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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-17
(45)【発行日】2023-01-25
(54)【発明の名称】吐出装置および吐出方法
(51)【国際特許分類】
   B05B 9/04 20060101AFI20230118BHJP
   B05B 17/00 20060101ALI20230118BHJP
   B65D 83/14 20060101ALI20230118BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
B05B9/04
B05B17/00
B65D83/14 200
B64C39/02
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022558459
(86)(22)【出願日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 JP2022002884
(87)【国際公開番号】W WO2022163696
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2022-09-27
(31)【優先権主張番号】P 2021010667
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小南 敦嗣
(72)【発明者】
【氏名】荒木 宗司
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/184166(WO,A1)
【文献】特開2017-29066(JP,A)
【文献】特開平7-315461(JP,A)
【文献】特開2015-163658(JP,A)
【文献】特開2003-154294(JP,A)
【文献】特開平9-86499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00-17/08
B05D 1/00-7/26
B65D 83/14-83/74
B64C 39/00-39/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール容器の吐出装置であって、
第1エアゾール容器の第1内容物が供給される第1供給部と、
前記第1エアゾール容器と異なる第2エアゾール容器の第2内容物を吐出するための吐出部と、
前記第2内容物が注入され、前記第1供給部と前記吐出部との間に接続される第2供給部と
を備え、
前記第1内容物の供給によって、前記第1供給部の内圧を前記第2供給部の内圧よりも高くすることにより、前記第2供給部に注入された前記第2内容物を前記吐出部から吐出する
吐出装置。
【請求項2】
前記第1エアゾール容器と前記第1供給部とを連結するための第1連結部を備え、
前記第2エアゾール容器と前記第2供給部とを連結するための第2連結部を備え、
前記第2連結部は、前記第2供給部の前記第1供給部側から前記吐出部側に向けて、前記第2内容物を前記第2供給部に注入する
請求項1に記載の吐出装置。
【請求項3】
前記第1供給部から前記第1連結部への前記第1内容物の逆流を防ぐ第1バルブを備える
請求項2に記載の吐出装置。
【請求項4】
前記第2供給部から前記第2連結部への前記第2内容物の逆流を防ぐ第2バルブを備える
請求項2または3に記載の吐出装置。
【請求項5】
前記第2供給部および前記第2連結部は、前記第1供給部から取り外し可能である
請求項2から4のいずれか一項に記載の吐出装置。
【請求項6】
前記第1供給部の内容積は、前記第2供給部の内容積よりも大きい
請求項1から5のいずれか一項に記載の吐出装置。
【請求項7】
前記第1供給部の断面積は、前記第2供給部の断面積よりも大きい
請求項1から6のいずれか一項に記載の吐出装置。
【請求項8】
前記第1供給部は、前記第1内容物を気化するための気化室である
請求項1から7のいずれか一項に記載の吐出装置。
【請求項9】
前記第1供給部の温度を調整するための温度調整部を備える
請求項1から8のいずれか一項に記載の吐出装置。
【請求項10】
前記第1供給部において、前記第1内容物に点火するための点火部を備える
請求項1から9のいずれか一項に記載の吐出装置。
【請求項11】
前記第1供給部において、前記第1内容物に酸素を供給するための酸素供給部を備える
請求項1から10のいずれか一項に記載の吐出装置。
【請求項12】
前記第1エアゾール容器から前記第1内容物を吐出するための第1吐出駆動部と、
前記第2エアゾール容器から前記第2内容物を吐出するための第2吐出駆動部と
を備える請求項1から11のいずれか一項に記載の吐出装置。
【請求項13】
前記第1吐出駆動部および前記第2吐出駆動部に連結された駆動機構を備え、
前記第1吐出駆動部および前記第2吐出駆動部は、互いに異なるタイミングで内容物を吐出させる
請求項12に記載の吐出装置。
【請求項14】
前記第1吐出駆動部は、前記第2吐出駆動部が前記第2内容物を吐出させた後に、前記第1内容物を吐出させる
請求項12または13に記載の吐出装置。
