(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-17
(45)【発行日】2023-01-25
(54)【発明の名称】導波遷移に対して絞り整合されたPCB
(51)【国際特許分類】
H01P 5/107 20060101AFI20230118BHJP
H01P 3/12 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
H01P5/107 Z
H01P3/12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020009001
(22)【出願日】2020-01-23
(62)【分割の表示】P 2018540700の分割
【原出願日】2017-01-06
【審査請求日】2020-02-07
(32)【優先日】2016-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,アダム
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特表平10-508173(JP,A)
【文献】特開2008-141344(JP,A)
【文献】特開2014-195203(JP,A)
【文献】特開昭62-036905(JP,A)
【文献】特開2000-013110(JP,A)
【文献】特開2015-192293(JP,A)
【文献】国際公開第2009/084697(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/150554(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/132374(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/258848(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 5/107
H01P 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁信号を伝搬するように構成された回路基板と、
電磁信号を伝搬するように構成された導波路であって、上部ブロック内に位置する導波チャネルの第1の部分と、底部ブロック内に位置する前記導波チャネルの第2の部分とを備える、導波路と、
前記回路基板と前記導波路との間で信号を結合するように構成された結合ポートであって、前記結合ポートが、前記底部ブロック内に位置
し、前記結合ポートの径方向において第1の寸法を有する第1のポート部分と、前記径方向において前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を有する第2のポート部分とを有し、前記第2のポート部分が前記第1の寸法を有する場合より前記回路基板と前記導波路との間のインピーダンス整合が向上する、結合ポートと、を備える電磁エネルギを放射するための装置。
【請求項2】
前記結合ポートが、双方向ポートとして構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記導波路が、(i)前記導波路から電磁エネルギを放射することと、(ii)電磁エネルギを前記導波路に結合することのうちの少なくとも1つを行うように構成された放射素子を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記導波路が、分割ブロックを備え、前記回路基板が、前記分割ブロックの前記底部ブロックに結合され、前記分割ブロックの前記上部ブロックが電磁エネルギを放射するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記結合ポートが、前記底部ブロックの上部側及び前記底部ブロックの底部側の両方から機械加工された寸法を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記回路基板が、電磁信号を前記結合ポート内に放射するように構成された素子を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
複数の結合ポートをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記回路基板の複数の素子をさらに備え、前記複数の素子の各々が、それぞれの電磁信号を前記複数の結合ポートのそれぞれの結合ポート内に放射するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
回路基板によって電磁エネルギを伝導することと、
前記回路基板の放射要素によって、前記電磁エネルギの少なくとも一部分を、放射電磁エネルギとして放射することと、
結合ポートによって、前記放射電磁エネルギの少なくとも一部分を、導波路内に結合することと、を含み、
前記結合ポートが、前記導波路と前記回路基板との間の通路であり、
前記導波路が上部ブロック内に位置する導波チャネルの第1の部分と、底部ブロック内に位置する前記導波チャネルの第2の部分とを備え、
前記結合ポートが、前記底部ブロック内に位置
し、前記結合ポートの径方向において第1の寸法を有する第1のポート部分と、前記結合ポートを所望のインピーダンスとするための、前記径方向において前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を有する第2のポート部分とを有し、前記第2のポート部分が前記第1の寸法を有する場合より前記回路基板と前記導波路との間のインピーダンス整合が向上する、電磁エネルギを放射するための方法。
【請求項10】
前記回路基板の複数の結合ポート及び複数の放射要素をさらに備え、前記方法は、各結合ポートが、それぞれの放射要素によって放射された、前記放射電磁エネルギの少なくとも一部分を結合することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記結合することが、分割ブロック内に位置する結合要素によって行われ、前記回路基板が、前記分割ブロックの前記底部ブロックに結合され、前記分割ブロックの前記上部ブロックが電磁エネルギを放射するように構成される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記結合ポートが、前記底部ブロックの上部側及び前記底部ブロックの底部側の両方から機械加工された寸法を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
導波路によって電磁エネルギを伝導することであって、前記導波路が、上部ブロック内に位置する導波チャネルの第1の部分と、底部ブロック内に位置する前記導波チャネルの第2の部分とを備えることと、
結合ポートによって、前記導波路からの放射電磁エネルギの少なくとも一部分を、受信電磁エネルギとして結合することであって、前記結合ポートが、前記導波路と回路基板との間の前記底部ブロックを通る通路であ
り、前記結合ポートの径方向において第1の寸法を有する第1のポート部分と、前記径方向において前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を有する第2のポート部分とを有し、前記第2のポート部分が前記第1の寸法を有する場合より前記回路基板と前記導波路との間のインピーダンス整合が向上することと、
前記回路基板の結合要素によって、前記結合ポートからの前記受信電磁エネルギの少なくとも一部分を前記回路基板に結合することと、を含む電磁エネルギを受信するための方法。
【請求項14】
