(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】有機電界発光表示基板、その製造方法及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230117BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230117BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230117BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20230117BHJP
H05B 33/04 20060101ALI20230117BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20230117BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20230117BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20230117BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20230117BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
G09F9/30 308Z
G09F9/30 365
G09F9/00 338
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/04
H05B33/12 B
H05B33/22 Z
H05B33/10
H01L29/78 617T
H01L29/78 612Z
H01L29/78 619A
(21)【出願番号】P 2019543995
(86)(22)【出願日】2018-08-30
(86)【国際出願番号】 CN2018103147
(87)【国際公開番号】W WO2019042340
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-08-25
(31)【優先権主張番号】201710771029.3
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100133514
【氏名又は名称】寺山 啓進
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】石 領
(72)【発明者】
【氏名】張 嵩
(72)【発明者】
【氏名】王 麗
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0148856(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0237037(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0190389(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101075579(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-46
H01L 27/32
29/786
51/50
H05B 33/00-33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機電界発光表示基板であって、
ベースと
表示領域と、
遷移領域と、
前記表示領域から前記遷移領域まで延在する封止薄膜と、
貫通孔と
を含み、
前記遷移領域は、前記表示領域と前記貫通孔との間に位置し、
前記表示領域は、前記ベース上に設置された絶縁層と、前記絶縁層上に設置された有機電界発光素子とを含み、
前記遷移領域は、前記絶縁層を貫通する凹み部と、前記ベース上に設置され且つ前記凹み部内に位置する冗長層とを含み、
前記凹み部の少なくとも一部の前記ベースから離れる側の開口サイズは、前記ベースに近接する側の開口サイズより大きくなく、
前記冗長層と前記有機電界発光素子における少なくとも一つの層とは同種の材料から作られ、前記冗長層と前記有機電界発光素子とは断ち切られており、
前記封止薄膜は前記有機電界発光素子及び前記凹み部の少なくとも一部を覆い、
前記貫通孔は、対応する前記凹み部の所在する領域内で前記封止薄膜、前記冗長層及び前記ベースを貫通
し、
前記表示領域は、
前記ベース上に設置された薄膜トランジスタであって、ゲート電極と、前記ゲート電極を覆うゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に設置された活性層と、ソース電極と、ドレイン電極とを含む、薄膜トランジスタと、
前記ゲート絶縁層に設置され且つ前記薄膜トランジスタを覆う第3平坦化層と
を更に含み、
前記ゲート絶縁層と前記第3平坦化層とは前記絶縁層を形成し、
前記凹み部は、前記ゲート絶縁層における第1開口と前記第3平坦化層における第2開口からなり、
前記ベースに垂直である方向において、前記第1開口と第2開口とは少なくとも部分的に重なり、
前記第1開口の開口サイズは、前記第2開口の開口サイズより小さくないことを特徴とする有機電界発光表示基板。
【請求項2】
前記有機電界発光素子は、前記絶縁層上に設置された下部電極と、前記下部電極上に設置された発光層と、発光層上に設置された上部電極とを含み、
前記下部電極は、前記薄膜トランジスタのドレイン電極に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示基板。
【請求項3】
前記冗長層は、前記ベース上に設置された第1層と、前記第1層上に重畳して設けられた第2層とを含み、
前記第1層と前記発光層とは、同種の材料から作られ且つ互いに断ち切られており、
前記第2層と前記上部電極とは、同種の材料で作られ且つ互いに断ち切られていることを特徴とする請求項
2に記載の有機電界発光表示基板。
【請求項4】
前記貫通孔は、前記封止薄膜、前記第2層、前記第1層及び前記ベースを順次に貫通することを特徴とする請求項
3に記載の有機電界発光表示基板。
【請求項5】
前記貫通孔は、上下孔径が等しい円筒孔であることを特徴とする請求項
4に記載の有機電界発光表示基板。
【請求項6】
前記遷移領域は、前記凹み部内に充填された第1平坦化層を更に含み、
前記第1平坦化層は、前記第1層と前記発光層とを隔離させ、且つ前記第2層と前記上部電極とを隔離させることを特徴とする請求項
3に記載の有機電界発光表示基板。
【請求項7】
前記第1平坦化層は前記第2層の一部のみを覆い、
前記第1平坦化層に遷移凹溝を有し、
前記遷移凹溝の前記ベースから離れる側の開口サイズは、前記ベースに近接する側の開口サイズより大きく、
前記封止薄膜は、前記有機電界発光素子、前記第1平坦化層、前記遷移凹溝及び前記第2層における前記第1平坦化層により覆われていない部分を覆うことを特徴とする請求項
6に記載の有機電界発光表示基板。
【請求項8】
