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特許7210724根菜類を収穫する機械の動作を制御する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】根菜類を収穫する機械の動作を制御する方法
(51)【国際特許分類】
   A01D 33/00 20060101AFI20230116BHJP
   A01D 21/00 20060101ALI20230116BHJP
   A01D 51/00 20060101ALI20230116BHJP
【FI】
A01D33/00
A01D21/00
A01D51/00
【請求項の数】 46
(21)【出願番号】P 2021524246
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 EP2019080262
(87)【国際公開番号】W WO2020094653
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-06-01
(31)【優先権主張番号】102018127846.2
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520134865
【氏名又は名称】グリメ ラントマシーネンファブリーク ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Grimme Landmaschinenfabrik GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Hunteburger Strasse 32, 49401 Damme, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフラム シュトロートマン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ベーゼンベアク
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06119442(US,A)
【文献】特表2015-529154(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0047177(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0056258(US,A1)
【文献】特開平05-219812(JP,A)
【文献】特開2010-069367(JP,A)
【文献】特開2009-106255(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 33/00
A01D 21/00
A01D 51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
根菜類(4)を収穫する、かつ/または混入物(5)を含むさらなる収穫物から根菜類(4)を分離する機械(2)の動作を、プロセッサを含む評価装置により制御する方法であって、
少なくとも1つの搬送部材(10)によって機械フレーム(12)に対し相対的に搬送区間に沿って搬送方向で前進させられる収穫物の少なくとも1つの検査画像(8)を、画像キャプチャユニット(6)により撮影し、前記機械(2)の少なくとも1つの動作パラメータを設定する方法において、
搬送方向においてずらされた少なくとも1つのさらなる画像キャプチャユニット(6)により、少なくとも1つのさらなる検査画像(8)を撮影し、前記評価装置は、前記少なくとも1つの検査画像(8)に基づき生成された第1の検査データセットと、前記さらなる検査画像(8)に基づき生成された少なくとも1つのさらなる検査データセットとを用いてなくとも1つの動作パラメータ信号を生成し、該動作パラメータ信号を介して、前記機械(2)の前記少なくとも1つの動作パラメータを設定する、
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記動作パラメータ信号は、分離装置設定信号として形成され、前記分離装置設定信号を用いることで、分離装置コントローラは前記動作パラメータを上昇または低下させる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記動作パラメータ信号を、前記第1の検査データセットと前記少なくとも1つのさらなる検査データセットとの比較解析によって生成する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記評価装置は、少なくとも1つの画像領域(19)から形成された前記少なくとも1つの検査画像(8)または前記少なくとも1つのさらなる検査画像(8)の収穫物構成要素の割合である第1の割合(A1)を計算し、前記少なくとも1つの画像領域(19)は少なくとも部分的に、前記収穫物または前記機械(2)の定義された構成要素が描画され、前記評価装置は、前記動作パラメータ信号の設定を個々の前記割合(A1)に基づき行、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記第1の割合(A)を成す前記少なくとも1つの画像領域(19)を、該画像領域(19)を用いて生成された個々の検査サブデータセットに基づき、前記収穫物または前記機械(2)の定義された前記構成要素を示すものとして識別する、請求項記載の方法。
【請求項6】
前記第1の割合(A1)を成す前記少なくとも1つの画像領域(19)を、前記検査サブデータセットに含まれる少なくとも1つの色情報に基づき、前記収穫物または前記機械(2)の定義された前記構成要素を示すものとして識別する、請求項5記載の方法。
【請求項7】
記検査サブデータセットに含まれる少なくとも1つの検査値を統計的な分類法によって分類し、前記分類法の結果が、前記収穫物もしくは前記機械(2)の定義された前記構成要素に対応づけられるならば、1つの画像領域(19)を前記第1の割合(A1)に算入させる、請求項または記載の方法。
【請求項8】
前記検査サブデータセットに含まれる少なくとも1つの検査値をモデルベースの統計的な分類法によって分類する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記検査サブデータセットに含まれる少なくとも1つの前記色情報を統計的な分類法によって分類し、前記分類法の結果が、前記収穫物もしくは前記機械(2)の定義された前記構成要素に対応づけられるならば、1つの画像領域(19)を前記第1の割合(A1)に算入させる、請求項6記載の方法。
【請求項10】
前記検査サブデータセットの前記少なくとも1つの検査値を少なくとも1つの基準値と比較し、少なくとも、前記検査サブデータセットの前記少なくとも1つの検査値が対応づけられた基準値範囲内にあれば、1つの画像領域(19)を前記第1の割合(A1)に算入させる、請求項7または8記載の方法。
【請求項11】
前記評価装置は、前記第1の割合(A1)に算入させるべき、基準画像の例示的な画像領域(19)が入力されると、前記分類法の基礎を成すモデルを自動的に発展させ、かつ/または少なくとも1つの基準値範囲を自動的に計算または変更する、請求項7から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
前記第1の割合(A1)を計算するときに種々の画像領域(19)をそれぞれ異なるように重み付ける、請求項から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
個々の前記検査画像(8)全体または1つのまとまった個々の検査画像部分(8A)が、複数の部分画像領域(16)に分割されている、請求項から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
前記部分画像領域(16)はそれぞれ、前記検査画像(8)の同じ個数のピクセルを含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記同じ個数のピクセルは、厳密に1つのピクセルである、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記検査画像(8)は複数の検査画像部分(8A、8B)を含み、該複数の検査画像部分(8A、8B)について、前記評価装置はそれぞれ第1の割合(A1)を計算する請求項から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
前記検査画像部分(8A、8B)は、1つの分離装置から搬出を行うそれぞれ異なる搬送部材の収穫物を描画する、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記第1の割合(A1)を成す前記画像領域(19)は、根菜類(4)または該根菜類(4)の一部を示し、第2の割合(A2、A3、A4)を成す画像領域は、混入物(5)または該混入物(5)の一部を示す、請求項から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
前記動作パラメータ信号を、複数の割合(A1、A2、A3、A4)を用いて、または該複数の割合(A1、A2、A3、A4)から導出された値から計算し、または事前に計算された少なくとも1つの割合を前記動作パラメータ信号の計算に関与させる、請求項から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つのさらなるセンサが、前記動作パラメータ信号の計算に関与するセンサデータを前記評価装置に伝達する、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
前記評価装置は、個々の動作パラメータ信号を用いて前記動作パラメータの上昇または低下をトリガする、請求項1から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
動作パラメータ変更のトリガ後、定義された期間または前記搬送部材(10)の定義された搬送区間にわたり、さらなる動作パラメータ変更をトリガしない、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記動作パラメータまたは前記動作パラメータのうちの1つは、2つの搬送部材(10)同士の間隔(H)、あるいは前記機械(2)の分離部材(24、26、30、32)と前記搬送部材(10)またはさらなる搬送部材(10)との間隔(H)である、請求項1から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
前記動作パラメータまたは前記動作パラメータのうちの1つは、掘り取り深さおよび/または走行速度である、請求項1から23までのいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
