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特許7210914ネットワーク装置、結線確認方法及び結線確認プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】ネットワーク装置、結線確認方法及び結線確認プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/0873 20220101AFI20230117BHJP
   H04L 43/0811 20220101ALI20230117BHJP
   H04L 12/44 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
H04L41/0873
H04L43/0811
H04L12/44 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018125351
(22)【出願日】2018-06-29
(65)【公開番号】P2020005206
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三上 和也
(72)【発明者】
【氏名】加納 昌実
(72)【発明者】
【氏名】小林 憲明
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-010997(JP,A)
【文献】特開2015-162881(JP,A)
【文献】国際公開第2016/080065(WO,A1)
【文献】特開2011-244127(JP,A)
【文献】特開2012-074879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28-12/46
H04L 41/00-43/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポートを識別するポート識別子と該ポートの接続先ポートを識別する接続先識別情報とを複数のポートの各々について対応付けた接続情報を記憶する接続情報記憶部と、
結線によりリンクアップしたポートから該ポートの接続先ポートを識別する接続先識別情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された接続先識別情報と前記接続情報記憶部に記憶された接続情報に基づいて結線の状態を判定し、結線が正しいと判定した場合には、リンクアップしたポートの表示装置に結線が正しいことを示す表示を行い、前記接続先ポートが別のポートに対して結線されるべきと判定した場合に、前記別のポートの表示装置に正しいポートであることをガイドする表示を行い、接続するポートがないと判定した場合には、リンクアップしたポートの表示装置に接続するポートがないことを示す表示を行うガイド部と、
結線対象の全てのポートの結線が前記ガイド部によるガイドに基づいて正しく行われたか否かを判定し、全ての結線が正しく行われたと判定した場合に、前記表示装置を全て用いて結線作業の完了を示す表示を行う完了判定部と
を有することを特徴とするネットワーク装置。
【請求項2】
接続先として複数の情報処理装置があり、
前記接続情報記憶部は、情報処理装置を識別する情報処理装置識別子と情報処理装置との接続を示す接続フラグをさらに対応付けて記憶し、
前記ガイド部は、情報処理装置毎に、
前記取得部により取得された接続先識別情報と前記接続情報記憶部に基づいて結線が行われるべきポートを特定し、該特定したポートの表示装置に結線が行われるべきことを示す候補表示を行った後、前記状態を判定し、
結線が正しいと判定した場合には、リンクアップしたポートの表示装置に結線が正しいことを示す表示を行い、
前記完了判定部は、1つの情報処理装置の結線対象の全てのポートの結線が正しく行われたか否かをさらに判定し、1つの情報処理装置の結線作業が完了する毎に前記候補表示の取り消しをさらに行うことを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項3】
前記接続情報記憶部は、ネットワーク装置を識別するネットワーク装置識別子をさらに対応付けた接続情報を記憶し、
前記ガイド部は、前記取得部により取得された接続先識別情報と前記接続情報記憶部に記憶された接続情報に基づいて、リンクアップしたポートの接続先が接続する正しいネットワーク装置が自装置であるか否かをさらに判定し、前記接続先が接続する正しいネットワーク装置が自装置でない場合に、前記接続先が接続する正しいネットワーク装置を示す表示を前記表示装置にさらに行うことを特徴とする請求項に記載のネットワーク装置。
【請求項4】
前記接続先識別情報はMACアドレスであり、前記表示装置は、LEDであることを特徴とする請求項1~のいずれか1つに記載のネットワーク装置。
【請求項5】
コンピュータが、
ポートを識別するポート識別子と該ポートの接続先ポートを識別する接続先識別情報とを複数のポートの各々について対応付けた接続情報を接続情報記憶部に格納し、
結線によりリンクアップしたポートから該ポートの接続先ポートを識別する接続先識別情報を取得し、
取得した接続先識別情報と前記接続情報記憶部に記憶された接続情報に基づいて結線の状態を判定し、結線が正しいと判定した場合には、リンクアップしたポートの表示装置に結線が正しいことを示す表示を行い、前記接続先ポートが別のポートに対して結線されるべきと判定した場合に、前記別のポートの表示装置に正しいポートであることをガイドする表示を行い、接続するポートがないと判定した場合には、リンクアップしたポートの表示装置に接続するポートがないことを示す表示を行い、
結線対象の全てのポートの結線がガイドに基づいて正しく行われたか否かを判定し、全ての結線が正しく行われたと判定した場合に、前記表示装置を全て用いて結線作業の完了を示す表示を行う
処理を実行することを特徴とする結線確認方法。
【請求項6】
コンピュータに、
ポートを識別するポート識別子と該ポートの接続先ポートを識別する接続先識別情報とを複数のポートの各々について対応付けた接続情報を接続情報記憶部に格納し、
結線によりリンクアップしたポートから該ポートの接続先ポートを識別する接続先識別情報を取得し、
取得した接続先識別情報と前記接続情報記憶部に記憶された接続情報に基づいて結線の状態を判定し、結線が正しいと判定した場合には、リンクアップしたポートの表示装置に結線が正しいことを示す表示を行い、前記接続先ポートが別のポートに対して結線されるべきと判定した場合に、前記別のポートの表示装置に正しいポートであることをガイドする表示を行い、接続するポートがないと判定した場合には、リンクアップしたポートの表示装置に接続するポートがないことを示す表示を行い、
結線対象の全てのポートの結線がガイドに基づいて正しく行われたか否かを判定し、全ての結線が正しく行われたと判定した場合に、前記表示装置を全て用いて結線作業の完了を示す表示を行う
処理を実行させることを特徴とする結線確認プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク装置、結線確認方法及び結線確認プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク機器とコンピュータとの結線は、作業者が結線図を参照して結線を実施した後で目視による確認を実施することで行われてきた。しかしながら、コンピュータの高密度化にともない、1台のコンピュータの結線数が増加すると同時にラックに搭載されるコンピュータの台数が増加し、結線作業に要する時間が増加している。
【0003】
そこで、無線IDチップを用いて結線作業に要する時間を短縮する技術がある。この技術では、コネクタのプラグに識別情報を無線で送信する無線IDチップを搭載し、装置側の各コネクタのレセプタクルに、IDチップから送信される識別情報を受信し、受信した識別情報及びレセプタクルの識別情報を管理部に送出するコネクタ識別部を設ける。管理部は、プラグの識別情報とレセプタクルの識別情報を照合し、照合結果に基づき、プラグが正しいレセプタクルに接続されようとしているか否かを判別し、誤接続されようとしたとき光や音で警告を発する。また、管理部は、プラグが接続されるべき空きレセプタクルの位置を表示器を点灯させるなどして表示する。
【0004】
また、固有情報を記録したRF-ID(Radio Frequency IDentifier)タグをコネクタ付きケ-ブルのコネクタ部分に内蔵させ、その情報を読み取りあるいは記録する読み取り回路部品をパッチパネル等に埋設したジャック部品に配置する技術がある。この技術によれば、瞬時にして、全体の接続管理状態を把握することができる。
【0005】
その他、MAC(Media Access Control)アドレスを持つ機器がどこにあるかを探すことのできるネットワーク管理機能付き集線装置がある。この集線装置は、検出すべきMACアドレスを登録する登録手段と、ポートに受信された通信フレームの送信元MACアドレスを取得する送信元MACアドレス取得手段とを備える。そして、この集線装置は、送信元MACアドレスが登録されたMACアドレスに一致したとき当該ポートを機器の接続されたポートと判別するポート判別手段とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-339983号公報
【文献】特開2004-349184号公報
【文献】特開平8-195769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
RF-IDタグ(無線IDチップ)を使用して結線の正否を判断する技術には、RF-IDタグが取付けられたケーブルを用意してそれぞれのRF-IDタグに接続状態に関する情報を書き込む必要があり、コストや作業工数が増加するという問題がある。また、RF-IDタグを追加することでケーブルがユニークな情報を持つことになり、それぞれの接続に対し決まったケーブルを使用しなければならず、ケーブルを特定する工数が増える。
【0008】
本発明は、1つの側面では、結線作業に要する時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの態様では、ネットワーク装置は、接続情報記憶部と取得部とガイド部と完了判定部とを有する。前記接続情報記憶部は、ポートを識別するポート識別子と該ポートの接続先ポートを識別する接続先識別情報とを複数のポートの各々について対応付けた接続情報を記憶する。前記取得部は、結線によりリンクアップしたポートから該ポートの接続先ポートを識別する接続先識別情報を取得する。前記ガイド部は、前記取得部により取得された接続先識別情報と前記接続情報記憶部に記憶された接続情報に基づいて結線の状態を判定し、結線が正しいと判定した場合には、リンクアップしたポートの表示装置に結線が正しいことを示す表示を行い、前記接続先ポートが別のポートに対して結線されるべきと判定した場合に、前記別のポートの表示装置に正しいポートであることをガイドする表示を行い、接続するポートがないと判定した場合には、リンクアップしたポートの表示装置に接続するポートがないことを示す表示を行う。前記完了判定部は、結線対象の全てのポートの結線が前記ガイド部によるガイドに基づいて正しく行われたか否かを判定し、全ての結線が正しく行われたと判定した場合に、前記表示装置を全て用いて結線作業の完了を示す表示を行う。
【発明の効果】
【0010】
1つの側面では、本発明は、結線作業に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施例1に係る情報通信システムの構成を示す図である。