前記回路基板の複数の結合ポート及び複数の放射要素をさらに備え、前記方法は、各結合ポートが、それぞれの放射要素によって放射された、前記放射電磁エネルギの少なくとも一部分を結合することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記結合することが、分割ブロック内に位置する結合要素によって行われ、前記回路基板が、前記分割ブロックの底部ブロックに結合され、前記分割ブロックの前記上部ブロックが電磁エネルギを放射するように構成される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記結合ポートが、前記底部ブロックの上部側及び前記底部ブロックの底部側の両方から機械加工される寸法を有する、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2016年2月3日出願の米国特許出願第15/014,508号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
[0002] 本明細書で特に示されない限り、本セクションで説明される材料は、本出願の請求項に対する従来技術ではなく、本セクションに含まれることにより従来技術であると認められるものではない。
【0003】
[0003] 無線検出測距(レーダ)システムは、無線信号を発し、戻ってくる反射信号を検出することによって、環境的特徴までの距離を能動的に推定するために使用されることができる。無線を反射する特徴までの距離は、伝送と受信との間の時間遅延に従って判定されることができる。レーダシステムは、周波数が経時変化する信号、例えば経時変化する周波数ランプを有する信号を発し、その後、発された信号と反射された信号との間の周波数の差異を、範囲推定と関係づけることができる。また、いくつかのシステムは、受信された反射信号におけるドップラー周波数シフトに基づいて、反射オブジェクトの相対的な動きを推定し得る。指向性アンテナは、各範囲推定を方位と関連付けるための信号の伝送及び/または受信のために使用されることができる。より一般的には、指向性アンテナは、放射されたエネルギを対象の所与の視野に集中させるためにも使用されることができる。測定された距離と方向情報とを組み合わせることにより、周囲環境の特徴がマッピングされることが可能になる。そして、レーダセンサは、例えば、自律車両制御システムによって、センサ情報によって示された障害物を回避するために使用されることができる。
【0004】
[0004] 自動車用レーダシステムのいくつかの例は、電磁波周波数77ギガヘルツ(GHz)で動作するように構成され得、これは、ミリ(mm)電磁波長(例えば、77GHzに対して3.9mm)に対応する。これらのレーダシステムは、レーダシステムが環境、例えば自律車両の周りの環境を高精度で測定することを可能にするために、放射されたエネルギを密なビームに集中させるアンテナを使用し得る。そのようなアンテナは、コンパクトであり(典型的には、例えば、高さ1.3インチ×幅2.5インチの形状因子を有する)、効率的であり(すなわち、アンテナにおける熱に対して、またはトランスミッタ電子機器に跳ね返されるわずか77GHzのエネルギ損失しかないはずである)、製造が安価である場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] 本出願は、電磁装置に関する実施形態を開示する。一態様では、本装置は、電磁信号を伝搬するように構成された回路基板を含む。また、本装置は、電磁信号を伝搬するように構成された導波路を含む。本装置は、回路基板と導波路との間で信号を結合するように構成された結合ポートをさらに含み、結合ポートは、ポートの所望のインピーダンスに基づく寸法を有する。
【0006】
[0006] 別の態様では、本出願は、方法を説明する。本方法は、回路基板によって電磁エネルギを伝導することを伴う。本方法は、回路基板の放射要素によって、電磁エネルギの少なくとも一部分を、放射電磁エネルギとして放射することをさらに含む。そして、本方法はまた、結合ポートによって、放射電磁エネルギの少なくとも一部分を、導波路内に結合することを含み、結合ポートは、導波路と回路基板との間の通路であり、結合ポートは、ポートの所望のインピーダンスに基づく寸法を有する。
【0007】
[0007] また別の態様では、本出願は、別の方法を説明する。本方法は、導波路によって電磁エネルギを伝導することを含み得る。本方法はまた、結合ポートによって、導波路からの放射電磁エネルギの少なくとも一部分を、受信電磁エネルギとして結合することを含み得、結合ポートは、導波路と回路基板との間の通路であり、結合ポートは、ポートの所望のインピーダンスに基づく寸法を有する。本方法は、回路基板の結合要素によって、結合ポートからの受信電磁エネルギの少なくとも一部分を回路基板に結合することをさらに含み得る。
【0008】
[0008] さらに別の態様では、電磁エネルギを伝導するための手段を含むシステムが提供される。本システムは、放射手段によって、電磁エネルギの少なくとも一部分を放射するための手段をさらに含む。そして、本システムはまた、結合手段によって、放射電磁エネルギの少なくとも一部分をガイド手段に結合することを含み、結合手段は、ガイド手段と電磁エネルギを伝導するための手段との間の通路であり、結合手段は、結合手段の所望のインピーダンスに基づく寸法を有する。
【0009】
[0009] さらに別の態様では、ガイド手段によって電磁エネルギを伝導するための手段を含むシステムが提供される。本システムは、結合手段によって、ガイド手段からの電磁エネルギの少なくとも一部分を、受信電磁エネルギとして結合すること手段をさらに含み、結合手段は、ガイド手段と電磁エネルギを伝導するための手段との間の通路であり、結合手段は、結合手段の所望のインピーダンスに基づく寸法を有する。本方法は、結合手段からの受信電磁エネルギの少なくとも一部分を、結合手段によって電磁エネルギを伝導するための手段に結合するための手段をさらに含み得る。
【0010】
[0010] 前述の要約は、例証のみのものであり、限定することは全く意図されていない。上記の例証的な態様、実施形態、及び特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、及び特徴が、図面及び以下の詳細な説明を参照することにより明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】[0011]電磁エネルギをガイドに結合するための例示の方法のフローチャートである。
【
図1B】[0012]ガイドからの電磁エネルギを結合するための例示の方法のフローチャートである。
【
図2A】[0013]例示の実施形態による、例示のアンテナの第1の層を図示する。
【
図2B】[0014]例示の実施形態による、例示のアンテナの第2の層を図示する。
【
図2C】[0015]例示の実施形態による、例示のアンテナの組立図を図示する。
【
図2D】[0016]例示の実施形態による、例示のアンテナの組立図を図示する。
【
図2E】[0017]例示の実施形態による、組み立てられた例示のアンテナの内側に形成された概念的導波チャネルを図示する。
【
図3A】[0018]例示の実施形態による、例示のアンテナの分波チャネルのネットワークを図示する。
【
図3B】[0019]例示の実施形態による、
図3Aの分波チャネルのネットワークの代替図を図示する。
【
図4A】[0020]導波遷移に対して絞り整合されたPCBの一例を図示する。
【
図4B】[0021]例示の実施形態による、2つのPCB搭載型結合構造の上から下を見た図を示す。
【
図4C】[0022]例示の実施形態による、PCB搭載型結合構造の配置の一例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0023] 以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面について申し述べる。図面では、同様の記号は、典型的には、他に異なる記載がない限り同じ構成要素とする。詳細な説明に記載された例示の実施形態、図面、及び請求項は限定することは意図されていない。他の実施形態を利用してもよく、本明細書に提示された主題の範囲を逸脱することなく、他の変更がなされてもよい。本明細書に概して記載され、図面に図示されている本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置され、置換され、組み合わせられ、分離され、設計されることができ、それらすべてが、本明細書において明確に意図されていることが容易に理解されよう。
