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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】表示システムおよび表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/00 20060101AFI20230116BHJP
   G06F 13/38 20060101ALI20230116BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20230116BHJP
   G09G 5/14 20060101ALI20230116BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20230116BHJP
【FI】
G06F3/00 A
G06F13/38 350
G09G5/00 555D
G09G5/14 E
H04N5/66 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021112141
(22)【出願日】2021-07-06
(65)【公開番号】P2022022114
(43)【公開日】2022-02-03
【審査請求日】2021-07-06
(31)【優先権主張番号】109125017
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】502361706
【氏名又は名称】技嘉科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Giga-Byte Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.6,Bau Chiang Rd.Hsin-Tien,Taipei 231,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】陳 金輝
(72)【発明者】
【氏名】衷 爾佳
(72)【発明者】
【氏名】張 桂山
【審査官】打出 義尚
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0124009(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0250759(US,A1)
【文献】特表2015-535352(JP,A)
【文献】特開2009-294797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/00
G06F 13/38
G09G 5/00
G09G 5/14
H04N 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置であって、
携帯機器に接続され、前記表示装置と前記携帯機器間のUSB信号が画像伝送チャネルおよびデータ伝送チャネルを含むUSB Type-Cコネクタ、
表示パネル、
前記画像伝送チャネルを前記USB信号の前記データ伝送チャネルから分離するように構成された多重化回路、
前記多重化回路の動作モードを制御するように構成されたスイッチ回路、および
前記表示パネルの表示モードを制御するように構成された表示コントローラを含み、
前記表示パネルが第1の表示モードにあることに応じて、前記表示コントローラは、制御信号を前記スイッチ回路に送信して、前記多重化回路を制御して第1の動作モードに切り替え、
前記多重化回路が前記第1の動作モードにあることに応じて、前記携帯機器は、前記画像伝送チャネルではホスト端末として機能し、前記データ伝送チャネルではデバイス端末として機能し、
前記表示コントローラは、前記表示装置の第1の伝送インターフェースを介して、ホストから第1の画像信号を受信し、前記画像伝送チャネルを介して前記携帯機器から第2の画像信号を受信し、
前記第1の表示モードは、ピクチャーインピクチャー(PIP)モードまたはピクチャーバイピクチャー(PBP)モードである表示装置。
【請求項2】
少なくとも1つの周辺装置に接続し、前記表示装置の第2の伝送インターフェースを介して前記ホストから第1のデータ信号を受信するように構成されたUSBハブをさらに含み、
前記多重化回路が前記第1の動作モードにあることに応じて、前記第1のデータ信号は、前記USBハブ、前記スイッチ回路、および前記多重化回路を順次に介して前記携帯機器に送信され、前記ホストが前記携帯機器の記憶媒体を認識し、前記記憶媒体内のデータにアクセスするようにする請求項に記載の表示装置。
【請求項3】
前記データ伝送チャネルの場合、前記USB Type-Cコネクタは、前記USBハブから延長されたUSB Type-C下流側ポート(DFP)である請求項に記載の表示装置。
【請求項4】