図2図2は、接続情報記憶部の一例を示す図である。
図3図3は、右LEDの表示パターンを示す図である。
図4A図4Aは、コントローラによる処理の第1のシーケンスを示す図である。
図4B図4Bは、コントローラによる処理の第2のシーケンスを示す図である。
図5図5は、実施例2に係る情報通信システムの構成を示す図である。
図6図6は、ネットワーク機器の接続一覧を示す図である。
図7図7は、接続情報記憶部の一例を示す図である。
図8図8は、実施例3に係る情報通信システムの構成を示す図である。
図9A図9Aは、ネットワーク機器#1の接続一覧を示す図である。
図9B図9Bは、ネットワーク機器#2の接続一覧を示す図である。
図10A図10Aは、ネットワーク機器#1の接続情報記憶部の一例を示す図である。
図10B図10Bは、ネットワーク機器#2の接続情報記憶部の一例を示す図である。
図11図11は、実施例4に係る情報通信システムの構成を示す図である。
図12図12は、ネットワーク機器の接続一覧を示す図である。
図13図13は、接続情報記憶部の一例を示す図である。
図14図14は、右LEDの表示パターンを示す図である。
図15図15は、情報通信システムの処理フローを示すフローチャートである。
図16図16は、コンピュータブート処理において、ブートされたOSがネットワーク機器との結線に関して行う処理のフローを示すフローチャートである。
図17A図17Aは、コントローラによる処理の第1のシーケンスを示す図である。
図17B図17Bは、コントローラによる処理の第2のシーケンスを示す図である。
図18図18は、実施例5に係る情報通信システムの構成を示す図である。
図19A図19Aは、ネットワーク機器#3の接続一覧を示す図である。
図19B図19Bは、ネットワーク機器#4の接続一覧を示す図である。
図20A図20Aは、ネットワーク機器#3の接続情報記憶部の一例を示す図である。
図20B図20Bは、ネットワーク機器#4の接続情報記憶部の一例を示す図である。
図21図21は、右LEDの表示パターンを示す図である。
図22A図22Aは、コントローラによる処理の第1のシーケンスを示す図である。
図22B図22Bは、コントローラによる処理の第2のシーケンスを示す図である。
図22C図22Cは、コントローラによる処理の第3のシーケンスを示す図である。
図23図23は、ネットワーク機器のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願の開示するネットワーク装置、結線確認方法及び結線確認プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施例は開示の技術を限定するものではない。
【実施例1】
【0013】
まず、実施例1に係る情報通信システムの構成について説明する。図1は、実施例1に係る情報通信システムの構成を示す図である。図1において「#1」、「#2」、「#3」及び「#12」は、「ポート#1」、「ポート#2」、「ポート#3」及び「ポート#12」を表す。図1に示すように、実施例1に係る情報通信システム3は、ネットワーク機器1とコンピュータ2を有する。ネットワーク機器1とコンピュータ2は、3本のケーブルで接続される。ネットワーク機器1のポート#1はコンピュータ2のポート#1と接続され、ネットワーク機器1のポート#2はコンピュータ2のポート#2と接続され、ネットワーク機器1のポート#3はコンピュータ2のポート#3と接続される。なお、ネットワーク機器1とコンピュータ2は、2本以下、あるいは、4本以上のケーブルで接続されてもよい。
【0014】
ネットワーク機器1は、コントローラ10と、12個のポート16とを有する。なお、ネットワーク機器1は、11個以下、あるいは、13個以上のポート16を有してもよい。ポート16は、左右2つのLED17を有する。LED17による表示パターンには、消灯、グリーン点灯、オレンジ点灯、グリーンの点滅、オレンジの点滅、グリーンとオレンジの交互点灯、グリーン点灯とオレンジ点灯と消灯の繰り返しがある。
【0015】
コントローラ10は、ネットワーク機器1とコンピュータ2との間の結線の誤りの検出、右LED17を用いた結線対象ポート16及び結線状態の表示等を行うことで、作業者による結線作業を支援する。なお、右LED17は、運用時には、速度通知用に用いられる。速度表示には、グリーン点灯、オレンジ点灯及び消灯が使われる。
【0016】
コンピュータ2は、ネットワークコントローラ21と3つのポート22を有する。なお、コンピュータ2は、2つ以下あるいは4つ以上のポート22を有してもよい。ネットワークコントローラ21は、ポート22を介したネットワーク機器1との通信を制御する。ポート22は、左右2つのLED23を有する。LED23による表示パターンは、LED17の表示パターンと同じである。
【0017】
コントローラ10は、接続情報格納部11と、処理部13と、通信部14と、LED制御部15とを有する。
【0018】
接続情報格納部11は、ケーブル結線の期待値情報である接続情報を記憶する接続情報記憶部12を有し、接続情報の接続情報記憶部12への書き込み、接続情報の接続情報記憶部12からの読み出しを行う。また、接続情報格納部11は、作業者の指示に基づいて接続情報を出力する。
【0019】
図2は、接続情報記憶部12の一例を示す図である。図2に示すように、接続情報記憶部12は、ポート識別子とMACアドレスと接続チェックとを対応付けて、ネットワーク機器1の結線されるポート16毎に記憶する。ポート識別子は、ネットワーク機器1の結線されるポート16を識別する識別子である。MACアドレスは、ポート16の接続先(コンピュータ2のポート22)のMACアドレスである。接続チェックは、接続がチェック済みであるか否かを示す。空欄は未チェックであることを示し、「OK」はチェックの結果、接続が正しいことを示す。例えば、ポート#1の接続先のMACアドレスは「XX:XX:XX:XX:XX:XX」であり、接続は未チェックである。
【0020】
処理部13は、結線されたポート16の接続先のMACアドレスと接続情報記憶部12が記憶する接続情報とに基づいて、結線状態を判定し、判定結果に基づいて右LED17の表示をLED制御部15に指示する。
【0021】
処理部13は、取得部31と、ガイド部32と、完了判定部33とを有する。取得部31は、リンクアップしたポート16の接続先のMACアドレスを取得する。
【0022】
ガイド部32は、取得部31が取得したMACアドレスに接続情報で対応付けられるポート16とリンクアップしたポート16を比較することで、結線状態を判定する。
【0023】
具体的には、ガイド部32は、取得部31が取得したMACアドレスに接続情報で対応付けられるポート16とリンクアップしたポート16が等しい場合には、接続が正しいと判定する。また、ガイド部32は、取得部31が取得したMACアドレスに接続情報で対応付けられるポート16がリンクアップしたポート16と異なる場合には、接続情報で対応付けられる別のポート16に対して結線が行われるべきと判定する。また、ガイド部32は、取得部31が取得したMACアドレスに接続情報で対応付けられるポート16がない場合には、接続するポート16がないと判定する。
【0024】
そして、ガイド部32は、結線が正しいと判定した場合には、リンクアップしたポート16の右LED17をグリーン点滅するようにLED制御部15に指示し、接続情報の接続チェック欄を「OK」とする。また、ガイド部32は、接続情報で対応付けられる別のポート16に対して結線が行われるべきと判定した場合には、正しいポート16の右LED17をグリーンとオレンジに交互点灯するようにLED制御部15に指示する。また、ガイド部32は、接続するポート16がない場合には、リンクアップしたポート16の右LED17に対してグリーン点灯とオレンジ点灯と消灯を繰り返すようにLED制御部15に指示する。
【0025】
完了判定部33は、接続情報の接続チェック欄に空欄があるか否かを判定することで、結線作業が完了したか否か、すなわち、結線対象の全てのポートの結線が行われたか否かを判定する。そして、完了判定部33は、結線作業が完了した場合には、全てのポート16の右LED17を10秒間グリーン点滅するようにLED制御部15に指示する。
【0026】
図3は、右LED17の表示パターンを示す図である。図3に示すように、右LED17のグリーン点滅は、ポート16の接続が正しいことを示す。グリーンとオレンジの交互点灯は、ポート16の接続が正しくない場合に、正しい接続先ポート16を指示する。全てのポート16がグリーン点滅は、結線作業の完了を示す。グリーン点灯とオレンジ点灯と消灯の繰り返しは、接続するポート16がないことを示す。
【0027】
通信部14は、ポート16を介して接続先のコンピュータ2と通信する。例えば、通信部14は、接続先のMACアドレスを取得する。LED制御部15は、処理部13の指示に基づいて右LED17の表示を制御する。
【0028】
次に、コントローラ10による処理のシーケンスについて説明する。図4A及び図4Bは、コントローラ10による処理のシーケンスを示す図である。図4Aに示すように、接続情報格納部11は、作業者が作成した接続情報を格納する(t1)。例えば、作業者は、ネットワーク機器1のコンソールから接続情報を入力する。
【0029】
そして、作業者によりコンピュータ2とネットワーク機器1が結線されると、通信部14は、処理部13にネットワーク機器1のポート16のリンクアップを通知する(t2)。そして、処理部13は、リンクアップしたポート16の接続先のMACアドレスを確認する(t3)。このため、通信部14は、リンクアップしたポート16にMACアドレス要求を送信する(t4)。そして、コンピュータ2がMACアドレスを応答すると、通信部14は、処理部13に、応答されたMACアドレスを通知する(t5)。
【0030】
そして、処理部13が接続情報を読込む(t6)と、接続情報格納部11が接続情報を回答する(t7)。そして、処理部13は、接続情報から、応答されたMACアドレスを検索し(t8)、応答されたMACアドレスが接続情報に存在するか否かを判定する(t9)。
【0031】
そして、応答されたMACアドレスが接続情報に存在しない場合には、LED制御部15は、リンクアップしたポート16の右LED17のグリーン点灯とオレンジ点灯と消灯を繰り返す(t10)。そして、リンクアップしたポート16の右LED17のグリーン点灯とオレンジ点灯と消灯の繰り返しを見た作業者が結線したケーブルを取り外すと、通信部14は、処理部13にリンクダウンしたことを通知する(t11)。そして、処理部13は、LED制御部15にリンクダウンしたポート16の右LED17の消灯を指示する(t12)。そして、LED制御部15は、対象ポート16の右LED17を消灯する(t13)。そして、コントローラ10は、図4Bのt22へ進む。
【0032】
一方、応答されたMACアドレスが接続情報に存在する場合には、図4Bに示すように、処理部13は、応答されたMACアドレスに接続情報で対応付けられるポート16がリンクアップしたポート16と同じか否かを判定する(t14)。そして、2つのポート16が同じ場合には、コントローラ10は、t17へ進む。
【0033】
