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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】コネクタ位置保証部材
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/64 20060101AFI20230117BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
H01R13/64
H01R13/639 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020551367
(86)(22)【出願日】2019-03-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-10
(86)【国際出願番号】 IB2019052122
(87)【国際公開番号】W WO2019180562
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-12-09
(31)【優先権主張番号】15/933,735
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399132320
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】フォルツ,キース リチャード
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンス,ニコラス リー
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-210530(JP,A)
【文献】特表2010-511994(JP,A)
【文献】特開2004-071288(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01225659(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/64
H01R 13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ位置保証デバイス(200)であって、
- 上面(206)、底面(208)、ベース前端部(210)、およびベース後端部(212)を有するベース部分(202)と、
- 前記ベース後端部(212)から離れる方向へ前記ベース前端部(210)から延びる対の弾性変形可能ビーム(204、205)であって、前記ベース部分(202)から離間したビーム前端部(224)を有する対の弾性変形可能ビーム(204、205)と、
- 前記対の弾性変形可能ビーム(204、205)の第2のビーム(205)から離れる方向へ、前記対の弾性変形可能ビーム(204、205)の第1のビーム(204)の側壁(256)から延びる第1のカム係合部材(250)と、
- 前記対の弾性変形可能ビーム(204、205)の前記第1のビーム(204)から離れる方向へ、前記対の弾性変形可能ビーム(204、205)の前記第2のビーム(205)の側壁(256)から延びる第2のカム係合部材(250)と、
- 前記対の弾性変形可能ビーム(204、205)の前記ビーム前端部(224)に近接して設けられ、前記第1のビーム(204)と前記第2のビーム(205)との間に延びる第1のロックアウト突起係合部材(230)と、
- 前記ベース前端部(224)から離間し、かつ前記第1のロックアウト突起係合部材(230)から離間し、前記第1のビーム(204)と前記第2のビーム(205)との間に延びる第2のロックアウト突起係合部材(240)と、
- 前記第1のロックアウト突起係合部材(230)、前記第2のロックアウト突起係合部材(240)、および前記対の弾性変形可能ビーム(204、205)の一部によって形成されているロックアウト突起受入開口部(254)と、
を備え、
前記コネクタ位置保証デバイス(200)は、前記第1のカム係合部材(250)および前記第2のカム係合部材(250)が相手側コネクタ(100)のカム部材に係合して、コネクタ(10)のロック爪または突起(40)を前記ロックアウト突起受入開口部(254)に位置決めすることができるようになるまで、前記コネクタ(10)における初期位置に維持される、
コネクタ位置保証デバイス(200)
【請求項2】
ラッチ係合部(216)が、前記ベース前端部(210)に設けられる、
請求項1に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項3】
引込み面(232)が、前記ビーム前端部(224)および前記第1のロックアウト突起係合部材(230)にわたって延びる、
請求項1に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項4】
