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特許7210594作動レバーの距離とピッチの独立した調整を有する、モーターサイクルのブレーキ又はクラッチの油圧作動システムに対するアクチュエーター装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】作動レバーの距離とピッチの独立した調整を有する、モーターサイクルのブレーキ又はクラッチの油圧作動システムに対するアクチュエーター装置
(51)【国際特許分類】
   B62L 3/02 20060101AFI20230116BHJP
   G05G 1/04 20060101ALI20230116BHJP
   B60K 23/02 20060101ALI20230116BHJP
【FI】
B62L3/02 C
G05G1/04 A
B60K23/02 L
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020537889
(86)(22)【出願日】2018-09-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-03
(86)【国際出願番号】 IB2018057432
(87)【国際公開番号】W WO2019064190
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】102017000107310
(32)【優先日】2017-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】501016696
【氏名又は名称】フレニ・ブレンボ エス・ピー・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】マルチェッロ・コロンボ
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト・ラヴェッツィ
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/068518(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0044253(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62L 3/02
G05G 1/04
B60K 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーターサイクルのブレーキ又はクラッチの油圧作動システムに対するアクチュエーター装置(4)であって、
前記モーターサイクルのハンドルバー(12)と関連し得る支持構造(8)と、
少なくとも1つのブレーキ装置に動作できるように繋がり得るプッシュロッド(20)を有する作動アセンブリ(16)と、
前記プッシュロッド(20)と連動するように構成されているプッシャー(32)を備え、関連し得る前記ハンドルバー(12)に向かう第1方向と、前記ハンドルバー(12)から離れる第2方向における作動軸(S-S)周りに回転できるように、前記支持構造(8)に繋がる作動レバー(24)と、
静止状態において、前記ハンドルバー(12)に関して、前記プッシャー(32)と前記作動レバー(24)の両方の角度位置を修正して、前記作動レバー(24)の前記作動軸(S-S)と、前記プッシュロッド(20)における前記プッシャー(32)の接触及びスラスト点(P)との間のピッチ(44)を修正するように構成されている調整手段(40)とを備えており、
前記調整手段(40)は、対称軸(Y-Y)を有する前記作動レバー(24)のカウンタ状の円筒座部(52)に挿入されるブッシング(48)を備えることにより、前記対称軸(Y-Y)周りに少なくとも回転することが可能であり、
前記調整手段(40)は、前記ブッシング(48)内に挿入されるタン(56)を有する前記プッシャー(32)と、前記タン(56)と一体となるボウル(60)とを備えており、
前記タン(56)は前記プッシュロッド(20)と連動して、
前記ボウル(60)は、前記対称軸(Y-Y)周りに前記ボウル(60)を回転させることにより、前記ピッチ(44)を変え得るように、偏心率(E)に基づいて、前記対称軸(Y-Y)に関してずれて、
前記プッシャー(32)は、前記対称軸(Y-Y)と平行な前記作動レバー(24)に関してスライドして、
前記プッシャー(32)の並進移動と偏心回転移動は、前記対称軸(Y-Y)に関して、機械的に互いに独立しており、
前記ブッシング(48)は、前記対称軸(Y-Y)に沿う前記円筒座部(52)に関して回転し得るように、また並進移動できないように、前記円筒座部(52)に組み込まれている、ことを特徴とするアクチュエーター装置(4)。
【請求項2】
前記プッシャー(32)は、前記対称軸(Y-Y)に関して平行に、且つ前記偏心率(E)に応じて偏心して位置する調整軸(X-X)に関して、ねじナット結合(72)に従って、前記ブッシング(48)内に挿入される、請求項1に記載のアクチュエーター装置(4)。