前記封止薄膜は、前記有機電界発光素子、前記第1平坦化層及び前記第2層における前記第1平坦化層により覆われていない部分それぞれと直接接触することを特徴とする請求項
7に記載の有機電界発光表示基板。
【請求項9】
前記貫通孔は、対応する前記遷移凹溝の所在する領域内で前記有機電界発光表示基板全体を貫通することを特徴とする請求項
7に記載の有機電界発光表示基板。
【請求項10】
前記貫通孔の前記ベースにおける投影は完全に前記遷移凹溝の前記ベースにおける投影内に含まれ、前記貫通孔の前記ベースにおける投影の境界と前記遷移凹溝の前記ベースにおける投影の境界とは重畳しないことを特徴とする請求項
9に記載の有機電界発光表示基板。
【請求項11】
前記第1平坦化層の勾配は30度から90度の間であることを特徴とする請求項
7に記載の有機電界発光表示基板。
【請求項12】
前記ゲート絶縁層は無機絶縁層であり、
前記第3平坦化層は有機絶縁層であることを特徴とする請求項
2に記載の有機電界発光表示基板。
【請求項13】
前記遷移領域は、前記凹み部の外周に設けられた少なくとも一つの切り欠きと、前記ベース上に設置され且つ前記切り欠き内に位置する冗長層とを更に含み、
前記ベースに垂直である方向において、前記切り欠きの少なくとも一部の前記ベースから離れる側の幅は、前記ベースに近接する側の幅より大きくなく、
前記切り欠き内に位置する前記冗長層と前記有機電界発光素子における少なくとも一つの層とは同種の材料から作られ、前記切り欠き内に位置する前記冗長層と前記有機電界発光素子とは断ち切られており、
前記封止薄膜は前記切り欠きを覆うことを特徴とする請求項
2に記載の有機電界発光表示基板。
【請求項14】
前記切り欠きはリング状の切り欠きであり、前記リング状の切り欠きは前記凹み部の外周の周囲に設けられることを特徴とする請求項
13に記載の有機電界発光表示基板。
【請求項15】
前記遷移領域は、前記切り欠き内に充填された第2平坦化層を更に含み、
前記第2平坦化層に遷移切り欠きを有し、前記遷移切り欠きは前記凹み部の外周に設けられ、前記遷移切り欠きの前記ベースから離れる側の幅は、前記ベースに近接する側の幅より大きく、
前記封止薄膜は前記遷移切り欠きを覆うことを特徴とする請求項14に記載の有機電界発光表示基板。
【請求項16】
請求項1乃至
15のいずれか一項に記載の有機電界発光表示基板を含む表示装置。
【請求項17】
前記有機電界発光表示基板の前記貫通孔に設置されたカメラ、センサ、受話器のうち少なくとも一つを更に含むことを特徴とする請求項
16に記載の表示装置。
【請求項18】
有機電界発光表示基板の製造方法であって、
ベース上に絶縁層を形成し、前記絶縁層に凹み部を形成するステップにおいて、前記凹み部の少なくとも一部のベースから離れる側の開口サイズは、ベー
スに近接する側の開口サイズより大きくないステップと、
前記絶縁層上に
有機電界発光素子を形成し、同時に前記ベース上に且つ前記凹み部内に冗長層を形成するステップにおいて、前記冗長層と前記有機電界発光素子における少なくとも一つの層とは同種の材料から作られ、前記冗長層と前記有機電界発光素子とは断ち切られているステップと、
前記有機電界発光素子及び前記凹み部の少なくとも一部を覆う封止薄膜を形成するステップと
、
対応する前記凹み部の所在する領域内に前記封止薄膜、前記冗長層及び前記ベースを順次に貫通する貫通孔を開設するステップと
を含み、
前記ベース上に絶縁層を形成し、前記絶縁層に凹み部を形成するステップは、
前記ベース上に無機絶縁層及び有機絶縁層を順次に形成するステップと、
前記有機絶縁層に対して露光、現像を行って、前記有機絶縁層に第2開口を形成するステップと、
前記有機絶縁層に対して硬化を行うステップと、
硬化された有機絶縁層を遮断手段として、ドライエッチングにより前記第2開口の所在する領域に対応する前記無機絶縁層の部分を除去して、前記無機絶縁層に第1開口を形成するステップと
を含み、
前記ベースに垂直である方向において、前記第1開口と第2開口とは少なくとも部分的に重なり、前記第1開口の開口サイズは、前記第2開口の開口サイズより小さくないことを特徴とする製造方法。
【請求項19】
前記有機電界発光素子及び前記凹み部の少なくとも一部を覆う封止薄膜を形成するステップの前に、前記製造方法は、
前記凹み部内に第1平坦化層を充填するステップにおいて、前記第1平坦化層は前記冗長層の一部のみを覆い、且つ前記冗長層と前記有機電界発光素子とを隔離させるステップと、
前記第1平坦化層に遷移凹溝を形成するステップにおいて、前記遷移凹溝の前記ベースから離れる側の開口サイズは、前記ベースに近接する側の開口サイズより大きいステップと
を更に含み、
前記有機電界発光素子及び前記凹み部の少なくとも一部を覆う封止薄膜を形成するステップの後に、前記封止薄膜は、前記有機電界発光素子、前記第1平坦化層、前記遷移凹溝及び前記冗長層における前記第1平坦化層により覆われていない部分を覆い、
前記貫通孔は、対応する前記遷移凹溝の所在する領域内で前記有機電界発光表示基板全体を貫通することを特徴とする請求項
18に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年8月31日に中国特許庁に提出された中国特許出願第201710771029.3号の優先権を主張し、その全ての内容が援用により本出願に取り込まれる。
【0002】
本開示は、表示技術分野に関し、特に、有機電界発光表示基板、その製造方法及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、有機発光ダイオード(organic light emitting diode、OLED)は、国内外で非常にホットな新興平面ディスプレイ製品となっている。これは、OLEDディスプレイが自発光可能、広い視野角、短い応答時間、高い発光効率、広い色域、低い動作電圧、薄いパネル、大型サイズに製造可能、フレキシブルなパネル及び簡単な製造プロセスといった特徴を持ち、且つ低コスト化のポテンシャルを有するからである。
【0004】
フレキシブルOLED表示装置は、紙のように折り畳まれ又は巻き取られることができ、フレキシブル表示装置の縁を折り畳むと、スリムベゼル表示、ひいてはベゼルフリー表示を実現でき、表示装置の画面占有率を向上させる。スリムベゼル又はベゼルフリー表示を移動端末製品に応用する場合、フレキシブルOLED表示装置の表示領域に、移動端末機器に前面カメラ、受話器又はホームボタン等のハードウェアの装着位置を予め取り置くための装着孔を開設すべきである。しかしながら、OLEDは水蒸気及び酸素に非常に敏感であり、水・酸素が装着孔を介してOLEDに浸入しやすく、製品の寿命を大きく短縮させる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施例は、有機電界発光表示基板を提供する。前記有機電界発光表示基板は、ベースと、表示領域と、遷移領域と、前記表示領域から前記遷移領域まで延在する封止薄膜と、貫通孔とを含む。前記遷移領域は、前記表示領域と前記貫通孔との間に位置する。前記表示領域は、前記ベース上に設置された絶縁層と、前記絶縁層上に設置された有機電界発光素子とを含む。前記遷移領域は、前記絶縁層を貫通する凹み部と、前記ベース上に設置され且つ前記凹み部内に位置する冗長層とを含み、前記凹み部の少なくとも一部の前記ベースから離れる側の開口サイズは、前記ベースに近接する側の開口サイズより大きくなく、前記冗長層と前記有機電界発光素子における少なくとも一つの層とは同種の材料から作られ、前記冗長層と前記有機電界発光素子とは断ち切られており、前記封止薄膜は前記有機電界発光素子及び前記凹み部の少なくとも一部を覆い。前記貫通孔は、対応する前記凹み部の所在する領域内で前記封止薄膜、前記冗長層及び前記ベースを貫通する。
