(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】摩擦攪拌接合装置、摩擦攪拌接合方法
(51)【国際特許分類】
B23K 20/12 20060101AFI20230117BHJP
【FI】
B23K20/12 340
(21)【出願番号】P 2021173801
(22)【出願日】2021-10-25
【審査請求日】2021-10-25
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000233044
【氏名又は名称】株式会社日立パワーソリューションズ
(73)【特許権者】
【識別番号】390020477
【氏名又は名称】トライエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】石黒 幸一
(72)【発明者】
【氏名】船原 恒平
(72)【発明者】
【氏名】篠原 俊
(72)【発明者】
【氏名】宮部 昇三
(72)【発明者】
【氏名】岡 丈晴
(72)【発明者】
【氏名】東 和也
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-125598(JP,A)
【文献】特開2014-030833(JP,A)
【文献】国際公開第2016/024507(WO,A1)
【文献】特開2011-200880(JP,A)
【文献】特開2014-223639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 20/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接合ツールを目標回転速度で回転させながら被接合部材に目標深度まで挿入し、前記被接合部材の挿入部およびその近傍を軟化させ、前記接合ツールを進行させて前記被接合部材を固相接合する摩擦攪拌接合装置であって、
前記摩擦攪拌接合装置は、前記接合ツールが接合方向に進行しながら前記被接合部材を固相接合する際に、進行補助部材を介して接合ツールの進行を妨げることなく主軸ハウジングの前記接合ツールの回転方向と接合方向が反対方向となるRS(リトリーティングサイド)を押圧して前記接合方向に対して前記主軸ハウジングの横方向の動作範囲を連続的に制限することにより回転ブレによる蛇行を抑制する回転振動抑制機構を備え
、
前記回転振動抑制機構は、前記接合ツールを回転させる主軸を収納する主軸ハウジングに取り付けられたガイド受け部材と、
前記被接合部材を載置する載置台の載置面に前記接合ツールのRSに固定配置されたガイド支持部材と、
前記ガイド支持部材に支持されて前記目標深度において少なくとも前記ガイド受け部材の側面の一部と前記載置面からの垂直方向の位置が同じである係合状態で前記接合ツールが前記被接合部材の固相接合を開始する位置を示す開始位置から固相接合を終了する位置を示す終了位置まで延伸して前記ガイド受け部材のRSに固定して配置されたガイド部材と、を含んで構成され、
前記ガイド部材は、前記ガイド受け部材を前記開始位置から前記終了位置まで押圧し、
前記ガイド受け部材は、前記ガイド部材に接触した際に回転するように回転自在な環状体を前記主軸ハウジングの外周部を囲むように取り付けて前記進行補助部材が構成されていることを特徴とする摩擦攪拌接合装置。
【請求項2】
接合ツールを目標回転速度で回転させながら被接合部材に目標深度まで挿入し、前記被接合部材の挿入部およびその近傍を軟化させ、前記接合ツールを進行させて前記被接合部材を固相接合する摩擦攪拌接合装置であって、
前記摩擦攪拌接合装置は、前記接合ツールが接合方向に進行しながら前記被接合部材を固相接合する際に、進行補助部材を介して接合ツールの進行を妨げることなく主軸ハウジングの前記接合ツールの回転方向と接合方向が反対方向となるRS(リトリーティングサイド)を押圧して前記接合方向に対して前記主軸ハウジングの横方向の動作範囲を連続的に制限することにより回転ブレによる蛇行を抑制する回転振動抑制機構を備え、
前記回転振動抑制機構は、前記接合ツールを回転させる主軸を収納する主軸ハウジングに取り付けられたガイド受け部材と、
前記被接合部材を載置する載置台の載置面に前記接合ツールのRSに固定配置されたガイド支持部材と、
前記ガイド支持部材に支持されて前記目標深度において少なくとも前記ガイド受け部材の側面の一部と前記載置面からの垂直方向の位置が同じである係合状態で前記接合ツールが前記被接合部材の固相接合を開始する位置を示す開始位置から固相接合を終了する位置を示す終了位置まで延伸して前記ガイド受け部材のRSに固定して配置されたガイド部材と、を含んで構成され、
