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特許7210429視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる方法、装置及びロボット機器、コンピュータ記憶媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる方法、装置及びロボット機器、コンピュータ記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/20 20170101AFI20230116BHJP
   G05D 1/00 20060101ALI20230116BHJP
【FI】
G06T7/20 100
G05D1/00 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019229698
(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公開番号】P2020107336
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2019-12-19
【審判番号】
【審判請求日】2022-02-02
(31)【優先権主張番号】201811603305.6
(32)【優先日】2018-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519197930
【氏名又は名称】達闥科技(北京)有限公司
【氏名又は名称原語表記】CLOUDMINDS (BEIJING) TECHNOLOGIES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 449, 4th Floor, Building 2, No. 85, Hong’an Road, Fangshan District, Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】崔華坤
(72)【発明者】
【氏名】王▲カイ▼
(72)【発明者】
【氏名】廉士国
【合議体】
【審判長】千葉 輝久
【審判官】木方 庸輔
【審判官】田中 啓介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第10,162,362(US,B2)
【文献】中国特許出願公開第108592919(CN,A)
【文献】特開2020-057264(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/20 - 7/292,
G05D 1/00 - 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
視覚的慣性オドメトリシステムのスライディングウインドウ内において、参照画像フレームを確定することと、
前記参照画像フレームの速度及び回転を修正することと、
最初画像フレームと修正後の参照画像フレームに基づいて、前記スライディングウインドウ内における前記参照画像フレームと前記最初画像フレーム以外の画像フレームに対して非線形最適化を行うことと、
を含み、
前記参照画像フレームは、前記スライディングウインドウ内の同じ画像フレームにおけるスライディングウインドウ内に入った時間が最も早い画像フレームであり、前記同じ画像フレームは、画像の内容が同じ画像フレームである、
ことを特徴とする視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる方法。
【請求項2】
参照画像フレームを確定することは、
現画像フレームと前画像フレームの画像内容が同じであるか否かを判定し、前記現画像フレームと前記前画像フレームの画像内容が同じであれば、前記前画像フレームを前記参照画像フレームとして確定し、前記最初画像フレームを、周辺化を必要とする画像フレームとして確定することを含み、
前記現画像フレームは、前記スライディングウインドウ内の全ての画像フレームのうち前記スライディングウインドウに入った時間が最も遅い画像フレームであり、前記前画像フレームは、前記スライディングウインドウの全ての画像フレームのうち前記スライディングウインドウに入った時間が2番目に遅い画像フレームである、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記現画像フレームと前記前画像フレームが同じではなければ、前記前画像フレームを、周辺化を必要とする画像フレームとして確定し、その後、前記参照画像フレームを修正しないことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記現画像フレームと前記前画像フレームの画像内容が同じであるか否かを判定することは、具体的には、
前記現画像フレームと前記前画像フレームの追跡に成功するポイントの数が予め設定された閾値より小さいか否かを判定し、前記現画像フレームと前記前画像フレームの追跡に成功するポイントの数が予め設定された閾値より小さくなければ、前記現画像フレームと前記前画像フレームが同じであると考えられ、前記現画像フレームと前記前画像フレームの追跡に成功するポイントの数が予め設定された閾値より小さければ、前記現画像フレームと前記前画像フレームが同じではないと考えられることであることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記参照画像フレームの速度及び回転を修正することは、具体的には、
参照画像フレームの速度を
に設定し、
参照画像フレームの回転を
に設定することであり、
は、k番目の画像フレームの時刻におけるIMU局所座標系であり、wは、ワールド座標系であり、gは、ワールド座標系における重力加速度であり、Δtは、k番目の画像フレームからk+1番目の画像フレームの時間間隔であり、
は、IMU事前積分によるk番目の画像フレームからk+1番目の画像フレームの速度変化量であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記スライディングウインドウ内における前記最初画像フレームと前記参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行うことは、さらに、
前記周辺化を必要とする画像フレームが最初画像フレームであるか否かを判定し、前記周辺化を必要とする画像フレームが前記最初画像フレームであれば、前記スライディングウインドウ内における前記最初画像フレームと前記参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行った後、前記最初画像フレームを周辺化し、前記スライディングウインドウ内において前記参照画像フレームを前記最初画像フレームの参照画像フレームのフラグNumNeedFixをNumNeedFix-1に修正することを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
【請求項7】
前記スライディングウインドウ内における前記最初画像フレームと前記参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行うことは、さらに、