オンスクリーンディスプレイ(OSD)インターフェースを呼び出すように構成された入力インターフェースをさらに含み、前記第1の表示モードでは、前記OSDインターフェースは、前記第1の画像信号または前記第2の画像信号の表示画面を制御する前記少なくとも1つの周辺機器を選択するように用いられる請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1の表示モードが前記PIPモードであるとき、前記表示コントローラは、もう1つの制御信号を前記スイッチ回路に送信し、前記USBハブに接続された前記少なくとも1つの周辺機器からのデータ信号が、前記PIPモードのメインウィンドウに対応する前記ホストまたは前記携帯機器に接続されるようにする請求項に記載の表示装置。
【請求項6】
携帯機器、
ホスト、および
表示装置を含み、
前記表示装置は、
前記携帯機器に接続され、表示装置と前記携帯機器間のUSB信号が画像伝送チャネルおよびデータ伝送チャネルを含むUSB Type-Cコネクタ、
表示パネル、
前記画像伝送チャネルを前記USB信号の前記データ伝送チャネルから分離するように構成された多重化回路、
前記多重化回路の動作モードを制御するように構成されたスイッチ回路、および
前記表示パネルの表示モードを制御するように構成された表示コントローラを含み、
前記表示パネルが第1の表示モードにあることに応じて、前記表示コントローラは、制御信号を前記スイッチ回路に送信して、前記多重化回路を制御して第1の動作モードに切り替え、
前記多重化回路が前記第1の動作モードにあることに応じて、前記携帯機器は、前記画像伝送チャネルではホスト端末として機能し、前記データ伝送チャネルではデバイス端末として機能し、
前記表示コントローラは、前記表示装置の第1の伝送インターフェースを介して、ホストから第1の画像信号を受信し、前記画像伝送チャネルを介して前記携帯機器から第2の画像信号を受信し、
前記第1の表示モードは、ピクチャーインピクチャー(PIP)モードまたはピクチャーバイピクチャー(PBP)モードである表示システム。
【請求項7】
前記表示装置は、USBハブをさらに含み、前記USBハブは、少なくとも1つの周辺装置に接続し、前記表示装置の第2の伝送インターフェースを介して前記ホストから第1のデータ信号を受信するように構成され、
前記多重化回路が前記第1の動作モードにあることに応じて、前記第1のデータ信号は、前記USBハブ、前記スイッチ回路、および前記多重化回路を順次に介して前記携帯機器に送信され、前記ホストが前記携帯機器の記憶媒体を認識し、前記記憶媒体内のデータにアクセスするようにする請求項に記載の表示システム。
【請求項8】
前記データ伝送チャネルの場合、前記USB Type-Cコネクタは、前記USBハブから延長されたUSB Type-C下流側ポート(DFP)である請求項に記載の表示システム。
【請求項9】
前記表示装置は、オンスクリーンディスプレイ(OSD)インターフェースを呼び出すように構成された入力インターフェースをさらに含み、前記第1の表示モードでは、前記OSDインターフェースは、前記第1の画像信号または前記第2の画像信号の表示画面を制御する前記少なくとも1つの周辺機器を選択するように用いられる請求項に記載の表示システム。
【請求項10】
前記第1の表示モードが前記PIPモードであるとき、前記表示コントローラは、もう1つの制御信号を前記スイッチ回路に送信し、前記USBハブに接続された前記少なくとも1つの周辺機器からのデータ信号が、前記PIPモードのメインウィンドウに対応する前記ホストまたは前記携帯機器に接続されるようにする請求項に記載の表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年7月24日に出願された台湾特許出願番号第109125017号についての優先権を主張するものであり、これらの全ては引用によって本願に援用される。
【0002】
本発明は、表示装置に関するものであり、特に、表示システムおよび表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
現在市販されている表示装置(例えば、テレビやパソコンのモニター)は、ますます多くの機能を備えており、パソコンや携帯機器などの、画像ソースとする複数の機器に接続されることができる。また、携帯機器には記憶媒体が搭載されている。しかしながら、従来の表示装置の限界により、パソコンと携帯機器を同時に画像ソースとして用いるとき、パソコンは携帯機器の記憶媒体のデータにアクセスできず、ユーザーエクスペリエンスが低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示システムおよび表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、添付の図面と併せて本開示の実施形態を詳細に説明する。
【0006】
