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特許7211647一体型の針状接地板及びその製造方法、並びにこれを用いた接地部の施工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】一体型の針状接地板及びその製造方法、並びにこれを用いた接地部の施工方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/66 20060101AFI20230117BHJP
【FI】
H01R4/66 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021569445
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-09
(86)【国際出願番号】 KR2020008554
(87)【国際公開番号】W WO2021006530
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】10-2019-0083881
(32)【優先日】2019-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521509538
【氏名又は名称】キム、ムンシク
【氏名又は名称原語表記】KIM, Moon Sik
【住所又は居所原語表記】(Biha-dong, DaejuPiore Apt) 204-503 58, 2sunhwan-ro 1050beon-gil, Heungdeok-gu Cheongju-si Chungcheongbuk-do 28361 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、ムンシク
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-061046(JP,A)
【文献】特開2006-196365(JP,A)
【文献】国際公開第2014/133233(WO,A1)
【文献】特開2010-092840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅(Copper)材質からなる板状の接地板(100)において、
前記接地板(100)は、
輪郭枠(110)と、
前記輪郭枠(110)の左側と右側の内周面を繋ぎ合わせるが、縦方向に多数互いに間隔を空けて配設される横リブ(120)と、
前記輪郭枠(110)と横リブ(120)との間及び多数の横リブ(120)同士の間を繋ぎ合わせる縦リブ(130)と、
前記横リブ(120)の外周面に外側に突き出た形状に配備される枝状の針状突起(140)と、
を備えてなるが、
前記横リブ(120)、縦リブ(130)及び輪郭枠(110)は、銅(Copper)材質からなる板の一部分を打ち抜いて貫通孔(200)が形成されるようにすることにより、前記貫通孔(200)により横リブ(120)と縦リブ(130)は多数が互いに離れて輪郭枠(110)の内側に形成されるようにし、
前記針状突起(140)は、
前記横リブ(120)の正面側と背面側に一対の第1の突出突起(141)と一対の第2の突出突起(142)がそれぞれ外側に突き出た形状を呈するが、一対の第1の突出突起(141)及び一対の第2の突出突起(142)のそれぞれは、前記横リブ(120)から遠ざかるにつれて間隔が次第に広くなる形状を呈して、針状突起(140)は、「X」字状を呈することを特徴とする一体型の針状接地板。
【請求項2】
前記輪郭枠(110)は、
前側、後側、左側、右側にそれぞれ一本以上のアダプター孔(111)が形成されることを特徴とする請求項1に記載の一体型の針状接地板。
【請求項3】
前記針状突起(140)は、
一対の第1の突出突起(141)と一対の第2の突出突起(142)のうちから選ばれた一つ以上は、それぞれ板状の接地板(100)の上側に撓んで突き出た形状に形成されるか、あるいは、下側に撓んで突き出た形状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の一体型の針状接地板。
【請求項4】
前記縦リブ(130)は、
前記輪郭枠(110)と横リブ(120)との間及び多数の横リブ(120)同士の間にそれぞれ一対をなして設けられるが、
一対の縦リブ(130)同士の間の間隔が広く、輪郭枠(110)と縦リブ(130)との間の間隔が狭い形状の外縦リブ(131)と、
一対の縦リブ(130)同士の間の間隔が狭く、輪郭枠(110)と縦リブ(130)との間の間隔が広い形状の内縦リブ(132)と、
を備えてなり、
前記外縦リブ(131)と内縦リブ(132)は、前記接地板(100)の縦方向にこの順に繰り返し形成されることを特徴とする請求項1に記載の一体型の針状接地板。
【請求項5】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれか一項に記載の一体型の針状接地板の製造方法において、
銅(Copper)材質を成形して板状を呈する部材を用意する用意ステップ(S11)と、
打ち抜き装置を用いて、板状を呈する部材を打ち抜くことにより、輪郭枠(110)と貫通孔(200)が形成されるようにする打ち抜きステップ(S12)と、
前記輪郭枠(110)の前側、後側、左側、右側にそれぞれ一本以上のアダプター孔(111)を形成する穿孔ステップ(S13)と、
を含んでなるが、
前記打ち抜きステップ(S12)においては、
