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  • 特許-セラミックヒータ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】セラミックヒータ
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/10 20060101AFI20230117BHJP
   H05B 3/02 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
H05B3/10 A
H05B3/02 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020567432
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(86)【国際出願番号】 JP2019050259
(87)【国際公開番号】W WO2020153071
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】P 2019011301
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 征樹
(72)【発明者】
【氏名】本山 修一郎
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-063691(JP,A)
【文献】特開2015-018704(JP,A)
【文献】特開2010-109316(JP,A)
【文献】特開2009-009795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/10
H05B 3/02
H01L 21/00-21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ載置面を有し、円形の内周側ゾーンと環状の外周側ゾーンとを備えたセラミックプレートと、
前記内周側ゾーンに設けられた二次元形状の内周側抵抗発熱体と、
前記外周側ゾーンに設けられたコイル状の外周側抵抗発熱体と、
を備え、
前記内周側ゾーンには、前記内周側抵抗発熱体の端子と前記外周側抵抗発熱体の端子とが配置され
前記内周側ゾーンに配置された前記外周側抵抗発熱体の端子から前記外周側ゾーンに設けられた前記外周側抵抗発熱体までの引き出し線は、リボンで作製され、前記内周側抵抗発熱体の折り返し部同士が対向する隙間を通過し、
前記内周側抵抗発熱体、前記外周側抵抗発熱体及び前記引き出し線は、前記セラミックプレートの内部で前記ウエハ載置面に平行な同一平面上に設けられている、
セラミックヒータ。
【請求項2】
前記内周側抵抗発熱体は、前記端子の間隙を通って前記内周側ゾーンの全体にわたって配線されている、
請求項1に記載のセラミックヒータ。
【請求項3】
前記内周側ゾーンの面積は、前記外周側ゾーンの面積より狭い、
請求項1又は2に記載のセラミックヒータ。
【請求項4】
前記内周側ゾーンは、1つのゾーンであり、
前記外周側ゾーンは、2つ以上のゾーンに分けられており、前記外周側抵抗発熱体は、前記ゾーンごとに独立して配線されている、
請求項1~のいずれか1項に記載のセラミックヒータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置においては、ウエハを加熱するためのセラミックヒータが採用されている。こうしたセラミックヒータとしては、いわゆる2ゾーンヒータが知られている。この種の2ゾーンヒータとしては、特許文献1に開示されているように、セラミック基体中に、内周側抵抗発熱体と外周側抵抗発熱体とを同一平面に埋設し、各抵抗発熱体にそれぞれ独立して電圧を印加することにより、各抵抗発熱体からの発熱を独立して制御するものが知られている。各抵抗発熱体は、タングステンなどの高融点金属からなるコイルで構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3897563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、内周側ゾーンには、内周側抵抗発熱体の端子や外周側抵抗発熱体の端子を設ける必要があるため、コイル状の内周側抵抗発熱体では高密度に配線することが困難であった。そのため、内周側ゾーンで温度ムラが生じるおそれがあった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、内周側ゾーンの温度ムラが生じるのを抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のセラミックヒータは、
