(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】ホッケー用パック及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A63B 69/00 20060101AFI20230117BHJP
A63B 43/00 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
A63B69/00 504Z
A63B43/00 D
(21)【出願番号】P 2020554939
(86)(22)【出願日】2018-12-14
(86)【国際出願番号】 FI2018050916
(87)【国際公開番号】W WO2019122512
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-10-21
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】520220984
【氏名又は名称】ワイズホッケー オーイー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】フルッキ、ミカ
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-518242(JP,A)
【文献】米国特許第04846475(US,A)
【文献】米国特許第09463360(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 37/00-47/04
A63B 69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号を送信するよう構成されたホッケー用パック(110)であって、
平坦な上部表面と平坦な下部表面とを備える円筒状本体と、
前記ホッケー用パック(110)の前記円筒状本体の内側に
機械加工された空洞(120)内に配設された無線送信機(130)と、を備え、
前記空洞(120)が、前記円筒状本体の円筒状表面(116)を通して機械加工され、
前記無線送信機(130)が、前記空洞(120)内に適用される注型材料で、前記空洞(120)内に位置決め
され、かつ、前記空洞(120)内に配設された前記無線送信機(130)が、エポキシ系化合物からなる保護層を備えている、
ホッケー用パック。
【請求項2】
前記注型材料が、注型樹脂系化合物である、請求項1に記載のホッケー用パック(110)。
【請求項3】
前記円筒状本体の内側に配置された前記空洞(120)が、35mmの幅と、12mmの高さと、45mmの深さとを有する、
請求項1又は請求項2に記載のホッケー用パック(110)。
【請求項4】
無線信号を送信するように構成されたホッケー用パック(110)の製造方法であって、
空洞(120)を、前記ホッケー用パック(110)の円筒状本体内に機械加工すること(310)であって、前記空洞(120)が、前記円筒状本体の円筒状表面(116)を通して機械加工される、ことと、
注型材料を前記空洞(120)に適用すること(320;340)によって、無線送信機(130)を前記空洞(120)内に位置決めすること(330)
と、
前記無線送信機(130)に保護層を作製するためのエポキシベースの化合物で、前記無線送信機(130)を処理することと、
を含む、製造方法。
【請求項5】
前記機械加工(310)が、フライス加工によって実施される、
請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記注型材料の第1部分が、前記無線送信機(130)を前記空洞(120)内に位置決めする前に、前記空洞(320)へと適用される、
請求項4又は請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記注型材料の第2部分が、前記空洞(120)内の前記注型材料の前記第1部分上での前記無線送信機(130)の前記位置決めに対応して、前記空洞(340)へと適用される、
請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記注型材料の前記第2部分が、前記ホッケー用パック(110)がその中に位置決めされる成形型ハウジング内に配設された貫通孔を通して、前記第2部分を前記空洞(120)内に注入することによって適用される、