前記輪郭枠(110)の左側と右側の内周面を繋ぎ合わせる横リブ(120)が多数離れて形成されるようにし、前記輪郭枠(110)と横リブ(120)との間及び多数の横リブ(120)同士の間を繋ぎ合わせる縦リブ(130)が形成されるようにし、前記横リブ(120)の外周面に外側に突き出た形状に配備される枝状の針状突起(140)が形成されるように打ち抜き、
前記針状突起(140)は、
前記横リブ(120)の正面側と背面側に一対の第1の突出突起(141)と一対の第2の突出突起(142)がそれぞれ外側に突き出た形状を呈するが、一対の第1の突出突起(141)及び一対の第2の突出突起(142)のそれぞれは、前記横リブ(120)から遠ざかるにつれて間隔が次第に広くなる形状を呈して、針状突起(140)は、「X」字状を呈することを特徴とする一体型の針状接地板の製造方法
【請求項6】
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれか一項に記載の一体型の針状接地板を用いた接地部の施工方法において、
地面を掘削してつぼ掘りを行うつぼ掘りステップ(S21)と、
つぼ掘りされた空間に接地板(100)を埋設する埋設ステップ(S22)と、
を含んでなるが、
前記接地板(100)は、
輪郭枠(110)と、
前記輪郭枠(110)の左側と右側の内周面を繋ぎ合わせるが、縦方向に多数互いに間隔を空けて配設される横リブ(120)と、
前記輪郭枠(110)と横リブ(120)との間及び多数の横リブ(120)同士の間を繋ぎ合わせる縦リブ(130)と、
前記横リブ(120)の外周面に外側に突き出た形状に配備される枝状の針状突起(140)と、
を備えてなるが、
前記横リブ(120)、縦リブ(130)及び輪郭枠(110)は、銅(Copper)材質からなる板の一部分を打ち抜いて貫通孔(200)が形成されるようにすることにより、前記貫通孔(200)により横リブ(120)と縦リブ(130)は、多数が互いに離れて輪郭枠(110)の内側に形成されるようにし、
前記針状突起(140)は、
前記横リブ(120)の正面側と背面側に一対の第1の突出突起(141)と一対の第2の突出突起(142)がそれぞれ外側に突き出た形状を呈するが、一対の第1の突出突起(141)及び一対の第2の突出突起(142)のそれぞれは、前記横リブ(120)から遠ざかるにつれて間隔が次第に広くなる形状を呈して、針状突起(140)は、「X」字状を呈することを特徴とする一体型の針状接地板を用いた接地部の施工方法。
【請求項7】
前記埋設ステップ(S22)において埋設される接地板(100)は、長手方向に多数の列を有するように離れて施工されるが、多数枚の接地板(100)が施工される進行方向と同じ進行方向を有するように多数枚の接地板(100)を裸銅線(300)で繋ぎ合わせる裸銅線による繋合ステップ(S23)をさらに含んでなることを特徴とする請求項6に記載の一体型の針状接地板を用いた接地部の施工方法。
【請求項8】
前記裸銅線による繋合ステップ(S23)においては、
前記裸銅線(300)を同じ進行方向に埋設された多数枚の接地板(100)の上端に位置させるが、接地板(100)のそれぞれに形成されたアダプター孔(111)に固定されることを特徴とする請求項7に記載の一体型の針状接地板を用いた接地部の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一体型の針状接地板及びその製造方法、並びにこれを用いた接地部の施工方法に関する。
【0002】
さらに詳しくは、銅(Copper)材質からなる板に打ち抜きを行って枝状の針状突起が多数形成されるようにすることにより、導電率を向上させて優れた接地特性が得られ、一体型になって製造及び施工を行い易い一体型の針状接地板及びその製造方法、並びにこれを用いた接地部の施工方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気及び電子機器には、故障電流や落雷などによる高電圧の電流が流れ込んで機器が破損されることを防ぐために接地システムが実現される。
【0004】
かような接地システムは、地下に接地のための部材を埋設した後、電子機器に接続して放電するようなタイプとなっているが、このような部材は、主として板状または棒状を呈し、部材同士の接続が手軽に行われるようになっている。
【0005】
また、接地のための部材は、主としてセメント、無機充填剤、反応調整剤、導電性カーボンファイバなどが混合された導電性コンクリートを用いて、鉄副資材が内蔵された形状を呈し、接続のためのアダプターが配備されて多数の部材を接続し合うか、あるいは、電気及び電子機器に接続されるようにする。
【0006】
しかしながら、従来、導電性コンクリートからなる接地部材は、卓越した放電効果を有するものの、重量が高く、このため、接地部材を多数接続し合う過程において作業が遅れてしまう結果、工事コストが嵩んで経済性に欠けているという不都合がある。
【0007】
このような不都合を解消するために、従来より、軽量骨材を用いた接地部材が提案されているが、軽量骨材は、吸収性が高いため、コンクリートの配合過程において水の混合量を増やしてしまい、その結果、最終的なコンクリート硬化体の強さ特性が低下してしまうという不都合がある。
【0008】
また、カーボンファイバの混合された接地部材は、接地性能を向上させる上でメリットがあるものの、値段が高いため、多数の接地部材を施工する場合にコストが高騰してしまうという不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】大韓民国登録実用新案公報第20-0302447号(2003.01.14)
