(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-17
(45)【発行日】2023-01-25
(54)【発明の名称】製袋包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 9/213 20120101AFI20230118BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20230118BHJP
B65B 51/30 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
B65B9/213
B65B57/00 H
B65B51/30
(21)【出願番号】P 2018245371
(22)【出願日】2018-12-27
【審査請求日】2021-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小池 伸治
(72)【発明者】
【氏名】藤田 健斗
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-100730(JP,A)
【文献】米国特許第03262244(US,A)
【文献】特公昭42-008838(JP,B1)
【文献】特開2000-095205(JP,A)
【文献】特表2002-527299(JP,A)
【文献】米国特許第04563862(US,A)
【文献】特開昭63-152507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/00
B65B 57/00
B65B 51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品排出装置から排出されて落下した物品を、包材から製造される袋に包装する製袋包装機であって、
上方から下方に向かって搬送される筒状の前記包材を横シールする横シール機構と、
前記横シール機構の上方において前記横シール機構と一体的に配置され、前記包材の外面と接触して前記包材の内部を落下する前記物品を受ける受け部材と、
前記横シール機構及び前記受け部材を上下方向に移動させる移動機構と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、
第1の高さ位置において前記受け部材が前記外面と接触
し、前記横シール機構により前記包材に横シール部を形成する第1モードと、
前記第1の高さ位置よりも下方の第2の高さ位置において前記受け部材が
前記横シール部と接触する第2モードと、
を切り替える、
製袋包装機。
【請求項2】
前記第2モードは、前記受け部材の下部が
前記横シール部と接触し、前記受け部材の上部が
前記横シール部よりも上方の前記外面と接触するモードである、
請求項
1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記第1モードは、前記横シール機構が前記包材を横シールすることができる高さ位置にあるモードであり、
前記第2モードは、前記横シール機構が
前記横シール部よりも下方の高さ位置にあるモードである、
請求項
1又は
2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記受け部材は、1つの前記袋に前記物品が包装される包装工程において、前記物品排出装置から排出された前記物品を1回又は複数回受ける、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項5】
前記受け部材は、1つの前記袋に前記物品が包装される包装工程において、前記物品排出装置から排出された前記物品を複数回受け、
前記制御部は、
前記包装工程において前記受け部材が前記物品を初めて受けるまでは、前記第1モードに基づいて前記移動機構を制御し、
前記包装工程において前記受け部材が前記物品を初めて受けた時点から所定時間が経過し、かつ、前記受け部材が前記物品を受けた直近の時点において前記第1モードに基づいて前記移動機構を制御していた場合、前記第1モードから前記第2モードに切り替える、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記制御部は、
前記物品の排出を前記物品排出装置に要求する排出要求信号を前記物品排出装置に送信し、
前記排出要求信号を受信した前記物品排出装置が前記物品の排出を完了した旨の排出完了信号を前記物品排出装置から受信し、
前記排出要求信号を送信した時点から所定時間以内に前記排出完了信号を受信しない場合、前記第1モードから前記第2モードに切り替える、
請求項1から
5のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項7】
前記所定時間は、少なくとも、前記横シール機構が前記包材を横シールするために要する時間である、
請求項
5又は
6に記載の製袋包装機。
【請求項8】
前記制御部は、前記第2モードに基づいて前記移動機構を制御しており、かつ、1つの前記袋に包装される前記物品が全て排出された旨の信号を前記物品排出装置から受信した場合に、前記第2モードから前記第1モードに切り替える、
請求項1から
7のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開昭63-152507号公報)に開示される製袋包装機は、筒状の包材の内部を落下した物品及び包材の破損を抑制するためのキャッチャーを備えている。キャッチャーは、包材を横シールする横シール機構の上方において包材の外面と接触して、物品の落下時の衝撃を軽減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、1つの袋に封入される物品を複数回に分けて落下させる場合、物品の1回目の落下後、包材を保護するために横シール機構を包材から一旦離すことが好ましい。この場合、キャッチャーも包材から離れるので、物品の次回の落下時にキャッチャーを包材の外面と再度接触させる必要がある。これにより、包材の内部の物品がキャッチャーによって挟まれて、包材の内部の物品及び包材が破損するおそれがある。