前記ガイド部材は、前記ガイド受け部材を前記開始位置から前記終了位置まで押圧し、
前記ガイド受け部材は、前記ガイド部材に接触した際に回転するように回転自在なトラックボール型回転体を前記主軸ハウジングの外周部において前記ガイド部材との接触部に少なくとも1つ取り付けて前記進行補助部材が構成されていることを特徴とする摩擦攪拌接合装置。
【請求項3】
接合ツールを目標回転速度で回転させながら被接合部材に目標深度まで挿入し、前記被接合部材の挿入部およびその近傍を軟化させ、前記接合ツールを進行させて前記被接合部材を固相接合する摩擦攪拌接合装置であって、
前記摩擦攪拌接合装置は、前記接合ツールが接合方向に進行しながら前記被接合部材を固相接合する際に、進行補助部材を介して接合ツールの進行を妨げることなく主軸ハウジングの前記接合ツールの回転方向と接合方向が反対方向となるRS(リトリーティングサイド)を押圧して前記接合方向に対して前記主軸ハウジングの横方向の動作範囲を連続的に制限することにより回転ブレによる蛇行を抑制する回転振動抑制機構を備え、
前記回転振動抑制機構は、前記接合ツールを回転させる主軸を収納する主軸ハウジングに取り付けられたガイド受け部材と、
前記被接合部材を載置する載置台の載置面に前記接合ツールのRSに固定配置されたガイド支持部材と、
前記ガイド支持部材に支持されて前記目標深度において少なくとも前記ガイド受け部材の側面の一部と前記載置面からの垂直方向の位置が同じである係合状態で前記接合ツールが前記被接合部材の固相接合を開始する位置を示す開始位置から固相接合を終了する位置を示す終了位置まで延伸して前記ガイド受け部材のRSに固定して配置されたガイド部材と、を含んで構成され、
前記ガイド部材は、前記ガイド受け部材に接触した際に回転するように前記ガイド部材の前記ガイド受け部材側側面部に回転自在なトラックボール型回転体を少なくとも前記接合ツールが前記開始位置から前記終了位置まで所定の間隔で複数個取り付けて前記進行補助部材が構成されており、前記ガイド受け部材を前記開始位置から前記終了位置まで押圧することを特徴とする摩擦攪拌接合装置。
【請求項4】
請求項1
から3のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合装置であって、
前記回転振動抑制機構は、前記主軸ハウジングのAS(アドバンシングサイド)およびRS(リトリーティングサイド)のうち、RS(リトリーティングサイド)のみを押圧して前記接合方向に対して前記主軸ハウジングの横方向の動作範囲を連続的に制限することにより回転ブレによる蛇行を抑制することを特徴とする摩擦攪拌接合装置。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか1項に記載の摩擦攪拌接合装置を用いて被接合部材を固相接合する摩擦攪拌接合方法であって、
前記接合ツールにより前記被接合部材を固相接合する前段階において、前記接合ツールを前記目標回転速度で回転させながら前記目標深度まで挿入する挿入ステップと、
接合部が目標とする入熱状態となるまで前記接合ツールを進行させずに継続回転させる入熱ステップと、
ガイド受け部材がガイド部材と接触し、前記接合ツールを前記目標回転速度で回転させて、前記ガイド部材方向の偏心力による回転ブレを前記ガイド部材で抑制しながら、接合方向に接合開始位置から接合終了位置まで進行させる接合ステップと、
前記接合ツールが前記接合終了位置まで進行したときに前記接合ツールを被接合部材から引き抜く抜去ステップと、
を含む摩擦攪拌接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被接合部材同士を摩擦攪拌接合により接合する摩擦攪拌接合装置の構成とその制御に係り、特に、高品質(高精度)な接合が要求される被接合部材の接合に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
円柱状の接合ツールを回転させて発生する摩擦熱で被接合材料を軟化させ、その部分を攪拌することで被接合材料同士を接合する摩擦攪拌接合(FSW:Friction Stir Welding)は、材料以外の素材を用いないため、疲労強度が高く、材料も溶融しないことから溶接変形(ひずみ)の少ない接合が可能であり、航空機や自動車のボディなど、幅広い分野での応用が期待されている。
【0003】
