(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】敷設管の状態解析システムおよび敷設管の状態解析方法
(51)【国際特許分類】
H02G 1/06 20060101AFI20230116BHJP
E03F 7/00 20060101ALI20230116BHJP
【FI】
H02G1/06
E03F7/00
(21)【出願番号】P 2019113770
(22)【出願日】2019-06-19
【審査請求日】2022-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上原 将彦
【審査官】遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-133687(JP,A)
【文献】特開2011-125093(JP,A)
【文献】国際公開第2007/010978(WO,A1)
【文献】特開2004-147429(JP,A)
【文献】特開2002-168794(JP,A)
【文献】特開2006-015704(JP,A)
【文献】特開平01-047207(JP,A)
【文献】米国特許第04518152(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/06
E03F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷設管の内部に挿入され、前記敷設管に沿って変形可能なチューブと、
前記チューブの内部に挿入される移動体と、
前記移動体を前記チューブに沿って移動させる駆動部と、
前記移動体に設けられ、前記チューブの形状に基づいて変化する情報を取得する取得部と、
前記移動体の移動量と前記取得部が取得した情報とに基づいて前記敷設管の状態を解析する情報処理部と、
を備える、
敷設管の状態解析システム。
【請求項2】
前記取得部は、前記チューブの内部を撮影するカメラを有し、
前記情報処理部は、前記カメラで撮影した画像に基づいて前記敷設管の状態を解析する、
請求項1に記載の敷設管の状態解析システム。
【請求項3】
前記チューブには、前記カメラで撮影可能なマーカが設けられており、
前記情報処理部は、前記画像に写る前記マーカに基づいて前記敷設管の状態を解析する、
請求項2に記載の敷設管の状態解析システム。
【請求項4】
複数の前記マーカが前記チューブの軸方向に並んだパターンを形成する、
前記情報処理部は、前記画像に写る前記パターンの変化量に基づいて前記敷設管の状態を解析する、
請求項3に記載の敷設管の状態解析システム。
【請求項5】
複数の前記マーカが前記チューブの周方向に並んだパターンを形成し、
前記情報処理部は、前記画像に写る前記パターンの変化量に基づいて前記敷設管の状態を解析する、
請求項3または請求項4に記載の敷設管の状態解析システム。
【請求項6】
前記チューブの周方向における第1位置と前記第1位置とは異なる第2位置とで、異なる種類の前記マーカが配置される、
請求項5に記載の敷設管の状態解析システム。
【請求項7】
前記移動体に設けられ、前記チューブの内面に前記カメラで撮影可能なマーカを投影する投影部を備え、
前記情報処理部は、前記画像に写る前記マーカに基づいて前記敷設管の状態を解析する、
請求項2に記載の敷設管の状態解析システム。
【請求項8】
前記移動体は、撮影範囲の中心が前記チューブの軸心となる態様で前記カメラを支持する、
請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の敷設管の状態解析システム。
【請求項9】
前記移動体を特定の移動速度で移動させる制御を行う移動制御部と、
前記カメラを用いて特定の時間間隔で撮影する制御を行う撮影制御部と、
を備え、
前記情報処理部は、前記カメラで撮影した複数の前記画像に基づいて前記敷設管の状態を解析する、
請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の敷設管の状態解析システム。
【請求項10】
前記移動体の進行方向の後部側に接続された線状部材と、
前記線状部材を前記チューブの内部に向けて送り出す送出装置と、
を備え、
前記情報処理部は、前記送出装置で前記線状部材が送り出されるときに前記取得部が取得した情報に基づいて前記敷設管の状態を解析する、
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の敷設管の状態解析システム。
【請求項11】
前記移動体の進行方向の前部側に接続された線状部材と、
前記線状部材を前記チューブの内部から巻き取る巻取装置と、
を備え、
前記情報処理部は、前記巻取装置で前記線状部材が巻き取られるときに前記取得部が取得した情報に基づいて前記敷設管の状態を解析する、
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の敷設管の状態解析システム。
【請求項12】
前記取得部は、少なくとも鉛直方向を検出する加速度センサを有し、
前記情報処理部は、前記加速度センサが検出した情報に基づいて前記敷設管の状態を解析する、
