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特許7212661多層基板表面処理層構造及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-01-17
(45)【発行日】2023-01-25
(54)【発明の名称】多層基板表面処理層構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/34 20060101AFI20230118BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20230118BHJP
   H05K 3/24 20060101ALI20230118BHJP
   H05K 3/28 20060101ALI20230118BHJP
【FI】
H05K3/34 501D
H01L23/12 Z
H05K3/34 502D
H05K3/24 A
H05K3/28 B
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2020195834
(22)【出願日】2020-11-26
(65)【公開番号】P2022039889
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】109129659
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】513311619
【氏名又は名称】巨擘科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PRINCO CORP.
【住所又は居所原語表記】No.6, CREATION 4TH Rd.,HSINCHU SCIENCE-BASED INDUSTRY PARK,HSINCHU CITY 300,TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】邱 丕良
【審査官】柴垣 宙央
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-212912(JP,A)
【文献】特開2002-343931(JP,A)
【文献】特開2006-093271(JP,A)
【文献】特開2013-070043(JP,A)
【文献】特開2004-063929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/34
H01L 23/12
H05K 3/24
H05K 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層と、
該誘電体層に形成されるか又は一部が該誘電体層に内嵌される少なくとも1つのパッド層と、
該少なくとも1つのパッド層に形成されて該パッド層と接合され、主に該少なくとも1つのパッド層の上面のみを被覆し、外部素子と溶接又は接触する領域とする少なくとも1つの保護金属層と、
該誘電体層に形成されて該少なくとも1つの保護金属層を露出するために少なくとも1つの開孔を有するソルダーレジスト層と、を含み、
該ソルダーレジスト層の上面が該少なくとも1つのパッド層の該上面よりも低い多層基板表面処理層構造。
【請求項2】
該少なくとも1つの開孔の面積が該少なくとも1つの保護金属層の面積と等しい又はより広い請求項1に記載の構造。
【請求項3】
該誘電体層の材質がポリイミドである請求項1に記載の構造。
【請求項4】
該少なくとも1つのパッド層の材質が銅である請求項1に記載の構造。
【請求項5】
該少なくとも1つの保護金属層の材質がクロム、ニッケル、パラジウム及び金からなる群から選ばれる1つである請求項1に記載の構造。
【請求項6】
下から上に積層されてなる複数のパッド層を含み、該ソルダーレジスト層の上面がこれらのパッド層の該上面よりも低い請求項1に記載の構造。
【請求項7】
誘電体層と、
該誘電体層に形成されるか又は一部が該誘電体層に内嵌される少なくとも1つのパッド層と、
該少なくとも1つのパッド層に形成されて該パッド層と接合され、主に該少なくとも1つのパッド層の上面のみを被覆し、外部素子と溶接又は接触する領域とする少なくとも1つの保護金属層と、
該誘電体層に形成されて該少なくとも1つの保護金属層を露出するために少なくとも1つの開孔を有するソルダーレジスト層と、を含み、
該ソルダーレジスト層の上面が該少なくとも1つの保護金属層の上面よりも低く且つ該少なくとも1つのパッド層の該上面よりも高い多層基板表面処理層構造。
【請求項8】
誘電体層を提供するステップと、
該誘電体層に少なくとも1つのパッド層を形成するステップと、
該少なくとも1つのパッド層に少なくとも1つの保護金属層を形成するステップであって、該少なくとも1つの保護金属層が主に該少なくとも1つのパッド層の上面のみを被覆し、該少なくとも1つの保護金属層は外部素子と溶接又は接触する領域とするステップと、
該誘電体層にソルダーレジスト層を形成するステップであって、該ソルダーレジスト層が該少なくとも1つの保護金属層を露出するために少なくとも1つの開孔を有するステップと、を含み、
該誘電体層に該少なくとも1つのパッド層を形成するステップは、
該誘電体層にフォトレジスト層を形成することと、
該フォトレジスト層をパターン化し、該フォトレジスト層に少なくとも1つの凹溝を形成することと、該少なくとも1つの凹溝に該少なくとも1つのパッド層を形成することと、を含み、
該少なくとも1つのパッド層に該少なくとも1つの保護金属層を形成するステップは、
該少なくとも1つのパッド層に少なくとも1つの保護金属層を形成することと、
該フォトレジスト層を除去することと、を含み、
該フォトレジスト層をパターン化し、該フォトレジスト層に該少なくとも1つの凹溝を形成するステップの後に、
該少なくとも1つのパッド層の一部を該誘電体層に形成させるように、該少なくとも1つの凹溝の下方の該誘電体層の一部又は全部を除去するステップをさらに含む多層基板表面処理層構造の製造方法。
【請求項9】
該少なくとも1つのパッド層及び該少なくとも1つの保護金属層が電解めっき、無電解めっき又は物理気相成長法により形成される請求項に記載の方法。
【請求項10】
該誘電体層に該ソルダーレジスト層を形成するステップは、
該誘電体層及び該少なくとも1つの保護金属層に該ソルダーレジスト層を形成することであって、該ソルダーレジスト層が該誘電体層及び該少なくとも1つの保護金属層を被覆することと、
該ソルダーレジスト層に該少なくとも1つの保護金属層を露出させるように、該ソルダーレジスト層に該少なくとも1つの開孔を形成することと、を含む請求項に記載の方法。
【請求項11】
該ソルダーレジスト層が該少なくとも1つの保護金属層の上面の一部を被覆する請求項に記載の方法。
【請求項12】
該少なくとも1つの開孔の面積が該少なくとも1つの保護金属層の面積と等しい又はより広い請求項に記載の方法。
【請求項13】
該誘電体層の材質がポリイミドである請求項に記載の方法。
