(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-17
(45)【発行日】2023-01-25
(54)【発明の名称】パンツ型使い捨ておむつ
(51)【国際特許分類】
A61F 13/551 20060101AFI20230118BHJP
A61F 13/496 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
A61F13/551 100
A61F13/496
(21)【出願番号】P 2018096511
(22)【出願日】2018-05-18
【審査請求日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】P 2017153728
(32)【優先日】2017-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 明男
(72)【発明者】
【氏名】奥田 泰之
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-093460(JP,A)
【文献】特開平10-314221(JP,A)
【文献】特開平09-194801(JP,A)
【文献】特開平07-157728(JP,A)
【文献】実開平06-077722(JP,U)
【文献】特開平11-332910(JP,A)
【文献】特開2004-298459(JP,A)
【文献】特開2013-248169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有し、着用状態において着用者の腹側に配される腹側部及び背側に配される背側部を備えたパンツ型使い捨ておむつであって、
前記使い捨ておむつの外面に、該使い捨ておむつの廃棄形態を維持するための廃棄用テープが設けられており、
前記廃棄用テープは、前記使い捨ておむつの外面に固定されている固定部と、伸長部と、止着部とが、この順で該廃棄用テープの長手方向に沿って配置されているとともに、この順で積層された三つ折り状態になっており、
三つ折り状態になっている前記廃棄用テープは、前記止着部と前記伸長部との間が剥離可能に接合されているとともに、前記伸長部と前記固定部との間も剥離可能に接合されており、
前記止着部が伸長を開始する引張強度が、前記伸長部が伸長を開始する引張強度よりも高く、
前記伸長部と前記固定部との間の剥離強度が、該伸長部が伸長を開始する引張強度よりも低く、
前記止着部と前記伸長部との間の剥離強度が、該伸長部が伸長を開始する引張強度よりも低く、
前記伸長部が伸長を開始する引張強度が6.5N以下であり、
前記止着部と前記伸長部との間の剥離強度が4.0N以下であり、
前記伸長部は、前記固定部との対向面に粘着部を有し
、
前記伸長部を伸長させたときの変形量に対する前記粘着部の変形量が小さいか、又は前記伸長部若しくは前記粘着部又は前記伸長部と前記粘着部との間に粘着力低下剤を封入したマイクロカプセルを配置することで、前記粘着部による粘着力が、前記伸長部の伸長に連れて低下するようになっている、パンツ型使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記使い捨ておむつに、幅方向に沿って延びる弾性部材が配されており、
前記廃棄用テープは、平面視したときに、前記弾性部材と非交差の位置で前記使い捨ておむつの外面に設けられている請求項1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記廃棄用テープは、前記使い捨ておむつの周縁域に位置する低剛性領域よりも内側に位置する高剛性領域に設けられている請求項1又は2に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記伸長部は、破断せずに伸長する長さが150mm以上である伸長性を有している請求項1ないし3のいずれか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【請求項5】
前記伸長部は、伸長前の長さL1に対する伸長後の長さL2の比率であるL2/L1の値が4以上である伸長性を有している請求項1ないし4のいずれか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【請求項6】
前記伸長部が、少なくとも50%の永久変形を有する材料から構成されている請求項1ないし5のいずれか一項に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄用テープを備えたパンツ型使い捨ておむつに関する。
【背景技術】
【0002】
パンツ型使い捨ておむつの廃棄を容易に且つ衛生的に行うことを目的として、おむつの背側部に廃棄用のテープを三つ折り状態で配する技術が知られている。しかし、テープを単に三つ折りしただけの形態の廃棄用テープは、それを展開しても長さが3倍又はその前後にしかならないので、該廃棄用テープを固定する場所によってはその長さが足りない場合がある。このような不都合を解消する目的で、特許文献1においては、パンツ型使い捨ておむつの背側部に配された廃棄用テープとして、少なくとも一部が長手方向に伸長可能になっているものを用いることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術によれば、使用後のおむつを丸めて廃棄するときに、廃棄用テープの伸長に起因してその長さが増加するので、おむつが丸められた状態を、該廃棄用テープによって維持しやすくなる。この場合、おむつが丸められた状態を確実に維持するために、廃棄用テープをできるだけ長く伸長させたいという要求がある。しかし廃棄用テープを過度に伸長させると、破断限界伸度を超えてしまい伸長部位が破断してしまうことがある。
