IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ SEIオプティフロンティア株式会社の特許一覧

特許7211578融着接続装置、融着接続装置の盗難検知システム、及び、融着接続装置の盗難検知方法
<>
  • 特許-融着接続装置、融着接続装置の盗難検知システム、及び、融着接続装置の盗難検知方法 図1
  • 特許-融着接続装置、融着接続装置の盗難検知システム、及び、融着接続装置の盗難検知方法 図2
  • 特許-融着接続装置、融着接続装置の盗難検知システム、及び、融着接続装置の盗難検知方法 図3
  • 特許-融着接続装置、融着接続装置の盗難検知システム、及び、融着接続装置の盗難検知方法 図4
  • 特許-融着接続装置、融着接続装置の盗難検知システム、及び、融着接続装置の盗難検知方法 図5
  • 特許-融着接続装置、融着接続装置の盗難検知システム、及び、融着接続装置の盗難検知方法 図6
  • 特許-融着接続装置、融着接続装置の盗難検知システム、及び、融着接続装置の盗難検知方法 図7
  • 特許-融着接続装置、融着接続装置の盗難検知システム、及び、融着接続装置の盗難検知方法 図8
  • 特許-融着接続装置、融着接続装置の盗難検知システム、及び、融着接続装置の盗難検知方法 図9
  • 特許-融着接続装置、融着接続装置の盗難検知システム、及び、融着接続装置の盗難検知方法 図10
  • 特許-融着接続装置、融着接続装置の盗難検知システム、及び、融着接続装置の盗難検知方法 図11
  • 特許-融着接続装置、融着接続装置の盗難検知システム、及び、融着接続装置の盗難検知方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】融着接続装置、融着接続装置の盗難検知システム、及び、融着接続装置の盗難検知方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 13/22 20060101AFI20230117BHJP
   G08B 13/14 20060101ALI20230117BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20230117BHJP
   G02B 6/255 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
G08B13/22
G08B13/14 Z
G08B25/10 A
G02B6/255
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019527969
(86)(22)【出願日】2018-07-05
(86)【国際出願番号】 JP2018025573
(87)【国際公開番号】W WO2019009371
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-06-21
(31)【優先権主張番号】P 2017133931
(32)【優先日】2017-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000110309
【氏名又は名称】住友電工オプティフロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】大木 一芳
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴弘
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-530968(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0005284(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0238298(US,A1)
【文献】特開2007-323580(JP,A)
【文献】特開2007-150668(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0335193(US,A1)
【文献】国際公開第2007/026745(WO,A1)
【文献】特開2007-122558(JP,A)
【文献】国際公開第2012/090335(WO,A1)
【文献】特開2006-155061(JP,A)
【文献】特開2009-054012(JP,A)
【文献】特開2002-159056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 13/00-25/00
G02B 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の盗難検知装置と協働して自機が盗難状態にあるか否かを検知可能な融着接続装置であって、
所定の通信手法を介して前記盗難検知装置と相互接続するために前記盗難検知装置を認証する認証処理部と、
前記認証処理部により認証処理された前記盗難検知装置の識別情報を格納する格納部と、
前記盗難検知装置との間での前記所定の通信手法による通信状況に基づいて当該融着接続装置が盗難状態であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により当該融着接続装置が盗難状態にあると判定された場合に当該融着接続装置の機能の少なくとも一部をロックするロック部と、
前記ロック部による前記融着接続装置の機能のロックを一時的に解除する解除部と、
前記解除部によるロック解除のための解除IDの入力を受け付ける入力部と、
を備え、
前記解除部は、前記入力部から入力された前記解除IDが前記格納部に格納されている前記識別情報に対応している場合に前記ロックを一時的に解除し、
前記ロック部は、前記解除部によって前記ロックを一時的に解除して所定期間が経過した後に前記融着接続装置の機能を再度ロックする、融着接続装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記所定の通信手法による前記盗難検知装置からの無線通信が所定期間受信できなかった場合に当該融着接続装置が盗難状態にあると判定する、
請求項1に記載の融着接続装置。
【請求項3】
前記格納部は、格納している前記盗難検知装置の前記識別情報を所定期間の経過後に消去又は使用不能にする処理を実行する、
請求項1又は請求項2に記載の融着接続装置。
【請求項4】
前記盗難検知装置の識別情報は、前記認証処理部による前記盗難検知装置の認証の際に取得され、前記格納部に格納される、
請求項1~請求項の何れか一項に記載の融着接続装置。
【請求項5】
前記解除部が前記ロックを解除する前記所定期間が1日以上である、
請求項1~請求項4の何れか一項に記載の融着接続装置。
【請求項6】
融着接続装置の盗難状態を盗難検知装置によって検知するための盗難検知システムであって、
所定の通信手法を介して前記融着接続装置と前記盗難検知装置との間を相互接続するために前記融着接続装置を認証する認証処理部と、
前記認証処理部により前記融着接続装置との間で無線接続された無線状況データを取得する取得部と、
前記取得部で取得される前記無線状況データの変化に基づいて当該融着接続装置が盗難状態であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部により当該融着接続装置が盗難状態にあると判定された場合に報知する報知部と、
前記融着接続装置が盗難状態にあると判定されて前記融着接続装置の融着機構がロックされた場合に、当該ロックを一時的に解除するための解除部と、