【文献】大韓民国登録特許公報第10-1597354号(2016.02.18)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような不都合を解決するために案出されたものであり、本発明において解決しようとする課題は、銅(Copper)材質からなる板に打ち抜きを行って枝状の針状突起が多数形成されるようにすることにより、導電率を向上させて優れた接地特性が得られ、一体型になって製造及び施工を行い易い一体型の針状接地板及びその製造方法、並びにこれを用いた接地部の施工方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような不都合を解決するために、本発明は、銅(Copper)材質からなる板状の接地板において、前記接地板は、輪郭枠と、前記輪郭枠の左側と右側の内周面を繋ぎ合わせるが、縦方向に多数互いに間隔を空けて配設される横リブと、前記輪郭枠と横リブとの間及び多数の横リブ同士の間を繋ぎ合わせる縦リブと、前記横リブの外周面に外側に突き出た形状に配備される枝状の針状突起と、を備えてなる一体型の針状接地板を提供する。
【0012】
また、本発明は、一体型の針状接地板の製造方法において、銅(Copper)材質を成形して板状を呈する部材を用意する用意ステップと、打ち抜き装置を用いて、板状を呈する部材を打ち抜くことにより、輪郭枠と貫通孔が形成されるようにする打ち抜きステップと、前記輪郭枠の前側、後側、左側、右側にそれぞれ一本以上のアダプター孔を形成する穿孔ステップと、を含んでなるが、前記打ち抜きステップは、前記輪郭枠の左側と右側の内周面を繋ぎ合わせる横リブが多数離れて形成されるようにし、前記輪郭枠と横リブとの間及び多数の横リブ同士の間を繋ぎ合わせる縦リブが形成されるようにし、前記横リブの外周面に外側に突き出た形状に配備される枝状の針状突起が形成されるように打ち抜き、前記針状突起は、前記横リブの正面側と背面側に一対の第1の突出突起と一対の第2の突出突起がそれぞれ外側に突き出た形状を呈するが、一対の第1の突出突起及び一対の第2の突出突起のそれぞれは、前記横リブから遠ざかるにつれて間隔が次第に広くなる形状を呈して、針状突起は、「X」字状を呈することを特徴とする一体型の針状接地板の製造方法を提供することにより、技術的課題を解決しようとする。
【0013】
さらに、本発明は、一体型の針状接地板を用いた接地部の施工方法において、下側は狭く、上側は広い上広下狭状の断面を有するように地面を掘削してつぼ掘りを行うつぼ掘りステップと、つぼ掘りされた空間の3面にそれぞれ接地板を埋設する埋設ステップと、を含んでなる一体型の針状接地板を用いた接地部の施工方法を提供することにより、技術的課題を解決しようとする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、銅(Copper)板を打ち抜いて枝状の針状突起が多数形成されるようにすることにより、導電率を向上させて優れた接地特性が得られ、一体型になって製造及び施工を行い易いという顕著な効果を有している。
【0015】
また、本発明は、板状を呈する接地板の前側、後側、左側、右側にそれぞれアダプター孔を形成し、これらを繋ぎ合わせることにより、多数枚の接地板が互いに離れて施工されることにより、広い面積にわたって接地特性が向上した接地板の施工が行えるという顕著な効果を有している。
【0016】
さらに、本発明は、多数枚の接地板を離隔させた後、裸銅線を接地板のそれぞれに形成されたアダプター孔につないで施工することにより、簡単に施工することができるという顕著な効果を有している。
【0017】
さらにまた、本発明は、板状の接地板に打ち抜きを行って貫通孔を形成することにより、接地板が地中に埋設される場合、貫通孔を介して土砂が流れ込むようにして接地板が施工されるための地面との接着表面積を広げ、地形の変化に適応して接着力を保つことから、接地効果を極大化させることができるという顕著な効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る一体型の針状接地板を示す斜視図である。
図2】本発明に係る一体型の針状接地板を示す平面図である。
図3】本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起を示す部分拡大図である。
図4】本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第1の実施形態を示す部分拡大図である。
図5】本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第2の実施形態を示す部分拡大図である。
図6】本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第3の実施形態を示す部分拡大図である。
図7】本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第4の実施形態を示す部分拡大図である。
図8】本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第5の実施形態を示す部分拡大図である。
図9】本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第6の実施形態を示す部分拡大図である。
図10】本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第7の実施形態を示す部分拡大図である。
