(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】無線電力伝送を介して道路上の電気自動車に電力を供給するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H02J 50/40 20160101AFI20230117BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20230117BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230117BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20230117BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20230117BHJP
B60L 5/00 20060101ALI20230117BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20230117BHJP
B60L 53/12 20190101ALI20230117BHJP
B60L 53/30 20190101ALI20230117BHJP
B60L 53/66 20190101ALI20230117BHJP
B60L 7/14 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J50/80
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
H02J50/12
B60M7/00 X
B60L5/00 B
B60L50/60
B60L53/12
B60L53/30
B60L53/66
B60L7/14
(21)【出願番号】P 2018567289
(86)(22)【出願日】2017-06-29
(86)【国際出願番号】 IL2017050724
(87)【国際公開番号】W WO2018002931
(87)【国際公開日】2018-01-04
【審査請求日】2020-06-25
(32)【優先日】2016-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516195317
【氏名又は名称】エレクトリック ロード リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ルンバク ハナン
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-509290(JP,A)
【文献】国際公開第2015/101986(WO,A1)
【文献】特表2017-515445(JP,A)
【文献】国際公開第2015/160512(WO,A2)
【文献】特開平09-289702(JP,A)
【文献】特開2011-147305(JP,A)
【文献】特表2017-510233(JP,A)
【文献】国際公開第2015/117988(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0246614(US,A1)
【文献】特開2013-243882(JP,A)
【文献】特開2011-160653(JP,A)
【文献】特表2017-521985(JP,A)
【文献】特表2013-501665(JP,A)
【文献】米国特許第06421600(US,B1)
【文献】国際公開第2015/160451(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/40
H02J 50/80
H02J 7/00
H02J 50/12
B60M 7/00
B60L 5/00
B60L 50/60
B60L 53/12
B60L 53/30
B60L 53/66
B60L 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上の車両に無線で電力を供給するためのシステムであって、
指定の周波数で交流電流を出力するように構成された複数のベースステーションと、
道路の表面の下に位置し、それぞれが少なくとも1つのコンデンサに電気的に直列に接続され、スイッチを介して前記ベースステーションの1つに接続された少なくとも1つのコイル対を備える複数の独立に切り替えられた電力送信セグメントを備え、切り替えられた電力送信インダクタンス回路を形成する電力線と、
少なくとも2つのコイルを有する少なくとも1つの電力受信セグメント、および電力受信インダクタンス回路を形成する少なくとも1つのコンデンサを有する少なくとも1つの車両と、
を備え、
前記電力受信セグメントは、通信送信機として動作して電力要求信号を前記電力線に送信するようにさらに構成され、
前記電力線の前記電力送信セグメントのコイルは、前記電力要求信号を受信するように構成され、
前記電力要求信号を受信する
と、前記
複数のベースステーションのうちの一つのベースステーションは、
アクティブなベースステーションとなって、前記電力要求信号に応答して、電力送信および受信インダクタンス回路の共振周波数である指定された周波数の交流電流を前記
複数の電力送信セグメントのうちの対応する電力送信セグメントに供給するようにさらに構成され、
前記
複数のベースステーション
の各々は、前記電力送信セグメントの前記コイルから来るワイヤを包囲または取り囲む電流ループを備えた少なくとも1つのスイッチカー
ドを含み、
前記電力要求信号が前記電流ルー
プによって検出され
ると、
前記アクティブなベースステーションに対応する前記スイッチカードは前記電力要求信号をコントローラに通知し、前記コントローラは、電力供給の利用可能性
の検証および前記少なくとも1つの車両の識別
を行い、
前記スイッチカードが前記コントローラの決定に基づいて前記電力送信セグメントの前記スイッチを接続することにより、前記
アクティブなベースステーションは、前記電力送信セグメントにおいて前記コイルに給電する、
システム。
【請求項2】
前記電力送信セグメントにおける各コイル対の前記コイルは、逆位相で動作する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの車両によって送信される前記電力要求信号は、前記電力送信セグメントの前記コイルと前記電力受信セグメントの前記コイルとの間に少なくとも部分的な重なりがある場合にのみ検出される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記電力要求信号は前記電流ループにおいて交流電流を生成するように構成され、前記検出は位相検出によって実行される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記共振周波数は、約80kHzから100kHzであり、前記電力要求信号は、約400kHzから100kHzの周波数である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの車両は、前記電力受信セグメントの両側に補助電力受信セグメントをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記補助電力受信セグメントは、楕円形または長方形のコイルを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの車両は、電気モータと、前記電力受信インダクタンス回路から電流を受信し、前記電気モータにインピーダンス整合電流を供給するように構成されたインピーダンス整合回路と、をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの車両は、スーパー・コンデンサをさらに含み、前記インピーダンス整合回路は、インピーダンス整合された電流を、前記スーパー・コンデンサを介して前記電気モータに供給する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの車両は、前記電気モータにおける出力電圧が所定の値を超えるのを防止する電圧レギュレータをさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記電圧レギュレータは、所定の値にわたって基準電圧を感知し、前記基準電圧が前記所定の値を下回るまで少なくとも1つのコンデンサを繰り返し放電する回路を備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの車両における前記通信送信機は、通信受信回路として機能する前記電力送信セグメントの逆相コイルにおいて非ゼロ信号を保証するように、すなわち前記逆相コイルにおける電流が相互に相殺しないで連続的に流れることを保証するように、相互排他的に送信する少なくとも2つのコイルを備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの車両は、電力供給信号を生成するようにさらに再構成され、それに応答して、前記少なくとも1つの車両において共振回路は、前記少なくとも1つの車両が電気を生成する場合に、前記電力線の共振回路および前記ベースステーションに電力を送信する、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般に、無線電力伝送のシステムおよび方法に関し、特に、走行中の車両に電力を供給するような方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
関連技術の短い説明の前に、以下で使用される特定の用語の定義を示すことが有用である。
【0003】
用語「無線電力伝送(wireless power transfer)」(WPT)(空中電力としても知られる)は、本明細書では導体を使用せずに、電源から電力グリッドまたは消費装置などの電気機器への電気エネルギーの伝送を指す。無線電力伝送では、電源に接続された無線送信機が介在空間を横切って1つまたは複数の受信機にフィールドエネルギーを伝達し、そこで、フィールドエネルギーが電流に変換されて戻され、次いで使用される。無線伝送は、相互接続ワイヤが不便、危険、または不可能である場合に、電気機器に電力を供給するのに有用である。無線電力技術は、2つのカテゴリー、つまり、非放射型および放射型に分類される。非放射技術では、電力が典型的にはワイヤのコイル間の磁気誘導結合を使用して磁界によって伝達される。この種の用途には、電車やバスなどの電気自動車の誘導給電が含まれる。
【0004】
用語「電力送信機」は、本明細書ではWPTネットワークのインフラストラクチャ側を指す。インダクトリベースのWPTでは、電力送信機は、インダクタンス回路を含む。用語「電力受信機」は、本明細書ではWPTネットワークの車両側を指す。「非軌道車両」という用語は、本明細書では通常の列車および軽量列車とは対照的に、自動車およびバスなどの特定の軌道に沿って移動することに束縛されない道路車両を指す。空中姿勢で非軌道車両に電力を供給することは、多くの挑戦を提起する。非軌道車両は、前進方向に対して横方向に移動力ため、送電側(道路)のインダクタンス回路と受電側(車両)のインダクタンス回路とが重ならなくなる危険性があり、WPT処理が非効率となる。
【0005】
別の挑戦は、道路の直下に配置されたコイルに起因する潜在的な放射危険性に対処することである。さらに別の課題は、負荷が変化するにもかかわらず、ネットワークによって車両に供給される電流を調整することである。電力受信機(車両)における調整されていない電流は、無制限の電流および電力受信機回路の破壊につながることがある。電力受信機(車両)が電力送信機(道路)からエネルギーを要求する効率的ではあるが単純な機構を提供することも重要である。
