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特許7212399トラッキングシステムおよびトラッキング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-17
(45)【発行日】2023-01-25
(54)【発明の名称】トラッキングシステムおよびトラッキング方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0201 20230101AFI20230118BHJP
   G06Q 10/0631 20230101ALI20230118BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20230118BHJP
   G06Q 30/0282 20230101ALI20230118BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
G06Q10/06 302
G06Q30/02 470
G06Q30/02 480
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021133047
(22)【出願日】2021-08-18
【審査請求日】2021-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】521364720
【氏名又は名称】STR株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】落合 豊
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2017/158798(JP,A1)
【文献】再公表特許第2018/116430(JP,A1)
【文献】特開2021-083037(JP,A)
【文献】特開2020-013215(JP,A)
【文献】マーケティングオートメーション(MAツール)でWEB問合せフォームを運用すると営業提案成功率が300%に,MAmag [オンライン],2019年07月19日,[2022年10月31日検索],インターネット:<URL: https://blog.kairosmarketing.net/lead-generation/ma-tool-applies-web-inquiry-form/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客端末における、特定のウェブサイト内の複数のウェブページの閲覧情報と、顧客情報と、を対応付けて管理するシステムであって、
閲覧情報取得手段、登録手段、顧客分類手段、モデル作成手段、生成手段、及び記憶部を備え、
前記閲覧情報取得手段は、前記顧客端末の画面上に表示した複数の前記ウェブページに関する閲覧情報と、前記顧客端末を識別する顧客端末識別情報と、を対応付けて記憶部に格納
前記登録手段は、前記ウェブサイト内のウェブページを介して、前記顧客端末から顧客の個人情報を少なくとも含む顧客情報を受け付けると、前記顧客情報及び前記閲覧情報を対応付けて記憶部に格納
前記生成手段は、対応付けられた前記顧客情報及び前記閲覧情報に基づいて問合せ情報を生成
前記顧客分類手段は、前記閲覧情報を分類器に入力し、前記分類器により前記閲覧情報をグループに分類し、前記閲覧情報に対応する前記顧客情報に、前記グループを対応付けて記憶部に格納し、
前記記憶部は、過去の営業活動の履歴として、前記顧客を担当した担当者の担当者情報及び、前記担当者による営業活動の成否を示す成否情報を、前記顧客情報に対応付けて記憶し、
前記モデル作成手段は、営業活動の履歴において前記顧客情報に対応付けられた、前記グループ、前記担当者情報、及び、前記成否情報を教師データとして、前記グループに属する顧客における、前記担当者による営業活動の成功率を推定するための機械学習を行った予測モデルを作成する
トラッキングシステム。
【請求項2】
顧客端末における、特定のウェブサイト内の複数のウェブページの閲覧情報と、顧客情報と、を対応付けて管理するシステムであって、
閲覧情報取得手段、登録手段、生成手段、顧客分類手段、モデル作成手段、商材推定手段、及び記憶部を備え、
前記閲覧情報取得手段は、前記顧客端末の画面上に表示した複数の前記ウェブページに関する閲覧情報と、前記顧客端末を識別する顧客端末識別情報と、を対応付けて記憶部に格納
前記登録手段は、前記ウェブサイト内のウェブページを介して、前記顧客端末から顧客の個人情報を少なくとも含む顧客情報を受け付けると、前記顧客情報及び前記閲覧情報を対応付けて記憶部に格納
前記顧客分類手段は、前記閲覧情報を分類器に入力し、前記分類器により前記閲覧情報をグループに分類し、前記閲覧情報に対応する前記顧客情報に、前記グループを対応付けて記憶部に格納し、
前記商材推定手段は、特定の商材において営業が成功した顧客の前記グループと、前記商材の特徴を示す商材情報と、を教師データとして機械学習された予測モデルを用いて、前記グループから最適な商材を予測し、
前記生成手段は、前記顧客情報前記閲覧情報、及び前記閲覧情報から予測される前記最適な商材、に基づいて問合せ情報を生成する、
トラッキングシステム。
【請求項3】
前記トラッキングシステムは割当手段を更に備え、
前記割当手段は、前記予測モデルにより推定された成功率に基づいて、前記担当者情報と、前記顧客情報と、を対応付けて記憶部に格納し、
前記生成手段は、前記割当手段によって前記顧客情報に対応付けられた担当者情報、前記顧客情報及び前記閲覧情報に基づいて前記問合せ情報を生成する、請求項1に記載のトラッキングシステム。
【請求項4】
前記割当手段は、前記閲覧情報取得手段によって記憶されるウェブページを閲覧する直前に閲覧したウェブページであって、閲覧情報取得手段によって記憶されていないウェブページに応じた点数を前記成功率に加点し、その結果に基づいて前記担当者情報と、前記顧客情報又は顧客情報に対応する前記グループと、を対応付ける、請求項3に記載のトラッキングシステム。
【請求項5】
前記登録手段は、前記顧客情報として更に地域情報を取得し、
前記担当者情報は、前記担当者が担当可能な地域を示す担当地域を含み、
