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特許7211933転写プロセシングの調節のための化合物及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】転写プロセシングの調節のための化合物及び方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20230117BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230117BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20230117BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20230117BHJP
【FI】
C12N15/113 Z ZNA
A61K48/00
A61P1/16
A61P25/00
A61P21/00
A61P43/00 105
A61K31/7088
A61K47/54
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019501570
(86)(22)【出願日】2017-07-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-03
(86)【国際出願番号】 US2017042465
(87)【国際公開番号】W WO2018014043
(87)【国際公開日】2018-01-18
【審査請求日】2020-07-17
(31)【優先権主張番号】62/363,193
(32)【優先日】2016-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595104323
【氏名又は名称】アイオーニス ファーマシューティカルズ, インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Ionis Pharmaceuticals,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163784
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 健志
(72)【発明者】
【氏名】プラカシュ,タジャ・ピー
(72)【発明者】
【氏名】リゴ,フランク
(72)【発明者】
【氏名】セス,プニット・ピー
【審査官】吉門 沙央里
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0068845(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0203836(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、式IIから独立して選択される構造をそれぞれ有し、
【化1】
式IIの各ヌクレオシドについて、
Bxは、独立して選択される核酸塩基であり、
及びRは、それぞれ独立して、水素及びメチルから選択され、
あるいは、Rは、水素であり、Rは、独立して、エチル、プロピル又はイソプロピルから選択され、
該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基の配列は、標的転写産物前駆体のスプライス部位に相補的であり、該オリゴマー化合物は、該標的転写産物前駆体のプロセシングを調節し、該修飾オリゴヌクレオチドの核酸塩基の配列がトリヌクレオチドリピートから構成されない、上記オリゴマー化合物。
【請求項2】
筋肉及び/又はCNS中の標的転写産物前駆体のプロセシングを調節する、請求項1に記載のオリゴマー化合物。
【請求項3】
式IIのヌクレオシドを少なくとも1つ含み、ここで、
及びRの少なくとも一方が水素ではない;又は
が水素であり、Rがメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルから選択される;又は
及びRの少なくとも一方がメチルである;又は、
及びRの一方が水素であり、R及びRの他方がメチルである;
請求項1又は2に記載のオリゴマー化合物。
【請求項4】
の選択が、式IIの構造を有するヌクレオシドのそれぞれについて同一であり、Rの選択が、式IIの構造を有するヌクレオシドのそれぞれについて同一である、請求項1~3のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項5】
修飾オリゴヌクレオチドの7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、又は20個のヌクレオシドのそれぞれが、式IIから独立して選択される構造を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項6】
修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドが2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾糖部分を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項7】
修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドが修飾糖部分を含み、好ましくは各ヌクレオシドが、独立して選択される2’-修飾非二環式糖部分を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項8】
2’-修飾非二環式糖部分が、F、NH、N、OCF、OCH、O(CHNH、CHCH=CH、OCHCH=CH、OCHCHOCH、O(CHSCH、O(CHON(Rm)(Rn)、O(CHO(CHN(CH、及びN-置換アセトアミド(OCHC(=O)-N(R)(R))(式中、各R及びRは、独立して、H、アミノ保護基、又は置換もしくは無置換C~C10アルキルである)から選択される非架橋型2’-置換基を含み、
好ましくは2’-修飾非二環式糖部分が、F、OCF、OCH、OCHCHOCH、O(CHSCH、O(CHON(CH、O(CHO(CHN(CH、及びOCHC(=O)-N(H)CHから選択される非架橋型2’-置換基を含む、請求項7に記載のオリゴマー化合物。
【請求項9】
修飾オリゴヌクレオチドが、16~23個の結合されたヌクレオシドからなる;又は、より具体的には、修飾オリゴヌクレオチドが、16個、17個、18個、19個、又は20個のヌクレオシドからなる;又は、より具体的には、修飾オリゴヌクレオチドが、18~20個の結合されたヌクレオシドからなる;請求項1~8のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項10】
修飾オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合を含み;好ましくは修飾オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含み;より好ましくは修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合及びホスホジエステルヌクレオシド間結合から選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項11】
修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、請求項1~10のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項12】
修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1つの修飾核酸塩基を含み;好ましくは、修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1つの5-メチルシトシンを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項13】
修飾オリゴヌクレオチドの各Bx及び/又は各核酸塩基が、チミン、5-メチルシトシン、シトシン、アデニン、ウラシル及びグアニンから選択される、請求項1~12のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項14】
修飾オリゴヌクレオチドが、標的転写産物前駆体に少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも100%相補的である、請求項1~13のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項15】
修飾オリゴヌクレオチドが標的pre-mRNAに相補的である、又は、標的転写産物前駆体が標的pre-mRNAであり;
場合により、修飾オリゴヌクレオチドが、イントロン-エクソン境界を含有するpre-mRNAの一部に相補的である;又は、修飾オリゴヌクレオチドがpre-mRNAのエクソン又はイントロンに相補的である;
請求項1~14のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項16】
コンジュゲート基を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項17】
コンジュゲート基が少なくとも1つのGalNAc部分を含む;又は
コンジュゲート基が脂質または親油基を含み;好ましくは該脂質または該親油基が、コレステロール、C10~C26飽和脂肪酸、C10~C26不飽和脂肪酸、C10~C26アルキル、トリグリセリド、トコフェロール、又はコール酸から選択され;
場合により、該コンジュゲート基が修飾オリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端で修飾オリゴヌクレオチドに結合している、
請求項16に記載のオリゴマー化合物。
【請求項18】
標的転写産物前駆体がSMN2 pre-mRNAではない、請求項1~17のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項に記載のオリゴマー化合物を含む、スプライシング異常に関連する疾患又は病態を治療するための医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、電子形式の配列表とともに出願されている。配列表は、2017年7月17日に作成されたサイズ4KbのBIOL0302WOSEQ_ST25.txtと題するファイルとして提出される。この電子形式の配列表中の情報は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
転写プロセシングの調節のための方法、化合物及び組成物が本明細書で提供される。
【背景技術】
【0003】
一次転写産物またはpre-mRNAなどの新しく合成されたRNA分子は、プロセシングを受けることで、プロセシングを受けていない形態と比較して異なる核酸塩基配列及び/または異なる化学修飾を有する転写産物を形成する。pre-mRNAのプロセシングは、pre-mRNAのスプライシングを含み、対応するmRNAが形成される。イントロンが除去され、エクソンが残り、それらがつなぎ合わされ、成熟mRNA配列が形成される。スプライス境界は、スプライス部位とも呼ばれ、5’側の境界は「5’スプライス部位」または「スプライス供与部位」、3’側は「3’スプライス部位」または「スプライス受容部位」と呼ばれることが多い。スプライシングの際には、上流エクソンの3’末端が下流エクソンの5’末端に結合される。したがって、スプライシングされていないpre-mRNAは、イントロンの5’末端にあるエクソン/イントロン境界と、イントロンの3’末端にあるエクソン/イントロン境界とを有する。イントロンが除去された後、各エクソンは、成熟mRNAのエクソン/エクソン境界または接合部と呼ばれることがある部位で隣接する。潜在的スプライス部位(cryptic splice sites)は、あまり頻繁に使用されない部位であるが、通常のスプライス部位がブロックされた場合または利用できない場合に使用されることがある。選択的スプライシングは、エクソンが種々の組み合わせでつなぎ合わされることと定義され、多くの場合、1つの遺伝子から複数のmRNA転写産物の形成をもたらす。
【0004】
点変異に起因するヒト遺伝性疾患の最大50%がスプライシング異常によって生じている。このような点変異は、現状のスプライス部位を破壊し得、または新しいスプライス部位を作ることができ、これにより、異なる組み合わせのエクソンからなるmRNA転写産物またはエクソンが欠失したmRNA転写産物が生じる。点変異はまた、潜在的スプライス部位の活性化をもたらし得、または調節シスエレメント(すなわち、スプライシングエンハンサーまたはサイレンサー)を破壊し得る(Cartegni et al.,Nat.Rev.Genet.,2002,3,285-298;Krawczak et al.,Hum.Genet.,1992,90,41-54)。
【0005】
スプライシング異常をもたらす変異を標的にし、スプライシングの方向を変えて所望のスプライシング産物を与えるために、アンチセンスオリゴヌクレオチドが使用されている(Kole,Acta Biochimica Polonica,1997,44,231-238)。ホスホロチオエート2’-O-メチルオリゴリボヌクレオチドは、遺伝的血液疾患であるβ-サラセミアを有する患者に認められる変異型β-グロビン遺伝子の異常な5’スプライス部位を標的にするために使用されている。
【0006】
アンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、スプライシング異常を引き起こさないが、スプライシングを変更することによって軽減され得る変異を含有するpre-mRNAのスプライシングを調節するためにも使用されている。例えば、変異型ジストロフィンスプライシングを調節するためにアンチセンスオリゴヌクレオチドが使用されている(Dunckley et al.Nucleosides&Nucleotides,1997,16,1665-1668)。
【0007】
アンチセンス化合物は、β-サラセミアまたは嚢胞性線維症患者にそれぞれ由来する細胞株において、HBB(β-グロビン)及びCFTR遺伝子の潜在的スプライス部位を阻害して正常なスプライシングに戻すために使用されている(Lacerra et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2000,97,9591-9596;Friedman et al.,J.Biol.Chem.,1999,274,36193-36199)。アンチセンス化合物はまた、Bcl-x pre-mRNAの長鎖形態と短鎖形態の比率を変更するために(米国特許第6,172,216号;米国特許第6,214,986号;Taylor et al.,Nat.Biotechnol.1999,17,1097-1100)または未成熟終止コドンを含有する特定のエクソンのスキッピングを強制するために使用されている(Wilton et al.,Neuromuscul.Disord.,1999,9,330-338)。
【0008】
アンチセンス技術は、選択的スプライシング産物を含む1つ以上の特定の遺伝子産物の発現を調節するための有効な手段であり、治療、診断及び研究の多数の用途において他に例をみないほど有用である。アンチセンス技術の背後にある原理は、アンチセンス化合物が標的核酸にハイブリダイズし、多数のアンチセンス機序のうちの1つにより転写、スプライシングまたは翻訳などの働きを調節することである。アンチセンス化合物は、その配列特異性により、標的の検証及び遺伝子の機能化のためのツールとして、また、疾患に関与する遺伝子の発現を選択的に調節する治療薬として、魅力あるものとなっている。
【発明の概要】
【0009】
選択した標的転写産物前駆体のプロセシングを調節するのに有用なオリゴマー化合物及び方法が本明細書で提供される。特定の実施形態において、オリゴマー化合物は、2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む修飾オリゴヌクレオチドを含むか、それらからなる。このような特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾糖部分を含む。特定の実施形態において、本発明のオリゴマー化合物は、非コードRNAのプロセシングを調節する。特定の実施形態において、本発明のオリゴマー化合物は、pre-mRNAのスプライシングを調節する。1つ以上の2’-O-(N-アルキルアセトアミド)または2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾糖部分を有する修飾オリゴヌクレオチドは、筋肉組織及び中枢神経系(CNS)における細胞取込み及び/または薬理学的活性が向上する。1つ以上の2’-O-(N-アルキルアセトアミド)または2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾糖部分を有する修飾オリゴヌクレオチドはまた、pre-mRNAのスプライシングを調節する薬理学的活性が向上する。
【0010】
更に、コンジュゲート基を含むオリゴマー化合物及び2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む修飾オリゴヌクレオチドの細胞取込みを向上させる方法、薬理学的活性を向上させる方法及び組織分布を調節する方法が本明細書で提供される。治療にて使用するための、2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物もまた提供される。細胞または組織中の選択した転写産物前駆体のプロセシングを調節するための薬剤を調製するためのオリゴマー化合物も提供される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、どちらも例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される実施形態を限定するものではないことを理解されたい。本明細書中、単数形の使用は、特に明記しない限り、複数を含む。本明細書で使用されるとき、「or(または)」の使用は、別の記載がない限り、「and/or(及び/または)」を意味する。更に、「including(含む)」という用語ならびに「includes(含む)」及び「included(含む)」などの他の形の使用は、限定的ではない。
【0012】
本明細書で使用される段落見出しは、単に構成上の目的であり、記載される主題の限定を意図するものではない。
【0013】
本明細書で使用されるとき、「2’-デオキシリボヌクレオシド」とは、天然に生じるデオキシリボ核酸(DNA)に認められる、2’-H(H)フラノシル糖部分を含むヌクレオシドを意味する。特定の実施形態において、2’-デオキシリボヌクレオシドは、修飾核酸塩基を含み得、あるいはRNA核酸塩基(ウラシル)を含み得る。
【0014】
本明細書で使用されるとき、「2’-置換ヌクレオシド」または「2-修飾ヌクレオシド」とは、2’-置換されたまたは2’-修飾された糖部分を含むヌクレオシドを意味する。本明細書で使用されるとき、糖部分に関する「2’-置換」または「2-修飾」とは、HまたはOH以外の2’-置換基を少なくとも1つ含む糖部分を意味する。
【0015】
本明細書で使用されるとき、「アンチセンス活性」とは、アンチセンス化合物のその標的核酸へのハイブリダイゼーションに帰する何らかの検出可能及び/または測定可能な変化を意味する。特定の実施形態において、アンチセンス活性は、標的核酸または当該標的核酸によってコードされているタンパク質の量または発現が、アンチセンス化合物の非存在下での標的核酸レベルまたは標的タンパク質レベルと比較して、減少することである。
【0016】
本明細書で使用されるとき、「アンチセンス化合物」とは、アンチセンスオリゴヌクレオチドと、任意選択でコンジュゲート基または末端基などの1つ以上の更なる特徴とを含む、化合物を意味する。
【0017】
本明細書で使用されるとき、「アンチセンスオリゴヌクレオチド」とは、標的核酸に少なくとも部分的に相補的な核酸塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを意味する。
【0018】
本明細書で使用されるとき、治療に関する「改善する」とは、少なくとも1つの症状が、治療のない状態における同一症状と比較して向上することを意味する。特定の実施形態において、改善は、症状の重症度もしくは頻度を減少させること、または症状の発生を遅延させること、または症状の重症度もしくは頻度の進行を遅らせることである。
【0019】
本明細書で使用されるとき、「二環式ヌクレオシド」または「BNA」とは、二環式糖部分を含むヌクレオシドを意味する。本明細書で使用されるとき、「二環式糖」または「二環式糖部分」とは、2つの環を含み、第2の環が第1の環の原子中の2つを接続する架橋によって形成されることにより二環構造が形成されている、修飾糖部分を意味する。特定の実施形態において、二環式糖部分の第1の環は、フラノシル部分である。特定の実施形態において、二環式糖部分は、フラノシル部分を含まない。
【0020】
本明細書で使用されるとき、「分岐基」とは、少なくとも3つの基との共有結合を形成することができる、少なくとも3つの位置を有する原子団を意味する。特定の実施形態において、分岐基は、コンジュゲートリンカー及び/または切断可能部分を介して、係留リガンドをオリゴヌクレオチドに接続するための複数の反応部位を提供する。
【0021】
本明細書で使用されるとき、「細胞標的化部分」とは、細胞標的化部分を持たないオリゴマー化合物と比較して、特定の細胞型への取込み及び/または特定の組織への分布を改善する、コンジュゲート基またはコンジュゲート基の一部を意味する。
【0022】
本明細書で使用されるとき、「切断可能部分」とは、生理学的条件下、例えば、細胞、動物またはヒトの内部で切断される結合または原子団を意味する。
【0023】
本明細書で使用されるとき、オリゴヌクレオチドに関する「相補的」とは、当該オリゴヌクレオチドまたはその1つ以上の領域の核酸塩基のうちの少なくとも70%と、別の核酸またはその1つ以上の領域の核酸塩基とが、当該オリゴヌクレオチドの核酸塩基配列と他方の核酸とを逆方向に整列させたとき、互いに水素結合できることを意味する。相補的な核酸塩基とは、互いに水素結合を形成できる核酸塩基を意味する。相補的な核酸塩基対には、アデニン(A)とチミン(T)、アデニン(A)とウラシル(U)、シトシン(C)とグアニン(G)、5-メチルシトシン(C)とグアニン(G)が含まれる。相補的なオリゴヌクレオチド及び/または核酸は、各ヌクレオシドで核酸塩基相補性を有する必要はない。むしろ、いくつかのミスマッチが許容される。本明細書で使用されるとき、オリゴヌクレオチドに関する「完全に相補的」または「100%相補的」とは、当該オリゴヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドで、別のオリゴヌクレオチドまたは核酸に相補的であることを意味する。
【0024】
本明細書で使用されるとき、「コンジュゲート基」とは、オリゴヌクレオチドに直接的または間接的に結合している原子団を意味する。コンジュゲート基は、コンジュゲート部分と、コンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに結合させるコンジュゲートリンカーとを含む。
【0025】
本明細書で使用されるとき、「コンジュゲートリンカー」とは、コンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに接続させる少なくとも1つの結合を含む原子団を意味する。
【0026】
本明細書で使用されるとき、「コンジュゲート部分」とは、コンジュゲートリンカーを介してオリゴヌクレオチドに結合している原子団を意味する。
【0027】
本明細書で使用されるとき、オリゴヌクレオチドとの関係における「連続した」は、互いに直接隣接するヌクレオシド、核酸塩基、糖部分またはヌクレオシド間結合を指す。例えば、「連続した核酸塩基」とは、配列中の互いに直接隣接する核酸塩基を意味する。
【0028】
本明細書で使用されるとき、「二本鎖アンチセンス化合物」とは、互いに相補的であり二本鎖を形成する2つのオリゴマー化合物を含み、当該2つのオリゴマー化合物のうちの1つは、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、アンチセンス化合物を意味する。
【0029】
本明細書で使用されるとき、修飾オリゴヌクレオチドに関する「完全に修飾された」とは、各糖部分が修飾されている、修飾オリゴヌクレオチドを意味する。修飾オリゴヌクレオチドに関する「一様に修飾された」とは、各糖部分が同一である、完全に修飾されたオリゴヌクレオチドを意味する。例えば、一様に修飾されたオリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、それぞれが2’-MOE修飾を有するが、異なる核酸塩基修飾を有し得、またヌクレオシド間結合が異なっていてもよい。
【0030】
本明細書で使用されるとき、「ギャップマー」とは、非修飾糖部分を含むヌクレオシドを複数有する内側領域を含み、その内側領域が、修飾糖部分を含むヌクレオシドを1つ以上有する外側領域の間に配置された、修飾オリゴヌクレオチドを意味し、内側領域に隣接する外側領域のヌクレオシドはそれぞれ修飾糖部分を含む。内側領域は、「ギャップ」と呼ぶことができ、外側領域は、「ウイング」と呼ぶことができる。
【0031】
本明細書で使用されるとき、「ハイブリダイゼーション」とは、相補的なオリゴヌクレオチド及び/または核酸の対合またはアニーリングを意味する。特定の機序に限定されるものではないが、最も一般的なハイブリダイゼーションの機序には、ワトソン・クリック型、フーグスティーン型または逆フーグスティーン型の水素結合であり得る、相補的な核酸塩基間での水素結合が関与する。
【0032】
本明細書で使用されるとき、「発現または活性を阻害する」は、未処置または対照試料における活性の発現と比較した、発現または活性の低減または遮断を指し、必ずしも発現または活性の完全な排除を示すものではない。
【0033】
本明細書で使用されるとき、「ヌクレオシド間結合」という用語は、オリゴヌクレオチドにおいて、隣接するヌクレオシド間の共有結合を形成する基または結合を意味する。本明細書で使用されるとき、「修飾ヌクレオシド間結合(修飾されたヌクレオシド間結合)」とは、天然に生じるリン酸ヌクレオシド間結合以外の任意のヌクレオシド間結合を意味する。非リン酸結合は、本明細書中、修飾ヌクレオシド間結合と称する。「ホスホロチオエート結合」とは、リン酸結合の架橋していない酸素原子のうちの1つが硫黄原子で置き換えられた、修飾リン酸結合を意味する。ホスホロチオエートヌクレオシド間結合は、修飾ヌクレオシド間結合である。修飾ヌクレオシド間結合には、脱塩基ヌクレオシドを含む結合が含まれる。本明細書で使用されるとき、「脱塩基ヌクレオシド」とは、核酸塩基に直接的に接続していないオリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物中の糖部分を意味する。特定の実施形態において、脱塩基ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチド中の1つまたは2つのヌクレオシドに隣接している。
【0034】
本明細書で使用されるとき、「リンカーヌクレオシド」とは、オリゴヌクレオチドをコンジュゲート部分に直接的または間接的に結合させるヌクレオシドを意味する。リンカーヌクレオシドは、オリゴマー化合物のコンジュゲートリンカー内に位置する。リンカーヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドと連続していても、オリゴマー化合物のオリゴヌクレオチド部分の一部とはみなされない。
【0035】
本明細書で使用されるとき、「非二環式修飾糖」または「非二環式修飾糖部分」とは、糖の2つの原子の間に架橋を形成して第2の環を形成しない置換基などの修飾を含む修飾糖部分を意味する。
【0036】
本明細書で使用されるとき、「結合されたヌクレオシド」は、連続した配列で接続されたヌクレオシドである(すなわち、結合されたヌクレオシド間に追加のヌクレオシドが存在しない)。
【0037】
本明細書で使用されるとき、「ミスマッチ」または「非相補的」とは、第1のオリゴマー化合物と第2のオリゴマー化合物を整列させたとき、第1のオリゴヌクレオチドの核酸塩基が第2のオリゴヌクレオチドまたは標的核酸の対応する核酸塩基と相補的でないことを意味する。
【0038】