【0013】
[0024] 以下の詳細な説明は、例えば自律車両用のレーダシステムのためのアンテナを含む装置、及びそのようなアンテナを動作させるための方法を開示する。いくつかの例では、アンテナは、「dual open-ended wave guide」(DOEWG)アンテナでありうる。用語「DOEWG」は、水平の導波路チャネルに2つの部分に分かれる垂直チャネルを加えた短いセクションを指すことができ、垂直チャネルの2つの部分の各々は、アンテナに入る電磁波の少なくとも一部分を放出するように構成された出力ポートを含む。
【0014】
[0025] DOEWGアンテナの一例は、例えば、コンピュータ数値制御(computer numerical control(CNC))で機械加工され、正しく位置合わせされ、ともに接合されることができる2つの金属層(例えば、アルミニウム板)を備え得る。第1の金属層は、入力導波チャネルの第1の半分を含み得、第1の導波チャネルの第1の半分は、電磁波(例えば、77GHzミリ波)を第1の導波チャネル内に受信するように構成され得る入力ポートを含む。また、第1の金属層は、複数の分波チャネルの第1の半分を含み得る。複数の分波チャネルは、入力導波チャネルから分岐し、かつ入力導波チャネルから電磁波を受信し、電磁波を複数の電磁波の部分に分配し(すなわち、電力分配器)、電磁波のそれぞれの部分を、複数の電波放射チャネルのそれぞれの電波放射チャネルに伝搬するように構成され得るチャネルのネットワークを含み得る。また、DOEWGは、いくらかの電磁放射を吸収すること、及び電磁放射を導波路内に導入することのうちの少なくとも1つを行うように構成されたプリント回路基板(PCB)バックプレーンを少なくとも含みうる。
【0015】
[0026] さらに、第1の金属層は、複数の電波放射チャネルの第1の半分を含み得、ここで、それぞれの電波放射チャネルは、分波チャネルから電磁波のそれぞれの部分を受信するように構成され得、またここで、それぞれの電波放射チャネルの第1の半分は、電磁波のサブ部分を別の金属層に伝搬するように構成された少なくとも1つの導波部材を含む。
【0016】
[0027] また、第2の金属層は、入力導波チャネル、複数の分波チャネル、及び複数の電波放射チャネルの第2の半分を含み得る。それぞれの電波放射チャネルの第2の半分は、少なくとも1つの電磁波誘導部材と部分的に位置合わせされ、少なくとも1つの導波部材から第2の金属層の外へ伝搬された電磁波のサブ部分を放射するように構成された少なくとも一対の出力ポートを含み得る。より特定的には、所与の電磁波誘導部材と対応する対の出力ポートとの組み合わせは、上述のように、DOEWGの形式を取り得る(そして、本明細書ではそのように称され得る)。
【0017】
[0028] この特定の例では、アンテナは、多数の分波チャネルと多数の電波放射チャネルとを含むが、別の例では、アンテナは、1つ以上の電波放射チャネルへの入力ポートによって受信されたすべての電磁波を伝搬するように構成された単一のチャネルのみを含み得る。例えば、すべての電磁波は、単一のDOEWGによって第2の金属層の外に放射され得る。他の例も同様に可能である。
【0018】
[0029] さらに、この特定の例に加えて、本明細書に記載された他の例では、アンテナ装置は、少なくとも2つの金属層で構成され得るが、さらに他の例では、上述されたチャネルのうちの1つ以上が、単一の金属層に、またはアンテナを作り上げる2つを超える金属層に形成され得ることが理解されるべきである。またさらには、本明細書における例の範囲内では、DOEWGアンテナの1つの層から別の層に伝搬する電磁波(またはその部分/サブ部分)の概念は、アンテナの一定の要素、例えば電磁波誘導部材の機能を例証することを目的として説明されている。実際には、電磁波は、アンテナを通したそれらの伝搬の一定のポイントの間の、チャネルの任意の特定の「半分」に制限されない場合がある。むしろ、これらの一定のポイントにおいて、電磁波は、半分が組み合わせられて所与のチャネルを形成する場合、所与のチャネルの半分の両方を通して自由に伝搬し得る。
【0019】
[0030] 本明細書で述べられたいくつかの実施形態では、接着剤、誘電体、または他の材料を使用することなく、また例えばはんだ付け、拡散接合等の、2つの金属層を接合するために使用されることができる方法なしに、2つの金属層が直接接合され得る。例えば、2つの金属層は、層を結合する任意のさらなる手段なしに、2つの層を物理的に接触させることによって接合され得る。
【0020】
[0031] いくつかの例では、本開示は、いくらかの電磁放射を吸収するように構成されたプリント回路基板(PCB)バックプレーンに向けられることを含む。先に述べられた放射導波路は、放射導波入力部において電磁信号を受信し、電磁信号を放射導波路の長さにわたって伝搬し、電磁信号の少なくとも一部分を、結合された電磁信号を放射するように構成された少なくとも1つの放射素子に結合するように構成され得る。しかしながら、電磁信号の一部分は、放射され得ず、導波路内部で反射されるかあるいはその内部に収容され得る。この電磁エネルギは、レーダシステムに望ましくない影響をもたらす場合がある。したがって、放射されなかった電磁エネルギからの影響を低減させるために、非放射電磁エネルギを負荷に吸収させることが望ましい場合がある。導波路は各々、導波路内に存在する非放射電磁エネルギを吸収するように構成された結合ポート(または、終端/減衰ポート)に結合され得る。
【0021】
[0032] 一例では、ビーム形成ネットワーク出力部の各々は、それぞれのビーム形成ネットワーク出力部からの導波路の反対端に位置する、導波路の終端である対応する導波路分路を有し得る。分路のうち、1つはビーム形成ネットワーク入力部に結合され得る。残余の分路は各々、それぞれの結合ポートに結合され得る。いくつかの例では、給電を有する分路を含む各分路は、結合ポートに結合され得る。結合ポートは、導波路の主たる長さに対して垂直に位置合わせされ得る。加えて、結合ポートは、導波路を減衰要素にインピーダンス整合させるような形状寸法を含み得る。例えば、結合ポートは、回路基板層を導波層に結合する、導波ブロック内のホールであってもよい。
【0022】
[0033] 一例では、結合ポートは、ビーム形成ネットワークの導波路を、結合ポートを介して、PCB上に位置する減衰要素に結合し得る。別の例では、結合ポートは、PCB上の給電を、結合ポートを介して、ビーム形成ネットワークの導波路に結合し得る。
【0023】
[0034] 減衰要素は、PCB上に金属配線を含み得る。金属配線は、導波路外の非放射電磁エネルギをPCB内に結合するように機能し得る。いったん非放射電磁エネルギが配線に結合されると、さまざまな異なる手段を使用して、非放射電磁エネルギを吸収し得る。一例では、配線は、非放射電磁エネルギを放散し得る他の要素に結合され得る。一例では、配線は、非放射電磁エネルギに結合するとトレースの表面上に存在する電流を吸収する、電気的損失が大きい材料で被覆され得る。別の例では、PCBは、非放射電磁エネルギを吸収するように構成されたマイクロストリップ線路を有し得る。マイクロストリップ線路は、線路が電磁的損失の大きい材料、例えばニッケルクロムから作られていることに基づいて、非放射電磁エネルギを吸収し得る。別の例では、PCBは、電磁的損失が大きい材料から構築され得る。
【0024】
[0035] 一例では、結合ポートの少なくとも一部分が、電磁エネルギを、非放射電磁エネルギを吸収するように構成された要素に結合するように機能し得る。異なる例では、各結合ポートは、非放射電磁エネルギを、1つを超える結合ポートからのエネルギを吸収するように構成された減衰要素に経路付けするように機能し得る。
