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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】留め具
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/32 20060101AFI20230117BHJP
   F16B 2/10 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
E04G21/32 B
F16B2/10 Z
F16B2/10 D
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022153210
(22)【出願日】2022-09-27
【審査請求日】2022-10-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522380550
【氏名又は名称】曙建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129573
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 博正
(72)【発明者】
【氏名】新納 豊
【審査官】清水 督史
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-054814(JP,A)
【文献】実開平03-068263(JP,U)
【文献】特開2016-098552(JP,A)
【文献】特開2016-011556(JP,A)
【文献】登録実用新案第3177720(JP,U)
【文献】特開2014-201893(JP,A)
【文献】特開平11-200636(JP,A)
【文献】特開2017-074968(JP,A)
【文献】特開2016-202849(JP,A)
【文献】特許第4496099(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/00-21/32
F16B 2/10
E04G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
足場の紐を留める留め具において、
開閉可能に構成され、開いている状態で挿入された前記紐を閉じた状態で挟み込んで保持する挟持部と、
前記挟持部に挟み込まれている前記紐に刺さるように、挟み込む前記紐の長手方向に対して斜めの向きに前記挟持部の内面に束にされて植えられている金属線と
を含む留め具。
【請求項2】
請求項1に記載の留め具において、
前記挟持部は、複数の部位からなり、前記部位が閉じられている場合、対向している内面の間に、側面が閉じて両側の面が開口している所望の断面形状の柱状の隙間が形成され、
前記挟持部は、前記柱状の隙間の側面側を開くことができ、
前記金属線は、前記挟持部が閉じられている場合に前記隙間に収まる長さで、前記挟持部の前記部位の対向している前記内面のそれぞれに、前記柱状の前記隙間の開口している面のうちの一方の面に対して交差する向きに束にされて植えられている
留め具。
【請求項3】
請求項2に記載の留め具において、
前記部位が閉じられている前記挟持部の前記隙間における前記部位の前記内面間の距離の最大値または中央値は、前記紐の直径の0.3倍乃至1.0倍とされている
留め具。
【請求項4】
請求項1に記載の留め具において、
前記挟持部が閉じられている状態に保持する保持部をさらに含む
留め具。
【請求項5】
請求項2に記載の留め具において、
前記挟持部の外面に、前記金属線の向きを示す凸部が形成されている
留め具。
【請求項6】
請求項5に記載の留め具において、
前記凸部は、前記隙間の面のうち、前記金属線が向いている一方の面に対向する他方の面側の前記挟持部の外面に設けられている
留め具。
【請求項7】
請求項2に記載の留め具において、
前記挟持部の前記部位は、対向して挟んでいる仮想的な面に対して対称の形状に形成されている
留め具。
【請求項8】
請求項7に記載の留め具において、
前記挟持部の前記部位は、軸により互いに回動可能に軸支されている
留め具。
【請求項9】
請求項8に記載の留め具において、
前記軸は、前記挟持部の側面の端部に設けられている
留め具。
【請求項10】
請求項9に記載の留め具において、
前記挟持部の前記部位の対向している前記内面の間に、楕円柱状の前記隙間が形成されている
留め具。
【請求項11】
請求項8に記載の留め具において、
前記軸は、前記部位の中央部分であって、前記部位の端部のうちの、開くことのできる前記柱状の隙間の側面側の一方の端部と、前記一方の端部に対向する側の他方の端部との中央部分に設けられている
留め具。
【請求項12】
請求項11に記載の留め具において、
前記挟持部の前記部位は、それぞれ、前記軸に支えられているてこ状に形成されている
留め具。
【請求項13】
請求項7に記載の留め具において、
前記挟持部の前記部位の中央部分であって、前記部位の端部のうちの、開くことのできる前記柱状の隙間の側面側の一方の端部と、前記一方の端部に対向する側の他方の端部との中央部分が、撓る板材により接続されて、前記部位が、回動可能に支えられている
留め具。
【請求項14】
請求項13に記載の留め具において、
前記挟持部の前記部位は、それぞれ、前記板材に支えられているてこ状に形成されている
留め具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は留め具に関し、特に、足場の紐を留める留め具に関する。
【背景技術】
【0002】
建築現場において、安全、美観および宣伝の目的でシートが張られている。シートの結束には、通常、ポリプロピレン製の組紐が利用されている。シートの紐の結束は、解くことを前提にしたものであり、結束に習熟しなければならず、また、習熟には時間がかかる。シート1平方メートル当たり約2か所の結束が必要であり、結束場所の数は多く、結束作業には多くの時間と手間がかかる。
【0003】
また、シートに風を長期間受けると紐が緩むことがある。また、強風の際には、紐の結束を解いてシートを外してたたみ、さらに、強風が収まったのちに、再度シートを紐で結束する必要がある。このような作業の省力化が求められている。
【0004】
さらにまた、シートの紐の結束の作業は細かい作業であるので、寒冷時の手がかじかんだ状態では能率が上がらず、作業の単純化が求められている。
【0005】
指を引っ掛ける指掛け部と、指掛け部から立設された二つの立上り片のそれぞれに戻り片を略平行に連設した略U字状で、立上り片と戻り片との間の挟持間隙部で紐の両端部をそれぞれ強固に挟持する二つの挟持部とで構成する紐接続用クリップが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、紐体を係止する紐係止具であって、可撓性を有する板状体を備え、前記板状体は、板面の中央又は略中央に放射状に複数の切り込みを入れて区画された複数の爪部と、前記切り込みと連通して周縁に開口し、前記紐体が単体で通過可能な幅を有するスリット部とを備えるとともに、平面視で雫形状を成しており、前記スリット部は、前記雫形状の三角部の頂点と円弧部の円弧の中点とを結ぶ仮想直線上に形成され且つ前記円弧部の周縁に開口し、前記複数の切り込みは、前記スリット部の幅よりも細い幅に形成されているとともに、当該複数の切り込みのうちの1つが前記円弧部側の前記仮想直線上に位置し、前記スリット部の内側端部は、前記仮想直線上に位置する切り込みの外側端部と連結する構成となっていることを特徴とする紐係止具が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2005-226221号公報
