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特許7212149機関に燃焼ガスを提供するために液化ガスを蒸発させるアセンブリ
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  • 特許-機関に燃焼ガスを提供するために液化ガスを蒸発させるアセンブリ 図1
  • 特許-機関に燃焼ガスを提供するために液化ガスを蒸発させるアセンブリ 図2
  • 特許-機関に燃焼ガスを提供するために液化ガスを蒸発させるアセンブリ 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-16
(45)【発行日】2023-01-24
(54)【発明の名称】機関に燃焼ガスを提供するために液化ガスを蒸発させるアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F02D 19/02 20060101AFI20230117BHJP
   F02B 43/00 20060101ALI20230117BHJP
   F02M 31/16 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
F02D19/02 Z
F02D19/02 A
F02B43/00 A
F02M31/16 E
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021513326
(86)(22)【出願日】2019-09-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 EP2019074129
(87)【国際公開番号】W WO2020053222
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-04-16
(31)【優先権主張番号】102018007142.2
(32)【優先日】2018-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】202018004185.8
(32)【優先日】2018-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508161827
【氏名又は名称】テーゲーエー、マリン、ガス、エンジニヤリング、ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100124648
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 和夫
(74)【代理人】
【識別番号】100060368
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 迪夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154450
【弁理士】
【氏名又は名称】吉岡 亜紀子
(72)【発明者】
【氏名】ディルマン,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ハムブッカー,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ククク,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ゼーゲルト,アネッテ
【審査官】北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-539053(JP,A)
【文献】国際公開第2017/183510(WO,A1)
【文献】特表2009-522156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 19/02
F02B 43/00
F02M 31/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスタンクを機関と接続する燃焼ガス供給管路(2)と、
前記燃焼ガス供給管路(2)に配置され、かつ前記液化ガス(9)を蒸発させる蒸発器(3)と、
前記蒸発器(3)に連結され、かつそれ自体冷媒循環路(6)に連結されている熱交換器(5)を有し、熱媒体循環路(4)にさらなる熱を送る別の熱伝達装置(7)をさらに有する前記熱媒体循環路(4)と、を備え、前記別の熱伝達装置が高温加熱装置(7)であり、前記高温加熱装置は、前記高温加熱装置への熱供給のために、運転状態において廃熱を生じる集合体と熱伝達接続されている、機関に燃焼ガスを提供するために液化ガスを蒸発させるアセンブリにおいて、
前記熱交換器(5)の一部でもある前記冷媒循環路(6)の部分(51、55、56)と、前記高温加熱装置(7)の加熱要素(52)とは共通の熱媒体空間(35)内に配置され、前記熱媒体空間内を流れる前記熱媒体(10)によって取り囲まれることを特徴とする、アセンブリ。
【請求項2】