を備え、
前記解除部によって前記融着接続装置の前記融着機構のロックが一時的に解除されて所定期間が経過した後に前記融着接続装置の前記融着機構を再度ロックする、盗難検知システム。
【請求項7】
前記融着接続装置と前記盗難検知装置との間の電波強度及び応答時間の少なくとも一方と、前記融着接続装置と前記盗難検知装置との間の距離との関係データを格納する距離テーブルを更に備え、
前記判定部は、前記距離テーブルに格納された前記電波強度及び前記応答時間の少なくとも一方に基づいて前記融着接続装置と前記盗難検知装置との間の距離を算出し、当該距離の変化に基づいて前記融着接続装置が盗難状態であるか否かを判定する、
請求項6に記載の盗難検知システム。
【請求項8】
前記取得部は、前記無線状況データである前記融着接続装置と前記盗難検知装置との間の電波強度及び応答時間の少なくとも一方のデータを所定の周期で取得し、
前記判定部は、前記無線状況データを取得する毎に前記融着接続装置と前記盗難検知装置との間の距離を算出し、当該距離がその前に取得された距離よりも遠くなることが連続した場合に、前記融着接続装置が盗難状態であると判定する、
請求項7に記載の盗難検知システム。
【請求項9】
前記融着接続装置が盗難状態にあると判定された場合に、当該融着接続装置の位置情報を取得する位置取得部を更に備える、
請求項6~請求項の何れか一項に記載の盗難検知システム。
【請求項10】
前記解除部によって前記融着接続装置の前記ロックが解除される前記所定期間が1日以上である、
請求項6~請求項9の何れか一項に記載の盗難検知システム。
【請求項11】
融着接続装置の盗難を盗難検知装置によって検知する方法であって、
前記融着接続装置と前記盗難検知装置との間の相互認証を行って前記融着接続装置と前記盗難検知装置との間を無線接続させるステップと、
無線接続された前記融着接続装置と前記盗難検知装置との間の無線状況データの基準値を取得するステップと、
前記無線状況データの基準値を取得した後に、無線接続された前記融着接続装置と前記盗難検知装置との間の無線状況データを所定の周期で取得するステップと、
前記所定の周期で取得する前記無線状況データに基づいて前記融着接続装置が盗難されているか否かを判定するステップと、
前記融着接続装置が盗難状態であると判定された場合に前記融着接続装置の機能の少なくとも一部をロックするステップと、
前記ロックするステップにおいてロックされた前記融着接続装置の機能を一時的に解除するステップと、
前記解除するステップにおいて前記ロックが一時的に解除されて所定期間が経過した後に前記融着接続装置の機能を再度ロックするステップと、
を備える盗難検知方法。
【請求項12】
前記盗難を判定するステップでは、前記融着接続装置と前記盗難検知装置との間の電波強度及び応答時間の少なくとも一方と、前記融着接続装置と前記盗難検知装置との間の距離との関係データを格納する距離テーブルを参照し、前記距離テーブルに格納された前記電波強度及び前記応答時間の少なくとも一方に基づいて前記融着接続装置と前記盗難検知装置との間の距離を算出し、当該距離の変化に基づいて前記融着接続装置が盗難状態であるか否かを判定する、
請求項11に記載の盗難検知方法。
【請求項13】
前記無線状況データを所定の周期で取得するステップでは、前記無線状況データである前記融着接続装置と前記盗難検知装置との間の電波強度及び応答時間の少なくとも一方のデータを所定の周期で取得し、
前記盗難を判定するステップでは、前記無線状況データを取得する度に前記融着接続装置と前記盗難検知装置との間の距離を算出し、当該距離がその前に取得された距離よりも遠くなることが連続する場合に、前記融着接続装置が盗難状態であると判定する、
請求項12に記載の盗難検知方法。
【請求項14】
前記無線状況データの基準値を取得するステップでは、前記融着接続装置と前記盗難検知装置との間の電波強度及び応答時間の少なくとも一方を取得する、
請求項11~請求項13の何れか一項に記載の盗難検知方法。
【請求項15】
前記融着接続装置が盗難状態にあると判定された場合に、当該融着接続装置の位置情報を取得するステップを更に備える、
請求項11~請求項14の何れか一項に記載の盗難検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、融着接続装置、融着接続装置の盗難検知システム、及び、融着接続装置の盗難検知方法に関する。
本出願は、2017年7月7日出願の日本出願第2017-133931号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、光ファイバ同士を接続する融着接続装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-141357号公報
【発明の概要】
【0004】
本開示は、外部の盗難検知装置と協働して自機が盗難状態にあるか否かを検知可能な融着接続装置を開示する。この融着接続装置は、所定の通信手法を介して盗難検知装置と相互接続するために盗難検知装置を認証する認証処理部と、認証処理部により認証処理された盗難検知装置の識別情報を格納する格納部と、盗難検知装置との間での所定の通信手法による通信状況に基づいて当該融着接続装置が盗難状態であるか否かを判定する判定部と、判定部により当該融着接続装置が盗難状態にあると判定された場合に当該融着接続装置の機能の少なくとも一部をロックするロック部と、ロック部による融着接続装置の機能のロックを一時的に解除する解除部と、解除部によるロック解除のための解除IDの入力を受け付ける入力部と、を備える。解除部は、入力部から入力された解除IDが格納部に格納されている識別情報に対応している場合にロックを一時的に解除する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、融着接続装置の一例を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示される融着接続装置における光ファイバの融着接続部(内部構造)を示す斜視図である。
図3図3は、本発明の一態様に係る融着接続装置の盗難検知システムの概要を示すブロック図である。
図4図4は、図3に示す融着接続装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5図5は、図3に示す情報端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6図6は、図3に示す盗難検知システムに含まれる距離データベースの一例を示す図である。
図7図7は、図3に示す盗難検知システムで検知する融着接続装置の移動(盗難状態)を模式的に示す図である。
図8図8は、図3に示す盗難検知システムにおけるペアリング処理を示すシーケンス図である。
図9図9は、図3に示す盗難検知システムによる融着接続装置の盗難の検知方法を示すフローチャートである。
図10図10は、図3に示す盗難検知システムにおける融着接続装置のロック処理を示すシーケンス図である。
図11図11の(a)部及び(b)部は、融着接続装置の機能が装置の故障等によりロックされてしまった場合の一時的なロック解除の手法を説明するための図である。
図12図12は、融着接続装置の機能がロックされた場合の一時解除の方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[本開示が解決しようとする課題]