【請求項15】
前記第1エアゾール容器および前記第2エアゾール容器は、それぞれ交換可能である
請求項1から14のいずれか一項に記載の吐出装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の吐出装置を搭載した無人航空機。
【請求項17】
第1内容物を収容し、第1供給部と接続される第1エアゾール容器を提供する段階と、
前記第1内容物と異なる第2内容物を収容し、前記第1供給部と吐出部との間に設けられた第2供給部に接続される第2エアゾール容器を提供する段階と、
前記第2内容物を前記第2供給部に注入する段階と、
前記第1内容物を前記第1供給部に供給する段階と、
前記第1内容物によって、前記第1供給部の内圧を前記第2供給部の内圧よりも高くすることにより、前記第2供給部に注入された前記第2内容物を前記吐出部から吐出する段階と、
を備える吐出方法。
【請求項18】
前記第1内容物を前記第1供給部に供給する段階は、前記第1エアゾール容器に収容された液化ガスを前記第1供給部に供給する段階を含む
請求項17に記載の吐出方法。
【請求項19】
前記第1内容物を前記第1供給部に供給する段階は、前記第2内容物を前記第2供給部に注入する段階の後に実行される
請求項17または18に記載の吐出方法。
【請求項20】
前記第2内容物を前記第2供給部に注入している間に、前記第1内容物の前記第1供給部への供給を開始する段階を備える
請求項17または18に記載の吐出方法。
【請求項21】
第1吐出駆動部により前記第1エアゾール容器から前記第1内容物を吐出させる段階と、第2吐出駆動部により前記第2エアゾール容器から前記第2内容物を吐出させる段階とを繰り返すことにより、前記第2内容物を前記吐出部から間欠的に吐出する段階を備える
請求項17から20のいずれか一項に記載の吐出方法。
【請求項22】
前記第2内容物を前記吐出部から吐出する段階は、無人航空機による無人飛行中に実行される
請求項17から21のいずれか一項に記載の吐出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出装置および吐出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内容物を収容したエアゾール容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 特開2019-214417号公報
【解決しようとする課題】
【0003】
従来のエアゾール容器は、液化ガスや圧縮ガスからなる噴射剤と、塗料または殺虫剤などの、吐出の主対象たる内容物を同一容器内に封入している。エアゾール容器は内容物の吐出による消費に伴い、液化ガスの減少または、圧縮ガスの膨張によって、容器内の圧力が低下するため、吐出圧力を一定に保つ事が出来ない。また、噴射剤のガス成分が内容物に溶解している場合、エアゾール容器から内容物を吐出すると、液化していたガス成分が気化することで内容物が霧状となり、内容物が飛翔中に拡散してしまうため、飛距離と命中精度が悪化するという課題がある。
【一般的開示】
【0004】
本発明の第1の態様においては、エアゾール容器の吐出装置であって、第1エアゾール容器の第1内容物が供給される第1供給部と、第1エアゾール容器と異なる第2エアゾール容器の第2内容物を吐出するための吐出部と、第2内容物が注入され、第1供給部と吐出部との間に接続される第2供給部とを備え、第1内容物の供給によって、第1供給部の内圧を第2供給部の内圧よりも高くすることにより、第2供給部に注入された第2内容物を吐出部から吐出する吐出装置を提供する。
【0005】
本発明の第2の態様においては、第1内容物を収容し、第1供給部と接続される第1エアゾール容器を提供する段階と、第1内容物と異なる第2内容物を収容し、第1供給部と吐出部との間に設けられた第2供給部に接続される第2エアゾール容器を提供する段階と、第2内容物を第2供給部に注入する段階と、第1内容物を第1供給部に供給する段階と、第1内容物によって、第1供給部の内圧を第2供給部の内圧よりも高くすることにより、第2供給部に注入された第2内容物を吐出部から吐出する段階と、を備える吐出方法を提供する。
【0006】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】吐出装置100の構成の一例を示す。
図1B】吐出装置100の動作を示すフローチャートの一例である。
図2A】ステップS200における吐出装置100の動作の一例を示す。
図2B】ステップS400における吐出装置100の動作の一例を示す。
図3A】吐出装置100の構成の変形例を示す。
図3B】吐出装置100の構成の変形例を示す。
図3C】吐出装置100の構成の変形例を示す。
図4】吐出装置100の構成の変形例を示す。
図5A】吐出装置100の構成の変形例を示す。
図5B】吐出装置100の構成の変形例を示す。
図6A】吐出装置100の駆動状態を説明するための図である。
図6B】吐出装置100の駆動状態を示すタイミングチャートである。
