(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】コネクタ位置保証部材
(51)【国際特許分類】
H01R 13/641 20060101AFI20230117BHJP
【FI】
H01R13/641
(21)【出願番号】P 2020551397
(86)(22)【出願日】2019-03-08
(86)【国際出願番号】 IB2019051897
(87)【国際公開番号】W WO2019180534
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-12-09
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399132320
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンス,ニコラス リー
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-508257(JP,A)
【文献】米国特許第09054458(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0271814(US,A1)
【文献】特開2004-095439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/641
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ位置保証デバイス(200)であって、
前記コネクタ位置保証デバイス(200)は、
- 上面(206)、底面(208)、ベース前端部(210)、およびベース後端部(212)を有するベース部分(202)と、
- 前記ベース部分(202)の前記後端部(212)から離れる方向へ前記ベース部分(202)の前記前端部(210)から延び、前記ベース部分(202)から離間した自由端を有する対の弾性変形可能ビーム(204、205)と、を備え、
前記対の弾性変形可能ビーム(204、205)の第1のビーム(204)は、前記第1のビーム(204)の自由端に近接して設けられている第1のカム部材(250)を有し、前記第1のビーム(204)の前記自由端に近接して前記第1のカム部材(250)と並んで設けられている第1のロックアウト突起係合部材(230)を有し、
前記対の弾性変形可能ビーム(204、205)の第2のビーム(205)は、前記第2のビーム(205)の自由端に近接して設けられている第2のカム部材(250)を有し、前記第2のビーム(205)の前記自由端に近接して前記第2のカム部材(250)と並んで設けられている第2のロックアウト突起係合部材(230)を有し、
前記ベース部分(202)の前記上面(206)には、ラッチ受入キャビティ(228)が設けられており、 前記コネクタ位置保証デバイス(200)は、前記第1のカム部材(250)および前記第2のカム部材(250)が相手側コネクタ(100)に係合して、前記第1のロックアウト突起係合部材(230)および前記第2のロックアウト突起係合部材(230)がコネクタ(10)のロックアウト突起(40)を通り過ぎることができるようになるまで、前記コネクタ(10)における初期位置に維持される、
コネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項2】
ラッチ係合部
(240)が前記ベース部分(202)の前記前端部(210)に設けられ
る、
請求項1に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項3】
前記対の弾性変形可能ビーム(204、205)の前記第1のビーム(204)は、前記対の弾性変形可能ビーム(204、205)の前記第2のビーム(205)に面する内側壁(225)と、前記対の弾性変形可能ビーム(204、205)の前記第2のビーム(205)から離れる方向を向く外側壁(227)とを有し、
前記第1のカム部材(250)は、前記第1のビーム(204)の前記内側壁(225)に近接して設けられている、
請求項1に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項4】
前記第1のロックアウト突起係合部材(230)は、前記第1のビーム(204)の前記外側壁(227)に近接して設けられている、
請求項3に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項5】
前記対の弾性変形可能ビーム(204、205)の前記第2のビーム(205)は、前記対の弾性変形可能ビーム(204、205)の前記第1のビーム(204)に面する内側壁(225)と、前記対の弾性変形可能ビーム(204、205)の前記第1のビーム(204)から離れる方向を向く外側壁(227)とを有し、
