(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】オープンシールド機
(51)【国際特許分類】
E21D 9/06 20060101AFI20230117BHJP
E04G 21/32 20060101ALI20230117BHJP
E04G 5/14 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
E21D9/06 331
E04G21/32 C
E04G5/14
(21)【出願番号】P 2021125399
(22)【出願日】2021-07-30
(62)【分割の表示】P 2019049403の分割
【原出願日】2019-03-18
【審査請求日】2021-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000189903
【氏名又は名称】植村 誠
(73)【特許権者】
【識別番号】501200491
【氏名又は名称】植村 賢治郎
(74)【代理人】
【識別番号】100078695
【氏名又は名称】久保 司
(74)【代理人】
【識別番号】100186864
【氏名又は名称】尾関 眞里子
(72)【発明者】
【氏名】植村 誠
(72)【発明者】
【氏名】植村 賢治郎
(72)【発明者】
【氏名】日浦 正一
(72)【発明者】
【氏名】中村 充博
(72)【発明者】
【氏名】上林 直人
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-137320(JP,A)
【文献】特開2016-014297(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0929440(KR,B1)
【文献】特開平11-350888(JP,A)
【文献】登録実用新案第3045967(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/06
E04G 21/32
E04G 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オープンシールド機の左右の側壁板の上端には内側に向けてフランジを形成し、水平方向に延びる横壁と横壁の一端から垂直方向へ延びる縦壁とを有するL型構造の覆工板設置用のオープンシールド機の上段部材上端フランジ面に、水平方向に延びる横壁を上下2段からなる構造とするとともに、この上下の横壁を立壁で連結してC型のチャンネル部材として、C型チャンネル部材の立壁の外側上部に垂直方向へ延びる縦壁を取り付けた覆工板設置用の嵩上げ部材を、ボルト・ナットまたは溶接によりC型のチャンネル部材を固定することにより、オープンシールド機上段部材上に覆工板設置用の嵩上げ部材の縦壁部材の外面を同一面上にそろえ、積み重ね可能として取り付け、前記嵩上げ部材に手摺固定用のさや管を取り付けたことを特徴とするオープンシールド機。
【請求項2】
手摺固定用のさや管は嵩上げ部材の縦壁の外側に設ける請求項1記載のオープンシールド機。
【請求項3】
横壁を上下2段からなる構造とした嵩上げ部材は、上の段の横壁にもボルト・ナット孔部を形成し、ボルト・ナットで接続して上下に積み重ね可能とした請求項1または請求項2記載のオープンシールド機。
【請求項4】
手摺固定用のさや管は、嵩上げ部材の上下2段の横壁の間に内蔵させる請求項1記載のオープンシールド機。」
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オープンシールド工法に使用するオープンシールド機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のごとくオープンシールド工法は、開削工法(オープン工法)とシールド工法の長所を生かした合理性に富む工法である。
【0003】
このオープンシールド工法に使用するオープンシールド機では、シールド機を前方の機体の後端に後方の機体の前端が嵌入して、相互の嵌合部で屈曲可能としてカーブ施工を可能としたり、方向修正を行えるようにしたものがある。
【0004】
その一例を説明するとオープンシールド機1は、