図7】吐出装置100を搭載した無人航空機200の構成の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1Aは、吐出装置100の構成の一例を示す。吐出装置100は、第1供給部10と、第2供給部20と、収容部30と、吐出部40とを備える。吐出装置100は、収容部30に収容されたエアゾール容器150の内容物を吐出する。本例の収容部30は、エアゾール容器150aおよびエアゾール容器150bの2つのエアゾール容器を収容している。
【0010】
エアゾール容器150aは、第1内容物12を充填しており、圧力源として機能する。第1内容物12は、液化ガスまたは圧縮ガスであってよい。エアゾール容器150aは、第1内容物12を充填した第1エアゾール容器の一例である。本例のエアゾール容器150aおよびエアゾール容器150bは、金属製のエアゾール缶であるが、耐圧性を有するプラスチック容器であってもよい。第1内容物12および第2内容物22については後述する。
【0011】
エアゾール容器150bは、第1内容物12と異なる第2内容物22を充填した第2エアゾール容器の一例である。エアゾール容器150bは、内部に充填された液化ガスまたは圧縮ガスのガス圧によって、液体などの第2内容物22を噴出する。エアゾール容器150bの噴射剤は、第2内容物22に溶け込まない液化ガスであってよい。また、エアゾール容器150bは、内袋の内部に内容物を収容し、内袋の外部に噴射剤を収容したBOV(Bag on Valve)方式であってもよい。例えば、エアゾール容器150bは、噴射剤として代替フロンを収容し、第2内容物22として塗料を収容する。
【0012】
なお、第1内容物12、および、第2内容物22の噴射剤としては、一般的にエアゾール製品に使用されている既知のガスを使用することができる。液化ガスとして、例えばプロパン、ブタン、ペンタン、またはこれらを含む液化石油ガス、ジメチルエーテル、ハイドロフルオロオレフィン、ハイドロフルオロカーボンなどがあり、これらの複数種を混合して用いてもよい。また、圧縮ガスとして、例えば、窒素、炭酸ガス、圧縮空気、酸素、ヘリウム、亜酸化窒素などがあり、これらの複数種を混合して用いてもよい。
【0013】
第1供給部10は、エアゾール容器150aから供給された第1内容物12を気化するための気化室として機能する。第1供給部10は、第1内容物12を気化するために十分な大きさの容積を有する。第1供給部10は、第1内容物12の気化によって内圧が高められる。本例の第1供給部10の形状は、円筒形であるがこれに限定されない。吐出装置100は、複数の第1供給部10を備えてもよい。複数の第1供給部10は、1本のエアゾール容器150aと接続されてよい。複数の第1供給部10を設けることで第1供給部10の表面積が増え、熱交換が行なわれやすくなることで、第1内容物12が気化しやすくなる。
【0014】
第1連結部14は、エアゾール容器150aと第1供給部10とを連結する。本例の第1連結部14は、収容部30を貫通して、収容部30の内部と外部とを連結している。なお、第1連結部14の形状は、エアゾール容器150aと第1供給部10とを連結するものであれば本例に限定されない。
【0015】
第2供給部20は、エアゾール容器150bと接続されている。第2供給部20には、第2内容物22が注入される。また、第2供給部20は、第1供給部10と吐出部40との間に接続される。第2供給部20に注入された第2内容物22は、第1供給部10で気化された第1内容物12によって、吐出部40から吐出される。本例の第2供給部20の形状は、円筒形であるがこれに限定されない。吐出装置100は、複数の第2供給部20を備えてもよい。
【0016】
第2連結部24は、エアゾール容器150bと第2供給部20とを連結する。第2連結部24は、第2供給部20の第1供給部10側から吐出部40側に向けて、第2内容物22を第2供給部20に注入する。吐出装置100は、複数の第2連結部24を備えてもよい。本例の第2連結部24は、互いに連結された第2連結部24a、第2連結部24bおよび第2連結部24cを含む。
【0017】
第2連結部24aは、収容部30を貫通して、収容部30の内部と外部とを連結している。第2連結部24bは、第2連結部24aから真っ直ぐに延伸して設けられる。第2連結部24cは、第2連結部24bから第2供給部20の内部に向けて延伸して設けられる。第2連結部24cは、第2供給部20において、第1供給部10よりも吐出部40と近接して連結されてよい。また、第2連結部24cは、吐出部40側に第2内容物22が注入されるように、鋭角をなすように第2供給部20と連結されてよい。これにより、第2内容物22の第1供給部10への逆流を回避することができる。
【0018】
吐出部40は、エアゾール容器150bの第2内容物22を吐出する。吐出部40は、エアゾール容器150aおよびエアゾール容器150bの両方と接続されている。吐出部40は、第1内容物12の圧力によって、第2内容物22を吐出する。吐出部40は、内容物を吐出するためのノズルの一例である。吐出部40は、エアゾール容器150の内容物を吐出するための吐出口を有する。
【0019】
ここで、第1供給部10および第2供給部20の形状は、エアゾール容器150の内容物および要求される吐出装置100の特性に応じて、適宜変更されてよい。一例において、第1供給部10の内容積は、第2供給部20の内容積よりも大きくてよい。第1供給部10の内容積をより大きくすることにより、エアゾール容器150aから吐出された第1内容物12が気化しやすくなる。YZ平面における第1供給部10の断面積を大きくしてもよいし、X軸方向の長さを長くしてもよい。
