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特許7212372撮像装置とコンピューティング装置を含むシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-17
(45)【発行日】2023-01-25
(54)【発明の名称】撮像装置とコンピューティング装置を含むシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20230118BHJP
【FI】
A61B6/00 330Z
A61B6/00 350D
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019537754
(86)(22)【出願日】2017-09-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 US2017053093
(87)【国際公開番号】W WO2018057984
(87)【国際公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-09-23
(31)【優先権主張番号】62/399,209
(32)【優先日】2016-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/482,177
(32)【優先日】2017-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519103160
【氏名又は名称】キュアメトリックス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダウトン,ウイリアム,スコット
(72)【発明者】
【氏名】ヴ,ホアイン,エックス.
(72)【発明者】
【氏名】カリマバディ,ホマヨウン
【審査官】松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-143369(JP,A)
【文献】特開2009-072576(JP,A)
【文献】特開2008-052701(JP,A)
【文献】特開2010-253245(JP,A)
【文献】Laurie Margolies et al.,"Digital Mammography and Screening for Coronary Artery Disease",JACC: CARDIOVASCULARIMAGING,2016年04月,Vol.9,No.4,pp.350-360
【文献】Sabee Molloi et al.,"Quantification of breast arterial calcification using full field degital mammography", Medical Physics,2008年,Vol.35,No.4,pp.1428-1439
【文献】Jie-Zhi Cheng et al.,"Automated Delineation of Calcified Vessels in Mammography by Tracking with Uncertainty and Graphical Linking Techniques",IEEE TMI-2012-0423-R1,2012年,pp.1-14
【文献】Laurie Margolies et al.,"Digital Mammography and Screening for Coronary Artery Disease",JACC: CARDIOVASCULARIMAGING,2016年04月,Vol.9,No.4,pp.350-360
【文献】Sabee Molloi et al.,"Quantification of breast arterial calcification using full field degital mammography", Medical Physics,2008年,Vol.35,No.4,pp.1428-1439
【文献】Jie-Zhi Cheng et al.,"Automated Delineation of Calcified Vessels in Mammography by Tracking with Uncertainty and Graphical Linking Techniques",IEEE TMI-2012-0423-R1,2012年,pp.1-14
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
医中誌Web
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置、及び前記撮像装置と通信するコンピューティング装置を含むシステムであって、前記コンピューティング装置はプロセッサとメモリとを含み、前記メモリは、
マンモグラム中に得られた患者の乳房の第1の画像を受信するステップと、
前記第1の画像からノイズを除去し、それによってノイズ除去画像を作成するステップと、
前記ノイズ除去画像上の1つ又は複数の関心点を計算するステップと、
前記ノイズ除去画像上に1つ又は複数のメソスケール関心領域を作成するステップと、
前記1つ又は複数のメソスケール関心領域のそれぞれについて接続性を計算するステップと、
前記計算された接続性を使用して1つ又は複数の接続構成要素を識別するステップであって、ここで前記1つ又は複数の接続構成要素のそれぞれが大域的曲線構造の分岐を表し、識別するステップと、
前記大域的曲線構造の各分岐について1つ又は複数の物理的特性に基づいて分岐のセットを選択するステップと、
エラー耐性のある適応多項式フィットに基づいて、前記選択された分岐のセット内の各分岐を枝刈りするステップと、
各枝刈りされた分岐内の残りの関心領域を識別するステップと、
前記残りの関心領域に含まれる残りの関心点によって形成された鎖を成長させるステップであって、ここで前記鎖は巨視的な大域的曲線石灰化動脈構造を表す、成長させるステップと、を実行するよう構成されているコンピュータ実行可能コードを含む、システム。
【請求項2】
前記コンピュータ実行可能コードが、前記第1の画像中の前記乳房の境界を計算するステップ、及び計算を前記乳房の前記境界内に含まれる乳房領域に限定することを実行するようにさらに構成されており、前記境界を計算することは、前記第1の画像における画素強度の分析を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ノイズ除去画像上の1つ又は複数の関心点を計算することは、
前記ノイズ除去画像を探索するための探索単位を作成することと、
前記ノイズ除去画像上に1つ又は複数の探索点を作成することと、
探索点に関連する各探索単位について、前記ノイズ除去画像から前記探索単位への画素強度を補間することと、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記接続性を計算することは、関心領域内に含まれる前記関心点を計算すること、前記関心領域についての接続性インデックスを計算すること、及び前記関心領域に接続された近傍を記録することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ又は複数の物理的特性は、分岐に含まれるいくつかの関心領域及び前記分岐の真円度比を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ又は複数の物理的特性が、前記分岐の接続性比及び真円度比を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
分岐の前記セットを選択することが、
関心領域の数が4未満であるとき、関心領域の前記数が5であり、かつ真円度比が12を超えるとき、関心領域の前記数が6であり、かつ前記真円度比が14を超えるとき、関心領域の前記数が7であり、かつ前記真円度比が20を超えるとき、又は関心領域の前記数が8であり、かつ前記真円度比が26を超えるとき、分岐の前記セットから分岐を廃棄すること、及び
接続性比が接続性の閾値以下であるとき、及び前記真円度比が真円度の閾値以上であるとき、分岐を保持することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記コンピュータ実行可能コードが、形態、トポロジー、及び個々の微小構造の階層のうちの1つ又は複数に基づいて微小石灰化を検出及び選択するステップを実行するようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
微小石灰化の検出及び選択はさらに、前記個々の微小構造の構造間関係に基づいている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンピュータ実行可能コードは、前記鎖を分析するステップを実行するようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記鎖を分析することは、前記鎖のさらなる成長を計算することを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
さらなる成長が前記鎖の終点で生じる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記コンピュータ実行可能コードは、飽和が達成されるまで繰り返し成長を適用するステップを実行するようにさらに構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記鎖をさらに成長させようとしても、いくつかの成長部位が変化しないときに、飽和が達成される、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年9月23日に出願された米国仮特許出願第62/399,209号、及び2017年4月5日に出願された米国仮特許出願第62/482,177号の優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
技術分野
【0002】
本開示は、一般に、マンモグラムから大域的石灰化動脈構造を構築し、石灰化動脈構造を定量化し、患者の心臓病のリスクを決定するために、石灰化を検出するための装置、システム、及び方法に関する。
【0003】
導入
10件の横断研究の分析により、乳房動脈石灰化(「BAC」)は、冠状動脈疾患と有意に関連していることが示されている(Jiang X.ら、Association of breast arterial calcification with stroke and angiographically proven coronary artery disease:a meta-analysis、Menopause 2015、22(2):136~43)。さらに、最近では、BACと冠状動脈石灰化との強い定量的関連性があるだけでなく、乳房BACが標準的な心血管危険因子よりも優れていることが報告されている(Margolies L.ら、Digital Mammography and Screening for Coronary Artery Disease、JACC Cardiovasc Imaging 2016、9(4):350~60)。