【0005】
したがって本発明の課題は、廃棄用テープを備えたおむつの改良にあり、更に詳しくは廃棄用テープの伸長性が向上したパンツ型使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有し、着用状態において着用者の腹側に配される腹側部及び背側に配される背側部を備えたパンツ型使い捨ておむつであって、
前記使い捨ておむつの外面に、該使い捨ておむつの廃棄形態を維持するための廃棄用テープが設けられており、
前記廃棄用テープは、前記使い捨ておむつの外面に固定されている固定部と、伸長部と、止着部とが、この順で該廃棄用テープの長手方向に沿って配置されているとともに、この順で積層された三つ折り状態になっており、
三つ折り状態になっている前記廃棄用テープは、前記止着部と前記伸長部との間が剥離可能に接合されているとともに、前記伸長部と前記固定部との間も剥離可能に接合されており、
前記止着部が伸長を開始する引張強度が、前記伸長部が伸長を開始する引張強度よりも高く、
前記伸長部と前記固定部との間の剥離強度が、該伸長部が伸長を開始する引張強度よりも低く、
前記止着部と前記伸長部との間の剥離強度が、該伸長部が伸長を開始する引張強度よりも低く、
前記伸長部が伸長を開始する引張強度が6.5N以下であり、
前記止着部と前記伸長部との間の剥離強度が4.0N以下である、パンツ型使い捨ておむつを提供するものことにより前記の課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、パンツ型使い捨ておむつを廃棄する際に、伸長した廃棄用テープにより廃棄しやすさを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明のパンツ型使い捨ておむつの一実施形態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すパンツ型使い捨ておむつに設けられた廃棄用テープの構造を示す断面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すパンツ型使い捨ておむつを廃棄形態にするときの様子を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1に示すパンツ型使い捨ておむつの廃棄形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明に係るパンツ型使い捨ておむつの一実施形態が示されている。同図に示すパンツ型使い捨ておむつ1(以下、単に「おむつ1」とも言う。)は、着用者の下腹部に装着されて使用される着用物品の一種であり、この目的のためにウエスト開口部1W及び一対のレッグ開口部1L,1Lを有する。おむつ1は、着用状態において着用者の腹側に位置する腹側部A、着用者の背側に位置する背側部B、及び股間に位置する股下部Cに大別される。
【0010】
おむつ1は、長手方向Xとそれに直交する幅方向Yとを有する。長手方向Xは、おむつ1を着脱する方向と一致している。またおむつ1は、その着用状態において着用者の肌と対向する側に表面シート(図示せず)を有するとともに、着用者の肌から遠い側に裏面シート(図示せず)を有する。表面シートと裏面シートとの間には吸収体2が配置されている。表面シート、裏面シート及び吸収体2は、少なくとも股下部Cの全域に位置するとともに、股下部Cから長手方向Xに沿って腹側部A及び背側部Bの少なくとも一部にまでわたって延在している。
【0011】
表面シート、裏面シート及び吸収体2としては、当該技術分野においてこれまで用いられてきたものと同様のものを特に制限なく用いることができる。また、おむつ1は、これらの部材に加えて、当該技術分野においてこれまで用いられてきた他の部材を備えていてもよい。例えばおむつ1は、吸収体2の両側部に、該吸収体2の長手方向に沿って延びる防漏カフ(図示せず)を備えていてもよい。
【0012】
おむつ1の背側部Bには廃棄用テープ10が設けられている。廃棄用テープ10は、おむつ1の廃棄形態を維持するために用いられるものである。廃棄用テープ10は、おむつ1の背側部Bにおける幅方向Yの略中央部に位置している。また廃棄用テープ10は、その長手方向がおむつ1の長手方向Xに一致するように設けられている。
【0013】
図2には、廃棄用テープ10の断面構造が示されている。廃棄用テープ10は、主として3つの部位から構成されている。具体的には、廃棄用テープ10は、固定部12と、伸長部15と、止着部18とから構成されている。これら3つの部位は、この順で廃棄用テープ10の長手方向X1(
図2参照)に沿って配置されている。またこれら3つの部位は、この順で積層された三つ折り状態になっている。固定部12と伸長部15との間には他の部材は介在しておらず、両者は直接に連設されている。同様に、伸長部15と止着部18との間にも他の部材は介在しておらず、両者は直接に連設されている。
【0014】
廃棄用テープ10における固定部12は、固定部用シート片13を有している。固定部用シート片13は、第1面13a及び第2面13bを有している。また固定部12は固定部用粘着部14を有している。固定部用粘着部14は、固定部用シート片13の第2面13bに設けられている。固定部12は、固定部用粘着部14によって、おむつ1における背側部Bの外面に固定されている。これによって、廃棄用テープ10は、おむつ1における背側部Bの外面に着脱不能に固定されている。
