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特許7210765内視鏡装置、表示用画像出力方法、プログラム、及び内視鏡システム
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  • 特許-内視鏡装置、表示用画像出力方法、プログラム、及び内視鏡システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】内視鏡装置、表示用画像出力方法、プログラム、及び内視鏡システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20230116BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20230116BHJP
【FI】
A61B1/045 622
A61B1/00 640
A61B1/045 ZDM
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021554434
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(86)【国際出願番号】 JP2019043245
(87)【国際公開番号】W WO2021090358
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2022-04-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100182936
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】松重 龍之介
(72)【発明者】
【氏名】和田 英之
(72)【発明者】
【氏名】松元 亜紀
(72)【発明者】
【氏名】小倉 拓也
(72)【発明者】
【氏名】大野 理
(72)【発明者】
【氏名】湯本 考弘
(72)【発明者】
【氏名】橋本 幸子
(72)【発明者】
【氏名】大内 朋美
【審査官】鷲崎 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/103846(WO,A1)
【文献】特開2003-116772(JP,A)
【文献】特開2014-42660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡装置であって、
以下を実行する様に構成されたプロセッサを備える、
挿入部の先端部に備えられた撮像部に依り生成された撮像信号に基づいて内視鏡画像を生成
前記挿入部に形成されたチャネルに関するチャネル情報を取得
前記内視鏡画像の表示角度に関する角度情報を取得
前記角度情報と前記内視鏡画像とに基づいて生成された表示用内視鏡画像と、前記角度情報と前記チャネル情報とに基づいて生成されたチャネル案内画像と、を含む表示用画像を出力する。
【請求項2】
前記表示用内視鏡画像は、前記角度情報が示す表示角度で前記内視鏡画像を回転させた画像であり、
前記チャネル案内画像は、前記内視鏡画像の表示角度が、前記角度情報が示す表示角度である時の前記チャネルの出口位置を案内する画像である、
ことを特徴とする請求項1記載の内視鏡装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記挿入部を有する内視鏡から前記チャネル情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記チャネル情報を記憶する記憶部、
を更に備え、
前記プロセッサは、前記記憶部から前記チャネル情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記記憶部は、内視鏡の種別毎にチャネル情報を記憶し、
前記プロセッサは、前記挿入部を有する内視鏡の種別に対応するチャネル情報を前記記憶部から取得する、
ことを特徴とする請求項4記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記チャネル情報は、前記内視鏡画像の表示角度が所定の角度である時の前記チャネルの出口位置の角度に関する情報を含む、
ことを特徴とする請求項1記載の内視鏡装置。
【請求項7】
前記チャネル情報は、前記内視鏡画像の表示角度が所定の角度である時の前記チャネル案内画像を含む、
ことを特徴とする請求項1記載の内視鏡装置。
【請求項8】
前記所定の角度は、0°又は異なる複数の角度の各々である、
ことを特徴とする請求項6又7記載の内視鏡装置。
【請求項9】