前記高温加熱装置(7)は、前記熱媒体(10)の流れ方向で前記熱交換器(5)の後に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記高温加熱装置(7)は、前記熱媒体(10)の流れ方向で前記熱交換器(5)の前に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記熱交換器(5)及び前記高温加熱装置(7)は前記蒸発器(3)の下方に配置されていることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記高温加熱装置(7)は、前記高温加熱装置への熱供給のために冷却水循環路(13)に連結され、前記冷却水循環路には前記集合体も連結されていることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記廃熱の温度は、少なくとも20℃、好ましくは少なくとも30℃、特に好ましくは少なくとも35℃であることを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記高温加熱装置(7)は、前記燃焼ガス(9a)が前記機関のために必要な最終温度で前記蒸発器(3)から流出するように前記熱媒体(10)を加熱するよう設計されていることを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記冷媒循環路(6)に空調設備が連結されていることを特徴とする、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記集合体は、発電機を駆動するための内燃機関であることを特徴とする、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記機関が船舶用機関であることを特徴とする、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
請求項1~請求項10のいずれか1項に記載のアセンブリを備える船舶。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の、機関に燃焼ガスを提供するために液化ガスを蒸発させるアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のアセンブリは、独国特許出願公開第102014219501号明細書から知られている。国際公開第2007/074210号には、海水などの低温レベルの熱源と熱交換接続されている熱交換器を第2の熱交換器として有するアセンブリが開示され、蒸発器の次に、燃焼ガスとも呼ばれる蒸発した液化ガスが機関に入る前に、ガス過熱器によって機関のために必要な最終温度に暖められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】独国特許出願公開第102014219501号明細書
【文献】国際公開第2007/074210号
【発明の概要】
【0004】
本発明の課題は、燃焼ガスを機関のために必要な温度に暖めるためのコストを低減することである。
【0005】
本発明によれば、上記課題は属性的に対応するアセンブリにおいて請求項1の特徴部の特徴によって解決される。
【0006】
本発明による措置によって、燃焼ガスを機関のために必要な最終温度に極めて経済的に暖めることができる。熱媒体が蒸発器に入る前に高温加熱装置を通り抜け、高温加熱装置がこの高温加熱装置に連結された集合体からの廃熱によって熱媒体を加熱することによって、熱媒体が比較的高い温度で蒸発器に入り、それによって、蒸発した液化ガスもまた高い温度に暖められ、それにより蒸発器より後では、機関のために必要な最終温度への最後の暖めのためになお必要なエネルギーが少なくなる。その一方で、いずれにしても存在する廃熱を利用することによって、高温加熱装置のための熱エネルギーを付加的に生成する必要がないと同時に、集合体の冷却システムを最後の冷却用にだけ設計すればよいため集合体の冷却が簡素化される。さらに、海水は非常に攻撃的であることから、従来技術において提案された海水の熱を利用することの代わりに集合体で生じる廃熱を利用することによって、使用されるべき材料に課せられる要求が著しく低減される。従来技術では海水又は海洋水抵抗の特殊材料、例えば、チタン合金などの特に高価値の特別鋼を使用しなければならないのに対して、本発明による解決策では、集合体と高温加熱装置との間に熱伝達接続を確立するために普通の特殊鋼で十分である。このように、いずれにしても存在する廃熱を統合することによって、熱媒体が従来技術に対して格段に高められた熱媒体温度に暖められるだけでなく、それに伴い、燃焼ガスを機関のために必要な温度に暖めるための、ガス過熱器などのための付加的エネルギーの総必要量が著しく低減される。同時に、集合体の冷却のためのコストも低減され、使用されるべき材料に課せられる要求が低減される。本発明によれば、熱交換器の一部でもある冷媒循環路の部分と高温加熱装置の加熱要素とが共通の熱媒体空間内に配置され、熱媒体空間内を流れる熱媒体によって取り囲まれる。これらの措置によって、本発明の構造的に簡単、かつ安価な形成物とすることができる。
【0007】
高温加熱装置は、熱媒体の流れ方向で(第1)熱交換器の後又は前に配置され得る。
【0008】
本発明の有利な一発展形態では、熱交換器と高温加熱装置が蒸発器の下方に配置されている。これらの措置によって熱交換器の自然循環を達成することができる。なぜなら暖められた熱媒体は、ひとりでに上に向かって蒸発器内に流れ、冷やされた熱媒体はひとりでに蒸発器から下に向かって流れるからである。