本明細書で使用されるとき、「MOE」とは、メトキシエチルを意味する。「2’-MOE」とは、フラノシル環の2’位にある-OCHCHOCH基を意味する。
【0039】
本明細書で使用されるとき、「モチーフ」とは、オリゴヌクレオチドにおける、修飾されていない及び/または修飾された糖部分、核酸塩基及び/またはヌクレオシド間結合のパターンを意味する。
【0040】
本明細書で使用されるとき、「天然に生じる」とは、自然に存在することを意味する。
【0041】
本明細書で使用されるとき、「核酸塩基」とは、天然に生じる核酸塩基または修飾された核酸塩基を意味する。本明細書で使用されるとき、「天然に生じる核酸塩基」は、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、ウラシル(U)及びグアニン(G)である。本明細書で使用されるとき、修飾核酸塩基は、少なくとも1つの天然に生じる核酸塩基と対合できる原子団である。ユニバーサル塩基は、5つの非修飾核酸塩基のいずれか1つと対合できる核酸塩基である。本明細書で使用されるとき、「核酸塩基配列」とは、任意の糖またはヌクレオシド間結合修飾に関係なく、核酸またはオリゴヌクレオチド中の連続した核酸塩基の順序を意味する。
【0042】
本明細書で使用されるとき、「ヌクレオシド」とは、核酸塩基及び糖部分を含む化合物を意味する。核酸塩基及び糖部分は、それぞれ独立して、非修飾であるか、修飾されている。本明細書で使用されるとき、「修飾ヌクレオシド」とは、修飾核酸塩基及び/または修飾糖部分を含むヌクレオシドを意味する。
【0043】
本明細書で使用されるとき、「2’-O-(N-アルキルアセトアミド)」とは、フラノシル環の2’位にある-O-CH-C(O)-NH-アルキル基を意味する。
【0044】
本明細書で使用されるとき、「2’-O-(N-メチルアセトアミド)」または「2’-NMA」とは、フラノシル環の2’位にある-O-CH-C(O)-NH-CH基を意味する。
【0045】
本明細書で使用されるとき、「オリゴマー化合物」とは、オリゴヌクレオチドと、任意選択でコンジュゲート基または末端基などの1つ以上の更なる特徴とからなる化合物を意味する。
【0046】
本明細書で使用されるとき、「オリゴヌクレオチド」とは、ヌクレオシド間結合を介して接続された、結合されたヌクレオシドの鎖を意味し、各ヌクレオシド及びヌクレオシド間結合は、修飾されていても修飾されていなくてもよい。特に指定のない限り、オリゴヌクレオチドは、8~50個の結合されたヌクレオシドからなる。本明細書で使用されるとき、「修飾オリゴヌクレオチド」とは、少なくとも1つのヌクレオシドまたはヌクレオシド間結合が修飾されている、オリゴヌクレオチドを意味する。本明細書で使用されるとき、「非修飾オリゴヌクレオチド」とは、いかなるヌクレオシド修飾もヌクレオシド間修飾も含まないオリゴヌクレオチドを意味する。
【0047】
本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される担体または希釈剤」とは、動物への投与に使用するのに好適な任意の物質を意味する。このような特定の担体は、対象による経口摂取用の医薬組成物、例えば、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤及びロゼンジ剤の製剤化を可能にする。特定の実施形態において、薬学的に許容される担体または希釈剤は、滅菌水、滅菌生理食塩水または滅菌緩衝液である。
【0048】
本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される塩」とは、オリゴマー化合物などの化合物の生理学的及び薬学的に許容される塩、すなわち、親化合物の所望の生物学的活性を保持し、かつ望ましくない毒性作用を付与しない塩を意味する。
【0049】
本明細書で使用されるとき、「医薬組成物」とは、対象への投与に好適な物質の混合物を意味する。例えば、医薬組成物は、アンチセンス化合物及び無菌水溶液を含み得る。特定の実施形態において、医薬組成物は、特定の細胞株におけるフリー取込みアッセイ(free uptake assay)で活性を示す。
【0050】
本明細書で使用されるとき、「リン部分」とは、リン原子を含む原子団を意味する。特定の実施形態において、リン部分は、一リン酸、二リン酸もしくは三リン酸、またはモノ、ジもしくはトリホスホロチオエートを含む。
【0051】
本明細書で使用されるとき、「ホスホジエステルヌクレオシド間結合」とは、修飾オリゴヌクレオチドの隣接する2つのヌクレオシドに共有結合しているリン酸基を意味する。
【0052】
本明細書で使用されるとき、「転写産物前駆体」とは、プロセシングを受けて、転写産物の被プロセシング形態または成熟形態を形成するコードRNAまたは非コードRNAを意味する。転写産物前駆体には、pre-mRNA、長鎖非コードRNA、pri-miRNA及びイントロンRNAが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
本明細書で使用されるとき、転写産物前駆体に関する「プロセシング」とは、転写産物前駆体が変換されて対応する被プロセシング転写産物を形成することを意味する。転写産物前駆体のプロセシングには、転写産物前駆体のプロセシング部位におけるヌクレアーゼ切断事象が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
本明細書で使用されるとき、「プロドラッグ」とは、体内または細胞内で異なる形態に変換される、体外にある形態の治療薬を意味する。典型的に、プロドラッグの体内での変換は、細胞もしくは組織に存在する酵素(例えば、内因性またはウイルス性酵素)もしくは化学物質の作用によって、及び/または生理学的条件によって促進される。
【0055】
本明細書で使用されるとき、「RNAi化合物」とは、少なくとも部分的に、RISCまたはAgo2を介して作用して、標的核酸及び/または標的核酸によってコードされているタンパク質を調節するアンチセンス化合物を意味する。RNAi化合物には、二本鎖siRNA、一本鎖RNA(ssRNA)、及びmicroRNA(microRNA模倣体を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、RNAi化合物は、標的核酸の量、活性及び/またはスプライシングを調節する。RNAi化合物という用語は、RNase Hを介して作用するアンチセンスオリゴヌクレオチドを含まない。
【0056】
本明細書で使用されるとき、アンチセンス化合物に関する「一本鎖」という用語は、第2のオリゴマー化合物と対合して二本鎖を形成しない、1つのオリゴマー化合物からなる化合物を意味する。オリゴヌクレオチドに関する「自己相補性」とは、それ自体が少なくとも部分的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを意味する。1つのオリゴマー化合物からなり、そのオリゴマー化合物のオリゴヌクレオチドが自己相補性である化合物は、一本鎖化合物である。一本鎖のアンチセンス化合物またはオリゴマー化合物は、相補的なオリゴマー化合物に結合して二本鎖を形成することができる。
【0057】
本明細書で使用されるとき、「スプライス部位」は、転写産物前駆体の一領域であり、オリゴヌクレオチドが当該領域にハイブリダイズする場合、次いで、転写産物前駆体のスプライシングが調節される。
【0058】
本明細書で使用されるとき、「スプライシング」とは、pre-mRNAがプロセシングを受けて、対応するmRNAを形成するプロセスを意味する。スプライシングには、pre-mRNAからのイントロンの除去及びエクソンの結合が挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
本明細書で使用されるとき、「糖部分」とは、非修飾糖部分または修飾糖部分を意味する。本明細書で使用されるとき、「非修飾糖部分」とは、RNAに認められるような2’-OH(H)フラノシル部分(「非修飾RNA糖部分」)またはDNAに認められるような2’-H(H)部分(「非修飾DNA糖部分」)を意味する。非修飾糖部分は、1’位、3’位及び4’位にそれぞれ1つの水素と、3’位に1つの酸素と、5’位に2つの水素とを有する。本明細書で使用されるとき、「修飾糖部分(修飾された糖部分)」または「修飾糖(修飾された糖)」とは、修飾フラノシル糖部分または糖代替物を意味する。本明細書で使用されるとき、修飾フラノシル糖部分とは、非修飾糖部分の少なくとも1つの水素の代わりに、水素以外の置換基を含む、フラノシル糖を意味する。特定の実施形態において、修飾フラノシル糖部分は、2’-置換糖部分である。このような修飾フラノシル糖部分には、二環式糖及び非二環式糖が含まれる。本明細書で使用されるとき、「糖代替物」とは、核酸塩基を、オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間結合、コンジュゲート基または末端基などの別の基に結合させることができる、フラノシル部分ではない修飾糖部分を意味する。糖代替物を含む修飾ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチド内の1つ以上の位置に組み込むことができ、このようなオリゴヌクレオチドは、相補的なオリゴマー化合物または核酸にハイブリダイズすることができる。
【0060】
本明細書で使用されるとき、「標的転写産物前駆体」とは、オリゴヌクレオチドがハイブリダイズするように設計された転写産物前駆体を意味する。特定の実施形態において、標的転写産物前駆体は、標的pre-mRNAである。本明細書で使用されるとき、「標的被プロセシング転写産物」とは、対応する標的転写産物前駆体のプロセシングから生じたRNAを意味する。特定の実施形態において、標的被プロセシング転写産物は、標的mRNAである。本明細書で使用されるとき、「標的pre-mRNA」とは、オリゴヌクレオチドがハイブリダイズするように設計されたpre-mRNAを意味する。本明細書で使用されるとき、「標的mRNA」とは、対応する標的pre-mRNAのスプライシングから生じたmRNAを意味する。
【0061】
本明細書で使用されるとき、「標的組織」は、標的転写産物前駆体が存在し、かつ標的転写産物前駆体の調節を起こさせることを意図した、身体の1つもしくは複数の組織または1つもしくは複数の他の選択部分である。特定の実施形態において、標的転写産物前駆体は、標的組織及び非標的組織中に存在する。特定の実施形態において、標的転写産物前駆体は、標的組織中にのみ存在する。
【0062】
本明細書で使用されるとき、「末端基」とは、オリゴヌクレオチドの末端に共有結合した化学基または原子団を意味する。
【0063】
特定の実施形態:
実施形態1:14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、当該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、式Iの構造をそれぞれ有し、
【0064】
【化1】
【0065】
式Iの各ヌクレオシドについて、
Bxは、独立して選択される核酸塩基であり、
は、独立して、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択され、
当該修飾オリゴヌクレオチドは、4個以上の連続した2’-デオキシリボヌクレオシドの領域を含まない、オリゴマー化合物。
【0066】
実施形態2:14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、当該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、式Iの構造をそれぞれ有し、
【0067】
【化2】
【0068】
式Iの各ヌクレオシドについて、
Bxは、独立して選択される核酸塩基であり、
は、独立して、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択され、
当該修飾オリゴヌクレオチドは、ギャップマーではない、オリゴマー化合物。
【0069】
実施形態3:14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、当該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、式Iの構造をそれぞれ有し、
【0070】
【化3】
【0071】
式Iの各ヌクレオシドについて、
Bxは、独立して選択される核酸塩基であり、
は、独立して、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択され、
当該修飾オリゴヌクレオチドは、pre-mRNAのイントロンまたはイントロン/エクソン境界に相補的である、オリゴマー化合物。
【0072】
実施形態4:14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、当該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、式Iの構造をそれぞれ有し、
【0073】
【化4】
【0074】
式Iの各ヌクレオシドについて、
Bxは、独立して選択される核酸塩基であり、
は、独立して、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択され、
当該修飾オリゴヌクレオチドは、標的転写産物前駆体のプロセシングを調節する、オリゴマー化合物。
【0075】
実施形態5:各Bxが、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシル及び5-メチルシトシンから選択される、実施形態1~4のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0076】
実施形態6:各Rがメチル及びエチルから選択される、実施形態1~5のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0077】
実施形態7:当該修飾オリゴヌクレオチドの7個のヌクレオシドのそれぞれが、式Iから独立して選択される構造を有する、実施形態1~6のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0078】
実施形態8:当該修飾オリゴヌクレオチドの8個のヌクレオシドのそれぞれが、式Iから独立して選択される構造を有する、実施形態1~6のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0079】
実施形態9:当該修飾オリゴヌクレオチドの9個のヌクレオシドのそれぞれが、式Iから独立して選択される構造を有する、実施形態1~6のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0080】
実施形態10:当該修飾オリゴヌクレオチドの10個のヌクレオシドのそれぞれが、式Iから独立して選択される構造を有する、実施形態1~6のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0081】
実施形態11:当該修飾オリゴヌクレオチドの11個のヌクレオシドのそれぞれが、式Iから独立して選択される構造を有する、実施形態1~6のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0082】
実施形態12:当該修飾オリゴヌクレオチドの12個のヌクレオシドのそれぞれが、式Iから独立して選択される構造を有する、実施形態1~6のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0083】
実施形態13:当該修飾オリゴヌクレオチドの13個のヌクレオシドのそれぞれが、式Iから独立して選択される構造を有する、実施形態1~6のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0084】
実施形態14:当該修飾オリゴヌクレオチドの14個のヌクレオシドのそれぞれが、式Iから独立して選択される構造を有する、実施形態1~6のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0085】
実施形態15:当該修飾オリゴヌクレオチドの15個のヌクレオシドのそれぞれが、式Iから独立して選択される構造を有する、実施形態1~6のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0086】
実施形態16:当該修飾オリゴヌクレオチドの16個のヌクレオシドのそれぞれが、式Iから独立して選択される構造を有する、実施形態1~6のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0087】
実施形態17:当該修飾オリゴヌクレオチドの17個のヌクレオシドのそれぞれが、式Iから独立して選択される構造を有する、実施形態1~6のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0088】
実施形態18:当該修飾オリゴヌクレオチドの18個のヌクレオシドのそれぞれが、式Iから独立して選択される構造を有する、実施形態1~6のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0089】
実施形態19:当該修飾オリゴヌクレオチドの19個のヌクレオシドのそれぞれが、式Iから独立して選択される構造を有する、実施形態1~6のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0090】
実施形態20:当該修飾オリゴヌクレオチドの20個のヌクレオシドのそれぞれが、式Iから独立して選択される構造を有する、実施形態1~6のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0091】
実施形態21:式Iの構造を有する少なくとも1つのヌクレオシドのRがメチルである、実施形態1~20のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0092】
実施形態22:Rが、式Iの構造を有するヌクレオシドの全てについて同一である、実施形態1~21のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0093】
実施形態23:14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、当該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含み、当該修飾オリゴヌクレオチドは、4個以上の連続した2’-デオキシリボヌクレオシドの領域を含まない、オリゴマー化合物。
【0094】
実施形態24:14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、当該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含み、当該修飾オリゴヌクレオチドは、ギャップマーではない、オリゴマー化合物。
【0095】
実施形態25:14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、当該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含み、当該修飾オリゴヌクレオチドは、pre-mRNAのイントロンまたはイントロン/エクソン境界に相補的である、オリゴマー化合物。
【0096】
実施形態26:14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、当該修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含み、当該修飾オリゴヌクレオチドは、標的転写産物前駆体のプロセシングを調節する、オリゴマー化合物。
【0097】
実施形態27:各2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾ヌクレオシドが、2’-O-(N-メチルアセトアミド)及び2’-O-(N-エチルアセトアミド)から選択される修飾糖部分を含む、実施形態23~26のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0098】
実施形態28:当該修飾オリゴヌクレオチドの7個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、実施形態23~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0099】
実施形態29:当該修飾オリゴヌクレオチドの8個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、実施形態23~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0100】
実施形態30:当該修飾オリゴヌクレオチドの9個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、実施形態23~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0101】
実施形態31:当該修飾オリゴヌクレオチドの10個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、実施形態23~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0102】
実施形態32:当該修飾オリゴヌクレオチドの11個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、実施形態23~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0103】
実施形態33:当該修飾オリゴヌクレオチドの12個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、実施形態23~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0104】
実施形態34:当該修飾オリゴヌクレオチドの13個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、実施形態23~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0105】
実施形態35:当該修飾オリゴヌクレオチドの14個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、実施形態23~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0106】
実施形態36:当該修飾オリゴヌクレオチドの15個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、実施形態23~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0107】
実施形態37:当該修飾オリゴヌクレオチドの16個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、実施形態23~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0108】
実施形態38:当該修飾オリゴヌクレオチドの17個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、実施形態23~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0109】
実施形態39:当該修飾オリゴヌクレオチドの18個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、実施形態23~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0110】
実施形態40:当該修飾オリゴヌクレオチドの19個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、実施形態23~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0111】
実施形態41:当該修飾オリゴヌクレオチドの20個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、実施形態23~27のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0112】
実施形態42:当該2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分のうちの少なくとも1つが、2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾糖部分である、実施形態23~41のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0113】
実施形態43:当該2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分のそれぞれのN-アルキル基が、同じN-アルキル基である、実施形態23~41のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0114】
実施形態44:当該2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分のそれぞれが、2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾糖部分である、実施形態23~41のいずれに記載のオリゴマー化合物。
【0115】
実施形態45:当該修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドが、2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾糖部分を含む、実施形態1~44のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0116】
実施形態46:当該修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドが修飾糖部分を含む、実施形態1~45のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0117】
実施形態47:各ヌクレオシドが、独立して選択される2’-修飾非二環式糖部分を含む、実施形態46に記載のオリゴマー化合物。
【0118】
実施形態48:各ヌクレオシドが、独立して選択される2’-修飾非二環式糖部分または二環式糖部分を含む、実施形態46に記載のオリゴマー化合物。
【0119】
実施形態49:各2’-修飾非二環式糖部分が2’-O-(N-アルキルアセトアミド)糖部分である、実施形態48に記載のオリゴマー化合物。
【0120】
実施形態50:各2’-O-(N-アルキルアセトアミド)糖部分が2’-O-(N-メチルアセトアミド)糖部分である、実施形態49に記載のオリゴマー化合物。
【0121】
実施形態51:当該修飾オリゴヌクレオチドが、16~23個の結合されたヌクレオシドからなる、実施形態1~50のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0122】
実施形態52:当該修飾オリゴヌクレオチドが、18~20個の結合されたヌクレオシドからなる、実施形態1~50のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0123】
実施形態53:当該修飾オリゴヌクレオチドが16個のヌクレオシドからなる、実施形態1~50のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0124】
実施形態54:当該修飾オリゴヌクレオチドが17個のヌクレオシドからなる、実施形態1~50のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0125】
実施形態55:当該修飾オリゴヌクレオチドが18個のヌクレオシドからなる、実施形態1~50のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0126】
実施形態56:当該修飾オリゴヌクレオチドが19個のヌクレオシドからなる、実施形態1~50のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0127】