【発明の概要】
【0004】
従って、本明細書の発明者らは、石灰化を検出し、マンモグラムから大域的石灰化動脈構造を構築し、心臓病に対する患者のリスクを決定するための新規かつ改良されたアプローチを考案することに成功した。従って、本発明は、方法、ならびにその方法に基づくシステム及びコンピュータプログラム製品に関する。方法は、マンモグラムから画像を受信すること、画像からノイズを除去することによってノイズ除去画像を作成すること、ノイズ除去画像上の関心点を計算すること、ノイズ除去画像上にメソスケール関心領域を作成すること、メソスケール関心領域について接続性を計算すること、接続構成要素が大域的曲線構造の分岐を表す、計算された接続性を使用して接続構成要素を識別すること、大域的曲線構造の各分岐についての物理的特性に基づいて分岐のセットを選択すること、エラー耐性のある適応多項式フィットに基づいて各分岐を枝刈りすること、枝刈りされた各分岐の残りの関心領域を識別すること、及び残りの関心領域に含まれる残りの関心点によって形成された鎖を成長させること、を含み、ここで鎖は巨視的、大域的曲線石灰化動脈構造を表す。
【0005】
本発明の一態様では、石灰化動脈構造の定量化は、心臓病のリスク層別化のためのバイオマーカーとして使用することができる。
【0006】
本教示のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明、実施例、及び添付の特許請求の範囲を参照してよりよく理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書に記載の装置、システム、及び方法の前述及び他の目的、特徴及び利点は、添付の図面に示すように、その特定の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。図面は必ずしも一定の縮尺ではなく、代わりに、本明細書に記載されている装置、システム、及び方法の原理を説明することに重点が置かれている。
【0008】
図1図1は、石灰化構造を検出するためのネットワーク化システムを示している。
【0009】
図2図2は、局所石灰化微細構造を検出し、大域的(石灰化)動脈構造を構築する方法のフローチャートである。
【0010】
図3図3は、局所石灰化微細構造を検出し、大域的(石灰化)動脈構造を構築するための方法の第1段階の方法のフローチャートである。
【0011】
図4図4は、局所石灰化微細構造を検出し、大域的(石灰化)動脈構造を構築するための方法の第2段階の方法のフローチャートである。
【0012】
図5図5は、局所石灰化微細構造を検出し、大域的(石灰化)動脈構造を構築するための方法の第3段階の方法のフローチャートである。
【0013】
図6図6は、局所石灰化微細構造を検出し、大域的(石灰化)動脈構造を構築するための方法の第4段階の方法のフローチャートである。
【0014】
図7図7~29に代表的な画像を示す。
図8】同上。
図9】同上。
図10】同上。
図11】同上。
図12】同上。
図13】同上。
図14】同上。
図15】同上。
図16】同上。
図17】同上。
図18】同上。
図19】同上。
図20】同上。
図21】同上。
図22】同上。
図23】同上。
図24】同上。
図25】同上。
図26】同上。
図27】同上。
図28】同上。
図29】同上。
【0015】
図30図30は、石灰化した微細構造を検出し、大域的な動脈構造を構築するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで、好ましい実施形態が示されている添付の図面を参照して、実施形態を以下により完全に説明する。しかしながら、前述のものは多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載されている例示された実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの例示された実施形態は、この開示が当業者にその範囲を伝えるように提供されている。
【0017】
本明細書で言及された全ての文書は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。単数形の項目への言及は、他に明示的に述べられていない限り、又は本文から明らかでない限り、複数形の項目を含むと理解されるべきであり、逆もまた同様である。文法的な接続詞は、他に述べられない限り、又は文脈から明らかでない限り、接続された節、文、単語などのあらゆるすべての選言的及び接続的組み合わせを表すことを意図している。従って、用語「又は」は、一般に、「及び/又は」などを意味すると理解されるべきである。
【0018】
本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書中に別段の指定がない限り、その範囲内に含まれるありとあらゆる値を個別に指すものとして限定することを意図しておらず、そのような範囲内の各々別々の値は、本明細書に個別に列挙されるかのように、本明細書に組み込まれる。数値を伴う場合の「約」、「およそ」、「実質的に」などの語は、意図する目的に対して満足に作動することが当業者によって理解されるように偏差を示すと解釈されるべきである。本明細書では値の範囲及び/又は数値は例としてのみ提供されており、記載された実施形態の範囲に対する限定を構成するものではない。本明細書で提供されるありとあらゆる例、又は例示的な言語(「例えば」、「など」など)の使用は、単に実施形態をより明確にすることを意図しており、実施形態の範囲を限定するものではない。明細書中のいかなる言語も、実施形態の実施に必須であると主張されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
【0019】
以下の説明では、「第1」、「第2」、「上部」、「下部」、「上」、「下」などの用語は便宜的な言葉であり、制限用語として解釈されるべきではないことが理解される。
【0020】
概して、本明細書に記載されるのは、石灰化構造を検出するための、例えば、大域的(石灰化)動脈構造を構築するための装置、システム、及び方法である。
【0021】
乳房動脈石灰化(「BAC」)は、X線に対するそれらの不透明度を介して、一般に、マンモグラム(MG)画像上に明確で粒状の顕微鏡的構造を形成する。低いX線露光量が明るい画素強度で表される(そして逆に、高いX線露光量が暗い画素強度で表される)MG画像では、BACは一般に、鋭い空間勾配を有する明るい微細構造として現れる。これらの明るい微細構造は、乳房動脈の石灰化部分を描写する巨視的曲線構造に組織化することができ、典型的には動脈が二股に分かれる分岐点/分岐点を含む。開示された実施形態の目的は、そこから大域的(石灰化)動脈構造を構築することができる局所石灰化微細構造を検出することである。結果として得られる大域的構造は、他の組織における動脈石灰化の指標となり得る、特に乳房組織における動脈石灰化の程度を検出及び定量化することにおいて、さまざまな用途を有し得る。そのようなBACの測定は、そのような組織における疾患の予測因子として使用され得る。
【0022】
背景として、石灰化動脈は、マンモグラムにおける疑わしい微小石灰化病変の誤った識別をもたらし得る、マンモグラムにおける顕著な構造であり得ることに留意されたい。そのようなものとして、これらの大域的動脈構造をできるだけ多く取り除くことが重要であり得る。これは、様々な組織における動脈石灰化の予測に適用可能である、本発明の現在の大域的動脈マッピングアルゴリズムをもたらした。このように、現在の大域的動脈マッピングアルゴリズムは、信頼性が高く正確なBAC評価方法を提供する。
【0023】
本明細書で論じる装置、システム、及び方法は、一般に動脈石灰化の検出を説明するが、追加的又は代替的に、他の細胞の検出及び定量、生理学的異常なども本明細書で論じる装置、システム、及び方法によって可能になる。本明細書で説明した特定の実施形態は、BACの特定の使用事例について説明されているが、本明細書で説明した方法は他の組織動脈石灰化にも適応可能である。さらに、本明細書で一般的に説明されている実施形態は、人間の組織の医療画像のユースケースを対象としているが、実施形態は、追加的又は代替的に、例えば動物組織にも適用可能である。
【0024】
概して、本明細書で説明される装置、システム、及び方法は、本明細書で説明されるように様々なハードウェア及びソフトウェアの使用を通して自動化され得る医療画像分析を利用することができる。本明細書で論じられる医療画像分析技術は、従って、動脈石灰化の検出及び/又は大域的動脈構造の構築のために使用され得る。
【0025】
図1は、石灰化構造を検出するためのネットワーク化システムを示している。図に示すように、システム100は、例えば、大域的動脈構造の構築のために、石灰化構造を検出するクライアントサーバ実装を含み得る。システム100は、ネットワーク104を介してバックエンド構成要素106に結合し、それらと対話するために、ユーザ又は管理者によってそれぞれ使用される1つ又は複数のコンピューティング装置102を含むことができる。システム100のクライアントサーバ/ウェブ実装が示されているが、システム100は、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)モデル、スタンドアロンコンピュータ、及び他のコンピュータアーキテクチャを使用して実装することもできる。
【0026】
1つ又は複数のコンピューティング装置102は、各コンピューティング装置102がバックエンド構成要素106と通信できるように、少なくとも1つのプロセッサ103、メモリ105、固定記憶装置、ディスプレイ、及び通信回路を有するプロセッサベースのコンピューティング装置を含み、石灰化構造に関連する情報をディスプレイし、バックエンド構成要素106に医療情報を送信し、又はバックエンド構成要素106もしくはシステム100の別の構成要素と対話することができる。例えば、コンピューティング装置102は、スマートフォン装置、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、端末装置、携帯電話などを含むがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、コンピューティング装置102は、コンピューティング装置102とバックエンド構成要素106との対話を容易にする、既知のブラウザアプリケーション又はモバイルアプリケーションなどのアプリケーションを実行することができる。1つ又は複数のコンピューティング装置102は、追加的又は代替的に、例えば、コンピュータもしくはコンピュータシステム、パーソナルデジタルアシスタント、携帯電話、又は他の任意のモバイルもしくは固定コンピューティング装置などのクライアント装置を含む他の装置を含み得る。
【0027】