例示的な実施形態では、表示装置が提供される。表示装置は、USB(Universal Serial Bus)Type-Cコネクタ、表示パネル、多重化回路、スイッチ回路、および表示コントローラを含む。USB Type-Cコネクタは、携帯機器に接続され、表示装置と携帯機器間のUSB信号は、画像伝送チャネルおよびデータ伝送チャネルを含む。多重化回路は、画像伝送チャネルをUSB信号のデータ伝送チャネルから分離するように構成される。スイッチ回路は、多重化回路の動作モードを制御するように構成される。表示コントローラは、表示パネルの表示モードを制御するように構成される。表示パネルが第1の表示モードにあることに応じて、表示コントローラは、制御信号をスイッチ回路に送信して、多重化回路を制御して第1の動作モードに切り替える。多重化回路が第1の動作モードにあることに応じて、携帯機器は、画像伝送チャネルではホスト端末として機能し、データ伝送チャネルではデバイス端末として機能する。
【0007】
いくつかの実施形態では、表示コントローラは、表示装置の第1の伝送インターフェースを介して、ホストから第1の画像信号を受信し、画像伝送チャネルを介して携帯機器から第2の画像信号を受信する。また、第1の表示モードは、ピクチャーインピクチャー(PIP)モードまたはピクチャーバイピクチャー(PBP)モードである。
【0008】
いくつかの実施形態では、表示装置は、USBハブをさらに含む。USBハブは、少なくとも1つの周辺装置に接続し、表示装置の第2の伝送インターフェースを介してホストから第1のデータ信号を受信するように構成される。多重化回路が第1の動作モードにあることに応じて、第1のデータ信号は、USBハブ、スイッチ回路、および多重化回路を順次に介して携帯機器に送信され、ホストが携帯機器の記憶媒体を認識し、記憶媒体内のデータにアクセスするようにする。
【0009】
いくつかの実施形態では、USB Type-Cコネクタは、USBハブから延長されたUSB Type-C下流側ポート(DFP)である。
【0010】
いくつかの実施形態では、表示装置は、オンスクリーンディスプレイ(OSD)インターフェースを呼び出すように構成された入力インターフェースをさらに含み、OSDインターフェースは、第1の画像信号または第2の画像信号の表示画面を制御する少なくとも1つの周辺機器を選択するように用いられる。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の表示モードがPIPモードであるとき、表示コントローラは、もう1つの制御信号をスイッチ回路に送信し、USBハブに接続された少なくとも1つの周辺機器からのデータ信号が、PIPモードのメインウィンドウに対応するホストまたは携帯機器に接続されるようにする。
【0012】
もう1つの例示的な実施形態では、表示システムが提供される。表示システムは、携帯機器、ホスト、および表示装置を含む。表示装置は、USB(Universal Serial Bus)Type-Cコネクタ、表示パネル、多重化回路、スイッチ回路、および表示コントローラを含む。USB Type-Cコネクタは、携帯機器に接続され、表示装置と携帯機器間のUSB信号は、画像伝送チャネルおよびデータ伝送チャネルを含む。多重化回路は、画像伝送チャネルをUSB信号のデータ伝送チャネルから分離するように構成される。スイッチ回路は、多重化回路の動作モードを制御するように構成される。表示コントローラは、表示パネルの表示モードを制御するように構成される。表示パネルが第1の表示モードであることに応じて、表示コントローラは、制御信号をスイッチ回路に送信して、多重化回路が第1の動作モードに切り替わるように制御する。多重化回路が第1の動作モードにあることに応じて、携帯機器は、画像伝送チャネルではホスト端末として機能し、データ伝送チャネルではデバイス端末として機能する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明から、より完全に理解することができる。
図1】本発明の実施形態による表示システムのブロック図である。
図2A】本発明の一実施形態による、異なる表示モードでの表示システムの画像信号およびデータ信号の経路の図である。
図2B】本発明の一実施形態による、異なる表示モードでの表示システムの画像信号およびデータ信号の経路の図である。
図2C】本発明の一実施形態による、異なる表示モードでの表示システムの画像信号およびデータ信号の経路の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この説明は、本発明の一般原理を例示する目的のものであり、本発明を限定するものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参考にして決定される。
【0015】
本明細書で用いられる「含む」、「備える」などの用語は、特定の技術的特徴、数値、方法ステップ、作業プロセス、構成要素、および/またはコンポーネントの存在を示すために用いられるものであるが、より多くの技術的特徴、数値、方法ステップ、作業プロセス、構成要素、コンポーネント、または上述の任意の組み合わせを追加できることを排除するものではないことを理解されたい。
