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<図1>
  • 特許-太陽電池接続箱のための熱放散 図1
  • 特許-太陽電池接続箱のための熱放散 図2A
  • 特許-太陽電池接続箱のための熱放散 図2B
  • 特許-太陽電池接続箱のための熱放散 図2C
  • 特許-太陽電池接続箱のための熱放散 図2D
  • 特許-太陽電池接続箱のための熱放散 図2E
  • 特許-太陽電池接続箱のための熱放散 図2F
  • 特許-太陽電池接続箱のための熱放散 図3A
  • 特許-太陽電池接続箱のための熱放散 図3B
  • 特許-太陽電池接続箱のための熱放散 図3C
  • 特許-太陽電池接続箱のための熱放散 図4
  • 特許-太陽電池接続箱のための熱放散 図5A
  • 特許-太陽電池接続箱のための熱放散 図5B
  • 特許-太陽電池接続箱のための熱放散 図6A
  • 特許-太陽電池接続箱のための熱放散 図6B
  • 特許-太陽電池接続箱のための熱放散 図6C
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】太陽電池接続箱のための熱放散
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/16 20060101AFI20230116BHJP
   H02S 40/34 20140101ALI20230116BHJP
   H02S 40/32 20140101ALI20230116BHJP
   H05K 7/06 20060101ALI20230116BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20230116BHJP
【FI】
H02G3/16
H02S40/34
H02S40/32
H05K7/06 C
H05K7/20 F
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021137161
(22)【出願日】2021-08-25
(62)【分割の表示】P 2018060106の分割
【原出願日】2018-03-27
(65)【公開番号】P2022002466
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2021-09-17
(31)【優先権主張番号】62/478,245
(32)【優先日】2017-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517094840
【氏名又は名称】ソーラーエッジ テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポメランツ,アディ ナオール
(72)【発明者】
【氏名】イラニ,ダン
(72)【発明者】
【氏名】ガジット,メイア
(72)【発明者】
【氏名】セラ,ガイ
(72)【発明者】
【氏名】ガリン,ヨアフ
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-239161(JP,A)
【文献】特開2006-136147(JP,A)
【文献】特開2012-178535(JP,A)
【文献】特開2016-152349(JP,A)
【文献】特開2015-211634(JP,A)
【文献】特開2000-133831(JP,A)
【文献】特開2011-109029(JP,A)
【文献】特開2006-269803(JP,A)
【文献】特開2014-17332(JP,A)
【文献】特開2006-73978(JP,A)
【文献】特表2011-518441(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0103497(US,A1)
【文献】米国特許第9101082(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0195585(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/16
H02S 40/34
H02S 40/32
H05K 7/06
H05K 7/20
H01B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続箱であって、
複数のバスバーと、前記複数のバスバーのうちの2つのバスバー間に結合された少なくとも一つのバイパス機構とを含むベースと、
前記ベースの上に取り付けられるように構成されたカバーと、
を備え、
前記複数のバスバーの少なくとも1つは、多方向ヒートスプレッダであり、
前記複数のバスバーのうちの1つ以上のバスバーは、熱を前記ベースの方向に及び前記カバーの方向に伝導するように設計され、
熱放散機構は、前記カバーに取り付けられ、
前記熱放散機構は、前記カバーが前記ベースの上に取り付けられるときに前記1つ以上のバスバーと熱接触する、接続箱。
【請求項2】
前記複数のバスバーのうちの1つ以上のバスバーが、熱を第1の方向に伝導するように設計された第1の熱拡散部分と、熱を第2の方向に伝導するように設計された第2の熱拡散部分とを含む、請求項1に記載の接続箱。
【請求項3】
複数のコネクタをさらに備え、各コネクタが、太陽光発電機からの電流を搬送する導体に接続されるように設計され、各コネクタが、前記複数のバスバーのうちの1つのバスバーに電気的に結合される、請求項1に記載の接続箱。
【請求項4】
前記少なくとも一つのバイパス機構がダイオードを含む、請求項1に記載の接続箱。
【請求項5】
前記少なくとも一つのバイパス機構が複数のバイパス機構を含み、前記複数のバイパス機構が直列に結合される、請求項1に記載の接続箱。
【請求項6】
前記複数のバイパス機構のうちの2つ以上のバイパス機構と並列に配置される付加的なバイパス機構をさらに備える、請求項5に記載の接続箱。
【請求項7】
前記付加的なバイパス機構が、前記複数のバスバーのうちの最初のバスバーと前記複数のバスバーのうちの最後のバスバーとの間で電気的に接続される、請求項6に記載の接続箱。
【請求項8】
前記付加的なバイパス機構がダイオードを含む、請求項6に記載の接続箱。
【請求項9】
前記付加的なバイパス機構が制御型スイッチである、請求項6に記載の接続箱。
【請求項10】
付加的なバスバーをさらに備え、前記付加的なバイパス機構が、前記複数のバスバーのうちの1つのバスバーと前記付加的なバスバーとの間に結合される、請求項6に記載の接続箱。
【請求項11】
前記付加的なバイパス機構が、前記付加的なバイパス機構から前記複数のバスバーのうちの2つのバスバーの少なくとも1つに延びる導電ロッドを介して、前記複数のバスバーのうちの2つのバスバー間に結合される、請求項6に記載の接続箱。
【請求項12】
前記少なくとも一つのバイパス機構が複数のバイパス機構を含み、前記カバー上に取り付けられた付加的なバイパス機構をさらに備え、前記カバーが前記ベースの上に取り付けられるときに、前記付加的なバイパス機構が前記複数のバイパス機構のうちの2つ以上のバイパス機構と並列に配置される、請求項1に記載の接続箱。