【0020】
第1供給部10の断面積は、第2供給部20の断面積よりも大きくてよい。第1供給部10の断面積をより大きくすることで、エアゾール容器150aから吐出された第1内容物12が気化しやすくなる。また、第2供給部20の断面積をより小さくすることで、第1供給部10からの内圧によって第2内容物22を吐出しやすくなる。一例において、第2供給部20の断面積をより小さくすることで、第2供給部へ第2内容物22を供給する際に気泡の発生を防止する事ができ、滑らかな吐出が可能となる。
【0021】
吐出駆動部90は、エアゾール容器150から内容物を吐出させるための駆動力を供給する。本例の吐出駆動部90は、エアゾール容器150の底側からステム側に向けて(即ち、X軸方向の負側から正側に向けて)駆動力を発生させる。本例の吐出駆動部90は、収容部30に収納されている。吐出駆動部90は、カム91と、カムフォロワ92と、可動部93と、カム連結部94とを有する。
【0022】
吐出駆動部90aは、エアゾール容器150aから第1内容物12を吐出させる。吐出駆動部90aは、第1吐出駆動部の一例である。本例の吐出駆動部90aは、カム91aと、カムフォロワ92aと、可動部93aと、カム連結部94aを有する。
【0023】
吐出駆動部90bは、エアゾール容器150bから第2内容物22を吐出させる。吐出駆動部90bは、第2吐出駆動部の一例である。吐出駆動部90bは、カム91bと、カムフォロワ92bと、可動部93bと、カム連結部94bを有する。
【0024】
吐出駆動部90aおよび吐出駆動部90bは、それぞれが独立して駆動してよい。一例において、吐出駆動部90aおよび吐出駆動部90bは、互いに異なるタイミングで内容物を吐出させる。例えば、吐出駆動部90aによってエアゾール容器150aから第1内容物12を吐出する期間において、吐出駆動部90bによってエアゾール容器150bから第2内容物22を吐出させなくてよい。一方、吐出駆動部90aによってエアゾール容器150aから第1内容物12を吐出させない期間において、吐出駆動部90bによってエアゾール容器150bから第2内容物22を吐出させてよい。
【0025】
また、吐出駆動部90aは、吐出駆動部90bが第2内容物22を吐出させた後に、第1内容物12を吐出させてよい。エアゾール容器150aおよびエアゾール容器150bによる吐出を繰り返してもよい。そして、エアゾール容器150aおよびエアゾール容器150bが吐出する期間は重複していてもよい。
【0026】
なお、吐出駆動部90aおよび吐出駆動部90bは、一部の構成を共通に備えてよい。吐出駆動部90aおよび吐出駆動部90bは、共通の可動部93を備えてもよいし、共通のカム連結部94を備えてもよい。
【0027】
カム91は、カム連結部94と連結されたモータ等の駆動源によって回転駆動される。カム91は、回転中心から外周までの距離が異なる構造を有する。カム91は、外周において、カムフォロワ92と接触している。カム91の形状に応じてカムフォロワ92の位置が変化することで、エアゾール容器150のバルブの開閉を制御することができる。なお、本例のカム91の形状は、誇張されて図示されている。
【0028】
カムフォロワ92は、カム91と可動部93との間に設けられる。カムフォロワ92は、カム91および可動部93に接続され、カム91の回転運動を可動部93に直線運動として伝達する。カムフォロワ92は、カム91の回転中心から外周までの距離の違いに応じて直線運動する。
【0029】
可動部93は、エアゾール容器150の底面と接して設けられ、エアゾール容器150のバルブの開閉を制御する。可動部93は、カムフォロワ92によってX軸方向に前後する。例えば、カム91の回転中心と、カムフォロワ92が当接するカム91の接触領域との距離が短い場合、可動部93がエアゾール容器150に対して後退し、エアゾール容器150のバルブが閉じる。一方、カム91の回転中心と、カムフォロワ92が当接するカム91の接触領域との距離が長い場合、可動部93がエアゾール容器150に対して前進し、エアゾール容器150のバルブが開く。
【0030】
カム連結部94は、カム91と連結されて、カム91を予め定められた方向に回転させる。本例の吐出装置100は、カム91aに連結されたカム連結部94aと、カム91bに連結されたカム連結部94bとを含む。カム91aおよびカム91bは、共通のカム連結部94に連結されることにより、予め定められたタイミングで連動して駆動してもよい。
【0031】
なお、吐出駆動部90は、モータの回転運動をカム機構によって直線運動に変換する構成を有するが、カム機構に限定されない。例えば、吐出駆動部90の機構は、ねじ送り機構、ラックアンドピニオン等、モータの回転運動を直線運動に変換する機構であればよい。また、駆動源としては、回転モータではなく、直線駆動用のリニアモータ、またはエアシリンダと電磁ソレノイド等を備えてよい。
【0032】