前記周辺化を必要とする画像フレームが前記最初画像フレームであるか否かを判定し、前記周辺化を必要とする画像フレームが前記最初画像フレームでなければ、前記スライディングウインドウ内において前記最初画像フレームと前記参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行った後、前記前画像フレームを周辺化することを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
【請求項8】
前記スライディングウインドウにおける前記最初画像フレームと前記参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行う前に、さらに、
前記参照画像フレームが前記スライディングウインドウ内にあるか否かを判定し、前記参照画像フレームが前記スライディングウインドウ内になければ、前記スライディングウインドウにおけるすべての画像フレームに対して非線形最適化を行うことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
視覚的慣性オドメトリシステムのスライディングウインドウ内において、参照画像フレームを確定するための参照画像フレーム確定モジュールと、
参照画像フレームの速度及び回転を修正するための参照画像フレーム修正モジュールと、
最初画像フレームと修正後の参照画像フレームに基づいて、前記スライディングウインドウ内における前記参照画像フレームと前記最初画像フレーム以外の画像フレームに対して非線形最適化を行うための非線形最適化モジュールと、
を含み、
前記参照画像フレームは、前記スライディングウインドウ内の同じ画像フレームにおけるスライディングウインドウ内に入った時間が最も早い画像フレームであり、前記同じ画像フレームは、画像の内容が同じ画像フレームであることを特徴とする視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる装置。
【請求項10】
プロセッサ、メモリ、通信インタフェース及び通信バスを含み、前記プロセッサ、前記メモリ及び前記通信インタフェースは、前記通信バスにより、相互の通信を完了し、
前記メモリは少なくとも1つの実行可能なコマンドを記憶するために用いられ、前記実行可能なコマンドは前記プロセッサに請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる方法に対応する操作を実行させることを特徴とするロボット。
【請求項11】
コンピュータ記憶媒体であって、前記コンピュータ記憶媒体には少なくとも1つの実行可能なコマンドが記憶されており、前記実行可能なコマンドはプロセッサに請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる方法に対応する操作を実行させることを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は視覚と慣性航法を融合させる位置推定とマッピングの同時実行の分野に関し、特に、視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる方法、装置及びロボット機器に関する。
【背景技術】
【0002】
位置推定とマッピングの同時実行システム(SLAM、Simultaneous localization and mapping、以下はSLAMと略称する)とは、ロボット、無人機、AR機器など、特定のセンサーが搭載される本体は、環境の先験的情報がない場合、移動中に環境のモデルを作成すると同時に、自己移動のプロセスを推定するものである。SLAMにおけるセンサーは、視覚カメラ、IMU、GPS、レーザレーダなどであってもよいが、本明細書に説明されるセンサーは主に、視覚カメラ及びIMUとされ、常に、このような視覚と慣性計測ユニットIMU(Inertial Measurement Unit)との融合に基づくSLAMシステムは、VINS(visual-inertial system)またはVIO(visual-inertial odometry)、即ち、視覚的慣性オドメトリシステムと呼ばれる。
【0003】
VIOは、視覚とIMUの状態ベクトルを一体にして最適化するか否かによって、疎結合と密結合に分けられる。密結合の視覚的慣性オドメトリシステムでは、視覚が提供する再投影誤差である視覚的制約と、IMUが提供するフレーム間制約とを、1つの目的関数全体において最適化する。しかしながら、高速回転、高速移動、カメラが遮られたり、テクスチャがなかったりするなどの場合には、視覚的制約がなくなり、このような状況は、AR、ロボットなどにおいて、よく現れる。携帯電話などのAR機器を例として、高速移動する場合は、移動ぼけなどの原因で、画像の品質上のぼけが生じ、この場合、このような画像上に視覚的特徴点の検出と追跡を行うことは現実に実施できなくなる。
【0004】
視覚的制約がなくなる場合、視覚的慣性オドメトリシステムの目的関数全体において、IMU制約のみが機能し、また、IMUの累積誤差で、算出する状態ベクトルが誤ることになり、視覚的制約がなくなってから動かない場合でも、カメラ軌跡は依然としてある方向に沿って速くドリフトをする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、上記の課題に鑑みてなされたもので、上記の課題を解決する方法、装置、ロボット機器及びコンピュータ記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決すべく本発明の実施例が用いる1つの技術的解決手段として、視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる方法が提供され、前記方法は、
参照画像フレームを確定することと、
前記参照画像フレーム修正することと、
最初画像フレーム修正後の参照画像フレームに基づいて、前記参照画像フレーム最初画像フレーム以外のフレームに対して非線形最適化を行うことと、を含む。
【0007】
前記参照画像フレームは同じフレームの前画像フレームである。
【0008】
参照画像フレームを確定することは、さらに、周辺化を必要とする画像フレームを確定することを含み、
現画像フレームに基づいて、最初画像フレームが周辺化を必要とする画像フレームであるか否かを判定することと、
イエスならば、最初画像フレームを、周辺化を必要とする画像フレームとして確定することと、
ノーならば、さらに現画像フレーム前画像フレームが同じであるか否かを判定し、同じであれば、前画像フレーム参照画像フレームとして確定し、最初画像フレームを、周辺化を必要とする画像フレームとして確定することと、
現画像フレーム前画像フレームが同じではなければ、前画像フレームを、周辺化を必要とする画像フレームとして確定し、その後、参照画像フレーム修正しないことと、を含む。
【0009】
現画像フレーム前画像フレームが同じであるか否かを判定こすることは、具体的には、
現画像フレーム前画像フレームの追跡に成功するポイントの数が予め設定された閾値より小さいか否かを判定し、小さくなければ、現画像フレーム前画像フレームが同じであると考えられ、小さければ、現画像フレーム前画像フレームが同じではないと考えられることである。
【0010】
参照画像フレーム修正することは、具体的には、参照画像フレームの速度及び回転を修正することである。
【0011】
【0012】