【請求項14】
該少なくとも1つのパッド層の材質が銅である請求項に記載の方法。
【請求項15】
該少なくとも1つの保護金属層の材質がクロム、ニッケル、パラジウム及び金からなる群から選ばれる1つである請求項に記載の方法。
【請求項16】
誘電体層を提供するステップと、
該誘電体層に少なくとも1つのパッド層を形成するステップと、
該少なくとも1つのパッド層に少なくとも1つの保護金属層を形成するステップであって、該少なくとも1つの保護金属層が主に該少なくとも1つのパッド層の上面のみを被覆し、該少なくとも1つの保護金属層は外部素子と溶接又は接触する領域とするステップと、
該誘電体層にソルダーレジスト層を形成するステップであって、該ソルダーレジスト層が該少なくとも1つの保護金属層を露出するために少なくとも1つの開孔を有するステップと、を含み、
該ソルダーレジスト層の上面が該少なくとも1つのパッド層の該上面よりも低い多層基板表面処理層構造の製造方法。
【請求項17】
誘電体層を提供するステップと、
該誘電体層に少なくとも1つのパッド層を形成するステップと、
該少なくとも1つのパッド層に少なくとも1つの保護金属層を形成するステップであって、該少なくとも1つの保護金属層が主に該少なくとも1つのパッド層の上面のみを被覆し、該少なくとも1つの保護金属層は外部素子と溶接又は接触する領域とするステップと、
該誘電体層にソルダーレジスト層を形成するステップであって、該ソルダーレジスト層が該少なくとも1つの保護金属層を露出するために少なくとも1つの開孔を有するステップと、を含み、
該ソルダーレジスト層の上面が該少なくとも1つの保護金属層の上面よりも低く且つ該少なくとも1つのパッド層の該上面よりも高い多層基板表面処理層構造の製造方法。
【請求項18】
誘電体層を提供するステップと、
該誘電体層に少なくとも1つのパッド層を形成するステップと、
該少なくとも1つのパッド層に少なくとも1つの保護金属層を形成するステップであって、該少なくとも1つの保護金属層が主に該少なくとも1つのパッド層の上面のみを被覆し、該少なくとも1つの保護金属層は外部素子と溶接又は接触する領域とするステップと、
該誘電体層にソルダーレジスト層を形成するステップであって、該ソルダーレジスト層が該少なくとも1つの保護金属層を露出するために少なくとも1つの開孔を有するステップと、を含み、
該誘電体層に該少なくとも1つのパッド層を形成するステップは、
該誘電体層に下から上に積層されてなる複数のパッド層を形成することであって、該ソルダーレジスト層の上面がこれらのパッド層の上面よりも低いことを含む多層基板表面処理層構造の製造方法。
【請求項19】
誘電体層を提供するステップと、
該誘電体層に少なくとも1つの凹溝を形成するステップと、
該少なくとも1つの凹溝にパッド層を形成するステップであって、該パッド層が該誘電体層に内嵌されるステップと、
該少なくとも1つのパッド層に少なくとも1つの保護金属層を形成するステップであって、該少なくとも1つの保護金属層が主に該少なくとも1つのパッド層の上面のみを被覆し、該少なくとも1つの保護金属層は外部素子と溶接又は接触する領域とし、該少なくとも1つの保護金属層が該誘電体層にも内嵌されるステップと、を含む多層基板表面処理層構造の製造方法。
【請求項20】
該少なくとも1つの保護金属層を形成するステップの後に、
該誘電体層にソルダーレジスト層を形成するステップであって、該ソルダーレジスト層が該少なくとも1つの保護金属層を露出するために少なくとも1つの開孔を有するステップをさらに含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
該誘電体層の材質がポリイミドである請求項19に記載の方法。
【請求項22】
該少なくとも1つのパッド層の材質が銅である請求項19に記載の方法。
【請求項23】
該少なくとも1つの保護金属層の材質がクロム、ニッケル、パラジウム及び金からなる群から選ばれる1つである請求項19に記載の方法。
【請求項24】
基板を提供するステップと、
該基板に感光性誘電体層を形成するステップと、
該感光性誘電体層をパターン化し、該感光性誘電体層に少なくとも1つの凹溝を形成するステップと、
該少なくとも1つの凹溝に少なくとも1つのパッド層を形成するステップと、
該パッド層に少なくとも1つの保護金属層を形成するステップであって、該少なくとも1つの保護金属層が主に該少なくとも1つのパッド層の上面のみを被覆し、該少なくとも1つの保護金属層は外部素子と溶接又は接触する領域とするステップと、を含み、
該感光性誘電体層に該少なくとも1つの凹溝を形成するステップの後に、
該感光性誘電体層にフォトレジスト層を形成するステップと、
該フォトレジスト層をパターン化して、該感光性誘電体層の該凹溝の上方のフォトレジストを除去するステップと、をさらに含み、
該少なくとも1つの凹溝に該少なくとも1つのパッド層を形成するステップは、
該感光性誘電体層及び該フォトレジスト層により形成された少なくとも1つの凹溝において、該少なくとも1つのパッド層を形成することであって、該少なくとも1つのパッド層が該感光性誘電体層及び該フォトレジスト層により形成された該少なくとも1つの凹溝の制限で、両端から外へ広がることがないことを含み、
該パッド層に該少なくとも1つの保護金属層を形成するステップは、
該フォトレジスト層を除去することと、を含む多層基板表面処理層構造の製造方法。
【請求項25】
該少なくとも1つの保護金属層を形成するステップの後に、
該感光性誘電体層にソルダーレジスト層を形成するステップであって、該ソルダーレジスト層が該少なくとも1つの保護金属層を露出するために少なくとも1つの開孔を有するステップをさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
該少なくとも1つのパッド層及び該少なくとも1つの保護金属層が電解めっき、無電解めっき又は物理気相成長法により形成される請求項24に記載の方法。
【請求項27】
該感光性誘電体層の主な材質がポリイミドである請求項24に記載の方法。
【請求項28】
該少なくとも1つのパッド層の材質が銅である請求項24に記載の方法。
【請求項29】
該少なくとも1つの保護金属層の材質がクロム、ニッケル、パラジウム及び金からなる群から選ばれる1つである請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層基板の技術分野に関し、特に多層基板表面処理層構造及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、図1は従来技術の多層基板表面処理層構造を示す図である。
【0003】
該多層基板表面処理層構造は、誘電体層100、導電性シード層102、パッド層(pad layer)104、保護金属層106及びソルダーレジスト層(solder mask layer)108を含む。
【0004】