【文献】特許第6979243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の紐接続用クリップや特許文献2の紐係止具では、風が吹くとシートが引っ張られて、紐に緩みが生じてしまう。この場合、シートが外れてしまう恐れがある。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より簡単に紐を留めて、より簡単に締め込み、より確実に締め込んだ状態を維持できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面の留め具は、足場の紐を留める留め具であって、開閉可能に構成され、開いている状態で挿入された紐を閉じた状態で挟み込んで保持する挟持部と、挟持部に挟み込まれている紐に刺さるように、挟み込む紐の長手方向に対して斜めの向きに挟持部の内面に束にされて植えられている金属線とを含む。
【0011】
挟持部を、複数の部位からなり、部位が閉じられている場合、対向している内面の間に、側面が閉じて両側の面が開口している所望の断面形状の柱状の隙間が形成されるようにし、挟持部を、柱状の隙間の側面側を開くことができるようにし、金属線を、挟持部が閉じられている場合に隙間に収まる長さで、挟持部の部位の対向している内面のそれぞれに、柱状の隙間の開口している面のうちの一方の面に対して交差する向きに束にされて植えることができる。
【0012】
部位が閉じられている挟持部の隙間における部位の内面間の距離の最大値または中央値を、紐の直径の0.3倍乃至1.0倍とすることができる。
【0013】
挟持部が閉じられている状態に保持する保持部をさらに設けることができる。
【0014】
挟持部の外面に、金属線の向きを示す凸部を形成することができる。
【0015】
凸部を、隙間の面のうち、金属線が向いている一方の面に対向する他方の面側の挟持部の外面に設けることができる。
【0016】
挟持部の部位を、対向して挟んでいる仮想的な面に対して対称の形状に形成することができる。
【0017】
挟持部の部位を、軸により互いに回動可能に軸支することができる。
【0018】
軸を、挟持部の側面の端部に設けることができる。
【0019】
挟持部の部位の対向している内面の間に、楕円柱状の隙間を形成することができる。
【0020】
軸を、部位の中央部分であって、部位の端部のうちの、開くことのできる柱状の隙間の側面側の一方の端部と、一方の端部に対向する側の他方の端部との中央部分に設けることができる。
【0021】
挟持部の部位を、それぞれ、軸に支えられているてこ状に形成することができる。
【0022】
挟持部の部位の中央部分であって、部位の端部のうちの、開くことのできる柱状の隙間の側面側の一方の端部と、一方の端部に対向する側の他方の端部との中央部分を、撓る板材により接続して、部位を、回動可能に支えることができる。
【0023】
挟持部の部位を、それぞれ、板材に支えられているてこ状に形成することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明によれば、より簡単に紐を留めて、より簡単に締め込み、より確実に締め込んだ状態を維持できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】留め具11の構成の概要を説明する斜視図である。
図2】留め具11の構成の概要を説明する正面図である。
図3】留め具11の構成の概要を説明する左側面図である。
図4】留め具11の構成の概要を説明する右側面図である。
図5】留め具11の構成の概要を説明する上面図である。
図6】紐81を咥えこむ場合の留め具11を説明する図である。
図7】留め具11が紐81を留めている状態を示す図である。
図8】留め具101の構成の概要を説明する斜視図である。
図9】留め具101の構成の概要を説明する正面図である。
図10】留め具101の構成の概要を説明する左側面図である。
図11】留め具101の構成の概要を説明する右側面図である。
図12】留め具101の構成の概要を説明する上面図である。
図13】紐81を咥えこむ場合の留め具101を説明する図である。
図14】留め具101が紐81を留めている状態を示す図である。
図15】留め具201の構成の概要を説明する斜視図である。
図16】留め具201の構成の概要を説明する正面図である。
図17】留め具201の構成の概要を説明する左側面図である。
図18】留め具201の構成の概要を説明する右側面図である。
図19】留め具201の構成の概要を説明する上面図である。
図20】紐81を咥えこむ場合の留め具201を説明する図である。
図21】留め具201が紐81を留めている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0027】
本発明の一側面の留め具は、足場の紐を留める留め具(例えば、図1の留め具11)であって、開閉可能に構成され、開いている状態で挿入された紐を閉じた状態で挟み込んで保持する挟持部(例えば、図1の紐挟み部21)と、挟持部に挟み込まれている紐に刺さるように、挟み込む紐の長手方向に対して斜めの向きに挟持部の内面に植えられている金属線(例えば、図1の線23)とを含む。
【0028】
挟持部が閉じられている状態に保持する保持部(例えば、図1の閉保持部36)をさらに設けることができる。
【0029】
挟持部の外面に、金属線の向きを示す凸部(例えば、図1の凸部24-1)を形成することができる。
【0030】
挟持部の部位を、軸(例えば、図1の軸34)により互いに回動可能に軸支することができる。
【0031】
挟持部の部位の中央部分であって、部位の端部のうちの、開くことのできる柱状の隙間の側面側の一方の端部と、一方の端部に対向する側の他方の端部との中央部分を、撓る板材(例えば、図15の支え233)により接続して、部位を、回動可能に支えることができる。
【0032】
以下、図1乃至図21を参照して、本発明の実施の形態の留め具について説明する。本発明の留め具は、足場の紐を挟んで留めるクリップ式の留め具である。本発明の留め具においては、紐への取り付け取り外しが容易にできる。また、本発明の留め具においては、足場の紐を挟んだ状態では紐の締め込みのみが可能となり、紐の緩みが抑制される。
【0033】
まず、本発明の第1の実施の形態の留め具11について説明する。図1は、留め具11の構成の概要を説明する斜視図である。図2は、留め具11の構成の概要を説明する正面図である。図3は、留め具11の構成の概要を説明する左側面図である。図4は、留め具11の構成の概要を説明する右側面図である。図5は、留め具11の構成の概要を説明する上面図である。留め具11は、足場の紐を挟み込んで留める。例えば、留め具11は、足場のシートを留める紐を挟み込んで留める。
【0034】
なお、以下、前後の方向である、紐の長手方向をY軸で図示し、上下の方向をZ軸で図示し、左右の方向をX軸で図示する。また、以下、Y軸方向のうち、図1中の左下側を単に前側と称し、Y軸方向のうち、図1中の右上側を単に奥側と称する。さらに、以下、X軸方向のうち、図1中の左上側を単に左側と称し、X軸方向のうち、図1中の右下側を単に右側と称する。さらにまた、以下、Z軸方向のうち、図1中の上側を単に上側と称し、Z軸方向のうち、図1中の下側を単に下側と称する。なお、奥側がY軸の正の方向であり、右側がX軸の正の方向であり、上側がZ軸の正の方向である。また、Z軸方向を、単に上下方向とも称し、X軸およびY軸に平行な面に沿う方向を単に横方向とも称する。さらに、横方向を水平方向とも称し、上下方向を縦方向とも称する。以下の図においても同様である。
【0035】
留め具11は、紐挟み部21、金属線植毛部22-1および金属線植毛部22-2並びに金属線23を含み構成されている。紐挟み部21は、金属または樹脂により形成されている。紐挟み部21は、楕円の筒状に形成されている。すなわち、紐挟み部21の内側には、楕円柱状の隙間が形成されている。紐挟み部21は、紐を挟む。紐挟み部21は、開閉可能に構成されている。紐挟み部21は、開いている状態で挿入された紐を閉じた状態で挟み込んで保持する。金属線植毛部22-1および金属線植毛部22-2は、それぞれ、金属または樹脂により形成されている。金属線植毛部22-1および金属線植毛部22-2は、それぞれ、紐挟み部21の上側および下側に設けられていて、金属線23が植えられる。金属線植毛部22-1および金属線植毛部22-2は、それぞれ、ビス37により、紐挟み部21に留められている。