図18、
図19に示すように基本的には左右の側壁板1a,1bとこれら側壁板1a,1bと同程度の長さでその間を連結する底板1cとからなる前面、後面及び上面を開口したシールド機である。
【0005】
該オープンシールド機1は矩形機体を前後方向で複数に分割し、フロント部2としての前方の機体の後端にジャッキ部・テール部3としての後方の機体の前端が嵌入して、相互の嵌合部で屈曲可能とした。
【0006】
フロント部2は主として掘削を行うもので、前端と上面を開放面としてあり、矩形機体内で後部に後方へ向けて中折ジャッキ4を左右によせて、また上下複数段に配設している。
【0007】
これに対してジャッキ部・テール部3はコンクリート函体8の設置を行うもので、ジャッキ部では機体内で前部に後方へ向けてシールドジャッキ5を左右によせて、また上下複数段に配設している。図中6はフロント部2の前端に設けたスライド土留め(可動分割刃口)、7は上面を開放面で側壁板1a,1bにかけ渡す梁部材、10はプレスバー(押角)である。
【0008】
このようなオープンシールド機1を使用するオープンシールド工法は、
図22~
図25に示すように、発進坑と到達坑との間で施工される。発進坑11内で前記オープンシールド機を組立て、発進坑11の前の地盤を地上に設置したシャベル系の掘削機12で掘削し、該オープンシールド機1のシールドジャッキ5を伸長して発進坑11内の反力壁に反力をとってオープンシールド機1を前進させ、地下構造物を形成する第1番目のコンクリート函体8を上方から吊り降し、オープンシールド機1のジャッキ部・テール部3内で縮めたシールドジャッキ5の後方にストラット9およびプレスバー10とともにセットする。
【0009】
また、発進坑11はシートパイル等の土留壁で構成し、オープンシールド機1を発進させるにはこの土留壁を一部鏡切りするが、必要に応じて薬液注入等で発進坑11の前方部分に地盤改良を施しておくこともある。
【0010】
次いで、同様にバックホウ等の掘削機12でフロント部2の前面又は上面から土砂を掘削しかつ排土してオープンシールド機1を前進させ、前記第1番目のコンクリート函体8の前に第2番目のコンクリート函体8をジャッキ部・テール部3内に吊り降す。以下、同様の掘進及びコンクリート函体8のセット工程を繰返して、順次コンクリート函体8を縦列に地中に埋設し、後方のコンクリート函体8上にダンプ14で埋戻しを施し、オープンシールド機1が到達坑13まで達したならばこれを分解・撤去して工事を完了する。図中15はグラウト機、18は裏込注入材である。
【0011】
前記、オープンシールド機1の掘進はシールドジャッキ5を伸長するだけでなく、このシールドジャッキ5を固定して中折ジャッキ4の伸長でジャッキ部・テール部3に対してフロント部2を進めることでも行なわれ、シールドジャッキ5と中折ジャッキ4との2段階で押し進める。
【0012】
その際、中折ジャッキ4のうち、左右いずれかを多く伸長させればフロント部2はその反対側に向きを変え、その方向に曲がる。また、上下いずれかを多く伸長させればフロント部2はその反対側に向きを変え、上向きまたは下向きに曲がる。このようにしたカーブ施工または方向修正が可能である。
【0013】
ところで、このようなオープンシールド工法によるコンクリート函体8の埋設は市街地の道路下で施工されることが多く、施工中は通行止めとなるが、一日のうちの一定の時間は道路を開放して通行可能状態とすることが望まれる。
【0014】
このため、下記特許文献にも示すように、オープンシールド機1が発進坑から到達坑にまで到達する迄の間に、掘進を適宜中止し、オープンシールド機1の上部開口すなわち道路の開削した部分に覆工板を敷設して開口を一時的に閉塞し、この覆工板の上を自動車が走行し、また人が歩行できるようにしている。
【文献】特開2000-64777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
前記オープンシールド機1の上部は開口となる為、作業員、一般歩行者の転落防止柵を設ける必要がある。
【0016】
例えば、
図20、
図21に示すように、オープンシールド機1の左右の側壁板1a,1bの上端に直接手摺16を立設するための手摺固定用のさや管17を溶接等で取付ける。図中19は挿入する手摺16を固定するための止めボルトである。