前記第2のカム部材(250)は、前記第2のビーム(205)の前記内側壁(225)に近接して設けられている、
請求項4に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項6】
前記第2のロックアウト突起係合部材(230)は、前記第2のビーム(205)の前記外側壁(227)に近接して設けられている、
請求項5に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項7】
前記第1のビーム(204)の長手方向軸が、前記第2のビーム(205)の長手方向軸に平行である、
請求項1に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項8】
前記第1のカム部材(250)および前記第2のカム部材(250)は傾斜面を有する、
請求項1に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項9】
位置決めレール(260)が前記ベース部分(202)から延び、前記位置決めレール(260)は、前記コネクタ(10)と協働して、前記コネクタ(10)に対する前記コネクタ位置保証デバイス(200)の適切な位置決めおよび安定化をもたらすように構成されている、
請求項1に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項10】
前記位置決めレール(260)はラッチ突起(262)を有し、
前記ラッチ突起(262)は、前記コネクタ(10)と協働して、前記コネクタ位置保証デバイス(200)が前記コネクタ(10)から外れることを防ぐように構成されている、
請求項9に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【請求項11】
前記位置決めレール(260)の長手方向軸が、前記第1のビーム(204)および前記第2のビーム(205)の長手方向軸に平行である、
請求項9に記載のコネクタ位置保証デバイス(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相手側コネクタが適切に嵌合していることを保証する適切なコネクタ位置保証をもたらす、コネクタ位置保証デバイス、電気コネクタ、および電気コネクタアセンブリに関する。特に、コネクタ位置保証デバイス、電気コネクタ、および電気コネクタアセンブリは、小型のコネクタアセンブリの適切なコネクタ位置保証をもたらす。
【背景技術】
【0002】
ある応用例において、電子部品は、電気コンタクトを含む第1のハウジングと第2のハウジングとを接合する電気コネクタアセンブリを必要とする。一方のハウジングは雄電気コンタクトを含み、他方のハウジングは雌電気コンタクトを含む。第1のハウジングは、第2のハウジング内に受け入れられて、雄電気コンタクトと雌電気コンタクトとが電気的に接続するように構成されている。第1のハウジングと第2のハウジングとが電気コンタクトに適切に接続されることを保証するために、第1のハウジングと第2のハウジングとは、より一般的に位置保証機構と呼ばれるラッチアセンブリを備える。公知の応用例において、ラッチアセンブリは、ベースプレートと、第1のハウジングの吊下プロング(suspended prong)と、第2のハウジングの傾斜面とを含む。
ベースプレートは、プロングの近くに摺動可能に保持される。第1のハウジングが第2のハウジングの周りに挿入されると、プロングは傾斜面にスナップ嵌めされ、その後、ベースプレートは傾斜面およびプロング上を摺動して係合位置に入る。多くの適用において、通常、可聴クリック音を使用して、コネクタが完全に嵌合しているかどうかを検出する。しかしながら、組立工場の騒音のため、これが有効でないことがある。
【0003】
加えて、ラッチまたは保持アセンブリを使用して、コネクタ半部(connector halves)をコネクタ位置保証(CPA)デバイスと共に完全嵌合位置に維持する電気コネクタが提案されている。コネクタ半部が嵌合し、ラッチまたは保持アセンブリがコネクタ半部間の接触を維持するように位置決めされると、コネクタ位置保証デバイスは、コネクタ半部が適切に接続されていることを示す位置へ動く。したがって、コネクタ位置保証デバイスは、コネクタ半部が完全に嵌合することを保証する手段を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決すべき課題は、前述した問題を克服し、小型のコネクタアセンブリの適切なコネクタ位置保証をもたらすコネクタ位置保証デバイスを提供することである。