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特許7211646こじり防止機能付きのマイクロスマートロック
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  • 特許-こじり防止機能付きのマイクロスマートロック 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】こじり防止機能付きのマイクロスマートロック
(51)【国際特許分類】
   E05B 47/04 20060101AFI20230117BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
E05B47/04 A
E05B47/00 R
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021555582
(86)(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 CN2020079688
(87)【国際公開番号】W WO2021027282
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2021-09-14
(31)【優先権主張番号】201910743235.2
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521420060
【氏名又は名称】上海杉脉電子科技発展有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】裘 黎黎
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-57097(JP,U)
【文献】特開平10-184153(JP,A)
【文献】実公昭51-22053(JP,Y2)
【文献】米国特許第4579376(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0044934(KR,A)
【文献】仏国追加特許公開第2565282(FR,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
E05C 1/02- 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロックケース(16)と前記ロックケース(16)に取り付けられた磁力ロッド(8)、プッシュヘッド(9)、ロックタング(10)、V型プッシュロッド(11)、こじり防止ガイド溝(12)および位置決めガイドピン(14)を有し、前記磁力ロッド(8)の外部に磁力コイル(7)が巻回されて取り付けられ、前記磁力コイル(7)左側の前記磁力ロッド(8)に磁力ロッドバネ(6)が取り付けられ、前記プッシュヘッド(9)は前記磁力ロッド(8)の右端に取り付けられ、前記V型プッシュロッド(11)はV型プッシュロッド接続スタッドピン(17)によって前記プッシュヘッド(9)の右端に接続され、前記V型プッシュロッド(11)と前記ロックタング(10)はこじり防止スタッドピン(13)によって可動に接続され、且つ、前記こじり防止スタッドピン(13)は前記V型プッシュロッド(11)及び前記ロックタング(10)を貫通した後の端部が前記こじり防止ガイド溝(12)内に設けられ、前記位置決めガイドピン(14)が前記ロックタング(10)の右側に接続され、前記位置決めガイドピン(14)の下部に前記ロックケース(16)に接続された戻しバネ(15)が取り付けられ
前記こじり防止ガイド溝(12)は、前記ロックケース(16)の底部に平行である底部横方向溝と、前記底部横方向溝から前記ロックケース(16)の頂部に斜めに延びる縦方向溝とを有し、
前記ロックケース(16)の底部には、ロックプレート(21)が取り付けられ、
前記こじり防止スタッドピン(13)が、前記縦方向溝に沿って前記ロックプレート(21)から離れる方向に移動することで、前記ロックタング(10)は、前記ロックプレート(21)との係合状態を解除してロックを解除し、
前記こじり防止スタッドピン(13)が、前記縦方向溝に沿って前記ロックプレート(21)に近づく方向であり前記底部横方向溝に向けて移動することで、前記ロックタング(10)は、前記ロックプレート(21)と係合してロックすることを特徴とするこじり防止機能付きのマイクロスマートロック。
【請求項2】
前記こじり防止ガイド溝(12)の形状はV形であることを特徴とする、請求項1に記載のこじり防止機能付きのマイクロスマートロック。
【請求項3】