【0036】
金属線23は、鉄若しくは鋼、ステンレス、ピアノ線、真鍮またはアルミニウム合金などの金属製の線である。金属線23は、束とされて金属線植毛部22-1および金属線植毛部22-2に植えられている。言い換えれば、金属線23は、ブラシの毛のように、金属線植毛部22-1および金属線植毛部22-2に植えられている。例えば、金属線23は、束にされて、金属線植毛部22-1または金属線植毛部22-2の穴に植えこまれる。また、例えば、金属線23は、1本ずつ金属線植毛部22-1または金属線植毛部22-2の面に植えこまれる。さらに例えば、金属線23は、金属線植毛部22-1または金属線植毛部22-2を樹脂成形する際に、束にされた金属線23を鋳込む(金属線23を金型に配置しておいて、その金型に金属または樹脂を流し込んで金属または樹脂に金属線23を固定する)ことで、金属線植毛部22-1または金属線植毛部22-2に植えこまれる。
【0037】
金属線23は、紐挟み部21に挟み込まれている紐に刺さるように、挟み込む紐の長手方向に対して斜めの向きに紐挟み部21の内面に束にされて植えられている。より詳細には、金属線23は、先端が奥側を向くように斜めの向きに紐挟み部21の内面に束にされて植えられている。金属線植毛部22-1に植えられている金属線23の下側の端部(先端)は、紐挟み部21の楕円柱状の隙間の上下方向の中央を示す水平の平面を下側に超えない。また、金属線植毛部22-2に植えられている金属線23の上側の端部(先端)は、紐挟み部21の楕円柱状の隙間の上下方向の中央を示す水平の平面を上側に超えない。
【0038】
より好ましくは、金属線植毛部22-1に植えられている金属線23の下側の端部(先端)と金属線植毛部22-2に植えられている金属線23の上側の端部(先端)との上下方向の隙間がより小さくなるように、金属線23は、金属線植毛部22-1および金属線植毛部22-2に植えられている。この場合、金属線植毛部22-1および金属線植毛部22-2に植えられている金属線23のうち、左右方向の中央部分に植えられている金属線23は、左端部側または右端部側に植えられている金属線23より長い。
【0039】
紐挟み部21の外面に、金属線23の向きを示す凸部24-1および凸部24-2が形成されている。すなわち、凸部24-1および凸部24-2は、紐を締め込む方向を示す。凸部24-1および凸部24-2は、留め具11を紐に取り付けるときの手がかりともなる。凸部24-1および凸部24-2は、それぞれ、紐挟み部21の外面の形状に沿った、直方体状に形成されている。凸部24-1および凸部24-2の前後方向の長さは、紐挟み部21の前後方向の長さの1/6程度とされている。凸部24-1は、紐挟み部21の外面の前上側に形成されている。凸部24-2は、紐挟み部21の外面の前下側に形成されている。凸部24-1および凸部24-2は、紐挟み部21に形成されている楕円柱状の隙間の面のうち、金属線23が向いている一方の面に対向する他方の面側の紐挟み部21の外面に設けられている。つまり、凸部24-1および凸部24-2は、紐挟み部21の外面の前側に設けられている。なお、凸部24-1は、いわゆるカマボコ形、すなわち、上側の断面を半円形または半楕円形としてもよい。また、凸部24-2は、いわゆるカマボコ形、すなわち、下側の断面を半円形または半楕円形としてもよい。
【0040】
ここで、紐挟み部21の構成の詳細について説明する。紐挟み部21は、上部31および下部32からなる。上部31および下部32は、Y軸方向に直線状であって、X軸方向に湾曲している平板状に形成されている。上部31および下部32は、対向して挟んでいる、X軸およびY軸で規定される面に対して対称の形状に形成されている。言い換えれば、下部32は、X軸およびY軸で規定される面に対して上部31と対称の形状に形成されている。すなわち、上部31および下部32は、対向して挟んでいる面に対して対称の形状に形成されている。上部31および下部32は、開閉可能に構成されていて、閉じられている場合、対向している内面の間に、側面が閉じて両側の面が開口している楕円状の断面の楕円柱状の隙間を形成する。金属線植毛部22-1は、上部31の下面側に設けられている。すなわち、金属線植毛部22-1は、上部31の内面側に設けられている。金属線植毛部22-2は、下部32の上面側に設けられている。すなわち、金属線植毛部22-2は、下部32の内面側に設けられている。
【0041】
上部31および下部32の右側端部には、ヒンジ33、軸34およびバネ35が設けられている。上部31および下部32の左側端部には、閉保持部36が設けられている。上部31および下部32は、ヒンジ33および軸34により、回動可能に軸支されていて、開閉可能とされている。軸34は、ヒンジ33を貫通する回転軸である。バネ35は、ねじりコイルばねであり、上部31および下部32を開く方向に付勢する。すなわち、バネ35は、ヒンジ33および軸34を中心として、下部32に対して上部31に、前側から見て時計回りに回動するように付勢する。このように、上部31および下部32は、軸34により互いに回動可能に軸支されている。軸34は、紐挟み部21の側面の端部に設けられている。
【0042】
閉保持部36は、紐挟み部21が閉じられている状態に保持する。すなわち、閉保持部36は、上部31および下部32が閉じられている状態に保持する。閉保持部36は、上板部41-1および下板部41-2を含む。上板部41-1および下板部41-2は、それぞれ、直方形状の板状に形成されている。上板部41-1は、上部31の左側端部の前後方向の中央部分に接続されている。また、下板部41-2は、下部32の左側端部の前後方向の中央部分に接続されている。上板部41-1および下板部41-2は、上部31および下部32が閉じられている場合、上板部41-1と下板部41-2とで、1枚の直方形状の板状になる。
【0043】
また、閉保持部36は、係止部51、軸52、ピン53および凸部54を含む。係止部51、軸52、ピン53および凸部54は、閉保持部36の左面側に設けられている。係止部51は、例えば、三日月の板状に形成されていて、軸52により回動可能とされている。軸52は、上板部41-1の左面側に固定されている。ピン53は、下板部41-2の左面側に固定されている。係止部51が回動させられて、係止部51の下側がピン53に引っ掛かると、上板部41-1に対して下板部41-2が固定されることになり、これにより、紐挟み部21が閉じられている状態に保持される。凸部54は、係止部51の左面側に設けられている突起である。凸部54に指をかけて、軸52を中心に係止部51を回動させることができる。
【0044】
このように、紐挟み部21は、複数の部位である上部31および下部32からなり、上部31および下部32が閉じられている場合、対向している内面の間に、側面が閉じて両側の面が開口している楕円柱状の隙間が形成される。紐挟み部21において、楕円柱状の隙間の側面の部分を開くことができる。
【0045】
また、金属線23は、紐挟み部21が閉じられている場合に隙間に収まる長さで、紐挟み部21の上部31および下部32の対向している内面のそれぞれに、楕円柱状の隙間の開口している面のうちの一方の面に対して交差する向きに束にされて植えられている。
【0046】
上部31および下部32が閉じられている紐挟み部21の隙間における上部31および下部32の内面間の距離の最大値は、紐の直径の0.3倍乃至1.0倍とされている。このようにすることで、金属線23がより確実に紐に刺さるので、紐をより確実に留めることができる。
【0047】
図6は、紐81を咥えこむ場合の留め具11を説明する図である。例えば、紐81は、建築現場において、シートを留める紐である。例えば、紐81は、足場のパイプに取りまわされて、紐81の2つの端部は、それぞれにシートのはと目に通される。留め具11は、このような紐81の2つの端部側を一緒にして咥えて留める。
【0048】
凸部54が指で押されるなどして係止部51が回動させられて、凸部54がピン53から外されると、バネ35の付勢力により、上部31は、下部32に対して前側から見て時計回りに回動し、紐挟み部21の左端部側が開く。紐81は、開いている紐挟み部21の左端部側から、紐挟み部21の左右方向の中央部分に挿入される。この場合、紐81の先端側(端部)は、奥側にされる。