本例の吐出装置100は、圧力源となるエアゾール容器150aと、液体源側となるエアゾール容器150bとを分けて搭載している。そして、吐出装置100は、第1内容物12の供給によって、第1供給部10の内圧を第2供給部20の内圧よりも高くすることにより、第2供給部20に注入された第2内容物22を吐出部40から吐出する。
【0033】
これにより、吐出装置100は、エアゾール容器150aとエアゾール容器150bをそれぞれ交換できる。即ち、残量が少なくなったエアゾール容器のみを個別に交換することができる。例えば、圧力源となるエアゾール容器150aを消費に伴い交換することができるので、吐出時の圧力を一定に維持しやすくなる。さらに、本例の吐出装置100は、液体源側であるエアゾール容器150bを高圧にする必要がないので、エアゾール容器150b内に充填する噴射剤を削減し、第2内容物22の充填量を増やすことができる。
【0034】
また、吐出装置100は、第2内容物22が液化ガスと相溶する物質の場合においても、第1内容物12は気化した後に第2内容物22と触れるので、第2内容物22への溶解は極めて限定的となり、第2内容物22の物性の変化を抑える事ができる。加えて、第2内容物22中に液化ガスが溶解した場合、大気圧下では液化ガスが急速に気化するので、第2内容物22は霧状となってしまうが、本例の吐出装置100では霧状となることを回避して、第2内容物22を液状のまま飛ばすことにより、第2内容物22の飛距離を伸ばすことができる。
【0035】
図1Bは、吐出装置100の動作を示すフローチャートの一例である。ステップS100において、エアゾール容器150aおよびエアゾール容器150bを提供する。ステップS200において、第2内容物22を第2供給部20に注入する。
【0036】
ステップS300において、第1内容物12を第1供給部10に供給する。例えば、ステップS300は、エアゾール容器150aに収容された液化ガスを第1供給部10に供給する段階を含んでよい。ステップS300の第1内容物12を第1供給部10に供給する段階は、ステップS200の第2内容物22を第2供給部20に注入する段階の後に実行されてよい。
【0037】
ステップS400において、第2内容物22を吐出部40から吐出する。ステップS400では、第1内容物12によって、第1供給部10の内圧を第2供給部20の内圧よりも高くすることにより、第2供給部20に注入された第2内容物22を吐出部40から吐出する。
【0038】
なお、吐出装置100は、ステップS200~ステップS400を繰り返し実施してもよい。即ち、吐出装置100は、吐出駆動部90bによりエアゾール容器150bから第2内容物22を吐出させるステップS200と、吐出駆動部90aによりエアゾール容器150aから第1内容物12を吐出させるステップS300とを繰り返すことにより、第2内容物22を吐出部40から間欠的に吐出してよい。
【0039】
図2Aは、ステップS200における吐出装置100の動作の一例を示す。本例の吐出装置100は、第2連結部24から第2内容物22を第2供給部20に注入している。本例では、エアゾール容器150bから吐出された第2内容物22が、第2連結部24を介して、第2供給部20に注入されている。
【0040】
第2内容物22は、第1内容物12による内圧が逃げないように、第2供給部20の内部を埋めて注入されてよい。第2内容物22は、第1供給部10へ逆流しないように、第1供給部10と離間した位置に注入されてよい。また、第2内容物22は、吐出部40から液漏れしないように、吐出部40と離間した位置に注入されてよい。
【0041】
距離Lfは、X軸方向において、第2供給部20と第2連結部24との連結位置から、吐出部40までの距離を示す。距離Lbは、X軸方向において、第2供給部20と第2連結部24との連結位置から、第1供給部10までの距離を示す。本例では、距離Lfおよび距離Lbが、第2内容物22の材料および第2供給部20の構造等に応じて、予め定められた大きさ以上となるようにそれぞれ設定される。距離Lfは、距離Lbよりも大きくてよい。
【0042】
なお、第2供給部20および第2連結部24は、第1供給部10から取り外し可能であってよい。これにより、第2内容物22で汚染された第2供給部20および第2連結部24を容易に交換できる。また、第2内容物22に応じて適切な構造の第2供給部20および第2連結部24が選択されてよい。
【0043】
図2Bは、ステップS400における吐出装置100の動作の一例を示す。第1供給部10に第1内容物12が供給されると、吐出部40から第2内容物22が吐出される。本例の吐出装置100は、圧力源である第1内容物12によって、第2供給部20に注入された第2内容物22を吐出する。これにより、気化された第1内容物12で第2供給部20の内部が置換されて、第2供給部20における第2内容物22の残留が少なくなる。したがって、吐出部40の先端の液だれを回避しやすくなる。
【0044】
なお、吐出装置100は、第2内容物22を第2供給部20に注入している間に、第1内容物12の第1供給部10への供給を開始してよい。これにより、第2内容物22が第2供給部20に注入されている間に圧力を加え始めることができ、第2内容物22が第1供給部10側へ流れ込むのを防止できる。
【0045】
図3Aは、吐出装置100の構成の変形例を示す。本例の吐出装置100は、温度調整部81を備える。
