(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】グルカゴン受容体アゴニスト
(51)【国際特許分類】
C07K 14/605 20060101AFI20230117BHJP
A61K 38/26 20060101ALI20230117BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230117BHJP
A61K 38/22 20060101ALI20230117BHJP
A61K 38/16 20060101ALI20230117BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20230117BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20230117BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20230117BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20230117BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20230117BHJP
A61P 5/48 20060101ALI20230117BHJP
A61P 3/08 20060101ALI20230117BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
C07K14/605 ZNA
A61K38/26
A61K45/00
A61K38/22
A61K38/16
A61P3/10
A61P3/04
A61P1/16
A61P3/06
A61P3/00
A61P5/48
A61P3/08
A61P43/00 111
A61P43/00 121
(21)【出願番号】P 2018072110
(22)【出願日】2018-04-04
(62)【分割の表示】P 2017531687の分割
【原出願日】2016-10-14
【審査請求日】2019-10-11
(32)【優先日】2015-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100135943
【氏名又は名称】三橋 規樹
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】コスカン,テイマー
(72)【発明者】
【氏名】アルシナ-フェルナンデス,ジョージ
【審査官】春田 由香
(56)【参考文献】
【文献】特許第6321299(JP,B2)
【文献】特許第6354017(JP,B2)
【文献】国際公開第2015/094875(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/084876(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/094878(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/124612(WO,A1)
【文献】特表2015-524419(JP,A)
【文献】特表2015-502380(JP,A)
【文献】特表2011-524419(JP,A)
【文献】特表2007-537149(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0166627(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0164997(US,A1)
【文献】国際公開第2015/067716(WO,A1)
【文献】Pocai A et al.,Glucagon-like peptide 1/glucagon receptor dual agonism reverses obesity in mice,Diabetes,2009年,Vol.58, No.10,p.2258-2266,doi:10.2337/db09-0278
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/00-38/58
A61K 45/00-45/08
C07K 14/00-14/825
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
YX
1QGTFX
2SDYSKYLDX
3KKAX
4EFVX
5WLLEX
6X
7
式中、
X
1は、Aibであり、
X
2は、TまたはLであり、
X
3は、Aibであり、
X
4は、K側鎖のイプシロンアミノ基への([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)
2-(γGlu)
a-CO-(CH
2)
b-CO
2Hの結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは1または2であり、bは14~24であり、
X
5は、EまたはAであり、
X
6は、TまたはEであり、
X
7は、存在しないか、またはGPSSGAPPPS及びGPSSGからなる群から選択されるペプチドであるかのいずれかであり、
及びC末端アミノ酸は、任意選択的にC末端一級アミドとしてアミド化されている(配列番号5)
からなるグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩(ただし、
(i)式:
YX
1QGTFX
2SDYSKYLDX
3KKAX
4EFVX
5WLLEX
6X
7
式中、
X
1は、Aibであり、
X
2は、Tであり、
X
3は、Aibであり、
X
4は、K側鎖のイプシロンアミノ基への([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)
2-(γGlu)
a-CO-(CH
2)
b-CO
2Hの結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは2であり、bは16であり、
X
5は、Eであり、
X
6は、Tであり、
X
7は、GPSSGAPPPSであり、
及びC末端アミノ酸は、C末端一級アミドとしてアミド化されている(配列番号6)
からなるグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩、
(ii)式:
YX
1QGTFX
2SDYSKYLDX
3KKAX
4EFVX
5WLLEX
6X
7
(式中、
X
1は、Aibであり;
X
2は、Tであり;
X
3は、Aibであり;
X
4は、K側鎖のイプシロンアミノ基への([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)
2-(γGlu)
a-CO-(CH
2)
b-CO
2H(ここでaは、1であり、bは、18である)のコンジュゲーションによって化学修飾されたKであり;
X
5は、Aであり;
X
6は、Eであり;
X
7は、存在しない(配列番号12))
からなるグルカゴン受容体アゴニスト、又はその医薬的に許容し得る塩、及び
(iii)式:
YX
1QGTFX
2SDYSKYLDX
3KKAX
4EFVX
5WLLEX
6X
7
(式中、
X
1は、Aibであり;
X
2は、Tであり;
X
3は、Aibであり;
X
4は、K側鎖のイプシロンアミノ基への([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)
2-(γGlu)
a-CO-(CH
2)
b-CO
2H(ここでaは、1であり、bは、16である)のコンジュゲーションによって化学修飾されたKであり;
X
5は、Aであり;
X
6は、Eであり;
X
7は、存在しない(配列番号11))
からなるグルカゴン受容体アゴニスト、又はその医薬的に許容し得る塩
を除く)。
【請求項2】
配列番号7、配列番号8、配列番号9及び配列番号10からなる群から選択される構造を有するグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項3】
式:
YX
1QGTFX
2SDYSKYLDX
3KKAX
4EFVX
5WLLEX
6X
7
式中、
X
1は、Aibであり、
X
2は、TまたはLであり、
X
3は、Aibであり、
X
4は、K側鎖のイプシロンアミノ基への([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)
2-(γGlu)
a-CO-(CH
2)
b-CO
2Hの結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは1または2であり、bは14~24であり、
X
5は、EまたはAであり、
X
6は、TまたはEであり、
X
7は、存在しないか、またはGPSSGAPPPS及びGPSSGからなる群から選択されるペプチドであるかのいずれかであり、
及びC末端アミノ酸は、任意選択的にC末端一級アミドとしてアミド化されている(配列番号5)
からなるグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩を含む、T2DM、肥満、脂肪性肝疾患、NAFLD、NASH、脂質代謝異常症、メタボリック症候群、高インスリン血症、及び夜間低血糖からなる群から選択される疾患を治療するための医薬組成物
(ただし、グルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩が
式:
YX
1
QGTFX
2
SDYSKYLDX
3
KKAX
4
EFVX
5
WLLEX
6
X
7
式中、
X
1
は、Aibであり、
X
2
は、Tであり、
X
3
は、Aibであり、
X
4
は、K側鎖のイプシロンアミノ基への([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)
2
-(γGlu)
a
-CO-(CH
2
)
b
-CO
2
Hの結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは2であり、bは16であり、
X
5
は、Eであり、
X
6
は、Tであり、
X
7
は、GPSSGAPPPSであり、
及びC末端アミノ酸は、C末端一級アミドとしてアミド化されている(配列番号6)
からなるグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩であるものを除く)。
【請求項4】
グルカゴン受容体アゴニストが
、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11及び配列番号12からなる群から選択される構造を有する、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
式:
YX
1
QGTFX
2
SDYSKYLDX
3
KKAX
4
EFVX
5
WLLEX
6
X
7
式中、
X
1
は、Aibであり、
X
2
は、TまたはLであり、
X
3
は、Aibであり、
X
4
は、K側鎖のイプシロンアミノ基への([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)
2
-(γGlu)
a
-CO-(CH
2
)
b
-CO
2
Hの結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは1または2であり、bは14~24であり、
X
5
は、EまたはAであり、
X
6
は、TまたはEであり、
X
7
は、存在しないか、またはGPSSGAPPPS及びGPSSGからなる群から選択されるペプチドであるかのいずれかであり、
及びC末端アミノ酸は、任意選択的にC末端一級アミドとしてアミド化されている(配列番号5)
からなるグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩を含む、T2DM、肥満、脂肪性肝疾患、NAFLD、NASH、脂質代謝異常症、メタボリック症候群、高インスリン血症、及び夜間低血糖からなる群から選択される疾患を治療するための医薬組成物であって、前記治療が、1つ以上の追加の治療剤の有効量を投与することを含
み、前記医薬組成物が前記1つ以上の追加の治療剤を含まない、医薬組成物。
【請求項6】
治療のための請求項1または2に記載のグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項7】
T2DM、肥満、脂肪性肝疾患、NAFLD、NASH、脂質代謝異常症、メタボリック症候群、高インスリン血症、または夜間低血糖の治療のための請求項1または2に記載のグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項8】
T2DM、肥満、脂肪性肝疾患、NAFLD、NASH、脂質代謝異常症、メタボリック症候群、高インスリン血症、または夜間低血糖の治療のための、GLP-1Rアゴニスト、GIP-GLP-1共アゴニスト、及びインスリン受容体アゴニストからなる群から選択される1つ以上の追加の治療剤と組み合わせた、同時の、別々の、または連続の使用のための請求項1または2に記載のグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項9】
T2DM、肥満、脂肪性肝疾患、NAFLD、NASH、脂質代謝異常症、メタボリック症候群、高インスリン血症、または夜間低血糖の治療のための、デュラグルチドと組み合わせた、同時の、別々の、または連続の使用のための請求項1または2に記載のグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項10】
T2DM、肥満、脂肪性肝疾患、NAFLD、NASH、脂質代謝異常症、メタボリック症候群、高インスリン血症、または夜間低血糖の治療のための、配列番号15の構造を有するGIP-GLP-1共アゴニストと組み合わせた、同時の、別々の、または連続の使用のための請求項1または2に記載のグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項11】
請求項1または2に記載のグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な
塩と、医薬的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項12】
追加の治療剤をさらに含む、請求項
3、4または11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記追加の治療剤がGLP-1Rアゴニストである、請求項5または12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記GLP-1Rアゴニストがデュラグルチドである、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記追加の治療剤がGIP-GLP-1共アゴニストである、請求項5または12に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記GIP-GLP-1共アゴニストが配列番号15の構造を有している、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