前記動作パラメータまたは前記動作パラメータのうちの1つは、分離部材(24、26、30)または分離装置の分離速度である、請求項1から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
前記動作パラメータまたは前記動作パラメータのうちの1つは、前記搬送部材(10)または前記機械(2)の迎角(α)である、請求項1から25までのいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
前記動作パラメータまたは前記動作パラメータのうちの1つは、駆動出力および/またはモータ出力および/または配属された装置の迎角である、請求項1から26までのいずれか1項記載の方法。
【請求項28】
前記動作パラメータ信号は、有線または無線で、分離部材コントローラに伝達される、請求項1から27までのいずれか1項記載の方法。
【請求項29】
分離装置設定は、事前に操作員によりインタフェースにおける入力を介して許可されなければならない、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記さらなる検査画像(8)は、前記搬送区間の長さ方向にずらされたさらなる搬送領域を表示する、請求項1から29までのいずれか1項記載の方法。
【請求項31】
つよりも多くの画像キャプチャユニット(6)が、前記機械の前記搬送区間に沿って複数の検査画像(8)をキャプチャし、付随する前記検査データセットを前記評価装置において評価する、請求項1から30までのいずれか1項記載の方法。
【請求項32】
2つよりも多くの画像キャプチャユニット(6)が、前記機械の前記搬送区間に沿って複数の検査画像(8)をキャプチャし、付随する前記検査データセットを前記評価装置において評価し、複数の動作パラメータを設定するために使用する、請求項1から30までのいずれか1項記載の方法。
【請求項33】
前記動作パラメータ信号を操作員のために描画し、かつ/または自動的に前記少なくとも1つの動作パラメータを設定するために使用する、請求項1から32までのいずれか1項記載の方法。
【請求項34】
記画像キャプチャユニットは、1次元または2次元の情報だけをキャプチャする、請求項1から33までのいずれか1項記載の方法。
【請求項35】
前記評価装置は、ローカルで前記機械(2)において、または直接接続された牽引車両において、前記検査データセットを評価する、請求項1から34までのいずれか1項記載の方法。
【請求項36】
前記評価装置は、個々の収穫物構成要素の前記割合(A1、A2、A3、A4)または該割合から導出された収穫物構成要素に関する値を、相前後して配置された搬送部材(10)の前記搬送区間に沿って、それぞれ付随する目標値と比較し、該比較に基づき前記少なくとも1つの動作パラメータ信号を生成する、請求項引用する請求項から35までのいずれか1項記載の方法。
【請求項37】
前記目標値は、根菜類固有におよび混入物固有に形成されている、請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記評価装置に、複数の目標値からなる種々のパラメータセットが格納されており、かつ/または前記評価装置に種々のパラメータセットを予め設定可能である、請求項36または37記載の方法。
【請求項39】
前記動作パラメータ信号および後続の動作中に生じた個々の検査画像(8)の少なくとも1つの割合(A1、A2、A3、A4)を記憶し、データベースに格納する、請求項引用する請求項から38までのいずれか1項記載の方法。
【請求項40】
動作パラメータ変更がトリガされた後、該トリガ時に前記機械(2)により大地から回収された前記収穫物が、前記搬送区間に沿ってその後に撮影された検査画像(8)により少なくとも部分的に示されるまでは、さらなる動作パラメータ変更をトリガしない、請求項1から39までのいずれか1項記載の方法。
【請求項41】
根菜類(4)を収穫する機械であって、該機械は少なくとも、機械フレーム(12)と、搬送部材(10)と、搬送区間に沿って相前後して配置された、少なくとも2つの画像キャプチャユニット(6)と、評価装置とを有し、請求項1から40までのいずれか1項記載の方法を実施するように形成されている、
機械。
【請求項42】
前記評価装置は、グラフィックプロセッサユニットを含む、請求項41記載の機械。
【請求項43】
前記評価装置と結合された少なくとも1つのセンサが設けられている、請求項41または42記載の機械。
【請求項44】
前記搬送部材は、選別ベルト(10A、10B、10E)、針付きベルト(10C、10D)、星型選別部材(10P、10Q、10S)、搬送ローラ(10T)、方向転換ローラ、草用ベルト、フィンガベルト、揺動またはノック発生装置、あるいは空気供給または空気排出装置である、請求項41から43までのいずれか1項記載の機械。
【請求項45】
前記画像キャプチャユニット(6)のうちの少なくとも1つは、前記検査画像(8)が、種々の収穫物構成要素のための少なくとも2つの択一的な搬送経路を示すように、配置されている、請求項41から44までのいずれか1項記載の機械。
【請求項46】
前記画像キャプチャユニット(6)のうちの少なくとも1つは、前記検査画像(8)が、少なくとも根菜類(4)のための搬送経路と混入物(5)のための搬送経路とを示すように配置されている、請求項41から44までのいずれか1項記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、根菜類を収穫する、かつ/または混入物を含むさらなる収穫物から根菜類を分離する機械の動作を制御する方法ならびに相応に形成された機械に関する。この方法の場合、少なくとも1つの光学式画像キャプチャユニットによって、少なくとも1つの搬送部材を用いることで機械フレームに対し相対的に前進させられる収穫物の少なくとも一部の少なくとも1つの検査画像が撮影される。
【0002】
検査画像により、根菜類を収穫する機械により事前に回収された収穫物が表示される。この場合、機械の一部である搬送部材は、機械内部で収穫物を前進させる役割を果たす。その際に収穫物の少なくとも一部が、搬送部材とじかに接触する。
【0003】
米国特許出願公開第2018/0047177号明細書には、搬送部材の速度を計算するために、撮影された検査画像が用いられる方法が開示されている。これに続き、計算された速度に基づき搬送部材の実際の搬送速度が整合される。
【0004】
上位概念記載の公知の方法における欠点とは、収穫条件次第では、根菜類がひどく損傷してしまうこと、または機械から積み下ろされた根菜類の中に大量の混入物が生じてしまうことである。したがって補足的に米国特許出願公開第2018/0047177号明細書において大まかに提案されているのは、機械のセンサにより検出された収穫物の3次元データについてサーバベースで評価することに応じて、収穫速度または機械の1つまたは複数のコンフィギュレーションを変更することである。
【0005】
本発明の課題は、機械全体の性能を同時に最適化しながら根菜物の保護が改善されるようにした方法を提供することにある。
【0006】
この課題は、請求項1記載の方法ならびに請求項33記載の機械により解決される。本発明のさらなる利点および詳細は、従属請求項ならびに以下の説明から読み取ることができる。
【0007】
本発明によれば上記の課題は、上位概念記載の方法において以下のようにしたことにより解決される。すなわちこの場合、搬送方向においてずらされた少なくとも1つのさらなる特に光学式の画像キャプチャユニットにより、少なくとも1つのさらなる検査画像を撮影し、評価装置は、第1の検査画像に基づき生成された、またはこの第1の検査画像により形成された、第1の検査データセットと、さらなる検査画像に基づき生成された、またはこのさらなる検査画像により形成された、少なくとも1つのさらなる検査データセットとを用いて、特に分離装置設定信号として形成された少なくとも1つの動作パラメータ信号を生成し、この動作パラメータ信号を介して、機械、特に分離装置、の少なくとも1つの動作パラメータを設定する。
【0008】
光学式画像キャプチャユニットは特に、これが搬送区間の後続の領域をキャプチャして、さらなる検査画像において描画するときに、搬送方向にずらされていると見なされる。1つの搬送領域を監視する画像キャプチャユニットを、以下では測定ステーションとも称する。本発明による機械は特に、少なくとも1つの分離装置を有する。これに従い本発明による方法によれば、対応する機械の少なくとも1つの分離装置をコントロールすることができる。
【0009】
特に搬送区間に沿って配置された分離装置もしくは搬送区間の搬送部材の動作パラメータの変化は、クリーニングプロセス全体に影響を及ぼし、特に後続の分離装置の分離性能に作用を及ぼすことから、本発明によれば有利には、画像キャプチャユニットの検査データセット中に含まれる搬送区間に沿った検査画像の情報が、互いに考察され、特に結合される。かかる結合を、同時にまたは時間的に相前後して調節される動作パラメータの設定として行うことができ、この設定により特に、個々の動作パラメータ、特に搬送区間に沿った分離装置設定、の関係も考慮することができる。対応するルールセットは、機械に固有に、相応に収穫物に固有に、機械の個々の評価装置内に格納されており、これによって評価装置は機械の動作中に自動的に、すなわち少なくとも大部分にわたり、特に完全に操作員とのインタラクションなく、所望の設定を行うことができる。たとえば、搬送区間の最初に位置する分離装置の分離性能が低下しているならば、たとえば土と根菜類とのいっそう強い分離を引き起こす目的で、後続の分離装置を場合によってはいっそうシャープに、すなわちいっそうアグレッシブに設定する必要がある。分離装置に該当する動作パラメータのほか、特に掘り取り深さ(Rodetiefe)または走行速度も、設定すべき動作パラメータまたはそれらのうちの1つとすることができる。
【0010】
特に動作パラメータ信号は、検査データセットの比較解析を用いて生成され、したがって評価装置は動作パラメータ信号の計算において、少なくとも2つの検査画像もしくは検査データセットの情報を考慮し、それらを評価の目的で互いに結合する。
【0011】
このようにして特に保証することができるのは、混入物の割合が所望の程度に、特に均質に、機械を通過する収穫物の経路にわたって減少する、ということである。つまりある分離装置において強くクリーニング除去しすぎると、その分離装置に過大な負荷がかかってしまい、過度な摩耗に至るおそれがある。同時に、特に土を早くおよび強くクリーニング除去しすぎてしまうと、その結果として、もはや土のクッションがなくなってしまう、または少なくなってしまうことに起因して、特に選別チェーンの最後においてジャガイモの損傷が生じてしまうおそれがある。同じことは、たとえばカブなど他の根菜類についても当てはまる。同様に、不所望な混入物のクリーニング除去が遅すぎると、搬送区間全体の摩耗が高まってしまうおそれがある。しかも、個々の混入物に固有に作られている分離装置が、それらの混入物を場合によっては理想的には物流において分離除去できない。その結果、同様にやはり機械の余分な効率損失および掘り取り性能全体の低下が引き起こされる。本発明による方法によれば、丁寧な取り扱いで損傷がなく、それにもかかわらず最適な収穫性能およびクリーニング性能のために整合を行う動作パラメータが自動的に設定される、ということが保証される。