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の敷設管の状態解析システム。
【請求項13】
前記取得部は、前記移動体の姿勢の変化を検出する角度センサを有し、
前記情報処理部は、前記角度センサが検出した情報に基づいて前記敷設管の状態を解析する、
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の敷設管の状態解析システム。
【請求項14】
前記チューブの内面と前記移動体の外面との間に潤滑剤が設けられる、
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の敷設管の状態解析システム。
【請求項15】
敷設管に沿って変形可能なチューブを前記敷設管の内部に挿入するステップと、
移動体を前記チューブの内部に挿入するステップと、
駆動部により前記移動体が前記チューブに沿って移動するステップと、
前記移動体に設けられた取得部が前記チューブの形状に基づいて変化する情報を取得するステップと、
前記移動体の移動量と前記取得部が取得した情報とに基づいて情報処理部が前記敷設管の状態を解析するステップと、
を含む、
敷設管の状態解析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、敷設管の状態解析システムおよび敷設管の状態解析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発電所またはビルの建設時に壁の内部または地中などにケーブルを敷設する際に、干渉物の存在によって計画通りに敷設できない場合がある。また、先に計画通りにケーブルを敷設しても、後から行われた工事によってケーブルの位置が変動してしまう場合もある。このような状況において、例えば、壁に貫通孔を設置する場合に、ケーブルの敷設時の計画時の設計図のみを参照したのでは、誤ってケーブルを切断してしまうおそれがある。従って、事前にケーブルの正確な位置を把握する必要がある。そこで、不可視状態で敷設されているケーブルの位置を検出する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述の技術では、ケーブル敷設時に取得した位置情報を用いるため、敷設後に何等かの要因でケーブルの位置が変わってしまった場合には対応できない。また、埋設されたケーブルを探知する技術としては、電磁誘導または静電結合方式を用いた手法がある。しかしながら、鉄筋コンクリート製の壁の内部にケーブルを敷設するときには、壁に埋設された電線管にケーブルが通される。そのため、この電線管と鉄筋とが接触している場合には、広範囲にノイズが生じて探知が困難となる。
【0005】
本発明の実施形態は、このような事情を考慮してなされたもので、構造物の内部に敷設され、外部から視認できない敷設管の状態を正確に把握することができる敷設管の状態解析技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る敷設管の状態解析システムは、敷設管の内部に挿入され、前記敷設管に沿って変形可能なチューブと、前記チューブの内部に挿入される移動体と、前記移動体を前記チューブに沿って移動させる駆動部と、前記移動体に設けられ、前記チューブの形状に基づいて変化する情報を取得する取得部と、前記移動体の移動量と前記取得部が取得した情報とに基づいて前記敷設管の状態を解析する情報処理部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態により、構造物の内部に敷設され、外部から視認できない敷設管の状態を正確に把握することができる敷設管の状態解析技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】第1実施形態の敷設管の状態解析システムを示す構成図。
【
図3】第1実施形態の敷設管の状態解析システムを示すブロック図。
【
図5】チューブの内部を進行する移動体を示す側面図。
【
図6】チューブの直線部で撮影されたマーカの画像を示す画像図。
【
図7】チューブの屈曲部で撮影されたマーカの画像を示す画像図。
【
図8】第1実施形態の敷設管の状態解析方法を示すフローチャート。
【
図9】変形例1の敷設管の状態解析システムを示すブロック図。
【
図12】第2実施形態の敷設管の状態解析システムを示す構成図。
【
図13】第2実施形態の敷設管の状態解析システムを示すブロック図。
【
図14】第2実施形態の敷設管の状態解析方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本実施形態を添付図面に基づいて説明する。まず、第1実施形態の敷設管の状態解析システムおよび敷設管の状態解析方法について
図1から
図8を用いて説明する。
【0010】
図1の符号1は、本実施形態の状態解析の対象となる敷設管である。この敷設管1は、例えば、鉄筋コンクリート製の構造物としての壁2の内部に敷設される。つまり、敷設管1は、壁2の外部から視認できない状態となっている。なお、敷設管1は、天井、床、地面などの構造物の内部に敷設されているものでも良い。また、敷設管1は、電線を通すための電線管を例示する。
