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特許7210695複数のダイヤフラムバルブのための操作要素を有する、衛生器具のためのシャワー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】複数のダイヤフラムバルブのための操作要素を有する、衛生器具のためのシャワー
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/28 20060101AFI20230116BHJP
   E03C 1/04 20060101ALI20230116BHJP
【FI】
A47K3/28
E03C1/04
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021503094
(86)(22)【出願日】2019-08-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 EP2019072566
(87)【国際公開番号】W WO2020043611
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】102018120982.7
(32)【優先日】2018-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513228719
【氏名又は名称】グローエ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Grohe AG
【住所又は居所原語表記】58675 Hemer, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ザシャ レーディガー
(72)【発明者】
【氏名】ダーフィト マインカ
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-215454(JP,A)
【文献】特開2002-294793(JP,A)
【文献】特開2013-217488(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105127022(CN,A)
【文献】特表2009-523599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/20-3/40
E03C 1/04-1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生器具のためのシャワー(1)であって、
少なくとも1つの流入チャネル(3)と複数の流出チャネル(4)とを備えるハウジング(2)と、
複数のダイヤフラムバルブ(5.1,5.2,5.3)であって、該ダイヤフラムバルブ(5.1,5.2,5.3)は、それぞれ、ダイヤフラム(7)の第1の側(6)に隣接する入口チャンバ(8)と、前記ダイヤフラム(7)の第2の側(9)に隣接する逆圧チャンバ(10)とを有しており、液体は、前記入口チャンバ(8)から圧力補償チャネル(11)を介して前記逆圧チャンバ(10)に流入可能であり、これにより、前記逆圧チャンバ(10)内の前記液体の液圧の結果として、前記複数の流出チャネル(4)のうちの1つの流出チャネル(4)を前記ダイヤフラム(7)によって閉鎖可能である、複数のダイヤフラムバルブ(5.1,5.2,5.3)と、
操作要素(12)であって、該操作要素(12)は、ユーザによって複数のバルブ開弁位置(13.1,13.2,13.3)へと変位可能であり、前記操作要素(12)は、それぞれのバルブ開弁位置(13.1,13.2,13.3)において、前記複数のダイヤフラムバルブ(5.1,5.2,5.3)のうちの1つのダイヤフラムバルブ(5.1,5.2,5.3)を、前記操作要素(12)によって移動される1つの磁石(14.1)によって開弁する、操作要素(12)と、
を少なくとも有するシャワー(1)であって、
前記ダイヤフラム(7)は減圧開口部(15)を有しており、該減圧開口部(15)は、前記逆圧チャンバ(10)を、前記複数の流出チャネル(4)のうちの1つの流出チャネル(4)に接続し、前記ダイヤフラムバルブ(5.1,5.2,5.3)が閉弁されている状態では、閉鎖要素(16)によって閉鎖されており、
前記操作要素(12)が、それぞれのバルブ開弁位置(13.1,13.2,13.3)に位置するとき、前記閉鎖要素(16)は、前記減圧開口部(15)が開放されるように前記1つの磁石(14.1)によって変位し、