最初画像フレーム参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行うことは、さらに、
周辺化を必要とする画像フレーム最初画像フレームであるか否かを判定し、イエスならば、最初画像フレーム参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行った後、最初画像フレームを周辺化し、参照画像フレーム最初画像フレームの方向へ1フレーム平行移動させることを含む。
【0013】
最初画像フレーム参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行うことは、さらに、
周辺化を必要とする画像フレーム最初画像フレームであるか否かを判定し、ノーならば、最初画像フレーム参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行った後、前画像フレームを周辺化することを含む。
【0014】
参照画像フレーム最初画像フレーム以外のフレームに対して非線形最適化を行う前に、さらに、
前記参照画像フレームがスライディングウインドウ内にあるか否かW判定し、なければ、すべてのフレームに対して非線形最適化を行うこと含む。
【0015】
本発明の実施例はさらに、視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる装置を提供し、前記装置は、
現在のスライディングウインドウ内の参照画像フレームを確定するための参照画像フレーム確定モジュールと、
参照画像フレーム修正するための参照画像フレーム修正モジュールと、
最初画像フレーム修正後の参照画像フレームに基づいて、前記参照画像フレーム最初画像フレーム以外のフレームに対して非線形最適化を行うための非線形最適化モジュールと、を含む。
【0016】
本発明の実施例はさらに、ロボットを提供し、前記ロボットは、プロセッサ、メモリ、通信インタフェース及び通信バスを含み、前記プロセッサ、前記メモリ及び前記通信インタフェースは、前記通信バスにより、相互の通信を完了する。
【0017】
前記メモリは少なくとも1つの実行可能なコマンドを記憶するために用いらえ、前記実行可能なコマンドは前記プロセッサに上記の実施例に記載の視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる方法に対応する操作を実行させる。
【0018】
本発明の実施例はさらに、コンピュータ記憶媒体を提供し、前記記憶媒体には少なくとも1つの実行可能なコマンドが記憶されており、前記実行可能なコマンドはプロセッサに上記の方法の実施例に記載の視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる方法に対応する操作を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
以上から分かるように、本発明の実施例は、参照画像フレーム修正し、続いて参照画像フレーム最初画像フレームを固定し、新しい視覚的制約をシステムに導入し、従来の視覚的制約と慣性制約メカニズムを最適化することで、軌跡ドリフト問題をよく解決し、システムのロバストネスを顕著に向上させる。
【0020】
以上の説明は、本発明の技術的解決手段の概要に過ぎず、本発明の技術的解決手段をより明らかに理解するために、明細書の内容に従って実施してもよく、また、本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点をより分かりやすくするために、以下は、特に本発明の具体的な実施例を挙げる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
好適な実施例につていの詳細な説明により、他の利点及び有益な効果は当業者にとって明らかになる。図面は、好適な実施例を示すことを目的とするもので、本発明を限定するものではない。また、全体の図面において、同一の参照符号は同一の部材を示している。図面において、
図1】本発明の実施例にて提供されるスライディングウインドウ内の各画像フレームの状態1である。
図2】本発明の実施例にて提供されるスライディングウインドウ内の各画像フレームの状態2である。
図3】本発明の実施例にて提供されるスライディングウインドウ内の各画像フレームの状態3である。
図4】本発明の実施例にて提供されるスライディングウインドウ内の各画像フレームの状態4である。
図5】本発明の実施例にて提供される視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させるフローチャート1である。
図6】本発明の実施例にて提供される視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させるフローチャート2である。
図7-1】本発明の実施例にて提供されるスライディングウインドウ内の各画像フレームの状態5である。
図7-2】本発明の実施例にて提供されるスライディングウインドウ内の各画像フレームの状態6である。
図7-3】本発明の実施例にて提供されるスライディングウインドウ内の各画像フレームの状態7である。
図7-4】本発明の実施例にて提供されるスライディングウインドウ内の各画像フレームの状態8である。
図8-1】本発明の実施例にて提供されるスライディングウインドウ内の各画像フレームの状態9である。
図8-2】本発明の実施例にて提供されるスライディングウインドウ内の各画像フレームの状態10である。
図8-3】本発明の実施例にて提供されるスライディングウインドウ内の各画像フレームの状態11である。
図9-1】本発明の実施例にて提供されるスライディングウインドウ内の各画像フレームの状態12である。
図9-2】本発明の実施例にて提供されるスライディングウインドウ内の各画像フレームの状態13である。
図9-3】本発明の実施例にて提供されるスライディングウインドウ内の各画像フレームの状態14である。
図10】本発明の実施例にて提供される視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる装置である
図11】本発明の実施例にて提供されるロボットの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本開示の実施例についてより詳細に説明する。図面には、本開示の実施例が表示されているが、本開示は各種の形態で実現でき、ここで説明されている実施例に限定されるものではないことが理解されたい。逆に、本開示を深く理解し、本開示の範囲を当業者に完全に伝えることができるために、これらの実施例が提供される。
【0023】
本発明の実施例にて提供される技術的解決手段は、画像収集機器は、視覚的制約がなくなった後、動かない場合、新しい視覚的制約を追加し、静止画像フレームの回転行列を修正することにより、軌跡のドリフトを阻止することである。画像収集機器が高速移動した後に静止すると仮定し、且つ当該仮定が合理的であると考えられると、例えば、ARにおいて、携帯電話を持って、急に別の方向に向かい、動かず観察することがあり、動いていない場合で操作を行う。
【0024】
【0025】
収集ポイントは高速回転中に、視覚的制約がなくなる場合があり、図2に示すように、P5は高速回転中に収集する画像であり、移動ぼけなどの問題で、視覚追跡が失敗して、視覚的制約がなくなる(図中の破線枠)。このとき、すべての状態ベクトルは、IMU制約のみにより最適化され、アクティブウィンドウ内の画像フレーム数を一定に維持するために、最初画像フレームP0を周辺化する。