【請求項13】
前記カバーは、発電機によって発生された第一電圧を有するDC電源をAC電源または第二電圧を有するDC電源に変換するように構成されている1つ以上の電力変換器を有する、請求項1に記載の接続箱。
【請求項14】
前記カバーは、前記接続箱内の少なくとも一つのコンポーネントを制御するように構成された少なくとも1つ以上のコントローラに通信可能に結合された通信デバイスを有する、請求項1に記載の接続箱。
【請求項15】
前記熱放散機構は、ファンを有する、請求項1に記載の接続箱。
【請求項16】
前記熱放散機構は、冷却剤を有する、請求項1に記載の接続箱。
【請求項17】
前記熱放散機構は、低温クーラーを有する、請求項1に記載の接続箱。
【請求項18】
前記熱放散機構は、サーマルグリース、サーマルパッド、サーマルパテ、サーマ
ルペースト、またはラミネートされたKapton(登録商標)ポリイミドフィルムのうち少なくとも一つを有する、請求項1に記載の接続箱。
【請求項19】
前記少なくとも一つのバイパス機構から放散された熱に耐える材料を含む区域をさらに備える、請求項1に記載の接続箱。
【請求項20】
方法であって、
複数のバスバーのうち2つのバスバー間に複数のバイパス機構を結合することと、
接続箱のベースの上に熱放散機構を有するカバーを取り付けることと、
を含み、
前記複数のバスバーの少なくとも1つは多方向ヒートスプレッダであり、前記複数のバスバーと複数のバイパス機構は前記接続箱のベース内に備えられており、前記接続箱はヒートシンクとして機能する壁をさらに有し、
前記複数のバスバーのうち1つ以上のバスバーは、熱を前記ベースの方向に及び前記カバーの方向に伝導するように設計され、
前記熱放散機構は、前記カバーが前記ベースの上に取り付けられるときに前記1つ以上のバスバーと接触する、方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0001】
多くの場合に、太陽電池パネルは、太陽電池セルの1つ以上のサブストリングを含む。サブストリングは、互いに接続され、ダイオードにも接続される場合がある。各ダイオードは、それぞれの並列のサブストリング又はいくつかのサブストリングのためのバイパスとして機能する場合がある。ダイオードは、電流がダイオードを通って流れるときの電力の実質的な損失を含むいくつかの欠点を有する。電力の損失だけでなく、ダイオードの温度の上昇も懸念となる場合がある。今日ではダイオードの多くは小さい箱に入れられ、温度が所望以上に上昇する場合があるので、ダイオードの周囲から熱を放散させる必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0002】
本明細書で開示される例示的な実施形態によれば、バイパス機構は、太陽光(PV)発電機、例えば、太陽電池(PV)セルのストリング又はサブストリング及び/又はPVパネルをバイパスするように適合される。バイパス機構は、太陽電池接続箱に収納されたコンポーネント又は回路の一部であってよい。コンポーネントは、いくつかのバイパス機構を含んでもよく、その数は、接続箱に電気的に結合されるストリング又はサブストリングの数に基づいていてよい。接続箱に収納されるコンポーネントは、バイパス機構を接続するリンクを含んでもよく、これはバスバーとも呼ばれる。バイパス機構間の接続リンクとして作用することに加えて、バスバーは、ヒートスプレッダとしても機能してよい。バイパス機構は、バイパス機構を通って流れる電流に起因する実質的な熱を取り出してよい。バスバー及びバイパス機構は、取り出した熱を効果的に放散させ、接続箱内に収納され得るバイパス機構又は他のコンポーネント又は回路への損傷を回避するために、接続箱内/上に配置されるように設計されてよい。本開示の一部の態様によれば、バスバーは、熱を接続箱カバーに拡散させてよく、カバーは、ヒートシンクとして機能してよい。本開示の一部の態様によれば、バスバーは、熱を接続箱ベースに拡散させてよく、接続箱ベースは、熱をPV発電機に及び環境に伝達してよい。本開示の一部の態様によれば、バスバーは、熱を接続箱カバーと接続箱ベースとの両方に拡散させてよい。本開示の一部の態様によれば、他の熱拡散要素が、接続箱内に配置され、熱を複数の方向に拡散させるように設計されてよい。
【0003】
一部の態様によれば、バイパス機構は、接続箱のベース内に収納され、取り付けられてよく、PV発電機に恒久的に電気的に結合されてよい。本開示の一部の態様によれば、バイパス機構は、接続箱のカバーに取り付けられてよく、接続箱カバーが接続箱ベース上に配置されるときにのみPV発電機に電気的に結合されてよい。接続箱はまた、他のコンポーネント及び/又は回路、例えば、直流-直流(DC/DC)変換器、直流-交流(DC/AC)変換器、センサ/センサインターフェース、安全デバイス(例えば、安全スイッチ、ヒューズ、リレー、アーク検出回路、アーク抑制回路、漏電検出器-遮断器回路)、通信モジュール、制御デバイス(単数又は複数)、及び/又はモニタリングモジュールを収納してよい。
【0004】
一部の態様によれば、バイパス機構の数は、PV発電機におけるサブストリングの数と同じであってよい。本開示の一部の態様によれば、複数のPVストリング又はサブストリングがバイパスされるときに、電流がより少ない(例えば、1つ又は2つの)バイパス機構を有する電流経路を通って流れるようにすることによって電気損失が低減され得るように、1つ以上の付加的なバイパス機構が他のバイパス機構と並列構成で結合されてよい。
【0005】
一部の態様によれば、複数のバイパス機構はすべて、接続箱ベース又は接続箱カバーのいずれかに収納されてよい。本開示の一部の態様によれば、1つ以上のバイパス機構の第1のグループは、接続箱のベース内に配置されてよく、1つ以上のバイパス機構の第2のグループは、接続箱のカバー上に配置されてよい。複数のバイパス機構をベースとカバーに分散することは、例示的な実施形態によれば、ベース内に配置されたバイパス機構を有することによりシステムの安全性を高め、一方、カバー内に配置された付加的なバイパス機構を提供することにより発熱を減らし、熱放散効率を高め、電気損失を減らすことができる。
【0006】
種々の例示的な実施形態の以下の説明では、本開示の態様が実施され得る種々の実施形態が例証として示される、本開示の一部をなす付属の図面が参照される。他の実施形態が用いられてもよく、本開示の範囲から逸脱することなく構造的及び機能的修正が加えられ得ることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】1つ以上の例示的な実施形態に係る太陽光(PV)発電機の一部の略ブロック図である。
図2A】1つ以上の例示的な実施形態に係るPV発電機電気回路の一部の図である。
図2B】1つ以上の例示的な実施形態に係るPVシステムの一部の略ブロック図である。
図2C】1つ以上の例示的な実施形態に係るPV発電機電気回路の一部の異なる構成を例示する略ブロック図である。
