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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-17
(45)【発行日】2023-01-25
(54)【発明の名称】フレーム材の製造方法及び車体フレーム
(51)【国際特許分類】
   B62D 21/02 20060101AFI20230118BHJP
【FI】
B62D21/02 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019067445
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2020164063
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】390001579
【氏名又は名称】プレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128509
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 晴久
(74)【代理人】
【識別番号】100119356
【弁理士】
【氏名又は名称】柱山 啓之
(72)【発明者】
【氏名】武田 喜裕
【審査官】川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】実開平08-000283(JP,U)
【文献】特開2011-046257(JP,A)
【文献】特開2006-240451(JP,A)
【文献】特開2003-320960(JP,A)
【文献】特開2012-126146(JP,A)
【文献】特開2005-132248(JP,A)
【文献】特開2000-025646(JP,A)
【文献】特開昭57-151467(JP,A)
【文献】特開2005-271702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00 - 25/08
B62D 25/14 - 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板材をZ字状に形成すると共に、Z字の上辺部を下辺部より短く形成して同形状のZ字材を2つ形成する第1ステップと、
1つの前記Z字材を上下反転させて上辺部が下辺部より長い反転Z字材を形成する第2ステップと、
前記反転Z字材と前記Z字材を上下に重ねると共に、上下に重なる前記上辺部同士の先端位置を揃え、かつ、上下に重なる前記下辺部同士の先端位置を揃えて前記反転Z字材及び前記Z字材間に閉断面部を形成する第3ステップと、
上下に重なる前記上辺部同士を接合すると共に、上下に重なる前記下辺部同士を接合する第4ステップと
を備えたことを特徴とするフレーム材の製造方法。
【請求項2】
前記上辺部及び前記下辺部は、これらの間に位置される中間辺部に対して直角に配置される
請求項1に記載のフレーム材の製造方法。
【請求項3】
前記Z字材は、鋼板をプレス加工して形成される請求項1に記載のフレーム材の製造方法。
【請求項4】
前記Z字材は金属にて構成され、上下に重なる前記上辺部同士は溶接にて接合され、上下に重なる前記下辺部同士は溶接にて接合される
請求項1から3のいずれか一項に記載のフレーム材の製造方法。
【請求項5】
上下に重なる前記上辺部同士は締結され、上下に重なる前記下辺部同士は締結される
請求項1から4のいずれか一項に記載のフレーム材の製造方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の製造方法で製造されたフレーム材で構成された左右一対のサイドレールと、
前記サイドレール間に掛け渡して設けられたクロスメンバと
を備えたことを特徴とする車体フレーム。
【請求項7】
左右の前記サイドレールは、その上辺部の先端同士を対向させるように配置された
請求項6に記載の車体フレーム。
【請求項8】
前記クロスメンバは、請求項1から5のいずれか一項に記載の製造方法で製造されたフレーム材で構成された
請求項7に記載の車体フレーム。
【請求項9】
前記サイドレール間には前記クロスメンバが前後方向に離間して複数設けられ、対向する前記クロスメンバは、その上辺部の先端同士を対向させるように配置された
請求項8に記載の車体フレーム。
【請求項10】
左右の前記サイドレールは、その下辺部の先端同士を対向させるように配置された
請求項6に記載の車体フレーム。
【請求項11】