【0006】
選択的に、前記有機電界発光素子は、前記絶縁層上に設置された下部電極と、前記下部電極上に設置された発光層と、発光層上に設置された上部電極とを含む。前記表示領域は、前記ベース上に設置された薄膜トランジスタと、前記ゲート絶縁層に設置され且つ前記薄膜トランジスタを覆う第3平坦化層とを更に含む。前記薄膜トランジスタは、ゲート電極と、前記ゲート電極を覆うゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に設置された活性層と、ソース電極と、ドレイン電極とを含む。前記下部電極は、前記薄膜トランジスタのドレイン電極に電気的に接続される。
【0007】
選択的に、前記ゲート絶縁層と前記第3平坦化層とは前記絶縁層を形成し、前記凹み部は、前記ゲート絶縁層における第1開口と前記第3平坦化層における第2開口からなり、前記ベースに垂直である方向において、前記第1開口と第2開口とは少なくとも部分的に重なり、前記第1開口の開口サイズは、前記第2開口の開口サイズより小さくない。
【0008】
選択的に、前記冗長層は、前記ベース上に設置された第1層と、前記第1層上に重畳して設けられた第2層とを含み、前記第1層と前記発光層とは、同種の材料から作られ且つ互いに断ち切られており、前記第2層と前記上部電極とは、同種の材料で作られ且つ互いに断ち切られている。
【0009】
選択的に、前記貫通孔は、前記封止薄膜、前記第2層、前記第1層及び前記ベースを順次に貫通する。
【0010】
選択的に、前記貫通孔は、上下孔径が等しい円筒孔である。
【0011】
選択的に、前記遷移領域は、前記凹み部内に充填された第1平坦化層を更に含み、前記第1平坦化層は、前記第1層と前記発光層とを隔離させ、且つ前記第2層と前記上部電極とを隔離させる。
【0012】
選択的に、前記第1平坦化層は前記第2層の一部のみを覆い、前記第1平坦化層に遷移凹溝を有し、前記遷移凹溝の前記ベースから離れる側の開口サイズは、前記ベースに近接する側の開口サイズより大きく、前記封止薄膜は、前記有機電界発光素子、前記第1平坦化層、前記遷移凹溝及び前記第2層における前記第1平坦化層により覆われていない部分を覆う。
【0013】
選択的に、前記封止薄膜は、前記有機電界発光素子、前記第1平坦化層及び前記第2層における前記第1平坦化層により覆われていない部分のそれぞれと直接接触する。
【0014】
選択的に、前記貫通孔は、対応する前記遷移凹溝の所在する領域内で前記有機電界発光表示基板全体を貫通する。
【0015】
選択的に、前記貫通孔の前記ベースにおける投影は完全に前記遷移凹溝の前記ベースにおける投影内に含まれ、前記貫通孔の前記ベースにおける投影の境界と前記遷移凹溝の前記ベースにおける投影の境界とは重畳しない。
【0016】
選択的に、前記第1平坦化層の勾配は30度から90度の間である。
【0017】
選択的に、前記ゲート絶縁層は無機絶縁層であり、前記第3平坦化層は有機絶縁層である。
【0018】
選択的に、前記遷移領域は、前記凹み部の外周に設けられた少なくとも一つの切り欠きと、前記ベース上に設置され且つ前記切り欠き内に位置する冗長層とを更に含み、前記ベースに垂直である方向において、前記切り欠きの少なくとも一部の前記ベースから離れる側の幅は、前記ベースに近接する側の幅より大きくない。前記切り欠き内に位置する前記冗長層と前記有機電界発光素子における少なくとも一つの層とは同種の材料から作られ、前記切り欠き内に位置する前記冗長層と前記有機電界発光素子とは断ち切られている。前記封止薄膜は前記切り欠きを覆う。
【0019】
選択的に、前記切り欠きはリング状の切り欠きであり、前記リング状の切り欠きは前記凹み部の外周の周囲に設けられる。
【0020】
選択的に、前記遷移領域は、前記切り欠き内に充填された第2平坦化層を更に含む。前記第2平坦化層に遷移切り欠きを有し、前記遷移切り欠きは前記凹み部の外周に設けられ、前記遷移切り欠きの前記ベースから離れる側の幅は、前記ベースに近接する側の幅より大きい。前記封止薄膜は前記遷移切り欠きを覆う。
【0021】
本開示の実施例は、上記の有機電界発光表示基板を含む表示装置を更に提供する。
【0022】
選択的に、前記表示装置は、前記有機電界発光表示基板の前記貫通孔に設置されたカメラ、センサ、受話器のうち少なくとも一つを更に含む。
【0023】
本開示の実施例は、有機電界発光表示基板の製造方法を更に提供する。前記製造方法は、ベース上に絶縁層を形成し、前記絶縁層に凹み部を形成するステップにおいて、前記凹み部の少なくとも一部のベースから離れる側の開口サイズは、ベース一に近接する側の開口サイズより大きくないステップと、前記絶縁層上に機電界発光素子を形成し、同時に前記ベース上に且つ前記凹み部内に冗長層を形成するステップにおいて、前記冗長層と前記有機電界発光素子における少なくとも一つの層とは同種の材料から作られ、前記冗長層と前記有機電界発光素子とは断ち切られているステップと、前記有機電界発光素子及び前記凹み部の少なくとも一部を覆う封止薄膜を形成するステップとを含む。
【0024】
選択的に、前記製造方法は、対応する前記凹み部の所在する領域内に前記封止薄膜、前記冗長層及び前記ベースを順次に貫通する貫通孔を開設するステップを更に含む。
【0025】
選択的に、前記有機電界発光素子及び前記凹み部の少なくとも一部を覆う封止薄膜を形成するステップの前に、前記製造方法は、前記凹み部内に第1平坦化層を充填するステップにおいて、前記第1平坦化層は前記冗長層の一部のみを覆い、且つ前記冗長層と前記有機電界発光素子とを隔離させるステップと、前記第1平坦化層に遷移凹溝を形成するステップにおいて、前記遷移凹溝の前記ベースから離れる側の開口サイズは、前記ベースに近接する側の開口サイズより大きいステップとを更に含む。前記有機電界発光素子及び前記凹み部の少なくとも一部を覆う封止薄膜を形成するステップの後に、前記封止薄膜は、前記有機電界発光素子、前記第1平坦化層、前記遷移凹溝及び前記冗長層における前記第1平坦化層により覆われていない部分を覆う。前記貫通孔は、対応する前記遷移凹溝の所在する領域内で前記有機電界発光表示基板全体を貫通する。
【0026】