図2D】1つ以上の例示的な実施形態に係るPV発電機電気回路の一部の異なる構成を例示する略ブロック図である。
図2E】1つ以上の例示的な実施形態に係るPV発電機電気回路の一部の異なる構成を例示する略ブロック図である。
図2F】1つ以上の例示的な実施形態に係るPV発電機電気回路の一部の異なる構成を例示する略ブロック図である。
図3A】1つ以上の例示的な実施形態に係るPV発電機接続箱の図である。
図3B】1つ以上の例示的な実施形態に係る接続箱ベースの一実施形態を例示する図である。
図3C】1つ以上の例示的な実施形態に係る接続箱カバーの一実施形態を例示する図である。
図4】1つ以上の例示的な実施形態に係るPV発電機接続箱及びPV発電機の要素の例示的なスケッチである。
図5A】1つ以上の例示的な実施形態に係るPV発電機電気回路の異なる構成を例示する図である。
図5B】1つ以上の例示的な実施形態に係るPV発電機電気回路の異なる構成を例示する図である。
図6A】1つ以上の例示的な実施形態に係る、カバーが取り外された状態のPV発電機接続箱及びPV発電機接続箱ベース上に取り付けられた関連する回路の一部の略ブロック図である。
図6B】1つ以上の例示的な実施形態に係る、カバーが取り外された状態のPV発電機接続箱及びPV発電機接続箱カバー上に取り付けられた関連する回路の一部の略ブロック図である。
図6C】1つ以上の例示的な実施形態に係る、関連する回路の一部がPV発電機接続箱ベース上に取り付けられ、関連する回路の一部がPV発電機接続箱カバー上に取り付けられた、PV発電機接続箱及び関連する回路の一部の略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
種々の例示的な実施形態の以下の説明では、本開示の態様が実施され得る種々の実施形態が例証として示される、本開示の一部をなす付属の図面が参照される。他の実施形態が用いられてもよく、本開示の範囲から逸脱することなく構造的及び機能的修正が加えられ得ることが理解される。
【0009】
太陽光発電(PV)システムは、1つ以上のPV発電機を含んでもよい。各PV発電機は、1つ以上の太陽電池セル、セルストリング、セルサブストリング、モジュール、パネル、屋根材(shingle)、及び/又はソーラールーフタイルを含んでもよい。1つ以上のPV発電機(及び/又はより大きいPV発電機をなす太陽電池セル)は、直列構成、並列構成、及び/又はこれらの組み合わせで相互接続されてよい。1つ以上の太陽電池セル又はPV発電機をバイパスするために電流経路が提供されてよい。例えば、PVパネルなどのPV発電機は、直列配列に構成される太陽電池セルのいくつかのサブストリングを含んでもよい。1つ以上のサブストリングは、サブストリングの電流容量が低下する場合に、そのサブストリングをなす太陽電池セルに大きい電流が流れて、大きい電力散逸及び/又は関連する太陽電池セルへの損傷につながることを回避するべく、電流が関連するサブストリングをバイパスすることを可能にする代替的な電流経路を提供するバイパス機構を有してよい。バイパス機構は、まったく損失がないわけではなく、電流がバイパス機構を通って流れるときに電力の散逸をもたらす可能性がある。バイパス機構によって散逸される電力損失を減らすとともに、バイパス機構を通って流れる電流によって発生する熱を減少及び放散させるための効果的な方法を提供することが望ましいであろう。
【0010】
例示的な実施形態の態様に係るPV発電機に結合された回路を有する太陽光(PV)発電機100を例示する図1への参照を行う。本開示の一部の態様によれば、PV発電機はPVパネルであってよい。PVパネルは、1つ以上のサブストリングを有してよく、この場合、各サブストリングは、2つ以上の導体を介して電気的にアクセス可能であってよい。本開示の一部の態様によれば、PV発電機100は、第1のサブストリングSS1、第2のサブストリングSS2、及び第3のサブストリングSS3を含んでもよい。サブストリングSS1~SS3のそれぞれは、直列、並列、又は直列と並列が混在する配列に結合された複数の太陽電池セルを含んでもよい。サブストリングSS1~SS3は、直列に結合されてよい。サブストリングSS1は、導体102a及び102b間に接続されてよく、サブストリングSS2は、導体102b及び102cを介して電気的にアクセス可能であってよく、サブストリングSS3は、導体102c及び102dを介して電気的にアクセス可能であってよい。導体102a~dは、サブストリングSS1~SS3を接続箱101に接続してよい。本開示の一部の態様によれば、導体102a~dは、リボンワイヤを含んでもよい。
【0011】
太陽電池パネルは、1つ以上のサブストリングを有してよく、各サブストリングは、2つの導体で接続箱に接続されてよい。本開示の一部の態様によれば、接続箱101は、サブストリングSS1~SS3と、PV発電機100によって発生した電力を出力することができる出力導体103a及び103bとの間のインターフェースを提供してよい。接続箱101は、サブストリングSS1~SS3のうちの1つ以上をバイパスするための1つ以上のバイパス機構(例えば、ダイオードなどの受動バイパス機構及び/又はスイッチなどの能動バイパス機構)を備えてもよい。
【0012】
一部の態様によれば、接続箱101は、付加的な回路をさらに含んでもよい。例えば、接続箱101は、サブストリングSS1~SS3によって発生した電力を変換するための1つ以上の電力変換器(例えば、DC/DC又はDC/AC変換器)を有してよい。本開示の一部の態様によれば、接続箱101は、サブストリングSS1~SS3によって発生した組み合わされた電力を変換するための単一の電力変換器を備えてよい。他の実施形態では、接続箱101は、それぞれ関連するサブストリングから受け取った電力を変換するように構成された、複数の電力変換器を有してよい。本開示の一部の態様によれば、単一の電力変換器又は複数の電力変換器は、最大電力点追従(MPPT)及び/又はインピーダンス整合を実施することによって、1つ以上の関連するサブストリングから引き出される電力を増加させるように構成されてよい。電力変換器は、例えば、関連するサブストリングが好ましい動作点で動作するように、関連するサブストリングにわたる電圧又は通る電流を調節することによって、1つ以上の関連するサブストリングから引き出される電力を増加させてよい。電力変換器は、制御デバイスによって制御されてよく、制御デバイスは、電流、電圧、電力、温度、及び/又は日射センサ/センサインターフェースなどのセンサ/センサインターフェースに応答してよい。
【0013】
PVパネルは、追加で又は代替的に、接続箱一体型電力変換器を含んでもよい。電力変換器は、例えば、種々のトポロジーに従う直流-直流(DC/DC)変換器、例えば、バック、ブースト、バック/ブースト、バック+ブースト、フライバック、フォワード、Cuk、及びチャージポンプ式の変換器であってよい。本開示の一部の態様によれば、電力変換器は、直流-交流変換器(DC/AC)、例えば、インバータ又はマイクロインバータであってよい。
【0014】