一方、2つのポート16が同じでない場合には、処理部13の指示に基づいて、LED制御部15は、接続情報に基づく正しい接続先ポート16の右LED17をグリーンとオレンジに交互点灯する(t15)。そして、作業者が、ネットワーク機器側のケーブルコネクタを、右LED17がグリーンとオレンジに交互点灯しているポート16に接続すると、処理部13は、リンクアップしたポート16からMACアドレスの応答を取得する。そして、処理部13は、応答されたMACアドレスに接続情報で対応付けられるポート16がリンクアップしたポート16と同じか否かを判定する(t16)。そして、2つのポート16が同じでない場合には、コントローラ10は、t15へ戻る。
【0034】
一方、2つのポート16が同じ場合には、処理部13の指示に基づいて、LED制御部15は、対象MACアドレスの接続ポート16の右LED17をグリーンに点滅する(t17)。そして、処理部13は、接続情報の接続チェック欄に「OK」を記録し(t18)、接続情報格納部11は、処理部13の指示に基づいて、接続情報を更新する(t19)。
【0035】
そして、処理部13は、LED制御部15に対象ポート16の右LED17の消灯を指示する(t20)。そして、LED制御部15は、対象ポート16の右LED17を消灯する(t21)。そして、処理部13は、接続情報の接続チェック欄に空欄がないか否かを判定し(t22)、空欄がある場合には、コントローラ10は、t2に戻って作業者による次の結線を待つ。
【0036】
一方、接続情報の接続チェック欄に空欄がない場合には、処理部13の指示に基づいて、LED制御部15は、ネットワーク機器1の全てのポート16の右LED17を10秒間グリーン点滅する(t23)。その後、作業者が接続情報の出力を指示すると、接続情報格納部11は、接続情報を出力する(t24)。
【0037】
上述してきたように、実施例1では、接続情報記憶部12が接続情報を記憶し、取得部31が、リンクアップしたポート16の接続先のMACアドレスを取得する。そして、ガイド部32が、取得部31が取得したMACアドレスと接続情報に基づいて、結線作業をガイドする表示パターンを右LED17に表示するようにLED制御部15に指示する。そして、完了判定部33が、結線作業が完了したか否かを判定し、結線作業が完了した場合に全てのポート16の右LED17を10秒間グリーン点滅するようにLED制御部15に指示する。したがって、ネットワーク機器1は、作業者の結線作業を支援することができ、結線作業に要する時間を短縮することができる。また、コンピュータ2のMACアドレスを取得することでケーブル結線後の導通確認を行うことができるので、ケーブル結線の確認工数を減らすことができる。
【0038】
また、実施例1では、ガイド部32は、結線が正しいと判定した場合には、リンクアップしたポート16の右LED17がグリーン点滅するようにLED制御部15に指示する。また、ガイド部32は、別のポート16に対して結線が行われるべきと判定した場合には、正しいポート16の右LED17がグリーンとオレンジに交互点灯するようにLED制御部15に指示する。また、ガイド部32は、接続するポート16がない場合には、リンクアップしたポート16の右LED17がグリーン点灯とオレンジ点灯と消灯とを繰り返すようにLED制御部15に指示する。したがって、作業者は、結線状態を簡単に把握し、次に行うべき作業を簡単に特定することができる。
【実施例2】
【0039】
ところで、上記実施例1では、ネットワーク機器1に接続するコンピュータ2が1台の場合について説明したが、ネットワーク機器1に接続するコンピュータ2の台数を複数とすることもできる。そこで、実施例2では、ネットワーク機器1に接続するコンピュータ2が2台の場合について説明する。
【0040】
図5は、実施例2に係る情報通信システムの構成を示す図である。図5に示すように、実施例2に係る情報通信システム3aは、コンピュータA及びコンピュータBで表される2台のコンピュータ2がネットワーク機器1に接続する。
【0041】
図6は、ネットワーク機器1の接続一覧を示す図である。図6に示すように、ネットワーク機器1のポート#1はコンピュータAのポート#1と接続され、コンピュータAのポート#1のMACアドレスは「00:00:00:01:00:01」である。ネットワーク機器1のポート#2はコンピュータAのポート#2と接続され、コンピュータAのポート#2のMACアドレスは「00:00:00:01:00:02」である。
【0042】
ネットワーク機器1のポート#3はコンピュータBのポート#1と接続され、コンピュータBのポート#1のMACアドレスは「00:00:00:02:00:01」である。ネットワーク機器1のポート#11はコンピュータAのポート#3と接続され、コンピュータAのポート#3のMACアドレスは「00:00:00:01:01:03」である。ネットワーク機器1のポート#12はコンピュータBのポート#3と接続され、コンピュータBのポート#3のMACアドレスは「00:00:00:02:01:03」である。
【0043】
図7は、接続情報記憶部12の一例を示す図である。図7に示すように、接続情報記憶部12は、ネットワーク機器1のポート#1、ポート#2、ポート#3、ポート#11及びポート#12について接続先のMACアドレスを記憶する。
【0044】
コントローラ10による処理のシーケンスは、図4A及び図4Bに示した処理のシーケンスと同じであるので、以下では、コントローラ10による処理シーケンスの例について説明する。
【0045】
作業者がコンピュータAのポート#1をネットワーク機器1の適当なポート16(例えば若い番号順とし、ここではポート#1)に接続すると、通信部14が、ポート#1のリンクアップを検知する。そして、通信部14は、リンクアップしたポート#1からMACアドレス要求を送信し、応答されたMACアドレス「00:00:00:01:00:01」を処理部13へ通知する。
【0046】
処理部13は、応答されたMACアドレス「00:00:00:01:00:01」と接続情報記憶部12に記憶されたMACアドレスを比較する。接続情報記憶部12にMACアドレス「00:00:00:01:00:01」がポート#1に対応付けて記憶されているため、処理部13は、ポート#1の右LED17をグリーンに点滅させる。そして、処理部13は、接続情報記憶部12のポート#1の接続チェック欄に「OK」を記録する。
【0047】
そして、LED制御部15が、ポート#1の右LED17を消灯する。右LED17の消灯後、接続情報記憶部12の接続チェック欄に空欄があるため、LED制御部15は、全ポート16のグリーン点滅を行わない。全ポート16のグリーン点滅が行われないため、作業者がコンピュータAのポート#2とネットワーク機器1のポート#2を接続すると、処理部13は、正しい接続と判定し、LED制御部15にポート#2の右LED17をグリーンに点滅させる。そして、処理部13は、接続情報記憶部12のポート#2の接続チェック欄に「OK」を記録する。
【0048】
そして、LED制御部15が、ポート#2の右LED17を消灯する。右LED17の消灯後、接続情報記憶部12の接続チェック欄に空欄があるため、LED制御部15は、全ポート16のグリーン点滅を行わない。全ポート16のグリーン点滅が行われないため、作業者がコンピュータAのポート#3とネットワーク機器1のポート#3を接続すると、処理部13は、MACアドレス「00:00:00:01:01:03」を取得する。
【0049】
そして、処理部13は、取得したMACアドレス「00:00:00:01:01:03」と接続情報記憶部12に記憶されたMACアドレスを比較する。すると、MACアドレス「00:00:00:01:01:03」はポート#11に紐付けられているため、LED制御部15は、ポート#11の右LED17をグリーンとオレンジに交互点灯する。そして、作業者が接続したネットワーク機器側のコネクタを取り外し、グリーンとオレンジに交互点灯しているポート#11に再結線すると、処理部13は、ポート#11の右LED17をグリーンに点滅させる。そして、処理部13は、接続情報記憶部12のポート#11の接続チェック欄に「OK」を記録する。
【0050】
そして、LED制御部15が、ポート#11の右LED17を消灯する。右LED17の消灯後、接続情報記憶部12の接続チェック欄に空欄があるため、LED制御部15は、全ポート16のグリーン点滅を行わない。全ポート16のグリーン点滅が行われないため、作業者がコンピュータBのポート#1とネットワーク機器1のポート#3を接続すると、処理部13は、正しい接続なので、LED制御部15にポート#3の右LED17をグリーンに点滅させる。そして、処理部13は、接続情報記憶部12のポート#3の接続チェック欄に「OK」を記録する。
【0051】
そして、LED制御部15が、ポート#3の右LED17を消灯する。右LED17の消灯後、接続情報記憶部12の接続チェック欄に空欄があるため、LED制御部15は、全ポート16のグリーン点滅を行わない。全ポート16のグリーン点滅が行われないため、作業者がコンピュータBのポート#2とネットワーク機器1のポート#4を接続すると、処理部13は、コンピュータBのポート#2のMACアドレスは接続情報記憶部12にないと判定する。
【0052】
そして、LED制御部15は、ポート#4の右LED17でグリーン点灯とオレンジ点灯と消灯を繰り返す。そして、作業者が結線したケーブルを取り外すと、LED制御部15は、ポート#4の右LED17を消灯する。右LED17の消灯後、接続情報記憶部12の接続チェック欄に空欄があるため、LED制御部15は、全ポート16のグリーン点滅を行わない。全ポート16のグリーン点滅が行われないため、作業者がコンピュータBのポート#3とネットワーク機器1のポート#4を接続すると、処理部13は、MACアドレス「00:00:00:02:01:03」を取得する。
【0053】
そして、処理部13は、取得したMACアドレス「00:00:00:02:01:03」と接続情報記憶部12に記憶されたMACアドレスを比較する。MACアドレス「00:00:00:02:01:03」はポート#12に紐付けられているため、LED制御部15は、ポート#12の右LED17をグリーンとオレンジに交互点灯する。そして、作業者が接続したネットワーク機器側のコネクタを取り外し、グリーンとオレンジに交互点灯しているポート#12に再結線すると、処理部13は、LED制御部15にポート#12の右LED17をグリーンに点滅させる。そして、処理部13は、接続情報記憶部12のポート#12の接続チェック欄に「OK」を記録する。
【0054】
そして、LED制御部15が、ポート#12の右LED17を消灯する。右LED17の消灯後、接続情報記憶部12の接続チェック欄に空欄がないため、LED制御部15は、ネットワーク機器1の全てのポート16の右LED17を10秒間グリーンに点滅する。そして、作業者が結線完了を確認して接続情報の出力を指示すると、接続情報格納部11が接続情報を出力する。
【0055】
上述してきたように、実施例2では、接続情報記憶部12がネットワーク機器1と接続される2台のコンピュータ2のポート22のMACアドレスを記憶することで、ネットワーク機器1は、2台のコンピュータ2との結線を支援することができる。
【実施例3】
【0056】
実施例3では、ネットワーク機器1が2台の場合について説明する。図8は、実施例3に係る情報通信システムの構成を示す図である。図8に示すように、実施例3に係る情報通信システム3bは、ネットワーク機器#1とネットワーク機器#2で表される2台のネットワーク機器1と、コンピュータA及びコンピュータBで表される2台のコンピュータ2とを有する。ネットワーク機器#1は、コントローラ#1で表されるコントローラ10を有し、ネットワーク機器#2は、コントローラ#2で表されるコントローラ10を有する。
【0057】