請求項7に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してスポーツ用品の技術分野に関する。本発明は、より詳しくは、ホッケー用パックの解決策に関する。
【背景技術】
【0002】
アイスホッケーは通常、氷上でプレーするチームスポーツで、2チームの選手が各自のスティックを使用してホッケー用パックを取って、相手側のゴールを狙う。アイスホッケーは、動きが速く、肉体的な試合である接触スポーツとして知られている。ホッケー用パックは円筒形で、現在は加硫ゴム製である。標準化されたアイスホッケー用パックは黒色で、厚さ25mm、直径76mmで、重量は156g~170gである。
【0003】
上述の通り、アイスホッケーは動きが速い試合であるため、観客だけでなく監督などのチーム関係者が試合の流れを追うのは困難である。試合に関する詳細なデータを収集するために、少なくとも、ホッケー用パックに適用可能な無線送信機を装着し、そしてアイスパックの動きを測定システムを用いてフィールド上で追う解決策が開発中である。測定システムは、例えば、複数のセンサーによってホッケー用パックから得られる無線信号を基に、ホッケーパックの位置を決定し得る、何らかの屋内位置決めシステムを指す場合がある。いくつかの高度な解決策において、選手も無線送信機を運んでもよく、それ故にフィールド上の選手の位置を観察することが可能である。取られた位置情報を別の関係者が分析することによって、試合に関する強化された情報を、入手を希望する関係者に対して生成することが可能である。
【0004】
ホッケー用パックは使用中、数多くの衝撃を複数の衝撃源から受ける。パックは打たれた時に、ホッケースティックから非常に大きい力を受け、また金属製のゴールフレーム又はホッケーリンクの構造物にあたる場合がある。明らかなように、ホッケー用パックは、パックがゴールフレーム又はリンクの構造物にあたる時、強い衝撃を受ける。さらにパックは、選手のスケート靴等の他の衝撃源からも衝撃を受ける。
【0005】
既存の解決策では、パックの平坦な表面(すなわち、上部又は下部)に開口部を穴あけし、そして無線送信機をその中に位置決めすることによって無線送信機をホッケー用パックへと設置し、そしてその中に無線送信機が位置決めされた開口部に適用可能な材料を適用し、これによりパックの形状を回復し得る。しかしながら、記載のような様式で製造されたパックは脆弱であることが判明し、試合中の衝撃には耐えられない。さらに、記載のような様式で改造したホッケー用パックは、使用時のパックの特性に影響を有する。例えば、パックは従前と同様の様式では氷上を滑らず、パック構造体のバランスが影響を受ける場合がある。
【0006】
したがって、試合に適用可能なホッケー用パックを導入するために、ホッケー用パック及びその製造方法をさらに開発し、このパックが少なくとも部分的に既存の解決策の不具合を軽減する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
様々な発明の実施形態のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、以下に簡略化した概要を示す。概要は、本発明を広範囲に概観するものではない。概略は、本発明の主要又は重要な要素を特定する意図も、本発明の範囲の輪郭を描く意図も有しない。以下の概要は、本発明の例示する実施形態をより詳細に記述するための準備として、本発明のいくつかの概念を簡略化形式で示すに過ぎない。
【0008】
本発明の目的は、ホッケー用パックによる無線信号の送信を可能にするためのホッケー用パックと、ホッケー用パックの製造方法とを提示することである。
【0009】
本発明の目的は、それぞれの独立請求項が定義するホッケー用パックと、製造方法とにより達成される。
【0010】
第1の態様によれば、無線信号を送信するように構成されたホッケー用パックが提供され、該ホッケー用パックは、平坦な上部表面と平坦な下部表面とを備える円筒状本体と、円筒状本体内側の空洞内に配設された無線送信機と、を備え、空洞は、円筒状本体の円筒状表面を通して機械加工され、無線送信機は注型材料を空洞に適用して空洞内に位置決めされる。
【0011】
注型材料は、注型樹脂系化合物であってもよい。
【0012】
無線送信機は、保護層を備えてもよい。保護層は、エポキシ系化合物であってもよい。
【0013】
さらに、円筒体の内側に配設された空洞は、35mmの幅と、12mmの高さと、45mmの深さとを有してもよい。