グルカゴン受容体でのグルカゴン受容体アゴニストの活性が、GLP-1受容体での前記グルカゴン受容体アゴニストの能力よりも少なくとも100倍高い、請求項1または2に記載のグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩。
【請求項18】
式:
YX
1QGTFX
2SDYSKYLDX
3KKAX
4EFVX
5WLLEX
6X
7
式中、
X
1は、Aibであり、
X
2は、TまたはLであり、
X
3は、Aibであり、
X
4は、K側鎖のイプシロンアミノ基への([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)
2-(γGlu)
a-CO-(CH
2)
b-CO
2Hの結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは1または2であり、bは14~24であり、
X
5は、EまたはAであり、
X
6は、TまたはEであり、
X
7は、存在しないか、またはGPSSGAPPPS及びGPSSGからなる群から選択されるペプチドであるかのいずれかであり、
及びC末端アミノ酸は、任意選択的にC末端一級アミドとしてアミド化されている(配列番号5)
からなるグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩を含む、非治療的体重減少を誘導するための医薬組成物
(ただし、グルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩が
式:
YX
1
QGTFX
2
SDYSKYLDX
3
KKAX
4
EFVX
5
WLLEX
6
X
7
式中、
X
1
は、Aibであり、
X
2
は、Tであり、
X
3
は、Aibであり、
X
4
は、K側鎖のイプシロンアミノ基への([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)
2
-(γGlu)
a
-CO-(CH
2
)
b
-CO
2
Hの結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは2であり、bは16であり、
X
5
は、Eであり、
X
6
は、Tであり、
X
7
は、GPSSGAPPPSであり、
及びC末端アミノ酸は、C末端一級アミドとしてアミド化されている(配列番号6)
からなるグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩であるものを除く)。
【請求項19】
グルカゴン受容体アゴニストが
、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11及び配列番号12からなる群から選択される構造を有する、請求項18に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然型グルカゴンと比較し、グルカゴン受容体での作用期間が延長された化合物に関する。具体的には、長期間にわたり、グルカゴン受容体を選択的に刺激するよう天然型グルカゴンの構造に導入された修飾を有するグルカゴン受容体アゴニストが提供される。当該グルカゴン受容体アゴニストは、たとえば2型糖尿病(T2DM:type 2 diabetes mellitus)及び/または肥満などの疾患を治療するための他の治療剤と併用して、またはたとえば肥満、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:non-alcoholic fatty liver disease)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:non-alcoholic steatohepatitis)、脂質代謝異常症、メタボリック症候群、高インスリン血症、及び/もしくは夜間低血糖、ならびに乳牛の脂肪性肝症候群などの様々な疾患の治療のための単剤療法としてのいずれかで有用であり得る。
【背景技術】
【0002】
過去数十年にわたり、糖尿病の有病率は上昇し続けている。T2DMは最も普遍的な糖尿病型であり、すべての糖尿病のうちのおよそ90%を占める。T2DMは、インスリン抵抗性に起因する高血糖を特徴としている。T2DMに対する現在の標準的な治療として、食事療法と運動、ならびにたとえばグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1:glucagon-like-peptide-1)受容体アゴニスト及びジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-IV:dipeptidyl peptidase IV)阻害剤などのインクレチンをベースとした療法をはじめとする、経口薬及び注射用グルコース降下薬を用いた治療が挙げられる。経口薬及びインクレチンをベースとした療法を用いた治療が不十分である場合、インスリンを用いた治療が検討される。インスリン療法が必要とされるまで疾患が進行した患者は、多くの場合、長期作用型の基礎インスリン(basal insulin)の毎日の単回注射を開始するが、一部の症例においては、必要に応じて、急速作用型インスリンの食事中の注射も含まれ得る。
【0003】
これら療法の効能に反し、T2DMの多くの患者において、血糖値は制御不十分な状態が継続する。制御不能な糖尿病によって、患者の病的状態及び死亡に影響を与えるいくつかの状態が引き起こされる。T2DMの主要なリスク因子のうちの1つが肥満である。T2DM患者の多く(約90%)が、体重過多または太りすぎである。身体の脂肪が減少することにより、高血糖及び心血管系事象をはじめとする肥満関連の併存症の改善がもたらされることが実証されている。それゆえに、より良い疾患管理のためのグルコース制御及び体重減少に有効な療法が必要とされている。
【0004】
さらに、肝臓における脂肪の蓄積に関連した肝疾患群を指す非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、ならびにたとえば炎症、肝細胞障害、及び線維化などの組織学的所見により特徴づけられるNALFDの重症型である非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の有病率及び認知度も上昇し続けている。NASHは、西側諸国で最も普遍的な肝疾患であり、米国でも成人の3~5%が罹患している。治療には、一般的に、食事療法と運動における規定の変更が含まれ、ならびに肝脂肪を減らすための肥満症治療手術、ピオグリタゾン、スタチン類、オメガ3、及びビタミンE療法(非糖尿病性NASH患者の場合において)が含まれ得るが、NASHに関連した炎症及び/または線維症に対処するために承認された治療剤は無い。ゆえに、さらなる療法が必要とされている。
【0005】
グルカゴンをはじめとする治療剤として入手可能な、及び/または開発中のいくつかのペプチドは、組織中で処理され数種の構造的に関連したペプチドを形成するポリペプチドである、プレ-プログルカゴン(pre-proglucagon)に由来する。グルカゴンは29アミノ酸のペプチドであり、これはプレ-プログルカゴンのアミノ酸53~81に相当し、以下のアミノ酸配列を有している:HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNT(配列番号1)。グルカゴンは、肝細胞上のグルカゴン受容体に結合し、活性化することにより、グリコーゲンの形態で保存されていたグルコースをグリコーゲン分解と呼ばれるプロセスによって肝臓から放出させ、血中グルコース値を維持する。グリコーゲン貯蔵が枯渇すると、グルカゴンが肝臓を刺激し、糖新生によって新たなグルコースを合成させる。このグルコースは血流中に放出され、低血糖症の発現を防止する。グルカゴン投与は、急性低血糖症治療のための療法として確立されており、緊急のグルカゴン投与によって、投与の数分以内に正常なグルコース値が回復される。あるグルカゴンアナログは、溶解度と安定性の改善を示すことが報告されている。たとえば、WO2015094875、WO2015094876、WO2015094878を参照のこと。
【0006】
プレ-プログルカゴン由来の他のペプチドとしては、GLP-1、グルカゴン様ペプチド-2(GLP-2)、及びオキシントモジュリン(OXM:oxyntomodulin)が挙げられる。GLP-1は36アミノ酸のペプチドであり、その主要な生物学的活性断片(GLP-17-36)は、プレ-プログルカゴンのアミノ酸98~127に相当するC末端アミド化ペプチドである30アミノ酸として産生され、以下のアミノ酸配列を有している:HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGR(配列番号2)。グルカゴンはグルコースの放出を刺激し低血糖症を防止する一方で、GLP-1(配列番号2)はインスリン合成及び分泌を刺激し、糖尿病において高血糖症を防止することが示されている。エキセナチド、リラグルチド、アルビグルチド、及びデュラグルチドをはじめとする様々なGLP-1アナログが現在入手可能である。
【0007】
OXMは、オクタペプチドカルボキシ末端伸長(プレ-プログルカゴンのアミノ酸82~89であり、「介在ペプチド1:intervening peptide1」またはIP-1と名付けられている)を伴うグルカゴンの完全29アミノ酸配列から構成されている37アミノ酸ペプチドであり、以下のアミノ酸配列を有している:HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNTKRNRNNIA(配列番号3)。OXMは、グルカゴンとGLP-1の受容体の両方を活性化するが、GLP-1受容体よりもグルカゴン受容体のほうが、若干効力が高い。グルカゴン受容体とGLP-1受容体の二重活性を有するOXMのアナログが報告されている。たとえば、WO2011087672、WO2011087671を参照のこと。
【0008】
プレ-プログルカゴン由来ではないが、グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド(GIP)も、グルコース存在下で膵臓ベータ細胞からのインスリン分泌を刺激することによって、グルコースの恒常性に生理学的な役割を果たすもう1つのペプチドである。GIPは、以下のアミノ酸配列を有している42アミノ酸ペプチドである:YAEGTFISDYSIAMDKIHQQDFVNWLLAQKGKKNDWKHNITQ(配列番号4)。GIPのあるアナログは、GIPとGLP-1の受容体活性の両方を示すことが報告されている。たとえば、WO2015067715、WO2011119657、WO2013164483を参照のこと。
【0009】
さらに、上述のOXMの二重活性と同様に、あるグルカゴンアナログは、グルカゴン受容体と、GLP-1受容体またはGIP受容体のうちの1つ以上の両方の共アゴニスト活性を有していることが報告されている。たとえば、WO2011075393及びWO2012177444は、グルカゴン受容体とGLP-1受容体の両方で活性を有するグルカゴンアナログを報告すると主張している。同様に、WO2013192130は、GIP受容体でも活性を有するグルカゴンアナログを報告すると主張している。さらに、WO2015067716は、グルカゴン受容体、GLP-1受容体、及びGIP受容体の各々で、三重のアゴニスト活性を有するアナログを報告すると主張している。
【0010】
T2DM及び/または肥満の治療法として提案されている様々なペプチド及びタンパク質があるにもかかわらず、現在利用可能及び/または開発中の治療法には限界がある。特に、上述の二重アゴニストまたは三重アゴニストは、グルカゴン受容体アゴニストの代謝利益と共に、GLP-1受容体及び/またはGIP受容体のグルコース低減特性をもたらすと述べられているが、それらが刺激する様々な各受容体でのかかるペプチドの活性レベルは固定されており、そのため、最小限の副作用で高い効能をin vivoで得るための理想的な受容体活性化バランスを得ることが困難となっている。さらに、グルカゴン受容体作動性が関与しない療法は、かかる作用メカニズムの潜在的な代謝利益を欠いている。
【0011】
グルカゴンの同時投与によってかかる制限の軽減が理論上可能であり得る一方で、現在利用可能なグルカゴン製品はかかる応用への使用に対して現実的ではない。特に、グルカゴンの血漿半減期は1時間未満であり、特に、利用可能な及び/または開発中の他の治療法との併用を含む実施形態において、多くのかかる治療法は1日1度の頻度での投与、及び一部では週に1度の頻度での投与が提案されるため、常用的な使用は現実的ではない。加えて、野生型のグルカゴンもまたGLP-1受容体で何らかの活性を有しているため、他の化合物がGLP-1受容体低下活性を有している併用療法においては、GLP-1受容体活性に対するグルカゴンの適切なバランスを取る試みを複雑化させ得る。さらには、現在利用可能なグルカゴン製品の溶解性ならびに化学的及び物理的な安定特性もまた、かかる応用における常用的な使用に不適切であり、他の治療剤との合剤も困難である。
【0012】
従って、1日に1回、週に3回、週に2回、または週に1回の頻度での投与が可能となる、作用期間が延長されたグルカゴン受容体アゴニストに対するニーズが存在する。また、グルカゴン受容体での強力な活性を有し、GLP-1受容体と比較し、グルカゴン受容体で高い選択活性を有するグルカゴン受容体アゴニストに対するニーズが存在する。また、他の治療剤と合剤に適した特性を有するグルカゴン受容体アゴニストに対するニーズも存在する。また、長期間の保管と使用が可能となる溶解性と安定性を有するグルカゴン受容体アゴニストに対するニーズも存在する。
【発明の概要】
【0013】
本発明のグルカゴン受容体アゴニストはこれらニーズを満たすものである。従って、本発明は、1日に1回、週に3回、週に2回、または週に1回の頻度での投与が可能となる、作用期間が延長されたグルカゴン受容体アゴニストを提供する。本発明は、たとえばGLP-1受容体及び/またはGIP受容体と比較し、グルカゴン受容体で最適かつ選択的な活性を有するグルカゴン受容体アゴニストを提供する。本発明は、常用的な使用及び他の治療剤との合剤に適した物理的及び化学的特性を有するグルカゴン受容体アゴニストを提供する。本発明は、他の糖尿病治療と併用して使用された場合に、グルコース制御の強化がもたらされ、たとえば体重減少などの代謝利益がもたらされ、及び/または他の糖尿病治療と併用して使用された場合にたとえばPCSK9低下などの脂質利益がもたらされるグルカゴン受容体アゴニストを提供する。特に、GLP-1RアゴニストまたはGIP-GLP-1共アゴニストと本発明のグルカゴン受容体アゴニストの併用は、たとえば体重減少及び身体組成などの評価基準に対し、有益な相乗的効果を有している。本発明はまた、単剤療法として用いられた場合、及び/または他の療法と併用されて用いられた場合に、肥満、NAFLD、NASH、脂質代謝異常症、代謝異常、高インスリン血症、及び/または夜間低血糖をはじめとする他の疾患に対し効果的な治療を提供するものである。
【0014】
従って、本発明の実施形態は、以下の式I:
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7 [式I]
式中、
X1は、Aibであり、
X2は、TまたはLであり、
X3は、Aibであり、