【0016】
請求項における「第1」、「第2」、および「第3」などの用語は、請求項における要素を変更するために使用され、優先順位があること、先行関係があること、または別の要素より先行する要素があること、または方法のステップを実行するときの時系列順があることを示すために用いられるものではなく、同じ名前の要素を区別するためにのみ用いられるものである。
【0017】
図1は、本発明の実施形態による表示システムのブロック図である。
【0018】
表示システム1は、ホスト100、表示装置200、および携帯機器20を含み得る。ホスト100および表示装置200は、総括して電子機器10と見なすことができる。例えば、電子機器10は、表示装置を備えたパソコン、ラップトップ、サーバ、またはスマートテレビであり得る。また、電子機器10の表示装置200以外の構成要素は、ホスト100と定義される。表示装置200は、液晶ディスプレイ、コンピュータモニタ、電子掲示板、テレビ、または画像を表示することができる任意の装置であり得る。図1に示されるように、電子機器10は、ホスト100および表示装置200を含むことができ、ホスト100および携帯機器20は、表示装置200と信号接続される。例えば、ホスト100は、処理ユニット110と、グラフィックス処理ユニット(GPU)120と、メモリユニット130と、記憶装置140と、伝送インターフェース152および153とを含むことができる。処理ユニット110、GPU120、メモリユニット130、記憶装置140、および伝送インターフェース153は、システムバス111を介して互いに結合されることができる。処理ユニット110は、例えば、中央処理ユニット(CPU)、汎用プロセッサなどであることができるが、本発明はそれらに限定されない。グラフィックス処理ユニット120は、例えば、ビデオアダプタ上のグラフィックス処理ユニットであり、または処理ユニット110に統合されることができる。
【0019】
メモリユニット130は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)またはダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)などのランダムアクセスメモリであることができるが、本発明はそれらに限定されない。記憶装置140は、ハードディスクドライブ、ソリッドステートディスク(SSD)、フラッシュメモリ、または読み取り専用メモリ(ROM)などの不揮発性メモリであることができるが、本発明はそれらに限定されない。
【0020】
例えば、記憶装置140は、1つまたは複数のアプリケーション141およびオペレーティングシステム142(例えば、Windows(登録商標)、Linux(登録商標)、MacOS(登録商標)など)を記憶することができる。処理ユニット110は、オペレーティングシステム142および1つ以上のアプリケーション141をメモリユニット130にローディングし、実行することができる。グラフィックス処理ユニット120は、例えば、処理ユニット110によって実行されたアプリケーションのグラフィックス処理を行い、1つ以上の画像を含む画像信号を生成し、画像信号を、伝送インターフェース152を介して表示装置200の伝送インターフェース252に送信することができ、伝送インターフェース152と252間のチャネルは、画像伝送チャネルと見なすことができる。伝送インターフェース152および252は、有線伝送インターフェースおよび/または無線伝送インターフェースを含むことができる。有線伝送インターフェースは、高解像度マルチメディアインタフェース(HDMI(登録商標))、DisplayPort(DP)インターフェース、埋め込みDisplayPort(eDP)インターフェース、低電圧差動信号(LVDS)インターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、USB Type-Cインターフェース、Thunderbolt(登録商標)インターフェース、デジタルビデオインターフェース(DVI)、ビデオグラフィックスアレイ(VGA)インターフェース、汎用入出力(GPIO)インターフェース、ユニバーサル非同期レシーバー/トランスミッター(UART)インターフェース、シリアル周辺インターフェース(SPI)、I2C(Inter-Integrated Circuit)インターフェース、またはそれらの組み合わせを含むことができる。無線伝送インターフェースは、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(登録商標)、近距離無線通信(NFC)インターフェースなどを含むことができるが、本発明はそれらに限定されない。
【0021】