コンピューティング装置102はデスクトップコンピュータワークステーションを含み得る。コンピューティング装置102は、追加的又は代替的に、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、タブレット、携帯電話、テレビ、セットトップボックス、ウェアラブルコンピュータなど、ネットワーク104を介して他の装置と対話するのに適した任意の装置でもあり得る。コンピューティング装置102は、追加的又は代替的に、サーバを含んでもよく、又は本明細書に記載のサーバのうちのいずれかなどのサーバ上に配置されてもよい。
【0028】
コンピューティング装置102は、本明細書で説明されているエンティティのいずれにも使用することができる。特定の態様では、コンピューティング装置102は、ハードウェア(例えばデスクトップコンピュータ内)、ソフトウェア(例えば仮想マシンなど内)、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせを使用して実装され得る。コンピューティング装置102は、スタンドアロン装置、別のエンティティもしくは装置に統合された装置、複数のエンティティにわたって分散されたプラットフォーム、又は仮想化環境で実行されている仮想化装置とすることができる。
【0029】
一般に、コンピューティング装置102は、プロセッサ103、メモリ105、ネットワークインターフェース124、データストア、及び1つ又は複数の入出力インターフェースを含み得る。コンピューティング装置102は、入出力インターフェースに接続することができる周辺機器及び他の外部入出力装置をさらに含むか、それらと通信することができる。
【0030】
プロセッサ103は、コンピューティング装置102又はシステム100内で実行するための命令を処理することができる任意のプロセッサ又は他の処理回路であり得る。プロセッサ103は、シングルスレッドプロセッサ、マルチスレッドプロセッサ、マルチコアプロセッサなどを含み得る。プロセッサ103は、メモリ105又はデータストアに格納されている命令を処理することが可能であり得る。
【0031】
メモリ105は、コンピューティング装置102内に情報を記憶することができる。メモリ105は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、レジスタなどを含むがこれらに限定されない、任意の揮発性又は不揮発性メモリ又は他のコンピュータ可読媒体を含むことができる。メモリ105は、プログラム命令、プログラムデータ、実行可能ファイル、ならびにコンピューティング装置102の動作を制御し、ユーザのための機能を実行するようにコンピューティング装置102を構成するのに有用な他のソフトウェア及びデータを格納し得る。メモリ105は、コンピューティング装置102の動作の異なる態様のために、いくつかの異なる段階及びタイプのメモリを含み得る。例えば、プロセッサは、特定のデータ又は命令へのより速いアクセスのためにオンボードメモリ及び/又はキャッシュを含み得、必要に応じてメモリ容量を拡張するために別個のメインメモリなどが含まれ得る。本明細書で企図されるように、そのようなすべてのメモリタイプはメモリ105の一部であり得る。
【0032】
メモリ105は、一般に、コンピューティング装置102によって実行されたときに問題のコンピュータプログラムの実行環境を作成するコンピュータコード、例えばプロセッサファームウェアを構成するコード、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又はこれらの組み合わせ、及び/又は本明細書に記載の様々なフローチャート及び他のアルゴリズムの説明に記載のステップの一部又は全部を実行するコードを含む、不揮発性コンピュータ可読媒体を含むことができる。単一のメモリ105が示されているが、任意の数のメモリをコンピューティング装置102に有効に組み込むことができることが理解されよう。例えば、第1のメモリは、コンピューティング装置102の電源が切られているときでも、ファイル及びコードの永久的又は長期的記憶のためのディスクドライブなどの不揮発性記憶装置を提供し得る。ランダムアクセスメモリのような第2のメモリは、処理を実行するための命令及びデータを格納するための揮発性(しかしより高速の)メモリを提供することができる。第3のメモリは、レジスタ、キャッシングなどのためにプロセッサ103に物理的に隣接してより高速のメモリを提供することによって性能を改善するために使用され得る。プロセッサ103及びメモリ105は、論理回路によって補足されるか、又はその中に組み込まれることが可能である。
【0033】
ネットワーク104は、各コンピューティング装置102がバックエンド構成要素106と対話することを可能にするために、通信プロトコル及びHTTP又はHTTPS及びHTML又はJSON又はRESTなどのデータプロトコルを使用する有線又は無線ネットワークなどの通信経路を含み得る。ネットワーク104は、各コンピューティング装置102とバックエンド構成要素106との間の経路を形成する、有線ネットワーク、無線コンピュータネットワーク、無線デジタルデータネットワーク、セルラ無線デジタルデータネットワーク、又はこれらのネットワークの組み合わせとすることができる。
【0034】
ネットワーク104は、追加的又は代替的に、システム100の参加者間でデータ及び制御情報を通信するのに適した任意のデータネットワーク又はインターネットワークを含み得る。これには、インターネットなどの公衆ネットワーク、私設ネットワーク、及び公衆交換電話網などの電気通信ネットワーク、又は第3世代セルラー技術(例えば、3G又はIMT-2000)を用いたセルラーネットワーク、第4世代セルラー技術(例えば、4G、LTEMT-Advanced、E-UTRAなど)又はWiMax-Advanced(IEEE 802.16m)及び/又は他の技術を用いたセルラーネットワーク、ならびにシステム100の参加者間でデータをやり取りするために使用され得る任意のスイッチ、ルータ、ハブ、ゲートウェイなどと共に、さまざまな企業エリア、大都市圏、キャンパス、又はその他のローカルエリアネットワーク又は企業ネットワークが含まれ得る。ネットワーク104はまた、データネットワークの組み合わせを含んでもよく、厳密に公的又は私的ネットワークに限定される必要はない。システム100の参加者はそれぞれ、ネットワークを介した通信のためにネットワークインターフェース124を用いて構成することができる。
【0035】
システム100のユーザ108は、患者、医者、放射線科医、医療機関、画像分析者などであり得る。ユーザ108は、コンピューティング装置102を使用して、システム100による定量化のために1つ又は複数の医療情報108を提出し、及び/又はバックエンド構成要素106から受信した医療情報110に基づく情報を受信する。バックエンド構成要素106は、本明細書に記載されるように検出された石灰化、システムに関連するユーザデータなどに基づいて情報を生成するのに使用され得る、複数の医療情報110を含むシステム100に関連する様々なデータを格納することができるバックエンド構成要素106に結合された記憶装置112(例えば、メモリ、データベースなど)を含むことができる。記憶装置112は、既知のソフトウェアベース又はハードウェアベースの記憶装置システムを使用して実施することができる。
【0036】
バックエンド構成要素106は、プロセッサ114、メモリ116、永続的メモリ/記憶装置などを含むがこれらに限定されない1つ又は複数のコンピューティングリソースを使用して実行され得る。例として、各コンピューティングリソースは、ブレードサーバ、サーバコンピュータ、アプリケーションサーバ、データベースサーバ、クラウドコンピューティングリソースなどであり得る。図に示すようにシステム100がクライアントサーバアーキテクチャとして実施される場合、バックエンド構成要素106は、各コンピューティング装置102との接続及び対話を管理し、各コンピューティング装置102に送信するHTMLコードを生成し、各コンピューティング装置102からデータを受信するなどのウェブサーバ118などを有することができる。ウェブサーバ118は、ハードウェア又はソフトウェアで実施することができる。
【0037】
バックエンド構成要素106は、組織に関する医療情報110を分析する画像分析エンジン120を含み得る。画像分析エンジン120は、組織の任意の領域における石灰化の任意の指示を生成し得、大域的構造122を生成し得る。画像分析エンジン120は、コンピューティング装置102から、第三者からのコンピュータネットワークを介して、又はシステム100の記憶装置112から、組織に関する医療情報110を受信/取得することができる。大域的構造122は、例えば1つ又は複数のコンピューティング装置102上に表示するために、ネットワーク104を介して送信することができる。画像分析エンジン120は、ソフトウェア又はハードウェアで実施することができる。画像分析エンジン120がソフトウェアで実施される場合、画像分析エンジン120(及びその構成要素)は、メモリ116に格納されバックエンド構成要素106のプロセッサ114によって実行され得る複数行のコンピュータコードを含み得、これによりプロセッサ114は、本明細書で説明されるように画像分析エンジン120(及びその構成要素)の処理を実行するように構成される。画像分析エンジン120がハードウェアで実施される場合、画像分析エンジン120(及びその構成要素)は、マイクロコントローラ、プログラマブルロジック装置、特定用途向け集積回路、又はハードウェア装置が本明細書に記載の画像分析エンジン120(及びその構成要素)の処理を実行する他のハードウェア装置を含み得る。画像分析エンジン120は、本明細書で論じられるように、大域的構造122を生成するのを助ける1つ又は複数のアルゴリズムを含むことができる。
【0038】
1つ又は複数の医療情報108は医療画像を含み得る。医療画像は、X線画像、例えばマンモグラムなどを含み得る。医療画像は、追加的又は代替的に、磁気共鳴(MRI)画像、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン画像、超音波画像などを含み得る。
【0039】
システム100は、代わりに、独立型コンピュータ実装の一部として実装されてもよい。この実施態様では、画像分析エンジン120は、コンピューティング装置102に格納されているか、又はコンピューティング装置102の中に入力された1つ又は複数の医療情報110に基づいて、例えばプロセッサ103及びメモリ105などのコンピューティング装置102の1つによって実行され得る。コンピューティング装置102は、ディスプレイ126と、キーボード及びマウスなどの入出力装置を含むがこれらに限定されない他の任意の追加のハードウェアとを有することができる。ディスプレイ126は、ユーザインタフェース、例えばグラフィカルユーザインタフェースを含み得る。コンピューティング装置102はまた、プロセッサと、DRAM又はSRAMなどの互いに接続されているフラッシュメモリ又はハードディスクドライブ及びメモリなどの永続的記憶装置とを含むことができる。コンピューティング装置102がシステムを実施するために使用され、画像分析エンジン120がソフトウェアで実施されるとき、メモリ105は画像分析エンジン120及びオペレーティングシステムを格納することができ、システムのプロセッサ103は画像分析エンジン120を実装するコンピュータコードの複数のラインを実行することができ、これによりコンピュータシステムのプロセッサ103が、本明細書で説明されるように画像分析エンジン120の処理を実行するように構成される。