X4は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは1または2であり、bは14~24であり、
X5は、EまたはAであり、
X6は、TまたはEであり、
X7は、存在しないか、またはGPSSGAPPPS及びGPSSGからなる群から選択されるペプチドであるかのいずれかであり、
及びC末端アミノ酸は、任意選択的にアミド化されている(配列番号5)、を含むグルカゴン受容体アゴニスト、またはその医薬的に許容可能な塩を提供するものである。
【0015】
本発明の他の実施形態は、以下の式I:
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7[式I]
式中、
X1は、Aibであり、
X2は、TまたはLであり、
X3は、Aibであり、
X4は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは1または2であり、bは14~24であり、
X5は、EまたはAであり、
X6は、TまたはEであり、
X7は、存在しないか、またはGPSSGAPPPS及びGPSSGからなる群から選択されるペプチドであるかのいずれかであり、
及びC末端アミノ酸は、任意選択的にアミド化されている(配列番号5)、からなる式を含むグルカゴン受容体アゴニスト、またはその医薬的に許容可能な塩を提供するものである。
【0016】
本発明の他の実施形態は、以下の式I:
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7[式I]
式中、
X1は、Aibであり、
X2は、TまたはLであり、
X3は、Aibであり、
X4は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは1または2であり、bは14~24であり、
X5は、EまたはAであり、
X6は、TまたはEであり、
X7は、存在しないか、またはGPSSGAPPPS及びGPSSGからなる群から選択されるペプチドであるかのいずれかであり、
及びC末端アミノ酸は、任意選択的にアミド化されている(配列番号5)、からなるグルカゴン受容体アゴニスト、またはその医薬的に許容可能な塩を提供するものである。
【0017】
ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、X2がTである式Iの構造を有している。ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、X2がLである式Iの構造を有している。
【0018】
ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、X5がEである上述の実施形態のうちのいずれかの構造を有している。ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、X5がAである上述の実施形態のうちのいずれかの構造を有している。
【0019】
ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、X6がTである上述の実施形態のうちのいずれかの構造を有している。ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、X6がEである上述の実施形態のうちのいずれかの構造を有している。
【0020】
ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、X7がGPSSGAPPPSである上述の実施形態のうちのいずれかの構造を有している。ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、X7がGPSSGである上述の実施形態のうちのいずれかの構造を有している。ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、X7が存在しない上述の実施形態のうちのいずれかの構造を有している。
【0021】
ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、bが16~20である上述の実施形態のうちのいずれかの構造を有している。ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、bが16~18である上述の実施形態のうちのいずれかの構造を有している。ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、bが16である上述の実施形態のうちのいずれかの構造を有している。ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、bが18である上述の実施形態のうちのいずれかの構造を有している。
【0022】
ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、X2がTであり、aが2であり、bが16であり、X5がEであり、X6がTであり、及びX7がGPSSGAPPPSであり、ならびにC末端アミノ酸が、C末端一級アミドとしてアミド化されている、式Iの構造を有している(配列番号6)。
【0023】
ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、X2がTであり、aが2であり、bが18であり、X5がEであり、X6がTであり、X7がGPSSGAPPPSであり、及びC末端アミノ酸が、C末端一級アミドとしてアミド化されている、式Iの構造を有している(配列番号7)。
【0024】
ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、X2がLであり、aが2であり、bが16であり、X5がEであり、X6がTであり、及びX7がGPSSGAPPPSであり、ならびにC末端アミノ酸が、C末端一級アミドとしてアミド化されている、式Iの構造を有している(配列番号8)。
【0025】
ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、X2がTであり、aが2であり、bが16であり、X5がEであり、X6がTであり、及びX7がGPSSGであり、ならびにC末端アミノ酸が、C末端一級アミドとしてアミド化されている、式Iの構造を有している(配列番号9)。
【0026】
ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、X2がTであり、aが2であり、bが18であり、X5がEであり、X6がTであり、及びX7がGPSSGであり、ならびにC末端アミノ酸が、C末端一級アミドとしてアミド化されている、式Iの構造を有している(配列番号10)。
【0027】
ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、X2がTであり、aが1であり、bが16であり、X5がAであり、X6がEであり、及びX7が存在しない、式Iの構造を有している(配列番号11)。
【0028】
ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、X2がTであり、aが1であり、bが18であり、X5がAであり、X6がEであり、及びX7が存在しない、式Iの構造を有している(配列番号12)。
【0029】
ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、aが2であり、X5がAであり、X6がTであり、及びX7がGPSSGAPPPS及びGPSSGからなる群から選択されるペプチドであり、ならびにC末端アミノ酸がアミド化されている、式Iの構造を有している(配列番号16)。
【0030】
ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、X2がTであり、aが1であり、X5がAであり、X6がEであり、及びX7が存在しない、式Iの構造を有している(配列番号17)。
【0031】
ある実施形態において、グルカゴン受容体でのグルカゴン受容体アゴニストの活性は、GLP-1受容体での当該グルカゴン受容体アゴニストの活性よりも少なくとも100倍高い。
【0032】
本発明の他の実施形態は、本発明のグルカゴン受容体アゴニストの有効量を、その必要のある患者に投与することを含む、T2DM、肥満、脂肪性肝疾患、NASH、脂質代謝異常症、メタボリック症候群、高インスリン血症、及び夜間低血糖からなる群から選択される疾患を治療する方法を提供する。
【0033】
本発明の他の実施形態は、1つ以上の追加の治療剤の有効量と併用して、本発明のグルカゴン受容体アゴニストの有効量を、その必要のある患者に投与することを含む、T2DM、肥満、脂肪性肝疾患、NASH、脂質代謝異常症、メタボリック症候群、高インスリン血症、及び夜間低血糖からなる群から選択される疾患を治療する方法を提供する。ある実施形態において、疾患はT2DMである。ある実施形態において、疾患は肥満である。ある実施形態において、疾患は脂肪性肝疾患である。ある実施形態において、1つ以上の追加の治療剤は、GLP-1Rアゴニスト、GIP-GLP-1共アゴニスト、インスリン受容体アゴニスト、オキシントモジュリン、メトホルミン、チアゾリジンジオン、スルホニルウレア、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4:dipeptidyl peptidase-4)阻害剤、及びナトリウムグルコース共輸送体2(SGLT2:sodium glucose co-transporter 2)阻害剤からなる群から選択される。ある実施形態において、追加の治療剤は、GLP-1Rアゴニストである。ある実施形態において、GLP-1Rアゴニストはデュラグルチドである。ある実施形態において、追加の治療剤はGIP-GLP-1共アゴニストである。ある実施形態において、GIP-GLP-1共アゴニストは、配列番号15の構造を有している。ある実施形態において、追加の治療剤はインスリン受容体アゴニストである。
【0034】
ある実施形態において、グルカゴン受容体アゴニストは、たとえばGLP-1RアゴニストまたはGIP-GLP-1共アゴニストなどの追加の治療剤と併用されて使用されたときに、体重減少と身体組成に対し相乗的効果を有している。
【0035】
本発明の他の実施形態は、治療における本発明のグルカゴン受容体アゴニストの使用を提供する。本発明の他の実施形態は、T2DM、肥満、脂肪性肝疾患、NASH、脂質代謝異常症、メタボリック症候群、高インスリン血症、及び夜間低血糖からなる群から選択される疾患の治療における、本発明のグルカゴン受容体アゴニストの使用を提供する。ある実施形態において、疾患はT2DMである。ある実施形態において、疾患は肥満である。ある実施形態において、疾患は脂肪性肝疾患である。
【0036】
本発明の他の実施形態は、治療のための、1つ以上の追加の治療剤と併用した、同時の、別々の、または連続の使用のための、本発明グルカゴン受容体アゴニストを提供する。ある実施形態において、1つ以上の追加の治療剤は、GLP-1Rアゴニスト、GIP-GLP-1共アゴニスト、インスリン受容体アゴニスト、オキシントモジュリン、メトホルミン、チアゾリジンジオン、スルホニルウレア、DPP-4阻害剤、及びナトリウムグルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤からなる群から選択される。ある実施形態において、追加の治療剤は、GLP-1Rアゴニストである。ある実施形態において、GLP-1Rアゴニストはデュラグルチドである。ある実施形態において、追加の治療剤はGIP-GLP-1共アゴニストである。ある実施形態において、GIP-GLP-1共アゴニストは、配列番号15の構造を有している。
【0037】
本発明の他の実施形態は、T2DM、肥満、脂肪性肝疾患、NASH、脂質代謝異常症、メタボリック症候群、高インスリン血症、及び夜間低血糖の治療のための医薬の製造における本発明のグルカゴン受容体アゴニストの使用を提供する。
【0038】
本発明の他の実施形態は、本発明のグルカゴン受容体アゴニスト、及び医薬的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。ある実施形態において、医薬組成物はさらに、追加の治療剤を含む。ある実施形態において、追加の治療剤は、GLP-1Rアゴニスト、GIP-GLP-1共アゴニスト、インスリン受容体アゴニスト、オキシントモジュリン、メトホルミン、チアゾリジンジオン、スルホニルウレア、DPP-4阻害剤、及びSGLT2阻害剤からなる群から選択される。ある実施形態において、追加の治療剤は、GLP-1Rアゴニストである。ある実施形態において、GLP-1Rアゴニストはデュラグルチドである。ある実施形態において、追加の治療剤はGIP-GLP-1共アゴニストである。ある実施形態において、GIP-GLP-1共アゴニストは、配列番号15の構造を有している。ある実施形態において、追加の治療剤はインスリン受容体アゴニストである。
【0039】
本発明の他の実施形態は、本発明のグルカゴン受容体アゴニストの有効量の投与を含む、非治療的な体重減少を誘導する方法を提供する。
【0040】
本発明の他の実施形態は、本発明のグルカゴン受容体アゴニストの有効量を、その必要のあるウシに投与することを含む、ウシにおける脂肪性肝症候群を治療する方法を提供する。
【0041】
本発明の他の実施形態は、ウシにおける脂肪性肝症候群の治療のための、本発明のグルカゴン受容体アゴニストを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本明細書において用いられる場合、「グルカゴン受容体アゴニスト」という用語は、グルカゴン受容体に結合及び活性化し、GLP-1受容体と比較し、グルカゴン受容体での選択活性を維持し、それによって単剤療法として投与されたときに血清グルコース値を上昇させる天然型ヒトグルカゴン(配列番号1)、グルカゴンアナログ、グルカゴン誘導体、またはグルカゴン融合タンパク質のアミノ酸配列を含む化合物を意味する。かかる結合特性及び薬力学的効果は、たとえば以下の実験において記載される方法などの公知のin vitro法及びin vivo法を用いて測定され得る。グルカゴンアナログは、天然型ヒトグルカゴン(配列番号1)のアミノ酸配列と比較し、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、逆位、または付加をはじめとする改変を有する分子である。グルカゴン誘導体は、天然型ヒトグルカゴン(配列番号1)のアミノ酸配列またはグルカゴンアナログのアミノ酸配列を有するが、そのアミノ酸側鎖基、α炭素原子、末端アミノ基、または末端カルボン酸基のうちの1つ以上の少なくとも1つの化学的修飾をさらに有する分子である。グルカゴン融合タンパク質は、グルカゴン、グルカゴンアナログ、またはグルカゴン誘導体と、たとえばイムノグロブリンFc領域などの第二のポリペプチドを含む異種タンパク質である。
【0043】
また本発明のグルカゴン受容体アゴニストの活性は、GLP-1受容体と比較し、グルカゴン受容体に対し選択的である。本明細書において用いられる場合、「~と比較し、選択的」、「選択性」、及び「~に対して選択的」という用語は、GLP-1受容体よりもグルカゴン受容体に対し、50、100、200、250、500または1000倍高い能力を示す化合物を指す。かかる選択性は、以下の実験において記載される方法などの公知のin vitro法を用いて測定され得る。
【0044】
