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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-13
(45)【発行日】2023-01-23
(54)【発明の名称】道路舗装機のためのスクリード装置
(51)【国際特許分類】
   E01C 19/48 20060101AFI20230116BHJP
【FI】
E01C19/48 A
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022137532
(22)【出願日】2022-08-31
【審査請求日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】21194687
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596068349
【氏名又は名称】ヨゼフ フェゲーレ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン パウリク
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第2395151(EP,A1)
【文献】米国特許第5259693(US,A)
【文献】国際公開第2009/036779(WO,A1)
【文献】特開2001-049615(JP,A)
【文献】特開2000-192417(JP,A)
【文献】実開昭56-105507(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路舗装機(1)のためのスクリード装置(4)であって、前記スクリード装置(4)は、主スクリード(7)と、第1の拡張スクリード(5)と、第2の拡張スクリード(6)とを有し、前記第1の拡張スクリード(5)及び前記第2の拡張スクリード(6)は、前記スクリード装置(4)の引っ張り方向(Z)で前記主スクリード(7)の前面に配置され、前記引っ張り方向(Z)で前記主スクリード(7)に対して横に可動であり、前記第1の拡張スクリード(5)及び前記第2の拡張スクリード(6)の少なくとも1つは、材料偏向部材(10、10’’)を含み、前記材料偏向部材(10、10’’)は、前記拡張スクリード(5、6)が前記主スクリード(7)に対して静止している際に前記スクリード装置(4)の引っ張り方向(Z)に対して中心軸(M)に向かって舗装材料を変位させるように構成され、
前記第1の拡張スクリード(5)は、前記材料偏向部材(10、10’’)を備え、前記第2の拡張スクリード(6)は、前記引っ張り方向(Z)で前記第1の拡張スクリード(5)よりも前記主スクリード(7)から遠くに配置され、前記主スクリード(7)は、遮蔽要素(13、22)を備え、前記遮蔽要素(13、22)は、前記第1の拡張スクリード(5)を後退させる間に前記主スクリード(7)の幅部を越えて側方へと、前記主スクリード(7)の前面にある舗装材料を変位させないように構成されることを特徴とする、スクリード装置。
【請求項2】
前記中心軸(M)は、前記引っ張り方向(Z)に平行であり、各前記拡張スクリード(5、6)は、内側(9)と外側(11)とを有し、前記内側(9)は、それぞれの前記拡張スクリード(5、6)の拡張位置において、前記外側(11)よりも前記中心軸(M)に近く、第1の前記材料偏向部材(10、10’’)は、前記拡張スクリード(5、6)の前記内側(9)上に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のスクリード装置。
【請求項3】
前記遮蔽要素(13、22)は、板(13’’’)として存在し、前記板(13’’’)は、前記主スクリード(7)の主スクリード本体(7’)に対して側方に締結され、前記引っ張り方向(Z)で前記主スクリード本体(7’)を越えて延在することを特徴とする、請求項1又は2に記載のスクリード装置。
【請求項4】
前記遮蔽要素(13、22)は、前記第1の拡張スクリード(5)と実質的に同じ高さで形成される、及び/又は前記遮蔽要素(13、22)は、前記第1の拡張スクリード(5)の稼働深さ(15)に対応する前記引っ張り方向(Z)で延在することを特徴とする、請求項3に記載のスクリード装置。
【請求項5】