前記クロスメンバは、請求項1から5のいずれか一項に記載の製造方法で製造されたフレーム材で構成された
請求項10に記載の車体フレーム。
【請求項12】
前記サイドレール間には前記クロスメンバが前後方向に離間して複数設けられ、対向する前記クロスメンバは、その下辺部の先端同士を対向させるように配置された
請求項11に記載の車体フレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ラダーフレーム等に用いられるフレーム材の製造方法と、そのフレーム材を用いた車体フレームに関する。
【背景技術】
【0002】
ラダーフレームのサイドレール及びクロスメンバに用いられるフレーム材としては、チャネル材が知られている。チャネル材は、断面C字状に形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-271702号公報
【文献】特開昭57-151467号公報
【文献】特開2003-320960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、チャネル材で構成されるフレーム材を補強する場合、特許文献2のように、フレーム材より一回り小さいチャネル材を補強材として断面C字状のフレーム材内に嵌入させる。この場合、単純な一定断面のフレーム材及び補強材をプレス成形する場合でも最低2つのプレス型が必要となりコストが上昇する。
【0005】
そこで本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、剛性の高いフレーム材を安価に製造できるフレーム材の製造方法及びそのフレーム材を用いた車体フレームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の態様によれば、
板材をZ字状に形成すると共に、Z字の上辺部を下辺部より短く形成して同形状のZ字材を2つ形成する第1ステップと、
1つの前記Z字材を上下反転させて上辺部が下辺部より長い反転Z字材を形成する第2ステップと、
前記反転Z字材と前記Z字材を上下に重ねると共に、上下に重なる前記上辺部同士の先端位置を揃え、かつ、上下に重なる前記下辺部同士の先端位置を揃えて前記反転Z字材及び前記Z字材間に閉断面部を形成する第3ステップと、
上下に重なる前記上辺部同士を接合すると共に、上下に重なる前記下辺部同士を接合する第4ステップと
を備えたことを特徴とするフレーム材の製造方法が提供される。
【0007】
好ましくは、前記上辺部及び前記下辺部は、これらの間に位置される中間辺部に対して直角に配置される。
【0008】
好ましくは、前記Z字材は、鋼板をプレス加工して形成される。
【0009】
好ましくは、前記Z字材は金属にて構成され、上下に重なる前記上辺部同士は溶接にて接合され、上下に重なる前記下辺部同士は溶接にて接合される。
【0010】
好ましくは、上下に重なる前記上辺部同士は締結され、上下に重なる前記下辺部同士は締結される。
【0011】
また、本開示の一の態様によれば、請求項1から5のいずれか一項に記載の製造方法で製造されたフレーム材で構成された左右一対のサイドレールと、
前記サイドレール間に掛け渡して設けられたクロスメンバと
を備えたことを特徴とする車体フレームが提供される。
【0012】
本開示の一の態様によれば左右の前記サイドレールは、その上辺部の先端同士を対向させるように配置される。
【0013】
好ましくは、前記クロスメンバは、請求項1から5のいずれか一項に記載の製造方法で製造されたフレーム材で構成される。
【0014】
好ましくは、前記サイドレール間には前記クロスメンバが前後方向に離間して複数設けられ、対向する前記クロスメンバは、その上辺部の先端同士を対向させるように配置される。
【0015】
好ましくは、左右の前記サイドレールは、その下辺部の先端同士を対向させるように配置される。
【0016】
好ましくは、前記サイドレール間には前記クロスメンバが前後方向に離間して複数設けられ、対向する前記クロスメンバは、その下辺部の先端同士を対向させるように配置される。
【発明の効果】
【0017】
上記の態様によれば、剛性の高いフレーム材を安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の一実施の形態に係る車体フレームの概略説明図である。
図2】車体フレームの要部拡大斜視図である。
図3】車体フレームが用いられる車両を後方から視た背面断面図である。
図4】車体フレームに用いられるフレーム材の製造方法を示す斜視図である。
図5】フレーム材の製作手順を示す流れ図である。
図6】フレーム材の製作手順を示す説明図である。