【0026】
収集ポイントが高速回転後に、急に静止する場合、画質が明瞭であるが、静止後の1番目の画像フレームP6は相変わらず回転中のぼけ画像P5の追跡に成功できないため、図3に示すように、視覚的制約を導入できないことになる。このとき、相変わらず最初画像フレームP1を周辺化する。このとき、回転中の計算のエラー状態が依然として修正できないため、P6は相変わらず問題がある。
【0027】
静止後の2番目の画像フレームP7がスライディングウインドウに入る場合、図4に示すように、P6の画像に類似して、視差量が小さすぎ、三角化を行うことができないため、相変わらず視覚的制約を導入できない。このとき、P6がP7の画像に似ているため、P6を周辺化することになる。このとき、そのまま静止していくと、軌跡の直線ドリフトが発生することになる。
【0028】
本発明の実施例は、静止後の画像の鮮明さを考慮し、且つオプティカルフローによる追跡の結果に基づいて、2つの画像フレームの間(P6とP7)の追跡マッチング関係を明らかに知ることができ、本発明の実施例は、この制約を目的関数全体に加えることで、回転中の純粋なIMU計算ミスに基づくプロセス量を修正し、位置姿勢のドリフト問題を解決することを提示する。
【0029】
図5に示すように、本発明の実施例にて提供される視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる方法は、501~503を含む。
【0030】
501、参照画像フレームを確定する。
【0031】
本発明の実施例は相変わらずスライディングウインドウ内に最適化を行う方式を用い、新しい画像フレームがスライディングウインドウ内に入る場合、システムは現画像フレーム前画像フレームを比べ、参照画像フレームと周辺化を必要とする画像フレームを確定する。
【0032】
図4に示すように、0番目の画像フレームはP2であり、4番目の画像フレームP5はぼける動的フレームであり、5目の画像フレームP6は1番目の静止画像フレームである。P7がスライディングウインドウに入る場合、P7も静止画像フレームである。
【0033】
常に、P7がスライディングウインドウに入る場合、システムは、現画像フレームの追跡ポイントの数及び隣接する画像フレームの視差量に基づいて、周辺化を必要とする画像フレームを決定し、例えば、P7がスライディングウインドウに入る場合、P6とP7の視差量が小さければ、前画像フレームP6を周辺化する必要があり、前画像フレームが周辺化を必要とする画像フレームであると確定する。P6とP7の視差量が大きければ、P7が多くの代表的情報を有すると考えられ、最初画像フレームを選択して周辺化を行い、最初画像フレームが周辺化を必要とする画像フレームであると確定する。
【0034】
周辺化を必要とする画像フレーム前画像フレームであると仮定すると、システムはさらに、P7がP6と同じであるか否か、即ちP6のような静止画像フレームであるか否かを判定し、常に、現画像フレーム前画像フレームの追跡に成功するポイントの数がある閾値より大きいか否かに基づいて、判定する。予め設定された閾値より大きい場合は、現画像フレーム前画像フレームが同じであり、即ちカメラが静止状態にあると考えられる。
【0035】
現画像フレーム前画像フレームが同じである場合、システムは最初画像フレームを、周辺化を必要とする画像フレームとして確定する。現画像フレーム前画像フレームが同じではない場合、システムは前画像フレームを、周辺化を必要とする画像フレームとして確定する。
【0036】
既定では、システムは初期的参照画像フレームを設定することなく、即ちシステムに静止画像フレームがない場合、システムには参照画像フレームがなく、静止画像フレームが2つ以上ある場合だけで、システムは参照画像フレームを設定する。
【0037】
502、確定した参照画像フレーム修正する。
【0038】
現画像フレーム前画像フレームがすべて静止状態にあると判定する場合、静止後の画像の鮮明さを考慮し、オプティカルフローによる追跡の結果に基づいて、2つの画像フレームの間(P6とP7)の追跡マッチング関係を明らかに知ることができるが、従来のVIOフレームワークはこのような制約を考慮しないに対して、このような制約を目的関数全体に加えることで、回転中の単純なIMU計算ミスに基づくプロセス量を修正し、位置姿勢のドリフト問題を解決するように、参照画像フレームの速度及び回転を修正してもよい。
【0039】
503、最初画像フレーム修正後の参照画像フレームに基づいて、最初画像フレーム参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行う。
【0040】
システムは、修正後の参照画像フレーム最初画像フレームを固定するとともに、非線形最適化問題の解決のプロセスにおいて、この2つのフレームを最適化せず、修正後の参照画像フレーム最初画像フレームに基づいて、この2つのフレーム以外の他の画像フレームのみに対して非線形最適化問題を解決する。
【0041】
参照画像フレームを確定した後、システムは参照画像フレームがスライディングウインドウ内にあるかを判定し、なければ、通常の方式で非線形最適化問題を解決し、フレームごとに非線形最適化を行う。参照画像フレームがスライディングウインドウ内にある場合、システムは最初画像フレームP2と参照画像フレームP6を固定し、それらに対して非線形最適化を行わず、最初画像フレームP2と参照画像フレームP6以外の他の画像フレームのみに対して非線形最適化問題を解決する。
【0042】
さらに、周辺化を必要とする画像フレーム最初画像フレームであるか否かを判定し、イエスならば、最初画像フレーム参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行った後、参照画像フレーム最初画像フレームの方向へ1フレーム平行移動させ、現在の参照画像フレームを、次の画像が来る時に、そのまま参照画像フレームとして保持する。周辺化を必要とする画像フレーム最初画像フレームではなく、前画像フレームであれば、非線形最適化を直接行い、即ち現在の静止画像フレームを、次の画像が来る時に、参照画像フレームとする。
【0043】
本発明の実施例は上記の方法により、参照画像フレーム修正し、続いて参照画像フレーム最初画像フレームを固定し、新しい視覚的制約をシステムに導入することで、従来の視覚的制約と慣性制約メカニズムを最適化し、軌跡のドリフト問題をよく解決し、システムのロバストネスを顕著に向上させる。
【0044】
本発明の別の実施例は、図6に示すように、詳細なフローチャートを提示する。図7-1のフレームモードに基づいて、詳細に説明すると仮定すると、図3中のP5フレームは動的フレームであり、P6は1番目の静止画像フレームである。スライディングウインドウの長さをN=5、システムにおける最初画像フレームを0番目のフレームと仮定し、MargFlagが周辺化を必要とする画像フレームのフラグであり、OLDが最初画像フレームを代表し、SECOND_NEWが前画像フレームを代表し、NumNeedFixが参照画像フレームのフラグであり、NumNeedFixの初期値が-1であるように設定する。
【0045】
601、スライディングウインドウに入る現画像フレームに対して、最初画像フレームを周辺化する必要があるか否かを判定する。