【請求項3】
前記プッシャー(32)の前記タン(56)は、前記対称軸(Y-Y)に関して、前記偏心率(E)に基づいてずれる、請求項1又は2に記載のアクチュエーター装置(4)。
【請求項4】
前記ブッシング(48)は、前記対称軸(Y-Y)に関して、前記プッシャー(32)を偏心して回転させるように、前記ブッシング(48)を回転させるための外側カラー(76)を備える、請求項1~3のいずれかに記載のアクチュエーター装置(4)。
【請求項5】
前記タン(56)は、前記調整軸(X-X)に沿う前記ブッシング(48)に関して回転しながら並進移動するため、ノブ(80)と一体的に繋がる、請求項2、又は請求項2と組み合わせられる請求項3若しくは4に記載のアクチュエーター装置(4)。
【請求項6】
スプリング(84)は、前記プッシャー(32)と前記作動レバー(24)との間に配置され、前記プッシャー(32)の回転を段階的に調整するため、前記作動レバー(24)に固定される少なくとも1つのロック端部(88)を有する、請求項1~5のいずれかに記載のアクチュエーター装置(4)。
【請求項7】
前記スプリング(84)はまた、前記ノブ(80)と、前記スプリング(84)のボディ又はプレート(96)の一部との間において係合する少なくとも1つの歯(92)により、前記ブッシング(48)の回転に対して段階的なロックを実行する、請求項5と組み合わせられる請求項6に記載のアクチュエーター装置(4)。
【請求項8】
前記スプリング(84)及び/又は前記ノブ(80)は、前記プッシャー(32)の回転の少なくとも1つのリミットストップを設けるように構成されていることにより、前記ピッチ(44)の調整の予め決められた位置に達すると、前記スプリング(84)と前記ノブ(80)との間においてリミットストップ隣接部を得る、請求項5と組み合わせられる請求項6又は7に記載のアクチュエーター装置(4)。
【請求項9】
前記スプリング(84)及び/又は前記ノブ(80)は、前記プッシャー(32)の回転の2つのリミットストップを設けるように構成されていることにより、互いに反対方向において、それぞれ予め決められた最大及び最小の2つの前記ピッチ(44)の位置に達するように、前記スプリング(84)と前記ノブ(80)との間においてリミットストップ隣接部を得る、請求項8に記載のアクチュエーター装置(4)。
【請求項10】
前記スプリング(84)は、前記ブッシング(48)と一体となる外側コイル(76)周りに折り曲げられた部分(108)を備え、
前記折り曲げられた部分(108)は、前記ノブ(80)に形成される肩部(112)に対する少なくとも1つのリミットストップ隣接部を得る、請求項5と組み合わせられる請求項6又は7に記載のアクチュエーター装置(4)。
【請求項11】
前記ノブ(80)は、前記スプリング(84)の前記折り曲げられた部分(108)に干渉することなく回転し得る内側グリップ部(116)、及びリミットストップに達すると、前記スプリング(84)の前記折り曲げられた部分(108)に干渉するように、前記内側グリップ部(116)から突出する少なくとも1つの肩部(112)を備える、請求項10に記載のアクチュエーター装置(4)。
【請求項12】
前記ブッシング(48)は、前記ブッシング(48)を回転させ得るように、前記作動レバー(24)に関連する調整ねじ(104)とかみ合う外側ねじ面(100)を備える、請求項1~3のいずれかに記載のアクチュエーター装置(4)。
【請求項13】
前記ブッシング(48)の前記外側ねじ面(100)と前記調整ねじ(104)との間のかみ合いは不可逆である、請求項12に記載のアクチュエーター装置(4)。
【請求項14】
スプリング(84)は、前記プッシャー(32)と前記作動レバー(24)又は前記ブッシング(48)との間に配置され、前記プッシャー(32)の回転を段階的に調整するため、前記作動レバー(24)又は前記ブッシング(48)に固定される少なくとも1つのロック端部(88)を有する、請求項12~13のいずれかに記載のアクチュエーター装置(4)。
【請求項15】
前記ブッシング(48)は、回転しながら前記対称軸(Y-Y)と平行に並進移動するように、前記対称軸(Y-Y)に従って中心に配置されるねじナット結合(72)により、前記円筒座部(52)に挿入され、
前記プッシャー(32)と前記ブッシング(48)は、自由に回転可能であり、前記対称軸(Y-Y)に関して軸方向に互いに結合される、請求項1に記載のアクチュエーター装置(4)。
【請求項16】
前記プッシャー(32)の前記タン(56)は前記対称軸(Y-Y)と同軸であり、
前記ボウル(60)は、前記偏心率(E)に基づいて、前記対称軸(Y-Y)に関して偏心した中心軸(M-M)を有する、請求項15に記載のアクチュエーター装置(4)。
【請求項17】
前記タン(56)は、前記対称軸(Y-Y)に沿う前記ブッシング(48)に関して回転するため、ノブ(80)と一体的に繋がる、請求項15~16のいずれかに記載のアクチュエーター装置(4)。
【請求項18】
スプリング(84)は、前記プッシャー(32)と前記作動レバー(24)との間に配置され、前記プッシャー(32)の回転を段階的に調整するため、前記作動レバー(24)に固定される少なくとも1つのロック端部(88)を有する、請求項15~17のいずれかに記載のアクチュエーター装置(4)。