さらに、処理ユニット110は、伝送インターフェース153を介して、表示装置200の伝送インターフェース253にデータを送信することができ、伝送インターフェース153および253は、USB3.1プロトコルおよび/またはUSB2.0プロトコルをサポートするユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースであり得る。伝送インターフェース153と253間のチャネルは、データ伝送チャネルと見なすことができる。例えば、ホスト100および表示装置200は、USB 3.1プロトコルで定義された4つのSuperSpeedチャネルおよび/または2つのFullSpeedチャネルを介して互いにデータを送信することができる。表示装置200の伝送インターフェース253は、上流側ポート(Upstream Facing Port; UFP)Type-Bポートであり得ることに留意されたい。これは、ホスト100および表示装置200がデータを送信しているとき、ホスト100がホスト端末として機能し、表示装置200がデバイス端末として機能することを意味する。
【0022】
さらに、携帯機器20は、例えば、スマートフォン、タブレットPC、またはラップトップであってもよく、表示画面21と記憶媒体23を含んでもよい。表示画面21は、表示画像を表示するように構成され、記憶媒体23は、データを記憶するように構成される。また、携帯機器20は、その伝送インターフェース22を介して、表示装置200の伝送インターフェース251に接続されることができ、伝送インターフェース22および251は、USB 3.1Gen1以上のプロトコルをサポートするUSB Type-Cコネクタであることができる。具体的には、伝送インターフェース22と251間のチャネルは、画像伝送チャネルおよびデータ伝送チャネルを含み得る。例えば、携帯機器20は、USB Type-Cインターフェースの2つのSuperSpeedチャネルを介して、画像信号を表示装置200に送信し、USB Type-Cインターフェースの2つのSuperSpeedチャネルと2つのHighSpeedチャネルを介して表示装置200にデータを送信することができる。あるいは、DisplayPort代替(Alternate)モードでは、携帯機器20は、USB Type-Cインターフェースの4つのSuperSpeedチャネルを介して、画像信号を表示装置200に送信し、USB Type-Cインターフェースの2つのHighSpeedチャネルを介して表示装置200にデータを送信することができる。伝送インターフェース251は、上流側ポート(Upstream Facing Port; UFP)Type-Bポートであり得ることに留意されたい。これは、携帯機器20および表示装置200が互いにデータを送信しているとき、携帯機器20がホスト端末として機能し、表示装置200がデバイス端末として機能することを意味する。
【0023】
表示装置200は、例えば、フラットパネルディスプレイ、テレビ、プロジェクタ、コンピュータモニタなどであることができるが、本発明はそれらに限定されない。表示装置200は、表示コントローラ210、表示モジュール220、記憶ユニット230、画像バッファ240、伝送インターフェース251~255、入力インターフェース260、およびUSBハブ270を含む。
【0024】
表示コントローラ210は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、プロセッサ、またはマイクロコントローラによって実装されることができるが、本発明はそれらに限定されない。
【0025】
表示モジュール220は、例えば、液晶表示パネル、発光ダイオード(LED)表示パネル、有機発光ダイオード(OLED)表示パネル、陰極線管(CRT)ディスプレイ、E-Inkディスプレイモジュール、エレクトロルミネセントディスプレイモジュール、プラズマディスプレイモジュール、プロジェクションディスプレイモジュール、または量子ドットディスプレイモジュールであることができるが、本発明はこれらに限定されない。
【0026】
記憶ユニット230は、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)などの不揮発性メモリであることができるが、本発明はこれらに限定されない。記憶ユニット230は、表示装置200に関連するファームウェア231を記憶するように構成される。記憶ユニット230は、表示コントローラ210の外部に配置されてもよく、あるいは、表示コントローラ210内に統合されてもよい。
【0027】
ファームウェア231は、例えば、表示装置200の拡張ディスプレイ識別データ(EDID)および表示設定、ならびに1つ以上のオンスクリーンディスプレイ(OSD)インターフェース233を含むことができる。EDIDは、例えば、表示装置200の製造業者、製品名、解像度、フレーム毎秒(FPS)などの情報を含むことができる。表示装置200の表示設定は、表示装置200の輝度、コントラスト、シャープネス、色温度などを含むことができる。ファームウェア232は、表示装置200のOSDインターフェース233を制御するのに用いられることができる。
【0028】