一部の態様によれば、接続箱101は、サブストリングSS1~SS3に関する動作点に影響する及び/又は設定する外部接続デバイスを備えていれば、一体型の電力変換器を含まなくてもよい。
【0015】
接続箱101は、有線通信デバイス、無線通信デバイス、及び/又は音声通信デバイスなどの通信デバイスを含んでもよい。通信デバイスは、受信器、モニタ、及び/又は送信器を含んでもよい。通信デバイスは、例えば、電力線通信(PLC)、他の有線通信方法、Wi-Fi(商標)、ZigBee(商標)、Bluetooth(商標)、移動体通信、他の無線通信方法及び/又は音声通信方法を用いて通信してよい。通信デバイスは、電力変換器、安全機構、及び/又はセンサ/センサインターフェースなどの接続箱101内の他のコンポーネントを制御するように構成された1つ以上のコントローラに通信可能に結合されてよい。通信デバイスは、接続箱101が、通信デバイスを有する他の接続箱及び/又は同じシステム又は他のシステム内のさらなるパワーデバイスと通信することを可能にしてよい。接続箱101は、コントローラによって制御され得る1つ以上の安全スイッチを含んでもよい。安全スイッチは、サブストリングSS1~SS3のうちの1つ以上によって発生される電力を減少させるべく、PV発電機100又はそのいくつかの区域をPVシステムの他の部分から接続解除する及び/又はサブストリングSS1~SS3のうちの1つ以上を短絡するのに用いられてよい。
【0016】
接続箱101は、PV発電機100上に機械的に取り付けられてよい。サブストリングSS1~SS3のうちの1つ以上が或る条件下でバイパスされ得るようにバイパス機構が設けられてよい。例えば、サブストリングSS1が日陰になる及び/又は不良の場合に、サブストリングSS1は、サブストリングSS2及びSS3の動作点に影響すること及びサブストリングSS2及びSS3の出力電力が潜在的に低下することを回避するべく、バイパスされてよい。
【0017】
サブストリングSS1が日陰になる及び/又は不良の場合、サブストリングSS1は、電流がサブストリングSS1を流れ、結果的にサブストリングSS1の電力損失、過熱、及び/又は損傷を生じることを回避するべく、バイパスされてよい。バイパス機構は、ダイオードなどの受動要素及び/又は制御型スイッチ(例えば、MOSFET、IGBT、BJT、及び/又はリレースイッチ)などの能動要素を含んでもよい。本開示の一部の態様によれば、バイパス機構は、PV発電機100から収集した電力を変換するように構成されたパワーデバイスの一部であってよい。バイパス機構は、PV発電機100上に取り付けることができる接続箱101内に収納されてよい。
【0018】
例示的な実施形態の態様に係るPVパネル接続箱コンポーネント201を例示する図2Aへの参照をここで行う。図1の接続箱101は、図2Aに描画された接続箱コンポーネント201を含んでもよい。ストリングアレイに構成された、いくつかの太陽電池セルサブストリング又はいくつかのPVセルを備えるPV発電機は、いくつかのバイパス機構を含んでもよい。図2Aは、例示的な実施形態に係るバイパス機構D1、D2、D3などの1つ以上のバイパス機構を含む接続箱コンポーネント201を例示する。接続箱コンポーネント201は、第1のバイパス機構D1、第2のバイパス機構D2、及び第3のバイパス機構D3を含んでもよい。図2Aの例示的な実施形態では、バイパス機構D1~D3はダイオードである。代替的な実施形態では、バイパス損失(すなわち、バイパス機構の作動の結果として失われる電力)を減らすために制御型スイッチ(例えば、MOSFET)が用いられてよい。バイパス機構D1は、第1のコネクタ位置CL1と第2のコネクタ位置CL2との間で接続箱コンポーネント201に電気的に結合され得るPVパネルの第1の区域、太陽電池セル、又はサブストリングをバイパスしてよい。バイパス機構D2は、第1のコネクタ位置CL2と第2のコネクタ位置CL3との間で接続箱コンポーネント201に電気的に結合され得るPVパネルの第2の区域、太陽電池セル、又はサブストリングをバイパスしてよい。バイパス機構D3は、第1のコネクタ位置CL3と第2のコネクタ位置CL4との間で接続箱コンポーネント201に電気的に結合され得るPVパネルの第3の区域、太陽電池セル、又はサブストリングをバイパスしてよい。コネクタ位置CL1~CL4におけるコネクタは、太陽電池サブストリングに結合された導体を受け入れるのに適切なものであってよい。例えば、コネクタ位置CL1~CL4にあるコネクタは、リボンワイヤレセプタクルを含んでもよい。
【0019】
接続箱コンポーネント201は、第1の出力導体203a及び第2の出力導体203bを有してよい。出力導体203a及び203bは、パワーデバイス(例えば、電力変換器又は安全デバイス)に又はPV発電機の出力端子(例えば、PVパネルの出力端子)に電力を伝達してよい。他の実施形態は、バイパスを有するように設計される太陽電池要素の数に対応する異なる数のバイパス機構を特徴としてよい。例えば、5つの直列に結合されたサブストリングを備えるPV発電機は、5つのバイパス機構を含んでもよい。別の例として、20の太陽電池セルの単一のサブストリングは、各太陽電池セルにつき1つずつの、20のバイパス機構を含んでもよい。異なる実施形態では、5つのセルの4つのグループに分けられる、20の太陽電池セルが存在してよく、各グループにつき1つずつの、4つのバイパス機構が存在してよい。
【0020】
一部の態様によれば、電流が接続箱コンポーネント201の出力導体203aを通って発電機に入るときに、電流は、最初に導電バスバーBB1を通って流れることができる。接続位置CL1及びCL2間に結合されたPV発電機(例えば、図1のサブストリングSS1)が、出力導体203aを通って流れる電流をサポートする容量で動作している場合、全電流が、結合されたPV発電機を通ってバスバーBB2に流れてよい。同様に、接続位置CL2及びCL3間に結合されたPV発電機(例えば、図1のサブストリングSS2)が、出力導体203aを通って流れる電流をサポートする容量で動作している場合、全電流が、結合されたPV発電機を通ってバスバーBB3に流れてよい。同様に、接続位置CL3及びCL4間に結合されたPV発電機(例えば、図1のサブストリングSS3)が、出力導体203aを通って流れる電流をサポートする容量で動作している場合、全電流が、結合されたPV発電機を通ってバスバーBB4に流れてよい。
【0021】
2つのバスバー間に結合されたPV発電機がフル電流を搬送するのに使用できない場合、フル電流をPV発電機に流すと、2つのバスバー間に逆電圧が発生することになり、これにより、結果的にバイパス機構がオンになってよい。図2Aの例示的な実施形態では、バスバー間にダイオードを設置することにより、バスバー間に逆電圧が発生する場合に自動的にバイパスがなされることになる。本開示の一部の態様によれば、能動スイッチが、バスバー間に配置されてよく、逆電圧状態の検出に応答してON位置に設定されてよい。例えば、電圧センサが、2つのバスバー間の電圧を測定し、電圧測定値をコントローラに提供してよい。逆電圧状態を示す電圧を検出すると、コントローラは、2つのバスバー間に配置されたスイッチをON位置に設定してよい。