【発明の概要】
【0006】
本発明のいくつかの実施形態によれば、道路上の車両に無線で電力を供給するためのシステムが本明細書で提供される。前記システムは、道路上の車両に無線で電力を供給するためのシステムであって、指定の周波数で交流電流を出力するように構成された複数のベースステーションと、道路の表面の下に位置し、それぞれが少なくとも1つのコンデンサに電気的に直列に接続され、スイッチを介して前記ベースステーションの1つに接続された少なくとも1つのコイル対を備える複数の独立に切り替えられた電力送信セグメントを備え、切り替えられた電力送信インダクタンス回路を形成する電力線と、少なくとも2つのコイルを有する少なくとも1つの電力受信セグメント、および電力受信インダクタンス回路を形成する少なくとも1つのコンデンサを有する少なくとも1つの車両と、を備え、前記少なくとも1つの車両は、電力要求信号を送信するように構成された通信送信機をさらに含み、前記電力送信セグメントのコイルは、前記電力要求信号を受信するように構成され、前記電力要求信号を受信する前記電力送信セグメントの前記コイルに関連付けられた前記ベースステーションは、前記電力要求信号に応答して、電力送信および受信インダクタンス回路の共振周波数である指定された周波数の交流電流を前記電力送信セグメントに供給するようにさらに構成されてもよい。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記電力送信セグメントにおける各コイル対の前記コイルは、逆位相で動作する。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記車両によって送信される前記電力要求信号は、前記電力送信セグメントの前記コイルと前記電力受信セグメントの前記コイルとの間に少なくとも部分的な重なりがある場合にのみ検出されてもよい。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記電力要求信号が前記ベースステーションに関連付けられたスイッチカードにおける電流ループによって検出され、前記電流ループにおける電流が検出され、前記ベースステーションによる許可を受けると、前記ベースステーションは、前記電力送信セグメントにおいて前記コイルに給電してもよい。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記電力要求信号は、前記電流ループにおいて交流電流を生成するように構成され、前記検出は、位相検出によって実行されてもよい。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記共振周波数は、約80kHzから100kHzであり、前記電力要求信号は、約400kHzから100kHzの周波数であってもよい。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記車両は、前記電力受信セグメントの両側に補助電力受信セグメントをさらに含んでもよい。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記補助電力受信セグメントは、楕円形または長方形のコイルを含んでもよい。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記車両は、電気モータと、前記電力受信インダクタンス回路から前記電流を受信し、前記電気モータにインピーダンス整合電流を供給するように構成されたインピーダンス整合回路と、をさらに含んでもよい。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記車両は、スーパー・コンデンサをさらに含み、前記インピーダンス整合回路は、前記インピーダンス整合された電流を、前記スーパー・コンデンサを介して電気モータに供給してもよい。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記車両は、前記電気モータにおける出力電圧が所定の値を超えるのを防止する電圧レギュレータをさらに含んでもよい。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記電圧レギュレータは、所定の値にわたって基準電圧を感知し、前記基準電圧が前記所定の値を下回るまで少なくとも1つのコンデンサを繰り返し放電する回路を含んでもよい。
【0018】
本発明の実施形態は、添付図面の図において例として示されるが、これに制限されない。図中、同様の参照番号は、対応するか、類似するかまたは同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】
図1Aは、本発明の一部の実施形態による電気自動車に電力を供給するシステムの概略的上面図である。
【
図1B】
図1Bは、本発明の一部の実施形態による電気自動車に電力を供給するシステムの概略的縦断正面図である。
【
図1C】
図1Cは、本発明の一部の実施形態による電気自動車に電力を供給するシステムの概略的縦断正面図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の一部の実施形態による空心トランスの概略的断面図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明の一部の実施形態による空心トランスの概略的断面図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の一部の実施形態による受信機アレイにおける多相受信機ユニットの側面図および下面図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の一部の実施形態による受信機アレイにおける多相受信機ユニットの側面図および下面図である。
【
図4】
図4は、本発明の一部の実施形態による多相送電線の概略的側面図、概略的上面図および概略的下面図である。
【
図5】
図5は、本発明の一部の実施形態による蓄電池システムの概略的縦断面図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の一部の実施形態による6-コイルセクション部分の電気的配置の概略図である。
【
図6B】
図6Bは、本発明の一部の実施形態による3-コイルセクションの電気的配置の概略図である。
【
図6C】
図6Cは、本発明の一部の実施形態による3-コイルセクションの電気的配置の概略図である。
【
図6D】
図6Dは、本発明の一部の実施形態による6-コイルセクションの電気的配置の概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の一部の実施形態による単相受信機および単相蓄電池の概略的下面図であり、本発明の一部の実施形態では受信機および蓄電池を交換してもよい。
【
図8】
図8は、本発明の一部の実施形態による電気自動車50に電力を供給するシステムのより詳細な縦断側面図である。
【
図9A】
図9Aは、本発明の一部の実施形態による受信機のインダクタンスを変えるための回路の概略図である。
【
図9B】
図9Bは、本発明の一部の実施形態による、周知の期間における、周知の時間ウィンドウにおける、変調周波数の周知の範囲の蓄電池変化の周波数を示すグラフである。
【
図10】
図10は、本発明の一部の実施形態による道路上の車両に電力を供給する方法の概略的フローチャートである。
【
図11】
図11は、本発明の一部の実施形態による道路上の車両に電力を供給する方法の概略的フローチャートである。
【
図12A】
図12Aは、本発明の一部の実施形態による送電線セグメントの上面図である。
【
図12B】
図12Bは、本発明の一部の実施形態による送電線セグメントの上面図である。
【
図12C】
図12Cは、本発明の一部の実施形態による送電線セグメントの上面図である。
【
図12D】
図12Dは、本発明の一部の実施形態による送電線セグメントの上面図である。
【
図13A】
図13Aは、本発明の一部の実施形態による車両の下の受信機アレイの概略図である。
【
図13B】
図13Bは、本発明の一部の実施形態による車両の下の受信機アレイの概略図である。
【
図14】
図14は、本発明の一部の実施形態による受信機アレイから集まるエネルギーのための受信機回路の概略図である。
【
図15A】
図15Aは、本発明の一部の実施形態による送電線の機械的設置および構造の概略図である。
【
図15B】
図15Bは、本発明の一部の実施形態による送電線の機械的設置および構造の概略図である。
【
図15C】
図15Cは、本発明の一部の実施形態による送電線の機械的設置および構造の概略図である。
【
図15D】
図15Dは、本発明の一部の実施形態による送電線の機械的設置および構造の概略図である。
【
図15E】
図15Eは、本発明の一部の実施形態による送電線の機械的設置および構造の概略図である。
【
図15F】
図15Fは、本発明の一部の実施形態による送電線の機械的設置および構造の概略図である。
【
図16A】
図16Aは、本発明の一部の実施形態による送電線の上に受信機アレイの行が位置する蓄電池コイルと受信機コイルとの間のエネルギー伝送の依存度の概略図である。
【
図16B】
図16Bは、本発明の一部の実施形態による送電線の上に受信機アレイの行が位置する蓄電池コイルと受信機コイルとの間のエネルギー伝送の依存度の概略図である。
【
図16C】
図16Cは、本発明の一部の実施形態による送電線の上に受信機アレイの行が位置する蓄電池コイルと受信機コイルとの間のエネルギー伝送の依存度の概略図である。
【
図16D】
図16Dは、本発明の一部の実施形態による送電線の上に受信機アレイの行が位置する蓄電池コイルと受信機コイルとの間のエネルギー伝送の依存度の概略図である。
【
図17】
図17は、本発明の一部の実施形態による送電線を放射リークに対して妨げる付加的な解決策の概略図である。
【
図18】
図18は、本発明の一部の実施形態による送電線および受信機アレイを放射リークに対して妨げる付加的な解決策の概略図である。
【
図19A】
図19Aは、本発明の一部の実施形態による送電線のセクションにおける送電線セグメントの概略図である。
【
図19B】
図19Bは、本発明の一部の実施形態による送電線の部分における送電線セグメントの概略図である。
【
図20】
図20は、本発明の一部の実施形態によるシステムの概略ブロック図である。
【
図21】
図21は、本発明の一部の実施形態によるコイルに関する一部の態様を示す図である。
【
図22】
図22は、本発明の一部の実施形態によるコイルに関する別の態様を示す図である。
【
図23】
図23は、本発明の一部の実施形態によるコイルに関するさらに別の態様を示す図である。
【
図24】
図24は、本発明の一部の実施形態によるベースステーションに関する態様を示す図である。
【
図25】
図25は、本発明の一部の実施形態によるスイッチに関する別の態様を示す図である。
【
図26】
図26は、本発明の一部の実施形態による受信機に関する別の態様を示す回路図である。
【
図27】
図27は、本発明の一部の実施形態による受信機に関する別の態様を示す回路図である。
【
図28】
図28は、本発明の一部の実施形態による受信機に関する別の態様を示す回路図である。
【
図29】
図29は、本発明の一部の実施形態による受信機に関する態様を示す波形図である。
【
図30】
図30は、本発明の一部の実施形態による受信機に関する別の態様を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