【0014】
第2の側面によれば、無線信号を送信するように構成されたホッケー用パックの製造方法であって、該製造方法は、空洞を、ホッケー用パックの円筒状本体内に機械加工することであって、空洞が、円筒状本体の円筒状表面を通して機械加工される、ことと、注型材料を空洞内に適用することによって、無線送信機を空洞内に位置決めすることとを含む。
【0015】
機械加工は、フライス加工で行われてもよい。
【0016】
無線送信機を空洞内に位置決めする前に、注型材料の第1部分を空洞に適用してもよい。さらに、無線送信機を空洞内で注型材料の第1部分上に位置決めすることに対応して、注型材料の第2部分を空洞に適用してもよい。注型材料の第2部分は、ホッケー用パックがその中に位置決めされ得る鋳型ハウジング内に配設された貫通孔を通して、該第2部分を空洞に注入することによって適用されてもよい。
【0017】
またさらに、該方法は、無線送信機を空洞に位置決めする前に、無線送信機に保護層を作製するための化合物で無線送信機を処理することを含んでもよい。
【0018】
表現「いくつかの」は、本明細書では、1から始まる任意の正の整数(例えば、1、2、又は3など)を表す。
【0019】
表現「複数の」は、本明細書では、2から始まる任意の正の整数(例えば、2、3、又は4など)を表す。
【0020】
追加的な発明の目的及びその利点とともに、構築物及び動作方法の両方としての、本発明の様々な例示的かつ非限定的な実施形態は、添付図面と関連して読まれる場合、特定の例示及び非限定的な実施形態の以下の記載から最良に理解されるであろう。
【0021】
動詞「備える」及び「含む」は、本書において、記載のない特徴の存在を排除することも必要とすることもない非限定語句として使用される。独立請求項に記載の特徴は、明示的に別段の定めがない限り、相互に自由に組み合わせ可能である。さらに、「1つの(a)」又は「1つの(an)」、すなわち名詞の単数形の使用は、本書全体を通して、複数形を排除しないことを理解されたい。
【0022】
本発明の実施形態は、添付図面の図において、例として例示され、そして限定としてではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態によるホッケー用パックの概略図を図示する。
【
図2A】
図2Aは、本発明の実施形態によるホッケー用パックを異なる視点から概略的に図示する。
【
図2B】
図2Bは、本発明の実施形態によるホッケー用パックを異なる視点から概略的に図示する。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態によるホッケー用パックの製造方法を概略的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
下記に与えられる記載で提供される特定の実施例は、添付の特許請求の範囲及び/又は利用可能性を限定すると解釈すべきではない。下記に与えられる記載に提供される実施例のリスト及びグループは、明示的に別段の定めがない限り、網羅的なものではない。
【0025】
図1は、本発明の実施形態によるホッケー用パック110の概略図である。ホッケー用パックの構造は、平坦な上部表面112と、平坦な下部表面114と、円筒状表面116とを有する円筒状本体を有する。無線送信機130は、空洞122の口部が本体の円筒状表面116上に配設されるように、ホッケー用パック110に機械加工される空洞120を通して、ホッケー用パック110の内側に配設される。
【0026】
図2A及び
図2Bは、本発明の実施形態によるホッケー用パック110を他の視点から概略的に図示する。
図2Aは、本発明の実施形態によるホッケー用パック110の断面図を図示する。
図2Bは、本発明の実施形態によるホッケー用パック110の立面切断図を図示する。
【0027】
本発明の実施形態によれば、アンテナと、プロセッサーと、メモリーと、電池とを有する無線モジュールなどの電気部品からなる無線送信機130は、無線送信機、特にその中の電気部品に保護層を作製するための適用可能な化合物で処理される場合がある。適用可能な材料での処理は、有利なことに、無線送信機を本体の空洞内に位置決めする前に行われてもよい。保護層を作製するための適用可能な材料は、例えば、エポキシ系化合物であってもよい。エポキシ樹脂は、例えば、無線送信機チップを覆って注型するために使われる場合がある。無線送信機の少なくとも一部分上に保護層を作製すると、プリント配線板上への電気部品の取り付けが改善され、それ故に無線チップの外部からの衝撃に対する耐久性が向上し得る。