本技術分野の背景技術として、例えば、特許文献1のような技術がある。特許文献1には「押圧用モータ(本願のZ軸上下動駆動モータ16に相当)と攪拌用モータ(本願の主軸モータ14に相当)とを備え、前記攪拌用モータと先端に前記ピンを有し後端が攪拌用モータの出力軸側に接続された接合ツールとを同一軸線上に配置した摩擦攪拌スポット接合装置において、前記攪拌用モータの後端側にボールナットを固定すると共にLMガイドを設け、該LMガイドが移動するガイドレールを前記攪拌用モータの軸線方向に接近した部位に設け、前記攪拌用モータの出力軸に後方からボ―ルねじが格納される穴を形成して該穴にボールねじを配置し、前記押圧用モータの回転力を前記ボールねじに伝達し、該ボールねじと螺合するボールナットにより前記攪拌用モータを前後進させるようにした摩擦攪拌スポット接合装置」が開示されている。
【0004】
特許文献1によれば、LMガイドと攪拌用モータの偏心量を少なくして振動を低く抑え、接合動作が容易にできるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
摩擦攪拌接合の接合ステップにおいては、高品質の接合状態を保持するために、接合線に忠実に従って進行させる必要がある。しかしながら、接合ツールを目標回転速度で回転させながら被接合部材に挿入し、被接合部材を塑性加工により固相接合するときには、被接合部材の変形抵抗により摩擦攪拌接合装置は反力を受けることとなる。
【0007】
反力は、被接合部材の強度が高いほど大きく、また、その影響は工作機械の様な固定設置タイプの摩擦攪拌接合装置より多関節ロボットのアーム先端に接合ユニットを取り付けたロボットタイプの摩擦攪拌接合装置のほうがより大きくなる。これは、ロボットタイプの摩擦攪拌接合装置の剛性が低く、ぶれやすいことによる。
【0008】
摩擦攪拌接合装置は、被接合部材を摩擦攪拌する際の変形抵抗による反力を受けると、接合方向に進行する動きと接合ツールの回転する動きとの作用により偏心回転振動(偏心力)を生じることがある。この偏心力は、接合ツールの回転方向と接合方向が一致するAS(Advancing Side:アドバンシングサイド)より接合ツールの回転方向と接合方向が反対方向となるRS(Retreating Side:リトリーティングサイド)に対して大きく作用することから、接合ツールがRSに偏心する。この偏心回転振動(偏心力)が回転ブレによる蛇行を引き起こす。摩擦攪拌接合装置では、高精度の接合品質を保持するにはこの回転ブレによる蛇行の抑制が重要となる。
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に開示された接合ツールで被接合部材を固相接合する方法では、接合ツールの回転ブレによる蛇行を確実に抑制することはできない。
【0010】
特に、多関節ロボットのアーム先端に接合ツールを含む接合ユニットを取付けたロボット型摩擦攪拌接合装置においては、接合ツールの回転ブレはより顕著であり、回転ブレによる蛇行の抑制は非常に困難である。
【0011】
また、ロボット摩擦攪拌接合装置においては、接合ツールが目標回転速度で回転する際に発生する回転反力がロボットアームにも影響を与えることとなり、特許文献1の方法では当該影響による回転ブレによる蛇行を抑制できない。
【0012】
そこで、本発明の目的は、接合ツールの回転ブレによるRS(リトリーティングサイド)への偏心を抑制し、精度よく接合線に従って接合ツールを進行させることが可能な信頼性の高い摩擦攪拌接合装置及び摩擦攪拌接合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明は、接合ツールを目標回転速度で回転させながら被接合部材に目標深度まで挿入し、前記被接合部材の挿入部およびその近傍を軟化させ、前記接合ツールを進行させて前記被接合部材を固相接合する摩擦攪拌接合装置であって、前記摩擦攪拌接合装置は、前記接合ツールが接合方向に進行しながら前記被接合部材を固相接合する際に、進行補助部材を介して接合ツールの進行を妨げることなく主軸ハウジングの前記接合ツールの回転方向と接合方向が反対方向となるRS(リトリーティングサイド)を押圧して前記接合方向に対して前記主軸ハウジングの横方向の動作範囲を連続的に制限することにより回転ブレによる蛇行を抑制する回転振動抑制機構を備え、前記回転振動抑制機構は、前記接合ツールを回転させる主軸を収納する主軸ハウジングに取り付けられたガイド受け部材と、前記被接合部材を載置する載置台の載置面に前記接合ツールのRSに固定配置されたガイド支持部材と、前記ガイド支持部材に支持されて前記目標深度において少なくとも前記ガイド受け部材の側面の一部と前記載置面からの垂直方向の位置が同じである係合状態で前記接合ツールが前記被接合部材の固相接合を開始する位置を示す開始位置から固相接合を終了する位置を示す終了位置まで延伸して前記ガイド受け部材のRSに固定して配置されたガイド部材と、を含んで構成され、前