(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び、化粧品提供装置
(51)【国際特許分類】
A45D 44/00 20060101AFI20230117BHJP
【FI】
A45D44/00 A
(21)【出願番号】P 2019534551
(86)(22)【出願日】2018-08-01
(86)【国際出願番号】 JP2018028797
(87)【国際公開番号】W WO2019026942
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-07-19
(31)【優先権主張番号】P 2017151692
(32)【優先日】2017-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】230116816
【氏名又は名称】成川 弘樹
(74)【代理人】
【識別番号】100146123
【氏名又は名称】木本 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100174850
【氏名又は名称】大崎 絵美
(72)【発明者】
【氏名】松井 裕子
(72)【発明者】
【氏名】秦 英夫
(72)【発明者】
【氏名】田代 麻友里
(72)【発明者】
【氏名】那須 美恵子
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 素樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 洋平
(72)【発明者】
【氏名】矢島 美保
(72)【発明者】
【氏名】林 陽子
(72)【発明者】
【氏名】長井 綾香
(72)【発明者】
【氏名】津田 孝也
(72)【発明者】
【氏名】森 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 直輝
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/004903(WO,A1)
【文献】特表2003-534621(JP,A)
【文献】国際公開第2014/147940(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0208921(US,A1)
【文献】国際公開第2016/203461(WO,A1)
【文献】特表2012-506287(JP,A)
【文献】特開2009-125114(JP,A)
【文献】特開2005-253883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 44/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の化粧品のそれぞれの使用量を示すレシピ情報に基づいて、前記複数の化粧品の少なくとも1つを提供する化粧品提供装置と通信可能な情報処理装置であって、
ユーザのストレスの指標、及び、マインドフルネスの指標の少なくとも1つを示す精神情報を取得する手段を備え、
複数のレシピ情報の中から、前記精神情報に基づくレシピ情報を選択する手段を備え、
前記選択されたレシピ情報を前記化粧品提供装置に送信する手段を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記ストレスの指標は、
ストレスの強さ、ストレスの要因、ストレスの種類、又は、それらの組合せを示し、
脈拍値、性周期、問診結果、又は、それらの組合せによって決まる、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記マインドフルネスの指標は、脈拍値、性周期、問診結果、又は、それらの組合せによって決まる、
請求項
1又は請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
ユーザの属性に関するユーザ属性情報を取得する手段を備え、
前記ユーザ属性情報は、前記ユーザの年齢、性別、及び、住所の少なくとも1つを示す情報を含
み、
前記選択する手段は、前記複数のレシピ情報の中から、前記精神情報、及び、前記ユーザ属性情報の組合せに基づくレシピ情報を選択する、
請求項1~請求項
3の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザの環境に関する環境情報を取得する手段を備え、
前記環境情報は、前記ユーザの環境の温度、湿度、及び、紫外線曝露量の少なくとも1つを示す情報を含
み、
前記選択する手段は、前記複数のレシピ情報の中から、前記精神情報、及び、前記環境情報の組合せに基づくレシピ情報を選択する、
請求項1~請求項
4の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記レシピ情報は、化粧品の使用量、又は、配合比率を示す情報を含む、
請求項1~請求項
5の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記化粧品を収容するカートリッジに関するカートリッジ情報と、前記化粧品提供装置を識別するマシンIDと、を関連付けて記憶する手段を備える、
請求項1~請求項
6の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記カートリッジ情報は、前記カートリッジに収容された化粧品の残量を示す情報を含む、
請求項
7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
請求項1~請求項
8の何れかに記載の情報処理装置と通信可能な化粧品提供装置であって、
複数のカートリッジスロットを備え、
各カートリッジスロットは、前記化粧品を収容するカートリッジを着脱可能に保持し、
前記情報処理装置から送信されたレシピ情報に基づいて、前記複数のカートリッジスロットに保持された各カートリッジに収容された化粧品を使用してすることによって、前記レシピ情報に基づく化粧品を提供する手段を備える、
化粧品提供装置。
【請求項10】
前記提供する手段は、前記レシピ情報に基づいて、各カートリッジに収容された化粧品を吐出する、
請求項
9に記載の化粧品提供装置。
【請求項11】
前記提供する手段は、前記レシピ情報に基づいて、複数のカートリッジに収容された化粧品を混合して吐出する、
請求項
9に記載の化粧品提供装置。
【請求項12】
前記カートリッジスロットに保持されたカートリッジに関するカートリッジ情報を前記情報処理装置に送信する手段を備える、
請求項
9~請求項
11の何れかに記載の化粧品提供装置。
【請求項13】
前記カートリッジ情報は、前記カートリッジに収容された化粧品の残量を示す情報を含む、
請求項
12に記載の化粧品提供装置。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1~請求項
13の何れかに記載の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、及び、化粧品提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、化粧品のユーザに合わせてカスタマイズした化粧品(以下「カスタマイズ化粧品」という)の需要が高まっている。
例えば、特許文献1には、ユーザの肌状態に合わせてカスタマイズ化粧品を提供する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人間の肌状態は、様々な因子の影響を受ける。例えば、ユーザが過ごす環境、ユーザの行動、及び、ユーザの心身が肌状態に影響を与える因子として知られている。
【0005】
しかし、特許文献1では、これらのユーザ固有の因子を考慮していないので、カスタマイズ化粧品のユーザへの適合性は不十分である。
【0006】
本発明の目的は、ユーザ固有の因子に適合したカスタマイズ化粧品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、
複数の化粧品のそれぞれの使用量を示すレシピ情報に基づいて前記複数の化粧品の少なくとも1つを提供する化粧品提供装置と通信可能な情報処理装置であって、
ユーザに固有のユーザ固有情報を取得する手段を備え、
前記ユーザ固有情報は、前記ユーザの属性に関するユーザ属性情報、前記ユーザの環境に関する環境情報、前記ユーザの行動に関する行動情報、前記ユーザの心身に関する心身情報、及び、前記ユーザの肌に関する肌情報、前記ユーザが使用している化粧品に関する情報の少なくとも1つを含み、
複数のレシピ情報の中から、前記ユーザ固有情報に基づくレシピ情報を選択する手段を備え、
前記選択されたレシピ情報を前記化粧品提供装置に送信する手段を備える、
情報処理装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザ固有の因子に適合したカスタマイズ化粧品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1の化粧品提供装置の構造を示す図である。
【
図3】
図1の化粧品提供装置の構成を示す概略図である。
【
図5】本実施形態のユーザ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図6】本実施形態の環境ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図7】本実施形態の行動ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図8】本実施形態の心身ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図9】本実施形態の肌ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図10】本実施形態の肌評価ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図11】本実施形態のマシン情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図12】本実施形態のレシピ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図13】本実施形態の情報処理の全体フローを示す図である。