前記第1のロックアウト突起係合部材(230)の後面(234)が、前記対の弾性変形可能ビーム(204、205)の上面(220)に略垂直な方向へ延びる、
請求項3に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項5】
前記第2のロックアウト突起係合部材(240)の長手方向軸が、前記対の弾性変形可能ビーム(204、205)の長手方向軸に略垂直に延びる、
請求項1に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項6】
前記第2のロックアウト突起係合部材(240)の前側面(246)がテーパ状であって、前記第2のロックアウト突起係合部材(240)の底面(244)が前記第2のロックアウト突起係合部材(240)の上面(242)よりも幅広になっている、
請求項5に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項7】
前記第1のカム係合部材(250)および前記第2のカム係合部材(250)が傾斜面(252)を有する、
請求項1に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項8】
弾性位置決めアーム(260)が前記ベース部分(202)の前記底面(208)から延びる、
請求項1に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項9】
前記弾性位置決めアーム(260)はV字形部材を形成し、側部を形成する、
請求項8に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項10】
前記弾性位置決めアーム(260)の自由端に第1のラッチ突起(262)が設けられ、
第2のラッチ突起(264)が各弾性位置決めアーム(260)に設けられ、前記第1のラッチ突起(262)から離間し、
前記弾性位置決めアーム(260)は、前記コネクタ位置保証デバイス(200)がコネクタ(10)から外れることを防ぎ、前記コネクタ位置保証デバイス(200)を前記コネクタ(10)における前記初期位置に保持する、
請求項9に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項11】
レール突起(270)が前記ベース部分(202)の側壁(256)から延び、前記レール突起(270)は前記ベース前端部(210)から前記ベース後端部(212)へ延びる、
請求項1に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項12】
前記レール突起(270)の長手方向軸が、前記対の弾性変形可能ビーム(204、205)の長手方向軸に略平行で、前記ビーム(204、205)の前記長手方向軸と一直線である、
請求項11に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相手側コネクタが適切に嵌合していることを保証する適切なコネクタ位置保証をもたらす、コネクタ位置保証デバイス、電気コネクタ、および電気コネクタアセンブリに関する。特に、コネクタ位置保証デバイス、電気コネクタ、および電気コネクタアセンブリは、小型のコネクタアセンブリの適切なコネクタ位置保証をもたらす。
【背景技術】
【0002】
ある応用例において、電子部品は、電気コンタクトを含む第1のハウジングと第2のハウジングとを結合する電気コネクタアセンブリを必要とする。一方のハウジングは雄電気コンタクトを含み、他方のハウジングは雌電気コンタクトを含む。第1のハウジングは、第2のハウジング内に受け入れられて、雄電気コンタクトと雌電気コンタクトとが電気的に接続するように構成されている。第1のハウジングと第2のハウジングとが電気コンタクトに適切に接続されることを保証するために、第1のハウジングと第2のハウジングとは、より一般的に位置保証機構と呼ばれるラッチアセンブリを備える。公知の応用例において、ラッチアセンブリは、ベースプレートと、第1のハウジングの吊下プロング(suspended prong)と、第2のハウジングの傾斜面(ramp)とを含む。ベースプレートは、プロングの近くに摺動可能に保持される。
第1のハウジングが第2のハウジングの周りに挿入されると、プロングは傾斜面にスナップ嵌めされ、その後、ベースプレートは傾斜面およびプロング上を摺動して係合位置に入る。多くの応用例において、通常、可聴クリック音を使用して、コネクタが完全に嵌合しているかどうかを検出する。しかしながら、組立工場の騒音のため、これが有効でないことがある。
【0003】