前記操作要素(12)は、支持体(18)を中心として回転することにより、前記それぞれのバルブ開弁位置(13.1,13.2,13.3)に配置される、
シャワー(1)。
【請求項2】
前記閉鎖要素(16)は、ばね(17)によって前記減圧開口部(15)上に保持される、請求項1記載のシャワー(1)。
【請求項3】
前記閉鎖要素(16)は、少なくとも部分的に磁化可能材料から形成されている、請求項1または2記載のシャワー(1)。
【請求項4】
前記閉鎖要素(16)は、少なくとも部分的にバルブ磁石から形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のシャワー(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生器具のためのシャワーに関する。衛生器具は、特に水のような液体を、必要に応じて流し台、洗面台、シャワー、または浴槽に供給するために使用される。
【背景技術】
【0002】
衛生器具のためのシャワーは、例えば、シャワーヘッド、オーバーヘッドシャワー、および/またはハンドシャワーのように構成可能であり、かつ/または衛生器具によって放出された液体を広領域に散布するために使用可能である。さらに、液体を種々のスプレーパターンで、例えばレインスプレー、フルスプレー、マッサージスプレー、またはパールスプレーの形態で放出することができるシャワーも知られている。個々のスプレーパターンの間の切り替えは、シャワーに設けられた操作要素を介して実施可能であり、この操作要素を介して、流出チャネルにおけるバルブを、個々のスプレーパターンのために制御することができる。ここでの欠点は、操作要素およびバルブが大きな構造スペースを必要とするので、これに応じてシャワーのハウジングを大きく構成しなければならないことである。さらに、バルブを操作するためには大きな力が必要であり、これによってシャワーを操作する際の快適性が低下してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の課題は、従来技術に関して列挙した問題を少なくとも部分的に解決することであり、特に、バルブの所要構造スペースがわずかであることを特徴とし、かつ快適に操作することができるシャワーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題は、独立請求項の特徴部分に記載のシャワーによって解決される。本発明のさらなる有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。従属請求項に個々に記載されている特徴は、技術的に有用な任意の方法で互いに組み合わせ可能であり、本発明のさらなる実施形態を規定することができることに留意すべきである。さらに、特許請求の範囲に記載されている特徴は、明細書においてより詳細に記載および説明されており、本発明のさらなる好ましい実施形態が示されている。
【0005】
このために、少なくとも以下のコンポーネント、すなわち、
・少なくとも1つの流入チャネルと複数の流出チャネルとを備えるハウジングと、
・複数のダイヤフラムバルブであって、ダイヤフラムバルブは、それぞれ、ダイヤフラムの第1の側に隣接する入口チャンバと、ダイヤフラムの第2の側に隣接する逆圧チャンバとを有しており、液体は、入口チャンバから圧力補償チャネルを介して逆圧チャンバに流入可能であり、これにより、逆圧チャンバ内の液体の液圧の結果として、複数の流出チャネルのうちの1つの流出チャネルをダイヤフラムによって閉鎖可能である、複数のダイヤフラムバルブと、
・操作要素であって、操作要素は、ユーザによって複数のバルブ開弁位置へと変位可能であり、操作要素は、それぞれのバルブ開弁位置において、複数のダイヤフラムバルブのうちの1つのダイヤフラムバルブを、操作要素によって移動される少なくとも1つの磁石によって開弁する、操作要素と、
を有するシャワーが寄与する。
【0006】
衛生器具は、特に水のような液体を、必要に応じて流し台、洗面台、シャワー、および/または浴槽に供給するために使用される。このために、衛生器具には、冷水温度を有する冷水と、温水温度を有する温水とを供給することができ、この冷水および温水を、衛生器具によって、例えば、混合バルブまたはサーモスタット式混合カートリッジによって、所望の混合水温度を有する混合水へと混合することができる。冷水温度は、特に最高25℃(セルシウス)、好ましくは1℃~25℃、特に好ましくは5℃~20℃であり、かつ/または温水温度は、特に最高90℃、好ましくは25~90℃、特に好ましくは55℃~65℃である。混合水は、続いて、例えば、液体管路または液体ホースを介してシャワーに供給可能であり、このシャワーは、例えば、シャワーヘッド、オーバーヘッドシャワー、またはハンドシャワーのように構成されている。シャワーは、壁のような担体に固定して接続可能であるか、またはユーザによって移動可能である。シャワーによって液体を、特に複数の異なるスプレーパターンで噴霧することができる。