【0025】
[0036] アンテナ装置は、導波給電部として機能するように構成された結合ポートを含み得る。導波給電部は、電磁波がアンテナ装置に入ることを可能にする金属構造体内の結合ポートであってもよい。電磁波は、アンテナ装置に入ると、先に述べられたように、分けられて放射され得る。
【0026】
[0037] またさらなる例では、結合ポートは、双方向ポートとして機能し得る。供給信号を導波路に提供することと、導波路から非放射電磁エネルギを除去することとの両方を行い得る。
【0027】
[0038] アンテナ装置の各結合ポートは、関連付けられたポートインピーダンスを有し得る。ポートインピーダンスは、ポートがアンテナ装置に結合して出入させることができる電磁エネルギのパーセンテージに影響する場合がある。したがって、ポートインピーダンスを最適化し、エネルギがアンテナ装置に対し効率的に出入りすることができるようにすることが望ましい場合がある。ポートインピーダンスを最適化し得るいくつかの方法があり得る。いくつかの例では、ポート形状寸法は、ポートインピーダンスを調整するために変えられ得る。例えば、結合ポートは、先に説明した分割ブロック構造装置の底部ブロックに位置し得る。結合ポートは、導波路と回路基板との間の底部ブロックに位置し得る。所望のポートインピーダンスを達成するために、ポートは、底部ブロックの上部側及び底部側の両方から機械加工され得る。より狭い導波部分は、導波インダクタンスを増大させ得、一方でより幅広い導波部分は、導波キャパシタンスを増大させ得る。
【0028】
[0039] ここで図面を参照すると、
図1Aは、電磁エネルギをガイド内に結合するための例示の方法100のフローチャートである。そして、
図1Bは、電磁エネルギをガイド内に結合するための例示の方法110のフローチャートである。本明細書に記載されていない動作の他の方法も同様に可能であることが理解されるべきである。
【0029】
[0040] そのようなアンテナの所与の用途は、上述されたような2つの金属層のさまざまな機械加工部分に(例えば、チャネルサイズ、金属層厚さ等)、及び/または本明細書に記載されたアンテナの他の機械加工(または非機械加工)部分/要素に適切な寸法及びサイズを決定し得ることが理解されるべきである。例えば、上述されたように、いくつかの例示のレーダシステムは、ミリ電磁波長に対応する電磁波周波数77GHzで動作するように構成され得る。この周波数では、方法100及び方法110を用いて作製された装置のチャネル、ポート等は、77GHzの周波数に適切な所与の寸法でありうる。他の例のアンテナ用途も同様に可能である。
【0030】
[0041] ブロックは順次に図示されているが、これらのブロックは、並行して、及び/または本明細書に記載されたものとは異なる順序で行われてもよい。また、さまざまなブロックが、より少ないブロックに組み合わせられ、さらなるブロックに分けられ、及び/または所望の実施に基づいて除去されてもよい。
【0031】
[0042] さらに、
図1Aの方法100及び
図1Bの方法110は、
図2A~2F、3A、3B、及び4A-4Cと共に説明されているデバイスによって実施され得る。
【0032】
[0043] ブロック102において、方法100は、回路基板によって電磁エネルギ(例えば、77GHzのミリ電磁波)を伝導することを含む。さまざまな例では、電磁エネルギは、さまざまな実施形態に依存して、いくつかの異なるモードのうちの少なくとも1つにおいて伝搬され得る。一例では、電磁エネルギは、回路基板上の差動線路対に沿って伝搬し得る。別の例では、電磁エネルギは、回路基板上の単一の線路に沿って伝搬し得る。電磁エネルギは、アンテナ及び/またはレーダユニットによる伝送のための信号であり得る。さまざまな例では、異なるタイプの信号方式を使用して、電磁エネルギを形成し得る。実際には、方法100は、レーダ信号の伝送中に行われる方法であり得る。
【0033】
[0044] ブロック104において、方法100は、回路基板の放射要素によって電磁エネルギの少なくとも一部分を放射することを含む。回路基板は、電磁エネルギを放射する少なくとも1つの要素を有し得る。いくつかの例では、この放射要素は、回路基板搭載パッチアンテナに機能的に類似し得る。さまざまな他のタイプの要素を使用して、回路基板から電磁エネルギを同様に放射してもよい。さまざまなアンテナ、パッチ、スロット、または他の放射要素を、本開示の文脈の範囲内で同様に使用してもよい。また、放射要素は、結合ポートから電磁エネルギを受信し得る要素として機能してもよい(すなわち、該要素が双方向で機能してもよい)。
【0034】
[0045] 放射要素は、回路基板上に伝搬している電磁エネルギの少なくとも一部分を、放射電磁エネルギ(すなわち、回路基板の配線上に、または回路基板内部に包含されていない電磁エネルギ)に変換するように構成される。
【0035】
[0046] ブロック106において、方法100は、結合ポートによって、放射電磁エネルギの少なくとも一部分を導波路内に結合することを含む。結合ポートは、導波路と回路基板との間の通路であり得る。通路は、回路基板からの電磁エネルギが導波路に入ることを可能にする。結合ポートは、ポートの所望のインピーダンスに基づく寸法を有し得る。ポートのインピーダンスは、ある程度は、導波路内に結合する回路基板からの電磁エネルギのパーセンテージに寄与し得る。ポートインピーダンスが、ポートがアンテナ装置に結合して出入りさせることができる電磁エネルギのパーセンテージに影響し得るため、ポートインピーダンスを最適化し、エネルギがアンテナ装置に効率的に出入りすることができるようにすることが望ましい場合がある。ポートインピーダンスの最適化は、ポート寸法を調整することによって制御され得る。
【0036】
[0047] いくつかの例では、回路基板は、本システムのアンテナ(すなわち、レーダ)ユニットを形成するブロックに結合され得る。例えば、以下の図に関して述べられるように、該システムは、ブロックで構築され得る。導波路および関連付けられたビーム形成ネットワークは、ブロックの平面上に作成され得る。さまざまな例では、回路基板は、底部ブロックの底部に搭載され得、結合ポートは、底部ブロックの底部を通過し得る。別の例では、回路基板は、ブロックの側部に搭載され得る。この例では、結合ポートは、上部ブロック及び底部ブロックの一方または両方の側部を通過し得る。
【0037】
[0048]
図1Bを参照すると、ブロック112において、方法110は、導波路によって電磁エネルギを伝導することを含む。導波路内の電磁エネルギは、導波路の少なくとも1つのアンテナによってシステム外部から受信されたものであり得る。実際には、方法110は、レーダ信号の受信中に行われる方法であり得る。導波路に結合されたアンテナは、反射された電磁エネルギを受信し、導波路に沿って電磁エネルギを伝搬し得る。
【0038】
[0049] ブロック114において、方法110は、結合ポートによって導波路から放射された電磁エネルギの少なくとも一部分を、受信電磁エネルギとして結合することを含む。先に述べたように、結合ポートは、導波路と回路基板との間の通路であり得る。方法110の一部として、通路は、回路基板からの電磁エネルギが、導波路を離れ、回路基板の要素に結合することを可能にする。
【0039】
[0050] 方法110の結合ポートは、方法100の結合ポートに類似した方法で機能し得るが、反対方向に動作する(例えば、方法100は、電磁エネルギを回路基板からガイドに入れさせるが、一方で、方法110は、電磁エネルギを、ガイドを離れて回路基板に向かわせる)。方法100と同様に、方法110の結合ポートは、ポートの所望のインピーダンスに基づく寸法を有し得る。ポートのインピーダンスは、ある程度は、導波路内に結合する回路基板からの電磁エネルギのパーセンテージに寄与し得る。ポートインピーダンスが、ポートがアンテナ装置に結合して出入りさせることができる電磁エネルギのパーセンテージに影響し得るため、ポートインピーダンスを最適化し、エネルギがアンテナ装置に効率的に出入りすることができるようにすることが望ましい場合がある。ポートインピーダンスの最適化は、ポート寸法を調整することによって制御され得る。