【0012】
本発明によれば、さらなる検査画像は、搬送区間の長さ方向にずらされた、特にさらなる搬送部材の、さらなる搬送区間領域を表示するように構成されている。好ましくは、少なくとも2つの検査画像は、分離装置の最初のまたは入口の検査画像および最後のまたは出口の検査画像である。たとえばこれを、搬送方向において選別ベルトまたは土落としローラの前方および後方のセクションとすることができる。同様に、石分離装置の前方および石分離装置の後方における領域からの検査画像を、とりわけ良好に使用することができる。
【0013】
この機械は特に、根菜類、特にジャガイモ、カブ、ニンジンまたはチコリ、を収穫するために動作中に自走するまたは牽引される車両である。択一的にこの機械を、根菜類を収穫物の混入物から、たとえば土塊、石または土から分離する、特に定置型の機械とすることもできる。
【0014】
この方法の実施中、走行するまたは牽引される機械は特に、収穫すべき根菜類の列、特に畝の方向、に前進させられ、それらの根菜類が収穫物の一部として1つの連続的なプロセスで大地から回収される。収穫物が回収された後、収穫物の少なくとも一部が、特に根菜類および/または混入物が、少なくとも部分的に少なくとも1つの搬送部材により、機械の機械フレームに対し相対的に前進させられる。特に、搬送部材は循環しており、搬送ベルトとして、好ましくは選別ベルトとして、または回転式星型選別部材として、形成されている。
【0015】
分離装置は、場合によっては個別に設定可能な複数の分離部材と共に機械の一部であり、その際に好ましくは1つまたは複数の搬送部材と共働する。択一的に、分離装置は搬送部材の一部であり、この搬送部材によって少なくとも一緒に形成されており(たとえば揺動装置が設けられた選別ベルトの場合)、または1つまたは複数の搬送部材を一緒に形成する(たとえば土落としローラの場合)。動作中、分離装置に対し相対的な収穫物の運動により、運動衝撃が収穫物の少なくとも1つの構成要素、特に根菜類または混入物、に及ぼされる。分離装置には、たとえば土落としローラの形態で、特に方向転換ローラの形態の循環する分離部材が設けられており、この場合、収穫物のそれぞれ異なる構成要素は、分離装置によって少なくとも同じ方向には移動させられない。
【0016】
光学式画像キャプチャユニットは、特に個々の搬送部材の上方で機械に位置固定されて配置されており、搬送部材に向けて、つまりは動作中、画像キャプチャユニットと搬送部材との間に位置する収穫物またはその構成要素、特に根菜類または混入物、の流れに向けて、配向されている。本発明による方法は特に機械による収穫中もしくは分離中に実施され、その際に好ましくは繰り返される。
【0017】
検査画像は特に、多次元の、好ましくは2次元の描画であり、そこにおいて根菜類および混入物を含む収穫物の少なくとも一部、および/または搬送部材が描画される。画像キャプチャユニットにより撮影された検査画像に基づき、検査データセットがすでに画像キャプチャユニットにより、または評価装置により、生成される。択一的に、検査データセットを検査画像自体によって形成することができる。このことは特に、自身の検査画像がすでに評価装置において引き続き解析するために適したフォーマットを有する画像キャプチャユニットについて当てはまる。検査データセットは特に、たとえばフィルタリングおよび/または異なる描画などの処理により作成された、少なくとも一時的にシステム内に存在するデータセットであり、その情報、たとえば色情報、が評価装置において評価される。検査データセットをたとえば、画像ファイル、テーブル、マトリックスまたはベクトル場として設けておくことができる。検査画像またはすでに画像キャプチャユニットにより作成された検査データセットは、画像キャプチャユニットから評価装置に伝送される。光学式画像キャプチャユニットは特に、検査画像を2次元で撮影するためのディジタル写真カメラまたはディジタルビデオカメラとして、形成されている。以下では、評価装置における画像情報の処理に関連して検査画像について言及するかぎりは、検査画像をこの関連において検査データセットとすることができる。
【0018】
評価装置は、検査データセットを評価する役割を果たす。評価装置は少なくとも1つのプロセッサを含み、中央計算ユニットとして、または少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つの記憶装置とを機械の構成部材の様々なポジションで含む、分散型システムとして、形成されている。したがってこれは、場合によっては評価をただちにその場で行い、結果をそのまま供給するようにしたローカルのシステムである。
【0019】
動作パラメータは可変の量であり、これは分離装置もしくは分離装置の分離部材の幾何学的形状、機械フレームまたは搬送部材に対し相対的なポジションまたは配向、分離装置の速度、または駆動出力もしくはモータ出力に該当する。動作パラメータによって、どのようにしてまたはどの程度だけ、分離装置が収穫物または収穫物の少なくとも1つの構成要素と共働するのかを設定することができる。特に動作パラメータの変更によって、根菜類を機械内部で搬送すべき搬送区間に関連づけて、どのくらいの混入物が分離装置下流で根菜類に残留するのかを、変更することができる。動作パラメータは特に、少なくとも根菜類を搬送する役割を果たす搬送部材の搬送速度には依存せず、他方、根菜類はその搬送部材上に載置されて搬送部材と同じ方向に移動していく。
【0020】
動作パラメータによって特に、分離装置が根菜類と混入物との分離に際してどのくらいアグレッシブな挙動をとるのかが定義される。アグレッシブの度合いが小さすぎると、混入物の過度に多くの部分が根菜類から分離されない。アグレッシブの度合いが大きすぎると、混入物だけではなく根菜類も分離除去され、または損傷させられてしまい、それによって収穫高が減少する。分離装置設定信号を生成することによって、特にその信号を分離装置コントローラに送信することによって、好ましくは検査画像に描画された収穫物の一部に基づき、動作パラメータが設定される。分離装置設定信号を用いることで、分離装置コントローラは特に動作パラメータを上昇または低下させる。この目的で、分離装置コントローラは特に電気信号を送信し、または液圧を変化させ、この場合、分離装置コントローラは特に、評価装置と同じ計算ユニットの一部である。
【0021】
この方法によれば、分離装置を備えた機械の動作の連続的な最適化を達成することができる。特に選別除去を、搬送区間の稼働状態に応じて継続的に最適化することができ、かくして搬送区間全体にわたる根菜類の丁寧な取り扱いも、収穫物からの混入物の効果的な分離も達成することができる。
【0022】
特に評価装置は、分離装置設定信号を供給するために(複数の分離装置を設定する場合には相応に複数の分離装置信号)、ローカルで機械において、またはこの機械と直接接続された牽引車両において、検査データセットを評価する。これにより、分離装置において不所望な状態が識別されたときに、ほぼ即時の制御が可能であり、詰まり、損傷または性能劣化が相応に回避される。
【0023】
本発明による方法の1つの有利な発展形態によれば、評価装置は、少なくとも1つの画像領域により形成された、個々の検査画像の少なくとも第1の割合を計算する。少なくとも1つの画像領域は、収穫物または機械の定義された構成要素を少なくとも部分的に描画し、動作パラメータ信号もしくは複数の動作パラメータの設定が、個々の検査画像の個々の割合に基づき行われる。第1の割合に基づき特に、搬送区間の監視対象領域における個々の収穫物構成要素の割合が求められ、特にそれと同等に扱われる。
【0024】
相前後して配置された監視対象搬送区間領域の個々の収穫物構成要素すなわち個々の検査画像から生じた割合を、簡単な手法で互いに比較することができる。
【0025】
1つまたは複数の動作パラメータの設定は特に、個々の測定ステーションの、すなわち個々の画像キャプチャユニットによりキャプチャされる搬送区間の領域の、すべてのまたは個々の収穫物構成要素の割合またはこの割合から導出された値に依存して行われる。
【0026】
第1の割合を計算する前に、第1の割合によって統計的に表現される構成要素が予め定義される。検査画像および/または検査データセットは特に、好ましくは同じ大きさの複数の画像領域に分割される。少なくとも部分的に構成要素を示すこれらの画像領域が合わさって、第1の割合を成す。この割合は特に、構成要素を少なくとも部分的に示すこれらの画像領域の、画像領域全体における割合であって、その際に第1の割合は、画像領域の個数の比を用いて、またはそれらの共通の面積を用いて形成される。
【0027】
第1の割合は、構成要素を描画する画像領域の大きさに対する尺度であり、したがって画像キャプチャユニットの視野内にある構成要素もしくは検査画像の考察すべき割合の密度に対する尺度である。構成要素は特に、少なくとも部分的に根菜類の構成要素であり、これによって第1の割合は、根菜類の集中度を少なくとも近似的に表す。1つの画像領域の面積の少なくとも50%~100%が構成要素を示しているならば、その画像領域は特に構成要素を描画するものとして評価され、第1の割合に算入される。特に、少なくとも1つの画像領域を、割合に応じて第1の割合に算入させるだけでもよいし、または好ましくは種々の割合でそれぞれ部分的に算入させることができる。このことが特に有利であるのは、好ましくはモデルベースの分類法の枠内において、画像領域と対応する構成要素との一義的な対応づけが不可能な場合である。好ましくはこのケースにおいて、種々の割合への対応づけに対する確率が求められる。画像領域はとりわけ好ましくは、確率に従い割合に応じてもしくは部分的に、それぞれ異なる割合に算入される。これによって、構成要素同士の状態がさらに正確に描画される。
【0028】
少なくとも第1の割合の計算によって、特に収穫物の組成が表される。これに基づき、個々の動作パラメータをとりわけ有利に制御することができる。その理由は、搬送部材または搬送部材を含む分離装置のクリーニング性能は、収穫物の組成に大きく左右されるからである。特に第1の割合は、混入物の集中度である。したがって、場合によってはクリティカルな集中度を示す後続の分離装置の負担を軽減する目的で、配属された分離装置の動作パラメータを、第1の割合が多くなるにつれて、いっそう大きな分離作用または分離性能を生じさせるように変化させることができる。
【0029】
第1の割合は、好ましくは少なくとも近似的に、それぞれ考察される収穫物構成要素の割合であると見なされ、つまりそれと同等に扱われる。
【0030】
好ましくは、第1の割合を成す少なくとも1つの画像領域は特に、画像領域を用いて生成される検査データセットに基づき、定義された構成要素を示すものとして識別される。特に、検査画像中および/または検査サブデータセット中に含まれる検査値、好ましくは色情報、に基づき、この画像領域が識別される。色情報は特に、黒白値、グレー値および/または色空間の色チャネル値を含む。
