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特許7210607集塵電極ユニット、空気清浄装置、及びその制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】集塵電極ユニット、空気清浄装置、及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   B03C 3/47 20060101AFI20230116BHJP
   B03C 3/40 20060101ALI20230116BHJP
   B03C 3/74 20060101ALI20230116BHJP
【FI】
B03C3/47
B03C3/40 A
B03C3/74 D
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020554859
(86)(22)【出願日】2018-12-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-26
(86)【国際出願番号】 CN2018121972
(87)【国際公開番号】W WO2019233082
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2020-10-06
(31)【優先権主張番号】201810578650.2
(32)【優先日】2018-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512306405
【氏名又は名称】グリー エレクトリック アプライアンシーズ インク オブ ズーハイ
【氏名又は名称原語表記】GREE ELECTRIC APPLIANCES, INC. OF ZHUHAI
【住所又は居所原語表記】Qianshan Jinji West Road,Zhuhai, Guangdong, 519070, P.R. CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 賢波
(72)【発明者】
【氏名】呉 志勇
(72)【発明者】
【氏名】封 宗瑜
(72)【発明者】
【氏名】肖 徳玲
(72)【発明者】
【氏名】程 晨
(72)【発明者】
【氏名】肖 利容
(72)【発明者】
【氏名】馬 友河
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲クン▼
【審査官】谷本 怜美
(56)【参考文献】
【文献】独国特許発明第00908370(DE,C2)
【文献】実開昭60-189345(JP,U)
【文献】特開2011-016132(JP,A)
【文献】特開2013-107050(JP,A)
【文献】特開2010-000404(JP,A)
【文献】特開2014-188383(JP,A)
【文献】特開2012-125734(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0150384(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B03C 3/00-3/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電極ユニットを備える空気清浄装置に用いられる集塵電極ユニットであって、
前記発電極ユニットに対する位置及び向きのうちの少なくとも1つを変えるように移動可能な集塵電極を備え、
前記集塵電極は、極板本体と、極板本体に設置された複数の集塵構造と、を備え、前記複数の集塵構造は前記集塵電極の集塵面積を増大でき、前記集塵電極が発電極ユニットに対して異なる前記位置及び/又は向きにある場合、前記発電極ユニットは前記複数の集塵構造における異なる集塵構造に対向設置され、前記異なる集塵構造は、それぞれ前記極板本体の対向する両側端に位置する第1の側辺と第2の側辺に設けられる、集塵電極ユニット。
【請求項2】
集塵電極支持構造体をさらに備え、前記集塵電極は前記集塵電極支持構造体に対して移動可能である、請求項1に記載の集塵電極ユニット。
【請求項3】
前記複数の集塵構造は、前記第1の側辺に設けられる第1の凸部と前記第2の側辺に設けられる第2の凸部を備え、前記集塵電極を回転させることにより、前記第1の側辺における前記第1の凸部又は前記第2の側辺における前記第2の凸部を、前記発電極ユニットに対向設置させる、請求項1に記載の集塵電極ユニット。