記ガイド部材は、前記ガイド受け部材を前記開始位置から前記終了位置まで押圧し、前記ガイド受け部材は、前記ガイド部材に接触した際に回転するように回転自在な環状体を前記主軸ハウジングの外周部を囲むように取り付けて前記進行補助部材が構成されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記の摩擦攪拌接合装置を用いて被接合部材を固相接合する摩擦攪拌接合方法であって、前記接合ツールにより前記被接合部材を固相接合する前段階において、前記接合ツールを前記目標回転速度で回転させながら前記目標深度まで挿入する挿入ステップと、接合部が目標とする入熱状態となるまで前記接合ツールを進行させずに継続回転させる入熱ステップと、ガイド受け部材がガイド部材と接触し、前記接合ツールを前記目標回転速度で回転させて、前記ガイド部材方向の偏心力による回転ブレを前記ガイド部材で抑制しながら、接合方向に接合開始位置から接合終了位置まで進行させる接合ステップと、前記接合ツールが前記接合終了位置まで進行したときに前記接合ツールを被接合部材から引き抜く抜去ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、接合ツールの回転ブレによるRS(リトリーティングサイド)への偏心を抑制し、精度よく接合線に従って接合ツールを進行させることが可能な信頼性の高い摩擦攪拌接合装置及び摩擦攪拌接合方法を実現することができる。
【0016】
これにより、被接合部材同士の高品質(高精度)な摩擦攪拌接合が可能となる。
【0017】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施例1に係るロボット型摩擦攪拌接合装置の全体概要を示す図である。
【
図2A】
図1の摩擦攪拌接合ユニット18の側面図である。
【
図2B】
図1の摩擦攪拌接合ユニット18の正面図である。
【
図3】主軸モータ負荷率とツール挿入動作の関係を概念的に示す図である。
【
図5】ガイド部材23とガイド受け部材24の位置関係の例を示す図である。
【
図6A】本発明の実施例2に係るガイド受け部材24の上面図である。
【
図7A】本発明の実施例3に係るガイド受け部材24の上面図である。
【
図8】本発明の実施例4に係るガイド受け部材24の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、各図面において同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
【0020】
また、以下で説明する「押圧」とは、必ずしも一定の圧力を有して押し付けることに限定されず、ガイド部材を所定の場所に定置して接合ツールの回転ブレによるRS(リトリーティングサイド)への偏心を抑制するように作用(ガイド)することも含むものとする。
【実施例1】
【0021】
図1から
図5を参照して、本発明の実施例1の摩擦攪拌接合装置の構成とその制御について説明する。
【0022】
図1は、本実施例に係るロボット型摩擦攪拌接合装置の全体概要を示す図である。
図2Aは、
図1の摩擦攪拌接合ユニット18の側面図であり、
図2Bは、
図1の摩擦攪拌接合ユニット18の正面図である。
図3は、主軸モータ負荷率とツール挿入動作の関係を概念的に示す図である。
図4Aは、
図2A,
図2Bのガイド受け部材24の上面図であり、
図4Bは、
図4Aの側面図である。
図4Cは、
図4Aの変形例(変形例1)であり、
図4Dは、
図4Bの変形例(変形例2)である。
図5は、ガイド部材23とガイド受け部材24の位置関係の例を示す図である。
【0023】
本実施例のロボット型摩擦攪拌接合装置1は、
図1に示すように、主要な構成として、多関節ロボットアーム2と、多関節ロボットアーム2の先端に取り付けられた摩擦攪拌接合ユニット18を備えている。
【0024】
多関節ロボットアーム2は、一般的に「ロボットアーム」と呼ばれる垂直多関節ロボットであり、多関節構造とサーボモーターによって三次元空間を自在に動作(移動)することができる。関節の数(軸数)によって可動範囲が変化するが、ここでは台座部2a上に脚部2b、下腕部2c、上腕部2d、手首部2e,2f,2gを有する多軸タイプの多関節ロボットアームの例を示す。
【0025】
多関節ロボットアーム2の手首部2gの先端には、摩擦攪拌接合ユニット18が接続されている。
【0026】
摩擦攪拌接合ユニット18は、