前記遮蔽要素(13、22)は、前記遮蔽要素(13、22)が、前記主スクリード(7)に対して前記引っ張り方向(Z)で調節及び/又は分解し得るように構成されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のスクリード装置。
【請求項6】
前記遮蔽要素(13、22)は、前記主スクリード(7)のサイドシフト(7a)の一部として形成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のスクリード装置。
【請求項7】
前記第2の拡張スクリード(6)も、舗装材料を変位させるように構成された材料偏向部材(10’、10’’’)を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のスクリード装置。
【請求項8】
前記材料偏向部材(10、10’、10’’、10’’’)及び/又は前記遮蔽要素(13、22)は、加熱し得ることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のスクリード装置。
【請求項9】
前記第1の拡張スクリード(5)は、前記第2の拡張スクリード(6)の前記材料偏向部材(10、10’’’)のための遮蔽要素(14、22’)を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のスクリード装置。
【請求項10】
前記材料偏向部材(10、10’、10’’、10’’’)は、前記拡張スクリード(5、6)上に固定して形成されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のスクリード装置。
【請求項11】
前記材料偏向部材(10、10’、10’’、10’’’)は、前記拡張スクリード(5、6)の拡張スクリード本体(5’、6’)に対して調節可能である、好ましくは、回転可能及び/又は変位可能であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のスクリード装置。
【請求項12】
前記材料偏向部材(10、10’、10’’、10’’’)は、鋤構造の形態であることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のスクリード装置。
【請求項13】
前記材料偏向部材(10、10’、10’’、10’’’)は、平面図において、前記引っ張り方向(Z)に対して非ゼロ角度(α)で延在することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のスクリード装置。
【請求項14】
前記スクリード装置(4)は、スクリード操作ステーション(B)を備え、前記スクリード操作ステーション(B)は、前記主スクリード(7)、前記第1の拡張スクリード(5)の前記材料偏向部材(10、10’’)に側方に面することを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載のスクリード装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のスクリード装置(4)を備える道路舗装機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載のプリアンブルによる、道路舗装機のためのスクリード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート又はアスファルト舗装混合物を舗装する道路舗装機は、通常、道路舗装機の背後に牽引されるスクリード装置を有する。このスクリード装置は、広げた舗装混合物を平らにし、例えば道路舗装機に追従するローラにより最終圧縮を行う前に、舗装混合物を予め大幅に圧縮する。スクリード装置は、スクリードが、様々な舗装幅を達成し得るように、道路舗装機の舗装進行方向に対して横方向で可変長さを有する場合、特に有利である。
【0003】
EP2201176B1は、互いに前後に配置された伸縮自在部を有するスクリード板を開示しており、これらの伸縮自在部は、固定部に堅固に接続される。
【0004】