【0046】
常に、システムは、現画像フレームの追跡ポイントの数及び隣接するフレームの視差量に基づいて、周辺化を必要とする画像フレームを判定し、ここで、最初画像フレームを0目のフレーム、スライディングウインドウのフレームの総数をN+1とすると、現画像フレームはN目のフレームであり、前画像フレームはN-1番目のフレームである。
【0047】
現画像フレーム前画像フレームの視差量が大きければ、現画像フレームが重要なフレームであると考えられ、最初画像フレームを周辺化する。
【0048】
現画像フレーム前画像フレームの視差量が小さければ、現画像フレーム前画像フレームに類似すると考えられ、前画像フレームを周辺化する。
【0049】
図3において、P5は動的フレームであり、P6は1番目の静止画像フレームであるため、P5とP6の視差量が大きく、周辺化を必要とする画像フレーム最初画像フレームP1である。
【0050】
図6に基づいて、ステップ605に進む。
【0051】
605、周辺化を必要とする画像フレーム最初画像フレームに設定する。
【0052】
MargFlag=OLDと設定し、ステップ607に進む。
【0053】
607、NumNeedFixが0より大きいか否かを判定する。
【0054】
システムの予め設定に基づいて、NumNeedFixの初期値は-1であり、したがって、NumNeedFix<0、ステップ611に進む。
【0055】
611、非線形最適化問題を解決する。
【0056】
修正後の参照画像フレーム最初画像フレームに基づいて、スライディングウインドウ内のすべてのフレームに対して非線形最適化を行う。
【0057】
612、MargFlagの値を判定する。
【0058】
MargFlag==OLDならば、最初画像フレームP1を周辺化する。
【0059】
MargFlag==SECOND_NEWならば、前画像フレームを周辺化する。
【0060】
図3から分かるように、システムは最初画像フレームP1を周辺化する。続いて、システムは次のフレームの到来を継続的に監視する。
【0061】
図7-1に示すように、P7がスライディングウインドウに入ると仮定し、P7は静止画像フレームであり、P6とP7は同一の画像であると仮定する。システムは以下のフローを行う。
【0062】
601、最初画像フレームを周辺化するか否かを判定する。
【0063】
P6とP7は同様に静止画像フレームであり、両者の視差量が小さく、したがって、システムは、図7-1に示すように、前画像フレームを周辺化し、最初画像フレームを保存する必要があり、そして、ステップ602に進む。
【0064】
602、現画像フレーム前画像フレームの追跡に成功するポイントの数がある閾値より大きいか否かを判定する。
【0065】
現画像フレーム前画像フレームの追跡に成功するポイントの数に基づいて、P6とP7のフレームの違いを比較し、常に、97%を閾値として設定し、2つのフレームの追跡に成功するポイントの数の割合が97%より大きければ、2つの画像が同一の画像であると考えられ、ステップ604に進む。97%より小さければ、2つの画像が完全に同じではないと考えられ、ステップ603に進む。
【0066】
604、MargFlag=OLDと設定する。
【0067】
P7とP6が2つの同一の画像である場合は、図7-2に示すように、周辺化を必要とする画像フレーム最初画像フレームに設定し、MargFlag=OLDと設定する。そして、ステップ606に進む。
【0068】
606、前画像フレームの速度及び回転を修正し、NumNeedFixをN-1に設定する。
【0069】
現画像フレーム前画像フレームがすべて静止状態にあると判定する場合、静止後の画像の鮮明さを考慮し、オプティカルフローによる追跡の結果に基づいて、2つのフレームの間(P6とP7)の追跡マッチング関係を明らかに知ることができるが、従来のVIOフレームワークはこのような制約を考慮しないに対して、このような制約を目的関数全体に加えることで、回転中の純粋なIMU計算ミスに基づくプロセス量を修正し、これにより、位置姿勢のドリフト問題を解決する。
【0070】
画像が静止している場合、即ち2つの隣接するフレームの追跡ポイントの数がある閾値より大きいと、この2つのフレームの速度差がゼロになる。
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
607、参照画像フレームのフラグNumNeedFixが0より大きいか否かを判定し、イエスならば、ステップ608に進み、ノーならば、611に進む。
【0081】
前のステップ607から分かるように、NumNeedFix=N-1、Nは5であり、こうすると、NumNeedFix=4、したがって、NumNeedFix>0、ステップ608に進む。
【0082】
608、最初画像フレームとNumNeedFix番目のフレームを固定する。
【0083】
即ち、最初画像フレームP2と参照画像フレームP6を固定し、前記固定とは、非線形最適化問題を解決する過程において、最初画像フレーム参照画像フレームに対して非線形最適化問題を解決せず、他の画像フレームのみに対して非線形最適化問題を解決することである。
【0084】
609、周辺化を必要とする画像フレーム最初画像フレームであるか否かを判定する。
【0085】
即ち、MargFlagがOLDに等しいか否かを判定し、等しければ、ステップ610に進み、等しくなければ、ステップ611に進む。
【0086】
ステップ604から分かるように、MargFlag==OLD。
【0087】
610、参照画像フレーム最初画像フレームの方向へ1フレーム平行移動させる。
【0088】
即ち、参照画像フレームのフラグNumNeedFixをNumNeedFix-1に修正し、即ち、NumNeedFix=3。
【0089】
611、非線形最適化問題を解決する。
【0090】
ステップ608において、最初画像フレームP2と参照画像フレームP6を固定し、即ち、非線形最適化問題の解決に参加させないため、システムは、修正後の参照画像フレーム最初画像フレームに基づいて、最初画像フレームP2と参照画像フレームP6以外のすべてのフレームのみに対して、非線形最適化問題を解決する。非線形最適化問題の解決の方式は従来の非線形最適化問題の解決の方式と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0091】
612、周辺化を必要とする画像フレームを判定し、最初画像フレームならば、ステップ614に進み、前画像フレームならば、613に進む。
【0092】
システムは、MargFlagの値を判定し、周辺化を必要とする画像フレームのフラグに基づいて、対応するフレームを周辺化する。
【0093】
613、MargFlag==SECOND_NEWならば、前画像フレームを周辺化する。
【0094】
614、MargFlag==OLDならば、最初画像フレームP2を周辺化する。
【0095】
ステップ604から分かるように、システムはMargFlagをSECOND_NEWからOLDに修正し、したがって、MargFlag=OLD、最初画像フレームP2を周辺化する。最終的に、最適化後のフレームの構造は図7-3に示すとおりであり、周辺化されるフレームはP2であり、最初画像フレームはP3であり、参照画像フレームはP6になり、また、P6は修正後のフレームであり、P6とP7との間の新しい制約の導入に成功する。
【0096】