【0022】
バイパス経路を設けることは、全体のシステム電力損失を減少させる及び/又は機器への損傷を防ぐことができ、特定のコンポーネントにおける又は接続箱コンポーネント201における特定の場所での温度の上昇を引き起こす場合もある。温度の上昇を経験し得るコンポーネントのうちの1つはバイパス機構である。例えば、バイパスダイオードは、PV発電機では典型的な(例えば、8A、10A、又はそれ以上の)電流を搬送するときに顕著な熱を発生する場合がある。バイパス機構を通って流れ得る電流及びバイパス機構の特徴に応じて、1つ以上のバイパス機構から熱を取り出す必要がある場合がある。本明細書に記載の構成と共に採用され得る、伝導、対流、及び輻射などの異なる伝熱方法を活用することを含む、種々の熱放散方法が存在する。一実施形態では、周囲空気の対流係数に比べて比較的高い対流係数を生じ得る過熱したバイパス機構からの熱を伝達するために、接続箱101(図1)内にファン(図示せず)が配置されてよい。第2の実施形態では、相変化クーラーなどの、水などの冷却剤(図示せず)が、電気回路への害を回避するが依然として周囲空気よりも速く熱を伝達する様態で配置されてよい。第3の実施形態では、特定のヒートスポットを低下させるべく低温クーラー(図示せず)が用いられてよい。本開示の一部の態様によれば、冷却の強化は、冷却されるコンポーネントに熱的に結合された要素に関連する伝導係数を変化させることを含んでもよい。伝導係数を改善する第1の方法は、種々のコンポーネントの設計又は形状及びそれらの組立体の設計を変化させることを含んでもよい。伝導係数を改善する第2の方法は、伝熱速度を増加させ得る熱放散機構を付加すること、例えば、接続箱コンポーネントと接続箱との間にサーマルグリース(図示せず)を塗布することを含んでもよい。1つ以上のバイパス機構からの熱を伝達するためのサーマルグリースの代わりに又は加えて、サーマルパッド、サーマルパテ、サーマルペースト、及び/又はラミネートされたKapton(登録商標)ポリイミドフィルムが用いられてもよい。
【0023】
図2Aに例示的に描画されたバスバーBB1~BB4は、伝導係数を改善し、バイパス機構が過熱しないように熱を迅速に伝達するための別の例を示す。バスバーBB1~BB4は、バイパス機構D1~D3に結合されてよく、接続箱101(図1)のベース内に収納されてよい。電流がバイパス機構D1~D3を通って流れるときに、バイパス機構D1~D3での温度が上昇する場合がある。伝導性であり得るバスバーBB1~BB4は、熱を引き出し、温度を容認可能な閾値より低く保ちながら、接続箱101のベースに及び関連する発電機を通して熱を逃がすことができる。別の実施形態では、バスバーBB1~BB4は、熱を接続箱101のカバー(図1)の方へ及びカバーから環境へ伝達してよい。
【0024】
バスバーBB1~BB4が、熱を1つよりも多い方向に、例えば、接続箱101のベースへの第1の方向及び接続箱101のカバーへの第2の方向に拡散させるときに、それらは多方向ヒートスプレッダと呼ばれてもよい。バスバーBB1~BB4がヒートスプレッダとしてさらに機能することを特徴とする実施形態では、接続箱101の壁は、ヒートシンクとして機能してもよい。バスバーBB1~BB4はまた、熱を第3の方向及び第4の方向に拡散させるように設計されてもよい。本開示の一部の態様によれば、バスバーBB1~BB4は、1つ以上の形状に設計され、1つ以上の方向に延びる、冷却フィンを含んでもよい。
【0025】
1つ以上の例示的な実施形態の態様に係る結合されたPV発電機200a~200dのストリングを含むPVストリング区域205を例示する図2Bへの参照をここで行う。PVストリング区域205は、複数のPV発電機、例えば、図2Bに描画された4つのPV発電機200a~200dを含んでもよい。PV発電機200a~200dは、それぞれ、接続箱202a~202dのうちの1つを含んでもよく、接続箱202a~202dは、それぞれ、接続箱コンポーネント201a~dを含んでもよい。接続箱コンポーネント201a~dは、接続位置CL1~CL4、バイパス機構D1~D3、バスバーBB1~BB4、及び出力導体203a及び203bなどの図2Aの接続箱コンポーネント201と同じコンポーネントを有するように設計されてよい。例えば、接続箱コンポーネント201bは、導体210aを介して接続箱202aの接続箱コンポーネント201a及びPV発電機200aに結合されてよく、導体210bを介して接続箱202cの接続箱コンポーネント201c及びPV発電機200cに結合されてよい。導体210aは、接続箱コンポーネント201bの第1の出力導体203aと接続箱コンポーネント201aの第2の出力導体203bとの間に結合されてよい。
【0026】
例示的な実施形態の態様に係るPV発電機接続箱の一部を例示する図2C図2Fへの参照をここで行う。バスバーBB1~BB4及びバイパス機構D1~D3は、図2AのバスバーBB1~BB4及びバイパス機構D1~D3と同じであってよい。本開示の一部の態様によれば、バスバーBB1~BB4は、すべて又は一部が、バイパス機構D1~D3のうちの1つ以上を部分的に又は十分に覆うことができる付加的なヒートスプレッダを含んでもよい。付加的なヒートスプレッダは、平坦であってよく、又は、直線形又はピン形フィンなどのフィンを含んでもよい。付加的なヒートスプレッダは、金属又は熱拡散能力を有する材料などの効果的な熱拡散材料で作製されよい。
【0027】
図2Cは、バスバーBB1~BB4が、熱をPV発電機接続箱のベース206c及びPV発電機接続箱のカバー207cの方に拡散させる多方向ヒートスプレッダであり得る、例示的な実施形態を示す。多方向の熱拡散を提供することに加えて、バスバーBB1~BB4は、バスバーBB1~BB4よりも大きい表面積を有することができる、1つ以上の付加的なヒートスプレッダR1a~R4aを含んでもよい。本開示の一部の態様によれば、ヒートスプレッダR1a及びR2aは、バイパス機構D1を部分的に又は十分に覆ってよく、ヒートスプレッダR3a及びR4aは、バイパス機構D3を部分的に又は十分に覆ってよい。ヒートスプレッダR1a~R4aは、平坦であってよく、又は、直線形又はピン形フィンなどのフィンを有してよい。ヒートスプレッダR1a~R4aを含むことで、熱をより効果的な速度で拡散させることができる。
【0028】
図2Dを参照すると、ヒートスプレッダR2b及びR3bは、バイパス機構D2の一部又はすべてを覆うように延びてよい。ヒートスプレッダR2b及びR3bが導電性材料で作製される場合、バイパス機構D2の短絡を回避するためにヒートスプレッダR2b及びR3b間に隙間が維持されてよい。
【0029】