加えて、ラッチまたは保持アセンブリを使用して、コネクタ半部をコネクタ位置保証(CPA)デバイスと共に完全嵌合位置に維持する電気コネクタが提案されている。コネクタ半部が嵌合し、ラッチまたは保持アセンブリがコネクタ半部間の接触を維持するように位置決めされると、コネクタ位置保証デバイスは、コネクタ半部が適切に接続されていることを示す位置へ動く。したがって、コネクタ位置保証デバイスは、コネクタ半部が完全に嵌合することを保証する手段を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決すべき課題は、前述した問題を克服し、小型のコネクタアセンブリの適切なコネクタ位置保証をもたらすコネクタ位置保証デバイスを提供することである。また、コネクタが部分的に嵌合している、または全く嵌合していない場合に、コネクタ位置保証が完全係合位置になることを防止または阻止することが有利となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、ベース部分と対の弾性変形可能ビームとを有するコネクタ位置保証デバイスによって解決される。ベース部分は、上面、底面、ベース前端部、およびベース後端部を有する。対の弾性変形可能ビームは、ベース後端部から離れる方向へベース前端部から延び、ビームはベース部分から離間したビーム前端部を有する。第1のカム係合部材は、対の弾性変形可能ビームの第2のビームから離れる方向へ、対の弾性変形可能ビームの第1のビームの側壁から延びる。第2のカム係合部材は、対の弾性変形可能ビームの第1のビームから離れる方向へ、対の弾性変形可能ビームの第2のビームの側壁から延びる。第1のロックアウト突起係合部材(first lockout projection engagement member)が、対の弾性変形可能ビームのビーム前端部に近接して設けられ、第1のビームと第2のビームとの間に延びる。第2のロックアウト突起係合部材(second lockout projection engagement member)が、ベース前端部から離間し、かつ第1のロックアウト突起係合部材から離間している。
第2のロックアウト突起係合部材は、第1のビームと第2のビームとの間に延びる。ロックアウト突起受入開口部が、第1のロックアウト突起係合部材、第2のロックアウト突起係合部材、および対の弾性変形可能ビームの一部によって形成されている。コネクタ位置保証デバイスは、第1のカム係合部材および第2のカム係合部材が相手側コネクタのカム部材に係合して、相手側コネクタのロックアウト突起をロックアウト突起受入開口部に位置決めすることができるようになるまで、コネクタにおける初期位置に維持される。
【0006】
以下で、添付図面を参照しながら、本発明を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例示的なヘッダまたは相手側コネクタに嵌合している例示的なプラグコネクタの斜視図である。
図2図1のプラグコネクタの上面斜視図である。
図3図1のヘッダまたは相手側コネクタの正面斜視図である。
図4】プラグコネクタに収容される例示的なコネクタ位置保証部材の上面斜視図である。
図5図4のコネクタ位置保証部材の底面斜視図である。
図6A】コネクタ位置保証部材が初期位置にある状態で、プラグコネクタが最初にヘッダまたは相手側コネクタに係合する様子を示す、コネクタ位置保証部材のビームの断面図である。
図6B】コネクタ位置保証部材が初期位置にある状態で、プラグコネクタが最初にヘッダまたは相手側コネクタに係合する様子を示す、プラグコネクタのラッチ突起の断面図である。
図6C】初期位置にあるコネクタ位置保証部材を示す、プラグコネクタの位置決めアームの断面図である。
図7A】コネクタ位置保証部材が初期位置にある状態で、プラグコネクタがヘッダまたは相手側コネクタに部分的に嵌合する様子を示す、コネクタ位置保証部材のビームの断面図である。
図7B】コネクタ位置保証部材が初期位置にある状態で、プラグコネクタがヘッダまたは相手側コネクタに部分的に嵌合する様子を示す、プラグコネクタのラッチ突起の断面図である。
図8A】コネクタ位置保証部材が初期位置にある状態で、プラグコネクタがヘッダまたは相手側コネクタに、図7Aに示したものよりも完全に嵌合する様子を示す、コネクタ位置保証部材のビームの断面図である。
図8B】コネクタ位置保証部材が初期位置にある状態で、プラグコネクタがヘッダまたは相手側コネクタに、図7Bに示したものよりも完全に嵌合する様子を示す、プラグコネクタのラッチ突起の断面図である。
図9A】コネクタ位置保証部材が初期位置と最終位置もしくはロック位置との間にある状態で、プラグコネクタがヘッダまたは相手側コネクタに完全に嵌合する様子を示す、コネクタ位置保証部材のビームの断面図である。
図9B】コネクタ位置保証部材が初期位置と最終位置もしくはロック位置との間にある状態で、プラグコネクタがヘッダまたは相手側コネクタに完全に嵌合する様子を示す、プラグコネクタのラッチ突起の断面図である。
図10A】コネクタ位置保証部材が最終位置もしくはロック位置にある状態で、プラグコネクタがヘッダまたは相手側コネクタに完全に嵌合する様子を示す、コネクタ位置保証部材のビームの断面図である。