【0040】
[0051] ブロック116において、方法110は、回路基板の結合要素によって結合ポートから回路基板に受信された電磁エネルギの少なくとも一部分を結合することを含む。回路基板は、電磁エネルギを受信する少なくとも1つの要素を有し得る。いくつかの例では、この受信要素は、回路基板搭載パッチアンテナに機能的に類似し得る。さまざまな他のタイプの要素を使用して、回路基板から電磁エネルギを同様に放射してもよい。さまざまなアンテナ、パッチ、スロット、または他の放射要素を、本開示の文脈の範囲内で同様に使用してもよい。また、受信要素は、結合ポート内に電磁エネルギを放射し得る要素として機能してもよい(すなわち、該要素が双方向で機能してもよい)。
【0041】
[0052] 受信要素は、結合ポートからの電磁エネルギの少なくとも一部分を回路基板に変換する(すなわち、電磁エネルギを配線に沿って、または回路基板内部で伝搬させる)ように構成される。
【0042】
[0053]
図2A~Fの要素の配置は、本開示が用いられ得る例示のシステム及び配置として示されている。導波路及びアンテナの他の形状、配列、位置、スタイル、及び他の配置を、本明細書に開示されたPCB遷移結合ポートとともに使用してもよい。
【0043】
[0054]
図2Aは、複数の導波チャネル202の第1の半分を含む第1の金属層200の一例を図示する。これらの導波チャネル202は、多数の細長セグメント204を備え得る。各細長セグメント204の第1の端206には、各々が他の電磁波誘導部材に類似するかまたはそれとは異なるサイズを有する複数の同一線上の電磁波誘導部材208であってもよい。上記の説明に沿って、細長セグメント204の第1の端206は、本明細書においては、電波放射チャネルの第1の半分と称される場合がある。
【0044】
[0055] 第1の端206の反対のチャネル202の第2の端210において、細長セグメント204のうちの1つは、貫通孔212(すなわち、結合ポート)を含み得る。所与の量の電力を使用して、対応する量の電磁波(すなわち、エネルギ)を装置内に供給し得、貫通孔212は、これらの電磁波が装置内に供給される場所であり得る。上述の説明に沿って、入力ポートを含む導波チャネル202の単一のチャネル/セグメントは、本明細書においては、入力導波チャネルと称される場合がある。さらに、チャネル202の第2の端210は、本開示全体を通して述べられるように、減衰要素(ここでは図示せず)に結合され得る。
【0045】
[0056] 電磁波は装置に入ると、示されるように、概して電力分配器214のアレイ(すなわち、「ビーム形成ネットワーク」)に向かって、+x方向に進行する。アレイ214は、電磁波を分け、各細長セグメント204のそれぞれの第1の端206に、電磁波のそれぞれの部分を伝搬するように機能し得る。より具体的には、電磁波は、電磁波誘導部材208に向かってアレイ214を離れた後、+x方向に伝搬し続け得る。上述の説明に沿って、導波チャネルのアレイ214セクションは、本明細書においては、分波チャネルと称される場合がある。
【0046】
[0057] 電磁波の一部分が、導波チャネル202の各細長セグメント204の第1の端206の電磁波誘導部材208に到達すると、電磁波誘導部材208は、電磁エネルギのそれぞれのサブ部分を通して、導波チャネルの第2の半分まで(すなわち、示されるように、+z方向に)伝搬し得る。例えば、電磁エネルギはまず、第1の金属層200に凹設されるかまたはさらに機械加工された導波部材(すなわち、ポケット)に到達し得る。その凹部材は、さらに第1の端206に至るまでの後続の部材の各々よりもさらに少ない割合の電磁エネルギを伝搬するように構成され得、これは、凹部材ではなく凸部材であってもよい。
【0047】
[0058] さらに、各後続の部材は、その前にやって来る部材よりも、第1の端206のその特定の細長セグメント204まで進行する大きな割合の電磁波を伝搬するように構成され得る。このように、第1の端206のより遠い端の部材は、最も高い割合の電磁波を伝搬するように構成され得る。各導波部材208は、さまざまな寸法を有するさまざまな形状を取り得る。他の例では、1つを超える部材に凹部があってもよい(または、1つも部材がなくてもよい)。さらに他の例が同様に可能である。加えて、変動する細長セグメント数が可能である。
【0048】
[0059] 第2の金属層は、1つ以上の導波チャネルの第2の半分を包含し得、1つ以上の導波チャネルの第2の半分のそれぞれの部分は、1つ以上の導波チャネルの第1の半分の細長セグメントと略位置合わせされた細長セグメントと、細長セグメントの端において、少なくとも1つの電磁波誘導部材と位置合わせされ、少なくとも1つの電磁波誘導部材から第2の金属層の外に伝搬された電磁波を放射するように構成された少なくとも一対の貫通孔とを含む。
【0049】
[0060] 例中では、第2の半分の細長セグメントは、2つのセグメントがしきい値距離以内である場合、またはセグメントの中心がしきい値距離以内である場合、第1の半分の細長セグメントと略位置合わせされていると見なされ得る。例えば、2つのセグメントの中心が、互いに対して約±0.051mm以内である場合、セグメントは、略位置合わせされていると見なされ得る。
【0050】
[0061] 別の例では、2つの半分が組み合わせられると(すなわち、2つの金属層がともに接合されると)、セグメントの第1の半分の縁と、セグメントの第2の半分の対応する縁とが、互いに対して約±0.051mm以内である場合、セグメントの縁が略位置合わせされていると見なされ得る。
【0051】
[0062] さらに他の例では、2つの金属層を接合する場合、一方の層は、他方の層に対して角度を持たせ、それによって、それらの側部が互いに同一高にないようにされてもよい。そのような他の例では、2つの金属層、そしてひいてはセグメントの2つの半分は、角度オフセットが約0.5度を下回る場合、略位置合わせされていると見なされ得る。
【0052】
[0063] いくつかの実施形態では、少なくとも一対の貫通孔は、1つ以上の導波チャネルの第2の半分の細長セグメントに対して垂直であり得る。さらに、少なくとも一対の貫通孔のそれぞれの対が、第1の部分及び第2の部分を含み得る。このように、貫通孔の所与の対が、第1の部分において出会い、単一のチャネルを形成し得る。その単一のチャネルは、対応する導波部材によって伝搬された電磁波の少なくとも一部分を受信し、電磁波の少なくとも一部分を第2の部分に伝搬するように構成され得る。またさらには、第2の部分は、ダブレットとして構成された2つの出力ポートを含んでもよく、貫通孔の該対の第1の部分から電磁波の少なくとも該部分を受信し、2つの出力ポートの外に電磁波の少なくともその部分を伝搬するように構成されてもよい。
【0053】
[0064]
図2Bは、上記の第2の金属層220を図示する。第2の金属層220は、
図2Aに示された第1の金属層200の複数の導波チャネル202の第2の半分(すなわち、入力導波チャネル、分波チャネル、及び電波放射チャネルの第2の半分)を含み得る。示されるように、導波チャネル202の第2の半分は、チャネルの第1の半分の全体形態を取り、チャネルの2つの半分の正しい配列を容易にし得る。第2の半分222の細長セグメントは、電力分配器224のアレイの第2の半分を含み得る。上述のように、電磁波は、アレイ224を通って進行し得、ここでこれらは部分に分けられ、その後該部分は、細長セグメント222の第2の半分のそれぞれの端226に(すなわち、示されるように、+x方向に)進行する。
【0054】