【0031】
好ましくは、検査サブデータセット、検査値もしくは色情報が、特にモデルベースの統計的分類法によって分類される。したがってある画像領域は、分類法の結果が収穫物もしくは機械の定義された構成要素に対応づけられるならば、特に第1の割合に算入される。分類法は特に、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、ベイズ分類器、サポートベクトルマシンおよび/または決定木を使用する。この分類法の適用によって、第1の割合、特に種々の割合、の計算結果は、収穫物の組成に関してとりわけロバストであり、かつ情報形成能力が高い。
【0032】
特に好ましくは、検査値もしくは色情報が1つまたは複数の基準値もしくは基準領域と比較され、それに基づき画像領域は第1の割合に算入されるかまたは算入されない。基準画像を好ましくは、検査画像のように光学式画像キャプチャユニットによってキャプチャすることができ、その際にユーザは特に、基準画像の種々の部分を種々の構成要素を示すものとしてマーキングする必要がある。このような形式の区別によって、検査画像上の該当する構成要素のとりわけ確実な識別が実現されている。とりわけ好ましくは、特に色情報を含む検査サブデータセットの検査値のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの基準値と比較され、少なくとも、検査サブデータセットの少なくとも1つの検査値が対応づけられた基準値範囲内にあれば、画像領域が特に第1の割合に算入される。この基準値範囲は特に最大値と最小値とによって区切られており、その際に好ましくは画像領域を第1の割合に算入させるために、種々の検査値がそれぞれ対応づけられた基準値範囲内に入っている必要がある。
【0033】
本発明の1つの有利な実施形態によれば、評価装置は、第1の割合に算入させるべき、基準画像の例示的な画像領域が入力されると、分類法の基礎を成すモデルを自動的に発生させ、または自動的に発展させる。択一的にまたは付加的に評価装置は、第1の割合に算入させるべき、基準画像の例示的な画像領域が入力されると、少なくとも1つの基準値範囲を自動的に計算または変更する。かくして特に基準値、基準値範囲もしくはモデルまたはそのモデルパラメータを、少なくともすべてについてはユーザが手動で事前に定義しなくてもよい。その代わりに、評価装置の動作開始にあたり、構成要素を示す少なくとも1つの例示的な画像領域を入力すれば十分である。この画像領域を用いて評価装置は、少なくとも1つの基準値、少なくとも1つの基準値範囲、もしくはモデルまたはそのモデルパラメータを自動的に求める。このようにして評価装置は、種々の適用事例に広範囲にわたり自主的に合わせられる。この場合、入力される画像領域の個数が増えれば増えるほど、基準値、基準値範囲もしくはモデルまたはそのモデルパラメータをいっそう正確に求めることができる。
【0034】
入力される画像領域が、種々の輝度条件および/または土壌条件における構成要素を示すならば、この方法はとりわけロバストである。かくしてこの方法を、種々の適用条件においても確実に投入することができる。特に好ましくは、場合によっては操作者により関連する構成要素を例示的に識別しながら、この方法を繰り返し実施する間に、評価装置は少なくとも1つの基準値もしくは基準値範囲を整合し、それによってアルゴリズムのためのトレーニングデータを描画することができる。
【0035】
特に、評価装置が実質的に時間的に同時に撮影される検査データセットに対応づける周囲輝度を測定する輝度センサのようなさらなるセンサを用いることで、評価装置は自動的に基準データの規模を拡張する。択一的にまたは付加的に、この方法のユーザは、すなわち特に機械またはそれと結合された機械の運転者もしくは操作者は、評価装置の基準データの規模を拡張する目的で、視覚化された検査画像上の少なくとも1つの構成要素を手動でマーキングすることができる。したがってユーザにより一度なされた指示に基づき、または評価装置内に格納されたデータに基づき、評価装置は、たとえばジャガイモ、草、石、土および土塊などの区別を行うことができ、個々の割合を算定することができる。
【0036】
好ましくは本発明による方法は、構成要素のマーキングの形式で場合によっては行われるトレーニングデータの入力を除き、その開始後に自動的に実施される。機械の運転者もしくは操作者にとって、その操縦が簡単になる。
【0037】
好ましくは、個々の検査画像の評価において第1の割合を成す画像領域は、それぞれ隣り合う画像領域を用いて生成された、またはそれらの画像領域により形成された画像サブデータセットに基づき、付加的に識別される。特にこの目的でやはり、検査サブデータセットに含まれ、特に白黒値および/またはグレー値を含む色情報が使用される。したがって画像領域の評価は、それらに対応づけられたデータを用いて行われるだけでなく、付加的に周囲の画像領域に対応づけられたさらなるデータも用いられる。これによって、輝度推移および/または色推移を求めることができ、したがっていっそう幅広いデータ基盤に基づき識別を行うことができる。
【0038】
好ましくは、第1の割合を計算するときに種々の画像領域がそれぞれ異なるように重み付けられる。このため第1の割合を成す画像領域の寄与量がそれぞれ異なる。これによって、検査画像の遠近法的な表示をそのまま用いて第1の割合を計算するのではなく、特に、画像キャプチャユニットからいっそう離れた収穫物の構成要素を示す画像領域を、画像キャプチャユニットにいっそう近い構成要素を示す画像領域よりも大きく重み付けることが実現されている。これによって、遠近法が修正された第1の割合を形成することができ、したがって搬送部材上の収穫物の組成についてとりわけ現実に近い画像を達成することができる。このことは、搬送区間に沿ってそれぞれ異なる視点から撮影された検査画像を比較するために、特に有利である。
【0039】
好ましくは、それぞれ検査画像全体または1つのまとまった検査画像部分が、部分画像領域に分割されている。これらの部分画像領域は特に、検査画像の同じ個数のピクセルをそれぞれ含み、好ましくは厳密に1つのピクセルを含む。検査画像部分は、複数の部分画像領域を含む検査画像の一部または1つのセクションである。第1の割合を計算するために特に、検査画像に属し割合を示す画像領域だけが考慮される。この目的で特に、検査画像が機械内部の繊細な監視すべきゾーンを描画するように、検査画像が定義される。かくして第1の割合を成す画像領域は、特に1つの検査画像部分の複数の部分画像領域を含む。
【0040】
検査画像または検査画像部分は特に、それぞれ好ましくは矩形である複数の部分画像領域にラスタライズされている。厳密に1つのピクセルにより部分画像領域を描画すれば、収穫物の状態をその個々の構成要素について評価するために、とりわけ大きいデータベースが作成され、したがって個々の動作パラメータのとりわけ繊細な制御が可能になる。これと同時に、慣用の2次元ディジタルカメラから通常は最大で数100万ピクセルで供給されるデータ量は、1つまたは複数の最新のプロセッサを装備した評価装置であれば、そのまま即時に処理可能である。
【0041】
好ましくは、搬送区間に沿って相前後する通路を撮影する画像キャプチャユニットの個々の検査画像は、複数の検査画像部分を含み、これらの検査画像部分について、評価装置はそれぞれ第1の割合、特に画像領域における複数の割合、を計算し、その際に好ましくは検査画像部分は、1つの分離装置から搬出を行うそれぞれ異なる搬送部材の収穫物を描画する。検査画像部分は特に、同じ搬送部材のそれぞれ異なるセクションまたはそれぞれ異なる搬送部材を示す。特に検査画像部分は1つの搬送部材の複数のセクションを示し、それらのうち1つのセクションは、搬送方向で分離装置またはこの分離装置の分離部材の前方に位置しており、別のセクションは、分離装置またはこの分離装置の分離部材の後方に位置している。択一的に検査画像部分は、収穫物の種々の構成要素に対し択一的な搬送経路を成す種々の搬送部材(たとえば好ましくはクリーニングされた根菜類を有する収穫物流ための搬送部材、選別除去された混入物のための搬送部材)を示す。好ましくはこのようにすることで、分離装置に続く、つまりはこの分離装置から搬出を行う搬送部材の収穫物の組成がそれぞれ、1つには分離されて取り出された収穫物について、1つには引き続き搬送すべき収穫物について、求められる。これらの種々の検査画像部分について第1の割合ならびにさらなる割合を計算することによって、搬送区間全体に沿ってクリーニング性能もしくは分離性能をとりわけ広範囲にわたり評価することができる。
【0042】
同様に、個々の検査データセットにおいて描画されているまたは存在している検査画像部分は、分離装置の分離部材または方向転換部材の前方における搬送部材の部分と、分離部材または方向転換部材の後方における搬送部材の部分とを示すことができる。たとえば根菜類の過度に多い割合が方向転換部材の後方において不所望な領域で停滞していることが、画像解析から判明しているのであれば、この方向転換部材を異なるように、たとえば搬送部材上方においてもっと低くポジショニングさせることができ、このことによって方向転換性能が高められ、そうすることで機械全体の最適化のために後続の分離装置を、搬送区間に沿った動作パラメータのさらなる設定に応じていっそう強く、すなわちいっそうアグレッシブにもしくはいっそうシャープになるように設定することができ、それによっていっそう増やされた量の根菜類を処理することができる。
【0043】
本発明のさらなる実施形態によれば、検査画像部分は好ましくは、分離装置後方の種々の搬送部材を示し、特に根菜類混合物を排出するための搬送部材および同じ分離装置の後方で混入物を排出するための搬送部材を示す。両方の検査画像部分について好ましくは、根菜類および混入物における構成要素の個々の割合が求められる。択一的に、種々の検査画像部分について種々の割合が計算される。このようにすることでたとえば、根菜類混合物下降流中もしくは収穫物流中の混入物の割合を、選別除去された混入物の流れにおける根菜類の割合と整合調整することができ、これに基づき分離装置に含まれる分離部材を、たとえば搬送部材に対するその位置について、かつ/またはその速度について、設定することができる。
【0044】
好ましくは、第1の割合を成す画像領域は根菜類またはその一部を示し、第2の割合を成す画像領域は混入物またはその一部を示す。したがって評価装置は、個々の検査画像について少なくとも2つの異なる割合を計算する。とりわけ好ましくは、評価装置は少なくとも4つの割合を計算し、すなわち根菜類に関する第1の割合、土に関する第2の割合、草に関する第3の割合、ならびに損傷した根菜類に関する第4の割合を計算する。場合によってはさらに、石および/または土塊に関する少なくとも1つのさらなる割合を求めることができる。これらの割合の合計は特に1以下である。択一的に、第1の割合を混入物の割合、第2の割合を根菜類の割合といったようにすることもできる。
【0045】
