(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-17
(45)【発行日】2023-01-25
(54)【発明の名称】アレイ基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20230118BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230118BHJP
H10K 59/00 20230101ALI20230118BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20230118BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20230118BHJP
H10K 50/00 20230101ALI20230118BHJP
H05B 33/22 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/00 352
G09F9/30 365
H01L27/32
H05B33/02
H05B33/12 B
H05B33/14 A
H05B33/22 Z
(21)【出願番号】P 2019527804
(86)(22)【出願日】2018-09-04
(86)【国際出願番号】 CN2018103994
(87)【国際公開番号】W WO2019042474
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】201721127658.4
(32)【優先日】2017-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】チェン ホンフェイ
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0189593(US,A1)
【文献】国際公開第2015/037327(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0161943(US,A1)
【文献】特開2014-203081(JP,A)
【文献】特開2016-001303(JP,A)
【文献】米国特許第09129923(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0144904(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0083532(KR,A)
【文献】特開2015-228361(JP,A)
【文献】特開2003-050400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00-9/46
H01L27/32
51/50
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板と、
前記ベース基板上にアレイ状に配列され、それぞれ断線修復構造、OLED及び画素駆動回路を有する複数の画素単位とを備え、
前記断線修復構造は、修復線が設けられ、前記修復線の前記ベース基板における正投影と、前記OLEDのアノードの前記ベース基板における正投影とが部分的又は全体的に重なり、重畳領域を形成し、断線修復点は前記重畳領域に位置
し、
前記画素駆動回路は少なくとも1つの薄膜トランジスタを有し、前記少なくとも1つの薄膜トランジスタは駆動用薄膜トランジスタであり、又は前記少なくとも1つの薄膜トランジスタは駆動用薄膜トランジスタ及びスイッチ用薄膜トランジスタであり、各隣接する2つの画素単位のうちのいずれか一方の画素単位における修復線は、前記隣接する2つの画素単位のうちの他方の画素単位における前記駆動用薄膜トランジスタのドレインに接続され、
前記各隣接する2つの画素単位は、同列の隣接行の画素単位である場合、前記各隣接する2つの画素単位のうちのいずれか一方の画素単位における修復線は、前記隣接する2つの画素単位のうちの他方の画素単位における前記駆動用薄膜トランジスタのドレインの延長線であり、前記各隣接する2つの画素単位のうちのいずれか一方の画素単位におけるOLEDのアノードの延長線の前記ベース基板における正投影は、前記隣接する2つの画素単位のうちの他方の画素単位における駆動用薄膜トランジスタのドレインの延長線の前記ベース基板における正投影とが部分的又は全体的に重なり、前記重畳領域を形成し、前記各画素単位における駆動用薄膜トランジスタのドレインの延長線は、前記画素単位におけるOLEDのアノードの延長線に隣接する表面において、パッシベーション層及び平坦化層が積層配置され、修復する前に、前記平坦化層の前記断線修復点に対応する領域には溝が設けられており、前記溝は前記アノードの延長線によって覆われ、前記溝の溝深さは、前記平坦化層の厚さ以下である、或いは、
前記各隣接する2つの画素単位は、同行の隣接列の画素単位である場合、前記各隣接する2つの画素単位のうちのいずれか一方の画素単位における修復線と、前記隣接する2つの画素単位のうちの他方の画素単位における前記駆動用薄膜トランジスタのゲートとが同層に絶縁配置され、且つ前記修復線と前記駆動用薄膜トランジスタのドレインとの間には、層間絶縁層が設けられており、各画素単位における修復線と前記画素単位におけるOLEDのアノードとの間には、前記層間絶縁層と、パッシベーション層と、平坦化層とが積層配置され、修復する前に、前記平坦化層の前記断線修復点に対応する領域には、溝が設けられており、前記溝は前記画素単位におけるOLEDのアノードによって覆われ、又は、前記平坦化層と前記パッシベーション層の前記断線修復点に対応する領域には、共に溝が設けられ、前記溝は前記画素単位におけるOLEDのアノードによって覆われ、前記溝の溝深さは、前記平坦化層と前記パッシベーション層との総厚以下である、
アレイ基板。
【請求項2】
前記各隣接する2つの画素単位は、同列の隣接行の画素単位である場合、前記パッシベーション層及び前記平坦化層にはビアが設けられ、前記駆動用薄膜トランジスタのドレインは、前記ビアを介して前記OLEDのアノードに接続される、請求項