[0065] さらに、所与の細長セグメントの端226は、貫通孔228の多数の対を含み得、これらは、第1の金属層200の電磁波誘導部材208と少なくとも部分的に位置合わせされ得る。より具体的には、貫通孔の各対は、対応する電磁波誘導部材と少なくとも部分的に位置合わせされ得、反射素子とも称され得、それによって、電磁波の所与のサブ部分が第1の金属層200から第2の金属層220に伝搬されると、上述のように、それらのサブ部分がその後、示されるように、-z方向に向かって貫通孔の対(すなわち、出力ポートの対)の外に放射される。再度、所与の導波部材と対応する出力ポートの対との組み合わせは、上述のように、DOEWGを形成し得る。
【0055】
[0066] また、すべてのDOEWGの組み合わせは、本明細書ではDOEWGアレイと称され得る。アンテナ理論において、アンテナがより大きな放射開口を有する場合(すなわち、表面積がDOEWGアレイを含む場合、どの程度のアンテナの表面積が放射するか)、そのアンテナは、より高いゲイン(dB)及びより狭いビーム幅を有し得る。このように、いくつかの実施形態では、より高いゲインのアンテナは、さらなるチャネル(すなわち、細長セグメント)を含み得、チャネルごとにさらなるDOEWGを有する。
図2A及び2Bに図示された例示のアンテナは、自律車両の目的に好適であり得るが(例えば、セグメントごとに5つのDOEWGを有する6つの細長セグメント)、他の実施形態も同様に可能であり得、そのような他の実施形態は、自動車用レーダを含むがこれに限定されないさまざまな用途のために設計/機械加工されてもよい。
【0056】
[0067] 例えば、そのような他の実施形態では、アンテナは、最低で単一のDOEWGを含み得る。この配置によって、出力ポートは、エネルギを全方向に(すなわち、低ゲイン、広いビーム幅)放射し得る。一般的には、セグメント/DOEWGの上限は、第1及び第2の金属層のために使用される金属のタイプによって決定され得る。例えば、高い抵抗を有する金属は、電磁波が導波チャネルを進行すると、電磁波を減衰させ得る。このように、より大きく、抵抗が高いアンテナ(例えば、さらなるチャネル、さらなるセグメント、さらなるDOEWG等)が設計されると、入力ポートを介してアンテナに導入されるエネルギは、あまり大きくないエネルギがアンテナの外に放射される程度まで減衰され得る。したがって、より大きなアンテナを設計するために、第1及び第2の金属層のために、より抵抗の低い(かつ、より導電性の高い)金属を使用することがある。例えば、本明細書に記載された実施形態では、第1及び第2の金属層のうちの少なくとも1つが、アルミニウムであり得る。さらに、他の実施形態では、第1及び第2の金属層のうちの少なくとも1つが、銅、銀、または別の導電材料であり得る。さらに、アルミニウム金属層は、アンテナ性能を高めるために、銅、銀、または他の低抵抗/高導電材料でメッキされ得る。他の例が同様に可能である。
【0057】
[0068] アンテナは、第1の金属層を第2の金属層に接合するように構成された少なくとも1つの留め具を含み得、それによって、1つ以上の導波チャネルを形成するために、1つ以上の導波チャネルの第1の半分を1つ以上の導波チャネルの第2の半分と位置合わせさせる(すなわち、複数の分波チャネルの第1の半分を複数の分波チャネルの第2の半分と位置合わせさせ、複数の電波放射チャネルの第1の半分を複数の電波放射チャネルの第2の半分と位置合わせさせる)。このことを容易にするために、いくつかの実施形態では、第1の金属層、第1の複数の貫通孔(
図2Aに図示せず)は、少なくとも1つの留め具を収容するように構成され得る。加えて、第2の金属層では、第2の複数の貫通孔(
図2Bに図示せず)は、第1の複数の貫通孔と略位置合わせされ、第2の金属層を第1の金属層に接合するための少なくとも1つの留め具を収容するように構成され得る。そのような実施形態では、少なくとも1つの留め具は、位置合わせされた第1及び第2の複数の貫通孔の中に設けられ、2つの金属層がともに接合されるような方法で固定され得る。
【0058】
[0069] いくつかの例では、少なくとも1つの留め具が、多数の留め具であってもよい。機械的留め具(及び、留め付けを容易にするための技術)、例えばねじ及び整列ピンを使用して、2つの金属層をともに接合し得る。さらに、いくつかの例では、2つの金属層は、それらの間に接着層なく互いに直接接合され得る。またさらには、2つの金属層は、接着、拡散接合、はんだ付け、ろう付け等とは異なる方法を使用してともに接合されてもよい。しかしながら、他の例では、そのような方法を、金属層を接合するための周知またはまだ周知でない任意の方法に加えて、またはそれに代えて使用し得ることが可能である。
【0059】
[0070] いくつかの実施形態では、第1及び/または第2の金属層の複数の貫通孔に加えて、またはそれらに代えて、第1の金属層に、及び/または第2の金属層に1つ以上の止まり孔が形成されてもよい。そのような実施形態では、1つ以上の止まり孔は、留め付けのために(例えば、ねじまたは整列ピンを収容するために)使用されてもよく、または他の目的のために使用されてもよい。
【0060】
[0071]
図2Cは、例示のアンテナ240の組立図を図示する。例示のアンテナ240は、第1の金属層200及び第2の金属層220を含み得る。第2の金属層220は、整列ピン、ねじ等を収容するように構成された複数の孔242(貫通孔及び/または止まり孔)を含み得る。第1の金属層200は、第2の金属層220の孔242と位置合わせされた複数の孔(図示せず)を同様に含み得る。
【0061】
[0072] さらに、
図2Cは、所与の幅246及び所与の長さ248のDOEWGアレイ244を図示し、これは、アンテナ240のDOEWG及びチャネルの数に基づいて変動し得る。例えば、一例の実施形態では、DOEWGアレイは、幅約11.43mm及び長さ約28.24mmを有し得る。さらに、そのような一例の実施形態では、これらの寸法は、例示のアンテナ240の他の寸法に加えて、またはそれらに代えて、約0.51mmもの誤差で機械加工され得るが、他の実施形態では、ある程度の誤差が必要とされる場合がある。DOEWGアレイの他の寸法が同様に可能である。さらに、いくつかの例では、他の形状にされた出力部が、放射素子用に使用されてもよい。
図2Cでは楕円で示されているが、放射素子は、任意の形状を取ることができ、形状は、本開示では重要ではない。いくつかの例では、放射素子は、正方形、円形、直線、z形等であってもよい。
【0062】
[0073] いくつかの実施形態では、第1及び第2の金属層200、220は、アルミニウム板(例えば、約6.35mmのストック)から機械加工され得る。そのような実施形態では、第1の金属層200は、少なくとも3mmの厚さ(例えば、約5.84mm~6.86mm)であってもよい。さらに、第2の金属層220は、6.35mmのストックから、厚さ約3.886mmまで機械加工され得る。他の厚さも同様に可能である。
【0063】
[0074] いくつかの実施形態では、2つの金属層200、220の接合は、2つの層の合わせ面の間に空隙または他の不連続部をもたらす場合がある。そのような実施形態では、この空隙または連続部は、アンテナ装置の長さの中心に近接する(または、おそらく可能な限り近い)可能性があり、約0.05mm以下のサイズを有し得る。
【0064】
[0075]
図2Dは、例示のアンテナ240の別の組立図を図示する。示されるように、第1の金属層200は、整列ピン、ねじ等を収容するように構成された複数の孔250(貫通孔及び/または止まり孔)を含み得る。複数の孔250のうちの1つ以上は、第2の金属層220の孔242と位置合わせされ得る。さらに、
図2Dは、入力結合ポート212を示し、ここで、アンテナ240は、1つ以上の導波チャネル202内に電磁波を受信し得る。加えて、
図2Dは、多数の結合ポート252をフィーチャする。結合ポート252は、第1の金属層200内部の導波路から、それぞれの結合ポートからの電磁エネルギを結合するPCB上の要素(
図2Dに図示せず)まで結合し得る。結合ポート212、252は、
図4Aの結合ポート404の形式を取り得る。
【0065】
[0076]
図2Eは、組み立てられた例示のアンテナの内側に形成された概念上の導波チャネル260を図示する。より特定的には、導波チャネル260は、