択一的にまたは補足的に、本発明によるさらなる発展形態において、少なくとも2つの画像キャプチャユニットおよび少なくとも2つの搬送部材が設けられており、この場合、第1の画像キャプチャユニットにより、分離装置から第1の搬送部材により搬出された収穫物部分の第1の検査画像が撮影され、第2の画像キャプチャユニットにより、分離装置から第2の搬送部材により搬出された収穫物部分のさらなる検査画像が撮影され、両方の検査画像により形成された、またはこれらの検査画像に基づき生成された、検査データセットのうちの少なくとも一方、好ましくは両方、に基づき、分離装置設定信号が生成される。検査データセットはこの場合にそれぞれ、これまで述べてきたように、または後で述べるように、特に個々の割合について評価される。
【0046】
評価装置の計算における複数の割合によって、収穫物の組成もしくは搬送部材の占有状態のいっそう正確な画像を達成することができる。その結果、搬送区間の種々の領域について収穫物組成の正確な描画がもたらされ、したがって評価装置は、個々の動作パラメータについて相互に調節される正確な整合を行うことができる。
【0047】
限界値を用いた画像領域の識別に対し択一的に、個々の検査画像または検査画像部分のすべての画像領域が必然的に1つの割合に対応づけられる。その際に好ましくは、画像領域を用いて計算された検査サブデータセットと基準サブデータセットとの一致の度合いが評価され、一致が最大である割合に各画像領域が対応づけられる。
【0048】
本発明の1つの有利な実施形態によれば、個々の動作パラメータ信号は、特に分離装置設定信号は、特に時間的に相前後して計算された複数の割合を用いて計算され、または事前に計算された少なくとも1つの割合が動作パラメータの計算もしくは制御に共に関与する。このような措置により本発明による方法の場合には、先を見越して動作中に学習しながら、動作パラメータの設定が行われる。
【0049】
本発明の1つの有利な実施形態によれば、少なくとも1つのセンサがセンサデータを評価装置に伝達し、それらのセンサデータが動作パラメータ信号の計算に関与する。センサは特に、搬送部材上の収穫物のスライス厚を測定するためのセンサ、好ましくは触覚センサまたは超音波センサ、駆動出力を測定するためのセンサ、たとえば油圧オイル圧力を測定するための圧力センサ、および/または特に搬送部材駆動部の回転数を測定するための回転数センサである。特に、回転数センサを用いて搬送部材のスリップが求められ、これがセンサデータの形態で評価装置に伝達される。湿度センサを用いることによって、さらなる情報を分離装置設定信号もしくは動作パラメータ信号の計算に関与させることができる。
【0050】
検査画像に基づき供給される情報以上のものである、センサデータ中に存在するこれらのさらなる情報に基づき、個々の搬送部材に沿ったクリーニング状況のさらにいっそう正確な画像が評価装置において得られ、これによってやはり個々の動作パラメータに対し、これに基づきいっそう良好に調節されることで作用を及ぼすことができる。
【0051】
好ましくは評価装置は、種々の分離装置設定信号を用いて、特に複数の動作パラメータの上昇または低下をトリガする。特に評価装置または分離コントローラ、もしくはさらなる動作パラメータを設定するために場合によっては設けられているコントローラは、3ポイントレギュレータ、ファジィレギュレータおよび/またはPIDレギュレータを含み、これによって互いに択一的に、少なくとも1つの目下の動作パラメータの上昇、低下または維持がトリガされる。上昇がトリガされるのは特に、場合によっては生じる割合が予め定義された第1の閾値を上回り、かつ特にさらなる検査画像の評価によっても、場合によっては動作パラメータをさらに整合するにあたり、さらなる上昇に反対する理由が見出せないときであり、個々の割合が予め定義された第2の閾値を下回ったならば、やはり場合によってはさらなる検査画像を評価しながら、低下が相応にトリガされる。
【0052】
好ましくは動作パラメータは、2つの搬送部材同士の間隔であり、または分離装置の分離部材もしくは分離装置と搬送部材との間隔である。特に動作パラメータは、1つのローラ台において動作中に回転する2つの搬送ローラ同士の間隔である。択一的に動作パラメータは、選別ベルトとして形成された搬送部材と、方向転換ローラとして形成された分離部材との間隔であり、この場合、分離部材は、搬送部材を横切って延在し、根菜類を搬送部材から側方に逸らすように作用する。この場合、方向転換ローラは動作中、回転軸を中心に回転し、この回転軸は、搬送部材を上から見て搬送部材の搬送方向に対し90°未満の角度を成している。択一的に分離部材は、動作中に循環するフィンガベルトとして形成されており、これは搬送部材の上方に位置しており、外側に突出するそのフィンガが動作中、搬送部材上に配置された収穫物を梳く。やはり択一的に分離部材は、動作中に循環しないスクレーパ装置として形成されており、この装置は、選別ベルトと共働する草用粗目ベルトの上方に配置されていて、この草用粗目ベルト上に堆積した草から根菜類を引き剥がすように作用する。それぞれ特に油圧または機械によりコントロールされる調整装置によって間隔を設定可能であり、これによって搬送部材との共働において分離装置の分離部材のアグレッシブの度合いを、もしくは搬送部材の分離性能を、とりわけ簡単に変更することができる。
【0053】
択一的に動作パラメータは、または動作パラメータのうちの1つは、機械の少なくとも1つの掘り取りブレードの大地への侵入深さである。これにより簡単な手法で、収穫物における混入物の量に作用を及ぼすことができる。
【0054】
これまで述べてきたことに対し択一的にまたは付加的に、動作パラメータ/動作パラメータのうちの1つは、機械の走行速度または分離速度であり、特に分離装置もしくは分離装置の分離部材の循環速度または回転速度である。特に分離速度は、前述のフィンガベルトの循環速度であり、または前述の方向転換ローラの回転速度である。択一的に分離速度は、角度が付けられて動作中に混入物を上流に向けて搬送する、たとえば草用細目ベルトの形態の分離装置の循環速度であり、この分離装置は、できるかぎり混入物が上流に向けて搬送され、根菜類はそれらと向き合ったこの分離装置のセクションの運動方向に抗して下流に移動させられる、というようにして駆動される。
【0055】
好ましくは、動作パラメータまたは動作パラメータのうちの1つは択一的に、搬送部材および/または分離装置すなわち分離装置の少なくとも1つの分離部材の迎角(Anstellwinkel)として規定されている。特に動作パラメータは、草用細目昇降機と呼ばれる分離装置の迎角である。この迎角により、分離装置の草用細目ベルトの搬送平面の傾斜が、水平方向に対し相対的に変更され、そのようにして分離装置のアグレッシブの度合いが設定される。
【0056】
本発明の択一的な有利な実施形態によれば、動作パラメータは、時間あたりの空気流速度または空気質量輸送量の変化に作用を及ぼす。この場合、たとえばモータ回転数により表されるモータ出力を、空気流に基づき分離を行う分離装置の対応する動作パラメータとすることができる。その際にこの空気によって、やはり根菜類と混入物の分離がもたされ、特に草が収穫物流から吹き払われ、それによって取り除かれる。特に定置状態でも使用可能なこの種の空気分離装置の場合、動作パラメータを、配属された送風機の回転数とすることができ、またはたとえば空気流を主空気流と空気横流とに分割するエアバッフルの形態で配属された装置の迎角とすることができる。
【0057】
本発明による方法の1つの有利な実施形態によれば特に、これまでに挙げた動作パラメータのうちの複数は、同じ動作パラメータ信号または異なる動作パラメータ信号によって設定される。このために評価装置にルールセットを格納しておくことができ、これは個々の分離装置の所望の性能アップまたは性能ダウンのために対応する信号を、個々の設定可能な量について生じさせる。
【0058】
好ましくは、動作パラメータ変更のトリガ後、定義された期間または搬送部材の定義された搬送区間にわたり、さらなる動作パラメータ変更がトリガされない。このことは特に、同じ動作パラメータ、および/または動作中、下流に配置された少なくとも1つの分離装置の少なくとも1つの動作パラメータだけに該当する。これによって、たとえば分離部材の個々の動作パラメータの過調整が生じず、いかなる動作パラメータ変更も、これまでに行われた動作パラメータ変更をすでに考慮した確かなデータ基盤に基づく、ということが保証される。
【0059】
好ましくは分離装置設定信号は、有線で、特にCANバスまたはEthernetを用いて、または無線で、分離装置コントローラに伝達され、その際に分離装置設定は好ましくは、事前に操作員によりインタフェースにおける入力を介して許可されなければならない。これによって、既存のまたは少なくとも確立された通信伝送システムを、分離部材を設定するために利用することができ、結果として生じたまたは実施されるべき分離装置の設定が特に運転者キャビンにおいて操作員に表示され、インタフェース(いわゆるヒューマンインタフェースデバイス、HID)においてそれ相応の入力を介して許可されなければならない、ということによって特に、この方法の信頼性を高めることができる。
【0060】
好ましくは、本発明による方法を実施するために、2つよりも多くの、好ましくは3~12個の画像キャプチャユニットが、機械の搬送区間に沿って配置されており、これらの画像キャプチャユニットはそれぞれ1つまたは複数の検査画像をキャプチャする。付随する検査データセットは、場合によっては分散型で複数のユニットにより形成された評価装置において評価され、少なくとも1つの動作パラメータ、ただし特に複数の動作パラメータ、を設定するために用いられる。このようにすることで搬送区間全体にわたり、個々の分離装置もしくは掘り取り深さの設定を、最適な性能になるように行うことができる。自明のとおり、特に画像キャプチャユニットから供給されたデータを適時に評価する目的で、評価装置が複数の評価ユニットから成るようにすることができる。操作員に過大な要求が課されないよう、少なくとも1つの動作パラメータの設定が好ましくは自動的に行われる。搬送区間が比較的短ければ、動作パラメータ信号が操作員に理解できるフォーマットで描画され、その場合に動作パラメータ変更が操作員自身によって行われる、ということが有利になる可能性もあるけれども、好ましくはかかる表示は操作員の情報のためだけに用いられる。
【0061】