前記ロックケース(16)は正味寸法の長さが50~145mm、高さが14~28mm、幅が14~20mmであることを特徴とする、請求項1に記載のこじり防止機能付きのマイクロスマートロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロックに関するものであり、具体的に、こじり防止機能付きのマイクロスマートロックである。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、スマート及び安全は人々の研究の主題となり、特に如何にして小売業界の専用カウンタ、ショーケース、ショーウィンドー及びスマートホーム装置等のドアの安全性を向上させるかとの方面は熱心な研究の主題となり、そのうち、電子ロックは従来の機械ロックに比べ使用しやすく、技術的にも性能にも大幅に向上しており、近年ますます人々の注目を集めている。
【0003】
しかし、従来の電子ロックは体積が大きく、小型物体の取付環境に適用されず、実際の使用過程において、操作空間中に長時間蓄積された塵埃と水分が温度の変化時に複雑な物理化学反応を生成するため、従来の電子ロックのラック・ピニオン機構に影響を与え、また、従来の電子ロックのこじり防止性能が悪く、使用者の財務に安全リスクを構成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記背景技術に言及された問題を解決するように、構造が簡単で、安全で確実なこじり防止機能付きのマイクロスマートロックを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明は以下の技術案を提供する。
【0006】
こじり防止機能付きのマイクロスマートロックであって、ロックケースとロックケースに取り付けられた磁力ロッド、プッシュヘッド、ロックタング、V型プッシュロッド、こじり防止ガイド溝および位置決めガイドピンを有し、前記磁力ロッドの外部に磁力コイルが巻回されて取り付けられ、前記磁力コイル左側の磁力ロッドに磁力ロッドバネが取り付けられ、前記プッシュヘッドは磁力ロッドの右端に取り付けられ、前記V型プッシュロッドはV型プッシュロッド接続スタッドピンによってプッシュヘッドの右端に接続され、前記V型プッシュロッドとロックタングはこじり防止スタッドピンによって可動に接続され、且つ、前記こじり防止スタッドピンはV型プッシュロッド及びロックタングを貫通した後の端部がこじり防止ガイド溝内に設けられ、前記位置決めガイドピンがロックタングの右側に接続され、前記位置決めガイドピンの下部にロックケースに接続された戻しバネが取り付けられる。
【0007】
好ましくは、前記こじり防止ガイド溝の形状はV形である。
【0008】
好ましくは、前記こじり防止ガイド溝の底部横方向溝はロックケースの底部に平行であり、縦方向溝はロックケースの頂部に斜めに延びる。
【0009】
好ましくは、前記ロックケースの底部には、ロックプレートが取り付けられる。
【0010】
好ましくは、前記ロックケースは正味寸法の長さが50~145mm、高さが14~28mm、幅が14~20mmである。
【発明の効果】
【0011】
従来技術に比べ、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0012】
本発明は体積が小さく、構造が簡単であり、取付環境に制限されず、電磁駆動、通電解錠、停電施錠を採用し、温度交番の影響を受けず、安全で耐用である。また、位置決めガイドピンとこじり防止ガイド溝の巧みな設計により、停電施錠時に位置決めガイドピンをこじり防止ガイド溝の水平部分の最左辺に位置させ、それにより、ロックタングを上に直接持ち上げて開錠することができず、こじり防止の効果を達成し、安全で確実である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、具体的な実施形態を組み合わせて本特許の技術案を更に詳しく説明する。
【0015】
図1を参照し、こじり防止機能付きのマイクロスマートロックであって、ロックケース16とロックケース16に取り付けられた磁力ロッド8、プッシュヘッド9、ロックタング10、V型プッシュロッド11、こじり防止ガイド溝12および位置決めガイドピン14を有し、前記ロックケース16は正味寸法の長さが50~145mm、高さが14~28mm、幅が14~20mmであり、前記ロックケース16の底部には、ロックプレート21が取り付けられ、前記磁力ロッド8の外部に磁力コイル7が巻回されて取り付けられ、前記磁力コイル7左側の磁力ロッド8に磁力ロッドバネ6が取り付けられ、前記プッシュヘッド9は磁力ロッド8の右端に取り付けられ、前記V型プッシュロッド11はV型プッシュロッド接続スタッドピン17によってプッシュヘッドの右端に接続され、前記V型プッシュロッド11とロックタング10はこじり防止スタッドピン13によって可動に接続され、且つ、前記こじり防止スタッドピン13はV型プッシュロッド11及びロックタング10を貫通した後の端部がこじり防止ガイド溝12内に設けられ、前記こじり防止ガイド溝12の形状はV形であり、こじり防止ガイド溝12の底部横方向溝はロックケースの底部に平行であり、縦方向溝はロックケースの頂部に斜めに延びる。前記位置決めガイドピン14がロックタング10の右側に接続され、前記位置決めガイドピン14の下部にロックケース16に接続された戻しバネ15が取り付けられる。