一実施形態では、表示コントローラ210は、バス(例えば、I2Cバス)を介して記憶ユニット230に記憶されたファームウェア231、232、およびOSDインターフェース233を読み取り、対応する表示パラメータを構成することができる。さらに、表示コントローラ210は、表示装置200のEDIDを、伝送インターフェース252または253(例えば、画像伝送チャネルまたはデータ伝送チャネルであってもよい)を介してホスト100に送信することができ、これにより、ホスト100の処理ユニット110およびグラフィックス処理ユニット120は、EDIDに基づいて、出力画像信号の解像度および対応する同期信号を構成することができる。OSDインターフェース233は、例えば、OSDメニューおよび対応するオプション、情報ダッシュボード、タイマー、カウンター、クロスヘア、特定のシンボル、特定のカラー、特定のテキスト、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、本発明は、それらに限定されない。
【0029】
画像バッファ240は、例えば、揮発性メモリ(例えば、DRAM)または不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)であることができ、これは、表示モジュール220に表示される出力画像を記憶するように構成されており、ホスト100または表示コントローラ210は、ホスト100によって生成されたOSD制御信号に従って、画像バッファ240に記憶された画像信号の特定の領域に1つ以上のOSDインターフェース233を上書きして、出力画像を生成する。
【0030】
入力インターフェース260は、表示装置200のOSDメニューを制御するように構成される。入力インターフェース260は、1つ以上の物理ボタン261または5方向ジョイスティック262によって実施されて、上、下、左、右、および確認などの指示を実施することができる。ホスト100は、ハブ270によって伝送インターフェース153および253を介して表示コントローラ210にデータを送信することができる。同様に、表示コントローラ210も、ハブ270によって伝送インターフェース153および253を介してホスト100にデータを送信することができる。
【0031】
USBハブ270は、伝送インターフェース253(例えば、USB Type-Cインターフェース)によって、ホスト100からUSBデータ信号を受信することができ、表示コントローラ210は、USBハブ270によって伝送インターフェース253を介して、ホスト100にもう1つのUSBデータ信号を送信することができる。USBデータ信号は、USB SuperSpeedデータ信号およびUSB HighSpeedデータ信号を含むことができ、USB SuperSpeedデータ信号は、USB3.1 Gen1以上のプロトコルで定義された伝送速度をサポートするデータ信号であることができ、USB Type-Cインターフェースの2つのUSB SuperSpeedチャネルは、USB SuperSpeedデータ信号によって用いられてデータ伝送を行うことができる。USB SuperSpeedチャネル1および2(即ち、レーン0)は、伝送インターフェース253(例えば、USB Type-Cインターフェース)のピンA2-A3(TX1+およびTX-)およびB10-B11(RX1-およびRX1+)であることができる。USB SuperSpeedチャネル3および4(即ち、レーン1)は、伝送インターフェース253(例えば、USB Type-Cインターフェース)のピンA10-A11(RX2-およびRX2+)およびB2-B3(TX2+およびTX2-)であることができる。例えば、USB HighSpeedデータ信号は、USB2.0プロトコルで定義された伝送速度をサポートするデータ信号であることができる。例えば、USB HighSpeedデータ信号は、USB2.0インターフェースのピンA6-A7またはピンB6-B7で定義された差動信号ペア(D+およびD-ピン)を用いてデータ伝送を行うことができる。また、表示装置200は、キーボード、マウス、または他の外部USB記憶装置などの周辺装置291および292にそれぞれ接続される伝送インターフェース254および255(例えば、USB Type-Aインターフェース)をさらに含み得る。
【0032】
多重化回路281は、伝送インターフェース251から携帯機器20によって受信されたUSB信号の画像信号およびデータ信号を分離し、画像信号とデータ信号をそれぞれ表示コントローラ210およびスイッチ回路282に送信することができる。伝送インターフェース251の伝送モードに応じて、画像信号はUSB Type-Cインターフェースの4つのUSB SuperSpeedチャネルまたは2つのUSB SuperSpeedチャネルを用いることができ、データ信号は、それに応じて、2つのUSB HighSpeedチャネル、または2つのUSB SuperSpeedチャネルと2つのUSB HighSpeedチャネルを用いることができる。
【0033】
