗器においては、前記導電体は、前記スリットによって分離されている電流領域及び電圧領域に加えて、前記スリットが存在しない位置で前記電流領域及び前記電圧領域を連結する連結領域を有している。
【0009】
斯かる構成においては、前記第1及び第2導電体の電圧領域間の抵抗値には、前記抵抗体の抵抗値に加えて、前記電流領域の抵抗値及び前記連結領域の抵抗値が影響を与えることになり、前記第1及び第2導電体の電圧領域間の測定電圧に基づいて検出対象回路の電流値を正確に知ることが困難になる。
【0010】
また、前記特許文献1に記載のシャント抵抗器においては、前記スリットが前記導電体の外端面に開口しており、前記電流領域及び前記電圧領域の外端部は自由端部となっており、外部からの応力に対して強度が弱いという問題もある。
【0011】
さらに、前記特許文献1に記載の構成においては、前記電流領域から前記スリットを介して前記電圧領域へ通電することを防止する為に、前記スリットの幅をある程度、確保しなければならず、小型化を行うことが困難であるという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】米国特許第5999085号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、抵抗体の電流流れ方向両側にそれぞれ第1及び第2導電体が接合されてなるシャント抵抗器であって、大型化を招くことなく機械的強度を確保しつつ、前記第1及び第2導電体の電圧領域間の抵抗値を前記抵抗体の抵抗値に可及的に一致させ得るシャント抵抗器の提供を第1の目的とする。
また、本発明は、前記シャント抵抗器を効率良く製造可能な製造方法の提供を第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記第1の目的を達成するために、本発明の第1態様は、電流流れ方向に沿った長手方向一方側及び他方側に第1及び第2接合面を有する所定抵抗値の板状抵抗体と、前記第1接合面に接合された内端面を有する第1導電体と、前記第2接合面に接合された内端面を有する第2導電体と、前記第1導電体を第1電流領域及び第1電圧領域に分離する第1スリットと、前記第1スリットに充填された第1絶縁性樹脂と、前記第2導電体を第2電流領域及び第2電圧領域に分離する第2スリットと、前記第2スリットに充填された第2絶縁性樹脂とを備え、前記第1スリットは、前記第1電流領域及び前記第1電圧領域が共に前記第1接合面に接合する領域を有するように、一端側の第1端部が前記第1導電体の内端面に開口し、前記第2スリットは、前記第2電流領域及び前記第2電圧領域が共に前記第2接合面に接する領域を有するように、一端側の第1端部が前記第2導電体の内端面に開口しているシャント抵抗器を提供する。
【0015】
前記第1態様の第1形態においては、前記第1スリットの他端側の第2端部は、前記第1電圧領域及び前記抵抗体の接合面積を前記第1電流領域及び前記抵抗体の接合面積よりも小とさせる位置で、前記第1導電体の内端面に開口し、前記第2スリットの他端側の第2端部は、前記第2電圧領域及び前記抵抗体の接合面積を前記第2電流領域及び前記抵抗体の接合面積よりも小とさせる位置で、前記第2導電体の内端面に開口する。
【0016】
前記第1形態において、前記第1導電体が、前記長手方向に関し前記内端面とは反対側に位置する外端面と、前記長手方向と直交する幅方向に関し一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面及び第2側面とを有し、前記第2導電体が、前記長手方向に関し前記内端面とは反対側に位置する外端面と、前記幅方向に関し一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面及び第2側面とを有する場合には、好ましくは、前記第1スリットは、前記第1及び第2端部のうち前記第1導電体の第1側面に近接する端部から前記第1導電体の外端面へ向かうに従って前記第1導電体の第1側面に近接し、前記第1導電体内において終焉する第1部分と、前記第1及び第2端部のうち前記第1導電体の第2側面に近接する端部から前記第1導電体の外端面へ向かうに従って前記第1導電体の第2側面に近接し、前記第1導電体内において終焉する第2部分と、前記第1及び第2部分を連結する連結部分とを有するものとされ、前記第2スリットは、前記第1及び第2端部のうち前記第2導電体の第1側面に近接する端部から前記第2導電体の外端面へ向かうに従って前記第2導電体の第1側面に近接し、前記第2導電体内において終焉する第1部分と、前記第1及び第2端部のうち前記第2導電体の第2側面に近接する端部から前記第2導電体の外端面へ向かうに従って前記第2導電体の第2側面に近接し、前記第2導電体内において終焉する第2部分と、前記第1及び第2部分を連結する連結部分とを有するものとされる。
【0017】
前記第1態様の第2形態においては、前記第1導電体が、前記長手方向に関し前記内端面とは反対側に位置する外端面と、前記長手方向と直交する幅方向に関し一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面及び第2側面とを有し、前記第2導電体が、前記長手方向に関し前記内端面とは反対側に位置する外端面と、前記幅方向に関し一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面及び第2側面とを有する場合には、前記第1スリットの他端側の第2端部は、前記第1導電体の第1及び第2側面の一方に開口し、前記第2スリットの他端側の第2端部は、前記第2導電体の第1及び第2側面の一方に開口するものとされ、前記第1スリットの第1端部は、前記第1電圧領域及び前記抵抗体の接合面積を前記第1電流領域及び前記抵抗体の接合面積よりも小とさせる位置で、前記第1導電体の内端面に開口し、前記第2スリットの第1端部は、前記第2電圧領域及び前記抵抗体の接合面積を前記第2電流領域及び前記抵抗体の接合面積よりも小とさせる位置で、前記第2導電体の内端面に開口する。
【0018】
前記第1態様の第3形態においては、前記第1導電体が、前記長手方向に関し前記内端面とは反対側に位置する外端面と、前記長手方向と直交する幅方向に関し一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面及び第2側面とを有し、前記第2導電体が、前記長手方向に関し前記内端面とは反対側に位置する外端面と、前記幅方向に関し一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面及び第2側面とを有するものとされる場合には、前記第1スリットの他端側の第2端部は、前記第1導電体の外端面に開口し、前記第2スリットの他端側の第2端部は、前記第2導電体の外端面に開口し、前記第1スリットの第1端部は、前記第1電圧領域及び前記抵抗体の接合面積を前記第1電流領域及び前記抵抗体の接合面積よりも小とさせる位置で、前記第1導電体の内端面に開口し、前記第2スリットの第1端部は、前記第2電圧領域及び前記抵抗体の接合面積を前記第2電流領域及び前記抵抗体の接合面積よりも小とさせる位置で、前記第2導電体の内端面に開口する。
【0019】
前記第1態様の種々の構成において、前記第1及び第2電圧領域にはそれぞれ第1及び第2電圧検出用接続部を形成するピン電極が設けられ得る。
これに代えて、前記第1及び第2電圧領域にはそれぞれ第1及び第2電圧検出用接続部を形成する接続開口が設けられ得る。
【0020】
前記第1の目的を達成するために、本発明の第2態様は、電流流れ方向に沿った長手方向一方側及び他方側に第1及び第2接合面を有する所定抵抗値の板状抵抗体と、前記第1接合面に接合された内端面を有する第1導電体と、前記第2接合面に接合された内端面を有する第2導電体と、前記第1及び第2導電体にそれぞれ設けられた第1及び第2電圧検出用接続部と、前記第1導電体の上面及び下面を貫通する第1スリットと、前記第1スリットに充填された第1絶縁性樹脂と、前記第2導電体の上面及び下面を貫通する第2スリットと、前記第2スリットに充填された第2絶縁性樹脂とを備え、前記第1スリットは、前記長手方向に関し前記第1電圧検出用接続部よりも前記抵抗体から離間された側において、前記長手方向と直交する幅方向に関し前記第1電圧検出用接続部とオーバーラップし且つ前記第1導電体の幅の1/2よりも短くなるように配置され、前記第2スリットは、前記長手方向に関し前記第2電圧検出用接続部よりも前記抵抗体から離間された側において、前記長手方向と直交する幅方向に関し前記第2電圧検出用接続部とオーバーラップし且つ前記第2導電体の幅の1/2よりも短くなるように配置されているシャント抵抗器を提供する。
【0021】
前記第2態様において、前記第1導電体が、前記長手方向に関し前記内端面とは反対側に位置する外端面と、前記長手方向と直交する幅方向に関し一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面及び第2側面とを有し、前記第2導電体が、前記長手方向に関し前記内端面とは反対側に位置する外端面と、前記幅方向に関し一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面及び第2側面とを有する場合には、好ましくは、前記第1スリットは、一端側の第1端部が前記第1導電体の第1及び第2側面の一方に開口し、前記第2スリットは、一端側の第1端部が前記第2導電体の第1及び第2側面の一方に開口するものとされる。
