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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】車両トランクリッド
(51)【国際特許分類】
   B60R 5/04 20060101AFI20230116BHJP
【FI】
B60R5/04
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021530835
(86)(22)【出願日】2019-03-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 US2019022418
(87)【国際公開番号】W WO2020112157
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-07-21
(31)【優先権主張番号】16/206,119
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511257078
【氏名又は名称】ニッサン ノース アメリカ,インク
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 哲
(72)【発明者】
【氏名】コヴァチク、 マイケル
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-122721(JP,A)
【文献】実開昭62-153184(JP,U)
【文献】特開2011-068230(JP,A)
【文献】実開平02-100815(JP,U)
【文献】特開2003-063362(JP,A)
【文献】特開2016-141165(JP,A)
【文献】特開2015-127171(JP,A)
【文献】特開2012-232665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略水平部分と直立部分とを有する内側トランクパネルであって、前記直立部分は、トランクリッドアセンブリが閉じられる向きに前記水平部分から下方に延びる内側トランクパネルと、
上部外側トランクパネル及び下部外側トランクパネルを含む外側トランクパネルと
を備え、
前記上部外側トランクパネルは、水平に延びる主要セクション、及び前記主要セクションの後方領域から下方に延びる輪郭形成セクションを有し、前記主要セクションは、前記内側トランクパネルの前記水平部分に取り付けられており、
前記下部外側トランクパネルは、少なくとも、前記内側トランクパネルの前記直立部分の下部セクションと、前記上部外側トランクパネルの下縁と、前記内側トランクパネルの下縁とに取り付けられており、前記上部外側トランクパネルは、マスチック、接着剤、機械式締結具又は溶接技術の1つを介して、前記下部外側トランクパネルに取り付けられ
前記上部外側トランクパネルの前記輪郭形成セクションの下端は、前記下端から前記内側トランクパネルまで車両前方方向に延びる水平フランジを含む、車両トランクリッドアセンブリ。
【請求項2】
前記上部外側トランクパネルの前記輪郭形成セクションの前記下端及び前記下部外側トランクパネルは、一対のテールランプ受けポケットを画定し、第1のテールランプ受けポケットは前記水平フランジの第1の外側部に画定され、第2のテールランプ受けポケットは前記水平フランジの第2の外側部に画定される、請求項に記載の車両トランクリッドアセンブリ。
【請求項3】
前記第1のテールランプ受けポケットは、前記上部外側トランクパネルの前記輪郭形成セクションの前記下端と前記内側トランクパネルの前記直立部分とに固定される第1の補強ブラケットによってさらに画定され、それによって前記第1のテールランプ受けポケットの上壁が画定され、
前記第2のテールランプ受けポケットは、前記上部外側トランクパネルの前記輪郭形成セクションの前記下端と前記内側トランクパネルの前記直立部分とに固定される第2の補強ブラケットによってさらに画定され、それによって前記第2のテールランプ受けポケットの上壁が画定される、請求項に記載の車両トランクリッドアセンブリ。
【請求項4】
前記上部外側トランクパネルと前記内側トランクパネルの前記直立部分との間に中空空間が画定され、前記中空空間内の前記内側トランクパネルの前記直立部分の上部領域には振動ダンパアセンブリが取り付けられ、前記振動ダンパアセンブリは振動を抑制するように減衰される、請求項1に記載の車両トランクリッドアセンブリ。
【請求項5】
前記外側トランクパネル及び前記内側トランクパネルの中央領域は、その間に中空空間を画定し、前記車両トランクリッドアセンブリは、