説明の単純性および明快さのために、図に示される要素が正確にまたは一定の比率で必ずしも引かれたわけではないことは、いうまでもない。例えば、要素のいくつかの寸法は、明確にするために他の要素と関連して誇張されてよい。または、いくつかの物理的構成要素は、1つの機能ブロックまたは要素に含まれてよい。さらに、適切であるとみなされる所で、参照番号は、対応するかまたは類似する要素を示すために図の中で繰り返されてよい。
【0021】
以下の詳細な説明において、多数の具体的な詳細は、本発明の完全な理解を提供するために記載される。しかしながら、本発明がこれらの具体的な詳細なしで実施されることができることは、当業者によってよく理解される。他の例、周知の方法、手順、およびコンポーネント、モジュール、ユニットおよび/または回路は、本発明を不明瞭にしないように詳述しなかった。
【0022】
本発明の一部の実施形態による、道路上の電気自動車を充電するためのシステムおよび方法は、道路上を走行しながら車両に電力を供給することを可能にしてよい。道路の特定のセクションは、充電を誘導するインフラを含んでよい。そしてそれは、そこを走行している車両に電力を供給してよい。このように、この種のインフラを含んでいない他の道路セクションの移動用に、車両の充電可能なバッテリは、使用されてよい。例えば、車両の充電可能なバッテリ(他の道路セクションにおいて移動するために使用されてよい)の寸法は、減少してよい、および/または、より長い移動は、可能であってよい。充電を誘導するインフラを含む道路セクションでは、少なくとも電源の態様から、移動の範囲は、実質的に無制限である。
【0023】
ここで、
図1A、
図1Bおよび
図1Cが参照される。そしてそれは、本発明の一部の実施形態による電気自動車に電力を供給するシステム100の、それぞれ、概略的上面図、概略的縦断正面図および概略的縦断正面図を示す。システム100は、少なくとも1つの蓄電池システム300(
図5に関してさらに詳細に記載される)を含む。そしてそのうちの2つが
図1Aに示される。システム300は、誘導的なストライプまたは送電線20を含む。そしてそれは、
図1Bに示すように、道路30上に配置されてよいか、または道路30に掘られた堀割32の内側にあってよい。
図2Aに示すように、誘導的なストライプまたは送電線20は、空心トランス200の一次巻線を含んでよくておよび/または空心トランス200の一次巻線として実行してよい。そして、トランス200の二次巻線は、車両50の車両下部52に設置される受信機アレイ10でよい。受信機アレイ10は、道路30上の車両50の走行方向におよび/または送電線20の長手方向軸線に垂直な軸線Aに沿って、左右に移動してよい。
【0024】
軸線Aに沿った受信機アレイ10の中心から同じ距離で、2つのトラッキングコイル13は、受信機アレイ10の両側に設置されてよい。トラッキングコイル13による受信機アレイ10の位置決めは、本明細書に記載された閉ループ制御法によって実行されてよい。送電線20から電力を効率的に受け取るために、軸線Aに沿った受信機アレイ10の中心(すなわち軸線Aに沿ったコイル17(
図3Aに示される)の中心)は、蓄送電線20の中心の上方(すなわち軸線Aに沿ったコイル27(
図3Aに示される)の中心の上方)に配置されなければならない。したがって、受信機アレイ10が効率的なエネルギー伝送のための送電線20の上方の所望の位置にあるときに、受信機アレイ10の両側の2つのトラッキングコイル13は、軸線Aに沿って送電線20の中心から同じ距離に位置しなければならない。ガイド信号または電力信号が蓄電池コイル27を介して送られる一方で、本明細書において詳細に説明するように、電圧値は、トラッキングコイル13の出口で測定されてよい。受信機アレイ10およびトラッキングコイル13が送電線20の上方の望ましい位置からシフトオフされるときに、異なる平均エネルギー値は、トラッキングコイル13の出口で測定されてよい。送電線20の上方の望ましい位置からのシフトがより小さいほど、2つのトラッキングコイル13の平均エネルギー値間の違いは、より小さくてよい。そして、受信機アレイ10およびトラッキングコイル13が所望の位置に置かれるときに、2つのトラッキングコイル13の平均エネルギー値は、実質的に同一でよい。
【0025】
いくらかの他の実施形態では、
図1Cに示すように、受信機アレイ10は、いくつかの受信機アレイ10aを含んでよい。そしてそれは、送電線20から電力を受け取るために受信機を動かす必要を除去してよい。システム100は、一般の電力網から電力を受け取ることができて、それぞれの道路セクションにおける送電線20によって必要とされる電力を提供することができる発電機またはコンバータ22をさらに含んでよい。車線数、交通負荷、道路の峻度および/または、車両50のおよび/またはコンバータ22の電力消費量に影響を及ぼすことができる他の任意のパラメータに応じて、1つの発電機またはコンバータ22は、数十メートル間隔から数百メートル間隔で特定の道路セクションに割り当てられてよい。
【0026】
本発明の一部の実施形態によれば、送電線20は、多相電力システムを含んでよい。そしてそれは、1つ以上の相によって動作してよい。本説明において、多相電力は、1つ以上の任意の数の相を含んでよく、いくらかの実施形態では、単相電力を参照してもよいことは、いうまでもない。したがって、本明細書に記載されたいかなる多相システムまたは要素も、1つ以上の任意の数の相のシステムまたは要素であってよく、またはそれを含んでよい。
【0027】
本明細書において下でさらに詳細に示されるように、送電線20は、蓄電池ユニットのアレイを含んでよい。そして、各ユニットは、相数にしたがって蓄電池ロード(例えば蓄電池コイル)の多くのセットを含んでよい。そして、コイルの各セットは、異なる相シフトにおいてAC電力を受け取る。したがって、対応する多数の導体グループ24を経てコンバータ22から多相AC電力を受け取るために、多相送電線20は、相数にしたがって多くの導体グループ24を含んでよい。
【0028】
ここで、
図2Aおよび
図2Bが参照される。そしてそれは、本発明の一部実施形態による空心トランス200および200aの概略的断面図である。送電線20および受信機アレイ10が示される。
図2Aに示すように、受信機アレイ10は、例えばトラッキングコイル13で測定される信号にしたがって送電線20の上方の所望の位置に置かれるために、道路30上の車両50の走行方向におよび/または送電線20の長手方向軸線に垂直な軸線Aに沿って、左右に移動してよい。
図2Bに示すように、受信機アレイ10は、空心トランス200aにいくつかの受信機アレイ10aを含んでよい。そしてそれは、送電線20から電力を受け取るために受信機を動かす必要を除去してよい。車両50の幅に沿った受信機の数は、車両の幅に依存する。
【0029】
下で詳述するように、受信機アレイ10または受信機アレイ10aの各々は、受信機ユニット(例えば組み立てられる受信機コイル)のアレイを構成してよい。そしてそれは、対応する蓄電池コイルから電力を受け取ってよい。作業領域の(例えば各コイルの、受信機アレイ10の、または、受信機アレイ10aの各々の)幅は、送電線20の幅(例えば蓄電池コイルの幅)と同様でなければならない。
【0030】
空気の中間のすきま(すなわち送電線20と受信機アレイ10との間の空心210)のサイズは、エネルギーを転送するトランス200の能力に影響を及ぼしてよい。送電線20と受信機アレイ10との間の距離dがより少ないほど、エネルギーロスは、より小さくてよい。距離dは、移動の間、周知の範囲の中で変化してよい(例えば、はね上がりおよび/または道路の質にしたがって)。そしてそれは、軸Zに沿って受信機アレイ10の動きに影響を及ぼしてよい。いくらかの例示的実施形態では、送電線20と受信機アレイ10との間の距離dは、最大約20cmあってよい。そして、受信機アレイ10の(例えば受信機コイルの)幅は、最大約40cmあってよい。車体の磁気特性を中和するために、トランス200は、受信機アレイ10または受信機アレイ10aと車両下側52との間に1つまたは複数の絶縁体プレート12を含んでよい。
【0031】
トランス200の電力ロスは、例えば受信機および蓄電池コイルの導体の抵抗によって、そして、送電線20と受信機アレイ10との間の距離(それは、とりわけ、道路条件に依存してよい)によって、生じてよい。コイルの抵抗は、適切なリッツ線を用いることにより減少してよい。送電線20と受信機アレイ10との間の距離によって生じるロスは、コイル幅がより大きいほど、より小さくてよい。
【0032】
加えて、近接効果は、受信機および蓄電池コイルにおいて作られてよい。コイルのワイヤ間の近接は、特に高周波で、ワイヤの電流に耐えることができる相互の渦電流を引き起こす場合がある。本発明の実施形態は、1つの層でできている螺旋リッツコイルを含んでよい。そして、近接するワイヤ間に低い相互作用を可能にして、したがって、近接効果を減らしておよび/またはコイルに高品質係数を提供する。
【0033】
受信機コイルが蓄電池コイルの上方に位置して、したがってトランスを作るときに、例えば、エネルギーの転送は、提供されてよい。送電線20の上方の受信機アレイ10または受信機アレイ10aの位置決めは、閉ループ制御によって自動的に実行されてよい。
【0034】
ここで、
図3Aおよび
図3Bが参照される。そしてそれは、本発明の一部実施形態によるそれぞれ受信機10または受信機アレイ10aにおける多相受信機ユニット15の側面図および下面図である。受信機ユニット15のセルまたはコイル17の数は、車両によって必要とされる電力に依存する。本発明の典型的な実施形態に含まれるように、多相受信機15は、システムが動作する相数、またはこの数の任意の他の倍数に対応する少なくともかなりのコイル17を含んでよい。
図1C、
図2Bおよび
図3Bで示す配置では、受信機アレイ10aの数は、車両の構造および幅に依存する。
【0035】
ここで、
図4が参照される。そしてそれは、本発明の一部の実施形態による多相送電線20の概略的側面図、概略的上面図および概略的下面図である。送電線20は、20~30メートルのセグメントで形成されてよい。各セグメントは、約1メートルの2~3のセクション25を構成してよい。各セクション25は、対応する多相発電機(例えば発電機22)によって別々に電力を供給されてよい。各セクション25は、相数またはこの数の他の倍数にしたがって、多くの蓄電池ロード(例えば蓄電池コイル27)を含んでよい。例えば、三相送電線20は、対応する三相発電機(例えば発電機22)によって電力を供給されてよい。したがって、各セクション25は、3つの蓄電池ロード(例えば蓄電池コイル27)、または3の他の倍数(例えば6つの蓄電池ロード)を含んでよい。
図4~
図7の実施形態では、三相構成が示される。但し、本発明は、その態様に制限されない。
図4~
図7に示した実施形態は、他のいかなる相数の電源によっても動作してよい。したがって、説明が三相電源に対応する3つの要素または3つの要素の倍数に言及するときはいつでも、それは、システムが動作する相数、またはこの数の倍数にしたがう別の数のシステム要素と置き換えられてよい。
【0036】