上述したような融着接続装置は、例えば光ファイバを敷設する現場において使用される。敷設現場では、融着接続装置の使用者は、光ファイバの融着作業以外の作業も行うため、融着接続装置から離れることがあり、この際に融着接続装置が盗難にあってしまうことがある。このような盗難に備え、パスワードによるロック機構といったセキュリティ機能を融着接続装置に設けることが考えられる。しかしながら、パスワードのようなセキュリティ機能では、融着接続装置の盗難そのものを抑止することは難しく、また、パスワードを解除できれば転売されてしまう可能性もあり、盗難の抑止といった観点では更なる改良が望まれていた。
【0007】
そこで、融着接続装置の盗難を抑止できる盗難検知システムが検討されている。このような盗難検知システムでは、融着接続装置の盗難が検知された場合に盗難があったことを使用者に直ちに報知すると共に、その融着接続装置の機能をロックして使用不能とすることが考えられ、十分な盗難防止効果を期待することができる。一方、装置の一部故障などにより実際には盗難されていないのに盗難状態であると誤認し、融着接続装置がロックされて使用不能になってしまうことも考えられる。このようなロックは融着接続装置内に予め内蔵されているマスターキーなどを用いて解除できる仕組みにしておくことが可能であるが、その場合であってもセキュリティ上の要請からサポートセンターに連絡して本人確認するなどの所定の手続きを要件とする必要があり、ロック解除までに時間がかかる虞がある。そのため、ロック解除するのに例えば1日から数日かかってしまい、その間、融着接続装置による作業を中断せざるを得ないことになり、その改善が望まれている。
【0008】
[本開示の効果]
本開示によれば、融着接続装置の盗難を抑止することができると共に、故障等により盗難と誤認して装置がロックされた場合でも作業を継続することができる。
【0009】
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態を列記して説明する。本発明の一態様に係る盗難検知システムは、外部の盗難検知装置と協働して自機が盗難状態にあるか否かを検知可能な融着接続装置である。この融着接続装置は、所定の通信手法を介して盗難検知装置と相互接続するために盗難検知装置を認証する認証処理部と、認証処理部により認証処理された盗難検知装置の識別情報を格納する格納部と、盗難検知装置との間での所定の通信手法による通信状況に基づいて当該融着接続装置が盗難状態であるか否かを判定する判定部と、判定部により当該融着接続装置が盗難状態にあると判定された場合に当該融着接続装置の機能の少なくとも一部をロックするロック部と、ロック部による融着接続装置の機能のロックを一時的に解除する解除部と、解除部によるロック解除のための解除IDの入力を受け付ける入力部と、を備え、解除部は、入力部から入力された解除IDが格納部に格納されている識別情報に対応している場合にロックを一時的に解除する。
【0010】
この融着接続装置では、盗難検知装置との間での通信状況に基づいて融着接続装置が盗難状態であるか否かを判定部が判定し、盗難状態にあると判定された場合に融着接続装置の機能の少なくとも一部をロック部がロックする。また、認証処理された盗難検知装置の識別情報を格納部が格納しており、解除部は、入力部から入力された解除IDがこの識別情報に対応している場合に上述したロックを一時的に解除する。このため、この融着接続装置によれば、判定部による判定とロック部による機能ロックとにより融着接続装置の盗難を抑止することができると共に、解除部により盗難検知に伴う機能ロックの一時的な解除を容易に実現することができる。この結果、盗難検知装置の故障や盗難検知装置との間での通信(無線など)の不具合などにより通信状況が悪化して融着接続装置が盗難状態であると誤判定されてしまい装置機能がロックされてしまった場合であっても、識別情報を用いて当該ロックを解除することができるため、融着接続装置による作業中断を回避して、作業を継続することが可能となる。なお、上述したロック解除は一時的なものであることから、融着接続装置の盗難を抑止する機能への影響は少なくすることが可能である。
【0011】
この融着接続装置では、判定部は、所定の通信手法による盗難検知装置からの無線通信が所定期間受信できなかった場合に融着接続装置が盗難状態にあると判定してもよい。盗難検知装置や融着接続装置の通信部が故障等した場合、盗難検知装置と融着接続装置との間の無線が完全に途絶えてしまう。このため、判定部が、盗難検知装置からの無線通信が所定期間受信できなかった場合に融着接続装置が盗難状態にあると判定することにより、かかる故障の状況をより確実に検知することができる。
【0012】
この融着接続装置では、格納部は、格納している盗難検知装置の識別情報を所定期間の経過後に消去又は使用不能にする処理を実行してもよい。このような処理を実行することにより、融着接続装置におけるロック機能の解除をより確実に一時的なものとすることができ、融着接続装置の盗難をより確実に抑止することができる。
【0013】
この融着接続装置では、ロック部は、解除部によってロックを一時的に解除した後に融着接続装置の機能を再度ロックしてもよい。これにより、融着接続装置の盗難をより確実に抑止することができる。
【0014】
この融着接続装置では、盗難検知装置の識別情報は、認証処理部による盗難検知装置の認証の際に取得されてもよく、その識別情報が格納部に格納されてもよい。この場合、盗難検知装置の識別情報をより確実に取得することができる。
【0015】
本発明の一態様に係る盗難検知システムは、融着接続装置の盗難状態を盗難検知装置によって検知するための盗難検知システムである。この盗難検知システムは、所定の通信手法を介して融着接続装置と盗難検知装置との間を相互接続するために融着接続装置を認証する認証処理部と、認証処理部により融着接続装置との間で無線接続された無線状況データを取得する取得部と、取得部で取得される無線状況データの変化に基づいて当該融着接続装置が盗難状態であるか否かを判定する判定部と、判定部により当該融着接続装置が盗難状態にあると判定された場合に報知する報知部と、を備える。この盗難検知システムにおいて、上述した認証処理部、取得部、判定部、及び報知部はその全てが盗難検知装置に設けられてもよいが、その一部が盗難検知システムにおける盗難検知装置以外の装置(中央管理サーバ等)に設けられてもよい。また、盗難検知装置は、盗難検知を行うための専用器でもよいが、汎用性のある情報端末(例えばスマートフォン)などであってもよく、この場合は、上述した機能を情報端末などのコンピュータシステムに実行させるプログラムをインストールすることにより実現できる。
【0016】
この盗難検知システムは、融着接続装置と盗難検知装置との間の電波強度及び応答時間の少なくとも一方と、融着接続装置と盗難検知装置との間の距離との関係データを格納する距離テーブルを更に備えてもよい。この場合、判定部は、距離テーブルに格納された電波強度及び応答時間の少なくとも一方に基づいて融着接続装置と盗難検知装置との間の距離を算出し、当該距離の変化に基づいて融着接続装置が盗難状態であるか否かを判定してもよい。
【0017】
この盗難検知システムでは、取得部は、無線状況データである融着接続装置と盗難検知装置との間の電波強度及び応答時間の少なくとも一方のデータを所定の周期で取得してもよい。この場合、判定部は、無線状況データを取得する毎に融着接続装置と盗難検知装置との間の距離を算出し、当該距離がその前に取得された距離よりも遠くなることが連続した場合に、融着接続装置が盗難状態であると判定してもよい。
【0018】
この盗難検知システムは、融着接続装置が盗難状態にあると判定されて融着接続装置の融着機構がロックされた場合には、当該ロックを一時的に解除するための解除部を更に備えてもよい。また、盗難検知システムは、融着接続装置が盗難状態にあると判定された場合に、当該融着接続装置の位置情報を取得する位置取得部を更に備えてもよい。
