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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】マルチバーリンク機構電気駆動システム
(51)【国際特許分類】
   B60K 7/00 20060101AFI20230117BHJP
   B60G 3/12 20060101ALI20230117BHJP
   H02K 7/075 20060101ALI20230117BHJP
   H02K 21/24 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
B60K7/00
B60G3/12
H02K7/075
H02K21/24 M
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2019512910
(86)(22)【出願日】2017-09-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 US2017051073
(87)【国際公開番号】W WO2018052876
(87)【国際公開日】2018-03-22
【審査請求日】2020-09-09
(31)【優先権主張番号】62/393,982
(32)【優先日】2016-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/512,469
(32)【優先日】2017-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514315012
【氏名又は名称】インディゴ テクノロジーズ, インク.
【氏名又は名称原語表記】INDIGO TECHNOLOGIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100102255
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 誠次
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100188352
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 一弘
(74)【代理人】
【識別番号】100113860
【弁理士】
【氏名又は名称】松橋 泰典
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【弁理士】
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100198074
【弁理士】
【氏名又は名称】山村 昭裕
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【氏名又は名称】富田 博行
(72)【発明者】
【氏名】ハンター イアン ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】フォフォノフ ティモシー エー.
(72)【発明者】
【氏名】マッデン ピーター ジー.
(72)【発明者】
【氏名】リュビチッチ ディーン
(72)【発明者】
【氏名】モリアーティ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】パーチェス スコット ティー.
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/155670(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第1935679(EP,A1)
【文献】特開2007-269209(JP,A)
【文献】特開2005-329817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 7/00,
B60G 3/12,
H02K 21/24, 7/075
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブ組立品、磁気ローター組立品、第一のコイルステータ組立品、および第二のコイルステータ組立品を備えるロータリーモーターシステムであって、前記ハブ組立品が回転軸を画定し、前記磁気ローター組立品、前記第一のコイルステータ組立品、および前記第二のコイルステータ組立品がそれぞれ、前記回転軸と同軸に整列し、かつ前記回転軸の周りを回転運動可能な前記ロータリーモーターシステムと、
前記第一および第二のコイルステータ組立品のそれぞれに連結され、かつ前記ハブ組立品に連結されたマルチバーリンク機構であって、前記ハブ組立品の前記回転軸が前記回転軸に対して横断方向である定められた経路に沿って移動するように、前記ハブ組立品の移動を制限し、前記ハブ組立品の前記回転軸を、相互に対して前記第一のコイルステータ組立品および前記第二のコイルステータ組立品の相対回転に応答して前記定められた経路に沿って並進移動させる前記マルチバーリンク機構と、を備え、
前記マルチバーリンク機構が、前記磁気ローター組立品の第一の側にある前記第一のコイルステータ組立品に回転可能に結合された第一のスイングアームと、前記磁気ローター組立品の前記第一の側と反対側の第二の側にある前記第二のコイルステータ組立品に回転可能に結合された第二のスイングアームと、前記第一のスイングアームに回転可能に結合され、前記第二のスイングアームに回転可能に結合された支持構造体とを備える、
電気駆動システム。
【請求項2】
ハブ組立品、磁気ローター組立品、第一のコイルステータ組立品、および第二のコイルステータ組立品を備えるロータリーモーターシステムであって、前記ハブ組立品が、回転軸を画定し、前記磁気ローター組立品、前記第一のコイルステータ組立品、および前記第二のコイルステータ組立品がそれぞれ、前記回転軸と同軸に整列し、かつ前記回転軸の周りを回転運動可能な前記ロータリーモーターシステムと、
前記第一および第二のコイルステータ組立品のそれぞれに連結され、かつ前記ハブ組立品に連結されたマルチバーリンク機構であって、第一のスイングアームおよび第二のスイングアームを備え、前記ハブ組立品の前記回転軸が前記回転軸に対して横断方向である定められた経路に沿って移動するように、前記ハブ組立品の移動を制限し、前記ハブ組立品の前記回転軸を、相互に対して前記第一のコイルステータ組立品および前記第二のコイルステータ組立品の相対回転に応答して前記定められた経路に沿って並進移動させる前記マルチバーリンク機構と、
前記第一のコイルステータ組立品を前記マルチバーリンク機構の前記第一のスイングアームに連結する第一のトルクリンクおよび前記第二のコイルステータ組立品を前記マルチバーリンク機構の前記第二のスイングアームに連結する第二のトルクリンクであって、前記第一及び第二のコイルステータ組立品の回転を許容される回転範囲内に制限する、前記第一のトルクリンクおよび前記第二のトルクリンクとを備える、
電気駆動システム。
【請求項3】
前記マルチバーリンク機構が4バーリンク機構である、請求項2に記載の電気駆動システム。
【請求項4】
前記4バーリンク機構がワットのリンク機構である、請求項3に記載の電気駆動システム。
【請求項5】
前記マルチバーリンク機構が、支持構造体および前記回転軸に沿って前記ハブ組立品内の穴を貫通するクランクシャフトを有するクランク組立品をさらに備え、前記第一のスイングアームが前記支持構造体上の第一の位置で、前記クランク組立品に回転可能に連結された第一の端部および前記支持構造体に回転可能に連結された第二の端部を有し、前記第二のスイングアームが前記支持構造体上の前記第一の位置とは異なる前記支持構造体上の第二の位置で、前記クランク組立品に回転可能に連結された第一の端部および前記支持構造体に回転可能に連結された第二の端部を有する、請求項2に記載の電気駆動システム。
【請求項6】
前記ハブ組立品が前記クランクシャフトの周りのベアリング上に取り付けられる、請求項5に記載の電気駆動システム。
【請求項7】
前記クランク組立品が、前記クランクシャフトから離れて第一の径方向に延在する第一のクランクアーム、および前記クランクシャフトから離れて第二の径方向に延在する第二のクランクアームを含む、請求項5に記載の電気駆動システム。
【請求項8】
前記第一のクランクアームおよび前記第二のクランクアームが、前記クランクシャフトの両端に位置する、請求項7に記載の電気駆動システム。
【請求項9】
前記第一の径方向が前記第二の径方向と反対である、請求項7に記載の電気駆動システム。
【請求項10】
前記回転軸を囲むホイールリムをさらに備え、前記磁気ローター組立品が、前記ホイールリムが前記磁気ローター組立品とともに前記回転軸の周りを回転するように、前記ホイールリムに結合される、請求項2に記載の電気駆動システム。
【請求項11】
前記ホイールリムが前記ロータリーモーターシステムを囲む、請求項10に記載の電気駆動システム。
【請求項12】
前記ロータリーモーターシステムが、
第一の磁気ローター、前記第一のコイルステータ組立品、および前記第一のコイルステータ組立品を前記第一の磁気ローターとは独立して前記回転軸の周りを回転可能にする第一のコイルベアリング組立品を含む第一の電動モーターと、
第二の磁気ローター、前記第二のコイルステータ組立品、および前記第二のコイルステータ組立品を前記第一の磁気ローターとは独立して、かつ前記第一のコイルステータ組立品とは独立して前記回転軸の周りを回転可能にする第二のコイルベアリング組立品を含む第二の電動モーターであって、前記磁気ローター組立品が互いにかつ前記ハブ組立品に結合される前記第一及び第二の磁気ローターを備え、前記ハブ組立品が前記回転軸の周りを回転するように構成されるベアリング上に取り付けられる前記第二の電動モーターとを備える、請求項2に記載の電気駆動システム。
【請求項13】
前記第一および第二の電動モーターが軸流束モーターである、請求項12に記載の電気駆動システム。
【請求項14】
シャーシと、
複数のホイール組立品であって、そのうちの少なくとも一つが、