【0011】
図1に示すように、壁2の内部に敷設管1が敷設されている状態において、例えば、壁2に新たに貫通孔3を設ける工事を行うものとする。この場合において、敷設管1の形状および位置を含む各種の状態を正確に特定しておかないと、貫通孔3を開ける際に誤って敷設管1が存在する部分を貫通させてしまい、敷設管1を破損させるおそれがある。そこで、本実施形態では、作業者が工事前に敷設管1の状態を正確に調べるようにする。なお、敷設管1の状態には、敷設管1の位置、直線部1aの長さ、屈曲部1bの曲がり具合などの状態が含まれる(
図5参照)。
【0012】
なお、本実施形態では、解析の対象となる敷設管1として、電線管を例示しているが、その他の管でも良い。例えば、通気管または水道管などを解析の対象としても良い。
【0013】
壁2には、敷設管1が存在する部分に対応して、所定の間隔ごとに複数のメンテナンス口4が設けられている。メンテナンスを行う作業者は、これらのメンテナンス口4の扉を開放することで、敷設管1の内部の電線にアクセスして、そのメンテナンスを行うことができる。
【0014】
図2に示すように、第1実施形態の敷設管1の状態解析システム5は、チューブ6と移動体7と送出装置8と制御装置9とを備える。
【0015】
チューブ6は、メンテナンス口4から敷設管1の内部に挿入され、敷設管1に沿って変形可能な管状部材となっている。例えば、チューブ6は、ゴムなどの可撓性を有する材質で形成されている。
【0016】
なお、敷設管1およびチューブ6は、断面視で円形を成す部材である。チューブ6は、その外径が敷設管1の内径よりも小さいものであれば良い。また、敷設管1には、多数の電線が通される場合がある。そのため、チューブ6の外径は、少なくとも敷設管1の内径の半分以下であることが好ましい。
【0017】
図1に示すように、チューブ6は、一方のメンテナンス口4から他方のメンテナンス口4までの間に設けられる。つまり、チューブ6の一方の端部が一方のメンテナンス口4から露出され、他方の端部が他方のメンテナンス口4から露出される。なお、敷設管1には、複数箇所に屈曲部1bが設けられているが、これらの屈曲部1bに沿ってチューブ6が曲がるようになっている。つまり、チューブ6の形状は、敷設管1の形状に基づいて変化する。
【0018】
なお、作業者は、先に敷設管1の内部にメッセンジャーワイヤを通しておき、このメッセンジャーワイヤを用いてチューブ6を敷設管1の内部に挿入しても良い。
【0019】
図2に示すように、移動体7は、チューブ6の端部からその内部に挿入される。この移動体7は、正面視で円形状を成し(
図4参照)、チューブ6の内径とほぼ同じ寸法の外径を有する。また、移動体7は、側面視で楕円形状を成す。つまり、この移動体7は、回転楕円体形状を成す。
【0020】
移動体7の進行方向D1の前部側には、照明部10とカメラ11とが設けられている。照明部10は、移動体7の前方を照らし、カメラ11は、移動体7の前方を撮影する。チューブ6の内面には、カメラ11で撮影可能な複数のマーカ12が描かれている(
図6参照)。本実施形態では、これらマーカ12が写る画像に基づいてチューブ6の形状を解析することができる。
【0021】
図6は、移動体7がチューブ6の直線部6a(
図5参照)に配置されているときに、カメラ11で撮影されたチューブ6の内部の画像を示す。この
図6に示すように、チューブ6の内面には、複数のマーカ12がチューブ6の軸方向に均等に並んで配置されている。つまり、複数のマーカ12によりチューブ6の延設方向に沿って延びる直線状のパターンが形成されている。
【0022】
さらに、直線状のパターンが複数本形成されている。つまり、複数のマーカ12がチューブ6の周方向に並んで配置されることで、直線状のパターンがチューブ6の周方向に並んで配置される。
【0023】
直線状のパターンは、チューブ6の周方向の4箇所に配置されている。つまり、複数のマーカ12がチューブ6の周方向の均等に並んで配置されている。カメラ11で撮影された画像には、画像の中心から放射状に延びるようにパターンが写る。
【0024】
第1実施形態では、カメラ11の撮影範囲を基準として、チューブ6の右方位置に円形状のマーカ12aが配置されている。また、チューブ6の下方位置に四角形状のマーカ12bが配置されている。また、チューブ6の左方位置に三角形状のマーカ12cが配置されている。また、チューブ6の上方位置にX字状のマーカ12dが配置されている。
【0025】
つまり、チューブ6の周方向における第1位置(例えば、右方位置)と、第1位置とは異なる第2位置(例えば、左方位置)とで、異なる種類のマーカ12a,12cが配置されている。なお、第1実施形態では、4種類のマーカ12a~12dが配置されているが、それ以上の種類のマーカ12を用いても良い。
【0026】
図7は、移動体7がチューブ6の屈曲部6b(
図5参照)に配置されているときに、カメラ11で撮影されたチューブ6の内部の画像を示す。この