また、コネクタが部分的に嵌合している、または全く嵌合していない場合に、コネクタ位置保証が完全係合位置になることを防止または阻止することが有利となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、ベース部分と、対の弾性変形可能ビームと、を有するコネクタ位置保証デバイスによって解決される。ベース部分は、上面、底面、ベース前端部、およびベース後端部を有する。対の弾性変形可能ビームは、ベース部分の後端部から離れる方向へベース部分の前端部から延びる。ビームはベース部分から離間した自由端を有する。対の弾性変形可能ビームの第1のビームは、第1のビームの自由端に近接して設けられている第1のカム部材を有する。第1のビームは、第1のビームの自由端に近接して第1のカム部材と並んで設けられている第1のロックアウト突起係合部材を有する。対の弾性変形可能ビームの第2のビームは、第2のビームの自由端に近接して設けられている第2のカム部材を有する。
第2のビームは、第2のビームの自由端に近接して第2のカム部材と並んで設けられている第2のロックアウト突起係合部材を有する。ラッチ受入キャビティが、ベース部分の上面に設けられている。第1のカム部材および第2のカム部材が相手側コネクタに係合して、第1のロックアウト突起係合部材および第2のロックアウト突起係合部材がコネクタのロックアウト突起を通り過ぎることができるようになるまで、コネクタ位置保証デバイスは、コネクタにおける初期位置に維持される。
【0006】
以下で、添付図面を参照しながら、本発明を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】例示的なプラグコネクタの斜視図であり、プラグコネクタが例示的なヘッダまたは相手側コネクタに嵌合している状態を示す図である。
【
図2】
図1に示したプラグコネクタの上面斜視図である。
【
図3】
図1に示したヘッダまたは相手側コネクタの正面斜視図である。
【
図4】プラグコネクタに収容される例示的なコネクタ位置保証部材の上面斜視図である。
【
図5】
図4に示したコネクタ位置保証部材の底面斜視図である。
【
図6A】コネクタ位置保証部材が初期位置にある状態で、プラグコネクタが最初にヘッダまたは相手側コネクタに係合する様子を示す、コネクタ位置保証部材のビームで切り取られた断面図である。
【
図6B】初期位置にあるコネクタ位置保証部材を示す、プラグコネクタの位置決めアームで切り取られた断面図である。
【
図7】コネクタ位置保証部材が初期位置にある状態で、プラグコネクタがヘッダまたは相手側コネクタに部分的に嵌合する様子を示す、コネクタ位置保証部材のビームで切り取られた断面図である。
【
図8】コネクタ位置保証部材が初期位置と最終位置もしくはロック位置との間にある状態で、プラグコネクタがヘッダまたは相手側コネクタに完全に嵌合する様子を示す、コネクタ位置保証部材のビームで切り取られた断面図である。
【
図9A】コネクタ位置保証部材が最終位置もしくはロック位置にある状態で、プラグコネクタがヘッダまたは相手側コネクタに完全に嵌合する様子を示す、コネクタ位置保証部材のビームで切り取られた断面図である。
【
図9B】コネクタ位置保証部材が最終位置もしくはロック位置にある状態で、プラグコネクタがヘッダまたは相手側コネクタに完全に嵌合する様子を示す、プラグコネクタの位置決めアームで切り取られた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、電気コネクタまたはプラグ10が相手側コネクタまたはヘッダ100に嵌合して、共にコネクタアセンブリ50を形成する様子を示す斜視図である。電気コネクタ10および相手側コネクタ100は、代表的なものとして示されており、本発明の範囲から逸脱することなく変更可能である。コネクタ10、100は、図示しないコンタクトおよびコンタクトラッチなどの多くの他の機構を有する。
【0009】
図2を参照すると、電気コネクタ10は、コンタクト13(
図6A)を受け入れるためのコンタクト受入通路14を備えたハウジング本体12を有する。電気コネクタ10は、嵌合前端部16と後端部18とを有する。コンタクト受入通路14に挿入されたコンタクト13に電気的に係合する導体またはワイヤ15が、後端部18から延びる。第1の側面19と、反対側を向く第2の側面20とが、嵌合端部16と後端部18との間に延びる。
【0010】
係合突起24を有するラッチまたはラッチアーム22が、側面19、20から延びる。図示した実施形態において、各ラッチ22は、嵌合前端部16に近接してそれぞれの側面19、20に接続され、後端部18に向かって延びる。より完全に後述するように、ラッチ22を使用して、相手側コネクタ100をコネクタ10にラッチ止めして固定する。
図6(
図6A,
図6B)~
図9(
図9A,