【0007】
このために、シャワーは、少なくとも1つの流入チャネルと、複数の流出チャネルとを備えるハウジングを有している。ハウジングは、少なくとも部分的に金属および/またはプラスチックから形成可能である。液体は、少なくとも1つの流入チャネルを介してシャワーに供給可能である。このために、流入チャネルは、特に、衛生器具の液体管路または液体ホースに接続可能である。複数の流出チャネルによって、液体を少なくとも1つのスプレー発生器に供給することができ、このスプレー発生器によって、種々のスプレーパターンを生成することができる。それぞれの流出チャネルは、特にそれぞれ異なるスプレーパターンに対応付けられており、したがって、液体が流出するそれぞれの流出チャネルに対応付けられたスプレーパターンが、シャワーによってそれぞれ形成される。ハウジングは、特に、3つの異なるスプレーパターンのための3つの流出チャネルを有している。
【0008】
さらに、シャワーは、複数のダイヤフラムバルブを有しており、これらのダイヤフラムバルブによって複数の流出チャネルを閉鎖することができる。このために、複数のダイヤフラムバルブは、特に複数の流出チャネル内に配置されている。特に、シャワーは、それぞれの流出チャネルにつき、1つのダイヤフラムバルブを有している。ダイヤフラムバルブは、それぞれ、ダイヤフラムの第1の側に隣接する入口チャンバと、ダイヤフラムの第2の側に隣接する逆圧チャンバとを有している。液体は、少なくとも1つの流入チャネルを介して入口チャンバに流入し、この入口チャンバは、ダイヤフラムの領域においてリング形状に形成可能である。液体は、入口チャンバから圧力補償チャネルを介して逆圧チャンバに流入することができる。圧力補償チャネルは、例えば、ダイヤフラムの開口部であってもよいし、またはダイヤフラムバルブのバルブハウジング内の、入口チャンバを逆圧チャンバに接続するチャネルであってもよい。したがって、シャワーの動作中には、入口チャンバ内の液圧と逆圧チャンバ内の液圧とが実質的に同じになっている。ダイヤフラムの第2の側は、ダイヤフラムの第1の側が入口チャンバに隣接している面積よりも大きな面積で逆圧チャンバに隣接しており、したがって、逆圧チャンバ内の液圧から結果的に生じるダイヤフラムへの力は、入口チャンバ内の液圧から結果的に生じるダイヤフラムへの力よりも大きい。したがって、ダイヤフラムバルブが閉弁されている状態では、逆圧チャンバ内の液圧によって、ダイヤフラムは、特に複数の流出チャネルのうちの1つの流出チャネルの長手側の端部によって形成されるバルブシートに押し付けられる。これにより、この流出チャネルは、ダイヤフラムによって閉鎖され、したがって、液体は、逆圧チャンバから流出チャネルを介して流出することができなくなっている。
【0009】
さらに、シャワーは、ユーザによって操作することができる操作要素を有している。このことはつまり、特に、少なくとも1つの操作要素が、衛生器具の使用時にユーザによってアクセス可能となるように配置されていることを意味する。少なくとも1つの操作要素によって、シャワーの所望のスプレーパターンを設定することができる。このために、操作要素は、ユーザによって複数のバルブ開弁位置へと変位可能であり、操作要素は、それぞれのバルブ開弁位置において、複数のダイヤフラムバルブのうちの1つの(それぞれ異なる)ダイヤフラムバルブを開弁する。ダイヤフラムバルブの開弁は、操作要素によって移動される少なくとも1つの磁石によって実施され、この磁石は、特に永久磁石である。このために例えば、少なくとも1つの磁石を、操作要素に取り付けることができる。操作要素のバルブ開弁位置において、開弁されるべきダイヤフラムバルブの閉鎖要素が、少なくとも1つの磁石の磁界内に位置するように、少なくとも1つの磁石を、この開弁されるべきダイヤフラムバルブに密接するように操作要素によって移動させることができる。開弁されるべきダイヤフラムバルブの閉鎖要素は、少なくとも1つの磁石の磁界によって変位し、したがって、(シャワーの動作中に)逆圧チャンバ内の液圧は、逆圧チャンバ内の液圧から結果的に生じるダイヤフラムへの力が、入口チャンバ内の液圧から結果的に生じるダイヤフラムへの力より小さくなるまで低下する。これにより、特に少なくとも部分的に弾性材料から形成されているダイヤフラムが、バルブシートから持ち上げられ、これにより、ダイヤフラムバルブが開弁され、液体は、逆圧チャンバから流出チャネルを介して流出することができる。操作要素は、それぞれのスプレーパターンおよび/またはそれぞれのダイヤフラムバルブにつき、特に1つのバルブ開弁位置を有している。操作要素が、複数のバルブ開弁位置のうちの1つに位置する場合、その時々のバルブ開弁位置に対応付けられたダイヤフラムバルブは、開弁されており、残りのダイヤフラムバルブは、好ましくは閉弁されている。ダイヤフラムバルブによって、シャワーを特にコンパクトに構成することができ、操作要素によって、シャワーを特に快適に操作することができる。