ハブ組立品、磁気ローター組立品、第一のコイルステータ組立品、および第二のコイルステータ組立品を備えるロータリーモーターシステムであって、前記ハブ組立品が、回転軸を画定し、前記磁気ローター組立品、前記第一のコイルステータ組立品、および前記第二のコイルステータ組立品がそれぞれ、前記回転軸と同軸に整列し、かつ互いに独立して前記回転軸の周りを回転運動可能な、前記ロータリーモーターシステム、ならびに
前記第一および第二のコイルステータ組立品のそれぞれに連結され、かつ前記ハブ組立品に連結されたマルチバーリンク機構であって、第一のスイングアームおよび第二のスイングアームを備え、前記ハブ組立品の前記回転軸が前記回転軸に対して横断方向である定められた経路に沿って移動するように前記ハブ組立品の移動を制限し、前記ハブ組立品の前記回転軸を、相互に対して前記第一のコイルステータ組立品および第二のコイルステータ組立品の相対回転に応答して前記定められた経路に沿って並進移動させる前記マルチバーリンク機構、を備える前記複数のホイール組立品と、
前記回転軸を囲むホイールリムであって、前記磁気ローター組立品が、前記ホイールリムが前記磁気ローター組立品と共に前記回転軸の周りを回転するように、前記ホイールリムに結合される、前記ホイールリムと、
前記第一のコイルステータ組立品を前記マルチバーリンク機構の前記第一のスイングアームに連結する第一のトルクリンクおよび前記第二のコイルステータ組立品を前記マルチバーリンク機構の前記第二のスイングアームに連結する第二のトルクリンクであって、前記第一及び第二のコイルステータ組立品の回転を許容される回転範囲内に制限する、前記第一のトルクリンクおよび前記第二のトルクリンクとを備える車両。
【請求項15】
前記マルチバーリンク機構が4バーリンク機構である、請求項14に記載の車両。
【請求項16】
前記4バーリンク機構がワットのリンク機構である、請求項15に記載の車両。
【請求項17】
前記マルチバーリンク機構が、支持構造体および前記回転軸に沿って前記ハブ組立品内の穴を貫通するクランクシャフトを有するクランク組立品をさらに備え、前記第一のスイングアームが、前記支持構造体上の第一の位置で、前記クランク組立品に回転可能に連結された第一の端部および前記支持構造体に回転可能に連結された第二の端部を有し、前記第二のスイングアームが、前記支持構造体の前記第一の位置とは異なる前記支持構造体上の第二の位置で、前記クランク組立品に回転可能に連結された第一の端部および前記支持構造体に回転可能に連結された第二の端部を有する、請求項14に記載の車両。
【請求項18】
前記ハブ組立品が前記クランクシャフトの周りのベアリング上に取り付けられる、請求項17に記載の車両。
【請求項19】
前記クランク組立品が、前記クランクシャフトから離れて第一の径方向に延在する第一のクランクアーム、および前記クランクシャフトから離れて第二の径方向に延在する第二のクランクアームを含む、請求項17に記載の車両。
【請求項20】
前記第一のクランクアームおよび前記第二のクランクアームが、前記クランクシャフトの両端に位置する、請求項19に記載の車両。
【請求項21】
前記第一の径方向が前記第二の径方向と反対である、請求項19に記載の車両。
【請求項22】
前記ロータリーモーターシステムが、
第一の磁気ローター、前記第一のコイルステータ組立品、および前記第一のコイルステータ組立品を前記第一の磁気ローターとは独立して前記回転軸の周りを回転可能にする第一のコイルベアリング組立品を含む第一の電動モーターと、
第二の磁気ローター、前記第二のコイルステータ組立品、および前記第二のコイルステータ組立品を前記第一の磁気ローターとは独立して、かつ前記第一のコイルステータ組立品とは独立して前記回転軸の周りを回転可能にする第二のコイルベアリング組立品を含む第二の電動モーターであって、前記磁気ローター組立品が互いにかつ前記ハブ組立品に結合される前記第一及び第二の磁気ローターを備え、前記ハブ組立品が前記回転軸の周りを回転するように構成されるベアリング上に取り付けられている前記第二の電動モーターとを備える、請求項14に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2016年9月13日に出願された米国仮特許出願第62/393,982号、および米国仮特許出願第62/512,469号(2017年5月30日出願)の利益を主張する。上記出願の教示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
実施形態は、一般に、電動モーター駆動組立品に関連し、より具体的には、例えば、ホイールの回転運動およびホイールの回転軸に対して横断する方向のホイールの並進運動など、二自由度を有するホイールの動きを生成することができる電動モーター駆動組立品に関連する。
【背景技術】
【0003】
ますます多くの企業が、車両を推進する手段として電動モーターを使用する車両を開発している。特に燃焼機関と比較して、電動モーターは非常にコンパクトで効率的であるよう設計することができるので、車両の各ホイール内またはそれに非常に近い位置に取り付けられた電動モーターを備える、インホイールモーターまたはハブモーターとしても使用することができる。車両駆動システムのためのより新しい画期的な一部の設計は、ホイールを回転することができるだけでなく、回転軸に対して横断する方向にホイールを移動することもできる。すなわち、それらは、二自由度、すなわち、道路に沿って車両を推進するための回転および車両に対してアクティブサスペンションを提供する移動を有する並進移動を生成することができる。
【0004】
こうしたシステムの一例は、米国特許第8,519,575号に記載されており、ローレンツ力、リニアアクチュエータの使用に基づいている。二自由度を達成するために、二つの対向するリニアアクチュエータおよびホイールリムをサポートするカム組立品と連結するカムフォロアの配列から構成されるリニア・ツー・ロータリー・コンバータを使用する。リニアアクチュエータは、ホイールの回転軸の両側に置かれて互いに対向する。二つの対向するリニアアクチュエータが、同期して互いの方向にまたは互いから離れる方向にカムフォロアを動かすように動作するとき、リニア・ツー・ロータリー・コンバータは、ホイールの純粋な回転に対するその運動を変換する。二つのリニアアクチュエータが動作してカムフォロアを同じ方向に移動させるとき(すなわち、回転軸に向かう一方の移動と(離れる他方の移動)、それによって、カム組立品およびホイールが取り付けられるホイールを、ホイールの回転軸に対して横断方向に並進移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第8,519,575号
【発明の概要】
【0006】
一般に、一態様では、本発明は、ロータリーモーターシステムおよびマルチバーリンク機構を含む電気駆動システムを特徴とする。ロータリーシステムは、ハブ組立品、第一の回転組立品、第二の回転組立品、および第三の回転組立品を含み、ハブ組立品は、回転軸を画定し、第一の回転組立品、第二の回転組立品、および第三の回転組立品はそれぞれ、回転軸と同軸に整列し、他の二つから独立して回転軸の周りを回転運動可能である。マルチバーリンク機構は、第一および第三の回転組立品のそれぞれに連結され、かつハブ組立品に連結され、ハブ組立品の回転軸が回転軸に対して横断方向である定められた経路に沿って移動するように、ハブ組立品の移動を制限する。マルチバーリンク機構は、ハブ組立品の回転軸を、相互に対する第一の回転組立品および第三の回転組立品の相対回転に応答して定められた経路に沿って並進移動させる。
【0007】
一般に、一態様では、本発明は、ロータリーモーターシステムおよびマルチバーリンク機構を含む電気駆動システムを特徴とする。ロータリーモーターシステムは、ハブ組立品、磁気ローター組立品、第一のコイルステータ組立品、および第二のコイルステータ組立品を含み、ハブ組立品は、回転軸を画定し、磁気回転組立品、第一のコイルステータ組立品、および第二のコイルステータ組立品はそれぞれ、回転軸と同軸に整列し、互いに独立して回転軸の周りを回転運動可能である。マルチバーリンク機構は、第一および第二のコイルステータ組立品のそれぞれに連結され、ハブ組立品に連結される。マルチバーリンク機構は、ハブ組立品の回転軸が回転軸に対して横断方向である定められた経路に沿って移動し、ハブ組立品の回転軸が相互に対する第一のコイルステータ組立品および第二のコイルステータ組立品の相対回転に応答して定められた経路に沿って並進移動するように、ハブ組立品の移動を制約する。
【0008】
その他の実施形態は、以下の特徴のうちの一つ又は複数を含みうる。マルチバーリンク機構は、例えば、ワットのリンク機構など、4バーリンク機構である。マルチバーリンク機構は、支持構造体、クランクシャフト組立品、第一のスイングアーム、および第二のスイングアームを含み、第一のスイングアームは、支持構造体上の第一の位置で、クランクシャフト組立品に回転可能に連結された第一の端部および支持構造体に回転可能に連結された第二の端部を有し、第二のスイングアームは、支持構造体上の第一の位置とは異なる支持構造体上の第二の位置で、クランクシャフト組立品に回転可能に連結された第一の端部および支持構造体に回転可能に連結された第二の端部を有する。クランクシャフト組立品はハブ組立品を含む。クランクシャフト組立品は、クランクシャフト、クランクシャフトから離れて第一の径方向に延在する第一のクランクアーム、およびクランクシャフトから離れて第二の径方向に延在する第二のランクアームを含む。第一のクランクアームおよび第二のクランクアームは、クランクシャフトの両端に位置する。第一の径方向は、第二の径方向と反対側である。
【0009】