前記中空空間内の前記内側トランクパネルの前記直立部分の上部領域に取り付けられる振動ダンパアセンブリをさらに備え、前記振動ダンパアセンブリは振動を抑制するように減衰される、請求項1~のいずれか1項に記載の車両トランクリッドアセンブリ。
【請求項6】
前記振動ダンパアセンブリは、主要部分、前記主要部分から延びる第1の取り付けフランジ、第2の取り付けフランジ、及び第3の取り付けフランジを有する取り付けブラケットを含み、前記第1の取り付けフランジは、前記主要部分の運転者側から延びており、前記第2の取り付けフランジは、前記主要部分の乗員側から延びており、前記第3の取り付けフランジは、前記主要部分の中央領域から延びている、請求項に記載の車両トランクリッドアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の取り付けフランジ、前記第2の取り付けフランジ及び前記第3の取り付けフランジの各々は、対応する締結具開口を有しており、これら3つの取り付けフランジの前記締結具開口は互いに対して三角形を画定する、請求項に記載の車両トランクリッドアセンブリ。
【請求項8】
前記振動ダンパアセンブリは、前記取り付けブラケットの前記主要部分の前記中央領域に取り付けられるダンパ装置をさらに含み、前記ダンパ装置は、取り付け部材と、環状金属重りと、前記環状金属重り及び前記取り付け部材の下部を完全に包囲して封入する弾性ハウジングとを含む、請求項に記載の車両トランクリッドアセンブリ。
【請求項9】
前記取り付け部材及び前記環状金属重りは、同軸上に位置合わせされており、前記弾性ハウジングの一部がそれらの間に延在して互いに離間しており、
前記取り付け部材は、前記取り付けブラケットの前記主要部分の前記中央領域に接触する機械式締結要素を受け入れるように構成された上端を有する、請求項に記載の車両トランクリッドアセンブリ。
【請求項10】
前記弾性ハウジングは、樹脂材料、ポリマー材料、又はゴム材料のうちの少なくとも1つを含む弾性可撓性材料から形成され、
前記弾性ハウジング、前記環状金属重り及び前記取り付け部材は、所定の振動周波数で振動を吸収するように構成される、請求項に記載の車両トランクリッドアセンブリ。
【請求項11】
前記内側トランクパネルの前記水平部分に固定され、かつ前記内側トランクパネルに対して後方に前記外側トランクパネルの第1の部分に延びる一対の支持ブラケットをさらに備え、前記外側トランクパネルの前記第1の部分の水平フランジは、前記一対の支持パネルの間に配置され、そこに固定される、請求項に記載の車両トランクリッドアセンブリ。
【請求項12】
前記振動ダンパアセンブリは、前記外側トランクパネルの前記第1の部分の前記水平フランジの上方の位置で前記内側トランクパネルに取り付けられる、請求項11に記載の車両トランクリッドアセンブリ。
【請求項13】
前記振動ダンパアセンブリは、主要部分、前記主要部分から延びる第1の取り付けフランジ、第2の取り付けフランジ及び第3の取り付けフランジを有する取り付けブラケットを含み、前記第1の取り付けフランジは、前記主要部分の運転者側から延びており、前記第2の取り付けフランジは、前記主要部分の乗員側から延びており、前記第3の取り付けフランジは、前記主要部分の中央領域から延びている、請求項に記載の車両トランクリッドアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のトランクリッドに関する。より詳細には、本発明は、完全に組み立てられたときに、振動ダンパアセンブリを収容する内側パネルと外側パネルとの間の空間を画定する内側トランクパネルと、上部外側トランクパネルと、下部外側トランクパネルとを有する車両トランクのリッドに関する。
【背景技術】
【0002】
車両は通常、車両の後部に収納空間又はトランクを有する。車両のトランクリッドは、通常、ブレース部材に溶接された少なくとも1つの予め成形されたパネルから組み立てられる。
【発明の概要】
【0003】
本開示の1つの目的は、トランクリッドの基本的な形状を画定するように輪郭形成された単一の内側トランクパネルを有するトランクリッドアセンブリを提供し、上部外側パネル及び下部内側パネルを内側トランクパネルに取り付けることである。
【0004】
本発明の別の目的は、振動ダンパアセンブリを保持する内側トランクパネルと上部外側トランクパネルとの間に中空空間を有するトランクリッドを提供することである。
【0005】
既知の技術の状態を考慮して、本開示の1つの態様は、内側トランクパネル、上部外側トランクパネル、及び下部外側トランクパネルを備えた車両トランクリッドアセンブリを提供することである。内側トランクパネルは、略水平部分と直立部分とを有し、直立部分は、トランクリッドアセンブリが閉じられる向きに水平部分から下方に延びる。上部外側トランクパネルは、水平に延びる主要セクションと、主要セクションの後方領域から下方に延びる輪郭形成セクションとを有する。主要セクションは、内側トランクパネルの水平部分に取り付けられる。下部外側トランクパネルは、内側トランクパネルの直立部分の少なくとも下部セクションに取り付けられている。上部外側トランクパネルの下縁部と内側トランクパネルの下縁部とは互いに強固に固定されている。