【0022】
前記第1及び第2態様の種々の構成において、好ましくは、前記第1及び第2導電体にはそれぞれ締結孔が設けられ得る。
【0023】
前記第2の目的を達成する為に、本発明の第3態様は、電流流れ方向に沿った長手方向一方側及び他方側に第1及び第2接合面を有する所定抵抗値の板状抵抗体と、前記第1接合面に接合された内端面を有する第1導電体と、前記第2接合面に接合された内端面を有する第2導電体と、前記第1導電体を第1電流領域及び第1電圧領域に分離する第1スリットと、前記第1スリットに充填された第1絶縁性樹脂と、前記第2導電体を第2電流領域及び第2電圧領域に分離する第2スリットと、前記第2スリットに充填された第2絶縁性樹脂とを備え、前記第1スリットは、前記第1電流領域及び前記第1電圧領域が共に前記第1接合面に接合する領域を有するように、一端側の第1端部が前記第1導電体の内端面に開口し、前記第2スリットは、前記第2電流領域及び前記第2電圧領域が共に前記第2導電体の内端面の少なくとも一部を有するように、一端側の第1端部が前記第2導電体の内端面に開口しているシャント抵抗器の製造方法であって、前記抵抗体、前記第1導電体に前記第1スリット及び前記第1絶縁性樹脂が設けられてなる第1導電体アッセンブリ、並びに、前記第2導電体に前記第2スリット及び前記第2絶縁性樹脂が設けられてなる第2導電体アッセンブリを用意する工程と、前記第1導電体アッセンブリの前記第1導電体の内端面及び前記抵抗体の第1接合面を当接させた状態で両者を接合する第1導電体接合工程と、前記第2導電体アッセンブリの前記第2導電体の内端面及び前記抵抗体の第2接合面を当接させた状態で両者を接合する第2導電体接合工程とを含み、前記第1導電体アッセンブリを用意する工程は、前記第1導電体を形成する第1導電体形成領域及び前記内端面の位置を画する第1内方境界線を挟んで前記第1導電体形成領域に連接された第1内方延在領域を含む第1導電性金属板を用意する工程と、前記第1導電性金属板に、厚み方向一方側の上面及び厚み方向他方側の下面を貫通する第1貫通孔であって、前記第1導電体形成領域内の平面視形状が前記第1スリットの平面視形状と同一とされた第1スリット形成部分、及び、前記第1スリット形成部分の一端側の第1端部から前記第1内方境界線を越えて前記第1内方延在領域内へ延び、当該第1内方延在領域内で終焉する第1端部側延在部分を有する第1貫通孔を形成する工程と、前記第1貫通孔内に絶縁性樹脂材を含む塗料を塗装し、硬化させることで、前記第1貫通孔内に前記第1絶縁性樹脂を充填する工程と、前記第1内方境界線を含む切断線で前記第1導電性金属板から前記第1導電体形成領域を切断して、前記第1導電体に前記第1スリット及び前記第1絶縁性樹脂が設けられてなる前記第1導電体アッセンブリを得る工程とを含み、前記第2導電体アッセンブリを用意する工程は、前記第2導電体を形成する第2導電体形成領域及び前記内端面の位置を画する第2内方境界線を挟んで前記第2導電体形成領域に連接された第2内方延在領域を含む第2導電性金属板を用意する工程と、前記第2導電性金属板に、厚み方向一方側の上面及び厚み方向他方側の下面を貫通する第2貫通孔であって、前記第2導電体形成領域内の平面視形状が前記第2スリットの平面視形状と同一とされた第2スリット形成部分、及び、前記第2スリット形成部分の一端側の第1端部から前記第2内方境界線を越えて前記第2内方延在領域内へ延び、当該第2内方延在領域内で終焉する第1端部側延在部分を有する第2貫通孔を形成する工程と、前記第2貫通孔内に絶縁性樹脂材を含む塗料を塗装し、硬化させることで、前記第2貫通孔内に前記第2絶縁性樹脂を充填する工程と、前記第2内方境界線を含む切断線で前記第2導電性金属板から前記第2導電体形成領域を切断して、前記第2導電体に前記第2スリット及び前記第2絶縁性樹脂が設けられてなる前記第2導電体アッセンブリを得る工程とを含むシャント抵抗器の製造方法を提供する。
【0024】
前記第3態様において、前記第1スリットは、他端側の第2端部も前記第1導電体の内端面に開口し、且つ、前記第2スリットは、他端側の第2端部も前記第2導電体の内端面に開口するものとされている形態においては、前記第1貫通孔は、前記第1スリット形成部分及び前記第1端部側延在部分に加えて、前記第1スリット形成部分の他端側の第2端部から前記第1内方境界線を越えて前記第1内方延在領域内へ延び、当該第1内方延在領域内で終焉する第2端部側延在部分を有するものとされ、前記第2貫通孔は、前記第2スリット形成部分及び前記第1端部側延在部分に加えて、前記第2スリット形成部分の他端側の第2端部から前記第2内方境界線を越えて前記第2内方延在領域内へ延び、当該第2内方延在領域内で終焉する第2端部側延在部分を有するものとされる。
【0025】
前記第3態様において、前記第1スリットは、他端側の第2端部が前記第1導電体の側面に開口するものとされ、且つ、前記第2スリットは、他端側の第2端部が前記第2導電体の側面に開口するものとされている形態においては、前記第1導電性金属板は、前記第1導電体形成領域及び前記第1内方延在領域に加えて、第1側方境界線を挟んで前記第1導電体形成領域に連接された第1側方延在領域を有し、且つ、前記第2導電性金属板は、前記第2導電体形成領域及び前記第2内方延在領域に加えて、第2側方境界線を挟んで前記第2導電体形成領域に連接された第2側方延在領域を有するものとされ、前記第1貫通孔は、前記第1スリット形成部分及び前記第1端部側延在部分に加えて、前記第1スリット形成部分の他端側の第2端部から前記第1側方境界線を越えて前記第1側方延在領域内へ延び、当該第1側方延在領域内で終焉する第2端部側延在部分を有するものとされ、且つ、前記第2貫通孔は、前記第2スリット形成部分及び前記第1端部側延在部分に加えて、前記第2スリット形成部分の他端側の第2端部から前記第2側方境界線を越えて前記第2側方延在領域内へ延び、当該第2側方延在領域内で終焉する第2端部側延在部分を有するものとされ、前記第1導電体形成工程における前記切断線は、前記第1内方境界線に加えて前記第1側方境界線を含み、前記第2導電体形成工程における前記切断線は、前記第2内方境界線に加えて前記第2側方境界線を含むものとされる。
【0026】
前記第3態様において、前記第1スリットは、他端側の第2端部が前記第1導電体の前記内端面とは電流流れ方向に沿った長手方向に関し反対側の外端面に開口するものとされ、且つ、前記第2スリットは、他端側の第2端部が前記第2導電体の前記内端面とは電流流れ方向に沿った長手方向に関し反対側の外端面に開口するものとされた形態においては、前記第1導電性金属板は、前記第1導電体形成領域及び前記第1内方延在領域に加えて、第1外方境界線を挟んで前記第1導電体形成領域に連接された第1外方延在領域を有し、且つ、前記第2導電性金属板は、前記第2導電体形成領域及び前記第2内方延在領域に加えて、第2外方境界線を挟んで前記第2導電体形成領域に連接された第2外方延在領域を有するものとされ、前記第1貫通孔は、前記第1スリット形成部分及び前記第1端部側延在部分に加えて、前記第1スリット形成部分の他端側の第2端部から前記第1外方境界線を越えて前記第1外方延在領域内へ延び、当該第1外方延在領域内で終焉する第2端部側延在部分を有するものとされ、且つ、前記第2貫通孔は、前記第2スリット形成部分及び前記第1端部側延在部分に加えて、前記第2スリット形成部分の他端側の第2端部から前記第2外方境界線を越えて前記第2外方延在領域内へ延び、当該第2外方延在領域内で終焉する第2端部側延在部分を有するものとされ、前記第1導電体形成工程における前記切断線は、前記第1内方境界線に加えて前記第1外方境界線を含み、前記第2導電体形成工程における前記切断線は、前記第2内方境界線に加えて前記第2外方境界線を含むものとされる。
【0027】