【0019】
本発明の一態様に係る盗難検知方法は、融着接続装置の盗難を盗難検知装置によって検知する方法である。この盗難検知方法は、融着接続装置と盗難検知装置との間の相互認証を行って融着接続装置と盗難検知装置との間を無線接続させるステップと、無線接続された融着接続装置と盗難検知装置との間の無線状況データの基準値を取得するステップと、無線状況データの基準値を取得した後に、無線接続された融着接続装置と盗難検知装置との間の無線状況データを所定の周期で取得するステップと、所定の周期で取得する無線状況データに基づいて融着接続装置が盗難されているか否かを判定するステップと、を備える。この盗難検知方法において、上述した各ステップは盗難検知装置及び融着接続装置の何れかによって実行されてもよいが、その一部のステップが盗難検知装置及び融着接続装置以外の装置(例えば、盗難検知システムにおける中央管理サーバ等)によって行われてもよい。
【0020】
この盗難検知方法において、盗難を判定するステップでは、融着接続装置と盗難検知装置との間の電波強度及び応答時間の少なくとも一方と、融着接続装置と盗難検知装置との間の距離との関係データを格納する距離テーブルを参照してもよく、距離テーブルに格納された電波強度及び応答時間の少なくとも一方に基づいて融着接続装置と盗難検知装置との間の距離を算出してもよい。そして、当該距離の変化に基づいて融着接続装置が盗難状態であるか否かを判定してもよい。
【0021】
この盗難検知方法において、無線状況データを所定の周期で取得するステップでは、無線状況データである融着接続装置と盗難検知装置との間の電波強度及び応答時間の少なくとも一方のデータを所定の周期で取得してもよい。また、盗難を判定するステップでは、無線状況データを取得する度に融着接続装置と盗難検知装置との間の距離を算出し、当該距離がその前に取得された距離よりも遠くなることが連続する場合に、融着接続装置が盗難状態であると判定してもよい。
【0022】
この盗難検知方法において、無線状況データの基準値を取得するステップでは、融着接続装置と盗難検知装置との間の電波強度及び応答時間の少なくとも一方を取得してもよい。また、この盗難検知方法は、融着接続装置が盗難状態にあると判定された場合に、当該融着接続装置の位置情報を取得するステップを更に備えてもよい。
【0023】
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る融着接続装置を、以下に図面を参照しつつ説明する。本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0024】
盗難検知機能を有する融着接続装置10を図1及び図2を参照して説明する。図1及び図2は、融着接続装置の外観を示す斜視図であり、図1は、風防カバーが閉じている状態の融着接続装置の外観を示し、図2は、風防カバーが開けられて融着接続装置の内部構造が見える状態の外観を示す。融着接続装置10は、光ファイバ同士を融着接続するための装置であり、図1及び図2に示すように、箱状の筐体2を備えている。筐体2の上部には、光ファイバ同士を融着するための融着器3と、融着器3で融着された光ファイバの融着接続部に被せられたファイバ補強スリーブを加熱収縮させる加熱器4とが設けられている。融着接続装置10は、筐体2の内部に配置されたカメラ(図示せず)によって撮像された光ファイバ同士の融着接続状況を表示するモニタ5を備えている。さらに、融着接続装置10は、融着器3への風の進入を防止するための風防カバー6を備えている。
【0025】
融着器3は、一対の光ファイバホルダ3aを載置可能なホルダ載置部と、一対のファイバ位置決め部3bと、一対の放電電極3cとを有している。融着対象の光ファイバそれぞれは光ファイバホルダ3aに保持固定され、当該光ファイバホルダはそれぞれホルダ載置部に載置固定される。ファイバ位置決め部3bは、光ファイバホルダ3a同士の間に配置され、光ファイバホルダ3aのそれぞれに保持された光ファイバの先端部を位置決めする。放電電極3cは、ファイバ位置決め部3b同士の間に配置され、アーク放電によって光ファイバの先端同士を融着するための電極である。
【0026】
風防カバー6は、融着器3を開閉自在に覆うように筐体2に連結されている。風防カバー6の側面6aのそれぞれには、融着器3へ(すなわち光ファイバホルダ3aのそれぞれへ)光ファイバを導入するための導入口6bが形成されている。
【0027】
次に、融着接続装置10の盗難状態を検知するための盗難検知システム1の構成について、図3を参照して説明する。図3は、融着接続装置の盗難検知システムの概要を示すブロック図である。図3に示すように、盗難検知システム1は、互いに無線接続されることが可能な融着接続装置10と情報端末20とを備えており、両者間の無線通信の状況に応じて融着接続装置10が盗難状態であるか否かを判定し、盗難状態であると判定した場合に使用者に対して報知を行い、又は、融着接続装置10の諸機能をロック(動作不能)する機能を有している。図3では、1つの融着接続装置10が1つの情報端末20に無線接続される例が示されているが、複数の融着接続装置10が1つの情報端末20に無線接続される構成でもよく、また、1つ又は複数の融着接続装置10が複数の情報端末20に無線接続される構成でもよい。
【0028】
盗難検知装置として機能する情報端末20の構成について説明する。情報端末20は、例えば、スマートフォンなどの携帯型無線通信端末から構成され、無線通信部21、認証処理部22、表示部23、取得部24、判定部25、報知部26、解除部27、位置取得部28、及び距離テーブル29を備えている。情報端末20は、図5に示すように、CPU20a、RAM20b、ROM20c、入力装置20d、無線通信モジュール20e、補助記憶装置20f、及び出力装置20g等のハードウェアを備えるコンピュータを含むものとして構成される。これらの構成要素がプログラム等により動作することにより、後述する情報端末20の各機能が発揮される。また、これらの機能については、盗難検知システム1の中央管理サーバ等から情報端末20に有線又は無線通信を介して所定のプログラムをインストールすることにより、情報端末20に各機能を実装することが可能である。融着接続装置10の各機能も同様にインストールして実装するようにしてもよい。
【0029】
無線通信部21は、無線通信モジュール20eから構成され、融着接続装置10の無線通信部11との間で無線通信により各種のメッセージ信号の送受信を行う。無線通信部21は、例えば、端末に内蔵される無線LANモジュールなどから構成され、無線通信部11の無線規格に対応するように、例えばIEEE802.11に準拠した2.4GHz帯での通信を行う。無線通信部11との間で無線通信を行うことができれば、他の帯域や通信規格であってもよい。
【0030】
認証処理部22は、融着接続装置10(認証処理部12)との間でペアリング処理等の認証作業を行う。認証処理部22は、融着接続装置10との間でペアリング処理を行うためのペアリング情報である4桁の数字を、後述する表示部23により表示させると共に、当該4桁の数字を含むメッセージ信号を、無線通信部21を介して、融着接続装置10(認証処理部12)に送信する。認証処理部22は、融着接続装置10(認証処理部12)からの、「ペアリングをする」旨の情報が含まれたメッセージ信号を受け取った場合には、融着接続装置10との間でのペアリング処理を完了させる。認証処理部22は、融着接続装置10からの「ペアリングをする」旨の情報を受け取った際には、かかる情報を盗難検知システムを含むシステムを統括する管理サーバ(不図示)に送信しておいてもよい。認証処理部22は、上述したペアリング処理の際に、情報端末20の個体を識別する識別ID(例えば情報端末20の電話番号やメールアドレス等)を、無線通信部21,11を介して、融着接続装置10に送信する。