図7に示すように、移動体7がチューブ6の屈曲部6bに配置されている場合には、移動体7がチューブ6の直線部6aに配置されているときの画像と比較して(
図6参照)、異なる形態でマーカ12a~12dが画像に写る。そのため、この画像が撮影されたときの移動体7の位置を把握することで、チューブ6の屈曲部6bの位置を把握することができる。
【0027】
なお、マーカ12は、チューブ6の内周面に印刷され、識別可能な所定の図柄(図形)である。また、例えば、チューブ6を透明な部材、つまり、内側から外側を可視化可能な部材とし、チューブ6の外周面にマーカ12を印刷しても良い。
【0028】
また、マーカ12は印刷により描かれるものでなくても良い。例えば、チューブ6において、マーカ12の部分とその他の部分とで異なる色の材料を用いて形成することで、マーカ12をチューブ6に描くようにしても良い。
【0029】
図2に示すように、移動体7の外周面には、移動体7を支持するための支持部13が設けられている。なお、複数の支持部13が移動体7の周方向に均等に並んで配置されている(
図4参照)。また、支持部13は、移動体7の進行方向D1に沿って延びる部分となっている
【0030】
移動体7の進行方向D1の後部側には、線状部材14が接続される。この線状部材14は、送出装置8の駆動力によりチューブ6の内部に向けて送り出される。この送り出される線状部材14により移動体7がチューブ6の内部を進行する。なお、送出装置8は、線状部材14を巻き取る機能も有する。
【0031】
なお、移動体7の形状が回転楕円体であることで、チューブ6が屈曲されていても、移動体7が進行することができる。つまり、移動体7は、チューブ6の屈曲部6bに合わせて姿勢を変えて進行することができる。また、支持部13が移動体7の進行方向D1に沿って延びていることで、チューブ6が延びる方向に合わせて進行することができる。
【0032】
なお、送出装置8は、信号線15を介して制御装置9に接続される。また、線状部材14は、移動体7に接続される信号線15を含んでいる。制御装置9は、信号線15を介して送出装置8および移動体7に接続されている。
【0033】
図4に示すように、移動体7の正面視において、中心にカメラ11が配置され、その周囲に複数の照明部10が設けられている。移動体7の外周面に設けられた支持部13によって、カメラ11の撮影範囲の中心がチューブ6の軸心と一致するようになっている。例えば、チューブ6の直線部6a(
図5参照)で撮影をした場合に、カメラ11の撮影範囲を中心として、マーカ12の配置が均等に見えるように(
図6参照)、カメラ11が支持されるようになっている。このようにすれば、撮影された画像に基づいてチューブ6の形状の変化を正確に取得できる。
【0034】
また、チューブ6の内周面には、移動体7のそれぞれの支持部13に対応する部分に案内溝16が設けられている。これらの案内溝16は、チューブ6の延設方向に沿って設けられている。また、案内溝16の幅は、移動体7の支持部13の幅とほぼ同じ寸法となっている。これら案内溝16に移動体7の支持部13が係合されることで、移動体7は、移動中に周方向に回転しないようになる。そして、チューブ6の延設方向に沿って移動体7が案内される。
【0035】
また、案内溝16には、潤滑剤が塗布されている。このようにすれば、移動体7がチューブ6の内部をスムーズに進むことができる。なお、チューブ6の内面全体に潤滑剤が塗布されていても良い。さらに、支持部13の外面に潤滑剤が塗布されても良い。
【0036】
次に、敷設管1の状態解析システム5のシステム構成を
図3に示すブロック図を参照して説明する。
【0037】
制御装置9は、メイン制御部17と入力部18と出力部19と通信部20と情報処理部21と移動制御部22と撮影制御部23と記憶部24とを備える。これらは、メモリまたはHDDに記憶されたプログラムがCPUによって実行されることで実現される。
【0038】
本実施形態の制御装置9は、CPU、ROM、RAM、HDDなどのハードウェア資源を有し、CPUが各種プログラムを実行することで、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて実現されるコンピュータで構成される。さらに、本実施形態の敷設管1の状態解析方法は、プログラムをコンピュータに実行させることで実現される。
【0039】
メイン制御部17は、制御装置9と送出装置8と移動体7とを統括的に制御する。
【0040】
入力部18は、制御装置9を使用する使用者の操作に応じて所定の情報が入力される。この入力部18には、マウスまたはキーボードなどの入力装置が含まれる。つまり、これら入力装置の操作に応じて所定の情報が入力部18に入力される。
【0041】
出力部19は、解析された敷設管1の状態に関する情報を出力する。本実施形態の制御装置9には、解析結果の出力を行うディスプレイなどの表示装置が含まれる。つまり、出力部19は、ディスプレイに表示される画像の制御を行う。なお、ディスプレイはコンピュータ本体と別体であっても良いし、一体であっても良い。さらに、ネットワークを介して接続される他のコンピュータが備えるディスプレイに表示される画像の制御を出力部19が行っても良い。