従来のEP2395151A1は、主スクリードと、舗装進行方向で主スクリードの前面に配置された2つの拡張スクリードとを有するスクリード装置を開示しており、2つの拡張スクリードは、共通調節平面内で、舗装進行方向に対して横に拡張、後退し得る。そのようなスクリード装置は、2つの拡張スクリードがそれぞれ主スクリードの前面に直に隣接するという点で、当業者の間で「フロントマウント・スクリード」としても公知である。主スクリードに対して調節し得る材料偏向部材は、主スクリード及び/又は拡張スクリードの少なくとも1つの上に設けられることで、2つの拡張スクリードが互いの方に移動して、2つの拡張スクリードの間の所定距離が特定の値を下回った際に、舗装材料が2つの拡張スクリードの間に詰まらないようにしている。
【0005】
しかし、このスクリード装置の欠点は、舗装進行方向に対する横方向において、拡張スクリードの稼働幅が、主スクリードの稼働幅の約半分に制限されることである。したがって、最大舗装幅は、主スクリードの稼働幅の2倍を超えることができない。したがって、より大きな舗装幅を有する道路工事の場合、ボルト留め可能な更なる拡張体をこのスクリード装置に追加する必要があり、このことは、労力及び時間がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の欠点をなくすため、道路舗装機のためのスクリード装置を提供することは、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有するスクリード装置によって解決される。本発明の有利な更なる実施形態は、従属請求項で示される。
【0008】
本発明は、道路舗装機のためのスクリード装置に関し、スクリード装置は、主スクリードと、第1の拡張スクリードと、第2の拡張スクリードとを有し、第1の拡張スクリード及び第2の拡張スクリードは、スクリード装置の引っ張り方向で主スクリードの前面に配置され、主スクリードに対し、引っ張り方向に対して横に可動であり、第1の拡張スクリード及び第2の拡張スクリードの少なくとも1つは、材料偏向部材を含み、材料偏向部材は、拡張スクリードが主スクリードに対して静止している際、スクリード装置の引っ張り方向に対して中心軸(M)の方に舗装材料を変位させるように構成され、第1の拡張スクリードは、材料偏向部材を備え、第2の拡張スクリードは、スクリード装置の引っ張り方向で主スクリードから遠くに配置される。更に、第1の拡張スクリードのための主スクリードは、遮蔽要素又は偏向板又は遮蔽板を備える。遮蔽要素は、最も広い意味で壁として理解し得る。遮蔽要素は、第1の拡張スクリードが後退する際、主スクリードの前面にある舗装材料が主スクリードの幅部を越えて横にずれないように構成される。スクリード装置の引っ張り方向は、作業中、スクリード装置が道路舗装機又はその牽引車によって引っ張られる方向である。即ち、引っ張り方向は、道路舗装機の進行方向に対応する。
【0009】
本発明によるスクリード装置の主な利点の1つは、舗装幅の高度の可変性である。この可変性は、本発明において、引っ張り方向で互いに前後に配置された拡張スクリードがそれぞれ、本質的に主スクリードと同じ稼働幅を有し得るためである。したがって、本発明によるスクリード装置の最大舗装幅は、2つの拡張スクリードが最大拡張位置にある際、ボルト留め可能な更なる拡張体を追加することなく主スクリードの稼働幅の約3倍とすることができる。これにより、特に現場で、舗装幅の調節を加速させる。というのは、ボルト留めによる拡張体の取付け、取外し又は調節の必要がないためである。
【0010】
拡張スクリードが、引っ張り方向で前後に互い違いに配置される別の利点は、この構成により、2つの拡張スクリードの間への舗装材料の詰まりがほんのわずかである、又は全く詰まりが生じないことである。というのは、2つの拡張スクリードは、後退中、同じ変位平面内で互いの方に移動しないためである。更に、第1の拡張スクリードの材料偏向部材は、スクリード装置の引っ張り方向に対して中心軸の方に舗装材料を変位可能にし、この拡張スクリードが後退する際、舗装材料が拡張スクリードと主スクリードの遮蔽部材との間に詰まらないようにする。第1の拡張スクリードが後退する際、遮蔽要素は、主スクリードの前面にある舗装材料が主スクリードの幅部を越えて、路盤上、又は最前位置で働く拡張スクリードにより予め圧縮された舗装上に押し出されないようにし得る。
【0011】
スクリード装置が中心軸を有する場合、中心軸は、引っ張り方向に平行であり、各拡張スクリードが、内側と外側とを有し、内側は、それぞれの拡張スクリードの拡張位置において、外側よりも中心軸に近く、材料偏向部材が、拡張スクリードの内側に配設されると好都合である。