図7】他の実施の形態を示す車体フレームの要部拡大斜視図である。
図8】他の実施の形態を示す車体フレームが用いられる車両を後方から視た背面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお、後述する実施の形態における前後左右上下の各方向は、後述する車体フレームが採用される車両の各方向をいうものとする。ただし、本実施の形態における各方向は、説明の便宜のために用いるものであり、後述する部材間の相対的な位置関係を表す。
【0020】
図1は、本実施形態に係る車体フレーム1を上方から視た概略説明図である。図2は、車体フレーム1を斜め上前方から視た拡大斜視図である。
【0021】
図1及び図2に示すように、車体フレーム1は、ラダーフレームで構成される。車体フレーム1は、左右に離間して配置される一対のサイドレール2と、これらサイドレール2間に掛け渡して設けられるクロスメンバ3とを備える。
【0022】
サイドレール2は、後述するフレーム材20で構成される。フレーム材20は、前後方向に長く形成され断面Z字状(もしくはクランク状)に形成されるZ字材4と、Z字材4を上下反転させて形成される反転Z字材5とを組み合わせて形成される。
【0023】
図2及び図4に示すように、Z字材4は、上下方向に延びる中間辺部6と、中間辺部6の上端から左方及び右方の一方に延びる上辺部7と、中間辺部6の下端から左方及び右方の他方(上辺部7とは反対方向)に延びる下辺部8とを備える。上辺部7及び下辺部8は、中間辺部6に対して直角に配置される。また、上辺部7の左右方向の長さL1は、下辺部8の左右方向の長さL2より短く設定される。また、上辺部7及び中間辺部6間の上側隅部9は、断面円弧状かつ直角に折れ曲がって形成される。そして、下辺部8及び中間辺部6間の下側隅部10も、断面円弧状かつ直角に折れ曲がって形成される。Z字材4は金属にて構成される。なお、Z字材4は、剛性を有する他の材料で構成されてもよい。
【0024】
反転Z字材5は、前後方向(長手方向)に延びる軸xを中心としてZ字材4を上下反転させた形状に形成される。これにより、反転Z字材5の上辺部11の左右方向の長さL2は、下辺部12の左右方向の長さL2より長く設定される。そして、反転Z字材5の上辺部11が中間辺部13から延びる左右方向の向きは、Z字材4の上辺部11が中間辺部13から延びる左右方向の向きと同じになる。また、反転Z字材5の下辺部12が中間辺部13から延びる左右方向の向きは、Z字材4の下辺部8が中間辺部13から延びる左右方向の向きと同じになる。反転Z字材5は金属にて構成される。なお、反転Z字材5は、剛性を有する他の材料で構成されてもよい。
【0025】
また、反転Z字材5の上辺部11は、Z字材4の上辺部7上に重ねて配置されると共に、左右方向においてZ字材4の上辺部7と先端位置を揃えて配置される。反転Z字材5の下辺部12は、Z字材4の下辺部8上に重ねて配置されると共に、左右方向においてZ字材4の下辺部8と先端位置を揃えて配置される。このため、反転Z字材5の中間辺部13とZ字材4の中間辺部6との間に間隙14が形成される。また、この間隙14は、重ねて配置される上辺部7、11及び下辺部8、12のうち、長い方の上辺部11及び下辺部8に上下を仕切られて閉断面状に形成される。すなわち、Z字材4及び反転Z字材5間には、閉断面部15が形成される。
【0026】
図2及び図3に示すように、車体フレーム1の左右両側に配置されるサイドレール2は、上辺部7、11の先端同士を対向させるように配置される。これにより、サイドレール2間に電気自動車用バッテリー等の大型部品16を収容可能な空間17が形成される。閉断面部15より車幅方向内方に位置される上辺部7、11は、大型部品16の上方への移動を規制するストッパとして機能する。また、閉断面部15より車幅方向外方に位置される下辺部8、12は、大型部品16を支持する支持フランジとして機能する。
【0027】
大型部品16は、サイドレール2間の空間17に収容される部品本体部16aと、部品本体部16aから左右方向の外方に延びて形成され下辺部8の下面に重ね合わされる部品フランジ部16bとを備える。
【0028】
また、反転Z字材5の下辺部12には、部品フランジ部16bを下側の下辺部8と重ね合わせた状態にロックすると共に、大型部品16を昇降駆動させる昇降装置18が設けられる。昇降装置18は、上側の下辺部12上に設けられる装置本体部18aと、装置本体部18aに下方に延びて設けられ上下方向に伸縮可能な伸縮ロッド18bとを備える。下辺部8、12には、上下に貫通する孔(図示せず)が形成されており、伸縮ロッド18bは孔に上下動可能に挿通される。伸縮ロッド18bの下端部は、部品フランジ部16bに着脱可能に取り付けられる。昇降装置18は、伸縮ロッド18bを上昇させることで部品フランジ部16bを下辺部8に圧着させて大型部品16を支持する。