【0042】
なお、本実施形態では、表示装置としてディスプレイを例示するが、その他の態様であっても良い。例えば、プロジェクタを用いて情報の表示を行っても良い。さらに、紙媒体に情報を印字するプリンタをディスプレイの替りとして用いても良い。つまり、出力部19が制御する対象としてプロジェクタまたはプリンタが含まれても良い。
【0043】
通信部20は、信号線15を介して送出装置8または移動体7と通信を行う。なお、他のコンピュータとの通信を行っても良い。本実施形態では、制御装置9が、有線通信により送出装置8または移動体7と情報のやり取りをしているが、無線通信により情報のやり取りをしても良い。また、通信部20は、所定のネットワーク機器、例えば、無線LANアクセスポイントまたはアンテナに搭載されても良い。なお、通信部20は、WAN(Wide Area Network)、インターネット回線、または携帯通信網を介して送出装置8または移動体7と通信を行っても良い。
【0044】
情報処理部21は、移動体7がチューブ6の内部を移動したときの移動量と、チューブ6の内部で移動体7が取得した情報とに基づいて敷設管1の状態を解析する。
【0045】
移動制御部22は、送出装置8を制御する。本実施形態では、線状部材14を特定の送出速度で送り出すことで、移動体7を特定の移動速度で移動させる制御を行う。
【0046】
撮影制御部23は、移動体7のカメラ11を制御する。このカメラ11を用いて特定の時間間隔で撮影する制御を行う。
【0047】
記憶部24は、主に移動体7のカメラ11で撮影された画像を記憶する。また、各種センサで取得された情報も記憶する。この記憶部24は、メモリまたはHDDを有する。
【0048】
送出装置8は、線状部材14を送り出すための駆動力を発生させる駆動部25を有する。この駆動部25は、例えば、モータまたはアクチュエータで構成される。つまり、駆動部25は、移動体7をチューブ6に沿って移動させる。
【0049】
第1実施形態では、送出装置8が線状部材14を送り出すときの送出量に基づいて、移動体7の移動量(移動距離)が取得される。
【0050】
移動体7は、照明部10と取得部26とを備える。さらに、取得部26は、カメラ11と加速度センサ27と角度センサ28とを有する。
【0051】
取得部26は、チューブ6の形状に基づいて変化する情報を取得する。例えば、カメラ11は、チューブ6の内部を撮影することできる。そして、マーカ12が写る画像を取得する。画像に写るマーカ12は、例えば、チューブ6の直線部6aで撮影された画像(
図6参照)と、チューブ6の屈曲部6bで撮影された画像(
図7参照)とで異なる形態となる。つまり、カメラ11は、チューブ6の形状に基づいて変化する情報を取得することができる。なお、移動体7の移動に応じてマーカ12が写る画像を連続的に撮影することで、移動体7の移動量(移動距離)を取得しても良い。
【0052】
加速度センサ27は、移動体7における少なくとも鉛直方向を検出することができる。なお、カメラ11で撮影を行ったときに検出された鉛直方向を示す情報は、そのときに撮影された画像に対応付けて制御装置9に送られる。つまり、画像における鉛直方向の向きが分かるようになっている。移動体7における鉛直方向は、チューブ6の形状に基づいて変化するものである。つまり、加速度センサ27は、チューブ6の形状に基づいて変化する情報を取得することができる。なお、加速度センサ27により移動体7の移動方向または移動量(移動距離)を検出しても良い。また、加速度センサ27により移動体7の傾きの変化を検出しても良い。
【0053】
角度センサ28(ジャイロスコープ)は、移動体7の姿勢の変化を検出する。例えば、チューブ6の屈曲部6bを移動体7が移動するときに、屈曲部6bの形状に対応して移動体7の向きが変化する。この変化を角度センサ28で検出することができる。つまり、角度センサ28は、チューブ6の形状に基づいて変化する情報を取得することができる。
【0054】
制御装置9の情報処理部21は、移動体7の移動量と取得部26が取得した情報とに基づいて、敷設管1の状態を解析する。例えば、カメラ11で撮影した画像に基づいて敷設管1の状態を解析する。カメラ11を移動体7に設けることで、加速度センサ27および角度センサ28と比較して、より正確な情報を得ることができる。そして、敷設管1に沿って変形されたチューブの形状を、カメラ11で撮影した画像に基づいて正確に取得することができる。
【0055】
また、情報処理部21は、画像に写るマーカ12に基づいて敷設管1の状態を解析する。このようにすれば、カメラ11で撮影された画像に写るマーカ12の位置(形態)がチューブ6の形状に基づいて変化するため、画像に写るマーカ12の位置に基づいてチューブ6の形状の変化を正確に解析することができる。例えば、画像に写るマーカ12の数量、または変化量を解析することで、チューブ6の長さ、または曲がり量を識別することができる。
【0056】