図9Aは、ネットワーク機器#1の接続一覧を示す図であり、図9Bは、ネットワーク機器#2の接続一覧を示す図である。図9Aに示すように、ネットワーク機器#1のポート#1はコンピュータAのポート#1と接続され、コンピュータAのポート#1のMACアドレスは「00:00:00:01:00:01」である。ネットワーク機器#1のポート#2はコンピュータBのポート#1と接続され、コンピュータBのポート#1のMACアドレスは「00:00:00:02:00:01」である。ネットワーク機器#1のポート#11はコンピュータAのポート#3と接続され、コンピュータAのポート#3のMACアドレスは「00:00:00:01:00:03」である。
【0058】
図9Bに示すように、ネットワーク機器#2のポート#1はコンピュータAのポート#2と接続され、コンピュータAのポート#2のMACアドレスは「00:00:00:01:00:02」である。
【0059】
図10Aは、ネットワーク機器#1の接続情報記憶部12の一例を示す図である。図10Aに示すように、ネットワーク機器#1の接続情報記憶部12は、ネットワーク機器#1のポート#1、ポート#2及びポート#11について接続先のMACアドレスを記憶する。
【0060】
図10Bは、ネットワーク機器#2の接続情報記憶部12の一例を示す図である。図10Bに示すように、ネットワーク機器#2の接続情報記憶部12は、ネットワーク機器#2のポート#1について接続先のMACアドレスを記憶する。
【0061】
ネットワーク機器1が複数ある場合、コントローラ10は、ネットワーク機器毎に、図4A及び図4Bに示した処理のシーケンスを実行する。
【0062】
作業者がネットワーク機器#1のポート#1に対してコンピュータAのポート#1を接続すると、接続が正しいので、コントローラ#1のLED制御部15は、ポート#1の右LED17をグリーン点滅する。
【0063】
そして、作業者がコンピュータAのポート#2をネットワーク機器#1のいずれかのポート16に接続する。すると、コンピュータAのポート#2については、接続情報記憶部12がMACアドレスを記憶していない。このため、コントローラ#1のLED制御部15は、リンクアップしたポート16の右LED17にグリーン点灯とオレンジ点灯と消灯を繰り返す表示パターンを表示する。ネットワーク機器#1と接続がないため、コンピュータAのポート#2のケーブルは作業者により取り外される。
【0064】
そして、作業者がネットワーク機器#1のポート#2に対してコンピュータAのポート#3を接続すると、コントローラ#1のLED制御部15は、ポート#11の右LED17をグリーンとオレンジに交互点灯し、作業者にポート#11に接続変更させる。
【0065】
その後、コントローラ#1は、コンピュータBに関して同様の処理を実施し、作業者にコンピュータBのポート#1をネットワーク機器#1のポート#2に接続させる。コンピュータBのポート#1の接続が完了すると接続情報記憶部12の接続チェック欄が全て「OK」となるため、コントローラ#1のLED制御部15は、全てのポート16の右LED17を10秒間グリーンに点滅させる。
【0066】
ネットワーク機器#1について結線が完了したため作業者がネットワーク機器#2のポート#1にコンピュータAのポート#2を接続すると、コントローラ#2のLED制御部15は、ポート#1について右LED17をグリーン点滅する。そして、コントローラ#2の処理部13は、接続情報記憶部12のポート#1の接続チェック欄に「OK」を記録する。そして、接続情報記憶部12の接続チェック欄が全て「OK」となるため、コントローラ#2のLED制御部15は、全てのポート16の右LED17を10秒間グリーン点滅する。
【0067】
そして、作業者がネットワーク機器#1及びネットワーク機器#2に対して接続情報の出力を指示すると、ネットワーク機器#1及びネットワーク機器#2の接続情報格納部11がそれぞれ接続情報を出力する。
【0068】
上述してきたように、実施例3では、各ネットワーク機器1が接続情報を記憶し、接続情報に基づいてポート16の右LED17の表示を行うので、ネットワーク機器1が複数ある場合でも、作業者のケーブル結線を支援することができる。
【実施例4】
【0069】
実施例1~3では、ネットワーク機器1だけが接続情報を記憶し、コンピュータ側のポート22については、どのポート22がネットワーク機器1と接続されるかが不明であるため、接続のないポート22についても作業者は一度接続して確認する必要がある。そこで、実施例4では、コンピュータにも接続情報を記憶させ、コンピュータ側のポート22の不要な接続をなくす情報通信システムについて説明する。
【0070】
図11は、実施例4に係る情報通信システムの構成を示す図である。なお、ここでは説明の便宜上、図1に示した各部と同様の役割を果たす機能部については同一符号を付すこととしてその詳細な説明を省略する。図11に示すように、実施例4に係る情報通信システム3cは、ネットワーク機器1cとコンピュータC及びコンピュータDで表される2台のコンピュータ2cを有する。
【0071】
図12は、ネットワーク機器1cの接続一覧を示す図である。図12に示すように、ネットワーク機器1cのポート#1はコンピュータCのポート#1と接続され、コンピュータCのポート#1のMACアドレスは「00:00:00:01:00:04」である。ネットワーク機器1cのポート#12はコンピュータCのポート#2と接続され、コンピュータCのポート#2のMACアドレスは「00:00:00:01:00:05」である。
【0072】
ネットワーク機器1cのポート#3はコンピュータDのポート#1と接続され、コンピュータDのポート#1のMACアドレスは「00:00:00:02:00:02」である。ネットワーク機器1cのポート#9はコンピュータCのポート#3と接続され、コンピュータCのポート#3のMACアドレスは「00:00:00:01:01:06」である。
【0073】
ネットワーク機器1cは、図1に示したネットワーク機器1と比較して、コントローラ10の代わりにコントローラ10cを有する。コンピュータ2cは、図1に示したコンピュータ2と比較して、OSブートデバイス24cを新たに有する。また、コンピュータ2cでは、OS26cが動作する。
【0074】
OSブートデバイス24cは、OS26cと接続情報を記憶するデバイスである。コンピュータ2cの電源が投入されると、OSブートデバイス24cからOS26cと接続情報が読み出されてOS26cが実行される。接続情報は、後述する接続情報記憶部12cが記憶する接続情報と同じである。
【0075】
コントローラ10cは、図1に示したコントローラ10と比較して、接続情報格納部11の代わりに接続情報格納部11cを有し、処理部13の代わりに処理部13cを有し、LED制御部15の代わりにLED制御部15cを有する。
【0076】
接続情報格納部11cは、図1に示した接続情報格納部11と比較して、接続情報記憶部12の代わりに接続情報記憶部12cを有する。図13は、接続情報記憶部12cの一例を示す図である。図13に示すように、接続情報記憶部12cは、図2に示した接続情報記憶部12と比較して、コンピュータ識別子と接続フラグを追加で記憶する。また、接続情報記憶部12cは、コンピュータC及びコンピュータDの全てのポート22についての情報を記憶する。
【0077】
コンピュータ識別子は、コンピュータ2cを識別する識別子である。接続フラグは、コンピュータ2cのポート22との接続を示し、ネットワーク機器1cに接続されるポート22は「1」であり、ネットワーク機器1cに接続されないポート22は「0」である。図13では、コンピュータCの3つのポート22とコンピュータDの1つのポート22はネットワーク機器1cと接続され、コンピュータDの2つのポート22はネットワーク機器1cと接続されない。
【0078】
OS26cは、起動されると、接続情報記憶部12cが記憶する接続情報と同じ接続情報を参照して、自身が動作するコンピュータ2cのポート22のうち接続フラグが「1」であるポート22の右LED23をオレンジに点滅する。したがって、作業者が右LED23がオレンジに点滅しているポート22とネットワーク機器1cのポート16を接続することで、リンクアップしたポート16から取得されるMACアドレスは接続情報記憶部12cに記憶されていることになる。
【0079】
処理部13cは、図1に示した処理部13と比較して、ガイド部32の代わりにガイド部32cを有し、完了判定部33の代わりに完了判定部33cを有する。
【0080】
ガイド部32cは、ガイド部32と同様に、取得部31が取得したMACアドレスに接続情報で対応付けられるポート16とリンクアップしたポート16を比較することで、結線状態を判定する。ただし、作業者が右LED23がオレンジに点滅しているポート22とポート16を接続すれば、リンクアップしたポート16から取得されたMACアドレスは接続情報記憶部12cに記憶されているので、接続するポート16がない状態はない。
【0081】
また、ガイド部32cは、接続情報記憶部12cを用いて、リンクアップしたポート16から取得されたMACアドレスに紐づくコンピュータ2cを特定し、特定したコンピュータ2cと接続する全てのポート16の右LED17をオレンジ点滅対象として特定する。例えば、図13において、リンクアップしたポート16がポート#1であるとすると、ガイド部32cは、ポート#1、ポート#12及びポート#9の右LED17をオレンジ点滅対象とする。
【0082】
完了判定部33cは、接続情報の接続チェック欄と接続フラグ欄を用いて、コンピュータ2c毎に結線作業が完了したか否かを判定し、結線作業が完了した場合には、全てのポート16のオレンジ点滅を消灯するようにLED制御部15cに指示する。また、完了判定部33cは、接続情報の接続チェック欄と接続フラグ欄を用いて結線作業が完了したか否かを判定し、結線作業が完了した場合には、全てのポート16の右LED17を10秒間グリーン点滅するようにLED制御部15cに指示する。
【0083】
LED制御部15cは、図1に示したLED制御部15と同様に処理部13cの指示に基づいて右LED17の表示を制御するが、LED制御部15と比較して表示パターンが2つ増える。
【0084】
図14は、右LED17及び右LED23の表示パターンを示す図である。図14では、図3と比較して、オレンジ点滅と、全てのポート16がグリーン点灯とオレンジ点灯と消灯の繰り返しの2つの表示パターンが追加されている。オレンジ点滅は、ネットワーク機器1c及びコンピュータ2cにおいて、正しい接続対象を指示する。また、全てのポート16によるグリーン点灯とオレンジ点灯と消灯の繰り返しは、コンピュータ2cにおいて、接続情報の誤りを示す。
【0085】
図15は、情報通信システム3cの処理フローを示すフローチャートである。図15に示すように、情報通信システム3cは、ネットワーク機器1cに接続情報を格納する(ステップS1)。そして、情報通信システム3cは、コンピュータ2cにより、コンピュータブート処理を行う(ステップS2)。そして、情報通信システム3cは、ネットワーク機器1cにより、ネットワーク機器接続処理を行う(ステップS3)。
【0086】
そして、情報通信システム3cは、コンピュータ2cにより、コンピュータシャットダウンを行う(ステップS4)。そして、情報通信システム3cは、ネットワーク機器1cにより、接続情報抽出を行う(ステップS5)。
【0087】
図16は、コンピュータブート処理において、ブートされたOS26cがネットワーク機器1cとの結線に関して行う処理のフローを示すフローチャートである。なお、OS26cは、OSブートデバイス24cが接続されて電源が投入されるとOSブートデバイス24cからブートされて実行される。また、コンピュータブート処理は、コンピュータ毎に行われる。