【0017】
しかし、オープンシールド機は現況地盤の高さにより、部材を重ね合わせ、シールド機高さを調整する必要がある為、部材上面は平滑で、重ね合わせ易い構造が一般的である。
【0018】
また、重ね合わせを考慮した嵩上げ部材は上部部材の荷重に耐えうる構造とする必要がある為、構造が強固であり、部材重量が重く作業性が悪い。
【0019】
作業休止時の道路開放を必要とする計画においては、シールド機上に覆工板を設置する必要があり、その為にも最上段部材上面は平滑である必要がある。覆工板はオープンシールド機1の左右の側壁板1a,1bの上に載置されるので、それを邪魔するような部材を設けることはできない。
【0020】
以上の理由により、シールド機の上部の平滑面に安全策となる手摺、または手摺固定用のさや管を設けることが困難であり、強いて行うとすれば溶接にて個別に固定する必要があるが、個々の取り外し、溶接固定作業には多大な作業時間を要する。
【0021】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、標準的に平滑であるシールド機部材上面に地上物がシールド機開口に転落しないように、幅木を有した防護柵設備を設置する必要がある場合に、幅木、防護柵を上段部材追加時、シールド機上覆工板設置時、上段積み重ね時については撤去可能なものとして設けることができるオープンシールド機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、オープンシールド機の左右の側壁板の上端には内側に向けてフランジを形成し、水平方向に延びる横壁と横壁の一端から垂直方向へ延びる縦壁とを有するL型構造の覆工板設置用のオープンシールド機の上段部材上端フランジ面に、水平方向に延びる横壁を上下2段からなる構造とするとともに、この上下の横壁を立壁で連結してC型のチャンネル部材として、C型チャンネル部材の立壁の外側上部に垂直方向へ延びる縦壁を取り付けた覆工板設置用の嵩上げ部材を、ボルト・ナットまたは溶接によりC型のチャンネル部材を固定することにより、オープンシールド機上段部材上に覆工板設置用の嵩上げ部材の縦壁部材の外面を同一面上にそろえ、積み重ね可能として取り付け、前記嵩上げ部材に手摺固定用のさや管を取り付けたことを要旨とするものである。
【0023】
請求項1記載の本発明によれば、覆工板設置用の嵩上げ部材を設けることにより、覆工板をオープンシールド機開口に設置する際にこの嵩上げ部材で抑えるようにして位置決め等で容易に設置することができ、さらに、該オープンシールド機の左右の側壁板の上端に取り外し可能で取付けることで、必要に応じて設けることができ、しかもこの嵩上げ部材を利用して手摺または手摺固定用のさや管を固定することで転落防止柵としての手摺を簡単に設けることができる。
【0024】
また、嵩上げ部材は、軽量な構造であるので、現況地盤高さとの調整が発生するのに作業性がよい。
【0025】
請求項2記載の本発明は、手摺固定用のさや管は嵩上げ部材の縦壁の外側に設けることを要旨とするものである。
【0026】
請求項2記載の本発明によれば、嵩上げ部材に手摺固定用さや管部材を設けるのに、嵩上げ部材の縦壁の外側に設けることで覆工板設置の邪魔にならない位置に設けることができる
【0027】
請求項3記載の本発明は、横壁を上下2段からなる構造とした嵩上げ部材は、上の段の横壁にもボルト・ナット孔部を形成し、ボルト・ナットで接続して上下に積み重ね可能としたことを要旨とするものである。
【0028】
請求項3記載の本発明によれば、嵩上げ部材は、上の段の横壁にもボルト・ナット孔部を形成し、ボルト・ナットで接続して上下に積み重ね可能としたので必要に応じて嵩上げを高くすることができる。
【0029】
請求項4記載の本発明は、上下2段の横壁の間に手摺固定用さや管部材を内蔵したことを要旨とするものである。
【0030】
請求項4記載の本発明によれば、嵩上げ部材に手摺固定用さや管部材を設けるのに、上下2段の横壁の間に収めることで邪魔にならないで設けることができる。
【発明の効果】
【0031】