【0046】
温度調整部81は、第1供給部10に設けられ、第1供給部10内の温度を調整する。温度調整部81は、第1供給部10の温度を調整することにより、第1供給部10における第1内容物12の気化を促進する。温度調整部81は、第1供給部10内の温度が一定となるように調整してもよいし、第1供給部10内の温度が予め定められた範囲に保持されるように調整してもよい。例えば、温度調整部81は、第1供給部10内の温度を温めるためのヒータである。本例の温度調整部81は、第1供給部10の内部に設けられ、第1内容物12を直接温めるが、これに限定されない。温度調整部81は、第1供給部10の外部から第1供給部10の温度を調整することにより、間接的に第1内容物12の温度を調整してもよい。
【0047】
温度調整部81を設けることにより、第1内容物12を高速で気化させて、エアゾール容器150の内圧以上の圧力で吐出することができる。温度調整部81を設けることにより、吐出装置100の環境温度によらず安定して内容物を吐出できる。また、エアゾール容器150の吐出によって第1供給部10が冷却された場合にも、安定した連続噴射を実現しやすくなる。温度調整部81を設けることにより、第1供給部10を小型化しやすくなる。
【0048】
図3Bは、吐出装置100の構成の変形例を示す。本例の吐出装置100は、点火部82を備える。
【0049】
点火部82は、第1供給部10において、第1内容物12に点火する。点火部82は、第1内容物12の点火により、第1供給部10における第1内容物12の気化を促進する。点火部82は、爆発範囲に混合された第1内容物12を点火して、第1内容物12を爆発させてもよい。点火部82は、第1内容物12の吐出のタイミングに合わせて点火してよい。例えば、点火部82は、第1内容物12の吐出が停止した後に点火する。点火部82を設けることにより、第1供給部10を小型化することができる。
【0050】
図3Cは、吐出装置100の構成の変形例を示す。本例の吐出装置100は、酸素供給部83を備える。
【0051】
酸素供給部83は、第1供給部10において、第1内容物12に酸素を供給する。酸素供給部83は、第1供給部10への酸素の供給により、第1供給部10における第1内容物12の気化を促進する。酸素供給部83は、常時酸素を供給してもよいし、第1内容物12が吐出される前に予め酸素を供給しておき、第1内容物12が吐出される前に酸素の供給を停止してもよい。酸素供給部83を設けることにより、第1供給部10を小型化することができる。
【0052】
図4は、吐出装置100の構成の変形例を示す。本例の吐出装置100は、第1バルブ71および第2バルブ72を備える。吐出装置100は、第1バルブ71または第2バルブ72のいずれか一方を備えてもよい。第1バルブ71および第2バルブ72は、チェックバルブ等の内容物の逆流を防ぐ機能を有してよい。第1バルブ71および第2バルブ72は、逆止弁のような構造を有してもよいし、制御部によって開閉を自由に制御可能な構造を有してもよい。
【0053】
第1バルブ71は、第1供給部10とエアゾール容器150aとの間に設けられる。本例の第1バルブ71は、第1供給部10から第1連結部14への第1内容物12の逆流を防ぐ。
【0054】
第2バルブ72は、第2供給部20から第2連結部24への第2内容物22の逆流を防ぐ。本例の第2バルブ72は、第2連結部24cに設けられている。第2バルブ72は、第2連結部24aまたは第2連結部24bに設けられてもよい。
【0055】
ここで、第2内容物22を第2供給部20に注入する場合において、吐出部40の吐出口の断面が小さいので、エアゾール容器150a側に逆流して液漏れが発生したり、エアゾール容器150aが外れたりする恐れがある。本例の第1バルブ71は、第2内容物22のエアゾール容器150aへの逆流を防止することで、液漏れなどの問題を回避することができる。
【0056】
また、エアゾール容器150aから第1内容物12を吐出する場合においても、第2供給部20の内圧が高まり、第2連結部24側に第2連結部24が逆流したり、エアゾール容器150bが外れたりする場合がある。本例の第2バルブ72は、第2内容物22のエアゾール容器150bへの逆流を防止することで、液漏れなどの問題を回避することができる。
【0057】
図5Aは、吐出装置100の構成の変形例を示す。本例の吐出装置100は、カム連結部94を備える。本例では、エアゾール容器150bから第2内容物22を吐出して、第2供給部20に第2内容物22を注入している状態を示している。
【0058】
カム連結部94は、カム91aとカム91bを連結する。これにより、吐出装置100は、1つのモータでカム91aおよびカム91bを駆動させることができる。
【0059】
駆動機構95は、カム連結部94を介して、吐出駆動部90aおよび吐出駆動部90bに連結されている。本例の駆動機構95は、カム連結部94を予め定められた方向に回転させて、エアゾール容器150aおよびエアゾール容器150bの両方の位置を変更する。本例では、エアゾール容器150aおよびエアゾール容器150bが異なるタイミングで内容物を吐出するようにカム91aおよびカム91bの角度が調整されている。本例の駆動機構95は、カム連結部94を回転させるためのモータとして機能する。