【請求項19】
前記スプリング(84)はまた、前記ノブ(80)と、前記スプリング(84)のボディ又はプレート(96)の一部との間において係合する少なくとも1つの歯(92)により、前記ブッシング(48)の回転に対して段階的なロックを実行する、請求項17と組み合わせられる請求項18に記載のアクチュエーター装置(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動レバーの距離とピッチの独立した調整を有する、モーターサイクルのブレーキ又はクラッチの油圧作動システムに対するアクチュエーター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、特に、モーターサイクルのブレーキ及び/又はクラッチに対するアクチュエーター装置の分野に関する。
【0003】
特に、モーターサイクルにおいて、ブレーキ感度及びクラッチ解放位置は路面の種類に応じる。この路面の種類は環境条件に関連している。この環境条件は、トラックから、道路、雨、雪、泥、小さな地形又は砂利まで様々である。
【0004】
このため、先行技術において、クラッチレバーとブレーキレバーの両方に対して、レバーとハンドルバーとの間のピッチを調整するためのシステムを得ることができる解決手段が、広範に用いられる。
【0005】
これに関して、様々な解決手段がある。
【0006】
例えば、浮動要素のプッシュロッドを収容する偏心座部を備えるねじを調整しながら、ピッチを変えることができる解決手段がある。そのような解決手段は様々な調整を可能として、簡略であり、ロバスト性があり、且つ信頼性のある利点を有する。一方、そのような装置により、レバーのピッチと距離を分けること、及び独立して調整することができる。実際、プッシュロッドの偏心座部を回転させることにより、ハンドルバーからレバーまでのピッチと距離の両方が調整される。したがって、この解決手段は、信頼性があり、且つ簡略である一方、2つの上記調整を独立させることができない。
【0007】
プッシュロッドに対して偏心座部を有するスリーブを用いることも知られている。したがって、考えられる3つのピッチを調整することが、ハンドルバーからレバーまでのそれぞれの距離に対して得られてもよい。この場合、機械的構成要素、構造的複雑性、及び無視できないコストを考慮すると、距離とピッチを調整するための装置は実質的に分離される。
【0008】
一般的に、周知の解決手段において、距離及びピッチの調整は、互いに離れており、容易でもなく人間工学的でもないように配置されている。また、2つの調整の独立性は常に確実ではなく、可能であれば、不便な操作、及び非常に複雑且つ高価な機械的解決手段を要求する。
【発明の概要】
【0009】
したがって、先行技術に関する上述の欠点と制約を解決するための必要性が次第に分かる。
【0010】
すなわち、以下を同時に行えるための必要性が分かる。
【0011】
レバー自体のピッチの調整から、ハンドルバーからレバーまでの距離を調整する機能を解放すること。
【0012】
単一の装置における、レバーの距離の調整、及びピッチの調整を統合すること。
【0013】
構成要素の数、及び調整装置の重量と全体コストを大幅に減らすこと。
【0014】
これらの要求は、請求項1に従う、モーターサイクルのブレーキ又はクラッチの油圧作動システムに対するアクチュエーター装置により達成される。
【0015】
特に、これらの要求は、以下を備える、モーターサイクルのブレーキ又はクラッチの油圧作動システムに対するアクチュエーター装置により達成される。
【0016】
前記モーターサイクルのハンドルバーと関連し得る支持構造。
【0017】
少なくとも1つのブレーキ装置に動作できるように繋がり得るプッシュロッドを有する作動アセンブリ。
【0018】
前記プッシュロッドと連動するように構成されているプッシャーを備え、関連し得る前記ハンドルバーに向かう第1方向と、前記ハンドルバーから離れる第2方向における作動軸周りに回転できるように、前記支持構造に繋がる作動レバー。
【0019】
静止状態において、前記ハンドルバーに関して、前記プッシャーと前記レバーの両方の角度位置を修正して、前記作動レバーの前記軸と、前記プッシュロッドにおける前記プッシャーの接触及びスラスト点との間のピッチを修正するように構成されている調整手段。
【0020】
前記調整手段は、対称軸を有する前記レバーのカウンタ状の円筒座部に挿入されるブッシングを備えることにより、前記対称軸周りに少なくとも回転し得る。
【0021】
前記調整手段は、前記ブッシング内に挿入されるタンを有する前記プッシャーと、前記タンと一体となるボウルとを備える。前記タンは前記プッシュロッドと連動する。前記ボウルは、前記対称軸周りに前記ボウルを回転させることにより、前記ピッチを変え得るように、偏心率に基づいて、前記対称軸Y-Yに関してずれる。
【0022】
前記プッシャーは、前記対称軸Y-Yと平行な前記レバーに関してスライドする。
【0023】