選択的に、前記ベース上に絶縁層を形成し、前記絶縁層に凹み部を形成するステップは、前記ベース上に無機絶縁層及び有機絶縁層を順次に形成するステップと、前記有機絶縁層に対して露光、現像を行って、前記有機絶縁層に第2開口を形成するステップと、前記有機絶縁層に対して硬化を行うステップと、硬化された有機絶縁層を遮断手段として、ドライエッチングにより前記第2開口の所在する領域に対応する前記無機絶縁層の部分を除去して、前記無機絶縁層に第1開口を形成するステップとを含む。前記ベースに垂直である方向において、前記第1開口と第2開口とは少なくとも部分的に重なり、前記第1開口の開口サイズは、前記第2開口の開口サイズより小さくない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本開示の実施例又は関連技術における技術方案をより明確に説明するために、以下では、実施例又は関連技術の記述に使用されるべき図面を簡単に紹介することにする。以下の記述における図面は単に本開示の幾つかの実施例であり、本技術分野における通常の知識を有する者にとって、創造的な労働をしないという前提でこれらの図面に基づいて他の図面を更に得ることができることは明らかである。
【0028】
【
図1】関連技術における有機電界発光表示基板の構造模式図である。
【
図3】本開示の実施例に係る有機電界発光表示基板の構造模式図である。
【
図4】
図3における有機電界発光表示基板の断面模式図である。
【
図5】本開示の実施例に係る有機電界発光表示基板の製造過程を示す模式図である。
【
図7】本開示の実施例に係る有機電界発光表示基板の製造過程を示す模式図である。
【
図9】本開示の実施例に係る有機電界発光表示基板の製造過程を示す模式図である。
【
図11】本開示の実施例に係る絶縁層の凹み部の外周にリング状の切り欠きを有する構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
OLEDは、水蒸気及び酸素に非常に敏感である。水・酸素がOLEDに浸入するのを防止するために、通常、
図1及び
図2に示すように、薄膜封止の方式によりOLEDの保護を行っている。しかしながら、フレキシブル表示装置上に装着孔1’を開設すべきである場合、封止薄膜3’は装着孔の縁の箇所で断ち切られ(
図1及び
図2に示すものを結び付ける)、装着孔1’周辺のOLED2’が封止薄膜3’の保護を受けることができなくなり、製品の寿命を深刻に短縮させる。
【0030】
表示領域に表示基板全体を貫通する装着孔を開設する場合、OLEDが装着孔の縁の箇所で断ち切られ、封止薄膜の保護を受けることができないという問題点を解決するために、本発明は、有機電界発光表示基板、その製造方法及び表示装置を提供する。
【0031】
以下、図面及び実施例を結び付けて、本開示の具体的な実施形態を更に詳細に記述することにする。以下の実施例は、本開示を説明するために用いられるが、本開示の範囲を制限するものではない。
【0032】
図3及び
図4、並びに
図5及び
図6に示すものを結び付けて、本実施例は、有機電界発光表示基板の製造方法を提供する。前記有機電界発光表示基板は表示領域を含み、前記表示領域は複数のピクセル領域を含み、各々のピクセル領域は有機電界発光素子を含む。
【0033】
前記製造方法は、下記のステップを含む。
【0034】
図5及び
図6に示すように、ベース100上に絶縁層1を形成し、絶縁層1に凹み部5を形成する。凹み部5は、ベース100に近接する第1開口52と、ベース100から離れる第2開口54とを含み、第2開口54の開口サイズは、第1開口52の開口サイズより大きくない(即ち、より小さいか又はそれに等しい)。
【0035】
絶縁層1が形成されているベース100上に前記有機電界発光素子を形成し、凹み部5全体のベース100における正投影は、有機電界発光素子のベース100における正投影内に位置し、前記有機電界発光素子は、前記絶縁層1のベースから離れた表面に位置する第1部分2と、凹み部5内に位置する第2部分4とを含み、凹み部5の第2開口54は、第1部分2と第2部分4とを完全に断ち切られるようにする。
【0036】
前記有機電界発光素子及び凹み部5を覆う封止薄膜3を形成する。
【0037】
封止薄膜3を形成した後、対応する凹み部5の所在する領域内に前記有機電界発光表示基板全体を貫通する貫通孔8を開設する。
【0038】
前記有機電界発光素子の第1部分2は有効発光領域であり、第2部分4は非発光領域であるため、第1部分2を単独で有機電界発光素子と称し、第2部分4を冗長層又はダミー層と称して良い。
【0039】
上記の製造方法において、有機電界発光素子(以下、OLEDと略称)を形成する前に、まず絶縁層を形成し、絶縁層に凹み部を形成し、前記凹み部はOLEDの所在する領域内に位置し、前記OLEDは、絶縁層の表面に位置する第1部分と、前記凹み部内に位置する第2部分とを含み、前記第1部分はOLEDの有効発光領域であり、前記第2部分は非発光領域である。前記凹み部の少なくとも一部が、上が小さくて下が大きい形状をなすように制御することによって、前記第1部分と第2部分とが完全に断ち切られるようにし、水・酸素が第2部分から第1部分に浸入できなくなる。対応する前記凹み部の所在する領域内に前記有機電界発光表示基板全体を貫通する貫通孔8を開設する場合、OLED及び前記凹み部を覆う封止薄膜及び第2部分4、即ち、冗長層又はダミー層は、水・酸素が側面からOLED第1部分内に浸入するのを遮断でき、製品の使用寿命を延長させる。
【0040】
貫通孔8はカメラ、受話器又はホームボタン等のハードウェアを装着するために用いられて良い。一実施例において、貫通孔8は、凹み部5で有機電界発光表示基板を貫通するものであって良い。実際生産において、レーザー穿孔方式により封止薄膜3、第2部分4、即ち、冗長層又はダミー層及びベース100を貫通する貫通孔を形成して良い。一実施例において、
図3に示すように、貫通孔8は、上下孔径が等しい円筒孔であって良い。
【0041】
OLEDの第2部分4は、OLEDの全ての膜層を含み、即ち、OLEDの全ての膜層は前記凹み部の孔壁の箇所で断ち切られて良く、OLEDの一部の膜層(
図4及び
図5に示すものを結び付けて、例えば、発光層の凹み部5内に位置する第3副部分41、上部電極の凹み部5内に位置する第4副部分42)のみを含み、即ち、OLEDの一部の膜層は前記凹み部の孔壁の箇所で断ち切られても良く、具体的には、凹み部の位置及びOLEDの構造により決定され、ここでは限定しないことにする。
【0042】
少なくともOLEDを設置すべき発光層と金属電極(陰極又は陽極)とは前記凹み部の孔壁の箇所で断ち切られ、前記凹み部の前記ベースにおける正投影は前記発光層及び金属電極の前記ベースにおける正投影内に位置する。そうすると、OLED及び前記凹み部を覆う封止薄膜及びOLEDが凹み部の箇所で断ち切られる設置は、水・酸素が側面から発光層の有効発光領域に位置する第1副部分21及び金属電極の有効発光領域に位置する第2副部分22に浸入するのを遮断でき、OLEDの有効発光領域を保護し、製品の使用寿命を延長させる。
【0043】
説明すべきことは、本開示における「上」は薄膜のベースから離れる側を指し、「下」は薄膜のベースに近接する側を指す。
【0044】
前記封止薄膜が前記絶縁層における凹み部を覆うのを実現しやすくするために、本実施例において、
図9及び
図10に示すものを結び付けて、前記有機電界発光素子のベースから離れる側及び前記凹み部の側壁に封止薄膜を形成するステップの前に、前記製造方法は、下記のステップを更に含む。
【0045】
凹み部5内に第1平坦化層30を充填し、第1平坦化層30に遷移凹溝6を形成する。前記貫通孔8は遷移凹溝6の所在する領域内に位置し、遷移凹溝6のベース100から離れる側の開口サイズは、ベース100に近接する側の開口サイズより大きい。