図9B)に示すように、コネクタ位置保証(CPA)受入凹部30がラッチアーム22に近接して位置決めされている。ロックアウト突起40が、ラッチ22に近接して設けられ、コネクタ位置保証受入凹部30内へ延びてコネクタ位置保証デバイス200と協働する。ロックアウト突起40は、ラッチ22の両側に設けられる。
【0011】
図3に最もよく示すように、相手側コネクタ100は相補ラッチ係合部110を有し、この相補ラッチ係合部110は、コネクタ10と相手側コネクタ100とが非嵌合位置から嵌合位置へ動くとラッチアーム22に係合するように位置決めされる。ラッチ受入開口部114が、ラッチ係合部110(または起動部110)に近接して位置決めされ、コネクタ10が相手側コネクタ100に完全に嵌合したときに係合突起24を受け入れるように寸法決めされる。ラッチ係合部110(または起動部110)は、コネクタ位置保証係合リブとしても作用する。
【0012】
適切に嵌合すると、ラッチアーム22の係合突起24はラッチ受入開口部114と協働し、ラッチ受入開口部114に位置決めされて、相手側コネクタ100を電気コネクタ10に固定する。嵌合位置で、コネクタ10は相手側コネクタ100のシュラウド120内に受け入れられる。相手側コネクタ100の電気コンタクト130(
図6Aおよび
図6B)が、電気コネクタ10の電気コンタクト13に嵌合する。
【0013】
図6~
図9に示すように、コネクタ位置保証デバイス200が、コネクタ10のラッチアーム22に近接して位置決めされ、ラッチアーム22に対して可動になっている。コネクタ位置保証デバイス200は、コネクタ位置保証受入開口部30に維持され、
図6に示す第1の位置または開位置と、
図9に示す第2の位置または完全挿入位置との間で可動である。
【0014】
図4および
図5を参照すると、コネクタ位置保証デバイス200は、ベース部分202と、ベース部分202から延びる2つの弾性変形可能ビーム204、205とを有する。ビーム204の長手方向軸は、ビーム205の長手方向軸に略平行である。ベース部分202は、上面206、底面208、ベース前端部210、およびベース後端部212を有する。ビーム204は、後端部212から離れる方向へ、前端部210から延びる。後端部212は、操作者がコネクタ位置保証デバイス200を手動で係合または起動することができるように構成される。ベース部分202の前端部210はラッチ係合部を含む。このラッチ係合部は、上面206から延び、より完全に後述するように、コネクタ10が相手側コネクタ100と完全に嵌合していないときにラッチ22と相互作用するように構成される。ラッチ受入キャビティ228が上面に設けられる。
【0015】
弾性変形可能ビーム204、205の各々は、上面220、底面222、ビーム前端部224、ビーム後端部226、内側壁225、および外側壁227を有する。ビーム204の内側壁225は、ビーム205の内側壁225に面している。各ビーム204、205の後端部226は、ベース部分202の前端部210に取り付けられるか、または前端部210と一体である。
【0016】
ロックアウト突起係合部材230が、各ビーム204、205の上面220から延びる。カム部材250が、ロックアウト突起係合部材230に近接してロックアウト突起係合部材230と並んで設けられる。カム部材250は、各ビーム204、205の上面220から延びる。カム部材250は、ビーム204、205の自由端に近接して、かつビーム204、205の内側壁225に近接して設けられる。ロックアウト突起係合部材230は、第1のビームの自由端および第1のカム部材に近接して、かつビーム204、205の外側壁に近接して設けられる。より完全に後述するように、カム部材250は、相手側コネクタ100の起動部110とより良好に協働するための傾斜面252を有する。
【0017】
位置決めレール260がベース部分202から延びる。位置決めレール260はラッチ突起262を有する。位置決めレール260は、コネクタ10の相手側凹部と協働して、コネクタ10のハウジング本体12に対するコネクタ位置保証デバイス200の適切な位置決めおよび安定化をもたらす。ラッチ突起262はコネクタ10と協働して、コネクタ位置保証デバイス200がコネクタ10から外れることを防ぎ、相手側コネクタ100との嵌合前に、コネクタ位置保証デバイス200をコネクタ10における第1の位置に保持する。位置決めレール260の長手方向軸は、ビーム204、205の長手方向軸に略平行である。
【0018】
図6~
図10を参照すると、プラグまたはコネクタ10をヘッダまたは相手側コネクタ100に挿入する進行(progression)または方法が示される。
図6Aおよび
図6Bでは、コネクタ10がヘッダコネクタ100に大まかに位置決めされている。この位置では、ラッチ22の係合突起24はコネクタ100のラッチ係合部110に係合していない。コネクタ位置保証デバイス200は、嵌合前の開位置または第1の位置に維持される。この位置で、ラッチ22は正常位置または非偏向位置にある。