【0006】
次に、本開示の一部を構成する添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例示的な実施形態による、トランクリッドアセンブリが閉じられる向きにあって、車両のトランク領域内のトランク空間を隠蔽する車両のトランク領域を示す、車両の後方斜視図である。
【0008】
図2】例示的な実施形態による、車両から取り外されたトランクリッドアセンブリの後方斜視図であって、上部外側トランクパネル及び下部外側トランクパネルが取り外されており、内側トランクパネルと、振動ダンパアセンブリと、上部外側トランクパネル及び下部外側トランクパネルを内側トランクパネルに取り付ける複数のブラケットとを示す。
【0009】
図3】例示的な実施形態による、上部外側トランクパネルと、内側トランクパネルと、下部外側トランクパネルと、振動ダンパアセンブリと、上部外側トランクパネル及び下部外側トランクパネルを内側トランクパネルに取り付ける複数のブラケットとを示す、トランクリッドアセンブリの分解後方斜視図である。
【0010】
図4】例示的な実施形態による、トランクリッドアセンブリから取り外した振動ダンパアセンブリの分解後方斜視図である。
【0011】
図5】例示的な実施形態による、振動ダンパアセンブリを内側トランクパネルに取り付ける取り付け締結具を示す、内側トランクパネルの前向き表面の平面図である。
【0012】
図6】例示的な実施形態による、上部外側トランクパネル、内側トランクパネル、下部外側トランクパネル、振動ダンパアセンブリ、及び複数のブラケットのうちの少なくとも1つの部分を示す、トランクリッドアセンブリの中央領域の断面図である。
【0013】
図7】例示的な実施形態による、上部外側トランクパネル及び下部外側トランクパネルの分解斜視図であり、上部外側トランクパネルの水平フランジを示す。
【0014】
図8】例示的な実施形態による、図1の線8-8に沿ったトランクリッドアセンブリの断面図である。
【0015】
図9】例示的な実施形態による、図1の線9-9に沿ったトランクリッドアセンブリの別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、図面を参照して、選択された実施形態について説明する。本開示から当業者には明らかなように、以下の実施形態の説明は、例示のためにのみ提供され、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される本発明を限定することを意図していない。
【0017】
最初に図1を参照すると、第1の実施形態による車両10及びトランクリッドアセンブリ12が示されている。
【0018】
車両10は、車両10の後部のトランク空間(図示せず)にアクセスするために設けられたトランク開口16を画定する車体構造14を含む。車体構造によって画定されるトランク開口及びトランク空間は、当該技術分野で周知の従来の車両特徴であるので、トランク開口及びトランク空間のさらなる説明は、簡潔のために省略する。車両10はまた、従来の駆動系構成要素(図示せず)及び従来のサスペンション構成要素(図示せず)を含む車両サスペンションアセンブリ18を含む。駆動系構成要素及びサスペンション構成要素の特徴は当技術分野で周知であるので、さらなる説明は、簡潔のために省略する。
【0019】
トランクリッドアセンブリ12(本明細書では車両トランクリッドアセンブリとも呼ぶ)は、基本的に、図1-3に示すように、内側トランクパネル20(図2及び図3)と、外側リッドパネルアセンブリ22とを含む。外側リッドパネルアセンブリ22は、上部外側トランクパネル24及び下部外側トランクパネル26を含み、以下により詳細に説明するように、振動ダンパアセンブリ28(図2-5)が内側トランクパネル20と上部外側トランクパネル24との間でトランクリッドアセンブリ12内に設置されている。
【0020】
外側リッドパネルアセンブリ22は、単に外側トランクパネル22とも呼ばれる。図2及び図3に示すように、内側トランクパネル20は、略水平部分30、湾曲部分32及び略直立部分34を有する輪郭形状を画定するように、板金又は他の適当な材料から形成された単一のパネルである。湾曲部分32は、水平部分30から直立部分34への遷移を提供する。湾曲部分32は、水平部分30から延びて、トランクリッドアセンブリ12が(図1-3に示す)閉じられる向きに直立部分34まで下方に湾曲する。直立部分34は、後向き表面34a(図2及び3)と、前向き表面34b(図5)とを有する。