図10B】コネクタ位置保証部材が最終位置もしくはロック位置にある状態で、プラグコネクタがヘッダまたは相手側コネクタに完全に嵌合する様子を示す、プラグコネクタのラッチ突起の断面図である。
図10C】コネクタ位置保証部材が最終位置もしくはロック位置にある状態で、プラグコネクタがヘッダまたは相手側コネクタに完全に嵌合する様子を示す、プラグコネクタの位置決めアームの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、電気コネクタ10(またはプラグ10)が相手側コネクタ100(またはヘッダ100)に嵌合して、共にコネクタアセンブリ50を形成する様子を示す斜視図である。電気コネクタ10および相手側コネクタ100は、代表的なものとして示されており、本発明の範囲から逸脱することなく変更可能である。コネクタ10、100は、図示しないコンタクトおよびコンタクトラッチなどの多くの他の機構を有する。
【0009】
図2を参照すると、電気コネクタ10は、コンタクト13(図6A)を受け入れるためのコンタクト受入通路14を備えたハウジング本体12を有する。電気コネクタ10は、嵌合前端部16と後端部18とを有する。通路14に挿入されたコンタクト13に電気的に係合する導体またはワイヤ15が、後端部18から延びる。第1の面または上面19と、反対側を向く第2の面または底面20とが、嵌合端部16と後端部18との間に延びる。
【0010】
係合面23とラッチ開口部24とを有するラッチまたはラッチアーム22が、上面19から延びる。図示した実施形態において、ラッチ22は嵌合前端部16に近接して上面19に接続され、後端部18に向かって延びる。より完全に後述するように、ラッチ22を使用して、相手側コネクタ100をコネクタ10にラッチ止めして固定する。
【0011】
図6図10に示すように、コネクタ位置保証(CPA)受入凹部30がラッチアーム22に近接して位置決めされている。コネクタ位置保証ラッチアーム受入開口部32が、後端部18から嵌合端部16に向かって延びる。コネクタ位置保証ラッチアーム受入開口部32は、コネクタ位置保証受入凹部30の下方に近接して位置決めされる。
【0012】
図3に最もよく示すように、相手側コネクタ100は相補ラッチ突起110を有し、この相補ラッチ突起110は、コネクタ10と相手側コネクタとが非嵌合位置から嵌合位置へ動くとラッチアーム22に係合するように位置決めされる。図示した実施形態において、ラッチ突起110は、相手側コネクタ100のシュラウド120の上面112から下方へ延びる。
【0013】
適切に嵌合すると、ラッチ突起110はラッチ開口部24と協働し、ラッチ開口部24に位置決めされて、相手側コネクタ100を電気コネクタ10に固定する。嵌合位置で、コネクタ10は相手側コネクタ100のシュラウド120内に受け入れられる。相手側コネクタ100の電気コンタクト130(図6Aおよび図6B)が、電気コネクタ10の電気コンタクト13に嵌合する。
【0014】
コネクタ位置保証係合リブまたは起動突起140が、ラッチ突起110の両側に設けられる。起動突起140は、ラッチ突起110から離間し、相手側コネクタ100の内面123から延びる。この内面123は、シュラウド120の上面112から離間し、上面112に対向する。
【0015】
図6図10に示すように、コネクタ位置保証デバイス200が、コネクタ10のラッチアーム22に近接して位置決めされ、ラッチアーム22に対して可動になっている。コネクタ位置保証デバイス200は、コネクタ位置保証受入開口部30に維持され、図6に示す第1の位置または開位置と、図10に示す第2の位置または完全挿入位置との間で可動である。
【0016】
図4および図5を参照すると、コネクタ位置保証デバイス200は、ベース部分202と、ベース部分202から延びる2つの略平行な弾性変形可能ビーム204、205とを有する。ベース部分202は、上面206、底面208、ベース前端部210、およびベース後端部212を有する。ビーム204は、後端部212から離れる方向へ、前端部210から延びる。より完全に後述するように、ベース部分202の後端部212は操作部214を含み、操作者がコネクタ位置保証デバイス200を手動で係合または起動することができるようになっている。図示した例示的な実施形態において、操作者操作部214は、後端部212の略全幅にわたって延びる。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく他の構成を使用してもよい。ベース部分212の前端部210は、ベース部分202の上面206から延びるラッチ係合部216を含む。さらに後述するように、ラッチ係合部216はラッチ22と相互作用するように構成される。
【0017】
弾性変形可能ビーム204、205は全体として矩形である。各ビーム204、205は、上面220、底面222、ビーム前端部224、およびビーム後端部226を有する。各ビーム204、205の後端部226は、ベース部分202の前端部210に取り付けられるか、または前端部210と一体である。