前記割当手段は、前記地域情報及び前記担当者情報における担当地域に基づいて、前記地域情報が示す地域を担当可能な担当者の中から、顧客を担当する前記担当者を割り当てる、請求項3または請求項4に記載のトラッキングシステム。
【請求項6】
顧客端末における、特定のウェブサイト内の複数のウェブページの閲覧情報と、顧客情報と、を対応付けて管理する方法であって、
前記顧客端末の画面上に表示した複数の前記ウェブページに関する閲覧情報と、前記顧客端末を識別する顧客端末識別情報と、を対応付けて記憶部に格納するステップと、
前記ウェブサイト内のウェブページを介して、前記顧客端末から顧客の個人情報を少なくとも含む顧客情報を受け付けると、前記顧客情報及び前記閲覧情報を対応付けて記憶部に格納するステップと、
対応付けられた前記顧客情報及び前記閲覧情報に基づいて問合せ情報を生成するステップと、
前記閲覧情報を分類器に入力し、前記分類器により前記閲覧情報をグループに分類し、前記閲覧情報に対応する前記顧客情報に、前記グループを対応付けて記憶部に格納するステップと、
過去の営業活動の履歴として、前記顧客を担当した担当者の担当者情報及び、前記担当者による営業活動の成否を示す成否情報を、前記顧客情報に対応付けて格納するステップと、
営業活動の履歴において前記顧客情報に対応付けられた、前記グループ、前記担当者情報、及び、前記成否情報を教師データとして、前記グループに属する顧客における、前記担当者による営業活動の成功率を推定するための機械学習を行った予測モデルを作成するステップと、
をコンピュータが実行するトラッキング方法。
【請求項7】
顧客端末における、特定のウェブサイト内の複数のウェブページの閲覧情報と、顧客情報と、を対応付けて管理する方法であって、
前記顧客端末の画面上に表示した複数の前記ウェブページに関する閲覧情報と、前記顧客端末を識別する顧客端末識別情報と、を対応付けて記憶部に格納するステップと、
前記ウェブサイト内のウェブページを介して、前記顧客端末から顧客の個人情報を少なくとも含む顧客情報を受け付けると、前記顧客情報及び前記閲覧情報を対応付けて記憶部に格納するステップと、
前記閲覧情報を分類器に入力し、前記分類器により前記閲覧情報をグループに分類し、前記閲覧情報に対応する前記顧客情報に、前記グループを対応付けて記憶部に格納するステップと、
特定の商材において営業が成功した顧客の前記グループと、前記商材の特徴を示す商材情報と、を教師データとして機械学習された予測モデルを用いて、前記グループから最適な商材を予測し、
記顧客情報前記閲覧情報、及び前記閲覧情報から予測される前記最適な商材、に基づいて問合せ情報を生成するステップと、
をコンピュータが実行するトラッキング方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラッキングシステムおよびトラッキング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、Webサーバにアクセスした訪問者に対して、トラッキングを行い、そのトラッキング情報に基づいて、訪問者ごとに適切な対応を可能にするシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、クッキー情報によって特定されているユーザの、ウェブページ閲覧履歴を登録し、その情報をバーコード等の所定の情報読み取り手法で読み取り可能にし、イベント等への招待状に出力することで、イベント等で当該ユーザを重要顧客として商談機会等の確保ができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-342664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば新規顧客の獲得において、顧客ごとに適切な対応を行うためには、顧客の性格や要望等を担当者が詳細に把握して対応することが好ましい。しかし、上記の技術では、顧客の情報を担当者が詳細に把握するための機能が実現されていない。
【0006】
以上の現状に鑑みて、本発明では、顧客の情報を詳細に提示するための新規な方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、顧客端末における、特定のウェブサイト内の複数のウェブページの閲覧情報と、顧客情報と、を対応付けて管理するシステムであって、前記顧客端末の画面上に表示した複数の前記ウェブページに関する閲覧情報と、前記顧客端末を識別する顧客端末識別情報と、を対応付けて記憶部に格納する、閲覧情報取得手段と、前記ウェブサイト内のウェブページを介して、前記顧客端末から顧客の個人情報を少なくとも含む顧客情報を受け付けると、前記顧客情報及び前記閲覧情報を対応付けて記憶部に格納する、登録手段と、対応付けられた前記顧客情報及び前記閲覧情報に基づいて問合せ情報を生成する生成手段と、を備える。
このような構成にすることで、ユーザは顧客の閲覧情報と顧客情報を同時に管理することができる。これにより、ユーザは、顧客ごとにどのような指向を持っているのかを把握
このような構成にすることで、閲覧情報のパターン化をすることができ、その指向ごとに適切な対応を取ることを可能にする。
【0008】
本発明の好ましい形態では、前記トラッキングシステムは、顧客分類手段を更に備え、前記顧客分類手段は、前記閲覧情報を学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルにより前記閲覧情報をグループに分類し、前記閲覧情報に対応する前記顧客情報に、前記グループを対応付けて記憶部に格納する。
例えば、特定のウェブページの滞在時間が長い顧客がいたとして、その顧客にとって重要な情報が含まれているウェブページだと推定し、このような観点から閲覧情報のパターン化を行うことで、莫大な顧客情報の管理を簡便化することを可能にする。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記記憶部は、過去の営業活動の履歴として、前記顧客を担当した担当者の担当者情報及び、前記担当者による営業活動の成否を示す成否情報を、前記顧客情報に対応付けて記憶し、前記トラッキングシステムは、営業活動の履歴において前記顧客情報に対応付けられた、前記グループ、前記担当者情報、及び、前記成否情報を教師データとして、前記グループに属する顧客における、前記担当者による営業活動の成功率を推定するための機械学習を行った予測モデルを作成するモデル作成手段を更に備える。