【0028】
無線送信機の空洞内への位置決めは、適用可能な注型材料をその中へと入力する空洞の中に無線送信機を入れるように実施されてもよい(
図2Aに注型材料を概略的に示す)。無線送信機は、注型材料内に位置決めされ、かつ空洞は注型材料で充填され、これにより無線送信機は注型材料で覆われる。当然ながら、注型材料は、ホッケー用パック110の形状も回復され得るように、円筒状表面116上で扱われてもよい。
【0029】
空洞の大きさは、有利にも、本発明によるホッケー用パック110の耐久性を高めることができるよう選択される。有利な実施形態において、空洞の大きさは、開口部の幅が35mm(すなわち、平坦な上部表面又は平坦な下部表面の法線方向(
図1のX軸として表示)に垂直な方向)であり、かつ高さが12mm(すなわち、平坦な上部表面又は平坦な下部表面の法線方向(
図1のY軸として表示)に平行な方向)であり、一方、空洞の深さが好ましくは45mmであるようである。さらに、空洞を記載の大きさに機械加工することは、ホッケー用パック110の重量を記載されるような製造工程を用いて標準化された重量として戻し得る利点を有する。またさらに、記載されるような空洞の大きさは、無線通信用に最適であり、すなわち、無線送信由来の無線信号の吸収が最適化され得る。
【0030】
上記の様式でホッケー用パック100内側に配設された無線送信機130は、それによってホッケー用パック100に関する少なくとも位置情報を生成し得る、測定システムで検出可能な任意の無線通信技術を実施するように構成される場合がある。換言すれば、無線送信機は、任意の周波数、好ましくは無線周波数(RF)で信号を送信し得る。本発明の実施形態によれば、無線送信機は、Bluetooth(登録商標)通信等の短距離無線通信を実施する。
【0031】
次に、本発明の実施形態によるホッケー用パック110の製造方法が、
図3を参照しながら記載される。
図3に示されるような製造方法は、該方法の少なくともいくつかのステップを記載するための非限定的な実施例である。
【0032】
ステップ310に関して:
最初に、例えば、加硫ゴム製のホッケー用パック110は、ホッケー用パック110に空洞120を作製するための適用可能な機械加工方法で機械加工され得る。本発明によれば、空洞120は、空洞120が、すなわち、本体の円筒状表面116上に空洞122の口部を開けるように作製される。好ましい機械加工方法は、フライス工具、すなわちフライスカッターを用いるフライス加工であって、フライスカッターは、所定寸法を有する空洞120を、ホッケー用パック110にフライス加工するように構成される。例えば、フライス工具は、空洞120の寸法が入力値として与えられる場合、フライス作業を実行するようプログラム可能な場合がある。当然ながら、フライス加工されるホッケー用パック110は、それに機械研削作業が実施され得るように、位置決めされる。
【0033】
製造方法のいくつかの実施形態では、機械加工は、複数のホッケー用パック110に対し同時に行なわれる。ホッケー用パック110は、有利にもホッケー用パック110を機械加工するための複数のフライス刃物を備える、フライス工具等に供される作業台に位置決めされてもよい。
【0034】
ステップ320に関して:
ホッケー用パック110における空洞120を作製に対応して、注型材料の第1部分は、作製された空洞120内に適用されてもよい。注型材料の第1部分は、無線送信機110をそこへと受け入れて位置決めするための空洞120内に適用される。
【0035】
ステップ330に関して:
無線送信機は、空洞120内に位置決めされてもよく、注型材料の第1部分は、無線送信機110用の床を形成するために適用される。有利なことに、注型材料は、少なくとも注型材料が硬化する時、無線送信機チップが注型材料に固定的な様式で床へと係合されるようになる。無線送信機110は、無線送信機110を空洞120内で正確に位置決めするために、有利なことに、適用可能な支持アーム等の必要な支持手段によって支持されてもよい。
【0036】
ステップ340に関して:
最終的に、注型材料の第2部分が、空洞を注型材料で完全に充填するための空洞120内に適用される。一実施形態によれば、注型材料の第2部分の空洞120内への適用の前に、ホッケー用パック110は、注型材料の第2部分が空洞に適用される時に、ホッケー用パック110の形状を維持するために、ホッケー用パック110の少なくとも一部分の周辺に構造を形成する成形ハウジング内に位置決めされてもよい。例えば、成形ハウジングは、操作中にその2つの部品が互いを結合(係止など)された時、ホッケー用パック110のための成形型を形成する、2つの部品からなってもよい。一実施形態によれば、貫通孔をハウジング内に配設する。これは、空洞122の口部が貫通孔と整列する時、注型材料の第2部分をホッケー用パック110の空洞120に適用するためである。
【0037】
ホッケー用パック110の円筒状表面は、典型的に溝又はそれと同様なものを有するパターン付きである。入力される注型材料に面する成形型ハウジングの内側表面に所望のパターンでパターン付けすることによって、空洞に入力される注型材料にパターンを作製してもよく、また、製造中のホッケー用パック110を成形型ハウジング内で位置決めすることに対応して、所望のパターンが注型材料に作製される。
【0038】
上記に記載の方法において、ステップ320と340で注型材料を適用することは、注型材料を空洞120内に注入することによって実施されてもよい。本発明の実施形態によれば、注型材料は、注型樹脂系化合物であってもよい。例えば、電子工学専用の注型樹脂が使用されてもよい。注型樹脂の一例は、例えば、ポリオールとイソシアネートからなる電気ポリウレタン樹脂として公知の化合物等であってもよい。使用される場合、材料の比率は、それに応じて、例えば、4:1等であってもよい。一般的に言えば、注型材料は、有利なことに、ホッケー用パック110の材料、すなわち、典型的には加硫ゴムの硬度に近い硬度を有する。少なくとも一つには、衝撃吸収を可能にするために、硬度がホッケー用パック110の硬度よりもわずかに低いことが好ましい。例えば、ホッケー用パックの標準化された材料の硬度は、85(ショア値)であり、一方、本発明の実施形態において注型材料として適用される、ポリオールとイソシアネートからなる電気ポリウレタン樹脂の硬度は80(ショア値)である。
【0039】
いくつかの他の実施形態において、無線送信機130は、空洞330内に位置決めされる前に、別々に処理されてもよい。該処理は、無線送信機チップの少なくとも一部分に保護層を作製することを表す場合がある。例えば、チップの片側のみを、保護層又はその一部分のみを形成する材料で処理してもよい。いくつかの実施形態では、無線送信機130は保護層で完全に覆われる。記載の通り、保護層は、例えば、エポキシ系材料で形成されてもよい。
【0040】
無線信号を送信するホッケー用パック110を製造するための記載の化合物の使用は、該方法の次のステップに進む前に、化合物の乾燥を必要とする場合がある。したがって、例えば、注型材料の第1部分を適用し(320)、そして無線送信機をそれへと位置決めした(330)後に、ステップ340に進む前に注型材料を乾燥させることが必要である場合がある。ステップ340後、ホッケー用パックを使用に供する前にも、同じことが当てはまる。明らかに、乾燥期間の長さは、少なくとも一つには使用する化合物に依存するが、典型的には数日~数週間である。無線送信機130に対する保護層の形成でも、同じことが当てはまる。
【0041】
無線送信機130は使用するために電気エネルギーが必要なので、無線送信機130は、測定システムに対して無線信号を生成するためのエネルギーを供給するように構成された電池を備える場合がある。
【0042】
無線信号を送信するように構成されたホッケー用パック130の製造方法、及びホッケー用パック130自体は、空洞122の口部がホッケー用パック110の円筒状表面116上に機械加工される製造工程により、摩擦面が変化しないという利点を有する。その上、表面張力は、内側に無線送信機を有しない従来のホッケー用パック110と同一に維持される。空洞120の大きさの最適な選択だけでなく、記載された材料の選択も、ホッケーの試合で使用する時のパックの減速だけでなく、外部からの強い衝撃に耐えるために、ホッケー用パック110の耐久性を向上させる。さらに、無線送信機130由来の無線信号は、許容可能な量でのみ吸収されるため、ホッケーリンク周辺などのホッケー用パック110が使用する環境で実施される測定システムを用いた、ホッケー用パック110の検出を可能にする。
【0043】
上記の所与の記載で提供される特定の実施例は、添付請求項の利用可能性及び/又は解釈を限定すると解釈すべきではない。上記の所与の記載で提供される実施例のリスト及びグループは、明示的に別段の定めがない限り、網羅的ではない。