IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コンタクト オーガニクス テクノロジーズ プロプライエタリー リミテッドの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】酢酸系除草剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 37/02 20060101AFI20230117BHJP
   A01P 13/00 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
A01N37/02
A01P13/00
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2020537812
(86)(22)【出願日】2018-09-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-26
(86)【国際出願番号】 AU2018051032
(87)【国際公開番号】W WO2019056065
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】2017903835
(32)【優先日】2017-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(31)【優先権主張番号】2018900913
(32)【優先日】2018-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(31)【優先権主張番号】2018902926
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】520431915
【氏名又は名称】コンタクト オーガニクス テクノロジーズ プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CONTACT ORGANICS TECHNOLOGIES PTY LTD
【住所又は居所原語表記】Suite 43,45 Riversdale Road,Hawthorn,Victoria 3122,AUSTRALIA
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブリッグス,ウィリアム アーネスト
【審査官】高森 ひとみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-047489(JP,A)
【文献】特開平05-051302(JP,A)
【文献】特開平08-119815(JP,A)
【文献】特表2000-504340(JP,A)
【文献】特表2005-503419(JP,A)
【文献】国際公開第2016/015056(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/096358(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A01P 13/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と、塩酸と、酢酸と、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方と、少なくとも2種の金属塩とを含む除草剤組成物であって、該金属塩の少なくとも1種は、遷移金属塩であり、該少なくとも2種の金属塩は、独立して、少なくとも0.005重量%の量において存在する、除草剤組成物。
【請求項2】
さらにアンモニウム塩を含む、請求項1に記載の除草剤組成物。
【請求項3】
さらに硫酸を含む、請求項1または2に記載の除草剤組成物。
【請求項4】
さらに疎水性液体を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の除草剤組成物。
【請求項5】
さらに、ガムテレピン油、パイン油、ユーカリ油、針葉樹油、およびティーツリー油のうちの1つまたは複数を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の除草剤組成物。
【請求項6】
さらに水性凝固点降下剤を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の除草剤組成物。
【請求項7】
さらに界面活性剤を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の除草剤組成物。
【請求項8】
前記少なくとも2種の金属塩が、銅塩および亜鉛塩を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の除草剤組成物。
【請求項9】
重量%から35重量%の水と、3重量%から6重量%の塩酸と、2重量%から20重量%のクエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方と、30重量%から90重量%の酢酸とを含み、前記少なくとも2種の金属塩が、独立して、2重量%から60重量%の範囲の量において存在する、請求項1に記載の除草剤組成物。
【請求項10】
5重量%から98重量%の水と、0.01重量%から0.16重量%の塩酸と、0.1重量%から2重量%のクエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方と、1.5重量%から10重量%の酢酸と、0.4重量%から2重量%のアンモニウム塩とを含み、前記少なくとも2種の金属塩が、独立して、0.01重量%から2重量%の範囲の量において存在する、請求項1に記載の除草剤組成物。
【請求項11】
除草剤組成物を製造する方法であって、水を、塩酸、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方、酢酸、および少なくとも2種の金属塩と組み合わせることを含み、該金属塩の少なくとも1種は、遷移金属塩であり、該少なくとも2種の金属塩は、少なくとも0.005重量%の独立した量において水と組み合わされる、方法。
【請求項12】
さらに、前記水をアンモニウム塩と組み合わせることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
さらに、前記水を疎水性液体と組み合わせることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
さらに、前記水を硫酸と組み合わせることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
さらに、前記水を、ガムテレピン油、パイン油、ユーカリ油、針葉樹油、およびティーツリー油のうちの1つまたは複数と組み合わせることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
さらに、前記水を水性凝固点降下剤と組み合わせることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
さらに、前記水を界面活性剤と組み合わせることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記水を、前記塩酸、前記クエン酸、および前記少なくとも2種の金属塩のうちの前記1種と組み合わせることを含む第1のステップと、ステップ1において形成された該溶液を、前記残りの金属塩および次亜塩素酸ナトリウムと組み合わせることを含む第2のステップと、ステップ2において形成された該溶液を、前記酢酸と組み合わせることを含む第3のステップとを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
ステップ3において形成された前記溶液を、アンモニウム塩とクエン酸とを含む水溶液と組み合わせるさらなることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
(i)水を、前記塩酸、前記クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方、前記酢酸、および前記少なくとも2つの金属塩と組み合わせて、第1の溶液を形成することと、(ii)該そのように形成された第1の溶液を、水と、該少なくとも2種の金属塩のうちの該少なくとも1種と、該酢酸と、界面活性剤と、疎水性液体とを含む第2の溶液と組み合わせることと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
水性凝固点降下剤が、前記第1または第2の溶液において組み合わされる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記疎水性液体が、ガムテレピン油、パイン油、ユーカリ油、針葉樹油、およびティーツリー油のうちの1つまたは複数から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
植物を枯らすかまたはその生長を遅らせる方法であって、該植物を、請求項1から10のいずれか一項に記載の除草剤組成物と接触させることを含む、方法。
【請求項24】
ある場所における植物の生長を抑制する方法であって、該場所に、請求項1から10のいずれか一項に記載の除草剤組成物を適用することを含む、方法。
【請求項25】
水と、塩酸と、酢酸と、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方と、少なくとも2種の金属塩であって、該金属塩の少なくとも1種は遷移金属塩であり、独立して、少なくとも0.005重量%の量において存在する少なくとも2種の金属塩と、
次亜塩素酸ナトリウムと該塩酸、該酢酸、該クエン酸、および該少なくとも2つの金属塩のうちの1つまたは複数との反応によって形成された1種または複数種の生成物と、を含む除草剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、園芸、農業、および望ましくない植物生長の抑制の分野に関する。特に、本発明は、酢酸系除草剤組成物、それを調製する方法、ならびに植物を枯らすためまたはその生長を遅らせるためのそれらの適用に関する。
【背景技術】
【0002】
望ましくない植物生長を抑制するための除草剤の使用は、家庭園芸および商業的農業の両方において一般的である。除草剤は、公共施設などのインフラの周囲における望ましくない植物生長を抑制するためにも、一般的に使用される。
【0003】
除草剤は、現代の園芸/農業およびインフラの保守において、必須ではないが、有益ではあるものの、現在使用されている多くの除草剤の主な欠点は、一般的に、それらがヒト、動物、および環境に対して毒性である点である。
【0004】
グリホサート(N-(ホスホノメチル)グリシン)は、広く使用される広域スペクトルの浸透性除草剤および植物乾枯剤である。それは、有効な除草剤であるが、その大量使用は、その領域においてグリホサート耐性を生じさせた。その上、その使用が環境への有害な影響を有することを示唆する証拠も増えつつある。現在、グリホサート系除草剤組成物の使用を禁止する運動が世界中において高まっている。
【0005】
代替の毒性の低い除草剤組成物が知られている。例えば、酢酸水溶液は、除草活性を示すことが報告されている。しかしながら、従来の酢酸系除草剤組成物は、典型的には、除草活性を促進するために酢酸の高濃度(例えば、少なくとも20%v/v)を必要とし、それでも、それらの除草活性は、他の従来の除草剤と比べてかなり劣っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、費用対効果が良く、望ましくない植物生長をよく抑制するだけでなく、環境へのリスクも低い除草剤組成物を開発することが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水と、塩酸と、酢酸と、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方と、少なくとも2種の金属塩とを含む除草剤組成物であって、当該金属塩の少なくとも1種は、遷移金属塩であり、当該少なくとも2種の金属塩は、独立して、少なくとも0.005重量%の量において存在する、除草剤組成物を提供する。
【0008】