1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記各隣接する2つの画素単位は、同行の隣接列の画素単位である場合、前記層間絶縁層にはビアが設けられ、前記駆動用薄膜トランジスタのドレインは、前記ビアを介して前記修復線に接続される、請求項
1に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記スイッチ用薄膜トランジスタのゲートはゲート線に接続され、前記スイッチ用薄膜トランジスタのソースはデータ線に接続される、請求項
1に記載のアレイ基板。
【請求項5】
同じ行の前記複数の画素単位は、同じゲート線に対応し、
前記各隣接する2つの画素単位は、同列の隣接行の画素単位である場合、前記各画素単位における修復線の前記ベース基板における正投影は、対応するゲート線の前記ベース基板における正投影と交差する、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項6】
同じ列の前記複数の画素単位は、同じデータ線に対応し、
前記各隣接する2つの画素単位は、同行の隣接列の画素単位である場合、前記修復線の前記ベース基板における正投影は、対応するデータ線の前記ベース基板における正投影と交差する、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記複数の画素単位におけるOLEDのアノードの前記断線修復点に対応する部分は、画素定義層が被覆されている、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項8】
請求項1-
7のいずれかに記載のアレイ基板を備える表示装置であって、
前記アレイ基板は、ベース基板と、
前記ベース基板上にアレイ状に配列され、それぞれ断線修復構造、OLED及び画素駆動回路を有する複数の画素単位とを備え、
前記断線修復構造は、修復線が設けられ、前記修復線の前記ベース基板における正投影と、前記OLEDのアノードの前記ベース基板における正投影とが部分的又は全体的に重なり、重畳領域を形成し、断線修復点は前記重畳領域に位置
し、
前記画素駆動回路は少なくとも1つの薄膜トランジスタを有し、前記少なくとも1つの薄膜トランジスタは駆動用薄膜トランジスタであり、又は前記少なくとも1つの薄膜トランジスタは駆動用薄膜トランジスタ及びスイッチ用薄膜トランジスタであり、各隣接する2つの画素単位のうちのいずれか一方の画素単位における修復線は、前記隣接する2つの画素単位のうちの他方の画素単位における前記駆動用薄膜トランジスタのドレインに接続され、
前記各隣接する2つの画素単位は、同列の隣接行の画素単位である場合、前記各隣接する2つの画素単位のうちのいずれか一方の画素単位における修復線は、前記隣接する2つの画素単位のうちの他方の画素単位における前記駆動用薄膜トランジスタのドレインの延長線であり、前記各隣接する2つの画素単位のうちのいずれか一方の画素単位におけるOLEDのアノードの延長線の前記ベース基板における正投影は、前記隣接する2つの画素単位のうちの他方の画素単位における駆動用薄膜トランジスタのドレインの延長線の前記ベース基板における正投影とが部分的又は全体的に重なり、前記重畳領域を形成し、前記各画素単位における駆動用薄膜トランジスタのドレインの延長線は、前記画素単位におけるOLEDのアノードの延長線に隣接する表面において、パッシベーション層及び平坦化層が積層配置され、修復する前に、前記平坦化層の前記断線修復点に対応する領域には溝が設けられており、前記溝は前記アノードの延長線によって覆われ、前記溝の溝深さは、前記平坦化層の厚さ以下である、或いは、
前記各隣接する2つの画素単位は、同行の隣接列の画素単位である場合、前記各隣接する2つの画素単位のうちのいずれか一方の画素単位における修復線と、前記隣接する2つの画素単位のうちの他方の画素単位における前記駆動用薄膜トランジスタのゲートとが同層に絶縁配置され、且つ前記修復線と前記駆動用薄膜トランジスタのドレインとの間には、層間絶縁層が設けられており、各画素単位における修復線と前記画素単位におけるOLEDのアノードとの間には、前記層間絶縁層と、パッシベーション層と、平坦化層とが積層配置され、修復する前に、前記平坦化層の前記断線修復点に対応する領域には、溝が設けられており、前記溝は前記画素単位におけるOLEDのアノードによって覆われ、又は、前記平坦化層と前記パッシベーション層の前記断線修復点に対応する領域には、共に溝が設けられ、前記溝は前記画素単位におけるOLEDのアノードによって覆われ、前記溝の溝深さは、前記平坦化層と前記パッシベーション層との総厚以下である、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示分野に関し、特にアレイ基板及び表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLEDと略称する)、特にアクティブマトリクス型有機発光ダイオード(Active-matrix Organic Light Emitting Diode、AMOLEDと略称する)は、高輝度、全視野角、高速応答及びフレキシブル表示可能等の利点を有するため、既に表示分野に広く用いられている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の第1の態様の幾つかの実施例に係るアレイ基板は、ベース基板と、前記ベース基板上にアレイ状に配列され、それぞれ断線修復構造、OLED及び画素駆動回路を有する複数の画素単位とを備え、前記断線修復構造は、修復線が設けられ、前記修復線の前記ベース基板における正投影と、前記OLEDのアノードの前記ベース基板における正投影とが部分的又は全体的に重なり、重畳領域を形成し、断線修復点は前記重畳領域に位置する。
【0004】
本開示の幾つかの実施例において、前記画素駆動回路は少なくとも1つの薄膜トランジスタを有し、前記少なくとも1つの薄膜トランジスタは駆動用薄膜トランジスタである、又は前記少なくとも1つの薄膜トランジスタは駆動用薄膜トランジスタ及びスイッチ用薄膜トランジスタである。