【
図14】本実施形態のユーザログの更新の処理のフローチャートである。
【
図15】本実施形態のユーザログの更新の処理のフローチャートである。
【
図16】本実施形態の化粧品の提供の処理のフローチャートである。
【
図17】
図16の情報処理において表示される画面例の図である。
【
図18】変形例1のレシピ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図19】変形例1の化粧品の提供の処理のフローチャートである。
【
図20】
図19の情報処理において表示される画面例の図である。
【
図21】変形例2のカートリッジの交換の処理のフローチャートである。
【
図22】変形例3の化粧品提供装置の構成を示す概略図である。
【
図23】変形例3のレシピ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【
図24】変形例6のニアエンドの通知の処理のフローチャートである。
【
図25】
図24の情報処理において表示される画面例の図である。
【
図26】変形例7の化粧品の提供の処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0011】
(1)情報処理システムの構成
情報処理システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態の情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、情報処理システム1は、クライアント装置10と、サーバ30と、化粧品提供装置50と、予測情報提供サーバ70と、ウェアラブルデバイス90と、を備える。
クライアント装置10、サーバ30、化粧品提供装置50、及び、予測情報提供サーバ70は、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)NWを介して接続される。
【0013】
クライアント装置10は、サーバ30にリクエストを送信する情報処理装置の一例である。クライアント装置10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。
【0014】
サーバ30は、所定のリクエストに応じたレスポンスをクライアント装置10及び化粧品提供装置50に提供する情報処理装置の一例である。サーバ30は、例えば、ウェブサーバである。
【0015】
化粧品提供装置50は、サーバ30から送信される情報に基づいて、化粧品を提供するように構成される。
【0016】
予測情報提供サーバ70は、将来の予測を示す予測情報を提供する情報処理装置の一例である。予測情報提供サーバ70は、例えば、以下の情報を提供する。
・将来の環境の予測(例えば、ユーザが住んでいる場所の天気予報)を示す環境予測情報・将来のユーザの行動の予測(例えば、ユーザが任意に入力した予定)を示す行動予測情報
・将来のユーザの心身の予測(例えば、ユーザが任意に入力した性周期の予測日)を示す心身予測情報
【0017】
ウェアラブルデバイス90は、環境ログ情報(後述の
図6)、行動ログ情報(後述の
図7)、及び、心身ログ情報(後述の
図8)の少なくとも1つを取得するように構成される。
【0018】
(1-1)クライアント装置の構成
図1を参照して、クライアント装置10の構成について説明する。
【0019】
図1に示すように、クライアント装置10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14と、GPSモジュール15と、カメラ16と、を備える。
【0020】
記憶装置11は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0021】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、化粧品提供装置50と連動する化粧品提供アプリケーション)のプログラム
【0022】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0023】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、クライアント装置10の機能を実現するように構成される。プロセッサ12は、コンピュータの一例である。
【0024】
入出力インタフェース13は、クライアント装置10に接続される入力デバイスからユーザの指示を取得し、ウェアラブルデバイス90から情報を取得し、かつ、クライアント装置10に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0025】
通信インタフェース14は、クライアント装置10とサーバ30との間の通信を制御するように構成される。
【0026】
GPSモジュール15は、GPS(Global Positioning System)衛星と通信を行うことにより、クライアント装置10の位置情報を取得するように構成される。
【0027】
カメラ16は、画像を取得するように構成される。カメラ16は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラである。
【0028】
(1-2)サーバの構成
図1を参照して、サーバ30の構成について説明する。
【0029】
図1に示すように、サーバ30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、通信インタフェース34とを備える。
【0030】
記憶装置31は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0031】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0032】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0033】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、サーバ30の機能を実現するように構成される。プロセッサ32は、コンピュータの一例である。
【0034】
入出力インタフェース33は、サーバ30に接続される入力デバイスからユーザの指示を取得し、サーバ30に接続される出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0035】
通信インタフェース34は、サーバ30とクライアント装置10との間の通信を制御するように構成される。
【0036】
(1-3)化粧品提供装置の構成
図1を参照して、化粧品提供装置50の構成について説明する。
【0037】
図1に示すように、化粧品提供装置50は、記憶装置51と、プロセッサ52と、入出力インタフェース53と、通信インタフェース54とを備える。
【0038】
記憶装置51は、プログラム及びデータを記憶するように構成される。記憶装置51は、例えば、ROM、RAM、及び、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0039】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・化粧品提供装置50を制御するファームウェアのプログラム
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0040】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0041】
プロセッサ52は、記憶装置51に記憶されたプログラムを起動することによって、化粧品提供装置50の機能を実現するように構成される。プロセッサ52は、コンピュータの一例である。
【0042】
入出力インタフェース53は、化粧品提供装置50の入力デバイス又はクライアント装置10からユーザの指示を受け付け、かつ、化粧品提供装置50の出力デバイスに情報を出力するように構成される。
入力デバイスは、例えば、タッチパネルである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0043】
通信インタフェース54は、化粧品提供装置50とサーバ30との間の通信を制御するように構成される。
【0044】
本実施形態の化粧品提供装置の構造及び構成について説明する。
図2は、
図1の化粧品提供装置の構造を示す図である。
図3は、
図1の化粧品提供装置の構成を示す概略図である。
【0045】
図2Aに示すように、化粧品提供装置50は、上部50a及び下部50bから構成される。
下部50bには、吐出口50baと、が配置されている。
吐出口50baは、前方FRに向かって開口している。
【0046】
図2Bに示すように、上部50aの内部には、複数のカートリッジスロット50aa~50aeが配置されている。各カートリッジスロット50aa~50aeには、カートリッジCAが着脱可能に保持される。
【0047】
各カートリッジCAには、化粧品(例えば、液体)が収容される。各カートリッジCAに収容される化粧品は、単独でも使用可能であり、且つ、他のカートリッジCAに収容された化粧品と混合可能である。
【0048】
各カートリッジCAの側面には、ICチップCAaが配置される。ICチップCAaには、カートリッジCAに関する情報(以下「カートリッジ情報」という)が格納される。
カートリッジ情報は、例えば、以下の情報を含む。
・カートリッジを識別するカートリッジID
・カートリッジに収容された化粧品の残量値
・カートリッジに収容された化粧品を示す情報