【0040】
画像分析エンジン120は、一般に、患者の組織片についての1つ又は複数の医療情報110を受け取り、患者の組織片ごとに、それに関連する情報を生成することができる。組織片は、石灰化を有する可能性があるヒト組織片又は動物組織片を含むが、これらに限定されない。
【0041】
図2は、局所石灰化微細構造を検出し、大域的(石灰化)動脈構造を構築する方法のフローチャートである。方法200は、一般に、石灰化微細構造を検出して大域的動脈構造を構築するための技術を実行するためのアルゴリズムの主な段階を表すことができる。
【0042】
ステップ202によって示すように、方法200は、関心点(POI)を選択することを含み得る。
【0043】
ステップ204によって示すように、方法200は、メソスケールへの移行を含むことができる。
【0044】
ステップ206によって示すように、方法200は、メソスケールから巨視的スケールへの移行を含むことができる。
【0045】
ステップ208によって示すように、方法200は、鎖を成長させることを含み得る。
【0046】
従って、一態様では、アルゴリズムは4つの異なる段階を含む。第1段階では、POIを見つけることができる。第2段階では、例えば計算性能を向上させるために、POIをグループ化し、メソスケール関心領域(ROI)にマッピングすることができる。第3段階では、ROIを大域的曲線構造の分岐にグループ化することができ、そのような構造に属さない偽のROI(例えば、偽陽性ROI)は、エラー耐性のある適応多項式フィットIによって排除され、選択されたROIはそれらを構成するPOIに置き換えられ、より良いアルゴリズム有効性を提供する。第4段階では、これらの選択されたPOIは、(例えば、国際公開第PCT/US2016/054074号に記載され、その全体が本明細書に参照により組み込まれているように)Qアルゴリズムによって提供される、微小石灰化が付着する「成長部位」として使用され得る。石灰化動脈構造は、飽和が生じるまで、すなわち構造中に含まれる微小石灰化の数がさらなる成長の試みによって変化しなくなるまで成長し得る。このプロセスは、ポリマー成長部位がポリマー鎖が成長するためのシード点として働くというポリマー成長の物理的プロセスとの直接の類似性を表すことができる。一旦ポリマー鎖が形成され始めると、それらは縦方向にのみ成長し得る、すなわち、成長はポリマー鎖の終点でのみ起こり得る。要約すると、Qアルゴリズムからの微小石灰化のセットが与えられると、大域的動脈マッピングアルゴリズムは大域的曲線構造をもたらすことができる。これらの大域的曲線構造の一部ではないこれらの微小石灰化は、このようにして識別され得る。その後、大域的動脈構造を保持し、残りを廃棄することができる。
【0047】
図3図6は、本明細書の実施形態に記載されるような局所石灰化微細構造を検出し、大域的(石灰化)動脈構造を構築するための方法の様々な段階でとられるステップを表すフローチャートである。図7図45は、図3図6の方法で論じた様々なステップをさらに説明するために含まれる代表的な画像を示す。
【0048】
図3は、局所石灰化微細構造を検出し、大域的(石灰化)動脈構造を構築するための方法の第1段階の方法のフローチャートである。言い換えれば、この図は、関心点(POI)を選択することに関連するアルゴリズム技術において採用され得るステップを表す。
【0049】
ステップ302に示すように、方法300は乳房境界を計算することを含み得る。画素強度I(x、y)を有する画像が与えられると(図7参照)、乳房境界は計算され(図8の曲線802として示される)、xiがパラメトリック量を表すパラメトリック曲線(B(xi)、B(xi))、及び、図9に示すように乳房マスク―論理「真」が乳房の内部の点を示し、逆に論理「偽」は乳房の外側の点を示す、ブール配列として表すことができる。
【0050】
上述したように、乳房に加えて、又は乳房の代わりに他の組織上で実施を使用することができ、従って他の組織領域の境界/領域を収容するようにステップを調整することができる。
【0051】
ステップ304に示すように、方法300は、計算を乳房領域に限定することを含み得る。正確さを失うことなく計算性能を得るために、乳房輪郭の頂点を超える領域は計算から除外されてもよい。図10及び図11は、一例において実際の計算が適用される領域を示す。具体的には、図10では、計算を適用することができる元の画像のサブ領域が示されている。乳房輪郭の頂点を超える領域(曲線1002を超える領域)は除外されている。画素強度の大域的最大値、I=max(I(x、y))は、その後の使用のために計算することができる。図11では、図10からのサブ領域に対応する乳房マスクが示されている。
【0052】
ステップ306に示すように、方法300は元の画像をノイズ除去することを含むことができる。任意の更なる処理の前に、図10に示す画像I(x、y)は、短いスケール長のノイズを除去するために、ウェーブレットフィルタ(Coiflet 1)で前処理することができ、ノイズ除去画像IDN(x、y)が得られる。従って、ノイズ除去画像IDN(x、y)は、すべての処理に対して排他的に使用され得る。「前」(図12)及び「後」(図13)画像の例が提供されている。具体的には、元の画像I(x、y)(図12)をウェーブレットフィルタでノイズ除去して短いスケール長のノイズを除去し、ノイズ除去画像IDN(x、y)を得て(図13)、以降のすべての処理に使用することができる。
【0053】
ステップ308に示すように、方法300は基本探索単位を構成することを含むことができる。基本探索単位は、半径r(原点を中心とする)を有する円であってもよく、ここでrはアルゴリズムの性能を最適化するために変化する。一例では、r=3.5ミリメートルである。
【0054】
(シータ)=r*cos(シータ)
【0055】
(シータ)=r*sin(シータ)
【0056】
式中、シータは4度刻みで0~360度の間で変化する。「探索点」が与えられると、この探索点に関連する探索単位は、2D座標平面内で基本探索単位を単純に移動することによって形成することができる。
【0057】
=xSP+x(シータ)
【0058】
=ySP+y(シータ)
【0059】
基本的な探索単位を定義することによって、単純な線形並進、すなわち三角関数を再計算しこれらの三角関数に半径を繰り返し乗算することと比較して、はるかに計算効率のよい操作によって、任意の探索単位円の(x、y)座標を得ることができることに留意されたい。
【0060】
ステップ310に示すように、方法300は探索点を構成することを含むことができる。一態様では、乳房マスク内のすべての極大値が、図14の点1402として示されている探索点として選択される。言い換えれば、図14に示すように、乳房領域内の各極大値は、点1402によって示される、探索点として選択され得る。
【0061】
ステップ312に示すように、方法300は、ノイズ除去画像から探索単位へと補間することを含み得る。探索点に関連する各探索単位について、画素強度は双一次補間によって探索単位円上に補間されてもよい。説明のために、画像上に重ね合わされた1つの代表的な探索単位円1502が図15に示されており、対応する補間された画素強度が図16に示されている。図16に示すように、画素強度は、ノイズ除去画像IDN(x、y)から図15に示される探索単位円上に双一次補間によって補間されてもよい。
【0062】
ステップ314に示すように、方法300は、関心点(POI)を計算することを含み得る。POIは、以下に列挙される両方の条件を満たす探索単位円上の任意の点として定義され得る。
【0063】
【数1】
【0064】
【数2】
【0065】
そして、一態様では、点(x(シータ)、y(シータ))は、すなわち乳房境界から少なくとも5ミリメートル離れていなければならない。
【0066】
【数3】
【0067】
【数4】
【0068】
他の距離も追加的又は代替的に使用され得る。
【0069】
閾値の組(タウ1、タウ)は、アルゴリズムの性能を最適化するように選択することができる。例示的な例では、(タウ、タウ)=(0.5、0.1)である。図17に示される画像に対して、上述のように選択されたPOIは、図18の点1802によって示される。従って、点1802は、例示的な例では選択されたPOIを表す。
【0070】
図4は、局所石灰化微細構造を検出し、大域的(石灰化)動脈構造を構築するための方法の第2段階の方法のフローチャートである。言い換えれば、この図は、メソスケールへの移行に関連するアルゴリズム技術において採用され得るステップを表す。
【0071】
ステップ402に示すように、方法400は、メソスケール関心領域(ROI)を構築することを含み得る。メソスケールのROIは、画像の左上隅から始めて、水平方向及び垂直方向の両方に間隔Dを有する2D規則格子内に構築され得る。Dの物理的サイズは、アルゴリズムの性能を最適化するために選択され得る。例示的な例では、D=1.3ミリメートルである。
【0072】
図19は、画像IDN(x、y)上に重ね合わせられたメソスケールのROIを示し、上で計算されたPOI(図18)は背景に示されている。乳房マスクと重なるROIのみが示されてもよく、これらのROIはその後の計算に入る唯一のものであってもよい。
【0073】
ステップ404に示すように、方法400は、ROIの接続構成要素を計算することを含み得る。各ROIについて、それが含むPOIの数を計算することができ、その接続性インデックス(すなわち、ROIについての空でない最近傍の数)及びどの最近傍がそれに接続されているかを記録することができる。多くても、各ROIは8つの空でない最近傍(すなわち、N、S、E、W、NE、NW、SE、SW)を有することができる。孤立したROIは最近傍を有さない。各ROIの接続性を計算すると、各ROIがセット内に少なくとも1つの最近傍を持ち、異なるセットからの最近傍を持たないROIのセットである、1組の接続構成要素を決定することができる。一例として、図20に対応する接続構成要素を図21に示す。物理的には、各接続構成要素は大域的曲線構造の「分岐」を表すことができる。従って、図21では、図20に対応する接続構成要素、又は分岐が示されている。
【0074】
ステップ406に示すように、方法400は、接続構成要素の物理的特性を計算することを含み得る。
【0075】
各接続構成要素は、次のように計算された2つの数値スコア、接続性比Cと真円度比Rとに関連付けることができる。
【0076】
【数5】
【0077】
【数6】
【0078】
ここで、j=1、2、…、Nは分岐iに属するROIのセットを表す。P及びRは、それぞれ分岐iの周囲長及び面積である。
【0079】
図5は、局所石灰化微細構造を検出し、大域的(石灰化)動脈構造を構築するための方法の第3段階の方法のフローチャートである。言い換えれば、この図は、メソスケールから巨視的スケールへの移行に関連するアルゴリズム技術において採用され得るステップを表す。
【0080】
ステップ502に示すように、方法500は分岐を下方選択することを含み得る。分岐は二段階で選択することができる。例として、第1段階において、以下の条件のうちのいずれか1つが満たされる場合、インデックスiを有する分岐は廃棄されてもよい。