図11】本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第8の実施形態を示す部分拡大図である。
図12】本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第9の実施形態を示す部分拡大図である。
図13】本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第10の実施形態を示す部分拡大図である。
図14】本発明に係る一体型の針状接地板において、裸銅線により多数枚の接地板が繋ぎ合わせられた例を示す図である。
図15】本発明に係る一体型の針状接地板の製造方法のフローチャートである。
図16】本発明に係る一体型の針状接地板を用いた接地部の施工方法のフローチャートである。
図17】本発明に係る一体型の針状接地板を用いた接地部の施工方法におけるつぼ掘りステップを示す図である。
図18】本発明に係る一体型の針状接地板を用いた接地部の施工方法における埋設ステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る一体型の針状接地板及びその製造方法、並びにこれを用いた接地部の施工方法は、銅(Copper)材質からなる板状の接地板100において、前記接地板100は、輪郭枠110と、前記輪郭枠110の左側と右側の内周面を繋ぎ合わせるが、縦方向に多数互いに間隔を空けて配設される横リブ120と、前記輪郭枠110と横リブ120との間及び多数の横リブ120同士の間を繋ぎ合わせる縦リブ130と、前記横リブ120の外周面に外側に突き出た形状に配備される枝状の針状突起140と、を備えてなるが、前記横リブ120、縦リブ130及び輪郭枠110は、銅(Copper)材質からなる板の一部分を打ち抜いて貫通孔200が形成されるようにすることにより、前記貫通孔200により横リブ120と縦リブ130は、多数が互いに離れて輪郭枠110の内側に形成されるようにし、前記針状突起140は、前記横リブ120の正面側と背面側に一対の第1の突出突起141と一対の第2の突出突起142がそれぞれ外側に突き出た形状を呈するが、一対の第1の突出突起141及び一対の第2の突出突起142のそれぞれは、前記横リブ120から遠ざかるにつれて間隔が次第に広くなる形状を呈して、針状突起140は、「X」字状を呈することを特徴とする。
【0020】
本発明の実施形態に関する目的及び特徴、そしてこれらを達成する方法は、添付図面と結び付けられて行われる実施形態からなお一層明らかになる筈である。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇により定義されるだけである。明細書の全体に亘って、同じ参照符号は、同じ構成要素を指し示す。
【0021】
本発明の実施形態について説明するにあたって、公知の機能または構成についての具体的な説明が本発明の要旨を余計に曖昧にする虞があると認められる場合にはその詳細な説明を省略する。そして、この明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、本発明の実施形態における機能を考慮して定義されたものであって、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に踏まえて、本発明の技術的な思想に見合う意味と考え方として解釈されなければならない。
【0022】
よって、この明細書に記載の実施形態と図面に示されている構成は、本発明の最適な一実施形態に過ぎないものであり、本発明の技術的な思想をいずれも代弁するものではないため、本発明の出願時点においてこれらに代替できる様々な均等物と変形例があり得るということを理解しなければならない。
【0023】
以下、添付図面について説明するに先立って、本発明の要旨を表わす上で不要な事項、すなわち、通常の知識を有する当業者が明らかに付加できる公知の構成については、図示しないか、あるいは、具体的に述べてないということに留意すべきである。
【0024】
まず、添付図面に基づいて本発明の色々な実施形態について詳しく説明するに先立って、下記の詳細な説明の欄に記載されているか、あるいは、図面に示されている構成要素の方向(例えば、「前」、「後」、「左」、「右」、「上側」、「下側」、「上」、「下」、「横」、「縦」、「正面」、「背面」、「一方の側」、「他方の側」、「内側」及び「外側」)などといった用語に関して単に特定の方向を有さなければならないということを表わしたり意味したりせず、このような方向の記載は、添付図面に基づいて構成要素同士の説明を容易に行うためのものであるということに留意すべきである。
【0025】
本発明に係る一体型の針状接地板及びその製造方法、並びにこれを用いた接地部の施工方法は、銅(Copper)材質からなる板に打ち抜きを行って枝状の針状突起140が多数形成されるようにすることにより、導電率を向上させて優れた接地特性が得られ、一体型になって製造及び施工が手軽に行える一体型の針状接地板及びその製造方法、並びにこれを用いた接地部の施工方法である。
【0026】
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る一体型の針状接地板について詳しく説明する。
【0027】
図1は、本発明に係る一体型の針状接地板を示す斜視図であり、図2は、本発明に係る一体型の針状接地板を示す平面図であり、図3は、本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起を示す部分拡大図である。
【0028】