本発明のグルカゴン受容体アゴニストは、1日に1回、週に3回、週に2回、または週に1回の頻度での投与を可能とする長時間作用プロファイルを有する。グルカゴン受容体アゴニストの時間作用プロファイルは、公知の薬物動態試験法を用いて測定され得る。
【0045】
本発明のグルカゴン受容体アゴニストの長時間作用プロファイルは、20位のリシンアミノ酸の側鎖のイプシロンアミノ基に結合された脂肪酸部分の使用を介して得られる。脂肪酸はリンカーを介してリシン側鎖のイプシロンアミノ基に結合され、当該リンカーは、[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)aを含有しており、式中、aは1または2である。脂肪酸及びリンカー中のガンマ-グルタミン酸はアルブミン結合剤として作用し、長期作用型化合物生成の潜在能力を提供する。リンカーを介して20位のリシンアミノ酸の側鎖のイプシロンアミノ基に結合した脂肪酸は、-CO-(CH2)b-CO2Hを含有し、この場合においてbは14~24である。従って、完全なリンカー-脂肪酸構造は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを含有し、この場合においてaは1または2であり、bは14~24である。以下の実施例1~7の化学構造において示されるように、[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチルの第一の単位は、リシン側鎖のイプシロンアミノ基に連結されている。次いで、[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチルの第二の単位は、[2-(2-アミノエトキシ)-エトキシ]-アセチルの第一の単位アミノ基に付加される。次いで、γGluの第一の単位が、側鎖のγ-カルボキシル基を介して[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチルの第二の単位のアミノ基に付加される。a=2である場合、γGluの第二の単位は、側鎖のγ-カルボキシル基を介してγGluの第一の単位のα-アミノ基に付加される。最後に、脂肪酸が、γGluの第一の単位(a=1の場合)または第二の単位(a=2の場合)のα-アミノ基に付加される。
【0046】
本発明のグルカゴン受容体アゴニストは、好ましくは非経口経路(たとえば皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、または経皮)により投与される医薬組成物として製剤化される。かかる医薬組成物及び当該組成物を調製する方法は当分野に公知である。(たとえば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy (D.B. Troy, Editor, 21st Edition, Lippincott, Williams & Wilkins, 2006)を参照のこと)。好ましい投与経路は皮下である。
【0047】
本発明のグルカゴン受容体アゴニストは、多くの無機酸または有機酸のいずれかと反応し、医薬的に許容可能な酸付加塩を形成してもよい。医薬的に許容可能な塩、及びそれらを調製するための普遍的な技法は当分野に公知である(たとえば、P. Stahl, et al. Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection and Use, 2nd Revised Edition (Wiley-VCH, 2011)を参照のこと)。本発明の医薬的に許容可能な塩としては、トリフルオロ酢酸塩、塩酸塩、及び酢酸塩が挙げられる。
【0048】
GLP-1受容体よりもグルカゴン受容体へと指向する本発明のグルカゴン受容体アゴニストの選択性によりもたらされる注目すべき1つの利点は、本発明のグルカゴン受容体アゴニストが追加の治療剤と併用されて投与されたときの、他の受容体(複数含む)(たとえば、GLP-1、GIP及び/またはインスリンの受容体)での活性とグルカゴン受容体での活性の比率といった、順応性のある治療選択を提供する能力である。従って、ある好ましい実施形態において、本発明は、本発明のグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩の有効量を、追加の治療剤と併用して、かかる治療の必要がある患者に対し投与することを含む、患者のT2DMを治療する方法を提供する。ある実施形態において、追加の治療剤は、GLP-1Rアゴニスト、GIP-GLP-1共アゴニスト、またはインスリン受容体アゴニストからなる群から選択される。
【0049】
本明細書において用いられる場合、「追加の治療剤(複数含む)」という用語は、たとえばT2DM及び/または肥満に対する治療などの有益な治療効果を有することが知られている、現在入手可能及び/または開発中である、たとえばGLP-1Rアゴニスト、GIP-GLP-1共アゴニスト、インスリン受容体アゴニスト、オキシントモジュリン、メトホルミン、チアゾリジンジオン、スルホニルウレア、DPP-4阻害剤、及びSGLT2阻害剤などをはじめとする他の化合物(複数含む)を意味する。
【0050】
本明細書において用いられる場合、「併用されて」という用語は、1つ以上の追加の治療剤との同時投与、連続投与、または単一複合製剤でのいずれかの本発明のグルカゴン受容体アゴニストの投与を意味する。
【0051】
本明細書において用いられる場合、「GLP-1Rアゴニスト、」という用語は、GLP-1受容体での活性を維持している天然型ヒトGLP-1(配列番号2)、GLP-1アナログ、GLP-1誘導体、またはGLP-1融合タンパク質のアミノ酸配列を含む化合物を指す。GLP-1受容体の活性は、GLP-1受容体の結合活性または受容体活性化を測定するin vivo実験及びin vitroアッセイの使用をはじめとする当分野に公知の方法により測定され得る。GLP-1アナログは、天然型ヒトGLP-1のアミノ酸配列(配列番号2)と比較した場合に、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、逆位、または付加を含む改変を有する分子である。GLP-1誘導体は、天然型GLP-1のアミノ酸配列(配列番号2)またはGLP-1アナログのアミノ酸配列を有するが、そのアミノ酸側鎖基、α炭素原子、末端アミノ基、または末端カルボン酸基のうちの1つ以上の少なくとも1つの化学的修飾をさらに有する分子である。GLP-1融合タンパク質は、GLP-1、GLP-1アナログ、またはGLP-1誘導体、及びたとえばイムノグロブリンFc領域などの第二のポリペプチドを含む異種タンパク質である。現在入手可能及び/または開発中のGLP-1Rアゴニストとしては、エキセナチド、リラグルチド、リキシセナチド、アルビグルチド、デュラグルチド、及びセマグルチドが挙げられる。本発明のグルカゴン受容体アゴニストがGLP-1Rアゴニストと併用されて投与される、ある好ましい実施形態において、GLP-1Rアゴニストはデュラグルチドである。たとえば、米国特許第7,452,966号を参照のこと。
【0052】
本明細書において用いられる場合、「GIP-GLP-1共アゴニスト」という用語は、GIP受容体とGLP-1受容体の両方で活性を有する化合物を指す。GIP受容体及びGLP-1受容体の活性は、GIP受容体及び/またはGLP-1受容体の結合活性または受容体活性化を測定するin vivo実験及びin vitroアッセイの使用をはじめとする当分野に公知の方法により測定され得る。現在利用可能なT2DM治療剤としてのGIP-GLP-1共アゴニストは無いが、複数のGIPアナログが、GIP受容体活性及びGLP-1受容体活性の両方を示すことが報告されている。たとえば、WO2013164483、WO2011119657を参照のこと。
【0053】
本発明のグルカゴン受容体アゴニストがGIP-GLP-1共アゴニストと併用されて投与される、ある好ましい実施形態において、GIP-GLP-1共アゴニストは以下の構造を有しているか、またはその医薬的に許容可能な塩である:
YX1EGTFTSDYSIX2LDKIAQX3AX4VQWLIAGGPSSGAPPPS、
式中、
X1は、Aibであり、
X2は、Aibであり、
X3は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO (CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは1または2であり、bは10~20であり、
X4は、Pheまたは1-ナフチルアラニン(1-Nal)であり、
及びC末端アミノ酸は任意選択的にアミド化されている(配列番号13)。
【0054】
ある好ましい実施形態において、aは2であり、bは18であり、X4は、1-Nalであり、C末端アミノ酸は、C末端一級アミドとしてアミド化されている(配列番号14)。ある好ましい実施形態において、aは1であり、bは18であり、X4はPheであり、及びC末端アミノ酸はC末端一級アミドとしてアミド化されている(配列番号15)。かかるGIP-GLP-1共アゴニストは、以下のペプチド合成実施例において記載されているように、本発明のグルカゴン受容体アゴニストを調製するために用いられ得る技術などの技術を用いて調製され得る。
【0055】
本明細書において用いられる場合、「インスリン受容体アゴニスト」という用語は、ヒトインスリン、またはそのアナログもしくは誘導体、またはインスリン受容体に結合し活性化することができる任意の他のタンパク質を指す。インスリン受容体活性は、インスリン受容体の結合活性または受容体活性化を測定するin vivo実験及びin vitroアッセイの使用をはじめとする当分野に公知の方法により測定され得る。インスリンアナログは、天然型ヒトインスリンと比較し、1つ以上のアミノ酸の置換、欠失、逆位、または付加を含む改変を有する分子であり、その構造は公知である。インスリン誘導体は、天然型ヒトインスリンまたはそのアナログのアミノ酸配列を有するが、そのアミノ酸側鎖基、α-炭素原子、末端アミノ基、または末端カルボン酸基のうちの1つ以上の少なくとも1つの化学的修飾をさらに有する分子である。インスリン融合タンパク質は、インスリン、インスリンアナログ、またはインスリン誘導体部分と、第二のポリペプチドを含む異種タンパク質である。本発明のグルカゴン受容体アゴニストがインスリン受容体アゴニストと併用されて投与される実施形態における使用に対し、任意のインスリン受容体アゴニストが検討され得るが、好ましいインスリン受容体アゴニストは、定常的な、または延長された作用期間を有するアゴニストである。基礎的な活性を有する現在入手可能なインスリン受容体アゴニストとしては、インスリングラルギン、インスリンデテミル、及びインスリンデグルデクが挙げられ、それら各々は1日1回の投与が指定されている。
【0056】
ある実施形態において、本発明は、本発明のグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩の有効量を、かかる治療の必要がある患者に対し投与することを含む、患者のT2DMの治療のための方法を提供する。
【0057】
ある実施形態において、本発明は、本発明のグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩の有効量を、かかる治療の必要がある患者に対し投与することを含む、患者の肥満の治療のための方法を提供する。
【0058】
ある実施形態において、本発明は、本発明のグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩の有効量を、かかる治療の必要がある患者に対し投与することを含む、患者の脂肪性肝疾患の治療のための方法を提供する。
【0059】
ある実施形態において、本発明は、本発明のグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩の有効量を、かかる治療の必要がある患者に対し投与することを含む、患者のNASHの治療のための方法を提供する。
【0060】
他の実施形態において、本発明はまた、本発明のグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩の有効量を、たとえばGLP-1Rアゴニスト、GIP-GLP-1共アゴニスト、インスリン受容体アゴニスト、オキシントモジュリン、メトホルミン、チアゾリジンジオン、スルホニルウレア、DPP-4阻害剤、及びSGLT2阻害剤などの1つ以上の追加の治療剤と併用して、かかる治療の必要がある患者に対し投与することを含む、患者のT2DMの治療方法を提供する。
【0061】
本明細書において用いられる場合、「その必要のある患者」という用語は、たとえばT2DM、肥満、脂肪性肝疾患、NASH及び/またはメタボリック症候群などをはじめとする、治療を必要としている疾患または状態を有する哺乳類、好ましくはヒトまたはウシを指す。
【0062】
本明細書において用いられる場合、「有効量」という用語は、患者に対する単回投与または複数回投与で、診断された患者または治療中の患者に所望される効果をもたらす本発明のグルカゴン受容体アゴニストもしくはその医薬的に許容可能な塩の量または投与量を指す。有効量は、公知技術の使用を介して、及び類似の環境下で得られた結果を観察することにより、当分野の当業者により容易に決定することができる。患者の有効量決定において、限定されないが、哺乳類の種類;その大きさ、年齢及び一般健康状態;関与する具体的な疾患または障害;疾患または障害の程度または関与または重篤度;個々の患者の反応性;投与される特定のグルカゴン受容体アゴニスト;投与様式、投与される調製物の生体利用効率の特徴;選択された用法;併用薬の使用;及び他の関連する状況をはじめとする多くの因子が考慮される。
【0063】
本発明のあるグルカゴン受容体アゴニストは、一般的に、広範な用量範囲にわたり有効である。たとえば週1回投与の用量は、週当たり、約0.01~約30mg/ヒトの範囲内にあり得る。本発明のグルカゴン受容体アゴニストは、毎日、週に3回、週に2回、または週に1回投与されてもよい。週に1回の投与が好ましい。
【0064】
本明細書において用いられる場合、「治療すること(treating、またはto treat)」という用語は、既存の症状もしくは疾患の進行または重篤度を抑えること、減速させること、停止させること、または反転させることを含む。
【0065】
本発明のアミノ酸配列は、20個の天然型アミノ酸に対する標準的な一文字または三文字のコードを含む。さらに、「Aib」は、アルファアミノイソ酪酸である。本発明はまた、本発明のグルカゴン受容体アゴニストまたはその医薬的に許容可能な塩の合成に有用な新規中間体及び方法を包含する。本発明の中間体及びグルカゴン受容体アゴニストは、当分野に公知の様々な手順により調製され得る。特に、化学合成を用いる方法を、以下の実施例において解説する。記載される各経路の特定の合成工程を異なる方法で組み合わせ、本発明のグルカゴン受容体アゴニストを調製してもよい。試薬及び開始材料は、当分野の当業者が容易に入手可能である。
【0066】
本発明を以下の実施例によりさらに解説するが、それらは限定と見なされるべきではない。
【実施例】
【0067】
ペプチド合成
実施例1
実施例1は、以下の記載により表されるグルカゴン受容体アゴニストである:
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7