【0081】
≦4
【0082】
=5かつC>12
【0083】
=6かつC>14
【0084】
=7かつC>20
【0085】
=8かつC> 26
【0086】
例として、第2段階では、条件C≦Cthres及びR≧Rthresの両方が満たされる場合に限り、インデックスiを有する分岐が保持され得る。閾値Cthres及びRthresは、アルゴリズムの性能を最適化するように選択され得る。例示的な例では、Cthres=5.69及びRthres=1.49である。物理的には、これらの条件は、丸みを帯びた構造よりも大きい真円度比R及びより小さい接続性比Cを本質的に有する、長い曲線構造を支持するように選択することができる。2段階の下方選択の後、残っている接続構成要素は図22及び図23に示される。各色/シェーディングは、異なる接続構成要素を表すことができる。各分岐は複数のROI(四角い箱)を含むことができ、各ROIは複数のPOIを含むことができることに留意されたい。図22の分岐に関連するPOIは、図23では同じカラーコード/シェーディングで示されている。
【0087】
ステップ504に示すように、方法500は、ROIの物理的特性を計算することを含み得る。インデックスiを有する各ROIは、その平均輝度ベータ及び重心位置(X、Y)によって記述され得る。
【0088】
【数7】
【0089】
【数8】
【0090】
【数9】
【0091】
選択された各ROIは、今度は上で計算されたその重心位置と置き換えられてもよい。図24は、分岐内の各ROIが単一の点、その重心位置によってどのように置き換えられ得るかを示す。
【0092】
ステップ506に示すように、方法500は、エラー耐性のある適応多項式フィットに基づいて分岐を枝刈りすることを含み得る。
【0093】
エラー耐性のある適応多項式フィットが各個々の分岐に適用されてもよい。多項式フィットにより棄却された点(重心)は、分岐から廃棄され得、対応するROI及びPOIも廃棄される。図24に示す分岐について、同じカラーコード/シェーディングを使用して、対応する多項式フィットが図25に示される。同様に、保持されたROI及びそれらの関連するPOIはそれぞれ図26及び図27に示される。従って、図25は、図24に示す分岐のエラー耐性のある適応多項式フィットを示す。図26は、図25に示すエラー耐性のある適応多項式フィットによって保持されたROIを示す。図27は、図26のROIに関連するPOIを示す。
【0094】
図27に示すPOIは、石灰化動脈の曲線構造を形成し得る。従って、これらのPOIは、微小石灰化が付着する「成長部位」として役立ち得る。大域的石灰化動脈構造は、飽和が生じるまで、すなわち構造内に含まれる微小石灰化の数がさらなる成長の試みによって変化しなくなるまで成長することができる。このプロセスは、ポリマー成長部位がポリマー鎖を成長させるためのシードポイントとして働くポリマー成長の物理的プロセスと直接の類似であり得る。ポリマー鎖が形成され始めると、それらは縦方向にしか成長することができない、すなわち、成長はポリマー鎖の終点でのみ起こり得る。
【0095】
図6は、局所石灰化微細構造を検出し、大域的(石灰化)動脈構造を構築するための方法の第4段階の方法のフローチャートである。言い換えれば、この図は、鎖を成長させること(又は上記の類推を使用してポリマーを成長させること)に関連するアルゴリズム技術において採用され得るステップを表す。
【0096】
ステップ602に示すように、方法600は微小石灰化を検出し選択することを含むことができる。Qアルゴリズム(例えば、2015年10月2日に出願された米国仮特許第62/236,168号は付録Aとして添付され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、形態、トポロジー、及び個々の微小構造の階層、ならびにそれらの構造間関係に基づいて微小石灰化を検出及び選択し得る。一例では、Qアルゴリズムによって検出及び選択された微小石灰化が図28に示されている。図において、各微小石灰化は、その重心位置を表す点として示されている。
【0097】
ステップ604に示すように、方法600は、鎖を成長させること(又は上記の類推を使用してポリマーを成長させること)を含み得る。前述したように、図27に示される選択されたPOIは、「ポリマー成長部位」として機能し得る。ポリマー成長工程ラムダ内の任意の微小石灰化部位(図28に示される)は、他の微小石灰化が付着する新しいポリマー成長部位になり得る。この「ポリマー成長」の適用は、飽和が達成されるまで、すなわちポリマー鎖を成長させるさらなる試みによってポリマー成長部位の数が変化しなくなるまで繰り返し適用することができる。例示的な例では、ラムダ=2.5ミリメートルである。飽和時に、石灰化動脈構造に付着した微小石灰化を図29に示す。図中、点は石灰化動脈構造を形成する微小石灰化の重心位置を表す。
【0098】
図29に示される選択された微小石灰化は、大域的動脈マッピングアルゴリズムの最終生成物であり得る。微小石灰化は、それ自体が巨視的な大域的曲線石灰化動脈構造の構成要素である、曲線分岐を形成し得る。
【0099】
図30は、石灰化した微細構造を検出し、大域的な動脈構造を構築するための方法のフローチャートである。
【0100】
ステップ3002に示すように、方法3000は、マンモグラム中に得られた患者の乳房の第1の画像を受信することを含み得る。第1の画像からノイズを除去する前後に、画像を処理することができる。この処理は、第1の画像内の乳房の境界を計算すること、及び計算を乳房の境界内に含まれる乳房領域に限定することを含むことができる。境界を計算することは、第1の画像内の画素強度の分析、及び第1の乳房マスクの作成を含み得る。この処理は、乳房の境界の頂点を超える領域を除外することを追加的又は代替的に含み得る。その処理は、追加的又は代替的に、第2の乳房マスクを作成することを含んでもよい。処理は、追加的又は代替的に、画素強度の大域的最大値を計算することを含んでもよい。
【0101】
ステップ3004に示すように、方法3000は、第1の画像からノイズを除去し、それによってノイズ除去画像を作成することを含み得る。ノイズを除去することは、短いスケール長のノイズを除去するためにウェーブレットフィルタを適用することを含み得る。
【0102】
ステップ3006に示すように、方法3000は、ノイズ除去画像上の1つ又は複数の関心点を計算することを含み得る。ノイズ除去画像上の1つ又は複数の関心点を計算することは、ノイズ除去画像を探索するための探索単位を作成すること、ノイズ除去画像上に1つ又は複数の探索点を作成すること、探索点に関連する各探索単位について、及びノイズ除去画像から探索単位への画素強度を補間することを含むことができる。探索単位は円を含んでもよい。ノイズ除去画像上の1つ又は複数の関心点を計算することは、二次元座標平面内で探索単位をシフトするために線形並進を使用することを追加的又は代替的に含み得る。一態様では、ノイズ除去画像の乳房マスク内のすべての極大値が、探索点として使用される。
【0103】
一態様では、1つ又は複数の関心点に含まれる関心点は、以下の条件のそれぞれを満たす。
【0104】
【数10】
【0105】
及び
【0106】
【数11】
【0107】
関心点は、乳房の境界から少なくとも所定の距離であり得る。一態様では、所定の距離は約5ミリメートルである。
【0108】
ステップ3008に示すように、方法3000は、ノイズ除去画像上に1つ又は複数のメソスケール関心領域を作成することを含むことができる。1つ又は複数のメソスケール関心領域を作成することは、x軸及びy軸の両方に沿って所定の間隔を有する二次元格子パターン内のノイズ除去画像の隅から開始することができる。所定の間隔は、約1.3ミリメートルであり得る。各メソスケール関心領域は、ノイズ除去画像の乳房マスク内に含まれてもよい。
【0109】
ステップ3010に示すように、方法3000は、1つ又は複数のメソスケール関心領域のそれぞれについて接続性を計算することを含み得る。接続性を計算することは、関心領域内に含まれる関心点を計算すること、関心領域についての接続性インデックスを計算すること、及び関心領域に接続された近傍を記録することを含むことができる。接続性インデックスは、関心領域に接続されたいくつかの空でない近傍を含み得る。
【0110】
ステップ3012に示すように、方法3000は、計算された接続性を使用して1つ又は複数の接続構成要素を識別することを含み得、1つ又は複数の接続構成要素のそれぞれは大域的曲線構造の分岐を表す。各接続構成要素は、そこに含まれる各関心領域が、メソスケール関心領域のセットにも含まれる少なくとも1つの最近傍を有し、異なるメソスケール関心領域のセットからの最近傍を有さない、メソスケール関心領域のセットも含み得る。
【0111】
方法3000は、追加的又は代替的に、1つ又は複数の接続構成要素の1つ又は複数の物理的特性を計算することを含み得る。方法3000は、追加的又は代替的に、1つ又は複数の接続構成要素のそれぞれを接続性比及び真円度比と関連付けることを含み得る。
【0112】
ステップ3014に示すように、方法3000は、大域的曲線構造の各分岐についての1つ又は複数の物理的特性に基づいて分岐のセットを選択することを含み得る。1つ又は複数の物理的特性は、分岐に含まれるいくつかの関心領域及び分岐の真円度比を含むことができる。方法3000は、追加的又は代替的に、関心領域の数が4未満であるとき、関心領域の数が5未満であり、かつ真円度比が12を超えるとき、関心領域の数が6であり、かつ真円度比が14を超えるとき、関心領域の数が7であり、かつ真円度比が20を超えるとき、又は関心領域の数が8であり、かつ真円度比が26を超えるとき、分岐のセットから分岐を廃棄することを含み得る。
【0113】
1つ又は複数の物理的特性は、追加的又は代替的に、分岐の接続性比及び真円度比を含み得る。方法3000は、追加的又は代替的に、接続性比が接続性の閾値以下であるとき、及び真円度比が真円度の閾値以上であるときに、分岐を保持することを含むことができる。一態様では、接続性の閾値は、約5.69である。一態様では、真円度の閾値は、約1.49である。一態様では、接続性の閾値及び真円度の閾値はそれぞれ、長い曲線構造を支持するように選択される。
【0114】
分岐のセットを選択することは、追加的又は代替的に、関心領域の数が4未満であるとき、関心領域の数が5であり、かつ真円度比が12を超えるとき、関心領域の数が6であり、かつ真円度比は14を超えるとき、関心領域の数が7であり、かつ真円度比が20を超えるとき、又は関心領域の数が8であり、かつ真円度比が26を超えるとき、分岐のセットから分岐を廃棄すること、及び接続性比が接続性の閾値以下であるとき、及び真円度比が真円度の閾値以上であるとき、分岐を保持することを含み得る。接続性の閾値は約5.69であり得、真円度の閾値は約1.49であり得る。
【0115】
方法3000は、追加的又は代替的に、メソスケール関心領域の1つ又は複数の物理的特性を計算することを含み得る。方法3000は、追加的又は代替的に、各関心領域をその平均輝度及び計算された重心位置によって関連付けることを含んでもよい。方法3000は、追加的又は代替的に、各関心領域をその計算された重心位置で置き換えることを含み得る。