【0004】
この問題を解決するために、特許文献2(特開2000-95205号公報)に開示される製袋包装機が備えるシャッターを用いる方法がある。シャッターは、横シール機構の上方に設置され、包材の内部を落下した物品を一時的に受け止める。しかし、既設の製袋包装機にシャッターを取り付ける場合、製袋包装機を大幅に改造するためのコストが発生するおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、筒状の包材の内部を落下した物品及び包材の破損を低コストで抑制することができる製袋包装機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る製袋包装機は、物品排出装置から排出されて落下した物品を、包材から製造される袋に包装する。この製袋包装機は、横シール機構と、受け部材と、移動機構と、制御部とを備える。横シール機構は、上方から下方に向かって搬送される筒状の包材を横シールする。受け部材は、横シール機構の上方において横シール機構と一体的に配置される。受け部材は、包材の外面と接触して包材の内部を落下する物品を受ける。移動機構は、横シール機構及び受け部材を上下方向に移動させる。制御部は、第1モードと第2モードとを切り替える。第1モードは、第1の高さ位置において受け部材が外面と接触するモードである。第2モードは、第1の高さ位置よりも下方の第2の高さ位置において受け部材が外面と接触するモードである。
【0007】
この製袋包装機は、袋に包装される物品を複数回に分けて受け部材が受ける場合において、受け部材が物品を挟み込むことによる物品及び包材の破損を抑制することができる。
【0008】
本発明の第2観点に係る製袋包装機は、第1観点に係る製袋包装機であって、第1モードは、横シール機構によって横シールされた、包材のシール部よりも上方において、受け部材が外面と接触するモードである。第2モードは、受け部材が、シール部と接触するモードである。
【0009】
本発明の第3観点に係る製袋包装機は、第2観点に係る製袋包装機であって、第2モードは、受け部材の下部がシール部と接触し、受け部材の上部がシール部よりも上方の外面と接触するモードである。
【0010】
本発明の第4観点に係る製袋包装機は、第2観点又は第3観点に係る製袋包装機であって、第1モードは、横シール機構が包材を横シールすることができる高さ位置にあるモードである。第2モードは、横シール機構がシール部よりも下方の高さ位置にあるモードである。
【0011】
本発明の第5観点に係る製袋包装機は、第1乃至第4観点のいずれか1つに係る製袋包装機であって、受け部材は、1つの袋に物品が包装される包装工程において、物品排出装置から排出された物品を1回又は複数回受ける。
【0012】
本発明の第6観点に係る製袋包装機は、第1乃至第4観点のいずれか1つに係る製袋包装機であって、受け部材は、1つの袋に物品が包装される包装工程において、物品排出装置から排出された物品を複数回受ける。制御部は、包装工程において受け部材が物品を初めて受けるまでは、第1モードに基づいて移動機構を制御する。制御部は、包装工程において受け部材が物品を初めて受けた時点から所定時間が経過し、かつ、受け部材が物品を受けた直近の時点において第1モードに基づいて移動機構を制御していた場合、第1モードから第2モードに切り替える。
【0013】
本発明の第7観点に係る製袋包装機は、第1乃至第6観点のいずれか1つに係る製袋包装機であって、制御部は、物品の排出を物品排出装置に要求する排出要求信号を物品排出装置に送信し、排出要求信号を受信した物品排出装置が物品の排出を完了した旨の排出完了信号を物品排出装置から受信し、排出要求信号を送信した時点から所定時間以内に排出完了信号を受信しない場合、第1モードから第2モードに切り替える。
【0014】
本発明の第8観点に係る製袋包装機は、第6観点又は第7観点に係る製袋包装機であって、所定時間は、少なくとも、横シール機構が包材を横シールするために要する時間である。
【0015】
本発明の第9観点に係る製袋包装機は、第1乃至第8観点のいずれか1つに係る製袋包装機であって、制御部は、第2モードに基づいて移動機構を制御しており、かつ、1つの袋に包装される物品が全て排出された旨の信号を物品排出装置から受信した場合に、第2モードから第1モードに切り替える。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る製袋包装機は、筒状の包材の内部を落下した物品及び包材の破損を低コストで抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】製袋包装機10の全体構成を示す概略図である。
【
図5】横シール機構15及び受け部材17の詳細な構成を示す側面図である。
【
図6】第1シールジョー56及び第2シールジョー57の動作を説明するための図である。
【
図7】横シール機構15及び受け部材17の動作を説明するための図である。
【
図8】横シール機構15及び受け部材17の動作を説明するための図である。
【
図9】変形例Bにおける、制御部16が排出要求信号T1を送信した時点、及び、制御部16が排出完了信号T2を受信した時点を表すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0019】
(1)全体構成