【0015】
廃棄用テープ10における伸長部15は、該廃棄用テープ10に引張力が加わったときに比較的弱い引張力で容易に伸長し、廃棄用テープ10の長さを増加させる部位である。伸長部15は伸長部用シート片16を有している。伸長部用シート片16は、先に述べた固定部用シート片13と同じ長さ及び/又は同じ幅であってもよく、あるいはそうでなくてもよい。伸長部用シート片16は、第1面16a及び第2面16bを有している。また伸長部15は伸長部用粘着部17を有している。伸長部用粘着部17は、伸長部用シート片16の第2面16bに設けられている。伸長部用粘着部17は、三つ折り状態になっている廃棄用テープ10における伸長部15と固定部12との間を剥離可能に接合するものである。したがって伸長部用粘着部17は、低粘着性の粘着剤から構成されていることが好ましい。
【0016】
先に述べた固定部12における固定部用シート片13は、その長手方向X1における一端が伸長部15側に折り返されて折り返し部13’が形成されている。そして折り返し部13’が、伸長部15における伸長部用シート片16の一端と第2面16bの側で接合されている。これによって、固定部12と伸長部15とは直接に連設されている。
【0017】
廃棄用テープ10における止着部18は、おむつ1の外面における任意の位置に止着可能になっており、おむつ1の廃棄形態を廃棄用テープ10で維持するときに、廃棄用テープ10の先端域をおむつ1の外面に止着するための部位である。止着部18は止着部用シート片19を有している。止着部用シート片19は、先に述べた固定部用シート片13及び/又は伸長部用シート片16と同じ長さ及び/又は同じ幅であってもよく、あるいはそうでなくてもよい。止着部用シート片19は、第1面19a及び第2面19bを有している。また止着部18は止着部用粘着部20を有している。止着部用粘着部20は、止着部用シート片19の第2面19bに設けられている。止着部用粘着部20は、三つ折り状態になっている廃棄用テープ10における止着部18と伸長部15との間を剥離可能に接合し、且つ止着部18をおむつ1の外面における任意の位置に確実に止着するものである。この観点から止着部用粘着部20の粘着性の程度が決定されることが好ましい。
【0018】
先に述べた伸長部15における伸長部用シート片16は、その長手方向X1における一端が止着部18側に折り返されて折り返し部18’が形成されている。そして折り返し部18’が、止着部18における止着部用シート片19の一端と第2面19bの側で接合されている。これによって、伸長部15と止着部18とは直接に連設されている。また、止着部18における止着部用シート片19の他端には、第2面19b側に摘まみ片21が接合されている。
【0019】
以上のとおりの3つの部位から構成される廃棄用テープ10は、Z字状に三つ折りされている。そして、三つ折り状態になっている廃棄用テープ10における自由端、すなわち止着部18における摘まみ片21の取り付け部位が、おむつ1におけるウエスト開口部1Wの方向を向くように、廃棄用テープ10はおむつ1の背側部Bに取り付けられている。
【0020】
廃棄用テープ10においては、該廃棄用テープ10をその長手方向X1に沿って引っ張った場合に、止着部18が伸長を開始する引張強度が、伸長部15が伸長を開始する引張強度よりも高くなっている。これによって、廃棄用テープ10における摘まみ片21を指で把持して廃棄用テープ10を引っ張ったときに、止着部18よりも先に伸長部15が伸長するようになる。特に伸長部15が伸長を開始する引張強度が6.5N以下であると、止着部18に優先して伸長部15が伸長しやすくなる。この観点から、伸長部15が伸長を開始する引張強度は5.0N以下であることが好ましい。また、引き伸ばす必要がないときに意図せず延びてしまうことを防止する観点から、引張強度は1.0N以上であることが好ましい。この引張強度は、廃棄用テープ10の幅に依存せずに決定される値である。各部位が伸長を開始する引張強度は、各部位の長手方向の各部位を引張試験機のチャックに取り付け、チャック間距離を10mmに設定し、300mm/minの速度で引っ張ることで測定された第一極大点強度である。(第一極大点が明確に判らない場合、また、観察されない場合は伸度10%から50%間の伸長時の最大荷重を第一極大点強度とみなす)
【0021】
前記と同様の観点から、廃棄用テープ10においては、該廃棄用テープ10をその長手方向X1に沿って引っ張った場合に、固定部12が伸長を開始する引張強度が、伸長部15が伸長を開始する引張強度よりも高くなっている。固定部12は、固定部用粘着部14によっておむつ1の外面に剥離不能に固定されているので、自ずと固定部12が伸長を開始する引張強度は、伸長部15が伸長を開始する引張強度よりも高くなる。
【0022】
伸長部15の引張強度は上述のとおりであるところ、伸長部15を引っ張ったときに伸びる長さについては、伸長部15は、破断せずに伸長する長さが150mm以上である伸長性を有していることが、おむつ1の廃棄形態を、伸長した廃棄用テープ10によって確実に維持し得る点から好ましい。この観点から、伸長部15は、破断せずに伸長する長さが200mm以上である伸長性を有していることが更に好ましい。また、同様の観点から、破断せずに伸長する長さは300mm以下であることが好ましい。破断せずに伸長する長さは、伸長部15の長手方向の両端部を引張試験機のチャックに取り付け、300mm/minの速度で引っ張ったときの破断時の長さのことであり、伸長する長さは、伸長前の長さを含んだ長さである(チャック間は止着部と固定部を挟んで測定する)。
【0023】