【0029】
なお、大型部品16の重量に対して下辺部8、12の剛性が不足する場合、下辺部8、12は補強リブ19で補強されてもよい。この場合、補強リブ19は、上下方向及び左右方向に延びる板状に形成され、下端縁を上側の下辺部12に接合されると共に左端縁又は右端縁を車幅方向外側の中間辺部13に接合されるとよい。
【0030】
次にフレーム材20の製造方法について説明する。
【0031】
フレーム材20を製造する場合、図5及び図6に示すように第1ステップS01から第4ステップS04までの工程を順に行う。
【0032】
第1ステップS01では、板材をプレス加工してZ字材4を2つ形成する。このとき、上辺部7の左右方向の長さL1下辺部8の左右方向の長さL2より短く形成される。また、ステップS01で形成される2つのZ字材4は、同一の形状である。このため、用意するプレス型は1つでよく、Z字材4を安価に形成できる。なお、Z字材4は、ロール加工等の他の加工方法で形成されてもよい。
【0033】
第2ステップS02では、一方のZ字材4を前後方向に延びる軸xを中心として上下反転させて(180°回転させて)反転Z字材5を形成する。このとき、Z字材4の上下反転作業には、例えば、一般に用いられているホイスト21及び反転機22を用いるとよい。Z字材4の姿勢を変えるだけであるため、反転Z字材5を容易かつ安価に形成できる。
【0034】
第3ステップS03では、Z字材4と反転Z字材5とを位置合わせする。具体的には、反転Z字材5とZ字材4を上下に重ねると共に、上下に重なる上辺部7、11同士の先端位置を揃え、上下に重なる下辺部8、12同士の先端位置を揃える。これにより、反転Z字材5及びZ字材4間に矩形状の閉断面部15が形成される。
【0035】
第4ステップS04では、上下に重なる上辺部7、11同士を接合すると共に、上下に重なる下辺部8、12同士を接合する。具体的には、Z字材4の上辺部7の先端と、反転Z字材5の上辺部11の先端とをへり継手溶接により接合する。また、Z字材4の下辺部8の先端と、反転Z字材5の下辺部12の先端とをへり継手溶接により接合する。図6における符号23は、溶接部である。なお、上辺部7、11同士の接合方法及び下辺部8、12同士の接合方法は上述に限られない。例えば、上辺部7、11同士、或いは下辺部8、12同士は、図示しないボルト及びナットで締結されてもよく、図示しないリベットで締結されてもよい。また、上辺部7、11及び下辺部8、12の板厚寸法が比較的小さい場合、上辺部7、11同士、或いは下辺部8、12同士は、スポット溶接等にて接合されてもよい。
【0036】
次に本実施の形態の作用について述べる。
【0037】
サイドレール2間の空間17に収容された大型部品16を取り外す場合、大型部品16の鉛直下方に図示しない台車等を配置したのち、昇降装置18の伸縮ロッド18bを伸張させる。これにより、大型部品16は降下され、台車上に載る。この後、伸縮ロッド18bから大型部品16を取り外す。これにより、車体フレーム1を備える車両Vから大型部品16を下方に移動させて取り外すことができる。この後、台車を走行させることで大型部品16を自由に移動させることができる。
【0038】
また、サイドレール2間の空間17に大型部品16を収容させる場合、予め伸縮ロッド18bを縮退させておき、台車等を用いて大型部品16を空間17の鉛直下方に配置する。この後、伸縮ロッド18bを伸張させ、伸縮ロッド18bの下端を大型部品16の部品フランジ部16bに取り付ける。この後、伸縮ロッド18bを縮退させる。これにより、大型部品16は鉛直上方に移動され、サイドレール2間の空間17に収容される。
【0039】
このとき、例えば従来構造のサイドレール(図示せず)間に大型部品16を収容する場合、サイドレールは上下に延びるウェブ及びウェブの上下両端から車幅方向内方に延びるフランジを有する断面C字状に形成される。このため、上昇中の大型部品16がサイドレールに当たる場合、大型部品16はフランジの先端に局所的に当たることとなり破損する可能性が高い。また、大型部品16がフランジの先端に引っ掛かり、スムーズに上昇されない可能性も高い。
【0040】