前記第2の目的を達成する為に、本発明の第4態様は、電流流れ方向に沿った長手方向一方側及び他方側に第1及び第2接合面を有する所定抵抗値の板状抵抗体と、前記第1接合面に接合された内端面を有する第1導電体と、前記第2接合面に接合された内端面を有する第2導電体と、前記第1導電体を第1電流領域及び第1電圧領域に分離する第1スリットと、前記第1スリットに充填された第1絶縁性樹脂と、前記第2導電体を第2電流領域及び第2電圧領域に分離する第2スリットと、前記第2スリットに充填された第2絶縁性樹脂とを備え、前記第1スリットは、前記第1電流領域及び前記第1電圧領域が共に前記第1接合面に接合する領域を有するように、一端側の第1端部が前記第1導電体の内端面に開口し、前記第2スリットは、前記第2電流領域及び前記第2電圧領域が共に前記第2導電体の内端面の少なくとも一部を有するように、一端側の第1端部が前記第2導電体の内端面に開口しているシャント抵抗器の製造方法であって、前記抵抗体、前記第1導電体及び前記第2導電体を用意する工程と、前記第1導電体の内端面及び前記抵抗体の第1接合面を当接させた状態で両者を接合する第1導電体接合工程と、前記第2導電体の内端面及び前記抵抗体の第2接合面を当接させた状態で両者を接合する第2導電体接合工程と、前記抵抗体に前記第1及び第2導電体が接合されてなるプリアッセンブリに前記第1及び第2スリットを形成するスリット形成工程と、前記第1及び第2スリットにそれぞれ前記第1及び第2絶縁性樹脂を形成する第1及び第2絶縁性樹脂材を充填し、硬化させる樹脂形成工程とを備えているシャント抵抗器の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の第1態様に係るシャント抵抗器によれば、第1絶縁性樹脂が充填された第1スリットによって第1導電体が第1電流領域及び第1電圧領域に分離され、且つ、第2絶縁性樹脂が充填された第2スリットによって第2導電体が第2電流領域及び第2電圧領域に分離されており、前記第1電流領域及び前記第1電圧領域の双方が抵抗体に接合する領域を有するように前記第1スリットの第1端部が前記第1導電体における前記抵抗体との当接面となる内端面に開口し、前記第2電流領域及び前記第2電圧領域の双方が前記抵抗体に接合する領域を有するように前記第2スリットの第1端部が前記第2導電体における前記抵抗体との当接面となる内端面に開口しているので、大型化を招くことなく機械的強度を確保した状態で、前記第1及び第2電圧領域間の抵抗値を前記抵抗体の抵抗値に可及的に一致させることができる。
【0029】
本発明の第2態様に係るシャント抵抗器によれば、第1電圧検出用接続部が設けられた第1導電体に第1絶縁性樹脂が充填された第1スリットが設けられ且つ第2電圧検出用接続部が設けられた第2導電体に第2絶縁性樹脂が充填された第2スリットが設けられており、前記第1スリットは、電流流れ方向に沿った長手方向に関し前記第1電圧検出用接続部よりも抵抗体から離間された側において、前記長手方向と直交する幅方向に関し前記第1電圧検出用接続部とオーバーラップし且つ前記第1導電体の幅の1/2よりも短くなるように配置され、前記第2スリットは、前記長手方向に関し前記第2電圧検出用接続部よりも前記抵抗体から離間された側において、前記長手方向と直交する幅方向に関し前記第2電圧検出用接続部とオーバーラップし且つ前記第2導電体の幅の1/2よりも短くなるように配置されているので、大型化を招くことなく機械的強度を確保した状態で、前記第1及び第2電圧領域間の抵抗値を前記抵抗体の抵抗値に可及的に一致させることができる。
【0030】
本発明の第3態様に係るシャント抵抗器の製造方法によれば、第1導電体に第1スリット及び第1絶縁性樹脂が設けられてなる第1導電体アッセンブリ、並びに、第2導電体に第2スリット及び第2絶縁性樹脂が設けられてなる第2導電体アッセンブリを用意する工程と、前記第1及び第2導電体アッセンブリを抵抗体に接合する工程とが備えられ、前記第1導電体アッセンブリを用意する工程は、前記第1導電体を形成する第1導電体形成領域及び前記第1導電体における前記抵抗体との当接面となる内端面の位置を画する第1内方境界線を挟んで前記第1導電体形成領域に連接された第1内方延在領域を含む第1導電性金属板を用意する工程と、前記第1導電性金属板に、前記第1スリットに対応した第1スリット形成部分及び前記第1スリット形成部分の第1端部から前記第1内方境界線を越えて前記第1内方延在領域内へ延び、当該第1内方延在領域内で終焉する第1端部側延在部分を有する第1貫通孔を形成する工程と、前記第1貫通孔内に前記第1絶縁性樹脂を充填する工程と、前記第1内方境界線を含む切断線で前記第1導電性金属板から前記第1導電体形成領域を切断して前記第1導電体アッセンブリを得る工程とを含むものとされ、前記第2導電体アッセンブリを用意する工程は、前記第2導電体を形成する第2導電体形成領域及び前記第2導電体における前記抵抗体との当接面となる内端面の位置を画する第2内方境界線を挟んで前記第2導電体形成領域に連接された第2内方延在領域を含む第2導電性金属板を用意する工程と、前記第2導電性金属板に、前記第2スリットに対応した第2スリット形成部分及び前記第2スリット形成部分の第1端部から前記第2内方境界線を越えて前記第2内方延在領域内へ延び、当該第2内方延在領域内で終焉する第1端部側延在部分を有する第2貫通孔を形成する工程と、前記第2貫通孔内に前記第2絶縁性樹脂を充填する工程と、前記第2内方境界線を含む切断線で前記第2導電性金属板から前記第2導電体形成領域を切断して前記第2導電体アッセンブリを得る工程とを含むものとされているので、前記シャント抵抗器を効率良く製造することができる。
【0031】
本発明の第4態様に係るシャント抵抗器の製造方法によれば、抵抗体に第1及び第2導電体を接合してなるプリアッセンブリに第1及び第2スリットを形成し、前記第1及び第2スリット内に第1及び第2絶縁性樹脂を充填するように構成されているので、前記シャント抵抗器を効率良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の実施の形態1に係るシャント抵抗器の平面図及び図1(a)におけるI-I線に沿った断面図である。
図2図2(a)及び(b)は、それぞれ、前記実施の形態1の第1変形例に係るシャント抵抗器の平面図及び図2(a)におけるII-II線に沿った断面図である
図3図3は、前記実施の形態1の第2変形例に係るシャント抵抗器の平面図である。
図4図4は、前記実施の形態1の第3変形例に係るシャント抵抗器の平面図である。
図5図5は、前記実施の形態1に係るシャント抵抗器の第1製造方法における一工程を示す平面図である。
図6図6は、前記実施の形態1に係るシャント抵抗器の第1製造方法における第1及び第2導電性金属板を用意する工程を示す平面図である。
図7図7は、前記第1及び第2導電性金属板に第1及び第2貫通孔を形成する工程を示す平面図である。
図8図8は、前記第1及び第2貫通孔にそれぞれ第1及び第2絶縁性樹脂を充填する工程を示す平面図である。
図9図9は、前記第1及び第2導電性金属板から、前記実施の形態1に係るシャント抵抗器における第1及び第2導電体を切り出す工程を示す平面図である。
図10図10(a)は、前記実施の形態1に係るシャント抵抗器の第2製造方法における抵抗体、第1導電体及び第2導電体を用意する工程を示す平面図であり、図10(b)は、前記第1及び第2導電体を前記抵抗体に接合する工程を示す平面図である。
図11図11は、前記第2製造方法におけるスリット形成工程を示す平面図である。
図12図12(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の実施の形態2に係るシャント抵抗器の平面図及び図12(a)におけるXII-XII線に沿った断面図である。
図13図13は、前記実施の形態2に係るシャント抵抗器の製造方法における第1及び第2導電性金属板を用意する工程を示す平面図である。
図14図14は、前記実施の形態2に係るシャント抵抗器の製造方法における第1及び第2貫通孔形成工程を示す平面図である。
図15図15は、前記実施の形態2に係るシャント抵抗器の製造方法における第1及び第2絶縁性樹脂形成工程を示す平面図である。
図16図16は、前記実施の形態2に係るシャント抵抗器の製造方法における切断工程を示す平面図である。
図17図17(a)~(c)は、それぞれ、本発明の実施の形態3に係るシャント抵抗器の平面図、図17(a)におけるXVII(b)-XVII(b)線に沿った断面図及び図17(a)におけるXVII(c)-XVII(c)線に沿った断面図である。
図18図18は、前記実施の形態3に係るシャント抵抗器の製造方法における第1及び第2導電性金属板を用意する工程を示す平面図である。
図19図19は、前記実施の形態3に係るシャント抵抗器の製造方法における第1及び第2貫通孔形成工程を示す平面図である。
図20図20は、前記実施の形態3に係るシャント抵抗器の製造方法における第1及び第2絶縁性樹脂形成工程を示す平面図である。
図21図21は、前記実施の形態3に係るシャント抵抗器の製造方法における切断工程を示す平面図である。
図22図22は、第1参考例に係るシャント抵抗器の平面図である。
図23図23は、第2参考例に係るシャント抵抗器の平面図である。
図24図24は、第3参考例に係るシャント抵抗器の平面図である。
図25図25は、第4参考例に係るシャント抵抗器の平面図である。
図26図26(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の実施の形態4に係るシャント抵抗器の平面図及び図26(a)におけるXXVI-XXVI線に沿った断面図である。
図27図27(a)及び(b)は、それぞれ、前記実施の形態4の変形例に係るシャント抵抗器の平面図及び図27(a)におけるXXVII-XXVII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
実施の形態1
以下、本発明に係るシャント抵抗器の一実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1(a)に本実施の形態に係るシャント抵抗器1Aの平面図を示す。
また、図1(b)に図1(a)におけるI-I線に沿った断面図を示す。
【0034】