前記チャネル情報は、前記挿入部に形成された、第1チャネルと、第2チャネルと、に関する情報を含み、
前記チャネル案内画像は、前記内視鏡画像の表示角度が、前記角度情報が示す表示角度である時の前記第1チャネルと第2チャネルとの出口位置を案内する画像である、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項10】
前記チャネル案内画像は、前記内視鏡画像の表示角度が、前記角度情報が示す表示角度である時の前記チャネルの出口位置及び前記チャネルの径を案内する画像である、
ことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
内視鏡画像回転指示に係る操作信号を取得し、
前記操作信号に基づいて角度情報を取得し、
前記角度情報と前記内視鏡画像とに基づいて前記表示用内視鏡画像を更新し、
前記角度情報と前記チャネル情報とに基づいて前記チャネル案内画像を更新し、
更新された前記表示用内視鏡画像と、更新された前記チャネル案内画像と、を含む前記表示用画像を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項12】
挿入部の先端部に備えられた撮像部に依り生成された撮像信号に基づいて内視鏡画像を生成し、
前記挿入部に形成されたチャネルに関するチャネル情報を取得し、
前記内視鏡画像の表示角度に関する角度情報を取得し、
前記角度情報と前記内視鏡画像とに基づいて生成された表示用内視鏡画像と、前記角度情報と前記チャネル情報とに基づいて生成されたチャネル案内画像と、を含む表示用画像を出力する、
ことを特徴とする表示用画像出力方法。
【請求項13】
挿入部の先端部に備えられた撮像部に依り生成された撮像信号に基づいて内視鏡画像を生成し、
前記挿入部に形成されたチャネルに関するチャネル情報を取得し、
前記内視鏡画像の表示角度に関する角度情報を取得し、
前記角度情報と前記内視鏡画像とに基づいて生成された表示用内視鏡画像と、前記角度情報と前記チャネル情報とに基づいて生成されたチャネル案内画像と、を含む表示用画像を出力する、
という処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
内視鏡と、内視鏡装置と、を有する内視鏡システムであって、
前記内視鏡は、
挿入部の先端部に備えられた撮像素子と、
前記挿入部に形成されたチャネルと、
前記チャネルに関するチャネル情報が記憶されたメモリと、
を備え、
前記内視鏡装置は、
以下を実行する様に構成されたプロセッサを備える、
前記撮像素子から出力された撮像信号に基づいて内視鏡画像を生成し、
前記チャネル情報を取得し、
前記内視鏡画像の表示角度に関する角度情報を取得し、
前記角度情報と前記内視鏡画像とに基づいて生成された表示用内視鏡画像と、前記角度情報と前記チャネル情報とに基づいて生成されたチャネル案内画像と、を含む表示用画像を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置、表示用画像出力方法、プログラム、及び内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内視鏡に依り生成された撮像信号に基づいて内視鏡画像を生成してモニタに表示させることができる内視鏡装置が知られている。また、内視鏡として、処置具を対象部位まで案内するチャネル(処置具用チャネル)を備えた内視鏡が知られている。こういった内視鏡が使用された場合、術者は、モニタに表示された内視鏡画像に映し出される処置具と対象部位とを確認しながら、処置具を用いて対象部位を処置することができる。処置具が内視鏡画像内に進入してくる方向は、内視鏡先端面における対物レンズと処置具用チャネル出口との位置関係によって決定される。なお、対物レンズは、内視鏡先端部に備えられた撮像素子に被写体像を結像させる光学系の一部である。
【0003】
しかしながら、モニタに表示させる内視鏡画像を術者の指示に依り回転させることができる機能を備えた内視鏡装置の場合には、処置具が内視鏡画像内に進入してくる方向が内視鏡画像の回転に伴って異なってしまう。そのため、複数のチャネルを備えた内視鏡等が使用された場合、処置具が内視鏡画像内に進入してくる方向を術者が即時に把握することは容易ではない。
【0004】