【0021】
外側トランクパネルアセンブリ22の上部外側トランクパネル24(第1の外側トランクパネル又は第1の部分とも呼ばれる)は、略水平方向に延びる主要セクション40と、主要セクション40の後端40aから下方に湾曲して延びる輪郭形成セクション42とを有する。
【0022】
上部外側トランクパネル22の輪郭形成セクション42の下端42aは、図6-9に示すように、下端から内側トランクパネル20まで車両前方方向Dに延びる水平フランジ44を含む。
【0023】
上部外側トランクパネル24の輪郭形成セクション42の下端42aの側方及び下部外側トランクパネル26の側方は、一対のテールランプ受けポケット46及び48を画定する。第1のテールランプ受けポケット46は、水平フランジ44の第1の外側部44aに画定されている。第2のテールランプ受けポケット48は、水平フランジ44の第2の外側部44bに画定されている。
【0024】
下部外側トランクパネル26は、好ましくは,板金又は他の適切な自動車パネル形成材料から作られた輪郭形成されたパネルであり、前向き表面50(図7)、後向き表面52(図1、3及び6)、及び側方凹部54及び56を有する。前向き表面50は、トランクリッドアセンブリ12が完全に組み立てられた状態では、基本的に隠されている。組み立てられると、前向き表面50は、内側トランクパネル20の直立部分34の後向き表面34aと対向する。後向き表面52は、図1及び図6に示すように、トランクリッドアセンブリ12の外面である。
【0025】
側方凹部54は、第1のテールランプ受けポケット46を少なくとも部分的に画定する。側方凹部56は、第2のテールランプ受けポケット48を少なくとも部分的に画定する。
【0026】
下部外側トランクパネル26は、内側トランクパネル20の直立部分34の少なくとも下部セクションに取り付けられている。例えば、下部外側トランクパネル26の下方及び外方縁は、内側トランクパネル20の直立部分34の下方及び外方縁に固定的に取り付けられている。この取り付けは、下部外側トランクパネル26の下方及び外方縁を、マスチック、接着剤、機械式締結具又は溶接技術によって、内側トランクパネル20の直立部分34の下部及び外側縁部に固定することを含み得る。
【0027】
上部外側トランクパネル24、下部外側トランクパネル26及び内側トランクパネル20は、上部ブラケット60,62、外方支持ブラケット64,66(以下、補強ブラケット又は支持ブラケット64,66と呼ぶ)及び中央ブラケット68,70,72によってさらに互いに固定されている。詳細には、図1及び図2に示すように、上部ブラケット60及び62は、機械式締結具(図示せず)によって内側トランクパネル20の水平部分30に溶接され又は取り付けられる。上部ブラケット60及び62も溶接され、機械式締結具(図示せず)により取り付けられ、又は上部外側トランクパネル24の主要セクション40に接着固定される。
【0028】
支持ブラケット64,66は、内側トランクパネル20の直立部分34の両側に配置され、略水平に(車両10の中央に向かって僅かに傾斜して)延びている。支持ブラケット64及び66は、図2の内側トランクパネル20の後向き表面34aに沿って示されている。図8及び図9に示すように、支持ブラケット64及び66は、好ましくは、溶接点Wにおいて、中央ブラケット68及び72、並びに水平フランジ44の両側に溶接される。図6に示すように、水平フランジ44の中央部は、中央ブラケット72に溶接されている。支持ブラケット64,66は、上部外側トランクパネル24の両側で、上部外側トランクパネル24の輪郭形成セクション42の下端42aに固定することができる。
【0029】
支持ブラケット64,66は、内側トランクパネル20の直立部分34の側方と下部外側トランクパネル26の側方との間に補強を提供する。支持ブラケット64及び66はまた、テールランプ受けポケット46及び48を囲む構造に支持を提供する。図面及び上記の説明から明らかなように、上部外側トランクパネル24の水平フランジ44は、図8に示すように、車両10の左右方向に対して支持パネル64及び66の間に配置される。
【0030】
図6、8及び9に示すように、中央ブラケット68、70及び72は、上述のようにそれぞれ水平フランジ44に溶接されたL字型金属ブラケットである。上部外側トランクパネル24を内側トランクパネル20に取り付ける場合には、機械式締結具を使用する取り付け点が少なくとも三箇所存在する。詳細には、上部外側トランクパネル24の水平フランジ44に溶接された中央ブラケット68,70,72は、内側トランクパネル20の水平部30の内面34bから取り付けられ、かつ各中央ブラケット68,70,72の後方側に位置するナットNに螺合される締結具Fを介して内側トランクパネル20に固定される。ナットNは、中央ブラケット68、70及び72の各々に溶接されてもよく、又は締結具Fが取り付けられるときに所定の位置に手動で保持されてもよい。支持ブラケット64、66も中央ブラケット68、70に溶接されている。