さらに他の実施形態は、以下の特徴のうちの一つ又は複数を含みうる。電気駆動システムは、第一のコイルステータ組立品を第一のスイングアームに連結する第一のトルクリンクと、第二のコイルステータ組立品を第二のスイングアームに連結する第二のトルクリンクとをさらに含む。そして、回転軸を囲むホイールリムが含まれ、ホイールリムが磁気ローター組立品とともに回転軸の周りを回転するように、磁気ローター組立品はホイールリムに結合される。ホイールリムはまた、ロータリーモーターシステムを囲む。ロータリーモーターシステムは、第一の磁気ローター、第一のコイルステータ組立品、第一の磁気ローターを回転軸の周りに回転可能にするローターベアリング組立品、および第一のコイルステータ組立品を第一の磁気ローターとは独立して回転軸の周りに回転可能にする第一のコイルベアリング組立品を含む第一の電動モーターと、第二の磁気ローター、第二のコイルステータ組立品、および第二のコイルステータ組立品を第一の磁気ローターとは独立してかつ第一のコイルステータ組立品とは独立して回転軸の周りに回転可能にする第二のコイルベアリング組立品を含む第二の電動モーターとを含み、磁気ローター組立品は互いに結合されて回転軸の周りを一緒に回転する第一および第二の磁気ローターを備える。第一および第二の電動モーターは、軸流束モーターである。
【0010】
一般に、さらに別の態様では、本発明は、シャーシ、および複数のホイール組立品を含む車両を特徴とする。ホイール組立品の少なくとも一つは、ハブ組立品、磁気ローター組立品、第一のコイルステータ組立品、および第二のコイルステータ組立品を含むロータリーモーターシステムを含み、ハブ組立品は、回転軸を画定し、磁気ローター組立品、第一のコイルステータ組立品、および第二のコイルステータ組立品はそれぞれ、回転軸と同軸に整列し、および互いに独立して回転軸についての回転軸の周りを回転運動することができる。また、それには、第一および第二のコイルステータ組立品のそれぞれに連結され、ハブ組立品に連結されたマルチバーリンク機構が含まれる。マルチバーリンク機構は、ハブ組立品の回転軸が回転軸に対して横断方向である定められた経路に沿って移動し、ハブ組立品の回転軸が相互に対する第一のコイルステータ組立品および第二のコイルステータ組立品の相対回転に応答して定められた経路に沿って並進移動するように、ハブ組立品の移動を制約する。ホイール組立品はまた、回転軸を囲むホイールリムを含み、磁気ローター組立品は、ホイールリムに結合され、その結果、ホイールリムが磁気ローター組立品と共に回転軸の周りを回転する。
【0011】
ホイール組立品のその他の実施形態は、以下の特徴のうちの一つ又は複数を含みうる。マルチバーリンク機構は、例えば、ワットのリンク機構など、4バーリンク機構である。マルチバーリンク機構は、支持構造体、クランクシャフト組立品、第一のスイングアーム、および第二のスイングアームを含み、第一のスイングアームは、支持構造体上の第一の位置で、クランクシャフト組立品に回転可能に連結された第一の端部および支持構造体に回転可能に連結された第二の端部を有し、第二のスイングアームは、支持構造体上の第一の位置とは異なる支持構造体上の第二の位置で、クランクシャフト組立品に回転可能に連結された第一の端部および支持構造体に回転可能に連結された第二の端部を有する。クランクシャフト組立品はハブ組立品を含む。クランクシャフト組立品は、クランクシャフト、クランクシャフトから離れて第一の径方向に延在する第一のクランクアーム、およびクランクシャフトから離れて第二の径方向に延在する第二のクランクアームを含む。第一のクランクアームおよび第二のクランクアームは、クランクシャフトの両端に位置する。第一の径方向は、第二の径方向と反対側である。少なくとも一つのホイール組立品はまた、第一のコイルステータ組立品を第一のスイングアームに連結する第一のトルクリンクと、第二のコイルステータ組立品を第二のスイングアームに連結する第二のトルクリンクとを含む。ロータリーモーターシステムは、第一の磁気ローター、第一のコイルステータ組立品、第一の磁気ローターを回転軸の周りに回転可能にするローターベアリング組立品、および第一のコイルステータ組立品を第一の磁気ローターとは独立して回転軸の周りに回転可能にする第一のコイルベアリング組立品を含む第一の電動モーターを含む。また、ロータリーモーターシステムは、第二の磁気ローター、第二のコイルステータ組立品、および第二のコイルステータ組立品を第一の磁気ローターとは独立して、かつ第一のコイルステータ組立品とは独立して回転軸の周りに回転可能にする第二のコイルベアリング組立品を含む第二の電動モーターを含み、磁気ローター組立品は、互いに結合されて回転軸の周りを一緒に回転する第一および第二の磁気ローターを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
前述は、同様の参照文字が異なる図を通して同じ部分を参照する添付図面に示すように、例示的な実施形態の以下のより詳細な記述から明らかになろう。図面は必ずしも縮尺にしたがっているわけではなく、代わりに実施形態を例示的に示すことに重点を置く。
【0013】
図1図1は、ワットのリンク機構を図示した概略図である。
図2図2は、図1のワットのリンク機構の中心点の例示的な並進経路を示すグラフである。
図3図3は、ワットのリンク機構駆動システムの一つの実施形態の概略図である。
図4図4A~4Dは、図3のワットのリンク機構駆動システムの構成要素の並進移動を示す一連の概略図である。
図5A図5Aは、マルチバーリンク機構駆動システムの別の実施形態の概略図を示す。
図5B図5Bは、ローターのセクションおよび他方のステータを可視にするために取り除かれたステータスの一つを有する、図5Aのマルチバーリンク機構駆動システムを示す。
図6図6A~6Fは、図5Aおよび5Bに示したマルチバーリンク機構駆動システムの並進移動を図示した一連の概略図である。
図7図7は、図5Aおよび5Bに示したマルチバーリンク機構駆動システムで使用されうるなどの、2モーター軸流束駆動の構成要素を示す。
図8図8は、車両で使用するためのマルチバーリンク機構駆動システムの斜視図である。
図9図9は、内部構造を明らかにするため一部の構成要素が除去された、図8に示すマルチバーリンク駆動システムの斜視図である。
図10図10は、図8のマルチバーリンク機構駆動システムで使用されるマルチバーリンク機構構造体の斜視図である。
図11図11Aおよび11Bは、コイルステータ組立品が取り除かれた、図8に示すマルチバーリンク機構駆動システムで使用される2モーター軸流束駆動の直交および斜視断面図である。
図12図12Aおよび12Bは、コイルステータ組立品が含まれる図11A~Bに示される軸流束モーターのうちの一つの直交および斜視断面図である。
図13図13は、図8に示すマルチバーリンク機構駆動システムを使用する車両を図示した概略図である。
図14図14は、一体型ホイールおよびサスペンション組立品の別の実施形態を図示する。
図15図15は、図14の一体型ホイールおよびサスペンション組立品に使用される軸流束モーターの概略図の断面図である。
図16図16は、図14の一体型ホイールおよびサスペンション組立品に使用される軸流束モーターの概略図の正面図である。
図17図17は、図14の一体型ホイールおよびサスペンション組立品の概略図の断面図である。
図18図18Aおよび18Bは、共通動作モードの間のリンク機構の配置の動作を図示する、図14の一体型ホイールおよびサスペンション組立品の概略表現の側面図である。
図19図19は、異なる動作モードの間のリンク機構の配置の動作を図示する、図14の一体型ホイールおよびサスペンション組立品の概略図の側面図である。
図20図20Aおよび20Bは、相互連結されたリンク機構の観点から、図18Aおよび18Bによって図示された配置を示す。
図21図21は、コイルステータ組立品とサスペンションアームとの間のリンクの代替的な配置を示す。
図22図22は、サスペンションアーム中の線形ベアリングの詳細、およびスピンドルが連結されている詳細を示す。
図23図23は、図19に図示した駆動システムを用いる車両を示す。
図24図24は、図15に図示した電動モーターのためのベアリングの代替的配置を示す。
図25A図25A~Cは、回転軸が横断方向に移動することが許容される経路を定めるためのスイングアームを採用する代替案内機構を示す。
図25B】同上。
図25C】同上。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例示的な実施形態の説明は以下の通りである。
【0015】
図1は、ワットのリンク機構100を図示した概略図である。ワットのリンク機構は、リンク機構のうちの一つの中心点105が、線110によって示されるように、大部分が実質的に直線である定められた経路に沿って移動するようリンク機構の力で制限される、機械的リンク機構の配置である。ワットのリンク機構は、この特定の例において、中点が点105である短いロッド125によって共に連結された二つの長いロッド115および120の三つの移動可能なロッドを含む。三つのロッドの端部は、ヒンジ点の周りを回転できるようにヒンジ付けされる。ロッド115の一方の端部は、ヒンジ点127で固定マウント126に連結され、ロッド115の他方の端部はヒンジ点128でより短いロッド125の端部に連結される。ロッド120の一方の端部は、ヒンジ点129で短いロッド125の別の端部に連結され、ロッド120の他方の端部は別のヒンジ点131で第二の固定マウント130に連結される。固定マウント126および130は、例えば、共通のベースまたは共通の構造体に結合されることによって、互いに対して定位置に固定される。この例には三つの移動可能なロッドのみがあるが、二つの固定式マウント間の連結が第四のバーとみなされることによって、ワットのリンク機構は一般的に4バールのリンク機構とも呼ばれる。
【0016】
図1から明らかとなるように、ロッドの端点が相互に連結されていることによって拘束されても、ロッドの配向は変更できる。そのため、例えば、ロッドの初期位置は、実線で示される要素によって示されると仮定する。ロッド115がヒンジ点127に対して反時計回りにAと表示された点線の図で示される別の位置に回転すると、ロッド120が時計回りにヒンジ点131の周りを回転し、時計回りの方向の中心点に対して短いロッド125が回転する。別の方法では、ロッド115が時計回りに、Bと表示された点線の図で示される別の位置に回転すると、ロッド120が反時計回りに回転し、反時計回り方向に中心点に対して短いロッド125が回転する。ワットのリンク機構の特徴は、ロッドの配向がリンク機構の配置によって許容されるすべての可能な配向を覆う方法で変更されることであり、短いロッド125の中心点105は、定められた経路を描き、ワットのリンク機構の配置はその中心点を常に定められた経路上に置くよう制約する。図2によって示されるように、その定められた経路の形状は、その大部分がほぼ線形である8の字形状である。