【0088】
図16に示すように、OS26cは、自装置のいずれかのポート22のMACアドレスが接続情報にあるか否かを判定し(ステップS11)、ある場合には、接続情報においてMACアドレスに紐づくコンピュータ2cを特定する(ステップS12)。接続情報においてMACアドレスに紐づくコンピュータ2cは、自身が実行されているコンピュータ2cである。そして、OS26cは、特定したコンピュータ2cに紐づくMACアドレスのうち、接続フラグが「1」の全ポート22の右LED23をオレンジに点滅する(ステップS13)。
【0089】
例えば、図13において、コンピュータCでブートされたOS26cは、自装置のいずれかのポート22のMACアドレスに紐づくコンピュータ2cとしてコンピュータCを特定する。そして、コンピュータCでブートされたOS26cは、コンピュータCの3つのMACアドレスの接続フラグが1であるので、3つのMACアドレスのポート22の右LED23をオレンジに点滅する。ここで、3つのMACアドレスは、「00:00:00:01:00:04」と「00:00:00:01:00:05」と「00:00:00:01:01:06」である。
【0090】
自装置のいずれのポート22のMACアドレスも接続情報にない場合には、OS26cは、全てのポート22の右LED23をグリーン点灯とオレンジ点灯と消灯の表示パターンで点灯させる(ステップS14)。その後、作業者はコンピュータ2cをシャットダウンし、OSブートデバイス24cの接続情報を正しいものに入れ替える。そして、コンピュータブート処理が再度実行される。
【0091】
このように、OS26cは、自装置のMACアドレスのうち接続フラグが「1」の全ポート22の右LED23をオレンジに点滅することで、ネットワーク機器1との接続対象を指示するので、作業者による結線を支援することができる。
【0092】
図17A及び図17Bは、コントローラ10cによる処理のシーケンスを示す図である。図17Aに示すように、接続情報格納部11cは、作業者が作成した接続情報を格納する(t31)。
【0093】
そして、コンピュータ2cにおいて右LED23がオレンジに点滅しているポート22とネットワーク機器1cを作業者が結線すると、通信部14は、処理部13cにネットワーク機器1cのポート16のリンクアップを通知する(t32)。そして、処理部13cは、リンクアップしたポート16の接続先のMACアドレスを確認する(t33)。このため、通信部14は、リンクアップしたポート16にMACアドレス要求を送信する(t34)。そして、コンピュータ2cがMACアドレスを応答すると、通信部14は、処理部13cに、応答されたMACアドレスを通知する(t35)。
【0094】
そして、処理部13cが接続情報を読込む(t36)と、接続情報格納部11cが接続情報を回答する(t37)。そして、処理部13cは、接続情報から、応答されたMACアドレスに紐づくコンピュータ2cを特定し(t38)、特定したコンピュータ2cと接続する全ポート16の右LED17のオレンジ点滅をLED制御部15cに指示する(t39)。そして、LED制御部15cは、該当ポート16の右LED17をオレンジに点滅する(t40)。
【0095】
そして、処理部13cは、応答されたMACアドレスに接続情報で対応付けられるポート16がリンクアップしたポート16と同じか否かを判定する(t41)。そして、2つのポート16が同じ場合には、コントローラ10cは、t44へ進む。
【0096】
一方、2つのポート16が同じでない場合には、処理部13cの指示に基づいて、LED制御部15cは、接続情報に基づく正しい接続先ポート16の右LED17をグリーンとオレンジに交互点灯する(t42)。そして、図17Bに示すように、作業者が、ネットワーク機器側のケーブルコネクタを、右LED17がグリーンとオレンジに交互点灯しているポート16に接続すると、処理部13cは、リンクアップしたポート16からMACアドレスの応答を取得する。そして、処理部13cは、応答されたMACアドレスに接続情報で対応付けられるポート16がリンクアップしたポート16と同じか否かを判定する(t43)。そして、2つのポート16が同じでない場合には、コントローラ10cは、t42へ戻る。
【0097】
一方、2つのポート16が同じ場合には、処理部13cの指示に基づいて、LED制御部15cは、対象MACアドレスの接続ポート16の右LED17をグリーンに点滅する(t44)。そして、処理部13cは、接続情報の接続チェック欄に「OK」を記録し(t45)、接続情報格納部11cは、処理部13cの指示に基づいて、接続情報を更新する(t46)。
【0098】
そして、処理部13cは、LED制御部15cに対象ポート16の右LED17のオレンジ点滅を指示する(t47)。そして、LED制御部15cは、対象ポート16の右LED17をオレンジに点滅する(t48)。そして、処理部13cは、特定したコンピュータ2cの接続フラグが「1」のポート16について接続チェック欄に空欄がないか否かを判定する(t49)。そして、空欄がある場合には、コントローラ10cは、t32に戻って作業者がコンピュータ2cとネットワーク機器1cのオレンジ点滅しているポート16を結線するのを待つ。
【0099】
一方、特定したコンピュータ2cの接続フラグが「1」のポート16について接続チェック欄に空欄がない場合には、処理部13cの指示に基づいて、LED制御部15cは、全てのポート16の右LED17のオレンジ点滅を消灯する(t50)。そして、処理部13cは、接続フラグが「1」のポート16について接続チェック欄に空欄がないか否かを判定する(t51)。t51では、特定したコンピュータ2cだけでなく全てのコンピュータ2cが対象となる。そして、空欄がある場合には、コントローラ10cは、t32に戻って作業者による次の結線を待つ。
【0100】
一方、接続チェック欄に空欄がない場合には、処理部13cの指示に基づいて、LED制御部15cは、ネットワーク機器1cの全てのポート16の右LED17を10秒間グリーン点滅する(t52)。
【0101】
次に、コントローラ10cによる処理シーケンスの例について説明する。作業者がコンピュータCのオレンジに点滅しているポート#1とネットワーク機器1cのポート#1を接続する。すると、コントローラ10cの通信部14が、リンクアップしたポート#1からMACアドレス要求を送信し、応答されたMACアドレス「00:00:00:01:00:04」を処理部13cに通知する。そして、処理部13cが、応答されたMACアドレス「00:00:00:01:00:04」が接続情報でどのコンピュータ2cに紐づくか特定する。
【0102】
そして、処理部13cは、特定したコンピュータCに紐づくポート16の右LED17を全てオレンジに点滅させる。そして、処理部13cは、応答されたMACアドレス「00:00:00:01:00:04」は接続情報でポート#1に対応付けられているので、接続は正しいと判定し、ポート#1の右LED17をグリーンに点滅するようにLED制御部15cに指示する。
【0103】
そして、処理部13cは、接続情報のポート#1に対応する接続チェック欄に「OK」を記録し、LED制御部15cは、ポート#1の右LED17をオレンジに点滅させる。そして、作業者がコンピュータCのオレンジ点滅しているポート#2を例えばネットワーク機器1cのポート#9に接続する。すると、コントローラ10cの通信部14が、リンクアップしたポート#9からMACアドレス要求を送信し、応答されたMACアドレス「00:00:00:01:00:05」を処理部13cに通知する。
【0104】
そして、応答されたMACアドレス「00:00:00:01:00:05」が接続情報でポート#12と紐づくため、処理部13cは、ポート#12の右LED17をグリーンとオレンジに交互点灯するようにLED制御部15cに指示する。そして、作業者がポート#9からポート#12へ接続し直すと、処理部13cは、ポート#12の右LED17をグリーンに点滅するようにLED制御部15cに指示し、接続情報のポート#12に対応する接続チェック欄に「OK」を記録する。
【0105】
そして、処理部13cは、ポート#12の右LED17をオレンジに点滅するようにLED制御部15cに指示する。そして、作業者がコンピュータCのオレンジ点滅しているポート#3を、ネットワーク機器1cのオレンジ点滅しているポート16のうち、未接続で残っているポート#9に接続する。すると、コントローラ10cの通信部14が、リンクアップしたポート#9からMACアドレス要求を送信し、応答されたMACアドレス「00:00:00:01:01:06」を処理部13cに通知する。
【0106】
そして、応答されたMACアドレス「00:00:00:01:01:06」が接続情報でポート#9と紐づくため、処理部13cは、ポート#9の右LED17をグリーンに点滅するようにLED制御部15cに指示する。そして、処理部13cは、接続情報のポート#9に対応する接続チェック欄に「OK」を記録し、ポート#9の右LED17をオレンジに点滅するようにLED制御部15cに指示する。
【0107】
そして、処理部13cは、コンピュータCの接続フラグが「1」であるポート16の接続チェック欄が全て「OK」となっているため、LED制御部15cにポート#1、ポート#12及びポート#9のオレンジ点滅を終了するように指示する。
【0108】
そして、ネットワーク機器1cの右LED17のオレンジ点滅がなくなったことを確認した作業者が、コンピュータDの右LED23がオレンジ点滅しているポート#1と、例えばネットワーク機器1cのポート#2を接続する。すると、コントローラ10cの通信部14が、リンクアップしたポート#2からMACアドレス要求を送信し、応答されたMACアドレス「00:00:00:02:00:02」を処理部13cに通知する。
【0109】
そして、応答されたMACアドレス「00:00:00:02:00:02」が接続情報でポート#3と紐づくため、処理部13cは、ポート#3の右LED17をグリーンとオレンジに交互点灯するようにLED制御部15cに指示する。そして、作業者がポート#2からポート#3へ接続し直すと、処理部13cは、ポート#3の右LED17をグリーンに点滅するようにLED制御部15cに指示し、接続情報のポート#3に対応する接続チェック欄に「OK」を記録する。そして、処理部13cは、ポート#3の右LED17をオレンジに点滅するようにLED制御部15cに指示する。
【0110】
そして、処理部13cは、コンピュータDの接続フラグが「1」であるポート16の接続チェック欄が全て「OK」となっているため、LED制御部15cにポート#3のオレンジ点滅を終了するように指示する。そして、処理部13cは、接続情報の接続フラグが「1」であるポート16の接続チェック欄が全て「OK」となっているため、右LED17を全て10秒間グリーン点滅するようにLED制御部15cに指示する。
【0111】
上述してきたように、実施例4では、コンピュータ2c及びネットワーク機器1cが、接続対象のポート22及び16の右LED23及び17をそれぞれオレンジ点滅する。また、ネットワーク機器1cは、コンピュータ毎に接続対象のポート22が全て接続されるとオレンジ点滅を消灯する。したがって、情報通信システム3cは、作業者の結線作業をさらに支援することができ、結線作業に要する時間を短縮することができる。
【実施例5】
【0112】
実施例4では、ネットワーク機器1cが1台だけの場合について説明したが、実施例5では、ネットワーク機器1cが2台の場合について説明する。なお、ネットワーク機器1c及びコンピュータ2cは3台以上でもよい。