実施形態57:当該修飾オリゴヌクレオチドが20個のヌクレオシドからなる、実施形態1~50のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0128】
実施形態58:当該修飾オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合を含む、実施形態1~57のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0129】
実施形態59:当該修飾オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む、実施形態1~58のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0130】
実施形態60:当該修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合及びホスホジエステルヌクレオシド間結合から選択される、実施形態59に記載のオリゴマー化合物。
【0131】
実施形態61:各ヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である、実施形態59に記載のオリゴマー化合物。
【0132】
実施形態62:当該修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、実施形態1~61のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0133】
実施形態63:当該修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1つの修飾核酸塩基を含む、実施形態1~62のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0134】
実施形態64:当該修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1つの5-メチルシトシンを含む、実施形態1~63のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0135】
実施形態65:当該修飾オリゴヌクレオチドの各核酸塩基が、チミン、5-メチルシトシン、シトシン、アデニン、ウラシル及びグアニンから選択される、実施形態1~64のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0136】
実施形態66:当該修飾オリゴヌクレオチドの各シトシンが5-メチルシトシンである、実施形態1~65のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0137】
実施形態67:当該修飾オリゴヌクレオチドの各核酸塩基が、チミン、5-メチルシトシン、アデニン及びグアニンから選択される、実施形態1~66のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0138】
実施形態68:当該修飾オリゴヌクレオチドが、標的転写産物前駆体に少なくとも70%相補的である、実施形態1~67のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0139】
実施形態69:当該修飾オリゴヌクレオチドが、標的転写産物前駆体に少なくとも75%相補的である、実施形態1~67のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0140】
実施形態70:当該修飾オリゴヌクレオチドが、標的転写産物前駆体に少なくとも80%相補的である、実施形態1~67のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0141】
実施形態71:当該修飾オリゴヌクレオチドが、標的転写産物前駆体に少なくとも85%相補的である、実施形態1~67のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0142】
実施形態72:当該修飾オリゴヌクレオチドが、標的転写産物前駆体に少なくとも90%相補的である、実施形態1~67のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0143】
実施形態73:当該修飾オリゴヌクレオチドが、標的転写産物前駆体に少なくとも95%相補的である、実施形態1~67のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0144】
実施形態74:当該修飾オリゴヌクレオチドが、標的転写産物前駆体に少なくとも100%相補的である、実施形態1~67のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0145】
実施形態75:当該修飾オリゴヌクレオチドが、プロセシング部位を含有する標的転写産物前駆体の一部に相補的である、実施形態68~74のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0146】
実施形態76:当該修飾オリゴヌクレオチドが、変異を含有する標的転写産物前駆体の一部に相補的である、実施形態68~75のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0147】
実施形態77:当該修飾オリゴヌクレオチドが、潜在的プロセシング部位を含有する標的転写産物前駆体の一部に相補的である、実施形態68~76のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0148】
実施形態78:当該修飾オリゴヌクレオチドが、異常なプロセシング部位を含有する標的転写産物前駆体の一部に相補的である、実施形態68~76のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0149】
実施形態79:当該修飾オリゴヌクレオチドが、標的pre-mRNAに相補的である、実施形態1~78のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0150】
実施形態80:当該標的転写産物前駆体が標的pre-mRNAである、実施形態1~78のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0151】
実施形態81:当該修飾オリゴヌクレオチドが、イントロン-エクソン境界を含有するpre-mRNAの一部に相補的である、実施形態79または80に記載のオリゴマー化合物。
【0152】
実施形態82:当該修飾オリゴヌクレオチドが、pre-mRNAのエクソンに相補的である、実施形態79または80に記載のオリゴマー化合物。
【0153】
実施形態83:当該修飾オリゴヌクレオチドが、pre-mRNAのイントロンに相補的である、実施形態79または80に記載のオリゴマー化合物。
【0154】
実施形態84:コンジュゲート基を含む、実施形態1~83のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0155】
実施形態85:当該コンジュゲート基が少なくとも1つのGalNAc部分を含む、実施形態84に記載のオリゴマー化合物。
【0156】
実施形態86:当該コンジュゲート基が脂質または親油基を含む、実施形態84に記載のオリゴマー化合物。
【0157】
実施形態87:当該脂質または親油基が、コレステロール、C10~C26飽和脂肪酸、C10~C26不飽和脂肪酸、C10~C26アルキル、トリグリセリド、トコフェロールまたはコール酸から選択される、実施形態86に記載のオリゴマー化合物。
【0158】
実施形態88:当該脂質または親油基が、飽和炭化水素鎖または不飽和炭化水素鎖である、実施形態86に記載のオリゴマー化合物。
【0159】
実施形態89:当該脂質または親油基がC16脂質である、実施形態86~88のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0160】
実施形態90:当該脂質または親油基がC18脂質である、実施形態86~88のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0161】
実施形態91:当該脂質または親油基がC16アルキルである、実施形態86~88のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0162】
実施形態92:当該脂質または親油基がC18アルキルである、実施形態86~88のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0163】
実施形態93:当該脂質または親油基がコレステロールである、実施形態86に記載のオリゴマー化合物。
【0164】
実施形態94:当該脂質または親油基がトコフェロールである、実施形態86に記載のオリゴマー化合物。
【0165】
実施形態95:当該脂質または親油基が飽和C16である、実施形態86に記載のオリゴマー化合物。
【0166】
実施形態96:当該コンジュゲート基が、修飾オリゴヌクレオチドの5’末端で修飾オリゴヌクレオチドに結合している、実施形態84~95のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0167】
実施形態97:当該コンジュゲート基が、修飾オリゴヌクレオチドの3’末端で修飾オリゴヌクレオチドに結合している、実施形態84~95のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0168】
実施形態98:当該コンジュゲート基が切断可能リンカーを含む、実施形態84~97のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0169】
実施形態99:当該切断可能リンカーが1つ以上のリンカーヌクレオシドを含む、実施形態98に記載のオリゴマー化合物。
【0170】
実施形態100:当該切断可能リンカーがリンカーヌクレオシドを含有しない、実施形態98に記載のオリゴマー化合物。
【0171】
実施形態101:当該修飾オリゴヌクレオチドからなる、実施形態1~83のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0172】
実施形態102:当該修飾オリゴヌクレオチド及び当該コンジュゲート基からなる、実施形態84~100のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0173】
実施形態103:当該標的転写産物前駆体がSMN2 pre-mRNAではない、実施形態1~102のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0174】
実施形態104:当該標的転写産物前駆体がジストロフィンpre-mRNAではない、実施形態1~103のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0175】
実施形態105:当該標的転写産物前駆体がSMN2 pre-mRNAである、実施形態1~102のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0176】
実施形態106:当該標的転写産物前駆体がジストロフィンpre-mRNAである、実施形態1~102のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0177】
実施形態107:一本鎖である、実施形態1~106のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0178】
実施形態108:相補的オリゴマー化合物と対合して二本鎖化合物を形成した、実施形態1~106のいずれかに記載のオリゴマー化合物。
【0179】
実施形態109:当該相補的オリゴマー化合物がコンジュゲート基を含む、実施形態108に記載のオリゴマー化合物。
【0180】
実施形態110:実施形態1~109のいずれかに記載のオリゴマー化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む、医薬組成物。
【0181】
実施形態111:実施形態1~110のいずれかに記載のオリゴマー化合物または組成物と細胞を接触させることを含む、標的転写産物前駆体のプロセシングを調節する方法。
【0182】
実施形態112:当該標的転写産物前駆体が標的pre-mRNAである、実施形態111に記載の方法。
【0183】
実施形態113:当該標的pre-mRNAのスプライシングの調節が、当該標的mRNAのエクソンの包含を、当該化合物または組成物の非存在下で生産される標的mRNAのエクソンの包含量と比較して増加させる、実施形態112に記載の方法。
【0184】
実施形態114:当該標的pre-mRNAのスプライシングの調節が、当該標的mRNAのエクソンの除外を、当該化合物または組成物の非存在下で生産される標的mRNAのエクソンの除外量と比較して増加させる、実施形態112に記載の方法。
【0185】
実施形態115:当該標的mRNAのナンセンス変異依存分解が誘導される、実施形態111~114のいずれかに記載の方法。
【0186】
実施形態116:当該標的mRNAのナンセンス変異依存分解が減少される、実施形態111~114のいずれかに記載の方法。
【0187】
実施形態117:当該標的mRNAが未成熟終止コドンを含有しない、実施形態111~116のいずれかに記載の方法。
【0188】
実施形態118:当該標的mRNAが未成熟終止コドンを含有する、実施形態111~116のいずれかに記載の方法。
【0189】
実施形態119:当該細胞が筋肉細胞である、実施形態111~118のいずれかに記載の方法。
【0190】
実施形態120:当該細胞がニューロンである、実施形態111~118のいずれかに記載の方法。
【0191】
実施形態121:当該細胞が肝細胞である、実施形態111~118のいずれかに記載の方法。
【0192】
実施形態122:当該細胞が中枢神経系内にある、実施形態111~118のいずれかに記載の方法。
【0193】
実施形態123:当該細胞が動物内にある、実施形態111~122のいずれかに記載の方法。
【0194】
実施形態124:当該細胞がヒト内にある、実施形態122~122のいずれかに記載の方法。
【0195】
実施形態125:実施形態1~110のいずれかに記載のオリゴマー化合物または組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、標的転写産物前駆体のプロセシングを調節することによって疾患または病態を治療する方法。
【0196】
実施形態126:当該標的転写産物前駆体が標的pre-mRNAである、実施形態125に記載の方法。
【0197】
実施形態127:当該疾患または病態がスプライシング異常に関連する、実施形態125または126に記載の方法。
【0198】
実施形態128:当該化合物または組成物の投与が、疾患または病態において標的mRNAから除外された当該標的mRNA中のエクソンの包含を増加させる、実施形態125~127のいずれかに記載の方法。
【0199】
実施形態129:当該化合物または組成物の投与が、疾患または病態において標的mRNA中に包含された当該標的mRNA中のエクソンの除外を増加させる、実施形態125~127のいずれか一項に記載の方法。
【0200】
実施形態130:標的mRNAのナンセンス変異依存分解が誘導される、実施形態125~129のいずれかに記載の方法。
【0201】
実施形態131:当該標的mRNAが未成熟終止コドンを含有しない、実施形態125~130のいずれかに記載の方法。
【0202】
実施形態132:当該標的mRNAが未成熟終止コドンを含有する、実施形態125~131のいずれかに記載の方法。
【0203】
実施形態133:当該投与が全身投与である、実施形態121~132のいずれかに記載の方法。
【0204】
実施形態134:当該投与が皮下投与である、実施形態133に記載の方法。
【0205】
実施形態135:当該投与が中枢投与である、実施形態125~134のいずれかに記載の方法。
【0206】
実施形態136:当該投与が髄腔内投与である、実施形態135に記載の方法。
【0207】
実施形態137:それを必要とする患者に対する、独立して選択される実施形態1~103のいずれかに記載のオリゴマー化合物または組成物の第2の投与を含み、第1の投与が全身投与であり、第2の投与が中枢投与である、実施形態125~136のいずれかに記載の方法。
【0208】
実施形態138:全身投与される当該化合物が修飾オリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチド及びコンジュゲート基からなり、中枢投与される当該オリゴマー化合物が修飾オリゴヌクレオチドからなる、実施形態137に記載の方法。
【0209】
実施形態139:治療法に使用するための実施形態1~109のいずれかに記載のオリゴマー化合物または実施形態110に記載の組成物。
【0210】
実施形態140:疾患または病態を治療するための薬剤の調製のための実施形態1~109のいずれかに記載のオリゴマー化合物または実施形態110に記載の組成物の使用。
【0211】
実施形態141:スプライシング異常に関連する疾患または病態を治療するための薬剤の調製のための実施形態1~109のいずれかに記載のオリゴマー化合物または実施形態110に記載の組成物の使用。
【0212】
I.特定のオリゴヌクレオチド
特定の実施形態において、本発明は、結合されたヌクレオシドからなるオリゴヌクレオチドを提供する。オリゴヌクレオチドは、非修飾オリゴヌクレオチド(非修飾RNAまたはDNA)であってもよいし、修飾オリゴヌクレオチドであってもよい。修飾オリゴヌクレオチドは、非修飾RNAまたはDNAに対して少なくとも1つの修飾を含む(すなわち、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド(修飾糖部分及び/または修飾核酸塩基を含む)及び/または少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合を含む)。
【0213】
A.特定の修飾ヌクレオシド
修飾ヌクレオシドは、修飾糖部分または修飾核酸塩基または修飾糖部分と修飾核酸塩基の両方を含む。
【0214】
1.特定の糖部分
特定の実施形態において、修飾糖部分は、非二環式修飾糖部分である。特定の実施形態において、修飾糖部分は、二環式または三環式糖部分である。特定の実施形態において、修飾糖部分は、糖代替物である。このような糖代替物は、他の種類の修飾糖部分の置換に相当する、1つ以上の置換を含み得る。
【0215】
特定の実施形態において、修飾糖部分は、限定するものではないが、2’位、4’位及び/または5’位での置換基を含む、1つ以上の非環式置換基を有するフラノシル環を含む、非二環式修飾糖部分である。特定の実施形態において、非二環式修飾糖部分の1つ以上の非環式置換基は、分枝状である。非二環式修飾糖部分に好適な2’-置換基の例には、2’-O-(N-アルキルアセトアミド)、例えば、2’-O-(N-メチルアセトアミド)が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、U.S.6,147,200及びPrakash et al.,Org.Lett.,5,403-6(2003)を参照されたい。「2’-O-(N-メチルアセトアミド)」または「2’-NMA」修飾ヌクレオシドを以下に示す。
【0216】
【化5】
【0217】
特定の実施形態において、2’-置換基は、2’-F、2’-OCH(「OMe」または「O-メチル」)、2’-O(CHOCH(「MOE」)、ハロ、アリル、アミノ、アジド、SH、CN、OCN、CF、OCF、O-C~C10アルコキシ、O-C~C10置換アルコキシ、O-C~C10アルキル、O-C~C10置換アルキル、S-アルキル、N(R)-アルキル、O-アルケニル、S-アルケニル、N(R)-アルケニル、O-アルキニル、S-アルキニル、N(R)-アルキニル、O-アルキレニル-O-アルキル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリル、O-アラルキル、O(CHSCH、O(CHON(R)(R)またはOCHC(=O)-N(R)(R)(式中、各R及びRは、独立して、H、アミノ保護基、または置換もしくは無置換C~C10アルキルである)ならびにCook et al.,U.S.6,531,584;Cook et al.,U.S.5,859,221;及びCook et al.,U.S.6,005,087に記載の2’-置換基から選択される。これらの2’-置換基の特定の実施形態は、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ(NO)、チオール、チオアルコキシ、チオアルキル、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル及びアルキニルから独立して選択される1つ以上の置換基で更に置換され得る。非二環式修飾糖部分に好適な4’-置換基の例には、アルコキシ(例えば、メトキシ)、アルキル及びManoharan et al.,WO2015/106128に記載のものが挙げられるが、これらに限定されない。非二環式修飾糖部分に好適な5’-置換基の例には、5’-メチル(RまたはS)、5’-ビニル及び5’-メトキシが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、非二環式修飾糖は、2つ以上の非架橋型糖置換基、例えば、2’-F-5’-メチル糖部分ならびにMigawa et al.,WO2008/101157及びRajeev et al.,US2013/0203836)に記載の修飾糖部分及び修飾ヌクレオシドを含む。
【0218】
特定の実施形態において、2’-置換ヌクレオシドまたは2’-非二環式修飾ヌクレオシドは、F、NH、N、OCF、OCH、O(CHNH、CHCH=CH、OCHCH=CH、OCHCHOCH、O(CHSCH、O(CHON(R)(R)、O(CHO(CHN(CH及びN-置換アセトアミド(OCHC(=O)-N(R)(R))(式中、各R及びRは、独立して、H、アミノ保護基、または置換もしくは無置換C~C10アルキルである)から選択される非架橋型2’-置換基を含む糖部分を含む。特定の実施形態において、各R及びRは、独立して、HまたはC~Cアルキルである。特定の実施形態において、各R及びRは、独立して、Hまたはメチルである。
【0219】
特定の実施形態において、2’-置換ヌクレオシドまたは2’-非二環式修飾ヌクレオシドは、F、OCF、OCH、OCHCHOCH、O(CHSCH、O(CHON(CH、O(CHO(CHN(CH及びOCHC(=O)-N(H)CHから選択される非架橋型2’-置換基を含む糖部分を含む。
【0220】
特定の実施形態において、2’-置換ヌクレオシドまたは2’-非二環式修飾ヌクレオシドは、F、OCH、OCHCHOCH及びOCHC(=O)-N(H)CHから選択される非架橋型2’-置換基を含む糖部分を含む。
【0221】
非二環式修飾糖部分などの修飾糖部分を含むヌクレオシドは、当該ヌクレオシドの糖部分上にある置換(複数可)の位置(複数可)によって表すことができる。例えば、2’-置換または2-修飾糖部分を含むヌクレオシドは、2’-置換ヌクレオシドまたは2-修飾ヌクレオシドと呼ばれる。
【0222】
特定の修飾糖部分は、第2の環を形成して二環式糖部分をもたらす、架橋型糖置換基を含む。このような特定の実施形態において、二環式糖部分は、4’フラノース環原子と2’フラノース環原子との間の架橋を含む。このような特定の実施形態において、フラノース環は、リボース環である。このような4’-2’架橋型糖置換基の例には、4’-CH-2’、4’-(CH-2’、4’-(CH-2’、4’-CH-O-2’(「LNA」)、4’-CH-S-2’、4’-(CH-O-2’(「ENA」)、4’-CH(CH)-O-2’(S型配置であるとき、「拘束エチル」または「cEt」ともいう)、4’-CH-O-CH-2’、4’-CH-N(R)-2’、4’-CH(CHOCH)-O-2’(「拘束MOE」または「cMOE」)及びその類似体(例えば、Seth et al.,U.S.7,399,845、Bhat et al.,U.S.7,569,686、Swayze et al.,U.S.7,741,457及びSwayze et al.,U.S.8,022,193参照)、4’-C(CH)(CH)-O-2’及びその類似体(例えば、Seth et al.,U.S.8,278,283参照)、4’-CH-N(OCH)-2’及びその類似体(例えば、Prakash et al.,U.S.8,278,425参照)、4’-CH-O-N(CH)-2’(例えば、Allerson et al.,U.S.7,696,345及びAllerson et al.,U.S.8,124,745参照)、4’-CH-C(H)(CH)-2’(例えば、Zhou,et al.,J.Org.Chem.,2009,74,118-134参照)、4’-CH-C(=CH)-2’及びその類似体(例えば、Seth et al.,U.S.8,278,426参照)、4’-C(R)-N(R)-O-2’、4’-C(R)-O-N(R)-2’、4’-CH-O-N(R)-2’、及び4’-CH-N(R)-O-2’(式中、各R、R及びRは、独立して、H、保護基、またはC~C12アルキルである)(例えば、Imanishi et al.,U.S.7,427,672参照)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0223】
特定の実施形態において、このような4’-2’架橋は、独立して、-[C(R)(R)]-、-[C(R)(R)]-O-、C(R)=C(R)-、C(R)=N-、C(=NR)-、-C(=O)-、-C(=S)-、-O-、-Si(R-、-S(=O)-及びN(R)-から独立して選択される1~4個の結合基を含み、
式中、
xは、0、1または2であり、
nは、1、2、3または4であり、
各R及びRは、独立して、H、保護基、ヒドロキシル、C~C12アルキル、置換C~C12アルキル、C~C12アルケニル、置換C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、置換C~C12アルキニル、C~C20アリール、置換C~C20アリール、複素環基、置換複素環基、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、C~C脂環式基、置換C~C脂環式基、ハロゲン、OJ、NJ、SJ、N、COOJ、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、CN、スルホニル(S(=O)-J)、またはスルホキシル(S(=O)-J)であり、
各J及びJは、独立して、H、C~C12アルキル、置換C~C12アルキル、C~C12アルケニル、置換C~C12アルケニル、C~C12アルキニル、置換C~C12アルキニル、C~C20アリール、置換C~C20アリール、アシル(C(=O)-H)、置換アシル、複素環基、置換複素環基、C~C12アミノアルキル、置換C~C12アミノアルキルまたは保護基である。
【0224】
更なる二環式糖部分も、当該技術分野において知られており、例えば、Freier et al.,Nucleic Acids Research,1997,25(22),4429-4443、Albaek et al.,J.Org.Chem.,2006,71,7731-7740、Singh et al.,Chem.Commun.,1998,4,455-456;Koshkin et al.,Tetrahedron,1998,54,3607-3630;Kumar et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1998,8,2219-2222;Singh et al.,J.Org.Chem.,1998,63,10035-10039;Srivastava et al.,J.Am.Chem.Soc.,20017,129,8362-8379;Wengel et a.,U.S.7,053,207;Imanishi et al.,U.S.6,268,490;Imanishi et al.U.S.6,770,748;Imanishi et al.,U.S.RE44,779;Wengel et al.,U.S.6,794,499;Wengel et al.,U.S.6,670,461;Wengel et al.,U.S.7,034,133;Wengel et al.,U.S.8,080,644;Wengel et al.,U.S.8,034,909;Wengel et al.,U.S.8,153,365;Wengel et al.,U.S.7,572,582;及びRamasamy et al.,U.S.6,525,191;;Torsten et al.,WO2004/106356;Wengel et al.,WO1999/014226;Seth et al.,WO2007/134181;Seth et al.,U.S.7,547,684;Seth et al.,U.S.7,666,854;Seth et al.,U.S.8,088,746;Seth et al.,U.S.7,750,131;Seth et al.,U.S.8,030,467;Seth et al.,U.S.8,268,980;Seth et al.,U.S.8,546,556;Seth et al.,U.S.8,530,640;Migawa et al.,U.S.9,012,421;Seth et al.,U.S.8,501,805;ならびに米国特許出願公開Allerson et al.,US2008/0039618及びMigawa et al.,US2015/0191727を参照されたい。