図2Eは、BB1~BB4が、PV発電機接続箱のベース206e及びPV発電機接続箱のカバー207eの方向に熱を拡散させる多方向ヒートスプレッダであり得る、特定の実施形態を例示する。バスバーBB2~BB3は、一方の端に付加的なヒートスプレッダR5a及びR6aを含んでもよく、これはバスバーBB2及びBB3よりも大きい表面積を有することができ、したがって、熱放散速度を増加させることができる。ヒートスプレッダR5a及びR6aは、それぞれバスバーBB2及びBB3の上部に取り付けることができ、バイパス機構D1及びD3を部分的に又は十分に覆うように水平方向に延びることができ、これにより、強化された垂直熱拡散を提供することができる。本開示の一部の態様によれば、ヒートスプレッダR5a及びR6aは、熱伝導性材料の平坦な部分であってよく、一部の態様によれば、ヒートスプレッダは、熱拡散を強化するように形状設定されてよい(例えば、スラット及び/又は他のヒートシンク設計パターンを用いる)。本開示の一部の態様によれば、中央のバスバーBB2及びBB3は、接続箱の外側により近い周辺のバスバーBB1及びBB4よりも高い温度に上昇する場合がある。熱を拡散させるべくバスバーBB2及びBB3より多くの材料を付加することで、伝導係数を改善し、温度を特定の閾値より低く保つことができる。本開示の一部の態様によれば、より多くの表面積及び材料をバスバーBB2~BB3に付加することは、より少ない材料及び表面積をバスバーBB1~BB4に付加することよりも効率的であり得る。ヒートスプレッダR5a及びR6aは、それぞれ、バイパス機構D1及びD3を部分的に又は十分に覆ってよい。ヒートスプレッダR5aが導電性材料で作製される場合、バイパス機構D1の短絡を回避するためにヒートスプレッダR5aとバスバーBB1の間に隙間が維持されてよい。ヒートスプレッダR6aが導電性材料で作製される場合、バイパス機構D3の短絡を回避するためにヒートスプレッダR6aとバスバーBB4の間に隙間が維持されてよい。
【0030】
図2Fを参照すると、ヒートスプレッダR5b及びR6bは、バイパス機構D2の一部又はすべてを覆うように延びてよい。ヒートスプレッダR5b及びR6bが導電性材料で作製される場合、バイパス機構D2の短絡を回避するためにヒートスプレッダR6b及びR6b間に隙間が維持されてよい。
【0031】
例示的な実施形態の態様に係るPV発電機接続箱の一部を例示する図3A図3Cへの参照をここで行う。接続箱300は、図1の接続箱101と同じ又は類似していてよい。接続箱300は、ベース301及びカバー302を含んでもよい。ベース301は、太陽光発電機の非太陽電池部分(例えば、裏側又はサイドバー)に取り付けられるように設計された底部と、覆われるように設計された開口部を含んでもよい。接続箱300はまた、出力導体303を含んでよい。一部の太陽電池ストリングにおいて、導体303は、他の太陽光発電機から集めた電力を提供する接続箱に結合されてよい。一部の態様によれば、導体303は、パワーデバイス(例えば、DC/DC変換器、DC/ACインバータ、安全デバイス、及び/又はモニタリングデバイス)に結合されてよく、PVパワーシステムデバイスに結合されてよい。導体303は、図1の出力導体103a及び103bと同じ又は類似していてよい。
【0032】
例示的な実施形態に係る図3Aの接続箱300の接続箱ベース301を例示する図3Bへの参照をここで行う。接続箱コンポーネント201は、ベース301の内側に収納されてよい。導体303は、接続箱コンポーネント201に結合されてよく、接続箱コンポーネント201から出力電流又は電力を取り出してよい。接続箱ベース301は、接続箱ベース301を接続箱カバー302にロックするように設計された、接続箱カバー302(図3Cの)上のロック及び/又はレセプタクルに対応し得る1つ以上のロックを含んでもよい。例えば、接続箱ベース301は、接続箱の上部の対応するレセプタクルに結合され得る嵌合ロックF1~F10を有してよい。本開示の一部の態様によれば、接続箱ベース301は、出力導体303と接続箱コンポーネント201との間に結合される付加的な回路(例えば、上記のパワーデバイス)を収納するための領域305を含んでもよい。
【0033】
例示的な実施形態に係る図3Aの接続箱300の接続箱カバー302を例示する図3Cへの参照をここで行う。接続箱カバー302は、嵌合ロック(例えば、図3Bの嵌合ロックF1~F10)上に嵌るように構成されるレセプタクルF11~F20を含んでもよい。カバー302における領域304は、熱放散機構、例えば、サーマルグリース、サーマルパッド、サーマルパテ、サーマルペースト、又は相変化剤を含んでもよい。領域304にある熱放散機構は、ベース301がカバー302によって覆われるときに接続箱コンポーネント201に熱的に結合されてよく、これは、接続箱コンポーネント201のバスバーBB1~BB4が熱をカバー302にわたって拡散させ、熱が特定のホットスポットにたまるのを防ぐ一助となり得る。本開示の一部の態様によれば、接続箱カバー302は、領域304に又はその下に、接続箱コンポーネント201のバイパス機構から放散された熱に耐えることができる特定の特徴を有する材料(例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン)で作製された区域を含んでよい。接続箱カバー302は、第1の温度に耐えるように選択された第1の材料で大部分が作製されてよく、接続箱カバー302の(例えば、領域304の)区域は、第1の温度よりも高い温度であり得る第2の温度に耐えるように選択された第2の材料で作製されてよい。他の実施形態(図示せず)では、接続箱コンポーネント201は、カバー302上に取り付けられてよい。本開示の一部の態様によれば、カバー302は、接続箱ベース301が接続箱カバー302に取り付けられるときに出力導体303と接続箱コンポーネント201との間に結合される付加的な回路(例えば、上記のパワーデバイス)を収納するための領域306を含んでもよい。
【0034】
接続箱300がパワーデバイスを含む一部の態様によれば、接続箱コンポーネント201のようなパワーデバイスは、ベース301上に取り付けられてよく、又はカバー302上に取り付けられてもよい。パワーデバイスは、DC/DC変換器、パワーポイントトラッカ(PPT)、外部バイパスシステム、DC/AC変換器、制御システム、シグナリング機構、信号受信器、又はモニタ、及び/又は温度センサ、電圧センサ、又は電流センサなどの1つ以上のセンサ/センサインターフェースを含んでもよい。
【0035】
例示的な実施形態の態様に係るPV発電機とPV発電機接続箱の一部を例示する図4への参照をここで行う。本開示の一部の態様によれば、PV発電機400は、太陽電池パネルであってよく、1つ以上のサブストリング(例えば、図1のサブストリングSS1~SS3と類似したサブストリング)を有してよい。接続箱ベース401は、PV発電機400の側部上に取り付けられてよい。PV発電機400は、(図1に示すものと類似した)いくつかのサブストリングを含んでもよい。本開示の一部の態様によれば、接続箱ベース401は、制御ユニット、電力変換器、通信デバイス、パワーデバイス、安全デバイス、センサインターフェース、シグナリング機構、スイッチ、又はシステムデバイスなどの付加的な回路を含んでもよい。接続箱カバー402は、接続箱ベース401に接続する及び覆うように設計されてよい。一部の態様によれば、回路を接続箱ベース401上に設置する、集積する、又は取り付けることの代わりに又は加えて、付加的な回路が、接続箱カバー402上に取り付けられ、接続箱カバー402内に設置され、又は接続箱カバー402内に集積されてよく、この場合、回路及び接続箱コンポーネントは、回路を、接続箱ベース側の対応する回路に電気的に接続するように設計される。回路を接続箱カバー402上に取り付けることは、修理及び交換の容易さを高めることができる。例えば、接続箱カバー402上に取り付けられた回路が動作不良の場合に、交換が迅速に容易になされる、すなわち、接続箱カバー402は、取り外され、新しい回路を備える異なる接続箱カバー402と交換されてよい。