一方、画像における処置具の進入方向に関する違和感を術者に生じさせない内視鏡システムが知られている(特許文献1参照)。この内視鏡システムでは、ユーザがディスプレイに表示される表示画像に処置具が進入してくる方向(処置具出現方向)を指定すると、その処置具出現方向から処置具が出現する如く処理画像を拡大及び/又は縮小して、回転拡大画像を作成すること等が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-192803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記実情に鑑み、モニタに表示させる内視鏡画像を術者の指示に応じて回転させる場合であっても、内視鏡画像内に処置具等が進入してくる方向を術者が容易に把握することができる内視鏡装置、表示用画像出力方法、プログラム、及び内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、内視鏡装置であって、以下を実行する様に構成されたプロセッサを備える。挿入部の先端部に備えられた撮像部に依り生成された撮像信号に基づいて内視鏡画像を生成、前記挿入部に形成されたチャネルに関するチャネル情報を取得、前記内視鏡画像の表示角度に関する角度情報を取得、前記角度情報と前記内視鏡画像とに基づいて生成された表示用内視鏡画像と、前記角度情報と前記チャネル情報とに基づいて生成されたチャネル案内画像と、を含む表示用画像を出力する。
【0008】
本発明の他の一態様は、表示用画像出力方法であって、挿入部の先端部に備えられた撮像部に依り生成された撮像信号に基づいて内視鏡画像を生成し、前記挿入部に形成されたチャネルに関するチャネル情報を取得し、前記内視鏡画像の表示角度に関する角度情報を取得し、前記角度情報と前記内視鏡画像とに基づいて生成された表示用内視鏡画像と、前記角度情報と前記チャネル情報とに基づいて生成されたチャネル案内画像と、を含む表示用画像を出力する。
【0009】
本発明の更に他の一態様は、プログラムであって、挿入部の先端部に備えられた撮像部に依り生成された撮像信号に基づいて内視鏡画像を生成し、前記挿入部に形成されたチャネルに関するチャネル情報を取得し、前記内視鏡画像の表示角度に関する角度情報を取得し、前記角度情報と前記内視鏡画像とに基づいて生成された表示用内視鏡画像と、前記角度情報と前記チャネル情報とに基づいて生成されたチャネル案内画像と、を含む表示用画像を出力する、という処理をコンピュータに実行させる。
本発明の更に他の一態様は、内視鏡と、内視鏡装置と、を有する内視鏡システムであって、前記内視鏡は、挿入部の先端部に備えられた撮像素子と、前記挿入部に形成されたチャネルと、前記チャネルに関するチャネル情報が記憶されたメモリと、を備え、前記内視鏡装置は、以下を実行する様に構成されたプロセッサを備える、前記撮像素子から出力された撮像信号に基づいて内視鏡画像を生成し、前記チャネル情報を取得し、前記内視鏡画像の表示角度に関する角度情報を取得し、前記角度情報と前記内視鏡画像とに基づいて生成された表示用内視鏡画像と、前記角度情報と前記チャネル情報とに基づいて生成されたチャネル案内画像と、を含む表示用画像を出力する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に依れば、モニタに表示させる内視鏡画像を術者の指示に応じて回転させる場合であっても、内視鏡画像内に処置具等が進入してくる方向を術者が容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施の形態に係る内視鏡装置を含む内視鏡システムの構成を例示する図である。
図2】内視鏡システムにおける表示用画像の表示に関係する機能構成を例示する図である。
図3】チャネル情報に含まれるチャネル案内画像を例示する図である。
図4】一実施の形態に係る内視鏡装置において実行される表示用画像出力処理を例示するフローチャートである。
図5図4に例示した表示用画像出力処理に依り出力されて表示装置に依り表示された、内視鏡画像回転指示前後の表示用画像を例示する図である。
図6】コンピュータのハードウェア構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、一実施の形態に係る内視鏡装置を含む内視鏡システムの構成を例示する図である。
【0013】
図1に例示した内視鏡システム1は、内視鏡10、内視鏡装置20、及び表示装置30を備え、内視鏡10と表示装置30が内視鏡装置20に接続されている。本実施形態では、内視鏡10と内視鏡装置20並びに内視鏡装置20と表示装置30が、信号(データ、情報)の受け渡しを有線に依り行うものとするが、無線に依り行われてもよい。
【0014】
内視鏡10は、軟性内視鏡であって、術者に依って操作される操作部101及び患者の体内に挿入される挿入部102を有する。