【0005】
本開示の幾つかの実施例において、各隣接する2つの画素単位のうちのいずれか一方の画素単位における修復線は、前記隣接する2つの画素単位のうちの他方の画素単位における前記駆動用薄膜トランジスタのドレインに接続される。
【0006】
本開示の幾つかの実施例において、前記修復線と前記OLEDのアノードとの間には絶縁膜層が設けられている。
【0007】
本開示の幾つかの実施例において、前記各隣接する2つの画素単位は、同列の隣接行の画素単位である場合、前記各隣接する2つの画素単位のうちのいずれか一方の画素単位における修復線は、前記複数の画素単位の内の前記隣接する2つの画素単位のうちの他方の画素単位における前記駆動用薄膜トランジスタのドレインの延長線である。
【0008】
本開示の幾つかの実施例において、各画素単位における駆動用薄膜トランジスタのドレインの延長線の前記ベース基板における正投影と、この前記画素単位におけるOLEDのアノードの延長線の前記ベース基板における正投影とが部分的又は全体的に重なり、重畳領域を形成する。
【0009】
本開示の幾つかの実施例において、前記各画素単位における駆動用薄膜トランジスタのドレインの延長線は、前記画素単位におけるOLEDのアノードの延長線に近接する表面においてパッシベーション層及び平坦化層が積層配置され、前記平坦化層の前記断線修復点に対応する領域には溝が設けられており、前記溝は前記アノードの延長線によって覆われる。
【0010】
本開示の幾つかの実施例において、前記パッシベーション層及び前記平坦化層には、ビアが設けられ、前記駆動用薄膜トランジスタのドレインは前記ビアを介して前記OLEDのアノードに接続される。
【0011】
本開示の幾つかの実施例において、前記各隣接する2つの画素単位は、同行の隣接列の画素単位である場合、前記各隣接する2つの画素単位のうちのいずれか一方の画素単位における修復線と、前記複数の画素単位の内の前記隣接する2つの画素単位のうちの他方の画素単位における前記駆動用薄膜トランジスタのゲートとが、同層において絶縁配置され、且つ前記修復線と前記駆動用薄膜トランジスタのドレインとの間には、層間絶縁層が設けられている。
【0012】
本開示の幾つかの実施例において、前記層間絶縁層にはビアが設けられ、前記駆動用薄膜トランジスタのドレインは前記ビアを介して前記修復線に接続される。
【0013】
本開示の幾つかの実施例において、各画素単位における修復線と前記画素単位におけるOLEDのアノードとの間には、層間絶縁層と、パッシベーション層と、平坦化層とが積層配置され、前記平坦化層の前記断線修復点に対応する領域には溝が設けられており、前記溝は前記画素単位におけるOLEDのアノードによって覆われるか、又は、前記平坦化層と前記パッシベーション層の前記断線修復点に対応する領域には、共に溝が設けられており、前記溝は前記画素単位におけるOLEDのアノードによって覆われる。
【0014】
本開示の幾つかの実施例において、前記スイッチ用薄膜トランジスタのゲートは、ゲート線に接続され、前記スイッチ用薄膜トランジスタのソースは前記データ線に接続される。
【0015】
本開示の幾つかの実施例において、同じ行の前記複数の画素単位は、同じゲート線に対応し、前記各画素単位における修復線の前記ベース基板における正投影は、対応するゲート線の前記ベース基板における正投影と交差する。
【0016】
本開示の他の態様の幾つかの実施例に係る表示装置は、第1の様態に記載のアレイ基板を備え、前記アレイ基板は、ベース基板と、前記ベース基板上にアレイ状に配列され、断線修復構造、OLED及び画素駆動回路を有する複数の画素単位とを備え、前記断線修復構造は、修復線が設けられ、前記修復線の前記ベース基板における正投影と、前記OLEDのアノードの前記ベース基板における正投影とが部分的又は全体的に重なり、重畳領域を形成しており、断線修復点は前記重畳領域に位置する。
【0017】
本開示の実施例における技術案をより明確的に説明するため、以下、実施例の説明に用いる必要な図面を簡単に説明する。以下の説明における図面は、本開示の幾つかの例示に過ぎず、当業者であれば、格別創意を要することなく、これらの図面に基づく他の図面を得られることはもちろん自明である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】関連技術の画素駆動回路の回路原理図である。
【
図2】本開示の幾つかの実施例に係るアレイ基板の上面図である。
【
図3】
図2のアレイ基板のA-A’線に沿う断面図である。
【
図4】本開示の幾つかの実施例に係るもう1つのアレイ基板の上面図である。
【
図5】
図4のアレイ基板のB-B’線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の実施例の目的、技術案及び効果をより明確にするため、本開示の実施例の図面を参照し、本開示の実施例の技術案を明確かつ完全に説明する。言うまでもなく、ここに記載の実施例はあくまで本開示の実施例の一部のみであり、全ての実施例ではないことは自明である。本開示の実施例に基づいて、当業者が格別の創意なく得られた他のすべての実施例は、本開示の権利範囲に属するものとする。
【0020】
上述したように、表示分野では、アクティブマトリクス型有機発光ダイオード(Active-matrix Organic Light Emitting Diode、AMOLEDと略称する)を用いたアレイ基板において、複数の画素単位がアレイ状に配置されており、同じ行の各画素単位は一つのゲート線を共用し、同じ列の各画素単位は一つのデータ線を共用する。各画素単位は、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLEDと略称する)と、OLEDのアノードに接続された画素駆動回路とを備える。
【0021】