図2A及び2Bの導波チャネル202の形式を取る。例えば、チャネル260は、入力導波チャネル264への入力ポート262を含む。また、チャネル260は、分波チャネル266及び複数の放射ダブレット268(すなわち、DOEWGアレイ)を含む。上述のように、電磁波は、入力結合ポート262においてチャネル260に入ると、入力導波チャネル264を通って+x方向に向かって進行し、分波チャネル266によって(例えば、電力分配器によって)部分に分けられ得る。そして、電磁波のこれらの部分は、それぞれの放射ダブレット268に対して+x方向に進行し得、これらの部分のサブ部分は、出力ポートの対、例えば対270等を通して各DOEWGの外に放射される。
【0066】
[0077] 特定の電波放射チャネルでは、まず電磁波の一部分が、上述のように、凹状電磁波誘導部材272を有する第1のDOEWGを通して(すなわち、逆のステップ、または「ウェル」)を通して伝搬され得る。この凹状電磁波誘導部材272は、特定の電波放射チャネルのDOEWGのすべての部材の最も少ない割合のエネルギを放射するように構成され得る。いくつかの例では、後続の電磁波誘導部材274は、各後続のDOEWGがその前にやって来るDOEWGよりも高い割合の残余のエネルギを放射することができるように(例えば、凹状ではなく凸状に)形成されてもよい。別の方法を述べると、各電磁波誘導部材272、274は、概して、「ステップカット」として水平(+x方向)チャネル(すなわち、電波放射チャネル、または上記で言及されたような「細長セグメント」の「第1の端」)に形成され、アンテナによって、放射されたエネルギ量対アンテナまで伝送されたエネルギ量を調整するために使用され得る。
【0067】
[0078] いくつかの実施形態では、所与のDOEWGは、エネルギのしきい値レベルを超えて放射することが可能ではない場合があり、エネルギのしきい値レベルを下回って放射することが可能ではない場合がある。これらのしきい値は、DOEWG要素(例えば、電磁波誘導部材、水平チャネル、垂直チャネル、2つの出力ポート間のブリッジ等)の寸法に基づいて変動し得るか、またはアンテナに関連付けられた他の要因に基づいて変動し得る。
【0068】
[0079] いくつかの実施形態では、第1及び第2の金属層は、導波チャネル260のさまざまな側部が丸められた縁、例えば縁276、278、及び280等を有するように機械加工され得る。
【0069】
[0080]
図2Eには、結合ポート282及びPCBベースの結合要素284の両方がさらに示される。PCBベースの結合要素284は、結合ポート282に結合され得る。そして、結合ポート282は、分波チャネル266の細長セグメント222に結合され得る。PCBベースの結合要素284及び結合ポート282の設計が、
図4A及び4Bに関してさらに述べられる。
【0070】
[0081]
図3Aは、例示の実施形態による、例示のアンテナの分波チャネル300のネットワークを図示する。
図3Bは、例示の実施形態による、分波チャネル300のネットワークの代替図を図示する。
【0071】
[0082] いくつかの実施形態では、分波チャネル300のネットワーク(例えば、上記で言及されたようなビーム形成ネットワーク)は、
図3Aに示されるような、電力分配器のツリーの形式を取り得る。エネルギは、入力導波チャネルを通してアンテナに入り得、各電力分配器、例えば電力分配器302において、エネルギのより小さな部分に分けられ(すなわち、分割され)、後続の電力分配器を介して複数回分けられ、それによって、それぞれのエネルギ量が電波放射チャネルの各々に供給されるようにし得る(示されるような、エネルギA~F)。所与の電力分配器で分けられたエネルギ量は、電力分割率(すなわち、分割後、どの程度のエネルギが1つのチャネル304に行くか、に対し、どの程度のエネルギが別のチャネル306に行くか)によって制御され得る。所与の電力分割率は、対応する電力分配器の寸法に基づいて調整され得る。
【0072】
[0083] 例中では、2つのチャネル304、306間でエネルギを分けるための技法は、例えば
図3Aの底部に示されるチャネルの構造(例えば「4つのポート分岐線路カプラ」)を使用することであり得る。そのような技法及び構造設計は、
図3A及び3Bに示されるように、チャネルの端の減衰要素310及び結合ポート308を含み得、結合ポート308の各々が、チャネルを通して後方に戻るエネルギを、減衰要素310のうちの1つに結合するように構成される。減衰要素310は、戻されたエネルギを吸収するように構成され得る。減衰要素310及び結合ポート308の設計が、
図4Bに関してさらに述べられる。
【0073】
[0084]
図4Aは、結合ポート404、減衰要素410、及び結合要素408を備える例示の導波路402の終端を図示する。減衰要素410は、PCB406上に搭載され得る(例えば、減衰要素410は、PCB上の金属配線であり得る)。PCBは、
図2Dにしめされたもののように、アンテナの底面に搭載され得る。さらに、
図4Aは、結合ポート404の使用の一例を図示する。また、結合ポート404は、ここで開示されたアンテナ装置以外のケースで使用されてもよい。例えば、結合ポート404は、電磁信号が導波路の中に、及び/または外に結合される任意のケースで使用されてもよい。さらに、本明細書に開示されたような結合ポート404はまた、PCBからの信号を、導波ビーム形成ネットワークの使用なしに、アンテナ等の放射構造に効率的に結合するために使用され得る。
【0074】
[0085]
図4Aは、結合要素408を減衰要素410に接続された差動対として備えて示されるが、他の例では、結合要素408は、異なる形状、例えば単一のパッチ(
図4Bに関して述べられている)であってもよい。加えて、結合要素408は、アンテナユニットによって伝送するための電磁信号を供給することと、電磁信号を導波路から減衰要素に結合することとの両方を行うことか可能であり得る双方向要素であってもよい。
【0075】
[0086]
図4Aの導波路402は、導波路細長セグメント、例えば、
図2Aの細長セグメント204の一部分であってもよい。より具体的には、
図4Aの導波路402は、供給を含まない細長セグメントのうちの1つであってもよい。先に述べたように、アンテナの動作中、放射要素によって放射されていないいくらかの電磁エネルギは、導波路に反射し戻され得る。反射電磁エネルギを除去するために、導波路402は、結合ポート404に結合され得る。結合ポート404は、導波路402の平面に対して垂直に、かつ平面の外に配列され得る。結合ポート404は、結合要素408によって、反射電磁エネルギを、PCB406上に位置する減衰要素(ここでは線路410として示される)に結合するように構成され得る。
【0076】
[0087] いくつかの例では、
図4Aに示されるように、各結合ポート404は、導波路のインピーダンスを整合(または、ほぼ一層整合)させるような形状にされ得る。インピーダンス整合によって、導波路402から結合ポート404に結合された反射電磁エネルギ量が最大化され得る。例えば、結合ポート404は、正しいインピーダンス整合を達成するための異なる寸法である部分を有し得る。さらに、アンテナユニットが多数の結合ポートを有するケースでは、各結合ポートは、各自の結合ポートに対して所望されるインピーダンス整合に基づくそれら自体の寸法を有し得る。
【0077】
[0088] 結合ポート404は、結合ポート404の残余の部分よりも狭窄した寸法を有するネック418を有して示される。この例では、ネック418を狭窄させることによって、結合ポート404のインダクタンスを増大させる。インダクタンスの増大を使用して、結合要素408のインピーダンスを導波路402のインピーダンスと整合(または、ほぼ一層整合)させ得る。インピーダンスが整合されると、導波路402と結合要素408との間の電磁エネルギの電力伝達が最大化され得る。結合ポート404の幅を広げることによって、結合ポート404のキャパシタンスが増大し得る。特定の実施形態に依存して、結合ポート404の寸法は、導波路402と結合要素408との間のインピーダンス整合のために設計され得る。