このような構成にすることで、過去の営業活動の成否に基づき、顧客のグループと担当者の情報から営業活動の成功率を推測する予測モデルを作成することができる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記トラッキングシステムは割当手段を更に備え、前記割当手段は、前記予測モデルにより推定された成功率に基づいて、前記担当者情報と、前記顧客情報と、を対応付けて記憶部に格納し、前記生成手段は、前記割当手段によって前記顧客情報に対応付けられた担当者情報を、前記顧客情報及び前記閲覧情報に基づいて前記問合わせ情報を生成する。
このような構成にすることで、予測モデルにより推測される成功率から適切な担当者を顧客に割り当て、顧客情報とともに表示して顧客対応に役立てることが可能になる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記登録手段は、前記顧客情報として更に地域情報を取得し、前記担当者情報は、前記担当者が担当可能な地域を示す担当地域を含み、前記割当手段は、前記地域情報及び前記担当者情報における担当地域に基づいて、前記地域情報が示す地域を担当可能な担当者の中から、顧客を担当する前記担当者を割り当てる。
このような構成にすることで、担当地域以外の担当者を割り当てることがないようにすることが可能になる。例えば、遠方の顧客の場合、コンタクト回数が増え取引に時間がかかってしまうので、近くの担当者が優先的に対応し、遠方の顧客に対してはオンラインセミナー等に誘導し、契約の確度を上げた状態でWEB商談等を行うことによって、取引時間を減らすことが可能となる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記トラッキングシステムは、商材推定手段を更に備え、前記商材推定手段は、特定の商材において営業が成功した顧客の前記グループと、前記商材の特徴を示す商材情報と、を教師データとして機械学習された予測モデルを用いて、前記グループから最適な商材を予測し、前記グループ及び前記最適な商材を、前記顧客情報及び前記閲覧情報に基づいて前記問合わせ情報を生成する。
このような構成にすることで、適切な商材を顧客ごとに提供することができる。
【0013】
上記課題を解決するために、本発明では、顧客端末における、特定のウェブサイト内の複数のウェブページの閲覧情報と、顧客情報と、を対応付けて管理する方法であって、前記顧客端末の画面上に表示した複数の前記ウェブページに関する閲覧情報と、前記顧客端末を識別する顧客端末識別情報と、を対応付けて記憶部に格納するステップと、前記ウェブサイト内のウェブページを介して、前記顧客端末から前記顧客の個人情報を少なくとも含む顧客情報を受け付けると、前記顧客情報及び前記閲覧情報を対応付けて記憶部に格納するステップと、対応付けられた前記顧客情報及び前記閲覧情報に基づいて問合せ情報を生成するステップと、をコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、顧客の情報を詳細に提示するための新規な方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態におけるトラッキングシステムの機能ブロック図である。
図2】本発明の実施形態におけるトラッキングシステムのハードウェア構成図である。
図3】本発明の実施形態における顧客端末ごとの詳細閲覧情報の一例を示した図である。
図4】本発明の実施形態における担当者の知識レベル一覧表の一例を示した図である。
図5】本発明の実施形態における顧客情報表示する担当者端末画面の表示例である。
図6】本発明の実施形態における顧客情報及び顧客情報と紐づいている情報を同一画面上に表示するまでの手順を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態における担当者を顧客端末に割り当てるまでの手順を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態における顧客情報及び顧客情報と紐づいている商材情報を同一画面上に表示するまでの手順を示すフローチャートである。
図9】本発明の実施形態における商材情報を顧客情報と対応付けるまでの手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に関するトラッキングシステムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0017】
本実施形態では、トラッキングシステムおよびトラッキング装置の構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、コンピュータのプログラムおよび当該プログラムを記録したプログラム記録媒体等も、同様の作用効果を奏する。プログラム記録媒体を用いれば、例えば、コンピュータに当該プログラムをインストールすることができる。以下で説明する本実施形態にかかる一連の処理は、コンピュータで実行可能なプログラムとして提供され、CD-ROMやフレキシブルディスクなどの非一過性コンピュータ可読記録媒体、更には通信回線を経て提供可能である。
【0018】
<定義>
本発明においては、閲覧情報として特定のウェブサイト内の複数のウェブページの閲覧履歴を取得する。ここで特定のウェブサイトとは、例えば本発明を利用して集客をする企業のウェブサイトであって、以下では当該ウェブサイト内のウェブページを「自社ウェブページ」と呼ぶ。本実施形態では、自社ウェブページを閲覧する端末において閲覧情報を取得するように構成されている。
【0019】
本発明において、顧客とは、少なくとも自社ウェブページに訪れている者であって、当該自社ウェブページにおいて顧客情報を入力した者である。そして本実施形態では、自社ウェブページを訪れた顧客ごとに後述の処理を行うものとする。ここで少なくとも自社ウェブページに訪れている者とは、自社以外のウェブページを閲覧した後に自社ウェブページを閲覧している者も含むことを意味している。
【0020】
本発明において、担当者とは、本システムを利用する一または複数の者であって、本実施形態では、各担当者は事前に所定の担当者情報をシステムに登録するものとする。