システムはスライディングウインドウ内に入る新しいフレームを継続的に監視する。スライディングウインドウに入る後続フレームはすべてP7のような静止画像フレームであると仮定する場合、システムは最初画像フレームを絶えず周辺化し、前画像フレーム参照画像フレームとして継続的に修正し、最初画像フレーム前画像フレームを固定して、非線形最適化問題を解決し、最終的に、スライディングウインドウ内のすべてのフレームは、画像収集機器が再移動するか、または画像が変化するまで、修正後の静止画像フレームになる。
【0097】
画像収集機器が速い移動から遅い移動へ変化することで、画像が不鮮明になると仮定する場合、システムにとっては、前画像フレームを周辺化する必要があるが、実際に、2つのフレームは異なり、例えば、新しいフレームP11がスライディングウインドウに入り、P11の画像に微小な変化が生じると、システムは以下の操作を実行する。
【0098】
601、最初画像フレームを周辺化するか否かを判定する。
【0099】
P11とP10の2つのフレームの画像は微小な変化が生じるため、両者の視差量が小さく、したがって、システムは、図8-1に示すように、前画像フレームを周辺化し、最初画像フレームを保存し、ステップ602に進む。
【0100】
602、現画像フレーム前画像フレームの追跡に成功するポイントの数がある閾値より大きいか否かを判定する。
【0101】
P11とP10の違いを比較し、同様に、閾値を97%とし、2つのフレームは微小な変化が生じるため、2つのフレームの追跡に成功するポイントの数が97%より小さく、したがって、システムはP10とP11が異なると考えるため、カメラが完全に静止している状態にあると考えず、ステップ603に進む。
【0102】
603、周辺化を必要とする画像フレーム前画像フレームに設定する。
【0103】
図8-2に示すように、MargFlagをSECOND_NEWに設定し、ステップ607に進む。
【0104】
607、参照画像フレームのフラグNumNeedFixが0より大きいか否かを判定し、イエスならば、ステップ608に進み、ノーならば、611に進む。
【0105】
以上から分かるように、前述した各画像フレームはいずれも静止画像フレームであるため、参照画像フレームをずっと前画像フレームにし、即ち、NumNeedFix=4、したがって、0より大きく、ステップ608に進む。
【0106】
608、最初画像フレーム0とNumNeedFix番目のフレームを固定する。
【0107】
即ち、最初画像フレームP6と参照画像フレームP9を固定し、前記固定とは、非線形最適化問題を解決する過程において、最初画像フレーム参照画像フレームに対して非線形最適化問題を解決せず、他の画像フレームのみに対して非線形最適化問題を解決することである。
【0108】
609、周辺化を必要とする画像フレーム最初画像フレームであるか否かを判定する。
【0109】
ステップ603から分かるように、MargFlag=SECOND_NEW、最初画像フレームではなくステップ611に進む。
【0110】
611、非線形最適化問題を解決する。
【0111】
ステップ608において、最初画像フレームP6と参照画像フレームP9を固定し、即ち、非線形最適化問題の解決に参加させないため、システムは最初画像フレームP6と参照画像フレームP9以外のすべてのフレームのみに対して、非線形最適化問題を解決する。非線形最適化問題の解決の方式は従来の非線形最適化問題の解決の方式と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0112】
612、周辺化を必要とする画像フレームを判定し、最初画像フレームならば、ステップ614に進み、前画像フレームならば、613に進む。
【0113】
以上から、MargFlag=SECOND_NEWが分かり、したがって、ステップ613に進む。
【0114】
613、MargFlag==SECOND_NEWならば、前画像フレームを周辺化する。
【0115】
したがって、新しいフレームと前画像フレームは微小な違いがある場合、システムは、図8-3に示すように、最初画像フレームP6と参照画像フレームP9をそのまま維持し、前画像フレームP10を周辺化する。システムはスライディングウインドウ内に入る他の画像フレームを継続的に監視し、微小な違いがあるフレームが継続的に入る場合、システムは、最初画像フレームP6と参照画像フレームP9をそのまま維持し、最も正確フレームを基にして最適化を行うように保持する。
【0116】
画像収集機器が移動し始めた後、スライディングウインドウに入る新しいフレームP12が収集されると仮定すると、システムは以下の操作を行い、図9-1に示すように、P12は正常な移動状態の移動フレームであり、具体的な実行プロセスは以下のとおりである。
【0117】
601、最初画像フレームを周辺化するか否かを判定する。
【0118】
P12フレームは画像収集機器の移動状態で収集されるフレームであるため、それとP11の視差量及び現画像フレームの追跡ポイントの数の差が大きく、システムは最初画像フレームP6を周辺化すると判定する。ステップ605に進む。
【0119】
605、MargFlag=OLDと設定する。
【0120】
周辺化を必要とする画像フレーム最初画像フレームに設定し、MargFlag=OLDと設定する。ステップ607に進む。
【0121】
607、参照画像フレームのフラグNumNeedFixが0より大きいか否かを判定し、イエスならば、ステップ608に進み、ノーならば、611に進む。
【0122】
図8-3から分かるように、参照画像フレームはP9であり、即ち、NumNeedFix=4、したがって、NumNeedFix>0、608に進む。
【0123】
608、最初画像フレームとNumNeedFix番目のフレームを固定する。
【0124】
即ち、最初画像フレームP6とP9を固定し、その後、他の画像フレームのみに対して非線形最適化問題を解決する。
【0125】
609、MargFlagがOLDに等しいか否かを判定する。
【0126】
図9-1から分かるように、周辺化を必要とする画像フレーム最初画像フレームであるため、MargFlag==OLD、ステップ610に進む。
【0127】
610、参照画像フレーム最初画像フレームの方向へ1フレーム平行移動させる。
【0128】
即ち、参照画像フレームのフラグNumNeedFixをNumNeedFix-1に修正し、即ち、NumNeedFix=3。
【0129】
611、非線形最適化問題を解決する。
【0130】
P6とP9以外の他の画像フレームに対して非線形最適化問題を解決する。
【0131】
612、周辺化を必要とする画像フレームを判定し、最初画像フレームならば、ステップ614に進み、前画像フレームならば、613に進む。
【0132】
以上から分かるように、MargFlag=OLD、したがって、ステップ614に進む。
【0133】
614、MargFlag==OLDならば、最初画像フレームP6を周辺化する。
【0134】
図9-2に示すように、新しい移動フレームP12がスライディングウインドウに入る場合、前画像フレームとの違いが大きいため、システムは最初画像フレーム参照画像フレームを固定し、そして、参照画像フレーム修正後の参照画像フレームであり、他の画像フレームのみに対して非線形最適化問題を解決すると同時に、最初画像フレームを周辺化する。即ち、P6フレームは周辺化され、最初画像フレームはP7になり、参照画像フレームは相変わらずP9であり、P11とP12の間の新しい制約の導入に成功する。