【0116】
ステップ3016に示すように、方法3000は、エラー耐性のある適応多項式フィットに基づいて、選択された分岐のセット内の各分岐を枝刈りすることを含み得る。各分岐を枝刈りすることは、エラー耐性のある適応多項式フィットによって棄却される点を廃棄することを含み得る。方法3000は、追加的又は代替的に、廃棄された点に対応する関心領域及び関心点を廃棄することを含み得る。
【0117】
ステップ3018に示すように、方法3000は、各枝刈りされた分岐内の残りの関心領域を識別することを含み得る。方法3000は、追加的又は代替的に、残りの関心領域内の残りの関心点を識別することを含み得る。残りの関心点は、乳房内の1つ又は複数の石灰化動脈を表す曲線構造を形成することができる。残りの関心点は、微小石灰化がそれ自体で乳房内に付着する可能性がある成長部位を表すことがある。残りの関心点は、鎖を表してもよく、鎖の終点でさらなる成長が生じる。
【0118】
方法3000は、追加的又は代替的に、形態、トポロジー、及び個々の微小構造の階層のうちの1つ又は複数に基づいて微小石灰化を検出及び選択することを含み得る。微小石灰化の検出及び選択はさらに、個々の微小構造の構造間関係に基づいてもよい。微小石灰化の検出及び選択は、Qアルゴリズムの使用を含み得る。
【0119】
ステップ3020に示すように、方法3000は、残りの関心領域に含まれる残りの関心点によって形成された鎖を成長させることを含むことができ、鎖は巨視的な大域的曲線石灰化動脈構造を表す。
【0120】
方法3000は、追加的又は代替的に、鎖を分析することを含み得る。鎖を分析することは、鎖のさらなる成長を計算することを含み得る。さらなる成長は鎖の終点で起こり得る。
【0121】
方法3000は、飽和が達成されるまで成長を繰り返し適用することを、追加的又は代替的に含んでもよい。鎖をさらに成長させようとしても、いくつかの成長部位が変化しないときに、飽和が達成され得る。
【0122】
ステップ3022に示すように、方法3000は、例えば他の組織における動脈石灰化を予測し、続いてその動脈石灰化に基づいて疾患のリスク層別化予測を展開する際に、大域的曲線石灰化動脈構造を特定の用途に適用することを含み得る。
【0123】
冠状動脈カルシウム(「CAC」)、心臓病及びBACの間には相関がある。Matsumura、MEら。スクリーニングマンモグラフィで注目されている乳房動脈カルシウムは、無症状女性において高リスク冠状動脈カルシウムの予測である:症例対照研究。Vasa.2013 Nov;42(6):429~33。しかし、識別可能なBACを有さない、高いCACスコアを患者が有し得る場合がある。しかしながら、BACの存在がCACスコアと強く相関し、BACを有さないが、高いCACスコアを有する症例の割合が、BAC及び高いCACスコアを有する症例よりも有意に小さい限り、BACを分析することによって心臓病の定量化を改善することができる。
【0124】
計画設計は次のとおりである。
【0125】
1.CACスコアに基づいて、症例を4つの容器に分類する。
【0126】
2.あらゆる種類のBACの存在について、すべての症例を視覚的に調べるが、僅かな場合もある。
【0127】
3.BACとCACの相関と陽性適中率(「PPV」)を評価する。他の変数(例えば、高コレステロール血症、糖尿病、加齢、喫煙、高脂血症の病歴、及び冠状動脈疾患の家族歴)の役割もまた評価され、BACとともに、その存在がCACとの相関を高める可能性がある。
【0128】
4.相関を最適化する:高いCACスコアに存在するBACのタイプと低いCACスコアに存在するBACのタイプとの間の差異を決定することは、BACの存在に基づいてCACのより正確な予測因子を開発することを可能にする。違いを明らかにするために、以下のステップがとられる:i)2つの低CACスコアカテゴリのケースにおけるBACのためのグラウンドトゥルース(GT)と2つの低CACスコアカテゴリの中のBACに対するGTとを作成する。ii)BACの2つのカテゴリを区別するために、ディープラーニングベースの分類子を構築する。iii)分類子からのスコアをBACスコアとして使用する。iv)CACに関連するBACの指標としてこのスコアを使用して、BACとCACのPPVの増加を決定する。
【0129】
一態様では、方法は、マンモグラム中に得られた患者の乳房の第1の画像を受信すること、第1の画像からノイズを除去することによってノイズ除去画像を作成すること、ノイズ除去画像を探索するための探索単位を作成すること、ノイズ除去画像上の1つ又は複数の探索点を作成すること、探索点に関連する各探索単位について、ノイズ除去画像から探索単位への画素強度を補間すること、補間に基づいてノイズ除去画像上の1つ又は複数の関心点を計算すること、ノイズ除去画像上に1つ又は複数のメソスケール関心領域を作成すること、及び1つ又は複数のメソスケール関心領域ごとに接続性を計算することを含み、ここで、接続性の計算は、関心領域内に含まれる関心点を計算すること、関心領域に対する接続性インデックスを計算すること、及び関心領域に接続されている近傍を記録することを含む。方法はまた、計算された接続性を使用して1つ又は複数の接続構成要素を識別することを含み、ここで各接続構成要素は、そこに含まれる各関心領域が、メソスケール関心領域のセットにも含まれる少なくとも1つの最近傍を有し、異なるメソスケール関心領域のセットからの最近傍を有さない、メソスケール関心領域のセットを含み、ここで1つ又は複数の接続構成要素のそれぞれは、大域的曲線構造の分岐を表す。方法はさらに、1つ又は複数の接続構成要素の1つ又は複数の物理的特性を計算すること、大域的曲線構造の各分岐について計算された物理的特性に基づいて分岐のセットを選択すること、エラー耐性のある適応多項式フィットに基づいて選択された分岐セット内の各分岐を枝刈りすること、各枝刈り分岐内の残りの関心領域を識別すること、残りの関心領域内の残りの関心点を識別すること、及び残りの関心点によって形成された鎖を成長させることを含み得、ここで鎖は巨視的、大域的曲線石灰化動脈構造を表す。
【0130】
一態様では、コンピュータプログラム製品は、非一時的コンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータ実行可能コードを含み、それは、1つ又は複数のコンピューティング装置上で実行するときに、以下のステップを実行する:マンモグラム中に得られた患者の乳房の第1画像を受信すること、第1画像からノイズを除去し、それによってノイズ除去画像を作成すること、ノイズ除去画像上の1つ又は複数の関心点を計算すること、ノイズ除去画像上に1つ又は複数のメソスケール関心領域を作成すること、1つ又は複数の関心領域のそれぞれについて接続性を計算すること、及び計算された接続性を使用して1つ又は複数の接続構成要素を識別すること。ここで1つ又は複数の接続構成要素のそれぞれは大域的曲線構造の分岐を表す。コンピュータプログラム製品はまた、以下のステップを実行するコードを含む:大域的曲線構造の各分岐に対する1つ又は複数の物理的特性に基づいて分岐のセットを選択すること、エラー耐性のある適応多項式フィットに基づいて選択された分岐のセット内の各分岐を枝刈りすること、各枝刈りされた分岐内の残りの関心領域を識別すること、及び残りの関心領域内に含まれる残りの関心点によって形成される鎖を成長させること。ここで鎖は巨視的、大域的曲線石灰化動脈構造を表す。
【0131】
一態様では、コンピュータプログラム製品は、非一時的コンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータ実行可能コードを含み、それは、1つ又は複数のコンピューティング装置上で実行するときに、以下のステップを実行する:マンモグラム中に得られた患者の乳房の第1の画像を受信すること、第1の画像からノイズを除去することによってノイズ除去画像を作成すること、ノイズ除去画像を探索するための探索単位を作成すること、ノイズ除去画像上の1つ又は複数の探索点を作成すること、探索点に関連する各探索単位について、ノイズ除去画像から探索単位への画素強度を補間すること、補間に基づいてノイズ除去画像上の1つ又は複数の関心点を計算すること、ノイズ除去画像上に1つ又は複数のメソスケール関心領域を作成すること、及び1つ又は複数のメソスケール関心領域ごとに接続性を計算すること。ここで、接続性の計算は、関心領域内に含まれる関心点を計算すること、関心領域に対する接続性インデックスを計算すること、及び関心領域に接続されている近傍を記録することを含む。コンピュータプログラム製品はまた、以下のステップを実行するコードを含むことができる:計算された接続性を使用して1つ又は複数の接続構成要素を識別すること。ここで各接続構成要素は、そこに含まれる各関心領域が、メソスケール関心領域のセットにも含まれる少なくとも1つの最近傍を有し、異なるメソスケール関心領域のセットからの最近傍を有さない、メソスケール関心領域のセットを含み、ここで1つ又は複数の接続構成要素のそれぞれは、大域的曲線構造の分岐を表す。コンピュータプログラム製品はさらに、以下のステップを実行するコードを含むことができる:1つ又は複数の接続構成要素の1つ又は複数の物理的特性を計算すること、大域的曲線構造の各分岐について計算された物理的特性に基づいて分岐のセットを選択すること、エラー耐性のある適応多項式フィットに基づいて選択された分岐セット内の各分岐を枝刈りすること、各枝刈り分岐内の残りの関心領域を識別すること、残りの関心領域内の残りの関心点を識別すること、及び残りの関心点によって形成された鎖を成長させること。ここで鎖は巨視的、大域的曲線石灰化動脈構造を表す。
【0132】
一態様では、システムは、(例えば、図1に示されるシステム内の関係装置のうちの1つ以上であり得る)撮像装置と、撮像装置と通信するコンピューティング装置(例えば、コンピューティング装置は、図1に示すシステム内のコンピューティング装置であり得る)とを含む。コンピューティング装置は、プロセッサとメモリとを含むことができ、メモリは以下のステップを実行するために構成されているコンピュータ実行可能コードを有する:マンモグラム中に得られた患者の乳房の第1画像を受信すること、第1画像からノイズを除去し、それによってノイズ除去画像を作成すること、ノイズ除去画像上の1つ又は複数の関心点を計算すること、ノイズ除去画像上に1つ又は複数のメソスケール関心領域を作成すること、1つ又は複数の関心領域のそれぞれについて接続性を計算すること、及び計算された接続性を使用して1つ又は複数の接続構成要素を識別すること。ここで1つ又は複数の接続構成要素のそれぞれは大域的曲線構造の分岐を表す。メモリはまた、以下のステップを実行するために構成されているコンピュータ実行可能コードも有することができる:大域的曲線構造の各分岐に対する1つ又は複数の物理的特性に基づいて分岐のセットを選択すること、エラー耐性のある適応多項式フィットに基づいて選択された分岐のセット内の各分岐を枝刈りすること、各枝刈りされた分岐内の残りの関心領域を識別すること、及び残りの関心領域内に含まれる残りの関心点によって形成される鎖を成長させること。ここで鎖は巨視的、大域的曲線石灰化動脈構造を表す。