【0017】
図3に示す実施形態は、二つの電動モーターと組み合わせてワットのリンク機構を使用して、ホイール(図示せず)を回転駆動し、ホイールの回転軸に対して横断する方向に制御可能に移動することの両方が可能な駆動システム300を構築する。言い換えれば、二自由度を持つ駆動システムである。
【0018】
駆動システム300は、相互に対して所定の位置に固定された二つの電動モーター340および345を含む(二つの三角形の物体によって図示する)。また、二つの等しい長さのスイングアーム315および320ならびに短いクランクアーム325から構成されるリンク機構の配置も含む。これらはそれぞれ、前に論じた図1に示すロッド115、120および125に対応する。電動モーター340によって駆動されるスイングアーム315の一方の端部にはプーリ350があり、電動モーター345によって駆動されるスイングアーム320の遠位端部に別のプーリ355がある。スイングアーム315の他方の端部で、プーリ350と対向する端部に、第二のプーリ358がある。そのプーリ358に取り付けられた、同軸に整列した肘歯車360がある。同様に、スイングアーム320の他方の端部で、プーリ355と反対側の端部には、別の取り付けられた、同軸に整列した肘歯車365を備えるプーリ363があり、肘歯車360および365と同じサイズである。クランクアーム325の中心点に位置して、二つの肘歯車360および365と同じサイズサイズで二つの肘歯車と咬合するクランクギア370がある。スイングアーム315では、駆動ベルト375がプーリ350をプーリ358に結合し、スイングアーム320では、別の駆動ベルト380がプーリ355をプーリ363に結合する。プーリ350および358は、プーリ355および363と同じ駆動比を持つ。
【0019】
図3のリンク機構駆動システム300がどのように動作するかを理解するために、二つのモーター340および345がそれらの取り付けられたプーリ350および355を同じ速度で、いくつかの方向(例えば、時計回り)に回転する場合を考えてみる。その場合、ベルト375はまた、時計回りの方向に、二つのプーリ350および358のサイズの比によって決定される速度でプーリ360も駆動する。同様に、ベルト380は、時計回りの方向に、二つのプーリ355および363のサイズの比によって決定される速度でプーリ365を駆動する。プーリの両方のセット(すなわち、プーリ350および358ならびにプーリ355およびプーリ363)が1:2の比であると仮定すると、モーター340が回転速度2ωで時計回りにプーリ350を駆動するとき、プーリ358はその半分の速度、すなわち、ωで時計回りに回転する。ギア360、365、および370は同じ比であるので、ギア370およびそれに取り付けられるドライブシャフト373は、ωの速度で反時計回り方向に回転しようとする。同様に、モーター345が回転速度2ωで時計回りにプーリ355を駆動する時、プーリ363は時計回りにその半分の速度、すなわちωで回転し、ギア370およびそれに取り付けられるドライブシャフト373は、再度、ωの速度で反時計回り方向に回転しようとする。この動作状態、すなわち、両方のモーターが同じ速度で動作することで、両方のモーターがギア370をωの速度で回転させることになり、クランクギア370を支持するクランクアーム325に0トルクがかけられることに注目されたい。すなわち、両方のモーター340および345を同じ速度で同じ方向に動作することは、駆動シャフトの純粋な回転運動を生成する駆動システムをもたらす。いずれのリンク機構にもトルクがかけられていないため、それらの配向または位置は変化しない。従って、これらの駆動条件下では、スイングアーム315および320は固定されたままであり、所定の位置に「ロック」されたままである。
【0020】
異なる速度でモーターが動作している場合、異なる状況が生じることは上記の考察より明らかである。その場合、クランクアームにトルクが掛けられ、そのトルクがリンク機構の向きを変えることになる。理由を考えるため、モーター345が2ωよりわずかに上回る速度に増加されるときに、上記の状況で何が起こるかを考えてみる。その場合、歯車365は、クランクギア370が回転する速度よりも高い速度で強制的に回転することになる。起こりうる唯一のことは、歯車365が回転する以外に、クランクギア370の周りを「歩く」かどうかである。これにより、リンク機構に互いに対してその配向を変化させ、駆動シャフトをワットのリンク機構によって課される定められた経路に沿って動くようにするクランク325にかけられるトルクをもたらす。言い換えれば、これにより、駆動シャフト372を駆動シャフトの軸に対して横断する方向に移動または並進移動させる。さらに、二つのモーターの速度が異なる限り、リンク機構は引き続き配向を変化させ、駆動シャフトの軸はその定められた経路に沿って引き続き移動する。
【0021】
二つのモーターが、同じ速度で動作して、駆動シャフトの純粋な回転運動を生成していると仮定すると、駆動シャフトの位置をある点から別の点に変更することは、二つのモーターの位相関係を変更することによって達成される。位相の変化が達成される速度は、駆動シャフトがワットのリンク機構によって決定された新しい場所に並進移動する速度を決定する。
【0022】
前述の説明では、プーリが同じサイズであり、ギアが同じサイズであり、同じ比であることが簡略のために仮定された。これは事実と異なる。プーリのサイズは、歯車のサイズと同様に異なりうる。いずれの場合でも、純粋な回転運動を達成するための主要な動作状態は、両方の歯車365および歯車360がクランクギア370を同じ速度で回転させることである。その後、一つのモーターまたは他方のモーターの速度の変化は、駆動シャフト372の並進移動を引き起こす。言い換えれば、モーター340またはモーター345のいずれかの位相の変化が、駆動シャフト372の対応する並進移動を引き起こす。
【0023】
図3に示す構成が車両の車輪の駆動システムとして使用される場合、モーター340および345は、例えば、車両のフレームまたはシャーシに取り付けられ、ホイールリムおよびタイヤは駆動シャフト372に取り付けられる。このした配置は、二自由度であることができるため、車両を推進するために、ならびに道路表面上のシャーシの高さを能動的に制御するために使用することができる(その特性により能動的衝撃吸収機能を提供する働きができる)。
【0024】
マルチバーリンク機構駆動システムの別の実施形態は、図3の二つのモーターを、クランクの中心に位置する回転軸を持つ単一の電動モーターに組み合わせる。マルチバーリンク機構駆動システム500のこの他の実施形態の概略図が、図5Aおよび5Bに示されている。
【0025】
駆動システム500は、二つのスイングアーム515および520ならびに二つのスイングアーム515および520の対応する端部の間を連結するクランク組立品534を含む。クランク組立品534は、それぞれクランクシャフト535cの回転軸に対して横断方向に延在し、互いに対して180°で配向され、クランクシャフト535cのそれぞれの端部にある、二つのクランクアーム535aおよび535bを備えるクランクシャフト535cを含む。スイングアーム520一方の端部は、ベアリングを介してクランクアーム535aに旋回可能に連結するが、スイングアーム520の他方の端部は、別のベアリングを介してマウント構造体570aに旋回可能に連結される。同様に、スイングアーム515の一方の端部は、それ自体のベアリングを介してクランクアーム535b(図では表示されていない)に旋回可能に連結するが、スイングアーム515の他方の端部は、さらに別のベアリングを介してマウント構造体570bに旋回可能に連結される。この要素の組み合わせは、図3に示すものと類似した4バーリンク機構配置を構成し、クランクシャフトの回転軸を制限してリンク機構の配向の変化として定められた経路に従う。
【0026】
駆動システム500内の電動モーターは、二つのステータ組立品540および545ならびにローター組立品530を含み、それぞれがベアリングを使用してクランクシャフト535c上に取り付けられ、それにより他の二つの構成要素とは独立して回転できる。ローター組立品530は、ホイールリムおよびタイヤ(図示せず)をローター組立品530上に取り付けるためのその周辺にボルトの輪550を含む。
【0027】
ベアリングは、図面を簡略化するために図5Aおよび5Bには示されていないことに留意されたい。しかしながら、これらは図7に明示的に示されているが、これは後で考察する。さらに、図7に関連して明瞭になるように、記載された実施形態のモーターは、電気軸流束モーターであり、ステータ組立品はコイルステータ組立品であり、ローター組立品は磁気ローター組立品である。また、「ステータ」という言葉は、本文脈に限定されることを意味するものではなく、言及されている構成要素が静止しており、回転しないことを暗示すると解釈されうる場合があることに留意されたい。本明細書に記載されるステータ組立品は、ローター組立品の回転軸と同じであっても、同じでなくてもよい回転軸の周りを回転することができる。この機能は、少なくとも一部の実施形態では、駆動システムが二自由度、すなわち回転および並進を生むことができるため重要である。
【0028】
図5Aおよび5Bに戻ると、各スイングアーム515および520は、その対応するステータ組立品540および545に機械的に連結される。スイングアーム520は、二つのウィング拡張部536aおよび536bを持つ。トルクリンク539aおよび539bは、ウィング拡張部536aおよび536bをそれぞれステータ組立品545に連結する。同様に、駆動システムの他方の側では、スイングアーム515も、二つのウィング延長部537aおよび537bを持つ(図では表示されていない)。また、トルクリンク538aおよび538bは、ウィング拡張部537aおよび537bをそれぞれステータ組立品540に連結する。トルクリンク539aおよび539bは、ステータ組立品545によって生成されたトルクをスイングアーム520に移転するためのものであり、トルクリンク538aおよび538bは、スイングアーム515にステータ組立品540によって生成されたトルクを移転するためのものである。