図4に示すように、コイル27は、互いに少なくとも部分的な重なりあって組み立てられて、および/または三角形接続によって接続される。各セクションにおけるコイル27の巻上げの方向は、同じでよく、したがって、磁界は、各セクション25に沿って同じ相を有してよい。コイル27は、各グループのコイルが同じ相シフトを有するAC電源を受ける、コイルの3つのグループを含んでよく、そして、互いに平行に接続されてよい。各グループは、発電機22から異なる相シフトを有するAC電源を受けてよい。電力は、コイルの3つのグループ(または、相数に対応する別の数のグループ)に対応する、導体24a、24bおよび24cの3つのグループ(導体の各グループは、発電機22からの異なる相シフトを有するAC電源を導通している)を介して受け取られてよい。その結果、コイルの3つ(または別の数)のグループの各々は、特定の相シフトを有する電力を伝送している導体の3つのグループのうちの別のものから電力を受け取る。各セクション25は、コイルの各グループのうちの1つのコイルを含んでよい。その結果、各セクション25は、本実施形態の三相負荷を構成する。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、三相構成において、各セクション25は、例えば全3つのコイル27において同じ電流方向を有する3つのコイルを含んでよい。そしてそれは、互いに部分的な重なりによって配置されてよい。この種の3-コイルセクションの電気的配置の概略図は、
図6Aに示される。
【0038】
本発明のさらなる実施形態によれば、三相構成において、各セクション25は、例えば交流方向を有する6つのコイル27を含んでよい。6つのコイルは、例えば各コイル27が次のコイル27の半分に重なるように配置されてよい。この配置における2つの重なり合うコイル27は、反対の電流方向を有してよい。この配置は、より高価でもよい。しかしながら、それは、より多くの磁束およびより均一で強い電力を提供してよい。両方の実施形態では、コイル27間の重なり体制(例えば位置決めおよび重なりの量)、および受信機コイル17間の重なり体制は、実質的に同一である。この種の6-コイルセクション27の電気的配置の概略図は、
図6Bに示される。
【0039】
ここで、
図5が参照される。そしてそれは、本発明の一部の実施形態による蓄電池システム300の概略的縦断面図である。蓄電池システム300は、道路30に埋め込まれる送電線20を含んでよい。送電線20は、道路30の堀割32の中に配置されてよい。送電線20は、3つのグループの導体24a、24bおよび24cおよびもう一方の上に少なくとも部分的な重なって配置されるコイル27を含んでよい。堀割32の中で、蓄電池システム300は、例えば、送電線20がコイル27の上部だけを介して電力を伝送することを可能にするために、例えばコイル27の上部以外のすべての側面から送電線20を絶縁するために絶縁体キャスティング29を含んでよい。送電線20の上に石またはアスファルトの層33を張り付けるために、蓄電池システム300は、例えば、接着材層26をさらに含んでよい。
【0040】
ここで、
図6A、
図6B、
図6Cおよび
図6Dを参照する。
図6Aおよび6Bは、それぞれ、3-コイルセクション25のおよび6-コイルセクション225の電気的配置400aおよび400bの概略図である。
図6Cおよび6Dは、それぞれ、3-コイルセクション25のおよび6-コイルセクション225の平面図である。電気的配置400aおよび400bの各々は、発電機22を含んでよい。そしてそれは、三相インバータ21を含んでよい。そしてそれは、例えば、一般の電力網から受け取る単相交流電力を、各々異なる相シフトを有する三相電力に(例えば3つのエネルギー伝送に)インバートさせてよい。あるいは、発電機22は、三相中心電力網から電力を受け取ってよい。加えて、発電機22は、導体24a、24bおよび24cの3つのグループに三相電力を送ることができるアダプタ23を含んでよい。その結果、導体の各グループは、異なる相シフトを有する電力を導通する。
図6Aにおいて、各セクション25における3つのコイル27は、
図6Cに示すように、同じ電流方向を有してよい。
図6Bにおいて、セクション25aにおける3つのコイル27は、同じ電流方向を有してよい。その一方で、
図6Dに示すように、セクション25aにおける電流方向の反対側に、セクション25bにおける3つのコイル27は、同じ電流方向を有してよい。セクション25aまたは25bの各々の3つのコイル27は、三角形接続によって接続されて、導体24a、24bおよび24cの3つのグループを介して三相電力を受け取る。
【0041】
本発明のいくらかの実施形態において、単相の構成は、使用されてよい。ここで、
図7が参照される。そしてそれは、本発明の実施形態による単相受信機アレイ10および単相送電線20の概略的下面図である。そしてそれは、本明細書に記載される本発明のいくらかの実施形態では受信機アレイ10および送電線20を交換してもよい。単相受信機アレイ10aは、各々が単独で受信機ユニット15を構成する1つ以上の単一の受信機コイル17aを含んでよい。送電線20は、本明細書に記載された本発明のいくらかの実施形態では蓄電池セクション25を置き換えることができる単相蓄電池セクション255を含んでよい。その各々は、多くの蓄電池コイル(例えば
図7に示す3つのコイル)を含んでよい。単一の受信機コイル17の幅は、全ての蓄電池セクション25の幅に一致してよい。各蓄電池セクション25は、平行に接続される多くの蓄電池コイルを含んでよく、2つの出口導体を有してよい。この配置は、受信機コストを減らすことができる。加えて、大型の受信機コイル17aのせいで、電力受け取りは、軸線Aに沿っておよび軸線Zに沿って受信機アレイ10の位置決めに対してより影響されなくてよい。
【0042】
ここで、
図8が参照される。そしてそれは、本発明の一部の実施形態による電気自動車50に電力を供給するシステム100のより詳細な縦断側面図である。システム100は、道路30上にまたはその内部に、セクション25を含む送電線20を含んでよい。システム100は、発電機22、調整コンデンサ84、通信ユニット82、三相電源装置90、および本明細書に詳細に説明したような導体24a、24bおよび24cの3つのグループをさらに含んでよい。システム100は、車両50に設置された、少なくとも2つのトラッキングコイル13、少なくとも1つの三相受信機15、加速度計19および通信コイル18を含む受信機アレイ10をさらに含んでよい。加えて、システム100は、車両50に設置された、調整コンデンサ64、通信ユニット62、ダイオードブリッジ66、スーパー・コンデンサ68、蓄電池70およびエンジン/インバータ72を含んでよい。加速度計19は、軸線Zに沿って受信機アレイ10の動きを検出してよい。
【0043】
受信機アレイ10によって受け取られる電力は、DC電力に変換されてよく、いくらかのエネルギーを格納することができる蓄電池70に、そして車両に電力を供給することができるエンジン/インバータ72に伝送されてよい。例えば、充分なおよび/または利用可能な蓄電池インフラが道路にないときに、または、車両が車線から逸脱するときに、車両50の蓄電池70は、バックアップ・エネルギー源として使用されてよい。いくつかの実施形態では、道路の送電線20によって提供される電力は、登り道路上の走行にとって十分でないかもしれない。そして、必要な追加のエネルギーは、蓄電池70によって提供されてよい。
【0044】
スーパー・コンデンサ68は、比較的短時間に有意なエネルギー量の集約を可能にしてよい。車両がその速度を減少させるときに、スーパー・コンデンサ68は、電力を集約してよい。例えば、スーパー・コンデンサ68は、100KM/hの速度からの車両50の急ブレーキの間、開放される全エネルギーを集約してよい。スーパー・コンデンサ68は、車両50のブレーキングの間に集約されるエネルギーを保存してよい。スーパー・コンデンサ68に保存されたエネルギーは、例えば、補助エネルギーが必要とされるときに、状況において利用されてよい。例えば、スーパー・コンデンサ68に保存されたエネルギーは、車両50の加速のために利用されてよい。例えば、送電線20上の他の車両に電力を供給するために、道路照明に電力を供給するために、および/またはいかなる適切な使用のためにも、本発明のいくらかの実施形態では、余剰エネルギーは、受信機アレイ10を介して送電線20に、次いで一般の電気系統または発電機22に戻されてよい。
【0045】
送電線20に対する受信機アレイ10の(例えば走行方向に対して垂直な軸線Aの)位置決めを可能にするために、発電機22は、送電線20を介してガイド信号を提供してよくおよび/または送信してよい。ガイド信号の生成または伝送は、発電機22の完全な開始および/または発電機22による電力の完全な伝送の前に実行されてよい。例えば、低消費電力の指定された発電機は、バックグラウンドで常に動作してよく、そして、対応するセクション25を介して、信号を送っている発電機22と同期して、ガイド信号を送ってよい。別の実施形態では、発電機22は、例えば蓄電池コイルの上方に受信機が検出されないときに、発電機22の動作モードを完全伝送モードからガイド信号モードに変えることができて、例えば受信機アレイ10が蓄電池コイルの上方に検出されるときに、ガイド信号モードから完全伝送モードに変えることができるスイッチ86を含んでよい。例えば、受信機アレイ10に対する完全な電力伝送の開始の前に、発電機22からの電流は、リアクティブ成分(例えば、コイル27のインダクタンスの少なくとも10倍を有するコイル、または送電線20の共振周波数を回避するために十分小型のコンデンサ)を介して、セクション25に提供されてよい。必要なときに、例えば受信機アレイ10が適切に位置して、本発明の実施形態による電力を受信することができるときに、ACスイッチ86は、リアクティブ成分を短絡させてよい。その結果、発電機22からの電力は、セクション25に送られてよく、リアクティブ成分のインピーダンスなしに受信機アレイ10に誘導されてよい。発電機22の完全な開始および/または発電機22による完全な電力伝送は、受信機アレイ10の最初の位置決めのために送信される本明細書に記載された低電力ガイド信号と対照的に、発電機22が、車両50の電力供給のための電力を伝送することを意味する。
【0046】
ガイド信号は2つ以上のトラッキングコイル13を介して受け取られてよい。そしてそれは、受信機アレイ10の両側に位置してよい。ガイド信号は、対応する送電線27を介してトラッキングコイル13によって受信されてよく、本発明の一部の実施形態による送電線20の上方の受信機アレイ10の位置決めのために使われてよい。一旦受信機アレイ10が十分に正確な方法で蓄電池アレイ20の上方に配置されると、識別信号は、例えば通信コイル18を介して、通信ユニット82に送られてよい。
【0047】
本明細書において詳細にて説明したように、例えば、平均エネルギー値が2つのトラッキングコイル13で同じであるときに、すなわち受信機アレイ10が効率的な電力伝送のための送電線20の上方の所望の位置に配置されるときに、通信ユニット62は、電力伝送を初期化するために通信コイル18を介して識別信号を送電線20に送信してよい。
【0048】
通信コイル18は、車両の走行方向Bにおいて受信機アレイ10の先頭に位置してよい。通信コイル18は、発電機22とのおよび/またはシステム100のオペレータとの通信を可能にしてよい。例えば、識別は、車両、加入者のデビットおよび発電機の開始の識別のために必要とされてよい。
【0049】
通信コイル18は、