前記プッシャーの並進移動と偏心回転移動は、前記対称軸Y-Yに関して、機械的に互いに独立している。
【0024】
本発明の考えられる実施形態によれば、前記ブッシングは、前記対称軸Y-Yに沿う前記座部に関して回転し得るように、また並進移動できないように、前記座部に組み込まれている。
【0025】
本発明の考えられる実施形態によれば、前記プッシャーは、前記対称軸に関して平行に、且つ前記偏心率に応じて偏心して位置する調整軸X-Xに関して、ねじナット結合に従って、前記ブッシング内に挿入される。
【0026】
本発明の考えられる実施形態によれば、前記プッシャーの前記タンは、前記対称軸Y-Yに関して、前記偏心率に基づいてオフセットされる。
【0027】
本発明の考えられる実施形態によれば、前記ブッシングは、前記対称軸に関して、前記プッシャーを偏心して回転させるように、前記ブッシングを回転させるための外側カラーを備える。
【0028】
本発明の考えられる実施形態によれば、前記タンは、前記調整軸に沿う前記ブッシングに関して回転しながら並進移動するため、ノブと一体的に繋がる。
【0029】
本発明の考えられる実施形態によれば、スプリングは、前記プッシャーと前記レバーとの間に配置され、前記プッシャーの回転を段階的に調整するため、前記レバーに固定される少なくとも1つの端部を有する。
【0030】
本発明の考えられる実施形態によれば、前記スプリングはまた、前記ノブと、前記スプリングのボディ又はプレートの一部との間において係合する少なくとも1つの歯により、前記ブッシングの回転に対して段階的なロックを実行する。
【0031】
考えられる実施形態によれば、前記スプリング及び/又は前記ノブは、前記プッシャーの回転の少なくとも1つのリミットストップを設けるように構成されていることにより、前記ピッチの調整の予め決められた位置に達すると、前記スプリングと前記ノブとの間においてリミットストップ隣接部を得る。
【0032】
実施形態によれば、前記スプリング及び/又は前記ノブは、前記プッシャーの回転の2つのリミットストップを設けるように構成されていることにより、互いに反対方向において、それぞれ予め決められた最大及び最小の2つの前記ピッチの位置に達するように、前記スプリングと前記ノブとの間においてリミットストップ隣接部を得る。
【0033】
実施形態によれば、前記スプリングは、前記ブッシングと一体となる外側コイル周りに折り曲げられた部分を備える。前記折り曲げられた部分は、前記ノブに形成される肩部に対する少なくとも1つのリミットストップ隣接部を得る。
【0034】
実施形態によれば、前記ノブは、前記スプリングの前記折り曲げられた部分に干渉することなく回転し得る内側グリップ部、及びリミットストップに達すると、前記スプリングの前記折り曲げられた部分に干渉するように、前記内側グリップ部から突出する少なくとも1つの肩部を備える。
【0035】
本発明の考えられる実施形態によれば、前記ブッシングは、前記ブッシングを回転させ得るように、前記作動レバーに関連する調整ねじとかみ合う外側ねじ面を備える。
【0036】
本発明の考えられる実施形態によれば、前記ブッシングの前記外側ねじ面と前記調整ねじとの間のかみ合いは不可逆である。
【0037】
本発明の考えられる実施形態によれば、スプリングは、前記プッシャーと前記レバー又は前記ブッシングとの間に配置され、前記プッシャーの回転を段階的に調整するため、前記レバー又は前記ブッシングに固定される少なくとも1つの端部を有する。
【0038】
本発明の考えられる実施形態によれば、前記ブッシングは、回転しながら前記対称軸と平行に並進移動するように、前記対称軸Y-Yに従って中心に配置されるねじナット結合により、前記円筒座部に挿入される。
【0039】
前記プッシャーと前記ブッシングは、自由に回転可能であり、前記対称軸Y-Yに関して軸方向に互いに結合される。
【0040】
本発明の考えられる実施形態によれば、前記プッシャーの前記タンは前記対称軸Y-Yと同軸である。前記ボウルは、前記偏心率Eに基づいて、前記対称軸Y-Yに関して偏心した中心軸M-Mを有する。
【0041】
本発明の考えられる実施形態によれば、前記タンは、前記調整軸に沿う前記ブッシングに関して回転しながら並進移動するため、ノブと一体的に繋がる。
【0042】
本発明の考えられる実施形態によれば、スプリングは、前記プッシャーと前記レバーとの間に配置され、前記プッシャーの回転を段階的に調整するため、前記レバーに固定される少なくとも1つのロック端部を有する。
【0043】
本発明の考えられる実施形態によれば、前記スプリングはまた、前記ノブと、前記スプリングのボディ又はプレートの一部との間において係合する少なくとも1つの歯により、前記ブッシングの回転に対して段階的なロックを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本発明の別の特徴と利点が、非限定的な実施例により与えられる好ましい実施形態の以下の記載から明らかになる。
【0045】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に記載のアクチュエーター装置の作動レバーの組み立てられた構成における斜視図である。