該多層基板表面処理層構造を製造する際に、フォトレジスト層(図示せず)により該誘電体層100の上方に凹溝110を形成し、スパッタリング又は蒸着などの乾式法により該導電性シード層102を該凹溝110の底部に形成するとともに、該誘電体層100と接合され、該導電性シード層102がパッド層104のシード(seed)として、次いで該フォトレジスト層(図示せず)を除去し、電解めっき(electroplating)又は無電解めっき(electroless plating)により、該導電性シード層102を中心に上方及び傍へ該パッド層104を成長させ、電解めっき又は無電解めっきにより該パッド層104の上方及び傍に該パッド層104を完全に被覆するように該保護金属層106を形成し、最後に該ソルダーレジスト層108を形成して該保護金属層106の一部又は全部を露出させる。
【0005】
外部素子を銅材質のパッド層104に溶接する場合に、半田材又は他のフラックスを用いて該外部素子と該パッド層104とを固着し、該保護金属層106の目的は半田材又は他のフラックスと該パッド層104の銅とを接触して互いに溶融して金属間化合物(InterMetallicCompound,IMC)を形成することで、該多層基板表面処理層の構造が弱くなり、製品信頼度を低減させることを防止することにある。
【0006】
図2に示すように、図2は別の従来技術の多層基板表面処理層構造を示す図である。
【0007】
図2の多層基板表面処理層構造と図1の多層基板表面処理層構造との相違は、該導電性シード層102を形成した後に、フォトレジスト層(図示せず)を除去せずに、電解めっき又は無電解めっきにより該導電性シード層102に該パッド層104を形成した後、該フォトレジスト層(図示せず)を除去することにある。
【0008】
図1及び図2の多層基板表面処理層構造において、該ソルダーレジスト層108を形成し、該ソルダーレジスト層108に凹溝110を形成し、該凹溝110に該導電性シード層102、該パッド層104及び該保護金属層106を形成する。先にパッド層104及び保護金属層106を形成した後ソルダーレジスト層108を形成してもよく、ソルダーレジスト層108で開口して、保護金属層106を露出させる。
【0009】
しかしながら、電解めっき又は無電解めっきにより該パッド層104及び該保護金属層106を形成する際に、該導電性シード層102の傍に広がることで、図1に示すように、該パッド層104及び該保護金属層106が広くなる。一般的に、該パッド層104の厚さが10マイクロメートル(micrometer,μm)である場合に、該パッド層104の一端の幅が該導電性シード層102よりも外へ2~4マイクロメートル広がり、つまり該パッド層104全体(両端)の幅が該導電性シード層102よりも外へ4~8マイクロメートル広がる。該保護金属層106全体(両端)の幅が該導電性シード層102よりも外へ6~10マイクロメートル広がる。
【0010】
図2の多層基板表面処理層構造において、該保護金属層106全体(両端)の幅も該導電性シード層102よりも外へ6~10マイクロメートル広がる。
【0011】
なお、電解メッキ又は無電解メッキにより該パッド層104及び該保護金属層106を形成する際に、溶液中で行う必要があるため、濃度、温度、材質などを含む多くの要因が該パッド層104及び該保護金属層106の外へ広がる範囲に影響を与え、最終的に保護金属層を含むパッド層の大きさの制御が困難になる。
【0012】
また、集積回路の配線距離が急速に微細化になる時代に、超急速集積回路ウエハの微細化速度に対応するために、隣接するパッド層の横方向ピッチがますます小さくなり、微細化速度は、4年前には約10ナノメートル(nanometer,nm)であり、今日では約5ナノメートルであり、西暦2026年後には2ナノメートル又は1ナノメートルまで進むことが予想される。ウエハの微細化に対応するため、ダイセルの隣接する導電性接点のピッチも急速に縮小し、現在の80~100ミクロンから5年後には30ミクロン以下になると予想される。隣り合うパッド層(ダイセルの導電性接点と電気的に接続するための)のピッチが30μm以下である場合に、パッド層の幅が18μm未満となり、電解めっき又は無電解めっきの予測できない広がりが、図1及び図2のパッド層104及び保護金属層106の微細化の障害となる。
【0013】
そのため、上記のような従来技術の問題に対して解決方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、従来技術における問題を解決することができる多層基板表面処理層構造及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の多層基板表面処理層構造は、誘電体層と、該誘電体層に形成されるか又は該誘電体層内に部分が内嵌される少なくとも1つのパッド層と、該少なくとも1つのパッド層に形成されて該パッド層と接合され、主に該少なくとも1つのパッド層の上面のみを被覆し、外部素子と溶接又は接触する領域とする少なくとも1つの保護金属層と、該誘電体層に形成されて該少なくとも1つの保護金属層を露出するために少なくとも1つの開孔を有するソルダーレジスト層と、を含む。
【0016】
本発明の多層基板表面処理層構造は、誘電体層と、該誘電体層に内嵌される少なくとも1つのパッド層と、該少なくとも1つのパッド層に形成されて該パッド層と接合され、主に該少なくとも1つのパッド層の上面のみを被覆し、外部素子と溶接又は接触する領域とし、該誘電体層内にも内嵌される少なくとも1つの保護金属層と、を含む。
【0017】
本発明の多層基板表面処理層構造の製造方法は、誘電体層を提供するステップと、該誘電体層に少なくとも1つのパッド層を形成するステップと、該少なくとも1つのパッド層に少なくとも1つの保護金属層を形成するステップであって、該少なくとも1つの保護金属層が主に該少なくとも1つのパッド層の上面のみを被覆し、該少なくとも1つの保護金属層は外部素子と溶接又は接触する領域とするステップと、該誘電体層にソルダーレジスト層を形成するステップであって、該ソルダーレジスト層が該少なくとも1つの保護金属層を露出するために少なくとも1つの開孔を有するステップと、を含む。
【0018】
本発明の多層基板表面処理層構造の製造方法は、誘電体層を提供するステップと、該誘電体層に少なくとも1つの凹溝を形成するステップと、該少なくとも1つの凹溝には該誘電体層に内嵌されるパッド層を形成するステップと、該少なくとも1つのパッド層に少なくとも1つの保護金属層を形成するステップであって、該少なくとも1つの保護金属層が主に該少なくとも1つのパッド層の上面のみを被覆し、該少なくとも1つの保護金属層は外部素子と溶接又は接触する領域とし、該少なくとも1つの保護金属層が該誘電体層にも内嵌されるステップと、を含む。
【0019】