【請求項4】
第1の凸部延び方向が前記第1の側辺と一致し、前記第2の凸部の延び方向が前記第2の側辺と一致し、前記第1の凸部及び前記第2の凸部の横断面が円形の一部である、請求項3に記載の集塵電極ユニット。
【請求項5】
集塵電極支持構造体をさらに備え、前記集塵電極は前記集塵電極支持構造体に対して移動可能であり、前記集塵電極支持構造体はフレーム構造を備え、前記集塵電極は、前記第1の側辺に平行する軸線回りに回動可能に前記フレーム構造内に設置され、前記集塵電極を、前記第1の側辺における集塵構造が前記発電極ユニットに対向する第1の位置と、前記第2の側辺における集塵構造が前記発電極ユニットに対向する第2の位置との間で回動可能とする、請求項3に記載の集塵電極ユニット。
【請求項6】
前記極板本体は、前記第1の側辺と前記第2の側辺を接続する第3の側辺と第4の側辺をさらに備え、前記第3の側辺と前記第4の側辺には回転軸が設けられ、前記フレーム構造には前記回転軸と嵌合する回転軸孔が設けられるか、又は、前記第3の側辺と前記第4の側辺には回転軸孔が設けられ、前記フレーム構造には前記回転軸孔と嵌合する回転軸が設けられる、請求項5に記載の集塵電極ユニット。
【請求項7】
前記集塵電極を前記第1の位置と前記第2の位置との間で回動駆動する駆動装置をさらに備える、請求項5に記載の集塵電極ユニット。
【請求項8】
前記集塵電極は複数並設されており、
伝動機構をさらに備え、前記駆動装置は前記伝動機構を介して複数の前記集塵電極を同期して回動駆動する、請求項7に記載の集塵電極ユニット。
【請求項9】
前記伝動機構は歯車伝動機構又は両クランク機構を含む、ことを特徴とする請求項8に記載の集塵電極ユニット。
【請求項10】
前記集塵電極は、前記第3の側辺に平行する方向に伸縮可能な構造であり、回動するときに収縮し、回動が終了すると伸長して元の形状・寸法に戻るように構成されている、請求項6に記載の集塵電極ユニット。
【請求項11】
前記集塵電極は電動方式で収縮するか、又は
前記集塵電極ユニットはオフセット部材をさらに備え、前記集塵電極は、固定部と固定部に対して移動可能な可動部とを備え、前記集塵電極が回動して隣接する集塵電極の固定部と干渉するときに、前記可動部は力の作用を受けて収縮位置に移動し、前記集塵電極の回動が終了したときに、前記可動部は前記オフセット部材の作用により正常位置に回復する、請求項10に記載の集塵電極ユニット。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の集塵電極ユニットを備える空気清浄装置。
【請求項13】
請求項12に記載の空気清浄装置の制御方法であって、
前記集塵電極ユニットは、前記集塵電極を第1の位置と第2の位置との間で回動駆動する駆動装置をさらに備え、前記制御方法は、
前記空気清浄装置の累積作動時間を統計するステップと、
累積作動時間が第1の所定時間以上である場合、前記集塵電極を1回回動駆動するように駆動装置を制御し、又は、累積作動時間が第2の所定時間以上である場合、前記集塵電極を洗浄するように促すプロンプトメッセージをユーザに送信するステップと、を含む、請求項12に記載の空気清浄装置の制御方法。
【請求項14】
前記空気清浄装置の累積作動時間を統計するステップは、
前記空気清浄装置の集塵電極が初めて使用される場合、前記空気清浄装置の初回起動時刻を開始点として累積作動時間を統計するステップと、
前記空気清浄装置の集塵電極が洗浄された場合、前記空気清浄装置の集塵電極の洗浄後の初回起動時刻を開始点として累積作動時間を統計するステップと、を含む、請求項13に記載の空気清浄装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、出願番号201810578650.2、出願日2018年6月7日の中国出願に基づくものであり、その優先権を主張し、この中国出願の開示の全内容が引用により本開示に組み込まれている。
【0002】
本開示は、空気清浄化の技術分野に関し、特に集塵電極ユニット、空気清浄装置、及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
環境の問題の深刻化に伴い、空気清浄機は多数の家庭に不可欠な家電用品となっている。空気清浄機は、通常、ろ過式と静電気式に分けられる。ろ過式空気清浄機は、ろ過網を用いて空気中のPM2.5などの粒子不純物をろ過除去し、このような空気清浄機は、ろ過網を定期的に交換する必要があるため、使用コストが高まる。一方、静電気式空気清浄機は、電気清浄方式で空気を清浄化するため、消耗品を交換する必要がなく、その内部の極板を定期的にクリーニングすればよく、このため、使用コストを削減させる。