また伸長部15は、伸長前の長さL1に対する伸長後の長さL2の比率であるL2/L1の値が4以上である伸長性を有することが、伸長部15の長さが短い場合であっても、該伸長部15が十分に伸長するので、廃棄用テープ10の長さをコンパクト化できる観点から好ましい。この観点から、L2/L1の値は5以上であることが更に好ましく、6以上であることが一層好ましい。また、過度に伸びすぎない観点から、8以下であることが好ましい。なおL2は、上述した破断せずに伸長する長さと同じ意味である。
【0024】
伸長部15が上述の引張強度や伸び量を有するためには、伸長部15を構成する伸長部用シート片16として、適切な材料を選択すればよい。具体的には、伸長部用シート片16の構成材料として、例えば伸長可能なフィルムを用いることができる。そのようなフィルムとしては、例えば単一層フィルム、及び共押出しフィルムのような多層フィルムが挙げられる。また、伸長可能なフィルムを構成する材料としては、例えば線状低密度ポリエチレンなどのポリオレフィンが好ましい。また、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体及びポリビニルアルコールからなる群から選択される少なくとも1種の材料も好ましい。更に、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%の永久変形を有する材料を用いることも有利である。
【0025】
三つ折り状態の廃棄用テープ10を直線状に展開させて伸長部15を首尾よく伸長させるためには、伸長部15の伸び易さが重要であることに加えて、伸長前の状態における伸長部15と固定部12との間の剥離強度や、伸長前の状態における止着部18と伸長部15との間の剥離強度も重要な要素である。この観点から、伸長部15と固定部12との間の剥離強度は、伸長部15が伸長を開始する引張強度よりも低いことが好ましい。これによって、廃棄用テープ10をその長手方向X1に沿って引っ張ったときに、伸長部15が伸長を開始するのに先立って、伸長部15と固定部12との間で剥離が生じ、廃棄用テープ10が展開状態になりやすい。この観点から、伸長部15と固定部12との間の剥離強度は、伸長部15が伸長を開始する引張強度の95%以下であることが好ましく、90%以下であることが更に好ましく、85%以下であることが一層好ましい。また、引き伸ばす必要がないときに意図せず剥離が生じないようにする観点から、剥離強度は40%以上であることが好ましい。
【0026】
伸長部15と固定部12との間の剥離強度の値そのものは、伸長部15が伸長を開始する引張強度よりも低いことを条件として、5.5N以下であることが好ましく、5.0N以下であることが更に好ましく、4.5N以下であることが一層好ましい。剥離強度の下限値は、廃棄用テープ10の三つ折り状態を維持する観点から、0.3N以上であることが好ましく、0.5N以上であることが更に好ましく、1.0N以上であることが一層好ましい。なお、伸長部15と固定部12との間の剥離強度は、廃棄用テープ10の幅に依存せずに決定される値である。
【0027】
以上の観点から、伸長部15と固定部12とを剥離可能に接合する伸長部用粘着部17としては、例えばゴム系粘着剤及びアクリル系粘着剤が一般的に使用され、好ましくはゴム系粘着剤が使用される。ゴム系粘着剤としては、例えばスチレン-ブタジエンブロック共重合体や水添スチレン-ブタジエンブロック共重合体等の合成ゴム、又はこれら合成ゴムと樹脂とのブレンド等が挙げられる。また、ヒートシール、ホットメルト系粘着剤、メルトブロー状又は繊維状の粘着剤若しくは接着剤等からなる粘着剤を用いることも好ましい。
【0028】
伸長部15に設けられた伸長部用粘着部17は、その粘着力が、伸長部15の伸長に連れて低下するようになっていることが好ましい。これによって、伸長状態の伸長部15における伸長部用粘着部17に、意図せず手やごみが粘着することが効果的に防止され、おむつ1の廃棄操作が行いやすくなる。この観点から、伸長部用粘着部17は、伸長部15が非伸長状態での粘着力P1に対する、4倍伸長状態での粘着力P2の比であるP2/P1の値が1.0以下であることが好ましく、0.8以下であることが更に好ましく、0.5以下であることが一層好ましい。また、同様の観点から、0以上であることが好ましい。なお、伸長部用粘着部17の粘着力は、廃棄用テープ10の幅に依存せずに決定される値である。
【0029】
伸長部用粘着部17の粘着力は、次の方法で測定される。非伸長状態の廃棄用テープ10を直線状に展開し、伸長部用粘着部17が鉛直上方を向くようにアクリル板に該廃棄用テープ10を固定する。この状態下に、伸長部用粘着部17へポリエチレン製のフィルムを重ね合わせ、幅25mm、直径90mm、質量1200gのローラーで1往復圧着させて、貼り付ける。次いで、伸長部用粘着部17に対して90度の方向へフィルムを引っ張り、該フィルムの剥離を行う。剥離するまでの最大の力を伸長部用粘着部17の粘着力と定義する。剥離速度は300mm/minとし、引張試験機を用いて測定を行う。同様の測定を、伸長状態の廃棄用テープ10についても行う。
【0030】
伸長部用粘着部17の粘着力を、伸長部15の伸長に連れて低下させるには、例えば伸長部用粘着部17を、伸長部15の長手方向X1に沿って間欠的に設けることが好ましい。こうすることで、伸長部用粘着部17の面積を減らすことができ、意図せず手やごみが粘着することが一層効果的に防止され、おむつ1の廃棄操作が一層行いやすくなる。この観点から、伸長前の状態において、伸長部用シート片16における固定部との対向面である第2面16bにおける伸長部用粘着部17の占める面積の割合は70%以下であることが好ましく、60%以下であることが更に好ましく、50%以下であることが一層好ましい。また、伸長部用粘着部17の占める面積の割合は10%以上であることが好ましく、20%以上であることが更に好ましく、30%以上であることが一層好ましい。特に、伸長部用粘着部17の占める面積の割合は10%以上70%以下であることが好ましく、20%以上60%以下であることが更に好ましく、30%以上50%以下であることが一層好ましい。この場合、第2面16bの面積には、固定部用シート片13の折り返し部13’が接合している部位は含まれない。