【0016】
前記こじり防止機能付きのマイクロスマートロックの動作原理は以下の通りである。
【0017】
開錠する時、磁コイル7はDC(8~12V)電源をオンにし、磁場を生成し、磁ロッド8を右に移動させ、プッシュヘッド9を連動してV型プッシュロッド11を押し、それにより、V型プッシュロッドを介してこじり防止スタッドピン13を動かしてこじり防止ガイド溝12内に先に右へ底まで水平にスライドさせ、さらに、こじり防止ガイド溝12の斜線部分に沿って上に移動させると同時に、ロックタング10を動かして上に持ち上げる。磁力コイル7の電源オン時間は1~6秒であり(付帯制御ソフトウェアにより調整することができる)、磁力コイル7の通電が終了すると、磁力コイル7の磁場が消失し、ロックタング10は戻しバネ15により下に移動すると同時に、こじり防止スタッドピン13を動かして、ロックタング10がリセットしてロックするまでこじり防止ガイド溝12の垂直部分に沿って下に移動し、かつ、戻しバネ15が移動すると同時に、磁力ロッドバネ6は磁力ロッド8、プッシュヘッド9を動かし、V型プッシュロッド11を動かして左へ移動させると同時に、V型プッシュロッド11はこじり防止スタッドピン13を動かしてこじり防止ガイド溝12の水平部分で左へ最左辺まで移動させ、即ち、こじり防止ピン13がリセットされる。こじり防止スタッドピン13がリセットされた後、ロックタング10は上に直接持ち上げることができず、ロックタングのこじり防止機能に達する。
【0018】
以上、本特許の好ましい実施例を詳しく説明しているが、本特許は上記実施形態に限られるものではなく、当業者が把握する知識範囲内に本特許の要旨を逸脱しない前提で種々の態様で変形することが可能である。
【0019】
(付記)
(付記1)
ロックケース(16)とロックケース(16)に取り付けられた磁力ロッド(8)、プッシュヘッド(9)、ロックタング(10)、V型プッシュロッド(11)、こじり防止ガイド溝(12)および位置決めガイドピン(14)を有し、前記磁力ロッド(8)の外部に磁力コイル(7)が巻回されて取り付けられ、前記磁力コイル(7)左側の磁力ロッド(8)に磁力ロッドバネ(6)が取り付けられ、前記プッシュヘッド(9)は磁力ロッド(8)の右端に取り付けられ、前記V型プッシュロッド(11)はV型プッシュロッド接続スタッドピン(17)によってプッシュヘッドの右端に接続され、前記V型プッシュロッド(11)とロックタング(10)はこじり防止スタッドピン(13)によって可動に接続され、且つ、前記こじり防止スタッドピン(13)はV型プッシュロッド(11)及びロックタング(10)を貫通した後の端部がこじり防止ガイド溝(12)内に設けられ、前記位置決めガイドピン(14)がロックタング(10)の右側に接続され、前記位置決めガイドピン(14)の下部にロックケース(16)に接続された戻しバネ(15)が取り付けられることを特徴とするこじり防止機能付きのマイクロスマートロック。
【0020】
(付記2)
前記こじり防止ガイド溝(12)の形状はV形であることを特徴とする、付記1に記載のこじり防止機能付きのマイクロスマートロック。
【0021】
(付記3)
前記こじり防止ガイド溝(12)の底部横方向溝はロックケースの底部に平行であり、縦方向溝はロックケースの頂部に斜めに延びることを特徴とする、付記1または2に記載のこじり防止機能付きのマイクロスマートロック。
【0022】
(付記4)
前記ロックケース(16)の底部には、ロックプレート(21)が取り付けられることを特徴とする、付記1に記載のこじり防止機能付きのマイクロスマートロック。
【0023】
(付記5)
前記ロックケース(16)は正味寸法の長さが50~145mm、高さが14~28mm、幅が14~20mmであることを特徴とする、付記1に記載のこじり防止機能付きのマイクロスマートロック。
【符号の説明】
【0024】
6-磁力ロッドバネ、7-磁力コイル、8-磁力ロッド、9-プッシュヘッド、10-ロックタング、11-V型プッシュロッド、12-こじり防止ガイド溝、13-こじり防止スタッドピン、14-位置決めガイドピン、15-戻しバネ、16-ロックケース、17-V型プッシュロッド接続スタッドピン、21-ロックプレート。
図1