図6Bに最もよく示すように、コネクタ位置保証デバイス200は、ラッチ突起262と、コネクタ位置保証ラッチアーム受入開口部32内へ延びる突起33との協働によって、嵌合前の開位置または第1の位置に維持される。
加えて、
図6Aに最もよく示すように、コネクタ10のロックアウト突起40は、ロックアウト突起係合部材230に係合して、コネクタ位置保証デバイス200の、嵌合後の第2の位置または挿入位置への望ましくない挿入を防ぐ。
【0019】
コネクタ10が相手側コネクタ100のシュラウド120に部分的に挿入されると、ラッチ22の係合突起24が動いて相手側コネクタ100のラッチ係合部110に係合する。挿入が継続されると、
図7に示すように、ラッチ係合部110によって、係合突起24とラッチ22とがコネクタ10の両側面19、20から離れて弾性的に起動または偏向する。例えば、コンタクト13、130の不適切な位置合わせによりコネクタ10が相手側コネクタ100と適切に嵌合できない場合、相手側コネクタ100内へのコネクタ10の挿入の継続を防ぐことができる。これが行われると、ラッチ22は
図7に示す偏向位置にとどまる。
この位置では、ラッチ22がコネクタ位置保証デバイス200のラッチ協働部材240の前端部242に係合して、コネクタ位置保証デバイス200が嵌合後の第2の位置または挿入位置へ動くことを防ぐため、コネクタ位置保証デバイス200は第2の位置または挿入位置へ動くことができない。
【0020】
挿入が継続されると、
図8に示すように、ラッチ22の係合部24がラッチ係合部110を通り過ぎることにより、ラッチ22は元の位置または応力を受けない位置へ戻ることができる。この位置で、係合部24はラッチ受入開口部114に位置決めされ保持される。係合部24がラッチ受入開口部114に適切に位置決めされた状態で、コネクタ位置保証デバイス200を嵌合前の開位置または第1の位置から嵌合後の第2の位置または挿入位置へ動かすことができる。これが行われると、カム部材250は相手側コネクタ100のコネクタ位置保証起動領域140に係合して、カム部材250と弾性変形可能ビーム204、205とをコネクタ10の底面20に向かって動かす。
これが行われると、ロックアウト突起係合部材230がコネクタ10のロックアウト突起40の下方へ動くことにより、コネクタ10のコネクタ位置保証受入凹部30へのコネクタ位置保証デバイス200の挿入を継続することができる。しかしながら、コネクタ10と相手側コネクタ100とが完全に嵌合していない場合、カム部材250はコネクタ位置保証起動領域140に係合しないことにより、弾性変形可能ビーム204、205とロックアウト突起係合部材230とが動くことを防ぐ。これにより、ロックアウト突起係合部材230とロックアウト突起40との協働によって、コネクタ位置保証デバイス200の挿入の継続を防ぐ。
【0021】
弾性変形可能ビーム204、205が適切に偏向された状態で、コネクタ位置保証デバイス200の挿入を継続することができる。挿入が継続されると、
図9Aおよび
図9Bに示すように、コネクタ位置保証デバイス200は嵌合後の第2の位置または挿入位置へ動く。この位置で、カム部材250が相手側コネクタ100のコネクタ位置保証起動領域140を越えてラッチ受入開口部114に入ることにより、カム部材250と弾性変形可能ビーム204、205とは応力を受けない位置へ戻ることができる。この位置で、ロックアウト突起係合部材230は、コネクタのロックアウト突起40を通り過ぎて、嵌合後の閉位置または第2の位置へ動く。
【0022】
コネクタ位置保証デバイス200は、カム部材250とラッチ受入開口部114との協働によって、嵌合後の閉位置または第2の位置に維持される。
【0023】
この完全挿入位置では、コネクタ位置保証デバイス200のラッチ受入キャビティ228がラッチ22の真下に位置決めされる。完全挿入位置で、コネクタ位置保証デバイス200のラッチ協働部材240はラッチ22の下方に位置決めされて、ラッチ22の起動または動きを阻止し、相手側コネクタ100からのコネクタ10の望ましくないまたは意図しない分離を防ぐ。
【0024】
コネクタ10を相手側コネクタ100から分離させる場合、コネクタ位置保証デバイス200を初期位置へ戻す。コネクタ位置保証デバイス200に挿入と反対の方向へ加えられる力により、カム部材250がラッチ受入開口部114から抜け出て、コネクタ位置保証デバイス200を嵌合前の開位置または第1の位置へ動かすことができる。動きが継続されると、コネクタ位置保証デバイス200の上面206がラッチ22から離れて、ラッチ22を押し下げることができ、これにより、コネクタ10を相手側コネクタ100から分離させることができる。