【0113】
図18は、実施例5に係る情報通信システムの構成を示す図である。図18に示すように、実施例5に係る情報通信システム3dは、ネットワーク機器#3及びネットワーク機器#4で表される2台のネットワーク機器1dとコンピュータC及びコンピュータDで表される2台のコンピュータ2cを有する。
【0114】
図19Aは、ネットワーク機器#3の接続一覧を示す図であり、図19Bは、ネットワーク機器#4の接続一覧を示す図である。図19Aに示すように、ネットワーク機器#3のポート#12はコンピュータDのポート#2と接続され、コンピュータDのポート#2のMACアドレスは「00:00:00:02:00:03」である。
【0115】
図19Bに示すように、ネットワーク機器#4のポート#3はコンピュータCのポート#1と接続され、コンピュータCのポート#1のMACアドレスは「00:00:00:01:00:04」である。ネットワーク機器#4のポート#1はコンピュータDのポート#1と接続され、コンピュータDのポート#1のMACアドレスは「00:00:00:02:00:02」である。
【0116】
ネットワーク機器1dは、図11に示したネットワーク機器1cと比較して、コントローラ10cの代わりにコントローラ10dを有する。ネットワーク機器#3はコントローラ#3で表されるコントローラ10dを有し、ネットワーク機器#4はコントローラ#4で表されるコントローラ10dを有する。コントローラ10dは、図11に示したコントローラ10cと比較して、接続情報格納部11cの代わりに接続情報格納部11dを有し、処理部13cの代わりに処理部13dを有し、LED制御部15cの代わりにLED制御部15dを有する。
【0117】
接続情報格納部11dは、図11に示した接続情報格納部11cと比較して、接続情報記憶部12cの代わりに接続情報記憶部12dを有する。図20Aは、ネットワーク機器#3の接続情報記憶部12dの一例を示す図であり、図20Bは、ネットワーク機器#4の接続情報記憶部12dの一例を示す図である。
【0118】
図20A及び図20Bに示すように、接続情報記憶部12dは、図13に示した接続情報記憶部12cと比較して、ネットワーク機器番号とNWフラグを追加で記憶する。ネットワーク機器番号は、ネットワーク機器1dを識別する番号であり、ネットワーク機器#3のネットワーク機器番号は「3」であり、ネットワーク機器#4のネットワーク機器番号は「4」である。
【0119】
NWフラグは、接続情報を記憶するネットワーク機器1dを識別する番号とネットワーク機器番号が同じ場合に「1」であり、接続情報を記憶するネットワーク機器1dを識別する番号とネットワーク機器番号が異なる場合に「0」である。例えば、図20Aはネットワーク機器#3の接続情報を示すので、ネットワーク機器番号が「3」であるポート#12のNWフラグが「1」である。図20Bはネットワーク機器#4の接続情報を示すので、ネットワーク機器番号が「4」であるポート#3とポート#1のNWフラグが「1」である。なお、OSブートデバイス24cが記憶する接続情報は、いずれのネットワーク機器1dが記憶する接続情報であってもよい。
【0120】
処理部13dは、図11に示した処理部13cと比較して、ガイド部32cの代わりにガイド部32dを有する。
【0121】
ガイド部32dは、接続情報記憶部12dを用いて、リンクアップしたポート16から取得されたMACアドレスに紐づくコンピュータ2cを特定する。そして、ガイド部32dは、接続情報記憶部12dのNWフラグと接続フラグを用いて、特定したコンピュータ2cと接続するポート16が自機器にあるか、他機器にあるか、どこにもないかを判定する。
【0122】
すなわち、ガイド部32dは、特定したコンピュータ2cについてNWフラグが「1」でかつ接続フラグが「1」であるポート16がある場合には、特定したコンピュータ2cと接続するポート16が自機器にあると判定する。また、ガイド部32dは、特定したコンピュータ2cについてNWフラグが「0」でかつ接続フラグが「1」であるポート16がある場合には、特定したコンピュータ2cと接続するポート16が他機器にあると判定する。また、ガイド部32dは、特定したコンピュータ2cについて接続フラグが「1」であるポート16がない場合には、特定したコンピュータ2cと接続するポート16がいずれのネットワーク機器1dにもないと判定する。
【0123】
そして、ガイド部32dは、特定したコンピュータ2cと接続するポート16が自機器にある場合には、特定したコンピュータ2cと接続する全てのポート16の右LED17をオレンジ点滅するようLED制御部15dに指示する。例えば、ネットワーク機器#3のガイド部32dは、図20Aを用いて、コンピュータDを特定すると、NWフラグが「1」でかつ接続フラグが「1」であるポート#12をオレンジ点滅対象として特定する。
【0124】
また、ガイド部32dは、特定したコンピュータ2cと接続する自機器のポート16が他機器にある場合には、他機器を特定する。そして、ガイド部32dは、LED制御部15dに、全てのポート16をオレンジに点滅するように指示し、その後で、特定した他機器のネットワーク機器番号と一致する番号のポート16の右LED17をグリーンとオレンジで交互点灯するように指示する。
【0125】
また、ガイド部32dは、特定したコンピュータ2cと接続するポート16がいずれのネットワーク機器1dにもない場合には、リンクアップしたポート16の右LED17がグリーン点灯とオレンジ点灯と消灯を繰り替えすようにLED制御部15dに指示する。そして、右LED17がグリーン点灯とオレンジ点灯と消灯を繰り替えすポート16からケーブルを外すと、ガイド部32dは、対象ポート16のリンクダウンを通信部14により通知され、対象ポート16を消灯するようにLED制御部15dに指示する。
【0126】
LED制御部15dは、図11に示したLED制御部15cと同様に処理部13dの指示に基づいて右LED17の表示を制御するが、LED制御部15cと比較して表示パターンが2つ増える。
【0127】
図21は、右LED17及び右LED23の表示パターンを示す図である。図21では、図14と比較して、全てのポート16がオレンジ点滅と、一部のポート16がグリーンとオレンジを交互点灯してその他全てのポート16がオレンジ点滅の2つの表示パターンが追加されている。全てのポート16がオレンジ点滅は、正しい接続先のネットワーク機器番号を指示する前などの一時表示用である。一部のポート16がグリーンとオレンジを交互点灯してその他全てのポート16がオレンジ点滅は、正しい接続先のネットワーク機器番号を指示する。
【0128】
図22A図22Cは、コントローラ10dによる処理のシーケンスを示す図である。図22Aに示すように、接続情報格納部11dは、作業者が作成した接続情報を格納する(t61)。
【0129】
そして、コンピュータ2cにおいて右LED23がオレンジに点滅しているポート22とネットワーク機器1dを作業者が結線すると、通信部14は、処理部13dにネットワーク機器1dのポート16のリンクアップを通知する(t62)。そして、処理部13dは、リンクアップしたポート16の接続先のMACアドレスを確認する(t63)。このため、通信部14は、リンクアップしたポート16にMACアドレス要求を送信する(t64)。そして、コンピュータ2cがMACアドレスを応答すると、通信部14は、処理部13dに、応答されたMACアドレスを通知する(t65)。
【0130】
そして、処理部13dが接続情報を読込む(t66)と、接続情報格納部11dが接続情報を回答する(t67)。そして、処理部13dは、接続情報から、応答されたMACアドレスに紐づくコンピュータ2cを特定し(t68)、特定したコンピュータ2cについて、NWフラグが「1」、かつ接続フラグが「1」のポート16があるか否かを判定する(t69)。そして、特定したコンピュータ2cについて、NWフラグが「1」、かつ接続フラグが「1」のポート16がある場合には、処理部13dは、t81へ進む。
【0131】
一方、NWフラグが「1」、かつ接続フラグが「1」のポート16がない場合には、処理部13dは、特定したコンピュータ2cについて、NWフラグが「0」、かつ接続フラグが「1」のポート16があるか否かを判定する(t70)。そして、特定したコンピュータ2cについて、NWフラグが「0」、かつ接続フラグが「1」のポート16がない場合には、コントローラ10dは、t77へ進む。
【0132】
一方、NWフラグが「0」、かつ接続フラグが「1」のポート16がある場合には、処理部13dは、接続情報からNWフラグが「0」、かつ接続フラグが「1」のポート16につながるネットワーク機器1dを特定する(t71)。そして、LED制御部15dが、処理部13dの指示に基づいて、全てのポート16をオレンジ点滅し(t72)、特定されたネットワーク機器1dの番号と同じ番号のポート16の右LED17をグリーンとオレンジに交互点灯する(t73)。
【0133】
そして、作業者がネットワーク機器側のケーブルコネクタを取り外すと、通信部14は、処理部13dにリンクダウンしたことを通知する(t74)。そして、処理部13dは、LED制御部15dに全てのポート16の右LED17のオレンジ点滅を指示する(t75)。そして、LED制御部15dは、全てのポート16の右LED17をオレンジ点滅する(t76)。そして、コントローラ10dは、t105へ進む。
【0134】
t70において、NWフラグが「0」、かつ接続フラグが「1」のポート16がない場合には、LED制御部15dは、処理部13dの指示に基づいて、リンクアップしたポート16の右LED17のグリーン点灯とオレンジ点灯と消灯を繰り返す(t77)。
【0135】
そして、作業者が結線したケーブルを取り外すと、通信部14は、処理部13dにリンクダウンしたことを通知する(t78)。そして、処理部13dは、LED制御部15dにリンクダウンしたポート16の右LED17の消灯を指示する(t79)。そして、LED制御部15dは、対象ポート16の右LED17を消灯する(t80)。そして、コントローラ10dは、t105へ進む。
【0136】
t69において、NWフラグが「1」、かつ接続フラグが「1」のポート16がある場合には、処理部13dは、特定したコンピュータ2cと接続する全ポート16の右LED17のオレンジ点滅をLED制御部15cに指示する(t81)。そして、LED制御部15cは、該当ポート16の右LED17をオレンジに点滅する(t82)。
【0137】
そして、処理部13dは、応答されたMACアドレスはNWフラグが「1」、かつ接続フラグが「1」か否かを判定する(t83)。そして、NWフラグが「1」、かつ接続フラグが「1」である場合には、処理部13dは、t97へ進む。
【0138】
一方、(NWフラグが「1」、かつ接続フラグが「1」)でない場合には、処理部13dは、応答されたMACアドレスはNWフラグが「0」、かつ接続フラグが「1」であるか否かを判定する(t84)。そして、(NWフラグが「0」、かつ接続フラグが「1」)でない場合には、コントローラ10dは、t93へ進む。
【0139】
一方、NWフラグが「0」、かつ接続フラグが「1」である場合には、処理部13dは、接続情報からNWフラグが「0」、かつ接続フラグが「1」のポート16につながるネットワーク機器1dを特定する(t85)。そして、LED制御部15dが、処理部13dの指示に基づいて、全てのポート16をオレンジ点滅し(t86)、特定されたネットワーク機器1dの番号と同じ番号のポート16の右LED17をグリーンとオレンジに交互点灯する(t87)。
【0140】