【0225】
特定の実施形態において、このような二環式糖部分が組み込まれた二環式糖部分及びヌクレオシドは、異性体配置によって更に定義される。例えば、LNAヌクレオシド(本明細書に記載のもの)は、α-L配置またはβ-D配置を取り得る。
【0226】
【化6】
【0227】
α-L-メチレンオキシ(4’-CH-O-2’)またはα-L-LNA二環式ヌクレオシドがアンチセンスオリゴヌクレオチド中に組み込まれており、このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、アンチセンス活性を示した(Frieden et al.,Nucleic Acids Research,2003,21,6365-6372)。本明細書中、二環式ヌクレオシドに関する概要は、両方の異性体配置を含む。本明細書で例示される実施形態において特定の二環式ヌクレオシド(例えば、LNAまたはcEt)の位置が特定されているとき、それらは、別の記載がない限り、β-D配置である。
【0228】
特定の実施形態において、修飾糖部分は、1つ以上の非架橋型糖置換基と、1つ以上の架橋型糖置換基(例えば、5’-置換及び4’-2’架橋型糖)とを含む。
【0229】
特定の実施形態において、修飾糖部分は、糖代替物である。このような特定の実施形態において、糖部分の酸素原子は、例えば、硫黄原子、炭素原子または窒素原子で置き換えられる。このような特定の実施形態において、このような修飾糖部分は、本明細書に記載される架橋型及び/または非架橋型置換基も含む。例えば、特定の糖代替物は、4’-硫黄原子と、2’位の置換(例えば、Bhat et al.,U.S.7,875,733及びBhat et al.,U.S.7,939,677参照)及び/または5’位の置換とを含む。
【0230】
特定の実施形態において、糖代替物は、5原子以外の環を含む。例えば、特定の実施形態において、糖代替物は、6員テトラヒドロピラン(「THP」)を含む。このようなテトラヒドロピランは、更なる修飾または置換がなされてもよい。このような修飾テトラヒドロピランを含むヌクレオシドには、ヘキシトール核酸(「HNA」)、アニトール核酸(「ANA」)、マニトール核酸(「MNA」)(例えば、Leumann,CJ.Bioorg.&Med.Chem.2002,10,841-854参照)、フルオロHNA:
【0231】
【化7】
【0232】
(「F-HNA」、例えば、Swayze et al.,U.S.8,088,904;Swayze et al.,U.S.8,440,803;Swayze et al.,U.S.8,796,437;及びSwayze et al.,U.S.9,005,906参照;F-HNAはまた、F-THPまたは3’-フルオロテトラヒドロピランと呼ぶこともできる)及び次式を有する更なる修飾THP化合物を含むヌクレオシド:
【0233】
【化8】
【0234】
(式中、独立して、当該修飾THPヌクレオシドのそれぞれについて、
Bxは、核酸塩基部分であり、
及びTは、それぞれ独立して、当該修飾THPヌクレオシドを残りのオリゴヌクレオチドに結合するヌクレオシド間結合基であり、あるいは、T及びTの一方は、当該修飾THPヌクレオシドを残りのオリゴヌクレオチドに結合するヌクレオシド間結合基であり、T及びTの他方は、H、ヒドロキシル保護基、結合されたコンジュゲート基または5’もしくは3’-末端基であり、
、q、q、q、q、q及びqは、それぞれ独立して、H、C~Cアルキル、置換C~Cアルキル、C~Cアルケニル、置換C~Cアルケニル、C~Cアルキニルまたは置換C~Cアルキニルであり、
及びRのそれぞれは、独立して、水素、ハロゲン、置換または無置換アルコキシ、NJ、SJ、N、OC(=X)J、OC(=X)NJ、NJC(=X)NJ及びCN(式中、XはO、SまたはNJであり、各J、J及びJは独立してHまたはC~Cアルキルである)から選択される)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0235】
特定の実施形態において、式中、q、q、q、q、q、q及びqがそれぞれHである修飾THPヌクレオシドが提供される。特定の実施形態において、q、q、q、q、q、q及びqのうちの少なくとも1つは、H以外である。特定の実施形態において、q、q、q、q、q、q及びqのうちの少なくとも1つは、メチルである。特定の実施形態において、R及びRの一方がFである修飾THPヌクレオシドが提供される。特定の実施形態において、RはFであり、RはHであり、特定の実施形態において、Rはメトキシであり、RはHであり、特定の実施形態において、Rはメトキシエトキシであり、RはHである。
【0236】
特定の実施形態において、糖代替物は、6個以上の原子を有し、2つ以上のヘテロ原子を有する環を含む。例えば、モルホリノ糖部分を含むヌクレオシド及びそのオリゴヌクレオチドにおける使用が報告されている(例えば、Braasch et al.,Biochemistry,2002,41,4503-4510及びSummerton et al.,U.S.5,698,685;Summerton et al.,U.S.5,166,315;Summerton et al.,U.S.5,185,444;及びSummerton et al.,U.S.5,034,506参照)。本明細書で使用される場合、「モルホリノ」という用語は、次の構造を有する糖代替物を意味する。
【0237】
【化9】
【0238】
特定の実施形態において、モルホリノは、例えば、上記のモルホリノ構造に種々の置換基を付加するか、上記のモルホリノ構造の種々の置換基を変更することによって、修飾されてもよい。このような糖代替物は、本明細書中、「修飾モルホリノ」ともいう。
【0239】
特定の実施形態において、糖代替物は、非環式部分を含む。このような非環式糖代替物を含むヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドの例には、ペプチド核酸(「PNA」)、非環式ブチル核酸(例えば、Kumar et al.,Org.Biomol.Chem.,2013,11,5853-5865参照)ならびにManoharan et al.,WO2011/133876に記載のヌクレオシド及びオリゴヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0240】
修飾ヌクレオシドに使用することができる多くの他の二環式及び三環式糖ならびに糖代替物環系は、当該技術分野において知られている。
【0241】
2.特定の修飾核酸塩基
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、非修飾核酸塩基を含むヌクレオシドを1つ以上含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含むヌクレオシドを1つ以上含む。
【0242】
特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、アルキル置換またはアルキニル置換ピリミジン、アルキル置換プリンならびにN-2、N-6及びO-6置換プリンから選択される。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、2-アミノプロピルアデニン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-N-メチルグアニン、6-N-メチルアデニン、2-プロピルアデニン、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-プロピニル(-C≡C-CH)ウラシル、5-プロピニルシトシン、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-リボシルウラシル(プソイドウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル、8-アザ及び他の8-置換プリン、5-ハロ、特に、5-ブロモ、5-トリフルオロメチル、5-ハロウラシル及び5-ハロシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、6-N-ベンゾイルアデニン、2-N-イソブチリルグアニン、4-N-ベンゾイルシトシン、4-N-ベンゾイルウラシル、5-メチル4-N-ベンゾイルシトシン、5-メチル4-N-ベンゾイルウラシル、ユニバーサル塩基、疎水性塩基、非特異的塩基、サイズ伸長塩基ならびにフッ素化塩基から選択される。更なる修飾核酸塩基には、1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン、1,3-ジアザフェノチアジン-2-オン及び9-(2-アミノエトキシ)-1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン(G-クランプ)などの三環式ピリミジンが含まれる。修飾核酸塩基にはまた、プリン塩基またはピリミジン塩基が他の複素環、例えば、7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン及び2-ピリドンで置き換えられたものも含まれる。更なる核酸塩基には、Merigan et al.,U.S.3,687,808に開示されているもの、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering,Kroschwitz,J.I.,Ed.,John Wiley&Sons,1990,858-859;Englisch et al.,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613;Sanghvi,Y.S.,Chapter 15,Antisense Research and Applications,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,Eds.,CRC Press,1993,273-288に開示されているもの;及びChapters 6 and 15,Antisense Drug Technology,Crooke S.T.,Ed.,CRC Press,2008,163-166 and 442-443に開示されているものが含まれる。
【0243】
上述した修飾核酸塩基及び他の修飾核酸塩基のうちのいくつかの調製について教示する公開物には、限定するものではないが、Manoharan et al.,US2003/0158403;Manoharan et al.,US2003/0175906;Dinh et al.,U.S.4,845,205;Spielvogel et al.,U.S.5,130,302;Rogers et al.,U.S.5,134,066;Bischofberger et al.,U.S.5,175,273;Urdea et al.,U.S.5,367,066;Benner et al.,U.S.5,432,272;Matteucci et al.,U.S.5,434,257;Gmeiner et al.,U.S.5,457,187;Cook et al.,U.S.5,459,255;Froehler et al.,U.S.5,484,908;Matteucci et al.,U.S.5,502,177;Hawkins et al.,U.S.5,525,711;Haralambidis et al.,U.S.5,552,540;Cook et al.,U.S.5,587,469;Froehler et al.,U.S.5,594,121;Switzer et al.,U.S.5,596,091;Cook et al.,U.S.5,614,617;Froehler et al.,U.S.5,645,985;Cook et al.,U.S.5,681,941;Cook et al.,U.S.5,811,534;Cook et al.,U.S.5,750,692;Cook et al.,U.S.5,948,903;Cook et al.,U.S.5,587,470;Cook et al.,U.S.5,457,191;Matteucci et al.,U.S.5,763,588;Froehler et al.,U.S.5,830,653;Cook et al.,U.S.5,808,027;Cook et al.,6,166,199;及びMatteucci et al.,U.S.6,005,096が含まれる。
【0244】
B.特定の修飾ヌクレオシド間結合
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドは、任意のヌクレオシド間結合を使用して一緒に結合することができる。ヌクレオシド間結合基の2つの主な種類は、リン原子の有無によって定義される。代表的なリン含有ヌクレオシド間結合は、ホスホジエステル結合(「P=O」)(非修飾結合または天然に生じる結合ともいう)、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホロアミデートならびにホスホロチオエート(「P=S」)及びホスホロジチオエート(「HS-P=S」)を含有するリン酸が挙げられるが、これらに限定されない。代表的なリン非含有ヌクレオシド間結合基には、メチレンメチルイミノ(-CH-N(CH)-O-CH-)、チオジエステル、チオノカルバメート(-O-C(=O)(NH)-S-);シロキサン(-O-SiH-O-);及びN,N’-ジメチルヒドラジン(-CH-N(CH)-N(CH)-)が挙げられるが、これらに限定されない。修飾ヌクレオシド間結合は、天然に生じるリン酸結合と比較して、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を変更するために、典型的には増加させるために使用することができる。特定の実施形態において、キラル原子を有するヌクレオシド間結合は、ラセミ混合物として、または別個のエナンチオマーとして調製することができる。代表的なキラルヌクレオシド間結合には、アルキルホスホネート及びホスホロチオエートが挙げられるが、これらに限定されない。リン含有ヌクレオシド間結合及びリン非含有ヌクレオシド間結合の調製方法は、当業者によく知られている。
【0245】
中性ヌクレオシド間結合には、限定するものではないが、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、MMI(3’-CH-N(CH)-O-5’)、アミド-3(3’-CH-C(=O)-N(H)-5’)、アミド-4(3’-CH-N(H)-C(=O)-5’)、ホルムアセタール(3’-O-CH-O-5’)、メトキシプロピル及びチオホルムアセタール(3’-S-CH-O-5’)が含まれる。更なる中性ヌクレオシド間結合には、シロキサン(ジアルキルシロキサン)、カルボン酸エステル、カルボキサミド、スルフィド、スルホン酸エステル及びアミドを含む非イオン性結合が含まれる(例えば、Carbohydrate Modifications in Antisense Research;Y.S.Sanghvi and P.D.Cook,Eds.,ACS Symposium Series 580;Chapters 3 and 4,40-65参照)。更なる中性ヌクレオシド間結合には、N、O、S及びCHの混合構成部分を含む非イオン性結合が含まれる。
【0246】
C.特定のモチーフ
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾糖を含む修飾ヌクレオシドを1つ以上含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含む修飾ヌクレオシドを1つ以上含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、1つ以上の修飾ヌクレオシド間結合を含む。このような実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの修飾、非修飾及び修飾の異なる糖部分、核酸塩基及び/またはヌクレオシド間結合は、パターンまたはモチーフを確定する。特定の実施形態において、糖部分、核酸塩基及びヌクレオシド間結合のパターンは、それぞれ互いに独立している。したがって、修飾オリゴヌクレオチドは、その糖モチーフ、核酸塩基モチーフ及び/またはヌクレオシド間結合モチーフによって記載することができる(本明細書で使用されるとき、核酸塩基モチーフは、核酸塩基の配列に関係なく、核酸塩基に対する修飾を記載するものである)。
【0247】
1.特定の糖モチーフ
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、当該オリゴヌクレオチドまたはその領域に沿って所定のパターンまたは所定の糖モチーフで配置された、1種以上の修飾糖及び/または非修飾糖部分を含む。ある特定の場合、当該糖モチーフは、限定するものではないが、本明細書で論ずる糖修飾のうちのいずれかを含む。
【0248】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、2つの外側領域、すなわち「ウイング」と、中央領域または内側領域、すなわち「ギャップ」とを含むギャップマーモチーフを有する領域を含むか、当該領域からなる。ギャップマーモチーフの3つの領域(5’-ウイング、ギャップ及び3’-ウイング)は、連続するヌクレオシド配列を形成し、ここで、当該ウイングのそれぞれのヌクレオシドの糖部分の少なくともいくつかは、当該ギャップのヌクレオシドの糖部分の少なくともいくつかと異なる。具体的には、少なくとも、ギャップに最も近い各ウイングのヌクレオシド(5’-ウイングの最も3’側のヌクレオシド及び3’-ウイングの最も5’側のヌクレオシド)の糖部分は、修飾糖部分であり、隣接する、すなわち、ウイングとギャップとの間の境界(すなわち、ウイング/ギャップ境界)を画定する、非修飾糖部分であるギャップヌクレオシドの糖部分とは異なる。特定の実施形態において、ギャップ内の糖部分は互いに同じである。特定の実施形態において、ギャップは、当該ギャップの1つ以上の他のヌクレオシドの糖部分とは異なる糖部分を有するヌクレオシドを1つ以上含む。特定の実施形態において、2つのウイングの糖モチーフは、互いに同じである(対称ギャップマー)。特定の実施形態において、5’-ウイングの糖モチーフは、3’-ウイングの糖モチーフとは異なる(非対称ギャップマー)。
【0249】
特定の実施形態において、ギャップマーのウイングは、1~5個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのウイングは、2~5個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのウイングは、3~5個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのヌクレオシドは、全てが修飾ヌクレオシドである。
【0250】
特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、7~12個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、7~10個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、8~10個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップは、10個のヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、ギャップマーのギャップの各ヌクレオシドは、非修飾2’-デオキシヌクレオシドである。
【0251】
特定の実施形態において、ギャップマーは、デオキシギャップマーである。このような実施形態において、各ウイング/ギャップ境界のギャップ側にあるヌクレオシドは、非修飾2’-デオキシヌクレオシドであり、各ウイング/ギャップ境界のウイング側にあるヌクレオシドは、修飾ヌクレオシドである。このような特定の実施形態において、ギャップの各ヌクレオシドは、非修飾2’-デオキシヌクレオシドである。このような特定の実施形態において、各ウイングの各ヌクレオシドは、修飾ヌクレオシドである。
【0252】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、完全に修飾された糖モチーフを有する領域を含むか、当該領域からなる。このような実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの完全に修飾された領域の各ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。このような特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチド全体の各ヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、完全に修飾された糖モチーフを有する領域を含むか、当該領域からなり、ここで、完全に修飾された領域内の各ヌクレオシドは、同一の修飾糖部分を含み、これを、本明細書において一様に修飾された糖モチーフという。特定の実施形態において、完全に修飾されたオリゴヌクレオチドは、一様に修飾されたオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態において、一様に修飾されたオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、同一の2’-修飾を含む。特定の実施形態において、一様に修飾されたオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、2’-O-(N-アルキルアセトアミド)基を含む。特定の実施形態において、一様に修飾されたオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドは、2’-O-(N-メチルアセトアミド)基を含む。
【0253】
2.特定の核酸塩基モチーフ
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、当該オリゴヌクレオチドまたはその領域に沿って所定のパターンまたは所定のモチーフで配置された、修飾核酸塩基及び/または非修飾核酸塩基を含む。特定の実施形態において、各核酸塩基は、修飾されている。特定の実施形態において、核酸塩基はいずれも修飾されていない。特定の実施形態において、各プリンまたは各ピリミジンは、修飾されている。特定の実施形態において、各アデニンは、修飾されている。特定の実施形態において、各グアニンは、修飾されている。特定の実施形態において、各チミンは、修飾されている。特定の実施形態において、各ウラシルは、修飾されている。特定の実施形態において、各シトシンは、修飾されている。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチド中のシトシン核酸塩基は、そのいくつかまたは全てが5-メチルシトシンである。
【0254】
特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基のブロックを含む。このような特定の実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端にある。特定の実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの3’末端の3ヌクレオシド以内にある。特定の実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの5’末端にある。特定の実施形態において、ブロックは、オリゴヌクレオチドの5’末端の3ヌクレオシド以内にある。
【0255】
特定の実施形態において、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含むヌクレオシドを含む。このような特定の実施形態において、修飾核酸塩基を含む1つのヌクレオシドは、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチドの中央ギャップ中にある。このような特定の実施形態において、当該ヌクレオシドの糖部分は、2’-デオキシリボシル部分である。特定の実施形態において、修飾核酸塩基は、2-チオピリミジン及び5-プロピンピリミジンから選択される。
【0256】
3.特定のヌクレオシド間結合モチーフ
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、当該オリゴヌクレオチドまたはその領域に沿って所定のパターンまたは所定のモチーフで配置された、修飾ヌクレオシド間結合及び/または非修飾ヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態において、本質的に、各ヌクレオシド間結合基は、リン酸ヌクレオシド間結合(P=O)である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合基は、ホスホロチオエート(P=S)である。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合基は、独立して、ホスホロチオエート及びリン酸ヌクレオシド間結合から選択される。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドの糖モチーフはギャップマーであり、ギャップ内のヌクレオシド間結合は全て修飾されている。このような特定の実施形態において、ウイング中のヌクレオシド間結合は、そのいくつかまたは全てが非修飾リン酸結合である。特定の実施形態において、末端ヌクレオシド間結合が修飾されている。
【0257】
D.特定の長さ
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチド(修飾オリゴヌクレオチドを含む)は、様々な長さ範囲のいずれかを有し得る。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、X~Y個の結合されたヌクレオシドからなり、ここで、Xは、当該範囲の最小ヌクレオシド数を表し、Yは、当該範囲の最大ヌクレオシド数を表す。このような特定の実施形態において、X及びYは、X≦Yの条件で、それぞれ独立して、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49及び50から選択される。例えば、特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、12~13個、12~14個、12~15個、12~16個、12~17個、12~18個、12~19個、12~20個、12~21個、12~22個、12~23個、12~24個、12~25個、12~26個、12~27個、12~28個、12~29個、12~30個、13~14個、13~15個、13~16個、13~17個、13~18個、13~19個、13~20個、13~21個、13~22個、13~23個、13~24個、13~25個、13~26個、13~27個、13~28個、13~29個、13~30個、14~15個、14~16個、14~17個、14~18個、14~19個、14~20個、14~21個、14~22個、14~23個、14~24個、14~25個、14~26個、14~27個、14~28個、14~29個、14~30個、15~16個、15~17個、15~18個、15~19個、15~20個、15~21個、15~22個、15~23個、15~24個、15~25個、15~26個、15~27個、15~28個、15~29個、15~30個、16~17個、16~18個、16~19個、16~20個、16~21個、16~22個、16~23個、16~24個、16~25個、16~26個、16~27個、16~28個、16~29個、16~30個、17~18個、17~19個、17~20個、17~21個、17~22個、17~23個、17~24個、17~25個、17~26個、17~27個、17~28個、17~29個、17~30個、18~19個、18~20個、18~21個、18~22個、18~23個、18~24個、18~25個、18~26個、18~27個、18~28個、18~29個、18~30個、19~20個、19~21個、19~22個、19~23個、19~24個、19~25個、19~26個、19~29個、19~28個、19~29個、19~30個、20~21個、20~22個、20~23個、20~24個、20~25個、20~26個、20~27個、20~28個、20~29個、20~30個、21~22個、21~23個、21~24個、21~25個、21~26個、21~27個、21~28個、21~29個、21~30個、22~23個、22~24個、22~25個、22~26個、22~27個、22~28個、22~29個、22~30個、23~24個、23~25個、23~26個、23~27個、23~28個、23~29個、23~30個、24~25個、24~26個、24~27個、24~28個、24~29個、24~30個、25~26個、25~27個、25~28個、25~29個、25~30個、26~27個、26~28個、26~29個、26~30個、27~28個、27~29個、27~30個、28~29個、28~30個、または29~30個の結合されたヌクレオシドからなる。