【0029】
ステータ組立品540および545はそれぞれ、ベアリングでクランクシャフト上に取り付けられることによってクランクシャフト535cの軸の周りを回転自在であるが、それらをマルチバーリンク機構に連結するトルクリンクは、その動きを制限し、制限なく自由に回転することを防止する。実際に、トルクリンクは、ステータ組立品の回転を許容される狭い回転範囲内に制限する。この回転の範囲の制限により、整流またはいくつかの他の手段を使用して、コイルステータ組立品上のコイルに駆動信号を与えるのではなく、ワイヤーハーネスを使用してステータ組立品内のコイルに駆動信号を接続することができる。
【0030】
図5Aでは、ポイントA、B、C、およびDとラベル付けされた四点があることに留意されたい。これらの点は四つの距離、つまり、AB、AC、CD、およびBDを規定する。ABはトルクリンクの長さを表し、CDはクランクアームの長さを表し、ACはクランクシャフトの軸とステータ組立品へのトルクリンクの取り付け点との間の径方向距離を表し、BDはクランクアームがスイングアームに連結する点とトルクリンクがスイングアームの拡張部ウイングに連結する点との間の距離を表す。説明した実施形態では、これらの長さは、互いに以下の関係を持つように設計されている。AB=CDおよびAC=BD。これは平行四辺形を規定する。この配置の結果として、垂直方向に対するステータ組立品の回転は、マウント構造体へのその結合点の周りおよび同一方向へのスイングアームの対応する等しい回転に変わる。言い換えれば、ステータ組立品545が時計回りに回転する場合、これはスイングアーム520を上向きの方向に移動させ、また、マウント構造体570aの周りの時計回りの方向のスイングアーム520の回転に対応する。
【0031】
図5AおよびBのマルチバーリンク機構駆動システムは、図3に示す実施形態が作用する方法と同様の方法で作用する。駆動信号が各ステータ組立品540および545に印加されて、両方の駆動信号が同じトルクを生成し、ローター組立品530を時計回りに回転させるとき、ローター組立品530の純回転動作がもたらされる。(回転の方向は、モーターの一方の側面、この場合、ステータ組立品545が位置する側の斜視から見られ、これは、通常、残りの記載のすべてに適用されることに留意されたい。)スイングアーム515および520の配向は固定されたままであり、クランクシャフト535cは横断方向に移動しない。これは、ステータ組立品540によるクランクシャフト535cに課せられたトルクが、ステータ組立品545によってクランクシャフト535cに課されるトルクによって相殺されたためである。リンク機構上のトルクは、大きさが等しく方向が逆であり、いずれのリンク機構にもネットトルクを生成しない。
【0032】
一方で、一方のステータ組立品上の駆動信号が他方の駆動信号に対して変更された場合、クランク組立品上にネットトルクがあり、その配向/位置を変更させることになる。結果として、クランクシャフトは回転しているが、マルチバーリンク機構によって定められる経路に沿っても移動する。
【0033】
クランクシャフトを並進移動するためにマルチバーリンク機構駆動システムがどのように作用するかを理解するために、磁気ローター組立品が何かによって回転を妨げられ、スイングアームが動く場合を考えてみる。これは、クランクシャフト535Cおよびローター組立品530(車輪が取り付けられる)を上方位置(図6A)から下方向の位置(図6F)へ動かして(または並進移動して)、駆動システム要素の様々な相対位置を示す、図6A~6Fの助けを借りて視覚化されうる。図のそれぞれにおける下向き矢印は、ローター組立品およびクランク組立品が移動される方向を示す。ローター組立品540が図6Aに示す位置から下向きに動くと、クランク組立品ならびにスイングアーム515および520はそれに従い下がる。同時に、トルクリンク538および539は、ステータ組立品540および545をスイングアーム515および420がそれぞれのマウント570aおよび570bの周りを回転するのと同じ方向に回転させる。スイングアーム520の下向きの移動は、そのマウント570bの周りの反時計回りの回転を表す。そのため、ステータ組立品545は、同じ量だけクランクシャフト535cの周りを反時計回りに回転するよう強制される。マルチバーリンク機構駆動システムの他方の側では、スイングアーム515の下向きの移動は、そのマウント570aの周りの時計回りの回転を表す。そのため、ステータ組立品540は、クランクシャフト535cの周りを時計回りに回転するよう強制される。
【0034】
図6C~Fで示されるように、ローター組立品530の軸がクランクシャフト535cの軸のマルチバーリンク機構によって定められる経路をさらに下方向に移動して、要素のこの相対運動は続く。図面に図示されたステータ組立品540および545は、ローター組立品530が図6Fで示されたその下位置に向かって移動するときにこれらの要素の回転を視覚化するのに役立つべき基準スロットを有することに留意されたい。また、ステータ組立品の回転方向を特定する矢印があることも注意すべきである。
【0035】
図6A~Fに図示される移動は、適切な駆動信号をステータ組立品540および545に印加することによって生成できることが明らかである。駆動信号は、ステータ組立品540および545に互いに対して回転の反対方向に回転させる同時に、ローター組立品530の回転がない、すなわちゼロであるネットトルクをローター組立品530に付与するような必要がある。例えば、ステータ545がトルク(ローター組立品530上の電磁力を介して)を加えて、自体を反時計回りに回転させる場合(ローター組立品を時計回りに回転させる)、スイングアーム520上で押し上げるトルクリンク539aおよび539bを介してスイングアーム520にも力を及ぼす。次に、クランク組立品534上に下方向に押下する、クランク組立品534におけるバランス力がもたらされなければならない(小さな加速度では力の合計はゼロであるので)。クランク組立品534は次に、スイングアーム520上で押し下げられる。結果として、スイングアーム520は、クランク組立品534に連結する場所で、トルクリンク539aおよび539bに連結する場所でそれを押し上げる力を持つ。実際には、回転トルクがスイングアーム520に付与され、スイングアーム520が反時計回り、すなわち、ステータ組立品545が回転するのと同一の方向に回転し始める。ローター組立品530の他方の側のステータ組立品540およびスイングアーム515において、同様の差動が起こる。
【0036】
両方のステータ組立品540および545が、対応するスイングアーム515および520を上向き方向に回転させる方法で回転する場合、スイングアーム515および520(およびローター組立品530)は上に移動する。両方のステータ組立品540および545が下向き方向にスイングアーム515および520を回転させる場合、スイングアーム515および520(およびローター組立品530)は下方向に移動する。一方のスイングアームが、他方のスイングアームが下方に回転している間上方に回転する場合、トルクのバランスがとれていれば、スイングアーム515および520は動かない。
【0037】
要約すると、並進移動なしにローター組立品530を回転させるためには、同じ方向にステータ組立品540および545の両方に等しいトルクが付与される。その場合、各スイングアームに付与されたモーメントが取り消され、ローター組立品が回転する。ローター組立品530を並進移動させるために、等しいが反対のトルクを両方のステータ組立品540および45に付与する。これにより、スイングアーム515および520が同じ方向に移動する。
【0038】
マルチバーリンク機構駆動システムは直線システムであるため、ローター組立品530の回転およびクランクシャフト535c(およびローター組立品530)の並進移動は、それぞれの種類の動きを別々に生成するために必要な信号を追加することによって達成することができる。言い換えれば、適切な駆動信号を使用することで、ローター組立品を回転させることができ、同時に上方または下方に並進移動させることもできる。
【0039】
上記の考察では、慣性効果は無視される。慣性効果が追加されると、それらはトルクの大きさおよび必要な力を変化させるが、マルチバーリンク機構システムがどのように動作するかの一般的原理は変化しない。さらに、上記の考察では、トルクが同じ符号と等しい場合には回転が起こり、トルクが等しく反対の符号であるときに動き(または並進移動)が起こることが説明された。これはいくつかの点では正しいが、並進移動の定められた経路に沿ったすべての点でそうではない(図2参照)。一般に、その他の場所では、少しの「クロストルク」または「非直交性」がある。
【0040】
以前に説明した実施形態で使用することができる電気駆動モーター600の構造体の例を図7に示す。これには、共通の回転軸に沿って連結される二つの同軸に配置された軸流束モーターが含まれる。この場合、図5に示されるマルチバーリンク機構駆動システムと共に考察されるクランク組立品534に対応するクランク組立品602上に取り付けられる。クランク組立品602は、クランクシャフト603aの両端に位置し、互いに対して180°で配向されるクランクアーム603bおよび603cを備えたクランクシャフト603aを含む。図7では、二つのモーターはモーター1およびモーター2として識別される。
【0041】
一般に、各軸流束モーターはそれぞれ、二つの磁気ローター組立品608の間に挟まれたコイルステータ組立品606を持つ。各コイルステータ組立品606は、クランクシャフト603a上に回転可能に取り付けられた円形ディスク610であり、コイルの一配列612は、ディスクの環状領域の周りおよび内部に配置される。また、各磁気ローター組立品608も、クランクシャフト603a上に回転可能に取り付けられる円形ディスクである。各磁気ローター組立品608の各ディスクに取り付けられるのは、ディスクの環状領域の周りに分布された半径方向に配向されたバー形状の永久磁石の一配列614である。磁気ローター組立品608上の磁石614、コイルステータ組立品606上のコイルの一配列612と整列する。