【0021】
以下、本発明の説明において、不動産を販売する企業において顧客の問合せに対応するために、担当者や管理者に顧客の情報及び閲覧情報を管理し、表示する例を示すが、これは実施形態の一例であり、顧客ごとに閲覧情報を取得するシステムであれば、商材は不動産に制限されず、また本発明を利用する企業の事業内容等も制限されない。
【0022】
<システム構成>
図1は、本実施形態のトラッキングシステムの機能ブロック図である。図1において、トラッキングシステムは、トラッキングシステム1として具体化されている。本実施形態のトラッキングシステム1は各構成として、サーバ装置10と、担当者端末30と、顧客端末40と、を備える。ここで、担当者端末30及び顧客端末40は複数存在するが、ここでは、代表の端末のみを表示している。また、トラッキングシステム1の各構成は、ネットワークNWを介して構成されている。ネットワークNWは、インターネットなどのIP(Internet Protocol)網や専門回線などと構成される。なお、以下の説明では、不明確にならない限りネットワークNWの介在を省略する。
【0023】
[サーバ装置のハードウェア構成]
図2は、トラッキングシステム1のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態のトラッキングシステムは、演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、ネットワークNWへの接続手段や、種々の入出力装置等を備えた、一般的なコンピュータ装置をサーバ装置10として扱い構成されている。また、サーバ装置10は、ハードウェア構成として、通信部2と、処理部3と、記憶部4と、を備える。
【0024】
通信部2は、ネットワークNWを介してトラッキングシステムを動作させるために必要な顧客端末40及び担当者端末30からの入力と、担当者端末30及び顧客端末40への処理結果の出力及び、動作結果に係る出力と、を行う。
【0025】
処理部3は、CPU等の1又は2以上のプロセッサを含み、記憶部4に記憶された本発明に係るトラッキングプログラムを読み出し、後述の各手段の処理を実行する。
【0026】
記憶部4は、HDD、ROM、RAM等であって、処理部3がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。処理部3が、記憶部4に記憶されているトラッキングプログラムに基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0027】
[端末のハードウェア構成]
本発明において、担当者端末30及び顧客端末40は、通信機能を備えた端末装置であり、ハードウェア構成要素として、演算装置(CPU)と、主記憶装置(RAM)と、HDDやSDD、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、外部の装置との通信装置と、キーボードやマウス、タッチパネル等の入力装置と、ディスプレイやスピーカ等の出力装置と、各構成部を接続するバスと、を備えた一般的なコンピュータ装置を利用することができ、コンピュータ装置としてスマートフォンやタブレット端末、PC(Personal Computer)等を用いることができる。担当者端末30及び顧客端末40は、補助記憶装置においてアプリケーションプログラムを格納し、当該プログラムがCPUにより実行されることで、後述する各手段として機能する。
【0028】
<機能構成>
[顧客端末40の機能構成]
顧客端末40は、機能構成要素として、自社ウェブページもしくは他のウェブページを出力する出力手段41と、当該自社ウェブページを閲覧している顧客から顧客情報の入力を受け付ける入力手段42と、を備える。本実施形態において、顧客端末40は、出力手段41によって顧客端末40の画面上に表示される自社ウェブページの会員登録ページ等において、入力手段42によって入力された顧客情報をサーバ装置10に送信する。なお、以下の説明では、不明確にならない限り、出力手段41及び入力手段42の介在を省略する。
【0029】
[担当者端末30の機能構成]
担当者端末30は、機能構成要素として、顧客端末から受け付けた情報を出力する出力手段31と、担当者から情報の修正等の入力を受け付ける入力手段32と、を備える。本実施形態において、出力手段31は、顧客端末40において入力され送信された顧客情報と、顧客の閲覧情報と、サーバ装置10によって推定される適切な担当者情報及び商材情報と、を担当者端末30の同一画面上に表示する。なお、担当者端末30は、顧客対応に関する作業を行うユーザの端末であれば良く、担当者が扱う端末であっても管理者の扱う端末であっても良い。
【0030】
[サーバ装置10の機能構成]
サーバ装置10は、各種情報を格納する記憶部20を内部または外部に備え、通信可能に構成されている。記憶部20は、顧客端末40から取得した閲覧情報を格納する閲覧情報DB21と、学習済みモデルによって分類された顧客情報の分類結果を格納するグループDB22と、顧客端末40から取得した閲覧情報により機械学習された学習済みモデルを格納するモデルDB23と、顧客情報及び担当者から受け付けた担当者情報を対応付けて格納する割当DB24と、を備える。
【0031】
また、記憶部20は、商材の情報を示す商材情報を格納する。より具体的には、本実施形態において記憶部20は、商材の情報として、商材である不動産の金額、地域、経年数、カテゴリ等を、商材情報として記憶する。なお、他の業界の企業の商材の情報については、その業界に特有の商材の情報を登録すれば良い。また更に記憶部20は、担当者から登録された担当者情報を格納する。より具体的には、本実施形態において記憶部20は、担当者の性別、年齢、閲覧履歴、知識レベル、担当地域、経歴、営業の成功率等の情報を、担当者情報として記憶する。
【0032】
サーバ装置10は、機能構成として、閲覧情報取得手段11と、登録手段12と、顧客分類手段13と、モデル作成手段14、割当手段15と、商材推定手段16と、生成手段17と、を備える。なお、当該機能構成を、一つのサーバ装置10が全て備えていても、複数のサーバ装置10が分散して備えていても良い。
【0033】