【0031】
下部外側トランクパネル26は、以下のようにして上部外側トランクパネル24及び内側トランクパネル20に取り付けられる。図7は、上部外側トランクパネル24の水平フランジ44を示す。図7に示す下部トランクパネル26の上縁に沿って形成された突起は、水平フランジ44及び外方支持ブラケット64及び66に、マスチック、接着剤、機械式締結具又は溶接技術を介して取り付けることができる。水平フランジ44の下方には、下部外側トランクパネル24の後面の一部に沿ってナンバープレート表示領域が画定されている。水平フランジ44の開口は、従来のやり方で、ナンバープレート表示領域を照明するランプ(図示せず)を取り付けるために設けられている。
【0032】
下部トランクパネル26の上縁に沿って各側方凹部54及び56(図7に示されている)の上方に形成された突起もまた、マスチック、接着剤、機械式締結具又は溶接技術を介して外方支持ブラケット64及び66のそれぞれに固定される。
【0033】
第1のテールランプ受けポケット46は、側方凹部54と外方支持ブラケット64(第1の補強ブラケット)とによって画定される。外方支持ブラケット64は、第1のテールランプ受けポケット46の上壁を画定する。同様に、第2のテールランプ受けポケット48は、側方凹部56と外方支持ブラケット66(第2の補強ブラケット)とによって画定される。外方支持ブラケット66は、第2のテールランプ受けポケット48の上壁を画定する。
【0034】
図1に示すように、テールランプ構造H及びHは、従来のやり方で、トランクリッドアセンブリ12の両側において車体構造16によって画定されるポケット(図示せず)に取り付けられる。テールランプ構造Hは、締結具(図示せず)を介して第1のテールランプ受けポケット46に取り付けられる。テールランプ構造Hは、締結具(図示せず)を介して第2のテールランプ受けポケット48に取り付けられる。
【0035】
上部外側トランクパネル24及び下部外側トランクパネル24を内側トランクパネル20に取り付ける前に、補強ブラケット76が、図3に示すように、直立部分34の中央領域に沿って内側トランクパネル20の後向き表面34aに機械式締結具を介して溶接又は固定される。補強ブラケット76には、従来のラッチ機構78が従来のやり方で設けられている。補強ブラケット76は、ラッチ機構78が設置される領域においてトランクリッドアセンブリ12に付加的な剛性を与えるオプションの部材である。内側トランクパネル20の直立部分34には、補強ブラケット76と共に、振動ダンパアセンブリ28も取り付けられている。ラッチ機構は従来の車両要素であるため、説明を簡潔にするためにさらなる説明を省略する。
【0036】
また、下部外側トランクパネル26と内側トランクパネル20との間には、マスチック及び/又は消音材をさらに設け得る。
【0037】
上部及び下部外側トランクパネル24及び26が内側トランクパネル20に取り付けられると、図6に示すように、中空領域又は中空空間80が、内側トランクパネル20と上部外側トランクパネル24の輪郭形成セクション42との間に画定される。図6にも示されるように、振動ダンパアセンブリ28は、振動ダンパアセンブリ28が中空空間80内に位置付けられるように、内側トランクパネル20に取り付けられる。
【0038】
次に、図4を特に参照して、振動ダンパアセンブリ28について説明する。振動ダンパアセンブリ28は、主要部分84と、第1の取り付けフランジ86(運転者側)と、第2の取り付けフランジ88(乗員側)と、第3の取り付けフランジ90(中央)とを有する取り付け具82を含む。主要部分84は、取り付けブラケット82の略水平部分であり、第1の取り付けフランジ86、第2の取り付けフランジ88及び第3の取り付けフランジ90の各々は、主要部分84に対して垂直に延びている。詳細には、第1の取り付けフランジ86及び第2の取り付けフランジ88は、主要部分84から上方に互いに平行に延びている。第3の取り付けフランジ90は、主要部分84から下方に延びている。第1の取り付けフランジ86、第2の取り付けフランジ88及び第3の取り付けフランジ90は、中空空間80内において、内側トランクパネル20の直立部分の後向き表面34aの上方領域に設けられている。第1の取り付けフランジ86、第2の取り付けフランジ88及び第3の取り付けフランジ90の各々は、対応する締結具Fを受け入れる開口を有する。図5に示すように、締結具Fは、対応するナットNにねじ込まれ、これらナットは、溶接されるか、又は他のやり方で内側トランクパネル20の前向き表面34bに対して保持される。また、図5に示されるように、3つの締結具F、したがって、第1の取り付けフランジ86、第2の取り付けフランジ88、及び第3の取り付けフランジ90は、互いに対して三角形を画定する。