【0036】
PV発電機400によって発生した電力は、導体403a及び403bを介して出力されてよい。本開示の一部の態様によれば、導体403a及び403bは、接続箱ベース401に結合されてよい(図示せず)。図4に示された例示的な実施形態では、導体403a及び403bは、接続箱カバー402に結合されてよく、カバー402が接続箱ベース401上に配置されるときに、導体403a及び403bは、接続箱ベース401を通して送達される電力を受け取ってよい。導体403a及び403bは、接続箱カバー402に事前に(例えば、製造中に)結合されてよい。導体403a及び403bを接続箱カバー402に事前に結合することで、設置の容易さ及び/又は速度を高めることができる。例えば、導体403a及び403bを接続箱ベース401に接続する場合、設置時に、接続箱カバー402が接続箱ベース401に接続され、導体403a及び403bが接続箱ベース401に結合される必要があるであろう。導体403a及び403bを接続箱カバー402に事前に(例えば、製造中に)結合することにより、接続箱カバー402の設置時に、接続箱カバー402が接続箱ベース401上に取り付けられてよく、より少ないステップが必要とされるであろう。多数の接続箱の設置を含むPVシステムでは、導体をそれらのそれぞれの接続箱に結合する必要性の低減は、設置者の多くの時間を節約し、設置をより容易にすることができる。
【0037】
一部の態様によれば、複数の接続箱カバー402が、PVシステムに配置する前に導体(例えば、403a、403b)を用いて結合されてよい。例えば、複数の接続箱カバー402は、製造中に事前に結合されてよく、接続箱カバーの各対は、PV発電機400の長さ又は幅に対応する長さを有する導体によって結合される。事前結合型の接続箱カバー402は、設置時間をさらに減らすことができ、実質的なコスト削減(例えば、別個の接続箱カバー402を接続するためのMC4コネクタなどのコネクタのコストを削減することによって)をもたらすことができる。
【0038】
例示的な実施形態の態様に係るPV発電機接続箱コンポーネント501を例示する図5A及び図5Bへの参照をここで行う。接続箱コンポーネント501は、図2AのバスバーBB1~BB4及びバイパス機構D1~D3と同じ又は類似していてよい、出力導体503a及び503b、バスバーBB1~BB4、導体コネクタCL1~CL4、及びバイパス機構D1~D3を含んでもよい。バイパス機構D1~D3に加えて、接続箱コンポーネント501は、バイパス機構D1~D3と並列構成に構成されたバイパス機構D4を有してよい。本明細書での本開示の一部の態様によれば、バイパス機構D4は、第1の側部上でバスバーBB1に電気的に結合されてよく、第2の側部上でバスバーBB2に電気的に結合されてよい。一部の態様によれば、バイパス機構D4は、第1の側部上で出力導体503aに及び第2の側部上で出力導体503bに電気的に結合されてよい。バイパス機構D4とバスバーBB1及びBB4との間の電気結合は、導体でなされてよい。例えば、導体は、付加的なバスバー502a又は導電ロッド502bを含んでよい。
【0039】
図5Aは、バスバー502aを用いてバスバーBB1及びBB4間に電気的に結合されたバイパス機構D4を有する例示的な実施形態を示す。バスバー502aは、接続箱コンポーネント501の一部として製造されてよい。バイパス機構D4は、例えば、つめ機構を用いてポイント504a及び504bでバスバーBB1及び502aに接続することができる入力導体及び出力導体を有してよい。つめ機構は、ポイント504a及び504bを含んでよく、これは、それぞれ、バイパス機構D4の入力導体及び出力導体を嵌め込むことができる、バスバーBB1及び502aにおけるソケットであってよい。別の例として、バイパス機構D4は、ポイント504a及び504b間の定位置にはんだ付けされてもよい。
【0040】
図5Bは、導電ロッド502bを用いてバスバーBB1及びBB4間に電気的に結合されるバイパス機構D4を有する例示的な実施形態を示す。導電ロッド502bは、出力導体としてバイパス機構D4と一緒に製造されてよく、又はバイパス機構D4の出力導体(明示的に図示せず)に電気的に結合されてよい。バイパス機構D4は、入力導体及び出力導体を有してよい。バイパス機構D4の入力導体及び出力導体は、つめ機構を用いてポイント504a及び504cでバスバーBB1及びBB4に接続してよい。つめ機構は、それぞれ、バイパス機構D4の入力導体及び出力導体を嵌め込むことができる、バスバーBB1及びBB4におけるソケットであってよいポイント504a及び504cを含んでもよい。
【0041】
一部の態様によれば、図5Bに示すように、接続箱コンポーネント501は、電流センサ505a~dを含んでもよい。電流センサ505a~dは、異なる測定値をモニタリングシステムに送信することができる通信デバイスに電流の大きさを出力してよい。バイパス機構D1~D4を通って流れる電流の測定は、PV発電機又は接続箱コンポーネント501における故障の検出を可能にする又は強化することができる。例えば、接続箱コンポーネント501におけるコンポーネントの溶融は、電流測定に影響し得る短絡又は開回路状態を生じる場合がある。
【0042】
PVシステムでは、システムの特定の部分を通って流れる電流と、サブストリング又は単一太陽電池セルなどのシステムの他の部分によってサポートされる最大電流との間に不整合が存在する場合がある。不整合の性質に応じて、PVシステムの特定の部分をバイパスすることが望ましい場合があり、一部の状況では、複数の結合されたサブストリング又はさらにはPVパネル全体をバイパスすることが望ましい場合がある。図2Aの各バイパス機構(すなわち、D1、D2、及びD3)は、それぞれの太陽光発電機(例えば、PVサブストリング)をバイパスするように設計されてよい。図2Aのバイパス機構のうちの3つすべてが作動される場合、結果的に顕著な電気損失及び発熱が生じることがある。数値の例として、バイパス機構D1~D3は、0.3Vの順電圧を有するダイオードであってよい。例えば10Aのバイパス電流を搬送するべくすべての3つのバイパス機構が作動されるときに、総電気損失は、3×0.3×10=9Wに等しい場合があり、これは熱に変換され、結果的にバイパス機構及び/又は近くの電気コンポーネントの温度の上昇を生じる場合がある。時間が経つにつれて、温度の上昇は、コンポーネントの故障を引き起こす場合がある。
【0043】