【0042】
二つの同軸整列モーターの磁気ローター組立品608は、共通のハブ組立品616に強固に固定されるが、共通のハブ組立品616は、ハブ組立品616とクランクシャフト603aとの間に位置するベアリング618上に乗っている。そのため、複数の磁気ローター組立品608は、一つのユニットとしてクランクシャフト603aの周りを自由に回転する。
【0043】
磁気ローター組立品608の間に挟まれたコイルステータ組立品606のディスクは、それを通してハブ組立品616がディスクと接触することなく通過する円形の中央開口620を有する。したがって、コイルステータ組立品606およびハブ組立品616は、互いに独立して回転できる。各コイルステータ組立品606は、ハウジング622によってその周辺部の周りを支持されるが、ハウジング622は、一組のベアリング624を介してクランクシャフト603a上に回転可能に取り付けられ、その上に乗っている。ベアリング624は、磁気ローター組立品608が動作できるように、ハウジング622ならびにそれらの支持するコイルステータ組立品606がクランクシャフト603a上で自由に回転することも可能にする。磁気ステータ組立品608はすべてクランクシャフト603a上の単一構造体として回転するが、コイルステータ組立品606のそれぞれは、他のコイルステータ組立品、およびハブ組立品616とは独立してクランクシャフト603a上で回転する。
【0044】
永久磁石の二つの配列内の磁石は、一つがディスクの環状領域の周りを移動すると一定の間隔で方向を逆にする軸方向の磁界を発生するように、互いに対して配置される。磁石の配列によって生成されるこれらの軸方向の磁界は、コイル組立品608上のコイル612の径方向に配向された巻線と交差する。電流がコイル巻線を通過する時、磁界との電流の相互作用は、磁気ローター組立品608およびコイルステータ組立品606上にローレンツ力を生成する。接線方向に方向付けられた力は、トルクをディスクに付与してディスクを回転させ、磁気ローター組立品608のディスクをクランクシャフト603aの周りに一方向に回転させ、コイルステータ組立品のディスクをクランクシャフト603aの周りに反対方向に回転させる。
【0045】
前述のように、電動モーターがリンク機構の配置に結合されている時、磁気ローター組立品はクランクシャフトの周りを回転自在であるが、各コイルステータ組立品は、限定された回転範囲内でのみ動作するようにリンク機構によって制限される。磁気ローター組立品608は、それが結合されるホイールにトルクを加えるために主として使用されるが、コイルステータ組立品606は、リンク機構にトルクを付与するために主に使用して、それによって前述の通り、互いに対してその配向を変更する。
【0046】
車両で使用される可能性のあるホイールにマルチバーリンク機構駆動システムを組み込む実施形態を図8~12Bに示す。電動ホイール組立品800は、リム806上に取り付けられたタイヤ804を含む。デュアル軸流束モーターは、リム806によって囲まれた空間内に収容され、既に説明されているものに類似した設計であるマルチバーリンク機構システム801に結合されている。
【0047】
また、図10を参照すると、マルチバーリンク機構システム801は、カップリング809によって車両のサスペンションに取り付けられた支持構造体807を含む。支持構造体807の一方の端部に、ばね式ベアリング機構816によって支持構造体807に取り付けられたスイングアーム815がある。支持構造体807の他方の端部には、別のばね式ベアリング機構817によって支持構造体に取り付けられた別のスイングアーム820がある。
【0048】
ばね式ベアリング構造体816および817のばねがない場合、駆動システムは、電力が駆動システムに与えられないとき、駆動システムが取り付けられるシャーシまたは車両は地面に最も近い位置に物理的に置かれる(すなわち、スイングアーム815および820は、その最上位位置にある)。ばね式ベアリング組立品816および817のばねは、駆動モーターに電力を絶えず供給してそのタスクを達成する必要なく、駆動システムを中間または通常の位置に保持する。
【0049】
各スイングアーム815および820の端部は、ベアリング構造817および816それぞれがクランク組立品834に回転可能に結合されている場所と向かい合っている。クランク組立品834は、クランクシャフト803aの各端部にある、二つのクランクアーム803bおよび803cを有するクランクシャフト803aから構成される。クランクシャフト803aは、二組のベアリング818および824を支持する。ベアリング818は、磁気ローター組立品812が取り付けられるハブ組立品810(図11Aおよび11Bを参照)を回転可能に支持し、ベアリング824は、磁気ローター組立品812の間にコイルステータ組立品814を保持する筐体822(図8および9を参照)を回転可能に支持する。ベアリング818は、ハブ組立品810にすべての磁気ローター組立品812が取り付けられて、クランクシャフト803aの周りを回転するようにする。一方で、ベアリング824は、支持筐体822をそれぞれのコイルステータ組立品814と共に、クランクシャフト803aの周りを互いに独立して回転するようにもする。各筐体822は、カバー842を有し、それをケーブルが通過して、サポートコイルステータ組立品814とつながれ、それに駆動信号を与える。
【0050】
各磁気ローター組立品812は、機械的に連結された二つのディスク813から構成される。各ディスク813は、ディスク813の環状領域の周りに配置された永久磁石の一配列826を保持する。永久磁石の磁気モーメントは軸方向に整列し、一つがローター組立品の周囲を移動すると定期的に逆方向に動く。一つのディスク813上の磁石826は、一対のディスク内の他のディスク上の磁石826と整列して、その磁気モーメントは同じ方向に向いて、コイルステータ組立品のコイルが見る磁界を強化する。
【0051】
再度図11Aおよび11Bを参照すると、ハブ組立品810は、一対のローター支持組立品819の間に挟まれ、ボルト821の輪によって留められたリムサポートディスク809の三つの部品で作製される。各ローター支持組立品819は、一対の磁気ローター組立品812を支持する。コイルステータ組立品814(図12Aおよび12Bを参照)は、各対の磁気ローター組立品812の間に位置付けられる。ハブ組立品810は、クランクシャフト803aがベアリング818および824と共に貫通する穴811を画定する。
【0052】
各スイングアーム815および820は、クランクシャフト組立品834に結合されたスイングアームの端部にボルト付けされたウイング拡張プレート830を含む。ウイング拡張プレート830は、トルクリンク832がスイングアームに連結される二つの点を提供する。トルクリンクの他方の端部は、筐体822に連結されている。前述のように、トルクリンク832は、コイルステータ組立品814によって生成されるトルクがスイングアーム815および820に移動される方法を提供する。
【0053】
図13は、乗客運搬体またはシャーシ910上に取り付けられた、前述のような、4マルチバーリンク機構駆動システム920を含む車両900の概略図である。この例では、各駆動システム920は、通常、典型的な車両車輪組立品によって占有される空間を占める。この特定の例は、4マルチバーリンク機構駆動システム920を持つものとして特徴付けられているが、前輪または後輪のいずれかにおいて、こうしたたった二つのドライブのみを持つことができる。さらに、マルチリンク機構駆動システムを利用するその他のタイプの車両を想定することができる。例えば、一つ、二つ、三つ以上のホイールを有する車両は、ホイールのうちの一つ又は複数がマルチバーリンク機構駆動システムを使用して実装されることを想定することができる。
【0054】
図14は、車両を前方に推進するタイヤ1012の回転運動ならびにホイールおよびサスペンション組立品1010が取り付けられる車両用のアクティブサスペンションの一部を提供するタイヤの並進運動(すなわち、上昇および下降)の両方を生成することができる一体型ホイールおよびサスペンション組立品1010の別の実施形態を示す。これには、モーター組立品1100が、モーター組立品の制御下で上下に摺動できるように摺動可能に取り付けられる二つのサスペンションアーム1020aおよび1020bを持つサスペンションフォークによって支持される軸流束電動モーター組立品1100が含まれる。一対の三日月形状のリンク機構1030aおよび1030bは、図14ではそのうちの一つだけが表示されており、電動モーター組立品の回転可能な部分をサスペンションアーム1020aおよび1020b上の固定点に物理的に連結する。サスペンションアーム1020aおよび1020bの上端部の近くの連結ブラケット1036は、アーム1020aおよび1020bのそれぞれを挟持し、それらを相互に対して固定位置に強固に保持する。
【0055】
図15を参照すると、モーター組立品1100は、二つのコイルステータ組立品1102aおよび1102bならびに外側磁気ローター1104aおよび1104bならびに中央磁気ローター1104cを含む三つの磁気ローターから構成される磁気ローター組立品とを含む。一方のコイルステータ組立品1102aは、磁気ローター1104aおよび1104cの間に挟まれ、それから間隔を置いており、他方のコイルステータ組立品1102bは、磁気ローター1104cおよび1104bの間に挟まれ、それから間隔を置いている。外側磁気ローター1104aおよび1104bはそれぞれ、ハブ組立品または中央の円筒形スピンドル1106に沿って配置され、その軸がスピンドル1106の軸と整列するほぼ円形の環状構造体である。中央の磁気ローター1104cは、スピンドル1106の軸によって画定されるこの場合には回転軸1107の周りを自由に回転できるように、ベアリング組立品1108を介してスピンドル1106上に取り付けられる。中央の磁気ローター1104cの周囲の周りには、他の二つの磁気ローター1104aおよび1104bが取り付けられ、カラー1110の一方の側に一つの磁気ローター1104aおよびカラー1110の他方の側に他方の磁気ローター1104bを備える円筒形状のカラー1110がある。この配置により、二つの外側磁気ローター1104aおよび1104bは、中央の磁気ローター1104cと共に、回転軸およびスピンドル1106の周りを回転する。