【0031】
表示部23は、情報端末20における各種の情報を表示する部分である。表示部23は、認証処理部22で生成したペアリングのための4桁の数字を情報端末20のディスプレイに所定時間(例えば、ペアリング待機時間10秒)表示させる。表示部23は、盗難検知システム1で盗難の有無を検知する間隔(例えば、1分毎、10分毎、1時間毎、1日毎)や盗難の有無を検知する総時間(10分間、1時間、1日、30日など)を選択画面としてディスプレイに表示し、作業者が選択した希望間隔や希望総時間を取得部24に受け渡す。
【0032】
取得部24は、認証処理により互いが無線接続された融着接続装置10と情報端末20との間の無線状況データを取得する。取得部24は、無線状況データとして、例えば、融着接続装置10と情報端末20との間の無線電波強度や通信の応答時間を、所定の周期(上述した検知間隔)で取得する。取得部24は、無線状況データとして、融着接続装置10と情報端末20との間の無線電波強度のみを取得してもよいし、融着接続装置10と情報端末20との間の通信の応答時間のみを取得してもよいし、無線電波強度と応答時間との両方を取得してもよい。取得部24で取得する無線状況データは、上記のものに限定されるわけではなく、融着接続装置10と情報端末20との間の距離の変化に対応する無線関連の情報であれば、他の情報を取得して用いてもよい。
【0033】
判定部25は、取得部24により取得される無線状況データの変化に基づいて、融着接続装置10が情報端末20から離れる方向に移動しているか否かを判定する。具体的には、判定部25は、取得部24により取得される無線状況データ(電波強度及び/又は応答時間)を、距離テーブル29(図6参照)に照合して、融着接続装置10と情報端末20との間の距離を算出する。距離テーブル29には、例えば図6に示すように、融着接続装置10と情報端末20との間の無線状況データ(電波強度及び応答時間)と、融着接続装置10と情報端末20との間の距離との関係が予め定められている。距離テーブル29に記載の距離情報等は、現場で得られた電波強度や応答時間に応じて、微調整されるように所定の関係式を予め含めるようにしておいてもよい。
【0034】
判定部25は、距離テーブル29に照合して算出された距離がその前に算出された距離よりも大きい場合(変化があった場合)、融着接続装置10が情報端末20から離れる方向に移動していると判定する(図7参照)。判定部25は、この判定の際、算出された距離がその前に算出された距離よりも大きいといった判定が所定回数(例えば3回)連続した場合に、融着接続装置10が情報端末20から離れる方向に移動していると判定してもよい。この場合、盗難でない場合の融着接続装置10の移動を間違って盗難状態として検出することをより確実に排除できる。
【0035】
報知部26は、融着接続装置10が情報端末20から離れる方向に移動していると判定部25が判定した場合に、情報端末20において所定の報知処理を行い、作業者に知らせる部分である。報知部26は、このような盗難状態が検知された場合には、音(ブザー)、画面メッセージ表示、又は、振動付与などの報知手段により使用者に報知する。これにより、情報端末20を保持している使用者が、融着接続装置10の盗難状況を検知することが可能となる。
【0036】
解除部27は、融着接続装置10が盗難状態にあると判定されて融着機構をロックした場合に、そのロックを情報端末20側から解除するための部分である。解除部27は、所定の条件によりロックされた融着接続装置10のロックの解除指示を使用者からの入力処理により受け付けると、認証処理部22で保有しているペアリング情報を含む解除信号を生成し、無線通信部21を介して、当該解除信号を融着接続装置10に送信する。融着接続装置10側では、解除信号を受信すると、解除信号に含まれているペアリング情報を照合し、融着接続装置10側で保持しているペアリング情報と一致した場合、ロック部16により、当該ロック処理を解除する。これにより、融着接続装置10のロックを情報端末20側から解除することができる。上述した解除部27の機能を、盗難検知システム1を含む統合システムのサーバ上に設けるようにしてもよい。この場合でも、サーバは、上記と同様に、予め取得している認証情報であるペアリング情報を用いて当該ロック部16によるロックを解除する信号をいずれかの無線通信手段を介して融着接続装置10に送信してロック解除処理を行うことができる。解除部27は、上述したペアリング情報に代えて、若しくはペアリング情報と共に、情報端末20の識別IDを解除信号として用いてもよい。
【0037】
位置取得部28は、融着接続装置10が情報端末20から離れる方向に移動していると判定部25が判定した場合、又は、融着接続装置10と情報端末20との間の無線通信が切断されたと判定された場合に、融着接続装置10が盗難されたと判断し、融着接続装置10の位置情報を取得する。融着接続装置10が仮に盗難された場合には盗難届けや盗難保険の申請等を行うことになるが、その際、盗難場所を示す必要がある。そこで、情報端末20がこのような盗難位置の近似情報を取得しておくことにより、かかる申請の際に位置情報の証明を容易なものとすることができる。位置取得部28は、例えばGPS等を含んで構成され、GPS等による位置情報を取得する。位置取得部28は、融着接続装置10の位置情報を常時或いは定期的に取得する構成とし、上記判定された際に当該位置情報を特定位置情報として取得するようにしてもよい。
【0038】
次に、上述した盗難検知装置である情報端末20と協働して自機が盗難状態であるか否かを検知可能な融着接続装置10について説明する。融着接続装置10は、図3に示すように、機能的には、無線通信部11、認証処理部12、表示部13、応答処理部14、判定部15、ロック部16、格納部17、解除部18、及び入力部19を備え、更にこれらを駆動するための電源部(電池)を備えている。融着接続装置10は、図4に示すように、その制御部として、CPU10a、RAM10b、ROM10c、入力装置10d、無線通信モジュール10e、補助記憶装置10f、及び出力装置10g等のハードウェアを備えるコンピュータを含むものとして構成される。これらの構成要素がプログラム等により動作することにより、後述する融着接続装置10の各機能が発揮される。融着接続装置10は、制御部以外としては、各種の融着接続機構10hを含む。
【0039】
無線通信部11は、情報端末20(無線通信部21)との間で無線通信を行う部分である。無線通信部11は、例えば、無線LANカードなどから構成され、IEEE802.11に準拠した2.4GHz帯での無線通信を情報端末20との間で行う。
【0040】
認証処理部12は、無線通信部11,21を介して、情報端末20(認証処理部22)との間でペアリング処理等の認証作業を行う部分である。認証処理部12は、情報端末20からペアリング情報を含むメッセージ信号(例えばテキスト(TXT)ファイル)として送信され無線通信部11により受信された信号からペアリング情報を抽出し、例えばペアリング情報となる4桁の数字情報を取得する。認証処理部12は、この取得した4桁の数字情報を表示部13に受け渡し、その数字を所定時間、モニタ等に表示させると共に、情報端末20との間で「ペアリングをする/しない」の選択画面を表示部13により表示させる。認証処理部12は、後述する表示部13から、情報端末20との間で「ペアリングをする」旨の選択情報を受け取った場合には、その旨のメッセージ信号を生成し、無線通信部11を介して、情報端末20(無線通信部21及び認証処理部22)に送信する。認証処理部12は、ペアリング処理の際に、情報端末20の個体を識別する識別ID(例えば情報端末20の電話番号又はメールアドレス等)を取得し、その識別IDを情報端末20の識別情報として格納部17に受け渡す(図11の(a)部を参照)。格納部17は当該識別情報を格納する。