【0046】
そうすると、
図4及び
図10に示すものを結び付けて、所示封止薄膜3は、具体的に、遷移凹溝6を覆い、従って凹み部5を覆う。
【0047】
上記のステップは、凹み部5内に平坦化層30を充填し、平坦化層30に上が大きくて下が小さい遷移凹溝6を形成することによって、封止薄膜3が前記遷移凹溝6の側壁を覆えるようにし、従って封止薄膜3が前記凹み部5を覆うのを実現する。同時に、遷移凹溝6を設置することによって、封止薄膜の断裂を防止することも可能になり、封止薄膜の完全性を保持し、封止効果を向上させる。
【0048】
本開示の実施例は、OLEDを製造する前に、絶縁層を形成し、前記絶縁層において対応するOLEDの所在する領域に少なくとも一部が、上が小さくて下が大きい凹み部を形成することによって、OLEDが凹み部の孔壁の箇所で断ち切られるのを実現する。対応する凹み部の所在する領域内に基板全体を貫通する貫通孔を開設する場合、前記凹み部を覆う封止薄膜及び第2部分、即ち、冗長層又はダミー層は、水・酸素が側面からOLEDの前記絶縁層の表面に位置する第1部分内に浸入するのを遮断することができる。
【0049】
具体的な一実施形態において、
図5及び
図6に示すものを結び付けて、絶縁層1に上記の形状を有する凹み部5を形成するために、絶縁層1を無機絶縁層10及び有機絶縁層11の複合構造に設置する。そうすると、前記絶縁層を形成するステップは、無機絶縁層10及び有機絶縁層11を順次に形成するステップを含む。
【0050】
そうすると、絶縁層1に前記凹み部を形成するステップは、下記のステップを含む。
【0051】
無機絶縁層10に第1開口52を形成し、有機絶縁層11に第2開口54を形成し、凹み部5は位置が対応される第1開口52と第2開口54とからなり、前記第1開口52の開口サイズは、前記第2開口54の開口サイズより小さくない(即ち、より大きいか又はそれに等しい)。
【0052】
上記の製造方法により製造された凹み部5は、位置が対応される第1開口52と第2開口54とからなり、無機絶縁層と有機絶縁層のエッチングレートが異なるため、下方に位置する無機絶縁層における第1開口の開口サイズが第2開口の開口サイズより小さくないのを実現できる。従って、絶縁層が形成されているベース上にOLEDを形成する場合、OLEDは、絶縁層のベースから離れた表面における第1部分と、凹み部の孔底に位置する第2部分とを含み、前記凹み部は、前記第1部分と第2部分とが完全に断ち切られるようにする。
【0053】
前記無機絶縁層に第1開口を形成し、前記有機絶縁層に第2開口を形成するステップは、具体的に、下記のとおりであって良い。
【0054】
前記有機絶縁層に対して露光、現像を行って、前記有機絶縁層のパターンを形成し、前記有機絶縁層に第2開口を有する。
【0055】
前記有機絶縁層に対して硬化を行う。
【0056】
硬化された有機絶縁層を遮断手段として、ドライエッチングにより第2開口の所在する領域に対応する無機絶縁層を除去し、前記無機絶縁層に第1開口を形成し、前記第1開口と第2開口の位置は対応され、前記第1開口の開口サイズは、前記第2開口の開口サイズより小さくない。
【0057】
上記のステップは、一回フォトエッチング工程を通じて、無機絶縁層及び有機絶縁層を貫通する凹み部を形成し、且つ、エッチング工程において、無機絶縁層と有機絶縁層のエッチングレートが異なるため、下方に位置する無機絶縁層における第1開口の開口サイズが第2開口の開口サイズより小さくないのを実現することができる。
【0058】
さらに、前記ベースに垂直である方向において、前記無機絶縁層の厚さが1μm~1.5μmであるようにして、第1開口の深さが、OLEDの第1部分と第2部分とが完全に断ち切られるように確保できるようにする。
【0059】
当該実施形態において、製造工程を簡略化するために、前記絶縁層が有機電界発光表示基板における既存の絶縁構造を多重使用するように設置する。幾つかの実施例において、絶縁層は単一層の絶縁層であっても良い。
【0060】
アクティブマトリクス有機電界発光表示基板を例として、前記製造方法は、各々のピクセル領域に薄膜トランジスタを形成するステップを更に含む。薄膜トランジスタを形成するステップは、ゲート絶縁層を形成するステップと、薄膜トランジスタを覆う第3平坦化層を形成するステップとを含む。
【0061】
そうすると、前記絶縁層は、前記ゲート絶縁層と第3平坦化層とからなって良く、即ち、前記無機絶縁層は前記ゲート絶縁層であり、前記有機絶縁層は前記第3平坦化層である。第3平坦化層を形成した後に、前記製造方法は、第3平坦化層及びゲート絶縁層を貫通する凹み部を形成するステップを更に含み、前記凹み部は、前記ゲート絶縁層における第1開口と前記第3平坦化層における第2開口とからなり、前記第1開口の開口サイズは、前記第2開口の開口サイズより小さくない。
【0062】
アクティブマトリクス有機電界発光表示基板にとって、OLEDを形成するステップは、下部電極と、前記下部電極のベースから離れる側に位置する上部電極と、前記下部電極と上部電極の間に位置する発光層とを形成するステップを含み、前記下部電極は対応する薄膜トランジスタのドレイン電極に電気的に接続される。
【0063】
前記凹み部の前記ベースにおける正投影は、前記有機電界発光素子の上部電極及び発光層の前記ベースにおける正投影内に位置し、即ち、前記上部電極と発光層とは前記凹み部の孔壁の箇所で断ち切られ、OLED的第1部分は、前記発光層の絶縁層のベースから離れた表面に位置する第1副部分と、前記上部電極の絶縁層のベースから離れた表面に位置する第2副部分とを含み、従って前記凹み部の所在する領域内に表示基板全体を貫通する貫通孔を開設する場合、凹み部を覆う封止薄膜は、水・酸素が発光層の有効発光領域に位置する第1副部分及び上部電極の有効発光領域に位置する第2副部分内に浸入して素子の性能に影響を及ぼすのを遮断することができる。上記の技術方案は、特にボトムエミッション型の有機電界発光表示基板に適用される。これは、その上部電極は金属材料で作られ、且つ表示基板全体を覆う板状電極であり、金属材料は水・酸素により腐蝕しやすいからである。上記の技術方案を採用することで、貫通孔の開設によって下部電極が水・酸素により腐蝕する問題点を回避することができる。
【0064】
説明すべきことは、上記のものは単にアクティブマトリクス有機電界発光表示基板を例として、本開示に必要な絶縁層がどのように有機電界発光表示基板における既存の絶縁構造を多重使用する場合を具体的に説明したものであり、本開示の技術方案が有源有機電界発光表示基板のみに適用されるように限定するものではない。
【0065】
水・酸素遮断に対する効果を向上させるために、本実施例において、
図11及び
図12に示すものを結び付けて、有機電界発光表示基板の製造方法は、下記のステップを更に含む。
【0066】
絶縁層1に少なくとも一つの切り欠き7を形成し、切り欠き7は、凹み部5の外周に設けられ、ベース100に垂直である方向において、切り欠き7の少なくとも一部のベース100から離れる側の幅は、ベース100に近接する側の幅より大きくなく、前記有機電界発光素子は、切り欠き7内に位置する第3部分を更に含み、切り欠き7の前記少なくとも一部は、OLEDの前記第1部分と第3部分とが完全に断ち切られるようにする。