図1は、本発明の一実施形態である製袋包装機10の全体構成を示す概略図である。
図1は、製袋包装機10の側面図である。製袋包装機10の上方には、物品排出装置20が設置されている。物品排出装置20は、物品Aを落下させて下方に排出する。製袋包装機10は、物品排出装置20から排出されて落下した物品Aを包装する。製袋包装機10は、フィルムFから袋Wを作り、袋Wの中に物品Aを投入してシールすることによって物品Aを包装する。
【0020】
製袋包装機10は、主として、フィルムロール支持部11と、フォーマ12と、プルダウンベルト13と、縦シール機構14と、横シール機構15と、制御部16と、受け部材17とを備える。
【0021】
(2)詳細構成
(2-1)フィルムロール支持部
フィルムロール支持部11は、フィルムロールFRを支持する。フィルムFは、フィルムロール支持部11に支持されているフィルムロールFRから引き出される。フィルムロールFRから引き出されたフィルムFは、複数のローラ11aを経由して、フォーマ12へ送られる。
【0022】
(2-2)フォーマ
フォーマ12は、フィルムFを湾曲させて、フィルムFの幅方向両端部を重ね合わせることにより、フィルムFを筒状に成形する。フォーマ12は、チューブ21とセーラ22とを有する。フィルムロール支持部11から送られてきたフィルムFは、セーラ22によって湾曲され、チューブ21とセーラ22との間を通過することで筒状に成形される。筒状に成形されたフィルムFは、チューブ21に沿って下方に案内される。物品排出装置20から排出された物品Aは、チューブ21の内部を落下して下方に送られる。
【0023】
(2-3)プルダウンベルト
プルダウンベルト13は、筒状のフィルムFをチューブ21に沿って上方から下方に向かって搬送する。プルダウンベルト13は、モータ(図示せず)によって駆動される。
【0024】
(2-4)縦シール機構
縦シール機構14は、筒状のフィルムFを縦シールしてフィルム筒FTを作る。縦シールされる部分は、フォーマ12によって互いに重ね合わされた部分である。縦シール機構14は、筒状のフィルムFをチューブ21に対して押し付けながら加熱することで、筒状のフィルムFを鉛直方向Vにシールする。縦シール機構14は、例えば、筒状のフィルムFをシールするためのヒータを有する。
図1に示されるように、物品排出装置20から排出されチューブ21の内部を落下した物品Aは、チューブ21の下方においてフィルム筒FTの内部を落下する。
【0025】
(2-5)横シール機構
横シール機構15は、フィルム筒FTを横シールして袋Wを作る。横シール機構15は、第1シールジョー56と第2シールジョー57とを有する。第1シールジョー56及び第2シールジョー57は、互いに接近又は離間するように、それぞれ水平方向Hに移動可能である。第1シールジョー56及び第2シールジョー57は、鉛直方向Vにも移動可能である。横シール機構15は、第1シールジョー56及び第2シールジョー57でフィルム筒FTを挟み込んで加熱することで、フィルム筒FTを水平方向Hにシールする。
【0026】
(2-6)制御部
制御部16は、プルダウンベルト13、縦シール機構14、横シール機構15、及び、その他のアクチュエータ等を制御する。制御部16は、各種センサからの信号を受信して処理する。制御部16は、例えば、マイクロコンピュータである。
【0027】
(2-7)受け部材
受け部材17は、横シール機構15の上方、かつ、縦シール機構14の下方に設置されている。受け部材17は、フィルム筒FTの外面と接触して、フィルム筒FTの内部を落下する物品Aを受ける。受け部材17は、物品Aを受けることで、フィルム筒FTの内部を落下した物品Aがフィルム筒FTと当たる時の衝撃を低減して、フィルム筒FTの内部の物品A、及び、フィルム筒FTの破損を抑制する。
【0028】
(3)横シール機構の構成
図2及び
図3は、横シール機構15の平面図である。横シール機構15は、主として、架台51と、水平移動枠52と、摺動部材53と、水平移動機構54と、鉛直移動機構55と、第1シールジョー56と、第2シールジョー57とを有する。
【0029】
(3-1)架台
架台51は、第1サイドフレーム61と、第2サイドフレーム62と、第1連結部材63と、第2連結部材64と、複数のガイド65とを有する。第1連結部材63及び第2連結部材64は、第1サイドフレーム61と第2サイドフレーム62とを連結する。ガイド65は、第1サイドフレーム61又は第2サイドフレーム62に固定されている。
【0030】
(3-2)水平移動枠
水平移動枠52は、架台51に対して水平方向Hに移動可能である。水平移動枠52は、第1摺動ロッド71と、第2摺動ロッド72と、第1ベース部材73と、第2ベース部材74とを有する。第1摺動ロッド71は、第1サイドフレーム61に沿うように配置されている。第2摺動ロッド72は、第2サイドフレーム62に沿うように配置されている。第1摺動ロッド71及び第2摺動ロッド72の両端には、それぞれ、第1ベース部材73及び第2ベース部材74が固定されている。第1摺動ロッド71及び第2摺動ロッド72は、架台51のガイド65によって、水平方向Hに摺動可能に支持されている。
【0031】
(3-3)摺動部材
摺動部材53は、第1摺動ロッド71と第2摺動ロッド72との間に架け渡されている。摺動部材53の両端にはスライダ75が設けられている。スライダ75は、第1摺動ロッド71及び第2摺動ロッド72に対して水平方向Hにスライド可能である。
【0032】
(3-4)水平移動機構
水平移動機構54は、水平移動モータ58と、水平リンク機構80とを有する。水平移動機構54は、第1シールジョー56と第2シールジョー57とを水平方向Hに互いに接近又は離間させる。
【0033】