【0049】
紐81が紐挟み部21の左右方向の中央部分に挿入された後、指などで挟むことにより、下部32に対して上部31を前側から見て反時計回りに回動させて、紐挟み部21を閉じる。そして、凸部54が指で押されるなどして係止部51が回動させられて、ピン53に引っ掛けられると、紐挟み部21は、閉じられている状態に保持される。
【0050】
紐挟み部21は、楕円の筒状に形成されているので、紐81の2つの端部を同じ程度の強さで留めることができる。
【0051】
このように、留め具11で紐81を簡単に留めることができる。また、紐挟み部21を開けば、紐81から留め具11を簡単に取り外すことができる。さらに、紐挟み部21の左側端部を開いて、紐81を咥えこむので、紐81の端部に限らず、紐81の長さ方向の所定の部位(紐81の中途の部分の随意の位置)を挟み込むことができる。
【0052】
図7は、留め具11が紐81を留めている状態を示す図である。図7は、図5におけるAA‘線で示される断面図である。図7に示されるように、金属線23は、挟み込む紐81の長手方向に対して斜めの向きに紐挟み部21の内面に束にされて植えられているので、紐挟み部21が紐81を挟み込むと、金属線23は、紐81に刺さる。この場合、金属線23は、先端が奥側を向くように斜めの向きに紐挟み部21の内面に束にされて植えられている。従って、留め具11に対して紐81を奥側に引っ張ると、金属線23が紐81から抜けるので、紐81を、留め具11に対して移動させることができる。一方、留め具11に対して紐81を手前側に引っ張ると、金属線23が紐81により深く刺さることになり、紐81を、留め具11に対して移動させることはできない。
【0053】
このように、留め具11に対して紐81を奥側に引っ張ると、より簡単に締め込むことができる。また、留め具11に対して手前側には紐81を移動させることができないので、より確実に締め込んだ状態を維持できる。紐81を緩める場合には、紐挟み部21を開けばよい。
【0054】
すなわち、足場の紐81を留める場合、紐81を揃えて、紐81の途中の横から所定の向きに留め具11で挟み込んだら、留め具11を紐81の付け根部分まで移動させて、紐81を締め込むようにすればよい。
【0055】
以上のように、より簡単に紐を留めて、より簡単に締め込み、より確実に締め込んだ状態を維持できる。
【0056】
なお、紐挟み部21を金属板で形成する場合、上部31および下部32のそれぞれの左側の端部を折り返して、閉じられた場合に折り返された端部を当接させて、上部31および下部32の位置を保持させることができる。
【0057】
また、紐挟み部21の外面に、塩化ビニルまたはゴムなどを被せることができる。このようにすることで、使用する際の騒音をより小さくすることができる。
【0058】
なお、ヒンジ33および軸34により、上部31と下部32とを開閉可能にすると説明したがこれに限らず、ヒンジ33および軸34に代えて、折り目が設けられている樹脂製の薄板を採用して、上部31と下部32とを開閉可能にすることもできる。
【0059】
また、閉保持部36は、係止部51、軸52、ピン53および凸部54により、紐挟み部21を閉じられている状態に保持すると説明したがこれに限らず、掛金式にしたり、円形または四角形のリングをピンまたはフックに引っ掛けて固定するようにしたり、先端が球状に形成されている棒を板の切れ目に挿入することで固定するようにしたりするなど、閉保持部36として、各種の方式を採用することができる。
【0060】
次に、本発明の第2の実施の形態の留め具101について説明する。図8は、留め具101の構成の概要を説明する斜視図である。図9は、留め具101の構成の概要を説明する正面図である。図10は、留め具101の構成の概要を説明する左側面図である。図11は、留め具101の構成の概要を説明する右側面図である。図12は、留め具101の構成の概要を説明する上面図である。留め具101は、足場の紐81を挟み込んで留める。例えば、留め具101は、足場のシートを留める紐81を挟み込んで留める。
【0061】
留め具101は、紐挟み部121、金属線植毛部122-1および金属線植毛部122-2並びに金属線123を含み構成されている。紐挟み部121は、金属または樹脂により形成されている。紐挟み部121は、樹脂製の洗濯バサミと類似の形状に形成されている。紐挟み部121の左側の内側には、三角柱状の隙間が形成されている。紐挟み部121は、紐81を挟む。紐挟み部121は、右側の上面および下面を押圧することで、開閉可能に構成されている。紐挟み部121は、左側が開いている状態で挿入された紐81を閉じた状態で挟み込んで保持する。金属線植毛部122-1および金属線植毛部122-2は、それぞれ、金属または樹脂により形成されている。金属線植毛部122-1および金属線植毛部122-2は、それぞれ、紐挟み部121の内面側の左上側および内面側の左下側に設けられていて、金属線123が植えられる。金属線植毛部122-1および金属線植毛部122-2は、それぞれ、ビス137により、紐挟み部121に留められている。
【0062】
金属線123は、鉄若しくは鋼、ステンレス、ピアノ線、真鍮またはアルミニウム合金などの金属製の線である。金属線123は、束とされて金属線植毛部122-1および金属線植毛部122-2に植えられている。言い換えれば、金属線123は、ブラシの毛のように、金属線植毛部122-1および金属線植毛部122-2に植えられている。例えば、金属線123は、束にされて、金属線植毛部122-1または金属線植毛部122-2の穴に植えこまれる。また、例えば、金属線123は、1本ずつ金属線植毛部122-1または金属線植毛部122-2の面に植えこまれる。さらに例えば、金属線123は、金属線植毛部122-1または金属線植毛部122-2を樹脂成形する際に、束にされた金属線123を鋳込む(金属線123を金型に配置しておいて、その金型に金属または樹脂を流し込んで金属または樹脂に金属線23を固定する)ことで、金属線植毛部122-1または金属線植毛部122-2に植えこまれる。
【0063】
金属線123は、紐挟み部121に挟み込まれている紐81に刺さるように、挟み込む紐81の長手方向に対して斜めの向きに紐挟み部121の内面に束にされて植えられている。より詳細には、金属線123は、先端が前側を向くように斜めの向きに紐挟み部121の内面に束にされて植えられている。金属線植毛部122-1に植えられている金属線123の下側の端部(先端)は、紐挟み部121の左側の三角柱状の隙間の上下方向の中央を示す水平の平面を下側に超えない。また、金属線植毛部122-2に植えられている金属線123の上側の端部(先端)は、紐挟み部121の左側の三角柱状の隙間の上下方向の中央を示す水平の平面を上側に超えない。
【0064】
より好ましくは、金属線植毛部122-1に植えられている金属線123の下側の端部(先端)と金属線植毛部122-2に植えられている金属線123の上側の端部(先端)との上下方向の隙間がより小さくなるように、金属線123は、金属線植毛部122-1および金属線植毛部122-2に植えられている。この場合、金属線植毛部122-1および金属線植毛部122-2に植えられている金属線123のうち、右側に植えられている金属線123は、左側に植えられている金属線123より長い。
【0065】
紐挟み部121の外面に、金属線123の向きを示す凸部124-1および凸部124-2が形成されている。すなわち、凸部124-1および凸部124-2は、紐81を締め込む方向を示す。凸部124-1および凸部124-2は、留め具101を紐81に取り付けるときの手がかりともなる。凸部124-1および凸部124-2は、それぞれ、紐挟み部121の外面の形状に沿った、直方体状に形成されている。凸部124-1および凸部124-2の前後方向の長さは、紐挟み部121の前後方向の長さの1/6程度とされている。凸部124-1は、紐挟み部121の外面の奥上側に形成されている。凸部124-2は、紐挟み部121の外面の奥下側に形成されている。凸部124-1および凸部124-2は、紐挟み部121の左側に形成されている三角柱状の隙間の面のうち、金属線123が向いている一方の面に対向する他方の面側の紐挟み部121の外面に設けられている。つまり、凸部124-1および凸部124-2は、紐挟み部121の外面の奥側に設けられている。なお、凸部124-1は、いわゆるカマボコ形、すなわち、上側の断面を半円形または半楕円形としてもよい。また、凸部124-2は、いわゆるカマボコ形、すなわち、下側の断面を半円形または半楕円形としてもよい。