スイッチ回路282は、表示コントローラ210からの制御信号に従って、多重化回路281の動作モード、例えば、第1の動作モードおよび第2の動作モードを制御することができ、詳細は後述する。
【0034】
図2A図2Cは、本発明の一実施形態による、異なる表示モードでの表示システムの画像信号およびデータ信号の経路の図である。
【0035】
図2Aの表示モードでは、ホスト100は、伝送インターフェース152および252(例えば、画像伝送チャネル31)を介して画像信号を表示コントローラ210に送信することができ、表示コントローラ210は、画像信号を表示モジュール220に表示することができる。表示コントローラ210は、このとき、携帯機器20からの画像信号を無視し、スイッチ回路282は、多重化回路281とスイッチ回路282間のデータ伝送を遮断することができることに留意されたい。また、ホスト100は、インターフェース153および253(例えば、データ伝送チャネル32)を介して、USBハブ270とのデータ伝送をさらに実行することができ、周辺装置291および292は、破線経路50に示されるように、データ伝送チャネル32を介してホスト100と通信することができる。この表示モードでは、ホスト100は、データ伝送チャネル32を介して周辺装置291および292を認識することができ、従って、ユーザは、周辺装置291および292を用いて、ホスト100の表示画面上で、キーボード信号の入力、画面上のカーソルの制御、またはマウスボタンの押下などの操作を行うことができる。
【0036】
図2Bの表示モードでは、携帯機器20は、伝送インターフェース22および251(例えば、伝送チャネル33)を介して、画像信号およびデータ信号を多重化回路281に送信することができ、多重化回路281は、画像信号を表示コントローラ210に送信することができ、表示コントローラ210は、画像信号を表示モジュール220に表示することができる。表示コントローラ210は、ホスト100からの画像信号を無視することができることに留意されたい。この表示モードでは、表示コントローラ210は、制御信号283(例えば、高い論理状態のGPIO信号)をスイッチ回路282に送信することができ、多重化回路281は、破線経路51によって示されるように、スイッチ回路282のチャネル284(例えば、UFP_0aチャネルと見なされる)を介してデータ信号をUSBハブ270に送信することができる。従って、データ信号の場合、携帯機器20は、ホスト端末として機能することができ(即ち、伝送インターフェース22は、このとき下流側ポート(DFP)である)、USBハブ270に接続された周辺装置291および292は、デバイス端子として機能することができる(即ち、伝送インターフェース251は、このとき上流側ポート(UFP)である)。また、画像信号の場合、携帯機器20はホスト端末またはソース端末として機能し、表示コントローラ210はクライアント端末またはデバイス端末として機能することができる。
【0037】
従って、図2Bの表示モードでは、多重化回路281は、第2の動作モードに切り替えられる。第2の動作モードでは、携帯機器20は、データ伝送チャネルおよび画像伝送チャネルのマスターとして機能することができる。また、携帯機器20は、図2Bに示された画像伝送チャネルとデータ伝送チャネルの接続を用いて、その画面を表示装置200に投影することができ、ユーザも周辺装置291および292を用いて、携帯機器20の表示画面を制御することができる。
【0038】
図2Cでは、表示装置200の表示モードは、第1の表示モードと見なされるピクチャーインピクチャー(PIP)モードまたはピクチャーバイピクチャー(PBP)モードに設定される。即ち、表示コントローラ210は、ホスト100からの第1の画像信号と、携帯機器20からの第2の画像信号とを同時に受信し、設定されている表示モードに応じて、第1の画像信号および第2の画像信号に対して対応するイメージスケーリングおよびオーバーレイ処理を行う。上述の画像処理は当業者には周知であるため、ここでは詳細を省略する。
【0039】
図2Aおよび図2Bの表示モードでは、表示装置200の場合、ホスト100および携帯機器20は、画像伝送チャネルでもデータ伝送チャネルでもホスト端末として機能する。換言すれば、表示装置200の2つのUSB Type-Cインターフェース(即ち、伝送インターフェース251および253)は、UFPである。しかしながら、図2CのPIPモードまたはPBPモードでは、ホスト100および携帯機器20は、それぞれ第1の画像信号および第2の画像信号を表示装置200に出力するため、従来のUSB Type-Cインターフェースは、画像信号とデータ信号を同じ役割(つまり、両方ともUFPまたはDFP)と見なしていた。即ち、ホスト100と携帯機器20間で 接続するUSB Type-CインターフェースはUFPである。従って、画像信号およびデータ信号の場合、ホスト100および携帯機器20は、依然として従来の表示装置のホスト端末として機能する。この状況では、ホスト100と携帯機器20は同じ従来の表示装置に接続されるが、ホスト100は携帯機器20の記憶媒体23を認識することができない。即ち、ホスト100は、このとき、携帯機器20の記憶媒体23内のデータにアクセスすることができない。しかしながら、本発明の表示装置200は、上述の技術的問題を解決することができる。