【0031】
伸長部15において、伸長部用シート片16の第2面16bに伸長部用粘着部17が間欠的に設けられている場合、伸長部15を伸長させたときに、伸長部用粘着部17の存在に起因して、伸長部用粘着部17が設けられている部位よりも、伸長部用粘着部17が設けられていない部位の方が伸長しやすくなっている。これによって、伸長部15の伸長状態において伸長部用粘着部17の面積を一層減らすことができ、意図せず手やごみが粘着することが更に一層効果的に防止され、おむつ1の廃棄操作が更に一層行いやすくなる。
【0032】
伸長部用粘着部17を、伸長部15の長手方向X1に沿って間欠的に設けることの他に、以下のような方法によっても、伸長部用粘着部17の粘着力を、伸長部15の伸長に連れて低下させることができる。例えば伸長部15を伸長させたときの、伸長部用シート片16の変形量に対する伸長部用粘着部17の変形量を小さくしてもよい。こうすることで、伸長部15を伸長させたときに、伸長部用シート片16よりも先に伸長部用粘着部17が歪みに耐えられず部分的に破断しやすくなる。伸長部用粘着部17が部分的に破断することにより、伸長部用シート片16の第2面16bに伸長部用粘着部17が存在していない部分が形成され、伸長部15の伸長状態において伸長部用粘着部17の面積を減らすことができ、伸長部用粘着部17の粘着力を、伸長部15の伸長に連れて低下させることができる。
【0033】
また、伸長部用シート片16若しくは伸長部用粘着部17、又は伸長部用シート片16と伸長部用粘着部17との間に粘着力低下剤を封入したマイクロカプセルを配置し、伸長部用シート片16の変形歪力等により該マイクロカプセルから該粘着力低下剤を放出させて、伸長部用粘着部17の粘着力を、伸長部15の伸長に連れて低下させることもできる。粘着力低下剤としては、炭化水素や炭化水素と界面活性剤とからなる混合物を用いることができる。マイクロカプセルとしては、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルソール、ゼラチン等の合成高分子からなるものや、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂やイソシアネーと樹脂のような合成樹脂からなるもの等を用いることができる。
【0034】
なお、上述した伸長部15と固定部12との間の剥離強度は次の方法で測定される。先ず、三つ折り状態の廃棄用テープ10における固定部12をアクリル板に固定する。次いで止着部18を伸長部15から剥離し、止着部18の止着部用粘着部20に補助紙を貼り付ける。補助紙の幅は、止着部用シート片19の幅と同様とする。廃棄用テープ10を固定したアクリル板を引張試験機のチャックに固定し、補助紙を反対側のチャックに取り付ける。チャックを、廃棄用テープ10の展開方向(180°方向)に沿って300mm/minの速度で移動させ、伸長部15と固定部12とを剥離させる。このときに観察される力の最大値を、伸長部15と固定部12との間の剥離強度と定義する。
【0035】
止着部18と伸長部15との間の剥離強度に関しては、伸長部15が伸長を開始する引張強度よりも低いことが好ましい。これによって、廃棄用テープ10をその長手方向X1に沿って引っ張ったときに、伸長部15が伸長を開始するのに先立って、止着部18と伸長部15との間で剥離が生じ、廃棄用テープ10が展開状態になりやすい。この観点から、止着部18と伸長部15との間の剥離強度は、伸長部15が伸長を開始する引張強度の80%以下であることが好ましく、70%以下であることが更に好ましく、60%以下であることが好ましい。また、意図しない剥離を防ぐ観点から、40%以上であることが好ましい。なお、止着部18と伸長部15との間の剥離強度は、廃棄用テープ10の幅に依存せずに決定される値である。
【0036】
止着部18と伸長部15との間の剥離強度の値そのものは、伸長部15が伸長を開始する引張強度よりも低いことを条件として、4.0N以下であることが好ましく、3.0N以下であることが更に好ましく、2.0N以下であることが一層好ましい。剥離強度の上限値がこの値であることによって、廃棄用テープ10の展開状態を容易に実現することができるとともに、止着部18に十分な止着力を付与することができる。剥離強度の下限値は、廃棄用テープ10の三つ折り状態を維持する観点から、0.3N以上であることが好ましく、0.5N以上であることが更に好ましく、1.0N以上であることが一層好ましい。
【0037】
以上の観点から、止着部18と伸長部15とを剥離可能に接合する止着部用粘着部20としては、例えばゴム系粘着剤及びアクリル系粘着剤が一般的に使用され、好ましくはゴム系粘着剤が使用される。ゴム系粘着剤としては、例えばスチレン-ブタジエンブロック共重合体や水添スチレン-ブタジエンブロック共重合体等の合成ゴム、又はこれら合成ゴムと樹脂とのブレンド等が挙げられる。
【0038】