本発明は、除草剤組成物を調製する方法であって、水を、塩酸、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方、酢酸、および少なくとも2種の金属塩と組み合わせることを含み、当該金属塩の少なくとも1種は、遷移金属塩であり、当該少なくとも2種の金属塩は、少なくとも0.005重量%の独立した量において水と組み合わされる、方法も提供する。
【0009】
本発明はさらに、本発明の方法に従って製造される除草剤組成物も提供する。
【0010】
本発明はさらに、植物を枯らすまたはその生長を遅らせる方法であって、本発明による除草剤組成物を植物に接触させることを含む方法も提供する。
【0011】
本発明はさらに、ある場所において植物生長を抑制する方法であって、本発明による除草剤組成物を当該場所に適用することを含む方法を含む。
【0012】
本発明により、植物を枯らすまたはその生長を遅らせるための、本発明による除草剤組成物の使用も提供される。
【0013】
本発明はさらに、ある場所における植物生長を抑制するための、本発明による除草剤組成物の使用も提供する。
【0014】
一実施形態において、当該除草剤組成物はさらに、アンモニウム塩を含む。
【0015】
さらなる実施形態において、当該除草剤組成物は、リン酸を含む。
【0016】
さらなる実施形態において、当該除草剤組成物は、硫酸を含む。
【0017】
一実施形態において、当該除草剤組成物は、クエン酸およびクエン酸塩の両方を含む。
【0018】
別の実施形態において、当該少なくとも2種の金属は、両方とも金属ハロゲン化物塩である。
【0019】
さらなる実施形態において、当該除草剤組成物は、界面活性剤を含む。
【0020】
別の実施形態において、当該除草剤組成物は、疎水性液体を含む。
【0021】
さらなる実施形態において、当該除草剤組成は、水性凝固点降下剤を含む。
【0022】
さらなる実施形態において、当該少なくとも2種の金属塩は、潮解性の金属塩を含む。
【0023】
一実施形態において、本発明による除草剤組成物を調製する方法は、
水を、塩酸、クエン酸、および当該少なくとも2種の金属塩のうちの1種と組み合わせることを含む第1のステップと、
ステップ1において形成された溶液を、残りの金属塩および次亜塩素酸ナトリウムと組み合わせることを含む第2のステップと、
ステップ2において形成された溶液を、酢酸と組み合わせることを含む第3のステップと、
を含む。
【0024】
一実施形態において、当該方法のステップ2における次亜塩素酸ナトリウムの添加は、クエン酸の少なくともいくらかをクエン酸ナトリウムに転化させる。
【0025】
別の実施形態において、本発明による除草剤組成物を調製する当該方法はさらに、水をアンモニウム塩と組み合わせることを含む。
【0026】
さらなる実施形態において、本発明による除草剤組成物を調製する当該方法はさらに、水をリン酸と組み合わせることを含む。
【0027】
さらなる実施形態において、本発明による除草剤組成物を調製する当該方法はさらに、水を硫酸と組み合わせることを含む。
【0028】
別の実施形態において、本発明による除草剤組成物を調製する当該方法はさらに、水を界面活性剤と組み合わせることを含む。
【0029】
さらなる別の実施形態において、本発明による除草剤組成物を調製する当該方法はさらに、水を疎水性液体と組み合わせることを含む。
【0030】
さらなる実施形態において、本発明による除草剤組成物を調製する当該方法はさらに、水を水性凝固点降下剤と組み合わせることを含む。
【0031】
除草剤組成物を製造する場合、最初に前駆体除草剤組成物を調製し、その組成物に酢酸を加えて当該除草剤組成物を形成することは、好都合であり得る。
【0032】
したがって、本発明は、前駆体除草剤組成物であって、水と、塩酸と、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方と、少なくとも2種の金属塩とを含み、当該金属塩の少なくとも1種は、遷移金属塩であり、当該少なくとも2種の金属塩は、独立して、少なくとも0.005重量%の量において存在する、前駆体除草剤組成物を提供する。
【0033】
酢酸以外の、当該除草剤組成物に含ませられる他の成分は、当該先駆除草剤組成に加えられ得る。
【0034】
本発明はさらに、前駆体除草剤組成物を調製する方法であって、水を、塩酸、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方、および少なくとも2種の金属塩と組み合わせることを含み、当該金属塩の少なくとも1種は、遷移金属塩であり、当該少なくとも2種の金属塩は、少なくとも0.005重量%の独立した量において当該水と組み合わされる、方法も提供する。
【0035】
一実施形態において、前駆体除草剤組成物を調製する当該方法は、
水を、塩酸、クエン酸、および少なくとも2種の金属塩のうちの1種と組み合わせることを含む第1のステップと、
ステップ1において形成された溶液を、残りの金属塩および次亜塩素酸ナトリウムと組み合わせることを含む第2のステップと、
を含む。
【0036】
本発明はさらに、除草剤組成物を調製する方法であって、本発明による先駆除草剤組成を酢酸と組み合わせることを含む方法も提供する。
【0037】
本発明は、水と、塩酸と、酢酸と、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方と、少なくとも2種の金属塩とを含む除草剤組成物であって、当該金属塩の少なくとも1種は、遷移金属塩であり、当該少なくとも2種の金属塩は、独立して、少なくとも0.005重量%の量において存在し、次亜塩素酸ナトリウムと、塩酸、酢酸、クエン酸、および少なくとも2つの金属塩のうちの1つまたは複数との反応によって形成された1種または複数種の生成物をさらに含む、除草剤組成物も提供する。
【0038】
本発明による除草剤組成物は、驚くべきことに、従来の酢酸系除草剤組成物と比べて向上した除草活性を示すことが見出された。その上、本発明による除草剤組成物は、多くの非酢酸系除草剤組成物、例えば、グルホシネート-アンモニウムを含有するものなど、に匹敵する除草活性を示すことができる。
【0039】
とりわけ、従来の酢酸系除草剤組成物とは異なり、本発明による除草剤組成物は、10重量%未満、さらには5重量%未満の酢酸濃度において、優れた除草活性を示すことができる。
【0040】
本発明による除草剤組成物は、高い酢酸濃度においても優れた除草活性を示す。
【0041】
理論によって制限されることを望むわけではないが、本発明による除草剤組成物の優れた除草活性は、当該組成物の構成成分の独特な組み合わせに起因するものと考えられる。当該酢酸成分は、植物上のロウ質クチンコーティングの破壊を促進し、さらに植物の脱水も支援すると考えられる。そして、ロウ質クチンコーティングの破壊は、植物によるクエン酸および/またはクエン酸塩ならびに少なくとも2種の金属塩の浸透性取り込みを促進する。植物によるクエン酸および/またはクエン酸塩ならびに当該金属塩の取り込みは、植物の効果的な細胞分解を促進し、その正味の効果は、植物の生長を遅延させるか、または植物を枯らす。アンモニウム塩が存在する場合、当該アンモニウム塩は、植物による当該除草剤組成物の取り込みを促進し、それによってその有効性を高めると考えられる。存在する他の構成要素は、植物/場所における当該組成物の濡れを促進することを支援することができ、それは、全ての成分が当該組成物中に溶存すること、および当該植物細胞の脱水の増強を確保する。
【0042】
理論によって制限されることを望むわけではないが、当該除草剤組成物の構成成分は、低濃度において、特に酢酸の低濃度において、優れた除草活性を実現することを可能にするように相乗効果的に機能すると考えられる。構成成分、例えば、アンモニウム塩、リン酸、疎水性液体、界面活性剤、水性凝固点降下剤、潮解性の金属塩、および/または硫酸など、を当該除草剤組成物中に導入することは、驚くべきことに、および有利なことに、当該組成物の除草活性をさらに高めることが見出された。
【0043】
当該除草剤組成物中の構成成分の性質ならびに典型的に用いられるそれらの量および濃度は、当該組成物を比較的環境にも優しいものにもする。
【0044】
本発明のさらなる態様および実施形態は、以下においてより詳細に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明は、除草剤組成物を提供する。本明細書において使用される場合、用語「除草剤」は、植物を枯らすまたは植物の生長を遅らせることができる1種または複数種の構成成分を含む組成物を意味することが意図される。当該除草剤の適用は、概して、1種または複数種の望ましくない植物種、例えば、1種または複数種の雑草(weed)、を枯らすためまたはその生長を遅らせるために用いられるであろう。したがって、表現「除草活性」は、除草剤として機能するための当該組成物の潜在能力を意味する。
【0046】
本発明は、前駆体除草剤組成物も提供する。その文脈における当該用語「前駆体」は、して、酢酸を加えることによって本発明による除草剤組成物を形成するために、その組成物を使用することができることを意味すると意図される。それは、当該前駆体除草剤組成物を製造および輸送するため、ならびに、続いてその意図された適用により近い目的地において除草剤組成物へと転化するために、好都合であり得る。
【0047】
本発明による除草剤組成物は、非選択的除草剤として分類され得る。その文脈において、当該用語「非選択的」は、当該除草剤が活性を示す植物種の範囲を意味し、非選択的除草剤は、全ての植物種ではないにしても、ほとんどの植物種に対して活性を示す。
【0048】
本発明による除草剤組成物が除草活性を示す一般的な植物種としては、これらに限定されるわけではないが、堅木植物、例えば、キイチゴおよびランタナなど、ならびに一年生/多年生広葉植物、例えば、一般的な雑草および草(grass)など、が挙げられる。
【0049】
本発明による除草剤組成物は、液体系であり、ならびに従来の液体系除草剤適用手段を使用して標的の植物または場所に対して簡便に適用することができる。そのような適用手段としては、これらに限定されるわけではないが、噴霧、注込、または擦込適用が挙げられる。
【0050】
本発明による除草剤組成物は、概して、発芽後(すなわち、植物への直接的な適用)除草剤として使用されるであろう。
【0051】
本発明による除草剤組成物は、典型的には、地面の上に位置する植物構造の少なくとも一部に接触するように適用されるであろう。例えば、当該組成物は、植物の葉および/または幹構造に適用され得る。
【0052】
当該除草剤組成物は、望ましい除草活性を達成するための量および濃度において使用される。望ましい除草活性は、植物を枯らすため、または単純にその生長を遅らせるためのものであり得る。必要であれば、望ましい除草活性は、植物または場所への当該除草剤組成物の多重適用により達成され得る。
【0053】
所定の適用において使用されるべき当該除草剤組成物の量および濃度は、植物種および所望の除草活性結果(すなわち、植物を枯らすため、または単にその生長を遅らせるため)などのいくつかの要因に応じて変わるであろうことを、当業者は理解するであろう。本明細書における教示の観点から、当業者は、所定の適用において使用されるべき当該除草剤組成物の量および濃度を容易に選択することができるであろう。
【0054】
本発明による除草剤組成物は、有利には、直接使用することができる、または意図される適用に応じて希釈して使用することができる、様々な濃縮形態において提供することができる。例えば、当該組成物の濃縮形態は、それを根元の領域に注ぎ込むことによって、または新たに切断された幹に直接適用することによって、堅木植物、例えば、キイチゴおよびランタナなど、に対して使用され得、または当該濃縮形態は、広葉雑草または草への噴霧における使用のために希釈してもよい。
【0055】
特に明記されない限り、本明細書において使用される場合、表現「重量%」は、当該除草剤組成物中に存在する全ての成分の総重量に対する、指定された成分の重量パーセントを意味することが意図される。
【0056】
本発明による除草剤組成物は、水を含む。一実施形態において、当該水は、脱塩水である。
【0057】
当該除草剤組成物中に存在する水の量は、概して、約2重量%から約98重量%において変わるであろう。
【0058】
当該組成物が含む水が少ないほど、それはより濃く濃縮されるであろう。当該組成物の濃度は、所定の用途に対して調整されるであろう。
【0059】
一実施形態において、水は、約2重量%から約35重量%、または約2重量%から約25重量%、または約2重量%から約20重量%、または約35重量%から約65重量%、または約75重量%から約98重量%の範囲の量において当該除草剤組成物中に存在する。
【0060】