【0010】
ダイヤフラムは、減圧開口部を有することができ、減圧開口部は、逆圧チャンバを、複数の流出チャネルのうちの1つの流出チャネルに接続し、ダイヤフラムバルブが閉弁されている状態では、閉鎖要素によって閉鎖されている。減圧開口部は、特にバルブシートの領域に配置されており、バルブシートは、特に複数の流出チャネルのうちの1つの流出チャネルの長手側の端部によって形成される。閉鎖要素は、例えばピストンのように構成されている。さらに、閉鎖要素は、少なくとも部分的に逆圧チャンバ内に配置されており、かつ/またはダイヤフラムバルブが閉鎖されている状態では、液体が逆圧チャンバから減圧開口部を介して流出チャネルに流出することができなくなるように、ダイヤフラムの第2の側で減圧開口部を覆う。
【0011】
閉鎖要素は、ばねによって減圧開口部上に保持可能である。これにより、ダイヤフラムバルブが閉弁された状態において、閉鎖要素が減圧開口部から離れる方向にひとりでに移動し、ダイヤフラムバルブが意図せずに開弁することを阻止することができる。ばねは、特に圧縮ばねであり、この圧縮ばねは、ばね力によって閉鎖要素を減圧開口部に押し付ける。
【0012】
操作要素が、それぞれのバルブ開弁位置に配置されると、閉鎖要素は、減圧開口部が開放されるように少なくとも1つの磁石によって変位可能である。閉鎖要素の変位は、少なくとも1つの磁石の磁界によって、特にばねのばね力に対抗して実施される。このことはつまり、閉鎖要素の変位時にばねが引っ張られることを意味する。変位時には、閉鎖要素を、例えば案内部によって案内することができる。
【0013】
閉鎖要素は、少なくとも部分的に磁化可能材料から形成可能である。磁化可能材料は、特に鋼である。
【0014】
さらに、閉鎖要素は、少なくとも部分的にバルブ磁石から形成されている。このことはつまり、特に、閉鎖要素自体が(バルブ)磁石として形成されていることを意味する。閉鎖要素は、特に、それぞれのバルブ開弁位置において、閉鎖要素と操作要素の少なくとも1つの磁石とが各自の磁界に起因して互いに引き付け合うように配置されている。バルブ磁石も、特に永久磁石である。
【0015】
操作要素は、それぞれのダイヤフラムバルブにつき、少なくとも1つの磁石を有することができる。これによって、操作要素が個々のバルブ開弁位置の間で進むべき移動距離を短縮することができる。
【0016】
操作要素は、傾斜可能に支持可能である。このために、シャワーは、操作要素のための支持体を有することができ、この支持体は、特に中央の領域において操作要素を支持している。これによって、操作要素を、特に複数の異なるバルブ開弁位置へと傾斜させることができ、これにより、少なくとも1つの磁石と、開弁されるべきダイヤフラムバルブの閉鎖要素との間の距離は、少なくとも1つの磁石の磁界が閉鎖要素を変位させる程度まで低減される。
【0017】
操作要素は、回転可能に支持可能である。このために、シャワーは、操作要素のための支持体を有することができ、この支持体は、特に中央の領域において操作要素を支持している。これによって、操作要素を、特に複数の異なるバルブ開弁位置へと回転させることができ、これにより、少なくとも1つの磁石と、開弁されるべきダイヤフラムバルブの閉鎖要素との間の距離は、少なくとも1つの磁石の磁界が閉鎖要素を変位させる程度まで低減される。
【0018】
操作要素は、スライド可能に支持可能である。このために、シャワーは、操作要素のための支持体を有することができ、この支持体は、(ハウジングに対して)変位可能に操作要素を支持している。これにより、操作要素を、特に複数の異なるバルブ開弁位置へとスライドさせることができ、これにより、少なくとも1つの磁石と、開弁されるべきダイヤフラムバルブの閉鎖要素との間の距離は、少なくとも1つの磁石の磁界が閉鎖要素を変位させる程度まで低減される。
【0019】
以下では、本発明および技術的環境を、図面に基づいてより詳細に説明する。図面は、本発明の特に好ましい実施形態を図示しているが、本発明が、これらの好ましい実施形態に限定されているわけではないことに留意すべきである。図面では、同じ構成要素には同じ参照記号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】シャワーの第1の実施形態の平面図である。