式中、X1はAibであり、X2はTであり、X3はAibであり、X4は([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは2であり、bは16であり、X5はEであり、X6はTであり、X7はGPSSGAPPPSであり、及びC末端アミノ酸はC末端一級アミドとしてアミド化されている(配列番号6)。
【0068】
以下は、Aib2、Aib16及びK20の残基を例外として、標準的な一文字のアミノ酸コードを用いた実施例1の構造の記載であり、これらアミノ酸残基の構造は伸長されている。
【化1】
【0069】
実施例1のペプチドは、Symphony自動化ペプチド合成器(PTI Protein Technologies Inc.)上で、RAPP AM-Rink Amide樹脂から開始し、ジメチルホルムアミド(DMF)中、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)及びヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)で活性化された6当量のアミノ酸(1:1:1のモル比)を用いたカップリングで、90分間、25℃で行われるFmoc/t-Bu法を用いた固相ペプチド合成により生成される。
【0070】
粗ペプチドの質を改善するために、Pro31(4時間)、Trp25(4時間)、Glu24(4時間)、Val23(10時間)、Glu21(4時間)、Aib16(4時間)、Asp15(4時間)、Thr7(4時間)、Thr5(4時間)、Gly4(4時間)、Gln3(4時間)及びAib2(24時間)に対する伸長カップリングが必要とされる。Fmoc-Lys(Alloc)-OHの基礎的要素をLys20カップリング(オルソゴナル保護基)に用いて、合成プロセス中、後で脂肪酸部分の部位特異的な付加を可能とさせる。N末端残基は、上述のDIC-HOBtプロトコールを用いて、Boc-Tyr(tBu)-OHとして組み込まれる(24時間カップリング)。
【0071】
上述のペプチド-樹脂伸長が終了した後、Lys20中に存在しているAlloc保護基を、スカベンジャーとしてPhSiH3の存在下、触媒量のPd(PPh3)4を用いて除去する。Lys20側鎖を伸長するためにFmoc/t-Bu法を用いた追加のカップリング/脱保護サイクルは、Fmoc-NH-PEG2-CH2COOH(ChemPep カタログ番号 280102)、Fmoc-Glu(OH)-OtBu(ChemPep カタログ番号 100703)及びHOOC-(CH2)16-COOtBuを含む。すべてのカップリングにおいて、3当量の基礎的要素が、DMF中、PyBOP(3当量)及びDIEA(6当量)と共に4時間、25℃で用いられる。
【0072】
樹脂からの同時開裂及び側鎖保護基の除去は、トリフルオロ酢酸(TFA):トリイソプロピルシラン:1,2-エタンジチオール:水:チオアニソール90:4:2:2:2(v/v)を含有する溶液中で2時間、25℃で行われ、次いで、冷エーテルを用いて沈殿される。C18カラム上で水/アセトニトリル(0.05% v/v TFA含有)勾配を用いた逆相HPLCクロマトグラフィーにより適切な分画をプールし、凍結乾燥し、TFA塩を生じさせることによって、粗ペプチドを99%超の純度まで精製する(15~20%の精製収率)。
【0073】
原則的に上述のように行った合成において、実施例1の純度は、分析的逆相HPLCにより検証され、同一性はLC/MS(実測値:M+3H+/3=1713.6;計算値 M+3H+/3=1714.3;実測値:M+4H+/4=1285.7;観測地 M+4H+/4=1285.9)を用いて確認される。
【0074】
実施例2
実施例2は、以下の記載により表されるグルカゴン受容体アゴニストである:
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7
式中、X1はAibであり、X2はTであり、X3はAibであり、X4は([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されたKであり、aは2であり、bは18であり、X5はEであり、X6はTであり、X7はGPSSGAPPPSであり、及びC末端アミノ酸はC末端一級アミドとしてアミド化されている(配列番号7)。
【0075】
以下は、Aib2、Aib16及びK20の残基を例外として、標準的な一文字のアミノ酸コードを用いた実施例2の構造の記載であり、これらアミノ酸残基の構造は伸長されている。
【化2】
【0076】
実施例2のペプチドは、上述の実施例1と同様に合成される。DMF中、PyBOP(3当量)及びDIEA(6当量)と共に3当量の基礎的要素を用いて、4時間、25℃で、HOOC-(CH2)18-COOtBuが組み込まれる。
【0077】
原則的に上述の実施例1と同様に行われた合成において、実施例2の純度は分析的逆相HPLCにより検証され、同一性はLC/MS(実測値::M+3H+/3=1723.2;計算値 M+3H+/3=1723.6;実測値:M+4H+/4=1292.9;計算値 M+4H+/4=1293.0)を用いて確認される。
【0078】
実施例3
実施例3は、以下の記載により表されるグルカゴン受容体アゴニストである:
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7
式中、X1はAibであり、X2はLであり、X3はAibであり、X4は([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されたKであり、aは2であり、bは16であり、X5はEであり、X6はTであり、X7はGPSSGAPPPSであり、及びC末端アミノ酸はC末端一級アミドとしてアミド化されている(配列番号8)。
【0079】
以下は、Aib2、Aib16及びK20の残基を例外として、標準的な一文字のアミノ酸コードを用いた実施例3の構造の記載であり、これらアミノ酸残基の構造は伸長されている。
【化3】
【0080】
実施例3のペプチドは、上述の実施例1と同様に合成される。
【0081】
原則的に上述の実施例1のように行われた合成において、実施例3の純度は分析的逆相HPLCにより検証され、同一性はLC/MS(実測値:M+3H+/3=1717.4;計算値 M+3H+/3=1718.3;実測値:M+4H+/4=1288.3;計算値 M+4H+/4=1289.0)を用いて確認される。
【0082】
実施例4
実施例4は、以下の記載により表されるグルカゴン受容体アゴニストである:
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7
式中、X1はAibであり、X2はTであり、X3はAibであり、X4は([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されたKであり、aは2であり、bは16であり、X5はEであり、X6はTであり、X7はGPSSGであり、及びC末端アミノ酸はC末端一級アミドとしてアミド化されている(配列番号9)。
【0083】
以下は、Aib2、Aib16及びK20の残基を例外として、標準的な一文字のアミノ酸コードを用いた実施例4の構造の記載であり、これらアミノ酸残基の構造は伸長されている。
【化4】
【0084】
実施例4のペプチドは、上述の実施例1と同様に合成される。
【0085】
原則的に上述の実施例1のように行われた合成において、実施例4の純度は分析的逆相HPLCにより検証され、同一性はLC/MS(実測値:M+3H+/3=1563.7;計算値 M+3H+/3=1564.4;実測値:M+4H+/4=1172.9;計算値 M+4H+/4 =1173.6)を用いて確認される。
【0086】
実施例5
実施例5は、以下の記載により表されるグルカゴン受容体アゴニストである:
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7
式中、X1はAibであり、X2はTであり、X3はAibであり、X4は([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されたKであり、aは2であり、bは18であり、X5はEであり、X6はTであり、X7はGPSSGであり、及びC末端アミノ酸はC末端一級アミドとしてアミド化されている(配列番号10)。
【0087】
以下は、Aib2、Aib16及びK20の残基を例外として、標準的な一文字のアミノ酸コードを用いた実施例5の構造の記載であり、これらアミノ酸残基の構造は伸長されている。
【化5】
【0088】
実施例5のペプチドは、上述の実施例1と同様に合成される。
【0089】
原則的に上述の実施例1及び2のように行われた合成において、実施例5の純度は分析的逆相HPLCにより検証され、同一性はLC/MS(実測値:M+3H+/3=1572.9;計算値 M+3H+/3=1573.8;実測値:M+4H+/4=1179.8;計算値 M+4H+/4=1180.6)を用いて確認される。
【0090】
実施例6
実施例6は、以下の記載により表されるグルカゴン受容体アゴニストである:
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7
式中、X1はAibであり、X2はTであり、X3はAibであり、X4は([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されたKであり、aは1であり、bは16であり、X5はAであり、X6はEであり、X7は存在せず、及びC末端アミノ酸はC末端酸である(配列番号11)。
【0091】
以下は、Aib2、Aib16及びK20の残基を例外として、標準的な一文字のアミノ酸コードを用いた実施例6の構造の記載であり、これらアミノ酸残基の構造は伸長されている。
【化6】
【0092】
実施例6のペプチドは、Symphony自動化ペプチド合成器(PTI Protein Technologies Inc.)上で、Fmoc-L-Glu(OtBu)-Wang樹脂(NovaBiochem社 カタログアイテム番号 856008;開始量 0.51mmol/g)から開始し、ジメチルホルムアミド(DMF)中、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)及びヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)で活性化された6当量のアミノ酸(1:1:1のモル比)を用いたカップリングで90分間、25℃で行われるFmoc/t-Bu法を用いた固相ペプチド合成により生成される。
【0093】
粗ペプチドの質を改善するために、Trp25(4時間)、Ala24(4時間)、Val23(10時間)、Glu21(4時間)、Aib16(4時間)、Asp15(4時間)、Thr7(4時間)、Thr5(4時間)、Gln3(4時間)及びAib2(24時間)に対する伸長カップリングが必要とされる。Fmoc-Lys(Alloc)-OHの基礎的要素を用いて(オルソゴナル保護基)、合成プロセス中、後でLys20カップリングによる脂肪酸部分の部位特異的な付加を可能とする(4時間のカップリング時間)。N末端残基は、上述のDIC-HOBtプロトコールを用いて、Boc-Tyr(tBu)-OHとして組み込まれる(24時間カップリング)。
【0094】
上述のペプチド-樹脂伸長が終了した後、Lys20中に存在しているAlloc保護基を、スカベンジャーとしてPhSiH3の存在下、触媒量のPd(PPh3)4を用いて除去する。Lys20側鎖を伸長するためのFmoc/t-Bu法を用いた追加のカップリング/脱保護サイクルは、Fmoc-NH-PEG2-CH2COOH(ChemPep社 カタログ番号 280102)、Fmoc-Glu(OH)-OtBu(ChemPep社 カタログ番号 100703)及びHOOC-(CH2)16-COOtBuを含んだ。すべてのカップリングにおいて、DMF中、3当量の基礎的要素が、PyBOP(3当量)及びDIEA(6当量)と共に4時間、25℃で用いられる。
【0095】
樹脂からの同時開裂及び側鎖保護基の除去は、トリフルオロ酢酸(TFA):トリイソプロピルシラン:1,2-エタンジチオール:水:チオアニソール90:4:2:2:2(v/v)を含有する溶液中で2時間、25℃で行われ、次いで、冷エーテルを用いて沈殿される。C18カラム上で水/アセトニトリル(0.05% v/v TFA含有)勾配を用いた逆相HPLCクロマトグラフィーを行い、そこで適切な分画をプールし、凍結乾燥することにより、粗ペプチドを99%超の純度まで精製する(15~20%の精製収率)。
【0096】
原則的に上述のように行った合成において、実施例6の純度は、分析的逆相HPLCにより検証され、同一性はLC/MS(実測値:M+3H+/3=1382.7;計算値 M+3H+/3=1383.3;実測値:M+4H+/4=1036.6;計算値 M+4H+/4=1037.7)を用いて確認される。
【0097】
実施例7
実施例7は、以下の記載により表されるグルカゴン受容体アゴニストである:
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7
式中、X1はAibであり、X2はTであり、X3はAibであり、X4は([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されたKであり、aは1であり、bは18であり、X5はAであり、X6はEであり、X7は存在せず、及びC末端アミノ酸はC末端酸である(配列番号12)。
【0098】
以下は、Aib2、Aib16及びK20の残基を例外として、標準的な一文字のアミノ酸コードを用いた実施例7の構造の記載であり、これらアミノ酸残基の構造は伸長されている。
【化7】
【0099】
実施例7のペプチドは、上述の実施例6と同様に合成される。HOOC-(CH2)18-COOtBuが、DMF中、PyBOP(3当量)及びDIEA(6当量)と共に3当量の基礎的要素を用いて、4時間、25℃で組み込まれる。
【0100】
原則的に上述の実施例6のように行われる合成において、実施例7の純度は、分析的逆相HPLCにより検証され、同一性はLC/MS(実測値:M+3H+/3=1391.8;計算値 M+3H+/3=1392.6;実測値:M+4H+/4=1044.3;計算値 M+4H+/4=1044.7)を用いて確認される。
【0101】
In vitroの機能性
結合アフィニティ
実施例1~7のペプチドの結合アフィニティは、組み換えヒトグルカゴン受容体(hGcg-R)、マウスグルカゴン受容体(mGcg-R)及びラットグルカゴン受容体(rGcg-R)に対して決定される。シンチレーション近接アッセイ(SPA:scintillation proximity assay)法、及びhGcg-R、mGcg-RまたはrGcg-Rを過剰発現する293HEK安定トランスフェクト細胞から調製された膜を用いて、放射性リガンド競合結合アッセイを行い、実施例1~7のペプチドに対する平衡解離定数(Ki)を決定する。実験プロトコール及び結果を以下に記載する。
【0102】