図1に示すのは、前記画素駆動回路の回路原理図である。この画素駆動回路は、スイッチ用薄膜トランジスタT1と、駆動用薄膜トランジスタT2と、蓄積コンデンサとを備え、スイッチ用薄膜トランジスタT1のゲートはゲート線Gateに接続され、スイッチ用薄膜トランジスタT1のソースはデータ線Dataに接続され、スイッチ用薄膜トランジスタT1のドレインは駆動用薄膜トランジスタT2のゲートと蓄積コンデンサの一方の極板C1にそれぞれ接続され、駆動用薄膜トランジスタT2のソースは、蓄積コンデンサの他方の極板C2と電源線Vddにそれぞれ接続され、駆動用薄膜トランジスタT2のドレインは、OLEDのアノードに接続される。
【0022】
しかしながら、各画素単位における画素駆動回路の構造は比較的に複雑であるため、各画素単位が所在するアレイ基板の製造工程も複雑化され、その結果、アレイ基板の製造過程において、画素駆動回路の配線の一部が断線する欠陥が発生するのは避けられない。この欠陥の発生する位置は、いわゆる断線点X’である。この場合、複雑な構造を有する画素駆動回路に対して、従来の故障検出技術では断線点X’の位置を精確に特定することが困難であるため、画素駆動回路の断線欠陥を有するアレイ基板を効果的に修復することができない不具合がある。
【0023】
上記の問題に着目し、本開示の実施例では、本開示の実施例の技術案を、図面を参照して詳しく説明する。
【0024】
図2及び
図3は、本開示の幾つかの実施例に係るアレイ基板である。
図2及び
図3に示すように、本開示の幾つかの実施例に係るアレイ基板は、ベース基板1と、前記ベース基板1上にアレイ状に配列された複数の画素単位とを備え、例えば
図2では4つの画素単位が示されている。各画素単位は、断線修復構造2と、OLED3と、画素駆動回路4とを有する。前記断線修復構造2は、修復線22が設けられ、前記修復線22の前記ベース基板1における正投影と、前記OLEDのアノード301の前記ベース基板1における正投影とが部分的又は全体的に重なり、重畳領域を形成し、断線修復点Xは前記重畳領域に位置する。
【0025】
上記のアレイ基板は、製造過程において、その画素駆動構造が比較的複雑であるため、欠陥、即ち断線修復点Xが発生し易いが、修復線22とOLEDのアノード301とは、上述した二者のベース基板における正投影に具体的に体現する重畳部分があり、こうして、断線修復点Xを重畳領域内に位置付けさせ、2つの隣接する画素単位のうちのいずれか一方の画素単位のOLEDのアノード301を、該2つの隣接する画素単位のうちの他方の画素単位の駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011に接続させることができ、これにより他の構成要素に影響を与えることなく断線修復点を修復することができる。
【0026】
本開示の幾つかの実施例において、1つの画素単位では、駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011とOLEDのアノード301との間に断線、即ち断線点X’が発生した場合、該駆動用薄膜トランジスタ401はOLEDのアノード301に導通することができないため、該画素単位が発光できなくなる、この時、該画素単位は、修復対象画素単位と呼ぶ。そして、その周囲の画素単位が隣接画素単位となる。修復対象画素単位に隣接する隣接画素単位における駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011は、修復線22に接続されるので、修復線22を修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301に導通させることになる。このように断線修復点Xを修復することにより、修復対象画素単位における回路の導通を回復させ、該画素単位の発光を回復させる。
【0027】
従来、全てのフラットパネルディスプレイの駆動は、マトリクス駆動を用いる。複数の画素単位は、アレイ状に配列されるようにアレイ基板のベース基板1上に位置する。説明の便宜上、複数の画素単位のうちの1つの画素単位の画素駆動回路4に断線が発生する場合、該画素単位を修復対象画素単位として定義し、該画素単位のベース基板1上に配列された時の周囲の画素単位を隣接画素単位として定義する。
【0028】
説明すべきなのは、上記修復対象画素単位と隣接画素単位とは、同一タイプの画素単位に属し、二者は同じ構造や機能を有する。それらを区分するのは、アレイ基板の具体的な構造を明確に説明するためのみであり、即ち、断線修復を必要とする可能性のある対象画素単位を修復対象画素単位として規定し、修復対象画素単位に隣接して配置された周囲の他の画素単位を隣接画素単位として規定する。本開示の幾つかの実施例において、隣接する2つの画素単位のうちのいずれか一方を修復対象画素単位と呼ぶ場合、該隣接する2つの画素単位のうちの他方の画素単位を隣接画素単位と呼ぶことにする。
【0029】
上記したOLEDのアノード301と修復線22とは同じ画素単位内に配置されると解されるべきである。同時に、画素単位内には、OLEDのアノード301が配置されるため、該画素単位を有するアレイ基板はOLED基板であるべきであり、即ち該アレイ基板の各画素単位は、全て対応的にOLED3、及びOLEDのアノード301に接続される画素駆動回路4が設けられる。
【0030】
本開示の幾つかの実施例において、OLED3は、トップエミッション型OLED、ボトムエミッション型OLED、又はデュアルエミッション型OLEDのうちのいずれか1つであっても良い。
【0031】
説明すべきなのは、
図2にはアレイ状に配列された、それぞれ同じ色又は異なる色の光を発光するための4つのみの画素単位が示されているが、当業者が理解できるように、本開示の実施例に係るアレイ基板に設けられる画素単位の数は、4つに限定されるものではなく、それ以上の数であってもよいし、またそれらの発光の色は限定されない。
【0032】
本開示の幾つかの実施例において、前記画素駆動回路4は少なくとも1つの薄膜トランジスタを有し、前記少なくとも1つの薄膜トランジスタは駆動用薄膜トランジスタ401及びスイッチ用薄膜トランジスタ402である。
【0033】