【0049】
図3に示すように、カートリッジスロット50aa~50aeは、それぞれ、カートリッジCA1~CA5を保持する。カートリッジCA1~CA5には、種類の異なる化粧品が収容される。
【0050】
プロセッサ52は、各カートリッジCA1~CA5を制御することにより、カートリッジCA1~CA5に収容された化粧品を吐出口50baから吐出する。
【0051】
(2)本実施形態の概略
本実施形態の概略について説明する。
図4は、本実施形態の概略図である。
【0052】
図4に示すように、本実施形態では、ユーザ(例えば、化粧品の消費者)が、クライアント装置10と、化粧品提供装置50と、を使用する。
【0053】
クライアント装置10は、ユーザから、ユーザに固有の情報(以下「ユーザ固有情報」という)を取得する。クライアント装置10は、取得したユーザ固有情報をサーバ30に送信する。
【0054】
ユーザ固有情報は、ユーザログ情報と、予測情報と、を含む。
ユーザログ情報とは、ユーザの過去の環境情報、行動情報、心身情報、肌情報、及び、肌評価情報の少なくとも1つの履歴を示す情報である。
予測情報は、ユーザの未来の環境、行動、及び、心身の少なくとも1つの予測を示す情報である。
【0055】
サーバ30は、クライアント装置10から送信されたユーザ固有情報に基づいて、複数のレシピ情報の中から、化粧品提供装置50に送信すべきレシピ情報を選択する。サーバ30は、選択したレシピ情報を化粧品提供装置50に送信する。
【0056】
化粧品提供装置50は、サーバ30から送信されたレシピ情報に基づく化粧品をユーザに提供する。レシピ情報は、ユーザ固有情報に基づいている。つまり、ユーザに提供される化粧品は、ユーザ固有の因子に合わせてカスタマイズされている。
【0057】
(3)データベース
本実施形態のデータベースについて説明する。以下のデータベースは、記憶装置31に記憶される。
【0058】
(3-1)ユーザ情報データベース
本実施形態のユーザ情報データベースについて説明する。
図5は、本実施形態のユーザ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0059】
図5のユーザ情報データベースには、ユーザに関する情報(以下「ユーザ情報」という)が格納される。
ユーザ情報データベースは、「ユーザID」フィールドと、「ユーザ名」フィールドと、「ユーザ属性」フィールドと、「推定式」フィールドと、「使用化粧品ID」フィールドと、「問診」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0060】
「ユーザID」フィールドには、ユーザを識別するユーザIDが格納される。
【0061】
「ユーザ名」フィールドには、ユーザ名を示す情報(例えば、テキスト)が格納される。
【0062】
「ユーザ属性」フィールドには、ユーザの属性に関する情報(以下「ユーザ属性情報」という)が格納される。ユーザ属性情報は、ユーザが任意に決定する情報である。「ユーザ属性」フィールドは、「性別」フィールドと、「年齢」フィールドと、「住所」フィールドと、を含む。
「性別」フィールドには、ユーザの性別を示す情報が格納される。
「年齢」フィールドには、ユーザの年齢を示す情報が格納される。
「住所」フィールドには、ユーザの住所を示す情報が格納される。
【0063】
「推定式」フィールドには、ユーザの肌状態を推定するための推定式(式1)が格納される。推定式は、ユーザの肌に影響を与える因子毎の係数を含む。
(式1)f=a×A+b×B+c×C+d×D
・f…肌状態の推定結果を示すスコア(以下「肌スコア」という)
・a…環境の係数
・A…環境情報
・b…行動の係数
・B…行動情報
・c…心身の係数
・C…心身情報
・d…肌の係数
・D…肌情報
【0064】
推定式は、ユーザの肌状態の指標(以下「肌指標」という)毎に用意される。つまり、推定式に含まれる係数は、肌指標毎に異なる。肌指標は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・角層水分量
・肌理
・肌色
・肌のかさつき
・肌の滑らかさ
・肌の透明感
・肌の美白の程度
・肌荒れの有無
・肌の炎症の程度
・肌の小じわの程度
【0065】
「使用化粧品ID」フィールドには、ユーザが使用している化粧品を識別する化粧品IDが格納される。
【0066】
「問診」フィールドには、ユーザの肌に関する質問に対するユーザの回答を示す情報が格納される。
【0067】
(3-2)環境ログ情報データベース
本実施形態の環境ログ情報データベースについて説明する。
図6は、本実施形態の環境ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0068】
図6の環境ログ情報データベースには、ユーザが過ごした環境に関する環境情報のログを示す情報(以下「環境ログ情報」という)が格納される。環境ログ情報は、ウェアラブルデバイス90から取得される情報である。
環境ログ情報データベースは、「環境ログID」フィールドと、「日時」フィールドと、「紫外線曝露量」フィールドと、「温度」フィールドと、「湿度」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。環境ログ情報データベースは、ユーザIDに関連付けられている。
【0069】
「環境ログID」フィールドには、環境ログ情報を構成する環境情報を識別する環境ログIDが格納される。
【0070】
「日時」フィールドには、環境情報が取得された日時を示す情報が格納される。
【0071】
「紫外線曝露量」フィールドには、ユーザが浴びた紫外線の量(以下「紫外線曝露量」という)を示す情報が格納される。
【0072】
「温度」フィールドには、ユーザが過ごした環境の温度を示す情報が格納される。
【0073】
「湿度」フィールドには、ユーザが過ごした環境の湿度を示す情報が格納される。
【0074】
(3-3)行動ログ情報データベース
本実施形態の行動ログ情報データベースについて説明する。
図7は、本実施形態の行動ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0075】
図7の行動ログ情報データベースには、ユーザの行動に関する行動情報の履歴を示す情報(以下「行動ログ情報」という)が格納される。行動ログ情報は、ウェアラブルデバイス90から取得される情報、ユーザ指示(例えば、アンケートに対するユーザの回答)に応じて決まる情報、又は、それらの組合せである。
行動ログ情報データベースは、「行動ログID」フィールドと、「日時」フィールドと、「行動」フィールドと、「開始時間」フィールドと、「終了時間」フィールドと、「カロリー変化」フィールドと、「位置情報」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。行動ログ情報データベースは、ユーザIDに関連付けられている。
【0076】
「行動ログID」フィールドには、行動ログ情報を構成する行動情報を識別する行動ログIDが格納される。
【0077】
「日時」フィールドには、行動情報が取得された日時を示す情報が格納される。
【0078】
「行動」フィールドには、ユーザの行動に関する情報が格納される。
ユーザの行動は、以下の少なくとも1つを含む。
・食事(例えば、食事の内容)
・運動(例えば、運動の種目)
・睡眠(例えば、睡眠中の寝返り回数)
【0079】
「開始時間」フィールドには、行動の開始時間を示す情報が格納される。
【0080】
「終了時間」フィールドには、行動の終了時間を示す情報が格納される。
【0081】
「カロリー変化」フィールドには、行動に応じた摂取カロリー又は消費カロリー(消費エネルギの一例)を示す情報が格納される。
【0082】
「位置情報」フィールドには、GPSモジュール15によって取得された位置情報が格納される。
【0083】
(3-4)心身ログ情報データベース
本実施形態の心身ログ情報データベースについて説明する。
図8は、本実施形態の心身ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0084】
図8の心身ログ情報データベースには、ユーザの心身に関する心身情報の履歴を示す情報(以下「心身ログ情報」という)が格納される。心身ログ情報は、ウェアラブルデバイス90から取得される情報、ユーザ指示(例えば、問診に対するユーザの回答(以下「問診結果」という))、又は、それらの組合せに応じて決まる情報である。
心身ログ情報データベースは、「心身ログID」フィールドと、「日時」フィールドと、「脈拍値」フィールドと、「性周期」フィールドと、「ストレス」フィールドと、「マインドフルネス」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。心身ログ情報データベースは、ユーザIDに関連付けられている。
【0085】
「心身ログID」フィールドには、心身ログ情報を構成する心身情報を識別する心身ログIDが格納される。
【0086】
「日時」フィールドには、心身情報が取得された日時を示す情報が格納される。
【0087】
「脈拍値」フィールドには、ユーザの脈拍値が格納される。脈拍値は、例えば、ウェアラブルデバイス90から取得される情報である。
【0088】
「性周期」フィールドには、性周期を示す情報(ホルモンバランス情報の一例)が格納される。
【0089】
「ストレス」フィールドには、ストレスの指標を示すストレス情報が格納される。ストレス情報は、例えば、ストレスの強さ、ストレスの要因、ストレスの種類、又は、それらの組合せを示す。ストレス情報は、脈拍値、性周期、問診結果、又は、それらの組合せによって決まる。
【0090】
「マインドフルネス」フィールドには、ユーザのマインドフルネスの指標を示すマインドフルネス情報が格納される。マインドフルネス情報は、脈拍値、性周期、問診結果、又は、それらの組合せによって決まる。
【0091】
(3-5)肌ログ情報データベース
本実施形態の肌ログ情報データベースについて説明する。