【0258】
E.特定の修飾オリゴヌクレオチド
特定の実施形態において、上述の修飾(糖、核酸塩基、ヌクレオシド間結合)は、修飾オリゴヌクレオチド中に組み込まれる。特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、その修飾モチーフ及び全長によって特徴付けられる。特定の実施形態において、こうしたパラメータは、それぞれ互いに独立している。したがって、特に指定のない限り、ギャップマー糖モチーフを有するオリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合は、修飾されていても修飾されていなくてもよく、糖修飾のギャップマー修飾パターンに従っていても従っていなくてもよい。例えば、糖ギャップマーのウイング領域内のヌクレオシド間結合は、互いに同じであっても異なっていてもよく、糖モチーフのギャップ領域のヌクレオシド間結合と同じであっても異なっていてもよい。同様に、このような糖ギャップマーオリゴヌクレオチドは、糖修飾のギャップマーパターンに関係なく、1つ以上の修飾核酸塩基を含み得る。更に、特定の場合、オリゴヌクレオチドは、全体の長さまたは範囲及び2つ以上の領域(例えば、指定の糖修飾を有するヌクレオシドの領域)の長さまたは長さ範囲によって記載され、このような場合、指定範囲外の全長を有するオリゴヌクレオチドを生じる各範囲で数を選択することが可能なことがある。このような場合、両方の要素が満たされる必要がある。例えば、特定の実施形態において、修飾オリゴヌクレオチドは、15~20個の結合されたヌクレオシドからなり、かつ3つの領域、A、B及びCからなる糖モチーフを有し、ここで、領域Aは、指定の糖モチーフを有する2~6個の結合されたヌクレオシドからなり、領域Bは、指定の糖モチーフを有する6~10個の結合されたヌクレオシドからなり領域Cは、指定の糖モチーフを有する2~6個の結合されたヌクレオシドからなる。このような実施形態は、A及びCがそれぞれ6個の結合されたヌクレオシドからなり、Bが10個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含まない(ヌクレオシドの各数がA、B及びCに関する要件内に許容される場合であっても)。これは、当該オリゴヌクレオチドの全長が22であり、修飾オリゴヌクレオチド(20)の全長の上限を超えるためである。本明細書において、オリゴヌクレオチドの説明が1つ以上のパラメータに関して記載されていない場合、かかるパラメータは限定されない。したがって、更なる記載なく、ギャップマー糖モチーフのみを有すると記載された修飾オリゴヌクレオチドは、任意の長さ、ヌクレオシド間結合モチーフ及び核酸塩基モチーフを有し得る。特に指定のない限り、全ての修飾は、核酸塩基配列に依存しない。
【0259】
F.核酸塩基配列
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチド(非修飾または修飾オリゴヌクレオチド)は、その核酸塩基配列によって更に記載される。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、第2のオリゴヌクレオチドまたは標的転写産物前駆体などの特定された参照核酸に相補的な核酸塩基配列を有する。このような特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドのある領域は、第2のオリゴヌクレオチドまたは標的転写産物前駆体などの特定された参照核酸に相補的な核酸塩基配列を有する。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドのある領域または全長の核酸塩基配列は、第2のオリゴヌクレオチドまたは標的転写産物前駆体などの核酸に対して、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%相補的である。
【0260】
II.特定のオリゴマー化合物
特定の実施形態において、本発明は、オリゴヌクレオチド(修飾または非修飾)と、任意選択で1つ以上のコンジュゲート基及び/または末端基とからなる、オリゴマー化合物を提供する。コンジュゲート基は、1つ以上のコンジュゲート部分と、コンジュゲート部分をオリゴヌクレオチドに結合させるコンジュゲートリンカーとからなる。コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドの一末端もしくは両末端に結合され得、かつ/または任意の内側の位置に結合され得る。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドの2’位に結合される。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドの一末端または両末端に結合されるコンジュゲート基は、末端基である。このような特定の実施形態において、コンジュゲート基または末端基は、オリゴヌクレオチドの3’末端及び/または5’末端に結合される。このような特定の実施形態において、コンジュゲート基(または末端基)は、オリゴヌクレオチドの3’末端に結合される。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドの3’末端近傍に結合される。特定の実施形態において、コンジュゲート基(または末端基)は、オリゴヌクレオチドの5’末端に結合される。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、オリゴヌクレオチドの5’末端近傍に結合される。
【0261】
末端基の例には、コンジュゲート基、キャップ基、リン酸部分、保護基、脱塩基ヌクレオシド、修飾または非修飾ヌクレオシド、及び独立して修飾または非修飾である2つ以上のヌクレオシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0262】
A.特定のコンジュゲート基
特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、1つ以上のコンジュゲート基に共有結合している。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、結合されるオリゴヌクレオチドの1つ以上の特性、限定するものではないが、薬力学、薬物動態、安定性、結合、吸収、組織分布、細胞分布、細胞取込み、電荷及びクリアランスなどの特性を変更する。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、結合されるオリゴヌクレオチドに新しい特性を付与し、例えば、オリゴヌクレオチドの検出を可能にするフルオロフォアまたはレポーター基である。特定のコンジュゲート基及びコンジュゲート部分については、これまでに記載されており、例えば、コレステロール部分(Letsinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1989,86,6553-6556)、コール酸(Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1994,4,1053-1060)、チオエーテル、例えば、ヘキシル-S-トリチルチオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1992,660,306-309;Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1993,3,2765-2770)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.Acids Res.,1992,20,533-538)、脂肪族鎖、例えば、ドデカンジオール残基もしくはウンデシル残基(Saison-Behmoaras et al.,EMBO J.,1991,10,1111-1118;Kabanov et al.,FEBS Lett.,1990,259,327-330;Svinarchuk et al.,Biochimie,1993,75,49-54)、リン脂質、例えば、ヘキサデシル-rac-グリセロールもしくはトリエチル-アンモニウム 1,2-ジ-O-ヘキサデシル-rac-グリセロ-3-H-ホスホネ-ト(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36,3651-3654;Shea et al.,Nucl.Acids Res.,1990,18,3777-3783)、ポリアミンもしくはポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides&Nucleotides,1995,14,969-973)またはアダマンタン酢酸、パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta,1995,1264,229-237)、オクタデシルアミンもしくはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996,277,923-937)、トコフェロール基(Nishina et al.,Molecular Therapy Nucleic Acids,2015,4,e220;及びNishina et al.,Molecular Therapy,2008,16,734-740)またはGalNAcクラスター(例えば、WO2014/179620)がある。
【0263】
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、C22アルキル、C20アルキル、C16アルキル、C10アルキル、C21アルキル、C19アルキル、C18アルキル、C15アルキル、C14アルキル、C13アルキル、C12アルキル、C11アルキル、C9アルキル、C8アルキル、C7アルキル、C6アルキル、C5アルキル、C22アルケニル、C20アルケニル、C16アルケニル、C10アルケニル、C21アルケニル、C19アルケニル、C18アルケニル、C15アルケニル、C14アルケニル、C13アルケニル、C12アルケニル、C11アルケニル、C9アルケニル、C8アルケニル、C7アルケニル、C6アルケニルまたはC5アルケニルのうちのいずれかから選択され得る。
【0264】
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、C22アルキル、C20アルキル、C16アルキル、C10アルキル、C21アルキル、C19アルキル、C18アルキル、C15アルキル、C14アルキル、C13アルキル、C12アルキル、C11アルキル、C9アルキル、C8アルキル、C7アルキル、C6アルキル及びC5アルキルのうちのいずれかから選択され得、ここで、アルキル鎖は、1つ以上の不飽和結合を有する。
【0265】
1.コンジュゲート部分
コンジュゲート部分には、限定するものではないが、インターカレーター、レポーター分子、ポリアミン、ポリアミド、ペプチド、炭水化物(例えば、GalNAc)、ビタミン部分、ポリエチレングリコール、チオエーテル、ポリエーテル、コレステロール、チオコレステロール、コール酸部分、葉酸、脂質、親油基、リン脂質、ビオチン、フェナジン、フェナントリジン、アントラキノン、アダマンタン、アクリジン、フルオレセイン、ローダミン、クマリン、フルオロフォア及び色素が含まれる。
【0266】
特定の実施形態において、コンジュゲート部分は、有効な薬剤物質、例えば、アスピリン、ワルファリン、フェニルブタゾン、イブプロフェン、スプロフェン、フェンブフェン、ケトプロフェン、(S)-(+)-プラノプロフェン、カルプロフェン、ダンシルサルコシン、2,3,5-トリヨード安息香酸、フィンゴリモド、フルフェナム酸、フォリン酸、ベンゾチアジアジド、クロロチアジド、ジアゼピン、インドメチシン、バルビツール酸系薬、セファロスポリン、サルファ薬、抗糖尿病薬、抗菌性物質または抗生物質を含む。
【0267】
2.コンジュゲートリンカー
コンジュゲート部分は、コンジュゲートリンカーを介してオリゴヌクレオチドに結合している。特定のオリゴマー化合物において、コンジュゲートリンカーは、単一の化学結合である(すなわち、コンジュゲート部分は、単結合を介してオリゴヌクレオチドに直接結合している)。特定のオリゴマー化合物において、コンジュゲート部分は、コンジュゲートリンカーを形成するサブ単位であるコンジュゲートリンカー部分を1つ以上含む、より複雑なコンジュゲートリンカーを介してオリゴヌクレオチドに結合している。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、ヒドロカルビル鎖などの鎖構造、またはエチレングリコール、ヌクレオシドもしくはアミノ酸単位などの反復単位のオリゴマーを含む。
【0268】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、アルキル、アミノ、オキソ、アミド、ジスルフィド、ポリエチレングリコール、エーテル、チオエーテル及びヒドロキシルアミノから選択される1つ以上の基を含む。このような特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、アルキル基、アミノ基、オキソ基、アミド基及びエーテル基から選択される基を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、アルキル基及びアミド基から選択される基を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、アルキル基及びエーテル基から選択される基を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1つのリン部分を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1つのリン酸基を含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、少なくとも1つの中性コンジュゲート基を含む。
【0269】
特定の実施形態において、上述したコンジュゲートリンカーを含むコンジュゲートリンカーは、二官能性結合部分であり、例えば、本明細書で提供されるオリゴヌクレオチドなどの親化合物にコンジュゲート基を付加するのに有用であることが当該技術分野において知られているものである。一般に、二官能性結合部分は、少なくとも2つの官能基を含む。官能基の一方は、親化合物上の特定の部位に結合するように選択され、他方は、コンジュゲート基に結合するように選択される。二官能性結合部分に使用される官能基の例には、求核性基と反応する求電子剤及び求電子性基と反応する求核剤が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、二官能性結合部分は、アミノ、ヒドロキシル、カルボン酸、チオール、アルキル、アルケニル及びアルキニルから選択される1つ以上の基を含む。
【0270】
コンジュゲートリンカーの例には、ピロリジン、8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(ADO)、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸スクシンイミジル(SMCC)及び6-アミノヘキサン酸(AHEXまたはAHA)が挙げられるが、これらに限定されない。他のコンジュゲートリンカーには、限定するものではないが、置換もしくは無置換C1~C10アルキル、置換もしくは無置換C2~C10アルケニル、または置換もしくは無置換C2~C10アルキニルが含まれ、ここで、好ましい置換基の非限定的なリストには、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシ、カルボキシ、ベンジル、フェニル、ニトロ、チオール、チオアルコキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル及びアルキニルが含まれる。
【0271】
特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、1~10個のリンカーヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、リンカーヌクレオシドは、修飾ヌクレオシドである。特定の実施形態において、リンカーヌクレオシドは、修飾糖部分を含む。特定の実施形態において、リンカーヌクレオシドは、非修飾である。特定の実施形態において、リンカーヌクレオシドは、プリン、置換プリン、ピリミジンまたは置換ピリミジンから選択される、任意に保護された複素環式塩基を含む。特定の実施形態において、切断可能部分は、ウラシル、チミン、シトシン、4-N-ベンゾイルシトシン、5-メチルシトシン、4-N-ベンゾイル-5-メチル-シトシン、アデニン、6-N-ベンゾイルアデニン、グアニン及び2-N-イソブチリルグアニンから選択されるヌクレオシドである。リンカーヌクレオシドは、標的組織に到達した後にオリゴマー化合物から切断されるのが通常望ましい。したがって、リンカーヌクレオシドは、典型的に、互いに結合され、かつ切断可能な結合を介してオリゴマー化合物の残りの部分に結合している。特定の実施形態において、このような切断可能な結合は、ホスホジエステル結合である。
【0272】
本明細書中、リンカーヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの一部とはみなされない。したがって、オリゴマー化合物が、指定数もしくは指定範囲の結合されたヌクレオシド及び/または参照核酸に対する指定の相補性パーセントからなるオリゴヌクレオチドを含み、また、オリゴマー化合物が、リンカーヌクレオシドを含むコンジュゲートリンカーを含むコンジュゲート基を含む、実施形態において、これらのリンカーヌクレオシドは、オリゴヌクレオチドの長さには算入されず、参照核酸に対するオリゴヌクレオチドの相補性パーセントを決定する際には使用されない。例えば、オリゴマー化合物は、(1)8~30個のヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドと、(2)修飾オリゴヌクレオチドのヌクレオシドに連続する1~10個のリンカーヌクレオシドを含むコンジュゲート基とを含み得る。このようなオリゴマー化合物中の連続する結合されたヌクレオシドの総数は、30個を超える。あるいは、オリゴマー化合物は、8~30個のヌクレオシドからなるオリゴヌクレオチドを含み得、コンジュゲート基を含まない。このようなオリゴマー化合物中の連続する結合されたヌクレオシドの総数は、30個以下である。特に指示がない限り、コンジュゲートリンカーは、10個以下のリンカーヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、5個以下のリンカーヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、3個以下のリンカーヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、2個以下のリンカーヌクレオシドを含む。特定の実施形態において、コンジュゲートリンカーは、1個以下のリンカーヌクレオシドを含む。
【0273】
特定の実施形態において、コンジュゲート基がオリゴヌクレオチドから切断されるのが望ましい。例えば、特定の場合において、特定のコンジュゲート部分を含むオリゴマー化合物は、特定の細胞型によって良好に取り込まれるが、オリゴマー化合物が取り込まれた際には、コンジュゲート基が切断されて、コンジュゲートされていないオリゴヌクレオチドまたは親オリゴヌクレオチドを放出することが望ましい。したがって、特定のコンジュゲートリンカーは、1つ以上の切断可能部分を含み得る。特定の実施形態において、切断可能部分は、切断可能な結合である。特定の実施形態において、切断可能部分は、少なくとも1つの切断可能な結合を含む原子団である。特定の実施形態において、切断可能部分は、1、2、3、4または4つ以上の切断可能な結合を有する原子団を含む。特定の実施形態において、切断可能部分は、細胞内部またはリソソームなどの細胞内区画内部で選択的に切断される。特定の実施形態において、切断可能部分は、ヌクレアーゼなどの内因性酵素によって選択的に分解される。
【0274】
特定の実施形態において、切断可能な結合は、アミド、エステル、エーテル、ホスホジエステルの一方もしくは両方のエステル、リン酸エステル、カルバメートまたはジスルフィドから選択される。特定の実施形態において、切断可能な結合は、ホスホジエステルの一方もしくは両方のエステルである。特定の実施形態において、切断可能部分は、リン酸またはホスホジエステルを含む。特定の実施形態において、切断可能部分は、オリゴヌクレオチドとコンジュゲート部分またはコンジュゲート基との間のリン酸結合である。
【0275】
特定の実施形態において、切断可能部分は、1つ以上のリンカーヌクレオシドを含むか、それらからなる。このような特定の実施形態において、1つ以上のリンカーヌクレオシドは、互いに結合され、かつ/または切断可能な結合を介してオリゴマー化合物の残りの部分に結合している。特定の実施形態において、このような切断可能な結合は、非修飾ホスホジエステル結合である。特定の実施形態において、切断可能部分は、リン酸ヌクレオシド間結合によってオリゴヌクレオチドの3’末端または5’末端ヌクレオシドのいずれかに結合され、かつリン酸またはホスホロチオエート結合によって残りのコンジュゲートリンカーまたはコンジュゲート部分に共有結合された、2’-デオキシヌクレオシドである。このような特定の実施形態において、切断可能部分は、2’-デオキシアデノシンである。
【0276】
3.特定の細胞標的化コンジュゲート部分
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、細胞標的化コンジュゲート部分を含む。特定の実施形態において、コンジュゲート基は、次の一般式を有する。
【0277】
【化10】
【0278】
式中、nは、1~約3であり、nが1であるとき、mは0であり、nが2以上であるとき、mは1であり、jは、1または0であり、kは、1または0である。
【0279】
特定の実施形態において、nは1であり、jは1であり、kは0である。特定の実施形態において、nは1であり、jは0であり、kは1である。特定の実施形態において、nは1であり、jは1であり、kは1である。特定の実施形態において、nは2であり、jは1であり、kは0である。特定の実施形態において、nは2であり、jは0であり、kは1である。特定の実施形態において、nは2であり、jは1であり、kは1である。特定の実施形態において、nは3であり、jは1であり、kは0である。特定の実施形態において、nは3であり、jは0であり、kは1である。特定の実施形態において、nは3であり、jは1であり、kは1である。
【0280】
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、少なくとも1つの係留リガンドを有する細胞標的化部分を含む。特定の実施形態において、細胞標的化部分は、分岐基に共有結合した2つの係留リガンドを含む。特定の実施形態において、細胞標的化部分は、分岐基に共有結合した3つの係留リガンドを含む。
【0281】
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、次式を有する細胞標的化部分を含む。
【0282】
【化11】
【0283】
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、次式を有する細胞標的化部分を含む。
【0284】
【化12】
【0285】
式中、nは、1、2、3、4、5、6、または7から選択される整数である。特定の実施形態において、nは、1である。特定の実施形態において、nは、2である。特定の実施形態において、nは、3である。特定の実施形態において、nは、4である。特定の実施形態において、nは、5である。
【0286】
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、次式を有する細胞標的化部分を含む。
【0287】
【化13】
【0288】
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、次式を有する細胞標的化部分を含む。
【0289】
【化14】
【0290】
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、次式を有する細胞標的化部分を含む。
【0291】
【化15】
【0292】
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、次式を有する細胞標的化部分を含む。
【0293】
【化16】
【0294】
特定の実施形態において、コンジュゲート基は、次式を有する細胞標的化部分を含む。
【0295】
【化17】
【0296】
特定の実施形態において、オリゴマー化合物は、本明細書中、「LICA-1」と記載されるコンジュゲート基を含む。LICA-1は、次式を有する。
【0297】
【化18】
【0298】
特定の実施形態において、LICA-1を含むオリゴマー化合物は、次式を有する。
【0299】
【化19】
【0300】
式中、オリゴは、オリゴヌクレオチドである。
【0301】
上述したコンジュゲート基、コンジュゲート基、テザー、コンジュゲートリンカー、分岐基、リガンド、切断可能部分及び他の修飾を含む、オリゴマー化合物のいくつかの調製について教示する、代表的な米国特許、米国特許出願公開、国際特許出願公開及び他の公開物には、限定するものではないが、US5,994,517、US6,300,319、US6,660,720、US6,906,182、US7,262,177、US7,491,805、US8,106,022、US7,723,509、US2006/0148740、US2011/0123520、WO2013/033230及びWO2012/037254、Biessen et al.,J.Med.Chem.1995,38,1846-1852,Lee et al.,Bioorganic&Medicinal Chemistry 2011,19,2494-2500,Rensen et al.,J.Biol.Chem.2001,276,37577-37584,Rensen et al.,J.Med.Chem.2004,47,5798-5808,Sliedregt et al.,J.Med.Chem.1999,42,609-618及びValentijn et al.,Tetrahedron,1997,53,759-770が含まれる。
【0302】