1つまたは複数の光学式画像キャプチャユニット、好ましくはすべての画像キャプチャユニット、が1次元または2次元の情報のみをキャプチャするならば、本発明による方法をとりわけ良好に実現することができる。したがってこの場合、たとえばラインスキャンカメラまたは2次元センサが設けられたディジタルカメラが対象となる。広範囲にわたるテストによって、2次元でキャプチャされた検査画像は、特に深度センサに由来する情報を使用しなくても、相応の動作パラメータを設定するために十分な情報を有する、ということが判明した。それと共に、検査データセットを評価するために使用可能なアルゴリズムは、自走式機械または牽引式機械もしくはその牽引車両から離れて配置された外部のサーバを設けなくても、取得されたデータをその場で評価するために十分に高速である。これに従い評価装置がローカルで機械において、または直接接続された牽引車両において、検査データセットを評価するのが有利である。画像キャプチャユニットと評価装置との間の機械内部での通信を、有線で行うことができる。この通信を、多くの場合にすでに設けられているCANバスシステム、類似の機械ネットワークを介して、または画像キャプチャユニットと評価装置との間の固有の接続によっても、行うことができる。必要なケースではローカルで、システムのある部分とシステムの別の部分との無線伝送も使用することができ、この場合、距離が短いことから数多くの様々な技術が提供されている。それら(たとえばBluetooth、W-LAN、ZigBee、NFC、WibreeまたはWiMAX、IDA、FSO)を、ケーブル接続伝送とも併せて使用することができる。
【0062】
比較的簡単に構築されるロバストな制御のために、本発明による方法において評価装置は以下のように形成されている。すなわちこの評価装置は、収穫物構成要素に関する割合またはそれらの割合から導出された値を、相前後して配置された搬送部材の搬送区間に沿って、それぞれ付随する目標値と比較し、この比較に基づき少なくとも1つの動作パラメータ信号を生成する。よって、検査画像により描画される個々の搬送区間領域について、様々な条件における収穫物の個々の割合に対する最適値または最適値の帯域幅を、システム内に格納することができる。
【0063】
本発明のさらなる有利な実施形態によれば、これまで述べてきたまたは以下で述べる、収穫物構成要素について求められた個々の割合またはそれらの割合から導出された値を、相前後して配置された搬送部材の搬送区間に沿って、これまで述べてきたまたは以下で述べる、それぞれ付随する目標値と共に、好ましくはさしあたり動作パラメータ信号の生成を伴わずに、または少なくとも動作パラメータの自動的な変更を伴わずに、表示ユニットにおいて操作員に表示することができる。動作パラメータの設定を、少なくとも1つの動作パラメータ信号がすでに生成されたのであれば、次いで操作員により許可することができ、または択一的に操作員によって直接行うことができる。
【0064】
たとえば収集された多数のデータに基づくということなどをベースに、個々の機械タイプについて収穫物構成要素に対する目標値、特に根菜類もしくは混合物の割合を、搬送区間に沿った個々の搬送ポジションにおいて求めることができる。相応に、搬送区間に沿った特定のポジションにおける割合の帯域幅について、最適な機械スループットのために種々の掘り取り条件に依存して、最適な目標値を経験的に求めて予め設定することができる。特に目標値は、根菜類固有におよび混入物固有に形成されており、たとえば操作員によって動作に先立ち選定することができ、または予め設定することができる。また、種々の掘り取り条件、たとえば乾燥した、湿った、石の多い、粘土質の土地、またはこれらに類することを、固有の分離装置について、またはたとえば選別ベルトとして形成された搬送区間上の組成について、目標値を選定するために、予め設定することもできる。
【0065】
かくして設定可能な通常の多くの動作パラメータであれば、好ましくは自動的に搬送区間にわたり動作中、最適な分離性能および/または相応に有意の混入物の割合を予め設定し、それらを達成しようと努めることができる。この場合、個々の分離装置もしくは機械のための個々の動作パラメータを、互いに依存させ、簡単で十分にインテリジェントなアルゴリズムを介して求めることができる。たとえばかかる制御であるならば、以下のことを格納しておくことができる。すなわち、搬送区間において早めにポジショニングされた分離装置のところですでに、入口と出口との比較において生産物流の極めて強いクリーニングが引き起こされるならば、分離装置内の制御モジュールは、そこにおいてもっと多くの混入物が引き続き案内されてもよい、ということを予め設定する。これとは逆に、ある分離装置において、入口と出口の間で目立ったクリーニング除去が行われていない、ということがその分離装置について認められるとしたならば、上位のクリーニングによって、機械のクリーニング性能全体を改善するためには、軽微な根菜類損失をここでは容認することができる/容認しなければならない、という事前設定をしておくことができる。さらに択一的にまたは補足的に制御によって達成できるのは、機械内の特定の物流場所で特定の物流状態が所期のように設定される、ということである。このようにすることでたとえば、選別チェーン上の土のクッションの増加を、掘り取り深さの増大または走行速度の上昇によって達成することができる。機械の個々の設定可能な部材のための少なくとも1つの動作パラメータ、好ましくは複数の動作パラメータが、特にニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、ベイズ分類器、サポートベクトルマシン、または決定木を用いることで求められる。
【0066】
特にかかる制御において、どのような程度で個々の分離装置において混入物を引き続き案内してよいのか、またはどのような程度でジャガイモまたはカブの形態の生産物の損失を甘受することができるのか、も格納しておくことができる。これらの量は、固有の個別分離性能制御つまりは動作パラメータ信号の計算の制御のために、重要な入力量である。
【0067】
設定可能な装置の大きな負荷を引き起こす動特性、これに従い分離装置の急激なまたは頻繁な変化を回避するために、個々の目標値に以下のような範囲を対応づけることができ、すなわちその範囲内では、その目標値からの偏差次第では割合もしくはそれから導出された値を容認可能と見なすことができる。このかぎりでは、理に適ったアルゴリズムは、ある装置における最適なクリーニング性能と、これに付随して生じる後続の分離装置、場合によっては同様に仕分け装置、の作用との間で、妥協を見つけ出すだけであろう。
【0068】
これに従い、予め搬送区間内にポジショニングされた分離装置、およびこの分離装置に対応づけられ個々の検査画像に由来する割合もしくはそれから導出された値は、個々のパラメータを求めるために種々の重み付けを有することができる。
【0069】
かくして本発明のさらなる有利な実施形態によれば、特に前述の種々の条件を満たす目的で、評価装置内に複数の目標値から成る種々のパラメータセットが格納されており、かつ/または対応する掘り取り状況または分離状況のために整合された目標値が存在するように、評価装置に種々のパラメータセットを予め設定することができる。
【0070】
動作パラメータ信号を、後続の動作中に生じる少なくとも1つの割合またはそれから導出された値と共に、特に付随する動作パラメータと共に記憶して、データベースに格納すると、機械の(クリーニング)性能を検査するために有利である。このことは特に、動作パラメータ変更の影響をあとになってからでもなお把握することができるように記録される動作パラメータについて当てはまる。
【0071】
一般に制御アルゴリズムには、機械が絶え間なく制御されることがないように、予め設定されたもしくは整合も可能な休止値を設けることができる。かかる休止値を、搬送される収穫物の速度に応じて選定することもできる。特に、ある動作パラメータ変更がトリガされた後、このトリガ時に機械により大地から回収された収穫物が、搬送区間に沿ってその後に撮影された検査画像により少なくとも部分的に示されるまでは、さらなる動作パラメータ変更がトリガされない。
【0072】
冒頭で呈示した課題は本発明によれば、根菜類を収穫する、かつ/またはさらなる収穫物混入物から根菜類を分離する機械によっても解決される。この機械は、機械フレームと、搬送部材と、特に分離装置を有する搬送区間に沿って相前後して配置された、少なくとも2つの特に光学式の画像キャプチャユニットと、分離装置と、評価装置とを有する。この機械は、これまで述べてきたまたは以下で述べる方法を実施するように形成されている。光学式画像キャプチャユニットは特に、これが搬送区間の後続の領域をキャプチャして、さらなる検査画像において描画するときに、搬送方向にずらされていると見なされる。
【0073】
好ましくは評価装置はグラフィックプロセッサユニットであり、特にGPU(Graphical Processing Unit)、もしくはGPGPU(General Purpose Graphical Processing Unit)、および/またはFPGA(Field Programmable Gate Array)をベースとするプロセッサユニットである。評価装置をこのように構成することによって、検査データセットをとりわけリソースを節約して、特にローカルで評価することができる。自明のとおり、電子データ処理装置として形成された評価装置は、たとえば電流供給、インタフェースおよびメインメモリのためのさらなる通常の手段を有する。
【0074】
本発明の1つの有利な実施形態によれば、この機械は、評価装置と結合された少なくとも1つのセンサを有し、特に、搬送部材上で収穫物のスライス厚を測定する接触センサまたは超音波センサ、駆動出力を測定するセンサ、たとえば油圧オイル圧力を測定する圧力センサ、および/または搬送部材に配置された回転数センサを有する。これらのセンサによって搬送速度信号を、運動特性データセットに加え測定された物理量に基づいても計算することができ、これによって評価装置により計算される量の情報形成能力が著しく高められ、そのエラー脆弱性が低減される。同様に湿度センサが、評価装置の解析の枠内で分離装置のうちの1つまたは複数を設定するために寄与する情報を付加的に供給することができる。
【0075】
これまで述べてきたまたは以下で述べる方法に従って、個々の検査画像によりキャプチャされた搬送区間領域に対する解析が、少なくとも1つの評価装置において行われる。好ましくは、ただ1つの中央の評価装置が、画像キャプチャユニットのデータを評価するために設けられている一方、個々の画像キャプチャユニットに固有の評価装置を対応づけることもできる。その場合にこれらの評価装置は、それぞれ対応づけられた分離装置を、特にさらなる評価装置と調整しながらコントロールすることができる。このケースでは、たとえばプロセッサのような個々のユニットが複数設けられている。択一的にまたは補足的に、中央の評価装置が分離装置設定信号の設定を受け持ち、この信号を機械のコントローラに転送する。
【0076】
好ましくは、画像キャプチャユニットのうちの少なくとも1つは、種々の収穫物構成要素のための少なくとも2つの択一的な搬送経路を検査画像が示すように、配置されている。これにより、画像キャプチャユニットを用いることで2つの搬送部材を監視することができ、この場合、検査画像のそれぞれ1つの検査画像部分が、種々の搬送部材またはそれらの搬送部材上の収穫物の1つのセクションを描画する。特に、搬送部材のうち1つ搬送部材は、選別除去された混入物を搬送するように形成されており、搬送部材のうち別の搬送部材は、クリーニングされた根菜類を搬送するように形成されている。これによって、配属された分離装置のクリーニング性能についてとりわけ広範囲に及ぶ画像を達成することができる。
【0077】