操作部101は、挿入部102の湾曲を上下左右に制御するためのアングルノブ、送気送水を制御するための送気送水ボタン、及び吸引を制御するための吸引ボタン等といった術者が内視鏡10を制御するための操作部材を有する。また、操作部101は、処置具が挿入されるチャネル入口(例えば鉗子口)や、内視鏡装置20に対して指示を行うための操作部材等も備える。
【0015】
挿入部102は、その内部に複数のチャネル(管路)が形成されている。複数のチャネルは、処置具用チャネル、送気送水用チャネル、及び吸引用チャネル等である。また、挿入部102は、その先端部102aに、撮像素子を含む撮像部(後述の撮像部103)や撮像素子に被写体像を結像させる光学系等を備える。また、挿入部102は、その先端面102bに、複数のチャネル出口や対物レンズ等を有する。なお、対物レンズは、撮像素子に被写体像を結像させる光学系の一部である。
【0016】
内視鏡装置20は、内視鏡10の撮像部に依り生成された撮像信号に基づいて内視鏡画像を生成する。また、内視鏡装置20は、術者等に依る内視鏡画像回転指示に応じて内視鏡画像を回転させた表示用内視鏡画像の生成や、チャネルの出口位置(出口方向)を案内するチャネル案内画像の生成や、表示用内視鏡画像とチャネル案内画像とを含む表示用画像の生成や、表示用画像の出力等も行う。なお、術者等に依る内視鏡画像回転指示は、表示装置30に表示させる内視鏡画像を所望の角度で回転表示させる指示であり、内視鏡10の操作部101の操作や、内視鏡装置20の操作部(後述の操作部202)の操作に依り行うことができる。このときの角度は、術者等が自由に指定することができるとしてもよいし、異なる複数の角度の中から術者等が選択することで指定することができるとしてもよい。
【0017】
表示装置30は、液晶表示装置等であって、内視鏡装置20から出力された表示用画像等の表示を行う。
図2は、内視鏡システム1における表示用画像の表示に関係する機能構成を例示する図である。
【0018】
図2に例示した内視鏡システム1において、内視鏡10は、操作部101、撮像部103、及び記憶部104を備える。
操作部101は、上述のとおりであり、例えば、内視鏡装置20に対する指示を行うための操作が行われた場合には、その操作に応じた信号(操作信号)を内視鏡装置20に出力する。
【0019】
撮像部103は、撮像素子及び信号処理部を備える。撮像素子は、例えばCCD(Charge Coupled Device)であり、対物レンズを含む光学系に依り結像された被写体像を電気信号に変換する。信号処理部は、撮像素子に依り変換された電気信号に対してゲイン調整処理やAD(Analog-to-Digital)変換処理等といった所定の信号処理を行って撮像信号を生成する。なお、信号処理部は、例えば、回路に依り実現されてもよい。この場合は、撮像部103が撮像素子と信号処理回路を備えた撮像回路として構成されてもよい。
【0020】
記憶部104は、内視鏡10に関する情報が記憶された不揮発性メモリである。内視鏡10に関する情報は、内視鏡10の種別情報や、挿入部102に形成されたチャネルに関するチャネル情報を含む。チャネル情報は、内視鏡画像の表示角度(回転角度)が所定の角度である時のチャネルの出口位置(出口方向)の角度に関する情報、又は、内視鏡画像の表示角度が所定の角度である時のチャネル案内画像を含む。ここで、所定の角度は0°又は異なる複数の角度の各々である。チャネル情報の具体例については後述する。
【0021】
内視鏡装置20は、記憶部201、操作部202、及び制御部203を備える。
記憶部201は、各種の情報が記憶された不揮発性メモリであり、必要に応じて制御部203に依り読み出される。各種の情報は、内視鏡10の挿入部102に形成されたチャネルに関するチャネル情報、又は、内視鏡の種別毎のチャネル情報を含む。
【0022】
操作部202は、操作パネルやタッチパネル等であって、ユーザの入力操作を受け付け、その入力操作に応じた信号(操作信号)を制御部203に出力する。
制御部203は、内視鏡装置20の全体動作を制御する。制御部203は、撮像信号取得部204、チャネル情報取得部205、操作信号処理部206、角度情報取得部207、内視鏡画像生成部208、チャネル案内画像生成部209、表示用画像生成部210、及び表示用画像出力部211を備える。
【0023】
撮像信号取得部204は、内視鏡10の撮像部103に依り生成された撮像信号を取得する。