【0046】
図2図2は、図1におけるアクチュエーター装置の作動レバーの斜視断面図である。
【0047】
図3図3は、図1における作動レバーの分離した部品を含む斜視図である。
【0048】
図4図4は、図1に関して異なる角度による、図1における作動レバーの斜視図である。
【0049】
図5図5は、本発明の実施形態に記載のアクチュエーター装置の作動レバーの組み立てられた構成における斜視図である。
【0050】
図6図6は、図5における作動レバーの斜視断面図である。
図7図7は、図5における作動レバーの斜視断面図である。
【0051】
図8図8は、図5における作動レバーの分離した部品を含む斜視図である。
【0052】
図9図9は、本発明の別の実施形態に記載の作動レバーの斜視図である。
【0053】
図10図10は、図9における作動レバーの断面図である。
【0054】
図11図11は、本発明の実施形態に記載のアクチュエーター装置に対する作動レバーの分離した部品を含む斜視図である。
【0055】
図12図12は、図11におけるアクチュエーター装置の作動レバーの組み立てられた構成における斜視図である。
【0056】
図13図13は、図11における作動レバーの一部の構成要素の分離した部品を含む斜視断面図である。
図14図14は、図11における作動レバーの一部の構成要素の分離した部品を含む斜視断面図である。
【0057】
図15図15は、図11における作動レバーを備えるアクチュエーター装置について、ハンドルバーから作動レバーまでの距離を変えることを含まないピッチ調整のステップにおける斜視部分断面図を示す。
図16図16は、図11における作動レバーを備えるアクチュエーター装置について、ハンドルバーから作動レバーまでの距離を変えることを含まないピッチ調整のステップにおける斜視部分断面図を示す。
【0058】
図17図17は、図11における作動レバーを備えるアクチュエーター装置について、ピッチを変えることを含まないレバーの距離調整のステップにおける斜視部分断面図を示す。
図18図18は、図11における作動レバーを備えるアクチュエーター装置について、ピッチを変えることを含まないレバーの距離調整のステップにおける斜視部分断面図を示す。
【0059】
図19図19は、図11における実施形態の変形例についての詳細の斜視図を示す。
図20図20は、図11における実施形態の変形例についての詳細の平面図を示す。
図21図21は、図11における実施形態の変形例についての詳細の側面図を示す。
【0060】
以下に説明される実施形態に共通の要素又は部品は、同じ符号を用いて示す。
【発明を実施するための形態】
【0061】
上記図面を参照して、車両、特にモーターサイクルのブレーキ又はクラッチの油圧作動システムに対するアクチュエーター装置を全体として符号4により示す。
【0062】
本発明の目的のため、車両は、自動車とモーターサイクルの両方である。
【0063】
また、アクチュエーター装置4は、モーターサイクルのハンドルバーに取り付けられるように、また油圧操作ブレーキ及びクラッチを操作するように好ましくは構成されている、いずれかの種類と大きさであってもよい。
【0064】
特に、モーターサイクルのブレーキ又はクラッチの油圧作動システムに対するアクチュエーター装置4は、モーターサイクルのハンドルバー12と関連し得る支持構造8を備える。
【0065】
本発明の目的のため、最も一般的に考えられる意味で考慮されなければならない支持構造の種類、大きさ、及び材料は無関係である。
【0066】
アクチュエーター装置4はまた、少なくとも1つのブレーキ装置(図示せず)に動作できるように繋がり得るプッシュロッド20を有する作動アセンブリ16、及び支持構造8に繋がる作動レバー24を備える。
【0067】
プッシュロッド20は、アクチュエーター装置4の作動レバー24により付勢されるように構成されているスラスト端部26、及び少なくとも1つのブレーキ装置に動作できるように繋がり得る内側端部28を備える。少なくとも1つのブレーキ装置に対する内側端部28の接続は、いずれかの種類でもよく、好ましくは油圧接続、また機械的であってもよい。
【0068】
また、プッシュロッド20の内側端部28を、(例えば、ブレーキ・バイ・ワイヤ型のシステムにおいて、)ブレーキ装置の操作により与えられる抵抗をシミュレートするように構成されているアキュムレーター装置に接続することもできる。
【0069】
アクチュエーター装置4は、関連し得るハンドルバーに向かう第1回転方向と、該ハンドルバーから離れる第2回転方向における作動軸S-S周りに回転できるように、支持構造8に繋がる作動レバー24を備える。
【0070】
支持構造8に対する作動レバー24の回転可能な接続により、まず、ブレーキ又はクラッチを操作するため、スラスト動作をプッシュロッド20に対して作用できる。作動レバー24は、ハンドルバー12自体から作動レバー24までの距離の調整ができるように、ハンドルバー12に向かうように、また離れるように回転する。そのような調整は、人間工学の原理に基づいて、又は使用者の選択に対するいずれかの場合、レバー自体の静止位置を調整するように使用者により用いられ得る。