【0018】
前突起または第1のロックアウト突起係合部材230が、ビーム204、205の前端部224の間に延びる。前突起または第1のロックアウト突起係合部材230は、ビーム204、205の底面222から上面220を越えて延びる。引込み面232が、ビーム204、205の前端部および第1のロックアウト突起係合部材230にわたって延びる。第1のロックアウト突起係合部材230の後面234が、ビーム204、205の上面220に略垂直な方向へ延びる。
【0019】
クロスビームまたは第2のロックアウト突起係合部材240が、ビーム204、205にわたって延びる。クロスビームまたは第2のロックアウト突起係合部材240は、前突起または第1のロックアウト突起係合部材230とベース部分202との間で離間している。クロスビームまたは第2のロックアウト突起係合部材240の長手方向軸が、ビーム204、205の長手方向軸に略垂直に延びる。クロスビームまたは第2のロックアウト突起係合部材240は、上面242、底面244、前側面246、および後側面248を有する。図6に最もよく示すように、ビーム204、205間に延びるクロスビームまたは第2のロックアウト突起係合部材240の前側面246の部分がテーパ状であって、ビーム204、205間の領域で第2のロックアウト突起係合部材240の底面244が第2のロックアウト突起係合部材240の上面242よりも幅広になっている。
【0020】
クロスビームまたは第2のロックアウト突起係合部材240と一直線に、カム係合部材または起動爪係合部材250が設けられている。カム係合部材または起動爪係合部材250は、各ビーム204、205の側壁256から延びる。より完全に後述するように、カム係合部材または起動爪係合部材250は、起動突起140とより良好に協働するための傾斜面252を有する。
【0021】
ロックアウト突起受入開口部254が、前突起または第1のロックアウト突起係合部材230とクロスビームまたは第2のロックアウト突起係合部材240との間、およびビーム204とビーム205との間に設けられている。ロックアウト突起受入開口部254は、コネクタ10のロックアウト突起を受け入れるように構成されている。
【0022】
弾性位置決めアーム260がベース部分202の底面208から延びる。弾性位置決めアーム260はV字形部材を形成し、側部を形成する。弾性位置決めアーム260の自由端に、第1のラッチ突起262が設けられている。第2のラッチ突起264が弾性位置決めアーム260に設けられ、第1のラッチ突起262から離間している。弾性位置決めアーム260はコネクタ10と協働して、コネクタ位置保証デバイス200がコネクタから外れることを防ぎ、相手側コネクタ100との嵌合前に、コネクタ位置保証デバイス200をコネクタ10における第1の位置に保持する。
【0023】
レール突起270がベース部分202の側壁から延びる。レール突起270はベース部分202の前端部210から後端部212へ延びる。レール部270の長手方向軸は、ビーム204、205の長手方向軸に略平行で、この長手方向軸と一直線である。レール突起270は、コネクタ10のレール受入凹部と協働して、コネクタ位置保証デバイス200を厳密に制御し、コネクタ10のハウジング本体12内で上下に位置合わせして維持する。このようなコネクタ10におけるコネクタ位置保証デバイス200の正確な位置合わせによって、コネクタ位置保証デバイス200の第1のロックアウト突起係合部材230および第2のロックアウト突起係合部材240がコネクタ10のロック爪または突起40に適切に位置合わせされることを保証する。
加えて、コネクタ10におけるコネクタ位置保証デバイス200の正確な位置合わせによって、コネクタ位置保証デバイス200のカム係合部材または起動爪係合部材250が、相手側コネクタ100のコネクタ位置保証係合リブまたは起動突起140に適切に位置合わせされることを保証する。
【0024】
図6図10を参照すると、プラグまたはコネクタ10をヘッダまたは相手側コネクタ100に挿入する進行または方法が示される。
【0025】
図6Aおよび図6Bでは、コネクタ10がヘッダコネクタ100に大まかに位置決めされている。この位置では、ラッチ突起110はラッチ22に係合していない。コネクタ位置保証デバイス200は、嵌合前の開位置または第1の位置に維持される。この位置で、ラッチ22は正常位置または非偏向位置にある。図6Cに最もよく示すように、コネクタ位置保証デバイス200は、弾性位置決めアーム260の第1のラッチ突起262および第2のラッチ突起264と、コネクタ位置保証ラッチアーム受入開口部32内へ延びる突起33との協働によって、嵌合前の開位置または第1の位置に維持される。加えて、図6Bに最もよく示すように、コネクタ10のロック爪または突起40は、第1のロックアウト突起係合部材230と第2のロックアウト突起係合部材240との間のロックアウト突起受入開口部254に位置決めされる。