【0039】
振動ダンパアセンブリ28は、取り付けブラケット82の主要部分84の中央領域に取り付けられるダンパ装置94をさらに含む。図6に示すように、振動ダンパアセンブリ28は、上部外側トランクパネル24の水平フランジ44の上方の位置において、内側トランクパネル20に取り付けられている。ダンパ装置94は、取り付け部材96、環状金属重り98(図6)、及び環状重り98と取り付け部材96の下部とを完全に包囲して封入する弾性ハウジング100(図6)を含む。取り付け部材96と環状金属重り100とは同軸上に位置合わせされており、弾性ハウジング98の一部がそれらの間に延在して互いに離間している。取り付け部材96の上端には、ナットNと螺合する切削ねじが形成されている。取り付け部材96の上端は、移動制限ワッシャを介して挿入された後で、取り付けブラケット82の主要部分84の開口を介して挿入され、ナットN(機械式締結要素)に螺合される。
【0040】
弾性ハウジング98は、樹脂材料、ポリマー材料、又はゴム材料のうちの少なくとも一つを含む弾性可撓性材料から形成される。
【0041】
振動ダンパアセンブリ28、より詳細には、ダンパ装置94は、車両10によって所定の振動周波数で生成される振動を抑制するように減衰される。例えば、車両10の車両サスペンションアセンブリ18は、特定の共振周波数の振動を生成してもよい。ダンパ装置94は、これらの共振振動を抑制するように減衰させることができる。
【0042】
トランクリッドアセンブリ12以外の車両10の様々な要素及び構成要素は、当技術分野で周知の従来の構成要素である。車両要素及び構成要素は当技術分野で周知であるので、これらの構造は本明細書では詳細には説明又は例示しない。むしろ、構成要素は、本発明を実施するために使用し得る任意のタイプの構造及び/又はプログラミングであり得ることが、本開示から当業者には明らかであろう。
【0043】
(用語の一般的な解釈)
本発明の範囲を理解する上で、本明細書で使用される「含む」という用語及びその派生語は、記載された特徴、要素、成分、群、整数、及び/又はステップの存在を特定するが、他の記載されていない特徴、要素、成分、群、整数、及び/又はステップの存在を除外しない、非限定的な用語であることが意図される。「含む」、「有する」及びそれらの派生語等の同様の意味を有する単語にも、前述のことが適用される。また、単数で使用される場合、「部」、「セクション」、「部分」、「部材」又は「要素」という用語は、単一の部分又は複数の部分の二重の意味を有し得る。また、上記実施形態を説明するために本明細書で使用される以下の方向用語である「前方」、「後方」、「上方」、「下方」、「垂直」、「水平」、「下側」及び「横」、並びに他の同様の方向用語は、トランクリッドアセンブリを備えた車両のこれらの方向を指す。したがって、本発明を説明するために使用されるこれらの用語は、トランクリッドアセンブリを備えた車両に関して解釈されるべきである。
【0044】
本明細書で使用される「実質的に」、「約」及び「略」等の程度の用語は、最終結果が大きく変化しないような変更された用語の合理的な量の逸脱を意味する。
【0045】
本発明を説明するために選択された実施形態のみが選ばれたが、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が本明細書においてなされ得ることは、本開示から当業者には明らかであろう。例えば、様々な構成要素のサイズ、形状、位置又は方向は、必要に応じて及び/又は所望に応じて変更し得る。互いに直接的に接続又は接触して示される構成要素は、それらの間に配置された中間構造を有し得る。1つの要素の機能は2つでも実行可能であり、その逆も可能である。1つの実施形態の構造及び機能は、別の実施形態で採用し得る。全ての利点が特定の実施形態において同時に存在する必要はない。先行技術に特有の全ての特徴は、単独で又は他の特徴と組み合わせて、そのような1つ以上の特徴によって具現化される構造的及び/又は機能的概念を含めて、出願人によるさらなる発明の別個の説明とみなされるべきである。したがって、本発明による実施形態の前述の説明は、例示のためだけに提供され、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される本発明を限定することを意図していない。

図1
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図9