止着部18と伸長部15との間の剥離強度は次の方法で測定される。先ず、三つ折り状態の廃棄用テープ10における固定部12をアクリル板に固定する。次いで止着部18の摘まみ片21をチャックに取り付ける。摘まみ片が摘み難い場合は補助紙などを摘まみ片21に貼り付けてチャックに取り付けることもできる。その場合、補助紙の幅は、止着部用シート片19の幅と同様とする。廃棄用テープ10を固定したアクリル板を引張試験機のチャックに固定し、摘まみ片21(補助紙)を反対側のチャックに取り付ける。チャックを、廃棄用テープ10の展開方向(180°方向)に沿って300mm/minの速度で移動させ、止着部18と伸長部15とを剥離させる。このときに観察される力の最大値を、止着部18と伸長部15との間の剥離強度と定義する。補助紙としては、強度があり且つ伸びないフィルムや紙等を用いる。
【0039】
本実施形態のおむつ1には、幅方向Yに沿って延びる1本又は複数本の弾性部材が配することができる。例えば、ウエスト開口部1Wの近傍や、ウエスト開口部1Wとレッグ開口部1Lとの間の部位である胴回り部に、幅方向Yに沿って延びる弾性部材を、伸長状態で配することができる。かかる弾性部材を配することで、おむつ1が着用者の身体に一層フィットするようになり、おむつ1の装着感が良好になり、また排泄物の漏れが効果的に防止される。尤も、弾性部材を配することで、該弾性部材を配した部位においては、おむつ1の外面に該弾性部材に起因する凹凸が形成されることがある。そのような凹凸が形成されている部分に廃棄用テープ10を固定した場合、固定部12とおむつ1の外面との間に隙間が生じて固定を確実に行えず、廃棄用テープ10が意図せず剥離してしまう場合がある。このような不都合が生じることを防止するために、廃棄用テープ10は、平面視したときに、弾性部材と非交差の位置でおむつ1の外面に設けられていることが有利である。
【0040】
本実施形態におむつ1には、該おむつ1の周縁域に、ウエストギャザー3や、レッグギャザー4を形成することができる。ここで周縁域とは、吸収体2のウエスト端部側の領域をいう。これらのギャザーは、その伸縮性を良好にする観点から、低剛性領域となっている場合が多い。ここで、低剛性領域とは、下記の吸収体2と重なって比較的高剛性となって領域と比して低剛性である領域をいう。そのような低剛性領域に廃棄用テープ10を設けた場合、低剛性領域の剛性の低さに起因して、おむつ1の廃棄時に廃棄用テープ10を展開しにくくなる場合がある。このような不都合が生じることを防止するために、廃棄用テープ10は、低剛性領域よりも内側に位置する高剛性領域に設けられていることが好ましい。高剛性領域としては、おむつ1において、その厚み方向に沿って見た場合に吸収体2と重なる領域が挙げられる。例えば
図1に示すおむつ1においては、廃棄用テープ10を、ウエストギャザー3の下端よりも下方の位置、換言すれば、吸収体2の上端よりも下方の位置であって、且つ吸収体2と重なる位置に、廃棄用テープ10を設けることが好ましい。
【0041】
図3には本実施形態のおむつ1を廃棄するときの様子が示されている。同図に示すとおり、おむつ1を廃棄するときには、おむつ1における腹側部Aが内向きになるように、おむつ1を股下部Cからウエスト開口部1Wに向けて巻き上げていき、巻き上げ形態を作る。巻き上げ形態の完成状態では、背側部Bに設けられている廃棄用テープ10が露出している。この状態下、廃棄用テープ10の摘まみ片21を指で把持して引っ張り、廃棄用テープ10の三つ折りを解除して直線状に展開しつつ、伸長部15を伸長させる。上述のとおり、伸長部15は容易に且つ長く伸長する。次いで
図4に示すとおり、長く伸びた廃棄用テープ10によって巻き上げ形態のおむつを巻き付け、廃棄用テープ10の先端域に位置する止着部18の止着部用粘着部20を、おむつ1の外面に止着して巻き上げ形態、すなわち廃棄形態を維持する。
【0042】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態では、廃棄用テープ10がおむつ1の背側部Bに設けられていたが、廃棄用テープ10を設ける部位はこれに限られず、例えば腹側部Aや股下部Cであってもよい。また、前記実施形態では、廃棄用テープ10は、おむつ1の幅方向Yにおける略中央部に設けられていたが、廃棄用テープ10を設ける部位はこれに限られず、例えばおむつ1の左右どちらかの側部域に設けられていてもよい。更に前記実施形態では、廃棄用テープ10は、その長手方向X1がおむつ1の長手方向Xに一致するように設けられていたが、廃棄用テープ10の向きはこれに限られず、例えば廃棄用テープ10を、その長手方向X1が、おむつ1の幅方向Yに一致するように設けてもよい。
【0043】
また、本発明のパンツ型着用物品は、
図1に示す形態のパンツ型使い捨ておむつに限られず、着用者の下腹部に装着されて使用されるものである限り、他の形態を有していてもよい。
【0044】
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下のパンツ型使い捨ておむつを開示する。
<1>
ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有し、着用状態において着用者の腹側に配される腹側部及び背側に配される背側部を備えたパンツ型使い捨ておむつであって、
前記使い捨ておむつの外面に、該使い捨ておむつの廃棄形態を維持するための廃棄用テープが設けられており、
前記廃棄用テープは、前記使い捨ておむつの外面に固定されている固定部と、伸長部と、止着部とが、この順で該廃棄用テープの長手方向に沿って配置されているとともに、この順で積層された三つ折り状態になっており、
三つ折り状態になっている前記廃棄用テープは、前記止着部と前記伸長部との間が剥離可能に接合されているとともに、前記伸長部と前記固定部との間も剥離可能に接合されており、