図8に示すように走行方向Bにおいて受信機アレイ10の先頭に接続されてよい。通信コイル18は、例えば、2つの巻上げを有してよい。通信コイル18は、約1~10MHzの変調周波数によって動作してよい。識別信号は、通信コイル18を介して通信ユニット62により伝送されてよく、蓄電池コイル27に誘導されてよく、発電機22の通信ユニット82により受信されてよく、さらに信号処理に送信されてよい。通信コイル18からの識別信号が識別される場合には、関連したセクション25は、動作されてよく、例えば上記の通りの対応するACスイッチ86によって対応するセクション15の上方に位置する動作セクション25になってよく、セクション15までインダクタンスによって電力を伝送してよい。セクション15がセクション25の上方にあり、蓄電池コイル27および受信機コイル17のトランス200が形成されるときに、これは、起こってよい。加えて、隣接するセクション25(例えば車両50の走行方向Bにおける次のセクション25)は、セクション15が次のセクション25の上方位置に到達するとき受信機アレイ10に電力を伝送しやすいために動作されてよい。したがって、一旦通信コイル18からの識別信号が識別されると、2つのセクション25は動作される。車両50が方向Bにおいて進行するにつれて、一旦受信機セクション15の認識がセクション25の上方にないと、例えばガイド信号を除いて、セクション25は、全電力の受信および/または誘導を中止してよい。例えば、この中止は、上記の通りに対応するACスイッチ86によって実行されてよい。そしてそれは、短絡を開いてよく、したがって、発電機22からの低消費電力ガイド信号だけがリアクティブ成分を経てセクション25に発信されてよい。受信機セクション15がセクション25の上方であるかどうかの認識は、セクション25による電流の点検によって実行されてよい。そしてそれは、受信機アレイ10に電力を誘導するときに、そしてしないときに、概して異なる形を有する。一旦セクション15が次のセクション25によって識別されると、次のセクション25は、動作セクションになり、そして走行方向において動作セクション25の後のセクション25は、記述の通りに開始されてもよい。
【0050】
受信機アレイ10と送電線20との間の空心210が比較的大きいとき、例えば、送電線20と受信機アレイ10との間の距離dが幅の4分の1よりも大きいときに、電力ロスは高くてよい。高い電力ロスを克服して、電力伝送をより効率的にするために、受信機アレイ10は、例えば、発電機22により規定される周波数に続く共振において動作してよい。電力伝送の効率を向上するために、送電線20は、サブ共振において動作してよい。例えば、コンデンサ84は、セクション25に直列に接続されてよい。そしてそれは、受信機アレイ10の同じ共振周波数を有するために必要であるよりも大きな容量を有してよい。したがって、例えば、送電線20の共振周波数は、受信機アレイ10の共振周波数の例えば80パーセントよりも小さくてよい。コイルの磁界は、電流の強さに、そして巻き数に比例して発達する。十分に強い磁界をつくるために、コイルのインダクタンスは、巻き数を増加させることによって増加してよい。そしてそれは、電圧の増加を必要としてよい。加えて、これは、非常に細いコイルワイヤを必要としてよい。その一方で、絶縁は厚くなければならないかもしれない。あるいは、十分に強い磁界をつくるために、電流は、コイルワイヤの幅を増加させることによって増加してよい。しかしながら、高電流によって動作は、システムのコストを上昇させることができる厚い導体を必要としてよい。例えば送電線20および/または受信機アレイ10に対して直列の適切なコンデンサの追加によって、トランス200の共振において動作することは、非常に高い強度の電流を引き起こしてよく、したがって、磁界は、同様に劇的に増加してよい。その一方で、システムは、コントロールすることが不安定になり難しくなってよい。しかしながら、送電線20のサブ共振状態において動作することは、効率を上昇させる一方で、電流および磁界を増加させてよい。したがって、適切なコンデンサ84は、システムを安定に保つために挿入されなければならない。
【0051】
受信機アレイ10と送電線20との間の距離は、移動の間、変化してよい。そしてそれは、空気トランス200の相互の結合係数の変化に影響を及ぼしてよい。結合係数の変化は、共振周波数に影響を及ぼしてよい。したがって、受信機アレイ10と送電線20との間のより小さい距離dは、例えば受信機アレイ10の動作共振周波数に対するトランス200の共振周波数を増加させてよく、そして、より大きい距離dは、トランス200の共振周波数を減少させてよい。送電線20に対する受信機アレイ10の水平方向の動きは、例えば受信機アレイ10の動作共振周波数に対するトランス200の共振周波数を減少させてもよい。受信機アレイ10の動作共振周波数に対するトランス200の共振周波数のこれらの変化は、トランス200を介しての電力伝送を減少させてよい。
【0052】
本発明の一部の実施形態は、共振周波数の変化に起因する電力伝送の減少を防止しておよび/または緩和するために道路条件を変えるための解決策を提供する。電力伝送を最大にするために、受信機アレイ10のインダクタンスは、
図9Aに示される調整回路500によって変えられてよい。トランスK4は、受信機アレイ10のコイル17に、最大1パーセントのインダクタンスを追加してよい。インダクタンスの追加は、受信機コイル17の共振周波数を減少させてよい。スイッチM3~M7は、インダクタを接続してよくまたは分離してよい。したがって、トランスK4のインダクタンスへのまたはからのインダクタンス値を加算するかまたは減算する。したがって、トランス200の共振周波数および/または送電線20の周波数にかなうために、コイル17の共振周波数は、制御されてよくおよび/または調整されてよい。
【0053】
加えて、受信機アレイ10は、移動の間のリアルタイムに、高さ、例えば上下移動、例えば(軸線Zに沿って)地面に向かう動きにおける変化を検出することができる加速度計19(
図8に示される)を含んでよい。上記の2つのトラッキングコイル13は、受信機のリアルタイムシフト(例えば送電線20に対する受信機アレイ10の水平方向の動き)を検出してよい。この種の動きが検出されるときに、コイル17の共振周波数は、本明細書に記載される回路500によって制御されてよく、較正されてよくおよび/または調整されてよい。
【0054】
本発明のいくらかの実施形態では、コイル17の共振周波数の較正は、送電線20の周波数によって実行されてよい。周知の期間において、周知の時間ウィンドウにおいて、送電線20の周波数は、変調周波数の周知の範囲において変えられてよい。例えば、
図9Bに示すように、蓄電池周波数は、100kHzから101kHzまで、101kHzから99kHzまで、および99kHzから100kHzまで、1msの時間ウィンドウにおいて、あらゆる100msを変えてよい。1msのこの時間ウィンドウの間、受信機アレイ10は、受信機アレイ10の動作共振周波数と最適周波数との違いにしたがって、上記の通りの回路500による加算/減算インダクタンスによって、最大電力伝送に結果としてなる最適周波数に較正されてよい。この較正は、1msの次のウィンドウまで保持してよい。
【0055】
各発電機22は、20~30メートルの、例えば最大約百メートルの道路の特定のセグメントを占めてよい。この種のセグメントは、例えば、各々の長さが約1メートルでもよい何十ものセクション25を含んでよい。各発電機22は、例えば双方向の4車線道路セグメントのために、少なくとも100KWを生成することを必要としてよい。そこでは、約10台の車両が所与の瞬間に約l00km/hで走行していて、各車両が約10KWを必要とする。発電機は、約400KHz以下の矩形波または湾曲波、および約l000v以下の交流電圧を提供してよい。
【0056】
ブレーキング車両(すなわちその速度を減少させる車両)は、発電機として動作してよく、例えばそれ自身の蓄電池70が満杯である場合、電力を送電線20に提供してよい。車両50がその速度を減少させるときに、過剰な電力は、蓄電池コイル27に提供されてよい。これは、効率的な配置でよい。そして、道路を下り走行している車両は、道路を上り走行している車両に電力を提供してよく、したがって、発電機22から消費される全電力は、減少してよい。道路なしにトランスを構成することができる、その上方に受信機セクション15のない蓄電池セクション25は、予備のロスおよびガイド信号を除いて、エネルギーを実質的に消費しなくてよい。加えて、安全性の理由で、蓄電池セクション25は、動作されてよく、例えば、対応する受信機セクション15がそれを通じて位置するときだけ、発電機22から全出力を受信する。受信機コイル17が対応する蓄電池コイル27の上方にあるときに、共振が生じた場合、高く強い電流および強磁界は発達してよい。しかしながら、これらの磁界は、動作セクション25から約20cmの距離においてほぼなくなる。
【0057】
送電線20に接続するために、例えば、通信ユニット82と通信して通信ユニット82によって識別されるために、送電線20が車輪間にある間、車両は移動しなければならない。すなわち走行方向に対して垂直な軸線Aに沿って受信機アレイ10を移動することによる、受信機アレイ10の正確な位置決めは、自動的におよび動的に実行されてよい。いくつかの受信機アレイ10aを含む受信機アレイ10の場合には、送電線20と受信機アレイ10との間の伝送は、連続的に実行されてよい。
【0058】
ここで、
図10が参照される。そしてそれは、本発明の一部の実施形態による道路上の車両に電力を供給する方法の概略的フローチャートである。ブロック810に示すように、方法は、最低1つの相の多相発電機によって少なくとも1つの相の多相電力を発生することを含んでよい。ブロック820に示すように、方法は、道路に設置された送電線によって多相発電機から多相電力を受信することを含んでよく、送電線は、一連の蓄電池セクションを含み、各セクションは、相数に対応する少なくとも多数の送電線を含み、コイルの各々は、異なる相シフトを有する電力を受信するように構成されてよい。方法は、相数に対応する導体の多くのグループによって電力をもたらすことをさらに含んでよく、各グループは、多相発電機からの異なる相シフトを有する電力を蓄電池アレイにもたらす。ブロック830に示すように、方法は、蓄電池セクションの少なくとも1つの上方に位置する車両の通信コイルから、通信ユニットで信号を受信することを含んでよい。ブロック840に示すように、方法は、車両に取り付けられた受信機に電力を供給するために、動作している対応する蓄電池セクションを含んでよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、方法は、蓄電池を介して車両で受信機に送られるガイド信号を発電機によって出力することをさらに含んでよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、方法は、車両で受信機が次のセクションの上方の位置に到達する前に、車両の走行方向における次の蓄電池セクションを通信ユニットによって動作することをさらに含んでよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、方法は、特定のセクションの上方に受信機の認識が一旦なければ、発電機によって特定の蓄電池セクションに全電力を伝送することを終わることをさらに含んでよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、方法は、対応する多相発電機によって各蓄電池セクションに別々に電力を供給することをさらに含んでよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、方法は、蓄電池コイルの上方に受信機が検出されないときに、完全な伝送モードからガイド信号モードへ、そして蓄電池コイルの上方に受信機が検出されるときに、その逆への切換えによって、発電機の動作モードを変えることをさらに含んでよい。
【0064】
ここで、
図11が参照される。そしてそれは、本発明の一部の実施形態による道路上の車両に電力を供給する方法の概略的フローチャートである。ブロック910に示すように、方法は、車両の下部に設置される受信機アレイによって、少なくとも1つの相の多相電力を受信することを含んでよく、受信機アレイは、道路に設置された対応する蓄電池コイルから、相数に対応する少なくともいくつかの受信機コイル(例えば少なくとも1つの受信機コイル)を含む少なくとも1つの多相受信機を含み、一方で、車両は、蓄電池コイルの上方の道路上を移動する。