本開示の幾つかの実施例において、OLED3の画素駆動回路4は、少なくとも1つの薄膜トランジスタを有しても良い。画素駆動回路4は1つの薄膜トランジスタを有する場合、該薄膜トランジスタは駆動用薄膜トランジスタ401であり、これに対して、画素駆動回路4は複数の薄膜トランジスタを有する場合、駆動用薄膜トランジスタ401は、そのドレイン4011がOLEDのアノード301に接続される薄膜トランジスタを指し、駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011とOLEDのアノード301とは、電気的に接続されても良い。
【0034】
本開示の幾つかの実施例において、
図2及び
図3に示すように、隣接画素単位における駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011と接続する1つの修復線22が設けられ、修復線22とOLEDのアノード301との間には絶縁膜層が配置され、且つ修復線22のベース基板1における正投影と、修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301のベース基板1における正投影とは、重畳領域を有する。修復線22とアノード301との間の絶縁膜層は、駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011が修復線22に接続されてOLEDのアノード301に接触する時、ドレイン4011とアノードとの間の短絡形成を防止することができる。
【0035】
換言すれば、修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301と修復線22との間には絶縁用の膜層が配置され、且つ修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301の重畳領域に対応する部分と、修復線22の重畳領域に対応する部分とは、対向して設けられる。こうして、画素駆動回路の断線欠陥を有する修復対象画素単位を修復する時、その断線修復点Xは、該重畳領域に対応して位置付けられるようになる。
【0036】
断線修復点Xで深溶込み型レーザ溶接を用い、修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301と修復線22とを接続して導通させると、修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301と修復線22とを用いて、修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301と、隣接画素単位における駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011との接続を実現することができる。
【0037】
本開示の幾つかの実施例において、
図2及び
図3に示すように、OLED3の画素駆動回路4は、スイッチ用薄膜トランジスタ402と、駆動用薄膜トランジスタ401との2つの薄膜トランジスタを有しており、スイッチ用薄膜トランジスタ402のゲート4021はゲート線6に接続され、スイッチ用薄膜トランジスタ402のソース4022はデータ線7に接続され、スイッチ用薄膜トランジスタ402のドレイン4023は駆動用薄膜トランジスタ401のゲート4013と蓄積コンデンサの第1極板C1にそれぞれ接続され、駆動用薄膜トランジスタ401のソース4012は、蓄積コンデンサの第2極板C2と電源線Vddにそれぞれ接続され、駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011は、OLEDのアノード301に接続される。
【0038】
本開示の幾つかの実施例において、ゲート線6及びデータ線7は、いずれも銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、及びタングステン(W)等の金属材料、又はそれらの合金材料からなる群より選択される1つ以上の材料から作製されても良い。例えば、銅からなる単層金属配線、Mo/Al/Moからなる積層金属配線、Ti/Cu/Tiからなる積層金属線、及びMoTi/Cuからなる積層金属線等が挙げられる。
【0039】
上記実施例に係るアレイ基板によると、画素単位内に駆動回路に断線が発生した時、即ち修復対象画素が存する場合、修復対象画素単位における断線修復構造2を用いて効果的に修復可能であり、修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301と、隣接画素単位における駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011との接続を実現し、よって、修復対象画素単位におけるOLED3を隣接画素単位における駆動用薄膜トランジスタ401により駆動可能とし、これによってアレイ基板の正常使用を確保する。
【0040】
本開示の幾つかの実施例において、
図2に示すように、アレイ基板における各画素単位は通常、ベース基板1上にアレイ状に分布されており、同じ行の各画素単位は同じゲート線6によって制御信号が供給され、同じ列の各画素単位は、同じデータ線7によってデータ信号が供給される。
【0041】
従って、ゲート線6は、通常、画素単位における薄膜トランジスタのゲートと同層に配置され、データ線7は、通常、画素単位における薄膜トランジスタのソース及びドレインと同層に配置される。各ゲート線と各データ線は、1つの画素単位を1つの格子に対応して位置させるように、交差して格子状構造を形成する。各画素単位は、修復対象画素単位であってもよいし、修復対象画素単位の周囲の隣接画素単位であってもよい。
【0042】
本開示の幾つかの実施例において、
図2及び
図3に示すように、上記の各画素単位は通常、ベース基板1上に配置された駆動用薄膜トランジスタ401と、駆動用薄膜トランジスタ401のベース基板1とは反対側に配置されたOLED3とを有する。
【0043】