【0067】
そうすると、前記封止薄膜は、切り欠き7を更に覆う。
【0068】
一実施例において、第3部分は、採用与
図4に示す第2部分4が凹み部5に設置される方式と同じ方式を採用して切り欠き7に設置されて良く、封止薄膜も
図4に示す封止薄膜が凹み部を覆う方式と同じ方式を採用して切り欠きを覆って良い。
図11及び
図12に示す実施例において、切り欠き7はリング状の切り欠きであり、前記リング状の切り欠きは凹み部5の外周の周囲に設けられて良い。
【0069】
上記のステップにより製造された少なくとも一つのリング状の切り欠きは凹み部の外周の周囲に設けられ、前記切り欠きの少なくとも一部が、上が小さくて下が大きい形状となるように設置することによって、OLEDが断ち切られるようにし、従って前記切り欠き及び凹み部を覆う封止薄膜は複数の遮断構造を形成でき、水・酸素がOLEDの側面から第1部分に浸入するのをより良好に遮断し、前記第1部分は有効発光領域であるため、水・酸素がOLEDの性能に影響を及ぼすのを阻む目的を達成することができる。
【0070】
さらに、前記封止薄膜が前記切り欠きを覆うのを実現しやすくするために、前記製造方法は、下記のステップを含む。
【0071】
前記切り欠き内に第2平坦化層を充填し、前記第2平坦化層に遷移切り欠きを形成し、前記遷移切り欠きのベースから離れる側の幅は、ベースに近接する側の幅より大きく、前記封止薄膜は、具体的に、前記遷移切り欠きを覆い、従って前記切り欠きを覆う。
【0072】
上記のステップは、切り欠き内に平坦化層を充填し、平坦化層に上が大きくて下が小さい遷移切り欠きを形成することによって、封止薄膜が前記遷移切り欠きの孔壁を覆えるようにし、従って封止薄膜が前記切り欠きを覆うのを実現する。具体的な構造は、凹み部に第1平坦化層を充填し、前記第1平坦化層に遷移凹溝を形成するのと同一であり、ここでは図面により模式的に示さないことにする。
【0073】
製造工程を簡略化するために、前記凹み部を覆う第1平坦化層と前記切り欠きを覆う第2平坦化層とは同一の平坦化層であって良い。
【0074】
図3及び
図4を結び付けて、
図5乃至
図8に示すように、アクティブマトリクス有機電界発光表示基板を例として、本実施例に係る製造方法は、具体的に、下記のステップを含む。
【0075】
図5及び
図6に示すように、ベース100を提供し、ベース100上に薄膜トランジスタ(不図示)を形成し、アクティブマトリクス有機電界発光表示基板の各々のピクセル領域はいずれも薄膜トランジスタを含み、薄膜トランジスタを形成するステップは、ゲート電極、ゲート絶縁層10、活性層、ソース電極及びドレイン電極を形成するステップを含み、薄膜トランジスタを覆う第3平坦化層11を形成し、第3平坦化層11及びゲート絶縁層10を貫通する凹み部5を形成し、凹み部5は、ゲート絶縁層10における第1開口と第3平坦化層11における第2開口からなり、前記第1開口と第2開口の位置は対応され、前記第1開口の開口サイズは、前記第2開口の開口サイズより大きい。
【0076】
図7及び
図8に示すように、第3平坦化層11にOLEDを形成し、アクティブマトリクス有機電界発光表示基板の各々のピクセル領域は、いずれもOLEDを含む。OLEDを形成するステップは、下記のステップを含む。第3平坦化層11上に下部電極20を形成し、下部電極20上に発光層を形成し、発光層上に上部電極を形成し、下部電極は薄膜トランジスタのドレイン電極に電気的に接続される。凹み部5全体のベース100における正投影は、前記発光層及び陰極のベース100における正投影内に位置し、即ち、OLED的発光層と陰極とは凹み部5の孔壁の箇所で断ち切られ、OLEDの絶縁層1のベース100から離れた表面に位置する第1部分2は、下部電極20と、前記発光層の絶縁層1のベース100から離れた表面に位置する第1副部分21と、前記上部電極の絶縁層1のベース100から離れた表面に位置する第2副部分22とを含み、OLEDの前記凹み部内に位置する第2部分4は、前記発光層の絶縁層1のベース100から離れた表面に位置する第3副部分41と、前記上部電極の絶縁層1のベース100から離れた表面に位置する第4副部分42とを含む。
【0077】
図9及び
図10に示すように、前記凹み部内に第1平坦化層30を充填し、前記第1平坦化層に遷移凹溝6を形成し、遷移凹溝6のベース100から離れる側の開口サイズは、ベース100に近接する側の開口サイズより大きい。
【0078】
図3及び
図4に示すものを参照すると、OLED及び前記遷移凹溝を覆う封止薄膜3を形成し、封止薄膜3を形成した後、対応する前記遷移凹溝の所在する領域内に前記有機電界発光表示基板全体を貫通する貫通孔8を開設する。
【0079】
ここに至って、アクティブマトリクス有機電界発光表示基板の製造を完成する。貫通孔は、カメラ、受話器又はホームボタン等のハードウェアを装着するために用いられて良い。OLEDが凹み部で断ち切られる設置及び遷移凹溝を覆う封止薄膜は、水・酸素がOLEDの側面から有効発光領域に浸入するのを遮断でき、製品の使用寿命を延長させる。
【0080】
アクティブマトリクス有機電界発光表示基板の薄膜トランジスタは、トップゲート型薄膜トランジスタ、ボトムゲート型薄膜トランジスタ又はコプレーナ型薄膜トランジスタ等であって良い。
【0081】
図3及び
図4、並びに
図5及び
図6に示すものを結び付けて、本実施例は、有機電界発光表示基板を提供する。前記有機電界発光表示基板は表示領域を含み、前記表示領域は複数のピクセル領域を含み、各々のピクセル領域は有機電界発光素子を含む。
【0082】
前記有機電界発光表示基板は、ベース100上に設置された絶縁層1と、有機電界発光素子及び凹み部5を覆う封止薄膜3とを更に含む。絶縁層1に凹み部5を有し、凹み部5の少なくとも一部のベース100から離れる側の開口サイズは、ベース100に近接する側の開口サイズより大きくなく、有機電界発光素子は、絶縁層1のベース100から離れた表面に位置する第1部分2と、凹み部5内に位置する第2部分4とを含み、凹み部5全体のベース100における正投影は、前記有機電界発光素子のベース100における正投影内に位置し、凹み部5の前記少なくとも一部は、第1部分2と第2部分4とが完全に断ち切られるようにする。対応する凹み部5の所在する領域内に前記有機電界発光表示基板を貫通する貫通孔8が開設されている。
【0083】
上記の有機電界発光表示基板は、OLEDの下方に位置する絶縁層に凹み部を有し、前記凹み部はOLEDの所在する領域内に位置する。前記OLEDは、絶縁層の表面に位置する第1部分と、前記凹み部内に位置する第2部分とを含み、前記第1部分はOLEDの有効発光領域であり、前記第2部分は非発光領域である。前記凹み部の少なくとも一部が、上が小さくて下が大きい形状をなすように制御することによって、前記第1部分と第2部分とが完全に断ち切られるようにし、水・酸素は第2部分から第1部分に浸入できなくなる。対応する前記凹み部の所在する領域内に前記有機電界発光表示基板全体を貫通する貫通孔を開設する場合、OLED及び前記凹み部を覆う封止薄膜は、水・酸素が側面からOLED第1部分内に浸入するのを遮断でき、製品の使用寿命を延長させる。