チャネル情報取得部205は、内視鏡10の挿入部102に形成されたチャネルに関するチャネル情報を取得する。例えば、チャネル情報取得部205は、そのチャネル情報を、内視鏡10の記憶部104から取得してもよいし、記憶部201から取得してもよい。例えば、記憶部201から取得する場合は、内視鏡10の種別情報を内視鏡10の記憶部104から取得し、その種別情報に対応するチャネル情報を記憶部201から取得してもよい。また、例えば、チャネル情報取得部205は、内視鏡装置20とネットワークを経由して接続されたサーバ(不図示)からチャネル情報を取得してもよい。この場合は、例えば、内視鏡10の種別情報を内視鏡10の記憶部104から取得し、その種別情報に対応するチャネル情報をサーバに問い合わせることに依って取得してもよい。これに依り、例えば、チャネル情報を内視鏡装置20に保持させると新しい内視鏡に対応することが困難になるといった課題や、内視鏡を安価に実現するために内視鏡に機能を詰め込みたくないといった課題を解決することができる。
【0024】
操作信号処理部206は、内視鏡10の操作部101や操作部202から出力された操作信号が入力され、その操作信号に応じた処理を行う。例えば、入力された操作信号が、内視鏡画像回転指示に係る操作信号であった場合には、その指示が示す内視鏡画像の回転角度(表示角度)に関する角度情報を角度情報取得部207に出力する。
【0025】
角度情報取得部207は、操作信号処理部206から出力された角度情報を取得する。
内視鏡画像生成部208は、撮像信号取得部204に依り取得された撮像信号に基づいて内視鏡画像を生成する。また、内視鏡画像生成部208は、生成した内視鏡画像と角度情報取得部207に依り取得された角度情報とに基づいて、表示用内視鏡画像を生成する。表示用内視鏡画像は、角度情報が示す表示角度で内視鏡画像を回転させた画像である。なお、角度情報取得部207に依り角度情報が取得されていない場合には、生成した内視鏡画像を表示用内視鏡画像とする。
【0026】
チャネル案内画像生成部209は、チャネル情報取得部205に依り取得されたチャネル情報と角度情報取得部207に依り取得された角度情報とに基づいて、チャネル案内画像を生成する。チャネル案内画像は、内視鏡画像の表示角度が、角度情報が示す表示角度である時のチャネルの出口位置(出口方向)を案内する画像である。なお、角度情報取得部207に依り角度情報が取得されていない場合には、表示角度0°を示す角度情報が角度情報取得部207に依り取得されたものとして、チャネル案内画像を生成する。
【0027】
表示用画像生成部210は、内視鏡画像生成部208に依り生成された表示用内視鏡画像と、チャネル案内画像生成部209に依り生成されたチャネル案内画像と、を含む表示用画像を生成する。
【0028】
表示用画像出力部211は、表示用画像生成部210に依り生成された表示用画像を表示装置30に出力する。
表示装置30は、内視鏡装置20の表示用画像出力部211から出力された表示用画像等の表示を行う表示部301を備える。
【0029】
ここで、上述のチャネル情報の具体例を示す。
但し、この具体例では、内視鏡10の挿入部102に形成されたチャネルの数が2つであるとする。また、挿入部102の先端面102bにおける2つのチャネル出口と対物レンズとの位置関係に依り、表示装置30に表示角度0°で表示された内視鏡画像である表示用内視鏡画像内に、2つのチャネル出口からの処置具等が進入してくる方向は、90°の方向(右方向)及び225°の方向(左下の方向)からであるとする。なお、この具体例では、0°、90°、180°、270°の方向を、上、右、下、左の方向としている。
【0030】
この場合、チャネル情報は、例えば、内視鏡画像の表示角度が0°である時の2つのチャネル出口位置の角度(90°、225°)に関する情報を含んでもよい。或いは、チャネル情報は、例えば、内視鏡画像の表示角度が0°である時の2つのチャネル出口位置の角度(90°、225°)に関する情報と、内視鏡画像の表示角度が180°である時の2つのチャネル出口位置の角度(270°、45°)に関する情報とを含んでもよい。このとおり、チャネル情報は、内視鏡画像の表示角度が1つ又は複数の所定の角度である時のチャネルの出口位置の角度に関する情報を含んでもよい。
【0031】
又は、チャネル情報は、例えば、内視鏡画像の表示角度が0°である時のチャネル案内画像を含んでもよい。或いは、チャネル情報は、例えば、内視鏡画像の表示角度が0°である時のチャネル案内画像と、内視鏡画像の表示角度が180°である時のチャネル案内画像とを含んでもよい。このとおり、チャネル情報は、内視鏡画像の表示角度が1つ又は複数の所定の角度である時のチャネル案内画像を含んでもよい。
【0032】
図3は、チャネル情報に含まれるチャネル案内画像を例示する図である。
図3において、チャネル案内画像401は、内視鏡画像の表示角度が0°である時のチャネル案内画像であり、チャネル案内画像402は、内視鏡画像の表示角度が180°である時のチャネル案内画像である。チャネル案内画像401内のガイド401a、401bは、内視鏡画像の表示角度が0°である時のチャネルの出口位置を案内するガイドであり、チャネル案内画像402内のガイド402a、402bは、内視鏡画像の表示角度が180°である時のチャネルの出口位置を案内するガイドである。