前記シャント抵抗器1Aは、電流値の検出対象となる電気回路に直列に介挿された状態で当該シャント抵抗器1Aの電流流れ方向両側間の電圧値を測定可能とされており、予め所望値に設定されている当該シャント抵抗器1Aの抵抗値と当該シャント抵抗器1Aの電流流れ方向両側の電圧値とに基づいて、前記電気回路の電流値を認識する為に利用される。
【0035】
具体的には、図1(a)及び(b)に示すように、前記シャント抵抗器1Aは、所望の抵抗値に設定された抵抗体10と、前記抵抗体20よりも導電率の高い金属板材によって形成される第1及び第2導電体20(1)、20(2)とを有している。
【0036】
図1(a)及び(b)に示すように、前記抵抗体10は、電流流れ方向に沿った長手方向L一方側及び他方側をそれぞれ向く第1及び第2接合面11(1)、11(2)と、前記長手方向Lと直交する幅方向W一方側及び他方側をそれぞれ向く第1及び第2側面13、14とを有している。
【0037】
前記抵抗体10は、例えば、Cu-Mn系合金、Ni-Cr系合金、Cu-Ni系合金等の板材によって好適に形成される。
【0038】
前記第1導電体20(1)は、前記抵抗体10に対向する内端面21(1)と、前記内端面21(1)とは前記長手方向に関し反対側に位置された外端面22(1)と、前記幅方向一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面23(1)及び第2側面24(1)を有している。
【0039】
同様に、前記第2導電体20(2)は、前記抵抗体10に対向する内端面21(2)と、前記内端面21(2)とは前記長手方向Lに関し反対側に位置された外端面22(2)と、前記幅方向W一方側及び他方側にそれぞれ位置する第1側面23(2)及び第2側面24(2)を有している。
【0040】
前記第1及び第2導電体20(1)、20(2)は、例えば、Cu等の高伝導率を有する金属板材によって好適に形成される。
【0041】
前記第1導電体20(1)は、前記内側面21(1)が前記第1接合面11(1)に当接された状態で接合されており、前記第2導電体20(2)は前記内側面21(2)が前記第2接合面11(2)に当接された状態で接合されている。
【0042】
前記第1導電体20(1)の内側面21(1)及び前記第1接合面11(1)の接合は、例えば、両面を当接させた状態で板厚方向一方側及び/又は他方側から電子ビーム又はレーザーを照射することによる溶接によって行われる。
【0043】
同様に、前記第2導電体20(2)の内側面21(2)及び前記第2接合面11(2)の接合は、例えば、両面を当接させた状態で板厚方向一方側及び/又は他方側から電子ビーム又はレーザーを照射することによる溶接によって行われる。
【0044】
図1(a)及び(b)に示すように、本実施の形態に係る前記シャント抵抗器1Aは、さらに、前記第1導電体20(1)を第1電流領域30(1)及び第1電圧領域35(1)に分離する第1スリット40(1)と、前記第2導電体20(2)を第2電流領域30(2)及び第2電圧領域25(2)に分離する第2スリット40(2)と、前記第1スリット40(1)に充填された第1絶縁性樹脂50(1)と、前記第2スリット40(2)に充填された第2絶縁性樹脂50(2)とを備えている。
【0045】
前記第1及び第2電流領域30(1)、30(2)は、前記シャント抵抗器1Aを電流値検出対象の電気回路に直列接続で介挿させる際に当該電気回路に接続される電流入出力接続部とし作用する。
【0046】
なお、本実施の形態においては、前記第1及び第2電流領域30(1)、30(2)には、当該第1及び第2電流領域30(1)、30(2)をそれぞれ所望位置に接続する際の締結孔32が設けられている。
【0047】
前記第1及び第2電圧領域は、前記シャント抵抗器1Aを電気回路に直列接続で介挿させた状態で当該シャント抵抗器1Aの電流流れ方向両側間の電圧を測定する際の検出端子として作用する。
【0048】
前記第1スリット40(1)は、前記第1導電体20(1)及び前記抵抗体10を接合させた際に、前記第1電流領域30(1)及び前記第1電圧領域35(1)が共に前記第1接合面11(1)に当接するように、平面視において一端側に位置する第1端部41(1)が前記第1導電体20(1)の内端面21(1)に開口している。
【0049】
本実施の形態においては、図1(a)に示すように、前記第1スリット40(1)は、平面視において他端側に位置する第2端部42(1)も前記第1導電体20(1)の内端面21(1)に開口している。
即ち、本実施の形態においては、前記第1スリット40(1)は、平面視において前記第1導電体20(1)の内端面21(1)に開くコの字状又はC字状とされている。
【0050】
同様に、前記第2スリット40(2)は、前記第2導電体20(2)及び前記抵抗体10を接合させた際に、前記第2電流領域30(2)及び前記第2電圧領域35(2)が共に前記第2接合面11(2)に当接するように、平面視において一端側に位置する第1端部41(2)が前記第2導電体20(2)の内端面21(2)に開口している。
【0051】
本実施の形態においては、図1(a)に示すように、前記第2スリット40(2)は、平面視において他端側に位置する第2端部42(2)も前記第2導電体20(2)の内端面21(2)に開口している。
即ち、本実施の形態においては、前記第2スリット40(2)は、平面視において前記第2導電体20(2)の内端面21(2)に開くコの字状又はC字状とされている。
【0052】
前記第1絶縁性樹脂50(1)は、前記第1電圧領域35(1)を前記第1電流領域30(1)に対して電気的には遮断しつつ機械的には連結するように、前記第1スリット40(1)に充填されている。
【0053】
同様に、前記第2絶縁性樹脂50(2)は、前記第2電圧領域35(2)を前記第2電流領域30(2)に対して電気的には遮断しつつ機械的には連結するように、前記第2スリット40(2)に充填されている。
【0054】
前記第1及び第2絶縁性樹脂50(1)、50(2)は、耐熱性及び絶縁性を有する樹脂によって形成され、例えば、ポリイミド、ポリアミド、エポキシ等が好適に利用される。
【0055】
斯かる構成の前記シャント抵抗器1Aによれば、前記第1絶縁性樹脂50(1)が充填された前記第1スリット40(1)及び前記第2絶縁性樹脂50(2)が充填された前記第2スリット40(2)の存在によって、前記第1及び第2電圧領域35(1)、35(2)間の抵抗値に、前記第1及び第2電流領域30(1)、30(2)が影響を与えることを可及的に防止することができ、前記第1及び第2電圧領域35(1)、35(2)間の抵抗値を前記抵抗体10の抵抗値に可及的に一致させることができる。
【0056】
さらに、前記第1電圧領域35(1)は、前記第1電流領域30(1)に対して前記第1絶縁性樹脂50(1)が充填された前記第1スリット40(1)によって電気的には絶縁されつつ機械的には連結されており、同様に、前記第2電圧領域35(2)は、前記第2電流領域30(2)に対して前記第2絶縁性樹脂50(2)が充填された前記第2スリット40(2)によって電気的には絶縁されつつ機械的には連結されている。
【0057】
従って、前記第1及び第2スリット40(1)、40(2)の幅を拡げることなく、対応する前記電流領域30(1)、30(2)及び前記電圧領域35(1)、35(2)間の電気的絶縁状態を得ることができ、さらに、前記第1及び第2電圧領域35(1)、35(2)の機械的強度を向上させることができる。
【0058】
また、本実施の形態においては、図1(a)及び(b)に示すように、前記第1電圧領域30(1)及び前記抵抗体10の接合面積が前記第1電流領域30(1)及び前記抵抗体10の接合面積よりも小となるように、前記第1スリット40(1)の第1及び第2端部41(1)、42(1)の位置が設定されており、前記第2電圧領域35(2)及び前記抵抗体10の接合面積が前記第2電流領域30(2)及び前記抵抗体10の接合面積よりも小となるように、前記第2スリット40(2)の第1及び第2端部41(2)、42(2)の位置が設定されている。
【0059】
斯かる構成によれば、前記第1及び第2電圧領域35(1)、35(2)間の電圧測定による電力損失を低減させることができる。
【0060】
なお、本実施の形態においては、図1(a)及び(b)に示すように、前記第1及び第2電圧領域35(1)、35(2)にはそれぞれ第1及び第2電圧検出用接続部を形成するピン電極37が設けられているが、これに代えて、図2(a)及び(b)に示す第1変形例1Bのように、前記第1及び第2電圧領域35(1)、35(2)に前記ピン電極37の代わりに接続開口39を設け、前記接続開口39を前記第1及び第2電圧検出用接続部として用いることも可能である。
【0061】