【0135】
システムはスライディングウインドウ内に入る新しいフレームを継続的に監視し、スライディングウインドウに入る後続のフレームは、P12と同様に、異なる移動フレームであると仮定すると、システムは始終に参照画像フレームをP9に固定し、P9は修正後のフレームであり、そして、参照画像フレームがスライディングウインドウから出るまで、参照画像フレーム最初画像フレームの方向へ移動させるため、システムは正常な移動状態での視覚的制約に回復する。
【0136】
【0137】
上記の実施例により、静止画像フレーム間の追跡マッチング関係を利用し、新しい制約を導入し、参照画像フレーム修正し、そして、修正後の参照画像フレームに基づいて、回転中の純粋なIMU計算ミスに基づくプロセス量を修正することで、位置姿勢のドリフト問題を解決する。
【0138】
上記の実施例にて提供される視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる方法を実行するために、本発明の実施例はさらに、視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる装置10を提供し、装置10は、具体的に図10に示すように、
現在のスライディングウインドウ内の参照画像フレームを確定するための参照画像フレーム確定モジュール1002と、
参照画像フレーム修正するための参照画像フレーム修正モジュール1003と、
最初画像フレーム修正後の参照画像フレームに基づいて、参照画像フレーム最初画像フレーム以外のフレームに対して非線形最適化を行うための非線形最適化モジュール1004と、を含む。
【0139】
前記参照画像フレーム確定モジュールはさらに、同じフレームの前画像フレーム参照画像フレームとして確定するために用いられる。
【0140】
さらに、該装置はさらに、現画像フレームに基づいて、最初画像フレームが周辺化を必要とする画像フレームであるか否かを判定し、イエスならば、最初画像フレームを、周辺化を必要とする画像フレームとして確定し、ノーならば、さらに現画像フレーム前画像フレームが同じであるか否かを判定し、同じであれば、最初画像フレームを、周辺化を必要とする画像フレームとして確定し、同じではなければ、参照画像フレーム確定モジュールに前記前画像フレーム参照画像フレームとして確定すると通知するための周辺化を必要とする画像フレーム確定モジュール1001を含む。周辺化を必要とする画像フレーム確定モジュールは現画像フレーム前画像フレームが同じであるか否かを判定することは、さらに、現画像フレーム前画像フレームの追跡に成功するポイントの数が予め設定された閾値より小さいか否かを判定し、小さくなければ、現画像フレーム前画像フレームが同じであると考えられ、小さければ、現画像フレーム前画像フレームが同じではないと考えられる。具体的な実行プロセスは上記の方法の実施例にて提供される方法と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0141】
【0142】
該装置はさらに、周辺化を必要とする画像フレームを周辺化するための周辺化モジュールを含む。
【0143】
前記周辺化を必要とする画像フレーム確定モジュールはさらに、周辺化を必要とする画像フレーム最初画像フレームであるか否かを判定し、イエスならば、最初画像フレーム参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行った後、最初画像フレームを周辺化し、参照画像フレーム最初画像フレームの方向へ1フレーム平行移動させるために用いられる。
【0144】
前記非線形最適化モジュールはさらに、参照画像フレームがスライディングウインドウ内にあるか否かを判定し、あれば、最初画像フレーム参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行うと同時に、周辺化モジュールに前画像フレームを周辺化する通知し、なければ、すべてのフレームに対して非線形最適化を行うために用いられる。
【0145】
前記周辺化モジュールは、MargFlagのフラグに基づいて、対応するフレームに対して周辺化処理を行う。
【0146】
本発明の実施例にて提供される視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる装置により、静止画像フレーム間の追跡マッチング関係を利用し、新しい制約を導入し、参照画像フレーム修正しそして、修正後の参照画像フレームに基づいて、回転中の純粋なIMU計算ミスに基づくプロセス量を修正することで、位置姿勢のドリフト問題を解決する。
【0147】
本願の実施例は不揮発性コンピュータ記憶媒体を提供し、前記コンピュータ記憶媒体には少なくとも1つの実行可能なコマンドが記憶されており、当該コンピュータ実行可能なコマンドは上記の任意の方法の実施例における視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる方法を実行できる。
【0148】
図11は本発明の実施例にて提供されるロボットの構造模式図であり、本発明の具体的な実施例はロボットの具体的な実施を限定しない。
【0149】
図11に示すように、当該ロボット機器は、プロセッサ(processor)501、通信インタフェース(Communications Interface)502、メモリ(memory)504及び通信バス503を含んでもよい。
【0150】
そのうち、
プロセッサ、通信インタフェース及びメモリは通信バスにより、相互の通信を完了する。
通信インタフェースは、クライアントまたは他のサーバなど、他の機器のネットワークエレメントと通信するために用いられる。
【0151】
プロセッサは、プログラム505を実行し、具体的には、上記の視覚的慣性オドメトリシステムのロバストネスを向上させる方法の実施例における関連するステップを実行するために用いられる。
【0152】
具体的には、プログラムは、プログラムコードを含んでもよく、当該プログラムコードはコンピュータ操作コマンドを含む。
【0153】
プロセッサは、中央処理装置CPU、特定用途向け集積回路ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、または、1つ若しくは複数の本発明の実施例を実施する集積回路のように配置されるものを含んでもよい。ロボットは1つまたは複数のプロセッサを含み、同一のタイプのプロセッサとしてもよく、例えば、1つまたは複数のCPUが挙げられ、異なるタイプのプロセッサとしてもよく、例えば、1つまたは複数のCPU及び1つまたは複数のASICが挙げられる。
【0154】
メモリはプログラム410を記憶するために用いられる。メモリは、高速のRAMメモリを含む可能性があり、また、例えば、少なくとも1つの磁気ディスクメモリのような不揮発性メモリ(non-volatile memory)を含む可能性がある。
【0155】
プログラムは、具体的には、プロセッサに以下の操作を実行させるために用いられる。
参照画像フレームを確定し、
前記参照画像フレーム修正し、
参照画像フレーム最初画像フレーム以外のフレームに対して非線形最適化を行う。
【0156】
さらに、前記プログラムはさらに、プロセッサが以下の操作を実行するように制御してもよい。
同じフレームの前画像フレーム参照画像フレームとして確定する。