バイパス機構D1~D3と並列に付加的なバイパス機構を設けることは、任意の単一の時点で作動されるバイパス機構の数を減らし、バイパス機構の作動によって引き起こされる損失及び熱を減少させることができる。例えば、図5Aは、3つのサブストリングを有するPVパネルの接続箱コンポーネント501を例示する。すべての3つのサブストリングが他のPV発電機に対して不整合又は不良の場合、バイパス機構D4が、3つのバイパス機構D1~D3の代わりに作動されてよい。数値の例として、バイパス機構D4がバイパス機構D1~D3と類似しており、10Aのバイパス電流を搬送するべく作動される場合に、バイパス機構D4がバイパス機構D1~D3の代わりに作動されるときに、総電気損失は、1×0.3×10=3W、すなわち、バイパス機構D1~D3の作動によって生じることになる損失の1/3に等しい場合がある。バスバーBB2とバスバーBB4との間のバイパス機構などの他の複数のバイパスが可能である(図示せず)。このような複数のバイパスは、第1のサブストリングからの出力を採用し、第2及び第3のサブストリングをバイパスしてよい。別の可能な複数のバイパス配列は、バスバーBB1とバスバーBB3との間にバイパス機構を結合することを含んでもよい。BB1及びBB3間に結合されたバイパス機構は、第3のサブストリングの電力が収集され得ることを依然として可能にしながら、第1及び第2のサブストリングをバイパスしてよい。PV発電機は、3つよりも多いサブストリングを有してよく、可能なバイパス配列の数は増加し得る。
【0044】
例示的な実施形態の態様に係るPV発電機接続箱600内に取り付けられたPV発電機接続箱コンポーネント603の一部をスケッチする部分ブロック図である図6Aへの参照をここで行う。接続箱コンポーネント603は、接続箱ベース601上に取り付けられてよく、第1のバイパス機構D1、第2のバイパス機構D2、及び第3のバイパス機構D3を有してよい。バイパス機構D1~D3は、バスバーBB1~BB4によって連結されてよい。第4のバイパス機構D4は、バスバーBB1及びBB4間で接続箱コンポーネント603に結合されてよく、バイパス機構D1~D3と並列にバスバーBB1及びBB4間のバイパス経路を提供する。接続箱カバー602は、接続箱600が閉じられ、接続箱カバー602が接続箱ベース601上に取り付けられるときに、接続箱コンポーネント603に電気的に結合され得る、ヒートスプレッダ、及び/又は電力変換器、通信デバイス、及び/又はセンサ/センサインターフェースなどの他の回路を収納してよい。
【0045】
例示的な実施形態の態様に係るPV発電機接続箱600内に取り付けられたPV発電機接続箱コンポーネント603の一部をスケッチする部分ブロック図である図6Bへの参照をここで行う。本開示の一部の態様によれば、図6Bに示すように、接続箱コンポーネント603及びバスバーBB1~BB4は、接続箱カバー602上に取り付けられてよい。接続箱ベース601は、接続箱ベース601がPVパネル上に取り付けられ、接続箱カバーが接続箱ベース601上に取り付けられたときにPV発電機のサブストリング604を接続箱コンポーネント603に連結することができる導体を収納してよい。
【0046】
例示的な実施形態の態様に係るPV発電機接続箱600内に取り付けられたPV発電機接続箱コンポーネント603の一部をスケッチする部分ブロック図である図6Cへの参照をここで行う。本開示の一部の態様によれば、図6Cに示すように、接続箱コンポーネント603は、接続箱ベース601上に取り付けられてよい。バイパス機構D4は、接続箱カバー602が接続箱ベース601と位置合わせされ、接続箱が閉じられる(すなわち、接続箱カバー602を接続箱ベース601に締結することによって)ときに、バイパス機構D4が接続箱コンポーネント603に結合されるように、接続箱カバー602上に取り付けられ及び配置されてよい。接続箱カバー602が接続箱ベース601と位置合わせされ、接続箱が閉じられるときに、バイパス機構は、接続箱コンポーネント603に結合されてよく、バスバーBB1及びBB4間で連結されてよい。
【0047】
一部の実施形態によれば、バイパス機構D1~D4を接続箱ベース601上に配置すること(例えば、図6Aのように)は、特定の安全性の利点をもたらすことができる。例えば、バイパス機構D1~D4は、バイパス機構の不適切な手での機械的接続のリスクなしに、PV発電機又はストリングの不整合又は不良の場合にバイパス経路が確実に提供されるように、製造中に(例えば、はんだ付け又は機械的接続によって)定位置に固定されてよい。
【0048】
一部の実施形態によれば、バイパス機構D1~D4を接続箱カバー602上に配置すること(例えば、図6Bのように)は、特定の熱的利点をもたらすことができる。例えば、接続箱カバー602上に取り付けられたバイパス機構から環境への熱の放散は、接続箱ベース601上に取り付けられたバイパス機構からPV発電機へ次いでPV発電機から環境への熱の放散よりも速い及び効果的であろう。
【0049】
一部の実施形態によれば、バイパス機構の第1のグループ(例えば、D1~D3)を接続箱ベース601上に配置し、バイパス機構の第2のグループ(例えば、D4)を接続箱カバー602上に配置すること(例えば、図6Cのように)は、安全性の利点と熱的利点との両方をもたらすことができる。バイパス機構の第1のグループは、バイパス機構の不適切な手での機械的接続のリスクなしに、PV発電機又はストリングの不整合又は不良の場合にバイパス経路を確実に提供することができる。バイパス機構の第2のグループは、電気損失及び発熱を減らすことができ、接続箱ベース601上に取り付けられたバイパス機構からの熱の放散よりも速い及び効果的であり得る様態で熱を放散させるべく接続箱カバー602上に配置されてよい。
【0050】
一部の態様によれば、接続箱コンポーネント603におけるバイパス機構の数に応じて、接続箱ベース601上に取り付けられた1つ以上のバイパス機構が存在してよく、且つ、接続箱カバー602上に取り付けられた1つ以上のバイパス機構が存在してよい。例えば、2つのバイパス機構が接続箱ベース601上に取り付けられてよく、且つ、2つのバイパス機構が接続箱カバー602上に取り付けられてよく、一方、バイパス機構は、接続箱ベース601と接続箱カバー602が位置合わせされ、接続箱600が閉じられるときにそれらのそれぞれのバスバーに結合されるように配置及び構成される。
【0051】
説明した実施形態及び従属請求項のすべての随意的な好ましい特徴及び修正は、本明細書で教示される本発明のすべての態様において使用可能である。さらに、従属請求項の個々の特徴、並びに説明した実施形態のすべての随意的な好ましい特徴及び修正は、組み合わせることができ、相互に交換可能である。例えば、図4のカバー402は、図3Cの領域304に含まれる熱放散機構などの熱放散機構を含んでもよい。別の例として、図5Aの接続箱コンポーネント501は、図2Eに示されたヒートスプレッダR5bを含んでもよい。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C