閲覧情報取得手段11は、顧客端末40から自社ウェブページの閲覧情報を取得する。本実施形態においてサーバ装置10は、各顧客端末40から自社ウェブページの閲覧要求を受け付けると、顧客端末40上に閲覧要求ごとに自社ウェブページを表示させる。この際に、顧客端末40において閲覧情報が記録される。なお自社ウェブページの表示は外部のサーバが担ってもよい。また、閲覧情報取得手段11は、閲覧情報として、当該顧客端末40に記録された各自社ウェブページの情報を各自社ウェブページの閲覧順序又は閲覧日時(アクセス日時)とともに取得し、当該取得した各自社ウェブページの情報および各自社ウェブページの閲覧順序又は閲覧日時と、各顧客端末40を識別する顧客端末IDと、を対応付けて閲覧情報DB21に格納する。なお、本実施形態において、閲覧情報取得手段11は、顧客の入力によって顧客端末40から顧客情報を受け付けた際に、閲覧情報を取得するように構成されているが、閲覧情報の取得方法や取得のタイミングは任意に変更されてよい。
【0034】
図3は本実施形態において閲覧情報DB21が記憶する各ウェブページの情報と各ウェブページの閲覧順序を示した詳細閲覧情報W2の一例を示している。本実施形態において詳細閲覧情報W2は、顧客端末40ごとに対応付いている閲覧情報を示すクッキー情報W20を複数含んでいる。そして、各クッキー情報W20は、顧客端末40から顧客情報の入力を受け付けるまでに閲覧した1以上のページの一連の閲覧履歴である。このような一連の閲覧履歴を示す閲覧情報として、本実施形態では、各自社ウェブページの閲覧順序を示すウェブページ閲覧順序W21と、各自社ウェブページに含まれるコンテンツの内容を示すウェブページコンテンツW22と、各自社ウェブページの閲覧時間を示すウェブページ別滞在時間W23の3つを含んでいる。
【0035】
より具体的に図3では、Cookie1のクッキー情報W20は、顧客が、税金に関する内容の自社ウェブページX、節税に関する内容の自社ウェブページY、節税計算の内容の自社ウェブページZ、顧客端末40から顧客情報の入力を受け付ける申込画面、の順に閲覧したことを表している。また、自社ウェブページX、Y、Zの滞在時間は、それぞれ30秒、58秒、34秒であることを表している。なお、本実施形態において詳細閲覧情報W2は、ウェブページ閲覧順序W21およびウェブページコンテンツW22およびウェブページ別滞在時間W23のうち少なくとも一つを含んでいれば良い。なお、クッキー情報W20において、申込画面直前のページ(上記の例における自社ウェブページZ)を特定できるように例えば直前ページを示すフラグを含んでいても良い。
【0036】
また、別の実施形態において閲覧情報取得手段11は、ウェブページ閲覧順序W21及びウェブページ別滞在時間W23として各ウェブページへのアクセス日時を、ウェブページコンテンツW22としてウェブページのURL(Uniform Resource Locator)を閲覧情報DB21に格納する。より具体的には、各ウェブページへのアクセス日時を取得することによって、アクセス日時の順に並べてウェブページの閲覧順序を取得し、更に連続するウェブページのアクセス日時について差を取ることによって、ウェブページ毎の滞在時間を取得することができる。
【0037】
登録手段12は、顧客端末40を介した顧客情報の入力を受け付けると、顧客情報と、クッキー情報W20と、を対応付けて記憶部20に格納する。本実施形態において登録手段12は、各顧客端末40の顧客端末IDに基づいて、顧客の入力によって顧客端末40から取得した顧客情報と、顧客端末40ごとに取得したクッキー情報W20に含まれる閲覧情報(W21~W23)と、を対応付けて記憶部20に格納する。なお、本実施形態における顧客情報とは、複数の自社ウェブページのうちいずれかの自社ウェブページを介して顧客端末40において顧客ユーザから入力フォームに入力される、顧客の連絡先、顧客の名前、及び、IPアドレスから取得した地域情報を少なくとも含む。なおこの他に地域情報として当該顧客の住所や当該顧客の需要として希望物件等の入力を更に受け付けて顧客情報として登録してもよい。
【0038】
顧客分類手段13は、閲覧情報取得手段11によって取得された複数のクッキー情報W20の分類を行う。本実施形態において顧客分類手段13は、閲覧情報取得手段11によって取得したクッキー情報W20に含まれる一つまたは複数の閲覧情報に基づいて、クッキー情報W20の分類を行いグループ化する。そして当該グループと、当該グループに分類されたクッキー情報W20に紐づいている顧客端末40と、を対応付けてグループDB22に格納する。
【0039】
より具体的には、顧客分類手段13は、顧客情報の入力までに閲覧したウェブページの数、ウェブページ別滞在時間、ウェブページ閲覧順序等のデータを特徴量として、特徴量に基づいてクッキー情報W20の分類を行う。本実施形態における一例では、顧客分類手段13は、クッキー情報W20の分類として、機械学習手法におけるクラスタリングを用いる。
【0040】
より具体的な例は、クラスタリングの手法としてk-meansを用いる。顧客分類手段13は、閲覧情報(W21~W23)の特徴量毎にクッキー情報W20をプロットし、ランダムにグループ分けの数の代表点を選ぶ(C1)。そして、顧客分類手段13は、代表点とそれ以外のクッキー情報W20との距離(ユークリッド距離、ミンコフスキー距離等)を測り、最も距離が近い代表点と同じクラスタにグループ分けを行う(C2)。更に顧客分類手段13は、各クラスタに割り当てられたクッキー情報W20について重心を計算し、計算された重心と代表点の位置が同じであるかを判断する(C3)。重心の位置と代表点の位置が異なる場合、顧客分類手段13は、重心と代表点の位置に変化がなくなるまで、C1、C2、C3の処理を順に行う。そして、顧客分類手段13は、当該クラスタをクッキー情報W20のグループとして、顧客端末40を識別する顧客端末IDと対応付けてグループDB22に格納する。
【0041】
ここで新規顧客の分類においては、登録手段12によって新たに顧客情報とクッキー情報が対応付けて登録されるたびに上記の処理を実行してもよいし、あらかじめ参考データによって上記の方法でグループを定義しておき、顧客分類手段13は、分類対象のクッキー情報W20の特徴量を計算して、各グループのうち最も近い位置に重心を持つグループに、分類対象のクッキー情報を分類してもよい。
【0042】