【0009】
高温加熱装置は、この高温加熱装置への熱供給のために冷却水循環路に連結され、この冷却水循環路には集合体も連結されていることが好ましい。このことによって、比較的簡単な構造で集合体の廃熱を高温加熱装置に送ることができ、冷やされた冷却水を再び集合体に供給することができる。これに加えて、冷却水は海水よりはるかに攻撃性が低いので、ここで極めて安価な鋼を使用することができる。
【0010】
廃熱の温度が少なくとも20℃、好ましくは少なくとも30℃、特に好ましくは少なくとも35℃であることが有利である。この温度で熱媒体をある温度に暖めることができ、暖められた温度で、熱媒体自体が燃焼ガスの蒸発器において機関のために必要な燃焼ガスの最終温度に比較的近い温度に暖まる。
【0011】
本発明の別の有利な一実施形態では、高温加熱装置は、燃焼ガスが機関のために必要な最終温度で蒸発器から流出するように熱媒体を加熱するよう設計されている。この場合、燃焼ガスは機関のために必要な最終温度をすでに有しているので、蒸発器より後に最後の暖めをする必要がない。
【0012】
冷媒循環路に空調設備が連結されていることが好ましい。この措置によって、空調設備のための冷媒を安価に冷やすことができる。
【0013】
集合体は、例えばディーゼル機械など、発電機を駆動するための内燃機関であることが好ましい。この種の内燃機関、特にディーゼル機械の冷却水循環路の温度は、20℃~95℃の範囲であり得、それにより十分に高い温度の廃熱を高温加熱装置に供給することができる。
【0014】
殊に、機関は船舶用機関である。特に、本発明によるアセンブリは客船のために有利である。この種の船舶は電気を生成するために多くの発電機を必要とし、そのため大量の廃熱が生じる。
【0015】
本発明によるアセンブリを備える船舶も本発明に属する。
【0016】
以下、図面を用いて本発明について例示的にさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1は、本発明によるアセンブリの第1実施形態の流れ図である。
図2は、本発明によるアセンブリの第2実施形態の縦断面図である。
図3は、本発明によるアセンブリの第3実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明によるアセンブリ1の図に示される実施例は、燃焼ガス供給管路2と、蒸発器3と、熱媒体循環路4と、熱交換器5と、冷媒循環路6と、高温加熱装置7と、高温加熱装置7から(図示されない)集合体への熱伝達接続8と、を有する。
【0019】
図1に示されるように、液化ガス9は蒸発器3に流入し、燃焼ガス9aとも呼ばれる蒸発状態のガスとして蒸発器から流出する。燃焼ガス9aは(図示されない)機関に流入する前に、(同様に図示されない)ガス過熱器において機関のために必要な最終温度に加熱される。
【0020】
蒸発器3は熱媒体循環路4に連結され、この熱媒体循環路は、熱媒体10の流れ方向にまず熱交換機5を有し、熱交換器自体は冷媒循環路6に連結されている。
【0021】
冷媒循環路6にもまた、例えば空調設備が連結され得るか、又は例えば食品庫など冷涼に保たれる必要のある装置が連結され得る。
【0022】
熱交換器5において、蒸発器3から来る冷やされた熱媒体10が、空調設備及び/又は冷却装置から来る暖められた冷媒11に冷気を放出し、それによって第1段階で暖められる。
【0023】
本願の範囲内で、集合体状態の変化が、例えば5℃の狭い温度範囲内でしか生じないとしても、熱媒体10の冷えは熱媒体の凝縮とも解され、熱媒体10の暖まりは熱媒体の蒸発とも解される。
【0024】
熱媒体10の流れ方向で、この熱交換器5の後に高温加熱装置7が配置され、この高温加熱装置自体は、廃熱を生じる(図示されない)集合体に連結されていて、集合体は高温加熱装置7と熱伝達接続8されている。集合体は、例えば発電機を駆動するディーゼル機械であり得る。ディーゼル機械の冷却水12は、回路13において高温加熱装置7を介して導かれ、その際、ディーゼル機械から来る冷却水12の温度は少なくとも20℃、好ましくは30℃、特に好ましくは通常35℃~45℃である。
【0025】
図2及び図3は、本発明によるアセンブリの2つの可能な構造形成物20、60を模式的に示す。
【0026】
2つの構造形成物20、60において、蒸発器3は熱交換装置21の上方に配置され、熱媒体循環路4を介してこの熱交換装置21と熱伝達接続されている。
【0027】
図2に示されるように、蒸発器3は、水平方向に細長く形成された蒸発器熱媒体空間22を有し、蒸発器外殻23によって周方向に包囲され、かつ長手方向両端で、蒸発器外殻23と密に溶接された蒸発器分離プレート24、25によって画定されている。
【0028】
図2の左側において、蒸発器分離プレート24は、液化ガス9が流入する液化ガス流入パイプ27を有する液化ガス流入カバー26で覆われている。
【0029】
図2の右側において、蒸発器分離プレート25は、燃焼ガス流出パイプ29を有する燃焼ガス流出カバー28で覆われ、燃焼ガス9aと呼ばれる蒸発した液化ガスがこの燃焼ガス流出パイプから流出する。
【0030】