当該除草剤組成物はさらに、塩酸を含む。当該塩酸は、典型的には、濃塩酸水溶液(例えば、32重量%塩酸水溶液)を使用することにより提供されるであろう。
【0061】
本発明による除草剤組成物は、概して、約0.0096重量%から約1.6重量%の塩酸、または約0.01重量%から約6重量%の塩酸を含むであろう。
【0062】
当該除草剤組成物は、概して約0.03重量%から約5重量%の32重量%塩酸水溶液、または約0.03重量%から約18重量%の32重量%塩酸水溶液を含むとしても表現され得る。
【0063】
一実施形態において、当該除草剤組成物は、約0.032重量%から約1.6重量%の塩酸、または約0.096重量%から約0.64重量%の塩酸、または約0.0096重量%から約0.16重量%の塩酸を含む。
【0064】
さらなる実施形態において、当該除草剤組成物は、約1重量%から約5重量%、または約0.3重量%から約3重量%、または約0.3重量%から約2重量%、または約0.03重量%から約0.5重量%、または約0.01重量%から約0.25重量%の範囲の量において32重量%塩酸水溶液を含み得る。
【0065】
本発明による除草剤組成物は、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方を含む。
【0066】
「クエン酸塩」は、クエン酸の1つ、2つ、または3つのカルボン酸官能基が、金属カチオンで中和されたカルボン酸アニオンの形態であることを意味する。好適な金属カチオンの例としては、これらに限定されるわけではないが、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、銅、カルシウム、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0067】
一実施形態において、当該クエン酸は、一価の金属カチオンのクエン酸塩、二価の金属カチオンのクエン酸塩、および三価の金属カチオンのクエン酸塩の1つまたは複数を含む。
【0068】
さらなる実施形態において、当該クエン酸塩は、一価の金属カチオンによるクエン酸塩を含む。
【0069】
さらなる実施形態において、当該クエン酸塩は、一価のクエン酸ナトリウムを含む。
【0070】
クエン酸塩が存在する場合、当該クエン酸塩は、予め形成されたクエン酸塩として提供され得、ならびに当該組成物の製造の際に他の構成成分と組み合わされ得る。あるいは、クエン酸塩は、当該除草剤組成物の製造の際にインサイチュにおいて形成され得る。
【0071】
一実施形態において、当該除草剤組成物は、クエン酸およびクエン酸塩の両方を含む。
【0072】
クエン酸が使用される場合、当該クエン酸は、当該組成物に使用されるクエン酸およびクエン酸塩の総量に対して、約3重量%から約35重量%、または約5重量%から約35重量%、または約3重量%から約30重量%、または約5重量%から約30重量%、または約10重量%から約25重量%、または約15重量%から約25重量%の範囲の量において存在し得る。
【0073】
本発明による除草剤組成物中のクエン酸およびクエン酸塩(存在する場合)の合計量は、概して、約0.1重量%から約20重量%、または約0.4重量%から約20重量%の範囲であるだろう。
【0074】
一実施形態において、当該除草剤組成物中のクエン酸およびクエン酸塩(存在する場合)の合計量は、約2重量%から約20重量%、または約5重量%から約20重量%、または約0.6重量%から約7重量%、または約1重量%から約7重量%、または約0.4重量%から約4重量%、または約0.1重量%から約2重量%の範囲である。
【0075】
本発明による除草剤組成物は、少なくとも2種の金属塩も含み、その場合、当該金属塩の少なくとも1種は、遷移金属塩である。疑義を避けるために明記すると、当該少なくとも2種の金属塩は、異なる金属カチオンを有しなければならない。換言すると、当該組成物は、異なる金属カチオンを有する少なくとも2種の金属塩を含み、その場合、当該金属塩の少なくとも1種は、遷移金属塩である。
【0076】
用いられる当該繊維金属塩の遷移金属のタイプに関して、特に制限はない。概して、当該遷移金属塩は、マンガン、鉄、ニッケル、銅、およびそれらの組み合わせから選択される遷移金属を有するであろう。
【0077】
当該少なくとも2種の金属塩は、遷移金属塩であってもよい。
【0078】
当該少なくとも2種の金属塩のうちの1種が遷移金属塩でない場合、用いられる金属のタイプに関して特に制限はない。概して、非遷移金属塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、およびそれらの組み合わせから選択される金属成分を有するであろう。
【0079】
一実施形態において、当該少なくとも2種の金属塩は、銅塩およびマグネシウム塩を含む。
【0080】
当該金属塩の金属カチオンと会合し得る対アニオンのタイプに関して、特に制限はない。
【0081】
一実施形態において、当該少なくとも2種の金属塩は、金属ハロゲン化物塩、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属リン酸塩、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0082】
一実施形態において、当該少なくとも2種の金属塩のうちの少なくとも1種は、金属ハロゲン化物塩である。
【0083】
好適な金属ハロゲン化物塩としては、金属フッ化物塩、金属塩化物塩、金属臭化物塩、金属ヨウ化物塩、および金属アスタチン塩が挙げられる。
【0084】
一実施形態において、当該少なくとも2種の金属塩のうちの少なくとも1種は、金属塩化物塩である。
【0085】
別の実施形態において、当該少なくとも2種の金属塩のうちの少なくとも2種は、金属塩化物塩である。
【0086】
一実施形態において、遷移金属塩である当該少なくとも1種の金属塩は、硝酸銅、塩化銅、硫酸銅、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0087】
さらなる実施形態において、当該少なくとも2種の金属塩は、塩化マグネシウムを含む。
【0088】
さらなる実施形態において、当該少なくとも2種の金属塩は、塩化ナトリウムを含む。
【0089】
一実施形態において、当該少なくとも2種の金属塩は、潮解性の金属塩を含む。「潮解性」である金属塩とは、当該塩が空気に晒された際に、空気から十分な湿気を吸収して溶液を形成するであろうことを意味する。好適な潮解性金属塩の例としては、ZnCl、CaCl、MgCl、およびFeClが挙げられる。
【0090】
一実施形態において、当該潮解性金属塩は、金属水酸化物ではない。
【0091】
さらなる実施形態において、当該少なくとも2種の金属塩は、塩化亜鉛を含む。
【0092】
理論によって制限されることを望むわけではないが、当該少なくとも2種の金属塩は、当該金属塩のうちの少なくとも1種が遷移金属塩の場合、当該組成物の有利な除草活性を実現することにおいて重要な役割を果たすと考えられる。特に、植物への適用の際、当該異なる金属塩は、脈管系内へと浸透し、植物の細胞構造を崩壊させる電解質活性を促進すると考えられる。そして、崩壊した細胞構造は、植物中への当該除草成分の流入を高め、当該植物から水分を放出させると考えられる(すなわち、乾燥または脱水)。
【0093】
したがって、当該少なくとも2種の金属塩は、単なる残留物としてまたは痕跡レベルではなく、当該組成物中に存在するであろう。本発明により、当該少なくとも2種の金属塩は、独立して、少なくとも0.005重量%、または少なくとも0.01重量%、または少なくとも0.05重量%、または少なくとも0.1重量%、または少なくとも0.5重量%、または少なくとも1重量%、または少なくとも2重量%の量において存在する。
【0094】
海塩は、多くの場合、痕跡レベルの様々な異なる金属塩を含有する。本発明において使用される当該少なくとも2種の金属塩は、海塩が本発明により使用された場合に導入され得る痕跡レベルのそのような金属塩に由来することは意図されない。その上、本発明による海塩の使用は、いくらかの望ましくないアニオン種を当該組成物中に導入する可能性を有する。
【0095】
したがって、一実施形態において、本発明による組成物は、海塩を含有しない。
【0096】
一実施形態において、当該少なくとも2種の金属塩のそれぞれは、少なくとも0.005重量%、または少なくとも0.01重量%、または少なくとも0.05重量%、または少なくとも0.1重量%、または少なくとも0.5重量%、または少なくとも1重量%、または少なくとも2重量%の量において当該組成物中に存在する。
【0097】
当該少なくとも1種の遷移金属塩は、典型的には、それ以外の金属塩に対して、少なくとも1:2の比率、例えば、約1:2から約1:20の範囲の比率において、当該組成物中に存在するであろう。
【0098】
一実施形態において、当該少なくとも2種の金属塩は、独立して、約0.005重量%から約60重量%、または約0.005重量%から約40重量%、または約0.005重量%から約20重量%、または0.005重量%から約15重量%、または0.005重量%から約10重量%、または約0.005重量%から約5重量%の範囲の量において存在する。使用される所定の金属塩の上限量は、当該除草剤組成物の意図される用途および当該除草剤組成物に対する当該金属塩の溶解性などの因子に依存し得る。
【0099】
別の実施形態において、当該少なくとも2種の金属塩は、独立して、約2重量%から約60重量%、または約2重量%から約40重量%、または約2重量%から約20重量%、または約0.6重量%から約10重量%、または約0.6重量%から約4重量%、または約0.6重量%から約2重量%、または約0.05重量%から約5重量%、または約0.05重量%から約2重量%の範囲の量において存在する。
【0100】
一実施形態において、当該少なくとも2種の金属塩のそれぞれは、独立して、約0.005重量%から約60重量%、または約0.005重量%から約40重量%、または約0.005重量%から約20重量%、または0.005重量%から約15重量%、または0.005重量%から約10重量%、または約0.005重量%から約5重量%の範囲の量において存在する。使用される所定の金属塩の上限量は、当該除草剤組成物の意図される用途および当該除草剤組成物に対する当該金属塩の溶解性などの因子に依存し得る。
【0101】
別の実施形態において、当該少なくとも2種の金属塩のそれぞれは、独立して、約2重量%から約60重量%、または約2重量%から約40重量%、または約2重量%から約20重量%、または約0.6重量%から約10重量%、または約0.6重量%から約4重量%、または約0.6重量%から約2重量%、または約0.005重量%から約5重量%、または約0.005重量%から約2重量%の範囲の量において存在する。
【0102】
当該除草剤組成物が、2種以上の遷移金属塩を含む場合、その組成物中におけるそれらの合計質量は、少なくとも0.005重量%の量において存在し得る。
【0103】
当該除草剤組成物が、2種以上の非遷移金属塩を含む場合、その組成物中におけるそれらの合計質量は、少なくとも0.005重量%の量において存在し得る。
【0104】
当該除草剤組成物が、2種以上の遷移金属塩を含む場合、その組成物中におけるそれらの合計質量は、約0.005重量%から約60重量%、または約0.005重量%から約40重量%、または約0.005重量%から約20重量%、または約0.005重量%から約10重量%の範囲であり得る。
【0105】
一実施形態において、当該除草剤組成物が、2種以上の遷移金属塩を含む場合、その組成物中におけるそれらの合計質量は、約2重量%から約60重量%、または約2重量%から約40重量%、または約2重量%から約20重量%、または約2重量%から約10重量%、または約0.6重量%から約10重量%、または約0.6重量%から約4重量%、または約0.005重量%から約5重量%、または約0.005重量%から約2重量%の範囲であり得る。
【0106】
当該除草剤組成物が、2種以上の非遷移金属塩を含む場合、その組成物中におけるそれらの合計質量は、約0.005重量%から約60重量%、または約0.005重量%から約40重量%、または約0.005重量%から約30重量%、または約0.005重量%から約20重量%、または約0.005重量%から約10重量%の範囲であり得る。
【0107】