【0004】
静電気式空気清浄機の集塵効率が極めて高いため、粉塵の蓄積により極板の集塵能力が弱まりやすく、したがって、清浄機の清浄化効果を確保するためにユーザが極板を頻繁に洗浄する必要があり、ユーザーエクスペリエンスが損なわれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のいくつかの実施例によれば、発電極ユニットを備える空気清浄装置に用いられる集塵電極ユニットであって、
前記発電極ユニットに対する位置及び向きのうちの少なくとも1つを変えるように移動可能な集塵電極を備える。
【0006】
いくつかの実施例では、前記集塵電極ユニットは、集塵電極支持構造体をさらに備え、前記集塵電極は前記集塵電極支持構造体に対して移動可能である。
【0007】
いくつかの実施例では、集塵電極ユニットは、発電極ユニットをさらに備える空気清浄装置に用いられ、前記集塵電極ユニットは、集塵電極と、集塵電極支持構造体と、を備え、前記集塵電極は、前記発電極ユニットに対する位置及び向きのうちの少なくとも1つを変えるように前記集塵電極支持構造体に対して移動可能である。
【0008】
いくつかの実施例では、前記集塵電極は、極板本体と、極板本体に設けられた複数の集塵構造と、を備え、前記集塵電極が発電極ユニットに対して異なる前記位置及び/又は向きにある場合、前記発電極ユニットは異なる前記集塵構造に対向設置される。
【0009】
いくつかの実施例では、前記複数の集塵構造は、それぞれ前記極板本体の反対側に位置する第1の側辺と第2の側辺に設けられる。
【0010】
いくつかの実施例では、前記集塵構造は、前記極板本体の側辺に設けられる凸部を備える。
【0011】
いくつかの実施例では、前記凸部は、延び方向が前記側辺と一致し、横断面が円形の一部である。
【0012】
いくつかの実施例では、前記集塵電極支持構造体はフレーム構造を備え、前記集塵電極は、前記第1の側辺に平行する軸線回りに回動可能に前記フレーム構造内に設けられ、前記集塵電極を、前記第1の側辺における集塵構造が前記発電極ユニットに対向する第1の位置と、前記第2の側辺における集塵構造が前記発電極ユニットに対向する第2の位置との間で回動可能とする。
【0013】
いくつかの実施例では、前記極板本体は、前記第1の側辺と前記第2の側辺を接続する第3の側辺と第4の側辺をさらに備え、前記第3の側辺と前記第4の側辺には回転軸が設けられ、前記フレーム構造には前記回転軸と嵌合する回転軸孔が設けられるか、又は、前記第3の側辺と前記第4の側辺には回転軸孔が設けられ、前記フレーム構造には前記回転軸孔と嵌合する回転軸が設けられる。
【0014】
いくつかの実施例では、前記集塵電極ユニットは、前記集塵電極を前記第1の位置と前記第2の位置との間で回動駆動する駆動装置をさらに備える。
【0015】
いくつかの実施例では、前記集塵電極は複数並設されており、
前記集塵電極ユニットは、伝動機構をさらに備え、前記駆動装置は前記伝動機構を介して複数の前記集塵電極を同期して回動駆動する。
【0016】
いくつかの実施例では、前記伝動機構は歯車伝動機構又は両クランク機構を含む。
【0017】
いくつかの実施例では、前記集塵電極は、前記第3の側辺に平行する方向に伸縮可能な構造であり、回動するときに収縮し、回動が終了すると伸長して元の形状・寸法に戻るように構成されている。
【0018】
いくつかの実施例では、前記集塵電極は電動方式で収縮するか、又は
前記集塵電極ユニットはオフセット部材をさらに備え、前記集塵電極は、固定部と固定部に対して移動可能な可動部とを備え、前記集塵電極が回動して隣接する集塵電極の固定部と干渉するときに、前記可動部は力の作用を受けて収縮位置に移動し、前記集塵電極の回動が終了したときに、前記可動部は前記オフセット部材の作用により正常位置に回復する。
【0019】
本発明の別のいくつかの実施例によれば、空気清浄装置は前記集塵電極ユニットを備える。
【0020】
いくつかの実施例では、前記空気清浄装置は発電極ユニットをさらに備え、前記集塵電極ユニットは、前記発電極ユニットに対する前記集塵電極の位置及び向きのうちの少なくとも1つを変えるように、前記発電極ユニットに対して移動可能である。
【0021】
本発明のさらなる実施例によれば、前記空気清浄装置の制御方法は、
前記空気清浄装置の累積作動時間を統計するステップと、