以上述べたように本発明のオープンシールド機は、標準的に平滑であるシールド機部材上面に地上物がシールド機開口に転落しないように、幅木を有した防護柵設備を設置する必要がある場合に、幅木、防護柵を上段部材追加時、シールド機上覆工板設置時、上段積み重ね時については撤去可能なものとして設けることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明のオープンシールド機の第1実施形態を示す要部の拡大正面図である。
【
図2】本発明のオープンシールド機の第1実施形態を示す縦断側面図である。
【
図3】本発明のオープンシールド機の第2実施形態を示す要部の拡大正面図である。
【
図4】嵩上げ部材の取付けの第1例を示す縦断正面図である。
【
図5】嵩上げ部材の取付けの第2例を示す縦断正面図である。
【
図6】嵩上げ部材の取付けの第3例を示す縦断正面図である。
【
図7】嵩上げ部材の取付けの第3例を示す平面図である。
【
図8】嵩上げ部材の取付けの第4例を示す縦断正面図である。
【
図9】嵩上げ部材の取付けの第4例を示す側面図である。
【
図10】嵩上げ部材の取付けの第5例を示す縦断正面図である。
【
図11】嵩上げ部材の取付けの第5例を示す側面図である。
【
図12】嵩上げ部材の取付けの第5例を示す平面図である。
【
図14】嵩上げ部材の取付けの第5例を示す積み重ね状態の縦断正面図である。
【
図15】嵩上げ部材の取付けの第5例を示す縦断正面図である。
【
図16】嵩上げ部材の取付けの第6例を示す縦断正面図である。
【
図17】嵩上げ部材の取付けの第6例を示す平面図である。
【
図18】オープンシールド機の従来例を示す縦断側面図である。
【
図19】オープンシールド機の従来例を示す平面図である。
【
図22】オープンシールド工法の第1工程を示す側面図である。
【
図23】オープンシールド工法の第2工程を示す側面図である。
【
図24】オープンシールド工法の第3工程を示す側面図である。
【
図25】オープンシールド工法の第4工程を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明のオープンシールド機の第1実施形態を示す要部の拡大正面図、
図2は同上縦断側面図で、前記従来例を示す
図18、
図19と同一構成要素には同一参照符号を付したものである。
【0034】
先にオープンシールド機の全体について説明すると、
図18、
図19に示すように、オープンシールド機1は、左右の側壁板1a,1bとこれら側壁板1a,1bと同程度の長さでその間を連結する底板1cとからなる前面、後面及び上面を開口したシールド機である。
【0035】
該オープンシールド機1は矩形機体を前後方向で複数に分割し、フロント部2としての前方の機体の後端にジャッキ部・テール部3としての後方の機体の前端が嵌入して、相互の嵌合部で屈曲可能とした。
【0036】
フロント部2は主として掘削を行うもので、前端と上面を開放面としてあり、矩形機体内で後部に後方へ向けて中折ジャッキ4を左右によせて、また上下複数段に配設している。
【0037】
これに対してジャッキ部・テール部3はコンクリート函体8の設置を行うもので、ジャッキ部では機体内で前部に後方へ向けてシールドジャッキ5を左右によせて、また上下複数段に配設している。図中6はフロント部2の前端に設けたスライド土留め(可動分割刃口)、7は上面を開放面で側壁板1a,1bにかけ渡す梁部材、10はプレスバー(押角)である。
【0038】
図1に示すように、本発明のオープンシールド機1は覆工板設置用の嵩上げ部材20として、水平方向に延びる横壁21と横壁の一端から垂直方向へ延びる縦壁22とを有するL型構造のアングル材をボルト・ナット23またはスポット溶接24によりオープンシールド機1の左右の側壁板1a,1bの上端に取り外し可能に取り付けた。
【0039】
嵩上げ部材20はオープンシールド機1の長さ方向に沿って設けられる。
【0040】
図4はその詳細を示すもので、オープンシールド機1の左右の側壁板1a,1bの上端には内側に向けてフランジ26を形成し、嵩上げ部材20の横壁21をこのフランジ26の上に重合し、相互のボルト・ナット孔部25に通常のボルト・ナット23を通して締結した。この場合はボルト頭部が横壁21の上に露出する。