一実施形態において、当該除草剤組成物が、2種以上の非遷移金属塩を含む場合、その組成物中におけるそれらの合計質量は、約10重量%から約60重量%、または10重量%から約40重量%、または10重量%から約30重量%、または10重量%から約20重量%、または約5重量%から約20重量%、または約4重量%から約20重量%、または約4重量%から約10重量%、または約1重量%から約5重量%、または約1重量%から約4重量%、または約0.005重量%から約5重量%、または約0.005重量%から約1重量%の範囲であり得る。
【0108】
本発明による除草剤組成物が、1種の遷移金属塩と1種の非遷移金属塩とを含む場合、当該金属塩のそれぞれは、それぞれ独立して、約0.005重量%から約30重量%、0.005重量%から約20重量%、または約0.005重量%から約10重量%の範囲の量において存在し得る。
【0109】
一実施形態において、当該除草剤組成物が、1種の遷移金属塩と1種の非遷移金属塩とを含む場合、当該金属塩のそれぞれは、それぞれ独立して、約2重量%から約30重量%、または約2重量%から約20重量%、または約2重量%から約10重量%、または約0.6重量%から約10重量%、または約0.6重量%から約4重量%、または約0.005重量%から約5重量%、または約0.005重量%から約2重量%の範囲の量において存在し得る。
【0110】
当該少なくとも2種の金属塩が少なくとも0.005重量%(または他の重量%値)において「独立して」存在するという本明細書における言及は、それぞれの遷移金属塩含有量および非遷移金属塩含有量との関連においてであることが意図されることは理解されるであろう。換言すると、当該組成物は、1種または複数種の遷移金属塩を少なくとも0.005重量%の合計質量において、または1種または複数種の非遷移金属塩を少なくとも0.005重量%の合計質量において含み得る。1種のみの遷移金属塩および非遷移金属塩が存在する場合、それぞれの塩は、少なくとも0.005重量%の量において存在するであろう。
【0111】
本明細書において定義される当該少なくとも2種の金属塩の当該範囲において、任意の所定の範囲の下限は、以下の値:約0.005重量%、または約0.01重量%、または約0.05重量%、または約0.1重量%、または約0.5重量%、または約1重量%、または約2重量%、のいずれか1つによって置き換えられ得る。
【0112】
同様に、本明細書において定義される当該少なくとも2種の金属塩の当該下限は、以下の値:少なくとも0.005重量%、または少なくとも0.01重量%、または少なくとも0.05重量%、または少なくとも0.1重量%、または少なくとも0.5重量%、または少なくとも1重量%、または少なくとも2重量%、のいずれか1つによって置き換えられ得る。
【0113】
本発明による除草剤組成物は、酢酸も含む。当該組成物は、有利には、氷酢酸を使用して製造することができる。簡便さのために、当該組成物中に存在する酢酸の量は、その氷酢酸含有量に関して本明細書において定義され得る。疑義を避けるために明記すると、酢酸の重量%について本明細書において言及される場合、それは、氷酢酸の重量%と見なされる。
【0114】
本発明による除草剤組成物は、概して、約0.5重量%から約90重量%の酢酸、または約1.5重量%から約90重量%の酢酸を含むであろう。
【0115】
一実施形態において、本発明による除草剤組成物は、約10重量%から約90重量%の酢酸、または約20重量%から約90重量%の酢酸、または約30重量%から約90重量%の酢酸、または約10重量%から約30重量%の酢酸、または約10重量%から約20重量%の酢酸、または約0.5重量%から約10重量%の酢酸、または約0.5重量%から約5重量%の酢酸、または約1.5重量%から約10重量%の酢酸、または約1.5重量%から約5重量%の酢酸を含む。
【0116】
本発明による除草剤組成物の水溶性構成成分およびそれらの濃度は、典型的には、それらが当該除草剤組成物の適用が行われる温度において溶存するような、当該除草剤組成物に対する溶解性を有するように選択されるであろう。当該除草剤組成物は、概して、約5℃から約45℃、または約10℃から約45℃、または約15℃から約45℃の範囲の温度において適用されるであろう。
【0117】
本発明による除草剤組成物が、水性構成成分の凍結を促進し得る環境において輸送および/または使用される場合、当該組成物に水性凝固点降下剤を導入することは、望ましくあり得る。そのような薬剤またはそれらの適用濃度は、当技術分野において既知である。
【0118】
一実施形態において、本発明による除草剤組成物は、水性凝固点降下剤を含む。
【0119】
水性凝固点降下剤の例としては、C~Cモノアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール(それらの全ての構造異性体を含む))、C~Cジアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール(それらの全ての構造異性体を含む))、C~Cトリアルコール(例えば、プロピレントリオール、ブチレントリオール、ペンチレントリオール、ヘキシレントリオール(それらの全ての構造異性体を含む))、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0120】
本発明による除草剤組成物は、概して、(存在する場合)約0.05重量%から約10重量%の水性凝固点降下剤を含むであろう。
【0121】
一実施形態において、本発明による除草剤組成物は、約0.05重量%から約3重量%の水性凝固点降下剤、または約3重量%から約6重量%の水性凝固点降下剤、または約6重量%から約9重量%の水性凝固点降下剤を含み得る。
【0122】
当該除草剤組成物での水性凝固点降下剤の使用は、当該水性凝固点降下剤を使用しなければ当該組成物が凍って使用不可能となるような環境での当該組成物の使用を可能にすることができる。
【0123】
一実施形態において、当該水性凝固点降下剤は、イソプロパノール、グリセロール、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0124】
本発明による除草剤組成物は、アンモニウム塩も含み得る。
【0125】
用いることができるアンモニウム塩のタイプに関して、特に制限はない。概して、当該アンモニウム塩は、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、およびそれらの組み合わせから選択されるであろう。
【0126】
本発明による除草剤組成物は、概して、(存在している場合)約0.4重量%から約10重量%のアンモニウム塩を含むであろう。
【0127】
一実施形態において、本発明による除草剤組成物は、約1重量%から約10重量%のアンモニウム塩、または約0.6重量%から約5重量%のアンモニウム塩、または約0.4重量%から約2重量%アンモニウム塩を含み得る。
【0128】
本発明による除草剤組成物は、さらに、リン酸を含み得る。
【0129】
本発明による除草剤組成物は、概して、(存在している場合)約0.4重量%から約10重量%のリン酸を含むであろう。
【0130】
一実施形態において、本発明による除草剤組成物は、約1重量%から約10重量%のリン酸、または約0.6重量%から約5重量%のリン酸、または約0.4重量%から約2重量%リン酸を含み得る。
【0131】
本発明による除草剤組成物は、硫酸も含み得る。当該組成物は、有利には、98重量%の硫酸(すなわち、濃硫酸)を使用することにより製造することができる。疑義を避けるために明記すると、硫酸の重量%について本明細書において言及される場合、それは、濃硫酸の重量%と見なされる。
【0132】
本発明による除草剤組成物は、概して、(存在する場合)約0.025重量%から約25重量%の硫酸を含むであろう。
【0133】
一実施形態において、本発明による除草剤組成物は、約0.05重量%から約25重量%の硫酸、または約0.05重量%から約15重量%の硫酸、または約0.05重量%から約10重量%の硫酸、または約0.05重量%から約5重量%の硫酸、または約0.1重量%から約5重量%の硫酸、または約0.1重量%から約0.3重量%の硫酸、または約0.025重量%から約2重量%の硫酸、または約0.025重量%から約0.05重量%の硫酸を含み得る。
【0134】
本発明による除草剤組成物は、界面活性剤も含み得る。当該界面活性剤は、当該組成物の表面張力を減少させるために使用され得、結果として、当該組成物が適用される表面の濡れを容易にし得る。例えば、界面活性剤の使用は、当該組成物が適用される植物または場所の濡れを容易にし得る。当該界面活性剤は、当該組成物内において水に不溶性の成分(例えば、疎水性液体)を乳化するのを助けるためにも使用され得る。
【0135】
したがって、本発明による除草剤組成物での界面活性剤の使用についての言及は、湿潤剤として、乳化剤として、またはその両方として機能することに関連し得る。
【0136】
当該界面活性剤が、当該組成物の除草活性に悪影響を及ぼさず、当該組成物の表面張力を減じおよび/または乳化剤として機能する限り、使用され得る界面活性剤のタイプに関して、特に制限はない。
【0137】
一実施形態において、当該除草剤組成物は、界面活性剤、例えば、非イオン性界面活性剤を含む。使用され得る好適な非イオン性界面活性剤の例としては、これらに限定されるわけではないが、アルキルポリグリコシド界面活性剤、アルコキシル化アルコール(例えば、エトキシル化アルコール、プロポキシル化アルコール、およびエトキシル化/プロポキシル化アルコール)、モノグリセロール脂肪酸エステル(例えば、モノグリセロールC~C20脂肪酸エステル)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0138】
界面活性剤が使用される場合、当該界面活性剤は、概して、約0.0001重量%から約20重量%の範囲の量において当該組成物中に存在するであろう。使用される当該量は、概して、当該組成物が使用前に希釈されるか否か、および/または当該界面活性剤の意図される機能(例えば、湿潤剤および/または乳化剤)に依存するであろう。当業者は、必要に応じて、好適な量の界面活性剤を容易に用いることができるであろう。
【0139】
一実施形態において、本発明による除草剤組成物は、界面活性剤を、約0.05重量%から約15重量%、または約0.05重量%から約10重量%、または約0.05重量%から約5重量%、または約0.01重量%から約6重量%、または約0.05重量%から約0.2重量%、または約0.01重量%から約0.05重量%、または約0.0001重量%から約0.3重量%、または約0.0001重量%から約0.01重量%、または約0.8重量%から約20重量%、または約0.4重量%から約8重量%、または約0.8重量%から約1.5重量%,or約0.4重量%から約0.8重量%、または約0.01重量%から約0.4重量%の量において含み得る。
【0140】
当該界面活性剤が乳化剤として使用される場合、当該界面活性剤は、当然ながら、湿潤剤としても機能し得る。乳化剤の機能を提供するために使用される界面活性剤の量は、通常、湿潤剤の機能のみを提供するために使用される量よりも多いであろう。
【0141】
別の実施形態において、当該除草剤組成物は、疎水性液体を含む。
【0142】
「疎水性液体」は、(i)当該除草剤組成物の典型的な適用温度、例えば、少なくとも5℃、または少なくとも10℃、または少なくとも15℃、または少なくとも20℃、または少なくとも25℃において液体であり、かつ(ii)水に対してわずかな溶解性を有するかまたは全く有さない物質、を意味することが意図される。
【0143】
水性液体が存在する場合、当該疎水性液体は、界面活性剤と一緒に使用され得る。その場合、当該界面活性剤は、当該除草剤組成物内での当該疎水性液体の乳化を支援することができる。
【0144】
理論に制限されることを望むわけではないが、当該除草剤組成物に疎水性液体を組み入れることにより、当該組成物の有効性を向上させることができると考えられる。植物に当該除草剤組成物を適用する際、当該疎水性液体は、少なくとも、(i)雨の作用下において植物から活性剤が失われるのを低下させることができ、かつ(ii)当該組成物中のある特定の活性剤の機能を向上させることができる遮水層を、植物の表面上に作り出すことができると考えられる。(ii)に関して、当該組成物が潮解性金属塩を含む場合、植物の表面上における当該疎水性液体の障壁は、植物内の水分が当該潮解性金属塩によって抜かれて拘束されることを促進することができる。そして、これは、植物組織の脱水を高め、結果として、当該組成物の除草効果を高めると考えられる。
【0145】