図2Aに示すように、Z軸上下動駆動モータ16を有するZ軸上下動駆動機構部3と、主軸支持部4を介してZ軸上下動駆動モータ16(Z軸上下動駆動機構部3)に取り付けられた主軸15及び主軸ハウジング17と、主軸ハウジング17の内部に配置されたツールホルダ(接合ヘッド)5と、ツールホルダ(接合ヘッド)5に支持された接合ツール6と、接合ツール6に間接的に連結されて接合ツール6を所定の回転数で回転させる主軸モータ14とを有して構成されている。
【0027】
主軸モータ14を所定の回転速度で回転させて回動力を発生させ、主軸モータ14の回転軸に取り付けられた駆動側回転体(プーリー等)20と、接合ツール6に取り付けられた従動側回転体(プーリー等)19と、駆動側回転体20と従動側回転体19とを接続する接合手段(ベルト等)21とを含んで構成する回動力伝達機構を介して主軸モータ14の回動力を間接的に接合ツール6に伝達する。
【0028】
Z軸上下動駆動機構部3には、
図2Aに例示するように、例えばボールスクリューやリニアガイドなどが用いられ、Z軸上下動駆モータ16により多関節ロボットアーム2の手首部2g(主軸支持部4)に対して主軸15をZ軸方向(上下方向)に駆動させることができる。
【0029】
接合ツール6はショルダ部7及びプローブ部(接合ピン)8で構成され、従動側回転体19、駆動側回転体20、接合手段21を介して、主軸モータ14と間接的に連結されている。主軸モータ14は、接合ツール6を所定方向に回転させる。
【0030】
多関節ロボットアーム2は、Z軸上下動駆動機構部3を介して主軸支持部4及び主軸15、主軸ハウジング17を支持し、多関節ロボットアーム2に搭載(付属)された制御部(制御装置)11からZ軸上下駆動モータ16と主軸モータ14に駆動信号を付与して主軸15をZ軸方向(上下方向)に駆動および接合ツール6を回転させながら接合線に沿って進行させる。つまり、多関節ロボットアーム2は、主軸支持部4と、主軸15と、ツールホルダ(接合ヘッド)5を保持し、接合ツール6を回転させると共に、接合ツール6を
図1のX軸方向に移動させる。
【0031】
接合ツール6を所定の回転数で回転させながら、載置台10上に載置された被接合部材9(9a,9b)表面の接合線上にショルダ部7とプローブ部8とを押し付けることにより摩擦熱を発生させて被接合部材9を軟化させ、ショルダ部7とプローブ部8とを被接合部材9に必要量挿入し、当該回転数を保持することで塑性流動が生じ、挿入部が攪拌される。接合ツール6を引き抜く、又は移動することで攪拌部(接合部)が冷却され、被接合部材9は接合される。
【0032】
なお、ショルダ部7とプローブ部(接合ピン)8とが同一である接合ツール(つまりプローブを有さず、ショルダのみ)であっても良く、また、ショルダ部7が回転しない構造であっても良い。
【0033】
また、
図1では、多関節ロボットアーム2と載置台10が同じ架台12及び架台の脚部13上に設置されている例を示しているが、多関節ロボットアーム2と載置台10を別々に設置しても良い。
【0034】
ロボット型摩擦攪拌接合装置1は、モータコントローラーやCPUユニットなどが収納された制御部(制御装置)11を備えており、この制御部(制御装置)11からの指令(プログラム信号)により多関節ロボットアーム2の動きと摩擦攪拌接合ユニットの接合条件を総合的にコントロールする。
【0035】
制御部(制御装置)11は、接合ツール6による接合条件を決定する接合条件信号やZ軸上下動駆動機構部3による接合ツール6の鉛直方向(Z方向)の保持位置(接合ピン8の挿入量)を決定する保持位置決定信号などの接合パラメータ(FSW接合条件)を記憶する記憶部(図示せず)を備えている。
【0036】
なお、制御部11は、例えば多関節ロボットアーム2の台座部2a等に内蔵しても良く、
図1のように制御装置として多関節ロボットアーム2とは別に構成しても良い。また、摩擦攪拌接合ユニットの制御部は、多関節ロボットアーム2の制御部とは共用してもよいし、別に構成しても良い。
【0037】
ここで、本実施例のロボット型摩擦攪拌接合装置1は、回転振動抑制機構を備えて構成されている。回転振動抑制機構により、接合ツール6が被接合部材9の固相接合を開始してから固相接合を終了するまで、主軸ハウジング17のRS(リトリーティングサイド)を押圧して接合方向に対して接合ツール6の横方向の動作範囲を制限することにより、接合ツール6の回転ブレによるRS(リトリーティングサイド)への偏心を抑制する。
【0038】
上述したように、接合ツール6に生じる偏心力は、接合ツール6の回転方向と接合方向が一致するAS(Advancing Side:アドバンシングサイド)より接合ツール6の回転方向と接合方向が反対方向となるRS(Retreating Side:リトリーティングサイド)に対して大きく作用し、接合ツール6はRSに偏心する。そのため、主軸ハウジング17のAS(アドバンシングサイド)およびRS(リトリーティングサイド)のうち、RS(リトリーティングサイド)のみを押圧すれば良い。