図2】ダイヤフラムバルブの縦断面図である。
図3】シャワーの第1の実施形態の側面図である。
図4】シャワーの第2の実施形態の平面図である。
図5】第1のバルブ開弁位置にある操作要素を有するシャワーの第3の実施形態の側面図である。
図6】第2のバルブ開弁位置にある操作要素を有するシャワーの第3の実施形態の側面図である。
図7】第3のバルブ開弁位置にある操作要素を有するシャワーの第3の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、シャワー1の第1の実施形態の平面図を概略的に示している。シャワー1は、1つの流入チャネル3と、ここには図示されていない複数の流出チャネル4とを備えるハウジング2を有している。流入チャネル3は、ここには図示されていない衛生器具の液体管路または液体ホースに接続可能であり、この液体管路または液体ホースを介してシャワー1に液体を供給することができる。流入チャネル3を介して、第1のダイヤフラムバルブ5.1と、第2のダイヤフラムバルブ5.2と、第3のダイヤフラムバルブ5.3とに液体を供給することができる。ダイヤフラムバルブ5.1,5.2,5.3は、ハウジング2内に配置されている。ハウジング2の表側22には操作要素12が配置されており、この操作要素12は、支持体18によってハウジング2の中心で支持されている。支持体18によって操作要素12を、この支持体18を中心にして傾斜させることができる。操作要素12には、第1のダイヤフラムバルブ5.1、第2のダイヤフラムバルブ5.2、および第3のダイヤフラムバルブ5.3の上方に位置するように、第1の磁石14.1、第2の磁石14.2、および第3の磁石14.3が取り付けられている。磁石14.1,14.2,14.3は、支持体18を中心にして操作要素12を傾斜させることにより、限定的に移動することができる。
【0022】
図2は、第1のダイヤフラムバルブ5.1の縦断面図を例示的に示しており、第2のダイヤフラムバルブ5.2および第3のダイヤフラムバルブ5.3は、同一に構成されている。第1のダイヤフラムバルブ5.1は、弾性のダイヤフラム7が取り付けられたバルブハウジング19を有している。バルブハウジング19の下側領域には、ダイヤフラム7の第1の側6に隣接する入口チャンバ8が形成されている。液体は、流入チャネル3を介して入口チャンバ8に流入することができる。入口チャンバ8は、ダイヤフラム7の圧力補償チャネル11を介して、バルブハウジング19の上側領域にある逆圧チャンバ10に接続されており、逆圧チャンバ10は、ダイヤフラム7の第2の側9に隣接している。図1に示されているシャワー1の動作中には、液体は、入口チャンバ8から圧力補償チャネル11を介して逆圧チャンバ10に流入し、これにより、入口チャンバ8内の液圧と逆圧チャンバ10内の液圧とが実質的に同じになっている。逆圧チャンバ10は、入口チャンバ8よりも大きな面積でダイヤフラム7に隣接しているので、逆圧チャンバ10内の液圧は、入口チャンバ8内の液圧よりも大きな力をダイヤフラム7へと与える。これにより、ダイヤフラム7は、流出チャネル4の長手側の端部23によって形成されるバルブシート20に押し付けられる。ダイヤフラムは、バルブシート20の領域にさらに減圧開口部15を有しており、この減圧開口部15は、逆圧チャンバ10を流出チャネル4に接続している。減圧開口部15は、ばね17によってダイヤフラム7の第2の側9に押し付けられる閉鎖要素16によって閉鎖されている。したがって、液体は、逆圧チャンバ10から流出チャネル4を介して流出することができなくなっている。これにより、第1のダイヤフラムバルブ5.1が閉弁されている。第1のソレノイドバルブ5.1を開弁するために、図1に示されている第1の磁石14.1は、操作要素12(図1)によって、第1のダイヤフラムバルブ5.1の方向へと下方に傾斜可能または移動可能であり、これにより、閉鎖要素16は、第1の磁石14.1の磁界によってばね17のばね力に対抗して減圧開口部15から持ち上げられる。これにより、液体は、圧力補償チャネル11を介して逆圧チャンバから流出することができ、したがって、逆圧チャンバ10内の液圧は、逆圧チャンバ10内の液圧の結果として生じるダイヤフラム7への力が、入口チャンバ8内の液圧の結果として生じるダイヤフラム7への力よりも小さくなるまで減少する。ダイヤフラム7は弾性であるので、ダイヤフラム7は、流出チャネル4が完全に開放されるように、ダイヤフラムシート20から持ち上げられる。これによって、液体を、流出チャネル4を介して、所定のスプレーパターンを形成するためのここには図示されていないスプレー発生器へと供給することができる。