蒸発器熱媒体空間22内には導管30が配置され、この導管の入口端部31が入口側の蒸発器分離プレート24を通り抜けて液化ガス流入カバー26に開口する。この導管30の出口端部32は、出口側の蒸発器分離プレート25を通り抜けて燃焼ガス流出カバー28に開口する。
【0031】
蒸発器熱媒体空間22内で、導管30が流れる熱媒体10によって取り囲まれる。
【0032】
導管30(又は管束)の代わりに別の、例えば積層プレートなどの熱交換要素を用いることもできる。
【0033】
これに加えて、蒸発器熱媒体空間22は、その上面上に熱媒体10のための充填パイプ33と排気パイプ34とを有する。
【0034】
熱交換装置21は、同様に、水平方向に細長く形成された熱媒体空間35を有し、外殻36によって周方向に包囲され、かつ長手方向両端で、外殻36と密に溶接された分離プレート37、38によって画定されている。
【0035】
分離プレート37、38は、それぞれカバー39、40で覆われ、これらのカバーのそれぞれの内部空間もまた水平プレート41、42によって2つのチャンバ43、44、45、46に分離されている。
【0036】
図2の左側において、これは冷媒循環路6からの冷媒11のための流入チャンバ及び流出チャンバ43、44である。
【0037】
図2の右側において、これは冷却水循環路13からの冷却水12のための流入チャンバ及び流出チャンバ45、46である。
【0038】
冷却水流入チャンバ45を覆うカバー部分は、冷却水供給部に連結するための冷却水流入パイプ49を有する。
【0039】
冷却水出口チャンバ46を覆うカバー部分は、冷却水排出管路に連結可能な冷却水流出パイプ50を有する。
【0040】
同様に、冷媒流入チャンバ43及び冷媒流出チャンバ44を覆うカバー39も、冷媒供給管路に連結可能な冷媒流入パイプ47及び冷媒排出管路に連結可能な冷媒流出パイプ48を有する。
【0041】
熱交換装置21の熱媒体空間35内には、冷媒循環路6の冷媒管51と、高温加熱装置7の加熱管52、すなわち冷却水循環路13の冷却水管とが配置され、かつ熱媒体空間内を流れる熱媒体10によって取り囲まれる。冷却水循環路13は、例えばディーゼル機械の冷却水循環路であり得、ディーゼル機械の廃熱を、加熱管52を介して熱媒体10に供給することができる。
【0042】
加熱管52は、冷却水側の分離プレート38を通り抜け、かつそれぞれ冷却水流入チャンバ45及び冷却水流出チャンバ46に通じる冷却水流入管53及び冷却水流出管54に連結されている。
【0043】
同様に、冷媒管51は、冷媒側の分離プレート37を通り抜け、かつそれぞれ冷媒流入チャンバ43及び冷媒流出チャンバ44に通じる冷媒流入管55及び冷媒流出管56に連結されている。
【0044】
蒸発器3における導管30の場合のように、冷却水流入管53及び冷却水流出管54を含めた加熱管52(又は相応の管束)の場合も、あるいは冷媒流入管55及び冷媒流出管56を含めた冷媒管51(又は相応の管束)の場合も、例えばそれぞれ積層プレートなどの他の熱交換要素を用いることができる。
【0045】
熱交換装置21は、その下面に熱媒体抜きパイプ57を有する。
【0046】
蒸発器熱媒体空間22は、冷媒管51と加熱管52に共通の熱交換装置21の熱媒体空間35と熱媒体循環路4において接続されている。その際、暖められた熱媒体10aが蒸発器熱媒体空間22に供給され、この熱媒体によって液化ガス9が蒸発させられ、蒸発した後、冷やされた熱媒体10bが蒸発器熱媒体空間22から熱交換装置21の共通の熱媒体空間35に供給される。冷やされた熱媒体は凝縮されてもよい。
【0047】
その際、図2に示される実施形態では、熱交換装置21の熱媒体空間35の上面58と、蒸発器熱媒体空間22の下面59とが熱媒体循環路4において互いに接続され、それにより暖められた熱媒体10aが熱交換装置21の上面58から蒸発器3の下面59に、及び冷やされた熱媒体10bが蒸発器3の下面59から熱交換装置21の上面58に供給される。
【0048】
図2に示された実施例では、冷やされた熱媒体10bは、熱交換装置21の、冷却水循環路13に連結されている側で、この熱交換装置に流入し、暖められた熱媒体10aは熱交換装置21の、冷媒循環路6に連結されている側で、この熱交換装置から流出する。したがって、この実施例では、高温加熱装置7は、熱媒体10の流れ方向で熱交換器5の前に配置されている。
【0049】
図3に示される実施形態では、熱交換装置21の熱媒体空間35の上面58が蒸発器熱媒体空間22の上面61と接続され、蒸発器熱媒体空間22の下面59が熱交換装置21の熱媒体空間35の下面62と接続され、それにより暖められた熱媒体10aが熱交換装置21の上面58から蒸発器3の上面61に供給され、冷やされた熱媒体10bは、蒸発器3の下面59から熱交換装置21の下面62に供給される。
【0050】
その他の点で、図3に示される蒸発器3及び熱交換装置21は図2に図示される蒸発器3及び熱交換装置21と同一である。
【0051】
この場合も、それぞれ図示された熱媒体10の流れ方向の高温加熱装置7及び熱交換器5の順序を逆にすることができる。
【0052】
図2及び図3に示される実施形態では、熱交換器5及び高温加熱装置7又は共通の熱媒体空間35が蒸発器3の下方に配置されている。暖められた熱媒体10aは、ひとりでに蒸発器3へと上昇し、冷やされた熱媒体10bは、ひとりでに蒸発器3から下へ下降し、それにより熱媒体10が自然循環で循環する。

図1
図2
図3