【0157】
さらに、周辺化を必要とする画像フレームを確定することは、
現画像フレームに基づいて、最初画像フレームが周辺化を必要とする画像フレームであるか否かを判定することと、
イエスならば、最初画像フレームを、周辺化を必要とする画像フレームとして確定することと、
ノーならば、さらに現画像フレーム前画像フレームが同じであるか否かを判定し、同じであれば、前画像フレーム参照画像フレームとして確定し、最初画像フレームを、周辺化を必要とする画像フレームとして確定し、現画像フレーム前画像フレームが同じではなければ、前画像フレームを、周辺化を必要とする画像フレームとして確定し、その後、参照画像フレーム修正しないことと、を含む。
【0158】
現画像フレーム前画像フレームが同じであるか否かを判定することは、具体的に、
現画像フレーム前画像フレームの追跡に成功するポイントの数が予め設定された閾値より小さいか否かを判定し、小さくなければ、現画像フレーム前画像フレームが同じであると考えられ、小さければ、現画像フレーム前画像フレームが同じではないと考えられることである。
【0159】
【0160】
最初画像フレーム参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行うことは、さらに、
周辺化を必要とする画像フレーム最初画像フレームであるか否かを判定し、イエスならば、最初画像フレーム参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行った後、最初画像フレームを周辺化し、参照画像フレーム最初画像フレームの方向へ1フレーム平行移動させることを含む。
【0161】
最初画像フレーム参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行うことは、さらに、
周辺化を必要とする画像フレーム最初画像フレームであるか否かを判定し、イエスならば、最初画像フレーム参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行った後、前画像フレームを周辺化することを含む。
【0162】
最初画像フレーム参照画像フレーム以外の他の画像フレームに対して非線形最適化を行う前に、さらに、
前記参照画像フレームがスライディングウインドウ内にあるか否かを判定し、なければ、すべてのフレームに対して非線形最適化を行うことを含む。
【0163】
ここにて提供されるアルゴリズム及び表示は、いかなる特定のコンピュータ、仮想システムまたは他の機器と本質的に関係がない。各種の汎用システムもここに基づく教示とともに用いてもよい。以上の説明に基づいて、このようなシステムに要求される構造の構築が明らかである。また、本発明はいかなる特定のブログラミング言語に対するものではない。各種のブログラミング言語を用いて、ここで説明されている本発明の内容を実現することができ、また、以上の特定の言語に対する説明は本発明を開示するための最適な実施例であることが理解されたい。
【0164】
ここにて提供される明細書は、大量の詳細を説明するが、本発明の実施例は、これらの詳細がなくても実施できることが理解されたい。いくつかの実施例では、本明細書を鮮明に理解するために、公知の方法、構造及び技術が詳細に示されない。
【0165】
同様に、本開示を簡素化し、発明態様の1つまたは複数を分かりやすくするために、以上の本発明の実施例についての説明において、本発明の各特徴は、単一の実施例、図面、またはその説明にグループ化されることがあるが、当該開示の方法については、保護を請求する本発明は各請求項に明確に記載の特徴よりも多くの特徴を請求すると意図するように解釈すべきではない。具体的には、特許請求の範囲に示されるように、発明の態様は、前に開示された単一の実施例のすべての特徴より少ない。したがって、具体的な実施例に従う特許請求の範囲は、これにより、当該具体的な実施例に明らかに組み込まれ、各請求項は本発明の単独な実施例とする。
【0166】
当業者ならば理解できるように、実施例に係る機器におけるモジュールを自己適応的に変更して、当該実施例と異なる1つまたは複数の機器に設置してもよい。実施例におけるモジュール、ユニットまたはアセンブリを1つのモジュール、ユニットまたはアセンブリに組み合わせてもよいし、複数のサブモジュール、サブユニットまたはサブアセンブリに分割してもよい。特徴及び/又はプロセス、またはユニットにおける少なくとも一部が相互に排他的である以外、あらゆる組み合わせで、本明細書(添付する特許請求の範囲、要約及び図面を含む)にて開示されているすべての特徴及、及びこのように開示されるあらゆる方法または機器のすべてのプロセス若しくはユニットを組み合わせてもよい。明確に説明しない限り、本明細書(添付する特許請求の範囲、要約及び図面を含む)にて開示されている各特徴は、同じ、同等または類似の目的を提供する置換特徴で置換してもよい。
【0167】
また、当業者ならば理解できるように、ここに記載のいくつかの実施例は、他の特徴ではなく、他の実施例に含まれるいくつかの特徴を含むが、異なる実施例の特徴の組み合わせは、本発明の範囲にあるとともに、異なる実施例を形成すると意味している。例えば、特許請求の範囲において、保護を請求する実施例のいずれか1つは、あらゆる組み合わせ方式により用いてもよい。
【0168】
本発明の各部材の実施例は、ハードウェア、1つ若しくは複数のプロセッサで動作するソフトウェアモジュール、またはそれらの組み合わせにより実現できる。当業者ならば、実施中にマイクロプロセッサまたはデジタルシグナルプロセッサ(DSP)を用いて、本発明の実施例によるメッセージポップアップウィンドウの表示装置における一部または全部の部材の一部または全部の機能を実現できることを理解すべきである。本発明はさらに、ここで説明されている方法の一部または全部を実行するための機器または装置プログラム(例えば、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラム製品)として実現できる。このように本発明を実現するプログラムは、コンピュータ可読媒体に記憶されてもよいし、1つまたは複数の信号の態様を有してもよい。このような信号はインターネットウェッブからダウンロードして得てもよいし、キャリア信号上で、または任意の他の態様で提供してもよい。
【0169】
ただし、上記の実施例は本発明を説明するもので、本発明を限定するものではなく、当業者は添付する特許請求の範囲から逸脱せず、変形例を設計することができる。特許請求の範囲では、括弧にあるあらゆる参照符号は特許請求の範囲を限定するものではない。単語の「含む」は特許請求の範囲に挙げられない素子またはステップの存在を排除しない。素子の前の単語の「1」または「1つ」はこのような複数の素子の存在を排除しない。本発明は異なる複数の素子を含むハードウェア及び適当にプログラミングするコンピュータにより実現できる。複数の装置のユニットが挙げられる特許請求の範囲では、これらの装置のうち複数は同一のハードウェアにより具体的に実現してもよい。単語の「第1」、「第2」及び「第3」などは順序を表すものではない。これらの単語を名称として解釈してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7-1】
図7-2】
図7-3】
図7-4】
図8-1】
図8-2】
図8-3】
図9-1】
図9-2】
図9-3】
図10
図11