また、複数のマーカ12がチューブの軸方向に並んだパターンを形成し、そのパターンの変化量に基づいて、情報処理部21が敷設管1の状態を解析する。このようにすれば、主にチューブ6の曲がり具合または屈曲部6bの位置を正確に解析することができる。なお、情報処理部21が行う解析を、制御装置9を扱う使用者が行っても良い。
【0057】
また、複数のマーカ12がチューブ6の周方向に並んだパターンを形成し、そのパターンの変化量に基づいて、情報処理部21が敷設管1の状態を解析する。このようにすれば、主にチューブ6の捻じれ具合を正確に解析することができる。
【0058】
また、チューブ6の周方向おいて、それぞれ異なる位置に、異なる種類のマーカ12a~12dが配置される。このようにすれば、情報処理部21がチューブの周方向におけるそれぞれの位置に設けられたマーカ12a~12dの識別をし易くなる。なお、情報処理部21が行うマーカ12a~12dの識別を、制御装置9を扱う使用者が行っても良い。
【0059】
また、制御装置9が、移動体7を一定の移動速度で移動させるとともに、カメラ11を用いて一定の時間間隔で撮影する制御を行い、カメラ11で撮影した複数の画像に基づいて、情報処理部21が敷設管の状態を解析する。このようにすれば、連続的に撮影された画像を解析することで、チューブ6の所定の基準点からのチューブ6の長さ、曲り具合、捻じれ具合などを取得することができる。
【0060】
第1実施形態では、情報処理部21は、送出装置8で線状部材14が送り出されるときに取得部26が取得した情報に基づいて敷設管1の状態を解析する。このようにすれば、チューブ6を敷設管1に挿入した後に、直ぐに移動体7をチューブ6に挿入して情報の取得を行うことができる。
【0061】
なお、情報処理部21は、加速度センサ27が検出した情報に基づいて敷設管1の状態を解析しても良い。このようにすれば、敷設管1に沿って変形されたチューブ6の形状を、移動体7に対する鉛直方向(重力加速度)の変化(移動体7の傾き)に基づいて取得することができる。
【0062】
また、カメラ11で撮影した画像に傾きがある場合は、その傾きがチューブ6の捻じれに起因するものか、移動体7の傾きに起因するものかを識別することができる。このように、捻じれの原因を識別することで、チューブ6の形状の解析の精度を向上させることができる。
【0063】
なお、情報処理部21は、角度センサ28が検出した情報に基づいて敷設管1の状態を解析しても良い。このようにすれば、敷設管1に沿って変形されたチューブ6の形状を、移動体7の姿勢の変化に基づいて取得することができる。
【0064】
また、チューブ6の内部を移動体7が移動することで、敷設管1の内部の電線などの障害物の影響を受けることなく、移動体7が進むことができる。
【0065】
また、制御装置9が、有線通信により移動体7と情報のやり取りをすることで、敷設管1の内部の無線通信が行い難い環境でも円滑に作業を進めることができる。
【0066】
次に、敷設管1の状態解析システム5が実行する敷設管1の状態解析方法について
図8のフローチャートを用いて説明する。この状態解析システム5の動作によって受動的に生じる作用を含めて説明する。なお、前述の
図1から
図7を適宜参照する。
【0067】
図8に示すように、まず、ステップS11において、作業者は、メンテナンス口4から敷設管1の内部にチューブ6を挿入する。このときに、チューブ6の形状が敷設管1の形状に応じて変形する。
【0068】
次のステップS12において、作業者は、チューブ6の一方の端部からその内部に移動体7を挿入する。
【0069】
次のステップS13において、制御装置9の移動制御部22は、送出装置8の駆動部25を制御することで、一定の送出速度で線状部材14を送り出す。なお、制御装置9の情報処理部21は、線状部材14の送出量を取得する。この送出量に基づいて移動体7の移動量を取得することができる。
【0070】
次のステップS14において、移動体7は、一定の移動速度でチューブ6の内部を移動する。
【0071】
次のステップS15において、制御装置9の撮影制御部23は、カメラ11を用いて一定の時間間隔でチューブ6の内部の撮影を行う。そして、情報処理部21は、撮影された画像を取得する。
【0072】
次のステップS16において、移動体7は、加速度センサ27および角度センサ28を用いて移動体7の姿勢などの各種情報を検出する。そして、制御装置9の情報処理部21は、検出された情報を取得する。
【0073】
なお、移動体7がチューブ6の一方の端部から他方の端部まで移動する間に亘って、カメラ11による撮影、加速度センサ27および角度センサ28による検出が継続される。取得された情報は、制御装置9の記憶部24に記憶される。
【0074】
移動体7がチューブ6の他方の端部まで移動が完了した後、チューブ6および移動体7を敷設管1から引き抜いて撤去する。
【0075】
次のステップS17において、制御装置9の情報処理部21は、移動体7の移動量と取得部26が取得した情報とに基づいて敷設管1の状態を解析する。なお、解析結果は、出力部19により出力される。そして、敷設管1の状態解析方法を終了する。
【0076】
次に、変形例について説明する。