【0039】
【0040】
回転振動抑制機構は、接合ツール6を回転させる主軸15を収納する主軸ハウジング17に取り付けたガイド受け部材24と、被接合部材9を載置する載置台10の載置面に配置されたガイド支持部材22と、ガイド支持部材22に支持されて目標深度において少なくともガイド受け部材24の側面の一部と載置面からの垂直方向の位置が同じである係合状態となるようにガイド受け部材24のRS(リトリーティングサイド)に配されたガイド部材23と、を含んで構成されている。
【0041】
なお、目標深度は、被接合部材9の接合条件(被接合部材9の材質及び厚さ)によって定めるものであり、目標深度まで接合ツール6を被接合部材9に挿入して固相接合することで高品質の接合精度を得ることが可能となる。
【0042】
回転ブレは、接合ツール6、主軸15、主軸ハウジング17に同様に生じることとなる。従って、主軸ハウジング17の回転ブレを抑制することで主軸15及び接合ツール6の回転ブレも抑制することが可能となる。
【0043】
回転振動抑制機構では、接合ツール6を挿入ステップにより挿入した位置、すなわち接合開始位置である接合ステップの開始位置から接合ステップの終了位置まで、主軸ハウジング17に取り付けたガイド受け部材24と、接合ツール6を目標深度に挿入してガイド受け部材24と係合状態となるガイド部材23とにより、主軸ハウジング17のRS(リトリーティングサイド)を押圧することにより主軸ハウジング17の横方向の動作範囲を制限して回転ブレを抑制する。
【0044】
ガイド受け部材24は、
図4Aに示すように、主軸15を収納する主軸ハウジング17に、例えば、スベリ加工部材26を取り付けて構成する。
【0045】
なお、ガイド受け部材24は、
図4Aに示すように、ガイド部材23と係合する位置において主軸ハウジング17の外周全体に配置してもよいし、
図4Cに示すように、主軸ハウジング17のRS(リトリーティングサイド)の一部分だけに配置してもよい。
【0046】
また、
図5に示すように、接合ツール6(接合ピン8)の偏心力のより大きいRS(Retreating Side:リトリーティングサイド)においては、ガイド受け部材24とガイド部材23とが常に接触するように、接合ツール6(接合ピン8)を目標深度に挿入した時点においてガイド受け部材24と対応するガイド部材23とを接触させる。
【0047】
一方、AS(Advancing Side:アドバンシングサイド)においては、挿入ステップにおいて接合ツール6(接合ピン8)をスムーズに挿入するために、ガイド部材23を設けていない。
【0048】
ガイド受け部材24とガイド部材23とは、接触しても接合ツール6の進行の妨げとならないように、接触部を次のように構成する。
【0049】
ガイド受け部材24とガイド部材23との接触する部分において、ガイド受け部材24またはガイド部材23の何れか一方に、接合ツール6の進行を補助する進行補助部材を取り付ける。進行補助部材は、ガイド受け部材24とガイド部材23との接触部に摩擦係数を小さくしてスリップさせるようにスリップ加工したる摺動体を取り付けるか、回転自在な回転体を取り付ける。
【0050】
本実施例では、
図4A及び
図4Bに示すように、進行補助部材として、主軸ハウジング17の外周部にスベリ加工部材26を取り付けている。回転自在な回転体等、他の構成例については、実施例2以降で後述する。
【0051】
ガイド受け部材24は、ガイド部材23に接触したときにスリップするように外側面部をスリップ加工した摺動面を有する摺動体を主軸ハウジング17の外周部の一部にまたは全周を囲むように取り付けて進行補助部材を構成する。ガイド受け部材24及びガイド部材23は、それぞれ接触する部分を平坦加工または曲面加工する。
【0052】
なお、
図4Dに示すように、主軸ハウジング17に段加工を施し、その段差部分にスベリ加工部材26を取り付けることも可能である。
【0053】
また、スベリ加工部材26を張り付けずに、主軸ハウジング17に直接スベリ加工を施してもよい。
【0054】
また、主軸ハウジング17側にスベリ加工部材26を取り付けるのに替えて、ガイド部材23側にスベリ加工部材26またはスベリ加工を設けることも可能である。ガイド部材23は、ガイド受け部材24に接触したときにスリップするように、ガイド部材23のガイド受け部材側側面部を少なくとも接合ツール6の接合開始位置から接合終了位置までスリップ加工した摺動面を有する摺動体を取り付けて進行補助部材を構成する。
【0055】