ヒトGcg受容体結合アッセイには、組み換えhGcg-Rを過剰発現する293HEK細胞から単離されたクローン化hGcg-R(Lok, S, et. al., Gene 140 (2), 203-209 (1994))を用いる。hGcg-R cDNAを、発現プラスミドphD(Trans-activated expression of fully gamma-carboxylated recombinant human protein C, an antithrombotic factor. Grinnell, BW, et. al., Bio/Technology 5: 1189-1192 (1987))へとサブクローニングする。このプラスミドDNAを293HEK細胞へとトランスフェクトし、200μg/mLのハイグロマイシンを用いて選択する。
【0103】
マウスGcg-R受容体結合アッセイには、293HEK膜から単離されたクローン化マウスグルカゴン受容体(mGcgR)(Burcelin R, Li J, Charron MJ. Gene 164 (2), 305-10 (1995) GenBank: L38613)を用いる。mGcgR cDNAを、発現プラスミドpcDNA3.1(Promega社)-ZeoRへとサブクローニングする。このプラスミドを293HEK細胞へとトランスフェクトし、100μg/mLのゼオシンを用いてクローン株を選択する。
【0104】
ラットGcg受容体結合アッセイには、rGcg-Rを一過性に発現する293HEK細胞から単離された膜中のクローン化ラットグルカゴン受容体(rGcg-R)(Svoboda, M, Ciccarelli, E, Tastenoy, M, Robberecht, P, Christophe, J. A cDNA construct allowing the expression of rat hepatic glucagon receptors. Biochem. Biophys. Res. Commun. 192 (1), 135-142 (1993), GenBank: L04796)を用いる。rGcg-R cDNAを発現プラスミドpcDNA3.1(Promega社)-ZeoRへとサブクローニングする。このプラスミドDNAを293HEK細胞へとトランスフェクトし、48時間、一過性に発現させる。
【0105】
付着性培養物からの細胞を用いて粗細胞膜を調製する。50mM Tris HCl、pH7.5、及びEDTA有りのRoche Complete(商標)プロテアーゼ阻害剤を含有する低張緩衝液中、氷上で細胞を溶解させる。細胞懸濁液を、Teflon(商標)乳棒に適合させたガラスPotter-Elvehjemホモジナイザーを用いて、25ストローク、破砕する。ホモジネート物を10分間、4℃、1100xgで遠心する。上清を集め、低張緩衝液中で沈殿物を再懸濁し、再度ホモジナイズしながら氷上で保存する。混合物を10分間、1100xgで遠心する。第二の上清を第一の上清と併せて1つにまとめ、1時間、4℃、35000xgで遠心する。膜沈殿物を、プロテアーゼ阻害剤を含有するホモジナイゼーション緩衝液中で再懸濁し、液体窒素中で急速冷凍し、使用するまで-80℃の冷凍庫中で分注して保存する。
【0106】
Gcgは、I-125-ラクトペルオキシダーゼ法により放射ヨウ素標識され、Perkin-Elmer(NEX207)で逆相HPLCにより精製される。特異的活性は2200Ci/mmolである。KDの決定は、同種競合または飽和結合分析により行われる。ヒトGcg-RのKDは、3.92nMであると推定され、これを用いてhGcg-Rアッセイで検証される化合物すべてに対するKi値が算出される。マウスGcg-RのKDは3.52nMであると推定され、これを用いてmGcg-Rアッセイで検証される化合物すべてに対するKi値が算出される。ラットGcg-RのKDは21.4nMであると推定され、これを用いてrGcg-Rアッセイで検証される化合物すべてに対するKi値が算出される。
【0107】
受容体結合アッセイは、コムギ胚芽凝集素(WGA:wheat germ agglutinin)ビーズ(Perkin Elmer社)を用いたシンチレーション近接アッセイ(SPA)フォーマットを用いて行われる。結合緩衝液は、25mM 4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、pH7.4、2.5mM CaCl2、1mM MgCl2、0.1%(w/v)バシトラシン(Affymetrix社)、0.003%(w/v)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(TWEEN(登録商標)-20)と、EDTA無しのRoche Complete(商標)プロテアーゼ阻害剤を含有する。Gcg(Eli Lilly and Company社)を、3.48mg/mL(1mM)でDMSO中に溶解させ、100μLの分注物中、-20℃で冷凍保存する。Gcg分注物を希釈し、1時間以内に結合アッセイに用いる。ペプチドアナログはDMSO中に溶解させ、100%DMSO中で3倍連続希釈を行う。次に、5μLの連続希釈された化合物またはDMSOを、45μLのアッセイ結合緩衝液または非標識Gcg対照(最終1μM、NSB社)を含有するCorning(登録商標)3632クリアボトムアッセイプレートへと移す。次いで、50μL hGcg-R(1.5μg/ウェル)、mGcg-R(6.47μg/ウェル)またはrGcg-R(1.5μg/ウェル)の膜、50μL I-125 Gcg(反応時、最終濃度0.15nM)、及び50μLのWGAビーズ(150μg/ウェル)を加え、プレートを密封し、プレート振とう器上(6に設定)で1分間、混合させる。室温での12時間の沈降時間後、プレートを、PerkinElmer Trilux MicroBeta(登録商標)シンチレーションカウンターを用いて読み取る。結果は、化合物存在下での特異的I-125-Gcg結合の割合として算出される。化合物の絶対IC50濃度は、添加された化合物濃度に対する、I-125-Gcgの特異的結合割合の非線形回帰により導かれる。IC50濃度は、チェン-プルソフ(Cheng-Prusoff)の式(Cheng, Y., Prusoff, W. H., Biochem. Pharmacol. 22, 3099-3108, (1973))を用いてKiに転換される。
【0108】
hGcg-R、mGcg-R、及びrGcg-Rでの実施例1~7のペプチド及びヒトGcgのKiを以下の表1に示す。
表1
【表1】
【0109】
これらのデータは、本発明のグルカゴン受容体アゴニストが、3つの異なる種(ヒト、マウス、及びラットの受容体)において、ヒトグルカゴンと同等、またはヒトグルカゴンよりも大きなアフィニティでグルカゴン受容体に結合することを示している。
【0110】
機能活性及び選択性
機能活性及び選択性は、ヒトグルカゴン受容体(hGcg-R)、ヒトグルカゴン様ペプチド-1受容体(hGLP-1R)、またはヒト胃抑制ペプチド(グルコース依存性インスリン分泌促進性ポリペプチド受容体、hGIP-Rとしても知られる)を発現するHEK293細胞における細胞内cAMPの定量により決定される。実験プロトコール及び結果を以下に記載する。
【0111】
hGcg-R機能性cAMPアッセイには、クローン化hGcg-Rを発現する293HEK細胞を用いる(Lok, S, et. al., Gene 140 (2), 203-209 (1994))。hGcg-R cDNAは、発現プラスミドphD(Trans- activated expression of fully gamma-carboxylated recombinant human protein C, an antithrombotic factor. Grinnell, BW, et. al., Bio/Technology 5: 1189-1192 (1987))へとサブクローニングする。このプラスミドDNAを293HEK細胞へとトランスフェクトし、200μg/mLのハイグロマイシンを用いて細胞を選択する。
【0112】
hGLP-1-R機能cAMPアッセイには、クローン化hGLP-1-Rを発現する293HEK細胞を用いる(Graziano MP, Hey PJ, Borkowski D, Chicchi GG, Strader CD, Biochem Biophys Res Commun. 196(1): 141-6, 1993)。hGLP-1R cDNAは、発現プラスミドphD(Trans- activated expression of fully gamma-carboxylated recombinant human protein C, an antithrombotic factor. Grinnell, BW, et. al., Bio/Technology 5: 1189-1192 (1987))へとサブクローニングする。このプラスミドDNAを293HEK細胞へとトランスフェクトし、200μg/mLのハイグロマイシンを用いて細胞を選択する。
【0113】
hGIP-R機能アッセイには、pcDNA3.1(Promega社)-Neo-RプラスミドへとクローニングされたhGIP-R(Usdin,T.B., Gruber,C., Modi,W. and Bonner,T.I., GenBank: AAA84418.1)を用いる。hGIP-R-pcDNA3.1/Neoプラスミドは、懸濁培養のためにチャイニーズハムスター卵巣細胞のCHO-Sへとトランスフェクトされ、500μg/mLのジェネティシン(Invitrogen社)の存在下で選択される。
【0114】
各受容体過剰発現細胞株は、1X GlutaMAX(商標)(L-アラニル-L-グルタミンジペプチドの0.85% NaCl溶液、Gibco社、カタログ番号 35050)、0.1%カゼイン(Sigma社、カタログ番号C4765)、250μM IBMX(3-イソブチル-1-メチルキサンチン)及び20mM HEPES[N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N′-(2-エタンスルホン酸)、HyClone社、カタログ番号SH30237.01]を補充したDMEM(ダルベッコ改変イーグル培地、Gibco社、カタログ番号31053)中、40μLのアッセイ量でペプチドを用いて処理される。60分の室温でのインキュベーション後、生じた細胞内cAMP(アデノシン3’、5’-環状一リン酸)の増加は、CisBio cAMP Dynamic 2 HTRFアッセイキット(CisBio社 62AM4PEC)を用いて定量的に決定される。細胞内のcAMP値は、cAMP-d2結合体の細胞溶解緩衝溶液(20μL)を添加し、次いで抗cAMP-Eu3+-クリプテート抗体の細胞溶解緩衝溶液(20μL)を添加することにより検出される。得られた競合アッセイは、室温で少なくとも60分間インキュベートされ、次いで、320nmの励起、665nm及び620nmの発光で、PerkinElmer Envision(登録商標)装置を用いて検出される。Envision単位(665nm/620nm*10,000での発光)は、存在するcAMPの量に対して反比例し、cAMP標準曲線を用いて、ウェル毎のnM cAMPに転換される。各ウェルで生成されたcAMPの量(nM)は、10nM ヒトGLP-1(7~36)NH2(hGLP-1Rアッセイに対して)、10nM ヒトGcg(hGcg-Rアッセイに対して)、または10nM ヒトGIP(1~42)NH2(hGIP-Rアッセイに対して)のいずれかで観察された最大反応の割合に転換される。相対EC50値及び最も高い割合の(Emax)は、4パラメータロジスティック方程式に適合させた、添加ペプチドの濃度に対する最大反応割合を用いた非線形回帰分析により導かれる。
【0115】
実施例1~7、ヒトGIP(1~42)NH
2、ヒトGLP-1(7~36)NH
2、及びヒトGcgに関する機能性データを以下の表2に示す。EC50に対する平均は、カッコ内に示されている反復回数(n)の数と共に、幾何平均±平均の標準誤差(SEM)としてあらわされている。(>)という修飾語句は、有効性%が50%に届かず、算出されたEC
50は検証された最も高い濃度を用いて得られていることを示す。
表2
【表2】
【0116】
これらデータは、本発明のグルカゴン受容体アゴニストが、GLP-1受容体及びGIP受容体と比較し、高い選択性で、ヒトグルカゴンと同様のグルカゴン受容体での能力を有していることを示している。
【0117】
薬物動態
ラットにおける薬物動態
オスのSprague Dawleyラットに、1mL/kgの量で、Tris緩衝液(pH8.0)中に溶解した実施例化合物を単回皮下投与(100nmole/kg)した。血液は、投与後、1、6、12、24、48、72、96、120、144、168、192、及び240時間で各動物から採取する。
【0118】
化合物の血漿濃度は、LC/MS法により測定される。各方法は、損なわれていないペプチドを測定した(ペプチドと結合時間延長)。各アッセイに対し、内部標準(IS:internal standard)として用いられた化合物及びアナログは、メタノール及び0.1%ギ酸を用いて、ラットまたはサルの100%血漿(50μL)から抽出される。上清中に存在する化合物及びISの遠心によって、2つの異なる層が形成される。275μlの上清の分注物を、Thermo Protein Precipitation Plateへと移し、真空にして、フロースルーを96ウェルプレートへと集める。
【0119】
上清を除去するために温めた窒素ガスを用いて試料を乾燥させる。30%アセトニトリルと5%ギ酸の150μl量をウェルに加え、試料を再構成させる。注入試料(20μl)を、Supelco Analytical Discovery BIO Wide Pore C5-3、5cmX0.1mm、3μmカラムへとロードする。検出及び定量のために、カラム流出物をThermo Q-Exactive質量分析器へと移動させる。
【0120】
オスのSprague Dawleyラットに対する、100nmol/kgの単回皮下投与後の平均薬物動態パラメーターを以下の表3に提示する(実施例1、2及び5、ならびに実施例3及び4に対するTmaxならびにCmaxに対してはn=3;実施例3及び4のT
1/2、AU
C0-infならびにCL/Fに対してはn=2)。
表3
【表3】
【0121】
これらデータは、T1/2がおよそ30分である天然型ヒトグルカゴンと比較し、実施例1~5が延長された作用時間を有することを示している。
【0122】
カニクイザルにおける薬物動態
オスのカニクイザルに、0.25mL/kgの量で、Tris緩衝液(pH8.0)に溶解した被験化合物の単回静脈内投与(50nmole/kg)または単回皮下投与(50nmole/kg)を行う。血液は、投与後、0.5 (IVのみ)、6、12、24、48、72、96、120、168、192、240、336、480、576、及び672時間で各動物から採取する。化合物の血漿濃度は、Sprague dawleyラットの実験でおよそ上述されたようにLC/MS法により決定される。
【0123】
平均(n=2)薬物動態パラメーターを以下の表4に示す。
表4
【表4】
【0124】
これらデータは、実施例1及び2が、1時間未満のT1/2を有する天然型ヒトグルカゴンと比較し、延長された作用時間を有することを示す。
【0125】
In vivo実験
ラットにおける連続的グルコースモニタリング
12~14週齢の正常なSprague dawleyのオスラット(HARLAN(商標)、Indianapolis、IN)を、自由に餌(TD2014 TEKLAD GLOBAL RODENT DIET(登録商標)、HARLAN(商標)Labs、Indianapolis、IN)と水を与え、12時間の明/暗サイクルで温度管理された(24℃)施設内で、個々に飼育する。当該施設への2週間の順応後、ラットに、HD-XGトランスミッター(Data Sciences International社、St Paul、MN)を移植する。