【0056】
それもまたほぼ円盤形状の構造体であるコイルステータ組立品1102aおよび1102bもそれぞれ、ベアリング組立品1109aおよび1109bそれぞれによってスピンドル1106に取り付けられ、それにより、互いに独立し、磁気ローター組立品から独立して、スピンドル1106の軸によって確定される回転軸の周りも回転することができる。各コイルステータ組立品1102aおよび1102bは、環状領域1112を持ち、環状領域1112内には、ディスクの周りに分布するコイルの一配列1114がある。図14および15に示すように、コイルの配列内でコイルに電気的に接続し、それを通して駆動信号がそれらのコイルに送達されるコネクタ1116もある。コイルは作成または巻かれて、それを通して駆動電流が流れてモーター動作させるほぼ放射状に配向された電流経路を生成する。
【0057】
各外側磁気モーター1104aおよび1104cは環状であり、環状領域1118を有し、中央の磁気ローター1104cはディスク形状であり、環状領域1120を有する。三つの磁気ローターがスピンドル1106上に取り付けられるとき、これらの環状領域1118および1120は一般に、コイルステータ組立品1102aおよび1102bの環状領域1112と整列する。各磁気ローターの周りおよび環状領域の内部には、永久磁石の一配列1122がある。すぐにより詳細に説明されるように、磁石1122は、コイルステータ組立品のコイル巻線と交差し、ローターの周りを移動すると一軸方向から反対の軸方向に交互に替わる、軸方向に方向付けられた磁界を生成するよう配置される。
【0058】
説明した実施形態はまた、カラー1110を囲み、かつカラー1110から離れるように延在し、タイヤ(図示せず)を取り付けることができるリム1126を支持するスポーク組立品1124も含む。スポーク組立品は、材料の固体リングの代わりに重量節約手段として使用される。また、スポーク組立品1124に取り付けられたブレーキディスク1128、ならびにサスペンションアーム1020bに取り付けられたブレーキキャリパー1129もある。
【0059】
モーター組立品は、共通の回転軸に沿って連結される二つの同軸に配置された軸流束モーターとして見ることができる。これは、左側のモーター1および右側のモーター2として図15に示される。モーター1は、磁気ローター1104aと磁気ローター1104cの左半分との間に挟まれたコイルステータ組立品1102aによって表され、モーター2は、磁気ローター1104cの右半分と磁気ローター1104bとの間に挟まれたコイルステータ組立品1102bによって表される。この場合、磁気ローターは全て互いに連結され、それによって一緒に回転する。
【0060】
モーター組立品1100が一体型ホイールおよびサスペンション組立品1010にどのように組み込まれるか、かつ全体的なシステムが回転運動および並進運動の両方を生成するためどのように動作するかを、図16、17、18A、および18Bを参照しながらここで説明する。
【0061】
スピンドル1106の端部には、それぞれ、サスペンションアーム1020aおよび1020bの内側の中空領域内に保持される二つの直線ベアリング1140aおよび1140bがある。線形ベアリング1140aおよび1140bは、それぞれのサスペンションアーム1020aおよび1020b内で上下に摺動でき、それによってスピンドル1106も上下に移動することができる。説明した実施形態の線形ベアリング1140bは、図22により詳細に示されている。これは、アーム1020bの内側の中空空間内に固定された二つのブロック1150aおよび1150bを含む。二つのブロック1150aと1150bの間に、それに強固に連結された、円筒形ガイド1152がある。カラーベアリング1154は、ガイド1152を囲み、ガイド1152を上昇下降することができる。モーターおよびホイールを支持するスピンドル1106は、カラーベアリング1154に連結される。
【0062】
図18Aおよび18Bに戻ると、三日月形状リンク機構1030aは、サスペンションアーム1020a上の固定位置とコイルステータ組立品1102a上の固定位置との間に連結される。サスペンションアーム1020aへの連結は、ベアリングマウント1142aを介し、コイルステータ組立品1102aへの連結は、別のベアリングマウント1144aを介する。同様に、三日月形状のリンク機構1030bは、サスペンションアーム1020bの固定位置とコイルステータ組立品1102bの固定位置との間に連結する。サスペンションアーム1020bへの連結は、ベアリングマウント1142bを介しコイルステータ組立品1102bへの連結は、別のベアリングマウント1144bを介する。
【0063】
三日月形状のリンク機構は、サスペンションアームおよびコイルステータ組立品に取り付けられ、その結果、スピンドル1106の軸と交差する縦軸1146の周りのそれらの間に回転対称がある。すなわち、ホイールおよびサスペンション組立品1010がその軸1146の周りに180°回転する場合、リンク機構およびその取付け点の位置は同じに見える。
【0064】
リンク機構によってホイールが次のように動くことに留意されたい。コイルステータ組立品1102bが、図18Aに示す通り、ある量だけ時計回りに回転する場合、これは二つの結果を持つ。それにより、スピンドル1106ならびにベアリング1140aおよび1140bは、サスペンションアーム1020aおよび1020b内を下向きの方向に押される。そして、それによりコイルステータ組立品1102aは、同じ量だけ反時計回り方向に回転させられる。結果としての構成は、図18Bに示す通りである。
【0065】
これは、駆動電流がコイルステータ組立品1102aおよび1102bに流されるときに、システムがどのように動作するかに関わることを示す。まず、駆動電流をコイルステータ組立品1102aに流して、コイルステータ組立品1102aを反時計回り方向に回転させ、磁気ローター組立品(およびホイール)を時計回りに回転させるトルクを生成すると仮定する。また、駆動電流をコイルステータ組立品1102bに流して、コイルステータ組立品1102bを時計回りに回転させ(文字Bによって識別される矢印で示されるように)、磁気ローター組立品(およびホイール)を反時計回りに回転させるトルクを生成すると仮定する。コイルステータ組立品1102aおよび1102bに流される駆動電流によって生成された結果としてのトルクの大きさが同じ場合、コイルステータ組立品1102aによって磁気ローター組立品に生成されるトルクは、コイルステータ組立品1102bによって磁気ローター組立品上に生成されるトルクによって正確に均衡する。こうして、磁気ローター組立品は、ゼロのネットトルクを経験し、取り付けられたホイールとともには回転せず、静止したままである。ただし、コイルステータ組立品1102aおよび1102bは、矢印で示されるように、相互に反対方向に回転するようになる。これは、リンク機構1030aおよび1030bによって、スピンドル1106および取り付けられたタイヤを下向きまたは逆に押し付け、サスペンションアームが取り付けられる車両を押し上げる。
【0066】
ここで、図19の助けを用いて説明される別の動作モードを考える。この場合、コイルステータ組立品1102aおよび1102bに流される駆動電流は、両方とも磁気ローター組立品を同じ方向に回転させるようなものと仮定する。より具体的には、コイルステータ組立品1102aに流される駆動電流は、磁気ローター組立品を時計回り方向に回転させると同時に、コイルステータ組立品1102aも時計回りに回転させる(文字Eによって識別される矢印によって図示されるように)。また、コイルステータ組立品1102bに流される駆動電流は、磁気ローター組立品を時計回りに回転させると同時に、コイルステータ組立品1102bも反時計回り方向に回転させる(文字Eで識別された矢印によって図示されるように)。リンク機構1030aは、コイルステータ組立品1102aによって付与されるトルクをスピンドル1106に移動して、それを下方へ移動させると同時に、リンク機構1030bは、コイルステータ組立品1102bによって付与されるトルクをスピンドル1106に移動して、それを上方へ移動させる。コイルステータ組立品1102aおよび1102bに流される駆動電流が、同じ大きさのトルクを生成するように選択されると仮定すると、スピンドル1106に課される力は、互いに厳密に均衡し、スピンドル1106は静止したままである(すなわち、何も上下に移動しない)。一方で、コイルステータ組立品1102aおよび1102bの両方が同じ方向に磁気ローター組立品を回転させているため、ホイールはその方向に回転する。
【0067】
まとめると、一般的な動作モードと呼ばれるものと呼ばれるものと差動動作モードと呼ばれる二つの操作モードがある。共通モードでは、二つのコイルステータ組立品に印加される駆動信号は、等しくかつ同一の符号を持つ磁気ローター組立品上のトルクを生成する。共通モード操作だけの間、ホイールは回転するが、ホイールの並進移動(上昇下降)はない。差動モードでは、二つのコイルステータ組立品に印加される駆動信号は、等しく、かつ反対の符号を持つ磁気ローター組立品上のトルクを生成する。差動モード動作だけの間、ホイールは回転しないが、ホイールの並進移動(上昇下降)はある。コイルステータ組立品への駆動電流を適切に選択することによって、両方の種類の運動の組み合わせを同時に生成することができる。
【0068】
概念的に、説明したリンク機構のシステムは、協働してホイールの並進移動を生成する二つの機械的システムとして見ることができる。一方のシステムは、スピンドルを、この場合は線形経路である定められた経路に沿って移動するよう制約するサスペンションフォークおよび内部線形ベアリングによって形成される。他方のシステムは、二つのコイルステータ組立品の互いに対する相対的回転運動を、サスペンショフォークによって予め定められた経路に沿ったスピンドル(または回転要素)の並進移動へと変換するリンク機構の配置によって形成される。図示した実施形態では、リンク機構の配置は、4バーリンク機構配置に対応することに留意されたい。