【0133】
一態様では、システムは、撮像装置と、撮像装置と通信するコンピューティング装置とを含む。コンピューティング装置は、プロセッサとメモリとを含むことができ、メモリは以下のステップを実行するために構成されているコンピュータ実行可能コードを有する:マンモグラム中に得られた患者の乳房の第1の画像を受信すること、第1の画像からノイズを除去することによってノイズ除去画像を作成すること、ノイズ除去画像を探索するための探索単位を作成すること、ノイズ除去画像上の1つ又は複数の探索点を作成すること、探索点に関連する各探索単位について、ノイズ除去画像から探索単位への画素強度を補間すること、補間に基づいてノイズ除去画像上の1つ又は複数の関心点を計算すること、ノイズ除去画像上に1つ又は複数のメソスケール関心領域を作成すること、及び1つ又は複数のメソスケール関心領域ごとに接続性を計算すること。ここで、接続性の計算は、関心領域内に含まれる関心点を計算すること、関心領域に対する接続性インデックスを計算すること、及び関心領域に接続されている近傍を記録することを含む。メモリはまた、以下のステップを実行するために構成されているコンピュータ実行可能コードも有することができる:計算された接続性を使用して1つ又は複数の接続構成要素を識別すること。ここで各接続構成要素は、そこに含まれる各関心領域が、メソスケール関心領域のセットにも含まれる少なくとも1つの最近傍を有し、異なるメソスケール関心領域のセットからの最近傍を有さない、メソスケール関心領域のセットを含み、ここで1つ又は複数の接続構成要素のそれぞれは、大域的曲線構造の分岐を表す。メモリはさらに、以下のステップを実行するために構成されているコンピュータ実行可能コードを有することができる:1つ又は複数の接続構成要素の1つ又は複数の物理的特性を計算すること、大域的曲線構造の各分岐について計算された物理的特性に基づいて分岐のセットを選択すること、エラー耐性のある適応多項式フィットに基づいて選択された分岐セット内の各分岐を枝刈りすること、各枝刈り分岐内の残りの関心領域を識別すること、残りの関心領域内の残りの関心点を識別すること、及び残りの関心点によって形成された鎖を成長させること。ここで鎖は巨視的、大域的曲線石灰化動脈構造を表す。
【0134】
一態様では、乳房組織内の石灰化動脈構造を検出及び定量化する方法は、マンモグラム中に得られた患者の乳房の第1の画像を受信すること、第1の画像からノイズを除去することによってノイズ除去画像を作成すること、ノイズ除去画像を探索するための探索単位を作成すること、ノイズ除去画像上の1つ又は複数の探索点を作成すること、探索点に関連する各探索単位について、ノイズ除去画像から探索単位への画素強度を補間すること、補間に基づいてノイズ除去画像上の1つ又は複数の関心点を計算すること、ノイズ除去画像上に1つ又は複数のメソスケール関心領域を作成すること、及び1つ又は複数のメソスケール関心領域ごとに接続性を計算することを含み、ここで、接続性の計算は、関心領域内に含まれる関心点を計算すること、関心領域に対する接続性インデックスを計算すること、及び関心領域に接続されている近傍を記録することを含む。方法はまた、計算された接続性を使用して1つ又は複数の接続構成要素を識別することを含み、ここで各接続構成要素は、そこに含まれる各関心領域が、メソスケール関心領域のセットにも含まれる少なくとも1つの最近傍を有し、異なるメソスケール関心領域のセットからの最近傍を有さない、メソスケール関心領域のセットを含み、ここで1つ又は複数の接続構成要素のそれぞれは、大域的曲線構造の分岐を表す。方法はさらに、1つ又は複数の接続構成要素の1つ又は複数の物理的特性を計算すること、大域的曲線構造の各分岐について計算された物理的特性に基づいて分岐のセットを選択すること、エラー耐性のある適応多項式フィットに基づいて選択された分岐セット内の各分岐を枝刈りすること、各枝刈り分岐内の残りの関心領域を識別すること、残りの関心領域内の残りの関心点を識別すること、及び残りの関心点によって形成された鎖を成長させることを含み得、ここで鎖は巨視的、大域的曲線石灰化動脈構造を表す。さらに、検出された石灰化動脈構造を定量化することができる。
【0135】
一態様では、方法は、患者における心臓病のリスクを判定することを含み得る。心臓病は冠状動脈心疾患又は冠状動脈疾患を含む。方法は、マンモグラム中に得られた患者の乳房の第1の画像を受信すること、第1の画像からノイズを除去することによってノイズ除去画像を作成すること、ノイズ除去画像を探索するための探索単位を作成すること、ノイズ除去画像上の1つ又は複数の探索点を作成すること、探索点に関連する各探索単位について、ノイズ除去画像から探索単位への画素強度を補間すること、補間に基づいてノイズ除去画像上の1つ又は複数の関心点を計算すること、ノイズ除去画像上に1つ又は複数のメソスケール関心領域を作成すること、及び1つ又は複数のメソスケール関心領域ごとに接続性を計算することを含み得、ここで、接続性の計算は、関心領域内に含まれる関心点を計算すること、関心領域に対する接続性インデックスを計算すること、及び関心領域に接続されている近傍を記録することを含む。方法はまた、計算された接続性を使用して1つ又は複数の接続構成要素を識別することを含み、ここで各接続構成要素は、そこに含まれる各関心領域が、メソスケール関心領域のセットにも含まれる少なくとも1つの最近傍を有し、異なるメソスケール関心領域のセットからの最近傍を有さない、メソスケール関心領域のセットを含み、ここで1つ又は複数の接続構成要素のそれぞれは、大域的曲線構造の分岐を表す。方法はさらに、1つ又は複数の接続構成要素の1つ又は複数の物理的特性を計算すること、大域的曲線構造の各分岐について計算された物理的特性に基づいて分岐のセットを選択すること、エラー耐性のある適応多項式フィットに基づいて選択された分岐セット内の各分岐を枝刈りすること、各枝刈り分岐内の残りの関心領域を識別すること、残りの関心領域内の残りの関心点を識別すること、及び残りの関心点によって形成された鎖を成長させることを含み得、ここで鎖は巨視的、大域的曲線石灰化動脈構造を表す。さらに、検出された石灰化動脈構造は定量化することができ、石灰化動脈構造の定量値は心臓病のリスクを示す。
【0136】
従って、技法は、(石灰化された)大域的動脈構造を決定するための、新規で実施が容易で信頼性のある技法を含み得る。
【0137】
説明の目的で、前述の説明は特定の実施形態を参照して説明されてきた。しかしながら、上記の例示的な議論は、網羅的であること、又は開示された正確な形態に開示を限定することを意図していない。上記の教示に鑑みて、多くの修正形態及び変形形態が可能である。
【0138】
本明細書に開示されているシステム及び方法は、1つ又は複数の構成要素、システム、サーバ、機器、他のサブ構成要素を介して実装されてもよく、又はそのような要素間に分散されてもよい。システムとして実施されるとき、そのようなシステムは、とりわけ、汎用コンピュータに見られるソフトウェアモジュール、汎用CPU、RAMなどのような構成要素を含む及び/又は伴うことができる。イノベーションがサーバ上に存在する実装形態では、そのようなサーバは、汎用コンピュータに見られるものなど、CPU、RAMなどの構成要素を含むか又は伴うことができる。
【0139】
さらに、本明細書のシステム及び方法は、上記のものを超えて、異種の又は完全に異なるソフトウェア、ハードウェア、及び/又はファームウェアの構成要素を用いた実装形態によって達成することができる。このような他の構成要素(例えば、ソフトウェア、処理構成要素など)及び/又は本実施形態に関連するか又はそれらを実施するコンピュータ可読媒体に関して、本明細書のイノベーションの態様は、多数の汎用目的又は特別な目的のコンピューティングシステム又は構成と一致して実施され得る。本明細書のイノベーションと共に使用するのに適している可能性がある様々な例示的なコンピューティングシステム、環境、及び/又は構成には、これだけに限らないが、パーソナルコンピュータ内にまたは上に組み込まれたソフトウェア又は他の構成要素、ルーティング/接続性構成要素などのサーバ又はサーバコンピューティング装置、ハンドヘルド又はラップトップ装置、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、家庭用電化製品、ネットワークPC、他の既存のコンピュータプラットフォーム、上記のシステム又は装置の1つ又は複数を含む分散コンピューティング環境などが挙げられる。
【0140】
いくつかの事例では、システム及び方法の態様は、例えばそのような構成要素又は回路に関連して実行される、プログラムモジュールを含む論理及び/又は論理命令を介して達成又は実行され得る。一般に、プログラムモジュールは、本明細書で特定のタスクを実行するか又は特定の命令を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含み得る。実施形態はまた、回路が、通信バス、回路又はリンクを介して接続されている、分散型ソフトウェア、コンピュータ、又は回路設定の状況で実施することもできる。分散設定では、制御/命令は、メモリ記憶装置を含むローカルとリモートの両方のコンピュータ記憶媒体から発生し得る。
【0141】
本明細書のソフトウェア、回路及び構成要素はまた、1つ又は複数の種類のコンピュータ可読媒体を含み、かつ/又は利用することができる。コンピュータ可読媒体は、そのような回路及び/又はコンピューティング構成要素に常駐する、それと関連付けることができる、又はそれらによってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含むことができる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法又は技術で実装された揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び固定の媒体を含む。コンピュータ記憶媒体には、これらに限定されないが、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光学記憶装置、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、又は所望の情報を格納するために使用することができ、コンピューティング構成要素によってアクセスすることができる任意の他の媒体が挙げられる。通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、及び/又は他の構成要素を含み得る。さらに、通信媒体は、本明細書の任意の種類の媒体が一時的媒体を含まない場合、有線ネットワーク又は直接配線接続などの有線媒体を含むことができる。上記のいずれかの組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0142】