【0066】
ここで、紐挟み部121の構成の詳細について説明する。紐挟み部121は、上部131および下部132からなる。上部131および下部132は、それぞれ、Y軸周りの所定の角度を挟むように対向する平板状に形成されている。
【0067】
上部131および下部132は、対向して挟んでいる、X軸およびY軸で規定される面に対して対称の形状に形成されている。言い換えれば、下部132は、X軸およびY軸で規定される面に対して上部131と対称の形状に形成されている。すなわち、上部131および下部132は、対向して挟んでいる仮想的な面に対して対称の形状に形成されている。上部131の左側の端部と下部132の左側の端部とは、X軸およびY軸で規定される面を挟んで接している。
【0068】
上部131の前下側の左右の中央部分には、脚部133-1-1が設けられている。脚部133-1-1は、下側が楕円の周状である、下向きに突出した半楕円板状とされている。上部131の奥下側の左右の中央部分には、脚部133-1-2が設けられている。脚部133-1-2は、下側が楕円の周状である、下向きに突出した半楕円板状とされている。脚部133-1-1および脚部133-1-2は、上部131に固定されているか、または上部131と一体とされている。
【0069】
また、下部132の前上側の左右の中央部分には、脚部133-2-1が設けられている。脚部133-2-1は、上側が楕円の周状である、上向きに突出した半楕円板状とされている。下部132の奥上側の左右の中央部分には、脚部133-2-2が設けられている。脚部133-2-2は、上側が楕円の周状である、上向きに突出した半楕円板状とされている。脚部133-2-1および脚部133-2-2は、下部132に固定されているか、または下部132と一体とされている。
【0070】
脚部133-1-1の下側と脚部133-2-1の上側とは、軸134-1により回動可能に軸支されている。また、脚部133-1-2の下側と脚部133-2-2の上側とは、軸134-1と同軸の軸134-2(図示せず)により回動可能に軸支されている。図示は省略するが、軸134-1と同軸に脚部133-1-1および脚部133-2-1の奥側に松葉ばねまたはねじりコイルばねが設けられていて、上部131の左側の端部と下部132の左側の端部とを当接させる向きに付勢する。同様に、図示は省略するが、軸134-2と同軸に脚部133-1-2および脚部133-2-2の前側に松葉ばねまたはねじりコイルばねが設けられていて、上部131の左側の端部と下部132の左側の端部とを当接させる向きに付勢する。すなわち、下部132に対して上部131は、前側から見て時計回りに回動するように付勢される。
【0071】
なお、軸134-1および軸134-2に代えて、1本の軸により、脚部133-1-1の下側および脚部133-2-1の上側と脚部133-1-2の下側および脚部133-2-2の上側とを軸支するようにしてもよい。
【0072】
上部131および下部132は、脚部133-1-1、脚部133-2-1、脚部133-1-2および脚部133-2-2並びに軸134-1および軸134-2により、開閉可能に構成されていて、閉じられている場合、左側の対向している内面の間に、側面が閉じて両側の面が開口している三角状の断面の三角柱状の隙間を形成する。金属線植毛部122-1は、上部131の左側の下面に設けられている。すなわち、金属線植毛部122-1は、上部131の左側の内面側に設けられている。金属線植毛部122-2は、下部132の左側の上面に設けられている。すなわち、金属線植毛部122-2は、下部132の左側の内面側に設けられている。
【0073】
このように、上部131および下部132は、軸134-1および軸134-2により互いに回動可能に軸支されている。軸134-1および軸134-2は、上部131および下部132の左右方向の中央部分に設けられている。言い換えれば、軸134-1および軸134-2は、上部131および下部132の中央部分であって、上部131および下部132の端部のうちの、開くことのできる柱状の隙間の側面側の一方の端部(この場合、左側の端部)と、一方の端部に対向する側の他方の端部(この場合、右側の端部)との中央部分に設けられていると言える。
【0074】
上部131および下部132は、それぞれ、軸134-1および軸134-2に支えられているてこ状に形成されている。
【0075】
閉保持部136は、紐挟み部121が閉じられている状態に保持する。すなわち、閉保持部136は、上部131および下部132が閉じられている状態に保持する。閉保持部136は、バネ材などにより形成され、全体として下向きに開いているコの字状であって、さらに、上下方向の中央部分が近接するように対称にコの字状に湾曲させられた形状とされている。閉保持部136の前下側の端部141-1は、回動可能に軸支部142-1により、下部132の上面の前側に留められている。また、閉保持部136の奥下側の端部141-2は、回動可能に軸支部142-2により、下部132の上面の奥側に留められている。端部141-1および端部141-2は、それぞれ、同軸に軸支部142-1および軸支部142-2により軸支されているので、閉保持部136は、前側から見て、時計回りまたは反時計回りに回動させることができる。
【0076】
上部131および下部132が閉じられている状態で、閉保持部136が、前側から見て、反時計回りに回動させられると、閉保持部136の上端の前側および奥側は、それぞれ、突起143-1および突起143-2に引っ掛かり係止させられる。すると、閉保持部136は、上部131の右側の下面および下部132の右側の上面の間に入り込み、下部132に対して上部131が固定されることになり、これにより、紐挟み部121が閉じられている状態に保持される。閉保持部136の上下方向の中央部分の対称のコの字状の部分を狭くなるように指などで挟むと、閉保持部136が撓るので、閉保持部136の上側が突起143-1および突起143-2から簡単に外れる。閉保持部136を前側から見て時計回りに回動させた状態で、上部131の右側を下向きに、下部132の右側を上向きに指などで挟めば、紐挟み部121の左側端部が開く。
【0077】
このように、紐挟み部121は、複数の部位である上部131および下部132からなり、上部131および下部132が閉じられている場合、左側の対向している内面の間に、側面が閉じて両側の面が開口している三角柱状の隙間が形成される。紐挟み部121において、三角柱状の隙間の側面の部分を開くことができる。
【0078】
また、金属線123は、紐挟み部121が閉じられている場合に隙間に収まる長さで、紐挟み部121の上部131および下部132の左側の対向している内面のそれぞれに、三角柱状の隙間の開口している面のうちの一方の面に対して交差する向きに束にされて植えられている。
【0079】
上部131および下部132が閉じられている紐挟み部121の隙間における上部131および下部132の内面間の距離の中央値は、紐81の直径の0.3倍乃至1.0倍とされている。このようにすることで、金属線123がより確実に紐81に刺さるので、紐81をより確実に留めることができる。
【0080】
図13は、紐81を咥えこむ場合の留め具101を説明する図である。例えば、紐81は、建築現場において、シートを留める紐である。例えば、紐81は、足場のパイプに取りまわされて、紐81の2つの端部は、それぞれにシートのはと目に通される。留め具101は、このような紐81の2つの端部側を一緒にして咥えて留める。
【0081】