そして、作業者がネットワーク機器側のケーブルコネクタを取り外すと、通信部14は、処理部13dにリンクダウンしたことを通知する(t88)。そして、処理部13dは、LED制御部15dに全てのポート16の右LED17の消灯を指示する(t89)。そして、LED制御部15dは、対象ポート16の右LED17を消灯する(t90)。そして、処理部13dは、LED制御部15dに、特定したコンピュータ2cと接続するポート16の右LED17のオレンジ点滅を指示し(t91)、LED制御部15dは、該当ポート16の右LED17をオレンジに点滅する(t92)。そして、コントローラ10dは、t105へ進む。
【0141】
t84において、応答されたMACアドレスは(NWフラグが「0」、かつ接続フラグが「1」)でない場合には、処理部13d指示下LED制御部15dは、リンクアップしたポート16の右LED17のグリーン点灯とオレンジ点灯と消灯を繰り返す(t93)。
【0142】
そして、作業者が結線したケーブルを取り外すと、通信部14は、処理部13dにリンクダウンしたことを通知する(t94)。そして、処理部13dは、LED制御部15dにリンクダウンしたポート16の右LED17の消灯を指示する(t95)。そして、LED制御部15dは、対象ポート16の右LED17を消灯する(t96)。そして、コントローラ10dは、t105へ進む。
【0143】
t83において、応答されたMACアドレスはNWフラグが「1」、かつ接続フラグが「1」である場合には、処理部13dは、応答されたMACアドレスに接続情報で対応付けられるポート16がリンクアップしたポート16と同じか否かを判定する(t97)。そして、2つのポート16が同じ場合には、コントローラ10dは、t100へ進む。
【0144】
一方、2つのポート16が同じでない場合には、処理部13dの指示に基づいて、LED制御部15dは、接続情報に基づく正しい接続先ポート16の右LED17をグリーンとオレンジに交互点灯する(t98)。そして、作業者が、ネットワーク機器側のケーブルコネクタを、右LED17がグリーンとオレンジに交互点灯しているポート16に接続すると、処理部13dは、リンクアップしたポート16からMACアドレスの応答を取得する。そして、処理部13dは、応答されたMACアドレスに接続情報で対応付けられるポート16がリンクアップしたポート16と同じか否かを判定する(t99)。そして、2つのポート16が同じでない場合には、コントローラ10dは、t98へ戻る。
【0145】
一方、2つのポート16が同じ場合には、処理部13dの指示に基づいて、LED制御部15dは、対象MACアドレスの接続ポート16の右LED17をグリーンに点滅する(t100)。そして、処理部13dは、接続情報の接続チェック欄に「OK」を記録し(t101)、接続情報格納部11dは、処理部13dの指示に基づいて、接続情報を更新する(t102)。
【0146】
そして、処理部13dは、LED制御部15dに対象ポート16の右LED17のオレンジ点滅を指示する(t103)。そして、LED制御部15dは、対象ポート16の右LED17をオレンジに点滅する(t104)。そして、処理部13dは、特定したコンピュータ2cのNWフラグが「1」かつ、接続フラグが「1」のポート16について接続チェック欄に空欄がないか否かを判定する(t105)。そして、空欄がある場合には、コントローラ10dは、t62に戻って作業者がコンピュータ2cとネットワーク機器1dのオレンジ点滅しているポート22とポート16を結線するのを待つ。
【0147】
一方、特定したコンピュータ2cのNWフラグが「1」かつ、接続フラグが「1」のポート16について接続チェック欄に空欄がない場合には、処理部13dの指示下でLED制御部15dは全てのポート16の右LED17のオレンジ点滅を消灯する(t106)。そして、処理部13dは、NWフラグが「1」かつ、接続フラグが「1」のポート16について接続チェック欄に空欄がないか否かを判定する(t107)。そして、空欄がある場合には、コントローラ10dは、t62に戻って作業者による次の結線を待つ。
【0148】
一方、接続チェック欄に空欄がない場合には、処理部13dの指示に基づいて、LED制御部15dは、ネットワーク機器1dの全てのポート16の右LED17を10秒間グリーン点滅する(t108)。
【0149】
次に、コントローラ10dによる処理シーケンスの例について説明する。作業者がコンピュータCのオレンジに点滅しているポート#1とネットワーク機器#3のポート#1を接続する。すると、コントローラ#3の通信部14が、リンクアップしたポート#1からMACアドレス要求を送信し、応答されたMACアドレス「00:00:00:01:00:04」を処理部13dに通知する。そして、処理部13dが、応答されたMACアドレス「00:00:00:01:00:04」が接続情報でどのコンピュータ2cに紐づくか特定する。
【0150】
ネットワーク機器#3の接続情報には、処理部13dが特定したコンピュータCのポート16について、NWフラグが「1」かつ、接続フラグが「1」のポート16がなく、NWフラグが「0」かつ、接続フラグが「1」のポート16がある。このため、処理部13dは、NWフラグが「0」かつ、接続フラグが「1」のポート16に対応付けられるネットワーク機器番号を特定する。そして、LED制御部15dは、ネットワーク機器#3の全てのポート16の右LED17をオレンジ点滅する。そして、オレンジ点滅後、LED制御部15dは、特定されたネットワーク機器番号と同じ番号のポート16(ネットワーク機器#3、ポート#4)の右LED17をグリーンとオレンジの交互点灯する。
【0151】
グリーンとオレンジの交互点灯と、他全てがオレンジ点滅の表示パターンの場合、接続先はグリーンとオレンジに交互点灯しているポート16の番号と番号が同じネットワーク機器1d(ネットワーク機器#4)となる。このため、作業者は、ネットワーク機器側のケーブルコネクタを指示されたネットワーク機器1d(ネットワーク機器#4)のポート#1へ接続する。
【0152】
コントローラ#4の処理部13dは、接続されたポート16のMACアドレスを持つコンピュータ2cを接続情報から特定する。そして、処理部13dは、特定したコンピュータ2cのポート16についてNWフラグが「1」かつ、接続フラグが「1」のポート16があるため、LED制御部15dに該当するポート16の右LED17をオレンジに点滅するよう指示する。ここで、該当するポート16は、ネットワーク機器#4のポート#3である。
【0153】
そして、ポート#3にケーブルが接続されると、応答されたMACアドレス「00:00:00:01:00:04」についてはNWフラグが「1」かつ、接続フラグが「1」である。このため、処理部13dは、リンクアップしたポート16と接続情報のMACアドレス「00:00:00:01:00:04」に対応するポート16を比較する。接続情報では、MACアドレス「00:00:00:01:00:04」に対応するポート16はポート#3となっているため、LED制御部15dは、該当のポート16(ネットワーク機器#4、ポート#3)をグリーンとオレンジに交互点灯する。そして、作業者は、ネットワーク機器側のケーブルコネクタをグリーンとオレンジに交互点灯しているポート16(ネットワーク機器#4、ポート#3)に再結線する。
【0154】
そして、通信部14がリンクアップを検知すると、処理部13dは、再度接続ポート16を確認し、接続情報の通りに接続されていれば、LED制御部15dは、該当ポート16(ネットワーク機器#4、ポート#3)をグリーンに点滅させる。グリーン点滅後、処理部13dは、接続情報の該当ポート16の接続チェック欄に「OK」を記録する。LED制御部15dは、対象のポート16の右LED17をオレンジ点滅させる。
【0155】
そして、処理部13dは、特定したコンピュータ2c(コンピュータC)のNWフラグが「1」かつ、接続フラグが「1」のポート16について、接続チェック欄に空欄がないか確認する。すると、空欄がないため、LED制御部15dは、ネットワーク機器#4の全てのポート16の右LED17を消灯する。
【0156】
処理部13dは、全てのコンピュータ2cについてNWフラグが「1」かつ、接続フラグが「1」のポート16の接続チェック欄に空欄がないか確認する。すると、空欄が残っているため、LED制御部15dは、右LED17の状態を操作しない。作業者は、接続したポート16のグリーン点滅を確認後、ネットワーク機器1dの結線を再開する。
【0157】
一方、ネットワーク機器#4のポート#3への再結線によりネットワーク機器側のケーブルコネクタが外されたコントローラ#3の通信部14は、該当ポート16(ネットワーク機器#3、ポート#1)のリンクダウンを検知して、処理部13dへ通知する。そして、処理部13dは、LED制御部15dにリンクダウンしたポート16の右LED17を消灯させる。消灯後、処理部13dは、特定したコンピュータ2cについてNWフラグが「1」かつ、接続フラグが「1」のポート16がないため、全てのポート16の右LED17の消灯をLED制御部15dに指示する。
【0158】
処理部13dは、全てのポート16についてNWフラグが「1」かつ、接続フラグが「1」のポート16があるかチェックする。該当するポート16が存在するため、LED制御部15dは、各ポート16の右LEDの状態を変更しない。作業者は、オレンジ点滅が消灯し、全てのポート16のグリーン点滅がないことを確認したら、次のコンピュータ2c(コンピュータD)の接続を行う。
【0159】
作業者は、コンピュータDのオレンジ点滅のポート16(ポート#1)とネットワーク機器#3のポート16(ポート#1)を接続する。コントローラ#3の処理部13dは、接続されたポート16のMACアドレス[00:00:00:02:00:02]を持つコンピュータ2cを接続情報から特定する。特定したコンピュータDのポート16のうち、NWフラグが「1」かつ、接続フラグが「1」のポート16があるため、処理部13dは、LED制御部15dに、接続されるネットワーク機器#3のポート16(ポート#12)の右LED17をオレンジ点滅させる。
【0160】
接続されたポート16から取得したMACアドレス[00:00:00:02:00:02]のNWフラグは「0」かつ、接続フラグは「1」のため、処理部13dは、接続先のネットワーク機器1dを特定する。LED制御部15dは、ネットワーク機器1dの全てのポート16の右LED17をオレンジ点滅する。オレンジ点滅後、処理部13dは、LED制御部15dに、特定したネットワーク機器1dの番号と同じ番号のポート16(ポート#4)の右LED17をグリーンとオレンジの交互点灯をさせる。
【0161】
そして、グリーンとオレンジの交互点灯と他全てがオレンジ点滅のパターンの場合、接続先はグリーンとオレンジに交互点灯しているポート#4と同じ番号のネットワーク機器#4となる。このため、作業者は、ネットワーク機器側のケーブルコネクタを指示されたネットワーク機器#4のポート#1へ接続する。
【0162】
コントローラ#4の処理部13dは、接続されたポート16のMACアドレス[00:00:00:02:00:02]を持つコンピュータ2cを接続情報から特定する。特定したコンピュータDのポート16についてNWフラグが「1」かつ、接続フラグが「1」のポート16があるため、処理部13dは、LED制御部15dに、該当するポート16(ネットワーク機器#4、ポート#1)をオレンジに点滅させる。処理部13dは、接続情報でMACアドレス[00:00:00:02:00:02]に対応するNWフラグが「1」かつ、接続フラグが「1」のため、リンクアップしたポート16と接続情報でMACアドレスに対応するポート16を比較する。