【0012】
好ましくは、主スクリード及び2つの拡張スクリードは、実質的に同じ稼働幅を有する。このことは、既に上記したように、スクリード装置が、拡張スクリードが主スクリードのサイズの半分である公知のスクリード装置と比較して、より大きな舗装幅を達成することを可能にする。
【0013】
遮蔽要素が板の形態であり、この板が主スクリードの主スクリード本体の側方に取り付けられ、引っ張り方向で主スクリード本体を越えて延在する場合、特に有用である。このことにより、第1の拡張スクリードがその稼働幅全体にわたり後退、拡張することを可能にする。
【0014】
遮蔽要素が本質的に第1の拡張スクリードと同じ高さで形成される場合、及び/又は遮蔽要素が第1の拡張スクリードの稼働深さに対応する引っ張り方向で延在する場合、舗装材料が引っ張り方向に対して横に落ちることが、特に効率的に防止される。
【0015】
有利な実施形態では、遮蔽要素は、主スクリードに対して引っ張り方向で調節可能及び/又は分解可能に形成される。このことは、材料偏向部材の構造的形状の観点で、遮蔽要素を調節することを可能にする。取り外し可能な遮蔽要素は、洗浄の目的、及び可能性として搬送の目的のために有利である。
【0016】
遮蔽要素又は遮蔽要素上に形成される部品は、便宜上、主スクリードに対して枢動可能及び/又は引っ張り方向に対して横に変位可能に形成し得る。このようにして、舗装材料は、主スクリードの前面の外側領域から、引っ張り方向に延びるスクリード装置の中心軸の方に内側に移動し得る。
【0017】
代替実施形態では、遮蔽要素は、主スクリードのサイドシフトとして形成される。そのようなサイドシフトは、舗装材料が所望の幅を越えて落ちないようにする。サイドシフトの実際の機能に加えて、サイドシフトは、遮蔽要素としても働く。
【0018】
遮蔽要素は、主スクリードのサイドシフト上の板として配置されることが考えられる。この板は、スクリード装置の中心軸の方向へ舗装材料を押すように、サイドシフトに対して変位可能又は枢動可能であるように形成し得る。このことにより、拡張スクリードが後退した際に舗装材料を変位させ、舗装材料が2つの拡張スクリードの間に詰まらないようにすることを可能にする。この背景において、2つの拡張スクリードが次々に後退することが考えられる。即ち、主スクリードの近くに位置する一方の拡張スクリードが最初に後退し、この拡張スクリードの前面に位置するもう一方の拡張スクリードが少なくとも時間をずらして後退する。
【0019】
特に安定的な実施形態では、遮蔽要素は、主スクリードのサイドシフトの一体部分として形成される。
【0020】
導入材料の詰まり又は付着は、材料偏向部材及び/又は遮蔽要素を加熱可能にすることによって、特に効果的に低減し得る。
【0021】
第2の拡張スクリードも、舗装材料を変位するように構成された材料偏向部材を有する場合、舗装材料の変位に特に有利である。第1の拡張スクリードが、第2の拡張スクリードの材料偏向部材のための遮蔽要素を有する場合、有利である。この変形例では、主スクリードの遮蔽要素及び第1の拡張スクリードの材料偏向部材に関する前述の構造は、少なくとも機能の点で繰り返し述べられる。基本的に、遮蔽要素及び材料偏向部材の両方は、同等の様式で形成し得る。
【0022】
第1の拡張スクリード上に形成された材料偏向部材の反対側に配設された第1の拡張スクリードのサイドシフトは、第2の拡張スクリード上に形成された材料偏向部材のための遮蔽要素として働き得る。
【0023】
スクリード装置の中心軸方向での舗装材料の変位を促進するため、第1の拡張スクリードのサイドシフト上に遮蔽要素を設けることが考えられ、この遮蔽要素は、第1の拡張スクリード上に形成されたサイドシフトに対して調節可能、特に枢動可能又は変位可能である。
【0024】
スクリード装置は、材料偏向部材がそれぞれの拡張スクリード(複数可)上に固定して形成される場合に特に安定的である。
【0025】