特定の実施形態において、オリゴマー化合物は、完全に修飾された糖モチーフを含む修飾オリゴヌクレオチドと、少なくとも1、2または3つのGalNAcリガンドを含むコンジュゲート基とを含む。特定の実施形態において、アンチセンス化合物及びオリゴマー化合物は、次の参考文献:Lee,Carbohydr Res,1978,67,509-514;Connolly et al.,J Biol Chem,1982,257,939-945;Pavia et al.,Int J Pep Protein Res,1983,22,539-548;Lee et al.,Biochem,1984,23,4255-4261;Lee et al.,Glycoconjugate J,1987,4,317-328;Toyokuni et al.,Tetrahedron Lett,1990,31,2673-2676;Biessen et al.,J Med Chem,1995,38,1538-1546;Valentijn et al.,Tetrahedron,1997,53,759-770;Kim et al.,Tetrahedron Lett,1997,38,3487-3490;Lee et al.,Bioconjug Chem,1997,8,762-765;Kato et al.,Glycobiol,2001,11,821-829;Rensen et al.,J Biol Chem,2001,276,37577-37584;Lee et al.,Methods Enzymol,2003,362,38-43;Westerlind et al.,Glycoconj J,2004,21,227-241;Lee et al.,Bioorg Med Chem Lett,2006,16(19),5132-5135;Maierhofer et al.,Bioorg Med Chem,2007,15,7661-7676;Khorev et al.,Bioorg Med Chem,2008,16,5216-5231;Lee et al.,Bioorg Med Chem,2011,19,2494-2500;Kornilova et al.,Analyt Biochem,2012,425,43-46;Pujol et al.,Angew Chemie Int Ed Engl,2012,51,7445-7448;Biessen et al.,J Med Chem,1995,38,1846-1852;Sliedregt et al.,J Med Chem,1999,42,609-618;Rensen et al.,J Med Chem,2004,47,5798-5808;Rensen et al.,Arterioscler Thromb Vasc Biol,2006,26,169-175;van Rossenberg et al.,Gene Ther,2004,11,457-464;Sato et al.,J Am Chem Soc,2004,126,14013-14022;Lee et al.,J Org Chem,2012,77,7564-7571;Biessen et al.,FASEB J,2000,14,1784-1792;Rajur et al.,Bioconjug Chem,1997,8,935-940;Duff et al.,Methods Enzymol,2000,313,297-321;Maier et al.,Bioconjug Chem,2003,14,18-29;Jayaprakash et al.,Org Lett,2010,12,5410-5413;Manoharan,Antisense Nucleic Acid Drug Dev,2002,12,103-128;Merwin et al.,Bioconjug Chem,1994,5,612-620;Tomiya et al.,Bioorg Med Chem,2013,21,5275-5281;国際出願WO1998/013381;WO2011/038356;WO1997/046098;WO2008/098788;WO2004/101619;WO2012/037254;WO2011/120053;WO2011/100131;WO2011/163121;WO2012/177947;WO2013/033230;WO2013/075035;WO2012/083185;WO2012/083046;WO2009/082607;WO2009/134487;WO2010/144740;WO2010/148013;WO1997/020563;WO2010/088537;WO2002/043771;WO2010/129709;WO2012/068187;WO2009/126933;WO2004/024757;WO2010/054406;WO2012/089352;WO2012/089602;WO2013/166121;WO2013/165816;米国特許第4,751,219号;同第8,552,163号;同第6,908,903号;同第7,262,177号;同第5,994,517号;同第6,300,319号;同第8,106,022号;同第7,491,805号;同第7,491,805号;同第7,582,744号;同第8,137,695号;同第6,383,812号;同第6,525,031号;同第6,660,720号;同第7,723,509号;同第8,541,548号;同第8,344,125号;同第8,313,772号;同第8,349,308号;同第8,450,467号;同第8,501,930号;同第8,158,601号;同第7,262,177号;同第6,906,182号;同第6,620,916号;同第8,435,491号;同第8,404,862号;同第7,851,615号;公開された米国特許出願公開US2011/0097264;US2011/0097265;US2013/0004427;US2005/0164235;US2006/0148740;US2008/0281044;US2010/0240730;US2003/0119724;US2006/0183886;US2008/0206869;US2011/0269814;US2009/0286973;US2011/0207799;US2012/0136042;US2012/0165393;US2008/0281041;US2009/0203135;US2012/0035115;US2012/0095075;US2012/0101148;US2012/0128760;US2012/0157509;US2012/0230938;US2013/0109817;US2013/0121954;US2013/0178512;US2013/0236968;US2011/0123520;US2003/0077829;US2008/0108801;及びUS2009/0203132のうちのいずれかに見出されるコンジュゲート基を含む。
【0303】
特定の実施形態において、本発明の化合物は、一本鎖である。特定の実施形態において、オリゴマー化合物は、第2のオリゴヌクレオチドまたはオリゴマー化合物と対合して、二本鎖である二重構造を形成する。
【0304】
III.特定のアンチセンス化合物
特定の実施形態において、本発明は、標的核酸の核酸塩基配列に相補的な核酸塩基配列を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物を含むか、それらからなる、アンチセンス化合物を提供する。特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、一本鎖である。このような一本鎖アンチセンス化合物は、典型的に、修飾オリゴヌクレオチドと、任意選択でコンジュゲート基とを含むか、それらからなる、オリゴマー化合物を含むか、それらからなる。特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、二本鎖である。このような二本鎖アンチセンス化合物は、標的核酸に相補的な領域を有する第1のオリゴマー化合物と、第1のオリゴマー化合物に相補的な領域を有する第2のオリゴマー化合物とを含む。このような二本鎖アンチセンス化合物の第1のオリゴマー化合物は、典型的に、修飾オリゴヌクレオチドと、任意選択でコンジュゲート基とを含むか、それらからなる。このような二本鎖アンチセンス化合物の第2のオリゴマー化合物のオリゴヌクレオチドは、修飾されていても修飾されていなくてもよい。二本鎖アンチセンス化合物のオリゴマー化合物は、その一方または両方がコンジュゲート基を含み得る。二本鎖アンチセンス化合物のオリゴマー化合物は、非相補的なオーバーハングヌクレオシドを含み得る。
【0305】
特定の実施形態において、アンチセンス化合物のオリゴマー化合物は、標的核酸にハイブリダイズすることができ、その結果、少なくとも1つのアンチセンス活性が生じる。特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、1つ以上の標的核酸に選択的に作用する。このような選択的アンチセンス化合物は、1つ以上の標的核酸にハイブリダイズして、その結果1つ以上の所望のアンチセンス活性をもたらし、かつ1つ以上の非標的核酸にハイブリダイズしないまたは極めて望ましくないアンチセンス活性を生じるような形で1つ以上の非標的核酸にハイブリダイズしない核酸塩基配列を含む。
【0306】
特定の実施形態において、アンチセンス化合物の標的核酸へのハイブリダイゼーションは、標的転写産物前駆体のプロセシング、例えば、スプライシングを変化させる。特定の実施形態において、アンチセンス化合物の標的転写産物前駆体へのハイブリダイゼーションは、標的核酸とタンパク質または他の核酸との間の結合相互作用の阻害をもたらす。このような特定の実施形態において、アンチセンス化合物の標的転写産物前駆体へのハイブリダイゼーションは、標的核酸の翻訳を変化させる。
【0307】
アンチセンス活性は、直接的または間接的に観察することができる。特定の実施形態において、アンチセンス活性の観察または検出は、標的核酸もしくは当該標的核酸によってコードされているタンパク質の量の変化、核酸のスプライスバリアントもしくはタンパク質の比率の変化、及び/または細胞もしくは動物における表現型の変化に関する観察または検出を含む。
【0308】
IV.特定の標的核酸
特定の実施形態において、アンチセンス化合物及び/またはオリゴマー化合物は、標的核酸に相補的な領域を含むオリゴヌクレオチドを含むか、それらからなる。特定の実施形態において、標的核酸は、内因性RNA分子である。特定の実施形態において、標的核酸は、タンパク質をコードする。このような特定の実施形態において、標的核酸は、pre-mRNA、長鎖非コードRNA、pri-miRNA、イントロンRNAまたは他の種類の転写産物前駆体から選択される。特定の実施形態において、標的核酸は、pre-mRNAである。このような特定の実施形態において、標的領域は、完全にイントロン内に存在する。このような特定の実施形態において、標的領域は、完全にエクソン内に存在する。特定の実施形態において、標的領域は、イントロン/エクソン境界にまたがる。特定の実施形態において、標的領域は、少なくとも50%がイントロン内に存在する。
【0309】
特定の実施形態において、標的核酸は、非コードRNAである。このような特定の実施形態において、標的非コードRNAは、長鎖非コードRNA、短鎖非コードRNA、イントロンRNA分子、snoRNA、scaRNA、microRNA、リボソームRNA及びプロモーター指向性RNAから選択される。特定の実施形態において、標的核酸は、成熟mRNA以外の核酸である。特定の実施形態において、標的核酸は、成熟mRNAまたはmicroRNA以外の核酸である。特定の実施形態において、標的核酸は、microRNA以外の非コードRNAである。特定の実施形態において、標的核酸は、microRNA以外の非コードRNAまたはpre-mRNAのイントロン領域である。特定の実施形態において、標的核酸は、長鎖非コードRNAである。特定の実施形態において、標的核酸は、他のpre-mRNAのスプライシングに関連する非コードRNAである。特定の実施形態において、標的核酸は、核内保持非コードRNAである。
【0310】
特定の実施形態において、本明細書に記載のアンチセンス化合物は、一塩基多型(SNP)を含む標的核酸に相補的である。このような特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、SNP含有標的核酸の1つのアレルの発現を、別のアレルの調節よりも大きくまたは小さくなるように調節することができる。特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、(SNP)含有標的核酸に一塩基多型部位でハイブリダイズする。
【0311】
特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、2つ以上の標的核酸に少なくとも部分的に相補的である。例えば、本発明のアンチセンス化合物は、microRNA模倣体であり得、典型的に複数の標的に結合する。
【0312】
A.標的核酸に対する相補性/ミスマッチ
特定の実施形態において、アンチセンス化合物及び/またはオリゴマー化合物は、そのオリゴヌクレオチドの全長にわたって、標的核酸に相補的なオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、このようなオリゴヌクレオチドは、標的核酸に対して99%相補的である。特定の実施形態において、このようなオリゴヌクレオチドは、標的核酸に対して95%相補的である。特定の実施形態において、このようなオリゴヌクレオチドは、標的核酸に対して90%相補的である。特定の実施形態において、このようなオリゴヌクレオチドは、標的核酸に対して85%相補的である。特定の実施形態において、このようなオリゴヌクレオチドは、標的核酸に対して80%相補的である。特定の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、そのオリゴヌクレオチドの全長にわたって、標的核酸に対して少なくとも80%相補的であり、標的核酸に対して100%または完全に相補的な領域を含む。このような特定の実施形態において、完全な相補性の領域は、6~20個の長さの核酸塩基である。このような特定の実施形態において、完全な相補性の領域は、10~18個の長さの核酸塩基である。このような特定の実施形態において、完全な相補性の領域は、18~20個の長さの核酸塩基である。
【0313】
特定の実施形態において、オリゴマー化合物及び/またはアンチセンス化合物は、標的核酸に対して1つ以上のミスマッチ核酸塩基を含む。このような特定の実施形態において、標的に対するアンチセンス活性は、このようなミスマッチによって低減されるが、非標的に対する活性は、大きく低減される。したがって、このような特定の実施形態において、アンチセンス化合物の選択性が改善される。特定の実施形態において、ミスマッチは、ギャップマーモチーフを有するオリゴヌクレオチド内に特異的に配置される。このような特定の実施形態において、ミスマッチは、ギャップ領域の5’末端から1、2、3、4、5、6、7または8の位置にある。このような特定の実施形態において、ミスマッチは、ギャップ領域の3’末端から9、8、7、6、5、4、3、2、1の位置にある。このような特定の実施形態において、ミスマッチは、ウイング領域の5’末端から1、2、3または4の位置にある。このような特定の実施形態において、ミスマッチは、ウイング領域の3’末端から4、3、2または1の位置にある。
【0314】
B.特定の標的核酸のプロセシングの調節
特定の実施形態において、オリゴマー化合物は、標的転写産物前駆体に相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含むか、それらからなる。このような特定の実施形態において、標的転写産物前駆体は、標的pre-mRNAである。特定の実施形態において、標的転写産物前駆体に相補的な化合物に細胞を接触させると、標的転写産物前駆体のプロセシングが調節される。このような特定の実施形態において、結果として生じる標的被プロセシング転写産物は、当該化合物のない状態で生産される標的被プロセシング転写産物とは異なる核酸塩基配列を有する。特定の実施形態において、標的転写産物前駆体は、標的pre-mRNAであり、標的pre-mRNAに相補的な化合物に細胞を接触させると、標的pre-mRNAのスプライシングが調節される。このような特定の実施形態において、結果として生じる標的mRNAは、当該化合物のない状態で生産される標的mRNAとは異なる核酸塩基配列を有する。このような特定の実施形態において、エクソンは、標的mRNAから除外される。このような特定の実施形態において、エクソンは、標的mRNA中に含まれる。特定の実施形態において、エクソンの除外または包含により、標的mRNAのナンセンス変異依存分解の誘導もしくは阻害、標的mRNAからの未成熟終止コドンの除去もしくは付加、及び/または標的mRNAのリーディングフレームの変更が生じる。
【0315】
C.特定の標的核酸に関連した特定の疾患及び病態
特定の実施形態において、標的転写産物前駆体は、疾患または病態に関連する。このような特定の実施形態において、標的転写産物前駆体に相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含むか、それらからなるオリゴマー化合物を使用して、疾患または病態を治療する。このような特定の実施形態において、化合物は、標的転写産物前駆体のプロセシングを調節して、有益な標的被プロセシング転写産物をもたらす。このような特定の実施形態において、疾患または病態は、転写産物前駆体のプロセシング異常に関連する。このような特定の実施形態において、疾患または病態は、pre-mRNAのスプライシング異常に関連する。
【0316】
V.特定の医薬組成物
特定の実施形態において、本発明は、1つ以上のアンチセンス化合物またはその塩を含む医薬組成物を提供する。このような特定の実施形態において、医薬組成物は、好適な薬学的に許容される希釈剤または担体を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、滅菌生理食塩液及び1つ以上のアンチセンス化合物を含む。特定の実施形態において、かかる医薬組成物は、滅菌生理食塩液及び1つ以上のアンチセンス化合物からなる。特定の実施形態において、滅菌生理食塩水は、医薬品等級の生理食塩水である。特定の実施形態において、医薬組成物は、1つ以上のアンチセンス化合物及び滅菌水を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、1つのアンチセンス化合物及び滅菌水からなる。特定の実施形態において、滅菌水は、医薬品等級の水である。特定の実施形態において、医薬組成物は、1つ以上のアンチセンス化合物及びリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含む。特定の実施形態において、医薬組成物は、1つ以上のアンチセンス化合物及び滅菌PBSからなる。特定の実施形態において、滅菌PBSは、医薬品等級のPBSである。
【0317】
特定の実施形態において、医薬組成物は、1つ以上のアンチセンス化合物と、1つ以上の賦形剤とを含む。このような特定の実施形態において、賦形剤は、水、食塩水、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミラーゼ、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース及びポリビニルピロリドンから選択される。
【0318】
特定の実施形態において、アンチセンス化合物は、医薬組成物または製剤の調製のために、薬学的に許容される活性物質及び/または不活性物質と混合され得る。医薬組成物を製するための組成物及び方法は、限定するものではないが、投与経路、疾患の程度または投与される用量を含む、多くの基準に依存する。
【0319】
特定の実施形態において、オリゴマー化合物及び/またはアンチセンス化合物を含む医薬組成物は、アンチセンス化合物の任意の薬学的に許容される塩、アンチセンス化合物のエステル、または当該エステルの塩を包含する。特定の実施形態において、1つ以上のオリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物及び/またはアンチセンス化合物を含む医薬組成物は、ヒトを含む動物に投与すると、生物学的に活性な代謝産物またはその残基を(直接的または間接的に)もたらすことができる。したがって、例えば、本開示はまた、アンチセンス化合物の薬学的に許容される塩、プロドラッグ、当該プロドラッグの薬学的に許容される塩及び他の生物学的同等物に関する。好適な薬学的に許容される塩には、ナトリウム塩及びカリウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、プロドラッグは、オリゴヌクレオチドに結合されたコンジュゲート基を1つ以上含み、当該コンジュゲート基は、体内で内因性ヌクレアーゼによって切断される。
【0320】
核酸療法では、脂質部分が種々の方法で使用されている。このような特定の方法において、アンチセンス化合物などの核酸は、カチオン性脂質と中性脂質の混合物からなる予め形成されたリポソームまたはリポプレックス中に組み込まれる。特定の方法において、モノカチオン性脂質またはポリカチオン性脂質を含むDNA複合体は、中性脂質の存在なしで形成される。特定の実施形態において、脂質部分は、特定の細胞または組織への薬剤の分布を増大するために選択される。特定の実施形態において、脂質部分は、脂肪組織への薬剤の分布を増大するために選択される。特定の実施形態において、脂質部分は、筋肉組織への薬剤の分布を増大するために選択される。
【0321】
特定の実施形態において、医薬組成物は、送達系を含む。送達系の例には、リポソーム及びエマルジョンが挙げられるが、これらに限定されない。特定の送達系は、疎水性化合物を含む医薬組成物などの特定の医薬組成物を調製するのに有用である。特定の実施形態において、ジメチルスルホキシドなどの特定の有機溶媒が使用される。
【0322】
特定の実施形態において、医薬組成物は、1つ以上の本発明の薬剤を特定の組織または細胞型に送達するように設計された1つ以上の組織特異的送達分子を含む。例えば、特定の実施形態において、医薬組成物は、組織特異的抗体で被覆されたリポソームを含む。
【0323】
特定の実施形態において、医薬組成物は、共溶媒系を含む。このような共溶媒系のいくつかは、例えば、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー及び水相を含む。特定の実施形態において、このような共溶媒系は、疎水性化合物に使用される。このような共溶媒系の非限定的な例は、VPD共溶媒系であり、これは、3%w/vのベンジルアルコール、8%w/vの非極性界面活性剤Polysorbate 80(商標)及び65%w/vのポリエチレングリコール300を含む無水エタノール溶液である。このような共溶媒系の比率は、その溶解性及び毒性の特徴を著しく変更することなく、大きく変えることができる。更に、共溶媒の構成成分の性質を変えてもよく、例えば、Polysorbate 80(商標)の代わりに他の界面活性剤を使用することができ、ポリエチレングリコールの分画サイズを変更することができ、ポリエチレングリコールを他の生体適合性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドンに置き換えることができ、デキストロースの代わりに他の糖または多糖を用いることができる。
【0324】
特定の実施形態において、医薬組成物は、経口投与用に調製される。特定の実施形態において、医薬組成物は、頬側投与用に調製される。特定の実施形態において、医薬組成物は、注射(例えば、静脈内、皮下、筋肉内など)による投与用に調製される。このような特定の実施形態において、医薬組成物は、担体を含み、水などの水溶液、またはハンクス液、リンゲル液もしくは生理食塩緩衝液などの生理学的に適合性のある緩衝液で製剤化される。特定の実施形態において、他の成分が含まれる(例えば、溶解を助ける成分または防腐剤の役目を果たす成分)。特定の実施形態において、適切な液体担体、懸濁化剤などを使用して、注射可能な懸濁液が調製される。特定の注射用医薬組成物は、単位剤形、例えば、アンプルで提供されるか、多回投与容器で提供される。特定の注射用医薬組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液または乳濁液であり、懸濁化剤、安定化剤及び/または分散剤などの調合剤を含有し得る。注射用医薬組成物における使用に好適な特定の溶媒には、親油性溶媒及びゴマ油などの脂肪油、オレイン酸エチルまたはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、及びリポソームが含まれるが、これらに限定されない。注射用水性懸濁液が含まれ得る。
【0325】
非限定的な開示と参照による援用
限定するものではないが、特許、特許出願、記事、書籍、論文ならびにGenBank及びNCBIリファレンス配列記録を含む、本出願に引用される全ての文献または文献の一部は、その全体が参照により明示的に本明細書に援用される。
【0326】
本明細書に記載される特定の化合物、組成物及び方法について、特定の実施形態に従って具体的に説明してきたが、以下の実施例は、本明細書に記載の化合物を例示するためにのみ提供するものであり、同化合物を限定するものではない。
【0327】
本出願に添付する配列表は、必要に応じて、各配列を「RNA」または「DNA」のいずれかとして特定するが、実際には、これらの配列は、任意の組み合わせの化学修飾で修飾され得る。当業者であれば、修飾オリゴヌクレオチドを記述するための「RNA」または「DNA」という名称は、場合により、任意的であることを容易に認識するであろう。例えば、2’-OH糖部分及びチミン塩基を含むヌクレオシドを含むオリゴヌクレオチドは、修飾糖(DNAの1つの2’-Hの代わりに2’-OH)を有するDNAまたは修飾塩基(RNAのウラシルの代わりにチミン(メチル化ウラシル))を有するRNAと記述することができる。したがって、本明細書に記載される核酸配列は、限定するものではないが、配列表中のものを含め、天然または修飾RNA及び/またはDNAの任意の組み合わせを含有する核酸、例えば、限定するものではないが、修飾核酸塩基を有する核酸などを包含することが意図される。更なる例として、限定するものではないが、核酸塩基配列「ATCGATCG」を有するオリゴマー化合物は、修飾または非修飾にかかわらず、当該核酸塩基配列を有するあらゆるオリゴマー化合物を包含し、限定するものではないが、RNA塩基を含む化合物、例えば配列「AUCGAUCG」を有するもの及び「AUCGATCG」などのいくつかのDNA塩基といくつかのRNA塩基を有するものならびに「ATCGAUCG」(配列中、Cは、5位にメチル基を含むシトシン塩基を示す)などの他の修飾核酸塩基を有するオリゴマー化合物を含む。
【0328】
本明細書に記載の特定の化合物(例えば、修飾オリゴヌクレオチド)は、1つ以上の不斉中心を有することから、エナンチオマー、ジアステレオマー及び他の立体異性体構造を生じる。これらは、絶対立体化学の観点から、(R)もしくは(S)、αもしくはβ(糖アノマーなどの場合)、または(D)もしくは(L)(アミノ酸などの場合)などで定義され得る。本明細書で提供される化合物には、別の記載がない限り、そのラセミ形態及び光学的に純粋な形態を含む、全ての可能な異性体が含まれる。同様に、特に指定のない限り、全てのシス及びトランス異性体ならびに互変異性形態も含まれる。本明細書に記載のオリゴマー化合物は、ラセミ混合物だけでなく、キラル的に純粋な混合物または濃縮された混合物を含む。例えば、複数のホスホロチオエートヌクレオシド間結合を有するオリゴマー化合物は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合のキラリティーが制御された化合物またはホスホロチオエートヌクレオシド間結合のキラリティーがランダムである化合物を含む。
【0329】
特に指定のない限り、本明細書に記載のオリゴマー化合物を含む、あらゆる化合物は、その薬学的に許容される塩を含む。
【0330】
本明細書に記載の化合物は、1つ以上の原子が、指定元素の非放射性同位体または放射性同位体で置き換えられた変形形態を含む。例えば、水素原子を含む本明細書の化合物は、H水素原子のそれぞれに対する全ての可能な重水素置換を包含する。本明細書の化合物に包含される同位体置換には、Hに代えてHまたはH、12Cに代えて13Cまたは14C、14Nに代えて15N、16Oに代えて17Oまたは18O、32Sに代えて33S、34S、35Sまたは36Sが含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、非放射性同位体置換は、治療用または研究用ツールとしての使用に有益であるオリゴマー化合物に新しい特性を付与し得る。特定の実施形態において、放射性同位体置換は、化合物をイメージングなどの研究または診断目的に適したものにし得る。
【実施例
【0331】
実施例1:SMN2を標的にする修飾オリゴヌクレオチドのin vitroにおける作用
SMN2中のエクソン7のスプライシングに対する作用について、以下の表に示す2’-MOE修飾または2’-NMA修飾を含む修飾オリゴヌクレオチドをin vitroで試験した。
【0332】