好ましくは、動作中、検査画像が、1つの分離部材により分離された少なくとも2つの搬送部材セクションをそれぞれ少なくとも部分的に描画するように、画像キャプチャユニットのうちの1つを配置することができる。これらの搬送部材セクションは、検査画像による表示において分離部材によって分離されているだけであり、それぞれ搬送部材に含まれている。分離部材は、搬送部材よりも画像キャプチャユニットの近くにあり、それにより搬送部材は検査画像においては分離部材によって覆われている。画像キャプチャユニットのこのようなポジショニングによって、2つの個々の検査画像部分についてそれぞれ少なくとも第1の割合を計算し、そのようにして直接、分離部材もしくは分離装置の効力を評価することができる。特にこの目的で、分離部材到達前の収穫物の組成が、分離部材通過後の収穫物の少なくとも1つの割合の組成と比較される。
【0078】
好ましくは、少なくとも1つの搬送部材は、選別ベルトまたは針付きベルトとして形成されており、これは動作中、特に少なくとも1つの方向転換ローラの下方を通り抜けて進行し、この方向転換ローラは、搬送部材を横切って延在し、収穫物をそこから側方へと逸らす。択一的に搬送部材は、星型選別部材または搬送ローラとして形成されており、この場合、搬送ローラは特にローラ台に含まれている。
【0079】
この機械は、これまでに述べたことに対し択一的にまたは補足的に、根菜類をクリーニングおよび/または仕分けする機械として形成されている。この場合に機械は特に定置され、すなわち動作中、機械の連続的なローカルな前進運動を伴わずに駆動される。
【0080】
本発明のさらなる詳細および利点は、以下で説明する概略的に示された実施例から読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
図1】本発明による方法のプログラムフローチャートである。
図2】監視対象搬送区間領域において収穫物構成要素を特定するための詳細図である。
図3】動作パラメータ信号を求めるための詳細図である。
図4】搬送区間に沿った収穫物の相対的な組成に対する目標曲線を示す図である。
図5】検査画像の様子およびその部分的評価について示す図である。
図6】監視対象搬送区間にわたる相対的な収穫物組成を例示した図である。
図7】本発明による方法を用いてもたらされる監視対象搬送区間にわたる相対的な収穫物組成を例示した図である。
図8】本発明による保護対象について示す図である。
図9図8による保護対象についてそれぞれ異なる側面から見た様子を示す図である。
図10図8による保護対象についてそれぞれ異なる側面から見た様子を示す図である。
図11図8による保護対象を搬送部材と共に示す部分図である。
図12図11に部分的に示した図8による装置の1つの領域の詳細図である。
図13図12による保護対象を異なる視点から示す図である。
図14図12による画像キャプチャユニットの検査画像を示す図である。
図15図8による機械の分離装置を画像キャプチャユニットと共に示す図である。
図16図15に示した画像キャプチャユニットの視点から撮影された概略的な検査画像を示す図である。
図17図8による機械のさらなる分離装置を画像キャプチャユニットと共に示す図である。
図18図17に示した画像キャプチャユニットの視点から撮影された概略的に描かれた検査画像を示す図である。
図19図8による機械をさらなる画像キャプチャユニットと共に示すさらなる詳細図である。
図20図19による画像キャプチャユニットの視点から見た検査画像を概略的に示す図である。
図21】本発明によるさらなる装置を示す詳細図である。
【0082】
同じ部材または同じように作用する部材には、目的に適うかぎりは、同じ参照符号が付されている。以下で説明する実施例の個々の技術的特徴を、これまで述べてきた実施例の特徴も用いることで、ただし常に少なくとも独立請求項のうちの1つの特徴との組み合わせにおいて、本発明の発展形態をもたらすことができる。
【0083】
図面の簡単な説明において挙げた保護対象は、個々の図面には往々にして部分的にしか示されていない。
【0084】
本発明による方法は、根菜類4を収穫する機械2の動作を制御するために用いられる(図6図8を参照)。この方法の場合、少なくとも1つの特に光学式の画像キャプチャユニット6によって、少なくとも1つの検査画像8が撮影され、この検査画像8は、さしあたり共通に参照符号10で表した少なくとも1つの搬送部材を用いて、機械2の機械フレーム12に対し相対的に前進させられる収穫物を示し、この収穫物は根菜類4を含む。さらに、搬送方向においてずらされた少なくとも1つのさらなる特に光学式の画像キャプチャユニット6により、少なくとも1つのさらなる検査画像8が撮影され、評価装置は、第1の検査画像8に基づき生成された第1の検査データセットと、さらなる検査画像に基づき生成された少なくとも1つのさらなる検査データセットとを用いて、特に分離装置設定信号として形成された少なくとも1つの動作パラメータ信号を生成し、この動作パラメータ信号を介して、機械2、特に分離装置、の少なくとも1つの動作パラメータが設定される。
【0085】
検査画像8として描かれた図5による図面は、場合によっては設けられている枠または境界を伴わずに、本発明に関連する部分を概略的に示しているにすぎない。画像キャプチャユニット6により撮影された特にディジタルの画像は、場合によっては図面には描かれていないさらなる情報を有する。これに加え図面には視覚化の目的で、場合によってはすでに評価装置の解析に由来する細部も示されている。
【0086】
本発明による実施例の場合、掘り取り装置によりもたらされ搬送区間の間に変動する物流1.1から出発して、既述の方法により第1の分離部材の前方で、択一的に収穫物回収直後の第1の分離の間に、たとえば第1の選別ベルト上または土落としローラ上において、収穫物の組成の評価が行われる(ブロック1.2)(図1)。これに加えてさらなる場所において、特にさらなる分離装置の入口の前および出口の後に、同様にやはり収穫物流の組成が計算される(ブロック1.3~1.n)。好ましくはキャプチャユニットが、搬送区間の最初と最後に少なくとも根菜類4のために設けられている。
【0087】
評価において、個々の測定場所1~nにおける、つまり画像キャプチャユニットによりキャプチャされる搬送区間の領域における、根菜類4、および草、土および石の形態の混入物5の個々の割合A1_1~A1_n、A2_1~A2_n、A3_1~A3_nおよびA4_1~A4_n(ブロック1.4、1.5、1.6)が生じる。個々の分離装置における所望の分離性能に応じて、評価装置において根菜類4もしくは混入物5の割合が互いに差分計算され(ブロック1.7)、好ましくは偏差について目標値を用いて検査される。その結果として個々の動作パラメータに対する制御量がもたらされ、これはブロック1.8において求められる。これに応じて動作パラメータ、たとえば走行速度、掘り取り深さ、および/または分離装置の設定が行われる(ブロック1.9)。これにより新たな物流が生じる(ブロック1.1)。
【0088】
物流の組成を求めることについて、図2にさらに詳しく示されている。測定場所における物流もしくは物の流れ(ブロック1.1)から出発して、最初に検査画像8が撮影される。検査データセットを作成する目的で、次いで関連する検査画像部分の抽出(ブロック2.1)が行われる。このために、画像キャプチャユニットのポジションに基づき、マスクもしくは関心領域(ROI)を事前に定義することができ(ブロック2.2)、これを用いることで検査画像8の考慮すべき間隔と考慮すべきでない間隔とが区別される。検査画像8の関連する画像セクションと、ここで処理のために設けられた検査データセットとに基づき、次いで個々の収穫物構成要素を示す画像領域の割合の計算が行われる(ブロック2.3)。この目的で特に、黒白値および/またはグレー値を特に含む色情報を評価することができる。それらの値を参照テーブルから取り出すことができ、または操作員が予め設定することもできる(ブロック2.4)。その結果から、それぞれ根菜類について考察された割合A1、土についてのA2、草についてのA3、および土塊についてのA4が生じる(ブロック2.5)。
【0089】
したがって本発明による方法を用いることで、搬送区間に沿った個々の測定場所について、収穫物流中に存在する生産物と混入物との比率がさしあたり別個に検出される。次いでこの比率が、評価装置内で個々の測定場所に固有に格納されている目標値と比較され、それによってそれぞれ監視される搬送区間領域において、所望の目標値からの偏差を求めることができる(図3、ブロック3.1)。さらに個々の掘り取り条件に固有に、機械2をどうのように動作させるべきであるのかに依存して、目標値もしくは目標曲線が形成されている(図4を参照)。
【0090】
目標値からの偏差を求めることに加えて、ブロック3.2においてそれぞれ相前後する測定場所の間に位置し、特に1つの分離装置もしくは1つの分離装置の1つの分離部材を含む搬送区間について、物流構成要素が個々の分離装置設定に依存してどのように展開しているのかが評価される。これに基づき、考察される搬送区間全体について、個々の設定量同士の相互作用を考慮して、個々の動作パラメータ信号が生成される(ブロック3.3)。その結果、動作パラメータが設定される(ブロック3.4)。このようにして搬送区間全体にわたり、たとえば根菜類4の丁寧な取り扱いのために最適な土のクッションを最大の搬送性能で実現することができる。
【0091】
所期の目標値を、たとえばテーブル値、関数曲線またはマトリックスとして、多種多様なやり方で予め設定することができる。図4には、任意の収穫プロセスについて考えられる状況が概略的に例示されており、これを操作員によって選択することができる。y軸上には相対的な物流組成が示されており、x軸は搬送区間を表す。100%と曲線の値との間の差が、相対的な根菜類割合に相応する。一点鎖線の曲線は、バランスのとれた動作に相応する。機械2は、搬送区間全体にわたり土のクッションが均質に減少することによって、良好な生産物保護が達成されるよう、均質なクリーニングを実施する。下方の破線の曲線は、できるかぎり早めに混入物の分離が行われる設定状況に相応し、相対的な根菜類割合がすでに搬送区間の最初に著しく大きくなる。高められた走行速度/収穫性能の負荷に対し、ふるい落とし/分離性能が評価装置における事前設定に応じて高められる。相応に評価装置は、走行速度を低下させて、たとえば第1の分離装置の分離性能を高めるようにする。
【0092】
実線の曲線は、最大掘り取り性能のための設定であり、この設定によれば搬送区間の最初に多くの収穫物が回収されて、選別ベルトにより受動的に行われるよりも強く後続の分離装置によって分離が行われる。かかる最大収穫物流の場合、機械2の摩耗が高められる。
【0093】
搬送区間に沿って分散された光学式画像キャプチャユニット6を備えた測定場所は、それぞれ1つの搬送区間セクションを示し、この場合、搬送区間の離散的なセクションが監視され、それらのセクションに対し好ましくはやはり離散的な目標値が、必要に応じて図4による曲線から導出されて予め設定される。
【0094】