【0041】
表示部13は、例えば上述したモニタ5を含んで構成され、情報端末20との間でのペアリング処理の際に必要となる4桁の数字や情報端末20との間でペアリングをする/しない等の選択画面を、認証処理部12からの指示情報に基づいて表示する。表示部13は、認証処理部12が取得したペアリング情報の4桁の数字に基づいて当該4桁の数字をモニタ5等に表示させると共に、情報端末20との間で「ペアリングをする/しない」の選択画面を表示する。表示部13は、情報端末20との間で「ペアリングをする」が選択された場合には、選択する旨の情報を認証処理部12に受け渡す。
【0042】
応答処理部14は、情報端末20との間でペアリング処理(認証)が完了した後に、情報端末20から所定の周期で送られてくるメッセージ信号(状況確認情報)に対して、所定の応答、例えば1つの受信メッセージに対して1つの送達確認信号の返信を、無線通信部11を介して、下位のプロトコルレベルにて情報端末20に対して行う。情報端末20は、かかる送達確認信号の受信により、後述する無線信号の応答時間(図6参照)を算出することが可能となっている。
【0043】
判定部15は、情報端末20との間での無線通信による通信状況に基づいて、融着接続装置10が盗難状態であるか否かを副次的に判定する部分である。盗難状態の主判定は、前述した情報端末20の判定部25によって実行される。判定部15は、ペアリング処理後に情報端末20から所定周期で無線送信されてくるメッセージ信号の存在やファイル内のペアリング番号を確認し、メッセージ信号が所定周期毎に送られてきていることが確認できた場合やペアリング番号が合致した場合、受け取ったメッセージ信号を削除する処理を行う。一方、判定部15は、所定周期での確認処理を行った際にメッセージ信号が存在しない(送信がなかった)又はペアリング番号が不一致だった場合には、融着接続装置10が盗難状態にあると判定する。ここでいう「盗難状態にあるか否かの判定」は、実際に盗難されているかどうかを直接判定するものではなく、盗難された場合に起こりえる状態(例えば、融着接続装置10が当初の位置から離れてしまい、無線通信ができなくなってしまうような状態)であるか否かを判定するものである。判定部15は、メッセージ信号の非存在又はペアリング番号の不一致が規定回数(例えば3回)連続して発生した場合に、融着接続装置10が盗難状態であると判定してもよい。これにより、融着接続装置10が盗難状態であることをより高精度に判定することができる。
【0044】
ロック部16は、判定部15により融着接続装置10が盗難状態にあると判定された場合に融着接続装置10の各機能の全部又はその一部をロックし、使用不能とする部分である。ロック部16は、融着接続装置10が盗難状態にあると判定された場合に、融着接続装置10の融着接続機能(アーク放電によるファイバ同士の融着やファイバ補強スリーブの加熱等の融着接続機構10h)の全部又は一部を電子的にロックして、使用不能とさせる。ロック部16は、かかるロック処理を行う際、警察への自動通報処理や防犯用のブザー報知等を併せて行うようにしてもよい。
【0045】
格納部17は、認証処理部12により認証処理された情報端末20の識別ID(識別情報)を格納する部分である。格納部17は、後述する解除部18から情報端末20の識別IDの参照があった場合に、格納している情報端末20の識別IDを解除部18に受け渡す。また、格納部17は、格納している情報端末20の識別IDを情報端末20からの無線通信が最後に確認されてから所定期間(例えば1週間)経過するまで格納し、その後、当該識別IDのデータを消去する。格納部17は、格納している情報端末20の識別IDを所定期間が経過した後に消去する代わりに、所定期間が経過した後に当該識別IDを使用不能とする処理をしてもよい。この場合には、予め定めた秘匿の回復手法により、使用不能とされた識別IDを復旧することが可能となる。
【0046】
解除部18は、ロック部16による融着接続装置10の機能のロックを一時的に解除する部分である。解除部18は、情報端末20等の故障により無線による送受信が途絶し、ロック部16によって融着接続装置10の機能がロックされてしまった場合であって、使用者が融着接続装置10を一時的に使用したい場合に、当該ロックを一時的に解除する部分である。解除部18は、使用者からのロック解除の入力を入力部19を介して受け付けると、まずは解除IDの入力画面を表示部13に表示させる。そして、解除部18は、使用者から入力された解除IDが、格納部17に格納されている情報端末20の識別IDと一致するか否かを判定し、解除IDと識別IDとが一致した場合に、ロック部16による融着接続装置10の機能のロックを一時的に解除する(図11の(b)部を参照)。一時的な解除期間は、例えば1日~数日である。ロック部16によるロックを解除部18が一時的に解除した後、上述した所定の期間が経過すると、ロック部16は、解除部18によるロック解除を取り消す処理を行い、再度ロック状態とする。解除部18は、解除IDに照合させるための識別情報として情報端末20の識別IDを用いることが好ましいが、これに代えて、ペアリング情報を情報端末20の識別情報として用いて、解除IDと照合するようにしてもよいし、識別IDに基づいて生成された別のIDを用いてもよい。
【0047】
電源部(電池)は、融着接続装置10の筐体内部に収容される。この電源部からは盗難検知システム1に対し、常時、電力が供給されることが好ましい。これによって、融着接続装置10(融着接続機能)の使用状態に影響されず、常時、盗難検知システムが動作することが可能となる。電源部は、融着接続機構を駆動するためのものと共用してもよい。安全性を優先するのであれば、電源部は、融着接続機構を駆動する電源部とは異なるものとし、盗難検知システム用の電源部は容易にユーザが取り出せない場所に収容することとしてもよい。
【0048】
次に、本実施形態に係る盗難検知システム1におけるペアリング処理(認証処理)について、図8を参照して説明する。図8は、盗難検知システム1において、融着接続装置10と情報端末20との間でペアリング処理を行うためのシーケンス図である。
【0049】
図8に示すように、盗難検知システム1では、まず情報端末20側で、盗難検知システムのためのアプリケーションが使用者により起動される(ステップS1)。情報端末20では、このアプリケーションが起動されると、盗難防止システム用の画面が表示され、その画面にペアリング用の4桁の数字が表示部23により所定時間(例えばペアリング待機時間として10秒)表示される(ステップS2)。情報端末20は、ステップS2の画面表示と略同時に、相互認証するためのペアリング情報を含むメッセージ信号(例えばTXTファイル)の融着接続装置10へのアップロード(送信)を無線通信部21により行う(ステップS3)。このメッセージ信号はテキストファイルに限られず、他の形式でもよい。
【0050】