【0033】
図4は、内視鏡装置20において実行される表示用画像出力処理を例示するフローチャートである。この表示用画像出力処理は、図2に例示した内視鏡装置20の機能構成に依り実現される処理でもある。
【0034】
図4に例示した表示用画像出力処理では、処理が開始すると、まず、チャネル情報取得部205が、内視鏡10の挿入部102に形成されているチャネルに関するチャネル情報を、内視鏡10の記憶部104又は記憶部201から取得する(S11)。
【0035】
次に、制御部203は、術者等に依る内視鏡画像回転指示が有るか否かを判定する(S12)。この判定は、例えば、内視鏡画像回転指示に係る操作信号が操作信号処理部206に入力されたか否かに基づいて行われる。
【0036】
S12の判定結果がYESの場合、操作信号処理部206は、入力された操作信号の内視鏡画像回転指示が示す内視鏡画像の回転角度(表示角度)に関する角度情報を角度情報取得部207に出力し、その角度情報を角度情報取得部207が取得する(S13)。
【0037】
S13の後、又は、S12の判定結果がNOの場合、撮像信号取得部204は、内視鏡10の撮像部103に依り生成された撮像信号を取得する(S14)。
次に、内視鏡画像生成部208は、S14で取得された撮像信号に基づいて内視鏡画像を生成し(S15)、その内視鏡画像とS13で最後に取得された角度情報(表示用画像出力処理の開始後にS13で最後に取得された角度情報)とに基づいて表示用内視鏡画像を生成する(S16)。但し、表示用画像出力処理の開始後にS13の処理が一度も行われていない場合には、S15で生成した内視鏡画像を表示用内視鏡画像とする。
【0038】
次に、チャネル案内画像生成部209は、S11で取得されたチャネル情報とS13で最後に取得された角度情報とに基づいてチャネル案内画像を生成する(S17)。但し、表示用画像出力処理の開始後にS13の処理が一度も行われていない場合には、S13で最後に取得された角度情報が表示角度0°を示す角度情報であったとして、チャネル案内画像を生成する。
【0039】
次に、表示用画像生成部210は、S16で生成された表示用内視鏡画像と、S17で生成されたチャネル案内画像と、を含む表示用画像を生成する(S18)。
次に、表示用画像出力部211は、S18で生成された表示用画像を表示装置30に出力する(S19)。表示装置30は、S19で内視鏡装置20から出力された表示用画像が入力されると、その表示用画像を表示部301が表示する。これに依り、表示用内視鏡画像とチャネル案内画像とを含む表示用画像が表示される。
【0040】
次に、制御部203は、処理を終了するか否かを判定する(S20)。この判定は、例えば、内視鏡装置20の電源オフ指示に係る操作信号が操作信号処理部206に入力されたか否かに基づいて行われる。
【0041】
S20の判定結果がNOの場合は処理がS12に戻り、S20の判定結果がYESの場合は表示用画像出力処理が終了する。
図5は、図4に例示した表示用画像出力処理に依り出力されて表示装置30に依り表示された、内視鏡画像回転指示前後の表示用画像を例示する図である。
【0042】
この例では、内視鏡10の挿入部102に形成されたチャネルが3つであるとする。また、内視鏡画像回転指示として、内視鏡画像を180°回転(回転表示)させる指示が行われたとする。
【0043】
図5において、上側に例示した表示用画像501aは、内視鏡画像回転指示前の表示用画像であり、表示用内視鏡画像(表示角度0°の内視鏡画像)502aとチャネル案内画像503aを含む。チャネル案内画像503a内のガイド504a、505a、506aは、内視鏡画像回転指示前の時点(内視鏡画像の表示角度が0°である時)におけるチャネルの出口位置を案内するガイドである。
【0044】
下側に例示した表示用画像501bは、内視鏡画像回転指示後の表示用画像であり、表示用内視鏡画像(表示角度180°の内視鏡画像)502bとチャネル案内画像503bを含む。チャネル案内画像503b内のガイド504b、505b、506bは、内視鏡画像回転指示後の時点(内視鏡画像の表示角度が180°である時)におけるチャネルの出口位置を案内するガイドである。
【0045】
図5に例示したとおり、内視鏡画像回転指示が行われたことに応じて、表示用内視鏡画像502が180°回転表示されると共にチャネル案内画像503内のガイド504、505、506の位置が変更される。なお、チャネル案内画像503内の3つの数値は、3つのチャネル出口の径を示している。このチャネル出口の径に関する情報は、例えば、上述のチャネル情報に含まれている。