ウエハ載置面を有し、円形の内周側ゾーンと環状の外周側ゾーンとを備えたセラミックプレートと、
前記内周側ゾーンに設けられた二次元形状の内周側抵抗発熱体と、
前記外周側ゾーンに設けられたコイル状の外周側抵抗発熱体と、
を備え、
前記内周側ゾーンには、前記内周側抵抗発熱体の端子と前記外周側抵抗発熱体の端子とが配置されている、
ものである。
【0007】
このセラミックヒータでは、外周側ゾーンにはコイル状の外周側抵抗発熱体を配置したため、比較的大きな発熱量を得ることができる。一方、内周側抵抗発熱体の形状としてコイル状ではなく二次元形状を採用したため、線幅を細くしたり線間を狭くしたりすることができる。したがって、内周側ゾーンの温度ムラが生じるのを抑制することができる。
【0008】
本発明のセラミックヒータにおいて、前記内周側抵抗発熱体は、前記端子の間隙を通って前記内周側ゾーンの全体にわたって配線されていてもよい。内周側抵抗発熱体の形状として二次元形状を採用したため、線幅を細くしたり線間を狭くしたりすることができる。そのため、内周側抵抗発熱体を端子の間隙を通って内周側ゾーンの全体にわたって配線することができる。
【0009】
本発明のセラミックヒータにおいて、前記内周側ゾーンの面積は、前記外周側ゾーンの面積より狭くてもよい。このような場合であっても、内周側抵抗発熱体は二次元形状であり線幅を細くしたり線間を狭くしたりすることができるため、内周側抵抗発熱体を内周側ゾーンの全体にわたって配線することができる。
【0010】
本発明のセラミックヒータにおいて、前記内周側抵抗発熱体と前記外周側抵抗発熱体は、前記セラミックプレートの内部で前記ウエハ載置面に平行な同一平面上に設けられていてもよい。なお、「平行」とは、完全に平行な場合のほか、実質的に平行な場合(例えば公差の範囲に入る場合など)も含む。「同一」とは、完全に同一な場合のほか、実質的に同一な場合(例えば公差の範囲に入る場合など)も含む。
【0011】
本発明のセラミックヒータにおいて、前記内周側ゾーンは、1つのゾーンであり、前記外周側ゾーンは、2つ以上のゾーンに分けられており、前記外周側抵抗発熱体は、前記ゾーンごとに独立して配線されていてもよい。外周側抵抗発熱体は2つ以上のゾーンのそれぞれに独立して配線されているため、外周側抵抗発熱体の端子の数はゾーン数に応じて増加する。また、内周側抵抗発熱体はより多くの端子の間を通るように配線する必要がある。このような場合であっても、内周側抵抗発熱体は二次元形状であり線幅を細くしたり線間を狭くしたりすることができるため、内周側抵抗発熱体を内周側ゾーンの全体にわたって配線することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】セラミックヒータ10の斜視図。
図2】セラミックヒータ10の縦断面図。
図3】セラミックプレート20を抵抗発熱体22,24,26,28に沿って水平に切断して上方からみたときの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。図1はセラミックヒータ10の斜視図、図2はセラミックヒータ10の縦断面図(セラミックヒータ10を中心軸を含む面で切断したときの断面図)、図3はセラミックプレート20の抵抗発熱体22,24,26,28に沿って水平に切断して上方からみたときの断面図である。図3は、実質的にセラミックプレート20をウエハ載置面20aからみたときの様子を表している。なお、図3では、切断面を表すハッチングを省略した。
【0014】