図9は、変形例1の敷設管の状態解析システム5Aを示すブロック図である。変形例1の敷設管1の状態解析システム5Aでは、前述の第1実施形態と異なり、移動体7Aに照明部10およびカメラ11が設けられていない。変形例1の取得部26Aは、加速度センサ27と角度センサ28とを有する。
【0077】
この変形例1の情報処理部21では、カメラ11で撮影した画像を用いずに、加速度センサ27および角度センサ28が検出した情報に基づいて敷設管1の状態を解析する。このようにすれば、照明部10およびカメラ11の構成を省略することができるため、移動体7Aの小型化または低コスト化を図ることができる。
【0078】
図10は、変形例2のマーカ12aの形態を示す。前述の第1実施形態では、4種類のマーカ12a~12dが配置されているが、変形例2のマーカ12aは、1種類のみで構成される。例えば、円形状のマーカ12aのみで、直線状のパターンを形成する。そして、直線状のパターンがチューブ6の周方向に並んで配置される。
【0079】
図11は、変形例3のマーカ12eの形態を示す。この変形例3のマーカ12eは、直線状の延びるものとなっている。そして、直線状のマーカ12eがチューブ6の周方向に並んで配置される。直線状のマーカ12eであることで、チューブ6に描くことが容易になる。なお、案内溝16(
図4参照)をマーカ12として用いても良い。
【0080】
このように、マーカ12は、点状でも良いし、線状でも良いし。また、マーカ12は、チューブ6の内面に描かれた図柄でも良いし、チューブ6の内面に設けられた立体的なものでも良い。
【0081】
また、複数のマーカ12が並ぶパターンは、直線状でなくても良く、例えば、螺旋状に並んだり、ランダムに並んだりしても良い。
【0082】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の敷設管の状態解析システム5Bおよび敷設管の状態解析方法について
図12から
図14を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0083】
図12および
図13に示すように、第2実施形態の敷設管1の状態解析システム5Bは、チューブ6に挿入された線状部材14を巻き取る巻取装置29を備える。なお、巻取装置29は、線状部材14を巻き取るための駆動力を発生させる駆動部25を有する。
この巻き取られる線状部材14により移動体7Bがチューブ6の内部を進行する。なお、巻取装置29は、線状部材14を送り出す機能も有する。
【0084】
また、第2実施形態では、チューブ6の内周面にマーカ12(
図6参照)が描かれていない。その替りに、移動体7Bには、マーカ12をチューブ6の内周面に投影する投影部30が設けられる。なお、投影部30とカメラ11とは、移動体7Bの進行方向D2の後部側に設けられる。
【0085】
第2実施形態では、投影部30が移動体7Bの後方のチューブ6の内周面にマーカ12を投影するとともに、カメラ11が移動体7Bの後方を撮影するようにしている。なお、第2実施形態のマーカ12は、第1実施形態または変形例のマーカ12と同様の態様でも良い。また、点状を成す多数のマーカ12をランダムに投影しても良い。
【0086】
そして、情報処理部21は、カメラ11で撮影した画像、加速度センサ27および角度センサ28が検出した情報に基づいて敷設管1の状態を解析する。第2実施形態では、情報処理部21が、巻取装置29で線状部材14が巻き取られるときに取得部26が取得した情報に基づいて敷設管の状態を解析する。
【0087】
第2実施形態では、チューブ6にマーカ12を設ける必要がなくなる。そのため、マーカ12を設けることが困難な細いチューブ6であっても、敷設管1の状態の解析に用いることができる。
【0088】
また、巻取装置29を用いることで、チューブ6に沿って移動体7Bを安定的に進行させることができる。
【0089】
次に、敷設管1の状態解析システム5Bが実行する敷設管1の状態解析方法について
図14のフローチャートを用いて説明する。この状態解析システム5Bの動作によって受動的に生じる作用を含めて説明する。なお、前述の
図12から
図13を適宜参照する。
【0090】
図14に示すように、まず、ステップS21において、作業者は、メンテナンス口4から敷設管1の内部にチューブ6を挿入する。このときに、チューブ6の形状が敷設管1の形状に応じて変形する。
【0091】
次のステップS22において、作業者は、チューブ6の一方の端部からその内部に移動体7Bを挿入する。
【0092】
次のステップS23において、制御装置9の移動制御部22は、巻取装置29の駆動部25を制御することで、線状部材14を送り出す。そして、移動体7Bがチューブ6の一方の端部から他方の端部まで移動する。
【0093】
次のステップS24において、制御装置9の移動制御部22は、巻取装置29の駆動部25を制御することで、一定の巻取速度で線状部材14を巻き取る。なお、制御装置9の情報処理部21は、線状部材14の巻取量を取得する。この巻取量に基づいて移動体7Bの移動量を取得することができる。
【0094】
次のステップS25において、移動体7Bは、一定の移動速度でチューブ6の内部を移動する。
【0095】