OLED3は、通常、対向して配置されたOLEDのアノード301とOLEDカソード303、及びOLEDのアノード301とOLEDのカソード303との間に位置するOLED発光層302を有する。OLED3がボトムエミッション型OLEDである場合、そのOLEDのカソード303は通常、例えばアルミニウム(Al)などの金属材料からなり、OLEDのアノード301は通常、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、ITOと略称する)などの材料からなる。また、OLED発光層302は、単層の有機発光層を用いてもよいし、正孔輸送層、有機発光層及び電子輸送層等からなる積層構造を用いてもよい。
【0044】
本開示の幾つかの実施例において、薄膜トランジスタの動作原理によって、上記の駆動用薄膜トランジスタ401は通常、酸化物半導体薄膜トランジスタ、ポリシリコン薄膜トランジスタ、又はアモルファスシリコン薄膜トランジスタのうちのいずれか1つであってもよく、薄膜トランジスタにおけるゲートの配置位置によって、上記の駆動用薄膜トランジスタ401は通常、トップゲート型薄膜トランジスタ又はボトムゲート型薄膜トランジスタのいずれか1つであってもよく、本開示の実施例では、これに対して特に限定しない。
【0045】
例示的には、
図3に示すように、本開示の幾つかの実施例に係るトップゲート型薄膜トランジスタ構造において、トップゲート型薄膜トランジスタはベース基板1上に積層配置された活性層4014と、ゲート絶縁層901と、ゲート4013と、層間絶縁層902とを備え、層間絶縁層902には、それぞれドレイン4011とソース4012が配置されており、該ドレイン4011とソース4012は、それぞれ層間絶縁層902とゲート絶縁層901に対応して配置されたビアを介して、活性層4014に接続される。本開示の幾つかの実施例において、活性層4014は酸化インジウムガリウム亜鉛層(indium gallium zinc oxide、IGZOと略称する)であってもよく、ゲート絶縁層901は、窒化シリコン層又は酸化シリコン層のような単層構造であってもよいし、窒化シリコン層又は酸化シリコン層からなる積層構造のような多層構造であってもよい。
【0046】
本開示の幾つかの実施例において、
図3に示すように、駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011のOLEDのアノード301に対面する表面において、通常としてパッシベーション層903と、平坦化層904と、画素定義層905とが積層配置され、OLED3は、画素定義層905の開口領域に配置される。本開示の幾つかの実施例において、パッシベーション層903は、窒化シリコン層又は酸化シリコン層のような単層構造であってもよいし、窒化シリコン層と酸化シリコン層からなる積層構造のような多層構造であってもよく、平坦化層904は、通常、有機樹脂材料からなる厚さ1μm-4μmの樹脂層である。
【0047】
本開示の幾つかの実施例において、パッシベーション層903及び平坦化層904にはビアが設けられ、OLEDのアノード301は平坦化層904とパッシベーション層903に設けられたビアを介して、駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011と接続する。こうして、修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301と修復線22との間の距離をさらに短くすることができ、これにより、修復過程において、OLEDのアノード301と修復線22とをより迅速に溶着させることができる。この時、対応的に修復対象画素単位の断線修復構造2において、その修復線22と修復対象画素単位のOLEDのアノード301との間にも、同様にパッシベーション層903と平坦化層904とが存在する。
【0048】
断線修復構造の製造を容易にするため、本開示の幾つかの実施例において、
図2に示すように、上記の修復対象画素単位の隣接画素単位は、修復対象画素単位の同列の隣接行の画素単位であり、即ち修復対象画素単位と同じ列に位置し、且つ隣接する2行のうちのいずれか1つの画素単位である。この時、修復線22は、同列の隣接行の画素単位における駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011の延長線を用いてもよい。こうして、修復線22と駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011とが一体に形成可能となり、修復対象画素単位における断線修復構造2の製造工程を簡略化させ、アレイ基板の製造を容易にすることに加えて、修復線22と同列の隣接行の画素単位における駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011との接続の確実性を確保することができる。
【0049】
当業者であれば容易に理解できるように、本開示の幾つかの実施例において、
図2に示すように、修復線22は同列の隣接行の画素単位における駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011の延長線を用いる場合、該ドレイン4011の延長線のベース基板1における正投影と、修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301のアノードの延長線3011のベース基板における正投影とが部分的又は全体的に重なり、重畳領域を形成する。
【0050】
本開示の幾つかの実施例において、
図3に示すように、OLEDのアノード301のアノードの延長線3011とは、OLEDのアノード301が上記のドレイン4011の延長線に対応する一部を指すものである、即ちアノードの延長線3011はOLEDのアノード301の構成要素の一部である。
【0051】
アレイ基板の限られた空間内に、修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301のアノードの延長線3011と、同列の隣接行の画素単位における駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011の延長線とを用いることにより、修復対象画素単位における断線修復構造2を形成すると同時に、断線修復構造2の占有空間を最適化し、アレイ基板の空間利用率の向上に寄与することができる。