水平移動モータ58は、第1シールジョー56及び第2シールジョー57を水平方向Hに移動させる動力を発生する。水平移動モータ58は、正方向及び逆方向のいずれにも回転可能である。
【0034】
水平リンク機構80は、水平移動モータ58の動力を、水平移動枠52及び摺動部材53に伝達する。
図2に示されるように、水平リンク機構80は、第1リンク81と、第2リンク82と、第3リンク83とを有する。
【0035】
第1リンク81の中央には、回転軸58aが固定されている。回転軸58aは、水平移動モータ58によって回転させられる。回転軸58aは、正方向及び逆方向のいずれにも回転可能である。回転軸58aは、水平移動モータ58のロータに直結した軸であってもよい。回転軸58aは、水平移動モータ58に取り付けられたギアボックス又はベルトによって回転させられる軸であってもよい。回転軸58aの回転に伴って、第1リンク81も回転する。
【0036】
第1リンク81の両端部には、それぞれ、第2リンク82及び第3リンク83が回転可能に連結されている。第2リンク82は、第2ベース部材74に連結されている。第3リンク83は、摺動部材53に連結されている。
【0037】
(3-5)第1シールジョー及び第2シールジョー
第1シールジョー56は、水平移動枠52の第1ベース部材73に取り付けられている。第2シールジョー57は、摺動部材53に取り付けられている。第1シールジョー56及び第2シールジョー57には、ヒータ(図示せず)が設けられている。第1シールジョー56及び第2シールジョー57の少なくとも一方には、可動ナイフ(図示せず)が設けられている。
【0038】
図2において、第1シールジョー56及び第2シールジョー57は、互いに接近した位置にある。
図3において、第1シールジョー56及び第2シールジョー57は、互いに離間した位置にある。
図2の状態において、回転軸58aが所定の角度だけ回転すると、水平リンク機構80の配置は
図3に示される状態になる。
図3の状態において、回転軸58aが所定の角度だけ回転すると、水平リンク機構80の配置は
図2に示される状態になる。
【0039】
(3-6)鉛直移動機構
図4は、横シール機構15の側面図である。鉛直移動機構55は、鉛直移動モータ59と、鉛直リンク機構90とを有する。鉛直移動機構55は、第1シールジョー56及び第2シールジョー57の鉛直方向Vの位置を変更する。
【0040】
鉛直移動モータ59は、第1シールジョー56及び第2シールジョー57を鉛直方向Vに移動させるための動力を発生する。鉛直移動モータ59は、正方向及び逆方向のいずれにも回転可能である。
【0041】
鉛直リンク機構90は、鉛直移動モータ59の動力を架台51へ伝達する。鉛直リンク機構90は、第1リンク91と、第2リンク92とを有する。
【0042】
第1リンク91の一端には、回転軸59aが固定されている。回転軸59aは、鉛直移動モータ59によって回転させられる。回転軸59aは、正方向及び逆方向のいずれにも回転可能である。回転軸59aは、鉛直移動モータ59のロータに直結した軸であってもよい。回転軸59aは、鉛直移動モータ59に取り付けられたギアボックス又はベルトによって回転させられる軸であってもよい。回転軸59aの回転に伴って、第1リンク91も回転する。
【0043】
第1リンク91の他端には、第2リンク92が回転可能に連結されている。第2リンク92は、架台51の第1サイドフレーム61又は第2サイドフレーム62と連結されている。回転軸59aが回転すると、架台51は鉛直方向Vに移動して、第1シールジョー56及び第2シールジョー57も鉛直方向Vに移動する。
【0044】
(4)受け部材の構成
図5は、横シール機構15及び受け部材17の詳細な構成を示す側面図である。受け部材17は、第1受け部18と第2受け部19とを有する。受け部材17は、第1受け部18及び第2受け部19でフィルム筒FTを挟み込むことで、フィルム筒FTの内部を落下する物品Aを受け、受け部材17よりも下方に物品Aが落下することを抑制する。
【0045】
受け部材17は、横シール機構15と一体的に配置されている。具体的には、第1受け部18及び第2受け部19の位置は、鉛直方向Vにおいて、横シール機構15に対して固定されている。言い換えると、鉛直方向Vにおいて、第1受け部18又は第2受け部19と、第1シールジョー56又は第2シールジョー57との間の距離は常に一定である。
【0046】
第1受け部18は、主として、第1固定部18aと、第1摺動部18bと、第1接触部18cとを有する。第1固定部18aは、横シール機構15の摺動部材53の上面に取り付けられる。第1摺動部18bは、第1固定部18aを貫通し、第1固定部18aに対して水平方向Hにスライド可能である。第1接触部18cは、第1摺動部18bに取り付けられる。第1接触部18cは、受け部材17が物品Aを受ける時に、フィルム筒FTの外面と接触する。
【0047】
第2受け部19は、主として、第2固定部19aと、第2摺動部19bと、第2接触部19cとを有する。第2固定部19aは、横シール機構15の水平移動枠52の第1ベース部材73の上面に取り付けられる。第2摺動部19bは、第2固定部19aを貫通し、第2固定部19aに対して水平方向Hにスライド可能である。第2接触部19cは、第2摺動部19bに取り付けられる。第2接触部19cは、受け部材17が物品Aを受ける時に、フィルム筒FTの外面と接触する。
【0048】
図5に示されるように、第1接触部18c及び第2接触部19cは、フィルム筒FTを挟んで対向している。第1接触部18c及び第2接触部19cの表面であって、フィルム筒FTの外面と対向する面は、フィルム筒FTの外面と接触する接触面である。接触面は、鉛直方向Vに対して傾斜している。具体的には、