【0126】
トランスミッター移植手術は、2%~3%のイソフルラン(2-クロロ-2-(ジフルオロメトキシ)-1,1,1-トリフルオロエタン)麻酔下で行われる。トランスミッターのグルコースセンサーを下降大動脈に設置する。トランスミッターの温度センサーをトランスミッター本体と共に腹腔に設置する。トランスミッター移植手術の7日後、すべてのラットをテレメトリー受信機上に置き、ラットをホームケージ内で自由に移動させながら血中グルコースと深部体温の測定値を1分間隔で連続的に記録する。データ取得はDATAQUEST A.R.T.(商標)システムソフトウェア(Data Sciences International社、St Paul、MN)により制御及び分析される。グルコースセンサーの初期キャリブレーションは、術後7日目の腹腔内グルコース負荷試験(ipGTT:intraperitoneal glucose tolerance test)によって行われ、その後のキャリブレーションは一日おきに尾血管のグルコース測定によって行われる。術後9~11日目に開始して、pH8.0の20mM Tris-HCl緩衝液に溶解した10nmol/kg投与量、1mL/Kg体重での被験化合物を皮下注射で1回投与する。血中グルコース値を7日目まで監視する。
【0127】
血中グルコースのデータから、実施例1~7は各々、用量依存性に血中グルコース値を持続的に増加させたことが示される。
【0128】
物理的特性及び化学的特性
溶解性及び安定性
実施例1~6の試料は、H2O中、5mg/mLで調製され、緩衝液C6N(10mMクエン酸塩、100mM NaCl、pH6)、C7N(10mMクエン酸塩、100mM NaCl、pH7)、H6.5N(10mM ヒスチジン、100mM NaCl、pH6.5)及びH7.5N(10mMヒスチジン、100mM NaCl、pH7.5)へと記載されるように透析される。試料は記載されるように10mg/mLペプチドへと濃縮され、1週間、4℃に維持される。試料は記載されるように視覚的に、及びSEC-HPLCにより評価される。
【0129】
4℃で1週間後、すべての製剤中の実施例1~6は透明で無色である。SEC-HPLCデータを表5に示す。高分子量(HMW:high molecular weight)ポリマーの有意な増加、または主要ピークの消失は生じていない。実施例1~6に関し、SEC-HPLCによる回収率は5%以内である。
表5
【表5】
【0130】
また3つの追加製剤において、実施例1~2の溶解性を評価する:T7(10mM Tris-HCl、pH7)、T7Tm(10mM Tris-HCl、0.02%ポリソルベート-20、29mM m-クレゾール、pH7)、及びT7Nm(10mM Tris-HCl、100mM NaCl、29mM m-クレゾール、pH7)。化合物は、記載されるように透析によってT7中に調製される。試料はT7、T7Tm、またはT7Nm中、2mg/mLで調製され、次いで記載されるように10mg/mLペプチドに濃縮される。製剤は4℃で1週間維持され、記載されるように視覚的に、ならびにSEC-HPLC及びRP-HPLCにより評価される。
【0131】
すべての製剤は透明及び無色を維持している。表6にSEC-HPLCデータ及びRP-HPLCデータがある。HMWポリマーの増加は、いずれの製剤でも0.2%を超えていない。RP-HPLCによるピーク回収率はすべての製剤に対し5%以内である。
表6
【表6】
【0132】
これらデータは、実施例1~6が、異なる緩衝液条件下でも許容可能な溶解特性を有していることを示す。
【0133】
化学的安定性
実施例1の化学的安定性は、様々なpH値の異なる緩衝液中で測定される。試料はH2O中、5mg/mLの濃度で調製され、Slide-A-Lyzer Dialysisカセット、2000MWCO(パート番号66203)を用いて一晩、4℃で対象の緩衝液へと透析され、0.22μmフィルター(Millex社、SLGV013SL)を介してろ過され、次いで各緩衝液中、1mg/mLに希釈される。緩衝液の組成は、H2O中、10mM Tris-HCl pH8(T8)、H2O中、10mM Tris-HCl pH7(T7)、H2O中、10mMヒスチジン pH7(H7)、またはH2O中、10mMクエン酸塩 pH6(C6)である。1mg/mLの各試料を3つのバイアルへと移す。試料は4℃、25℃、及び40℃に維持される。2週間ごと、トータルで4週間、試料を評価する。試料は濁度及び相分離に関して視覚的に評価される。化合物の安定性は、60℃に加熱されたWaters Symmetry Shield RP18、3.5μm、4.6X100mmカラム(パート番号18600179)上で、3分にわたり10%Bの定組成、3分にわたり30%B、30分にわたり30~60%B、及び2分にわたり95%BのAB(A=0.1% TFA/H2O、B=0.085% TFA/アセトニトリル)勾配を用いて、0.9mL/分の流速で、分析的逆相HPLC(RP-HPLC)により評価される(波長は214nm)。また安定性は、インスリンHMWP、7.8X300mmカラム(パート番号WAT2015549)上で、20mMのリン酸ナトリウム、20%アセトニトリル、pH7.2の泳動緩衝液を用いて、40分間、0.5mL/分の流速で泳動を行うサイズ排除HPLC(SEC-HPLC)により評価される。
【0134】
実施例1に関し、pH7及びpH8で外見上は透明から無色であり、乳白光または粒子は無い。RP-HPLC及びSEC-HPLCの結果を以下の表7にまとめる。回収率はRP-HPLC及びSEC-HPLCにより5%以内であり、許容可能である。
表7
【表7】
【0135】
4℃及び40℃に4週間維持されたT8緩衝液中の試料もまた液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS)により分析される。実施例1に関し、pH8で主要部分の劣化は特定されない。全体として、実施例1の化学的安定性は、検証された緩衝液条件下で、優れた安定性を示している。
【0136】
物理的安定性
実施例1の被験試料は、T7緩衝液中での透析によって調製され、次いで記載されるようにT7m、T7Nm、及びT7Tm中で2mg/mLペプチドで製剤化される。各製剤は清浄なガラスバイアルに移され、テフロン(登録商標)コートされた磁性フリー(magnetic flee)により、室温で6時間、400rpmで攪拌される。評価のために0時、1時間、3時間、及び6時間で100μLの分注物を採取する。試料は従前のように視覚的に、及びSEC-HPLCにより評価される。
【0137】
すべての製剤は透明かつ無色を維持しており、乳白光または沈殿物は生じていない。表8に示されるように、SEC-HPLCの主要ピーク中のペプチドの割合はすべての製剤に関し5%以内に維持されている。データは、検証された条件下で実施例1が優れた物理的安定性を有していることを示す。
表8
【表8】
【0138】
併用実験
GIP-GLP-1共アゴニストまたはGLP-1Rアゴニストとの合剤における活性
安定性試験において、実施例1及び3と、配列番号15のGIP-GLP-1共アゴニストまたはデュラグルチドとの合剤を以下に記載されるように調製し、個々の化合物及び合剤の活性を上述の方法を用いて測定する。データは表9及び表10に示す。(>)という修飾語句は、有効性%が50%に届かず、算出されたEC
50は検証された最も高い濃度を用いて得られていることを示す。
表9
【表9】
表10
【表10】
【0139】
これらのデータは、実施例1及び3の生物活性がストレス条件下及び非ストレス条件下、ならびに/またはGLP-1RアゴニストもしくはGIP-GLP-1共アゴニストとの併用で維持されていることを示す。
【0140】
GLP-1RアゴニストまたはGIP-GLP-1共アゴニストとの併用に関するin vivo試験
本発明のグルカゴン受容体アゴニストと、長期作用型GLP-1RアゴニストまたはGIP-GLP-1共アゴニストとの併用の効果を、C57/BL6食事誘導型肥満(DIO:dietary induced obese)マウスにおいて検証する。GIP-GLP-1共アゴニストは上述の配列番号14の構造を有している。GLP-1RアゴニストはWO2005000892に記載されるGLP-1-Fc融合体である。合剤安定性試験において、合剤は以下に概要されるように調製される。
【0141】
12週間、高脂肪食(60%Kcalが脂肪由来)を与えられた後、C57/BL6 DIO動物は、糖尿病ではないが、インスリン抵抗性、脂質代謝異常、及び肝脂肪変性を示し、それらはすべてメタボリック症候群の特徴である。従って、これら動物での試験を用いて、たとえば体重の減少、体組成、及び肝脂肪変性などのパラメーターに対する候補治療剤(複数含む)の効果を調査し得る。
【0142】
20~21週齢、体重が42~47gであり、当初脂肪量が11.9g~17.2gの範囲にあるオスのDIO C57/Bl6マウスを用いる。動物は自由に餌と水を与えられ、12時間の明/暗サイクル(22:00に点灯)で温度管理された(24℃)施設内で、個々に飼育される。施設への2週間の順応後、マウスは、各群が類似した平均開始体重を有するよう、体重に基づき治療群(n=5匹/群)へと無作為化される。
【0143】
ビヒクル(20mM Tris-HCl緩衝液、pH8.0)、ビヒクルに溶解させた被験化合物(3~10nmol/kgの投与量範囲)、GLP-1Rアゴニスト(10nmol/kg)、GIP-GLP-1共アゴニスト(10nmol/kg)またはそれらの組み合わせ(3~10nmol/kgの投与量範囲)を、不断給餌されているマウスに対し、15日間、3日毎に、暗サイクルが始まる30~90分前にSC注射により投与する。SC注射は1日目、4日目、7日目、10日目、及び13日目に行われる。毎日の体重、食物摂取量及びグルコースを、試験期間を通じて計測する。体重の絶対変化は、最初の分子注射が行われる前の同動物の体重を差し引くことにより算出する。0日目及び14日目に、総脂肪量を、Echo Medical System(Houston社、TX)装置を用いた核磁気共鳴法(NMR)により測定する。
【0144】
毎日の血中グルコースは、尾静脈血液からAccu-Chekグルコメーター(Roche社)を用いて測定する。試験の最後に動物を殺処分し、肝臓を取り出して凍結する。殺処分時に採取された肝臓のホモジネートから測定された肝臓トリグリセリド、及び血漿コレステロールをHitachi ModularP臨床分析機器で測定する。群間の統計比較は、一元配置分散分析(one-way ANOVA)、次いでダネットの多重比較検定を用いて行う。体重減少に対するED50値の低下は、非線形フィットツールを用いたGraphPad Prismにて測定される。
【0145】
上述の通りに行われた試験の体重減少及び脂肪量割合の変化のデータは、以下の表11(実施例1)及び12(実施例1及び2)に提示される。表11の結果は、5匹のマウス/群の平均±SEMとして表されており、表12の結果は、6匹のマウス/群の平均±SEMとして表されている。
【0146】
実施例1及び2と、GLP-1RアゴニストまたはGIP-GLP-1共アゴニストの併用は、実施例1または2、GLP-1RアゴニストまたはGIP-GLP-1共アゴニストの単独の効果と比較し、体重と脂肪量に対し相乗的な効果を有している(表11及び12)。
表11
【表11】
表12
【表12】
【0147】
血中グルコース、血漿コレステロール、及び肝トリグリセリドに対する効果に関するデータは、以下の表13(平均±SEM、n=5)及び14(平均±SEM、n=6)に提示する。個々に投与された実施例1及び2が用量依存性に血中グルコースを増加させた一方で、かかる実施例グルカゴン受容体アゴニストと、GLP-1RアゴニストまたはGIP-GLP-1共アゴニストとのいずれかの併用は、血中グルコース、血漿コレステロール、及び肝グリセリドを低下させる。
表13
【表13】
表14
【表14】
【0148】
GIP-GLP-1共アゴニストとの合剤における安定性
実施例1及び3の試料を調製し、記載されるようにT7へと透析する。両試料を、T7、T7m、T7N及びT7Nm中、1mg/mLペプチドで別々に製剤化する。配列番号15のGIP-GLP-1共アゴニストもまた調製し、実施例グルカゴン受容体アゴニストに対して記載されるようにT7へと透析する。GIP-GLP-1共アゴニストは、T7、T7m、及びT7Nm中、1mg/mLペプチドで製剤化される。1mg/mLの実施例1と1mg/mLのGIP-GLP-1共アゴニストを含む合剤試料、または1mg/mLの実施例3と1mg/mLのGIP-GLP-1共アゴニストを含む合剤試料もまた調製され、T7、T7m、T7N及びT7Nm中で製剤化される。各製剤試料を3つのバイアルに移す。試料は4℃、25℃、及び40℃に維持される。2週間ごと、トータルで4週間、試料を評価する。試料は濁度及び相分離に関して視覚的に評価される。安定性は、単剤製剤で上述されたようにRP-HPLCにより評価される。記載されたRP-HPLC法は、実施例化合物及びGIP-GLP-1共アゴニストの主要ピーク、ならびに3日間、pH9及び40℃で試料にストレスを与えることにより生成されたすべての分解ピークを良く分離させる。
【0149】
RP-HPLCによるすべての試料に対する総ピーク回収率は5%以内である。すべての製剤は透明及び無色を維持しており、乳白光または沈殿は無い。4週後のRP-HPLCにより観察された各主要ピークのペプチド割合の変化を表15に要約する。主要ピーク割合の減少は、すべての検証製剤において、GIP-GLP-1共アゴニストとの合剤と比較し、単剤として製剤化された場合の実施例1に対して有意な変化は無い。GIP-GLP-1共アゴニストは、実施例1または実施例3のいずれかとの合剤に対し、単剤として製剤化された場合の主要ピーク割合において、一定の減少を示している。データは、実施例1及び3が、単剤またはGIP-GLP-1共アゴニストとの合剤として製剤化されたときに許容可能な安定性を有していること、及び実施例1及び3が合剤中でGIP-GLP-1共アゴニストの安定性に有害な影響を与えていないことを示している。
表15
【表15】
【0150】
実施例1、GIP-GLP-1共アゴニスト、及びそれらの組み合わせのT7Nm中で製剤化された試料、ならびに実施例1及びGIP-GLP-1共アゴニストの組み合わせのT7中で製剤化された試料もまた、4週間、4℃及び40℃でインキュベートされ、LC-MSにより評価される。主要部分の分解は特定されていない。実施例1及びGIP-GLP-1共アゴニストの両方に関し、化学的修飾は、合剤と単剤の間に有意差は無い。
【0151】
GLP-1Rアゴニストとの合剤における安定性
T7緩衝液への調製に関し上述されたものと同じ方法を用いて、実施例1及び3が調製され、C6.5(10mMクエン酸塩 pH6.5)へと透析される。化合物は、緩衝液のC6.5、C6.5M(10mMクエン酸塩、46.4mg/mL D-マンニトール、pH 6.5)、C6.5T(10mMクエン酸塩、0.02%ポリソルベート-80、pH6.5)、及びC6.5MT(10mMクエン酸塩、46.4mg/mL D-マンニトール、0.02%ポリソルベート-80、pH6.5)中にて、1mg/mLペプチドで別々に製剤化される。C6.5に溶解させたデュラグルチドの46.5mg/mLのストック溶液を用いて、C6.5及びC6.5MT中、3mg/mLでデュラグルチドを製剤化する。C6.5MTの合剤は3mg/mLのデュラグルチドと1mg/mLの実施例1を有して調製され、または3mg/mLのデュラグルチドと1mg/mLの実施例3を有して調製される。各製剤試料を3つのバイアルに移し、4℃、25℃、及び40℃で維持される。2週間ごと、トータルで4週間、試料を評価する。試料は濁度及び相分離に関して視覚的に評価される。安定性は、上述されたようにRP-HPLC及びSEC-HPLCにより評価される。記載された両HPLC法は、実施例化合物及びデュラグルチドの主要ピーク、ならびに3日間、pH9及び40℃で試料にストレスを与えることにより生成されたすべての分解ピークを良く分離させる。