本発明に係る一体型の針状接地板は、銅(Copper)材質からなる板、すなわち、銅板に打ち抜きを行って貫通孔200が形成された一体型の針状接地板100であり、輪郭枠110、横リブ120、縦リブ130及び針状突起140を備えてなる。
【0029】
このような接地板100は、電力設備、通信設備、パソコン、避雷設備、電気方式設備など多種多様な電気及び電子機器に接地線(裸銅線)により接続されて地中に埋設されることにより、電気及び電子機器に故障電流や落雷などによる高電圧の電流が流れ込んで破損されることを防ぐ機能を行う。
【0030】
すなわち、接地されている設備から接地線(裸銅線)、接地板100及び前記接地板100に形成される針状突起140を経て接地電流が地中に流れ込むようにする。
【0031】
このとき、地中との接地において接続不良を示す指標が接地抵抗であり、接地抵抗が低ければ低いほど、地中との接続が良好に実現される。
【0032】
輪郭枠110は、図1及び図2に示すように、接地板100の周縁を意味するものであって、四角枠状を呈してもよい。
【0033】
このとき、輪郭枠110は、前側、後側、左側、右側にそれぞれ一本以上のアダプター孔111が形成されることが好ましい。
【0034】
このようなアダプター孔111は、裸銅線が連結されるためのものであり、輪郭枠110の上側と下側を貫いて形成されてもよい。
【0035】
すなわち、アダプター孔111は、接地板100に裸銅線が連結されるための端子の機能を行う。
【0036】
横リブ120は、図1及び図2に基づいて説明すると、輪郭枠110の左側と右側の内周面を繋ぎ合わせるが、縦方向に多数互いに間隔を空けて配設される。
【0037】
このような横リブ120は、後述する針状突起140が形成されるようにする。
【0038】
縦リブ130は、輪郭枠110と横リブ120との間及び多数の横リブ120同士の間を繋ぎ合わせるように構成されるものであって、横リブ120が縦リブ130によりつなぎ合わせられて強固に形状が保たれるようにして撓んだり破損されたりすることを防ぐことができる。
【0039】
このとき、縦リブ130は、図1及び図2に示すように、輪郭枠110と横リブ120との間及び多数の横リブ120同士の間にそれぞれ一対をなして設けられてもよい。
【0040】
詳しくは、外縦リブ131と内縦リブ132が接地板100の縦方向にこの順に繰り返し形成される形状を呈していてもよい。
【0041】
外縦リブ131は、一対の縦リブ130同士の間の間隔が広く、輪郭枠110と縦リブ130との間の間隔が狭い形状を呈するものであって、設計条件によっては、一対の外縦リブ131同士の間の間隔は、縦リブ130の長さに等しくてもよい。
【0042】
内縦リブ130は、一対の縦リブ130同士の間の間隔が狭く、輪郭枠110と縦リブ130との間の間隔が広い形状を呈するものであって、設計条件によっては、輪郭枠110と縦リブ130との間の間隔は、縦リブ130の長さに等しくてもよい。
【0043】
このため、相互間の間隔が互いに異なる内縦リブ132と外縦リブ131とが接地板100の長手方向に順次に配置されることにより、横リブ120の形状がさらに強固に保たれるようにする。
【0044】
また、縦リブ130と横リブ120は、多数が互いに離れて輪郭枠110の内側に配備されることにより、図1及び図2に示すように、輪郭枠110、縦リブ130及び横リブ120により多数の貫通孔200が形成されるようにする。
【0045】
すなわち、銅材質からなる板を打ち抜いて貫通孔200を形成することにより、輪郭枠110、縦リブ130、横リブ120及び後述する針状突起140が一体型になっている接地板100を製造することが可能になる。
【0046】
針状突起140は、横リブ120の外周面に外側に突き出た形状に配備されて枝状を呈するものであって、横リブ120の正面側と背面側に一対の第1の突出突起141と一対の第2の突出突起142がそれぞれ外側に突き出た形状を呈して、図3に示すように、「X」字状を呈してもよい。
【0047】
敷衍すれば、一対の第1の突出突起141と一対の第2の突出突起142のそれぞれは、前記横リブ120から遠ざかるにつれて間隔が次第に広くなる形状を呈して、針状突起140は、「X」字状を呈してもよい。
【0048】
このような針状突起140は、添付図面に示すように、接地板100に多数が配備されることにより、接地電流が地中に円滑に放出されるようにすることにより、過電流及び過電圧から電気、電子機器などを保護することが可能になる。
【0049】
設計条件によって、本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起140は、「X」字状を呈する例を示しているが、第1の突出突起141と第2の突出突起142のそれぞれは、外側に突き出た突起部分が一つ以上形成されてもよい。
【0050】
例えば、第1の突出突起141と第2の突出突起142のそれぞれが一対をなしているタイプの他にも、1つの突起または3つの突起などが突き出た形状を呈してもよい。
【0051】
一方、針状突起140は、図1から図3に示すように、接地板100のように板状を呈する例を示しているが、図4から図13でのように、板状を呈する接地板100の上側または下側に撓んで突き出た形状を呈してもよい。
【0052】
このような針状突起140の様々な実施形態について図4から図13に基づいて説明する。
【0053】