脊髄性筋萎縮症(SMA)患者の線維芽細胞株(GM03813:Cornell Institute)を25,000細胞/ウェルの密度で平板培養し、以下の表に列挙する濃度の修飾オリゴヌクレオチドを120Vでのエレクトロポレーションを使用してトランスフェクトした。約24時間の処置期間後、細胞をDPBS緩衝液で洗浄し、溶解した。Qiagen RNeasy精製法を使用してRNAを抽出し、qRT-PCRによりmRNAレベルを測定した。エクソン7を含むSMN2のレベルは、プライマー/プローブセットhSMN2vd#4_LTS00216_MGBを使用して測定し、エクソン7を含まないSMN2のレベルは、hSMN2va#4_LTS00215_MGBを使用して測定し、SMN2の総レベルは、HTS4210を使用して測定した。エクソン7を含むSMN2の量及びエクソン7を含まないSMN2の量を総SMN2に対して正規化した。結果は、総SMN2に対するエクソン7含有(+エクソン7)SMN2のレベルと、総SMN2に対するエクソン7非含有(-エクソン7)SMN2のレベルとして、以下の表に示す。以下の表に示すように、SMA患者の線維芽細胞において、2’-NMA修飾を含む修飾オリゴヌクレオチドでの処置は、2’-MOE修飾を含む修飾オリゴヌクレオチドと比較して、より多くのエクソン7包含を呈した(エクソン7除外を減少させた)。
【0333】
【表1】
【0334】
上記表中の下付き文字:「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、「e」は2’-MOE修飾ヌクレオシドを表し、「n」は2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾ヌクレオシドを表す。上付き文字:Cの前の「m」は5-メチルシトシンを表す。
【0335】
【表2】
【0336】
実施例2:SMN2を標的にする修飾オリゴヌクレオチドのトランスジェニックマウスにおける作用
台湾系統のSMA III型のヒトトランスジェニックマウス(Jackson Laboratory(Bar Harbor,Maine))は、マウスSMNを欠き、ヒトSMN2についてホモ接合型である。これらのマウスは、Hsieh-Li et al.,Nature Genet.24,66-70(2000)に記載されている。各マウスに、生理食塩水(PBS)または化合物396443または化合物443305(実施例1参照)の側脳室内(ICV)ボーラスを第1日に1回投与した。各処置群は、3~4匹のマウスから構成された。7日後の第7日にマウスを屠殺した。実施例1に記載するように、脊髄及び脳に由来する全RNAを抽出し、RT-qPCRにより解析した。総SMN2に対するエクソン7含有SMN2の比及び総SMN2に対するエクソン7非含有SMN2の比は、PBS処置対照群を1.0として設定した。全ての処置群の正規化した結果を以下の表に示す。以下の表に示すように、in vivoにおいて、2’-NMA修飾を含む修飾オリゴヌクレオチドは、2’-MOE修飾を含む修飾オリゴヌクレオチドよりも多くのエクソン7包含及び少ないエクソン7除外を呈した。
【0337】
【表3】
【0338】
実施例3:SMN2を標的にする修飾オリゴヌクレオチドのトランスジェニックマウスにおける全身投与後の作用
台湾III型ヒトトランスジェニックマウスに、生理食塩水(PBS)、化合物396443番または化合物443305番(実施例1参照)の腹腔内(IP)注射を合計4回の注射として48時間ごとに1回投与した。各処置群は、3~4匹のマウスから構成された。最終投与から72時間後にマウスを屠殺した。肝臓、横隔膜、四頭筋及び心臓を含む種々の組織を採取し、全RNAを単離した。実施例1及び2に記載するように、RT-qPCRによりエクソン7含有SMN2及び非含有SMN2ならびに総SMN2レベルを測定した。ただし、この実験用のプライマー/プローブセットは、Tiziano,et al.,Eur J Humn Genet,2010に記載のものとした。結果を以下の表に示す。これらの結果は、2’-NMA修飾を含む修飾オリゴヌクレオチドの全身投与が、2’-MOE修飾を含む修飾オリゴヌクレオチドよりも多くのエクソン7包含及び少ないエクソン7除外をもたらしたことを示している。
【0339】
【表4】
【0340】
【表5】
【0341】
実施例4:SMN2を標的にする修飾オリゴヌクレオチドのトランスジェニックマウスにおける作用
台湾III型ヒトトランスジェニックマウスに、生理食塩水(PBS)または以下の表に列挙する修飾オリゴヌクレオチドのICVボーラスを投与した。各処置群は、3~4匹のマウスから構成された。投与から2週間後にマウスを屠殺した。各マウスの脳及び脊髄を採取し、各組織から全RNAを単離した。実施例1及び2に記載するように、RT-qPCRによりエクソン7含有SMN2及び非含有SMN2ならびに総SMN2レベルを測定した。結果を以下の表に示す。これらの結果は、2’-NMA修飾を含む修飾オリゴヌクレオチドが、2’-MOE修飾を含む修飾オリゴヌクレオチドよりも多くのエクソン7包含及び少ないエクソン7除外をもたらしたことを示している。
【0342】
【表6】
【0343】
上記表中の下付き文字:「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、「e」は2’-MOE修飾ヌクレオシドを表し、「n」は2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾ヌクレオシドを表す。上付き文字:Cの前の「m」は5-メチルシトシンを表す。
【0344】
【表7】
【0345】
実施例5:SMN2を標的にする修飾オリゴヌクレオチドのトランスジェニックマウスにおける全身投与後の作用
台湾III型ヒトトランスジェニックマウスに、生理食塩水(PBS)または実施例4に列挙する修飾オリゴヌクレオチドの皮下注射を48~72時間ごとに1回、合計10~150mg/kg/週で3週間投与した。各処置群は、4匹のマウスから構成された。最終投与から72時間後にマウスを屠殺した。種々の組織を採取し、各組織から全RNAを単離した。実施例1及び2に記載するように、RT-qPCRによりエクソン7含有SMN2及び非含有SMN2ならびに総SMN2レベルを測定した。結果を以下の表に示す。これらの結果は、2’-NMA修飾を含む修飾オリゴヌクレオチドの全身投与が、2’-MOE修飾を含む修飾オリゴヌクレオチドよりも多くのエクソン7包含及び少ないエクソン7除外をもたらしたことを示している。
【0346】
【表8】
【0347】
【表9】
【0348】
「n.d.」はデータなしを示し、ED50は算出されなかった。
【0349】
実施例6:コンジュゲート基及びSMN2を標的にする修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物のトランスジェニックマウスにおける全身投与後の作用
台湾III型ヒトトランスジェニックマウスを、以下の表に列挙する修飾オリゴヌクレオチド10~300mg/kg/週または生理食塩水(PBS)単独での皮下投与によって3週間処置し、最終投与から48~72時間後に屠殺した。各群マウス3~4匹とした。実施例1及び2に記載するように、種々の組織に由来する全RNAを抽出し、RT-qPCRを実施した。以下の表に示す結果は、C16コンジュゲート及び2’-NMA修飾を含むオリゴマー化合物が、他の試験化合物よりも多くのエクソン7包含及び少ないエクソン7除外を呈したことを示している。
【0350】
【表10】
【0351】
上記表中の下付き文字:「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、「o」はリン酸ヌクレオシド間結合を表し、「d」は2’-デオキシヌクレオシドを表し、「e」は2’-MOE修飾ヌクレオシドを表し、「n」は2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾ヌクレオシドを表す。上付き文字:Cの前の「m」は5-メチルシステインを表す。
C16-HAの構造は以下である。
【0352】
【化20】
【0353】
【表11】
【0354】
実施例7:DMDを標的にする2’-NMA修飾オリゴヌクレオチドのin vivoにおける作用
以下の表に示す2’-NMA修飾を含む修飾オリゴヌクレオチドをC57BL/10ScSn-DMDmdx/Jマウス(Jackson Laboratory(Bar Harbor,Maine))(本明細書中「DMDmdx」マウスと呼ぶ)で試験して、ジストロフィン(DMD)のエクソン23のスプライシングに対するその作用を評価した。DMDmdxマウスは、野生型ジストロフィン遺伝子を持たず、ジストロフィンは、エクソン23中に未成熟終止コドンを生成する変異を含有するホモ接合型である。各マウスに生理食塩水(PBS)またはPluronic F127 0.2mg/mL中20μgのIsis582040の筋肉内(IM)注射を2回投与した。各処置群は、4匹の雄マウスから構成された。初回投与から9日後にマウスを屠殺した。全RNAを四頭筋から抽出し、PCRプライマー:5’-CAGCCATCCATTTCTGTAAGG-3’(配列番号1)及び5’-ATCCAGCAGTCAGAAAGCAAA-3’(配列番号2)を使用してRT-PCRにより解析した。2つのジストロフィンPCR産物(エクソン23を含むものとエクソン23を含まないもの)をゲル上で分離し、2つのバンドを定量して、発生したエクソン23のスキッピングのパーセンテージを総ジストロフィンmRNAレベルを基準にして算出した。以下の表に示すように、in vivoにおいて、2’-NMA修飾を含む修飾オリゴヌクレオチドは、著しいエクソンスキッピングを呈した。
【0355】
【表12】
【0356】
上記表中の下付き文字:「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、「n」は2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾ヌクレオシドを表す。上付き文字:Cの前の「m」は5-メチルシトシンを表す。
【0357】
実施例8:ヒトDMDを標的にする修飾オリゴヌクレオチドを含む化合物
ヒトジストロフィンpre-mRNAのエクソン51または53に相補的な修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物を合成した。これらを以下の表に示す。未成熟終止コドンを生じる欠失を有するヒトジストロフィン遺伝子を発現するトランスジェニックマウスに、以下に列挙する化合物を投与する。トランスジェニックマウスの変異型ジストロフィンからエクソン51またはエクソン53を除外すると、未成熟終止コドンを含まない正しいリーディングフレームの回復がもたらされる。正しいリーディングフレームの回復及び/またはエクソン51もしくはエクソン53のスキッピングの能力について、化合物を試験する。4週齢のマウス群に、以下に列挙する化合物の皮下注射を8週間投与する。最終投与から1週間後にマウスを屠殺し、全RNAを種々の組織から単離し、RT-PCRにより解析する。
【0358】
【表13】
【0359】
上記表中の下付き文字:「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、「o」はリン酸ヌクレオシド間結合を表し、「e」は2’-MOE修飾ヌクレオシドを表し、「n」は2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾ヌクレオシドを表す。上付き文字:Cの前の「m」は5-メチルシトシンを表す。
C16-HAの構造は以下である。
【0360】
【化21】
【0361】
実施例9:親油性コンジュゲート基を含むオリゴマー化合物のin vivoにおける用量反応作用
以下の表に記載するオリゴマー化合物は、ヒト及びマウスの両方のMALAT-1転写産物に相補的である。MALAT-1発現に対するこれらの作用をin vivoで試験した。雄の食餌誘発性肥満(DIO)マウスのそれぞれに、尾静脈を介して、以下の表に列挙するオリゴマー化合物または生理食塩水ビヒクル単独の静脈内注射を週1回、2週間投与した。各処置群は、3匹または4匹のマウスから構成された。最終注射から3日後に動物を屠殺した。RiboGreen(Thermo Fisher Scientific,Carlsbad,CA)を使用してRT-qPCRにより解析し、全RNAに対して正規化した心臓におけるMALAT-1 RNA発現を以下に示す。各群の平均結果は、ビヒクル処置動物の平均結果に対して正規化したMALAT-1 RNAレベルのパーセントとして示す。以下のデータは、心臓において、親油性コンジュゲート基を含むオリゴマー化合物が、親油性コンジュゲート基を含まない親化合物と比較して、より強力であることを示している。
【0362】
【表14】
【0363】
下付き文字「k」は、cEt修飾二環式糖部分を表す。更なる下付き文字及び上付き文字については上記表を参照されたい。「C16-HA-」の構造は、実施例2に示されている。「Ole-HA-」の構造は、以下である。
【0364】
【化22】
【0365】
実施例10:親油性コンジュゲート基を含むオリゴマー化合物のin vivoにおける異なる投与経路後の作用
Isis556089番及び812134番(実施例9参照)のMALAT-1発現に対する作用をin vivoで試験した。雄の野生型C57bl/6マウスのそれぞれに、尾静脈を介して、Isis556089番、Isis812134番または生理食塩水ビヒクル単独の静脈内(IV)注射または皮下(SC)注射のいずれかを投与した。各処置群は、4匹のマウスから構成された。注射から3日後に動物を屠殺した。RiboGreen(Thermo Fisher Scientific,Carlsbad,CA)を使用してRT-qPCRにより解析し、全RNAに対して正規化した心臓由来のMALAT-1 RNA発現を以下に示す。各群の平均結果は、ビヒクル処置動物の平均結果に対して正規化したMALAT-1 RNAレベルのパーセントとして示す。以下のデータは、心臓において、親油性コンジュゲート基を含むオリゴマー化合物が、親油性コンジュゲート基を含まない親化合物と比較して、より強力であることを示している。
【0366】
【表15】
【0367】
実施例11:親油性コンジュゲート基を含むオリゴマー化合物のin vivoにおける異なる投与経路後の作用
以下の表に列挙する化合物は、CD36に相補的である。これらをin vivoで試験した。雌の野生型C57bl/6マウスのそれぞれに、化合物または生理食塩水ビヒクル単独の静脈内注射または腹腔内注射のいずれかを週1回、3週間投与した。各処置群は、4匹のマウスから構成された。最終注射から3日後に動物を屠殺した。RiboGreen(Thermo Fisher Scientific,Carlsbad,CA)を使用してRT-qPCRにより解析し、全RNAに対して正規化した心臓及び四頭筋由来のCD36 mRNA発現を以下に示す。各群の平均結果は、ビヒクル処置動物の平均結果に対して正規化したCD36 RNAレベルのパーセントとして示す。以下のデータは、心臓と四頭筋の両方において、親油性コンジュゲート基を含むオリゴマー化合物が、親油性コンジュゲート基を含まない親化合物と比較して、より強力であることを示している。
【0368】
【表16】
【0369】
凡例については上記表を参照されたい。
【0370】
実施例12:親油性コンジュゲート基を含むオリゴマー化合物のin vivoにおける作用
以下の表に記載するオリゴマー化合物は、ヒト及びマウスの両方の筋強直性ジストロフィープロテインキナーゼ(DMPK)転写産物に相補的である。DMPK発現に対するこれらの作用をin vivoで試験した。野生型Balb/cマウスのそれぞれに、以下の表に列挙する用量のオリゴマー化合物または生理食塩水ビヒクル単独の静脈内注射を投与した。各動物は、3週間半で、週1回、合計4回の投与を受けた。各処置群は、3匹または4匹のマウスから構成された。最終投与から2日後に動物を屠殺した。RiboGreen(Thermo Fisher Scientific,Carlsbad,CA)を使用してRT-qPCRにより解析し、全RNAに対して正規化した四頭筋由来のDMPK mRNA発現を以下に示す。各群の平均結果は、ビヒクル処置動物の平均結果に対して正規化したDMPK RNAレベルのパーセントとして示す。「nd」の項目は、データなしを意味する。以下のデータは、四頭筋において、親油性コンジュゲート基を含むオリゴマー化合物が、親油性コンジュゲート基を含まない親化合物と比較して、より強力であることを示している。
【0371】
【表17】
【0372】
凡例については上記表を参照されたい。「Chol-TEG-」及び「Toco-TEG-」の構造は、それぞれ実施例1及び2に示されている。
「HA-Chol」は、以下に示す2’-修飾である。
【0373】
【化23】
【0374】
「HA-C10」及び「HA-C16」は、以下に示す2’-修飾である。
【0375】
【化24】
【0376】
式中、「HA-C10」では下付き文字nは1であり、「HA-C16」では下付き文字nは7である。
【0377】
実施例13:オリゴマー化合物のin vivoにおける作用
以下の表に記載するオリゴマー化合物は、ヒト及びマウスの両方のMALAT-1転写産物に相補的である。MALAT-1発現に対するこれらの作用をin vivoで試験した。雄の野生型C57bl/6マウスのそれぞれに、以下の表に列挙する用量のオリゴマー化合物または生理食塩水ビヒクル単独の皮下注射を処置期間の0、4及び10日目に投与した。各処置群は、3匹のマウスから構成された。最終注射から4日後に動物を屠殺した。RiboGreen(Thermo Fisher Scientific,Carlsbad,CA)を使用してRT-qPCRにより解析し、全RNAに対して正規化した心臓由来のMALAT-1 RNA発現を以下に示す。各群の平均結果は、ビヒクル処置動物の平均結果に対して正規化したMALAT-1 RNAレベルのパーセントとして示す。以下のデータは、心臓において、親油性コンジュゲート基を含むオリゴマー化合物が、親油性コンジュゲート基を含まない親化合物と比較して、より強力であることを示している。
【0378】
【表18】
【0379】
凡例については上記表を参照されたい。「C16-HA-」の構造は、実施例2に示されている。
「C16-2x-C6-」及び「C16-2x-C3-」の構造は、以下である。
【0380】
【化25】
【0381】
式中、「C16-2x-C6-」ではm=2、「C16-2x-C3-」ではm=1である。
「C16-C6-」の構造は、以下である。
【0382】
【化26】
【0383】
「C16-C3-Ab-」の構造は、以下である。
【0384】
【化27】
【0385】
実施例14:DMDに相補的な2’-NMA修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物の皮下投与後における作用
以下の表に示す修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物をDMDmdxマウスで試験して、ジストロフィン(DMD)のエクソン23のスプライシングに対するその作用を評価した。各マウスに生理食塩水(PBS)またはPBS中の以下の表中の化合物の皮下注射を投与した。各処置群は、4匹の雌マウスから構成された。各動物は、投与の第1週中に、200mg/kgの2回の投与と、100mg/kgの1回の投与を受けた。第2週及び第3週中には、各動物は、週当たり200mg/kgの1回の投与を受け、3週間にわたって合計900mg/kgの投与を受けた。最終投与から48時間後にマウスを屠殺した。実施例14に記載するように、全RNAを四頭筋から抽出し、解析した。総ジストロフィンmRNAレベルに対する、発生したエクソン23のスキッピングのパーセンテージを以下の表に示す。結果は、2’-NMA修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物が、2’-MOE修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物よりも大きいエクソンスキッピングを呈したことを示している。C16コンジュゲート基を含むオリゴマー化合物は、筋肉組織において、C16コンジュゲート基を欠く化合物よりも大きいエクソンスキッピングを呈した。
【0386】
【表19】
【0387】
上記表中の下付き文字:「s」はホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表し、「n」は2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾ヌクレオシドを表し、「e」は2’-メトキシエチル(MOE)修飾ヌクレオシドを表す。上付き文字:Cの前の「m」は5-メチルシトシンを表す。C16-HAの構造は、実施例6に示されている。
ある態様において、本発明は以下であってもよい。
[態様1]14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、式IIから独立して選択される構造をそれぞれ有し、
【化28-1】
式IIの各ヌクレオシドについて、
Bxは、独立して選択される核酸塩基であり、
及びRは、それぞれ独立して、水素及びメチルから選択され、
あるいは、Rは、水素であり、Rは、独立して、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択され、
前記修飾オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基の配列は、標的転写産物前駆体のスプライス部位に相補的である、前記オリゴマー化合物。
[態様2]14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、式IIから独立して選択される構造をそれぞれ有し、
【化28-2】
式IIの各ヌクレオシドについて、
Bxは、独立して選択される核酸塩基であり、
及びRは、それぞれ独立して、水素及びメチルから選択され、
あるいは、Rは、水素であり、Rは、独立して、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択され、
前記修飾オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基の配列は、少なくとも1つの標的組織中に存在する標的転写産物前駆体に相補的であり、前記少なくとも1つの標的組織は、筋肉組織である、前記オリゴマー化合物。
[態様3]14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、式IIの構造をそれぞれ有し、
【化28-3】
式IIの各ヌクレオシドについて、
Bxは、独立して選択される核酸塩基であり、
及びRは、それぞれ独立して、水素及びメチルから選択され、
あるいは、Rは、水素であり、Rは、独立して、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択され、
前記修飾オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基の配列は、複数の標的組織中に存在する標的転写産物前駆体に相補的であり、前記標的組織は、筋肉組織及び中枢神経系である、前記オリゴマー化合物。
[態様4]14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、式IIの構造をそれぞれ有し、
【化28-4】
式IIの各ヌクレオシドについて、
Bxは、独立して選択される核酸塩基であり、
及びRは、それぞれ独立して、水素及びメチルから選択され、
あるいは、Rは、水素であり、Rは、独立して、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択され、
前記修飾オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基の配列は、標的転写産物前駆体に相補的であり、前記オリゴマー化合物は、前記標的転写産物前駆体のプロセシングを調節する、前記オリゴマー化合物。
[態様5]前記標的転写産物前駆体がMAPTまたはTauの転写産物ではなく、前記修飾オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基の配列がトリヌクレオチドリピートから構成されない、態様1~4のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様6]筋肉及び/またはCNS中の前記標的転写産物前駆体のプロセシングを調節する、態様1に記載のオリゴマー化合物。
[態様7]R及びRの少なくとも一方が水素ではない式IIのヌクレオシドを少なくとも1つ含む、態様1~6のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様8]Rが水素であり、Rがメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される式IIのヌクレオシドを少なくとも1つ含む、態様1~7のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様9]Rが水素であり、Rがメチルまたはエチルから選択される式IIのヌクレオシドを少なくとも1つ含む、態様1~8のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様10]R及びRの少なくとも一方がメチルである式IIのヌクレオシドを少なくとも1つ含む、態様1~9のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様11]R及びRの一方が水素であり、R及びRの他方がメチルである式IIのヌクレオシドを少なくとも1つ含む、態様1~10のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様12]Rの選択が、式IIの構造を有する前記ヌクレオシドのそれぞれについて同一であり、Rの選択が、式IIの構造を有する前記ヌクレオシドのそれぞれについて同一である、態様1~11のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様13]各Bxが、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシル及び5-メチルシトシンから選択される、態様1~12のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様14]前記修飾オリゴヌクレオチドの7個のヌクレオシドのそれぞれが、式IIから独立して選択される構造を有する、態様1~13のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様15]前記修飾オリゴヌクレオチドの8個のヌクレオシドのそれぞれが、式IIから独立して選択される構造を有する、態様1~13のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様16]前記修飾オリゴヌクレオチドの9個のヌクレオシドのそれぞれが、式IIから独立して選択される構造を有する、態様1~13のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様17]前記修飾オリゴヌクレオチドの10個のヌクレオシドのそれぞれが、式IIから独立して選択される構造を有する、態様1~13のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様18]前記修飾オリゴヌクレオチドの11個のヌクレオシドのそれぞれが、式IIから独立して選択される構造を有する、態様1~13のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様19]前記修飾オリゴヌクレオチドの12個のヌクレオシドのそれぞれが、式IIから独立して選択される構造を有する、態様1~13のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様20]前記修飾オリゴヌクレオチドの13個のヌクレオシドのそれぞれが、式IIから独立して選択される構造を有する、態様1~13のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様21]前記修飾オリゴヌクレオチドの14個のヌクレオシドのそれぞれが、式IIから独立して選択される構造を有する、態様1~13のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様22]前記修飾オリゴヌクレオチドの15個のヌクレオシドのそれぞれが、式IIから独立して選択される構造を有する、態様1~13のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様23]前記修飾オリゴヌクレオチドの16個のヌクレオシドのそれぞれが、式IIから独立して選択される構造を有する、態様1~13のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様24]前記修飾オリゴヌクレオチドの17個のヌクレオシドのそれぞれが、式IIから独立して選択される構造を有する、態様1~13のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様25]前記修飾オリゴヌクレオチドの18個のヌクレオシドのそれぞれが、式IIから独立して選択される構造を有する、態様1~13のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様26]前記修飾オリゴヌクレオチドの19個のヌクレオシドのそれぞれが、式IIから独立して選択される構造を有する、態様1~13のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様27]前記修飾オリゴヌクレオチドの20個のヌクレオシドのそれぞれが、式IIから独立して選択される構造を有する、態様1~13のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様28]式IIの構造を有する少なくとも1つのヌクレオシドのRがメチルである、態様1~27のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様29]Rが、式IIの構造を有する前記ヌクレオシドの全てについて同一である、態様1~28のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様30]14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含み、前記修飾オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基の配列は、標的転写産物前駆体のスプライス部位に相補的である、前記オリゴマー化合物。