また、本実施の形態においては、図1(a)に示すように、前記第1スリット40(1)は、前記第1端部41(1)から電流流れ方向に沿った長手方向に平行に前記外端面22(1)に近接する方向へ延びる第1部分45(1)と、前記第2端部42(1)から前記長手方向に平行に前記外端面22(1)に近接する方向へ延びる第2部分46(1)と、前記第1及び第2部分45(1)、46(1)の前記外端面22(1)に近接する側の端部同士を連結する連結部分47(1)とを有しており、前記第2スリット40(2)は、前記第1端部41(2)から前記長手方向に平行に前記外端面22(2)に近接する方向へ延びる第1部分45(2)と、前記第2端部42(2)から前記長手方向に平行に前記外端面22(2)に近接する方向へ延びる第2部分46(2)と、前記第1及び第2部分45(2)、46(2)の前記外端面22(2)に近接する側の端部同士を連結する連結部分47(2)とを有しているが、当然ながら、本発明は斯かる構成に限定されるものではない。
【0062】
図3に本実施の形態の第2変形例に係るシャント抵抗器1Cの平面図を示す。
前記第2変形例1Cは、本実施の形態1Aに比して、前記第1及び第2スリット40(1)、40(2)の代わりに第1及び第2スリット40C(1)、40C(2)を有している。
【0063】
図3に示すように、前記第1スリット40C(1)は、前記第1及び第2端部41(1)、42(1)のうち前記第1側面23(1)に近接する端部(図示の構成においては前記第1端部41(1))から前記第1導電体20(1)の外端面22(1)へ向かうに従って前記第1側面23(1)に近接するように延び、前記第1導電体20(1)内において終焉する平面視直線状の第1部分45C(1)と、前記第1及び第2端部41(1)、42(1)のうち前記第2側面24(1)に近接する端部(図示の構成においては前記第2端部42(1))から前記第1導電体20(1)の外端面22(1)へ向かうに従って前記第2側面24(1)に近接するように延び、前記第1導電体20(1)内において終焉する平面視直線状の第2部分46C(1)と、前記第1及び第2部分45C(1)、46C(1)を連結する連結部分47C(1)とを有している。
【0064】
前記第2スリット40C(2)は、前記第1及び第2端部41(2)、42(2)のうち前記第1側面23(2)に近接する端部(図示の構成においては前記第1端部41(2))から前記第2導電体20(2)の外端面22(2)へ向かうに従って前記第1側面23(2)に近接するように延び、前記第2導電体20(2)内において終焉する平面視直線状の第1部分45C(2)と、前記第1及び第2端部41(2)、42(2)のうち前記第2側面24(2)に近接する端部(図示の構成においては前記第2端部42(2))から前記第2導電体20(2)の外端面22(2)へ向かうに従って前記第2側面24(2)に近接するように延び、前記第2導電体20(2)内において終焉する平面視直線状の第2部分46C(2)と、前記第1及び第2部分45C(2)、46C(2)を連結する連結部分47C(2)とを有している。
【0065】
斯かる構成によれば、前記電圧領域35(1)、35(2)及び前記抵抗体10の接合面積の増加に起因する電力損失の増加を防止しつつ、平面視における前記電圧領域35(1)、35(2)の面積を拡大することができ、電圧検出用接続部の設計自由度の向上を図ることができる。
【0066】
図4に本実施の形態の第3変形例に係るシャント抵抗器1Dの平面図を示す。
前記第3変形例1Dは、前記第2変形例1Cに比して、前記第1及び第2スリット40C(1)、40C(2)の代わりに第1及び第2スリット40D(1)、40D(2)を有している。
【0067】
前記第1スリット40D(1)は、前記第1及び第2端部41(1)、41(2)のうち前記第1導電体20(1)の第1側面23(1)に近接する端部(図示の構成においては前記第1端部41(1))から前記第1導電体20(1)の外端面22(1)へ向かうに従って前記第1導電体20(1)の第1側面23(1)に近接するように延び、前記第1導電体20(1)内において終焉する平面視曲線状の第1部分45D(1)と、
前記第1及び第2端部41(1)、42(1)のうち前記第2側面24(1)に近接する端部(図示の構成においては前記第2端部42(1))から前記第1導電体20(1)の外端面22(1)へ向かうに従って前記第2側面24(1)に近接するように延び、前記第1導電体20(1)内において終焉する平面視曲線状の第2部分46D(1)と、前記第1及び第2部分45D(1)、46D(1)を連結する連結部分47D(1)とを有している。
【0068】
前記第2スリット40D(2)は、前記第1及び第2端部41(2)、42(2)のうち前記第1側面23(2)に近接する端部(図示の構成においては前記第1端部41(2))から前記第2導電体20(2)の外端面22(2)へ向かうに従って前記第1側面23(2)に近接するように延び、前記第2導電体20(2)内において終焉する平面視曲線状の第1部分45D(2)と、前記第1及び第2端部41(2)、42(2)のうち前記第2側面24(2)に近接する端部(図示の構成においては前記第2端部42(2))から前記第2導電体20(2)の外端面22(2)へ向かうに従って前記第2側面24(2)に近接するように延び、前記第2導電体20(2)内において終焉する平面視曲線状の第2部分46D(2)と、前記第1及び第2部分45D(2)、46D(2)を連結する連結部分47D(2)とを有している。
【0069】
前記第3変形例1Dにおいても、前記第2変形例1Cにおけると同様の効果を得ることができる。
なお、前記第3変形例1Dにおいては、前記第1部分45D(1)、45D(2)、前記第2部分46D(1)、46D(2)及び前記連結部分47D(1)、47D(2)の全てが平面視曲線状とされているが、これらのうちの何れか1又は2箇所のみを平面視湾曲状とし、残りを平面視直線状とすることも可能である。
【0070】
次に、前記シャント抵抗器1Aの製造方法について説明する。
まず、第1の製造方法について説明する。
前記第1の製造方法は、
・Cu-Mn系合金、Ni-Cr系合金、Cu-Ni系合金等の板材によって形成される前記抵抗体10、Cu等の金属板材によって形成される前記第1導電体20(1)に前記第1スリット40(1)及び前記第1絶縁性樹脂50(1)が設けられてなる第1導電体アッセンブリ120(1)、並びに、Cu等の金属板材によって形成される前記第2導電体20(2)に前記第2スリット40(2)及び前記第2絶縁性樹脂50(2)が設けられてなる第2導電体アッセンブリ120(2)を用意する工程(図5参照)と、
・前記第1導電体アッセンブリ120(1)における前記第1導電体20(1)の内端面21(1)及び前記抵抗体10の第1接合面11(1)を当接させた状態で両者を接合する第1導電体接合工程(図1(a)参照)と、
・前記第2導電体アッセンブリ120(2)における前記第2導電体20(2)の内端面21(2)及び前記抵抗体10の第2接合面11(2)を当接させた状態で両者を接合する第2導電体接合工程(図1(a)参照)とを有している。
【0071】
前記第1導電体アッセンブリ120(1)を用意する工程は、
・前記第1導電体20(1)を形成する第1導電体形成領域140(1)及び前記内端面21(1)の位置を画する第1内方境界線142(1)を挟んで前記第1導電体形成領域140(1)に連接された第1内方延在領域155(1)を含むCu等の第1導電性金属板130(1)を用意する工程(図6参照)と、
・前記第1導電性金属板130(1)に、厚み方向一方側の上面及び厚み方向他方側の下面を貫通する第1貫通孔160(1)であって、前記第1導電体形成領域140(1)内の平面視形状が前記第1スリット40(1)の平面視形状と同一とされた第1スリット形成部分162(1)、及び、前記第1スリット形成部分162(1)の一端側の第1端部から前記第1内方境界線142(1)を越えて前記第1内方延在領域150(1)内へ延び、当該第1内方延在領域150(1)内で終焉する第1端部側延在部分164(1)を有する第1貫通孔160(1)を形成する工程(図7参照)と、
前記第1貫通孔160(1)内にポリイミド、ポリアミド、エポキシ等の絶縁性樹脂材を含む塗料を塗装し、硬化させることで、前記第1貫通孔160(1)内に前記第1絶縁性樹脂50(1)を充填する工程(図8参照)と、
前記第1内方境界線142(1)を含む切断線で前記第1導電性金属板130(1)から前記第1導電体形成領域140(1)を切断して、前記第1導電体20(1)に前記第1スリット40(1)及び前記第1絶縁性樹脂50(1)が設けられてなる前記第1導電体アッセンブリ120(1)を得る工程(図9参照)とを含んでいる。
【0072】
同様に、前記第2導電体アッセンブリ120(2)を用意する工程は、
・前記第2導電体20(2)を形成する第2導電体形成領域140(2)及び前記内端面21(2)の位置を画する第2内方境界線142(2)を挟んで前記第2導電体形成領域140(2)に連接された第2内方延在領域155(2)を含むCu等の第2導電性金属板130(2)を用意する工程(図6参照)と、
・前記第2導電性金属板130(2)に、厚み方向一方側の上面及び厚み方向他方側の下面を貫通する第2貫通孔160(2)であって、前記第2導電体形成領域140(2)内の平面視形状が前記第2スリット40(2)の平面視形状と同一とされた第2スリット形成部分162(2)、及び、前記第2スリット形成部分162(2)の一端側の第1端部から前記第2内方境界線142(2)を越えて前記第2内方延在領域150(2)内へ延び、当該第2内方延在領域150(2)内で終焉する第1端部側延在部分164(2)を有する第2貫通孔160(2)を形成する工程(図7参照)と、