図9は、本実施形態の肌ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0092】
図9の肌ログ情報データベースには、ユーザの肌に関する肌情報の履歴を示す情報(以下「肌ログ情報」という)が格納される。
肌ログ情報データベースは、「肌ログID」フィールドと、「日時」フィールドと、「肌画像」フィールドと、「肌色」フィールドと、「水分量」フィールドと、「皮脂量」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。肌ログ情報データベースは、ユーザIDに関連付けられている。
【0093】
「肌ログID」フィールドには、肌ログ情報を識別する肌ログIDが格納される。
【0094】
「日時」フィールドには、肌情報が取得された日時を示す情報が格納される。
【0095】
「肌画像」フィールドには、ユーザの肌の画像の画像データが格納される。
【0096】
「肌色」フィールドには、ユーザの肌の画像から推定される肌の色を示す情報(例えば、RGB値)が格納される。
【0097】
「水分量」フィールドには、ユーザの肌の画像から推定される水分量の指標を示す情報が格納される。
【0098】
「皮脂量」フィールドには、ユーザの肌の画像から推定される皮脂量の指標を示す情報が格納される。
【0099】
(3-6)肌評価ログ情報データベース
本実施形態の肌評価ログ情報データベースについて説明する。
図10は、本実施形態の肌評価ログ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0100】
図10の肌評価ログ情報データベースには、肌状態に関する定性的な評価(以下「肌評価」という)の履歴を示す情報(以下「肌評価ログ情報」という)が格納される。
肌評価ログ情報データベースは、「肌評価ログID」フィールドと、「日時」フィールドと、「肌スコア」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。肌評価ログ情報データベースは、ユーザIDに関連付けられている。
【0101】
「肌評価ログID」フィールドには、肌評価ログ情報を構成する肌評価を識別する肌評価ログIDが格納される。
【0102】
「日時」フィールドには、肌評価が生成された日時を示す情報が格納される。
【0103】
「肌スコア」フィールドには、ユーザログ情報(環境ログ情報、行動ログ情報、心身ログ情報、及び、肌ログ情報の少なくとも1つ)を推定式に適用することにより得られる肌スコアが格納される。「肌スコア」フィールドは、「第1肌スコア」フィールドと、「第2肌スコア」フィールドと、を含む。
「第1肌スコア」フィールドには、第1肌スコア(第1肌指標の一例)が格納される。第1肌スコアは、ユーザログ情報から推定される現在(例えば、ユーザログ情報が取得された時)の肌状態を示す。
「第2肌スコア」フィールドには、第2肌スコア(第2肌指標の一例)が格納される。第2肌スコアは、ユーザログ情報及び予測情報から推定される将来(例えば、ユーザログ情報が取得された日の1週間後)の肌状態を示す。
【0104】
(3-7)マシン情報データベース
本実施形態のマシン情報データベースについて説明する。
図11は、本実施形態のマシン情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0105】
図11のマシン情報データベースには、化粧品提供装置50に関する情報(以下「マシン情報」という)が格納される。
マシン情報データベースは、「マシンID」フィールドと、「オーナユーザID」フィールドと、「カートリッジ」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0106】
「マシンID」フィールドには、化粧品提供装置50を識別するマシンIDが格納される。「マシンID」フィールドの情報は、例えば、化粧品提供装置50に予め割り当てられているシリアル番号である。
【0107】
「オーナユーザID」フィールドには、化粧品提供装置50を使用するユーザのユーザIDが格納される。
【0108】
「カートリッジ」フィールドは、「スロット1」~「スロット5」フィールドを含む。
「スロット1」~「スロット5」フィールドには、それぞれ、カートリッジスロット50aa~50aeに保持されたカートリッジCA1~CA5に関するカートリッジ情報が格納される。カートリッジ情報は、カートリッジCAを識別するカートリッジIDと、カートリッジCAに収容された化粧品の残量値と、カートリッジCAに収容された化粧品を示す情報と、を含む。
【0109】
(3-8)レシピ情報データベース
本実施形態のレシピ情報データベースについて説明する。
図12は、本実施形態のレシピ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0110】
図12のレシピ情報データベースには、レシピ情報が格納される。レシピ情報は、化粧品のカスタマイズ方法を示す。
レシピ情報データベースは、「レシピID」フィールドと、「使用量」フィールドと、「条件」フィールドと、を含む。各フィールドは、互いに関連付けられている。
【0111】
「レシピID」フィールドには、レシピ情報を識別するレシピIDが格納される。「レシピID」フィールドの情報は、サーバ30によって決定される。
【0112】
「使用量」フィールドには、各化粧品の使用量を示す情報が格納される。
【0113】
「条件」フィールドには、レシピ情報を選択するときの基準となる肌スコアの範囲を示す情報が格納される。
【0114】
(4)情報処理
本実施形態の情報処理について説明する。
図13は、本実施形態の情報処理の全体フローを示す図である。
【0115】
図13に示すように、本実施形態の情報処理は、ユーザログの更新(OP1)と、肌ログの更新(OP2)と、化粧品の提供(OP3)と、を含む。
【0116】
(4-1)ユーザログの更新の処理
本実施形態のユーザログの更新の処理について説明する。
図14は、本実施形態のユーザログの更新の処理のフローチャートである。
【0117】
図14のステップのうち、クライアント装置10によって実行されるステップは、化粧品提供アプリケーションの機能として実行される。
【0118】
図14に示すように、クライアント装置10は、ユーザログの取得(S100)を実行する。
【0119】
具体的には、プロセッサ12は、入出力インタフェース13を介して、ウェアラブルデバイス90から、ユーザログ情報(環境ログ情報、行動ログ情報、及び、心身ログ情報の少なくとも1つ)を取得する。
【0120】
ステップS100の後、クライアント装置10は、ユーザログ更新リクエスト(S101)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、ユーザログ更新リクエストデータをサーバ30に送信する。
ユーザログ更新リクエストデータは、以下の情報を含む。
・ユーザID
・ステップS101の実行日時を示す情報
・ステップS100において取得したユーザログ情報
【0121】
ステップS101の後、サーバ30は、ユーザログ更新リクエストデータに基づいてデータベースの更新(S300)を実行する。
【0122】
第1例として、ユーザログ更新リクエストデータが環境ログ情報を含む場合、プロセッサ32は、ステップS101において送信されたユーザログ更新リクエストデータに含まれるユーザIDに関連付けられた環境ログ情報データベース(
図6)に新規レコードを追加する。
新規レコードの各フィールドには、以下の情報が格納される。
・「環境ログID」フィールドには、新規環境ログIDが格納される。
・「日時」フィールドには、ユーザログ更新リクエストデータに含まれるステップS101の実行日時を示す情報が格納される。
・「紫外線曝露量」フィールド、「温度」フィールド、及び、「湿度」フィールドには、ユーザログ更新リクエストデータに含まれる環境情報が格納される。
【0123】
第2例として、ユーザログ更新リクエストデータが行動ログ情報を含む場合、プロセッサ32は、ステップS101において送信されたユーザログ更新リクエストデータに含まれるユーザIDに関連付けられた行動ログ情報データベース(
図7)に新規レコードを追加する。
新規レコードの各フィールドには、以下の情報が格納される。
・「行動ログID」フィールドには、新規行動ログIDが格納される。
・「日時」フィールドには、ユーザログ更新リクエストデータに含まれるステップS101の実行日時を示す情報が格納される。
・「行動」フィールド、「開始時間」フィールド、「終了時間」フィールド、「カロリー変化」フィールド、及び、「位置情報」フィールドには、ユーザログ更新リクエストデータに含まれる行動情報が格納される。
【0124】
第3例として、ユーザログ更新リクエストデータが心身ログ情報を含む場合、プロセッサ32は、ステップS101において送信されたユーザログ更新リクエストデータに含まれるユーザIDに関連付けられた心身ログ情報データベース(
図8)に新規レコードを追加する。
新規レコードの各フィールドには、以下の情報が格納される。
・「心身ログID」フィールドには、新規心身ログIDが格納される。
・「日時」フィールドには、ユーザログ更新リクエストデータに含まれるステップS101の実行日時を示す情報が格納される。
・「脈拍値」フィールド、「性周期」フィールド、「ストレス」フィールド、及び、「マインドフルネス」フィールドには、ユーザログ更新リクエストデータに含まれる心身情報が格納される。
【0125】
これにより、ユーザログ情報が更新される。
【0126】
ステップS300の後、サーバ30は、肌状態の推定(S301)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ユーザ情報データベース(
図5)を参照して、ユーザログ更新リクエストデータに含まれるユーザIDに関連付けられた推定式を特定する。
プロセッサ32は、特定した推定式に、ステップS300で更新したユーザログ情報を適用することにより、ユーザログ情報に基づく肌スコアを算出する。