セラミックヒータ10は、エッチングやCVDなどの処理が施されるウエハを加熱するために用いられるものであり、図示しない真空チャンバ内に設置される。このセラミックヒータ10は、ウエハ載置面20aを有する円盤状のセラミックプレート20と、セラミックプレート20のウエハ載置面20aとは反対側の面(裏面)20bにセラミックプレート20と同軸となるように接合された筒状シャフト40とを備えている。
【0015】
セラミックプレート20は、窒化アルミニウムやアルミナなどに代表されるセラミック材料からなる円盤状のプレートである。セラミックプレート20の直径は、例えば300mm程度である。セラミックプレート20のウエハ載置面20aには、図示しないが細かな凹凸がエンボス加工により設けられている。セラミックプレート20は、セラミックプレート20と同心円の仮想境界BL(図3参照)によって小円形の内周側ゾーンZ1と円環状の外周側ゾーンZ2とに分けられている。仮想境界BLの直径は、例えば200mm程度である。内周側ゾーンZ1の面積は、外周側ゾーンZ2の面積よりも狭い。外周側ゾーンZ2は、セラミックプレート20と同心円の仮想境界BL1,BL2(図3参照)によって3つの環状ゾーン、すなわち外周側第1~第3ゾーンZ21~Z23に分けられている。セラミックプレート20の内周側ゾーンZ1には内周側抵抗発熱体22が埋設され、外周側第1~第3ゾーンZ21~Z23にはそれぞれ外周側第1~第3抵抗発熱体24、26,28が埋設されている。これらの抵抗発熱体22,24,26,28は、ウエハ載置面20aに平行な同一平面上に設けられている。
【0016】
内周側抵抗発熱体22は、図3に示すように、セラミックプレート20の中央部(セラミックプレート20の裏面20bのうち筒状シャフト40で囲まれた領域)に配設された一対の端子22a,22bの一方から他方に至るように形成されている。ここでは、内周側抵抗発熱体22は、端子22aから端を発し、端子24a,24b,26a,26b,28a,28bの間を通りながら一筆書きの要領で複数の折り返し部で折り返されつつ内周側ゾーンZ1のほぼ全域に配線されたあと、端子22bに至るように形成されている。内周側抵抗発熱体22は、高融点金属又はその炭化物で作製された二次元形状の発熱体であり、例えばペーストを印刷することにより作製される。二次元形状としては、例えばリボン状(平らで細長い形状)やメッシュ状などが挙げられる。高融点金属としては、例えば、タングステン、モリブデン、タンタル、白金、レニウム、ハフニウム及びこれらの合金が挙げられる。高融点金属の炭化物としては、例えば、炭化タングステンや炭化モリブデンなどが挙げられる。内周側抵抗発熱体22は、二次元形状のため、線幅を細くしたり線間を狭めたり端子間長さを長くしたり断面積を小さくしたりすることができる。そのため、これらを調整することにより、内周側抵抗発熱体22の端子間の電気抵抗を容易に調整することができる。
【0017】
外周側第1抵抗発熱体24は、図3に示すように、セラミックプレート20の中央部に配設された一対の端子24a,24bの一方から端を発し、一筆書きの要領で折り返し部で折り返されつつ外周側第1ゾーンZ21のほぼ全域に配線されたあと一対の端子24a,24bの他方に至るように形成されている。外周側第2抵抗発熱体26は、セラミックプレート20の中央部に配設された一対の端子26a,26bの一方から端を発し、一筆書きの要領で折り返し部で折り返されつつ外周側第2ゾーンZ22のほぼ全域に配線されたあと一対の端子26a,26bの他方に至るように形成されている。外周側第3抵抗発熱体28は、セラミックプレート20の中央部に配設された一対の端子28a,28bの一方から端を発し、一筆書きの要領で折り返し部で折り返されつつ外周側第3ゾーンZ23のほぼ全域に配線されたあと一対の端子28a,28bの他方に至るように形成されている。外周側第1~第3抵抗発熱体24,26,28は、高融点金属又はその炭化物で作製されたコイルである。但し、各端子24a,24bから外周側第1ゾーンZ21までの引き出し線や各端子26a,26bから外周側第2ゾーンZ22までの引き出し線や各端子28a,28bから外周側第3ゾーンZ23までの引き出し線は、コイルではなく、ワイヤ線又は印刷によるリボンで作製されている。
【0018】