本発明の多層基板表面処理層構造の製造方法は、基板を提供するステップと、該基板に感光性誘電体層を形成するステップと、該感光性誘電体層をパターン化し、該感光性誘電体層に少なくとも1つの凹溝を形成するステップと、該少なくとも1つの凹溝に少なくとも1つのパッド層を形成するステップと、該パッド層に少なくとも1つの保護金属層を形成するステップであって、該少なくとも1つの保護金属層が主に該少なくとも1つのパッド層の上面のみを被覆し、該少なくとも1つの保護金属層は外部素子と溶接又は接触する領域とするステップと、を含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明の多層基板表面処理層構造及びその製造方法において、保護金属層が主にパッド層の上面のみを被覆し、パッド層の両端から外へ広がることがなく、該パッド層及び該保護金属層の本来の機能にも影響しないため、従来技術においてパッド層が予測できないほど広がって微細化できないという問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は従来技術の多層基板表面処理層構造を示す図である。
図2図2は別の従来技術の多層基板表面処理層構造を示す図である。
図3図3は本発明の一実施例に係る多層基板表面処理層構造を示す図である。
図4図4は本発明の別の実施例に係る多層基板表面処理層構造を示す図である。
図5図5は本発明のさらに別の実施例に係る多層基板表面処理層構造を示す図である。
図6図6は本発明のさらなる一実施例に係る多層基板表面処理層構造を示す図である。
図7図7は本発明の一実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法のフローチャートを示す図である。
図8A図8Aは本発明の一実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図8B図8Bは本発明の一実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図8C図8Cは本発明の一実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図8D図8Dは本発明の一実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図8E図8Eは本発明の一実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図8F図8Fは本発明の一実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図9A図9Aは本発明の別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図9B図9Bは本発明の別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図9C図9Cは本発明の別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図9D図9Dは本発明の別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図9E図9Eは本発明の別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図9F図9Fは本発明の別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図9G図9Gは本発明の別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図10A図10Aは本発明のさらに別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図10B図10Bは本発明のさらに別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図10C図10Cは本発明のさらに別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図10D図10Dは本発明のさらに別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図11A図11Aは本発明のさらなる一実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図11B図11Bは本発明のさらなる一実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図11C図11Cは本発明のさらなる一実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図11D図11Dは本発明のさらなる一実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図11E図11Eは本発明のさらなる一実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図12A図12Aは本発明のさらなる別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図12B図12Bは本発明のさらなる別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図12C図12Cは本発明のさらなる別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図12D図12Dは本発明のさらなる別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図12E図12Eは本発明のさらなる別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図12F図12Fは本発明のさらなる別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
図12G図12Gは本発明のさらなる別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の目的、技術的解決手段及び効果をより明瞭、明確にするために、以下では図面及び実施例を参照しながら本発明をさらに詳細に説明する。本明細書で説明される具体的な実施例は、本発明を解釈するためだけのものであり、本発明の明細書で使用される「実施例」という用語は、実例、例示又は例として役立つことを意味し、本発明を限定するためのものではないことを理解されたい。さらに、本発明の明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」及び「an」は、単数形が特に指定されない限り、又は文脈から明らかに特定されない限り、「1つまたは複数」を意味すると一般的に解釈され得る。また、添付図面において、類似又は同一の構造、機能を持つ要素は、同じ要素番号で示される。
【0023】
図3を参照すると、図3は本発明の一実施例に係る多層基板表面処理層構造30を示す図である。
【0024】
該多層基板表面処理層構造30は、誘電体層300、少なくとも1つのパッド層(本実施例ではパッド層302を含む)、少なくとも1つの保護金属層(本実施例では保護金属層304を含む)及びソルダーレジスト層306を含む。