図4は、本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第1の実施形態を示す部分拡大図であり、図5は、本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第2の実施形態を示す部分拡大図であり、図6は、本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第3の実施形態を示す部分拡大図であり、図7は、本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第4の実施形態を示す部分拡大図であり、図8は、本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第5の実施形態を示す部分拡大図であり、図9は、本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第6の実施形態を示す部分拡大図であり、図10は、本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第7の実施形態を示す部分拡大図であり、図11は、本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第8の実施形態を示す部分拡大図であり、図12は、本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第9の実施形態を示す部分拡大図であり、図13は、本発明に係る一体型の針状接地板における針状突起の第10の実施形態を示す部分拡大図である。
【0054】
まず、図4に示す針状突起140の第1の実施形態は、一対の第1の突出突起141のうちから選ばれた一つ以上が板状の接地板100の上側に撓んで上側に突き出た形状に形成されてもよい。
【0055】
また、図5に示す針状突起140の第2の実施形態は、一対の第2の突出突起142のうちから選ばれた一つ以上が板状の接地板100の上側に撓んで上側に突き出た形状に形成されてもよい。
【0056】
さらに、図6に示す針状突起140の第3の実施形態は、一対の第1の突出突起141のうちから選ばれた一つ以上と一対の第2の突出突起142から選ばれた一つ以上が板状の接地板100の上側に撓んで上側に突き出た形状に形成されてもよい。
【0057】
さらにまた、図7に示す針状突起140の第4の実施形態は、一対の第1の突出突起141のうちから選ばれた一つ以上が板状の接地板100の下側に撓んで下側に突き出た形状に形成されてもよい。
【0058】
さらにまた、図8に示す針状突起140の第5の実施形態は、一対の第2の突出突起142のうちから選ばれた一つ以上が板状の接地板100の下側に撓んで下側に突き出た形状に形成されてもよい。
【0059】
さらにまた、図9に示す針状突起140の第6の実施形態は、一対の第1の突出突起141のうちから選ばれた一つ以上と一対の第2の突出突起142のうちから選ばれた一つ以上が板状の接地板100の下側に撓んで下側に突き出た形状に形成されてもよい。
【0060】
さらにまた、図10に示す針状突起140の第7の実施形態は、一対の第1の突出突起141のうちから選ばれた一つ以上が板状の接地板100の上側に撓んで上側に突き出た形状を呈し、一対の第2の突出突起142のうちから選ばれた一つ以上が板状の接地板100の下側に撓んで下側に突き出た形状に形成されてもよい。
【0061】
さらにまた、図11に示す針状突起140の第8の実施形態は、一対の第1の突出突起141のうちから選ばれた一つ以上が板状の接地板100の下側に撓んで下側に突き出た形状を呈し、一対の第2の突出突起142のうちから選ばれた一つ以上が板状の接地板100の上側に撓んで上側に突き出た形状に形成されてもよい。
【0062】
さらにまた、図12に示す針状突起140の第9の実施形態は、一対の第1の突出突起141がそれぞれの上側と下側に対応するように撓んで突き出た形状を呈し、一対の第2の突出突起142のうちから選ばれた一つ以上は、板状の接地板100上側または下側に撓んで突き出た形状に形成されてもよい。
【0063】
さらにまた、図13に示す針状突起140の第10の実施形態は、一対の第2の突出突起142がそれぞれの上側と下側に対応するように撓んで突き出た形状を呈し、一対の第1の突出突起141のうちから選ばれた一つ以上は、板状の接地板100の上側または下側に撓んで突き出た形状に形成されてもよい。
【0064】
このように、第1の突出突起141及び第2の突出突起142を備える針状突起140は、図4から図13まででのように、板状の接地板100の上側または下側に撓んで突き出るようにすることにより、前記針状突起140の終端が向く方向を自由に調節することができて、接地板100が地中に埋設される場合、前記針状突起140が向く方向に沿って地中に接地電流が流れ込む方向を選択的に調節することができるというメリットがある。
【0065】
図14は、本発明に係る一体型の針状接地板において、裸銅線により多数枚の接地板が繋ぎ合わせられた例を示す図である。
【0066】
設計条件によって、多数枚の接地板100が施工される場合、図14に示すように、多数枚の接地板100は、互いに所定の間隔だけ離れて地中に埋設されるが、多数枚の接地板100が施工される進行方向に沿って裸銅線300が配備されてもよい。
【0067】
このような裸銅線300は、多数枚の接地板100の上端に位置するが、接地板100のそれぞれに形成されたアダプター孔111に固定されることにより、多数枚の接地板100が繋ぎ合わせられるようにする。
【0068】
このような構成により、本発明に係る一体型の針状接地板は、銅(Copper)板を打ち抜いて枝状の針状突起140が多数形成されるようにすることにより、導電率を向上させて優れた接地特性を提供する。
【0069】