図5に示されるように、水平方向Hにおいて、第1接触部18cの接触面と第2接触部19cの接触面との間の距離は、下方から上方に向かって徐々に増加している。受け部材17が物品Aを受ける時、フィルム筒FTは、第1接触部18cの接触面と第2接触部19cの接触面とによって挟み込まれる。フィルム筒FTの内部を落下する物品Aは、第1接触部18c及び第2接触部19cによって挟み込まれている高さ位置において、フィルム筒FTに当たって受け部材17によって受けられる。
【0049】
第1接触部18c及び第2接触部19cの接触面は、スポンジ等の弾力性を有する部材で覆われている。これにより、フィルム筒FTの内部を落下する物品Aを受け部材17が受ける際に、物品Aがフィルム筒FTに当たる時の衝撃が低減される。
【0050】
(5)横シール機構の動作
図6は、第1シールジョー56及び第2シールジョー57の動作を説明するための図である。分かりやすくするために、
図6では、受け部材17は省略されている。第1シールジョー56及び第2シールジョー57がフィルム筒FTを横シールして、物品Aが包装された袋Wを作る動作は、次の第1乃至第4フェーズからなる。ただし、第4フェーズは実行されない場合がある。
図6に示されるように、第1フェーズの開始前において、第1シールジョー56及び第2シールジョー57の下方のフィルム筒FTの内部には、1つの袋Wに包装されるべき量の物品Aが既に投入されている。
【0051】
第1フェーズの開始時、第1シールジョー56及び第2シールジョー57は、互いに離間している。第1フェーズでは、水平移動機構54によって、第1シールジョー56及び第2シールジョー57は互いに接近するように水平方向Hに移動する。第1シールジョー56及び第2シールジョー57がフィルム筒FTと接触した時、第1フェーズが終了する。
【0052】
第2フェーズの開始時、第1シールジョー56及び第2シールジョー57は、フィルム筒FTを押圧する。次に、第1シールジョー56及び第2シールジョー57は、フィルム筒FTに熱を加えて、フィルム筒FTを横シールする。この時、フィルム筒FTの横シールされた部分である横シール部の下方には、物品Aが包装された袋Wが作られる。次に、第1シールジョー56又は第2シールジョー57に設けられた可動ナイフが、横シール部を水平方向Hに切断して、第2フェーズが終了する。横シール部が切断されると、袋Wは、上方のフィルム筒FTから切り離されて落下する。フィルム筒FTが横シールされている間、制御部16は、フィルム筒FTの搬送を停止していてもよく、フィルム筒FTの搬送速度を低下させてもよい。
【0053】
第3フェーズでは、水平移動機構54によって、第1シールジョー56及び第2シールジョー57は互いに離間するように水平方向Hに移動する。第1シールジョー56及び第2シールジョー57の離間距離が最大になった時、第3フェーズが終了する。
【0054】
第4フェーズでは、第1シールジョー56及び第2シールジョー57の鉛直方向Vの位置が、第1フェーズの開始時における位置に戻される。
【0055】
なお、第1乃至第3フェーズにおいて、第1シールジョー56及び第2シールジョー57の鉛直方向Vの位置が変化した場合、第4フェーズにおいて、第1シールジョー56及び第2シールジョー57の鉛直方向Vの位置が、第1フェーズの開始時における位置まで戻される。第1乃至第3フェーズにおいて、第1シールジョー56及び第2シールジョー57の鉛直方向Vの位置が変化しない場合、第4フェーズは実行されない。
【0056】
製袋包装機10は、以上の第1乃至第4フェーズ、又は、第1乃至第3フェーズの動作を繰り返すことで、物品Aが包装された袋Wを連続的に製造することができる。
【0057】
(6)鉛直移動機構の制御
鉛直移動機構55は、横シール機構15の鉛直方向Vの位置を変更する。上述したように、横シール機構15と受け部材17との間の鉛直方向Vの距離は一定である。そのため、鉛直移動機構55は、横シール機構15と共に受け部材17の鉛直方向Vの位置を変更する。
【0058】
次に、制御部16が鉛直移動機構55を制御して、横シール機構15及び受け部材17の鉛直方向Vの位置を変更する動作について説明する。以下において、第1乃至第3フェーズでは、
図6に示されるように、鉛直移動機構55は、横シール機構15及び受け部材17の鉛直方向Vの位置を変更しないものとする。
【0059】
第1フェーズの開始後かつ第4フェーズの終了前に、横シール機構15の上方において、フィルム筒FTの内部を、1つの袋Wに包装されるべき量の物品Aが落下する。フィルム筒FTの内部を落下した物品Aは、受け部材17によって受けられる。
【0060】
物品排出装置20は、1つの袋Wに物品Aが包装される包装工程(第1乃至第4フェーズからなる工程)において、1つの袋Wに包装されるべき量の物品Aを、一回で排出するか、又は、複数回に分けて排出する。次に、物品排出装置20から物品Aが排出される回数に応じて、鉛直移動機構55が横シール機構15及び受け部材17の鉛直方向Vの位置を変更する動作について
図7及び
図8を参照しながら説明する。
【0061】
図7及び
図8は、横シール機構15及び受け部材17の動作を説明するための図である。
図7及び
図8では、横シール機構15として第1シールジョー56及び第2シールジョー57のみが示され、受け部材17として第1接触部18c及び第2接触部19cのみが示されている。
図7及び
図8には、第1フェーズの開始時における第1シールジョー56及び第2シールジョー57の位置が点線で示されている。
【0062】
(6-1)物品が1回だけ排出される場合
図7は、1つの袋Wに包装されるべき量の物品Aを物品排出装置20が一回で排出する場合を示す。この場合、例えば、第2フェーズにおいてフィルム筒FTが横シールされる直前に、物品排出装置20から物品Aが排出される。次に、各フェーズにおける第1接触部18c及び第2接触部19cの動作について説明する。
【0063】