【0046】
これに依り、術者は、チャネル案内画像503を確認することで、内視鏡画像回転指示前は勿論のこと内視鏡画像回転指示後においても、チャネル出口位置を把握することができる。例えば、径が「3.6」のチャネルが処置具A用チャネルである場合、内視鏡画像回転指示前では、表示用内視鏡画像502a内に処置具Aが進入してくる方向が上方向からであることを容易に把握することができる。また、内視鏡画像回転指示後では、表示用内視鏡画像502内に処置具Aが進入してくる方向が下方向からであることを容易に把握することができる。
【0047】
なお、内視鏡装置20に依り生成され表示装置30に表示される表示用画像は、図5に例示した形態に限らない。
例えば、表示用画像は、内視鏡10に関する情報(名称や型番等)を表示する内視鏡情報ウィンドウを更に含み、その内視鏡情報ウィンドウ内にチャネル案内画像が表示されてもよい。この場合は、内視鏡画像が回転表示されている場合に限り、内視鏡画像が回転表示されていることを示すアイコンが内視鏡情報ウィンドウ内に更に表示されてもよいし、そのアイコン自体も内視鏡画像の回転角度に合わせて回転表示されてもよい。こういった内視鏡情報ウィンドウは、表示用内視鏡画像と重ならない位置に表示されてもよい。
【0048】
また、例えば、表示用画像は、チャネル情報を表示するチャネル情報ウィンドウを更に含み、そのチャネル情報ウィンドウ内にチャネル案内画像が表示されてもよい。この場合も、内視鏡画像が回転表示されている場合に限り、内視鏡画像が回転表示されていることを示すアイコンがチャネル情報ウィンドウ内に更に表示されてもよいし、そのアイコン自体も内視鏡画像の回転角度に合わせて回転表示されてもよい。こういったチャネル情報ウィンドウは、観察の妨げにならない位置であれば、表示用内視鏡画像上に重畳表されてもよい。
【0049】
また、例えば、表示用画像は、こういった内視鏡情報ウィンドウとチャネル情報ウィンドウの両方を含んでもよい。この場合は、術者等の設定指示に依り、チャネル情報ウィンドウの表示を、例えば、常時表示/2秒表示/表示しない、の何れかから選択できる構成としてもよい。
【0050】
なお、上述の表示用画像において、表示用内視鏡画像の形状は、8角形に限らず、例えば円形でもよい。この場合は、チャネル案内画像の形状も円形としてもよい。
【0051】
以上のとり、本実施形態に依れば、表示装置30に表示させる内視鏡画像を術者等の指示に応じて回転させる場合であっても、内視鏡画像内に処置具等が進入してくる方向を術者等が容易に把握することができる。
【0052】
なお、本実施形態において、内視鏡装置20の制御部203は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路に依り実現されてもよい。
【0053】
また、内視鏡装置20の記憶部201、操作部202、及び制御部203等は、図6に例示するハードウェア構成を有するコンピュータに依り実現されてもよい。
図6は、コンピュータのハードウェア構成を例示する図である。
【0054】
図6に例示したとおり、コンピュータ700は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ701、メモリ702、補助記憶装置703、入力装置704、表示装置705、入出力インタフェース706、通信制御装置707、及び媒体駆動装置708を備える。コンピュータ700におけるこれらの要素701~708は、バス709に依り相互に接続されており、要素間でのデータの受け渡しができる。
【0055】
プロセッサ701は、プログラムを実行することに依りコンピュータ700の全体の動作を制御する。例えば、プロセッサ701は、図2に例示した制御部203の機能を実現するためのプログラムを実行する。これに依り、例えば、図4に例示した表示用画像出力処理が実行される。
【0056】
メモリ702は、図示しないROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む。メモリ702のROMには、プロセッサ701が実行するプログラム等が予め記録されている。メモリ702のROMは、図2に例示した制御部203の機能を実現するためのプログラムの記録に利用できる。メモリ702のRAMは、プロセッサ701のワークエリア等として使用される。
【0057】