筒状シャフト40は、セラミックプレート20と同じく窒化アルミニウム、アルミナなどのセラミックで形成されている。筒状シャフト40の内径は、例えば40mm程度、外径は例えば60mm程度である。この筒状シャフト40は、上端がセラミックプレート20に拡散接合されている。筒状シャフト40の内部には、図2に示すように、内周側抵抗発熱体22の一対の端子22a,22bのそれぞれに接続される給電棒42a,42bが配置されている。また、筒状シャフト40の内部には、外周側第1抵抗発熱体24の一対の端子24a,24bのそれぞれに接続される給電棒44a,44bや外周側第2抵抗発熱体26の一対の端子26a,26bのそれぞれに接続される給電棒46a,46bや外周側第3抵抗発熱体28の一対の端子28a,28bのそれぞれに接続される給電棒48a,48bも配置されている。給電棒42a,42bは内周側電源32に接続され、給電棒44a,44bは外周側第1電源34に接続され、給電棒46a,46bは外周側第2電源36に接続され、給電棒48a,48bは外周側第3電源38に接続されている。そのため、内周側抵抗発熱体22によって加熱される内周側ゾーンZ1と外周側第1~第3抵抗発熱体24,26,28によって加熱される外周側ゾーンZ21,Z22,Z23とをそれぞれ個別に温度制御することができる。
【0019】
次に、セラミックヒータ10の使用例について説明する。まず、図示しない真空チャンバ内にセラミックヒータ10を設置し、そのセラミックヒータ10のウエハ載置面20aにウエハWを載置する。そして、図示しない内周側熱電対によって検出された内周側ゾーンZ1の温度が予め定められた内周側目標温度となるように内周側抵抗発熱体22に供給する電力を内周側電源32によって調整する。また、図示しない外周側第1~第3熱電対によってそれぞれ検出された外周側第1~第3ゾーンZ21~Z23の温度が予め定められた外周側第1~第3目標温度となるように外周側第1~第3抵抗発熱体24,26,28に供給する電力を外周側第1~第3電源34,36,38によって調整する。これにより、ウエハWの温度が所望の温度になるように制御される。そして、真空チャンバ内を真空雰囲気もしくは減圧雰囲気になるように設定し、真空チャンバ内にプラズマを発生させ、そのプラズマを利用してウエハWにCVD成膜を施したりエッチングを施したりする。
【0020】
以上説明した本実施形態のセラミックヒータ10では、外周側ゾーンZ2(外周側第1~第3ゾーンZ21~Z23)にはコイル状の外周側第1~第3抵抗発熱体24,26,28を配置したため、比較的大きな発熱量を得ることができる。一方、内周側抵抗発熱体22の形状としてコイル状ではなく二次元形状を採用したため、線幅を細くしたり線間を狭くしたりすることができる。したがって、内周側ゾーンZ1の温度ムラが生じるのを抑制することができる。
【0021】
また、内周側抵抗発熱体22は、端子22a,22b,24a,24b,26a,26b,28a,28bの間隙を通って内周側ゾーンZ1の全体にわたって配線されている。本実施形態では、内周側抵抗発熱体22の形状として二次元形状を採用したため、線幅を細くしたり線間を狭くしたりすることができる。そのため、内周側抵抗発熱体22を端子の間隙を通って内周側ゾーンZ1の全体にわたって配線することができる。
【0022】
また、内周側ゾーンZ1の面積は、外周側ゾーンZ2の面積よりも狭いが、このような場合であっても、内周側抵抗発熱体22は二次元形状であり線幅を細くしたり線間を狭くしたりすることができるため、内周側抵抗発熱体22を内周側ゾーンZ1の全体にわたって配線することができる。
【0023】
更に、外周側ゾーンZ2は外周側第1~第3ゾーンZ21~Z23の3つに分けられており、外周側第1~第3抵抗発熱体24,26,28はそれぞれのゾーンに独立して配線されている。そのため、内周側ゾーンZ1には、合計8つの端子が配置されている。このような場合であっても、内周側抵抗発熱体22は二次元形状であり線幅を細くしたり線間を狭くしたりすることができるため、内周側抵抗発熱体22を内周側ゾーンZ1の全体にわたって配線することができる。
【0024】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0025】