プロセッサ32は、ユーザIDに関連付けられた肌評価ログ情報データベース(
図10)の「第1肌スコア」フィールドに、算出した肌スコアを示す情報を格納する。
【0127】
(4-2)肌ログの更新の処理
本実施形態の肌ログの更新の処理について説明する。
図15は、本実施形態のユーザログの更新の処理のフローチャートである。
【0128】
図15のステップのうち、クライアント装置10によって実行されるステップは、化粧品提供アプリケーションの機能として実行される。
【0129】
図15に示すように、クライアント装置10は、肌画像の取得(S110)を実行する。
具体的には、カメラ16は、ユーザの肌の画像を取得する。
プロセッサ12は、取得された画像を記憶装置11に記憶する。
【0130】
ステップS110の後、クライアント装置10は、肌パラメータの推定(S111)を実行する。
プロセッサ12は、ステップS110において記憶装置11に記憶した画像を解析する。
プロセッサ12は、画像の解析結果に所定のアルゴリズムを適用することにより、ユーザの肌の色の値と、水分量の値と、皮脂量の値と、を算出する。
【0131】
ステップS111の後、クライアント装置10は、肌ログ更新リクエスト(S112)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、肌ログ更新リクエストデータをサーバ30に送信する。
肌ログ更新リクエストデータは、以下の情報を含む。
・ユーザID
・ステップS112の実行日時を示す情報
・ステップS110において取得された画像の画像データ
・ステップS111において算出された肌の色の値、皮脂量の値、及び、水分量の値
【0132】
ステップS112の後、サーバ30は、肌ログ更新リクエストデータに基づいてデータベースの更新(S310)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ステップS112において送信された肌ログ更新リクエストデータに含まれるユーザIDに関連付けられた肌ログ情報データベース(
図9)に新規レコードを追加する。
新規レコードの各フィールドには、以下の情報が格納される。
・「肌ログID」フィールドには、新規肌ログIDが格納される。
・「日時」フィールドには、肌ログ更新リクエストデータに含まれるステップS112の実行日時を示す情報が格納される。
・「肌画像」フィールドには、肌ログ更新リクエストデータに含まれる画像データが格納される。
・「肌色」フィールドには、肌ログ更新リクエストデータに含まれる肌の色の値が格納される。
・「水分量」フィールドには、肌ログ更新リクエストデータに含まれる水分量の値が格納される。
・「皮脂量」フィールドには、肌ログ更新リクエストデータに含まれる皮脂量の値が格納される。
【0133】
これにより、肌ログ情報が更新される。
【0134】
ステップS310の後、サーバ30は、肌状態の推定(S311)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ユーザ情報データベース(
図5)を参照して、肌ログ更新リクエストデータに含まれるユーザIDに関連付けられた推定式を特定する。
プロセッサ32は、特定した推定式に、ステップS310で更新した肌ログ情報を適用することにより、肌ログ情報に基づく肌スコアを算出する。
プロセッサ32は、ユーザIDに関連付けられた肌評価ログ情報データベース(
図10)の「第1肌スコア」フィールドに、算出した肌スコアを示す情報を格納する。
【0135】
(4-3)化粧品の提供の処理
本実施形態の化粧品の提供の処理について説明する。
図16は、本実施形態の化粧品の提供の処理のフローチャートである。
図17は、
図16の情報処理において表示される画面例の図である。
【0136】
図16に示すように、化粧品提供装置50は、メニュー画面の表示(S520)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、画面P520をディスプレイに表示する。
【0137】
画面P520は、ボタンオブジェクトB520が表示される。
ボタンオブジェクトB520は、化粧品の提供を受けるためのユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0138】
ステップS520の後、化粧品提供装置50は、レシピリクエスト(S521)を実行する。
具体的には、ユーザがボタンオブジェクトB520を操作すると、プロセッサ52は、レシピリクエストデータをサーバ30に送信する。レシピリクエストデータは、化粧品提供装置50のマシンIDを含む。
【0139】
ステップS521の後、サーバ30は、レシピリクエストデータに基づいてレシピの選択(S320)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、マシン情報データベース(
図11)を参照して、レシピリクエストデータに含まれるマシンIDに関連付けられたオーナユーザIDを特定する。
プロセッサ32は、特定したオーナユーザIDに関連付けられた肌評価ログ情報データベース(
図10)を参照して、最新の肌スコア(例えば、「日時」フィールドの情報が最も新しい日時を示すレコードの第1肌スコア)を特定する。
プロセッサ32は、レシピ情報データベース(
図12)を参照して、特定した肌スコアが「条件」フィールドの情報が示す範囲に含まれるレコードを特定する。
プロセッサ32は、特定したレコードのレシピID及び各化粧品の使用量を特定する。
【0140】
ステップS320の後、サーバ30は、レシピレスポンス(S321)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、レシピレスポンスデータを化粧品提供装置50に送信する。
レシピレスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS320で特定されたレシピID
・ステップS320で特定された各化粧品の使用量
【0141】
ステップS321の後、化粧品提供装置50は、レシピレスポンスデータに基づいて画面表示(S522)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、画面P522をディスプレイに表示する。
【0142】
画面P522は、表示オブジェクトA522a~A522bと、ボタンオブジェクトB522a~B522bと、を含む。
表示オブジェクトA522aには、レシピレスポンスデータに含まれるレシピIDが表示される。
表示オブジェクトA522bには、レシピレスポンスデータに含まれる各化粧品の使用量が表示される。
ボタンオブジェクトB522aは、表示オブジェクトA522bに示される各化粧品の使用量の増減のユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
ボタンオブジェクトB522bは、表示オブジェクトA522bに示される各化粧品の使用量を確定させるユーザ指示を受け付けるオブジェクトである。
【0143】
ステップS522の後、化粧品提供装置50は、化粧品の吐出(S523)を実行する。
具体的には、ユーザがボタンオブジェクトB522bを操作すると、プロセッサ52は、表示オブジェクトA522bに示される各化粧品の使用量の分だけ、各カートリッジCA1~CA5に収容された化粧品が吐出されるように、各カートリッジCA1~CA5を制御する。
【0144】
各カートリッジCA1~CA5に収容された化粧品は、吐出口50baから吐出される。ユーザは、吐出口50baに手を挿入することにより、吐出された化粧品を受け取る。
これにより、ユーザ固有の因子に適合したカスタマイズ化粧品をユーザに提供すことができる。
【0145】
ステップS524の後、化粧品提供装置50は、残量更新リクエスト(S524)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、残量更新リクエストデータをサーバ30に送信する。
残量更新リクエストデータは、以下の情報を含む。
・マシンID
・ステップS523で吐出した化粧品の吐出量を示す値
【0146】
ステップS524の後、サーバ30は、データベースの更新(S322)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、マシン情報データベース(
図11)を参照して、残量更新リクエストデータに含まれるマシンIDのレコードを特定する。
プロセッサ32は、特定したレコードの「カートリッジ」フィールドの値から、残量更新リクエストデータに含まれる吐出量の値を引く。
【0147】
これにより、各カートリッジCA1~CA5に収容された化粧品の残量がサーバ30に保持される。
【0148】
本実施形態によれば、ユーザ固有の因子に適合したカスタマイズ化粧品を提供することができる。
【0149】
(5)変形例
本実施形態の変形例について説明する。
【0150】
(5-1)変形例1
変形例1について説明する。変形例1は、化粧品を受け取るときのユーザの感情を考慮してレシピを選択する例である。
【0151】
(5-1-1)レシピ情報データベース
変形例1のレシピ情報データベースについて説明する。
図18は、変形例1のレシピ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0152】
図18に示すように、変形例1のレシピ情報データベースは、
図12の各フィールドに加えて、「感情条件」フィールドを含む。
【0153】
「感情条件」フィールドには、レシピ情報を選択するときの基準となる感情コードが格納される。感情コードは、ユーザの感情を示す情報である。
【0154】
(5-1-2)化粧品の提供の処理
変形例1の化粧品の提供の処理について説明する。
図19は、変形例1の化粧品の提供の処理のフローチャートである。
図20は、
図19の情報処理において表示される画面例の図である。