補助記憶装置703は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気ディスク、及びフラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。補助記憶装置703には、プロセッサ701に依り実行されるプログラム等を記憶させることができる。補助記憶装置703も、図2に例示した制御部203の機能を実現するためのプログラムの記録に利用できる。
【0058】
入力装置704は、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネル等である。コンピュータ700のオペレータが入力装置704に対し所定の操作を行うと、入力装置704は、その操作内容に対応付けられている入力情報をプロセッサ701に送信する。入力装置704は、操作部202として利用できる。
【0059】
表示装置705は、例えば、液晶表示装置である。表示装置705は、表示装置30としても利用できる。
入出力インタフェース706は、コンピュータ700と、電子部品や外部機器とを接続する。入出力インタフェース706は、内視鏡10や表示装置30との接続に利用できる。
【0060】
通信制御装置707は、コンピュータ700をネットワークに接続し、ネットワークを経由してコンピュータ700と外部装置(サーバ等)との各種通信を制御する。通信制御装置707は、内視鏡装置20をネットワークに接続し、ネットワークを経由した内視鏡装置20とサーバとの各種通信の制御に利用できる。
【0061】
媒体駆動装置708は、可搬型記録媒体710に記録されているプログラムやデータの読み出しを行ったり、補助記憶装置703に記憶されたデータ等の可搬型記録媒体710への書き込みを行ったりする。可搬型記録媒体710も、図2に例示した制御部203の機能を実現するためのプログラムの記録に利用できる。可搬型記録媒体710としては、例えば、Secure Digital(SD)規格のメモリカード(フラッシュメモリ)がある。また、コンピュータ700が媒体駆動装置708として利用できる光ディスクドライブを搭載している場合、当該光ディスクドライブで認識できる各種の光ディスクを可搬型記録媒体710として利用できる。可搬型記録媒体710として利用できる光ディスクには、例えば、Compact Disc(CD)、Digital Versatile Disc(DVD)、Blu-ray Disc(Blu-rayは登録商標)等がある。
【0062】
また、本実施形態において、内視鏡システム1は、図1に例示した形態に限らず、所謂携帯型軟性内視鏡の如く、内視鏡10、内視鏡装置20、及び表示装置30が一体として構成されてもよい。また、内視鏡システム1において、内視鏡10と内視鏡装置20が一体として構成されてもよいし、内視鏡装置20と表示装置30が一体として構成されてもよい。また、内視鏡システム1において、内視鏡装置20を、ネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ等)に依り実現し、内視鏡10と内視鏡装置20並びに内視鏡装置20と表示装置30がネットワークを経由して接続される構成としてもよい。
【0063】
以上、実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせに依り、様々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素のいくつかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 内視鏡システム
10 内視鏡
20 内視鏡装置
30 表示装置
101 操作部
102 挿入部
102a 先端部
102b 先端面
103 撮像部
104 記憶部
201 記憶部
202 操作部
203 制御部
204 撮像信号取得部
205 チャネル情報取得部
206 操作信号処理部
207 角度情報取得部
208 内視鏡画像生成部
209 チャネル案内画像生成部
210 表示用画像生成部
211 表示用画像出力部
301 表示部
401、402 チャネル案内画像
401a、401b、402a、402b ガイド
501a、501b 表示用画像
502、502a、502b 表示用内視鏡画像
503、503a、503b チャネル案内画像
504、504a、504b、505、505a、505b ガイド
506、506a、506b ガイド
700 コンピュータ
701 プロセッサ
702 メモリ
703 補助記憶装置
704 入力装置
705 表示装置
706 入出力インタフェース
707 通信制御装置
708 媒体駆動装置
709 バス
710 可搬型記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6