累積作動時間が第1の所定時間以上である場合、前記集塵電極を1回回動駆動するように駆動装置を制御し、又は、累積作動時間が第2の所定時間以上である場合、前記集塵電極を洗浄するように促すプロンプトメッセージをユーザに送信するステップと、を含む。
【0022】
いくつかの実施例では、空気清浄装置の累積作動時間を統計する前記方法は、
前記空気清浄装置の集塵電極が初めて使用される場合、前記空気清浄装置の初回起動時刻を開始点として累積作動時間を統計することと、
前記空気清浄装置の集塵電極が洗浄された場合、前記空気清浄装置の集塵電極の洗浄後の初回起動時刻を開始点として累積作動時間を統計することと、を含む。
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を説明し、本発明の上記及びほかの目的、特徴や利点がより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の集塵電極ユニットのいくつかの実施例の構造模式図である。
図2】本発明の集塵電極ユニットの集塵電極のいくつかの実施例の構造模式図である。
図3】本発明の空気清浄装置のいくつかの実施例の解体図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施例にて本開示を説明するが、本開示はこれらの実施例に制限されない。本開示の趣旨の明瞭さから、公知の方法、過程、手順、デバイスについては詳しく説明しない。
【0026】
さらに、当業者にとって明らかなように、ここでの図面は説明するために提供され、実際の縮尺で作成されているとは限らない。
【0027】
文脈が明らかに必要としない限り、明細書及び特許請求の範囲を通じて「含む」、「備える」などのような用語は、排他的又は網羅的な意味ではなく、含むという意味として解釈すべきであり、つまり「...を含むが、これらに制限されない」との意味である。
【0028】
なお、本発明の説明において、「第1の」、「第2の」などの用語は説明するためのものに過ぎず、相対重要性を指示又は示唆するものではない。さらに、本開示の説明において、特に断らない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0029】
本発明の目的は、クリーニング頻度を効果的に低下できる集塵電極ユニット、この集塵電極ユニットを備える空気清浄装置、及びその制御方法を提供することである。
【0030】
本発明に係る集塵電極ユニットの集塵電極は、集塵電極支持構造体に対して移動可能であり、このようにすると、発電極ユニットに対する集塵電極の位置及び向きのうちの少なくとも1つが変化可能になり、発電極ユニットに対する集塵電極の位置及び向きのうちの少なくとも1つを変えることにより集塵電極の主要な粉塵収集領域を変えることができ、ある領域に多くの粉塵が蓄積すると、集塵電極の位置又は向きを変えて、別の領域で粉塵を収集するようにすることができ、それによって、クリーニング頻度を効果的に低下させ、清浄装置の粒子CADRの減衰を低減させ、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。
【0031】
本発明は、集塵電極ユニット、及びこの集塵電極ユニットを有する空気清浄装置、たとえば、静電気式空気清浄機を提供する。図3に示すように、本開示に係る空気清浄装置は、対向設置される発電極ユニット1と集塵電極ユニット2を備え、発電極ユニット1は発電極11を備え、集塵電極ユニット2は集塵電極21と集塵電極支持構造体を備え、集塵電極支持構造体は集塵電極21を支持することに用いられる。発電極11に通電すると、発電極11と集塵電極21との間で高い電位差が生じて、コロナ放電が発生し、発電極11と集塵電極21との間の粒子に帯電させ、帯電させた粒子が集塵電極21へ移動し、集塵電極21上に堆積し、それによって、空気清浄化効果を達成させる。
【0032】
ここで、集塵電極21の最も主要な粉塵収集領域は、集塵電極21の発電極11と対向する部分である。清浄装置の清浄化効果を確保するために集塵電極21を頻繁にクリーンする必要があるという関連技術に存在する問題に対して、図1及び図2に示すように、本開示に係る集塵電極ユニット2の集塵電極21は集塵電極支持構造体に対して移動可能である。このようにすると、発電極ユニット1に対する集塵電極21の位置及び/又は向きが変化可能になり、発電極ユニット1に対する集塵電極21の位置及び/又は向きを変えることにより集塵電極21の主要な粉塵収集領域を変えることができる。これにより、ある領域に多くの粉塵が蓄積すると、集塵電極21の位置又は向きを変えて、別の領域で粉塵を収集することができ、それによって、クリーニング頻度を効果的に低下させ、清浄装置の粒子CADRの減衰を低減させ、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。ここで、CADRは、和名がクリーンエア供給率、英語名が「Clean Air Delivery Rate」である。