【0025】
該誘電体層300の材質がポリイミド(Polyimide,PI)である。
【0026】
該パッド層302が該誘電体層300に形成される。該パッド層302の材質が銅である。
【0027】
該保護金属層304が該パッド層302に形成されて該パッド層302と接合され、該保護金属層304が主に該パッド層302の上面のみを被覆し、該保護金属層304は外部素子と溶接又は接触する領域とする。具体的には、該保護金属層304が該パッド層302の両端から外へ広がることがなく、該パッド層302及び該保護金属層304の本来の機能に影響を与えることがない。該保護金属層304の材質がクロム、ニッケル、パラジウム及び金からなる群から選ばれる1つである。
【0028】
該ソルダーレジスト層306が該誘電体層300に形成されて該保護金属層304を露出するために少なくとも1つの開孔(本実施例では開孔308を含む)を有する。本実施例では、該ソルダーレジスト層306が該保護金属層304の上面の一部を被覆して該保護金属層304の該上面の他の部分を露出する。該ソルダーレジスト層306が該保護金属層304の該上面の一部を被覆するため、該開孔308の下面の面積が該保護金属層304の面積よりも小さい。該保護金属層304の面積が該保護金属層304の上面の面積又は該保護金属層304の下面の面積であり、該保護金属層304の上面の面積が該保護金属層304の下面の面積に等しい。
【0029】
図4を参照すると、図4は本発明の別の実施例に係る多層基板表面処理層構造40を示す図である。
【0030】
該多層基板表面処理層構造40は、誘電体層400、少なくとも1つのパッド層(本実施例ではパッド層402を含む)、少なくとも1つの保護金属層(本実施例では保護金属層404を含む)及びソルダーレジスト層406を含む。
【0031】
該誘電体層400の材質がポリイミドである。
【0032】
該パッド層402が該誘電体層400に形成される。該パッド層402の材質が銅である。
【0033】
該保護金属層404が該パッド層402に形成されて該パッド層402と接合され、該保護金属層404が主に該パッド層402の上面のみを被覆し、該保護金属層404は外部素子と溶接又は接触する領域とする。具体的には、該保護金属層404が該パッド層402の両端から外へ広がることがなく、該パッド層402及び該保護金属層404の本来の機能に影響を与えることがない。該保護金属層404の材質がクロム、ニッケル、パラジウム及び金からなる群から選ばれる1つである。
【0034】
該ソルダーレジスト層406が該誘電体層400に形成されて該保護金属層404の上面を露出するために少なくとも1つの開孔(本実施例では開孔408を含む)を有する。本実施例では、該開孔408の下面の面積が該保護金属層404の面積に等しい。つまり、該パッド層402の両端及び該保護金属層404の両端が該ソルダーレジスト層406と接合される。該保護金属層404の面積が該保護金属層404の上面の面積又は該保護金属層404の下面の面積であり、該保護金属層404の上面の面積が該保護金属層404の下面の面積に等しい。別の実施例では、該開孔408の下面の面積が該保護金属層404の面積よりも大きくてもよい。該ソルダーレジスト層406の上面が該保護金属層404の上面よりも高い。
【0035】
図5を参照すると、図5は本発明のさらに別の実施例に係る多層基板表面処理層構造50を示す図である。
【0036】
該多層基板表面処理層構造50は、誘電体層500、少なくとも1つのパッド層(本実施例ではパッド層502を含む)、少なくとも1つの保護金属層(本実施例では保護金属層504を含む)及びソルダーレジスト層506を含む。
【0037】
該誘電体層500の材質がポリイミドである。
【0038】
該パッド層502が該誘電体層500に形成される。該パッド層502の材質が銅である。
【0039】
該保護金属層504が該パッド層502に形成されて該パッド層502と接合され、該保護金属層504が主に該パッド層502の上面のみを被覆し、該保護金属層504は外部素子と溶接又は接触する領域とする。具体的には、該保護金属層504が該パッド層502の両端から外へ広がることがなく、該パッド層502及び該保護金属層504の本来の機能に影響を与えることがない。該保護金属層504の材質がクロム、ニッケル、パラジウム及び金からなる群から選ばれる1つである。
【0040】
該ソルダーレジスト層506が該誘電体層500に形成されて該保護金属層504の上面及び両端を露出して、該パッド層502の両端の一部を露出するために少なくとも1つの開孔(本実施例では開孔508を含む)を有する。本実施例では、該ソルダーレジスト層506の上面が該パッド層502の上面よりも低い。つまり、該パッド層502の両端の一部が該ソルダーレジスト層506と接合される。別の実施例では、該ソルダーレジスト層506の上面が該保護金属層504の上面よりも低く、該パッド層502の上面よりも高くてもよい。つまり、該保護金属層504の両端の一部及び該パッド層502の両端が該ソルダーレジスト層506と接合される。
【0041】
別の実施例では、該多層基板表面処理層構造50は、下から上に積層されてなる複数のパッド層502を含み、該ソルダーレジスト層506の上面がこれらのパッド層502の上面よりも低い。
【0042】
図6を参照すると、図6は本発明のさらなる一実施例に係る多層基板表面処理層構造60を示す図である。
【0043】
該多層基板表面処理層構造60は、誘電体層600、少なくとも1つのパッド層(本実施例ではパッド層602を含む)及び少なくとも1つの保護金属層(本実施例では保護金属層604を含む)を含む。
【0044】
該誘電体層600の材質がポリイミドである。
【0045】
該パッド層602が該誘電体層600に形成されて内嵌される。該パッド層602の材質が銅である。
【0046】
該保護金属層604が該パッド層602に形成されて該パッド層602と接合され、該保護金属層604が主に該パッド層602の上面のみを被覆し、該保護金属層604は外部素子と溶接又は接触する領域とする。具体的には、該保護金属層604が該パッド層602の両端から外へ広がることがなく、該パッド層602及び該保護金属層604の本来の機能に影響を与えることがない。該保護金属層604の材質がクロム、ニッケル、パラジウム及び金からなる群から選ばれる1つである。本実施例では、該保護金属層604が誘電体層600にも内嵌される。
【0047】
該パッド層602及び該保護金属層604がいずれも該誘電体層600に内嵌されるため、該パッド層602及び該保護金属層604がいずれも該誘電体層600に制限され、両端へ広がることがない。且つ該パッド層602の両端及び該保護金属層604の両端が該誘電体層600と接合される。
【0048】
図7を参照すると、図7は本発明の一実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法のフローチャートを示す図である。
【0049】