【0069】
二つの機械的システムは、図20Aおよび20Bによって図示されている。アーム1020b内側の線形ベアリング1140bは、スピンドル1106の軸を制約して、線形ベアリング内のガイドによって定められる線形経路に沿って上下に移動する。電動モーターによって生成されるトルクに応答してスピンドルをその経路に沿って移動させるリンク機構の配置は、4バーまたはリンク1180a、1180b、1182a、および1182bを含むマルチバーリンク機構である。四つのリンクのうち二つは、コイルステータ組立品をサスペンションアーム上の固定位置に連結する要素によって表される。一方の側には、コイルステータ組立品1102bの回転軸から固定された距離に位置するコイルステータ組立品1102b上の点(ベアリングマウント1144bによって表される)とアーム1020b上の固定点1142bまでの間のリンク1180bがある。他方の側(図で示される側面図では部分的に隠れている)には、コイルステータ組立品1102aの回転軸から固定された距離に位置するコイルステータ組立品1102a上の点(ベアリングマウント1144aによって表される)とアーム1020a上の固定点1142aまでの間のリンク1180aがある。残りの二つのリンク1182aおよび1182bは、スピンドル1106とコイルステータ組立品1102bおよび1102aそれぞれの上のベアリングマウント1144bおよび1144aとの間の連結によって表される。図20Aおよび20Bでは、これらの二つのリンクは要素1182bおよび1182aによって表される。四つのリンクは、ヒンジ点で連結された端部を効果的に持つことに留意されたい。コイルステータ組立品1102aおよび1102bは、リンク1182aおよび1182bに適切なトルクを付与して、それを回転させることによって四つのリンクの物理的配置を変更し、それによりリンクを再構成する。リンクの再構成は、線形ベアリングによって定められる線形経路に沿ってスピンドルを動かす。
【0070】
図23は、四つのホイールそれぞれを駆動する四つの電動モーター駆動システム1202を含む車両1200を図示したものである(二つの駆動システムのみが側面図に示されている)。各電動駆動システム1202は、通常は典型的なホイールおよびサスペンション組立品によって占有される空間を占有し、車両のフレームまたは本体に取り付けられる。説明した実施形態には、各ホイールに一つ、四つの駆動システム1202が含まれるが、車両は、前輪(または後輪)だけに駆動システムを用いることができる。その他の実施形態には、本明細書に記載される電動駆動システムによって駆動される一つ又は複数のホイールを備える一つ、二つおよび三つの車輪付き車両または個人搬送システムが含まれる。
【0071】
上述の実施形態では、リンク機構は三日月形状を有し、相互に整列したサスペンションアーム上の点に固定される。しかし、リンク機構およびその固定点の形状は特に重要ではない。説明した実施形態では、図示された設計によって課される特定の物理的制約を満たすために、三日月形状が選択されている。その他の形状および/または配置が当然可能である。例えば、図21を参照すると、直線バーリンク機構1160aおよび1160bが使用され、それぞれのリンク機構はフォークサスペンション部材から離れるように延在する、タブ1162aおよび1162bにそれぞれ固定される。
【0072】
説明した実施形態では、コイルステータ組立品はそれぞれ、対応するリンク機構によって支持構造体(すなわち、サスペンションアーム)上の固定点に連結されており、ホイールの軸によって、サスペンションアーム内で摺動する線形ベアリングによって定められる経路に沿ってのみ移動するように制約されることに留意されたい。線形ベアリングは、その他の実施形態も使用できるスライド機構の具体的な例である。予め定められた横断経路に沿う軸の動きを制約するスライド機構以外に使用できるものがある。例えば、車両のフレームとホイールの軸との間にスイングアームの単純なスイングアームまたは配置を使用できる。その場合、ホイールの上下運動は厳密に線形の経路に沿っていないが、むしろ経路はスイングアームの長さによって画定される半径で曲線になることになる。
【0073】
図25A~Cは、スイングアーム1194を用いて軸1106が移動可能な経路、すなわち、スイングアーム1194aおよび1194b(図中のスイングアーム1194aによって視覚的に遮られる)の長さによって決定される半径の円弧、を画定するための実施形態の実施例を示している。駆動システムが連結されている車両または支持体のフレームは、ブロック1188によって表される。電動モーターによって生成されるトルクに応答してその経路に沿ってスピンドル1106を移動するリンク機構の配置は、四つのバーまたはリンク1190a、1190b、1192a、および1192bを含むマルチバーリンク機構である。四つのリンクのうち二つは、コイルステータ組立品をフレーム1188上の固定位置に連結する要素によって表される。一方の側では、コイルステータ組立品1102bの回転軸から固定された距離に位置するコイルステータ組立品1102b上の点(ベアリングマウント1194bによって表される)とフレーム1188上の固定点1196bまでの間のリンク1190bがある。モーターの他方の側面(図に示す側面図で部分的に隠れている)には、コイルステータ組立品1102aの回転軸から固定された距離に位置するコイルステータ組立品1102a上の点(ベアリングマウント1194aによって表される)とフレーム1188上の固定点1196aまでの間のリンク1190aがある。(フレーム1188上の二つの固定点1196aおよび1196bは、共線であり、スピンドル1106から同じ距離であることに留意されたい。)残りの二つのリンクは、スピンドル1106とコイルステータ組立品1102bおよび1102aのそれぞれ上のベアリングマウント1196bおよび1196aとの間の連結により表される。図25A~Cでは、これらの二つのリンクは、構成要素1192bおよび1192aによって表される。四つのリンクは、ヒンジ点で連結された端部を効果的に持つことに留意されたい。コイルステータ組立品1102aおよび1102bは、リンク1192aおよび1192bに適切なトルクを付与し、それらを回転させることによって四つのリンクの物理的配置を変更し、それにより、リンクを再構成する。リンクの再構成は、スピンドルをスイングアーム1194aおよび1194bによって画定される湾曲した経路に沿って動くように強制する。
【0074】
図25A~Cに示す一連の図では、コイルステータ組立品1102bが時計回りに回転し(実線の曲線矢印によって示されるように)、コイルステータ組立品1102aが反時計回りに回転する(破線、曲線の矢印によって示される)と、スピンドル1106とリンク1190aおよび1190bの固定点との間の距離が増大し、ホイールは下向き方向に押される。反対方向にコイルステータ組立品を回転すると、ホイールが引き上げられる。
【0075】
またその他の公知のアプローチも可能である。使用可能であり、その実施例が当業者にとって周知であるマルチバーリンク機構もある。
【0076】
また、例えば、コイルステータ組立品の場合、「ステータ」という単語を使用することは、構成要素が静止しており、回転または移動ができないことを示すことを意味するものではないことは前述の説明から明らかである。多くの場合、言葉はこのより限定的な意味を与えられる場合があるが、本明細書で使用される場合それは意図されない。コイルステータ組立品もモーター組立品の回転軸の周りを回転することは上記の説明から明らかである。
【0077】
説明した実施形態で使用されるベアリングの配置は、使用可能な数多くの代替品の一つに過ぎず、二つのコイルステータ組立品および磁気ローター組立品が互いに独立して回転軸の周りを回転可能であることを理解されたい。これらは、ベアリング表面の一つとしてスピンドルを使用する必要はない。図24は、ベアリング1209aおよび1209bがコイルステータ組立品を磁気ローター組立品上に回転可能に取り付ける代替的配置を示す。さらに、ハブ組立品は、スピンドル1106によって表わされるが、それらの回転軸に沿って二つのモーターを支持する別の配置であってもよい。
【0078】
説明した実施形態では、駆動システムから利用可能な第二の自由度を使用して車両にアクティブサスペンションを提供することを具体的に言及するが、その第二の自由度は、駆動システムが使用されるアプリケーションに応じて、その他の目的に使用されてもよい。例えば、駆動システムは、飛行機または他の航空機用のモーターとして使用されてもよく、その場合、例えば、ブレードのピッチを制御するために、第二の自由度が使用されてもよい。駆動システムが機械装置で使用される場合、一部の線形または並進移動を必要とする他の目的のために第二の自由度が使用されてもよい。
【0079】
その他の実施形態は特許請求の範囲内である。例えば、特定の4バールの連結、すなわち、ワットのリンク機構が説明されているが、同様の動作を示し、ワットのリンク機構の代わりに使用できる多数の他のマルチバーリンク機構がある。制限されることを意図するものではなく、他の実施例として、四つのリンクバー、チェビシェフのリンク機構、およびポーセリエ・リプキンリンク機構とは異なる多数のリンクバーを有するマルチバーリンク機構が挙げられる。さらに、例えば、磁気ローターおよびコイルステータ組立品、またはコイルローターおよび磁気ステータ組立品を有する他の種類の電動モーター、またはスイッチングリラクタンス技術に基づいた電動モーター、または電流転換器、または単相あるいは多相ドライブ、またはDCドライブ等を含む軸流束モーター以外の電動モーターが使用可能である。
【0080】
例示的な実施形態が具体的に示され、説明されてきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に包含される実施形態の範囲から逸脱することなく、形態および詳細のさまざまな変更を行うことができることが理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25A
図25B
図25C