【0071】
作動レバー24は、上記プッシュロッド20と連動するように構成されているプッシャー32を備える。
【0072】
一般的に、プッシャー32は、作動レバー24において得られる適切なアペンディクス36に収容される、又は支持される。
【0073】
アクチュエーター装置は、既知の方法で、プッシャー32とプッシャー20のスラスト端部26との間における接触を促すように、作動レバー24をハンドルバー12に向けて弾性的に付勢するスラスト手段37を備える。
【0074】
アクチュエーター装置4はまた、静止状態において、ハンドルバーに関して、プッシャー32と作動レバー24の両方の角度位置を修正して、作動レバー24の作動軸S-Sと、上記プッシュロッド20におけるプッシャー32の接触及びスラスト点Pとの間のピッチ44を修正するように構成されている調整手段40とを備える。
【0075】
調整手段40は、対称軸Y-Yを有する作動レバー24のカウンタ状の円筒座部52に挿入されるブッシング48を備えることにより、上記対称軸Y-Y周りに少なくとも回転し得る。
【0076】
調整手段40は、ブッシング48内に挿入されるタン56を有する上記プッシャー32と、タン56と一体となるボウル60とを備える。このタン56はプッシュロッド20と連動する。
【0077】
既知の方法において、ボウル60は、プッシュロッド20のスラスト端部26と連動し得るように、球面キャップ状の外形を有する凹形状部を備えており、プッシャー32とプッシュロッド20との間の相対的な傾斜を修正する。
【0078】
有利になるように、上記ボウル60は、対称軸Y-Y周りにボウル60を回転させることにより、ピッチ44を変え得るように、対称軸Y-Yに関して、偏心率Eに基づいてオフセットされる。
【0079】
すなわち、ボウル60と対称軸Y-Yの偏心率Eにより、円筒座部52の対称軸Y-Y周りのプッシャー32とボウル60の回転の結果として、アーム、すなわちプッシュロッド20のスラスト端部26とボウル60との間における接触及びスラスト点Pと作動軸S-Sとの間のピッチ44が調整される。したがって、タン56とボウル60は互いに直線状に並べられている一方、対称軸Y-Y周りに回転することが、ピッチ44を変えることにより得られる。
【0080】
そのようなピッチ44又はアームの変更により、作動レバー24は等しくなり、作動レバー24の静止位置を変化させると、作動レバー自体を柔らかく、又は固くできる。
【0081】
すなわち、ピッチ44を増加させること、また使用者により与えられる力が等しくなることにより、プッシュロッド20に与えられる、またその逆に、プッシュロッド20から与えられる全体トルクが増加する。
【0082】
有利になるように、プッシャー32は、上記対称軸Y-Yと平行な作動レバー24に関してスライドする。すなわち、以下に説明するように、上記作動軸S-Sに関して、作動レバー24の静止時の角度位置を変えるため、すなわち、作動レバー24とハンドルバーとの間における静止時の距離を変えるため、対称軸Y-Yに沿って、プッシャー32とボウル60の軸位置を変えることができる。
【0083】
有利になるように、プッシャー32の並進移動と偏心回転移動は、対称軸Y-Yに関して、機械的に互いに独立している。したがって、2つのパラメータの内の一方(ピッチ44、又は作動レバー24の静止位置)を変更することにより、他のパラメータ(作動レバー24の静止位置、又はピッチ44)の調整の範囲を変更することなく、又はいかなる場合においても制限することなく、作動レバー24の静止位置、及び作動レバー24自体のピッチ44の調整を完全に分離して行うことができる。
【0084】
この選択により、使用者は、作動感度とハンドルバー12からの距離の両方に関して、作動レバー24の高度なカスタマイズを行うことができる。
【0085】
図1~10の考えられる実施形態によれば、ブッシング48は、対称軸Y-Yに沿う座部に関して回転し得るように、また並進移動できないように、円筒座部52に組み込まれている。
【0086】
この目的のため、少なくとも1つの肩部64をブッシュ48に設けることができる。この肩部64は、作動レバー24において、それぞれの隣接部68に対して隣接する。
【0087】
プッシャー32は、対称軸Y-Yに関して平行に、且つ上記偏心率Eに応じて偏心して位置する調整軸X-Xに関して、ねじナット結合72に従って、ブッシング48内に挿入される。
【0088】
好ましくは、プッシャー32のタン56は、対称軸Y-Yに関して、上記偏心率Eに基づいてずれる。
【0089】
図1~4の)考えられる実施形態によれば、ブッシング48は、対称軸Y-Yに関して、プッシャーを偏心して回転させるように、ブッシング48を回転させるための外側カラー76を備える。したがって、このように、ピッチ44は、完全に分離して、すなわち、いずれかの方法において、作動レバー24の静止位置を修正することなく、調整され得る。
【0090】
好ましくは、上記外側カラー76は、使用者による把持と手動回転を容易にするため、回転体でない刻み部、又は対称性を有する部分を備える。例えば、上記外側カラー76は、アペンディクス36とボウル60との間に配置されている。