ステップS70において、誘電体層を提供する。
【0050】
ステップS72において、該誘電体層に少なくとも1つのパッド層を形成する。
【0051】
ステップS74において、該少なくとも1つのパッド層に少なくとも1つの保護金属層を形成し、該少なくとも1つの保護金属層が主に該少なくとも1つのパッド層の上面のみを被覆し、該少なくとも1つの保護金属層は外部素子と溶接又は接触する領域とする。
【0052】
ステップS76において、該誘電体層にソルダーレジスト層を形成し、該ソルダーレジスト層が該少なくとも1つの保護金属層を露出するために少なくとも1つの開孔を有する。
【0053】
図8A図8Fを参照すると、図8A図8Fは本発明の一実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
【0054】
図8Aにおいて、誘電体層800を提供する。
【0055】
該誘電体層800の材質がポリイミドである。
【0056】
図8Bにおいて、該誘電体層800にフォトレジスト層820を形成し、該フォトレジスト層820をパターン化し、該フォトレジスト層820に少なくとも1つの凹溝822を形成する。
【0057】
該フォトレジスト層820をパターン化することは該フォトレジスト層820を露光及び現像する工程を含む。
【0058】
図8Cにおいて、該少なくとも1つの凹溝822に(該誘電体層800に)少なくとも1つのパッド層(本実施例ではパッド層802を含む)を形成する。
【0059】
該パッド層802が該フォトレジスト層820の凹溝822の制限で両端から外へ広がることがないため、該パッド層802のサイズを大幅に縮小させることができ、隣り合うパッド層802の短絡の問題を防止することができる。該パッド層802が電解めっき(electroplating)又は無電解めっき(electroless plating)により形成されてもよい。又は、該パッド層802が物理気相成長法(Physical Vapor Deposition,PVD)により形成されてもよい。該パッド層802の材質が銅である。
【0060】
図8Dにおいて、該パッド層802に少なくとも1つの保護金属層(本実施例では保護金属層804を含む)を形成し、該保護金属層804が主に該パッド層802の上面のみを被覆する。
【0061】
該保護金属層804が該フォトレジスト層820の凹溝822の制限で該パッド層802の上面のみを被覆し、該パッド層802の両端から外へ広がることがないため、該保護金属層804のサイズを大幅に縮小させることができ、隣り合う保護金属層804又はパッド層802の短絡の問題を防止することができる。
【0062】
該保護金属層804が電解めっき又は無電解めっきにより形成されてもよい。又は、該保護金属層804が物理気相成長法により形成されてもよい。該保護金属層804の材質がクロム、ニッケル、パラジウム及び金からなる群から選ばれる1つである。
【0063】
図8Eにおいて、該フォトレジスト層820を除去する。
【0064】
図8Fにおいて、該誘電体層800にソルダーレジスト層806を形成し、該ソルダーレジスト層806が該保護金属層804を露出するために少なくとも1つの開孔808を有する。
【0065】
本実施例では、該ソルダーレジスト層806が該保護金属層804の上面の一部を被覆して該保護金属層804の該上面の他の部分を露出する。該ソルダーレジスト層806が該保護金属層804の該上面の一部を被覆するため、該開孔808の下面の面積が該保護金属層804の面積よりも小さい。
【0066】
別の実施例では、図4と類似し、該開孔808の下面の面積が該保護金属層804の面積と等しくてもよい。該保護金属層804の面積が該保護金属層804の上面の面積又は該保護金属層804の下面の面積であり、該保護金属層804の上面の面積が該保護金属層804の下面の面積に等しい。該ソルダーレジスト層806の上面が該保護金属層804の上面よりも高くてもよい。つまり、該パッド層802の両端及び該保護金属層804の両端が該ソルダーレジスト層806と接合される。
【0067】
さらに別の実施例では、該開孔808の下面の面積が該保護金属層804の面積よりも大きくてもよい。該ソルダーレジスト層806の上面が該保護金属層804の上面よりも高くてもよい。
【0068】
さらに別の実施例では、図5と類似し、該ソルダーレジスト層806が該誘電体層800に形成されて該保護金属層804の上面及び両端を露出して、該パッド層802の両端の一部を露出するために少なくとも1つの開孔808を有する。該ソルダーレジスト層806の上面が該パッド層802の上面よりも低くてもよい。つまり、該パッド層802の両端の一部が該ソルダーレジスト層806と接合される。又は、該ソルダーレジスト層806の上面が該保護金属層804の上面よりも低く、該パッド層802の上面よりも高くてもよい。つまり、該保護金属層804の両端の一部及び該パッド層802の両端が該ソルダーレジスト層806と接合される。
【0069】
一実施例では、図8Bのステップの後に、多層基板表面処理層構造の製造方法がさらに該誘電体層800に少なくとも1つの凹溝(凹溝822の位置に対応する)を形成させるように、該凹溝822の下の該誘電体層800の一部又は全部を除去するステップを含み、次いで図8C及び図8Dのステップにおいて、該パッド層802又は該保護金属層804の全部を該誘電体層800に形成させるように、該パッド層802及び該保護金属層804が該誘電体層800及び該フォトレジスト層820により形成された凹溝に形成される。又は、該パッド層802の一部が該誘電体層800に形成される。又は、該保護金属層804の一部が該誘電体層800に形成される。該凹溝822の下の該誘電体層800の一部又は全部を除去することは、レーザ照射又は反応性イオンエッチング(Reactive ion etching)法により完成することができる。
【0070】
一実施例において、図8Cのステップは該誘電体層800に複数のパッド層802を形成することを含み、該ソルダーレジスト層806の上面がこれらのパッド層802の該上面よりも低く、これらのパッド層802及び該保護金属層804がウエハテストのプローブとしてもよく、該複数のパッド層802が下から上に積層されてなり、先に図8Cにおけるパッド層802を形成し、次に図8Eによってフォトレジスト層を除去し、さらに2番目の図8Cのパッド層802を形成して1番目のパッド層802に積層し、さらに図8Eによってフォトレジスト層820を除去し、上記ステップを繰り返し行って複数のこれらのパッド層802を形成し、最後に保護金属層804を形成する。
【0071】
図9A図9Gを参照すると、図9A図9Gは本発明の別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
【0072】
図9Aにおいて、誘電体層900を提供する。
【0073】
該誘電体層900の材質がポリイミドである。
【0074】