【0065】
ブロック920に示すように、方法は、車両の走行方向において受信機アレイの前に位置する通信コイルによって、蓄電池コイルの対応する1つを介して、通信ユニットに識別信号を送ることを含んでよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、方法は、対応する蓄電池コイルから異なる相シフトを有する受信機コイルの各々によって電力を受信することをさらに含んでよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、方法は、多相受信機のうちの少なくとも1つの中心から等間隔に位置する、多相受信機のうちの少なくとも1つの両側の少なくとも2つのトラッキングコイルによって、蓄電池コイルの対応する1つを介してガイド信号を受信すること、および、少なくとも2つのトラッキングコイルを測定した平均エネルギーにしたがって蓄電池コイルの上方に受信機アレイを位置決めすること、をさらに含んでよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、方法は、車両がその速度を減少させるときに、過剰な電力を受信機アレイによって蓄電池コイルに戻すことをさらに含んでよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、方法は、車両がその速度を減少させるときに、スーパー・コンデンサによって電力を集約することをさらに含んでよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、方法は、調整回路によって蓄電池セクションを共振周波数に従わせるために、受信機コイルの各々のインダクタンスを調整回路によって変えることをさらに含んでよい。そして、受信機コイルにインダクタンスを追加するために、および、トランスのインダクタンス値を変えるためにインダクタを接続するかまたは分離するように切り換えるために、調整回路はトランスを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、方法は、受信機アレイの垂直および水平の動きをリアルタイムに検出することをさらに含んでよい。そして、動きが検出されるときに、前記調整回路は、受信機コイルの共振周波数を調整してよい。
【0072】
送電線20は、中央電力系統から電力を受け取ってよく、システム100から中央電力系統(例えば国家および/または地方電力系統)に電力を戻してよい。本明細書において詳述するように、車両50が対応する蓄電池コイル27の上方の道路上を移動する間、各受信機コイル17は、対応する蓄電池コイル27から電力を受け取るように、そしてさらに、過剰な電力を送電線20に戻すように、構成されてよい。過剰な電力は、中央電力系統に戻されてよくおよび/または送電線20によって他の車両に供給されてよい。したがって、送電線20は、エネルギー源ならびにエネルギー蓄電池として実行してよい。それ自体、例えば、蓄電池20は、放射安全上の要件を満たすことを必要としてよい。
【0073】
ここで、
図12A~
図12Dが参照される。そしてそれは、本発明のいくらかの実施形態による蓄電池アレイセグメント227または227aの上面図である。送電線セグメント227または227aは、本発明の実施形態の1-相構成に適していてよい。すなわち、送電線セグメント227または227aのコイル27は、同じ相で電力を受信してよい。送電線セグメント227(すなわち蓄電池アレイ20のセグメント)は、いくらかの例示的実施形態では、4つのコイルを含んでよい。いくらかの他の例示的実施形態では、セグメントは、
図12Cに示されるセグメント227aのような2つのコイルを含んでよい。他の実施態様では、送電線セグメント227は、他のいかなる適数のコイルも含んでよい。本発明のいくらかの実施形態では、2つの隣接する蓄電池コイル27は、
図12A~
図12Dにおいて矢印wおよびw’で示すように、逆の電流方向を有してよい。本発明のいくらかの実施形態によれば、2つの隣接する蓄電池コイル27が逆の電流方向を有する配置は、送電線20からの、したがって安全なシステム100からの、放射の著しい削減を容易にしてよい。
【0074】
逆の電流方向を有する2つの隣接する蓄電池コイル27を有することによって、2つの隣接するコイル27によってつくられる磁界260は、送電線20の軸線からの距離Dmが送電線20の領域の外側でより大きいので、互いに弱まってよい。この弱まりは、送電線20から受信機アレイ10までの、そして受信機アレイ10から送電線20までのエネルギー遷移を害することができない。したがって、この種の実施形態では、各2つの隣接するコイル27は、互いに磁界を弱めさせてよい。この種の配置で起こるかもしれない1つの課題は、2つの隣接するコイル27間の移行地域(例えば2つの隣接するコイル27が接触するところ)での強度低下265にともなう、エネルギー遷移にむらがあってよいということである。本発明のいくらかの実施形態では、これらの強度低下を克服するために、コンデンサ(例えば、送電線20から受け取られる電力を滑らかにしてよく、仲介してよいスーパー・コンデンサ)は、受信機アレイ117(図示せず)への接続において取り付けられてよい。
【0075】
上述の如く、いくらかの例示的実施形態では、
図12A、
図12Bおよび
図12Dに示すように、送電線セグメント227は、4つのコイル27を含んでよい。この種の送電線セグメント227の長さは、約100~130cmでよい。コイル27間のインタフェース位置は、隣接するコイル27の相互インダクタンス、したがって送電線セグメント227のおよび/または次の送電線セグメント227の一般的インダクタンスを強化する。
図12Bは、3つの続きの送電線セグメント227を示す。
【0076】
図12Cおよび
図12Dは、それぞれ、送電線セグメント227aおよび227において直列接続された続きのコイル27におけるコイル27のワイヤ275の巻取方法、および導体238により直列接された続きのコイル27間の接続方法を示す。次のまたは以前の送電線セグメント227aまたは227との接続を表す矢印237によって、次のまたは以前の送電線セグメント227aまたは227間の移行は、示される。次のまたは以前の送電線セグメント227aまたは227間の移行は、大きい電位差によって特徴づけられる。そしてそれは、強化された電気的絶縁を必要とする。
図13Aおよび
図13Bに示される受信機アレイ117および117aのコイル17にとって、巻取および接続のこの方法は、類似していてよい。
【0077】
ここで、
図13Aおよび
図13Bが参照される。そしてそれは、本発明の一部の実施形態による車両の下の受信機アレイの概略図である。受信機アレイ17は、各々受信機コイル17のアレイを構成するいくつかの行(row)を含んでよい。例えば車両50の長さおよび/または他の任意の適切な考慮によれば、行127は、任意の適切な数の受信機コイル17を含んでよい。加えて、行127は、車両の走行方向Bにおける受信機コイル17の先頭に位置することができる通信コイル18を含んでよい。例えば車両50の幅および/または他の任意の適切な考慮によれば、受信機アレイ117は、任意の適切な数の行127を含んでよい。送電線セグメント227または227aにしたがって、受信機アレイ117は、本発明の実施形態の1-相構成に適していてよい。したがって、例えば矢印wおよびw’で示すように、行127の2つの隣接する受信機コイル17は、反対の電流方向を有してよく、および/または、例えば、
図13Cおよび
図13Dに示す送電線セグメント227または227aの蓄電池コイル27の巻取および接続と同じように、配列117のコイル17は、直列に接続されてよい。
【0078】
あるいは、受信機アレイ117aは、例えば、一連の卵形または矩形の直列接続された長方形の受信機コイル17aを含んでよい。そして、例えば矢印wおよびw’で示すように、2つの隣接する受信機コイル17aは、反対の電流方向を有してよい。長方形の受信機コイル17aの幅は、車両50の幅および/または他の任意の適切な考慮にしたがって決定されてよい。受信機アレイ117aは、例えば、車両の走行方向Bにおける受信機コイル17aの先頭に位置することができる長方形の通信コイル18aを含んでもよい。
【0079】
ここで、
図14が参照される。そしてそれは、本発明の一部の実施形態による受信機アレイ117または117aから集まるエネルギーのための受信機回路700の概略図である。回路700は、例えば、直列に接続された2つのコイルL1およびL2を含んでよい。但し、他の任意の適切な数のコイルが含まれてもよい。コイルL1およびL2は、それぞれ、インダクタンスL1およびL2を有するアレイ117(または117a)における2つの続きのコイル17(または17a)のインダクタンスを表してよい。回路700に示すように、コイルL1およびL2は、コンデンサC16、C19およびC17と並列に接続されてよい。そして、コンデンサC16およびC19は、直列に接続されて、一緒に等価なキャパシタンスC1を有する。エネルギー(すなわち出力電圧)は、ダイオードブリッジDlを介してコンデンサC18によって集められてよい。回路700の共振周波数は、この場合、(L1+L2)-(C17+C1)の平方根におよそ反比例してもよい。
【0080】
回路700は、道路要件(例えば車両50のエンジン/インバータ72の要件)にしたがって受信機回路700の共振周波数を調整するための機構をさらに含んでよい。本発明のいくらかの実施形態によれば、受信機コイル17を介して受け取られるエネルギーは、例えば蓄電池70においてバックアップのために格納される小さいエネルギー部分を除いて、エンジン/インバータ72に直接電力を供給して、バッテリまたは他の蓄電装置には充電されない。通常、受信機回路700の共振周波数は、送電線セグメント227(または227a)の共振周波数よりも高い。したがって、受信機アレイ117または117aと送電線セグメント227(または227a)との間のエネルギー遷移は、最適でなくてもよい。したがって、回路700は、パルス幅変調器(PWM)コントローラ710、スイッチS1および追加のコンデンサC20を含んでよい。そしてそれは、スイッチS1が閉じるときにコンデンサC19と並列に接続されてよい。PWMコントローラ710は、道路がより多くの電力を必要とするときに、および道路がより少ない電力を必要とするときに、それを感知してよい。スイッチS1が開いていて、そして道路がより多くの電力を必要とすることをPWNコントローラ710が感知するときに、それは、スイッチS1を閉じてよい。閉じたスイッチS1がコンデンサC19と並列にコンデンサ20を追加するので、受信機回路700の共振周波数は、送電線セグメント227(または227a)の共振周波数に対して減少されてよい。そしてそれは、エネルギー移行を改善してよく、コンデンサC18での出力電圧を増加させてよい。スイッチS1が閉じていて、そして道路がより少ない電力を必要とすることをPWNコントローラ710が感知するときに、それは、スイッチS1を開いてよい。したがって、例えば、コンデンサC20は、切断される。コンデンサC20が切断されるときに、受信機回路700の共振周波数は、送電線セグメント227(または227a)の共振周波数より上に増加してよい。そしてそれは、コンデンサC18での出力電圧を減少させてよい。PWMコントローラ710による調節は、動的に実行されてよく、そして、電源の充分な安定性を提供するために、充分な速度にあることができる。スイッチS1は、高い電圧差を生むために十分安定でなければならない。
【0081】
ここで、
図15A~