【0155】
図19に示すように、化粧品提供装置50は、感情情報の取得(S530)を実行する。
具体的には、ユーザがボタンオブジェクトB520を操作すると、プロセッサ52は、画面P530をディスプレイに表示する。
【0156】
画面P530は、ボタンオブジェクトB530a~B530bを含む。
ボタンオブジェクトB530a~B530bは、ユーザの感情の指定を受け付けるオブジェクトである。ボタンオブジェクトB530a~B530bには、感情を示すコードが割り当てられている。
ユーザがボタンオブジェクトB530aを操作すると、プロセッサ52は、ボタンオブジェクトB530aに割り当てられた感情コードを受け付ける。
【0157】
ステップS530の後、化粧品提供装置50は、レシピリクエスト(S531)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、レシピリクエストデータをサーバ30に送信する。
レシピリクエストデータは、以下の情報を含む。
・化粧品提供装置50のマシンID
・ステップS530で受け付けられた感情コード
【0158】
ステップS531の後、サーバ30は、レシピの選択(S330)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、マシン情報データベース(
図11)を参照して、レシピリクエストデータに含まれるマシンIDに関連付けられたオーナユーザIDを特定する。
プロセッサ32は、特定したオーナユーザIDに関連付けられた肌評価ログ情報データベース(
図10)を参照して、最新の肌スコア(例えば、「日時」フィールドの情報が最も新しい日時を示すレコードの第1肌スコア)を特定する。
プロセッサ32は、レシピ情報データベース(
図12)を参照して、特定した肌スコアが「条件」フィールドの情報に含まれるレコードを特定する。
プロセッサ32は、特性したレコードのうち、レシピリクエストデータに含まれる感情コードが「感情条件」フィールドの情報と一致するレコードを特定する。
プロセッサ32は、特定したレコード(つまり、肌スコア及び感情コードに基づくレコード)のレシピID及び各化粧品の使用量を特定する。
【0159】
ステップS330の後、ステップS321、S522~S524、及び、S322が、
図16と同様に実行される。
【0160】
変形例1によれば、ユーザの感情に基づくレシピを選択する。これにより、ユーザ固有の因子により適合した化粧品を提供することができる。
【0161】
(5-2)変形例2
変形例2について説明する。変形例2は、カートリッジCA1~CA5が交換された場合の情報処理の例である。
図21は、変形例2のカートリッジの交換の処理のフローチャートである。
【0162】
図21に示すように、化粧品提供装置50は、カートリッジ交換リクエスト(S540)を実行する。
具体的には、ユーザが上部50aを開放して、カートリッジスロット50aa~50ae内のカートリッジCAを交換した後、上部50aを閉鎖すると、プロセッサ52は、カートリッジ交換リクエストデータをサーバ30に送信する。
カートリッジ交換リクエストデータは、以下の情報を含む。
・化粧品提供装置50のマシンID
・新たに取り付けられたカートリッジCAのICチップCAaに格納されたカートリッジID
・新たに取り付けられたカートリッジCAのICチップCAaに格納された残量値
・新たに取り付けられたカートリッジCAのICチップCAaに格納された化粧品の種類を示す情報
なお、新たに取り付けられたカートリッジCAが非純正品である場合、カートリッジ交換リクエストデータは、カートリッジID、残量値、化粧品の種類を示す情報の少なくとも1つを含まないこともある。
【0163】
ステップS540の後、サーバ30は、カートリッジの判定(S340)を実行する。
具体的には、カートリッジ交換リクエストデータに含まれるカートリッジIDが所定のカートリッジIDではない場合、又は、カートリッジ交換リクエストデータがカートリッジIDを含まない場合、プロセッサ32は、新たに取り付けられたカートリッジCAは非純正品であると判定する。
【0164】
ステップS340の後、サーバ30は、データベースの更新(S341)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、マシン情報データベース(
図11)を参照して、カートリッジ交換リクエストデータに含まれるマシンIDのレコードを特定する。
プロセッサ32は、特定したレコードの「カートリッジ」フィールドに、カートリッジ交換リクエストデータに含まれるカートリッジID及び残量値を格納する。
なお、プロセッサ32は、ステップS340で非純正品であると判定した場合、「カートリッジ」フィールドに非純正品を示すコードを格納してもよい。
【0165】
ステップS341の後、サーバ30は、カートリッジ交換レスポンス(S342)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、カートリッジ交換レスポンスデータを化粧品提供装置50に送信する。ステップS340で非純正品であると判定された場合、カートリッジ交換レスポンスデータは、新たに取り付けられたカートリッジCAが非純正品であることを示すメッセージを含む。
【0166】
ステップS342の後、化粧品提供装置50は、警告(S541)を実行する。
具体的には、プロセッサ52は、カートリッジ交換レスポンスデータに含まれるメッセージをディスプレイに表示する。
【0167】
変形例2によれば、新たに取り付けられたカートリッジCAが非純正品であることをサーバ30に保持し、且つ、ユーザに警告することができる。
【0168】
(5-3)変形例3
変形例3について説明する。変形例3は、化粧品提供装置50の構成の変形例である。
【0169】
(5-3-1)化粧品提供装置の構成
変形例3の化粧品提供装置の構成について説明する。
図22は、変形例3の化粧品提供装置の構成を示す概略図である。
【0170】
図22に示すように、化粧品提供装置50は、
図3の構成に加えて、ミキサ55と、ヒータ56と、を有する。
【0171】
ミキサ55は、カートリッジCA3~CA5に収容された化粧品を混合するように構成される。
プロセッサ52は、ミキサ55を制御することにより、カートリッジCA3~CA5に収容された化粧品を混合してから吐出する。
なお、混合の対象となる化粧品は、カートリッジCA3~CA5に収容された化粧品に限られない。カートリッジCA1~CA5に収容された化粧品が混合の対象となってもよい。
【0172】
ヒータ56は、カートリッジCA3~CA5に収容された化粧品を加熱するように構成される。
プロセッサ52は、ヒータ56を制御することにより、カートリッジCA3~CA5に収容された化粧品を加熱してから吐出する。
なお、加熱の対象となる化粧品は、カートリッジCA3~CA5に収容された化粧品に限られない。カートリッジCA1~CA5に収容された化粧品が加熱の対象となってもよい。
【0173】
(5-3-2)レシピ情報データベース
変形例3のレシピ情報データベースについて説明する。
図23は、変形例3のレシピ情報データベースのデータ構造を示す図である。
【0174】
図23に示すように、変形例3のレシピ情報データベースは、
図12の各フィールドに加えて、「ミキサ」フィールドと、「ヒータ」フィールドと、を含む。
【0175】
「ミキサ」フィールドは、「混合速度」フィールドと、「混合順」フィールドと、「混合時間」フィールドと、を含む。
「混合速度」フィールドには、ミキサ55による混合速度を示す値が格納される。
「混合順」フィールドには、ミキサ55による混合順を示すカートリッジスロットIDが格納される。カートリッジスロットIDは、カートリッジスロット50ac~50aeを識別する情報である。
「混合時間」フィールドには、ミキサ55による混合時間を示す値が格納される。
【0176】
「ヒータ」フィールドは、「加熱温度」フィールドと、「加熱時間」フィールドと、を含む。
「加熱温度」フィールドには、ヒータ56の加熱温度を示す値が格納される。
「加熱時間」フィールドには、ヒータ56の加熱時間を示す値が格納される。
【0177】
(5-3-3)化粧品の提供
変形例3の化粧品の提供の処理について説明する。
【0178】
図16のステップS320において、プロセッサ32は、肌スコアが「条件」フィールドの情報が示す範囲に含まれるレコードを特定した後、特定したレコードのレシピID、各化粧品の使用量、ヒータ56の制御情報(加熱温度及び加熱時間)、並びに、ミキサ55の制御情報(混合速度、混合順、及び、混合時間)を特定する。
【0179】
ステップS321において、プロセッサ32は、レシピレスポンスデータを化粧品提供装置50に送信する。
レシピレスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS320で特定されたレシピID
・ステップS320で特定された各化粧品の使用量
・ステップS320で特定されたミキサ55の制御情報
・ステップS320で特定されたヒータ56の制御情報
【0180】
ステップS523において、プロセッサ52は、レシピレスポンスデータに含まれる使用量及び制御情報に基づいて、各カートリッジCA3~CA5、ミキサ55、及び、ヒータ56を制御する。
【0181】
変形例3によれば、ユーザは、ユーザ固有情報に基づいて混合及び加熱された化粧品を受け取ることができる。
【0182】
(5-4)変形例4
変形例4について説明する。変形例4は、カートリッジCAに乳液及び美容液が収容される例である。
【0183】
変形例4のカートリッジCA1~CA2には種類の異なる乳液が収容され、且つ、カートリッジCA3~CA5には種類の異なる美容液が収容されてもよい。
例えば、カートリッジCA1に収容された乳液は、起床後の時間帯(例えば、6:00~8:00)に化粧品の提供の処理が実行された場合に吐出される。つまり、カートリッジCA1に収容された乳液は、朝用の乳液である。朝用の乳液は、1日の活動前の使用に適した成分を含む。