ガイド受け部材24のガイド部材23に接触する部分は、平坦加工または曲面加工する。
【0056】
次に、
図3を用いて、主軸モータ負荷率とツール挿入動作の関係について説明する。
図3に示すように、接合ツール位置は主軸モータ14の負荷率と関係がある。
【0057】
プローブ部(接合ピン)8を被接合部材9に接触させて接合ツール6の挿入を開始すると、接合ツール位置が深くなるに従い主軸モータ14の負荷率は上昇する。
【0058】
接合ツール6の挿入中にショルダ部7が被接合部材9に接触すると、主軸モータ14の負荷率の上昇率は一時的に低下するが、接合ツール6の挿入がさらに進むと、主軸モータ14の負荷率の上昇率は再び上昇する。
【0059】
接合ツール6の挿入時の目標負荷率又は目標接合ツール位置に到達した時点で、接合ツール6の挿入処理を終了し、接合ツール位置を固定した状態で、接合ツール6を一定の時間回転させて被接合部材9への入熱処理を行う。
【0060】
その後、被接合部材9の摩擦攪拌接合処理を行う。摩擦攪拌接合処理の間は、主軸モータ負荷率と接合ツール位置をともに一定の値(目標値)を保持するように、主軸モータ14及びZ軸上下動駆動モータ16の駆動を制御する。
【0061】
摩擦攪拌接合処理が終了した時点で、接合ツール6の引き抜きを開始すると、接合ツール位置が浅くなるに従い主軸モータ14の負荷率は低下する。
【0062】
ここで、
図3及び
図5を参照しながら、上記で説明した本実施例の回転振動抑制機構を備えた摩擦攪拌接合装置の動作を説明する。
【0063】
先ず、挿入ステップにおいては、次のように接合ツール6を挿入する。
【0064】
主軸15を目標回転速度で回転させながら、ガイド受け部材24がガイド部材23に干渉しないように下降移動し、被接合部材9の接合開始位置に挿入していく。接合ツール6が目標深度に到達するまで主軸15を下降移動して接合ツール6を挿入する。接合ツール6が被接合部材9に目標深度に到達したら主軸15の下降移動を停止する。
【0065】
この時点において、被接合部材9に変形抵抗による反力が生じていると、偏心力によりRSにおいてガイド受け部材24とガイド部材23とが接触することとなる。一方、ASにおいてはガイド部材23を配置していないため、ガイド受け部材24はガイド部材23と接触することはない。
【0066】
なお、接合ツール6が被接合部材9の表面に接触する前段階において主軸15をRS方向に移動してガイド受け部材24とガイド部材23とが接触する位置にポジショニングしても良い。
【0067】
入熱ステップにおいては、挿入ステップにおいて接合ツール6を挿入した位置において、接合部が所望の入熱状態となるまで目標回転速度で接合ツール6を回転する。
【0068】
接合ステップにおいては、次のように接合ツール6を進行して接合する。
【0069】
ガイド受け部材24がガイド部材23と接触し、ガイド部材23によりガイド受け部材24を押圧しながら、目標回転速度で回転しながら接合方向に進行する。
【0070】
偏心力は主軸ハウジング17のRS(リトリーティングサイド)でより大きくなるので、通常はこの状態を保持してRSの回転ブレを抑制し、偏心力がRSに大きくなっても横方向の回転ブレを抑制することとなる。
【0071】
つまり、RS(リトリーティングサイド)に偏心力が大きいときはガイド部材23で主軸15の横方向の回転ブレを抑制することで接合ツール6の蛇行を抑制する。この状態を接合ツール6の接合開始位置から接合終了位置まで継続して、接合ステップにおいて回転ブレによる接合ツールの蛇行を抑制する。
【0072】
抜去(引抜)ステップにおいては、接合ステップが終了したら接合ツール6を被接合部材9から引き抜く。
【0073】
以上により、接合ツール6の回転ブレによるRS(リトリーティングサイド)への偏心を抑制し、高精度の接合品質を確保することが可能となる。
【0074】
なお、
図2Bに示すように、被接合部材9を部材クランプ25により載置台10に固定することにより、摩擦攪拌接合時の被接合部材9のズレを防止し、より高精度な摩擦攪拌接合を行うことができる。
【実施例2】
【0075】
図6Aから
図6Cを参照して、本発明の実施例2の摩擦攪拌接合装置について説明する。本実施例は、実施例1で説明したスベリ加工部材26に替えて、ベアリングを用いた実施例である。
【0076】
【0077】
ガイド受け部材24は、ガイド部材23に接触したときに回転するように回転自在な環状体を主軸ハウジング17の外周部を囲むように取り付けて構成されている。ガイド受け部材24及びガイド部材23は、それぞれ接触する部分を平坦加工または曲面加工する。
【0078】
なお、環状体は、主軸ハウジング17に固定して取り付ける部材とベアリングによって接合ツールの接合方向に回転自在な回転部材とで構成する。