なお、クラスタリングの手法としてこの他に、クッキー情報W20のクラスタ化に加え、グループごとへの分類確率も同時に算出するPLSA分析を用いても良い。また他の実施形態においては、機械学習手法として、特徴量を自動的に閲覧情報(W21~W23)から検出し学習する表現学習を用いて、クッキー情報W20の分類を行っても良い。
【0043】
またこの他の実施形態の例では、顧客分類手段13は、クッキー情報W20の分類として、事前に設定された規則に従って分類するルールベースの手法を用いる。より具体的には、例えば、顧客分類手段13は、ウェブページコンテンツW22とウェブページ別滞在時間W23から総合的に判断し、クッキー情報W20を分類する。例えば図3では、Cookie1が付与された顧客端末40では、節税に関する自社ウェブページYを58秒閲覧していることから、節税に関して関心もしくは悩みがあることが推定できる。このような場合に例えば「特定のコンテンツ(例:節税)について所定時間(例:30秒)以上閲覧していることを条件に、特定のコンテンツに関するに悩みを持つグループとして振り分けること」等をルールとして記憶部に格納し、このルールに則って、Cookie1と同じような閲覧情報(W22、W23)を有するクッキー情報W20を同じグループに属するとして分類する。なおこの他に、推定されるルールとして、購入した商材の類似性や、閲覧ページ数による閾値等を記憶部に格納しても良い。
【0044】
なお、別の実施形態において、顧客分類手段13は、特徴量として、クッキー情報W20に加え自社ウェブページの直前に閲覧したウェブページの情報を用いて、機械学習及びルールベースの分類を行っても良い。
【0045】
モデル作成手段14は、担当者による営業活動の成功率を推定する機械学習を行った予測モデルを作成する。本実施形態におけるモデル作成手段14は、グループDB22に格納された顧客のグループと、当該顧客を担当した担当者の担当者情報と、担当者の営業活動の成否を表す成否情報と、を教師データとして、当該グループに属する顧客における、当該担当者による営業活動の成功率を推定する機械学習を行った予測モデルを作成する。
【0046】
本実施形態のモデル作成手段14は、担当者情報として担当者の知識レベルを用いて、各グループに属する顧客における、各担当者による営業活動の成功率を推定する機械学習を行った予測モデルを作成する。より具体的には、知識レベルとして業務達成度を用いて、当該担当者による営業活動の成功率を推定する機械学習を行った予測モデルを作成する。また本実施形態において、モデル作成手段14は、教師データとして、顧客の地域情報と一致する担当地域を有する担当者情報を用いて予測モデルを作成する。そして、当該抽出した担当者情報に対して、モデル作成手段14によって作成されたモデルを適用することによって、成功率の高い担当者情報を抽出し、当該抽出された担当者情報を当該顧客情報に割り当てる。
【0047】
また別の実施形態において、モデル作成手段14は、教師データとして、自社ウェブページ閲覧の直前に閲覧したウェブページを特徴量として用いて予測モデルを作成しても良い。また更に別の実施形態において、モデル作成手段14は、担当者情報として、性別や年齢、担当者端末30において記憶されたウェブページの閲覧情報を特徴量として用いて予測モデルを作成しても良い。例えば、担当者端末30おける閲覧情報と顧客端末40における閲覧情報が類似する場合、同じような指向があると推定され営業活動の成功率を上げることが予想されるので、これをルールとして、予測モデルを作成する。
【0048】
図4は、担当者情報として用いる知識レベルの設定基準を示した知識レベル一覧表W3の一例を示したものである。本実施形態において知識レベル一覧表W3は、担当者の知識レベルを示す業務達成度W31と、業務達成度毎の達成可能項目W32と、を含んでいる。より具体的には、図4では、業務達成度W31としてNo.が付与され、No.毎に達成可能な項目として、No.1に商品知識、No.2に取引の仕組みの理解、No.3に円滑な作業の達成可能項目W32を含んでいる。
【0049】
割当手段15は、顧客情報に担当者の割り当てを行う。本実施形態において割当手段15は、モデル作成手段14によって作成されたモデルにより推定された成功率に基づいて、担当者情報と、顧客情報又は顧客情報に対応するグループと、を対応付けて割当DB24に格納する。本実施形態において割当手段15は、モデル作成手段14によって作成されたモデルにより推定された成功率が高い担当者情報を抽出し、当該抽出した担当者と、顧客情報又は顧客情報に対応するグループと、対応付けて割当DB24に格納する。
【0050】
また更に本実施形態において割当手段15は、自社ウェブページ閲覧の直前に閲覧したウェブページに応じて、成功率を加点し、担当者情報の割り当てを行う。より具体的な例としては、自社ウェブページを閲覧する直前の閲覧ページが、検索エンジンである場合、自社ウェブページの外部サイトの場合、URL等から直接訪問する場合、のそれぞれについて成約率に対して、加点しない、10%加点、20%加点等の加点処理を行う。そして、加点後の成功率に基づいて担当者情報を顧客情報に対応付け、割当DB24に格納する。
【0051】
商材推定手段16は、特定のクッキー情報W20のグループから、特定の商材を推定する。本実施形態における商材推定手段16は、特定の商材において営業が成功したクッキー情報W20のグループと、当該商材の特徴を示す商材情報と、を教師データとして、当該クッキー情報W20のグループから最適な商材を推定する機械学習を行った予測モデルを作成する。
【0052】
より具体的に例えば図3のクッキー情報W20としてCookie2が付与されている顧客端末40を使用する顧客によって一棟マンションが購入され、購入された一棟マンションの情報が顧客情報に関連付けられていることを想定する。そして、本実施形態におけるモデル作成手段14は、クッキー情報W20のグループとしてCookie2の付与された顧客端末40の特徴を有するグループと、商材情報として購入された一棟マンションの特徴と、を教師データとして機械学習を行う。そして、モデル作成手段14は、複数の教師データを用いて繰り返し機械学習を行うことで、Cookie2の付与された顧客端末40と同じグループに属するクッキー情報W20から、最適な商材として一棟マンションに近い特徴を有する商材を推定する予測モデルを作成する。
【0053】