また、輪郭枠110、横リブ120、縦リブ130及び針状突起140からなる接地板100は、一体型になっていることにより、従来の網状の接地板を製造する過程において輪郭枠に網状の接地電極線を溶接して結合することにより、電流が流れる過程において前記溶接部位が脱落して接地が行われないという問題を未然に防ぐことができる。
【0070】
さらに、板状の接地板100に打ち抜きを行って貫通孔200を形成することにより、前記接地板100が地中に埋設される場合、貫通孔200を介して土砂が流れ込むようにして接地板100が施工されるための地面との接着表面積を広げ、地形の変化に適応して接着力を保つことから、接地効果を極大化させることができる。
【0071】
さらにまた、板状を呈する接地板の前側、後側、左側、右側にそれぞれアダプター孔111を形成し、これらを裸銅線により繋ぎ合わせることにより、多数枚の接地板100が互いに離れて施工されることにより、広い面積に亘って接地特性が向上した接地板施工を行うことができる。すなわち、多数枚の接地板100をアダプター孔111を用いて繋ぎ合わせることにより、多数枚の接地板100が並列構造または直列構造になるように施工を行うことができて活用性に優れているというメリットがある。
【0072】
以下、図15に基づいて、本発明に係る一体型の針状接地板の製造方法について説明する。
【0073】
まず、図1から図14において既に述べた内容のうち、重複する部分については述べていないということに留意されたい。
【0074】
図15は、本発明に係る一体型の針状接地板の製造方法のフローチャートである。
【0075】
本発明に係る一体型の針状接地板の製造方法は、用意ステップ(S11)、打ち抜きステップ(S12)及び穿孔ステップ(S13)を含んでなる。
【0076】
用意ステップ(S11)は、銅(Copper)材質を成形して板状を呈する部材を用意するステップである。
【0077】
このとき、前記部材は、一枚の接地板100が製造されるための大きさが同じくなるように製造され、好ましくは、輪郭枠110の外周面の長さに等しい外周面の長さを有するように製造される。
【0078】
このため、用意ステップ(S11)においては、板状を呈する部材を用意し、後述する打ち抜きステップ(S12)において貫通孔200を形成することにより、一体型の接地板100を製造できるようにする。
【0079】
打ち抜きステップ(S12)は、打ち抜き装置を用いて、板状を呈する部材を打ち抜くステップである。
【0080】
このような過程を通して、輪郭枠110と多数の貫通孔200が形成されるようにして、接地板100が地中に埋設される場合、前記貫通孔200を介して土砂が流れ込まないようにする。
【0081】
このとき、打ち抜きステップ(S12)においては、輪郭枠110の左側と右側の内周面を繋ぎ合わせる横リブ120が多数互いに間隔を空けて配設されるようにし、前記輪郭枠110と横リブ120との間及び多数の横リブ120同士の間を繋ぎ合わせる縦リブ130が形成されるようにし、前記横リブ120の外周面に外側に突き出た形状に配備される枝状の針状突起140が形成されるように打ち抜く。
【0082】
このため、多数の針状突起140が形成されることにより、前記針状突起140を介して地中に接地電流が流れ込むように誘導することにより、接地性能を向上させることができる。
【0083】
穿孔ステップ(S13)は、輪郭枠110の前側、後側、左側、右側にそれぞれ一本以上のアダプター孔111を形成するステップである。
【0084】
このような穿孔ステップ(S13)においては、ボーリング装置といった別途の穿孔装置を介して接地板100の上側と下側を貫くアダプター孔111が形成されるようにする。
【0085】
設計条件によって、打ち抜きステップ(S12)と穿孔ステップ(S13)は、順次に行われてもよく、同時に行われてもよい。
【0086】
このように、本発明に係る一体型の針状接地板の製造方法は、銅(Copper)材質からなる板を打ち抜いて輪郭枠110、横リブ120、縦リブ130及び針状突起140を備える一体型接地板100を製造することができるので、従来の網状の接地板の製造に際して輪郭枠と網状の接地電極線を溶接して結合することにより、電流が流れる過程において前記溶接部位が脱落して接地が行われないという問題を未然に防ぐことができる。
【0087】
すなわち、一体型になっている接地板100は、輪郭枠110から横リブ120、縦リブ130及び針状突起140が脱落しないため、多数形成された針状突起140により地中に接地電流が円滑に流れ込むようにすることにより、優れた接地効果が見込まれる。
【0088】
以下、図16から19に基づいて、本発明に係る一体型の針状接地板を用いた接地部の施工方法について説明する。
【0089】
まず、図1から図15において既に述べている内容のうち、重複する部分は述べてないということに留意されたい。
【0090】
図16は、本発明に係る一体型の針状接地板を用いた接地部の施工方法のフローチャートであり、図17は、本発明に係る一体型の針状接地板を用いた接地部の施工方法におけるつぼ掘りステップを示す図であり、図18は、本発明に係る一体型の針状接地板を用いた接地部の施工方法における埋設ステップを示す図である。
【0091】
本発明に係る一体型の針状接地板を用いた接地部の施工方法は、図1から図15に示す接地板100の構成要素を地中に埋設する施工方法に関わるものであり、つぼ掘りステップ(S21)、埋設ステップ(S22)、裸銅線による繋合ステップ(S23)及び埋め戻しステップ(S24)を含んでなる。
【0092】