【0026】
図7Aおよび図7Bに示すように、コネクタ10が相手側コネクタ100のシュラウド120に部分的に挿入されると、ラッチ22の係合面23が動いて相手側コネクタ100のラッチ突起110に係合する。挿入が継続されると、図8Aおよび図8Bに示すように、ラッチ突起110によって、係合面23とラッチ22とがコネクタ10の上面19から離れてコネクタ10の底面20に向かって弾性的に起動または偏向する。例えば、コンタクト13、130の不適切な位置合わせによりコネクタ10が相手側コネクタ100と適切に嵌合できない場合、相手側コネクタ100内へのコネクタ10の挿入の継続を防ぐことができる。これが行われると、ラッチ22は図8Aおよび図8Bに示す偏向位置にとどまる。この位置では、ラッチ22がコネクタ位置保証デバイス200のラッチ係合部216に係合して、コネクタ位置保証デバイス200が嵌合後の第2の位置または挿入位置へ動くことを防ぐため、コネクタ位置保証デバイス200は第2の位置または挿入位置へ動くことができない。
【0027】
挿入が継続されると、図9Aおよび図9Bに示すように、ラッチ22はラッチ突起110を通り過ぎて、元の位置または応力を受けない位置へ戻ることができる。この位置で、ラッチ突起110はラッチ開口部24に位置決めされ保持される。ラッチ突起110がラッチ22のラッチ開口部24に適切に位置決めされた状態で、コネクタ位置保証デバイス200を嵌合前の開位置または第1の位置から嵌合後の第2の位置または挿入位置へ動かすことができる。これが行われると、カム係合部材または起動爪係合部材250は、相手側コネクタ100のコネクタ位置保証係合突起140に係合して、カム係合部材または起動爪係合部材250と弾性変形可能ビーム204、205とをコネクタ10の上面に向かって動かす。
これが行われると、第2のロックアウト突起係合部材240がコネクタのロックアウト爪または突起40上に動くことにより、コネクタ10へのコネクタ位置保証デバイス200の挿入を継続することができる。しかしながら、コネクタ10と相手側コネクタ100とが完全に嵌合していない場合、カム係合部材または起動爪係合部材250はコネクタ位置保証係合突起140に係合しないことにより、弾性変形可能ビーム204、205と第2のロックアウト突起係合部材240とが動くことを防ぐ。これにより、第2のロックアウト突起係合部材240とロックアウト爪または突起40との協働によって、コネクタ位置保証デバイス200の挿入の継続を防ぐ。
【0028】
弾性変形可能ビーム204、205が適切に偏向された状態で、コネクタ位置保証デバイス200の挿入を継続することができる。挿入が継続されると、図10A図10B、および図10Cに示すように、コネクタ位置保証デバイス200は嵌合後の第2の位置または挿入位置へ動く。この位置で、カム係合部材または起動爪係合部材250は、相手側コネクタ100のコネクタ位置保証係合突起140を越えて動き、カム係合部材または起動爪係合部材250と弾性変形可能ビーム204、205とが応力を受けない位置へ戻ることができる。この位置で、第2のロックアウト突起係合部材240は、コネクタのロックアウト爪または突起40を通り過ぎて、嵌合後の閉位置または第2の位置へ動く。
【0029】
図10Cに最もよく示すように、コネクタ位置保証デバイス200は、弾性位置決めアーム260の第2のラッチ突起264とコネクタ位置保証ラッチアーム受入開口部32内へ延びる突起33との協働によって、嵌合後の閉位置または第2の位置に維持される。
【0030】
この完全挿入位置で、ラッチ係合突起110がラッチ22の真下に位置決めされることにより、ラッチ22が下方へ動くことを防ぐ。この位置で、コネクタ位置保証デバイス200の上面206はラッチ22の起動または動きを阻止して、相手側コネクタ100からのコネクタ10の望ましくないまたは意図しない分離を防ぐ。
【0031】
コネクタ10を相手側コネクタ100から分離させる場合、コネクタ位置保証デバイス200を初期位置へ戻す。これが行われると、コネクタ位置保証デバイス200に挿入と反対の方向へ力が加えられて、カム係合部材または起動爪係合部材250が相手側コネクタ100のコネクタ位置保証係合突起140に係合し、カム係合部材または起動爪係合部材250と弾性変形可能ビーム204、205とをコネクタ10の上面に向かって動かす。これが行われると、第2のロックアウト突起係合部材240は、コネクタのロックアウト爪または突起40上へ動くことにより、コネクタ位置保証デバイス200を嵌合前の開位置または第1の位置へ動かすことができる。動きが継続されると、コネクタ位置保証デバイス200の上面206がラッチ22から離れて、ラッチ22を押し下げることができ、これにより、コネクタ10を相手側コネクタ100から分離させることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C