【0163】
接続情報ではポート#1となっているため、LED制御部15dは、該当のポート16(ネットワーク機器#4、ポート#1)をグリーンに点滅する。グリーン点滅後、処理部13dは、接続情報の該当ポート16の接続チェック欄に「OK」を記録する。そして、LED制御部15dは、対象のポート16の右LED17をオレンジ点滅する。
【0164】
処理部13dは、特定したコンピュータDのNWフラグが「1」かつ、接続フラグが「1」のポート16について接続チェック欄に空欄がないか確認する。空欄がないため、LED制御部15dは、ネットワーク機器#4の全てのポート16の右LEDを消灯させる。そして、処理部13dは、全てのコンピュータ2cについてNWフラグが「1」かつ、接続フラグが「1」のポート16の接続チェック欄に空欄がないか確認する。空欄がないため、LED制御部15dは、ネットワーク機器#4の全てのポート16を10秒間点滅する。作業者は、接続した全てのポート16のグリーン点滅を確認後、ネットワーク機器#3の結線を再開する。
【0165】
コントローラ#3では、作業者がケーブルを取り外したあと、LED制御部15dは、リンクダウンしたポート16の右LED17を消灯する。そして、作業者は、コンピュータDの他のオレンジ点滅のポート16(ポート#2)とネットワーク機器#3のオレンジ点滅しているポート16(ネットワーク機器#3、ポート#12)を接続する。
【0166】
接続情報通りの接続のため、LED制御部15dは、該当ポート16の右LED17をグリーン点滅し、処理部13dは、接続情報の接続チェック欄を「OK」にする。そして、処理部13dは、NWフラグが「1」かつ、接続フラグが「1」の全てのポート16の接続チェック欄が「OK」になっていることを確認し、LED制御部15dは、10秒間ネットワーク機器#3の全てのポート16の右LED17をグリーン点滅する。
【0167】
そして、ネットワーク機器#3、#4ともに全てのポート16が10秒間グリーン点滅しているため、作業者は結線作業を完了する。
【0168】
上述してきたように、実施例5では、接続情報記憶部12dは、他のネットワーク機器1dの接続情報も記憶する。そして、処理部13dは、応答されたMACアドレスが接続情報で他のネットワーク機器1dに対応付けられている場合、他のネットワーク機器1dの番号と同じ番号のポート16の右LED17をグリーンとオレンジに交互点灯する。したがって、情報通信システム3dは、作業者にケーブルの再接続先のネットワーク機器1dを知らせることができ、結線作業に要する時間を短縮することができる。
【0169】
次に、ネットワーク機器1のハードウェア構成について説明する。なお、ネットワーク機器1c及び1dも同様のハードウェア構成を有する。図23は、ネットワーク機器1のハードウェア構成を示す図である。図23に示すように、ネットワーク機器1は、コントローラ10と、12個のポート16と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)56と、管理用ポート57とを有する。EEPROM56は、プログラムやデータを格納するディスク装置である。管理用ポート57は、ネットワーク機器と管理用コンピュータを接続するポートである。
【0170】
コントローラ10は、メインメモリ51と、プロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)52と、通信インタフェース53と、LEDインタフェース54と、IOインタフェース55とを有する。
【0171】
メインメモリ51は、プログラムやプログラムの実行途中結果などを記憶するメモリである。CPU52は、メインメモリ51からプログラムを読み出して実行する中央処理装置である。通信インタフェース53は、ネットワーク機器1をポート16経由でコンピュータ2に接続するためのインタフェースである。LEDインタフェース54は、LED17とCPU52を接続するインタフェースである。IOインタフェース55は、EEPROM56及び管理用ポート57とCPU52を接続するインタフェースである。
【0172】
そして、コントローラ10の機能を実現する結線確認プログラムは、EEPROM56に記憶され、ネットワーク機器1の起動時にコントローラ10により読み込まれる。接続情報記憶部12の情報は管理用ポート57に接続した管理用コンピュータにより読み書きされる。
【0173】
以上の実施例1~5を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0174】
(付記1)ポートを識別するポート識別子と該ポートの接続先ポートを識別する接続先識別情報とを複数のポートの各々について対応付けた接続情報を記憶する接続情報記憶部と、
結線によりリンクアップしたポートから該ポートの接続先ポートを識別する接続先識別情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された接続先識別情報と前記接続情報記憶部に記憶された接続情報に基づいて結線の状態を判定し、判定結果に基づいて、結線作業をガイドする表示をポートの表示装置に行うガイド部と、
結線対象の全てのポートの結線が前記ガイド部によるガイドに基づいて正しく行われたか否かを判定し、全ての結線が正しく行われたと判定した場合に、前記表示装置を全て用いて結線作業の完了を示す表示を行う完了判定部と
を有することを特徴とするネットワーク装置。
【0175】
(付記2)前記ガイド部は、
結線が正しいと判定した場合には、リンクアップしたポートの表示装置に結線が正しいことを示す表示を行い、
別のポートに対して結線が行われるべきと判定した場合には、正しいポートの表示装置に正しいポートであることを示す表示を行い、
接続するポートがないと判定した場合には、リンクアップしたポートの表示装置に接続するポートがないことを示す表示を行うことを特徴とする付記1に記載のネットワーク装置。
【0176】
(付記3)接続先として複数の情報処理装置があり、
前記接続情報記憶部は、情報処理装置を識別する情報処理装置識別子と情報処理装置との接続を示す接続フラグをさらに対応付けて記憶し、
前記ガイド部は、情報処理装置毎に、
前記取得部により取得された接続先識別情報と前記接続情報記憶部に基づいて結線が行われるべきポートを特定し、該特定したポートの表示装置に結線が行われるべきことを示す候補表示を行った後、前記状態を判定し、
結線が正しいと判定した場合には、リンクアップしたポートの表示装置に結線が正しいことを示す表示を行い、
別のポートに対して結線が行われるべきと判定した場合には、正しいポートの表示装置に正しいポートであることを示す表示を行い、
前記完了判定部は、1つの情報処理装置の結線対象の全てのポートの結線が正しく行われたか否かをさらに判定し、1つの情報処理装置の結線作業が完了する毎に前記候補表示の取り消しをさらに行うことを特徴とする付記1に記載のネットワーク装置。
【0177】
(付記4)前記接続情報記憶部は、ネットワーク装置を識別するネットワーク装置識別子をさらに対応付けた接続情報を記憶し、
前記ガイド部は、前記取得部により取得された接続先識別情報と前記接続情報記憶部に記憶された接続情報に基づいて、リンクアップしたポートの接続先が接続する正しいネットワーク装置が自装置であるか否かをさらに判定し、前記接続先が接続する正しいネットワーク装置が自装置でない場合に、前記接続先が接続する正しいネットワーク装置を示す表示を前記表示装置にさらに行うことを特徴とする付記3に記載のネットワーク装置。
【0178】
(付記5)前記接続先識別情報はMACアドレスであり、前記表示装置は、LEDであることを特徴とする付記1~4のいずれか1つに記載のネットワーク装置。
【0179】
(付記6)コンピュータが、
ポートを識別するポート識別子と該ポートの接続先ポートを識別する接続先識別情報とを複数のポートの各々について対応付けた接続情報を接続情報記憶部に格納し、
結線によりリンクアップしたポートから該ポートの接続先ポートを識別する接続先識別情報を取得し、
取得した接続先識別情報と前記接続情報記憶部に記憶された接続情報に基づいて結線の状態を判定し、判定結果に基づいて、結線作業をガイドする表示をポートの表示装置に行い、
結線対象の全てのポートの結線がガイドに基づいて正しく行われたか否かを判定し、全ての結線が正しく行われたと判定した場合に、前記表示装置を全て用いて結線作業の完了を示す表示を行う
処理を実行することを特徴とする結線確認方法。
【0180】
(付記7)コンピュータに、
ポートを識別するポート識別子と該ポートの接続先ポートを識別する接続先識別情報とを複数のポートの各々について対応付けた接続情報を接続情報記憶部に格納し、
結線によりリンクアップしたポートから該ポートの接続先ポートを識別する接続先識別情報を取得し、
取得した接続先識別情報と前記接続情報記憶部に記憶された接続情報に基づいて結線の状態を判定し、判定結果に基づいて、結線作業をガイドする表示をポートの表示装置に行い、
結線対象の全てのポートの結線がガイドに基づいて正しく行われたか否かを判定し、全ての結線が正しく行われたと判定した場合に、前記表示装置を全て用いて結線作業の完了を示す表示を行う
処理を実行させることを特徴とする結線確認プログラム。
【0181】
(付記8)第1のポートを複数有するネットワーク装置と第2のポートを複数有する情報処理装置とを備える情報通信システムにおいて、
前記情報処理装置は、
前記第1のポートを識別する第1のポート識別子と前記第1のポートと結線される第2のポートを識別する接続先識別情報と前記情報処理装置を識別する情報処理装置識別子とを対応付けて記憶する第1の接続情報記憶部と、
前記第1のポートと結線される第2のポートを前記第1の接続情報記憶部に基づいて特定し、該特定した第2のポートの表示装置に結線対象であることを示す表示を行う第1の特定部を有し、
前記ネットワーク装置は、
前記第1のポートを識別する第1のポート識別子と前記第1のポートと結線される第2のポートを識別する接続先識別情報と前記情報処理装置を識別する情報処理装置識別子とを対応付けて記憶する第2の接続情報記憶部と、
リンクアップした第1のポートから該第1のポートと結線された第2のポートの接続先識別情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された接続先識別情報と前記第2の接続情報記憶部に基づいて、前記第1の特定部により特定された第2のポートと結線される第1のポートを特定する第2の特定部と、
前記第2の特定部により特定された第1のポートの表示装置に結線対象であることを示す表示を行う表示部と
を有することを特徴とする情報通信システム。
【符号の説明】
【0182】
1,1c,1d ネットワーク機器
2,2c コンピュータ
3,3a,3b,3c,3d 情報通信システム
10,10c,10d コントローラ
11,11c,11d 接続情報格納部
12,12c,12d 接続情報記憶部
13,13c,13d 処理部
14 通信部
15,15c,15d LED制御部
16 ポート
17 LED
21 ネットワークコントローラ
22 ポート
23 LED
24c OSブートデバイス
26c OS
31 取得部
32 ガイド部
33 完了判定部
51 メインメモリ
52 CPU
53 通信インタフェース
54 LEDインタフェース
55 IOインタフェース
56 EEPROM
57 管理用ポート
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図21
図22A
図22B
図22C
図23