閉保持部136を前側から見て時計回りに回動させた状態で、上部131の右側を下向きに、下部132の右側を上向きに指などで挟めば、紐挟み部121の左側端部が開く。紐81は、開いている紐挟み部121の左端部側から、紐挟み部121の内側であって、金属線123が植えられている部分の中央部分に挿入される。この場合、紐81の先端側(端部)は、前側にされる。
【0082】
紐81が紐挟み部121の左側の内側に挿入された後、紐挟み部121の右側から手を離すと、図示せぬバネの付勢力により、紐挟み部121の左端部側は閉じられる。そして、閉保持部136が、前側から見て、反時計回りに回動させられると、閉保持部136が、上部131の右側の下面および下部132の右側の上面の間に入り込み、下部132に対して上部131が固定されることになり、紐挟み部121は、閉じられている状態に保持される。
【0083】
このように、留め具101で紐81を簡単に留めることができる。また、紐挟み部121を開けば、紐81から留め具101を簡単に取り外すことができる。さらに、紐挟み部121の左側端部を開いて、紐81を咥えこむので、紐81の端部に限らず、紐81の長さ方向の所定の部位(紐81の中途の部分の随意の位置)を挟み込むことができる。
【0084】
留め具101は、紐挟み部121の右側を手で挟んだり、紐挟み部121の右側から手を離したりするだけで、片手で簡単に開閉することができる。
【0085】
図14は、留め具101が紐81を留めている状態を示す図である。図14は、図12におけるBB‘線で示される断面図である。図14に示されるように、金属線123は、挟み込む紐81の長手方向に対して斜めの向きに紐挟み部121の内面に束にされて植えられているので、紐挟み部121が紐81を挟み込むと、金属線123は、紐81に刺さる。この場合、金属線123は、先端が前側を向くように斜めの向きに紐挟み部121の内面に束にされて植えられている。従って、留め具101に対して紐81を前側に引っ張ると、金属線123が紐81から抜けるので、紐81を、留め具101に対して移動させることができる。一方、留め具101に対して紐81を奥側に引っ張ると、金属線123が紐81により深く刺さることになり、紐81を、留め具101に対して移動させることはできない。
【0086】
このように、留め具101に対して紐81を前側に引っ張ると、より簡単に締め込むことができる。また、留め具101に対して奥側には紐81を移動させることができないので、より確実に締め込んだ状態を維持できる。紐81を緩める場合には、紐挟み部121を開けばよい。
【0087】
すなわち、足場の紐81を留める場合、紐81を揃えて、紐81の途中の横から所定の向きに留め具101で挟み込んだら、留め具101を紐81の付け根部分まで移動させて、紐81を締め込むようにすればよい。
【0088】
以上のように、より簡単に紐を留めて、より簡単に締め込み、より確実に締め込んだ状態を維持できる。
【0089】
なお、紐挟み部121を金属板で形成する場合、上部131および下部132のそれぞれの左側の端部を折り返して、閉じられた場合に折り返された端部を当接させて、上部131および下部132の位置を保持させることができる。
【0090】
また、紐挟み部121の外面に、塩化ビニルまたはゴムなどを被せることができる。このようにすることで、使用する際の騒音をより小さくすることができる。
【0091】
なお、閉保持部136は、上部131の右側の下面および下部132の右側の上面の間に入り込み、紐挟み部121が閉じられている状態に保持すると説明したが、これに限らず、脚部133-1-1、脚部133-2-1、脚部133-1-2および脚部133-2-2に凹部と凸部の組み合わせを設けて、脚部133-1-1に対して脚部133-2-1が回らないようにするか、または脚部133-1-2に対して脚部133-2-2回らないようにすることで、紐挟み部121が閉じられている状態に保持したり、紐挟み部121の左側の端部をコの字状の部材で挟み込むなどして紐挟み部121が閉じられている状態に保持したりするなど、閉保持部136として各種の方式を採用することができる。
【0092】
次に、本発明の第3の実施の形態の留め具201について説明する。図15は、留め具201の構成の概要を説明する斜視図である。図16は、留め具201の構成の概要を説明する正面図である。図17は、留め具201の構成の概要を説明する左側面図である。図18は、留め具201の構成の概要を説明する右側面図である。図19は、留め具201の構成の概要を説明する上面図である。留め具201は、足場の紐81を挟み込んで留める。例えば、留め具201は、足場のシートを留める紐81を挟み込んで留める。
【0093】
留め具201は、紐挟み部221、金属線植毛部222-1および金属線植毛部222-2並びに金属線223を含み構成されている。紐挟み部221は、金属または樹脂により形成されている。紐挟み部221は、左側の端部が上下方向に接するように配置されている類似の形状の2枚の平板の中央部分を可撓性の平板であって、上下方向に長い平板で接続して、右側の端部を挟むように押圧することで、左側の端部が開くように構成されている。言い換えれば、紐挟み部221は、ダブルクリップの紙を挟み込む部分である板バネ部分を、対向している平板状の部分を挟み込む側とは反対側に伸ばしたような形状に形成されている。
【0094】
紐挟み部221の左側の内側には、三角柱状の隙間が形成されている。紐挟み部221は、紐81を挟む。通常、紐挟み部221の左側端部は、閉じている。紐挟み部221の右側の上面および下面が押圧されると、紐挟み部221の左側の端部が上下に開かれる。紐挟み部221は、左側端部が開いている状態で挿入された紐81を閉じた状態で挟み込んで保持する。金属線植毛部222-1および金属線植毛部222-2は、それぞれ、金属または樹脂により形成されている。金属線植毛部222-1および金属線植毛部222-2は、それぞれ、紐挟み部221の内面側の左上側および内面側の左下側に設けられていて、金属線223が植えられる。金属線植毛部222-1および金属線植毛部222-2は、それぞれ、ビス237により、紐挟み部221に留められている。
【0095】
金属線223は、鉄若しくは鋼、ステンレス、ピアノ線、真鍮またはアルミニウム合金などの金属製の線である。金属線223は、束とされて金属線植毛部222-1および金属線植毛部222-2に植えられている。言い換えれば、金属線223は、ブラシの毛のように、金属線植毛部222-1および22-2に植えられている。例えば、金属線223は、束にされて、金属線植毛部222-1または金属線植毛部222-2の穴に植えこまれる。また、例えば、金属線223は、1本ずつ金属線植毛部222-1または金属線植毛部222-2の面に植えこまれる。さらに例えば、金属線223は、金属線植毛部222-1または金属線植毛部222-2を樹脂成形する際に、束にされた金属線223を鋳込む(金属線223を金型に配置しておいて、その金型に金属または樹脂を流し込んで金属または樹脂に金属線23を固定する)ことで、金属線植毛部222-1または金属線植毛部222-2に植えこまれる。
【0096】
金属線223は、紐挟み部221に挟み込まれている紐81に刺さるように、挟み込む紐81の長手方向に対して斜めの向きに紐挟み部221の内面に束にされて植えられている。より詳細には、金属線223は、先端が奥側を向くように斜めの向きに紐挟み部221の内面に束にされて植えられている。金属線植毛部222-1に植えられている金属線223の下側の端部(先端)は、紐挟み部221の左側の三角柱状の隙間の上下方向の中央を示す水平の平面を下側に超えない。また、金属線植毛部222-2に植えられている金属線223の上側の端部(先端)は、紐挟み部221の左側の三角柱状の隙間の上下方向の中央を示す水平の平面を上側に超えない。
【0097】
より好ましくは、金属線植毛部222-1に植えられている金属線223の下側の端部(先端)と金属線植毛部222-2に植えられている金属線223の上側の端部(先端)との上下方向の隙間がより小さくなるように、金属線223は、金属線植毛部222-1および金属線植毛部222-2に植えられている。この場合、金属線植毛部222-1および金属線植毛部222-2に植えられている金属線223のうち、右側に植えられている金属線223は、左側に植えられている金属線223より長い。