【0040】
具体的には、図2CのPIPモードまたはPBPモードでは、ホスト100は、依然として画像信号およびデータ信号のソース端末またはホスト端末として機能する。ホスト100から表示装置200の伝送インターフェース253へのUSBデータ信号は、USBハブ270に送信され、USBハブ270は、2つのUSB Type-Aポート(即ち、伝送インターフェース254および255)に拡張される。このとき、表示コントローラ210は、制御信号(即ち、低い論理状態)をスイッチ回路282に送信し、USBハブ270の出力信号は、チャネル285(例えば、DFP_0bチャネル)および多重化回路281を介して伝送インターフェース251に送信されることができる。従って、データ信号の場合、伝送インターフェース251は、元のUSB Type-C UFPからUSBハブ拡張機能のUSB Type-C DFPに変更される。従って、図2CのPIPモードまたはPBPモードでは、多重化回路281は、第1の動作モードに切り替えられる。第1の動作モードでは、周辺装置291および292は、ホスト100に接続され、ホスト100からのデータ信号は、破線経路52に示されるように、USBハブ270、スイッチ回路282、および多重化回路281を介して携帯機器20と通信することができる。携帯機器20は、画像伝送チャネルではホスト端末として機能するが、データ伝送チャネルではデバイス端末として機能する。従って、表示装置200がPIPモードまたはPBPモードに設定されたとき、ホスト100は、上述のデータ経路を介して携帯機器20の記憶媒体23を認識し、記憶媒体23内のデータにアクセスすることができる。
【0041】
もう1つの実施形態では、表示装置200は、PIPモードまたはPBPモードに設定されることができるが、周辺装置291および292は、表示装置200のUSBハブ270に接続されるため、周辺装置291および292は、ホスト100または携帯機器20のいずれかの表示画面を制御するように用いられることができる。この状況では、ユーザは、表示装置200の入力インターフェース260を介してOSDインターフェース233を呼び出し、OSDインターフェース233を介して周辺装置291および292からのデータ信号に対応するホスト端末の伝送インターフェースを選択することができる。例えば、伝送インターフェース251または253を選択することができる。
【0042】
さらにもう1つの実施形態では、表示装置200がPIPモードに設定されたとき、表示コントローラ210は、対応する制御信号をスイッチ回路282に送信し、周辺装置291および292からUSBハブ270へのデータ信号がメインウィンドウの対応するデバイス(即ち、より大きな画像)に接続されるようにする。ホスト100の表示画面がメインウィンドウである場合、USBハブ270は、周辺装置291および292からのデータ信号を対応する伝送インターフェース253に切り替える。携帯機器20の表示画面がメインウィンドウである場合、USBハブ270は、周辺装置291および292からのデータ信号を(例えば、スイッチ回路282および多重化回路281を介して)対応する伝送インターフェース251に切り替える。
【0043】
本発明は、例として及び望ましい実施の形態によって記述されているが、本発明は開示された実施形態に限定されるものではない。逆に、当業者には自明の種々の変更及び同様の配置をカバーするものである。よって、添付の特許請求の範囲は、最も広義な解釈が与えられ、全てのこのような変更及び同様の配置を含むべきである。
【符号の説明】
【0044】
1 表示システム
10 電子機器
20 携帯機器
21 表示画面
22 伝送インターフェース
23 記憶媒体
31 画像伝送チャネル
32 データ伝送チャネル
33 伝送チャネル
50~52 破線経路
100 ホスト
110 処理ユニット
111 システムバス
120 グラフィックス処理ユニット(GPU)
130 メモリユニット
140 記憶装置
141 アプリケーション
142 オペレーティングシステム
152、153 伝送インターフェース
200 表示装置
210 表示コントローラ
211 イメージスケーラー
212 タイミングコントローラ
220 表示モジュール
230 記憶ユニット
231、232 ファームウェア
233 オンスクリーンディスプレイ(OSD)インターフェース
240 画像バッファ
251~255 伝送インターフェース
260 入力インターフェース
261 物理ボタン
262 5方向ジョイスティック
270 USBハブ
281 多重化回路
282 スイッチ回路
283 制御信号
284~285 チャネル
291、292 周辺装置
図1
図2A
図2B
図2C