生成手段17は、顧客情報及び閲覧情報に基づいて問合せ情報を生成する。ここで問合せ情報は、顧客情報に関連する情報を担当者等に提示するための情報であり、本実施形態において生成手段17は、登録手段12によって記憶部に格納されている顧客情報および詳細閲覧情報W2と、割当手段15によって抽出された担当者情報と、に基づく問合せ情報を生成する。問合せ情報は、例えば顧客情報、閲覧情報及び担当者情報を含む電子メールとして生成されてメールサーバ等を介して担当者端末30に送信され、担当者端末30に表示される。また別の形態では、サーバ装置10が更に担当者向けの管理画面を表示させる手段を備え、担当者端末30において問合せ情報を同一画面上に表示させてもよい。
【0054】
また生成手段17は、更に商材情報に基づいて問合せ情報を生成する。本実施形態における生成手段17は、登録手段12によって当該顧客情報と対応付けられた閲覧情報とともに、商材推定手段16によって推定された最適な商材に関する商材情報に基づいて問合せ情報を生成し、担当者端末30の同一画面上に、顧客情報、閲覧情報及び商材情報に基づく表示が行われる。
【0055】
図5は、担当者情報と顧客情報及び閲覧情報に基づき生成された問合せ情報に基づく表示画面である顧客情報画面W40の一例を示した図である。本実施形態の顧客情報画面W40は、担当者端末30におけるメールの表示画面である。本実施形態において顧客情報画面W40は、顧客情報欄W41と、閲覧情報欄W42と、担当者情報欄W43と、商材情報欄W44と、を含んでいる。また本実施形態において顧客情報画面W40は、顧客情報画面W40は、顧客情報欄W41と、閲覧情報欄W42に含まれる情報を加工し、ユーザが見やすい表示にして画面上に表示しても良い。例えば、申込画面の直前に閲覧したウェブページのみが必要であれば、申込画面の直前に閲覧したウェブページのみを表示したり、顧客情報画面W40は、顧客情報欄W41と、閲覧情報欄W42の順番を入れ替えて表示しても良い。
【0056】
顧客情報欄W41は、登録手段12によって記憶部20に格納された、顧客の名前、連絡先、及び、アクセス地域を含んでいる。またこれに加え、顧客分類手段13によって分類された顧客のグループを更に表示してもよい。
【0057】
閲覧情報欄W42は、閲覧情報取得手段11によって取得された詳細閲覧情報W2のうちウェブページ閲覧順序W21及び、ウェブページ別滞在時間W23を含んでいる。なお、図5では、ウェブページ閲覧順序W21及び、ウェブページ別滞在時間W23が表示されているが、ウェブページ閲覧順序W21、ウェブページコンテンツW22及び、ウェブページ別滞在時間W23のうち少なくとも一つが表示されていれば良い。また更に閲覧情報欄W42は、ウェブページ閲覧順序W21として、各ページのアクセス日時又はURLが表示されていても良い。
【0058】
担当者情報欄W43は、担当者情報を含んでいる。ここで表示された担当者における成功率についても表示されるが、割当手段15が自社ウェブページ閲覧の直前に閲覧したウェブページに応じて加点を行った場合には、加点後の値を表示することが好ましい。本実施形態における担当者情報欄W43は、担当者情報として、割当手段15によって成功率が最適になるように割り当てられた担当者情報を含んでいる。なお、図5では、割り当てられた担当者の成功率及び担当者名のみが表示されているが、担当者情報として記憶部に格納されている情報であれば表示されても良い。例えば、担当者の知識レベル、担当地域等が表示されていても良い。
【0059】
商材情報欄W44は、商材情報を含んでいる。本実施形態において商材情報欄W44は、商材推定手段16によって推定された最適な商材情報を含んでいる。なお図5では、商材情報として一の商材情報を含んでいるが、商材推定手段16が顧客に適切な商材として複数の商材を推定し、図5に示す画面において商材情報欄W44が複数の商材を含んでいても良い。
【0060】
このように顧客情報と、担当者情報及び商材情報と、を担当者端末30の同一画面上に表示することによって、担当者が、顧客情報と併せて、成功率の高い担当者及び担当者の担当地域、商材情報を同時に確認することができ、効率的に最適な担当者及び商材を提供することが可能となる。
【0061】
<担当者割当処理>
次に、顧客端末40を介して情報を取得し、担当者を顧客に割り当てる処理を説明する。図6は、担当者割当処理の一例を示すフローチャートである。まずステップS11で、自社ウェブページを訪れた顧客に対して、顧客端末40において蓄積されたクッキー情報W20を閲覧情報取得手段11が取得する。
【0062】
ステップS12では、登録手段12が、自社ウェブページの申込ページにおいて顧客端末40から顧客情報の入力を受け付ける。そして、ステップS13で、ステップS12で受け付けた顧客情報と、ステップS11で取得した顧客端末40ごとに取得したクッキー情報W20と、を対応付けて閲覧情報DB21に格納する。
【0063】
そして、ステップS14で、クッキー情報W20に基づいて、最適な担当者を抽出し、当該クッキー情報W20と紐づいている顧客端末40と、当該抽出された担当者情報と、を対応付けて割当DB24に格納する。ステップS15で、割当DB24に対応付いて格納されている顧客情報、閲覧情報、及び担当者情報に基づいて問合せ情報を生成する。問合せ情報は例えば、顧客情報、閲覧情報及び担当者情報を文面に記載した電子メールとして生成され、担当者端末30に送信される。
【0064】
図7は、担当者を顧客に割り当てる処理の一例を示したフローチャートである。ステップS21では、ステップS11で受け付けたクッキー情報W20を分類し、グループ化する。本実施形態において、クッキー情報W20の分類は、統計学的な分類であっても機械学習による分類であっても良い。
【0065】
ステップS22では、地域情報に基づいて担当者情報のフィルタリングを行う。本実施形態においては、顧客情報における地域情報と、担当者情報における担当地域と、が一致する全ての担当者情報を抽出して次の処理(ステップS23)に進む。
【0066】
ステップS23では、ステップS21で分類された顧客のグループと、ステップS22で抽出された担当者情報と、を事前にモデル作成手段14によって作成された予測モデルに入力することで、各担当者における営業成功率を算出する。より具体的には、クッキー情報W20のグループと、担当者情報、及び、成否情報を教師データとして、当該クッキー情報のグループに属する顧客における、当該担当者による営業活動の成功率を推定するための機械学習を行った予測モデルによって、担当者ごとの成功率を算出する。