例えば、上述した実施形態において、内周側抵抗発熱体22の断面積や配線の長さによって内周側抵抗発熱体22の端子間の電気抵抗を変化させることにより、内周側抵抗発熱体22の端子間の電気抵抗を、外周側第1~第3抵抗発熱体24,26,28のそれぞれの端子間の電気抵抗よりも高くなるように設定してもよい。あるいは、内周側抵抗発熱体22の端子間の電気抵抗を、外周側第1~第3抵抗発熱体24,26,28のそれぞれの端子間の電気抵抗よりも低くなるように設定したり、同じになるように設定してもよい。こうすることにより、内周側ゾーンZ1における内周側抵抗発熱体22の発熱量をユーザの要望に応じて適宜設定することができる。
【0026】
上述した実施形態では、外周側ゾーンZ2を3つの小ゾーンに分割したが、外周側ゾーンZ2は1つのゾーンであってもよいし、2つの小ゾーンに分割してもよいし、4つ以上の小ゾーンに分割してもよい。いずれの場合も抵抗発熱体はゾーンごとに独立して配線される。小ゾーンは、上述した実施形態のようにセラミックプレート20と同心円の境界線で外周側ゾーンZ2を分割することにより環状に形成してもよいし、セラミックプレート20の中心から放射状に延びる線分で外周側ゾーンZ2を分割することにより扇形(円錐台の側面を展開した形状)に形成してもよい。
【0027】
上述した実施形態では、内周側ゾーンZ1は1つのゾーンとして説明したが、複数の小ゾーンに分割されていてもよい。その場合、小ゾーンごとに二次元形状の抵抗発熱体を独立して配線する。小ゾーンは、セラミックプレート20と同心円の境界線で内周側ゾーンZ1を分割することにより環状と円形状に形成してもよいし、セラミックプレート20の中心から放射状に延びる線分で内周側ゾーンZ1を分割することにより扇形(円錐の側面を展開した形状)に形成してもよい。
【0028】
上述した実施形態において、各抵抗発熱体22,24,26,28の端子間の電気抵抗を高くしたい場合には、体積抵抗率の高い材料を用いてもよい。例えば、20℃における体積抵抗率の一例を挙げると、タングステンが5.5×106[Ω・m]、炭化タングステンが53×106[Ω・m]である。そのため、炭化タングステンを用いれば、タングステンを用いた場合に比べて端子間の電気抵抗を高くすることができる。
【0029】
上述した実施形態において、セラミックプレート20に静電電極を内蔵してもよい。その場合、ウエハ載置面20aにウエハWを載置したあと静電電極に電圧を印加することによりウエハWをウエハ載置面20aに静電吸着することができる。あるいは、セラミックプレート20にRF電極を内蔵してもよい。その場合、ウエハ載置面20aの上方にスペースをあけて図示しないシャワーヘッドを配置し、シャワーヘッドとRF電極とからなる平行平板電極間に高周波電力を供給する。こうすることによりプラズマを発生させ、そのプラズマを利用してウエハWにCVD成膜を施したりエッチングを施したりすることができる。なお、静電電極をRF電極と兼用してもよい。
【0030】
上述した実施形態では、内側抵抗発熱体22は端子の間隙を通って内周側ゾーンZ1の全体にわたって配線されているものとしたが、特にこれに限定されるものではない。例えば、内側抵抗発熱体22は端子の間隙を通ることなく内周側ゾーンZ1の全体にわたって配線されるようにしてもよい。
【0031】
本出願は、2019年1月25日に出願された日本国特許出願第2019-011301号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、半導体製造装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0033】
10 セラミックヒータ、20 セラミックプレート、20a ウエハ載置面、20b 裏面、22 内周側抵抗発熱体、22a,22b 端子、24 外周側第1抵抗発熱体、24a,24b 端子、26 外周側第2抵抗発熱体、26a,26b 端子、28 外周側第3抵抗発熱体、28a,28b 端子、32 内周側電源、34 外周側第1電源、36 外周側第2電源、38 外周側第3電源、40 筒状シャフト、42a,42b,44a,44b,46a,46b,48a,48b 給電棒、BL,BL1,BL2 仮想境界、W ウエハ、Z1 内周側ゾーン、Z2 外周側ゾーン、Z21 外周側第1ゾーン、Z22 外周側第2ゾーン、Z23 外周側第3ゾーン。
図1
図2
図3