【0084】
前記封止薄膜が前記絶縁層における凹み部を覆うのを実現しやすくするために、本実施例において、
図9及び
図10に示すものを結び付けて、前記有機電界発光表示基板は、凹み部5内に充填された第1平坦化層30を更に含む。
【0085】
第1平坦化層30に遷移凹溝6を有し、前記貫通孔は遷移凹溝6の所在する領域内に位置し、遷移凹溝6のベース100から離れる側の開口サイズは、ベース100に近接する側の開口サイズより大きい。
【0086】
そうすると、封止薄膜3は、具体的に、遷移凹溝6を覆って、前記凹み部を覆うのを実現する。
【0087】
上記の技術方案は、凹み部内に平坦化層を充填し、平坦化層に上が大きくて下が小さい遷移凹溝を形成することによって、封止薄膜が前記遷移凹溝の孔壁を覆えるようにし、従って封止薄膜が前記凹み部を覆うのを実現する。同時に、封止薄膜の断裂を防止することも可能になり、封止薄膜の完全性を保持し、封止効果を向上させる。
【0088】
本開示の技術方案は、OLEDの下方に位置する絶縁層に凹み部を形成し、且つ前記凹み部の少なくとも一部が、上が小さくて下が大きい形状をなすようにすることによって、OLEDが凹み部の孔壁の箇所で断ち切られるのを実現する。凹み部の所在する領域内に基板全体を貫通する貫通孔を開設する場合、OLED及び前記凹み部を覆う封止薄膜は、水・酸素が側面からOLEDの絶縁層の表面に位置する第1部分内に浸入するのを浸遮断でき、第1部分はOLEDの有効発光領域であるため、水・酸素が浸入してOLEDの性能に影響を及ぼすのを阻む目的を達成することができる。
【0089】
具体的な一実施形態において、
図5及び
図6に示すものを結び付けて、絶縁層1に上記の形状を有する凹み部5を形成するために、絶縁層1を無機絶縁層10及び有機絶縁層11の複合構造に設置する。
【0090】
具体的に、絶縁層1は、無機絶縁層10と、無機絶縁層10のベース100から離れた表面に設置された有機絶縁層11とを含む。無機絶縁層10に第1開口を有し、有機絶縁層11に第2開口を有し、凹み部5は位置が対応される第1開と第2開口とからなり、前記第1開口の開口サイズは、前記第2開口の開口サイズより小さくない。
【0091】
当該実施形態は、無機絶縁層と有機絶縁層のエッチングレートの違いを利用して、下方に位置する無機絶縁層における第1開口の開口サイズが前記第2開口の開口サイズより小さくないというのを実現でき、従って前記凹み部はOLEDが断ち切られるようにすることができ、OLEDが絶縁層のベースから離れた表面に位置する第1部分と凹み部の孔底に位置する第2部分とからなり、前記第1部分と第2部分とは完全に断ち切られるようにする。
【0092】
当該実施形態において、製造工程を簡略化するために、前記絶縁層が機電界発光表示基板における既存の絶縁構造を多重使用するように設置する。
【0093】
アクティブマトリクス有機電界発光表示基板を例として、各々のピクセル領域は薄膜トランジスタを更に含み、前記薄膜トランジスタはゲート絶縁層を含む。前記有機電界発光表示基板は、薄膜トランジスタを覆う第3平坦化層を更に含む。
【0094】
前記絶縁層は、前記ゲート絶縁層と第3平坦化層とからなって良い。即ち、前記無機絶縁層は前記ゲート絶縁層であり、前記有機絶縁層は前記第3平坦化層である。前記凹み部は、第3平坦化層及びゲート絶縁層を貫通し、前記ゲート絶縁層における第1開口と前記第3平坦化層における第2開口とからなり、前記第1開口と第2開口の位置は対応され、前記第1開口の開口サイズは、前記第2開口の開口サイズより小さくない。
【0095】
アクティブマトリクス有機電界発光表示基板にとって、その各々のピクセル領域は、薄膜トランジスタと、OLEDとを含む。OLEDは、対応する薄膜トランジスタのドレイン電極に電気的に接続される下部電極と、前記下部電極のベースから離れる側に位置する上部電極と、前記下部電極と上部電極の間に位置する発光層とを含む。
【0096】
前記上部電極が表示基板全体を覆う板状電極である場合、具体的に、前記凹み部の前記ベースにおける正投影が前記有機電界発光素子の上部電極及び発光層の前記ベースにおける正投影内に位置するように設置して良い。即ち、前記上部電極と発光層とは前記凹み部の孔壁の箇所で断ち切られる。従って、前記凹み部の所在する領域内に表示基板全体を貫通する貫通孔を開設する場合、凹み部を覆う封止薄膜及びOLEDが凹み部で断ち切られる設置は、水・酸素が発光層の絶縁層の表面に位置する第1副部分及び上部電極の絶縁層の表面に位置する第2副部分内に浸入して素子の性能に影響を及ぼすのを遮断することができる。
【0097】
図11及び
図12に示すものを結び付けて、本実施例において、水・酸素遮断の効果を向上させるために、絶縁層1に少なくとも一つのリング状の切り欠き7を形成する。切り欠き7は凹み部5の外周の周囲に設けられ、ベース100に垂直である方向において、切り欠き7の少なくとも一部のベース100から離れる側の幅は、ベース100に近接する側の幅より大きくない。そうすると、前記封止薄膜は更に切り欠き7を覆い、OLEDは切り欠き7内に位置する第3部分(不図示)を更に含み、切り欠き7の前記少なくとも一部はOLEDの前記第1部分と第3部分とが完全に断ち切られるようにする。
【0098】
上記の技術方案は、少なくとも一つのリング状の切り欠きが凹み部の外周の周囲に設けられ、且つ前記切り欠きの少なくとも一部が、上が小さくて下が大きい形状をなすように設置して、OLEDが切り欠き内に位置する第3部分を更に含み、OLEDの絶縁層の表面に位置する前記第1部分と当該第3部分とが完全に断ち切られようにする。従って、前記切り欠き及び凹み部を覆う封止薄膜及びOLEDが前記切り欠き及び凹み部の箇所で断ち切られる設置は、複数の遮断構造を形成でき、水・酸素がOLEDの側面からOLEDの第1部分に浸入するのをより良好に遮断する。
【0099】
さらに、前記有機電界発光表示基板は、前記切り欠き内に充填された第2平坦化層を更に含む。前記第2平坦化層に遷移切り欠きを有し、第2遷移切り欠きのベースから離れる側の幅は、ベースに近接する側の幅より大きく、前記封止薄膜は、具体的に、前記遷移切り欠きを覆い、従って前記切り欠きを覆う。
【0100】
上記の技術方案は、前記切り欠き内に第2平坦化層を充填し、前記第2平坦化層に上が小さくて下が大きい遷移切り欠きを形成することによって、封止薄膜が前記遷移切り欠きを覆うのを実現しやすくし、従って前記封止薄膜が前記切り欠きを覆うのを実現する。具体的な構造は、凹み部に第1平坦化層を充填し、前記第1平坦化層に遷移凹溝を形成するのと同一であり、ここでは図面により模式的に示さないことにする。
【0101】
図3及び
図4に示すものを結び付けて、アクティブマトリクス有機電界発光表示基板を例として、本実施例に係る有機電界発光表示基板は、具体的に、ベース100と、ベース100上に設置された薄膜トランジスタ110と、薄膜トランジスタを覆う第3平坦化層11と、第3平坦化層11及びゲート絶縁層10を貫通する凹み部5と、第3平坦化層11上に設置されたOLEDと、前記凹み部内に充填された第1平坦化層30と、OLED及び前記遷移凹溝6を覆う封止薄膜3とを含む。