・前記第2貫通孔160(2)内にポリイミド、ポリアミド、エポキシ等の絶縁性樹脂材を含む塗料を塗装し、硬化させることで、前記第2貫通孔160(2)内に前記第2絶縁性樹脂50(2)を充填する工程(図8参照)と、
・前記第2内方境界線142(2)を含む切断線で前記第2導電性金属板130(2)から前記第2導電体形成領域140(2)を切断して、前記第2導電体20(2)に前記第2スリット40(2)及び前記第2絶縁性樹脂50(2)が設けられてなる前記第2導電体アッセンブリ120(2)を得る工程(図9参照)とを含んでいる。
【0073】
前記第1及び第2貫通孔形成工程での貫通孔形成は、パンチ加工やレーザー加工等の種々の手段によって行われ得る。
【0074】
なお、本実施の形態に係る前記シャント抵抗器1Aにおいては、前述の通り、前記第1及び第2スリット40(1)、40(2)の第2端部42(1)、42(2)も前記内端面21(1)、21(2)に開口している。
【0075】
従って、図7に示すように、前記第1貫通孔160(1)は、前記第1スリット形成部分162(1)及び前記第1端部側延在部分164(1)に加えて、前記第1スリット形成部分162(1)の他端側の第2端部から前記第1内方境界線142(1)を越えて前記第1内方延在領域150(1)内へ延び、当該第1内方延在領域150(1)内で終焉する第2端部側延在部分166(1)を有している。
【0076】
同様に、前記2貫通孔160(2)は、前記第2スリット形成部分160(2)及び前記第1端部側延在部分164(2)に加えて、前記第2スリット形成部分162(2)の他端側の第2端部から前記第2内方境界線142(2)を越えて前記第2内方延在領域150(2)内へ延び、当該第2内方延在領域150(2)内で終焉する第2端部側延在部分166(2)を有している。
【0077】
前記切断工程は、ワイヤー加工やレーザー加工等の種々の手段を用いることができる。
【0078】
前記第1及び第2導電体20(1)、20(2)と前記抵抗体10との接合は、対応する導電体アッセンブリ120(1)、120(2)における導電体20(1)、20(2)の内端面21(1)、21(2)を前記抵抗体10の対応する接合面11(1)、11(2)に当接させた状態で、当接部分に電子ビーム又はレーザーを照射することによる溶接やはんだ等の種々の手段によって行うことができる。
【0079】
斯かる前記第1の製造方法によれば、前記第1スリット40(1)(前記第2スリット40(2))を形成する前記第1貫通孔160(1)(前記第2貫通孔160(2))を作成した段階において前記第1電圧領域35(1)(前記第2電圧領域35(2))と前記第1電流領域30(1)(前記第2電流領域30(2))とは前記第1内方延在領域150(1)(前記第2内方延在領域150(2))を介して連結されている。
【0080】
従って、前記第1スリット40(1)(前記第2スリット40(2))を形成する前記第1貫通孔160(1)(前記第2貫通孔160(2))の幅を設計通りに正確に形成することができる。
【0081】
また、前記第1貫通孔160(1)(前記第2貫通孔160(2))の両端側が連結されているので、前記第1貫通孔160(1)(前記第2貫通孔160(2))への前記第1絶縁性樹脂50(1)(前記第2絶縁性樹脂50(2))の充填作業を効率良く行うことができる。
【0082】
なお、前記第1及び第2電圧領域35(1)、35(2)への前記第1及び第2電圧検出用接続部(前記ピン電極37又は前記接続開口39)の形成、並びに、前記第1及び第2電流領域30(1)、30(2)への前記締結孔32の形成は、任意の段階で行うことができる。
【0083】
即ち、図6に示すように、前記第1及び第2導電性金属板130(1)、130(2)を用意する際に、前記第1及び第2電圧検出用接続部並びに前記締結孔32を形成することも可能であるし、前記第1及び第2導電体アッセンブリ120(1)、120(2)の完成後にこれらを形成することも可能である。
若しくは、前記第1導電体接合工程及び前記第2導電体接合工程の後に、これらを形成することも可能である。
【0084】
また、前記第1導電体接合工程及び前記第2導電体接合工程は、同時に行うことも可能であるし、若しくは、任意の順番で行うことも可能である。
【0085】
次に、前記シャント抵抗器1Aの第2の製造方法について説明する。
前記第2の製造方法は、
・Cu-Mn系合金、Ni-Cr系合金、Cu-Ni系合金等の板材によって形成される前記抵抗体10並びにCu等の金属板材によって形成される前記第1導電体20(1)及び前記第2導電体20(2)を用意する工程(図10(a)参照)と、
・前記第1導電体20(1)の内端面21(1)及び前記抵抗体10の第1接合面11(1)を当接させた状態で両者を接合する第1導電体接合工程(図10(a)参照)と、
・前記第2導電体20(2)の内端面21(2)及び前記抵抗体10の第2接合面11(2)を当接させた状態で両者を接合する第2導電体接合工程(図10(a)参照)と、
・前記抵抗体10に前記第1及び第2導電体20(1)、20(2)が接合されてなるプリアッセンブリ110(図10(a)参照)に前記第1及び第2スリット40(1)、40(2)を形成するスリット形成工程(図11参照)と、
・前記第1及び第2スリット40(1)、40(2)にそれぞれ前記第1及び第2絶縁性樹脂50(1)、50(2)を形成するポリイミド、ポリアミド、エポキシ等の絶縁性樹脂材を充填し、硬化させる樹脂形成工程(図1(a)及び(b)参照)とを有している。
【0086】
前記第1導電体接合工程及び前記第2導電体接合工程での接合は、電子ビーム又はレーザーを照射することによる溶接やはんだ等によって行うことができる。
また、前記第1導電体接合工程及び前記第2導電体接合工程は、同時に行うことも可能であるし、若しくは、任意の順番で行うことも可能である。
【0087】
前記スリット形成工程でのスリット形成は、パンチ加工やレーザー加工等の種々の手段によって行われ得る。
【0088】
なお、前記第1及び第2電圧領域35(1)、35(2)への前記第1及び第2電圧検出用接続部(前記ピン電極37又は前記接続開口39)の形成、並びに、前記第1及び第2電流領域30(1)、30(2)への前記締結孔32の形成は、任意の段階で行うことができる。
【0089】
即ち、前記第1導電体接合工程及び前記第2導電体接合工程の前に前記第1及び第2導電体20(1)、20(2)に予め前記第1及び第2電圧検出用接続部並びに前記締結孔32を形成することも可能であるし、前記プリアッセンブリ110の状態で前記スリット形成工程の前、又は、後に、これらを形成することも可能である。
若しくは、前記樹脂形成工程の後に、これらを形成することも可能である。
【0090】
実施の形態2
以下、本発明に係るシャント抵抗器の製造方法の他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図12(a)に本実施の形態に係るシャント抵抗器2Aの平面図を、図12(b)に図12(a)におけるXII-XII線に沿った断面図を、それぞれ示す。
なお、図中、前記実施の形態1におけると同一部材には同一符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0091】
本実施の形態に係るシャント抵抗器2Aは、前記第1及び第2スリット40(1)、40(2)に代えて第1及び第2スリット70(1)、70(2)を有する点においてのみ、前記実施の形態1に係るシャント抵抗器1Aと相違している。
【0092】
図12(a)に示すように、前記第1スリット70(1)は、第1端部71(1)が前記第1導電体20(1)の内端面21(1)に開口し且つ第2端部72(1)が前記第1導電体20(1)の第1及び第2側面23(1)、24(1)の一方(図示の構成においては前記第1側面23(1))に開口している。
【0093】
また、前記第2スリット70(2)は、第1端部71(2)が前記第2導電体20(2)の内端面21(2)に開口し且つ第2端部72(2)が前記第2導電体20(2)の第1及び第2側面23(2)、24(2)の一方(図示の構成においては前記第1側面23(2))に開口している。
【0094】
斯かる構成の前記シャント抵抗器2Aにおいても、前記第1及び第2電圧領域35(1)、35(2)間の抵抗値を前記抵抗体10の抵抗値に可及的に一致させることができる。
【0095】
また、前記第1及び第2スリット70(1)、70(2)の幅を拡げることなく、対応する前記電流領域30(1)、30(2)及び前記電圧領域35(1)、35(2)間の電気的絶縁状態を得ることができ、さらに、対応する前記絶縁性樹脂50(1)、50(2)によって前記第1及び第2電圧領域35(1)、35(2)の機械的強度を向上させることができる。
【0096】
さらに、本実施の形態においては、図12(a)に示すように、前記第1スリット70(1)の第1端部71(1)は、前記第1電圧領域35(1)及び前記抵抗体10の接合面積が前記第1電流領域30(1)及び前記抵抗体10の接合面積よりも小となる位置で、前記第1導電体20(1)の内端面21(1)に開口しており、且つ、前記第2スリット70(2)の第1端部71(2)は、前記第2電圧領域35(2)及び前記抵抗体10の接合面積が前記第2電流領域30(2)及び前記抵抗体10の接合面積よりも小となる位置で、前記第2導電体20(2)の内端面21(2)に開口している。