つぼ掘りステップ(S21)は、地面を掘削してつぼ掘りを行うステップであって、地中に接地板100を埋設するための空間を設けるステップである。
【0093】
このとき、つぼ掘りステップ(S21)は、図17に示すように、下側は狭く、上側は広い上広下狭状の断面を有するように地面を掘削して行われてもよい。
【0094】
埋設ステップ(S22)は、つぼ掘りステップ(S21)においてつぼ掘りされた空間に接地板100を埋設するステップである。
【0095】
このとき、埋設ステップ(S22)は、図14に示すように、長手方向に多数枚の接地板100が埋設されて施工されてもよいが、図18に示すように、つぼ掘りされた空間の内周面が3面からなる場合、3面のそれぞれに接地板100が埋設されて施工されてもよい。
【0096】
このとき、それぞれの接地板100は、裸銅線により繋ぎ合わせられる。
【0097】
このように、3面にそれぞれ接地板100が埋設される場合には、地盤の状態や土質に応じてつぼ掘り空間を余裕のあるように確保できない場所において活用されることができる。
【0098】
例えば、多数枚の接地板100の施工が必要とされる場所においてつぼ掘りが行える空間が非常に狭い場合、図18でのように、つぼ掘りされた空間の3面に接地板100を施工することにより、つぼ掘りされた空間の活用性に優れており、しかも、狭い場所でも十分に高い接地効果が見込まれる。
【0099】
裸銅線による繋合ステップ(S23)は、埋設ステップ(S22)において埋設される多数枚の接地板100を裸銅線300により繋ぎ合わせるステップである。
【0100】
このような裸銅線による繋合ステップ(S23)においては、図14に基づいて説明すれば、多数枚の接地板100が長手方向に多数の列を有するように離れて施工されるが、多数枚の接地板100が施工される進行方向と同じ進行方向を有するように多数枚の接地板100を裸銅線300により繋ぎ合わせる。
【0101】
このとき、裸銅線300は、多数枚の接地板100の上端に位置させるが、接地板100のそれぞれに形成されたアダプター孔111に固定されることにより、接地板100と裸銅線300とが繋ぎ合わせられるようにし、同じ進行方向に位置している裸銅線300により多数枚の接地板100がいずれも繋ぎ合わせられるようにする。
【0102】
設計条件によって、図18に示すように、埋設ステップ(S22)において埋設される接地板がつぼ掘りされた空間の3面にそれぞれ埋設されて施工される場合、それぞれの接地板100もまた裸銅線により繋ぎ合わせられることが可能になる。
【0103】
さらに、3枚の接地板100が長手方向に多数の列をなすように施工される場合、一本の列に備配された3枚の接地板100と長手方向に多数の列をなして施工されて他の列に位置する3枚の接地板100がいずれも裸銅線300により繋ぎ合わせられることが可能になる。
【0104】
すなわち、裸銅線300により多数枚の接地板100が選択的に並列または直列に繋ぎ合わせられることが可能になることにより、活用性に優れているだけではなく、狭い空間においても多数枚の接地板100を施工可能にすることにより、十分な接地性能を発揮できるようにする。
【0105】
埋め戻しステップ(S24)は、つぼ掘りされた空間への接地板100の埋設が完了すれば、つぼ掘りされた空間に土砂を詰め込んで埋め戻すステップである。
【0106】
設計条件によって、埋め戻す過程において、土砂は、塩分入り土(海辺の泥土や黄土)を用いて埋め戻しが行われてもよい。
【0107】
このとき、塩分入り土や黄土は、銅(Cupper)材質からなる一体型の針状接地板100との接触性能が向上し、接地性能を向上させることができるという効果がある。
【0108】
以上、本発明について様々な実施形態を挙げて説明したが、本発明は、上記の実施形態に何等限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において、様々な置換、変形及び変更を加えることができるということが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0109】
以上述べたように、本発明による一体型の針状接地板及びその製造方法、並びにこれを用いた接地部の施工方法は、銅(Copper)板を打ち抜いて枝状の針状突起が多数形成されるようにすることにより、導電率を向上させて優れた接地特性が得られ、一体型になって製造及び施工を行い易いという顕著な効果を有し、板状を呈する接地板の前側、後側、左側、右側にそれぞれアダプター孔を形成し、これらを繋ぎ合わせることにより、多数枚の接地板が互いに離れて施工されることにより、広い面積にわたって接地特性が向上した接地板の施工が行えるという顕著な効果があり、多数枚の接地板を離隔させた後、裸銅線を接地板のそれぞれに形成されたアダプター孔につないで施工することにより、簡単に施工することができるという顕著な効果を有し、板状の接地板に打ち抜きを行って貫通孔を形成することにより、接地板が地中に埋設される場合、貫通孔を介して土砂が流れ込むようにして接地板が施工されるための地面との接着表面積を広げ、地形の変化に適応して接着力を保つことから、接地効果を極大化させることができるという顕著な効果を有していることから、産業上の利用可能性が非常に高い発明であるといえる。
【符号の説明】
【0110】
100:接地板
110:輪郭枠
111:アダプター孔
120:横リブ
130:縦リブ
131:外縦リブ
132:内縦リブ
140:針状突起
141:第1の突出突起
142:第2の突出突起
200:貫通孔
300:裸銅線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18