カートリッジCA2に収容された乳液は、就寝前の時間帯(例えば、22:00~24:00)に化粧品の提供の処理が実行された場合に吐出される。つまり、カートリッジCA1に収容された乳液は、夜用の乳液である。夜用の乳液は、就寝前の使用に適した成分を含む。
カートリッジCA3~CA5に収容された美容液は、レシピ情報に基づいて吐出される。
【0184】
(5-5)変形例5
変形例5について説明する。変形例5は、カートリッジCAに、メーキャップに使用する製剤が収容される例である。
【0185】
第1例として、カートリッジCA1には、光沢の弱い質感(いわゆる、マットな質感)を与える製剤が収容される。
カートリッジCA2には、光沢の強い質感(いわゆる、ツヤのある質感)を与える製剤が収容される。
カートリッジCA3には、モイスチャライザが収容される。モイスチャライザは、例えば、肌に潤いを与える製剤、紫外線を防止する製剤、又は、それらの組合せである。
カートリッジCA4には、ユーザの肌色にあう色調(マンセル表色系における色相と彩度)であって、且つ、明度が高いファンデーションが収容される。
カートリッジCA5には、ユーザの肌色にあう色調(マンセル表色系における色相と彩度)であって、且つ、明度が低いファンデーションが収容される。
【0186】
ステップS320において、プロセッサ32は、オーナユーザIDを特定した後、特定したオーナユーザIDに関連付けられた肌ログ情報データベース(
図9)を参照して、最新の肌色(例えば、「日時」フィールドの情報が最も新しい日時を示すレコードの肌色)を特定する。
プロセッサ32は、特定した肌色が所定の閾値より明るい色である場合、カートリッジCA4に収容された製剤の配合比率が高いレシピを選択する。
プロセッサ32は、特定した肌色が所定の閾値より暗い色である場合、カートリッジCA5に収容された製剤の配合比率が高いレシピを選択する。
【0187】
第2例は以下の点において第1例と異なる。
・カートリッジCA4に、ユーザの肌色にあう色調(マンセル表色系における色相、彩度、及び、明度)であって、且つ、カバーレベルが高いファンデーションが収容される。
・カートリッジCA5に、ユーザの肌色にあう色調(マンセル表色系における色相、彩度、及び、明度)であって、且つ、カバーレベルが低いファンデーションが収容される。
カバーレベルとは、肌のシミ及びそばかすを隠蔽する効果の大きさである。
【0188】
ステップS320において、プロセッサ32は、オーナユーザIDを特定した後、特定したオーナユーザIDに関連付けられた肌ログ情報データベース(
図9)を参照して、最新の水分量(例えば、「日時」フィールドの情報が最も新しい日時を示すレコードの水分量)を特定する。
プロセッサ32は、特定した水分量が所定の閾値より高い場合、カートリッジCA4に収容された製剤の配合比率が高いレシピを選択する。あるいは、カートリッジCA3に収容されたモイスチャライザの配合比率が低いレシピを選択する。
プロセッサ32は、特定した水分量が所定の閾値以下の場合、カートリッジCA5に収容された製剤の配合比率が高いレシピを選択する。あるいは、カートリッジCA3に収容されたモイスチャライザの配合比率が高いレシピを選択する。
【0189】
(5-6)変形例6
変形例6について説明する。変形例6は、カートリッジCAに収容された化粧品の残量が少なくなった場合、ユーザに所定の通知を行う例である。
図24は、変形例6のニアエンドの通知の処理のフローチャートである。
図25は、
図24の情報処理において表示される画面例の図である。
【0190】
図24に示すように、サーバ30は、ステップS322(
図16)の後、ニアエンドの判定(S350)を行う。
具体的には、プロセッサ32は、ステップS322で更新したマシン情報データベース(
図11)を参照して、「カートリッジ」フィールドの中から、化粧品の残量値が所定の閾値以下であるカートリッジ(以下「ニアエンドカートリッジ」という)を特定する。
【0191】
サーバ30は、ニアエンドの通知(S351)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、ステップS320で特定したオーナユーザIDに関連付けられた化粧品提供アプリケーションがインストールされたクライアント装置10に対して、ニアエンド通知データを送信する。
【0192】
クライアント装置10は、ニアエンド通知データに基づいて画面表示(S150)を実行する。
具体的には、プロセッサ12は、画面P150をディスプレイに表示する。
【0193】
画面P150は、表示オブジェクトA150と、ボタンオブジェクトB150a~B150bと、を含む。
表示オブジェクトA150は、ステップS350でニアエンドカートリッジとして特定されたカートリッジを示すメッセージを示す。
ボタンオブジェクトB150aには、ニアエンドカートリッジとして特定されたカートリッジと同種のカートリッジを購入するための購入サイトのURL(Uniform Resource Locator)が割り当てられている。ユーザがボタンオブジェクトB150aを操作すると、プロセッサ12は、ボタンオブジェクトB150aに割り当てられたURLにアクセスする。
ボタンオブジェクトB150bには、ユーザにとって推奨されるカートリッジを購入するための購入サイトのURLが割り当てられている。ユーザがボタンオブジェクトB150bを操作すると、プロセッサ12は、ボタンオブジェクトB150bに割り当てられたURLにアクセスする。
【0194】
変形例6では、サーバ30は、ニアエンドの通知(S351)に代えて、ニアエンドカートリッジとして特定されたカートリッジの購入及び配送の処理を実行してもよい。
この場合、ユーザは、一切の操作をすることなく、新しいカートリッジを受け取ることができる。
【0195】
変形例6によれば、ユーザは、カートリッジの残量を気にせず、化粧品提供装置50を使用することができる。
【0196】
(5-7)変形例7
変形例7について説明する。変形例7は、予測情報提供サーバ70に記憶された情報に基づいてレシピを選択する例である。
図26は、変形例7の化粧品の提供の処理のフローチャートである。
【0197】
図26に示すように、ステップS521(
図16)の後、サーバ30は、予測情報リクエスト(S360)を実行する。
具体的には、プロセッサ32は、マシン情報データベース(
図11)を参照して、レシピリクエストデータに含まれるマシンIDに関連付けられたオーナユーザIDを特定する。
予測情報提供サーバ70には、ユーザIDと、環境予測情報と、行動予測情報と、心身予測情報と、が互いに関連付けて記憶されている。
プロセッサ32は、予測情報リクエストデータを予測情報提供サーバ70に送信する。予測情報リクエストデータは、特定したオーナユーザIDを含む。
【0198】
ステップS360の後、予測情報提供サーバ70は、予測情報の特定(S760)を実行する。
具体的には、予測情報提供サーバ70は、予測情報リクエストデータに含まれるユーザIDに関連付けられた予測情報(環境予測情報、行動予測情報、及び、心身予測情報の少なくとも1つ)を特定する。
【0199】
ステップS760の後、予測情報提供サーバ70は、予測情報レスポンス(S761)を実行する。
具体的には、予測情報提供サーバ70は、予測情報レスポンスデータをサーバ30に送信する。予測情報レスポンスデータは、ステップS760で特定された予測情報を含む。
【0200】
ステップS761の後、サーバ30は、レシピの選択(S361)を実行する。
【0201】
第1例として、プロセッサ32は、最新の肌スコアを特定した後、予測情報レスポンスデータに含まれる予測情報に基づいて、肌スコアを補正する。
一例として、予測情報が雨予報を示す環境予測情報である場合、プロセッサ32は、湿度が高い環境にユーザが行くことを想定して肌スコアを補正する。
別の例として、予測情報が運動を示す行動予測情報である場合、プロセッサ32は、ユーザが運動することを想定して肌スコアを補正する。
別の例として、予測情報が心身に関する心身予測情報である場合、プロセッサ32は、皮脂分泌量が多くなること(つまり、肌状態の悪化)を想定して肌スコアを補正する。
【0202】
プロセッサ32は、レシピ情報データベース(
図12)を参照して、補正した肌スコアが「条件」フィールドの情報が示す範囲に含まれるレコードを特定する。
プロセッサ32は、特定したレコードのレシピID及び各化粧品の使用量を特定する。
【0203】
第2例として、カートリッジCA1~CA5には、変形例5の第1例と同様の製剤が格納される。
【0204】
レシピ情報データベース(
図12)の「条件」フィールドには、レシピ情報を選択するときの基準となる予測情報の内容が格納される。予測情報の内容は、肌状態に影響を与えない事象を示す。
【0205】
プロセッサ32は、レシピ情報データベース(
図12)を参照して、「条件」フィールドの情報が予測情報と一致するレコードを特定する。
プロセッサ32は、特定したレコードのレシピID及び各化粧品の使用量を特定する。
【0206】
一例として、行動予測情報が、ツヤのあるメークが好まれる行動(例えば、パーティへの参加)を示す場合、プロセッサ32は、カートリッジCA2に収容された製剤の配合比率がカートリッジCA1に収容された製剤の配合率より高いレシピを選択する。
別の例として、行動予測情報が、コンサバティブなメークが好まれる行動(ビジネスミーティングへの参加)を示す場合、プロセッサ32は、カートリッジCA1に収容された製剤の配合比率がカートリッジCA2に収容された製剤の配合率より高いレシピを選択する。
【0207】
変形例7によれば、ユーザログ情報(つまり、過去のユーザ固有の因子)及び予測情報(つまり、未来のユーザ固有の因子)の両方に適合したカスタマイズ化粧品をユーザに提供することができる。
【0208】
(5-8)変形例8
変形例8について説明する。変形例8は、予測情報を更に考慮して、レシピを選択する例である。
【0209】
ステップS320(