【0023】
図3は、シャワー1の第1の実施形態の側面図を概略的に示している。図3に示されているシャワー1の動作状況では、操作要素12は、支持体18を中心にして第1のバルブ開弁位置13.1へと傾斜しており、これにより、第1の磁石14.1との間の距離21は、第1のダイヤフラムバルブ5.1が開弁されるように、第1の磁石14.1の磁界が図2に示されている閉鎖要素16を変位させる程度まで低減されている。第1のバルブ開弁位置13.1では、ハウジング2内に配置されている残りのダイヤフラムバルブ5.2,5.3は、閉弁されている。
【0024】
図4は、シャワー1の第2の実施形態の平面図を概略的に示している。シャワー1の第2の実施形態は、操作要素12が1つの第1の磁石14.1のみを有し、かつ操作要素12が支持体18を中心にして回転可能になっているという点のみ、シャワー1の第1の実施形態とは異なっている。図4に示されているシャワー1の動作状況では、操作要素12は、第1のバルブ開弁位置13.1に位置しており、この第1のバルブ開弁位置13.1では、第1の磁石14.1が第1のダイヤフラムバルブ5.1の上方に配置されており、これによって磁石14.1が第1のダイヤフラムバルブ5.1を開弁している。支持体18を中心にして操作要素12を回転させることにより、第1の磁石14.1を、第2のダイヤフラムバルブ5.2が開弁されるように、第2のダイヤフラムバルブ5.2の上方に移動させることができるか、または第3のダイヤフラムバルブ5.3が開弁されるように、第3のダイヤフラムバルブ5.3の上方に移動させることができる。ダイヤフラムバルブ5.1,5.2,5.3は、図2に示されている第1のダイヤフラムバルブ5.1と同一に構成されている。
【0025】
図5は、シャワー1の第3の実施形態を概略的に示しており、この第3の実施形態は、操作要素12がハウジング2に変位可能に支持されているという点のみ、シャワー1の第1の実施形態および第2の実施形態とは異なっている。図5に示されているシャワー1の動作状況では、操作要素12は、第1のバルブ開弁位置13.1に位置しており、この第1のバルブ開弁位置13.1では、第1の磁石14.1と第1のダイヤフラムバルブ5.1との間の距離21は、第1の磁石14.1の磁界が第1のダイヤフラムバルブ5.1を開弁させる程度まで低減されている。操作要素12の第1のバルブ開弁位置13.1では、第2の磁石14.2と第2のダイヤフラムバルブ5.2との間の距離、および第3の磁石14.3と第3のダイヤフラムバルブ5.3との間の距離は、第2のダイヤフラムバルブ5.2および第3のダイヤフラムバルブ5.3が閉弁されるほどに大きくなっている。
【0026】
図6は、シャワー1の第3の実施形態を概略的に示しており、ここでは、操作要素12は、第2のバルブ開弁位置13.2に位置している。第2のバルブ開弁位置13.2では、第2の磁石14.2と第2のダイヤフラムバルブ5.2との間の距離21は、第2のダイヤフラムバルブ5.2が開弁される程度まで低減されている。操作要素12の第2のバルブ開弁位置13.2では、第1のダイヤフラムバルブ5.1および第3のダイヤフラムバルブ5.3は、閉弁されている。
【0027】
図7は、シャワー1の第3の実施形態を概略的に示しており、ここでは、操作要素12は、第3のバルブ開弁位置13.3に位置している。第3のバルブ開弁位置13.3では、第3の磁石14.3と第3のダイヤフラムバルブ5.3との間の距離21は、第3のダイヤフラムバルブ5.2が開弁される程度まで低減されている。操作要素12の第3のバルブ開弁位置13.3では、第1のダイヤフラムバルブ5.1および第2のダイヤフラムバルブ5.2は、閉弁されている。
【0028】
本発明は、複数のスプレーパターンを生成可能であって、かつ快適に操作可能であるシャワーを、わずかな所要構造スペースで構成することを可能にする。
【符号の説明】
【0029】
1 シャワー
2 ハウジング
3 流入チャネル
4 流出チャネル
5.1,5.2,5.3 ダイヤフラムバルブ
6 第1の側
7 ダイヤフラム
8 入口チャンバ
9 第2の側
10 逆圧チャンバ
11 圧力補償チャネル
12 操作要素
13.1,13.2,13.3 バルブ開弁位置
14.1,14.2,14.3 磁石
15 減圧開口部
16 閉鎖要素
17 ばね
18 支持体
19 バルブハウジング
20 バルブシート
21 距離
22 表側
23 長手側の端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7