材料偏向部材は、材料偏向部材が引っ張り方向に平行に延在する非作動位置と、材料偏向部材が引っ張り方向に対してある角度で延在する作動位置との間で調節可能であることが考えられる。したがって、非作動位置において、材料偏向部材は、舗装工程に影響を及ぼさない。更に、非作動位置において、更なる稼働幅が拡張スクリードを拡張させるために利用可能である。作動位置において、材料偏向部材が引っ張り方向に対してある角度で位置することにより、拡張スクリードが後退する際にスクリード装置の中心軸の方に舗装混合物を変位させることを保証する。舗装材料の偏向、即ち、この場合、スクリード装置の中心軸の方への舗装材料の変位は、材料偏向部材を引っ張り方向に対して30°から55°度の作動位置で設定した際、特に効果的になる。材料偏向部材は、ヒンジ回りに枢動可能とし得る。材料偏向部材の後側を摺動嵌合を介して主スクリードに結合させることも可能であり、後側が主スクリードに沿って変位し得るようにする。
【0026】
舗装材料の偏向は、材料偏向部材が鋤構造の形態で構成される場合に特に効果的である。このことにより、拡張スクリード(複数可)が後退する際に舗装材料を前面に押し出すことを可能にする。
【0027】
舗装材料の偏向は、平面図において、材料偏向部材が引っ張り方向に対して非ゼロ角度、好ましくは、30°から60°の角度で延在する場合、特に効果的である。
【0028】
スクリード装置が、第1の拡張スクリードの材料偏向部材に面する主スクリードの側にスクリード操作ステーションを有する場合、特に都合がよい。このスクリード操作ステーションから、スクリード操作員は、拡張スクリードが後退する間の材料偏向部材、特にその鍬機能を良好に監視し得る。
【0029】
最後に、本発明は、上記した種類のスクリード装置を有する道路舗装機に関する。そのような道路舗装機、特にスクリード装置を利用する道路舗装機は、主スクリードと拡張スクリードとの間に混合物の先頭が詰まることなく、舗装幅の迅速で正確な調節を可能にする。更に、スクリード装置は、地ならし、特に、高さ及び横断勾配の地ならしの目的のために、迅速、正確に調節可能であるという実践的な利点を提供する。この利点は、とりわけ、本発明によるスクリード装置の広範に調節可能なスクリード構造によって支持されるが、本発明によるスクリード装置は、少数のモジュールから構成される。
【0030】
以下、図面を参照しながら本発明の有利な実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、道路舗装機の側面図である。
図2図2は、本発明によるスクリード装置の概略図である。
図3図3は、拡張スクリードを拡張させた際の本発明によるスクリード装置の図である。
図4図4は、拡張スクリードの拡張位置における本発明によるスクリード装置の図である。
図5図5は、分離して描写した拡張スクリードの斜視図である。
図6図6は、拡張スクリードの拡張位置における、本発明によるスクリード装置の変形例の概略図である。
図7図7は、拡張スクリードの拡張位置における、本発明によるスクリード装置の更なる変形例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
同一の構成要素は、図面全体を通して同じ参照符号で示される。
【0033】
図1は、道路舗装機1の側面図を示し、道路舗装機1の舗装方向は、Eによって示される。道路舗装機1は、牽引車2を備え、牽引車2は、例えばアスファルト混合物を中に注ぐことができる混合ホッパ3を有する。この混合物又は舗装材料は、コンベア・システム(図示せず)によって、道路舗装機1の舗装進行方向Eに対向して牽引車2の後端に搬送し得る。ここで、混合物又は舗装材料は、舗装進行方向Eに対して横に、道路舗装機1のスクリード装置4の前面に分散し得る。スクリード装置4は、支持アーム20により水平にすることが可能であるように牽引車2上に組み付けることができる。スクリード装置2は、舗装進行方向Eで道路舗装機1の牽引車2の背後で牽引される。
【0034】
道路舗装機1の牽引車2と、牽引車2上で牽引されるスクリード装置4との間には、横展延デバイス18(図2を参照)、例えば、加工される舗装材料を、スクリード装置4の前面で舗装幅にわたり展延させる2つの横展延オーガがある。スクリード装置4は、特に、混合物を平らにする及び/又は予め圧縮するために使用される。
【0035】
図1では、道路舗装機1は、車輪付き舗装機として示される。代替的に、道路舗装機1は、クローラ・シャシを有し得る。
【0036】