次に、ペアリング情報を含むメッセージ信号を無線通信部11により受け取った融着接続装置10では、メッセージ信号に含まれるペアリングのための4桁の数値情報を認証処理部12が抽出し、モニタ等に4桁の数字を表示する。また、融着接続装置10は、情報端末20との間でペアリングする/しない等の選択画面を認証処理部12によりモニタに表示させる。そして、融着接続装置10の使用者(情報端末20の使用者と同じ)がペアリングする/しないの何れかの選択項目を選択する(ステップS5)。融着接続装置10は、ペアリングをする旨の選択を認証処理部12により受け付けた場合には、ペアリングをする旨のメッセージ信号(ペアリング選択結果情報)を生成して、無線通信部11を介して情報端末20へ送信(アップロード)する(ステップS6)。融着接続装置10は、ペアリングしない旨の選択を受け付けた場合には、認証処理部12により処理を終了する(ステップS7)。
【0051】
次に、ペアリングする旨の情報(ペアリング選択結果情報)を受け取った情報端末20は、盗難検知、電波強度、応答時間等の検知を行う所定の周期の設定を取得部24により行う。情報端末20は、例えば、表示部23により、盗難検知システム1で盗難の有無等を検知する間隔(例えば、1分毎、10分毎、1時間毎、又は1日毎)、及び/又は、盗難の有無を検知する総時間(10分間、1時間、1日、又は30日など)を選択画面としてディスプレイに表示し、作業者が選択した希望間隔及び/又は総時間を取得部24により設定する。また、情報端末20は、かかる希望間隔及び/又は総時間といった情報(ペアリング設定情報)をペアリングされた融着接続装置10へ送信する(ステップS9)。情報端末20は、融着接続装置10より受け取ったペアリング情報(ペアリング選択結果情報)を、システム全体を統括する管理サーバに送信してもよい(ステップS8)。ステップS8については、上記検知間隔及び/又は総時間等を設定した後に、これらの情報(ペアリング選択結果情報、ペアリング設定情報)を管理サーバに送信することとしてもよい。以上の処理により、盗難検知システム1による盗難検知が開始される(ステップS10)。
【0052】
次に、図9を参照して、ペアリングがされた融着接続装置10の盗難を情報端末20で検知するための方法について説明する。図9は、盗難検知システム1での盗難検知の方法を示すフローチャートである。
【0053】
図9に示すように、ペアリング処理がされた融着接続装置10と情報端末20とを1m以内に配置し、その際の(基準位置での)融着接続装置10と情報端末20との間の電波強度を取得部24により測定する(ステップS11)。本実施形態では、例えば、この際の電波強度が-40dBmとする。
【0054】
続いて、情報端末20は、盗難検知処理が開始されてから所定の時間(例えば1時間)経過したか否かを取得部24により判断する(ステップS12)。ステップS12の所定の時間経過の判断の結果、所定時間が経過していた場合、情報端末20は、融着接続装置10と情報端末20との間の電波強度を取得部24により再度測定する(ステップS13)。情報端末20の判定部25は、この測定された電波強度を図6に示す距離テーブル29に照合し、融着接続装置10と情報端末20との間の距離を算出する(ステップS14)。この距離がその前に測定された電波強度に基づく距離よりも大きい場合、ステップS15に進む。
【0055】
情報端末20では、ステップS14での判定で、測定された電波強度及び距離テーブル29に基づいて照合算出された融着接続装置10と情報端末20との間の距離が、その前に測定された電波強度に基づく距離よりも大きいと判定されることが所定回数(例えば連続して3回)あった場合(ステップS15)、判定部25は、融着接続装置10が情報端末20から離れる方向に移動している、即ち、融着接続装置10が盗難状態にあると検知する(ステップS16)。そして、情報端末20では、融着接続装置10が盗難状態にあると検知された場合、ブザーなどの報知処理を行い、使用者に放置する(ステップS17)。使用者は、かかる報知により、融着接続装置10が盗難情報であることを知ることができる。このような盗難状態であってかつ融着接続装置10へかかる情報を送信できる場合(まだ無線が切断までされていない場合)には、融着接続装置10へ情報端末20から離れる方向に移動している旨の信号を送信して、融着接続装置10でのロック部16による融着接続機構10hの動作ロックを行ってもよい。また、上述した例では、電波強度を例にとって、盗難検知の判定方法を示したが、図6に示す応答時間を用いて盗難検知をする場合でも同様である。
【0056】
次に、図10を参照して、融着接続装置10における融着接続機構のロック処理について説明する。図10に示すシーケンスの一部又は全部は、図9に示す盗難検知フローと実質的に重複する処理であることもあるが、別々に行うようにしてもよい。
【0057】
まず、情報端末20では、所定の検知間隔が経過すると(ステップS21)、融着接続装置10が盗難されていないかどうかのメッセージ信号(状況確認情報)(例えばTXTファイル)を融着接続装置10へ送信(アップロード)する(ステップS22)。この信号には、ペアリング番号を含むペアリング情報が含まれている。このメッセージ信号はテキストファイルに限られるものではない。
【0058】
続いて、これを受け取った融着接続装置10では、かかる信号からペアリング番号を抽出し、ロック部16がファイル内のペアリング番号を確認する(ステップS23)。そして、ロック部16は、ペアリング番号が予め自機に記憶されている番号と一致する場合には、受信したメッセージ信号(状況確認情報)を削除する(ステップS24)。ステップS24でペアリング番号が一致しない場合には、ステップS23に戻る。融着接続装置10では、この確認作業を予め定められた所定の周期で行い、ペアリング番号の不一致、若しくは、情報端末20からのメッセージ信号の未受信(非確認)が所定回数連続しているかどうかを確認する(ステップS25)。
【0059】
続いて、融着接続装置10では、判定部15は、ステップS25での判定で、ペアリング番号の不一致、若しくは、情報端末20からのメッセージ信号の未受信(非確認)が所定回数連続していると判断した場合には、融着接続装置10が盗難状態にあると判断し、ステップS26に進む。そして、ロック部16は、融着接続装置10の融着機能をロックする(ステップS26)。これにより、融着接続装置10が盗難された場合には、その使用を不能にすることができる。
【0060】
ところで、融着接続装置10の無線通信部11又は情報端末20の無線通信部21等が使用中に故障してしまい、上述した無線信号の送受信及び盗難検知処理が適切に実行できずに、実際には盗難されていないにも関わらず盗難状態と判定されて、ステップS26に示すように、ロック部16により融着接続装置10の融着機能がロックされてしまうことが考えられる。そこで、融着接続装置10は、このような場合に一時的なロックを解除できる構成を設けてもよい。
【0061】
具体的には、図12に示すように、情報端末20の無線装置の故障等により、融着接続装置10の融着接続機能がロックされてしまった場合(ステップS31)、使用者は、一時的なロック解除をするための解除処理の開始を入力部19に対して行う(ステップS32)。
【0062】
続いて、融着接続装置10は、入力部19に対して一時的なロック解除をするための解除処理の入力がされると、ロック解除を行うための解除IDの入力を使用者に対して促すため、解除IDを入力するための画面を表示させる(ステップS33)。
【0063】
続いて、解除IDが入力されると、解除部18は、格納部17に格納されている情報端末20の識別IDを読み出し、入力された解除IDが情報端末20の識別IDに一致しているか否かを照合する(ステップS34)。解除部18は、入力された解除IDが識別IDに一致した場合には、ロック部16によってロックされた融着接続装置10の機能のロックを解除して、使用可能とする処理を実行する(ステップS35)。以上により、使用者は、融着接続装置10を一時的に使用することが可能となる。なお、上記の解除は一時的なものであることから、所定の期間(1日~数日)が経過した後、ロック部16は、解除部18によって解除された諸機能を再度ロックする(ステップS36)。ただ、一時的なロック解除がされる期間があるため、使用者はその間にサポートセンター等に連絡し、情報端末の復旧を行うことができるため、融着接続装置10による作業を中断することなく継続することが可能となる。