第1フェーズの開始時、第1接触部18c及び第2接触部19cは、互いに離間している。第1フェーズでは、水平移動機構54によって、第1接触部18c及び第2接触部19cは互いに接近するように水平方向Hに移動して、フィルム筒FTの外面と接触する。その後、第1接触部18c及び第2接触部19cは、物品排出装置20から排出された物品Aを受ける。
【0064】
第2フェーズでは、第1接触部18c及び第2接触部19cがフィルム筒FTの外面と接触した状態のまま、フィルム筒FTが横シールされて、袋Wがフィルム筒FTから切り離される。
【0065】
第3フェーズでは、水平移動機構54によって、第1接触部18c及び第2接触部19cは互いに離間するように水平方向Hに移動する。これにより、第1接触部18c及び第2接触部19cはフィルム筒FTの外面から離れる。その後、フィルム筒FTが下方に搬送されて、第1フェーズに移行する。
【0066】
この場合、鉛直移動機構55は、横シール機構15及び受け部材17の鉛直方向Vの位置を変更しないので、第3フェーズの終了後、第4フェーズの動作が行われずに、第1フェーズに移行する。
【0067】
(6-2)物品が複数回に分けて排出される場合
次に、1つの袋Wに包装されるべき量の物品Aを物品排出装置20が複数回に分けて排出する場合について説明する。一例として、
図8は、1つの袋Wに包装されるべき量の物品Aを物品排出装置20が2回に分けて排出する場合を示す。この場合、例えば、第2フェーズにおいてフィルム筒FTが横シールされる直前に、1回目に排出される分の物品Aが排出される。その後、第4フェーズにおいて、2回目に排出される分の物品Aが排出される。次に、各フェーズにおける第1接触部18c及び第2接触部19cの動作について説明する。
【0068】
第1フェーズの開始時、第1接触部18c及び第2接触部19cは、互いに離間している。第1フェーズでは、水平移動機構54によって、第1接触部18c及び第2接触部19cは互いに接近するように水平方向Hに移動して、フィルム筒FTの外面と接触する。その後、第1接触部18c及び第2接触部19cは、物品排出装置20から1回目に排出された分の物品Aを受ける。
【0069】
第2フェーズでは、第1接触部18c及び第2接触部19cがフィルム筒FTの外面と接触した状態のまま、フィルム筒FTが横シールされて、袋Wがフィルム筒FTから切り離される。
【0070】
第3フェーズでは、水平移動機構54によって、第1接触部18c及び第2接触部19cは互いに離間するように水平方向Hに移動する。これにより、第1接触部18c及び第2接触部19cはフィルム筒FTの外面から離れる。
【0071】
第4フェーズでは、鉛直移動機構55は、横シール機構15及び受け部材17を下方に所定の距離だけ移動させて、鉛直方向Vの位置を変更する。その後、水平移動機構54によって、第1接触部18c及び第2接触部19cは、互いに接近するように水平方向Hに移動する。これにより、第1接触部18c及び第2接触部19cは、フィルム筒FTの横シール部Sと接触する。具体的には、
図8に示されるように、第1接触部18c及び第2接触部19cの下部は、横シール部Sと接触し、第1接触部18c及び第2接触部19cの上部は、横シール部Sより上方において、フィルム筒FTの外面と接触する。その後、第1接触部18c及び第2接触部19cは、物品排出装置20から2回目に排出された分の物品Aを受ける。
【0072】
次に、第4フェーズでは、水平移動機構54によって、第1接触部18c及び第2接触部19cは互いに離間するように水平方向Hに移動する。これにより、第1接触部18c及び第2接触部19cはフィルム筒FTの外面から離れる。最後に、鉛直移動機構55は、横シール機構15及び受け部材17を上方に所定の距離だけ移動させて、鉛直方向Vの位置を変更する。これにより、鉛直移動機構55は、第1シールジョー56及び第2シールジョー57の鉛直方向Vの位置を、第1フェーズの開始時の位置まで戻す。この時、フィルム筒FTが下方に搬送される。第4フェーズでは、第1シールジョー56及び第2シールジョー57は常に互いに離間している。第4フェーズの終了後、第1フェーズに移行する。
【0073】
このように、制御部16は、鉛直移動機構55を制御して、横シール機構15及び受け部材17の鉛直方向Vの位置を切り替える。具体的には、制御部16は、鉛直方向Vの位置に応じて、第1乃至第3フェーズでは第1モードで鉛直移動機構55を制御し、第4フェーズでは第2モードで鉛直移動機構55を制御する。制御部16は、1つの袋Wに物品Aを包装する工程において、状況に応じて第1モードと第2モードとを切り替える。
【0074】
第1モードは、
図8の上段に示されるモードである。第1モードは、フィルム筒FTの横シール部Sよりも上方において、受け部材17がフィルム筒FTの外面と接触するモードである。第1モードでは、横シール機構15は、フィルム筒FTを横シールすることができる高さ位置にある。
【0075】
第2モードは、
図8の下段に示されるモードである。第2モードは、第1モードにおいて受け部材17がフィルム筒FTの外面と接触する高さ位置(第1の高さ位置)よりも低い高さ位置(第2の高さ位置)において、受け部材17がフィルム筒FTの外面と接触するモードである。第2モードでは、横シール機構15は、フィルム筒FTの横シール部Sよりも下方の高さ位置にある。第2モードでは、受け部材17は、フィルム筒FTの横シール部Sと接触する。具体的には、第4フェーズにおいて第1接触部18c及び第2接触部19cは互いに接近する時に、第1接触部18c及び第2接触部19cの下部が横シール部Sと接触し、第1接触部18c及び第2接触部19cの上部が横シール部Sよりも上方においてフィルム筒FTの外面と接触する。
【0076】