【0033】
ここで、集塵電極支持構造体に対する集塵電極21の移動方式としては、たとえば、集塵電極支持構造体に対して並進及び/又は回動させることができる。たとえば、集塵電極支持構造体に対して回動させると、空気清浄装置全体の構造のコンパクト性に悪影響を与えないとともに、集塵電極21の主要な粉塵収集領域を容易に変更できる。
【0034】
さらに、図2に示すように、集塵電極21は、極板本体211と、極板本体211に設置される複数の集塵構造212と、を備え、集塵構造212を通じて集塵電極21の集塵面積を増大し、集塵電極21がより多くの粉塵を収集することを可能にする。集塵電極21が発電極ユニット1に対して異なる位置及び/又は向きにある場合、発電極ユニット1は異なる集塵構造212に対向設置され、つまり、1つの集塵電極21の位置及び/又は向きが変更されるたびに、発電極ユニット1に対向する集塵構造212が交換される。このように、集塵電極21の位置又は向きが変更されるたびに、新しい集塵構造212は発電極ユニット1に対向設置されるようになり、粉塵を収集することに用いられ、それによって、集塵電極ユニット2の1回の使用時間が長くなる。
【0035】
集塵構造212は、集塵電極21の集塵面積を増大し得る任意の構造であってもよく、いくつかの実施例では、集塵構造212は、極板本体211の側辺に設けられる凸部を備え、好ましくは、凸部は、延び方向が側辺と一致し、さらに、その横断面が円形の一部であり、このようにして、集塵電極21の集塵面積をさらに増大することができ、円形の一部は、完全な円の一部を切り取った、たとえば円形の小さな部分を切り取ったものである。
【0036】
極板本体211は、対向する第1の側辺2111と第2の側辺2112を備え、さらに、それぞれ第1の側辺2111と第2の側辺2112の両端を接続する第3の側辺2113と第4の側辺2114を備える。いくつかの実施例では、複数の集塵構造212は、それぞれ第1の側辺2111と第2の側辺2112に設けられる。たとえば、図2に示す実施例では、極板本体211の第1の側辺2111には第1の凸部2121が設けられ、極板本体211の第2の側辺2112には第2の凸部2122が設けられ、このようにして、集塵電極21を回動させることにより、第1の側辺2111における集塵構造212又は第2の側辺2112における集塵構造212を、発電極ユニット1に対向設置するようにすることができる。
【0037】
具体的には、図1に示すように、集塵電極支持構造体はフレーム構造22を備え、集塵電極21は第1の側辺2111に平行する軸線回りに回動可能にフレーム構造22内に設置され、集塵電極21を、第1の側辺2111における第1の凸部2121が発電極ユニット1に対向し、第1の凸部2121が主要な集塵構造212として集塵する第1の位置と、第2の側辺2112における第2の凸部2122が発電極ユニット1に対向し、第2の凸部2122が主要な集塵構造212として集塵する第2の位置との間で回動可能とする。
【0038】
集塵電極21の第3の側辺2113及び第4の側辺2114には回転軸が設けられ、それに対応して、フレーム構造22には回転軸と嵌合する回転軸孔(未図示)が設けられ、回転軸は回転軸孔内に回転可能に設けられ、集塵電極21を回動可能とする。又は、集塵電極21の第3の側辺2113及び第4の側辺2114には回転軸孔が設けられ、それに対応して、フレーム構造22には回転軸孔と嵌合する回転軸(未図示)が設けられ、回転軸は回転軸孔内に回転可能に設けられ、集塵電極21を回動可能とする。
【0039】
いくつかの実施例では、集塵電極21は複数並設されており、すべての集塵電極21が、回動中に干渉することなく、同時に回動できるようにするために、集塵電極21同士に一定の間隔が必要であり、集塵電極21同士の間隔を極力小さくし、構造のコンパクト性を高めるために、たとえば、回転軸又は回転軸孔は第3の側辺2113及び第4の側辺2114の中点に設けられる。
【0040】