好適な疎水性液体の例としては、これらに限定されるわけではないが、有機溶媒(例えば、キシレン、トルエン、C~C12アルカン)、鉱油(例えば、パラフィンオイル)、植物油(例えば、種油およびテルペン)、石油蒸留物(例えば、灯油、ミネラルスピリット、ホワイトスピリット、およびストダードソルベント)、動物油、脂肪酸、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0146】
一実施形態において、当該除草剤組成物は、植物油を含む。使用され得る好適な植物油の例としては、これらに限定されるわけではないが、メチル化された種油、アルキル化された種油が挙げられる。
【0147】
一実施形態において、当該疎水性液体は、1種または複数種のテルペンを含む。
【0148】
テルペンの例としては、ピネン、ネロール、シトラール、メントール、リモネン、カレン、シネオール、カンフェン、ジペンテン、およびテルピノレンが挙げられる。
【0149】
当業者は、テンペルは、典型的には、植物油、例えば、ガムテレピン油、パイン油や、ユーカリ油、針葉樹油、ティーツリー(tea tree)油、およびそれらの組み合わせなど、に由来するかそれらから取れることを理解するであろう。
【0150】
一実施形態において、当該除草剤組成物は、ガムテレピン油、パイン油、ユーカリ油、針葉樹油、ティーツリー油、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を含む。
【0151】
一実施形態において、当該除草剤組成物は、ガムテレピン油、パイン油、ユーカリ油、針葉樹油、ティーツリー油、およびそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数に由来するかまたはそれらから取れる1種または複数種のテルペンを含む。
【0152】
疎水性液体が使用される場合、当該疎水性液体は、概して、約0.1重量%から約30重量%の範囲の量において当該組成物中に存在するであろう。
【0153】
一実施形態において、本発明による除草剤組成物は、約15重量%から約30重量%の疎水性液体、または約3重量%から約15重量%の疎水性液体、または約0.1重量%から約1重量%の疎水性液体を含み得る。
【0154】
本発明は、除草剤組成物を調製する方法であって、水を、塩酸、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方、酢酸、および少なくとも2種の金属塩と組み合わせることを含み、当該金属塩の少なくとも1種は、遷移金属塩であり、当該少なくとも2種の金属塩は、少なくとも0.005重量%の独立した量において当該水と組み合わされる、方法も提供する。
【0155】
当該少なくとも2種の金属塩が少なくとも0.005重量%の「独立した」量において水と組み合わされるという本明細書における言及は、遷移金属塩含有量および非遷移金属塩含有量との関連においてであることが意図されることは、理解されるであろう。換言すると、当該組成物は、1種または複数種の遷移金属塩を少なくとも0.005重量%の合計質量において、または1種または複数種の非遷移金属塩を少なくとも0.005重量%の合計質量において使用することにより調製され得る。1種のみの遷移金属塩および非遷移金属塩が使用される場合、それぞれの塩は、少なくとも0.005重量%の量において水と組み合わされるであろう。当該金属塩は、当然のことながら、個別に、または金属塩の混合物の形態において、水と組み合わされ得る。
【0156】
一実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、さらに、水をアンモニウム塩と組み合わせることを含む。
【0157】
本発明の方法により、当該除草剤組成物の所定の構成成分は、水と組み合わされるか、または水に導入される。「水」は、当然のことながら、以前に当該水に加えられた1種または複数種の他の構成成分を含有し得ることは、理解されるであろう。
【0158】
さらなる実施形態において、当該除草剤を調製する方法は、さらに、水をリン酸と組み合わせることを含む。
【0159】
さらなる実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、さらに、水を硫酸と組み合わせることを含む。
【0160】
さらなる実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、さらに、水を界面活性剤と組み合わせることを含む。
【0161】
別の実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、さらに、水を疎水性液体と組み合わせることを含む。
【0162】
さらなる実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、さらに、水を水性凝固点降下剤と組み合わせることを含む。
【0163】
水に当該除草剤組成物の水溶性配合物成分を導入することにおいて、それらの成分は、通常、水に溶解するであろう。
【0164】
当該除草剤組成物を調製することにおいて使用される構成成分のタイプおよび量は、本明細書において説明されるものを含む。
【0165】
当該除草剤組成物を調製する場合、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方が水と組み合わされる。
【0166】
一実施形態において、除草剤組成物を調製する方法は、クエン酸を水と組み合わせることのみを含む。
【0167】
クエン酸のみが水と組み合わされる場合、それでもなお、当該組成物の調製の際にインサイチュにおいて当該クエン酸からクエン酸塩を形成することは可能であり得る。例えば、当該除草剤組成物を調製する方法は、次亜塩素酸ナトリウムを導入することを含み得る。理論によって制限されることを望むわけではないが、当該除草剤組成物の調製の際の次亜塩素酸ナトリウムの導入は、存在するクエン酸の少なくともいくらかをクエン酸ナトリウム(すなわち、クエン酸塩)へと転化させることができると考えられる。
【0168】
当該除草剤組成物を調製する際に次亜塩素酸ナトリウムが使用される場合、当該次亜塩素酸ナトリウムは、概して、使用する13重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液に対して、約0.5重量%から約2.5重量%、または約1重量%から約2重量%の範囲の量において加えられるであろう。
【0169】
一実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、存在する当該クエン酸含有量の約5重量%から約35重量%、または約5重量%から約30重量%、または約10重量%から約25重量%、または約15重量%から約25重量%をクエン酸塩へと転化させる量において次亜塩素酸ナトリウムを導入することを含む。
【0170】
一実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、水を、塩酸、クエン酸、および少なくとも2種の金属塩のうちの1種と組み合わせることを含む第1のステップと、ステップ1において形成された溶液を、残りの金属塩および次亜塩素酸ナトリウムと組み合わせることを含む第2のステップと、ステップ2において形成された溶液を、酢酸と組み合わせることを含む第3のステップと、を含む。
【0171】
さらなる実施形態において、当該方法のステップ2における次亜塩素酸ナトリウムの添加は、クエン酸の少なくともいくらかをクエン酸ナトリウムに転化させる。
【0172】
一実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、ステップ2において水性凝固点降下剤の添加を含む。
【0173】
さらなる実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、ステップ3において形成された溶液を、アンモニウム塩と組み合わせることを含むさらなるステップを含む。
【0174】
さらなる実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、ステップ3において形成された溶液を、アンモニウム塩とクエン酸とを含む水溶液と組み合わせることを含むさらなるステップを含む。
【0175】
別の実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、ステップ3において形成された溶液を、リン酸とクエン酸とを含む水溶液と組み合わせるさらなるステップを含む。
【0176】
さらなる実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、ステップ3において形成された溶液を、アンモニウム塩と、クエン酸と、硫酸とを含む水溶液と組み合わせるさらなるステップを含む。
【0177】
別の実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、ステップ3において形成された溶液を、15~30重量%のアンモニウム塩と、25~45重量%のクエン酸と、5~20重量%の硫酸とを含む水溶液と組み合わせるさらなるステップを含む。当該水溶液の残りは、水、例えば、脱塩水、で構成されているであろう。
【0178】
別の実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、ステップ3において形成された溶液を、塩化亜鉛と、界面活性剤と、疎水性液体とを含む水溶液と組み合わせるさらなるステップを含む。
【0179】
さらなる実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、ステップ3において形成された溶液を、塩化亜鉛と、水性凝固点降下剤と、酢酸と、界面活性剤と、疎水性液体とを含む水溶液と組み合わせるさらなるステップを含む。
【0180】
別の実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、ステップ3において形成された溶液を、5~20重量%の塩化亜鉛と、10~40重量%の界面活性剤と、15~50重量%の疎水性液体とを含む水溶液と組み合わせるさらなるステップを含む。
【0181】
さらなる実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、ステップ3において形成された溶液を、5~15重量%の塩化亜鉛と、5~15重量%の水性凝固点降下剤と、5~15重量%の酢酸と、15~35重量%の界面活性剤と、20~40重量%の疎水性液体とを含む水溶液と組み合わせるさらなるステップを含む。
【0182】
理論によって制限されることを望むわけではないが、本発明による除草剤組成物の調製において次亜塩素酸ナトリウムが使用される場合、当該次亜塩素酸ナトリウムは、当該組成物中に存在する構成成分の1種または複数種と反応すると考えられる。したがって、次亜塩素酸ナトリウム自体は、そのように形成された当該組成物中に構成成分として留まらないと考えられる。むしろ、次亜塩素酸ナトリウムと、当該組成物の他の構成成分の1種または複数種との反応から形成される生成物は、インサイチュにおいて形成されると考えられる。次亜塩素酸ナトリウムがクエン酸と反応してクエン酸ナトリウムを生成すると考えられる一方、当該次亜塩素酸ナトリウムは、1種または複数種の他の成分と反応して様々な生成物を形成し得る。
【0183】
したがって、本発明は、さらに、水と、塩酸と、酢酸と、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方と、少なくとも2種の金属塩とを含む除草剤組成物であって、当該金属塩の少なくとも1種は遷移金属塩であり、当該少なくとも2種の金属塩は、少なくとも0.005重量%の量において存在し、次亜塩素酸ナトリウムと、塩酸、酢酸、クエン酸、および少なくとも2つの金属塩のうちの1つまたは複数との反応によって形成された1種または複数種の生成物をさらに含む、除草剤組成物を提供する。
【0184】
本発明による除草剤組成物を調製する場合、使用される当該水溶性構成成分が溶存状態に維持されることは、多くの場合、望ましい。したがって、当該除草剤組成物を調製する方法は、水に当該構成成分を溶解させるのを支援するために、熱および/またはアジテーション(例えば、撹拌)を適用することを含む。熱およびアジテーションは、任意の従来的な手段によって適用してもよい。例えば、熱は、当該成分が導入される容器に適用してもよい。あるいは、製造の際の当該組成物への硫酸の添加は、発熱事象を促進し、それにより、そのように形成された溶液を加熱して当該構成成分の溶解を容易にすることができる。
【0185】