【0052】
断線修復構造の修復信頼性を向上させるため、本開示の幾つかの実施例において、
図3に示すように、平坦化層904の断線修復点Xに対応する領域において溝8を設けても良い。溝8の溝深さは、平坦化層904の厚さ以下であってもよい。こうして、修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301のアノードの延長線3011が堆積形成される時、アノードの延長線3011は溝8を充満すると共に溝8を覆い、その結果、アノードの延長線3011と修復線22との、断線修復点Xに対応する区域における間隔を効果的に短くさせ、深溶込み型レーザ溶接でアノードの延長線3011と修復線22とを溶着する時、アノードの延長線3011と修復線22とを確実に溶着させることを確保し、よってアノードの延長線3011と修復線22との接続修復後の導通信頼性を向上する、即ち断線修復構造2の修復信頼性を向上する。
【0053】
本開示の幾つかの実施例において、
図2に示すように、ゲート線6は、通常、画素単位における薄膜トランジスタのゲートと同層に配置され、データ線7は、通常、画素単位における薄膜トランジスタのソース及びドレインと同層に配置され、且つ各ゲート線と各データ線とが互いに交差する。隣接画素単位は同列の隣接行の画素単位を用いた場合、修復線22のベース基板1における正投影は、対応するゲート線6のベース基板1における正投影と交差する。
【0054】
上記の実施例に基づき、本開示の
図4及び
図5は、アレイ基板における修復対象画素単位及び隣接画素単位のもう1つの配列様態を提供する。
【0055】
本開示の幾つかの実施例において、
図4に示すように、
図4は、本開示の幾つかの実施例に係るもう1つのアレイ基板の上面図である。
【0056】
図4及び
図5に示すアレイ基板は、
図2及び
図3に示すアレイ基板と比べて、主として断線修復構造2における修復線22の配置が異なる。画素単位の他の構造、例えばOLED又は駆動用薄膜トランジスタ等の構造は、いずれも
図2及び
図3に示したアレイ基板の構造と同一又は類似するので、ここでその詳細な説明を省略し、関連部分については、
図2及び
図3に示したアレイ基板の部分の説明を参照すればよい。
【0057】
図4及び
図5に示すように、本開示の幾つかの実施例に係るアレイ基板において、各隣接する2つの画素単位は、同行の隣接列の画素単位である、即ち、修復対象画素単位の隣接画素単位は、修復対象画素単位の同行の隣接列の画素単位である。修復対象画素単位の断線修復構造2における修復線22は、同行の隣接列の画素単位の駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011に接続され、こうして、断線修復点Xで深溶込み型レーザ溶接によって、修復対象画素単位のOLEDのアノード301と修復線22とを接続して導通させた後、修復対象画素単位のOLEDのアノード301と修復線22を用い、修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301と同行の隣接列の画素単位における駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011との接続を実現することができ、これにより、同行の隣接列の画素単位における駆動用薄膜トランジスタ401を用いて修復対象画素単位におけるOLED3を駆動する。
【0058】
図4及び
図5に示すように、この配列様態では、いずれか1つの画素単位の駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011と、該画素単位におけるOLEDのアノード301との間に断線、即ち断線点X’が発生する時、該画素単位は修復対象画素単位となり、その周囲の画素単位は隣接画素単位となると解されるべきである。この前の画素単位の配列様態と同様に、隣接画素単位の駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011は、修復対象画素単位における修復線22に接続されるので、修復線22を介して修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301と導通することになり、断線を修復して修復対象画素単位の発光を回復させる。
【0059】
本開示の幾つかの実施例において、
図4に示すように、アレイ基板の各画素単位は、通常、ベース基板上にアレイ状に分布されており、同じ行の各画素単位は同じゲート線6によって制御信号が供給され、同じ列の各画素単位は、同じデータ線7によってデータ信号が供給される。本開示の幾つかの実施例において、ゲート線6は、通常、画素単位における薄膜トランジスタのゲートと同層に配置され、データ線7は、通常、画素単位における薄膜トランジスタのソース及びドレインと同層に配置される。各ゲート線と各データ線は、1つの画素単位を1つの格子に対応して位置付けさせるように、交差して格子状構造を形成する。各画素単位は、修復対象画素単位であってもよいし、修復対象画素単位の周囲の隣接画素単位であってもよい。
【0060】
図4に示すように、
図4にはアレイ状に配列された、それぞれ同じ色又は異なる色の光を発光するための4つのみの画素単位が示されているが、当業者であれば、本開示の実施例に係るアレイ基板に設けられる画素単位の数は、4つに限定されるものではなく、それ以上の数であってもよいし、またそれらの発光の色は限定されないと理解するべきである。
【0061】
本開示の幾つかの実施例において、データ線7は、通常、画素単位における薄膜トランジスタのソース及びドレインと同層に配置されるので、修復線22は、同行の隣接列の画素単位における駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011と接続する時、対応的にデータ線7が配置された領域を通す必要がある。従って、修復線22がデータ線7と接続することを回避するため、本開示の幾つかの実施例では、修復線22は同行の隣接列の画素単位における駆動用薄膜トランジスタ401のゲート4013と同層に絶縁配置させる。