【0097】
斯かる構成により、前記第1及び第2電圧領域35(1)、35(29間の電圧測定による電力損失を低減させることができる。
【0098】
次に、前記シャント抵抗器2Aの製造方法について説明する。
前記製造方法は、前記第1及び第2導電性金属板130(1)、130(2)に代えて第1及び第2導電性金属板132(1)、132(2)を用いる点において、前記実施の形態1に係るシャント抵抗器1Aの第1の製造方法と相違している。
【0099】
前記第1導電性金属板132(1)は、前記第1導電体形成領域140(1)及び前記第1内方延在領域150(1)に加えて、第1側方境界線144(1)を挟んで前記第1導電体形成領域140(1)に連接された第1側方延在領域152(1)を有するものとされる(図13参照)。
【0100】
同様に、前記第2導電性金属板132(2)は、前記第2導電体形成領域140(2)及び前記第2内方延在領域150(2)に加えて、第2側方境界線144(2)を挟んで前記第2導電体形成領域140(2)に連接された第2側方延在領域152(2)を有するものとされる(図13参照)。
【0101】
前記シャント抵抗器2Aの製造方法は、前記実施の形態1に係るシャント抵抗器1Aの第1の製造方法に比して、前記第1及び第2貫通孔160(1)、160(2)に代えて第1及び第2貫通孔170(1)、170(2)を形成するものとされる(図14参照)。
【0102】
図14に示すように、前記第1貫通孔170(1)は、前記第1スリット70(1)を形成する第1スリット形成部分172(1)と、前記第1スリット形成部分172(1)の一端側の第1端部から前記第1内方境界線142(1)を越えて前記第1内方延在領域150(1)内へ延び、当該第1内方延在領域150(1)内で終焉する第1端部側延在部分174(1)と、前記第1スリット形成部分172(1)の他端側の第2端部から前記第1側方境界線144(1)を越えて前記第1側方延在領域内152(1)へ延び、当該第1側方延在領域152(1)内で終焉する第2端部側延在部分176(1)とを有している。
【0103】
同様に、前記第2貫通孔170(2)は、前記第2スリット70(2)を形成する第2スリット形成部分172(2)と、前記第2スリット形成部分172(2)の一端側の第1端部から前記第2内方境界線142(2)を越えて前記第2内方延在領域150(2)内へ延び、当該第2内方延在領域150(2)内で終焉する第1端部側延在部分174(2)と、前記第2スリット形成部分172(2)の他端側の第2端部から前記第2側方境界線144(2)を越えて前記第2側方延在領域152(2)内へ延び、当該第2側方延在領域152(2)内で終焉する第2端部側延在部分176(2)とを有している。
【0104】
前記シャント抵抗器2Aの製造方法においては、前記第1貫通孔170(1)(前記第2貫通孔170(2))に前記第1絶縁性樹脂50(1)(前記第2絶縁性樹脂50(2))を形成する塗料を塗布して硬化させた後に(図15参照)、前記第1導電体形成領域140(1)(前記第2導電体形成領域140(2))は、前記第1内方境界線142(1)(前記第2内方境界線142(2))及び前記第1側方境界線144(1)(前記第2側方境界線144(2))を含む切断線にて前記第1導電性金属板132(1)(前記第2導電性金属板132(2))から切断される(図16参照)。
【0105】
実施の形態3
以下、本発明に係るシャント抵抗器の製造方法の他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図17(a)に本実施の形態に係るシャント抵抗器3Aの平面図を示す。
また、図17(b)に図17(a)におけるXVII(a)-XVII(a)線に沿った断面図を、図17(c)に図17(b)におけるXVII(c)-XVII(c)線に沿った断面図をそれぞれ示す。
なお、図中、前記実施の形態1及び2におけると同一部材には同一符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0106】
本実施の形態に係るシャント抵抗器3Aは、前記第1及び第2スリット40(1)、40(2)に代えて第1及び第2スリット80(1)、80(2)を有する点においてのみ、前記実施の形態1に係るシャント抵抗器1Aと相違している。
【0107】
図17(a)に示すように、前記第1スリット80(1)は、第1端部81(1)が前記第1導電体20(1)の内端面21(1)に開口し且つ第2端部82(1)が前記第1導電体20(1)の外端面22(1)に開口している。
【0108】
また、前記第2スリット80(2)は、第1端部81(2)が前記第2導電体20(2)の内端面21(2)に開口し且つ第2端部82(2)が前記第2導電体20(2)の外端面22(2)に開口している。
【0109】
斯かる構成の前記シャント抵抗器3Aにおいても、前記第1及び第2電圧領域35(1)、35(2)間の抵抗値を前記抵抗体10の抵抗値に可及的に一致させることができる。
【0110】
また、前記第1及び第2スリット80(1)、80(2)の幅を拡げることなく、対応する前記電流領域30(1)、30(2)及び前記電圧領域35(1)、35(2)間の電気的絶縁状態を得ることができ、さらに、前記第1及び第2電圧領域35(1)、35(2)の機械的強度を向上させることができる。
【0111】
さらに、本実施の形態においては、図17(a)に示すように、前記第1スリット80(19の第1端部81(1)は、前記第1電圧領域35(1)及び前記抵抗体10の接合面積が前記第1電流領域30(1)及び前記抵抗体10の接合面積よりも小となる位置で、前記第1導電体20(1)の内端面21(1)に開口しており、且つ、前記第2スリット80(2)の第1端部81(2)は、前記第2電圧領域35(2)及び前記抵抗体10の接合面積が前記第2電流領域30(2)及び前記抵抗体10の接合面積よりも小となる位置で、前記第2導電体20(2)の内端面21(2)に開口している。
【0112】
斯かる構成により、前記第1及び第2電圧領域35(1)、35(2)間の電圧測定による電力損失を低減させることができる。
【0113】
次に、前記シャント抵抗器3Aの製造方法について説明する。
前記製造方法は、前記第1及び第2導電性金属板130(1)、130(2)に代えて第1及び第2導電性金属板134(1)、134(2)を用いる点において、前記実施の形態1に係るシャント抵抗器1Aの第1の製造方法と相違している。
【0114】
前記第1導電性金属板134(1)は、前記第1導電体形成領域140(1)及び前記第1内方延在領域150(1)に加えて、第1外方境界線146(1)を挟んで前記第1導電体形成領域140(1)に連接された第1外方延在領域154(1)を有するものとされる(図18参照)。
【0115】
同様に、前記第2導電性金属板134(2)は、前記第2導電体形成領域140(2)及び前記第2内方延在領域150(2)に加えて、第2外方境界線146(2)を挟んで前記第2導電体形成領域140(2)に連接された第2外方延在領域154(2)を有するものとされる(図18参照)。
【0116】
前記シャント抵抗器3Aの製造方法は、前記実施の形態1に係るシャント抵抗器1Aの第1の製造方法に比して、前記第1及び第2貫通孔160(1)、160(2)に代えて第1及び第2貫通孔180(1)、180(2)を形成するものとされる。
【0117】
図19に示すように、前記第1貫通孔180(1)は、前記第1スリット80(1)を形成する第1スリット形成部分182(1)と、前記第1スリット形成部分182(1)の一端側の第1端部から前記第1内方境界線142(1)を越えて前記第1内方延在領域150(1)内へ延び、当該第1内方延在領域150(1)内で終焉する第1端部側延在部分184(1)と、前記第1スリット形成部分182(1)の他端側の第2端部から前記第1外方境界線146(1)を越えて前記第1外方延在領域154(1)内へ延び、当該第1外方延在領域154(1)内で終焉する第2端部側延在部分186(1)とを有している。
【0118】
同様に、前記第2貫通孔180(2)は、前記第2スリット80(2)を形成する第2スリット形成部分182(2)と、前記第2スリット形成部分182(2)の一端側の第1端部から前記第1内方境界線142(2)を越えて前記第1内方延在領域150(2)内へ延び、当該第1内方延在領域150(2)内で終焉する第1端部側延在部分184(2)と、前記第2スリット形成部分182(2)の他端側の第2端部から前記第2外方境界線146(2)を越えて前記第2外方延在領域154(2)内へ延び、当該第2外方延在領域154(2)内で終焉する第2端部側延在部分186(2)とを有している。
【0119】