一実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、当該組成物を調製する際に当該組成物に熱およびアジテーションのうちの一方または両方を適用することを含む。当該組成物は、約40℃から約70℃、または約50℃から約65℃の範囲の温度に加熱され得る。
【0186】
所望であれば、本発明による除草剤組成物を調製する場合、結果として得られる組成物、または中間組成物は、任意の非可溶化成分を除去するためにろ過してもよい。ろ過は、従来の技術/設備を使用して実施してもよい。
【0187】
本発明による除草剤組成物は、簡便には、濃縮配合物の形態において提供され得、その場合、当該濃縮配合物は、その形態のままで植物または場所に適用してもよく、または植物または場所への適用の前に水で希釈してもよい。
【0188】
一実施形態において、本発明による除草剤組成物は、約2重量%から約25重量%の水、約0.032重量%から約1.6重量%の塩酸、約2重量%から約20重量%のクエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方、約30重量%から約90重量%の氷酢酸、および少なくとも2つの金属塩を含み、当該金属塩の少なくとも1種は遷移金属塩であり、当該少なくとも2種の金属塩は、独立して、約2重量%から約10重量%の範囲の量において存在する。その配合物は、場合により、約1重量%から約10重量%のアンモニウム塩、および/または約1重量%から約10重量%のリン酸、および/または約0.1重量%から約0.3重量%の濃硫酸、および/または約6重量%から約10重量%の水性凝固点降下剤、および/または約10重量%から約20重量%の界面活性剤、および/または約15重量%から約30重量%の疎水性液体を含んでもよい。
【0189】
別の実施形態において、本発明による除草剤組成物は、約35重量%から約65重量%の水、約0.096重量%から約0.64重量%の塩酸、約0.6重量%から約7重量%のクエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方、約10重量%から約30重量%の氷酢酸、および少なくとも2つの金属塩を含み、当該金属塩の少なくとも1種は遷移金属塩であり、当該少なくとも2種の金属塩は、独立して、約0.6重量%から約4重量%の範囲の量において存在する。その配合物は、場合により、約0.6重量%から約5重量%のアンモニウム塩、および/または約0.6重量%から約5重量%のリン酸、および/または約0.05重量%から約0.1重量%の濃硫酸、および/または約3重量%から約6重量%の水性凝固点降下剤、および/または約2重量%から約10重量%の界面活性剤、および/または約3重量%から約15重量%の疎水性液体を含んでもよい。
【0190】
別の実施形態において、本発明による除草剤組成物は、約75重量%から約98重量%の水、約0.0096重量%から約0.16重量%の塩酸、約0.4重量%から約4重量%のクエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方、約1.5重量%から約10重量%の氷酢酸、および少なくとも2つの金属塩を含み、当該金属塩の少なくとも1種は遷移金属塩であり、当該少なくとも2種の金属塩は、独立して、約0.005重量%から約2重量%の範囲の量において存在する。その配合物は、場合により、約0.4重量%から約2重量%のアンモニウム塩、および/または約0.4重量%から約2重量%のリン酸、および/または約0.025重量%から約0.05重量%の濃硫酸、および/または約0.05重量%から約3重量%の水性凝固点降下剤、および/または約0.0001重量%から約2重量%の界面活性剤、および/または約0.1重量%から約1重量%の疎水性液体を含んでもよい。
【0191】
一実施形態において、本発明による除草剤組成物は、約75重量%から約98重量%の水、約0.0096重量%から約0.16重量%の塩酸、約0.4重量%から約4重量%のクエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方、約1.5重量%から約10重量%の氷酢酸、および少なくとも2つの金属塩を含み、当該金属塩の少なくとも1種は遷移金属塩であり、その場合、各金属塩は、独立して、約0.005重量%から約2重量%の範囲の量において存在する。その配合物は、場合により、約0.4重量%から約2重量%のアンモニウム塩、および/または約0.4重量%から約2重量%のリン酸、および/または約0.025重量%から約0.05重量%の濃硫酸、および/または約0.05重量%から約3重量%の水性凝固点降下剤、および/または約0.0001重量%から約2重量%の界面活性剤、および/または約0.1重量%から約1重量%の疎水性液体を含んでもよい。
【0192】
さらなる実施形態において、本発明による除草剤組成物は、約2重量%から約25重量%の水、約0.032重量%から約1.6重量%の塩酸、約2重量%から約20重量%のクエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方、約30重量%から約90重量%の氷酢酸、および少なくとも2つの金属塩を含み、当該金属塩の少なくとも1種は遷移金属塩であり、その場合、各金属塩は、独立して、約2重量%から約10重量%の範囲の量において存在する。その配合物は、場合により、約1重量%から約10重量%のアンモニウム塩、および/または約1重量%から約10重量%のリン酸、および/または約0.1重量%から約0.3重量%の濃硫酸、および/または約6重量%から約10重量%の水性凝固点降下剤、および/または約10重量%から約20重量%の界面活性剤、および/または約15重量%から約30重量%の疎水性液体を含んでもよい。
【0193】
一実施形態において、本発明による除草剤組成物は、約35重量%から約65重量%の水、約0.096重量%から約0.64重量%の塩酸、約0.6重量%から約7重量%のクエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方、約10重量%から約30重量%の氷酢酸、および少なくとも2つの金属塩を含み、当該金属塩の少なくとも1種は遷移金属塩であり、その場合、各金属塩は、独立して、約0.6重量%から約4重量%の範囲の量において存在する。その配合物は、場合により、約0.6重量%から約5重量%のアンモニウム塩、および/または約0.6重量%から約5重量%のリン酸、および/または約0.05重量%から約0.1重量%の濃硫酸、および/または約3重量%から約6重量%水性凝固点降下剤、および/または約2重量%から約10重量%の界面活性剤、および/または約3重量%から約15重量%の疎水性液体を含んでもよい。
【0194】
製造の際に当該除草剤組成物の構成要素を溶存状態に維持することを支援するために、1種または複数種の構成成分を2つ以上の配合溶液に分割することは望ましくあり得る。例えば、クエン酸およびクエン酸塩成分の一方または両方の当該量を、当該除草剤組成物を形成するために組み合わされる2つ以上の配合溶液に分割してもよい。
【0195】
一実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、水と、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方と、アンモニウム塩とを含む配合溶液(A)を使用することを含む。その場合、配合溶液(A)の水の含有量は、約20重量%から約45重量%の範囲であり得、当該クエン酸および/またはクエン酸塩の含有量は、約20重量%から約45重量%の範囲であり得、ならびに当該アンモニウム塩の含有量は、約15重量%から約45重量%の範囲であり得る。
【0196】
そのような配合溶液(A)は、さらに、硫酸およびリン酸のうちの一方または両方を含んでもよい。その場合、当該硫酸は、約5重量%から約20重量%の範囲の量において存在し得、当該リン酸は、約15重量%から約45重量%の範囲の量において存在し得る。
【0197】
あるいは、当該除草剤組成物は、水と、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方と、リン酸とを含む配合溶液(B)を使用して調製してもよい。
【0198】
配合溶液(B)は、さらに、硫酸も含んでもよい。
【0199】
配合溶液(B)は、約20重量%から約45重量%の範囲の量の水と、約20重量%から約45重量%の範囲の量のクエン酸および/またはクエン酸塩と、約15重量%から約45重量%の範囲の量のリン酸と、場合により約5重量%から約20重量%の範囲の量の硫酸とを含み得る。
【0200】
一実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、(i)水を、塩酸、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方、酢酸、および少なくとも2つの金属塩と組み合わせることであって、当該金属塩の少なくとも1種が、第1の溶液を形成するための遷移金属塩であり、(ii)そのように形成され第1の溶液を水で希釈して、第2の溶液を形成することと、(iii)そのように形成された第2の溶液を、水と、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方と、アンモニウム塩およびリン酸のうちの一方または両方と、場合により硫酸とを含む第3の溶液と組み合わせることと、を含む。
【0201】
さらなる実施形態において、当該除草剤組成物を調製する方法は、水を、塩酸、クエン酸、および少なくとも2種の金属塩のうちの1種と組み合わせることを含む第1のステップと、ステップ1において形成された溶液を、残りの金属塩および次亜塩素酸ナトリウムと組み合わせることを含む第2のステップと、第1の溶液を形成するために、ステップ2において形成された溶液を酢酸と組み合わせることを含む第3のステップと、第2の溶液を形成するために、当該第1の溶液を水で希釈することを含む第4のステップと、当該第2の溶液を、水と、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方と、アンモニウム塩およびリン酸のうちの一方または両方と、場合により硫酸とを含む第3の溶液と組み合わせることを含む第5のステップと、を含む。
【0202】
一実施形態において、当該除草剤組成を調製する方法は、
(i)約2重量%から約25重量%の範囲の量の水と、約0.032重量%から約1.6重量%の範囲の量の塩酸と、約2重量%から約20重量%の範囲の量のクエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方と、少なくとも2種の金属塩であって、当該金属塩の少なくとも1種は遷移金属塩であり、独立して約2重量%から約10重量%の範囲の量において存在する少なくとも2種の金属塩と、約30重量%から約90重量%の範囲の量の酢酸とを含む、約2重量%から約14重量%の溶液(I)と、
(ii)約75重量%から約97.5重量%の水と、
(iii)約20重量%から約45量%の水と、約20重量%から約45重量%のクエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方と、それぞれが独立して約15重量%から約45重量%の範囲の量において存在する、アンモニウム塩およびリン酸のうちの一方または両方と、場合により約5重量%から約20重量%の範囲の量の硫酸とを含む、約0.4重量%から約10重量%の溶液(II)と、
(iv)約0.1重量%から約1.5重量%の界面活性剤と、
(v)約0.2重量%から約2重量%の疎水性液体と、
を一緒に組み合わせることを含む。
【0203】
別の実施形態において、当該除草剤組成を調製する方法は、
(i)約2重量%から約25重量%の範囲の量の水と、約0.032重量%から約1.6重量%の範囲の量の塩酸と、約2重量%から約20重量%の範囲の量のクエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方と、少なくとも2種の金属塩であって、当該金属塩の少なくとも1種は遷移金属塩であり、当該金属塩のそれぞれは独立して約2重量%から約10重量%の範囲の量において存在する、少なくとも2種の金属塩と、約30重量%から約90重量%の範囲の量の酢酸とを含む、約2重量%から約14重量%の溶液(I)と、
(ii)約75重量%から約97.5重量%の水と、