前記止着部が伸長を開始する引張強度が、前記伸長部が伸長を開始する引張強度よりも高く、
前記伸長部と前記固定部との間の剥離強度が、該伸長部が伸長を開始する引張強度よりも低く、
前記止着部と前記伸長部との間の剥離強度が、該伸長部が伸長を開始する引張強度よりも低く、
前記伸長部が伸長を開始する引張強度が6.5N以下であり、
前記止着部と前記伸長部との間の剥離強度が4.0N以下である、パンツ型使い捨ておむつ。
【0045】
<2>
前記使い捨ておむつに、幅方向に沿って延びる弾性部材が配されており、
前記廃棄用テープは、前記弾性部材と非交差の位置で前記使い捨ておむつの外面に設けられている前記<1>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<3>
前記廃棄用テープは、前記使い捨ておむつの周縁域に位置する低剛性領域よりも内側に位置する高剛性領域に設けられている前記<1>又は<2>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<4>
前記伸長部は、破断せずに伸長する長さが150mm以上である伸長性を有している前記<1>ないし<3>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<5>
前記伸長部は、伸長前の長さL1に対する伸長後の長さL2の比率であるL2/L1の値が4以上である伸長性を有している前記<1>ないし<4>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<6>
前記伸長部は、前記固定部との対向面に粘着部を有し、
前記粘着部による粘着力が、前記伸長部の伸長に連れて低下するようになっている前記<1>ないし<5>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【0046】
<7>
前記粘着部が、前記伸長部の長手方向に沿って間欠的に設けられている前記<6>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<8>
前記伸長部は、前記粘着部が設けられている部位よりも、該粘着部が設けられていない部位の方が伸長しやすくなっている前記<7>に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<9>
前記伸長部が、少なくとも50%の永久変形を有する材料から構成されている前記<1>ないし<8>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<10>
前記伸長部が伸長を開始する引張強度は1.0N以上であることが好ましく、5.0N以下であることが好ましい前記<1>ないし<9>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<11>
前記伸長部は、破断せずに伸長する長さが150mm以上、特に200mm以上である伸長性を有していることが好ましく300mm以下であることが好ましい前記<1>ないし<10>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<12>
前記伸長部は、伸長前の長さL1に対する伸長後の長さL2の比率であるL2/L1の値が5以上であることが更に好ましく、6以上であることが一層好ましく、8以下であることが好ましい前記<1>ないし<11>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【0047】
<13>
前記伸長部と前記固定部との間の剥離強度は、前記伸長部が伸長を開始する引張強度の95%以下であることが好ましく、90%以下であることが更に好ましく、85%以下であることが一層好ましく40%以上であることが好ましい前記<1>ないし<12>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<14>
前記伸長部と前記固定部との間の剥離強度は、前記伸長部が伸長を開始する引張強度よりも低いことを条件として、5.5N以下であることが好ましく、5.0N以下であることが更に好ましく、4.5N以下であることが一層好ましく、0.3N以上であることが好ましく、0.5N以上であることが更に好ましく、1.0N以上であることが一層好ましい前記<1>ないし<13>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<15>
前記伸長部は伸長部用粘着部を有し、
前記伸長部用粘着部は、前記伸長部が非伸長状態での粘着力P1に対する、4倍伸長状態での粘着力P2の比であるP2/P1の値が2.0以下であることが好ましく、1.0以下であることが更に好ましく、0.5以下であることが一層好ましく、0以上であることが好ましい前記<1>ないし<14>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。<16>
前記伸長部は伸長部用シート片を有し、
前記伸長部は伸長部用粘着部を有し、
前記伸長部用シート片は、第1面及び第2面を有しており、
伸長前の状態において、前記伸長部用シート片における前記固定部との対向面である第2面における前記伸長部用粘着部の占める面積の割合は70%以下であることが好ましく、60%以下であることが更に好ましく、50%以下であることが一層好ましく、10%以上であることが好ましく、20%以上であることが更に好ましく、30%以上であることが一層好ましい前記<1>ないし<15>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<17>