【0041】
図5は変形例を示し、ボルト・ナット孔部25の上端にザグリ加工を施し、ボルト・ナット23のボルトには皿ボルトを使用して、横壁21の面からとび出すこと無く固定可能なものとした。
【0042】
図6、
図7は溶接24の場合で、スポット的に溶接することで、嵩上げ部材20を取り外し可能に取り付ける。嵩上げ部材20の取り外し時は溶接24の箇所は切断する。
【0043】
さらに、他の変形例として
図8、
図9に示すように、嵩上げ部材20は横壁21を上下2段からなる構造とし、ボルト・ナット孔部25に通常のボルト・ナット23を相通する場合でもボルトの頭部は横壁21、21間に収まり、オープンシールド機本体とのボルト・ナット接続部が横壁上面に発生しない構造とした。
【0044】
図10~
図14はこの
図8、
図9に示す例の更なる応用例を示すもので、前記嵩上げ部材20は横壁21を上下2段からなる構造とするとともに、この上下の横壁21を立壁33で連結してC型のチャンネル部材34とし、上段の横壁21にもボルト・ナット孔部25を形成し、また、立壁33の外側に垂直方向へ延びる縦壁22を取り付けた。
【0045】
前記縦壁22を取り付けたチャンネル部材34は
図14に示すように上下に積み重ね可能であり、積み重ねてボルト・ナット23で固定する。
【0046】
また、前記の嵩上げ部材20の例は、水平方向に延びる横壁21と横壁の一端から垂直方向へ延びる縦壁22とは2部材を接合することによりL型構造のアングル材としたが、
図15に示すように、横壁21と縦壁22とは一体として成形した形鋼を用いることもできる。
【0047】
図16、
図17は更なる変形例を示すもので、ボルト・ナット孔部25はこれを直接嵩上げ部材20に設けるのではなく、嵩上げ部材20に並行に固定用のフランジ部27を設け、ここに形成することとした。
【0048】
前記嵩上げ部材20はこれを覆工板28をオープンシールド機1の開口に設置する際の受け金具として用いることができ、嵩上げ部材20を取り付けたオープンシールド機1の左右の側壁板1a,1bの上端に間に覆工板28を設置する(
図3参照)。
【0049】
このように覆工板28を設置しない場合にはオープンシールド機1の上面は開口となるので、嵩上げ部材20に手摺16または手摺16を立設するための手摺固定用のさや管17を固定して転落防止を図るようにする。
【0050】
この手摺16または手摺固定用のさや管17の固定方法は種々選択できその一例として、
図3に示すように、手摺固定用のさや管17は嵩上げ部材20の縦壁22の外側に設けた。
【0051】
手摺固定用のさや管17は嵩上げ部材20を取り付けたオープンシールド機1の左右の側壁板1a,1bの上端に間に覆工板28を設置するのに邪魔になることはない。
【0052】
さらに他の例として、前記のように嵩上げ部材20は横壁21を上下2段からなる構造とした場合に
図1に示すように上下段の横壁21の間に手摺固定用のさや管17を内蔵させて設けるようにしてもよい。
【0053】
この場合は手摺固定用のさや管17の直上の上段の横壁21には手摺挿入用の孔32を設ける。
【0054】
また、前記のようにボルト・ナット23の頭部を横壁21、21間に収めた場合には、このボルト頭部を手摺固定用のさや管17の中に取り込んでもよいし、また、手摺固定用のさや管17とは位置をずらしてもよい。
【0055】
覆工板28を設置する場合は、手摺16は取り付けず、上段の横壁21でこれを受けるようにする。
【符号の説明】
【0056】
1…オープンシールド機
1a,1b…側壁板 1c…底板
2…フロント部 3…ジャッキ部・テール部
4…中折ジャッキ 5…シールドジャッキ
6…可動分割刃口 7…梁部材
8…コンクリート函体
10…プレスバー 11…発進坑
12…掘削機 13…到達坑
14…ダンプ 15…グラウト機
16…手摺 17…手摺固定用のさや管
18…裏込注入材 19…止めボルト
20…嵩上げ部材 21…横壁
22…縦壁 23…ボルト・ナット
24…溶接 25…ボルト・ナット孔部
26…フランジ 27…フランジ部
28…覆工板 29…クランプ
32…手摺挿入用の孔 33…縦壁
34…チャンネル部材