図16)において、プロセッサ32は、オーナユーザIDを特定した後、処理の実行時間に応じて第1肌スコア又は第2肌スコアの何れかを特定する。例えば、処理の実行時間が6:00~8:00の場合、プロセッサ32は、最新の第1肌スコアを特定する。処理の実行時間が22:00~24:00の場合、プロセッサ32は、最新の第2肌スコアを特定する。
プロセッサ32は、レシピ情報データベース(
図12)を参照して、特定した肌スコア(第1肌スコア又は第2肌スコア)が「条件」フィールドの情報が示す範囲に含まれるレコードを特定する。
プロセッサ32は、特定したレコードのレシピID及び各化粧品の使用量を特定する。
【0210】
変形例8によれば、ユーザが化粧品提供装置50を使用する時間に応じて、レシピの選択のために参照する肌スコアを切り替える。特に、起床後は過去のユーザ固有情報に基づく第1肌スコアを参照してレシピを選択する。就寝前は過去のユーザ固有情報及び未来のユーザ固有情報に基づく第2肌スコアを参照してレシピを選択する。
これにより、ユーザの生活習慣に適合したカスタマイズ化粧品を提供することができる。
【0211】
(5-9)変形例9
変形例9について説明する。変形例9は、化粧品提供装置50が提供する化粧品の量をユーザ毎に調整する例である。
【0212】
ユーザ情報データベース(
図5)には、更に、化粧品を塗布すべき部位(例えば、顔)のサイズを示すサイズ情報が格納されている。サイズ情報は、ユーザ指示に基づいて決定してもよいし、当該部位の画像から推定してもよい。
【0213】
ステップS321(
図16)において、サーバ30は、ステップS320で特定したオーナユーザIDに関連付けられたサイズ情報を特定する。
サーバ30は、レシピレスポンスデータを化粧品提供装置50に送信する。
レシピレスポンスデータは、以下の情報を含む。
・ステップS320で特定されたレシピID
・ステップS320で特定された各化粧品の使用量
・特定されたサイズ情報
【0214】
ステップS523において、化粧品提供装置50は、レシピレスンポンスデータに含まれるサイズ情報に基づいて、提供すべき化粧品の使用量を決定する。
具体的には、プロセッサ52は、サイズ情報に基づいて、化粧品の使用量を決定する。
プロセッサ52は、決定した使用量の分だけ、各カートリッジCA1~CA5に収容された化粧品が吐出されるように、各カートリッジCA1~CA5を制御する。
化粧品の使用量は、カートリッジCA1~CA5のそれぞれの吐出量であってもよいし、カートリッジCA1~CA5から吐出される化粧品の合計量であってもよい。
【0215】
変形例8によれば、ユーザに合わせた量のカスタマイズ化粧品を提供することができる。
【0216】
(6)本実施形態の小括
本実施形態について小括する。
【0217】
本実施形態の第1態様は、
複数の化粧品のそれぞれの使用量を示すレシピ情報(
図12)に基づいて複数の化粧品の少なくとも1つを提供する化粧品提供装置50と通信可能な情報処理装置(例えば、サーバ30)であって、
ユーザに固有のユーザ固有情報(
図5~
図10の少なくとも1つ)を取得する手段(例えば、ステップS320の処理を実行するプロセッサ32)を備え、
ユーザ固有情報は、ユーザの属性に関するユーザ属性情報、ユーザの環境に関する環境情報、ユーザの行動に関する行動情報、ユーザの心身に関する心身情報、及び、ユーザの肌に関する肌情報、ユーザが使用している化粧品に関する情報の少なくとも1つを含み、
複数のレシピ情報の中から、ユーザ固有情報に基づくレシピ情報を選択する手段(例えば、ステップS320の処理を実行するプロセッサ32)を備え、
選択されたレシピ情報を化粧品提供装置50に送信する手段(例えば、ステップS321の処理を実行するプロセッサ32)を備える、
情報処理装置である。
【0218】
第1態様によれば、ユーザ固有の因子に適合したカスタマイズ化粧品を提供することができる。
特に、ユーザ属性、ユーザの環境、ユーザの行動、ユーザの心身、ユーザの肌、及び、ユーザが使用している化粧品の少なくとも1つに適合したカスタマイズ化粧品を提供することができる。
【0219】
本実施形態の第2態様では、ユーザ属性情報は、ユーザの年齢、性別、及び、住所の少なくとも1つを示す情報を含む。
【0220】
本実施形態の第3態様では、環境情報は、ユーザの環境の温度、湿度、及び、紫外線曝露量の少なくとも1つを示す情報を含む。
【0221】
本実施形態の第4態様では、行動情報は、ユーザの食事、運動、及び、睡眠、消費エネルギ、及び、位置の少なくとも1つを示す情報を含む。
【0222】
本実施形態の第5態様では、心身情報は、ユーザの脈拍値、性周期、ストレスの指標、及び、マインドフルネスの指標、身長、体重、体脂肪、肌の保湿のレベル、肌のしわのレベル、及び、肌のシミのレベルの少なくとも1つを示す情報を含む。
【0223】
本実施形態の第6態様では、レシピ情報は、各カートリッジに収容された化粧品の使用量、又は、配合比率を示す情報を含む。
【0224】
本実施形態の第7態様では、ユーザ固有情報は、ユーザ固有情報の履歴を示すユーザログ情報(
図6~
図10)を含む。
【0225】
本実施形態の第8態様では、化粧品を収容するカートリッジCAに関するカートリッジ情報と、化粧品提供装置50を識別するマシンIDと、を関連付けて記憶する手段(例えば、ステップS341の処理を実行するプロセッサ32)を備える。
【0226】
第8態様によれば、サーバ30は、化粧品提供装置50にセットされたカートリッジCAの情報(
図11)を管理することができる。
【0227】
本実施形態の第9態様では、カートリッジ情報は、カートリッジに収容された化粧品の残量を示す情報(
図11)を含む。
【0228】
第9態様によれば、サーバ30は、化粧品提供装置50にセットされたカートリッジCAに収容された化粧品の残量を管理することができる。
【0229】
本実施形態の第10態様は、情報処理装置(例えば、サーバ30)と通信可能な化粧品提供装置50であって、
複数のカートリッジスロット50aa~50aeを備え、
各カートリッジスロット50aa~50aeは、化粧品を収容するカートリッジCAを着脱可能に保持し、
情報処理装置(例えば、サーバ30)から送信されたレシピ情報に基づいて、複数のカートリッジスロット50aa~50aeに保持された各カートリッジCAに収容された化粧品を使用してすることによって、レシピ情報に基づく化粧品を提供する手段(例えば、ステップS522の処理を実行するプロセッサ52)を備える、
化粧品提供装置50である。
【0230】
本実施形態の第11態様では、提供する手段は、レシピ情報に基づいて、各カートリッジCAに収容された化粧品を吐出する。
【0231】
本実施形態の第12態様では、提供する手段は、レシピ情報に基づいて、複数のカートリッジに収容された化粧品を混合して吐出する。
【0232】
本実施形態の第13態様では、カートリッジスロット50aa~50aeに保持されたカートリッジCAに関するカートリッジ情報を情報処理装置(例えば、サーバ30)に送信する手段(例えば、ステップS523の処理を実行するプロセッサ52)を備える。
【0233】
本実施形態の第14態様では、カートリッジ情報は、カートリッジCAに収容された化粧品の残量を示す情報を含む。
【0234】
(7)その他の変形例
【0235】
記憶装置11は、ネットワークNWを介して、クライアント装置10と接続されてもよい。記憶装置31は、ネットワークNWを介して、サーバ30と接続されてもよい。記憶装置51は、ネットワークNWを介して、化粧品提供装置50と接続されてもよい。
【0236】
上記の情報処理の各ステップは、クライアント装置10、サーバ30、及び、化粧品提供装置50の何れでも実行可能である。
【0237】
レシピ情報データベース(
図12)は、「使用量」フィールドに代えて、「配合比率」フィールドを含んでもよい。
「配合比率」フィールドには、各カートリッジCA1~CA5に収容された化粧品の配合比率を示す情報が格納される。
ステップS523(
図16)において、プロセッサ52は、配合比率を示す情報に基づく割合で、吐き出される化粧品の合計量が一定量になるように、各カートリッジCA1~CA5に収容された化粧品を吐出する。
この例は、変形例5のように、カートリッジCAに、メーキャップに使用する製剤が収容される場合に特に好ましい。
【0238】
サーバ30は、ウェアラブルデバイス90以外の装置(例えば、外部サーバ)から、ユーザログ情報(環境ログ情報、行動ログ情報、及び、心身ログ情報の少なくとも1つ)を取得してもよい。この場合、外部サーバには、ユーザIDとユーザログ情報とが関連付けて記憶されている。
【0239】
心身ログ情報は、更に、以下の情報を含んでもよい。
・ユーザの身長
・ユーザの体重
・ユーザの体脂肪
【0240】
肌ログ情報は、更に、以下の情報を含んでもよい。
・肌の保湿レベルを示す情報
・肌のしわのレベルを示す情報
・肌のシミのレベルを示す情報
【0241】
サーバ30は、更に、以下の少なくとも1つに基づいてレシピを選択してもよい。
・ユーザ属性情報(
図5)
・使用化粧品ID(
図5)
・問診(
図5)
【0242】
図9の肌ログ情報データベースには、「肌色」フィールド、「水分量」フィールド、及び、「皮脂量」フィールドには、計測装置により測定された測定値が格納されてもよい。
【0243】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0244】
1 :情報処理システム
10 :クライアント装置
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
15 :GPSモジュール
16 :カメラ
30 :サーバ
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
34 :通信インタフェース
50 :化粧品提供装置
51 :記憶装置
52 :プロセッサ
53 :入出力インタフェース
54 :通信インタフェース
55 :ミキサ
56 :ヒータ
70 :予測情報提供サーバ
90 :ウェアラブルデバイス