図2は、本発明によるスクリード装置4の一実施形態を示す。スクリード装置4は、「フロントマウント・スクリード」型のものであり、第1の拡張スクリード5及び第2の拡張スクリード6は、スクリード装置4の引っ張り方向Zから見て主スクリード7の前面に配置される。スクリード装置4の引っ張り方向Zは、道路舗装機1の舗装進行方向Eに対応する。第1の拡張スクリード5は、引っ張り方向Zで主スクリード7のより近くに配置される。第2の拡張スクリード6は、引っ張り方向Zで第1の拡張スクリード5よりも主スクリード7から遠くに配置される。したがって、第1の拡張スクリード5及び第2の拡張スクリード6は、引っ張り方向Zで互いに前後に配置される、即ち、同じ平面内に配置されない。主スクリード7は、単一部品であるか、又はいくつかの部品から構成し得る。図2に示すスクリード部品のそれぞれは、例えば、スクリード板及び/又はタンパの形態で、混合物又は舗装材料を平らにし、(予め)圧縮する手段を有する。
【0037】
図2は、2つの拡張スクリード5、6の後退位置を示す。引っ張り方向Zに対する横方向において、主スクリード7及び2つの拡張スクリード5、6はそれぞれ、本質的に同じ稼働幅16を有する。より大きな舗装幅を得るには、拡張スクリード5、6を拡張方向A、即ち、主スクリード7に対し、引っ張り方向Zに対する横方向で移動し得る。適切な駆動装置及び案内システム、例えば、油圧駆動装置、案内レール及び/又は案内棒は、拡張スクリード5、6を拡張、後退させるために設けられる。
【0038】
第1の拡張スクリード5の内側9には、材料偏向部材10が形成され、図2では、材料偏向部材10は、くさび形状であり、第1の拡張スクリード5の拡張スクリード本体5’と共に一体に構成される。主スクリード7は、第1の拡張スクリード5のための遮蔽要素13を有する。遮蔽要素13は、主スクリード本体7’上で側方に設けられる。遮蔽要素13は、例えば、可能性としては主スクリード7上に形成されたサイドシフトの一部として、固定板13’’’として組み付け得る。遮蔽要素13は、引っ張り方向Zで延在する壁を形成する。
【0039】
材料偏向部材10は、拡張スクリード5が後退する際、舗装混合物をスクリード装置4の領域12から変位可能にする。材料偏向部材10は、舗装材料が主スクリード7の遮蔽要素13と直前に配置された拡張スクリード5との間に詰まらないようにし得る。遮蔽要素13は、拡張スクリード5が主スクリード7の前面で後退する際、主スクリード7の幅を越えて舗装材料が側方に広がらないようにする。拡張スクリード5、6のそれぞれの外側11には、サイドシフト5a、6aが設けられ、サイドシフト5a、6aは、新たな道路舗装の舗装幅の寸法を本質的に決定し、舗装混合物が所望の幅を超えて広がらないようにする。
【0040】
図3は、より大きな舗装幅をもたらすように、拡張スクリード5、6が拡張方向Aで拡張する間のスクリード装置4を示す。
【0041】
図3に示す実施形態では、第2の拡張スクリード6も、材料偏向部材10’をその内側9’に有する。この実施形態では、材料偏向部材10’は、くさび形状であり、第2の拡張スクリード6の拡張スクリード本体6’と一体に形成される。この材料偏向部材10’は、第2の拡張スクリード6が後退する際、舗装混合物をスクリード装置4の領域12’から変位可能にする。このようにすることで、舗装材料が拡張スクリード5のサイドシフト5aと拡張スクリード6との間に詰まらないようにし得る。
【0042】
図4は、拡張位置17におけるスクリード装置4を示す。図示のように、各拡張スクリード5、6は、その外側11にサイドシフト5a、6aを有し、その内側9に材料偏向部材10、10’を有する。拡張スクリード5、6を拡張すると、主スクリード7単独によってもたらし得る合計稼働幅16’を実質的に3倍にすることを可能にする。
【0043】
図4の破線に示される変形形態は、主スクリード7に対して側方に取り付けられる第1の遮蔽要素13を提供し、第1の遮蔽要素13は、ヒンジ19により枢動し得る。油圧駆動装置(図示せず)をこの目的で起動し得る。第1の位置13’において、遮蔽要素13は、引っ張り方向Zに実質的に平行に組み付けられる。遮蔽要素13は、スクリード5を後退させる際、即ち、第1のスクリード5を後退方向A’で移動させる際に、舗装混合物又は舗装材料がスクリード装置4の領域12から外側へ落ちないようにする。破線で示される第2の位置13’’において、遮蔽要素13は、引っ張り方向Zに対して30°から55°の角度αで位置合わせされ、スクリード装置4の(仮想)中心軸Mの方向で舗装材料を変位させるようにする。遮蔽要素13は、好ましくは、第1の拡張スクリード5と同じ高さで形成される。遮蔽要素13は、第1の拡張スクリード5の稼働深さ15に対応する引っ張り方向Zで延在する。