次のステップS26において、制御装置9の撮影制御部23は、投影部30を用いてマーカ12をチューブ6の内周面に投影する。さらに、カメラ11を用いて一定の時間間隔でチューブ6の内部の撮影を行う。そして、情報処理部21は、撮影された画像を取得する。
【0096】
次のステップS27において、移動体7Bは、加速度センサ27および角度センサ28を用いて移動体7Bの姿勢などの各種情報を検出する。そして、制御装置9の情報処理部21は、検出された情報を取得する。
【0097】
なお、移動体7Bがチューブ6の他方の端部から一方の端部まで戻ってくる間に亘って、カメラ11による撮影、加速度センサ27および角度センサ28による検出が継続される。取得された情報は、制御装置9の記憶部24に記憶される。
【0098】
移動体7Bがチューブ6の一方の端部まで戻ってきた後、チューブ6および移動体7Bを敷設管1から引き抜いて撤去する。
【0099】
次のステップS28において、制御装置9の情報処理部21は、移動体7Bの移動量と取得部26が取得した情報とに基づいて敷設管1の状態を解析する。なお、解析結果は、出力部19により出力される。そして、敷設管1の状態解析方法を終了する。
【0100】
本実施形態に係る敷設管の状態解析システムを第1実施形態から第2実施形態に基づいて説明したが、いずれか1の実施形態において適用された構成を他の実施形態に適用しても良いし、各実施形態において適用された構成を組み合わせても良い。
【0101】
例えば、第2実施形態の投影部30を第1実施形態または変形例と組み合わせて適用しても良い。また、第1実施形態または変形例のマーカ12が描かれたチューブ6の内周面に、第2実施形態の投影部30によりマーカ12を投影しても良い。つまり、描かれたマーカ12と、投影されるマーカ12とが混在しても良い。また、チューブ6の内周面の一部にマーカ12を投影し、他の部分に投影部30によりマーカ12を投影しても良い。
【0102】
なお、本実施形態のフローチャートにおいて、各ステップが直列に実行される形態を例示しているが、必ずしも各ステップの前後関係が固定されるものでなく、一部のステップの前後関係が入れ替わっても良い。また、一部のステップが他のステップと並列に実行されても良い。
【0103】
本実施形態のシステムは、専用のチップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、またはCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを高集積化させた制御装置と、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、マウスまたはキーボードなどの入力装置と、通信インターフェースとを備える。このシステムは、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成で実現できる。
【0104】
なお、本実施形態のシステムで実行されるプログラムは、ROMなどに予め組み込んで提供される。もしくは、このプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク(FD)などのコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記憶されて提供するようにしても良い。
【0105】
また、このシステムで実行されるプログラムは、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしても良い。また、このシステムは、構成要素の各機能を独立して発揮する別々のモジュールを、ネットワークまたは専用線で相互に接続し、組み合わせて構成することもできる。
【0106】
なお、本実施形態では、敷設管1またはチューブ6が断面視で円形を成す部材としているが、その他の態様であっても良い。例えば、敷設管1またはチューブ6の断面が四角形状またはその他の多角形状を成していても良い。
【0107】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、移動体の移動量と取得部が取得した情報とに基づいて敷設管の状態を解析する情報処理部を備えることにより、構造物の内部に敷設され、外部から視認できない敷設管の状態を正確に把握することができる。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0109】
1…敷設管、1a…直線部、1b…屈曲部、2…壁、3…貫通孔、4…メンテナンス口、5(5A,5B)…状態解析システム、6…チューブ、6a…直線部、6b…屈曲部、7(7A,7B)…移動体、8…送出装置、9…制御装置、10…照明部、11…カメラ、12(12a~12e)…マーカ、13…支持部、14…線状部材、15…信号線、16…案内溝、17…メイン制御部、18…入力部、19…出力部、20…通信部、21…情報処理部、22…移動制御部、23…撮影制御部、24…記憶部、25…駆動部、26(26A)…取得部、27…加速度センサ、28…角度センサ、29…巻取装置、30…投影部。