前記シャント抵抗器3Aの製造方法においては、前記第1貫通孔180(1)(前記第2貫通孔180(2))に前記第1絶縁性樹脂50(1)(前記第2絶縁性樹脂50(2))を形成する塗料を塗布して硬化させた後に(図20参照)、前記第1導電体形成領域140(1)(前記第2導電体形成領域140(2))は、前記第1内方境界線142(1)(前記第2内方境界線142(2))及び前記第1外方境界線146(1)(前記第2外方境界線146(2))を含む切断線にて前記第1導電性金属板134(1)(前記第2導電性金属板134(2))から切断される(図21参照)。
【0120】
図22図25に、それぞれ、第1~第4参考例に係るシャント抵抗器9A~9Dの平面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1~3におけると同一部材には同一符号を付している。
【0121】
前記第1~第4参考例に係るシャント抵抗器9A~9Dは、電流領域及び電圧検出用接続部間の絶縁性を十分には確保することができない。
【0122】
図22に示す第1参考例9Aにおいては、前記第1導電体20(1)(前記第2導電体20(2))に設けられた第1スリット210(1)(第2スリット210(2))は、電流流れ方向に沿った長手方向Lに平行に延びており、平面視における一端側の第1端部211(1)(211(2))が内端面21(1)(21(2))に開口しつつ、平面視における他端側の第2端部212(1)(212(2))は前記長手方向Lに関し第1電圧検出用接続部37(第2電圧検出用接続部37)を越えて外端面22(1)(22(2))の側へ延び、前記第1導電体20(1)(前記第2導電体20(2))内において終焉している。
【0123】
図23に示す第2参考例9Bにおいては、前記第1導電体20(1)(前記第2導電体20(2))に設けられた第1スリット215(1)(第2スリット215(2))は、電流流れ方向に沿った長手方向Lに関し電圧検出用接続部とオーバーラップするように前記長手方向Lに平行に延びており、平面視における一端側の第1端部216(1)(216(2))が内端面211(1)との間に間隙を存しつつ前記第1導電体20(1)(前記第2導電体20(2))内において終焉し、且つ、平面視における他端側の第2端部217(1)(217(2))が前記長手方向Lに関し第1電圧検出用接続部37(第2電圧検出用接続部37)を越えて外端面22(1)(22(2))の側へ延び、前記第1導電体20(1)(前記第2導電体(20(2))内において終焉している。
【0124】
図24に示す第3参考例9Cにおいては、前記第2参考例9Bにおける前記第1スリット215(1)(前記第2スリット215(2))が、前記長手方向Lと直交する幅方向Wに関し、第1電圧検出用接続部37(第2電圧検出用接続部37)の両側に配置されている。
【0125】
図25に示す第4参考例9Dにおいては、前記第1導電体20(1)(前記第2導電体20(2))に設けられた第1スリット220(1)(第2スリット220(2))は、電流流れ方向に沿った長手方向Lに平行に延びており、前記長手方向Lに関し第1電圧検出用接続部37(第2電圧検出用接続部37)とはオーバーラップしないように前記第1導電体20(1)(前記第2導電体20(2))内に配置されている。
【0126】
実施の形態4
以下、本発明に係るシャント抵抗器の製造方法の他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図26(a)に本実施の形態に係るシャント抵抗器4Aの平面図を、図26(b)に図26(a)におけるXXVI-XXVI線に沿った断面図を、それぞれ示す。
なお、図中、前記実施の形態1~3におけると同一部材には同一符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0127】
前記シャント抵抗器4Aは、前記抵抗体10と、前記第1及び第2導電体20(1)、20(2)と、前記第1及び第2導電体20(1)、20(2)にそれぞれ設けられた第1及び第2電圧検出用接続部(図示の構成においては前記ピン電極37)と、前記第1導電体20(1)の上面及び下面を貫通する第1スリット90(1)と、前記第1スリット90(1)に充填された前記第1絶縁性樹脂50(1)と、前記第2導電体20(2)の上面及び下面を貫通する第2スリット90(2)と、前記第2スリット90(2)に充填された前記第2絶縁性樹脂50(2)とを有している。
【0128】
図26(a)に示すように、前記第1スリット90(1)は、電流長手方向に沿った長手方向Lに関し前記第1電圧検出用接続部よりも前記抵抗体10から離間された側において、前記長手方向Lと直交する幅方向Wに関し前記第1電圧検出用接続部とオーバーラップし且つ前記第1導電体20(1)の幅の1/2よりも短くなるように配置されている。
【0129】
同様に、前記第2スリット90(2)は、前記長手方向Lに関し前記第2電圧検出用接続部よりも前記抵抗体10から離間された側において、前記長手方向Lと直交する幅方向Wに関し前記第2電圧検出用接続部とオーバーラップし且つ前記第2導電体20(2)の幅の1/2よりも短くなるように配置されている。
【0130】
斯かる構成の前記シャント抵抗器4Aによれば、当該シャント抵抗器4Aの機械的強度を劣化させることなく、前記第1及び第2電圧検出用接続部間の抵抗値を前記抵抗体10の抵抗値に可及的に一致させることができる。
また、前記第1及び第2電圧検出用接続部間の電圧測定による電力損失を低減させることができる。
【0131】
図27(a)に本実施の形態の変形例に係るシャント抵抗器4Bの変形例の平面図を、図27(b)に図27(a)におけるXXVII-XXVII線に沿った断面図を、それぞれ示す。
【0132】
前記シャント抵抗器4Bは、前記シャント抵抗器4Aに比して、前記第1及び第2スリット90(1)、90(2)に代えて第1及び第2スリット90B(1)、90B(2)を有している。
【0133】
前記第1スリット90B(1)は、一端部が前記第1及び第2側面23(1)、24(1)の一方(図示の構成においては前記第1側面23(1))に開口している点において、前記第1スリット90(1)に相違している。
【0134】
同様に、前記第2スリット90B(2)は、一端部が前記第1及び第2側面23(2)、24(2)の一方(図示の構成においては前記第1側面23(2))に開口している点において、前記第2スリット90(2)に相違している。
【0135】
前記シャント抵抗器4Bによれば、前記第1及び第2電圧検出用接続部間の抵抗値を前記抵抗体10の抵抗値にさらに一致させることができる。
【0136】
なお、本実施の形態4A及び前記変形例4Bにおいては、前記第1及び第2電圧検出用接続部としてピン電極37が設けられているが、当然ながら、前記ピン電極37に代えて接続開口32を設けることも可能である。
【符号の説明】
【0137】
1A~4B シャント抵抗器
10 抵抗体
11(1)、11(2) 第1及び第2接合面
20(1)、20(2) 第1及び第2導電体
21(1)、21(2) 第1及び第2導電体の内端面
22(1)、22(2) 第1及び第2導電体の外端面
23(1)、23(2) 第1及び第2導電体の第1側面
24(1)、24(2) 第1及び第2導電体の第2側面
30(1)、30(2) 第1及び第2電流領域
32 締結孔
35(1)、35(2) 第1及び第2電圧領域
37 ピン電極
39 接続開口
40(1)~40D(1) 第1スリット
40(2)~40D(2) 第2スリット
45(1)、45C(1)、45D(1) 第1スリットの第1部分
45(2)、45C(2)、45D(2) 第2スリットの第1部分
46(1)、46C(1)、46D(1) 第1スリットの第2部分
46(2)、46C(2)、46D(2) 第2スリットの第2部分
47(1)、47C(1)、47D(1) 第1スリットの連結部分
47(2)、47C(2)、47D(2) 第2スリットの連結部分
50(1)、50(2) 第1及び第2絶縁性樹脂
70(1)、80(1)、90(1)、90B(1) 第1スリット
70(2)、80(2)、90(2)、90B(2) 第2スリット
120(1)、120(2) 第1及び第2導電体アッセンブリ
130(1)、130(2) 第1及び第2導電性金属板
140(1)、140(2) 第1及び第2導電体形成領域
142(1)、142(2) 第1及び第2内方境界線
144(1)、144(2) 第1及び第2側方境界線
146(1)、146(2) 第1及び第2外方境界線
150(1)、150(2) 第1及び第2内方延在領域
152(1)、152(2) 第1及び第2側方延在領域
154(1)、154(2) 第1及び第2外方延在領域
160(1)、170(1)、180(1) 第1貫通孔
160(2)、170(2)、180(2) 第2貫通孔
162(1)、172(1)、182(1) 第1スリット形成部分
162(2)、172(2)、182(2) 第2スリット形成部分
164(1)、174(1)、184(1) 第1貫通孔の第1端部側延在部分
164(2)、174(2)、184(2) 第2貫通孔の第1端部側延在部分
166(1)、176(1)、186(1) 第1貫通孔の第2端部側延在部分
166(2)、176(2)、186(2) 第2貫通孔の第2端部側延在部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27