前記止着部と前記伸長部との間の剥離強度は、前記伸長部が伸長を開始する引張強度の80%以下であることが好ましく、70%以下であることが更に好ましく、60%以下であることが好ましく、40%以上であることが好ましい前記<1>ないし<16>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【0048】
<18>
前記止着部と前記伸長部との間の剥離強度は、前記伸長部が伸長を開始する引張強度よりも低いことを条件として、4.0N以下であることが好ましく、3.0N以下であることが更に好ましく、2.0N以下であることが一層好ましく、0.3N以上であることが好ましく、0.5N以上であることが更に好ましく、1.0N以上であることが一層好ましい前記<1>ないし<17>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<19>
前記廃棄用テープが、ウエストギャザーの下端よりも下方の位置に設けられている前記<1>ないし<18>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<20>
前記廃棄用テープが、吸収体の上端よりも下方の位置であって、且つ該吸収体と重なる位置に設けられている前記<1>ないし<19>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<21>
前記固定部と前記伸長部との間に他の部材は介在しておらず、両者は直接に連設されている前記<1>ないし<20>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<22>
前記伸長部と前記止着部との間に他の部材は介在しておらず、両者は直接に連設されている前記<1>ないし<21>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【0049】
<23>
前記固定部が固定部用シート片を有し、
前記伸長部が伸長部用シート片を有し、
前記伸長部は伸長部用粘着部を有し、
前記伸長部用シート片は、第1面及び第2面を有しており、
前記伸長部用粘着部は、前記伸長部用シート片の第2面に設けられており、
前記固定部用シート片は、その長手方向における一端が前記伸長部側に折り返されて折り返し部が形成されており、
前記折り返し部が、前記伸長部用シート片の一端と第2面の側で接合されている前記<1>ないし<22>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<24>
前記伸長部が伸長部用シート片を有し、
前記止着部は止着部用シート片を有し、
前記止着部は止着部用粘着部を有し
前記止着部用シート片は、第1面及び第2面を有し、
前記止着部用粘着部は、前記止着部用シート片の第2面に設けられており、
前記伸長部用シート片は、その長手方向における一端が前記止着部側に折り返されて折り返し部が形成されており、
前記折り返し部が、前記止着部用シート片の一端と第2面の側で接合されている前記<1>ないし<23>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
<25>
三つ折り状態になっている前記廃棄用テープにおける自由端が、前記ウエスト開口部の方向を向くように、該廃棄用テープ前記背側部に取り付けられている前記<1>ないし<24>のいずれか1に記載のパンツ型使い捨ておむつ。
【実施例】
【0050】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
【0051】
〔実施例1〕
パンツ型使い捨ておむつとして、花王株式会社製のパンツ型使い捨ておむつであるメリーズパンツ(2017年製、登録商標)を用いた。このおむつから廃棄用テープを取り除き、以下の表1に示す諸元を有し、且つ
図2に示す構造を有する廃棄用テープを取り付け、
図1に示す形態のパンツ型使い捨ておむつを得た。
【0052】
〔実施例2及び3並びに比較例1及び2〕
実施例1において、廃棄用テープとして、表1に示す諸元を有するものを用いた。これ以外は実施例1と同様にしてパンツ型使い捨ておむつを得た。
【0053】
〔評価〕
実施例及び比較例で得られたパンツ型使い捨ておむつについて、廃棄用テープによるおむつの廃棄のしやすさを以下の方法で評価した。その結果を表1に示す。
【0054】
〔おむつの廃棄のしやすさ〕
実施例及び比較例で得られたおむつを対象として、おむつを巻き上げて丸め、廃棄用テープで固定する操作を20人のモニターに行わせた。そのときの操作のしやすさを評価させ、以下の判定基準に分類した。
<判定基準>
A:8割以上のモニターが、廃棄用テープが延びて廃棄しやすいと回答した。
B:5割以上8割未満のモニターが、廃棄用テープが延びて廃棄しやすいと回答した。
C:5割未満のモニターが、廃棄用テープが延びて廃棄しやすいと回答した。
【0055】
【0056】
表1に示す結果から明らかなとおり、各実施例のおむつは、比較例のおむつに比べて、おむつを丸めて廃棄するときの操作性に優れることが判る。
【符号の説明】
【0057】
1 パンツ型使い捨ておむつ
1L レッグ開口部
1W ウエスト開口部
2 吸収体
3 ウエストギャザー
4 レッグギャザー
10 廃棄用テープ
12 固定部
13 固定部用シート片
14 固定部用粘着部
15 伸長部
16 伸長部用シート片
17 伸長部用粘着部
18 止着部
19 止着部用シート片
20 止着部用粘着部
21 摘まみ片
A 腹側部
B 背側部
C 股下部