【0060】
図5Bは、吐出装置100の構成の変形例を示す。本例では、第1内容物12による内圧によって、第2内容物22を吐出部40から吐出している状態を示している。このように、吐出装置100は、第2内容物22を吐出した後に、予め定められたタイミングで第1内容物12を吐出することができる。本例の吐出装置100においても、他の実施形態と同様のタイミングで、第1内容物12と第2内容物22の吐出を制御してよい。本例の吐出装置100は、カム連結部94および駆動機構95を共通化することにより、収容部30の小型化を実現できる。
【0061】
図6Aは、吐出装置100の駆動状態を説明するための図である。本例では、カム91の角度に応じて、回避状態(a)、待機状態(b)および吐出状態(c)の3つの状態が示されている。また、図6Aでは、エアゾール容器150のバルブ構造の拡大図が示されている。本例のエアゾール容器150の構成は、エアゾール容器150aおよびエアゾール容器150bの両方に適用されてよい。
【0062】
回避状態(a)は、カム91が回避角に設定され、ステム112と押圧部110との接触が回避されている状態である。待機状態(b)は、カム91が待機角に設定され、ステム112と押圧部110とが接触しているものの、吐出されていない状態である。吐出状態(c)は、カム91が吐出角に設定され、エアゾール容器150から内容物が吐出可能な状態である。
【0063】
押圧部110は、エアゾール容器150のバルブを開閉するためのステム112を押圧する。押圧部110は、ステム112を押圧するためのアクチュエータであってよい。本例の押圧部110は、ステム112と直接接触して設けられる。なお、押圧部110は、吐出方向に応じた流路を有してよい。
【0064】
ステム112は、押圧部110によって押圧されることにより、エアゾール容器150から内容物を吐出させる。本例のステム112は、エアゾール容器150に内蔵されているが、エアゾール容器150と別に外付けされてもよい。
【0065】
エアゾール容器150は、ディップチューブ152と、ハウジング154と、マウンティングカップ156とを備える。本例のエアゾール容器150は、ステム112およびステム弾性部114を備える。本例では、エアゾール容器150のバルブが開閉する前後を示している。
【0066】
ステム112は、内容物を吐出するための流路を有する。ステム112の流路は、ステム112が押圧部110によって押圧されることにより、ディップチューブ152と接続される。
【0067】
ステム弾性部114は、ステム112の動作に応じて伸縮するバネである。ステム弾性部114は、ステム112とハウジング154との間で保持されている。ステム112がX軸方向の負側に移動すると、ステム弾性部114が圧縮される。ステム112がX軸方向の正側に移動すると、ステム弾性部114が伸長する。
【0068】
ディップチューブ152は、エアゾール容器150の内部に延伸して、エアゾール容器150の内容物を取り込むための流路を有する。ディップチューブ152の長さは、エアゾール容器150の内容物の種類に応じて変更されてよい。ディップチューブ152は、エアゾール容器150の底の近傍まで延伸していてよい。
【0069】
ハウジング154は、ディップチューブ152と連結されている。ハウジング154は、ステム112およびステム弾性部114を収容する。ハウジング154は、ディップチューブ152からステム112に内容物を流すための流路を有する。
【0070】
マウンティングカップ156は、エアゾール容器150の上面に設けられる。マウンティングカップ156は、エアゾール容器150の本体にステム112およびハウジング154を固定している。
【0071】
ここで、待機状態(b)は、回避状態(a)と吐出状態(c)との間に設けられる。カム91に待機角を設けることにより、エアゾール容器150のバルブが開かない程度にステム112を押圧することができ、押圧部110とステム112との間の隙間が無くなる。これにより、エアゾール容器150に逆方向の圧力がかかっても缶が抜けなくなる。即ち、逆方向の圧力によって生じる力を可動部93で受け止めることができる。
【0072】
一方、カム91に待機角を設けない場合、回避角ではステム112が押圧部110で押圧されず、押圧部110とステム112との間に隙間が生じる。したがって、逆方向の圧力がかかった場合に、押圧部110からエアゾール容器150が抜けて、内容物が漏れる恐れがある。
【0073】
図6Bは、吐出装置100の駆動状態を示すタイミングチャートである。チャートAは、エアゾール容器150aを駆動する吐出駆動部90aのタイミングチャートを示す。チャートBは、エアゾール容器150bを駆動する吐出駆動部90bのタイミングチャートを示す。
【0074】
時刻T0において、吐出駆動部90aおよび吐出駆動部90bの両方が回避状態(a)にある。時刻T1において、吐出駆動部90aは、回避状態(a)から待機状態(b)に遷移させて、エアゾール容器150aを待機状態(b)に設定する。時刻T1において、吐出駆動部90bは、回避状態(a)から吐出状態(c)に遷移させて、エアゾール容器150bを吐出状態(c)に設定する。このように、エアゾール容器150bが吐出状態(c)に設定されている間、エアゾール容器150aが待機状態(b)に設定されているので、エアゾール容器150aにおける液漏れ等の影響を回避できる。