別のいくつかの実施例では、集塵電極21は、第3の側辺2113に平行する方向に伸縮可能な構造であり、集塵電極21は、回動すると収縮し、集塵電極21同士の干渉を避け、回動が終了すると伸長して元の形状・寸法に戻る。ここで、集塵電極21は電動方式で収縮するか、集塵電極21は、固定部と、固定部に対して移動可能な可動部とを備え、可動部は、集塵電極21の元の形状・寸法を維持するために、オフセット部材たとえばバネの作用により正常位置にあり、一方、集塵電極21が回動して隣接する集塵電極21の固定部と干渉したときに、可動部は、力の作用を受けて収縮位置に移動し、集塵電極21の回動が終了したときに、オフセット部材の作用により正常位置に回復する。集塵電極21を伸縮可能な構造とすることによっても、集塵電極21同士の間隔を小さくすることができる。
【0041】
集塵電極21の位置を自動的に切り替えるために、いくつかの実施例では、集塵電極ユニット2は、集塵電極21を第1の位置と第2の位置との間で回動駆動するための駆動装置(未図示)をさらに備える。駆動装置としては、たとえばモータ、回転シリンダなど、集塵電極21を回動駆動し得る装置が挙げられる。たとえば、駆動装置は、集塵電極21の一端に設置され、フレーム構造22に装着されてもよい。
【0042】
さらに、構造を簡素化させるために、集塵電極ユニット2は伝動機構(未図示)をさらに備え、駆動装置は、伝動機構を介して複数の集塵電極21を同期して回動駆動し、伝動機構は、回転可能な任意の伝動用の機構であってもよく、たとえば、歯車伝動機構、両クランク機構などが挙げられる。
【0043】
集塵電極21の回動は空気清浄装置により自動的に制御することができる。たとえば、空気清浄装置の累積作動時間を統計し、統計方法としては、空気清浄装置の集塵電極21が初めて使用される場合、空気清浄装置の初回起動時刻を開始点として累積作動時間を統計し、空気清浄装置の集塵電極21が洗浄された場合、空気清浄装置は、集塵電極21の洗浄後の初回起動時刻を開始点として累積作動時間を統計し、累積作動時間が第1の所定時間以上である場合、集塵電極21を1回回動駆動するように駆動装置を制御し、累積作動時間が第2の所定時間以上である場合、集塵電極21を洗浄するように促すプロンプトメッセージをユーザに送信する。ユーザが集塵電極21を洗浄して空気清浄装置に再度セットすると、累積作動時間がクリアされ、ここでのクリアは自動クリアとしてもよく、つまり、空気清浄装置は、集塵電極21が取り外されて、また再装着されたことを検出すると、洗浄されたと判定し、累積作動時間を自動的にクリアし、また、ユーザは手動でクリア操作を行ってもよい。ここで、第1の所定時間と第2の所定時間は具体的な状況に応じて設定することができ、第1の所定時間は、たとえば、一般的な空気清浄装置の洗浄周期とし、第2の所定時間は第1の所定時間の2倍以下である。
【0044】
別の実施例では、空気清浄装置にはボタン部(未図示)が設けられ、ユーザはボタン部を押すことで集塵電極21の回動を自発的に制御することができっる。たとえば、ボタン部がトリガーされると、駆動装置は集塵電極21を1回回動駆動する。ボタン部は機械ボタンであってもよく、タッチスクリーンに設けられた仮想ボタンであってもよい。
【0045】
代替実施例では、集塵電極ユニットは、全体として発電極ユニットに対して移動可能に構成されており、それによって、集塵電極ユニットの集塵電極の、発電極ユニットに対する位置及び向きのうちの少なくとも1つが変えられる。たとえば、集塵電極ユニットは全体として回動可能、又は発電極ユニットに対して移動可能に構成され、この構成方式については前述集塵電極の構成設置と類似するため、ここで詳しく説明しない。
【0046】
さらに、図3に示すように、本開示に係る空気清浄装置は、一次ろ過網3とオゾン還元網4をさらに備え、気流の流動方向において、一次ろ過網3、発電極ユニット1、集塵電極ユニット2、及びオゾン還元網4が順次配置され、一次ろ過網3により空気を予備ろ過することで、集塵電極ユニット2の1回の使用時間が長くなり、空気清浄装置の空気清浄過程に生じるオゾンがオゾン還元網4で分解される。
【0047】
当業者が理解できるように、矛盾しない限り、上記の各好適な形態を任意に組み合わせたり、融合したりすることができる。
【0048】
なお、上記実施形態は例示的なものに過ぎず、制限的なものではなく、本開示の基本原理から逸脱することなく、当業者は上記詳細に対して各種の明らかな又は等同な修正又は置換を行うことができ、これらはすべて本開示の特許請求の範囲に含まれる。
図1
図2
図3