[態様31]14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含み、前記修飾オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基の配列は、少なくとも1つの標的組織中に存在する標的転写産物前駆体に相補的であり、前記少なくとも1つの標的組織は、筋肉組織である、前記オリゴマー化合物。
[態様32]14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含み、前記修飾オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基の配列は、複数の標的組織中に存在する標的転写産物前駆体に相補的であり、前記標的組織は、筋肉組織及び中枢神経系である、前記オリゴマー化合物。
[態様33]14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含み、前記修飾オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基の配列は、標的転写産物前駆体に相補的であり、前記オリゴマー化合物は、前記標的転写産物前駆体のプロセシングを調節する、前記オリゴマー化合物。
[態様34]14~25個の結合されたヌクレオシドからなる修飾オリゴヌクレオチドを含むオリゴマー化合物であって、前記修飾オリゴヌクレオチドの少なくとも6個のヌクレオシドは、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含み、前記修飾オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基の配列は、標的転写産物前駆体に相補的であり、前記オリゴマー化合物は、筋肉組織中の前記標的転写産物前駆体のプロセシングを調節する、前記オリゴマー化合物。
[態様35]前記標的転写産物前駆体がMAPTまたはTauの転写産物ではなく、前記修飾オリゴヌクレオチドの前記核酸塩基の配列がトリヌクレオチドリピートから構成されない、態様30~34のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様36]筋肉及び/またはCNS中の前記標的転写産物前駆体のプロセシングを調節する、態様30~35のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様37]各2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾ヌクレオシドが、2’-O-(N-メチルアセトアミド)及び2’-O-(N-エチルアセトアミド)から選択される修飾糖部分を含む、態様30~36のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様38]前記修飾オリゴヌクレオチドの7個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、態様30~37のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様39]前記修飾オリゴヌクレオチドの8個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、態様30~37のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様40]前記修飾オリゴヌクレオチドの9個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、態様30~37のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様41]前記修飾オリゴヌクレオチドの10個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、態様30~37のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様42]前記修飾オリゴヌクレオチドの11個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、態様30~37のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様43]前記修飾オリゴヌクレオチドの12個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、態様30~37のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様44]前記修飾オリゴヌクレオチドの13個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、態様30~37のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様45]前記修飾オリゴヌクレオチドの14個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、態様30~37のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様46]前記修飾オリゴヌクレオチドの15個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、態様30~37のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様47]前記修飾オリゴヌクレオチドの16個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、態様30~37のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様48]前記修飾オリゴヌクレオチドの17個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、態様30~37のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様49]前記修飾オリゴヌクレオチドの18個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、態様30~37のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様50]前記修飾オリゴヌクレオチドの19個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、態様30~37のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様51]前記修飾オリゴヌクレオチドの20個のヌクレオシドのそれぞれが、独立して選択される2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分を含む、態様30~37のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様52]前記2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分のうちの少なくとも1つが、2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾糖部分である、態様30~51のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様53]前記2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分のそれぞれのN-アルキル基が、同じN-アルキル基である、態様30~51のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様54]前記2’-O-(N-アルキルアセトアミド)修飾糖部分のそれぞれが、2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾糖部分である、態様30~51のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様55]前記修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドが、2’-O-(N-メチルアセトアミド)修飾糖部分を含む、態様1~54のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様56]前記修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシドが、修飾糖部分を含む、態様1~55のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様57]各ヌクレオシドが、独立して選択される2’-修飾非二環式糖部分を含む、態様56に記載のオリゴマー化合物。
[態様58]各ヌクレオシドが、独立して選択される2’-修飾非二環式糖部分または二環式糖部分を含む、態様56に記載のオリゴマー化合物。
[態様59]各2’-修飾非二環式糖部分が2’-O-(N-アルキルアセトアミド)糖部分である、態様58に記載のオリゴマー化合物。
[態様60]各2’-O-(N-アルキルアセトアミド)糖部分が2’-O-(N-メチルアセトアミド)糖部分である、態様59に記載のオリゴマー化合物。
[態様61]前記修飾オリゴヌクレオチドが、16~23個の結合されたヌクレオシドからなる、態様1~60のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様62]前記修飾オリゴヌクレオチドが、18~20個の結合されたヌクレオシドからなる、態様1~60のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様63]前記修飾オリゴヌクレオチドが16個のヌクレオシドからなる、態様1~60のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様64]前記修飾オリゴヌクレオチドが17個のヌクレオシドからなる、態様1~60のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様65]前記修飾オリゴヌクレオチドが18個のヌクレオシドからなる、態様1~60のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様66]前記修飾オリゴヌクレオチドが19個のヌクレオシドからなる、態様1~60のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様67]前記修飾オリゴヌクレオチドが20個のヌクレオシドからなる、態様1~60のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様68]前記修飾オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの修飾ヌクレオシド間結合を含む、態様1~67のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様69]前記修飾オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含む、態様1~68のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様70]前記修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合が、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合及びホスホジエステルヌクレオシド間結合から選択される、態様69に記載のオリゴマー化合物。
[態様71]各ヌクレオシド間結合が修飾ヌクレオシド間結合である、態様69に記載のオリゴマー化合物。
[態様72]前記修飾オリゴヌクレオチドの各ヌクレオシド間結合がホスホロチオエートヌクレオシド間結合である、態様1~71のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様73]前記修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1つの修飾核酸塩基を含む、態様1~72のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様74]前記修飾オリゴヌクレオチドが少なくとも1つの5-メチルシトシンを含む、態様1~73のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様75]前記修飾オリゴヌクレオチドの各核酸塩基が、チミン、5-メチルシトシン、シトシン、アデニン、ウラシル及びグアニンから選択される、態様1~74のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様76]前記修飾オリゴヌクレオチドの各シトシンが5-メチルシトシンである、態様1~75のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様77]前記修飾オリゴヌクレオチドの各核酸塩基が、チミン、5-メチルシトシン、アデニン及びグアニンから選択される、態様1~76のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様78]前記修飾オリゴヌクレオチドが、標的転写産物前駆体に少なくとも70%相補的である、態様1~77のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様79]前記修飾オリゴヌクレオチドが、標的転写産物前駆体に少なくとも75%相補的である、態様1~77のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様80]前記修飾オリゴヌクレオチドが、標的転写産物前駆体に少なくとも80%相補的である、態様1~77のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様81]前記修飾オリゴヌクレオチドが、標的転写産物前駆体に少なくとも85%相補的である、態様1~77のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様82]前記修飾オリゴヌクレオチドが、標的転写産物前駆体に少なくとも90%相補的である、態様1~77のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様83]前記修飾オリゴヌクレオチドが、標的転写産物前駆体に少なくとも95%相補的である、態様1~77のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様84]前記修飾オリゴヌクレオチドが、標的転写産物前駆体に少なくとも100%相補的である、態様1~77のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様85]前記修飾オリゴヌクレオチドが、プロセシング部位を含有する前記標的転写産物前駆体の一部に相補的である、態様78~84のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様86]前記修飾オリゴヌクレオチドが、変異を含有する前記標的転写産物前駆体の一部に相補的である、態様78~85のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様87]前記修飾オリゴヌクレオチドが、潜在的プロセシング部位を含有する前記標的転写産物前駆体の一部に相補的である、態様78~86のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様88]前記修飾オリゴヌクレオチドが、異常なプロセシング部位を含有する前記標的転写産物前駆体の一部に相補的である、態様78~86のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様89]前記修飾オリゴヌクレオチドが、標的pre-mRNAに相補的である、態様1~88のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様90]前記標的転写産物前駆体が標的pre-mRNAである、態様1~88のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様91]前記修飾オリゴヌクレオチドが、イントロン-エクソン境界を含有する前記pre-mRNAの一部に相補的である、態様89または90に記載のオリゴマー化合物。
[態様92]前記修飾オリゴヌクレオチドが、前記pre-mRNAのエクソンに相補的である、態様89または90に記載のオリゴマー化合物。
[態様93]前記修飾オリゴヌクレオチドが、前記pre-mRNAのイントロンに相補的である、態様89または90に記載のオリゴマー化合物。
[態様94]コンジュゲート基を含む、態様1~93のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様95]前記コンジュゲート基が少なくとも1つのGalNAc部分を含む、態様94に記載のオリゴマー化合物。
[態様96]前記コンジュゲート基が脂質または親油基を含む、態様94に記載のオリゴマー化合物。
[態様97]前記脂質または親油基が、コレステロール、C10~C26飽和脂肪酸、C10~C26不飽和脂肪酸、C10~C26アルキル、トリグリセリド、トコフェロールまたはコール酸から選択される、態様96に記載のオリゴマー化合物。
[態様98]前記脂質または親油基が、飽和炭化水素鎖または不飽和炭化水素鎖である、態様96に記載のオリゴマー化合物。
[態様99]前記脂質または親油基がC16脂質である、態様96~98のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様100]前記脂質または親油基がC18脂質である、態様96~98のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様101]前記脂質または親油基がC16アルキルである、態様96~98のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様102]前記脂質または親油基がC18アルキルである、態様96~98のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様103]前記脂質または親油基がコレステロールである、態様96に記載のオリゴマー化合物。
[態様104]前記脂質または親油基がトコフェロールである、態様96に記載のオリゴマー化合物。
[態様105]前記脂質または親油基が飽和C16である、態様96に記載のオリゴマー化合物。
[態様106]前記コンジュゲート基が、前記修飾オリゴヌクレオチドの5’末端で前記修飾オリゴヌクレオチドに結合している、態様94~105のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様107]前記コンジュゲート基が、前記修飾オリゴヌクレオチドの3’末端で前記修飾オリゴヌクレオチドに結合している、態様94~105のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様108]前記コンジュゲート基が切断可能リンカーを含む、態様94~107のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様109]前記切断可能リンカーが1つ以上のリンカーヌクレオシドを含む、態様108に記載のオリゴマー化合物。
[態様110]
前記切断可能リンカーがリンカーヌクレオシドを含有しない、態様108に記載のオリゴマー化合物。
[態様111]前記修飾オリゴヌクレオチドからなる、態様1~93のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様112]前記修飾オリゴヌクレオチド及び前記コンジュゲート基からなる、態様94~110のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様113]前記標的転写産物前駆体がSMN2 pre-mRNAではない、態様1~112のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様114]前記標的転写産物前駆体がジストロフィンpre-mRNAではない、態様1~113のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様115]前記標的転写産物前駆体がSMN2 pre-mRNAである、態様1~112のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様116]前記標的転写産物前駆体がジストロフィンpre-mRNAである、態様1~112のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様117]一本鎖である、態様1~116のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様118]相補的オリゴマー化合物と対合して二本鎖化合物を形成した、態様1~116のいずれか一に記載のオリゴマー化合物。
[態様119]前記相補的オリゴマー化合物がコンジュゲート基を含む、態様118に記載のオリゴマー化合物。
[態様120]態様1~119のいずれか一に記載のオリゴマー化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む、医薬組成物。
[態様121]標的転写産物前駆体のプロセシングを調節する方法であって、態様1~120のいずれか一に記載のオリゴマー化合物または組成物と細胞を接触させることを含み、前記標的転写産物前駆体の前記プロセシングが調節される、前記方法。
[態様122]前記標的転写産物前駆体が標的pre-mRNAである、態様121に記載の方法。
[態様123]前記標的pre-mRNAのスプライシングの調節が、前記標的mRNAのエクソンの包含を、前記化合物または組成物の非存在下で生産される前記標的mRNAのエクソンの包含量と比較して増加させる、態様122に記載の方法。
[態様124]前記標的pre-mRNAのスプライシングの調節が、前記標的mRNAのエクソンの除外を、前記化合物または組成物の非存在下で生産される前記標的mRNAのエクソンの除外量と比較して増加させる、態様122に記載の方法。
[態様125]前記標的被プロセシング転写産物が標的mRNAであり、前記標的mRNAのナンセンス変異依存分解が誘導される、態様121~124のいずれか一に記載の方法。
[態様126]前記標的被プロセシング転写産物が標的mRNAであり、前記標的mRNAのナンセンス変異依存分解が減少される、態様121~124のいずれか一に記載の方法。
[態様127]前記標的被プロセシング転写産物が標的mRNAであり、前記標的mRNAが未成熟終止コドンを含有しない、態様121~126のいずれか一に記載の方法。
[態様128]前記標的被プロセシング転写産物が標的mRNAであり、前記標的mRNAが未成熟終止コドンを含有する、態様121~126のいずれか一に記載の方法。
[態様129]前記細胞が筋肉細胞である、態様121~128のいずれか一に記載の方法。
[態様130]前記細胞がニューロンである、態様121~128のいずれか一に記載の方法。
[態様131]前記細胞が肝細胞である、態様121~128のいずれか一に記載の方法。
[態様132]前記細胞が中枢神経系内にある、態様121~128のいずれか一に記載の方法。
[態様133]前記細胞が動物内にある、態様121~132のいずれか一に記載の方法。
[態様134]前記細胞がヒト内にある、態様121~122のいずれか一に記載の方法。
[態様135]態様1~120のいずれか一に記載のオリゴマー化合物または組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、標的転写産物前駆体のプロセシングを調節することによって疾患または病態を治療する方法。
[態様136]前記標的転写産物前駆体が標的pre-mRNAである、態様135に記載の方法。
[態様137]前記疾患または病態がスプライシング異常に関連する、態様135または136に記載の方法。
[態様138]前記化合物または組成物の投与が、前記疾患または病態において標的mRNAから除外された前記標的mRNA中のエクソンの包含を増加させる、態様136~137のいずれか一に記載の方法。
[態様139]前記化合物または組成物の投与が、前記疾患または病態において標的mRNA中に包含された前記標的mRNA中のエクソンの除外を増加させる、態様136~137のいずれか一に記載の方法。
[態様140]前記標的mRNAのナンセンス変異依存分解が誘導される、態様136~139のいずれか一に記載の方法。
[態様141]前記標的mRNAが未成熟終止コドンを含有しない、態様136~140のいずれか一に記載の方法。
[態様142]前記標的mRNAが未成熟終止コドンを含有する、態様136~141のいずれか一に記載の方法。
[態様143]前記投与が全身投与である、態様131~142のいずれか一に記載の方法。
[態様144]前記投与が皮下投与である、態様143に記載の方法。
[態様145]前記投与が中枢投与である、態様135~144のいずれか一に記載の方法。
[態様146]前記投与が髄腔内投与である、態様145に記載の方法。
[態様147]それを必要とする患者に対する、独立して選択される態様1~113のいずれか一に記載のオリゴマー化合物または組成物の第2の投与を含み、第1の投与が全身投与であり、第2の投与が中枢投与である、態様135~146のいずれか一に記載の方法。
[態様148]全身投与される前記化合物が修飾オリゴヌクレオチドまたは修飾オリゴヌクレオチド及びコンジュゲート基からなり、中枢投与される前記オリゴマー化合物が修飾オリゴヌクレオチドからなる、態様147に記載の方法。
[態様149]治療法に使用するための態様1~119のいずれか一に記載のオリゴマー化合物または態様120に記載の組成物。
[態様150]疾患または病態を治療するための薬剤の調製のための態様1~119のいずれか一に記載のオリゴマー化合物または態様120に記載の組成物の使用。
[態様151]スプライシング異常に関連する疾患または病態を治療するための薬剤の調製のための態様1~119のいずれか一に記載のオリゴマー化合物または態様120に記載の組成物の使用。