【0044】
図4も、第1の拡張スクリード5が第2の拡張スクリード6のための遮蔽要素14を有することを示す。遮蔽要素14は、拡張スクリード6が後退する際、拡張スクリード5の前面に広がる舗装材料が拡張スクリード5の幅を越えて押し出されないようにする。遮蔽要素14は、拡張スクリード5’の側部に設けられる。遮蔽要素14は、例えば、可能性として、拡張スクリード5上に形成されたサイドシフト5aの一部として設けられた固定板14’’’として組み付け得る。遮蔽要素14は、引っ張り方向Zで延在する壁を形成する。
【0045】
更に、図4は、一変形例を破線で示し、この変形例によれば、遮蔽要素14は、サイドシフト5aに対するヒンジ19’により、第1の拡張スクリード5のサイドシフト5a上に枢動可能に組み付けられ、第2の拡張スクリード6が後退方向A’で後退する間、スクリード装置4の領域12’からの舗装材料の変位を更に促進するようにする。遮蔽要素14は、油圧アクチュエータ(図示せず)を介して第1の位置14’と第2の位置14’’との間に設定し得る。第1の位置14’において、遮蔽要素14は、引っ張り方向Zに実質的に平行である。第2の位置14’’において、遮蔽要素14は、引っ張り方向Zに対して30°から55°の角度αで位置合わせされ、スクリード装置4が道路舗装機によって引っ張り方向で引っ張られる際にスクリード装置4の中心軸Mの方向で舗装材料を変位させる。
【0046】
図4は、材料偏向部材10が、遮蔽要素13、材料偏向部材10’及び遮蔽要素14と共に、スクリード装置4上に機能ユニットを形成することを示し、これらの機能ユニットは、主スクリード7の遮蔽要素13と拡張スクリード5との間、及び拡張スクリード5のサイドシフト5aと更なる拡張スクリード6との間に舗装材料が詰まらないようにし得る。したがって、これらの機能ユニットは、中心軸Mに対して引っ張り方向Zでずれた鏡面対称構造を有する。
【0047】
図5は、拡張スクリード5、6の斜視図を示し、拡張スクリード5、6の稼働深さ15及び稼働高さ14が図示される。
【0048】
図6は、拡張スクリード5、6の拡張位置17におけるスクリード装置4の更なる実施形態を示し、各拡張スクリード5、6は、材料偏向部材10、10’を有し、それぞれのサイドシフト5a、7aに対して変位可能に配置された遮蔽要素22、22’は、主スクリード7のサイドシフト7a及び第1の拡張スクリード5のサイドシフト5a上に設けられる。
【0049】
図7は、拡張スクリード5、6の拡張位置17におけるスクリード装置4の更なる実施形態を示し、各拡張スクリード5、6は、それぞれの拡張スクリード本体5’、6’に対して枢動可能な材料偏向部材10’’、10’’’を有する。材料偏向部材10’’、10’’’は、ヒンジ23、23’回りに枢動可能である。それぞれの油圧駆動装置(図示せず)をこの目的で設け得る。
【0050】
図示の実施形態では、それぞれの材料偏向部材10、10’、10’’、10’’’及び/又は遮蔽要素13、14、22、22’は、加熱板として、特に電気加熱板として形成し得る。
【0051】
図2~4、6及び7は、主スクリード7の側部におけるスクリード操作員ステーションBを示す。スクリード操作員ステーションBは、第1の拡張スクリード5、特に領域12に面して配置される。
【要約】
本発明は、道路舗装機(1)のためのスクリード装置(4)に関し、スクリード装置(4)は、主スクリードと、第1の拡張スクリード(5)と、第2の拡張スクリード(6)とを備え、第1の拡張スクリード(5)及び第2の拡張スクリード(6)は、スクリード装置(4)の引っ張り方向(Z)で主スクリード(7)の前面に配置され、引っ張り方向(Z)で主スクリード(7)に対して横に可動であり、2つの拡張スクリード(5、6)の少なくとも1つは、材料偏向部材(10、10’’)を含み、材料偏向部材(10、10’’)は、拡張スクリード(5、6)が主スクリード(7)に対して静止している際にスクリード装置(4)の引っ張り方向(Z)に対して舗装材料を横に変位させるように構成され、第1の拡張スクリード(5)は、材料偏向部材(10、10’’)を備え、第2の拡張スクリード(6)は、引っ張り方向(Z)で第1の拡張スクリード(5)よりも主スクリード(7)から遠くに配置される。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7