【0152】
RP-HPLC及びSEC-HPLCの両方によるすべての安定性試料に対する総ピーク回収率は5%以内である。すべての製剤は透明及び無色を維持しており、乳白光または沈殿は無い。4週後にSEC-HPLCにより観察された各主要ピークにおける化合物の割合の変化を表16に要約する。実施例1及び3は多くの場合において安定であり、主要ピークの有意な低下は示していない。実施例1は、単剤と比較し、デュラグルチドとの合剤の場合でも安定性の低下を示していない。実施例3は単剤と比較し、デュラグルチドとの合剤で、若干の安定性の低下を示している。GLP-1Rアゴニストは、単剤と比較し、実施例1または3のいずれかとの合剤の場合において、安定性の低下を示していない。
表16
【表16】
【0153】
RP-HPLCにより観察されるように、安定性の傾向は、SEC-HPLCにより観察された傾向と類似している。4週後にRP-HPLCにより観察された各主要ピークにおける化合物の割合の変化を表17に要約する。実施例1及び3は多くの場合において安定であり、主要ピークの有意な低下は示していない。実施例1は、単剤と比較し、GLP-1Rアゴニストとの合剤の場合でも安定性の低下を示していない。実施例3は単剤と比較し、GLP-1Rアゴニストとの合剤で、若干の安定性の低下を示している。GLP-1Rアゴニストは、単剤と比較し、いずれか実施例との合剤の場合においても、安定性の低下を示していない。
表17
【表17】
また、本発明は以下を提供する。
[1] 式:
YX
1QGTFX
2SDYSKYLDX
3KKAX
4EFVX
5WLLEX
6X
7
式中、
X
1は、Aibであり、
X
2は、Tであり、
X
3は、Aibであり、
X
4は、K側鎖のイプシロンアミノ基への([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)
2-(γGlu)
a-CO-(CH
2)
b-CO
2Hの結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは2であり、bは16であり、
X
5は、Eであり、
X
6は、Tであり、
X
7は、GPSSGAPPPSであり、
及びC末端アミノ酸は、C末端一級アミドとしてアミド化されている(配列番号6)、
を含む、グルカゴン受容体アゴニスト化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
[2] 式:
YX
1QGTFX
2SDYSKYLDX
3KKAX
4EFVX
5WLLEX
6X
7
式中、
X
1は、Aibであり、
X
2は、Tであり、
X
3は、Aibであり、
X
4は、K側鎖のイプシロンアミノ基への([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)
2-(γGlu)
a-CO-(CH
2)
b-CO
2Hの結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは2であり、bは16であり、
X
5は、Eであり、
X
6は、Tであり、
X
7は、GPSSGAPPPSであり、
及びC末端アミノ酸は、C末端一級アミドとしてアミド化されている(配列番号6)
からなるグルカゴン受容体アゴニスト化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
[3] [1]~[2]のいずれか1項に記載のグルカゴン受容体アゴニストの有効量を、その必要のある患者に投与することを含む、T2DM、肥満、脂肪性肝疾患、NASH、脂質代謝異常症、メタボリック症候群、高インスリン血症、及び夜間低血糖からなる群から選択される疾患を治療する方法。
[4] 1つ以上の追加の治療剤の有効量を投与することをさらに含む、[3]に記載の方法。
[5] 前記追加の治療剤がGLP-1Rアゴニストである、[4]に記載の方法。
[6] 前記GLP-1Rアゴニストがデュラグルチドである、[5]に記載の方法。
[7] 前記追加の治療剤がGIP-GLP-1共アゴニストである、[4]に記載の方法。
[8] 前記GIP-GLP-1共アゴニストが配列番号15の構造を有している、[7]に記載の方法。
[9] 治療のための[1]~[2]のいずれか1項に記載のグルカゴン受容体アゴニスト。
[10] T2DM、肥満、脂肪性肝疾患、NAFLD、NASH、脂質代謝異常症、メタボリック症候群、高インスリン血症、または夜間低血糖の治療のための[1]~[2]のいずれか1項に記載のグルカゴン受容体アゴニスト。
[11] T2DM、肥満、NAFLD、NASH、脂質代謝異常症、メタボリック症候群、高インスリン血症、または夜間低血糖の治療のための、GLP-1Rアゴニスト、GIP-GLP-1共アゴニスト、及びインスリン受容体アゴニストからなる群から選択される1つ以上に追加の治療剤と組み合わせた、同時の、別々の、または連続の使用のための[1]~[2]のいずれか1項に記載のグルカゴン受容体アゴニスト。
[12] T2DM、肥満、NAFLD、NASH、脂質代謝異常症、メタボリック症候群、高インスリン血症、または夜間低血糖の治療のための、デュラグルチド組み合わせた、同時の、別々の、または連続の使用のための[1]~[2]のいずれか1項に記載のグルカゴン受容体アゴニスト。
[13] T2DM、肥満、NAFLD、NASH、脂質代謝異常症、メタボリック症候群、高インスリン血症、または夜間低血糖の治療のための、配列番号15の構造を有するGIP-GLP-1共アゴニストと組み合わせた、同時の、別々の、または連続の使用のための[1]~[2]のいずれか1項に記載のグルカゴン受容体アゴニスト。
[14] [1]~[2]のいずれか1項に記載のグルカゴン受容体アゴニストと、医薬的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤とを含む医薬組成物。
[15] 追加の治療剤をさらに含む、[14]に記載の医薬組成物。
[16] 前記追加の治療剤がGLP-1Rアゴニストである、[15]に記載の医薬組成物。
[17] 前記GLP-1Rアゴニストがデュラグルチドである、[16]に記載の医薬組成物。
[18] 前記追加の治療剤がGIP-GLP-1共アゴニストである、[15]に記載の医薬組成物。
[19] 前記GIP-GLP-1共アゴニストが配列番号15の構造を有している、[18]に記載の医薬組成物。
[20] グルカゴン受容体でのグルカゴン受容体アゴニストの活性が、GLP-1受容体での前記グルカゴン受容体アゴニストの能力よりも少なくとも100倍高い、[1]~[2]のいずれか1項に記載のグルカゴン受容体アゴニスト。
[21] [1]~[2]のいずれか1項に記載のグルカゴン受容体アゴニストの有効量の投与を含む、非治療的体重減少を誘導する方法。
【0154】
配列
配列番号1-ヒトグルカゴン
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNT
配列番号2-ヒトGLP-1
HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGR
配列番号3-ヒトOXM
HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNTKRNRNNIA
配列番号4-ヒトGIP
YAEGTFISDYSIAMDKIHQQDFVNWLLAQKGKKNDWKHNITQ
配列番号5-グルカゴン受容体アゴニスト
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7
式中、
X1は、Aibであり、
X2は、TまたはLであり、
X3は、Aibであり、
X4は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは1または2であり、bは14~24であり、
X5は、EまたはAであり、
X6は、TまたはEであり、
X7は、存在しないか、またはGPSSGAPPPS及びGPSSGからなる群から選択されるペプチドであるかのいずれかであり、
及びC末端アミノ酸は、任意選択的にアミド化されている。
配列番号6-グルカゴン受容体アゴニスト
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7
式中、
X1は、Aibであり、
X2は、Tであり、
X3は、Aibであり、
X4は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは2であり、bは16であり、
X5は、Eであり、
X6は、Tであり、
X7は、GPSSGAPPPSであり、
及びC末端アミノ酸は、C末端一級アミドとしてアミド化されている。
配列番号7-グルカゴン受容体アゴニスト
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7
式中、
X1は、Aibであり、
X2は、Tであり、
X3は、Aibであり、
X4は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは2であり、bは18であり、
X5は、Eであり、
X6は、Tであり、
X7は、GPSSGAPPPSであり、
及び式中、C末端アミノ酸は、C末端一級アミドとしてアミド化されている。
配列番号8-グルカゴン受容体アゴニスト
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7
式中、
X1は、Aibであり、
X2は、Lであり、
X3は、Aibであり、
X4は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは2であり、bは16であり、
X5は、Eであり、
X6は、Tであり、及び
X7は、GPSSGAPPPSであり、
ならびに式中、C末端アミノ酸は、C末端一級アミドとしてアミド化されている。
配列番号9-グルカゴン受容体アゴニスト
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7
式中、
X1は、Aibであり、
X2は、Tであり、
X3は、Aibであり、
X4は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは2であり、bは16であり、
X5は、Eであり、
X6は、Tであり、及び
X7は、GPSSGであり、
ならびにC末端アミノ酸は、C末端一級アミドとしてアミド化されている。
配列番号10-グルカゴン受容体アゴニスト
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7
式中、
X1は、Aibであり、
X2は、Tであり、
X3は、Aibであり、
X4は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは2であり、bは18であり、
X5は、Eであり、
X6は、Tであり、及び
X7は、GPSSGであり、
ならびにC末端アミノ酸は、C末端一級アミドとしてアミド化されている。
配列番号11-グルカゴン受容体アゴニスト
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7
式中、
X1は、Aibであり、
X2は、Tであり、
X3は、Aibであり、
X4は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは1であり、bは16であり、
X5は、Aであり、
X6は、Eであり、
X7は、存在せず、及び
C末端アミノ酸は、C末端酸である。
配列番号12-グルカゴン受容体アゴニスト
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7
式中、
X1は、Aibであり、
X2は、Tであり、
X3は、Aibであり、
X4は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは1であり、bは18であり、
X5は、Aであり、
X6は、Eであり、
X7は、存在せず、及び
C末端アミノ酸は、C末端酸である。
配列番号13-GIP-GLP共アゴニスト
YX1EGTFTSDYSIX2LDKIAQX3AX4VQWLIAGGPSSGAPPPS
式中、
X1は、Aibであり、
X2は、Aibであり、
X3は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは1または2であり、bは10~20であり、
X4は、Pheまたは1-ナフチルアラニン(1-Nal)であり、
及びC末端アミノ酸は、任意選択的にアミド化されている。
配列番号14-GIP-GLP共アゴニスト
YX1EGTFTSDYSIX2LDKIAQX3AX4VQWLIAGGPSSGAPPPS、
式中、
X1は、Aibであり、
X2は、Aibであり、
X3は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは2であり、bは18であり、
X4は、1-Nalであり、
及びC末端アミノ酸は、C末端一級アミドとしてアミド化されている。
配列番号15-GIP-GLP共アゴニスト
YX1EGTFTSDYSIX2LDKIAQX3AX4VQWLIAGGPSSGAPPPS
式中、
X1は、Aibであり、
X2は、Aibであり、
X3は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは1であり、bは18であり、
X4は、Pheであり、
及びC末端アミノ酸は、C末端一級アミドとしてアミド化されている。
配列番号16-グルカゴン受容体アゴニスト
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7
式中、
X1は、Aibであり、
X2は、TまたはLであり、
X3は、Aibであり、
X4は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは2であり、bは14~24であり、
X5は、Eであり、
X6は、Tであり、
X7は、GPSSGAPPPS及びGPSSGからなる群から選択されるペプチドであり、
及びC末端アミノ酸は、アミド化されている。
配列番号17-グルカゴン受容体アゴニスト
YX1QGTFX2SDYSKYLDX3KKAX4EFVX5WLLEX6X7
式中、
X1は、Aibであり、
X2は、Tであり、
X3は、Aibであり、
X4は、([2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-アセチル)2-(γGlu)a-CO-(CH2)b-CO2Hを用いたK側鎖のイプシロンアミノ基への結合によって化学的に修飾されているKであり、式中、aは1であり、bは14~24であり、
X5は、Aであり、
X6は、Eであり、及び
X7は、存在しない。
【配列表】