【0064】
以上、本発明に係る盗難検知システム1によれば、使用者が常時携行可能な情報端末20の位置を基準として、そこから離れる方向に融着接続装置10が移動していることを検知して使用者にその事実を容易に知らせることができるため、融着接続装置10の盗難を抑止することが可能となる。
【0065】
盗難検知システム1は、融着接続装置10と情報端末20との間の無線状況データと、融着接続装置10と情報端末20との間の距離との関係を予め定めた距離テーブル29を備えており、判定部25が、取得部24によって取得される無線状況データを距離テーブル29に照合して融着接続装置10と情報端末20との間の距離を算出し、当該算出された距離がその前に算出された距離よりも大きい場合に、融着接続装置10が情報端末20から離れる方向に移動していると判定している。このため、盗難検知システム1によれば、予め定められた距離テーブル29を用いて融着接続装置10の移動を判定しているため、判定処理を簡素なものとすることが可能となる。
【0066】
盗難検知システム1では、取得部24は、融着接続装置10と情報端末20との間の電波強度及び/又は無線通信の応答時間とを含む無線状況データを取得している。このように、盗難検知システム1によれば、他の機能付加(例えば融着接続装置の一般的なデータ管理など)のために設けられることが多い無線装置に関連する情報を利用して融着接続装置10の不正な移動を判定しているため、新たな部品を追加することなく又はその追加を少なくして、盗難防止といった新たな機能を融着接続装置10に設けることが可能となる。
【0067】
盗難検知システム1では、取得部24は、無線状況データを所定の周期で継続的に取得している。所定周期で継続的に無線状況データを取得することにより、融着接続装置10が移動により情報端末20から離れるといったことを継続して検知することができ、盗難以外の融着接続装置10の移動を判定から除外して融着接続装置10の盗難判定をより確実にして、より一層の盗難の抑止を図ることが可能となる。
【0068】
盗難検知システム1は、融着接続装置10が情報端末20から離れる方向に移動していると判定部25が判定した場合、又は、融着接続装置10と情報端末20との間の無線通信が切断されたと判定された場合に、融着接続装置10において当該融着接続装置の機能をロックするロック部16を更に備えている。このような盗難検知システム1によれば、仮に盗難された場合であっても情報端末20側からロック(使用不能処理)されるため、融着接続装置10のみを盗難してもロック解除が難しく、融着接続装置10の盗難をより一層、抑止することができる。この場合において、この盗難検知システム1は、ロック部16によるロックを解除する解除部27を更に備えていてもよい。このような解除手段を設けておくことにより、融着接続装置10がロックされた場合であっても、正当な使用者による適正な回復手続きを経ることにより、当該ロックを解除して、融着接続装置10を再度、使用に供することが可能となる。このような解除部は、認証処理部22により行われた認証情報を取得するサーバ側に設けられてもよく、サーバが、認証情報を用いて当該ロック部16によるロックを解除する信号を融着接続装置10に送信するようにしてもよい。この場合も同様の効果を奏することができる。
【0069】
盗難検知システム1は、融着接続装置10の位置情報を取得する位置取得部28を更に備えている。この構成により、仮に盗難にあった場合であっても盗難届け又は盗難保険に必要とされる盗難位置に関する位置情報を情報端末20に蓄積しておくことが可能となる。よって、仮に盗難にあった場合でも、その後の各種の処理を簡素化することができる。当該位置情報については、融着接続装置10が情報端末20から離れる方向に移動していると判定部25が判定した場合、又は、融着接続装置10と情報端末20との間の無線通信が切断されたと判定された場合に取得するようにしてもよいし、所定時間間隔で定期的に位置情報を取得、保存、更新し、上記のように判定された場合に取得した最新の位置情報を保存しておくようにしてもよい。
【0070】
融着接続装置10では、認証処理された情報端末20の識別IDを格納部17が格納しており、解除部18は、入力部19から入力された解除IDがこの識別IDに一致している場合にロック部16による装置機能のロックを一時的に解除する。このため、融着接続装置10によれば、判定部15による判定とロック部16による機能ロックとにより融着接続装置10の盗難を抑止することに加え、解除部18により盗難検知に伴う機能ロックの一時的な解除を容易に実現することができる。この結果、情報端末20の故障や情報端末20との間での通信(無線など)の不具合などにより通信状況が悪化して融着接続装置10が盗難状態であると誤判定されてしまい装置機能がロックされてしまった場合に識別IDを用いて当該ロックを一時的に解除することができるため、融着接続装置10による作業の中断を回避して、作業を継続することが可能となる。しかも、上述したロック解除は一時的なものであることから、融着接続装置10の盗難を抑止する機能への影響は少なくすることが可能である。
【0071】
融着接続装置10では、判定部15は、情報端末20からの無線通信が所定期間受信できなかった場合に融着接続装置10が盗難状態にあると判定している。情報端末20又は融着接続装置10の無線通信部11,21が故障等した場合、情報端末20と融着接続装置10との間の無線が完全に途絶えてしまうが、判定部15が、情報端末20からの無線通信が所定期間受信できなかった場合に融着接続装置10が盗難状態にあると判定することにより、かかる故障の状況をより確実に検知することができる。
【0072】
融着接続装置10では、格納部17は、格納している情報端末20の識別情報を所定期間の経過後に消去又は使用不能にする処理を実行する。この処理を実行することにより、融着接続装置10におけるロック機能の解除をより確実に一時的なものとすることができ、融着接続装置10の盗難をより確実に抑止することができる。
【0073】
融着接続装置10では、ロック部16は、解除部18によってロックを一時的に解除した後に融着接続装置10の機能を再度ロックする。これにより、融着接続装置10の盗難をより確実に抑止することができる。
【0074】
融着接続装置10では、情報端末20の識別情報は、認証処理部12による情報端末20の認証の際に取得され、その識別情報が格納部17に格納される。このため、情報端末20の識別情報をより確実に取得することができる。
【0075】
以上、本実施形態に係る盗難検知システムや融着接続装置について説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変形を適用することができる。
【符号の説明】
【0076】
1…盗難検知システム、10…融着接続装置、11,21…無線通信部、12,22…認証処理部、13,23…表示部、14…応答処理部、15…判定部、16…ロック部、17…格納部、18…解除部、19…入力部、20…情報端末、24…取得部、25…判定部、26…報知部、27…解除部、28…位置取得部、29…距離テーブル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12