(iii)約20重量%から約45重量%の水と、約20重量%から約45重量%のクエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方と、それぞれが独立して約15重量%から約45重量%の範囲の量において存在する、アンモニウム塩およびリン酸のうちの一方または両方と、場合により約5重量%から約20重量%の範囲の量の硫酸とを含む、約0.4重量%から約10重量%の溶液(II)と、
(iv)約0.1重量%から約1.5重量%の界面活性剤と、
(v)約0.2重量%から約2重量%の疎水性液体と、
を一緒に組み合わせることを含む。
【0204】
一実施形態において、溶液(I)は、溶液(II)と組み合わされる前に、水(ii)と組み合わされる。当該界面活性剤および当該疎水性液体は、任意の時点において、当該組成物の他の成分と組み合わせることができる。
【0205】
一実施形態において、本発明による方法は、(i)第1の溶液を形成するために、水を、塩酸、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方、酢酸、および少なくとも2つの金属塩と組み合わせることと、(ii)そのように形成された第1の溶液を、水と、当該少なくとも2種の金属塩のうちの少なくとも1種と、酢酸と、界面活性剤と、疎水性液体とを含む第2の溶液と組み合わせることと、を含む。水性凝固点降下剤は、当該第1および第2の溶液のうちの一方または両方と組み合わしてもよい。
【0206】
本発明はさらに、本明細書において説明される方法により製造される除草剤組成物を提供する。
【0207】
除草剤組成物を製造する場合、最初に前駆体除草剤組成物を調製し、その組成物に酢酸を加えて当該除草剤組成物を形成することは、好都合であり得る。
【0208】
したがって、本発明は、前駆体除草剤組成物であって、水と、塩酸と、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方と、少なくとも2種の金属塩とを含み、当該金属塩の少なくとも1種は遷移金属塩であり、当該少なくとも2種の金属塩は、独立して、少なくとも0.005重量%の量において存在する、前駆体除草剤組成物を提供する。
【0209】
酢酸以外の、当該除草剤組成物に含ませられる他の成分は、当該先駆除草剤組成に加えられ得る。当該前駆体組成物の他の成分(酢酸を除く)は、当該除草剤組成物に対して本明細書において説明したのと同じである。
【0210】
本発明はさらに、前駆体除草剤組成物を調製する方法であって、水を、塩酸、クエン酸およびクエン酸塩のうちの一方または両方、および少なくとも2種の金属塩と組み合わせることを含み、当該金属塩の少なくとも1種は、遷移金属塩であり、当該少なくとも2種の金属塩は、少なくとも0.005重量%の独立した量において当該水と組み合わされる、方法を提供する。
【0211】
一実施形態において、前駆体除草剤組成物を調製する当該方法は、
水を、塩酸、クエン酸、および当該少なくとも2種の金属塩のうちの1種と組み合わせることを含む第1のステップと、
ステップ1において形成された溶液を、残りの金属塩および次亜塩素酸ナトリウムと組み合わせることを含む第2のステップと、
を含む。
【0212】
本発明はさらに、除草剤組成物を調製する方法であって、本発明による先駆除草剤組成を酢酸と組み合わせることを含む方法も提供する。
【0213】
本発明は、さらに、植物を枯らすまたはその生長を遅らせる方法であって、本発明による除草剤組成物を植物に接触させることを含む方法も提供する。
【0214】
本発明はさらに、ある場所における植物生長を抑制することを提供し、当該方法は、本発明による除草剤組成物を当該場所に適用することを含む。
【0215】
本明細書において使用される場合、表現「ある場所における植物生長を抑制すること」は、植物生長が、当該場所において遅らされるか、阻害されるか、または防止されることを意味することが意図される。用語「場所」は、植物生長が生じ得る任意の位置を意味することが意図される。例えば、当該場所は、植物が生長し得る土壌におけるある領域、または植物がその上において生長し得る表面であり得る。
【0216】
本発明による除草剤組成物を当該植物に接触させることまたは当該場所に適用することは、除草剤組成物の適用における従来的な手段によって達成され得る。例えば、当該除草剤組成物は、擦り付けてもよく、または当該植物または当該場所に直接注ぎ込んでもよい。あるいは、当該除草剤組成物は、当該植物上または当該場所上に噴霧してもよい。
【0217】
本発明は、植物を枯らすまたはその生長を遅らせるための、本発明による除草剤組成物の使用も提供する。本発明はさらに、ある場所における植物の生長を抑制するための、本発明による除草剤組成物の使用を提供する。
【0218】
本発明による除草剤組成物の使用は、本明細書において説明されるように、ならびに当業者に周知であるように実施され得る。
【0219】
以下において、非限定的な実施例を参照しながら、本発明について説明する。
【実施例
【0220】
実施例1:除草剤組成物1
表1に示される配合に基づいて、塩酸水溶液を調製した。クエン酸および塩化マグネシウムを加えた。当該溶液を65℃に温めて、混ぜた。加熱を止め、硝酸銅(水に溶解させた硝酸銅三水和物、50重量%)溶液を加えた。次いで、撹拌しながら、塩化ナトリウムを加えた。次いで、酢酸を加え、当該溶液を撹拌した。酢酸を加えた後、当該組成物を室温まで冷却し、ナイロンフィルターによってろ過した。得られた溶液を、気密容器において密封して貯蔵した。
【0221】
【表1】
【0222】
実施例2:除草剤組成物2
表2に示される配合に基づいて、塩酸水溶液を調製した。クエン酸および塩化マグネシウムを加えた。当該溶液を65℃に温めて、混ぜた。加熱を止め、硫酸銅溶液(水に溶解させ硫酸銅五水和物、50重量%)を加えた。次いで、撹拌しながら、塩化ナトリウムを加えた。次いで、酢酸を加え、当該溶液を撹拌した。酢酸を加えた後、当該組成物を室温まで冷却し、ナイロンフィルターによってろ過した。得られた溶液を、気密容器において密封して貯蔵した。
【0223】
【表2】
【0224】
実施例3:除草剤組成物3
表3に示される配合に基づいて、塩酸水溶液を調製した。クエン酸および塩化マグネシウム(40%)を加えた。当該溶液を65℃に温めて、混ぜた。当該溶液は、ほぼ飽和点または飽和点にあった。加熱を止め、塩化銅溶液を加えた。次いで、撹拌しながら、塩化マグネシウムの残り(60%)および次亜塩素酸ナトリウム溶液を加えた。次いで、当該酢酸を加え、当該溶液を撹拌した。酢酸を加えた後、当該組成物を室温まで冷却し、ナイロンフィルターによってろ過した。得られた溶液を、気密容器において密封して貯蔵した。
【0225】
【表3】
【0226】
実施例4:除草剤組成物4
表4に示される配合に基づいて、塩酸水溶液を調製した。クエン酸および塩化マグネシウム(40%)を加えた。当該溶液を65℃に温めて、混ぜた。この溶液は、ほぼ飽和点または飽和点にあった。加熱を止め、塩化銅溶液を加えた。次いで、撹拌しながら、塩化マグネシウムの残り(60%)および次亜塩素酸ナトリウムを加えた。次いで、酢酸を加え、当該溶液を撹拌した。次いで、硫酸アンモニウムを加えた。硫酸アンモニウムを加えた後、当該組成物を室温まで冷却し、ナイロンフィルターによってろ過した。得られた溶液を、気密容器において密封して貯蔵した。
【0227】
【表4】
【0228】
実施例5:除草剤組成物5および6
5aおよび成分5b(あるいは5aおよび成分5c)を2:1の比において組み合わせることによって、2成分除草剤組成物を調製した。表5に示される配合に基づいて、塩酸水溶液を調製することによって5aを調製した。クエン酸および塩化マグネシウム(40%)を加えた。当該溶液を65℃に温めて、混ぜた。この溶液は、ほぼ飽和点または飽和点にあった。加熱を止め、塩化銅溶液を加えた。次いで、撹拌しながら、塩化マグネシウムの残り(60%)および次亜塩素酸ナトリウムを加えた。次いで、酢酸を加え、当該溶液を撹拌した。酢酸を加えた後、当該組成物を室温まで冷却し、ナイロンフィルターによってろ過した。得られた溶液を、気密容器において密封して貯蔵した。
【0229】
【表5】
【0230】
表6に示される配合に基づいて、クエン酸および硫酸アンモニウムの水溶液を調製することによって5bを調製した。当該溶液を65℃に温めて、混ぜた。この溶液は、ほぼ飽和点または飽和点にあった。加熱を止め、当該組成物を室温まで冷却し、ナイロンフィルターによってろ過した。得られた溶液を、気密容器において密封して貯蔵した。
【0231】
【表6】
【0232】
表7に示される配合に基づいて、硫酸水溶液を調製することによって成分5cを調製した。撹拌しながら、クエン酸および硫酸アンモニウムを加えた。当該溶液を65℃に温めて、混ぜた。この溶液は、ほぼ飽和点または飽和点にあり得る。加熱を止め、当該組成物を室温まで冷却し、ナイロンフィルターによってろ過した。得られた溶液を、気密容器において密封して貯蔵した。
【0233】
【表7】
【0234】
5aおよび成分5bを2:1の比で組み合わせることによって、除草剤組成物5を調製した。
【0235】
5aおよび成分5cを2:1の比で組み合わせることによって、除草剤組成物6を調製した。
【0236】
実施例6:除草剤組成物7
表8に示される配合に基づいて、塩酸水溶液を調製した。クエン酸および塩化マグネシウム(40%)を加えた。当該溶液を65℃に温めて、混ぜた。この溶液は、ほぼ飽和点または飽和点にあった。加熱を止め、塩化銅溶液を加えた。次いで、撹拌しながら、塩化亜鉛、塩化マグネシウムの残り(60%)、および次亜塩素酸ナトリウムを加えた。次いで、酢酸を加え、当該溶液を撹拌した。当該組成物を室温まで冷却し、ナイロンフィルターによってろ過した。当該得られた溶液を気密容器において密封して貯蔵して、濃縮配合物を提供した。
【0237】
次いで、当該濃縮配合物を1:15において水で希釈し、この希釈した溶液に、0.2重量%の非イオン性湿潤剤および0.4重量%の疎水性液体(非極性油)を加えた。得られた溶液を、当該油相の乳化を助けるために振盪した。
【0238】
【表8】
【0239】
実施例7:除草剤組成物8
8aおよび成分8bを2:1の比において組み合わせることによって、2成分除草剤組成物を調製した。表9に示される配合に基づいて、塩酸水溶液を調製することによって8aを調製した。塩化銅溶液およびクエン酸を加えた。当該溶液を50℃に温めて、混ぜた。この溶液は、ほぼ飽和点または飽和点にあった。加熱を止め、溶液を30℃に冷却し、撹拌しながら次亜塩素酸ナトリウムを加えた。塩化亜鉛を加え、温度を70℃に上げた。当該溶液を冷却した。イソプロピルアルコールおよび酢酸を加えた。得られた溶液を撹拌し、次いで、ナイロンフィルターによってろ過した。当該生成物を気密容器において密封して貯蔵した。
【0240】
【表9】
【0241】
表10の配合に基づいて、成分8bを調製した。水に塩化亜鉛を加え、温度を70℃に上げた。当該溶液を撹拌し、50℃に冷却した後、イソプロピルアルコールおよび酢酸を加えた。次いで、撹拌しながら、アルキルポリグルコシド、エトキシル化C9~11アルコール、およびパイン油を加えた。当該溶液をさらに30分間撹拌し、次いで、ナイロンフィルターによってろ過した。得られた溶液を、気密容器において密封して貯蔵した。
【0242】
【表10】
【0243】
8aおよび成分8bを2:1の比において組み合わせることによって、成分除草剤組成物8を調製した。
【0244】
実施例8:除草剤組成物9
9aおよび成分9bを3:1の比において組み合わせることによって、2成分除草剤組成物を調製した。表11に示される配合に基づいて、塩酸水溶液を調製することによって9aを調製した。塩化銅溶液およびクエン酸を加えた。当該溶液を50℃に温めて、混ぜた。この溶液は、ほぼ飽和点または飽和点にあった。加熱を止め、溶液を30℃に冷却し、撹拌しながら次亜塩素酸ナトリウムを加えた。塩化亜鉛を加え、温度を70℃に上げた。当該溶液を冷却した。イソプロピルアルコールおよび酢酸を加えた。得られた溶液を撹拌し、次いで、ナイロンフィルターによってろ過した。当該生成物を気密容器において密封して貯蔵した。
【0245】
【表11】
【0246】
表12の配合に基づいて、成分9bを調製した。水に塩化亜鉛を加え、温度を70℃に上げた。当該溶液を撹拌し、50℃に冷却した後、イソプロピルアルコールおよび酢酸を加えた。次いで、撹拌しながら、エトキシル化C9~11アルコール、ソルベント150、およびピュアガムテレピン油を加えた。当該溶液をさらに30分間撹拌し、次いで、ナイロンフィルターによってろ過した。得られた溶液を、気密容器において密封して貯蔵した。
【0247】
【表12】
【0248】
9aおよび成分9bを3:1の比において組み合わせることによって、除草剤組成物9を調製した。