以上の説明は、1つの袋Wに包装されるべき量の物品Aを物品排出装置20が3回以上に分けて排出する場合にも適用可能である。この場合、第4フェーズにおいて、受け部材17は、物品排出装置20から2回目以降に排出された分の物品Aを連続して受ける。
【0077】
(7)特徴
(7-1)
本実施形態の製袋包装機10は、1つの袋Wに包装されるべき量の物品Aを受け部材17が複数回に分けて受ける場合において、受け部材17の高さ位置を変更する。具体的には、最初に、物品排出装置20から1回目に排出された分の物品Aを受け部材17が受け、横シール機構15がフィルム筒FTを横シールする。その後、横シール機構15は、第1シールジョー56及び第2シールジョー57を互いに離間させる。これにより、第1シールジョー56及び第2シールジョー57はフィルム筒FTから離れるので、第1シールジョー56及び第2シールジョー57の熱によってフィルム筒FTが破損することが抑制される。この時、受け部材17もフィルム筒FTから離れるので、
図8に示されるようにフィルム筒FTの内部の物品Aが横シール部Sの上端の高さ位置まで落下する。その後、制御部16は、鉛直移動機構55を制御して、受け部材17を下方に移動させる。受け部材17は、1回目に排出された分の物品Aを受けた高さ位置よりも低い高さ位置において、2回目以降に排出された分の物品Aを受ける。
【0078】
ここで、制御部16が受け部材17を下方に移動させず、受け部材17が、1回目に排出された分の物品Aを受けた高さ位置と同じ高さ位置において、2回目以降に排出された分の物品Aを受ける場合について考える。この場合、横シール後に受け部材17がフィルム筒FTから離れた後に横シール部Sの上端の高さ位置まで落下した物品Aが、受け部材17の第1接触部18c及び第2接触部19cに挟まれる。これにより、フィルム筒FTの内部を落下した物品Aが破損し、さらに、破損した物品Aによってフィルム筒FTも破損するおそれがある。
【0079】
しかし、本実施形態の製袋包装機10では、制御部16は、受け部材17の高さ位置を変更することで、2回目以降に排出された分の物品Aを受け部材17が受ける時に、フィルム筒FTの内部の物品Aが第1接触部18c及び第2接触部19cに挟まれることを抑制する。従って、製袋包装機10は、フィルム筒FTの内部の物品A及びフィルム筒FTの破損を抑制することができる。
【0080】
また、本実施形態の製袋包装機10では、横シール機構15の上方においてフィルム筒FTの内部を落下した物品Aを一時的に受け止めるための機構を新規に設置する必要がない。そのため、製袋包装機10は、既設の設備を大幅に改造することなく、物品A及びフィルム筒FTの破損を低コストで抑制することができる。
【0081】
(7-2)
受け部材17は、フィルム筒FTの内部を落下した物品Aを受ける時に、フィルム筒FTの外面と接触する第1接触部18c及び第2接触部19cを有する。第1接触部18c及び第2接触部19cの接触面(フィルム筒FTの外面と接触する面)は、
図5に示されるように、鉛直方向Vに対して傾斜している。そのため、物品排出装置20から2回目以降に排出された分の物品Aを受け部材17が受ける時、第1接触部18c及び第2接触部19cの下部がフィルム筒FTの横シール部Sと接触し、第1接触部18c及び第2接触部19cの上部が横シール部Sよりも上方においてフィルム筒FTの外面と接触する。これにより、第1接触部18c及び第2接触部19cがフィルム筒FTの外面と接触する際に、フィルム筒FTの内部の物品Aが上方に押し上げられる。その結果、第1接触部18c及び第2接触部19cに物品Aが挟まれることによる、物品A及びフィルム筒FTの破損が抑制される。
【0082】
(7-3)
第1接触部18c及び第2接触部19cの下端は、フィルム筒FTに向かって最も突出している部分である。第1接触部18c及び第2接触部19cの下端がフィルム筒FTの外面と接触すると、接触した箇所においてフィルム筒FTが曲げられて跡が残るおそれがある。
【0083】
物品排出装置20から2回目以降に排出された分の物品Aを受け部材17が受ける時、第1接触部18c及び第2接触部19cの下端は、
図8に示されるように、フィルム筒FTの横シール部Sと接触する。そのため、第1接触部18c及び第2接触部19cの下端がフィルム筒FTの外面に繰り返し接触しないので、受け部材17との接触によってフィルム筒FTに跡が残ることが抑制される。
【0084】
(7-4)
物品排出装置20から2回目以降に排出された分の物品Aを受け部材17が受ける時、横シール機構15は、フィルム筒FTの横シール部Sに当たらない位置にある。そのため、第1シールジョー56及び第2シールジョー57の熱によってフィルム筒FTが破損することが抑制される。
【0085】
(8)変形例
(8-1)変形例A
実施形態では、物品排出装置20から複数回に分けて排出された物品Aを受け部材17が受ける場合、受け部材17の高さ位置が変更される。具体的には、受け部材17は、1回目に排出された分の物品Aを受けた高さ位置よりも低い高さ位置において、2回目以降に排出された分の物品Aを受ける。この場合、制御部16は、1回目に排出された分の物品Aを受け部材17が受ける時には、第1モードに基づいて鉛直移動機構55を制御する。その後、制御部16は、2回目以降に排出された分の物品Aを受け部材17が受ける時には、第1モードから第2モードに切り替えて、第2モードに基づいて鉛直移動機構55を制御する。
【0086】
しかし、制御部16は、物品排出装置20から物品Aが排出される間隔が短い場合には、第1モードから第2モードに切り替えなくてもよい。この場合、制御部16は、2回目以降に排出された分の物品Aを受け部材17が受ける時においても、第1モードに基づいて鉛直移動機構55を制御する。
【0087】