【0078】
[0089] 加えて、結合ポート404及び結合要素408は、導波路の底部に結合して示される。他の例では、結合ポート404、PCB406、及び結合要素408の配列は、異なる配列を有していてもよい。例えば、導波路の側部または端部に対して同様に結合してもよい(すなわち、導波層の平面の方向に対して直角に結合される)。
【0079】
[0090] 結合ポート404を作成するために、結合ポート404は、結合ポート404の上部側と結合ポート404の底部側との両方から機械加工され得る。両方の側から機械加工されることができる寸法を有する結合ポート404を設計することによって、インピーダンス整合機能を行うと同時に、製造が比較的簡易である結合ポート404を作成し得る。機械加工の複雑さを低減し得る、結合ポートの上部側及び底部側の両方から機械加工され得るポートを有する、さらに複雑なバージョンの結合ポートを同様に設計し得る。
【0080】
[0091] 先に述べたように、結合要素408は、導波路からの反射電磁エネルギの少なくとも一部分を、結合ポート404を通して、減衰要素410に結合するように構成される。このように、結合要素408が反射電磁エネルギの少なくとも一部分を結合すると、結合要素408は、基本的には、受信アンテナの役割を果たし得る。結合要素408は、導波路からの反射電磁エネルギの少なくとも一部分を受信し、それを、結合ポートを通して結合する。
【0081】
[0092] 他の例では、結合ポート404は、電磁エネルギを導波路に導入するように機能し得る。この例では、要素408は、PCB406上の供給配線(図示せず)からの電磁エネルギの少なくとも一部分を、結合ポート404を通して、導波路402に結合するように構成される。このように、結合要素408が電磁エネルギの少なくとも一部分を結合すると、結合要素408は、基本的には伝送アンテナの役割を果たし得る。結合要素408は、供給配線からの電磁エネルギの少なくとも一部分を伝送し、それを、結合ポートを通して結合する。
【0082】
[0093] さまざまな異なる例では、結合要素408は、異なる形態を取り得る。例えば、結合要素408は、
図4Aに示されるように、金属性のループ形構造体であってもよい。結合要素408は、アンテナと同じように機能し得、すなわち、結合要素408が電磁エネルギ(すなわち、電磁波)を送受信することが可能であり得る。機能的には、一例では、結合要素408は、導波路から案内された電磁波を、導波路の外に案内された電磁波に変換する(例えば、電磁波を減衰要素に結合する)ように構成された要素であってもよい。別の例では、結合要素408は、導波路の外側から案内された電磁波を、導波路内に案内された電磁波に変換するように構成された要素であってもよい。
【0083】
[0094] さまざまな例では、結合要素408は、さまざまな方法で、さまざまな材料によって作られ得る。
図4Bに示されるように、結合要素は、回路基板406上の金属配線(またはパッチ)であってもよい。しかしながら、他の例では、結合要素は、PCBに取り付けられた離散要素であってもよい。例えば、結合要素は、金属でコーティングされるか、めっきされるか、またはさもなければ重ね合わせられたセラミックで形成され得る。結合要素408は、スタンピングされた金属、曲げられた金属、または他の別の金属構造体からも形成され得る。いくつかの付加的な例では、結合要素408自体が、PCB406上に搭載された面であり得る第2の回路基板上の金属細片または要素であってもよい。
【0084】
[0095] このように、導波路内の電磁波から導波路内ではない電磁波への電磁波の変換を行わせるように機能することができ、結合要素408(または、結合要素412)に取って代わることができる多くの構造体がある。
【0085】
[0096] いくつかの例では、結合要素408は、(i)導波路の外側からの信号を導波路内に結合することと、(ii)導波路の内側からの信号を導波路の外に結合することとの両方を行うように機能する双方向カプラであってもよい。
【0086】
[0097] いくつかのさらなる例では、結合要素408は、導波路の外側からの差動モード信号を導波路内に結合するように構成され得る。いくつかの付加的な例では、結合要素408は、導波路の内側からの信号を、差動モード信号として導波路の外に結合するように構成され得る。
【0087】
[0098] いくつかの付加的な例では、結合要素408は、導波路の外側からの単一のモード信号を導波路内に結合するように構成され得る。いくつかの付加的な例では、結合要素408は、導波路の内側からの信号を、単一のモード信号として導波路の外に結合するように構成され得る。
【0088】
[0099] さまざまな実施形態では、結合要素408は、結合要素408がその入力部と出力部との間を結合する電磁エネルギのパーセンテージを最適化するインピーダンスを有するように設計され得る。
【0089】
[0100]
図4Bは、回路基板406上の2つの異なるタイプの結合要素408及び412の、上から下を見た図を示す。先に述べたように、結合要素408は、差動対である。結合要素412は、PCB406上のパッチである。
図4Bに示されるように、結合要素408は、差動対線路416Aに結合される。差動対線路416Aは、結合要素408からの反射電磁エネルギを放散するか、電磁エネルギを結合要素408に供給するか、または結合要素408が双方向モードで動作するときは、電磁エネルギの供給および放散の両方を行うように構成され得る。同様に、単一の線路416Bが、結合要素412からの反射電磁エネルギを放散するか、電磁エネルギを結合要素412に供給するか、または結合要素412が双方向モードで動作するときは、電磁エネルギの供給および放散の両方を行うように構成されてもよい。
【0090】
[0101]
図4Bには、接地点414がさらに示される。接地点414は、PCB406に対する電気的接地を導入するために使用され得る点である。接地点414は、導波ブロック、例えば
図2Dに示された導波ブロックの底部との電気接触を形成する。
【0091】
[0102] 減衰要素410は、導波ブロック構造体の外側か、またはその外部表面上に位置する回路基板406上に配設される。減衰要素410は、結合要素408からの反射電磁エネルギの少なくとも一部分を受信し得る。いくつかの例では、減衰要素410の表面は、反射電磁エネルギの一部分を吸収することを含むように構成され得る。いくつかのさらなる例では、減衰要素は、回路基板上に少なくとも1つのマイクロストリップ線路を含み得る。またさらには、減衰要素は、回路基板上にプリントされた導電インクを含み得る。
【0092】
[0103] 導波チャネル、導波チャネルの部分、導波チャネルの側部、電磁波誘導部材等の他の形状及び寸法が同様に可能であることが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、導波チャネルの矩形形状は、製造のために非常に便利であり得るが、周知であるかまたはまだ周知ではない他の方法が、同等かまたはより多大な利便性を有する導波チャネルを製造するために実施されてもよい。
【0093】
[0104] 本明細書に記載された配置は、例示のみを目的とすることが理解されるべきである。このように、当業者には、他の配置及び他の素子(例えば、機械、装置、インターフェース、機能、順序、及び機能のグルーピング等)を代わりに使用することができ、いくつかの素子は、所望の結果によってまとめて省略し得ることが明らかであろう。さらに、説明された素子の多くが、離散型または分散型要素として、または他の要素と併用して、任意の好適な組み合わせ及び場所で実装され得る機能的実体である。
【0094】
[0105] さまざまな態様及び実施形態を本明細書に開示してきたが、当業者には、他の態様及び実施形態が明らかであろう。本明細書に開示されたさまざまな態様及び実施形態は、例証を目的とし、限定を意図しておらず、その範囲は以下の請求項によって示される。