【0091】
例えば、タン56は、調整軸X-Xに沿うブッシング48に関して回転しながら並進移動するため、ノブ80と一体的に繋がる。
【0092】
タン56とノブ80との間の接続は、例えば非円筒ペグとの結合形状により起こり得る。この非円筒ペグは、対応する相補的形状の座部に係合する。
【0093】
外側コイル76とノブ80は、どちらも、可能な調整の種類に関する印と参照図形を備えてもよい。対応する図形表示、基準、アライメントチャートなどを作動レバー24のアペンディクス36に設けることもできる。
【0094】
回転しながら並進移動することは、プッシュロッド20とブッシング48との間におけるねじナット結合72による。得られる調整の目的に対して、作動レバー24の静止位置、及びハンドルバーから作動レバー24までの距離が変化するため、この回転しながら並進移動することは、重要であるブッシング48に関して、プッシュロッド20の全体並進移動である。
【0095】
スプリング84は、プッシャー32と作動レバー24との間に配置され、プッシャー32の回転を段階的に調整するため、作動レバー24に固定される少なくとも1つのロック端部88を有する。
【0096】
上記スプリング84はまた、ノブ80と、スプリング84のボディ又はプレート96の一部との間において係合する少なくとも1つの歯92により、ブッシング48の回転に対して段階的なロックを実行する。
【0097】
したがって、スプリング84自体は、回転せず、両方の調整、すなわちピッチ44と作動レバー24の静止位置の調整のため、固定された基準の役目を果たす。
【0098】
図19~21の)考えられる実施形態によれば、上記スプリング84及び/又は上記ノブ80は、プッシャー32の回転の少なくとも1つのリミットストップを設けるように構成されていることにより、ピッチ44の調整の予め決められた位置に達すると、スプリング84とノブ80との間においてリミットストップ隣接部を得る。一般的に、予め決められた位置は、調整位置の端部、すなわち最大又は最小距離の位置44にある。
【0099】
好ましくは、上記スプリング84及び/又は上記ノブ80は、プッシャー32の回転の2つのリミットストップを設けるように構成されていることにより、互いに反対方向において、それぞれ予め決められた最大及び最小の2つのピッチ44の位置に達するように、スプリング84とノブ80との間においてリミットストップ隣接部を得る。
【0100】
例えば、スプリング84は、ブッシング48に硬く結合されている外側コイル76周りに折り曲げられた部分108を備える。この折り曲げられた部分108は、ノブ80に形成される肩部112に対する少なくとも1つのリミットストップ隣接部の役目を果たす。
【0101】
ノブ80は、スプリング84の上記折り曲げられた部分108に干渉することなく回転し得る内側グリップ部116、及びリミットストップに達すると、スプリング84の折り曲げられた部分108に干渉するように、上記内側グリップ部116から突出する少なくとも1つの肩部112を備える。
【0102】
この実施形態は、下部と上部において、中心間調整のロック機能をもたらす。そのような機能は、ピッチ44の変化の可読性を向上し、リミットを一義的に定める。したがって、この推移は、回転し続けるように、最大から最小まで進み、且つ最小から最大まで戻る連続式調整から、反対側のリミット端部において、調整の極みに達することを確実にする調整までである。この機能は、ピッチ44の調整ができるノブ80における肩部112又は突出部を用いて、回転の妨げを得ることにより達成される。リミット位置において、肩部112は、スプリング84、すなわち折り曲げられた部分108に干渉して、さらなる回転ができなくなる。この実施形態において、スプリング84はまた、ピッチ44と距離のレバーの調整のため、スナップロックを設けるように既に利用されて、リミット位置におけるピッチ44の調整の停止機能を担う。したがって、ピッチ44の調整は、リミットストップがあることにより、容易且つ直感的である。
【0103】
図5~10の)考えられる実施形態によれば、ブッシング48は、ブッシング48を回転させ得るように、作動レバー24に関連する調整ねじ104とかみ合う外側ねじ面100を備える。
【0104】
好ましくは、ブッシング48の外側ねじ面100と調整ねじ104との間のかみ合いは不可逆である。
【0105】
調整ねじ104は、ねじ回し又は六角レンチなどを挿入することにより、作動レバー24の外側から操作され得る。このねじ回し又は六角レンチは、上記調整ねじ104の頭部に接近できる作動レバー24の穴に挿入される。
【0106】
好ましくは、スプリング84は、プッシャー32と作動レバー24又はブッシング48との間に配置され、プッシャー32の回転を段階的に調整するため、またピッチ44を調整するため、作動レバー24又はブッシング48に固定される少なくとも1つのロック端部88を有する。スプリング84自体は、ノブ80とかみ合う歯92を備える。
【0107】