本変形例では、制御部16は、実施形態と同様に、1回目に排出された分の物品Aを受け部材17が受けるまでは、第1モードに基づいて鉛直移動機構55を制御する。制御部16は、1回目に排出された分の物品Aを受け部材17が受けた時点から所定時間が経過しており、かつ、受け部材17が物品Aを受けた直近の時点において第1モードである場合には、第1モードから第2モードに切り替える。しかし、制御部16は、1回目に排出された分の物品Aを受け部材17が受けた時点から所定時間が経過していない間は、第1モードから第2モードに切り替えない。所定時間とは、例えば、少なくとも、横シール機構15がフィルム筒FTを横シールするために要する時間である。
【0088】
本変形例では、物品排出装置20から物品Aが複数回に分けて排出される場合において物品Aの排出間隔が短い場合には、受け部材17が物品Aを初めて受けた時点から所定時間が経過するまでは、受け部17の高さ位置が変更されない。そのため、受け部17は、同じ高さ位置において、物品Aを連続して受けることができる。具体的には、第2フェーズにおいてフィルム筒FTが横シールされて第3フェーズに移行する前に、受け部17は物品Aを連続して受けることができる。受け部17が物品Aを連続して受けている間は、第1シールジョー56及び第2シールジョー57がフィルム筒FTから離れる第3フェーズに移行しない。その場合でも、受け部17が物品Aを連続して受けている時間が抑えられるので、第1シールジョー56及び第2シールジョー57の熱によってフィルム筒FTが破損しにくい。
【0089】
本変形例では、制御部16が第1モードと第2モードとを切り替える回数を抑えることができる。すなわち、第4フェーズにおいて、鉛直移動機構55が横シール機構15及び受け部材17の鉛直方向Vの位置を変更する回数を抑えることができる。そのため、製袋包装機10は、物品Aを包装する工程にかかる時間を短縮することができる。
【0090】
(8-2)変形例B
実施形態及び変形例Aでは、制御部16は、物品排出装置20から物品Aが複数回に分けて排出される場合において、必要に応じて第1モードと第2モードとを切り替えて鉛直移動機構55を制御する。この場合、制御部16は、物品排出装置20と通信することで、物品排出装置20から物品Aが排出された時点に関する情報等を取得してもよい。
【0091】
具体的には、制御部16は、排出要求信号を物品排出装置20に送信し、排出完了信号を物品排出装置20から受信してもよい。排出要求信号とは、物品Aの排出を物品排出装置20に要求するための信号である。排出完了信号とは、排出要求信号を受信した物品排出装置20が物品Aの排出を完了した旨の信号である。
【0092】
図9は、制御部16が排出要求信号T1を送信した時点、及び、制御部16が排出完了信号T2を受信した時点を表すタイムチャートの一例である。制御部16は、排出要求信号T1を所定の間隔P1で送信する。この間隔P1は、一定である。物品排出装置20は、制御部16から受信した排出要求信号T1に応じて物品Aを排出できる場合、物品Aの排出後に排出完了信号T2を制御部16に送信する。この場合、制御部16が排出要求信号T1を送信する時点から、制御部16が排出完了信号T2を受信する時点までの期間P2は、一定である。しかし、物品Aの計量に時間がかかる場合等、物品排出装置20の動作状況によっては、物品排出装置20は、制御部16から受信した排出要求信号T1に応じて物品Aを排出できない場合がある。この場合、物品排出装置20は、制御部16から受信した排出要求信号T1(
図9の信号T1a)に対して排出完了信号T2を送信しない。その代わり、物品排出装置20は、制御部16から再度受信した排出要求信号T1(
図9の信号T1b)に対して排出完了信号T2を送信する。従って、
図9に示されるように、制御部16が物品排出装置20から排出完了信号T2を受信する間隔は一定ではない。
【0093】
本変形例では、制御部16は、1つの袋Wに物品Aが包装される包装工程(第1乃至第4フェーズからなる工程)において、排出要求信号T1を初めて送信した時点から、所定時間以内に排出完了信号T2を受信しなかった場合、第1モードから第2モードに切り替える。一方、制御部16は、排出要求信号T1を初めて送信した時点から、所定時間以内に排出完了信号T2を受信し続けている間は、第1モードから第2モードに切り替えない。所定時間は、少なくとも、横シール機構15がフィルム筒FTを横シールするために要する時間である。所定時間は、例えば、
図9において、期間P2より長く、かつ、間隔P1より短い時間に設定される。この制御は、変形例Aで説明した制御と実質的に同じである。
【0094】
また、
図7に示されるように、1つの袋Wに包装されるべき量の物品Aを物品排出装置20が一回で排出する場合においても、状況に応じて、制御部16は、第1モードから第2モードに切り替えてもよい。具体的には、制御部16が排出要求信号T1を送信した時点から、制御部16が排出完了信号T2を受信した時点までの期間が所定時間を超える場合に、制御部16は、第1モードから第2モードに切り替えてもよい。
【0095】
本変形例では、制御部16は、さらに、1つの袋Wに包装されるべき物品Aが全て排出された旨の全排出完了信号を物品排出装置20から受信してもよい。この場合、制御部16は、第2モードに基づいて鉛直移動機構55を制御しており、かつ、全排出完了信号を物品排出装置20から受信した場合に、第2モードから第1モードに切り替えて第1フェーズに移行する。
【符号の説明】
【0096】
10 製袋包装機
15 横シール機構
16 制御部
17 受け部材
20 物品排出装置
55 鉛直移動機構(移動機構)
A 物品
F フィルム(包材)
FT フィルム筒(筒状の包材)
S 横シール部(シール部)
W 袋
【先行技術文献】
【特許文献】
【0097】
【文献】特開昭63-152507号公報
【文献】特開2000-95205号公報