図15Fが参照される。そしてそれは、本発明の一部の実施形態による蓄電池アレイの機械的設置および構造の概略図である。送電線20は、機械的におよび電気的に保護されてよく、湿度および/または湿気に対してシールされてよい。送電線20は、本明細書において詳述する送電線の基本的設置ユニット250から造られてよい。
【0082】
本発明の一部の実施形態によれば、
図15Aおよび15Bは、送電線の基本的設置ユニット250の概略図である。基本的設置ユニット250は、モノリシック・ユニットでもよくおよび/または、
図15Aに示すように送電線セグメント227(または227a)、または
図15Bに示すようにいくつかの送電線セグメント227(または227a)、および、セグメント227(または227a)へおよび/またはセグメント227(または227a)から電流を導通するためにユニット250の一端251から出ている導体240、を含んでよい。基本的設置ユニット250は、いくつかの送電線セグメント227(または227a)、例えば、
図15Bに示すように、3つの送電線セグメント227(または227a)または他の任意の適切な数の送電線セグメント227(または227a)の)を含んでよい。基本的設置ユニット250は、道路30の堀割32の中に1列に順次配置されてよい。
【0083】
図15Cおよび
図15Dは、それぞれ、本発明のいくらかの実施形態による送電線20の構造および設置600の概略的上面図および概略的縦断正面図である。設置600は、道路30において溝を掘られることができる堀割32を含んでよい。基本的設置ユニット250は、堀割32の中に順次配置されてよい。例えば、第1の設置ユニット250は、本明細書において詳述する発電機22と関連して堀割の遠位端(例えば発電機22から遠い堀割32の端)に置かれてよい。ユニット250の一端から出ている導体240は、発電機22の方向において堀割32に置かれてよい。例えば、導体240が出ているユニット250の端251は、発電機22の方向において配置される。例えば、ユニット250に対して導体240の遠位端は、発電機22に達してよい。すなわち、導体240が出ているユニット250の端が発電機22の方向において配置されるように、および/または、ユニット250の一端から出ている導体240が発電機22の方向において堀割32に置かれることができるように、各次のユニット250は、以前のユニット250に隣接した同じ方向の以前のユニットの導体240に配置されてよい。このように、発電機22に対して遠位端のユニット250から発電機22に対して近位端のユニット250まで、ユニット250は、次々と配置されてよい。ユニット250対して導体240の遠位端は、発電機22に達してよい。
【0084】
図15Dに示すように、堀割32の中で、設置600は、例えば、送電線20がコイル27の上部だけを介して電力を伝送することを可能にするために、例えばコイル27の上部以外のすべての側から送電線セグメント227(または227a)を絶縁するために絶縁体鋳造物29を含んでよい。送電線20の上に石またはアスファルトの層33を取り付けるために、設置600は、例えば、接着材層26をさらに含んでよい。ユニット250から出ている導体240は、互いに電気的に絶縁されて互いに隣接して、そして、導体ワイヤのループおよび/または絡み合いを防止するために秩序あるクラスタにおいて配置されてよい。
【0085】
図15Eおよび
図15Fは、それぞれ、本発明のいくらかの実施形態による、送電線セグメント227および導体240を含む基本的設置ユニット250の構造および設置600の概略的な詳細上面図および概略的な長手方向縦断面図である。送電線セグメント227は、例えば、ポリカーボネートまたは他の任意の適切な絶縁および/または防水材料であって、インダクタンスを著しく減らさない材料の2つの表面270間に配置されてよい。加えて、送電線セグメント227は、シール271によってその周辺において囲まれてよい。そしてそれは、湿度および電圧発生(voltage outbreak)に対して送電線セグメント227をシールすることができる。コイル27間の距離1は、電圧発生を防止するために、電位を考慮することによって決定されてよい。例えば
図8Dに示される方法では、セグメント227の中の続きのコイル27は、導体238によって互いに接続されてよい。
【0086】
ここで、
図16A~
図16Dが参照される。そしてそれは、本発明の一部の実施形態による送電線セグメント227の上に受信機アレイ行127が位置する蓄電池コイル27と受信機コイル17との間のエネルギー伝送の依存度の概略図である。
図16Aおよび
図16Bは、本発明の実施形態による受信機アレイ行127および送電線セグメント227の概略図である。例えば、受信機アレイ行127は、2つの受信機コイル17および、2つのコイル17を直列に接続する導体138を含んでよい。底部に受信機アレイ117を有する車両50が走行方向Bにおいて送電線セグメント227の上方に通過するときに、時々、受信機コイル17は、例えば
図16Aに示すように、対応する蓄電池コイル27の上方に整列配置されてよく、その結果、エネルギー伝送は最大限でもよい。そして、時々、受信機コイル17は、例えば
図16Bに示すように、2つの続きの蓄電池コイル27間の移行地域の上方に位置してよく、ここで、エネルギー伝送は減少してよい。
図6Cは、エネルギー伝送と、送電線セグメント227の上方の受信機アレイ行127の位置との概略的グラフ1600aである。グラフ1600aに示すように、エネルギー伝送は、送電線セグメント227に沿ってむらがあってよい。
図6Dは、コンデンサによって媒介される、エネルギー伝送と、送電線セグメント227の上方の受信機アレイ行127の位置との概略的グラフ1600bである。グラフ1600bに示すように、受信機アレイ行127に接続しているコンデンサは、グラフ1600aに示される送電線セグメント227に沿って、エネルギー伝送の差を減少させてよい。
【0087】
本明細書において述べられるように、本発明の一部の実施形態は、放射リークに対して送電線20を妨げるために解決策を提供してよい。上記したように、逆の電流方向、したがって例えば逆の磁界を有する隣接するコイルを有することによって、磁界は、送電線20の領域の外側で弱まり、送電線20の領域の中でより強くなる。例えば、単相電力を使用する本発明の実施形態にとって、この解決策は、適している。
【0088】
ここで、
図17が参照される。そしてそれは、本発明の一部の実施形態による送電線20を放射リークに対して妨げる付加的な解決策の概略図である。送電線20は、コイル27の電流方向に対して逆の電流方向を有する、蓄電池コイル27周辺で逆のコイル巻線28を有してよい。逆のコイル巻線28における逆の電流方向は、コイル27周辺で磁界を減らす。
【0089】
ここで、
図18が参照される。そしてそれは、本発明の一部の実施形態による送電線20および受信機アレイ10または117(または117a)を放射リークに対して妨げる付加的な解決策の概略図である。本発明のいくらかの実施形態では、保護材料は、磁界を切り開くおよび/または仕切るために用いられてよい。例えば、受信機アレイ10または117(または117a)は、絶縁体プレートと車両50の底部との間にアルミホイル11を含んでよい。そして、アルミホイル11は、受信機コイル17の側に折られる残部11aを含む。石またはアスファルトの層33の下で蓄電池コイル27によって作られる磁気流れは、受信機コイル17により矢印hで示すように上に進み、電流を誘発する。磁気流れが絶縁体プレート12に出会うと、矢印iで示すように回転して、矢印jで示すように下に進み、矢印kで示すように磁界ループを閉じる。しかしながら、一部の磁気流れは、絶縁体プレート12を通してしみ出て熱に変わり、したがって、例えば、アルミホイル残部11aにおいて、矢印pで示すように渦流をつくる。アルミホイル残部11aがより長い、すなわちより低くなるので、磁気流れリークは、より小さくてよい。
【0090】
ここで、
図19Aおよび
図19Bが参照される。そしてそれは、本発明のいくらかの実施形態による送電線20のセクションにおける送電線セグメント227の概略図である。
図19Aおよび
図19Bにおいて、各送電線セグメント227は、3つの蓄電池コイル27を含んでよい。但し、本発明はその点で少しも制限されない。続きの送電線セグメント227iおよび227jは、電力を供給される、すなわち発電機22からの電力を受け取る。矢印wおよびw’で示すように、各2つの続きの蓄電池コイル27は、逆の電流方向を有する。電流方向wは、電流方向w’の反対である。したがって、続きの送電線セグメント227iおよび227jを含む送電線20の帯電セクションの両端に位置する両端コイル27iおよび27jの磁界を除いて、2つの続きの蓄電池コイル27の磁界は、コイルの領域の外側で互いに弱まる。両端コイル27iおよび27jの磁界は、弱められず、したがって、残留放射900のソースを構成する。
【0091】
本発明の一部の実施形態によれば、送電線20は、保護リング800を含んでよい。そして、
図19Bに示すように、各保護リング800は、2つの続きの送電線セグメント227の2つの隣接する両端コイル27を囲む。保護リング800は、閉じた導電リングを構成する。リング800は、リング800を通過する磁界を短絡させる。磁界がリング800を通過しないときに、または、磁界が帯電送電線セグメント227iと227jの間でリング800におけるように互いに弱まるときに、リング800は、送電線20の動作に対して無関係でありおよび/または重要な影響を有しない。両端コイル27iおよび27jによってつくられる磁界が弱まらないので、それぞれのリング800iおよび800jは、活性であり、磁界を捕えて、残留放射を減らす。他のリング800は、それらによる重要な磁界を有しなくて、したがって、例えば、無関係なままである。リング800iおよび800jは、両端コイル27iおよび27jにより供給される電力をわずか低下させるが、残留放射の課題を解決しない。類似のリングは、受信機アレイ10または117(または117a)において、類似の方法で設置されてよい。
【0092】
本出願の残りの部分では、本発明のいくつかの特定の非限定的な例示的実施形態を本明細書で例示する。
【0093】
図20は、本発明のいくつかの実施形態によるシステムの2つの動作モードの性質を示す概略ブロック図である。構成2000Aは、電力グリッド入力がベースステーション2010(道路側の電力送信機)に供給され、次にベースステーション2010(道路側の電力送信機)が電力線2030に沿って動作セグメントにエネルギーを伝達する電力動作モードを示す。電力受信機2020(車両側)は、電磁束を受信し、この電磁束は、直流電流(DC)に変換され、負荷(モータ)に供給される。通信動作モード2000Bでは、同じベースステーション2010が通信受信機として動作し、電力受信機2020は、電力伝送を実行するために電力線(ロッド側)で使用される同じセグメントが車両側から通信信号を受信するために使用される同じセグメントであるように、電力線2030に電力要求を送信する通信送信機として動作する。有利なことに、道路側におけるセグメントの二重使用は、より効率的なインフラストラクチャを可能にする。
【0094】
図21は、本発明のいくつかの実施形態によるコイルに関するいくつかの態様を示す図である。上述したように、各セグメントは、2対以上の逆相コイルを含む。各コイルは、様々な形状とすることができる。本発明者らは、円形スパイラルコイル2110とは別に、楕円形スパイラルコイル2120および正方形スパイラルコイル2130の両方を効率的に使用できることを発見した。同じセグメント2140内のコイルは、直列に接続され、各隣接するコイル(例えば、2140Aおよび2140B)は、逆位相を有する。円形コイルの場合、互いに離れた半径R(コイルの)に配置された2つの隣接するコイルを有することが好ましい。機械的観点から、眼鏡状の形状2150は、単一のワイヤ2170によって給電され得るコイルの各対に対して使用され得る。いくつかの実施形態では、ハチの針状のコネクタ2160Aおよび2160Bがセグメントの効率的な連結を可能にし、セグメントの不整合を防止するために、セグメントの両側にある。