【0075】
その後、時刻T5において、吐出駆動部90bがエアゾール容器150bを待機状態(b)に設定した後、時刻T6において、吐出駆動部90aがエアゾール容器150aを吐出状態(c)に設定する。エアゾール容器150aが吐出状態(c)に設定されている間、エアゾール容器150bが待機状態(b)に設定されているので、エアゾール容器150bにおける液漏れ等の影響を回避できる。その後、時刻T9において、エアゾール容器150aおよびエアゾール容器150bは、回避状態(a)に設定されてよい。
【0076】
図7は、吐出装置100を搭載した無人航空機200の構成の一例を示す。無人航空機200は、空中を飛行する飛行体である。本例の無人航空機200は、吐出装置100と、本体部210と、推進部220とを備える。本例の吐出装置100は、無人航空機200と連結するための装置連結部120を備える。
【0077】
本体部210は、無人航空機200の各種制御回路および電源等を格納する。また、本体部210は、無人航空機200の構成同士を連結する構造体として機能してよい。本例の本体部210は、推進部220に連結されている。本体部210は、カメラを備えてよい。
【0078】
推進部220は、無人航空機200を推進させる。推進部220は、回転翼221および回転駆動部222を有する。本例の無人航空機200は、4つの推進部220を備える。推進部220は、腕部224を介して本体部210に取り付けられている。なお、無人航空機200は、固定翼を備える飛行体であってもよい。
【0079】
推進部220は、回転翼221を回転させることにより推進力を得る。回転翼221は、本体部210を中心として4つ設けられているが、回転翼221の配置方法は本例に限られない。回転翼221は、腕部224の先端に回転駆動部222を介して設けられる。
【0080】
回転駆動部222は、モータ等の動力源を有し回転翼221を駆動させる。回転駆動部222は、回転翼221のブレーキ機構を有してよい。回転翼221および回転駆動部222は、腕部224を省略して本体部210に直接取り付けられてもよい。
【0081】
腕部224は、本体部210から放射状に延伸して設けられる。本例の無人航空機200は、4つ推進部220に対応して設けられた4つの腕部224を備える。腕部224は、固定式であっても可動式であってもよい。腕部224には、カメラ等の他の構成が固定されてよい。
【0082】
装置連結部120は、吐出装置100を無人航空機200と連結させる。装置連結部120は、固定であっても可動であってもよい。装置連結部120は、吐出装置100の位置を3軸方向に制御するためのジンバルであってよい。装置連結部120は、吐出装置100の吐出方向に合わせて、吐出装置100の向きを制御してよい。
【0083】
なお、装置連結部120の規格を統一しておくことにより、エアゾール容器150に合わせた任意の吐出装置100に交換することができる。これにより、サイズまたは種類の異なるエアゾール容器150に対応できる。
【0084】
脚部215は、本体部210に連結されて、着陸時に無人航空機200の姿勢を保持する。脚部215は、推進部220を停止した状態で、無人航空機200の姿勢を保持する。本例の無人航空機200は、2本の脚部215を有する。脚部215には、カメラまたは吐出装置100が取り付けられてもよい。
【0085】
吐出装置100は、吐出部40からの第2内容物22の吐出を無人飛行中に実行してよい。本例の吐出装置100は、無人航空機200が低温環境下に飛行していった場合であっても、連続的に安定して内容物を吐出することができる。また、吐出装置100では、液だれおよび液漏れのリスクが低減されているので、無人航空機200に搭載した場合であっても、安全に飛行することができる。
【0086】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
【0087】
請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0088】
10・・・第1供給部、12・・・第1内容物、14・・・第1連結部、20・・・第2供給部、22・・・第2内容物、24・・・第2連結部、30・・・収容部、40・・・吐出部、71・・・第1バルブ、72・・・第2バルブ、81・・・温度調整部、82・・・点火部、83・・・酸素供給部、90・・・吐出駆動部、91・・・カム、92・・・カムフォロワ、93・・・可動部、94・・・カム連結部、95・・・駆動機構、100・・・吐出装置、110・・・押圧部、112・・・ステム、114・・・ステム弾性部、120・・・装置連結部、150・・・エアゾール容器、152・・・ディップチューブ、154・・・ハウジング、156・・・マウンティングカップ、200・・・無人航空機、210・・・本体部、215・・・脚部、220・・・推進部、221・・・回転翼、222・・・回転駆動部、224・・・腕部
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7