【0098】
紐挟み部221の外面に、金属線223の向きを示す凸部224-1および凸部224-2が形成されている。すなわち、凸部224-1および凸部224-2は、紐81を締め込む方向を示す。凸部224-1および凸部224-2は、留め具201を紐81に取り付けるときの手がかりともなる。凸部224-1および凸部224-2は、それぞれ、紐挟み部221の外面の形状に沿った、直方体状に形成されている。凸部224-1および凸部224-2の前後方向の長さは、紐挟み部221の前後方向の長さの1/6程度とされている。凸部224-1は、紐挟み部221の外面の前上側に形成されている。凸部224-2は、紐挟み部221の外面の前下側に形成されている。凸部224-1および凸部224-2は、紐挟み部221の左側に形成されている三角柱状の隙間の面のうち、金属線223が向いている一方の面に対向する他方の面側の紐挟み部221の外面に設けられている。つまり、凸部224-1および凸部224-2は、紐挟み部221の外面の前側に設けられている。なお、凸部224-1は、いわゆるカマボコ形、すなわち、上側の断面を半円形または半楕円形としてもよい。また、凸部224-2は、いわゆるカマボコ形、すなわち、下側の断面を半円形または半楕円形としてもよい。
【0099】
ここで、紐挟み部221の構成の詳細について説明する。紐挟み部221は、上部231および下部232からなる。上部231および下部232は、それぞれ、Y軸周りの所定の角度を挟むように対向する平板状に形成されている。
【0100】
上部231および下部232は、対向して挟んでいる、X軸およびY軸で規定される面に対して対称の形状に形成されている。言い換えれば、下部232は、X軸およびY軸で規定される面に対して上部231と対称の形状に形成されている。すなわち、上部231および下部232は、対向して挟んでいる仮想的な面に対して対称の形状に形成されている。上部231の左側の端部と下部232の左側の端部とは、X軸およびY軸で規定される面を挟んで接している。
【0101】
上部231および下部232の左右方向の中央部分は、支え233により接続されている。支え233は、所定の厚さの長方形状の板状に形成されている。支え233は、撓る材質で形成されている。支え233は、厚さ方向が左右方向となるように、上部231および下部232の左右方向の中央部分に接続されている。支え233の前後方向の長さは、上部231および下部232の前後方向の長さと同じとされている。支え233の上下方向の長さは、所定の長さとされている。上部231の右側の上面および下部232の右側の下面が挟むように押圧されると、支え233が撓ることで、前側から見て、下部232に対して上部231が時計回りに回動させることができる。
【0102】
このように、上部231および下部232の左右方向の中央部分が、撓る板材である支え233により接続されて、上部231および下部232が、回動可能に支えられている。
【0103】
なお、上部231、下部232および支え233は、一体に形成することができる。また、支え233は、上部231および下部232に溶着することができる。
【0104】
上部231および下部232は、支え233により、開閉可能に構成されていて、閉じられている場合、左側の対向している内面の間に、側面が閉じて両側の面が開口している三角状の断面の三角柱状の隙間を形成する。金属線植毛部222-1は、上部231の左側の下面に設けられている。すなわち、金属線植毛部222-1は、上部231の左側の内面側に設けられている。金属線植毛部222-2は、下部232の左側の上面に設けられている。すなわち、金属線植毛部222-2は、下部232の左側の内面側に設けられている。
【0105】
このように、上部231および下部232は、支え233により互いに回動可能に支えられている。支え233は、上部231および下部232の中央部分であって、上部231および下部232の端部のうちの、開くことのできる柱状の隙間の側面側の一方の端部(この場合、左側の端部)、一方の端部に対向する側の他方の端部(この場合、右側の端部)との中央部分に設けられていると言える。
【0106】
上部231および下部232は、それぞれ、支え233に支えられているてこ状に形成されている。
【0107】
閉保持部236は、紐挟み部221が閉じられている状態に保持する。すなわち、閉保持部236は、上部231および下部232が閉じられている状態に保持する。閉保持部236は、Z軸およびX軸で規定される面と、紐挟み部221の左側が閉じられている場合の上部231の右側の下面、下部232の右側の上面および支え233の右側の面とが交差する線に近似する形状である台形形状に直方形を接続した平面形状の板状に形成されている。すなわち、閉保持部236を、紐挟み部221の左側が閉じられている場合の上部231の右側の下面と下部232の右側の上面との間に入り込ませると、上部231の右側の上面および下部232の右側の下面が挟むように押圧されても、上部231および下部232が閉保持部236によって支えられるので、前側から見て、下部232に対して上部231が回動することができず、従って、紐挟み部221の左側端部は開かれない。なお、閉保持部236を上部231および下部232に直交する位置に保持し、回動させすぎを防止するために、上部231の右側の下面および下部232の右側の上面のそれぞれに、例えば、半球状などの突起を設けるようにしてもよい。
【0108】
閉保持部236は、軸234によって、X軸周りに回動可能に軸支されている。閉保持部236がX軸周りに捻られて、Y軸およびX軸で規定される面に平面が並ぶように配置されると、上部231および下部232と閉保持部236との間に空間ができるので、上部231の右側の上面および下部232の右側の下面を挟むように押圧すると、前側から見て、下部232に対して上部231が回動し、紐挟み部221の左側端部が開かれる。
【0109】
このように、紐挟み部221は、複数の部位である上部231および下部232からなり、上部231および下部232が閉じられている場合、左側の対向している内面の間に、側面が閉じて両側の面が開口している三角柱状の隙間が形成される。紐挟み部221において、三角柱状の隙間の側面の部分を開くことができる。
【0110】
また、金属線223は、紐挟み部221が閉じられている場合に隙間に収まる長さで、紐挟み部221の上部231および下部232の左側の対向している内面のそれぞれに、三角柱状の隙間の開口している面のうちの一方の面に対して交差する向きに束にされて植えられている。
【0111】
上部231および下部232が閉じられている紐挟み部221の隙間における上部231および下部232の内面間の距離の中央値は、紐81の直径の0.3倍乃至1.0倍とされている。このようにすることで、金属線223がより確実に紐81に刺さるので、紐81をより確実に留めることができる。
【0112】
図20は、紐81を咥えこむ場合の留め具201を説明する図である。例えば、紐81は、建築現場において、シートを留める紐である。例えば、紐81は、足場のパイプに取りまわされて、紐81の2つの端部は、それぞれにシートのはと目に通される。留め具201は、このような紐81の2つの端部側を一緒にして咥えて留める。
【0113】
閉保持部236を厚さ方向が上下方向になるように回動させた状態で、上部231の右側を下向きに、下部232の右側を上向きに指などで挟めば、支え233が撓って、紐挟み部221の左側端部が開く。紐81は、開いている紐挟み部221の左端部側から、紐挟み部221の内側であって、金属線223が植えられている部分の中央部分に挿入される。この場合、紐81の先端側(端部)は、奥側にされる。
【0114】
紐81が紐挟み部221の左側の内側に挿入された後、紐挟み部221の右側から手を離すと、支え233の撓りが戻るので、紐挟み部221の左端部側は閉じられる。そして、閉保持部236が、厚さ方向がY軸方向になるように回動させられると、閉保持部236が、上部231の右側の下面と下部232の右側の上面との間に入り込み、下部232に対して上部231が固定されることになり、紐挟み部221は、閉じられている状態に保持される。