この場合、そのような固定が、ブッシング48の外側ねじ面100と調整ねじ104との間のかみ合いの不可逆性により確実であるため、スプリング84に対して、プッシャー32の軸位置の調整をロックすることも実行する必要がない。
【0108】
この場合、スプリング84は、回転せず、ピッチ44を調整するため、固定された基準の役目を果たす。
【0109】
図11~18の)実施形態によれば、ブッシング48は、回転しながら上記対称軸Y-Yと平行に並進移動するように、対称軸Y-Yに従って中心に配置されるねじナット結合により、円筒座部52に挿入される。
【0110】
有利になるように、プッシャー32とブッシング48は、自由に回転可能であり、上記対称軸Y-Yに関して軸方向に互いに結合される。
【0111】
好ましくは、プッシャー32のタン56は上記対称軸Y-Yと同軸である。ボウル60は、上記偏心率Eに基づいて、対称軸Y-Yに関して偏心した中心軸M-Mを有する。
【0112】
上記中心軸M-Mと対称軸Y-Yは、互いに平行で、且つ離間している。
【0113】
したがって、タン56とボウル60は、互いに直線状に並べられない。また、対称軸Y-Y周りにタン56を回転させること、すなわちノブ80により、ピッチ44の変化を得る。
【0114】
例えば、図15,16は、ピッチの相反する2つの調整、すなわち「固い」調整(図15)と柔らかい設定(図16)をそれぞれ示す。図に示すように、そのような調整を変えることにより、作動レバー24の静止位置が変わることはない。
【0115】
図17,18は、作動レバー24の静止位置の相反する2つの調整、すなわちハンドルバー12から最小距離の調整(図17)とハンドルバー12から最大距離の調整(図18)を示す。図に示すように、そのような調整を変えることにより、ピッチ44が変わることはない。
【0116】
実施形態によれば、タン56は、調整軸に沿うブッシング48に関して回転しながら並進移動するため、ノブ80と一体的に繋がる。
【0117】
ブッシング48は、使用者による手動回転のため、外側カラー76を備える。
【0118】
好ましくは、スプリング84は、プッシャー32と作動レバー24との間に配置され、プッシャー32の回転を段階的に調整するため、作動レバー24に固定される少なくとも1つのロック端部88を有する。
【0119】
好ましくは、上記スプリング84はまた、ノブ80と、スプリング84のボディ又はプレート96の一部との間において係合する少なくとも1つの歯92により、ブッシング48の回転に対して段階的なロックを実行する。スプリング84は、回転せず、両方の調整、すなわちピッチ44と作動レバー24の静止位置の調整のため、固定された基準の役目を果たす。
【0120】
好ましくは、図11~18における実施形態において、外側カラー76とノブ80の両方が、プッシャー32に関して同じ側、例えばボウル60の反対側に配置される。
【0121】
したがって、外側カラー76とノブ80は互いに接近しており、レース中においても、使用者により容易に操作され得る。
【0122】
上述の説明から分かるように、本発明により、先行技術において挙げられた欠点を克服することができる。
【0123】
特に、本発明は、使用するため、簡略であり、ロバスト性があり、直感的であり、且つ革新的な装置をもたらす。上記装置により、レバーの静止位置とレバー自体のピッチの調整を分離して行うための可能性を否定することなく、直感的且つ速い方法でドライバーの調整に適合できる。
【0124】
実際、これら2つの調整の独立性は、先行技術の解決手段に関して、重要な利点である。
【0125】
また、これらの目的は、限られた数の構成要素を備える装置により達成される。したがって、この装置により、生産とアセンブリのコストを減少する。
【0126】
さらに、この装置は、「レトロフィット」のような既存の解決手段に適用され得る。
【0127】
同様に、同軸調整により、ピッチと距離を互いに近づけて、また容易に特定できるようにして、同時に分離する調整ができる。
【0128】
したがって、本発明により、レバーの距離とピッチを調整するための2つの制御を統合して、取り組み、距離とピッチを変化させる制御における操作と表示の両方を簡略化する。
【0129】
ピッチの調整は、使用時、(固さと柔らかさにより)直感的であり、好ましくは合計8個の位置を有する。
【0130】
構成要素の供給元におけるコスト削減も含む、一般的に知られている調整システムに関して、構成要素がより少ない。実際、ピッチ調整を含まない標準的な一連の調整レバーに関して、単一の構成要素が加えられる。
【0131】
このシステムは、既存の製品において、製品自体又はラインに変更を加えることを必要とせず、インラインで導入することが容易である。
【0132】
このシステムは、多用され、マイクロスイッチ(PR、PS、オフロードなど)の直接操作をもたらさない、すべてのレバーに当てはまり得る。
【0133】
当業者は、偶発的、すなわち特定の必要性を満足するように、複数の変更を、以下の請求項により定められる発明の範囲に含まれる、上述の車両に対するブレーキシステムとブレーキシステムの作動方法に加え得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21