図5にはこの図の上方に、搬送部材10Aから搬送部材10Bへの移行部を示す検査画像8が例示されている。この搬送区間領域上には、根菜類4と、石および草を含む可能性のある混入物5とが存在している。アルゴリズムのトレーニングにおいて定義された、もしくはデータベース、たとえば特に黒白値および/またはグレー値を含む色情報を有するテーブルを介して予め設定された分類に従い、個々の部分画像領域16が同じ構成要素の存在について検査される。このようにして個々の画像領域と個々の割合との対応づけに基づき、図5において右下に例示したように、検査画像8中の根菜類と混入物の個々の割合の割合分布が生じる。これによればA1は、検査画像もしくは対応する検査データセットにおける根菜類4の割合を示し、A2は土の割合、A3は草の割合、さらにA4は石の割合(図示せず)を示す。好ましくはこの対応づけは、個々のピクセルの色情報に基づき行われ、つまりある割合に対応づけられる画像領域19は、特に1つのピクセルの面積に対応している。個々の搬送区間領域において求められた値を、図4と同様に搬送区間に沿って示すことができる(図6)。測定された値に基づき、たとえば個々の測定場所MS1~MS5における個々の物流組成から出発して、根菜類4をいっそう多くの土のクッションにより搬送区間全体にわたりいっそう丁寧に取り扱うことを目的として、動作パラメータの整合が行われる。搬送区間の最初ではあまりふるい落とさないように予め設定した相応の制御の結果、たとえば図6による収穫物構成要素の分布が生じる。評価装置における制御によって好ましくは、予め設定された値にすべて正確に同時には到達し得ないことが考慮され、したがって所望の値からの偏差Δ(=デルタ)が許容される。
【0095】
図8には、光学式画像キャプチャユニット6の1つの配置が開示されている。本発明による機械2は、牽引式ジャガイモ掘り取り機として形成されており、この場合、多数の搬送部材10およびそれらに配属された分離装置が、部分的にしか表されていない機械フレーム12上に保持されている。搬送区間に沿って、複数の画像キャプチャユニット6が設けられており、これらは搬送部材10上で運搬される根菜類4を含む収穫物を撮影する。光学式画像キャプチャユニット6は個々の測定場所を成している。図8に表されている画像キャプチャユニット6のためのポジションは、掘り取り装置29の直後の領域(測定場所MS1)、選別ベルトの形態の第1の搬送部材10Aから、草用粗目ベルトにより付加的に取り囲まれている選別ベルトの形態の第2の搬送部材10B上への移行部(測定場所MS2)、この第2の選別ベルト10Bから、さらなる分離装置を含むさらなる搬送部材10Cへの移行部(測定場所MS3)である。これに加え、この分離装置の出口側で、選別台に至る搬送部材10Eがさらなる画像キャプチャユニット6によって監視され(測定場所MS4)、その際に同時に、残留した混入物5、特に石、のために設けられたさらなる搬送部材10Fがキャプチャされる。さらに選別台45のところに、さらなる光学式画像キャプチャユニット6が設けられている(測定場所MS5)。
【0096】
任意の、ただし好ましくは選別台の近くに位置する、中央でアクセス可能な場所に、評価装置をポジショニングすることができる。たとえば図8において見て取れるケーブル12.1を介して、走行速度信号または分離装置の設定に関する情報を、評価装置から牽引車両に送出することができる。
【0097】
図9および図10に側面図として描かれた機械2によって、光学式画像キャプチャユニット6のポジションが明確に示されている。特に、選別台45のところに位置する画像キャプチャユニット6を、貯蔵庫33に至る段差のすぐ近くに配置することができる。
【0098】
図11および図12には、搬送部材10Aと搬送部材10Bとの間の第1の段差の上方で、フレーム側に位置する光学式画像キャプチャユニット6の配置が示されており、その視野は下方に向けられている(測定場所2)。光源7によって、十分に光が当てられた検査画像8をキャプチャするために、視野の照明がもたらされる。搬送部材10Aは選別ベルトであり、このベルトは、掘り取り装置29から到来しているときにすでに混入物5の一部、特に土および/または土塊、をふるい落とし、段差を介して、選別ベルトとして形成されたさらなる搬送部材10Bへと引き渡す。この搬送部材10Bは付加的に草用粗目ベルトを有し、このベルトは、ジャガイモのそばまたは収穫物中に存在する草を取り去るために設けられている。これに応じてスクレーパ装置32が、搬送部材10Bの幅全体にわたって配置されている。
【0099】
搬送部材10Bの搬送平面上方のスクレーパ装置32の高さHを、分離装置設定信号として形成された動作パラメータ信号を用いて設定可能である。このことは、草用ベルトとして形成された分離装置の分離性能に作用を及ぼすことが可能であることを表す。これに加え、草用粗目ベルト43に対する選別ベルトの相対速度を設定可能とすることができる。見やすくするため、図12には草用粗目ベルト43だけが示されており、選別ベルトの形態で形成された本来の搬送部材10Bは示されていない(図14を参照)。
【0100】
図13に破線で表された光学式画像キャプチャユニット6の視野から得られる検査画像8が、図14に詳細に描かれている。この検査画像から作成された検査データセットを用いて、キャプチャされて分類された物体の割合に基づき前述の評価が行われる。
【0101】
搬送部材10Bから出て、まだ存在している収穫物がさらなる搬送部材10Cに搬送方向1Cで引き渡される。この搬送部材に、上下に位置して回転する複数の方向転換ローラ24の形態で分離装置が配属されている。これによって及ぼされる衝撃を介して、収穫物が搬送部材10Dの方向に運搬される(図15)。
【0102】
搬送部材10Cと下方の方向転換ローラ24との間の間隔Hを、分離性能を変更する目的で設定可能であり、したがってこれは設定可能な動作パラメータを成す。必要に応じて個々の方向転換ローラ24間のさらなる間隔を、方向転換の強度のために、もしく方向転換ローラ24間で草が引き出される分離機能を場合によっては生じさせるために、それら相互間の間隔に関して変更することができる。択一的にまたは補足的に、分離性能もしくは方向転換の変更が、方向転換ローラ24の循環速度が設定可能であることからもたらされる。
【0103】
同様に、フィンガベルト26.1として形成され搬送部材10Dに属する分離装置のフィンガ26の下端の高さHを、複数の動作パラメータのうちの1つとして設定可能である。高さHは、フィンガ26と針付きベルトとして形成された搬送部材の上縁部との間隔を表す。これに加え、搬送部材の搬送平面に向かう垂線に対するフィンガベルト26.1の迎角を、設定可能に構成することができる。同じことは、フィンガベルト26.1の循環速度についても当てはまる。
【0104】
図15に示されている画像キャプチャユニット6(測定場所MS3)によって、図16に示されている検査画像が生成され、この画像において、フィルタリングもしくはマスキングを介して、本実施例において関連する検査画像部分8Aが定義される。分離装置の性能、ここでは方向転換ローラ24の分離性能、を監視するために、搬送方向1Cから見て方向転換ローラ24の後方に位置する検査画像部分8Bを、さらに付加的に選択することができる。特に走行速度設定のために、方向転換ローラ24前方の領域が監視される。次いで、相応の検査画像部分8Aから検査データセットが生じる。
【0105】
検査画像部分8Aに関して付随する目標値が、上位のまたは図示された分離装置の過度に低い分離性能をもたらすのであれば、この分離装置を、前方または後方に続く分離装置のさらなる事前設定に依存して、いっそうアグレッシブになるように設定することができる。択一的に、たとえば方向転換ローラ24の後方において、後続の搬送区間上でのジャガイモ保護のために少なくともまだ部分的には必要とされる可能性のある土塊の形態の混入物5の割合が多すぎることに起因して、検査画像部分8Bにおける個々の割合またはそれから導出された値が、過度に高い分離性能を表すケースであれば,搬送部材からの方向転換ローラ24の間隔Hを低くし、それによって分離装置をあまりアグレッシブではなくなるように設定することができる。
【0106】
図17および図18には、搬送ベルト10Cおよび10Dの領域内に配置されたさらなる光学式画像キャプチャユニット6が示されている。図8による画像キャプチャユニットに対し補足的にまたは択一的に、この画像キャプチャユニット6を用いることができる。特にこの画像キャプチャユニットは、方向転換ローラ24により形成された分離および方向転換装置の作用を監視する役割を果たす。この監視ユニットにも、監視対象領域の照明を改善するために光源7が配属されている。
【0107】
さらなる光学式画像キャプチャユニット6が、配属された光源7と共に選別台の上方に、搬送部材10Eおよび搬送部材10Fに向けられた視線で配置されている(図19)。マスキングによって、図20による検査画像9中に描画された検査画像部分8Aおよび8Bが選択され、これらの検査画像部分は、一方では1つの搬送経路として、搬送方向1Eで根菜類4を運び出すための搬送部材10Eを監視し、他方ではさらなる搬送経路として、搬送方向1Fで石および土塊の形態の混入物5を運び出すための搬送部材10Fを監視する。前述の評価によって、搬送部材10F上の根菜類の割合が多すぎるか否かが検査される。このことが該当するとしたならば、本発明による方法を用いることで、前段に接続された分離装置が、搬送区間全体に対する制御事前設定に応じて、いっそうシャープにもしくはアグレッシブになるように設定される。この分離装置は、針状ベルトとして形成された搬送部材10Dの上方に位置し、特にフィンガベルトとして例示的に破線で示されたフィンガ26を備えており、ただしここに示した図面では、それらのフィンガ26の前に位置するカバー40の後方に配置されている。たとえば、根菜類の形態のいっそう多くの収穫物が搬送部材10E上に、配属されたシュート41を介して搬出されるように、搬送部材10Dからのフィンガ26の間隔が狭められる。石の形態の過度に多くの混入物が搬送部材10E上で識別されるのであれば、たとえば、場合によっては生じる石を搬送部材10Fの方向にいっそう良好に方向転換させるために、混入物に作用を及ぼす衝撃がいっそう僅かになるように、方向転換ローラ24の循環速度を変更することができる。そのようにすれば、混入物はシュート42を介して搬送部材10Fに向かって良好に滑り落ちる。
【0108】
図21には、カブ掘り取り機として形成された機械2の概略的に示された搬送区間において、測定場所MS1~MS5の配置が示されている。光学式画像キャプチャユニットは、掘り取り装置に続いてローラ台10Mの上方、および選別ベルトとして形成された搬送部材10Nの終端に配置されている(測定場所MS1およびMS2)。さらなる光学式画像キャプチャユニット6は特に、選別ベルトとして形成された搬送部材10Pを監視する(測定場所MS3)。選別ベルトとして形成されたこれに続く搬送部材10Qも、リング昇降機として形成された搬送部材10Rと同様に監視される(測定場所MS4およびMS5)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21