【0062】
例示的には、
図4及び
図5に示すように、本開示の幾つかの実施例において、各画素単位の駆動用薄膜トランジスタ401のゲート4013は、そのドレイン4011のOLEDのアノード301とは反対側に配置され、且つゲート4013とドレイン4011との間には、層間絶縁層902が設けられている。修復線22は、駆動用薄膜トランジスタ401のゲート4013と同層に絶縁配置される。こうして、修復線22と駆動用薄膜トランジスタ401のゲート4013とは、1回のパターニング工程を経て形成可能であり、画素単位における断線修復構造2の製造工程の簡略化に寄与し、アレイ基板の生産率向上に有利である。
【0063】
本開示の幾つかの実施例において、層間絶縁層902にはビアが設けられ、この場合、同行の隣接列の画素単位における駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011は、層間絶縁層902に設けられたビアを介して、修復線22に接続される。データ線7が駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011と同層に配置される場合、修復線22のベース基板における正投影は、対応するデータ線7のベース基板における正投影と交差する。
【0064】
本開示の幾つかの実施例において、
図5に示すように、駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011のOLEDのアノード301に隣接する表面には、通常、パッシベーション層903と平坦化層904とが積層配置され、OLEDのアノード301は平坦化層904とパッシベーション層903に設けられたビアを介して、駆動用薄膜トランジスタ401のドレイン4011と接続する。この時、対応的に修復対象画素単位の断線修復構造2において、修復線22が同行の隣接列の画素単位における駆動用薄膜トランジスタ401のゲート4013と同層に絶縁配置されるため、修復線22と修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301との間には、層間絶縁層902、パッシベーション層903、及び平坦化層904が順に存在するようになる。
【0065】
断線修復構造の修復信頼性を向上させるため、本開示の幾つかの実施例において、平坦化層904の断線修復点Xに対応する領域には、溝8が設けられ、また、平坦化層904とパッシベーション層903の断線修復点Xに対応する領域には、いずれも溝8が設けられてもよい。この時、溝8の溝深さは、平坦化層904とパッシベーション層903との総厚以下である。
【0066】
修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301が堆積形成される時、該OLEDのアノード301は、溝8を充満すると共に溝8を覆い、修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301と修復線22との、断線修復点Xに対応する区域における間隔を効果的に短くさせ、その結果、深溶込み型レーザ溶接によってそのOLEDのアノード301と修復線22とを溶着する時、修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301と修復線22との溶着確実性が確保され、修復対象画素単位におけるOLEDのアノード301と修復線22との修復接続後の導通信頼性は向上される、即ち断線修復構造2の修復信頼性は向上される。
【0067】
図3及び
図5に示すように、本開示の幾つかの実施例に係るアレイ基板において、平坦化層904のベース基板1とは反対側の表面には、通常、画素定義層905が設けられ、画素定義層905は通常、有機樹脂材料からなる厚さ1μm-3μmの樹脂層である。OLED3は、通常、画素定義層905の開口領域に配置され、この時、対応的に修復対象画素単位の断線修復構造において、そのOLEDのアノード301の断線修復点Xに対応する部分は、画素定義層905に被覆され、画素定義層905によって正常のアレイ基板の断線修復構造の絶縁保護を図る。
【0068】
本開示の幾つかの実施例は、さらに、上記のアレイ基板を備える表示装置を提供する。前記アレイ基板は、ベース基板と、前記ベース基板上にアレイ状に配列され、それぞれ断線修復構造、OLED及び画素駆動回路を有する複数の画素単位とを備え、前記断線修復構造は、修復線が設けられ、前記修復線の前記ベース基板における正投影と、前記OLEDのアノードの前記ベース基板における正投影とが部分的又は全体的に重なり、重畳領域を形成し、断線修復点は前記重畳領域に位置する。前記表示装置におけるアレイ基板は、上記の実施例におけるアレイ基板と同様の効果を奏するため、ここでは、詳細な説明を省略する。
【0069】
例示としては、本開示の幾つかの実施例に係る表示装置は、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、又はナビゲーション等の表示機能を有する製品又は部品であってもよい。
【0070】
上述した実施形態の説明において、具体的な特徴、構造、材料又は特徴は、何れか1つ又は複数の実施例又は例において、適切な方式で組み合わせることができる。
【0071】
以上に説明したのは、本発明の好ましい実施形態であり、本発明の保護範囲は、これらに限定されない。当業者が本発明に開示される技術的範囲内に容易に想到できる変更や置換は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるものとする。従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に記載の権利範囲を準拠するものとする。
【0072】
この出願は、2017年9月4日に出願された出願番号が201721127658.4で、発明の名称が「アレイ基板及び表示装置」である中国特許出願を基礎出願とする優先権を主張し、その開示内容の全ては参照により本出願に組み込まれる。