図9Bにおいて、該誘電体層900に少なくとも1つの凹溝922を形成し、該凹溝922がレーザ照射又は反応性イオンエッチング(Reactive Ion etching)により完成することができる。
【0075】
図9Cにおいて、凹溝922を形成した後に該誘電体層900にフォトレジスト層920を形成し、該フォトレジスト層920をパターン化して該誘電体層900の凹溝922の上方のフォトレジストを除去する。
【0076】
該フォトレジスト層920をパターン化して該誘電体層900の凹溝922の上方のフォトレジストを除去するステップは該フォトレジスト層920を露光及び現像する工程を含む。
【0077】
図9Dにおいて、該誘電体層900及び該フォトレジスト層920により形成された凹溝922に少なくとも1つのパッド層902を形成する。
【0078】
該パッド層902が該誘電体層900及び該フォトレジスト層920により形成された凹溝922の制限で、両端から外へ広がることがないため、該パッド層902のサイズを大幅に縮小させることができ、隣り合うパッド層902の短絡の問題を防止することができる。該パッド層902が電解めっき又は無電解めっきにより形成されてもよい。又は、該パッド層902が物理気相成長法により形成されてもよい。該パッド層902の材質が銅である。
【0079】
図9Eにおいて、該パッド層902に少なくとも1つの保護金属層904を形成し、該保護金属層904が主に該パッド層902の上面のみを被覆する。
【0080】
該保護金属層904が該誘電体層900及び該フォトレジスト層920により形成された凹溝922の制限で、両端から外へ広がることがないため、該保護金属層904のサイズを制御可能にし、大幅に縮小させることができ、隣り合う保護金属層904又はパッド層902の短絡の問題を防止することができる。
【0081】
該保護金属層904が電解めっき又は無電解めっきにより形成されてもよいか、又は、該保護金属層904が物理気相成長法により形成されてもよい。該保護金属層904の材質がクロム、ニッケル、パラジウム及び金からなる群から選ばれる1つである。
【0082】
図9Fにおいて、該フォトレジスト層920を除去する。
【0083】
図9Gにおいて、該誘電体層900にソルダーレジスト層906を形成し、該ソルダーレジスト層906が該保護金属層904を露出するために少なくとも1つの開孔908を有する。
【0084】
本実施例では、該ソルダーレジスト層906が該保護金属層904の上面の一部を被覆して、該保護金属層904の該上面の他の部分を露出する。該ソルダーレジスト層906が該保護金属層904の該上面の一部を被覆するため、該開孔908の下面の面積が該保護金属層904の面積よりも小さい。該保護金属層904の面積が該保護金属層904の上面の面積又は該保護金属層904の下面の面積であり、該保護金属層904の上面の面積が該保護金属層904の下面の面積に等しい。
【0085】
該ソルダーレジスト層906が被覆する面積及び高さについて、本実施例は図8A図8Fの実施例と同じであり、段落0054~0070の関連説明を参照することができる。
【0086】
図10A図10Dに示すように、図10A~10Dは本発明のさらに別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法を示す図である。
【0087】
図10Aにおいて、誘電体層1000を提供し、該誘電体層の材質がポリイミドである。
【0088】
図10Bにおいて、該誘電体層1000に少なくとも1つの凹溝1022を形成し、該凹溝1022がレーザ照射又は反応性イオンエッチング法などにより完成することができる。
【0089】
図10Cにおいて、該誘電体層1000の凹溝1022に少なくとも1つのパッド層1002を形成し、且つ該パッド層1002が該誘電体層1000に内嵌され、即ち該パッド層1002の上面が該誘電体層1000の上面よりも低い。
【0090】
該パッド層1002が電解めっき又は無電解めっきにより形成されてもよい。又は、物理気相成長法により形成される。
【0091】
図10Cから分かるように、該パッド層1002形成時に、該誘電体層1000における該凹溝1022の制限により、外へ広がることができないため、そのサイズを制御可能にし、該パッド層1002のサイズを容易に極小にさせ、隣り合う両パッド層1002も短絡の問題を防止することができる。該パッド層1002の材質が銅である。
【0092】
図10Dにおいて、該少なくとも1つのパッド層1002に少なくとも1つの保護金属層1004を形成し、該少なくとも1つの保護金属層1004が主に該少なくとも1つのパッド層1002の上面のみを被覆し、該少なくとも1つの保護金属層1004は外部素子と溶接又は接触する領域とし、該少なくとも1つの保護金属層1004が該誘電体層1000にも内嵌される。
【0093】
該保護金属層1004が電解めっき又は無電解めっきにより形成されてもよいか、又は、物理気相成長法により形成される。
【0094】
図10Dから分かるように、該保護金属層1004が該誘電体層1000に内嵌され、該保護金属層1004形成時に、該誘電体層1000における該凹溝1022の制限により、外へ広がることができないため、そのサイズを制御可能にし、該保護金属層1004のサイズを容易に極小にさせ、隣り合う両パッド層1002又は隣り合う両保護金属層1004も短絡の問題を防止することができる。該少なくとも1つの保護金属層1004の材質がクロム、ニッケル、パラジウム及び金からなる群の1つである。
【0095】
本実施例では、該保護金属層1004が完成した後に、必要に応じて該誘電体層1000にソルダーレジスト層(図示せず)を増加してもよく、該ソルダーレジスト層が該少なくとも1つの保護金属層1004を露出するために少なくとも1つの開孔を有する。
【0096】
該ソルダーレジスト層の面積及び高さが図8A図8F及び図9A図9Gの実施例と同じであり、ここではその説明を省略する。
【0097】
図11A図11Eを参照すると、図11A図11Eは本発明のさらなる一実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
【0098】
図11Aにおいて、基板1130を提供する。
【0099】
該基板1130が単層基板又は多層基板であってもよい。
【0100】
図11Bにおいて、該基板1130に感光性誘電体層1100を形成し、該感光性誘電体層1100をパターン化し、該感光性誘電体層1100に少なくとも1つの凹溝1122を形成する。
【0101】
該感光性誘電体層1100をパターン化することは該感光性誘電体層1100を露光及び現像する工程を含む。該感光性誘電体層1100が直接露光及び現像工程を行うことができるため、図8Bのフォトレジスト層820を必要としない。
【0102】
図11Cにおいて、該少なくとも1つの凹溝1122に少なくとも1つのパッド層(本実施例ではパッド層1102を含む)を形成する。
【0103】