【0095】
図22は、本発明のいくつかの実施形態によるコイルに関する他の態様を示す図である。セグメントの電力線の展開を容易にするために、セグメント2220のロール2210を使用することができる。可撓性材料を使用することは、アスファルトが適用される前に電力線の容易な展開を確実にする1つの方法である。1つの構成では、非重複セグメント2230Aおよび2230Bを使用することができる。別の実施形態では、重複セグメント2240A、2240Bおよび2240Cを使用することができる。重なり合うセグメントでは、2つの隣接するコイルが重なり合っている。重なり合うコイルの電磁束は、低k結合係数レベルを助ける重なり合うコイルに加えられ、受信機がセグメントのエッジにより近いときに加えられる。
【0096】
図23は、本発明のいくつかの実施形態によるコイルに関するさらに他の態様を示す図である。電力受信機(車両側)のセグメント2310が示され、コイルは電力送信器(道路側)のものと同一である。受電セグメントにおける最小数の2つのコイルが考えられる。1つの非限定的な実施形態では、4つの電力受信コイルA、B、C、およびDは、1.5R(Rはコイルの半径)離れていてもよく、コイルA、B、C、およびDは、互いに独立して電力を受信する独立型インダクタ回路として働く。
【0097】
あるいは、コイルAとコイルCを並列に接続し、コイルBとコイルDを並列に接続してもよい。電力送信機セグメント2320上のコイルは、電力受信機コイルAおよびCが電力送信機コイル1および2にそれぞれ重なり合い、電力受信機(車両)が右に移動すると、電力受信機コイルBおよびDが電力送信機コイル2および4と重なり合うように配置することができる。
【0098】
通信モードでは、通信送信機セグメント2330(車両側)は、コイルAおよびB(好ましくは2310の電力受信機コイルAおよびBとは異なる)を有し、これらのコイルは、同時に送信するのではなく、むしろ相互に排他的な方法で送信することができる(Aを送信する間、Bは送信せず、逆もまた同様である)。通信受信機セグメント2340(道路側)は、電力送信機セグメント2320のコイル1-4の正確なコイル1-4を使用するが、さらに、通信ワイヤ2530Bが電力ワイヤ2350Aおよび2350Bに追加される。動作において、2330のAおよびBを介した通信信号の交互動作(送信)は、通信線2350Bにおける連続電流を保証し、この連続電流は、ベースステーションにおいて、指定されたセグメントにおける車両からの電力要求として解釈される。
【0099】
図24は、本発明のいくつかの実施形態によるベースステーションに関する態様を示す図である。ベースステーションは、複数のセグメントを互いに独立して制御する。三相電力グリッドの入力は、整流および力率補正(power factor correction)(PFC)モジュール2420に供給され、このモジュールは、直流電流(DC)をインバータ2430に供給し、このインバータは、約85-90KHzの周波数(送電セグメントおよび受電セグメントにおけるインダクタンス回路の好ましい共振周波数である)の交流電流(AC)を生成し、この交流電流は、それぞれのスイッチカード2440A、2440B、および2440Cを介してセグメントに供給され、各スイッチカードは、異なるセグメントに関連付けられ、中央コントローラ2410によって制御される。動作において、各スイッチカード(例えば、2440A)が、そのそれぞれのセグメント(例えば、セグメントN、図示せず)からの電力要求を感知するときはいつでも、スイッチカード(例えば、2440A)は、コントローラ2410に通知し、コントローラ2410は、(識別および他のネットワークレベルの考慮を検証した後)85-90KHzの電力信号が対応するセグメント(例えば、セグメントN)に到達することを可能にするようにスイッチカード(例えば、2440A)に命令する。
【0100】
図25は、本発明のいくつかの実施形態によるスイッチカードの非限定的な実装を示すブロック図である。スイッチカードは、道路側の通信受信コイルから来るワイヤを包囲または取り囲む電流ループ2550を含むことができる。電流が電流センサ2540によって検知されると、通信受信機は、ネットワークの利用可能性および車両の識別などの他のパラメータが与えられると、スイッチドライバ2510を介してスイッチ2520を接続または切断するかどうかを決定するコントローラと相互作用する。
【0101】
図26は、本発明のいくつかの実施形態による、受信機側の電力供給態様に関する態様を示す図である。送電コイル1および2は、道路側2680の通信モジュールによって、それぞれの受電コイルA、B、C、およびDにエネルギーを供給するように指示される(1および2との共振は一度に2つ、AおよびC、ならびにBおよびDのみ生じる)。コイルA-CおよびB-Dの各対は、次いで、それぞれの共振コンデンサ2620および2610にそれぞれ供給され、次いで、インピーダンス負荷整合コンデンサ2630および2640に供給され、整流器2660および2650に供給され、最終的に電圧レギュレータ2670に供給され、電圧レギュレータ2670は車両の電気モータ(図示せず)である負荷に直流電流を出力する。
【0102】
図27は、本発明の実施形態による車両側の電圧レギュレータの機構に関する他の態様を示す回路図である。電圧調整回路2700は、受信機コイルL1と、共振コンデンサC1と、負荷R1のためのインピーダンス負荷整合コンデンサC2とを含み、コイルL1を有するコンデンサC1およびC2は、電流源を共に形成し、それ自体短絡されてもよい。それは、ここでは給電源と称される。給電源は電流源であるので、出力電圧は負荷抵抗R1の値に依存するため、非常に高い負荷の場合、または断線の場合、出力電圧は破壊的な数千ボルトになる。調整中、スイッチ1(オン位置)は、ダイオードブリッジD1、D2、D5、D6を介して給電源をショートカットする。スイッチ1がオフ位置にあるとき、給電源の全整流は、ダイオードブリッジD1、D2、D3、D4を介して行われる。VDC out制御回路は、出力電圧をサンプリングし、電圧が所定の値に達すると、スイッチ1をオン位置に切り換え、負荷R1自体がショートカットを「見る」ことはなく、したがって、コンデンサC1は、その電圧を維持し、R1を介してのみ放電する。出力電圧の調整は、スイッチ1が負荷および必要な電圧を扱うことができるIGBTまたはMOSFETなどの電子スイッチである場合に生じる。スイッチ1とVDC OUT制御との間の電圧差のために、絶縁されたプッシュ回路を介して動作することが有利である。
【0103】
図28は、本発明のいくつかの実施形態による、受信機(車両側)における過電圧からの保護に関する他の態様を示す回路図である。この回路は、
図27に示す回路と並列に接続され、出力電圧がツェナーダイオードD8の電圧に達すると、コンデンサC9が抵抗R21を介して充電される。コンデンサC9上の電圧がダイオードD7の放電点を横切ると、パルスが生成され、変圧器X5の一次巻線を介して流れ、その二次巻線に流れる。次に、トランジスタQ1はブレークダウンし、スイッチ1をショートカットする。したがって、VD7+VD8が過電圧保護値に達したときに保護が適用される。このショートカットは、Q1を介した流れが2つの可能性のうちの1つで停止されるまで維持される:
図25に示される回路内のスイッチ2は、OFFであるか、またはトランジスタQ1上で開始されたショートカットである。
【0104】
有利には、この回路は独立しており、外部電圧源を必要としない。さらに、それは、非常に少ない構成要素を有し、それらの全てがトランジスタQ1からのものを除いて受動型であるので、非常に信頼性が高い。
【0105】
図29は、本発明のいくつかの実施形態による電力受信機(車両側)に関する態様を示す波形
図2900を示す。本発明のいくつかの実施形態によれば、電力送信機セグメントにおける電流の位相を認識することによって、受信機における電圧を調整することが可能である。波形Aは、(ベースステーションにおける)インバータ電圧であり、波形B、C、およびDは、受信機(車両側)の負荷によって「見られる」電力送信機セグメントにおける電流位相である。位相B、C、およびDは、上述の
図25に示す電流センサによって容易に検出することができる。
【0106】
動作中、および上記で説明したように、
図27に示すようなスイッチ1がショートカットである場合、
図25に示すような電流センサは、位相シフト(ここでは波形D)を検出し、セグメントに流れる電流に応答して切り離す。電流を遮断すると、トランジスタQ1(
図28のように)が解放され、通信受信モードに切り替わる。到来する通信が存在する場合(例えば、受信機が電力送信セグメントの上に位置する場合、受信機の一部に要求があり、したがって電力要求信号が存在する)、スイッチ2(
図25に示されるように)は、モード「オン」にシフトし、したがって受信機において電圧が再び上昇することを可能にする。この処理は、電圧を調整するために数回繰り返される。
【0107】
図30は、本発明のいくつかの実施形態による受信機における通信モードに関する他の態様を示す回路図である。回路3000は、電力送信セグメントにおける共振のために~86KHzの主周波数を発生する電圧発生器VIを含む。スイッチ2は、電力送信セグメントを作動させるためのメインスイッチを表す。コイルL5およびL6は、電力送信セグメントの2つのコイル(逆位相)を表す。コンデンサC13およびC17は、電力送信セグメントの共振周波数の共振コンデンサを表す。コイルL8およびL9は、通信周波数(数百KHz)上の通信送信アンテナ(車両上)を表す。コンデンサC18およびC19は、通信周波数で動作する送信機(車両側)の共振コンデンサを表す。コンデンサC14およびC15は、通信周波数で動作する通信受信機(道路側)の共振コンデンサを表す。L4およびL5は、電力送信アンテナおよび通信受信アンテナの両方として機能するが(電力伝送線に沿った銅のコストを節約するために)、車両側で電力受信のために使用されるものから車両側で通信を送信するためのアンテナとして他のコイル(例えば、L8およびL9)を使用することが好ましいことに留意されたい。
【0108】
動作中、車両側で通信送信機を動作させるv2およびv3は同時には動作しない。コイルL5を介したC14、C13の共振電流およびコイルL4を介したC14、C17の共振電流は、常に抵抗R24を介して流れる。コイルL8およびL9の交互動作は、セグメント上の2つのコイル間の不均衡を保証する(したがって、それらは互いに逆位相で相殺しない。したがって、電力送信機セグメントのコイルL5およびL4に対する、アンテナL8およびL9の位置に関係なく、抵抗R24にわたる電圧降下が常に存在することになる。この他、スイッチが「ON」に設定されている場合には、回路内で通信は行われない。
【0109】
本発明の実施形態の前記記述は、図示および説明のために示された。それは、本発明を開示される正確な形に余すところなくまたは制限することを意図しない。当業者によって、その多くの修正、変更、代替、変化および等価物が上記の教示を考慮して可能であることが理解されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本発明の要旨の範囲内に含まれるこれらのようなすべての改変および変形をカバーすることを意図している。