しかし、本実施の形態に係る車体フレーム1によれば、サイドレール2間の空間17は、左右両端をサイドレール2の中間辺部6によって区画される。空間17を区画する中間辺部6は前後方向及び上下方向に延びる平面状に形成され、中間辺部6及び下辺部8間の下側隅部10は断面円弧状に形成される。このため、たとえ上昇中の大型部品16が下側隅部10に当たったとしても大型部品16の損傷が抑制される。また、たとえ上昇中の大型部品16が中間辺部6に当たったとしても大型部品16は平面状の中間辺部6にガイドされる。このため、大型部品16が中間辺部6に引っ掛かることが抑制され、大型部品16をスムーズに上昇させることができる。そして、大型部品16をサイドレール2間の空間17に安定して収容させることができる。
【0041】
また、中間辺部6は平面状に形成されており、空間17に収容された大型部品16が接触した場合でも大型部品16の損傷が抑制される。このため、大型部品16を中間辺部6に接近させる配置ができ、より大きなサイズの大型部品16をサイドレール2間の空間17に収容できる。特に大型部品16が電気自動車用バッテリーである場合、より大きい大容量の電気自動車用バッテリーを搭載できる。
【0042】
本実施の形態に係るフレーム材20の製造方法は、板材をZ字状に形成すると共に、Z字の上辺部7を下辺部8より短く形成してZ字材4を2つ形成する第1ステップS01と、1つのZ字材4を上下反転させて反転Z字材5を形成する第2ステップS02と、反転Z字材5とZ字材4を上下に重ねると共に、上辺部7、11同士の先端位置を揃え、かつ、下辺部8、12同士の先端位置を揃えて反転Z字材5及びZ字材4間に閉断面部15を形成する第3ステップS03と、上辺部7、11同士を接合すると共に、下辺部8、12同士を接合する第4ステップS04とを備える。このため、フレーム材20を製造するための型を2つ用意する必要がなく、フレーム材20を安価に製造できる。また、フレーム材20には閉断面部15が形成されるため、剛性の高いフレーム材20を得ることができる。
【0043】
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示は以下のような他の実施形態も可能である。
【0044】
(1)図7に示すように、サイドレール2のみならず、クロスメンバ3もフレーム材20で構成されてもよい。この場合、サイドレール2間にはクロスメンバ3が前後方向に離間して複数設けられ、隣り合うクロスメンバ3は、上辺部7、11の先端同士を対向させるように配置されるとよい。そして、これらクロスメンバ3間であってサイドレール2間の空間17に大型部品16が収容されるとよい。クロスメンバ3の断面円弧状の下側隅部10が大型部品16に隣接されることとなり、サイドレール2間かつクロスメンバ3間の空間17に向けて上昇する大型部品16がクロスメンバ3に当たった場合でも大型部品16の破損が抑制される。
【0045】
(2)ダンプカー等、架装物のリフト機構を備える車両Vに前述のフレーム材20をサイドレール2として用いる場合、図8に示すように、サイドレール2は、下辺部8、12の先端同士を対向させるように配置されてもよい。この場合、下辺部8、12上に大型部品24を載置でき、大型部品24を容易に保持できる。またこれにより、大型部品24が車両Vから落下し難い構造にできる。また、車体フレーム1から大型部品24を取り外す際、大型部品24を上方に移動させて取り外すことができる。
【0046】
この場合、クロスメンバ3(図1参照)は、サイドレール2と同じ断面形状のフレーム材20で構成されてもよい。この場合、サイドレール2間にはクロスメンバ3が前後方向に離間して複数設けられ、隣り合うクロスメンバ3は、下辺部8、12の先端同士を対向させるように配置されるとよい。そして、これらクロスメンバ3間であってサイドレール2間の空間17に大型部品16が収容されるとよい。大型部品24をサイドレール2の下辺部8、12と、クロスメンバ3の下辺部8、12とで支持することができる。また、サイドレール2及びクロスメンバ3の断面円弧状の上側隅部25が大型部品24に隣接されることとなり、サイドレール2間かつクロスメンバ3間の空間17に向けて降下する大型部品24がサイドレール2及びクロスメンバ3に当たった場合でも大型部品24の破損が抑制される。
【0047】
前述の各実施形態の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 :車体フレーム
2 :サイドレール
3 :クロスメンバ
4 :Z字材
5 :反転Z字材
6 :中間辺部
7 :上辺部
8 :下辺部
11 :上辺部
12 :下辺部
13 :中間辺部
15 :閉断面部
20 :フレーム材
S01 :第1ステップ
S02 :第2ステップ
S03 :第3ステップ
S04 :第4ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8