本説明では、構成要素、モジュール、装置などの用語は、様々な方法で実施することができる任意のタイプの論理的又は機能的ソフトウェア要素、回路、ブロック、及び/又はプロセスを指すことがある。例えば、様々な回路及び/又はブロックの機能を互いに組み合わせて他の任意の数のモジュールにすることができる。各モジュールは、有形メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、CD-ROMメモリ、ハードディスクドライブなど)上に格納されたソフトウェアプログラムとしても実装され得、中央処理装置によって読み取られ、本明細書のイノベーションの機能を実行する。あるいは、モジュールは、送信搬送波を介して汎用コンピュータ又は処理/グラフィックハードウェアに送信されるプログラミング命令を含むことができる。また、モジュールは、本明細書のイノベーションによって包含される機能を実施するハードウェア論理回路として実装することができる。最後に、モジュールは、特殊目的の命令(SIMD命令)、フィールドプログラマブルロジックアレイ、又は所望のレベルの性能及びコストを提供するそれらの任意の組み合わせを使用して実装することができる。
【0143】
本明細書に開示するように、本開示と一致する特徴は、コンピュータハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアを介して実装され得る。例えば、本明細書に開示されるシステム及び方法は、例えば、データベースも含むコンピュータなどのデータプロセッサ、デジタル電子回路、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせなど、さまざまな形態で具現化することができる。さらに、開示された実装形態のいくつかは、特定のハードウェア構成要素を説明しているが、本明細書のイノベーションと一致するシステム及び方法は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせで実装され得る。さらに、本明細書におけるイノベーションの上記の特徴ならびに他の態様及び原理は、様々な環境で実施され得る。そのような環境及び関連するアプリケーションは、本明細書に記載の実装に従って様々なルーチン、プロセス、及び/又は動作を実行するために特別に構築され得るか、又は必要な機能を提供するために、汎用コンピュータ又はコードによって選択的に作動もしくは再設定されるコンピューティングプラットフォームを含み得る。本明細書に開示されるプロセスは、いかなる特定のコンピュータ、ネットワーク、アーキテクチャ、環境、又は他の装置にも本質的に関連しておらず、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの適切な組み合わせによって実装され得る。例えば、本明細書の実装形態の教示に従って書かれたプログラムと共に様々な汎用機械を使用することができ、又は必要な方法及び技法を実行するために専用の装置又はシステムを構築することがより便利であり得る。
【0144】
ロジックなど、本明細書に記載の方法及びシステムの態様は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、プログラマブルアレイロジック(「PAL」)装置、電気的にプログラム可能な及びメモリ装置、及び標準的なセルベースの装置、ならびに特定用途向け集積回路などのプログラマブルロジック装置(「PLD」)を含む、様々な回路のいずれかにプログラムされた機能として実装することもできる。態様を実施するための他のいくつかの可能性としては、メモリ装置、メモリを備えたマイクロコントローラ(EEPROMなど)、組み込みマイクロプロセッサ、ファームウェア、ソフトウェアなどが挙げられる。さらに、態様は、ソフトウェアベースの回路エミュレーション、離散ロジック(連続的及び組み合わせの)、カスタム装置、ファジー(ニューラル)ロジック、量子装置、及び上記の装置タイプのいずれかのハイブリッドを有するマイクロプロセッサにおいて具現化し得る。基礎となる装置技術は、例えば、相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)のような金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(「MOSFET」)技術、エミッタ結合ロジック(「ECL」)のようなバイポーラ技術、ポリマー技術(例えば、シリコン-共役ポリマー及び金属-共役ポリマー-金属構造)、アナログとデジタルの混合など、様々な構成要素タイプで提供され得る。
【0145】
本明細書に開示されている様々な論理及び/又は機能は、動作、レジスタ転送、ロジック構成要素、及び/又は他の特性に関して、ハードウェア、ファームウェア、及び/又は様々な機械可読又はコンピュータ可読媒体に具現化されたデータ及び/又は命令としての任意の数の組み合わせを使用して可能にされ得ることにも留意されたい。そのようなフォーマットされたデータ及び/又は命令を具現化することができるコンピュータ可読媒体は、やはり一時的媒体を含まないが、様々な形態の不揮発性記憶媒体(例えば、光、磁気又は半導体記憶媒体)を含むがこれらに限定されない。文脈が明らかに他のことを必要としない限り、本明細書を通して、「含む」、「含んでいる」などの語は、排他的又は網羅的な意味ではなく包括的な意味で解釈されるべきであり、つまり「含むが、これに限定されない」という意味である。さらに、「本明細書に」、「以下に」、「上に」、「下に」という語、及び類似の意味の語は、本出願全体を指すものであり、本出願の特定の部分を指すものではない。
【0146】
さらに、上記のシステム、装置、方法、プロセスなどは、ハードウェア、ソフトウェア、又は特定の用途に適したこれらの任意の組み合わせで実現され得る。ハードウェアは、汎用コンピュータ及び/又は専用コンピューティング装置を含み得る。これは、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、組み込みマイクロコントローラ、プログラム可能デジタル信号プロセッサもしくは他のプログラム可能装置、又は処理回路を、内部及び/又は外部メモリと共に実現することを含む。これは追加的又は代替的に、1つ又は複数の特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック構成要素、又は電子信号を処理するように構成され得る任意の他の1つ又は複数の装置を含み得る。上記のプロセス又は装置の実現は、上記の装置の1つならびにプロセッサの異種の組み合わせ、プロセッサアーキテクチャ、あるいは異なるハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実行するために保存、コンパイル、又は解釈できる、Cなどの構造化プログラミング言語、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、又は任意の他の高水準もしくは低水準プログラミング言語(アセンブリ言語、ハードウェア記述言語、データベースプログラミング言語及びテクノロジを含む)を使用して作成されたコンピュータ実行可能コードを含み得ることがさらに理解されよう。別の態様では、方法は、それらのステップを実行するシステムにおいて具現化することができ、いくつかの方法で装置にわたって分散することができる。同時に、処理は、上述した様々なシステムなどの装置にわたって分散させることができ、あるいは機能のすべてを専用の独立型装置又は他のハードウェアに統合することができる。別の態様では、上記のプロセスに関連するステップを実行するための手段は、上記のハードウェア及び/又はソフトウェアのいずれかを含み得る。そのような順列及び組み合わせはすべて、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0147】
本明細書に開示される実施形態は、1つ又は複数のコンピューティング装置上で実行するときに、それらのステップのいずれか及び/又はすべてを実行するコンピュータ実行可能コード又はコンピュータ使用可能コードを含むコンピュータプログラム製品を含み得る。コードは、プログラムが実行されるメモリ(プロセッサに関連するランダムアクセスメモリなど)、又はディスクドライブ、フラッシュメモリ、もしくはその他の光学的、電磁気的、磁気的、赤外線もしくは他の装置などの記憶装置、又は装置の組み合わせであり得る、コンピュータメモリに非一時的に格納され得る。別の態様では、上記のシステム及び方法のいずれも、コンピュータ実行可能コード及び/又はそれからの任意の入力もしくは出力を搬送する任意の適切な伝送媒体又は伝搬媒体で実施することができる。
【0148】
上記の装置、システム、及び方法は、限定としてではなく例として説明されていることが理解されよう。反対の明示的な指示がない限り、開示されたステップは、本開示の範囲から逸脱することなく修正、補足、省略、及び/又は順序変更することができる。多数の変形、追加、省略、及び他の修正が当業者には明らかであろう。さらに、上記の説明及び図面における方法ステップの順序又は提示は、特定の順序が明示的に要求されるか又は文脈から明らかでない限り、列挙されたステップを実行するこの順序を要求することを意図しない。
【0149】
本明細書に記載の実装形態の方法ステップは、異なる意味が明示的に提供されているか又は文脈から明らかでない限り、添付の特許請求の範囲の特許性と一致してそのような方法ステップを実行させる任意の適切な方法を含むことを意図する。従って、例えば、Xのステップを実行することは、リモートユーザ、リモート処理リソース(例えば、サーバ又はクラウドコンピュータ)又は機械のような他の当事者にXのステップを実行させるための任意の適切な方法を含む。同様に、Y及びZは、そのようなステップの利益を得るためにステップX、Y及びZを実行するようにそのような他の個人又はリソースの任意の組み合わせを指示又は制御する任意の方法を含み得る。従って、本明細書に記載の実装形態の方法ステップは、異なる意味が明示的に提供されているか、そうでなければ文脈から明らかでない限り、以下の特許請求の範囲の特許性と一致して、1つ又は複数の他の当事者又は事業体にステップを実行させる任意の適切な方法を含むことを意図する。そのような当事者又は事業体は、他のいかなる当事者又は事業体の指示又は管理下にある必要はなく、特定の管轄内にある必要もない。
【0150】
上記の方法は例として提供されていることをさらに理解されたい。反対の明示的な指示がない限り、開示されたステップは、本開示の範囲から逸脱することなく修正、補足、省略、及び/又は順序変更することができる。
【0151】
上記の方法及びシステムは、限定としてではなく例として説明されていることを理解されたい。多数の変形、追加、省略、及び他の修正が当業者には明らかであろう。さらに、上記の説明及び図面における方法ステップの順序又は提示は、特定の順序が明示的に要求されるか又は文脈から明らかでない限り、列挙されたステップを実行するこの順序を要求することを意図しない。従って、特定の実施形態を示し説明してきたが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく形態及び詳細における様々な変更及び修正を行うことができることは当業者には明らかであり、特許請求の範囲によって定義される本発明の一部は、法律によって許容される最も広い意味で解釈されるべきである。
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