【0115】
このように、留め具201で紐81を簡単に留めることができる。また、紐挟み部221を開けば、紐81から留め具201を簡単に取り外すことができる。さらに、紐挟み部221の左側端部を開いて、紐81を咥えこむので、紐81の端部に限らず、紐81の長さ方向の所定の部位(紐81の中途の部分の随意の位置)を挟み込むことができる。
【0116】
図21は、留め具201が紐81を留めている状態を示す図である。図21は、図19におけるCC‘線で示される断面図である。図21に示されるように、金属線223は、挟み込む紐81の長手方向に対して斜めの向きに紐挟み部221の内面に束にされて植えられているので、紐挟み部221が紐81を挟み込むと、金属線223は、紐81に刺さる。この場合、金属線223は、先端が奥側を向くように斜めの向きに紐挟み部221の内面に束にされて植えられている。従って、留め具201に対して紐81を奥側に引っ張ると、金属線223が紐81から抜けるので、紐81を、留め具201に対して移動させることができる。一方、留め具201に対して紐81を前側に引っ張ると、金属線223が紐81により深く刺さることになり、紐81を、留め具201に対して移動させることはできない。
【0117】
このように、留め具201に対して紐81を奥側に引っ張ると、より簡単に締め込むことができる。また、留め具201に対して前側には紐81を移動させることができないので、より確実に締め込んだ状態を維持できる。紐81を緩める場合には、紐挟み部221を開けばよい。
【0118】
すなわち、足場の紐81を留める場合、紐81を揃えて、紐81の途中の横から所定の向きに留め具201で挟み込んだら、留め具201を紐81の付け根部分まで移動させて、紐81を締め込むようにすればよい。
【0119】
以上のように、より簡単に紐を留めて、より簡単に締め込み、より確実に締め込んだ状態を維持できる。
【0120】
なお、紐挟み部221を金属板で形成する場合、上部231および下部232のそれぞれの左側の端部を折り返して、閉じられた場合に折り返された端部を当接させて、上部231および下部232の位置を保持させることができる。
【0121】
また、紐挟み部221の外面に、塩化ビニルまたはゴムなどを被せることができる。このようにすることで、使用する際の騒音をより小さくすることができる。
【0122】
これまで説明したように、より簡単に紐を留めて、より簡単に締め込み、より確実に締め込んだ状態を維持できるようになる。これにより、足場の紐の結束作業の作業性が向上する。足場の紐の結束作業が簡単になるので、作業者の技量の優劣に左右される範囲が少なくなり、作業者の技量による施工の精度のばらつきをより小さくすることができる。高所の足場での作業の能率化を図れるので、ひいては現場の安全を維持することができる。また、足場の紐の結束作業が簡単になり、シートのはと目の位置が微妙にずれることを防止できる。
【0123】
なお、金属線23を紐挟み部21に直接植毛するようにしても、金属線123を紐挟み部121に直接植毛するようにしても、また、金属線223を紐挟み部221に直接植毛するようにしてもよい。
【0124】
このように、留め具11は、足場の紐を留める留め具である。紐挟み部21は、開閉可能に構成され、開いている状態で挿入された紐81を閉じた状態で挟み込んで保持する。金属線23は、紐挟み部21に挟み込まれている紐81に刺さるように、挟み込む紐81の長手方向に対して斜めの向きに紐挟み部21の内面に束にされて植えられている。
【0125】
紐挟み部21は、複数の部位である上部31および下部32からなる。紐挟み部21においては、上部31および下部32が閉じられている場合、対向している内面の間に、側面が閉じて両側の面が開口している所望の断面形状の柱状の隙間が形成される。また、紐挟み部21は、柱状の隙間の側面の部分側を開くことができる。金属線23は、紐挟み部21が閉じられている場合に隙間に収まる長さで、紐挟み部21の部位の対向している内面のそれぞれに、柱状の隙間の開口している面のうちの一方の面に対して交差する向きに束にして植えられる。
【0126】
上部31および下部32が閉じられている紐挟み部21の隙間における上部31および下部32の内面間の距離の最大値または中央値は、紐81の直径の0.3倍乃至1.0倍とされる。
【0127】
閉保持部136は、紐挟み部21が閉じられている状態に保持する。
【0128】
凸部24-1および凸部24-2は、金属線23の向きを示す。凸部24-1および凸部24-2は、紐挟み部21の外面に形成されている。
【0129】
凸部24-1および凸部24-2は、隙間の面のうち、金属線23が向いている一方の面に対向する他方の面側の紐挟み部21の外面に設けられている。
【0130】
紐挟み部21の上部31および下部32は、対向して挟んでいる仮想的な面に対して対称の形状に形成されている。
【0131】
紐挟み部21の上部31および下部32は、軸34により互いに回動可能に軸支されている。
【0132】
軸34は、紐挟み部21の側面の端部に設けられている。
【0133】
紐挟み部21の上部31および下部32の対向している内面の間に、楕円柱状の隙間が形成されている。
【0134】
軸134-1および軸134-2を、上部131および下部132の中央部分であって、上部131および下部132の端部のうちの、開くことのできる柱状の隙間の側面側の一方の端部と、一方の端部に対向する側の他方の端部との中央部分に設けることができる。
【0135】
紐挟み部121の上部131および下部132を、それぞれ、軸134-1および軸134-2に支えられているてこ状に形成することができる。
【0136】
紐挟み部221の上部231および下部232の中央部分であって、上部231および下部232の端部のうちの、開くことのできる柱状の隙間の側面側の一方の端部と、一方の端部に対向する側の他方の端部との中央部分を、撓る板材である支え233により接続して、上部231および下部232を、回動可能に支えることができる。
【0137】
紐挟み部21の上部231および下部232を、それぞれ、支え233に支えられているてこ状に形成することができる。
【0138】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0139】
11 留め具, 21 紐挟み部, 22-1および22-2 金属線植毛部, 23 金属線, 24-1および24-2 凸部, 31 上部, 32 下部, 33 ヒンジ, 34 軸, 35 バネ, 136 閉保持部, 37 ビス, 41-1 上板部, 41-2 下板部, 51 係止部, 52 軸, 53 ピン, 54 凸部, 101 留め具, 121 紐挟み部, 122-1および122-2 金属線植毛部, 123 金属線, 124-1および124-2 凸部, 131 上部, 132 下部, 133-1-1,133-2-1,133-1-2および133-2-2 脚部, 134-1および134-2 軸, 136 閉保持部, 137 ビス, 141-1および141-2 端部, 142-1および142-2 軸支部, 143-1および143-2 突起, 201 留め具, 221 紐挟み部, 222-1および222-2 金属線植毛部, 223 金属線, 224-1および224-2 凸部, 231 上部, 232 下部, 233 支え, 234 軸, 236 閉保持部, 237 ビス
【要約】
【課題】より簡単に紐を留めて、より簡単に締め込み、より確実に締め込んだ状態を維持する。
【解決手段】留め具は、足場の紐を留める留め具であって、開閉可能に構成され、開いている状態で挿入された紐を閉じた状態で挟み込んで保持する挟持部と、挟持部に挟み込まれている紐に刺さるように、挟み込む紐の長手方向に対して斜めの向きに挟持部の内面に束にされて植えられている金属線とを含む。
【選択図】図1
図1
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