【0067】
ステップS24では、自社ウェブページを閲覧する直前の閲覧ページに応じて成功率に加点する。より具体的には、自社ウェブページを閲覧する直前の閲覧ページが、検索エンジンである場合、自社ウェブページの外部サイトの場合、URL等から直接訪問する場合、のそれぞれについて成約率に対して、加点しない、10%加点、20%加点等の加点処理を行う。
【0068】
ステップS25で分類されたクッキー情報W20と、担当者情報と、を対応付ける。本実施形態の一例では、当該推定された成功率に基づいて、成功率が高い担当者情報を当該顧客端末40に割り当てる。ここで、営業成否情報とは、過去の営業活動の履歴として、割当手段15によって顧客に対応付けられた担当者による営業活動の成否を示す情報のことである。
【0069】
以上のように、顧客のクッキー情報からその行動をパターン化して、そのパターンごとに適切な担当者を学習することにより、適切な担当者を抽出し、営業活動の成功率の向上に役立てることが可能となる。また割り当てられた担当者の情報を、顧客情報及び閲覧情報とともに表示することにより、顧客への提案内容や接客方法を検討するための参考情報として有効に活用することができる。
【0070】
<商材推定処理>
次に、顧客に対して最適な商材を推定する処理を説明する。図8は、商材推定処理の一例を示すフローチャートである。まず、S31~S33では、担当者割当処理と同様に、顧客端末40毎にクッキー情報W20及び顧客情報を対応付けて閲覧情報DB21に格納する。
【0071】
ステップS34では、ステップS31で取得したクッキー情報W20に基づいて、最適な商材情報を抽出し、当該クッキー情報W20と紐づいている顧客端末40と、当該抽出された商材情報とを対応付けて記憶部20に格納する。ステップS35で、対応付いて記憶部20に格納されている顧客情報、詳細閲覧情報W2、及び商材情報に基づいて問合せ情報を生成し、当該問合せ情報を生成する。問合せ情報は例えば、顧客情報、閲覧情報及び商材情報を文面に記載した電子メールとして生成され、担当者端末30に送信される。
【0072】
図9は、商材の推定する処理を行う処理の一例を示したフローチャートである。ステップS41では閲覧情報を分類する。本実施形態において、閲覧情報の分類は、顧客分類手段13によって、顧客の行動履歴の相関もしくは、顧客の購入した商品の相関等に基づいて、上述の通り機械学習やルールベースの分類により行われる。
【0073】
ステップS42では、ステップS41で分類されたクッキー情報と、商材情報と、を対応付ける。本実施形態の一例では、商材情報の対応付けは、機械学習によって行われる。より具体的には、閲覧情報の分類、商材情報、及び、購入成否情報を教師データとして、当該閲覧情報の分類に属する顧客における、当該商材の購入率を推定するための機械学習を行った予測モデルを作成する。そして、当該推定された購入率に基づいて、購入率が高い商材情報を当該顧客に割り当てる。ここで、購入成否情報とは、過去の営業活動の履歴として、商材推定手段16によって顧客に対応付けられた商材の購入の成否を示す履歴情報のことである。
【0074】
なお、以上のように担当者の割当が行われた後には、各担当者が接客を行う。そして本実施形態では、更に担当者端末30を介して、各顧客情報について営業活動の成否を示す成否情報が入力され、顧客情報と対応付けて登録される。また営業活動が成功し、顧客が商材の購入等に至った場合には、購入された商材に関する商材情報が更に顧客情報と対応付けて登録される。このようにして担当者割当処理及び商材推定処理において、顧客分類手段13による顧客の分類に扱う閲覧情報及び、顧客のグループごとに対応する担当者の営業活動の成否情報等のデータがより多く蓄積されるとより適切な担当者及び商材の抽出が可能になる。
【0075】
以上のように、顧客の閲覧情報からどのような行動履歴で、どのような商品を購入しようとしているのか、等の類似性をクラスタリング等の機械学習を用いて相関分析し、対象顧客の行動をパターン化することによって、そのパターンごとに対象顧客に対して適切な商材を提供することが可能となる。
【0076】
なお、本実施形態においては、営業活動の成功率を予測するモデルを作成したが、成功率がない場合では、売上等を予測するモデルを作成しても良い。
【符号の説明】
【0077】
1 トラッキングシステム
2 通信部
3 処理部
4 記憶部
10 サーバ装置
11 閲覧情報取得手段
12 登録手段
13 顧客分類手段
14 モデル作成手段
15 割当手段
16 商材推定手段
17 生成手段
20 記憶部
21 閲覧情報DB
22 グループDB
23 モデルDB
24 割当DB
30 担当者端末
31 出力手段
40 顧客端末
41 出力手段
42 入力手段
NW ネットワーク
W2 詳細閲覧情報
W20 クッキー情報
W21 ウェブページ閲覧順序
W22 ウェブページコンテンツ
W23 ウェブページ別滞在時間
W3 知識レベル表
W31 業務達成度
W32 達成可能項目
W40 顧客情報画
W41 顧客情報欄
W42 閲覧情報欄
W43 担当者情報欄
W44 商材情報欄
【要約】
【課題】
顧客の情報を詳細に提示するための新規な方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
顧客端末における、特定のウェブサイト内の複数のウェブページの閲覧情報と、顧客情報と、を対応付けて管理するシステムであって、前記顧客端末の画面上に表示した複数の前記自社ウェブページに関する閲覧情報と、前記顧客端末を識別する顧客端末識別情報と、を対応付けて記憶部に格納する、閲覧情報取得手段と、前記ウェブサイト内のウェブページを介して、前記顧客端末から前記顧客の個人情報を少なくとも含む顧客情報を受け付けると、前記顧客情報及び前記閲覧情報を対応付けて記憶部に格納する、登録手段と、対応付けられた前記顧客情報及び前記閲覧情報に基づいて問合せ情報を生成する生成手段と、を備える、トラッキングシステム。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9