【0102】
アクティブマトリクス有機電界発光表示基板の各々のピクセル領域は、いずれも薄膜トランジスタ110を含む、前記薄膜トランジスタ110は、ゲート電極1102と、ゲート絶縁層10と、活性層1104と、ソース電極1106と、ドレイン電極1108とを含む。
【0103】
前記凹み部5は、ゲート絶縁層10における第1開口52と第3平坦化層11における第2開口54とからなり、前記第1開口52と第2開口54の位置は対応され、前記第1開口52の開口サイズは、前記第2開口54の開口サイズより小さくない。
【0104】
アクティブマトリクス有機電界発光表示基板の各々のピクセル領域は、いずれもOLEDを含む。OLEDは、第3平坦化層11上に設置された下部電極20と、下部電極20上に設置された発光層と、発光層上に設置された上部電極とを含み、下部電極20は薄膜トランジスタ110のドレイン電極1108に電気的に接続される。前記凹み部のベース100における正投影は、発光層及び上部電極のベース100における正投影内に位置し、即ち、OLED的発光層と上部電極とは前記凹み部の孔壁の箇所で断ち切られる。前記発光層は、第3平坦化層11のベース100から離れた表面に位置する第1副部分21と、前記凹み部内に位置する第3副部分41とを含む。前記上部電極は、第3平坦化層11のベース100から離れた表面に位置する第2副部分22と、前記凹み部内に位置する第4副部分42とを含む。第1副部分21と第3副部分41とは断ち切られており、第2副部分22と第4副部分42とは断ち切られている。
【0105】
第1平坦化層30に遷移凹溝6を有し、前記遷移凹溝6のベース100から離れる側の開口サイズは、ベース100に近接する側の開口サイズより大きい。第1副部分21と第3副部分41とは凹み部5及び凹み部5に充填された第1平坦化層30を介して断ち切られ、第2副部分22と第4副部分42とは凹み部5及び凹み部5に充填された第1平坦化層30を介して断ち切られる。
【0106】
対応する前記遷移凹溝6の所在する領域内に前記有機電界発光表示基板全体を貫通する貫通孔8が開設されている。
【0107】
貫通孔8は、カメラ、受話器又はホームボタン等のハードウェアを装着するために用いられて良い。OLEDが前記凹み部で断ち切られる設置及び前記遷移凹溝を覆う封止薄膜は、水・酸素がOLEDの側面から浸入するのを遮断でき、製品の使用寿命を延長させる。
【0108】
なお、
図3及び
図4に示すアクティブマトリクス有機電界発光表示基板は、表示領域、遷移領域及び貫通孔に区画されてもよい。上記の区画によると、
図3及び
図4に示すアクティブマトリクス有機電界発光表示基板は、ベース100と、表示領域200と、遷移領域300と、表示領域200から遷移領域300まで延在する封止薄膜3と、貫通孔8とを含んで良い。遷移領域300は、表示領域200と貫通孔8の間に位置し、貫通孔8は、封止薄膜3及びベース100を貫通する。説明すべきことは、表示領域200はベース100上に位置する表示用の部品を指し、遷移領域300はベース100上に位置し且つ表示領域200と貫通孔8の間に設置された部品を指す。なお、貫通孔8は遷移領域300に位置するとも言える。
【0109】
具体的に、表示領域200は、ベース100上に設置された薄膜トランジスタ110と、薄膜トランジスタを覆う第3平坦化層11と、第3平坦化層11上に設置されたOLEDとを含む。
【0110】
前記薄膜トランジスタ110は、ゲート電極1102と、ゲート絶縁層10と、活性層1104と、ソース電極1106と、ドレイン電極1108とを含む。
【0111】
OLEDは、第3平坦化層11上に設置された下部電極20と、下部電極20上に設置された発光層(即ち、上記の第1副部分21)と、発光層上に設置された上部電極(即ち、上記の第2副部分22)とを含み、下部電極20は薄膜トランジスタ110のドレイン電極1108に電気的に接続される。
【0112】
遷移領域300は、第3平坦化層11及びゲート絶縁層10を貫通する凹み部5と、ベース100上に設置され且つ前記凹み部5内に位置する冗長層又はダミー層(即ち、上記の第2部分4)と、前記凹み部5内に充填された第1平坦化層30とを含む。
【0113】
前記凹み部5は、ゲート絶縁層10における第1開口52と第3平坦化層11における第2開口54とからなり、前記第1開口52と第2開口54の位置は対応され、前記第1開口52の開口サイズは、前記第2開口54の開口サイズより小さくない。
【0114】
冗長層とOLEDの少なくとも一つの層とは同種の材料から作られる。例えば、冗長層は、ベース100上に設置された第1層(即ち、上記の第3副部分41)と、前記第1層上に重畳して設けられた第2層(即ち、上記の第4副部分42)とを含み、第1層と発光層(即ち、上記の第1副部分21)とは同種の材料で同期的に製造され、且つ互いに断ち切られており、第2層と上部電極(即ち、上記の第2副部分22)とは同種の材料で同期的に製造され、且つ互いに断ち切られていて良い。
【0115】
第1平坦化層30は、第1層と発光層とを断ち切り、且つ第2層と上部電極とを断ち切る。
【0116】
なお、第1平坦化層30に遷移凹溝6を有する。前記遷移凹溝6のベース100から離れる側の開口サイズは、ベース100に近接する側の開口サイズより大きい。
【0117】
前記封止薄膜3は、表示領域200から遷移領域300まで延在する。具体的に、前記封止薄膜3は、OLED、第1平坦化層30及び前記遷移凹溝6を覆う。
【0118】
貫通孔8は、対応する前記遷移凹溝6の所在する領域内で前記有機電界発光表示基板全体を貫通する。
図4に示す実施例において、貫通孔8は、上から下に、封止薄膜3、冗長層及びベース100を順次に貫通する。
【0119】
本実施例は、上記のような有機電界発光表示基板を含む表示装置を更に提供する。これにより、対応する有機電界発光素子の所在する領域内に表示基板全体を貫通する装着孔(即ち、貫通孔)を開設する場合、水・酸素が側面からOLEDの有効発光領域内に浸入するのを遮断でき、製品の使用寿命を延長させ、製品の品質を向上させる。前記表示装置は、前記有機電界発光表示基板の前記貫通孔8に設置されたカメラ300(
図4に示す如く)を更に含む。
【0120】
前記表示装置は、OLEDパネル、携帯電話、タブレットPC、テレビ、ディスプレイ、ノート型パソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーター等のいかなる表示機能を持つ製品又は部材であって良い。
【0121】
本開示の技術方案は、特にスリムベゼル、ひいてはベゼルフリーを実現可能なフレキシブル表示装置に適用される。これは、スリムベゼル又はベゼルフリーの設計は、装着孔は表示領域のみに開設されるようにし、即ち、装着孔が有機電界発光素子の所在する領域内に位置するようにするからである。
【0122】
上記の記載は単に本開示の選択可能な実施形態であり、指摘すべきことは、本技術分野における通常の知識を有する者にとって、本開示の技術原理を逸脱しないという前提で若干の改善及び置き換えを更に行うことができ、これらの改善及び置き換えも本開示の保護範囲内に含まれるとみなされるべきである。