【0079】
また、ガイド部材23に当接するベアリングの外周部(進行補助部材27)を交換可能に構成することで、ベアリングの外周部が摩耗した際に、ベアリング全体を交換する必要がないため、コスト的なメリットが得られる。
【0080】
本実施例においても、
図6Cに示すように、主軸ハウジング17に段加工を施し、その段差部分にベアリングを取り付けることも可能である。
【実施例3】
【0081】
図7Aから
図7Cを参照して、本発明の実施例3の摩擦攪拌接合装置について説明する。本実施例は、実施例2で説明したベアリングに替えて、トラックボール型回転体を用いた実施例である。
【0082】
【0083】
ガイド受け部材24は、ガイド部材23に接触したときに回転するように回転自在なトラックボール型回転体を主軸ハウジング17の外周部においてガイド部材23との接触部に少なくとも1つ取り付けて進行補助部材を構成する。
【0084】
ガイド部材23は、トラックボール型回転体と接触する部分を平坦加工または曲面加工する。
【0085】
また、主軸ハウジング17側にトラックボール型回転体を取り付けるのに替えて、ガイド部材23側にトラックボール型回転体を設けることも可能である。ガイド部材23は、ガイド受け部材24に接触したときに回転するようにガイド部材23のガイド受け部材側側面部に回転自在なトラックボール型回転体を少なくとも接合ツール6の接合開始位置から接合終了位置まで所定の間隔で複数個取り付けて進行補助部材を構成する。
【0086】
トラックボール型回転体を取り付ける間隔は、摩擦攪拌接合装置の実運用を開始する前段階において、試験接合などを行って設定する。
【0087】
なお、トラックボール型回転体は、ガイド部材23と当接する位置にあればよく、例えば、2箇所に設置してもよい。主軸ハウジング17の向きを変えずに直角に進行方向を変える場合は、上下左右の4箇所以上に設置するのが望ましく、斜めに進行方向を変える場合は、斜めの進行方向軌跡に合わせた位置にも必要である。
【実施例4】
【0088】
図8を参照して、本発明の実施例4の摩擦攪拌接合装置について説明する。本実施例は、主軸15及び主軸ハウジング17の先端付近をキャップ状のガイド受け部材24で覆い、ガイド部材23と当接する先端付近に、実施例1から3で説明した構成を適用する実施例である。
【0089】
ガイド受け部材24のガイド部材23と当接する部分の消耗が激しいことが想定されるため、主軸15及び主軸ハウジング17の先端付近をキャップ状のガイド受け部材24(進行補助部材27)で覆う構成とすることで、ワンタッチで交換することができる。進行補助部材27は消耗品であるため、ガイド受け部材24に進行補助部材27を取り付けるほうが交換するときに作業性が良い。
【0090】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0091】
1…ロボット型摩擦攪拌接合装置、2…多関節ロボットアーム、2a…台座部、2b…脚部、2c…下腕部、2d…上腕部、2e,2f,2g…手首部、3…Z軸上下動駆動機構部、4…主軸支持部、5…ツールホルダ(接合ヘッド)、6…接合ツール、7…ショルダ部、8…プローブ部(接合ピン)、9,9a,9b…被接合部材、10…載置台、11…制御部(制御装置)、12…架台、13…架台の脚部、14…主軸モータ、15…主軸、16…Z軸上下動駆動モータ、17…主軸ハウジング、18…摩擦攪拌接合ユニット、19…従動側回転体(プーリー)、20…駆動側回転体(プーリー)、21…接合手段(ベルト)、22…ガイド支持部材、23…ガイド部材、24…ガイド受け部材、25…部材クランプ、26…スベリ加工部材、27…進行補助部材、28…トラックボール。
【要約】
【課題】
接合ツールの回転ブレによるRS(リトリーティングサイド)への偏心を抑制し、精度よく接合線に従って接合ツールを進行させることが可能な信頼性の高い摩擦攪拌接合装置を提供する。
【解決手段】
接合ツールを目標回転速度で回転させながら被接合部材に目標深度まで挿入し、前記被接合部材の挿入部およびその近傍を軟化させ、前記接合ツールを進行させて前記被接合部材を固相接合する摩擦攪拌接合装置であって、前記摩擦攪拌接合装置は、前記接合ツールが接合方向に進行しながら前記被接合部材を固相接合する際に、進行補助部材を介して接合ツールの進行を妨げることなく主軸ハウジングのRS(リトリーティングサイド)を押圧して前記接合方向に対して前記主軸ハウジングの横方向の動作範囲を連続的に制限することにより回転ブレによる蛇行を抑制する回転振動抑制機構を備えることを特徴とする。
【選択図】
図2B