該パッド層1102が該感光性誘電体層1100の凹溝1122の制限で両端から外へ広がることがないため、該パッド層1102のサイズを大幅に縮小させることができ、そのサイズを容易に制御し、隣り合うパッド層1102の短絡の問題を防止することができる。本実施例では、該パッド層1102が該感光性誘電体層1100に内嵌される。該パッド層1102が電解めっき又は無電解めっきにより形成されてもよい。又は、該パッド層1102が物理気相成長法により形成されてもよい。該パッド層1102の材質が銅である。
【0104】
図11Dにおいて、該パッド層1102に少なくとも1つの保護金属層(本実施例では保護金属層1104を含む)を形成し、該保護金属層1104が主に該パッド層1102の上面のみを被覆する。
【0105】
該保護金属層1104が該感光性誘電体層1100の凹溝1122の制限で該パッド層1102の上面のみを被覆し、該パッド層1102の両端から外へ広がることがないため、該保護金属層1104のサイズを大幅に縮小させることができ、そのサイズを容易に制御し、隣り合う保護金属層1104及びパッド層1102の間の短絡の問題を防止することもできる。該少なくとも1つの保護金属層1104の材質がクロム、ニッケル、パラジウム及び金からなる群の1つである。
【0106】
図11Eにおいて、該感光性誘電体層1100にソルダーレジスト層1106を形成し、該ソルダーレジスト層1106が該保護金属層1104を露出するために少なくとも1つの開孔1108を有する。
【0107】
本実施例では、該ソルダーレジスト層1106が該保護金属層1104の上面の一部を被覆して該保護金属層1104の該上面の他の部分を露出する。該ソルダーレジスト層1106が該保護金属層1104の該上面の一部を被覆するため、該開孔1108の下面の面積が該保護金属層1104の面積よりも小さい。該保護金属層1104の面積が該保護金属層1104の上面の面積又は該保護金属層1104の下面の面積であり、該保護金属層1104の上面の面積が該保護金属層904の下面の面積に等しい。
【0108】
本実施例では、ソルダーレジスト層1106が必要に応じて被覆してもよく、その開口の大きさ及び高さが前記多層基板表面処理層構造の製造方法の実施例の説明方法と同じである。
【0109】
図12A図12Gを参照すると、図12A図12Gは本発明のさらなる別の実施例に係る多層基板表面処理層構造の製造方法の詳細なフローチャートを示す図である。
【0110】
図12Aにおいて、基板1230を提供する。
【0111】
該基板1230が単層基板又は多層基板であってもよい。
【0112】
図12Bにおいて、該基板1230に感光性誘電体層1200を形成し、該感光性誘電体層1200をパターン化し、該感光性誘電体層1200に少なくとも1つの凹溝1222を形成する。該感光性誘電体層1200の主な材質がポリイミドである。
【0113】
該感光性誘電体層1200をパターン化することは該感光性誘電体層1200を露光及び現像する工程を含む。該感光性誘電体層1200が直接露光現像工程を行うことができるため、図8Bのフォトレジスト層820を必要としない。
【0114】
図12Cにおいて、該パターン化した感光性誘電体層1200にフォトレジスト層1220を形成し、該フォトレジスト層をパターン化して、該感光性誘電体層1200の凹溝1222におけるフォトレジストを除去する。
【0115】
該フォトレジスト層のパターン化は、露光現像工程により完成することができる。
【0116】
図12Dにおいて、該少なくとも1つの凹溝1222に少なくとも1つのパッド層1202を形成する。
【0117】
該パッド層1202が該感光性誘電体層1200及びフォトレジスト層1220により形成された凹溝1222の制限で、両端から外へ広がることがないため、該パッド層1202のサイズを大幅に縮小させることができ、そのサイズを容易に制御し、隣り合うパッド層1202の短絡の問題も防止することができる。
【0118】
本実施例では、該パッド層1202の一部が感光性誘電体層1200に内嵌される。該パッド層1202が電解めっき又は無電解めっきにより形成されてもよい。又は、該パッド層1202が物理気相成長法により形成されてもよい。該パッド層1202の材質が銅である。
【0119】
図12Eにおいて、該パッド層1202に少なくとも1つの保護金属層1204を形成し、該保護金属層1204が主に該パッド層1202の上面のみを被覆する。該保護金属層1204の材質がクロム、ニッケル、パラジウム及び金からなる群の1つである。
【0120】
保護金属層1204が該感光性誘電体層1200及び該フォトレジスト層1220により形成された凹溝1222の制限で、主に該パッド層1202の上面のみを被覆する。パッド層1202の両端から外へ広がることがないため、該保護金属層1204のサイズを大幅に縮小させることができ、そのサイズを容易に制御し、隣り合う保護金属層1204及び隣り合うパッド層1202の間の短絡の問題を防止することもできる。
【0121】
図12Fにおいて、該フォトレジスト層1220を除去する。
【0122】
図12Gにおいて、該感光性誘電体層1200にソルダーレジスト層1206を形成し、該ソルダーレジスト層1206が該保護金属層1204を露出するための開孔1208を有する。
【0123】
本実施例では、ソルダーレジスト層1206の開口の大きさ及び高さの説明方法が前記多層基板表面処理層構造の製造方法の実施例と同じである。
【0124】
本発明の多層基板表面処理層構造及びその製造方法は、保護金属層が主にパッド層の上面のみを被覆し、パッド層の両端から外へ広がることがないため、従来技術においてパッド層及び保護金属層が予測できないほど広がって微細化できないという問題を解決することができる。
【0125】
本発明を好ましい実施例を用いて上記の通りに説明したが、これは本発明を限定するためのものではなく、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、様々な変更や修正を加えることができ、したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲で指定したものを基準とする。
【符号の説明】
【0126】
30、40、50、60 多層基板表面処理層構造
100、300、400、500、600、800、900、1000 誘電体層
102 導電性シード層
104、302、402、502、602、802、902、1002、1102、1202 パッド層
106、304、404、504、604、804、904、1004、1104、1204 保護金属層
108、306、406、506、806、906、1106、1206 ソルダーレジスト層
110、822、922、1022、1122、1222 凹溝
308、408、508、808、908、1108 開孔
820、920、1220 フォトレジスト層
1100、1200 感光性誘電体層
1130、1230 基板
S70~S76 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
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