【0249】
実施例9:除草剤組成物の適用
実施例9a:休閑地において雑草の抑制に対する除草剤組成物1の有効性を評価する野外実験
休閑地において雑草の抑制に対する除草剤組成物1の有効性を評価するために、クイーンズランドにおいて野外実験を実施した。処置には、500、750、または1000L/haの散布適用量および流下点までの希釈噴霧において、水1Lあたり200gの組成物1において組成物1を用いた。専売の非イオン性湿潤剤を、噴霧混合物の0.2%の添加率において当該噴霧混合物に加えた。処理を、1000L/haの水の散布適用量または流下点までの希釈噴霧における0.5L/100LでのBasta 200 SL、ならびに未処理のコントロールと比較した。
【0250】
広葉雑草種は、ウマゴヤシ(Medicago polymorpha)[MEDPO]、ウスベニタチアオイ(Malva parviflora)[MALPO]、および野芥子(Sonchus oleraceus)[SONOL]を含んでいた。草系雑草種は、スズメガヤ(Eragrostis cilianensis)[ERACN]のみ含んでいた。
【0251】
BBCH 13~15生長段階の雑草に対して、1回の葉面散布を適用した。処理適用の前、適用後0日(0DAA)、および27DAAにおいて、雑草密度を評価した。雑草のブラウンアウト(brownout)を、7DAA、17DAA、および27DAAにおいて評価した。
【0252】
適用前は、未処理コントロールにおいて、12mあたり28.3のMEDPO、7.5のSONOL、1.8のMALPA、および10.5のERACNの平均密度であった。
【0253】
500、750、または1000L/haの散布量においてまたは流下までの希釈噴霧として適用した20L/100Lの組成物1は、休閑地において、最も高いレートおよびより低いレートよりも概して優れている流下までの希釈噴霧において、未処理コントロールと比較して、MEDPOおよびMALPAのかなりのブラウンアウト、ならびにSONOLおよびERACNのかなりのブラウンアウトおよび密度減少をもたらした。
【0254】
組成物1は、MEDPO、MALPA、SONOL、およびERACNの抑制に対して、概して、Basta 200 SLより少ない効果を示した。しかしながら、SONOLの抑制に対しては、流下点までの希釈噴霧として適用した場合、組成物1は、Basta 200 SLと同等であった。
【0255】
実施例9b:休閑地における雑草の抑制に対する除草剤組成物3の有効性を評価する野外実験
休閑地において、実生のセイヨウアブラナ(Brassica napus)、ナズナ(Capsella bursa-pastoris)、一年生ライグラス(Lolium rigidum)、およびセイヨウノダイコン(Raphanus raphanistrum)の抑制に対して組成物3を評価するために、ニューサウスウェールズにおいて野外実験を行った。500、750、および1000L/haの散布量におけるブームスプレーによって、1500L/haの散布量において充円錐ノズルよる流下点まで、噴霧混合物1Lあたり625gの組成物3において組成物3を適用した。専売の非イオン性湿潤剤を、噴霧混合物の0.2%の添加率において当該噴霧混合物に加えた。組成物3を、1000L/haの総散布量においてブームスプレーにより1kg/haにおいて、または1500L/haの散布量において流下点まで2kg/haにおいて適用したBasta 200 SL、ならびに未処理のコントロールと比較した。全ての除草剤処理は、粗噴霧品質において、活発に生長している雑草に適用した。適用の時点で、セイヨウアブラナは1~2葉期であり、ナズナおよびセイヨウノダイコンは6葉期であり、一年生ライグラスは2~3葉期であった。
【0256】
種ごとのプレ噴霧雑草カウントを、27DAAに評価した種により、生き残った雑草数において適用後0日(0DAA)に実施した。種ごとの雑草のブラウンアウトは、7DAA、14DAA、および27DAAに評価した。
【0257】
組成物3は、流下点まで適用した場合、広葉雑草の抑制に対して非常に有効であり、未処理のコントロールと比較して、セイヨウアブラナの完全な抑制、ナズナの97%の抑制、およびセイヨウノダイコンの94%の抑制を示した。組成物3は、一年生ライグラスの抑制に対してはあまり有効ではなく、14DAAでの素晴らしいブラウンアウトにもかかわらず、27DAAにおいて未処理のコントロールと比較して70%の抑制を記録した。
【0258】
組成物3は、雑草ブラウンアウトに対して強いレート応答性を示した。組成物3は、流下点まで適用した場合、一年生ライグラスに対してBastaと同等の抑制を、および広葉雑草に対してより効果的な抑制をもたらした。組成物3は、セイヨウアブラナおよびセイヨウノダイコンの抑制に対してもBastaと同等であったが、ナズナおよび一年生ライグラスに対しては、わずかに低い効果を示した。
【0259】
実施例9c:休閑地において雑草の抑制に対する除草剤組成物6の有効性を評価するための野外実験
休閑地において、自生コムギ(Triticum aestivum)、一年生ライグラス(Lolium rigidum)、およびセイヨウノダイコン(Raphanus raphanistrum)の抑制に対して組成物6(5aおよび成分5cを含む)を評価するために、ビクトリアにおいて野外実験を行った。処理には、500、750、1000L/haのいずれいかの散布量において、または1250L/haである流下点までにおいて、水1Lあたり32mlにて適用される組成物6、水1Lあたり16mlにて適用される組成物6を用いた。専売の非イオン性湿潤剤を、噴霧混合物の0.2%の添加率において当該噴霧混合物に加えた。組成物6による処理を、1000または1250L/haのどちらかの散布量において5mL/Lにて適用したBasta 200 SL、および未処理のコントロール(UTC)と比較した。処理は、BBCH14~16の生長段階の活発に生長する雑草に対して、500~1250L/haの範囲の散布量において、AIXR110-02フラットファンノズルを使用して葉面散布として適用した。各処理の目標散布量を得るために、各プロットに対して複数の噴霧流路を作製した。
【0260】
適用後7日(7DAA)、14DAA、および28DAAにおいて、雑草のブラウンアウトを評価し、28DAAにおいて雑草密度も評価した。
【0261】
組成物6の全てのレートは、全ての評価タイミングにおいて、UTCと比較して、自生コムギ、一年生ライグラス、およびセイヨウノダイコンの著しい抑制をもたらした。28DAAまでに、最も高い水のレートのLocalSafe 540 SLは、自生コムギの93%のブラウンアウト、一年生ライグラスの90%のブラウンアウト、およびセイヨウノダイコンの89%のブラウンアウトを達成した。
【0262】
500L/haから1250L/haの水のレートにおいて適用した組成物6では、かなりのレート応答性が見られ、全ての雑草の抑制は、散布量の増加に伴って増加し、流下点までの適用は、最適な抑制を実現した。
【0263】
Basta 200 SLは、組成物6における対応する散布量と比較して、自生コムギ、一年生ライグラス、およびセイヨウノダイコンにおける、匹敵する抑制をもたらした。
【0264】
実施例9d:休閑地において雑草の抑制に対する除草剤組成物7の有効性を評価する野外実験
ギシギシ(rumex spp)、アカザ(Chenopodium album)、オオバコ(plantago属)、およびタンポポ(taraxacum spp)の抑制に対して組成物7を評価するために、スペインにおいて野外実験を行った。処理には、約1000L/haの散布量において、水1Lあたり67mlにて適用される組成物7を用いた。専売の非イオン性湿潤剤を、噴霧混合物の0.2%の添加率において当該噴霧混合物に加えた。専売の疎水性液体を、噴霧混合物の0.4%の添加率において当該噴霧混合物に加えた。組成物7による処理を、約1000L/haのどちらかの散布量において30mL/Lにて適用したグリホサート360g/L、ならびに未処理のコントロール(UTC)と比較した。処理は、BBCH14~16生長段階の活発に生長する雑草に対して、1000L/haの散布量において丸ノズルを使用して、葉面散布として適用した。
【0265】
適用後1日(1DAA)、(7DAA)、14DAA、および28DAAにおいて、雑草のブラウンアウトを評価し、28DAAに雑草密度も評価した。
【0266】
組成物7は、全てのレートにおいて、UTCと比較して、全ての評価タイミングにおいて全ての雑草の著しい抑制をもたらした。28DAAまでに、当該組成物7は、全ての雑草の90%のブラウンアウトを達成した。
【0267】
グリホサート360g/Lは、対応する組成物7の噴霧と比較して、休閑地において匹敵する雑草の抑制をもたらした。
【0268】
実施例9e:ブドウ園において雑草の抑制に対する除草剤組成物8の有効性を評価する野外実験
ブドウ園において、ライグラス(ロリウム属)、スズメノヒエ(Paspalum dilatatum)、オオアザミ(Silybum marianum)、オオバコ(シャゼンソウ spp)、およびアレチノギク(conyza banariensis)の抑制に対して組成物8を評価するために、ビクトリアにおいて野外実験を行った。処理には、約750L/haの散布量において、水1Lあたり67mlにて適用される組成物8を用いた。組成物8による処理を、約750L/haの散布量において67mL/Lで適用されるSlasher P(525g/Lのペラルゴン酸)および未処理のコントロール(UTC)と比較した。処理は、750L/haの散布量において、丸ノズルを使用して、活発に生長する雑草に対して葉面散布として適用した。
【0269】
適用後1日(1DAA)、(7DAA)、14DAA、および28DAAにおいて、雑草のブラウンアウトを評価し、28DAAに雑草密度も評価した。
【0270】
組成物8は、全ての評価タイミングにおいて、UTCと比較して、全ての雑草の著しい抑制をもたらした。28DAAまでに、当該組成物8は、全ての雑草の90%のブラウンアウトを達成した。
【0271】
Slasherは、ブドウ園において、対応する組成物8の噴霧と比較して、より少ない雑草の抑制をもたらした。
【0272】
実施例9f:休閑地において雑草の抑制に対する除草剤組成物9の有効性を評価する野外実験
休閑地において、一般的なスベリヒユ(portulaca oleracea)、ギシギシ(rumex spp)、フェルト草(felt grass)(エールハルタ属)、オオバコ(シャゼンソウ spp)、およびタンポポ(taraxacum spp)の抑制に対して組成物9を評価するために、ビクトリアにおいて野外実験を行った。処理には、約1000L/haの散布量において、水1Lあたり48mlにて適用される組成物9を用いた。組成物9による処理を、約1000L/haの散布量において20mL/Lにて適用したBastaおよび未処理のコントロール(UTC)と比較した。処理は、BBCH14~16生長段階の活発に生長する雑草に対して、1000L/haの散布量において丸ノズルを使用して、葉面散布として適用した。
【0273】
適用後1日(1DAA)、(7DAA)、14DAA、および28DAAにおいて、雑草のブラウンアウトを評価し、28DAAに雑草密度も評価した。
【0274】
組成物9は、全ての評価タイミングにおいて、UTCと比較して、全ての雑草の著しい抑制をもたらした。28DAAまでに、当該組成物8は、全ての雑草の85%のブラウンアウトを達成した。
【0275】
Bastaは、休閑地において、対応する組成物9の噴霧と比較して、匹敵する雑草の抑制をもたらした。
【0276】
本明細書およびそれに続く請求項全体を通じて、文脈がそうでないことを必要とする場合を除いて、「含む(comprise)」および「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などの変形は、指定の整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群を含むが、他の整数もしくはステップまたは整数もしくはステップの群を除外しないことを暗示するものと理解される。
【0277】
任意の先行の刊行物(またはそれらから得られる情報)に対する、または既知の事項に対する本明細書中での参照は、そのような先行の刊行物(またはそれらから得られる情報)または既知の事項が本明細書の関連する努力傾注分野における共通の一般的知識の一部を形成するということの認知もしくは承認または任意の形態の示唆ではなく、ならびにそのように解釈すべきではない。